説明

画像形成装置、トナー量算出方法及びプログラム

【課題】印刷設定が変更された場合に、速やかにトナー量を計算することを目的とする。
【解決手段】印刷設定情報を受信する受信手段と、受信手段で受信された印刷設定情報に基づいて、印刷データに対して画像処理を施し、画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段で形成された画像に基づいて印刷データの印刷データ特徴量を算出する印刷データ特徴量算出手段と、印刷設定情報が変更された場合、変更前の印刷設定情報と変更後の印刷設定情報との差分情報と、変更前の印刷設定情報に基づき画像形成手段で形成された画像に基づいて印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量と、に基づいて、トナー量を算出する第一のトナー量算出手段と、を有することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、トナー量算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプレビュー表示装置には印刷設定に基づいてトナー使用量を算出し表示する機能を有するものがあった(特許文献1参照。)。先行技術では、対象となる印刷データを出力するに当たり、印刷データを出力するのに要するトナー量を算出し、本体に充填されているトナーが不足する場合には警告を出す機能を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−343641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザがストレスを感じずにプレビュー画面を操作するためには高い応答性が求められる。しかしながら、先行技術においては印刷設定が変更されると、変更された印刷設定に従って、画像を形成し、使用したトナー量を再度計算していた。画像形成ではユーザが指定した印刷設定に従って、様々な座標変換や画像処理が必要となり、処理としては計算コストが大きく、トナー量に基づく課金額表示機能等を実現しようとした場合、応答性能が劣化する。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、印刷設定が変更された場合に、速やかにトナー量を計算することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の画像形成装置は、印刷設定情報を受信する受信手段と、前記受信手段で受信された印刷設定情報に基づいて、印刷データに対して画像処理を施し、画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段で形成された画像に基づいて前記印刷データの印刷データ特徴量を算出する印刷データ特徴量算出手段と、前記印刷設定情報が変更された場合、変更前の印刷設定情報と変更後の印刷設定情報との差分情報と、変更前の印刷設定情報に基づき前記画像形成手段で形成された画像に基づいて前記印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量と、に基づいて、トナー量を算出する第一のトナー量算出手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、印刷設定が変更された場合に、速やかにトナー量を計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】プレビュー画面UIの一例を示す図である。
【図3】画像形成装置のモジュール構成の一例を示す図である。
【図4】トナー量算出のロジックを説明するための図である。
【図5】プレビュー画像を表示する全体の流れを説明するフローチャートである。
【図6】フルサイズ画像より印刷データ特徴量を算出する処理に関するフローチャートである。
【図7】印刷データ特徴量よりトナー量を算出する処理に関するフローチャートである。
【図8】トナー量より課金額を算出するフローチャートである。
【図9】レイアウト変更によって再ラスタライズが必要かどうかを判定する処理のフローチャートである。
【図10】印刷設定差異があった場合にトナー量等倍変動量を算出するのに用いる影響度係数表の一例を示す図である。
【図11】印刷設定差異よりトナー量等倍変動量を算出する処理に関するフローチャートである。
【図12】印刷データ特徴量、トナー量等倍変動量、拡大率から、トナー量を算出する処理に関するフローチャートである。
【図13】実施形態1で使用している印刷データの一例を示す図である。
【図14】計算例1での計算方法を説明するための図である。
【図15】計算例2での計算方法を説明するための図である。
【図16】計算例3での計算方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
まず、以下に示す各実施形態の概要を説明する。
以下に示す各実施形態の画像形成装置は、印刷データをインタプリット、ラスタライズ処理した後に、印刷データの特徴量(印刷データ特徴量)を算出する。印刷設定情報が変更された場合、画像形成装置は、印刷設定情報の変更に関する差分情報と、印刷データ特徴量と、に基づいて、トナー量(トナー使用量)の変動があるのか概算する。このようにすることによって、印刷設定が変更された場合に、速やかにトナー量を計算することができる。
但し、変更された印刷設定情報の内容等によっては、概算のため、計算結果のトナー量が正確さに欠ける場合も考えられる。したがって、以下に示す各実施形態の画像形成装置は、出力画像に大きな変更を与えないような印刷設定情報の変更の場合は、差分情報と、印刷データ特徴量と、に基づいて、トナー量を算出する。一方、出力画像に大きな変更を与えるような印刷設定情報の変更の場合は、画像形成装置は、変更後の印刷設定情報に基づいて、画像を形成し、形成した画像に基づいて印刷データの印刷データ特徴量を算出する。そして、画像形成装置は、算出した印刷データ特徴量に基づいて、トナー量を算出する。
【0010】
図1は、画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
プロセッサ101は、バス100を通じて、メモリ102、ディスク装置103、キーボード104、ポインティングデバイス105、ビデオアダプタ106、及び、ネットワークアダプタ107と接続されている。同様に、プロセッサ101は、RIPデバイス111、プリンタエンジン112とも接続されている。ビデオアダプタ106には、ディスプレイ装置108が接続されている。
プロセッサ101は、メモリ102に記憶された処理手順、即ち、所定のプログラムに従って、上述した各構成部を制御する。このように、メモリ102には、プロセッサ101が利用するプログラムやデータが記憶されている。また、ディスク装置103には、画像形成装置が必要とするプログラムやデータが記録されている。ディスク装置103は、2つ以上が接続されていてもよい。また、ROM・ハードディスク・USBストレージ・SDカード・ネットワークストレージ等他の記憶装置によって代替されてもよい。なお、後述する閾値等は、ディスク装置103に記憶されているものとする。
ユーザは、キーボード104やポインティングデバイス105により、画像形成装置に情報を入力することができる。また、画像形成装置は、ビデオアダプタ106によって、種々の情報をディスプレイ装置108に表示することが可能である。加え、画像形成装置、ネットワークアダプタ107を介してネットワーク110に接続することができる。
メディアダイレクトプリントにおける処理の流れを以下に説明する。メディアダイレクトプリントしようとするユーザは、ディスク装置103としてUSBストレージやSDカード等のストレージデバイスを画像形成装置へ接続する。ユーザは、キーボード104やポインティングデバイス105を介して画像形成装置にメディアダイレクトプリントのためのメニュー画面を表示する指示を行う。これは、プロセッサ101が接続されたことを自動的に検知すると自動的にメディアダイレクトプリントのためのメニュー画面を表示する構成を用いてもよい。プロセッサ101は、ディスク装置103に含まれるファイル一覧をディスプレイ装置108上に表示する。ユーザは、ディスプレイ装置108に表示されたファイル一覧から、キーボード104やポインティングデバイス105を用いて、処理対象のファイルを選択する。ファイルが選択されると、画像形成装置は、それをプレビュー表示指示と見なし、プレビュー表示画面をディスプレイ装置108に表示する。
ユーザより印刷指示或いはプレビュー表示指示がなされると、メモリ102上に記憶された下記手順の基づくプログラムをプロセッサ101によって実行することで、印刷データが解釈される。この解釈結果に従ってRIPデバイス111が画像を形成する。印刷指示がなされた場合では、プリンタエンジン112が形成画像を物理用紙に印字する。プレビュー表示指示がなされた場合では、ディスプレイ装置108上に形成画像が表示される。
【0011】
プロセッサ101は、ユーザから指定されたファイル名の情報を印刷指示より取得し、ディスク装置103から印刷データとしてファイルを読み込む。プロセッサ101は、ファイルの内容、或いはファイル名の少なくとも片方の特徴から記載されているデータを処理するPDL言語を決定する。プロセッサ101は、決定したPDL言語の構文に従い、ファイルの解釈処理、解釈処理に基づいたページ生成処理、描画処理、或いはページ終了処理等を実行する。ページ生成処理は、後述する描画処理で生成されるディスプレイリストを保持するための領域をメモリ102上に確保するための処理である。また、ページを開始するにあたって行われるその他の初期化処理も行われる。描画処理は、ファイルに記載されている描画命令を解釈し、RIPデバイス111が解釈可能なディスプレイリストへ変換する処理である。このディスプレイリストには、塗り潰す色、若しくはタイルパターンの指定、描画する領域の指定、クリッピングする領域の指定が含まれる。ページ終了処理は、現在処理している論理ページでの処理が終了を意味し、利用しなくなったリソースの解放等を行う処理である。また、プロセッサ101は、RIPデバイス111にディスプレイリストを通知する。RIPデバイス111は、前記ディスプレイリストを基に形成画像を形成し、メモリ102上に記憶する。
【0012】
<<実施形態1>>
ここで、図2、図3を用いて実施形態1を説明する。
<印刷設定UI>
先に図2を基に、本実施形態を好適に適用した場合のプレビュー表示部212によってディスプレイ装置108上に表示されるプレビュー画面UIの一例を説明する。
プレビュー表示画像300は、印刷データを基に形成したプレビュー画像を表示するための画像である。プリントボタン301は、後述する各種印刷設定307〜336で設定可能な印刷設定に基づき、プリンタエンジン112によって印刷データを物理用紙に印刷する指示をするためのボタンである。プレビューボタン302は、後述する307〜333で設定可能な印刷設定に基づき、ディスプレイ装置108によって印刷データを画面上に表示する指示をするためのボタンである。クリアボタン303は、後述する307〜333で設定可能な印刷設定を、機器のデフォルト設定に戻すためのボタンである。メインタブ304は、主に印刷時で頻繁に用いられる印刷設定を表示するためのタブボタンである。CMSタブ305は、印刷時に用いられるカラーマッチング処理に関する印刷設定を表示するためのタブボタンである。画像処理タブ306は、その他の画像処理で用いられる印刷設定を表示するためのタブボタンである。メインタブ304が選択された場合、図2(a)が表示される。CMSタブが選択された場合、左側には、図2(a)の左側にあるプレビュー表示画像300、各種ボタン301〜303が、右側には図2(b)が表示される。同様に、画像処理タブが選択された場合、左側には、図2(a)の左側にあるプレビュー表示画像300、各種ボタン301〜303が、右側には図2(c)が表示される。左側のコンテンツについてはどのタブを選択しても内容に変化が無いため、ここでは共通部として省略している。
【0013】
以下の処理は、インタプリット部203の一部としてプロセッサ101によって実行される。
カラーモード設定307は、印刷データを出力する色空間を選択する設定である。「カラー」「モノクロ」が設定できる。
解像度設定308は、印刷データを出力するときにラスタライズ部204で形成する画像の解像度を設定する選択肢である。解像度設定308では、「600dpi」と「1200dpi」とが選択可能である。
印刷サイズ設定309は、出力しようとする物理用紙のサイズを選択する設定である。印刷サイズ設定309では、プリンタエンジン112がサポートしている用紙サイズ内のものが選択可能である。また、「自動」が選択された場合には、プロセッサ101は、印刷データ214に含まれる用紙サイズ情報を用いて、出力しようとする物理用紙サイズを決定する。
部数設定310は、出力しようとする物理用紙の部数を選択する設定である。
印字領域拡大指定311は、出力しようとする物理用紙上のエンジン余白部分を無視して画像形成と印字をするための指定である。これが「しない」となっている場合、物理用紙の端部より数ミリがエンジン余白として印刷対象外となる。これが「する」となっている場合、物理用紙全体を印字対象とするが、エンジン都合上印字不可能な部分については描画されない。
用紙サイズに拡大・縮小設定312は、印刷サイズ設定309で設定した印刷サイズに従って、印刷データ214内のオブジェクトを拡大及び縮小して出力するかを選択する設定である。「する」となっている場合、適当な拡大率或いは縮小率によって出力しようとする物理用紙のサイズに合わせて画像形成が行われる。この際、印刷データ内のオブジェクトのアスペクト比は保持される。なお印刷サイズ設定309で「自動」が選択されている場合、この設定は無効となり、出力画像に影響を及ぼさない。
【0014】
面付け設定313は、印刷サイズ設定309で設定した出力しようとする物理用紙上に、印刷データ内の論理ページを面付けする設定である。面付け設定313では、「1up」「2up」「4up」「6up」「8up」「9up」「16up」がそれぞれ設定可能である。物理用紙をそれぞれの面付け数に合わせて分割し、印刷データ内の論理ページを、アスペクト比を保持したまま拡大・縮小する。なお、印刷サイズ設定309で「自動」が選択された場合、この設定は無効となる。
両面印刷設定314は、出力しようとする物理用紙に対して片面のみ印刷するか、両面に印刷するかを選択する設定である。「する」が選択されている場合には、プリンタエンジン112は両面への印字を試みる。また、「しない」が選択されている場合には、プリンタエンジン112は片面への印字を試みる。
ステイプル設定315は、出力しようとする物理用紙に対してステイプルをするかを選択する設定である。「しない」が選択されている場合には、ステイプルは行われない。その他の選択肢として、「右上」「左上」「右下」「左下」「右」「上」「左」「下」が選択可能であって、それぞれの位置に対してステイプルを実施するための設定である。
仕上げ設定316は、印刷しようとする物理用紙に対して部数設定310で複数部指定されている場合の仕上げ方法を選択するための設定である。「ソート」が設定されている場合には、印刷データに含まれる論理ページが順次印刷され、それを部数設定310で指定された回数繰り返される。「グループ」が設定されている場合には、印刷データに含まれる論理ページを部数設定310で指定された回数繰り返し印刷され、それが全論理ページに対して行われる。
【0015】
CMSタブ305で設定可能な、CMS処理に対する設定について説明する。この設定は、カラーモード設定307が「カラー」である場合に有効である。プロセッサ101が、入力プロファイル設定317〜319、出力プロファイル設定320〜322、マッチングモード323〜325に従い、印刷データに含まれる各オブジェクトに対してCMS処理を行う。各オブジェクトに含まれる色情報は、これらの設定に従ってCMS処理がなされる。
画像処理タブ306で設定可能な、その他の画像処理について説明する。カラーモード設定307で「モノクロ」が選択された場合、プロセッサ101が、グレースケール変換方式326〜328で指定された変換方式に従い印刷データに含まれる各オブジェクトに含まれる色情報(カラー)をグレイデータに変換する。グレースケール変換方式326〜328は、印刷データ内のオブジェクト種別に従って、テキスト、グラフィック、イメージのそれぞれのオブジェクトタイプ毎に設定することができる。選択肢として「RGB均等」「NTSC」「RGB均等」が選択でき、プロセッサ101は、それぞれ下記計算式に基づいてGrayを計算する。
sRGB : Gray = 0.21 * Red + 0.72 * Green + 0.07 * Blue
NTSC : Gray = 0.3125 * Red + 0.5625 * Green + 0.1250 * Blue
RGB 均等 : Gray = (Red + Green + Blue) / 3
グレイ補償設定329〜331は、印刷データ内の各オブジェクトに含まれる色情報のうち、グレイデータ部分についてCMYKの混合色ではなくK単色で出力するための設定である。これが「する」に設定されている場合、プロセッサ101は、対象となるオブジェクトに含まれる色情報がR=G=B或いはC=M=Yであるデータ部分については前記CMS処理を実施しない。
【0016】
デジタルイメージ補正設定332〜334は、イメージオブジェクトに対して自動的に補正を行うための設定である。カラーモード設定307として「カラー」が選択された場合に有効である。顔明るく補正設定332において「する」が選択されている場合、プロセッサ101は、イメージオブジェクト内から顔を検出し、明度補正処理を行う。赤目補正設定333において「する」が選択されている場合、プロセッサ101は、イメージオブジェクト内から赤目部分を検出し、彩度補正処理を行う。自動写真補正処理334において「する」が選択されている場合、プロセッサ101は、イメージオブジェクト全体のコントラストと明度とを補正する。
文字墨版設定335は、テキストオブジェクトの色がR=G=B=0或いはC=M=Y=100%、若しくはK=100%となっている場合に、CMS処理を実施せずに出力するための設定である。
のり量制限設定336は、出力しようとする画像においてCMYK各プレーンのトナー量の総和に対して制約を設ける設定である。トナーのり量制限とは、プリンタエンジン112の制限により1画素に用いることのできるトナー量に限界がある場合に許容値内に収めるための設定である。例えば、240%が制限となっている場合には、C=100%、M=100%、Y=60%、K=0%の色は合計すると260%であるので超過となってしまう。この場合、逆UCR処理によって、C=90%、M=90%、Y=50%、K=10%とすることで240%というトナーのり量制限内に納められる。なお、このことは本実施の形態を制限するものではなく、その他の方法によってトナーのり量制限内に納めてもよい。
図2(a)の右、及び(b)(c)に配置された標準に戻すボタン337は、各設定を初期化するためのボタンである。これを選択された場合、プロセッサ101は、表示中の各設定は機器デフォルトの設定に初期化する。
図2(a)の左に配置された課金額表示ボックス338は、印刷設定307〜336で設定された印刷設定に基づいて印刷処理が実施された場合に必要となる課金額をユーザに通知するべく表示するためのボックスである。
なお、ここで述べた各設定のうち幾つかはトナー量算出には関連しない項目もある。例えば、両面印刷設定314やステイプル設定315である。
【0017】
<モジュール構成>
次に、図3を基に、本実施形態において特にプレビュー表示機能に着目して、そのモジュール構成を説明する。図3は、画像形成装置のモジュール構成の一例を示す図である。
スプール部213は、ディスク装置103によって実現される。ラスタライズ部204は、RIPデバイス111によって実現される。印刷データ受信部219は、ネットワーク220を介して別のコンピュータ221から送信された印刷データを受信することで実現される。その他の部は、プログラムとして処理手順がメモリ102に保持され、プロセッサ101によってプログラムが実行されることで実現される。
印刷データ受信部219は、プレビュー対象とする印刷データを受信し、スプール部213内に印刷データ214として保持する。
プレビュー表示・更新指示受信部201は、プレビューボタン302が選択されたことを受信する。印刷設定受信部202は、307〜336に示される各印刷設定情報を取得する。インタプリット部203は、印刷設定に従い、PDL構文に基づいて対象となる印刷データ214を解釈する。ラスタライズ部204はインタプリット部203が解釈した結果に従ってフルサイズ画像216を形成する。印刷データ特徴量算出部206は、ラスタライズ部204が形成したフルサイズ画像216から特徴量を算出する。また、印刷データ特徴量算出部206は、同時に印刷設定記録データ218として印刷データ特徴量と印刷設定とを保持する。詳細トナー量算出部209は、印刷データ特徴量を基にトナー量を算出する。詳細トナー量算出部209は、第二のトナー量算出手段の一例である。
【0018】
印刷設定変更抽出部205は、印刷設定記録データ218と印刷設定受信部202で受信した印刷設定との差分を抽出し、印刷設定差分データ222として保持する。トナー量等倍変動量算出部207は、変更された印刷設定と印刷データ特徴量217とに基づきトナー量等倍変動量を算出する。トナー量等倍変動量判断部208は、トナー量等倍変動量算出部207で算出されたトナー量等倍変動量が閾値以上か閾値未満かを判断する。簡易トナー量算出部210は、印刷データ特徴量217、印刷設定差分データ222に基づきトナー量を簡略的に算出する。簡易トナー量算出部210は、第一のトナー量算出手段の一例である。課金額算出部211は、詳細トナー量算出部209若しくは簡易トナー量算出部210によって算出されたトナー量を基に、課金額を求める。プレビュー画像更新部223は、フルサイズ画像216を基にプレビュー画像215を生成する。プレビュー表示部212は、プレビュー画像215及び前記課金額を表示する。
なお、ここでは冗長となるため詳細は記述しないが、本システムでは、プリントボタン301が選択されたことを受信すると、下記手順で印刷データの内容を物理用紙に印字する部を有する。下記手順とは、印刷設定受信部202によって印刷設定を受信し、インタプリット部203が印刷データを解釈し、ラスタライズ部204がフルサイズ画像216を形成する。このフルサイズ画像216をプリンタエンジン112によって物理用紙に印字し出力する。
【0019】
<トナー量算出計算方法>
まず先に、図4を用いてトナー量算出のロジックについて説明を行う。本実施形態においては1ページのトナー量をカラーとモノクロとに分け、更に印刷設定に変更があった場合に算出しやすいように面積、濃度、等倍変動量に分けている。
モノクロトナー面積1604は、フルサイズ画像216上でモノクロである画素の面積を意味している。モノクロである画素とは、RGB画像であればR=G=B、CMYK画像であればC=M=Yであることを満たす画素である。カラーである画素とは、上記条件を満たさない画素である。モノクロトナー濃度1605とは、フルサイズ画像216上でモノクロである画素の濃度を意味している。つまりC版、M版、Y版、K版の濃度の合計となる。このモノクロトナー面積1604とモノクロトナー濃度1605とを乗算することで印刷設定変更が行われていない場合のモノクロである画素に対するトナー量を算出することがきる。これに対して印刷設定変更によって増加するトナー量はモノクロトナー量等倍変動量1606として管理される。
同様に、カラートナー面積1601、カラートナー濃度1602、カラートナー量等倍変動量1603もあるが、基本的には対象とする画素がモノクロであるかカラーであるかの違いしかないため、ここでは説明を省略する。
カラートナー量等倍変動量1603とモノクロトナー量等倍変動量1606との合計がトナー量等倍変動量1608である。この値が予め定められた値より大きい場合には設定変更する前の画像に対して影響度(変動)も大きくなり、トナー量の算出は厳密に行わなければならない。この値が予め定められた値より小さい場合には設定変更する前の画像に対する影響度(変動)が小さいため概算の値を表示することができる。
印刷設定変更が行われていない場合のカラーである画素に対するトナー量、モノクロである画素に対するトナー量、及びトナー量等倍変動量の総和に、更に面積比での拡大率を乗じると事印刷設定変更が行われた場合のトナー量の概算値であるトナー量1600が求められる。
【0020】
<全体の処理>
図5は、プレビュー画像を表示する全体の流れを説明するフローチャートである。この処理は図2において対象となる印刷データ214が既に選択されている状態で、プレビュー表示・更新指示受信部201によってプレビュー画面の表示・更新が指示された場合に処理が開始される。
印刷設定受信部202は、図2に示す各種印刷設定と対象となる印刷データ214とを受信する(S401)。印刷設定受信部202は、受信した図2に示す各種印刷設定を印刷設定224として保持する。印刷設定受信部202は、合わせて、この印刷データ214と印刷設定224との組み合わせに対する印刷データ特徴量217が印刷設定記録データ218内に保持されているかを判定する(S402)。もし、印刷データ特徴量217が保持されていない場合には、画像形成装置は、詳細トナー量算出を行うための処理を実行する(S403〜407)。もし、印刷データ特徴量217が保持されている場合には、画像形成装置は、簡易トナー量算出を試みる。ここでは先に、印刷データ特徴量217が保持されていない場合を説明する。
印刷データ214に関連する印刷データ特徴量217が印刷設定記録データ218内に保持されていない場合には、画像形成装置は、印刷データ214からフルサイズ画像216を形成し、それに基づいて詳細トナー量算出を行う。最初に、インタプリット部203が、印刷データ214と印刷設定224に基づいて印刷データの解釈処理を行う(S403)。ここで解釈した結果を用いて、ラスタライズ部204は、フルサイズ画像216を形成する(S404)。フルサイズ画像216には先述したイメージプレーン225と属性プレーン226との2種類が含まれる。印刷データ特徴量算出部206は、イメージプレーン225、属性プレーン226を用いて印刷データ特徴量217を算出する(S405)。この詳細は後述する。
詳細トナー量算出部209は、印刷データ特徴量217を基にトナー量227を算出する(S406)。詳細トナー量算出部209は、印刷データ特徴量217、印刷設定224及びトナー量227を関連付けて、印刷設定記録データ218として保持する(S407)。
【0021】
印刷データ214に関連する印刷データ特徴量217が印刷設定記録データ218内に保持されている場合には、トナー量等倍変動量判断部208は、変更された印刷設定よりトナー量等倍変動量を算出し、可能であれば簡易トナー量算出部210を適用する。トナー量等倍変動量判断部208は、前回の印刷設定を印刷設定記録データより取得する(S408)。トナー量等倍変動量判断部208は、前回の印刷設定と現在設定されている印刷設定224との差分を求め、印刷設定差分データ222として保持する。
まず、トナー量等倍変動量判断部208は、レイアウトに関する印刷設定の変更に伴い再ラスタライズが必要か否かを判定する(S421)。この詳細については後述する。その結果、再ラスタライズが必要と判断された場合には、トナー量等倍変動量判断部208は、詳細トナー量算出のためのシーケンス処理が実行されるように処理を分岐する(S412)。
トナー量等倍変動量判断部208は、この印刷設定差分データ222に基づき、トナー量等倍変動量を算出する(S410)。この詳細は後述する。トナー量等倍変動量判断部208は、トナー量等倍変動量が閾値を超過した場合には、前述した詳細トナー量算出のためのシーケンス処理を実行するように処理を分岐する(S411)。
印刷サイズ指定が「自動」であれば印刷データ内のページサイズの指定に従って出力用紙サイズが選択される。それ以外の「A4」「A3」等の固定サイズであれば、その固定サイズが出力用紙サイズとして選択される。印字領域拡大が指定されていなければ用紙の上下左右端に余白が設けられ、その中でレイアウトを行われる。印字領域拡大が指定されていれば用紙全体上でレイアウトが行われる。用紙サイズに拡大/縮小が指定されていればレイアウトする領域内に印刷データの各論理ページが拡大・縮小して出力される。用紙サイズに拡大/縮小が指定されていなければ、等倍のままレイアウトする領域内に描画される。
【0022】
印刷設定差分データ222の中で、トナーのり量制限が前回は制限無し、かつ、現在は240%制限を有する場合(S413)には、トナー量等倍変動量判断部208は、印刷データ特徴量内の240%以上画素数情報が1以上であるかを判断する。もし1以上であれば、トナー量等倍変動量判断部208は、詳細トナー量算出のためのシーケンス処理が実行されるように分岐する。そうでなければ後述する簡易トナー量算出のためのシーケンス処理が実行されるように処理を分岐する(S414)。
印刷設定差分データ222の中で、トナーのり量制限が前回は240%制限を有し、現在は制限無しである場合には、トナー量等倍変動量判断部208は、詳細トナー量算出のためのシーケンス処理が実行されるように処理を分岐する。そうでなければ、つまりトナーのり量制限に変更が無ければ、トナー量等倍変動量判断部208は、後述する簡易トナー量算出のためのシーケンス処理が実行されるように分岐する(S415)。
簡易トナー量算出部210は、印刷データ特徴量、トナー量等倍変動量、及び拡大率に基づいてトナー量を算出するための、簡易トナー量算出処理を実施する(S416)。詳細については後述する。
詳細トナー量算出部209、又は簡易トナー量算出部210によってトナー量が算出されると、課金額算出部211がトナー量より課金額を算出する(S417)。この詳細は後述する。
以上を受けて、プレビュー画像更新部223は、フルサイズ画像216が更新されているかを判断し(S418)、更新されている場合にはプレビュー画像を更新する(S419)。また、プレビュー画像更新部223は、プレビュー画像と課金額とをプレビュー画面に表示する(S420)。
以上により、印刷設定変更によって大きな変更がある場合には画像の再レンダリングを伴う詳細トナー量算出処理が実施される。一方、大きな変更がなければ保持している情報に基づき簡易トナー量算出処理が実施される。
【0023】
<印刷データ特徴量算出処理>
図6は、S405においてフルサイズ画像より印刷データ特徴量を算出する処理に関するフローチャートである。本処理は印刷データ特徴量算出部206によって実施される。
最初に、印刷データ特徴量算出部206は、各種画素数カウンタの値を0に初期化する(S501、S502)。また、印刷データ特徴量算出部206は、カラー合計濃度、モノクロ合計濃度、及び濃度240%画素数を0で初期化する(S503)。
印刷データ特徴量算出部206は、以下の処理を全画素に対して繰り返し実施する(S505〜S518)。最初に、印刷データ特徴量算出部206は、画素がカラーであるかモノクロであるかを判定する(S506)。R=G=B、若しくはC=M=Yであれば、印刷データ特徴量算出部206は、画素はモノクロであると判断する。モノクロであると判断した場合、印刷データ特徴量算出部206は、モノクロ合計濃度に現在処理中の画素の濃度を加算させる(S508)。印刷データ特徴量算出部206は、画素のオブジェクトタイプ情報に従って(S513)画素数カウンタの値を1ずつ増加させる(S514〜516)。カラーであると判断した場合、印刷データ特徴量算出部206は、カラー合計濃度に現在処理中の画素の濃度を加算する(S507)。印刷データ特徴量算出部206は、画素のオブジェクトタイプ情報に従って(S509)画素数カウンタの値を1ずつ増加させる(S510〜512)。
合わせて、印刷データ特徴量算出部206は、本対象画素の濃度が240%を超過しているか否かを判定する(S517)。これが超過している場合には、印刷データ特徴量算出部206は、濃度240%画素数を1ずつ増加させる(S518)。
以上の処理を、印刷データ特徴量算出部206が、全画素に対して繰り返し実施することで、画素のカラーモノクロ情報及びオブジェクトタイプ情報に基づいた頻度情報が求められる。
印刷データ特徴量算出部206は、カラーモノクロ情報がカラーである画素数の総和をカラートナー面積として求め(S519)、カラー合計濃度をこれで除算することでカラートナー濃度を算出する(S520)。同様に、印刷データ特徴量算出部206は、カラーモノクロ情報がモノクロである画素数の総和をモノクロトナー面積として求め(S521)、モノクロ合計濃度をこれで除算することでモノクロトナー濃度を算出する(S522)。
以上で求められた、カラーモノクロ情報及びオブジェクトタイプ情報に基づいた頻度情報、濃度240%超過している画素数、カラーモノクロ情報に基づいたトナー濃度情報が、印刷データ特徴量217となる。
【0024】
<詳細トナー量算出処理>
図7は、印刷データ特徴量よりトナー量を算出する処理に関するフローチャートである。本処理は詳細トナー量算出部209によって実施される。
カラーモノクロ情報にてカラーで処理されると分類された画素で使用されるトナー量は、印刷データ特徴量217に含まれるカラートナー面積1601とカラートナー濃度1602とを乗算したものとなる(S601)。一方、モノクロで処理されると分類された画素で使用されるトナー量は、印刷データ特徴量217に含まれるモノクロトナー面積1604とモノクロトナー濃度1605とを乗算したものとなる(S602)。これらを合算したものが、トナー量1600となる(S603)。
トナー量等倍変動量1608や拡大率1607は、この時点では考慮する必要は無い。
【0025】
<課金額算出処理>
図8は、トナー量より課金額を算出するフローチャートである。本処理は課金額算出部211によって実施される。なお、トナー量1600に基づいて課金額を算出する方法は種々の設計が可能である。
まず、課金額算出部211は、課金額を標準課金額と従量課金額とから構成されるものとする(S701)。標準課金金額は、1枚当たりに係る課金額であり、トナー量1600に関わらず一定となる課金額である。従量課金額は、トナー量1600を多く使えばそれだけ課金額が上がる課金額である。従量課金額は、トナー量1600に従量課金単価を乗算することで求められる。例えば、標準課金金額を6円/枚(A4)、従量課金額を6円/プレート(A4)とすることができる。ここで従量課金額の単位はA4で1プレートあたりの金額として表現している。例えばC版の濃度100%でA4全面を塗りつぶす場合には6.0円となる。同条件でA4半面を100%で塗りつぶす場合、或いはA4全面を濃度50%で塗りつぶすには3円となる。
次に、課金額算出部211は、算出した課金額が最低課金額未満である場合には(S702)、課金額を最低課金額とする(S703)。また、課金額算出部211は、算出した課金額が最大課金額を超える場合には(S704)、課金額を最大課金額とする(S704)。これにより一定の閾値未満のトナーしか使われていない場合、或いは一定の閾値を超えるトナーが使われている場合に、課金額を一定範囲内とすることができる。
【0026】
<再ラスタライズ判定処理>
図9は、レイアウト変更によって再ラスタライズが必要かどうかを判定する処理のフローチャートである。1度のラスタライズで印刷データ内のページが全て画像出力されるかどうかを判定する必要がある。この判定結果をここでは全画像出力と称するものとする。
まず、トナー量等倍変動量判断部208は、先に面付け指定の変更がなされたかを判定する(S1501)。変更がなされた場合には、トナー量等倍変動量判断部208は、再ラスタライズが必要と判断し(S1514)、処理を終了する。
次に、トナー量等倍変動量判断部208は、今回設定で用紙サイズに拡大/縮小が「する」に設定されているかを判定する(S1502)。設定されている場合には、トナー量等倍変動量判断部208は、今回全画像出力を「する」とし、後述する判定処理(S1513〜1515)を行う。
用紙サイズに拡大/縮小がするに設定されていない場合、トナー量等倍変動量判断部208は、まず出力画像サイズを印刷データのページサイズとする(S1503)。今回の用紙サイズ指定で固定(A4,A3,・・・)が指定された場合には、トナー量等倍変動量判断部208は、その指定されたサイズを出力用紙サイズとする(S1507)。一方、用紙サイズ指定で自動が選択された場合には、トナー量等倍変動量判断部208は、出力画像サイズを出力用紙サイズとする(S1506)。
【0027】
次に、トナー量等倍変動量判断部208は、印字領域拡大指定を確認する(S1508)。もし印字領域拡大指定がするとなっていた場合、トナー量等倍変動量判断部208は、出力用紙サイズから余白を除外する(S1509)。トナー量等倍変動量判断部208は、この余白には例えば5mm等を指定すればよい。トナー量等倍変動量判断部208は、以上で得られた出力画像サイズが出力用紙サイズ内に収まるかを判定する。このとき、トナー量等倍変動量判断部208は、用紙の向きも考慮する(S1510)。トナー量等倍変動量判断部208は、出力用紙サイズ内に出力画像サイズが収まる場合には、今回の全画像出力を「する」とし(S1511)、そうでない場合には「しない」とする(S1512)。なお、トナー量等倍変動量判断部208は、用紙の向きを考慮して幅・高さを基準としてもよい。或いは、トナー量等倍変動量判断部208は、用紙のサイズのみに注目し、長辺・短辺を基準としてもよい。或いは、トナー量等倍変動量判断部208は、印刷設定に基づいて何れかの判断基準を使い分けるようにしてもよい。
以上のS1504、S1511或いはS1512で今回の全画像出力がされるか否かが判定される。これに更に前回の全画像出力判定の結果を加え、共に「する」である場合には、トナー量等倍変動量判断部208は、再ラスタライズ処理は不要と判定する(S1515)。この場合、設定前後のどちらでも1度のレンダリングで印刷データの1ページ分が欠けることなくレンダリングされている。少なくとも一方の全画像出力判定の結果が「しない」である場合には、トナー量等倍変動量判断部208は、再ラスタライズ処理が必要と判定する(S1514)。この場合、画像の一部が欠損している可能性があり、詳細トナー算出処理のためのシーケンスでトナーを算出すべきである。
【0028】
<トナー量等倍変動量判断処理>
図10は、印刷設定差異があった場合にトナー量等倍変動量を算出するのに用いる影響度係数表の一例を示す図である。左行より説明をしていく。
項目は、印刷設定の名称である。一番上の「入力プロファイルーテキスト」では、入力プロファイル設定のうち、テキストに関する設定部分を指している。「係数」は、その設定変更が1画素100%にどの程度の影響を与えるかを意味している。「入力プロファイルーテキスト」では0.050つまり5%の変動があるとしている。
「対象カラーモード」とは、カラーモード設定307で設定している現在のカラーモードに関する制約を意味している。入力プロファイルーテキストの場合、カラーモードが「カラー」である場合には○即ち有効、「モノクロ」の場合には記載なしで無効であることを意味している。
「対象オブジェクトタイプ」とは、対象とする画素のオブジェクトタイプに関する制約を意味している。入力プロファイルーテキストの場合、オブジェクトタイプがテキストである画素に対しては有効であるが、グラフィック或いはイメージである画素に対しては無効である。
「対象オブジェクトカラー」とは、対象とする画素のカラーモノクロ情報に関する制約を意味している。入力プロファイルーテキストの場合、カラーモノクロ情報がカラーである画素に対しては有効であるが、モノクロである画素に対しては無効である。
例えば、デジタルイメージ補正:赤目補正については、イメージに対して補正処理がかけられてもごく一部にしか影響を及ぼさないため、係数は0.00としている。一方、デジタルイメージ補正:自動写真補正ではイメージ全体を補正処理するため、係数を0.10としている。これらの係数は経験則で決めてもよいし、統計に基づく決定方法でもよい。また、ここでは制約条件はごく簡単なものに絞って利用していたが、より詳細な印刷データ特徴量を算出しそれに基づいて制約をより細かにかけてもよい。これらは本実施形態の要旨を逸脱しない限りで拡張可能である。
【0029】
図11は、印刷設定差異よりトナー量等倍変動量を算出する処理に関するフローチャートである。本処理は、トナー量等倍変動量算出部207によって実施される。
トナー量等倍変動量算出部207は、トナー量等倍変動量を0に初期化する(S901)。合わせて、トナー量等倍変動量算出部207は、カラーモノクロ情報としてカラーとモノクロとの両方を(S902)、オブジェクトタイプ情報としてテキスト、グラフィック、イメージのそれぞれに対して(S903)、トナー量影響係数[処理カラー][処理タイプ]を全て0で初期化する。ここで、トナー量影響係数[カラー][イメージ]は、ある対象画素がカラーモノクロ情報ではカラーであり、オブジェクトタイプ情報ではイメージである場合に、設定変更によって与えられる影響度合いを表している。合わせて、トナー量等倍変動量算出部207は、現在の印刷設定224より、現在のカラーモードを取得する(S905)。
トナー量等倍変動量算出部207は、保持している印刷設定差分データ222と、図10で示した影響度係数表と、より、各カラーモノクロ情報及び各オブジェクトタイプ情報に対するトナー量影響係数を算出する。トナー量等倍変動量算出部207は、全ての印刷設定差分データ222に含まれる差分要素に対して(S906)、それが影響度係数表に含まれるかを確認する(S907)。含まれない場合には、トナー量等倍変動量算出部207は、下記の処理を省く。含まれる場合には、トナー量等倍変動量算出部207は、要素の対象カラーモードが現在のカラーモードと一致しているかを確認する(S908)。一致していない場合には、トナー量等倍変動量算出部207は、下記の処理を省く。一致している場合には、トナー量等倍変動量算出部207は、要素の対象としているカラーモノクロ情報を対象カラー、オブジェクトタイプ情報を対象タイプとする(S909、S910)。トナー量等倍変動量算出部207は、影響度係数表内で要素に関連する列を探索し、その係数を、トナー量影響係数[対象カラー][対象タイプ]に加算していく(S911)。トナー量等倍変動量算出部207が、以上の処理を全要素に加えることで、全ての印刷設定差分データ222に含まれる差分要素を考慮した、トナー量影響係数が作られる。
【0030】
次に、トナー量等倍変動量算出部207は、実際にトナー量等倍変動量を算出する。トナー量等倍変動量算出部207は、カラーモノクロ情報としてカラーとモノクロとの両方に対して(S912)、カラー別トナー量等倍変動量[処理カラー]を0で初期化する。トナー量等倍変動量算出部207は、オブジェクトタイプ情報としてテキスト、グラフィック、イメージのそれぞれに対して(S914)、影響係数を利用して加算されるトナー量を求め、カラー別トナー量等倍変動量[処理カラー]を加算する。即ち、トナー量等倍変動量算出部207は、トナー量影響係数[処理カラー][処理タイプ]にそれぞれのトナー量[処理カラー][処理タイプ]を乗じたものを、カラー別トナー量等倍変動量[処理カラー]に加算することでカラー別トナー量等倍変動量[処理カラー]を求める(S915)。トナー量等倍変動量算出部207は、全てのカラーモノクロ情報、オブジェクトタイプ情報の組み合わせに対して繰り返し処理を行う。最後に、トナー量等倍変動量算出部207は、カラーモノクロ情報としてカラーとモノクロとの両方に対するカラー別トナー量等倍変動量の総和を、トナー量等倍変動量とする(S916)。
【0031】
<簡易トナー量算出フローチャート>
図12は、印刷データ特徴量、トナー量等倍変動量、拡大率から、トナー量を算出する処理に関するフローチャートである。本処理は簡易トナー量算出部210によって実施される。
簡易トナー量算出部210は、カラートナー面積にカラートナー濃度を乗算し、更にカラー別トナー量等倍変動量[カラー]を加算したものを、カラートナー量とする(S1001)。また、簡易トナー量算出部210は、モノクロトナー面積にモノクロトナー濃度を乗算し、更にカラー別トナー量等倍変動量[モノクロ]を加算したものをモノクロトナー量とする(S1002)。簡易トナー量算出部210は、カラートナー量とモノクロトナー量との総和に対して、拡大率(但し、面積換算)を乗じたものを最終的なトナー量とする。
【0032】
<実際の計算例>
<対象データ>
図13は、実施形態1で使用している印刷データの一例を示す図である。対象となる印刷データの模式図を図13(a)に示す。なお、こちらは印刷データ特徴量の概念を説明するための模式図であって、図上の面積がそのまま本文上の数字とはリンクしていないことを予め断わっておく。
この印刷データは、高さ7016 pixel、幅4960 pixelでA4 600dpiとして印刷される。この印刷データにはテキストオブジェクト1001、同1002、グラフィックオブジェクト1003、同1004、及びイメージオブジェクト1005、同1006が含まれる。テキストオブジェクト1001、グラフィックオブジェクト1003、イメージオブジェクト1005は、その色指定がカラーでされている。テキストオブジェクト1002、グラフィックオブジェクト1004、イメージオブジェクト1006は、その色指定がモノクロで指定されている。
この印刷データがラスタライズ処理されると図13(a)で示すイメージプレーン画像だけでなく、それぞれのカラーモノクロ情報・オブジェクトタイプ情報の分布を示す属性プレーン画像が得られる(図13(b)〜(f))。カラーモノクロ情報とは、カラーとして描画されているのか、モノクロとして描画されているのかを意味する。オブジェクトタイプ情報とは、その画素がテキストを描画したものなのか、グラフィックを描画したものなのか・イメージを描画したものなのかを意味する。図13(b)は、テキスト描画を意味するものであり、テキスト1101、1102で描画される領域を示している。同(c)は、グラフィックを意味している。(d)は、イメージを意味している。また、(e)は、カラー描画を意味するものであり、色指定がカラーとして描画されている1101、1103、1105で描画される領域を示している。一方、(f)は、モノクロ描画を意味するものであり、色指定がモノクロとして描画されている1102、1104、1106で描画される領域を示している。
【0033】
本実施形態では、印刷データ特徴量の1つとして、それぞれの属性プレーンにおいてオブジェクトを有する画素数の頻度を用いている。図13に示す例では、テキスト属性のうち、カラーとして描画されているのは1,391,974 pixelである。また、モノクロとして描画されているのは695,987 pixelである。グラフィック属性のうち、カラーとして描画されているのは5,219,904 pixelであり、モノクロとして描画されているのは3,479,936 pixelである。イメージ属性のうち、カラーとして描画されているのは10,439,808 pixelであり、モノクロとして描画されているのは 3,479,936 pixelである。
また、本実施形態では、他の印刷データ特徴量としては、カラー描画及びモノクロ描画でのトナー濃度も用いている。この例では、カラーとして描画されている画素は平均230%の濃度で描画されている。これはそれぞれの画素ではC版、M版、Y版、K版のそれぞれに用いられる濃度の総和が平均230%で描画されていることを意味する。また、モノクロとして描画されている画素は平均70%である。
その他、付加的な特徴量としては特定の閾値を超過する画素数を算出し、それを印刷データ特徴量の1つとして扱ってもよい。これはトナーのり量制限に関連する情報となる。
以上により求められる印刷データ特徴量は、図14(a)にまとめられる。
【0034】
<計算の流れ>
図14、図15、図16を用いて実際の計算の流れを説明する。なお、前述したとおり図13の印刷データに対する印刷データ特徴量は図14(a)に示してある。
<計算例1>
先に詳細トナー量算出を行うためのシーケンスで処理する例を説明する。このデータに対するプレビュー表示を初めて試みる場合には印刷データ特徴量217は保持されていない。
画像形成装置は、図14(a)に示された印刷データ特徴量を基にトナー量を算出する。カラーモノクロ情報でカラー、オブジェクトタイプ情報でテキストを描画する画素は、テキスト画素数1,391,974 × トナー濃度 230% の計算結果、3,201,540 (pixel/plane換算)となる。以下、画像形成装置が、同様に全ての要素に対して画素数とトナー濃度との乗算を計算した結果が図14(b)である。これらの合計 44,960,772(pixel/plane)がトナー量となる。
画像形成装置は、このトナー量を基に課金額算出を行う。合計トナー量は44,960,772であり、従量課金単価は6円/planeである。よって従量課金額は合計トナー量44,960,772 × 6.0 ÷ 34,799,360 = 7.8円となる。標準課金額6.0円と加算された結果13.8円が課金額である。
【0035】
<計算例2>
次に、簡易トナー量算出を行うためのシーケンスで処理する例を説明する。対象となるファイルを変更せずに、新しい印刷設定が選択してプレビューが選択されると、元の印刷設定224に基づく印刷データ特徴量217等は印刷設定記録データ218として保持されている。
この例では印刷設定を「入力プロファイルーテキスト」を「しない」から「sRGB」に、「グレイ補償―テキスト」を「しない」から「する」に変更した場合を考える。この印刷設定差異をまとめたものが図15(a)である。
この印刷設定差異を図10に示す影響係数表から対象となる要素を検索すると、「入力部とファイルーテキスト」はカラーテキストに対するトナー量影響係数を0.05である。同様に「グレイ補償―テキスト」はモノクロテキストに対するトナー量影響係数を0.05である。このトナー量影響係数の算出結果を図15(b)に示す。
画像形成装置は、カラー別トナー量等倍変動量を算出する。カラーテキストに対するトナー量等倍変動量は、カラーテキストのトナー量3,201,540 × カラーテキストに対するトナー量影響係数 0.05 = 160,077 で計算される。同様に、モノクロテキストに対するトナー量等倍変動量は、モノクロテキストのトナー量 521,990 × モノクロテキストに対するトナー量影響係数0.05 = 26,100である。この計算結果が図15(c)である。(全体の)トナー量等倍変動量はこれらを加算した結果、186,177となる。
【0036】
ここで、詳細トナー量算出を行うか簡易トナー量算出を行うかをS411で判定する基準の閾値として課金額0.1円以上の影響を及ぼすトナー量等倍変動量を持つかどうかを用いるものとする。0.1円の影響を当るトナー量は34,799,360 / 6.0 * 0.1 = 579,989である。トナー量等倍変動量、186,177は、これよりも小さいため、本例では簡易トナー量算出によって処理できるものと判断される。
カラートナー面積とカラートナー濃度とを乗じた変更前カラートナー量は44,960,772であり、カラートナー量等倍変動量は、160,077である。この合計は39,378,955となる。同様に、モノクロトナー面積とモノクロトナー濃度とを乗じた変更前モノクロトナー量は5,741,894であり、モノクロトナー量等倍変動量は26,100である。この合計は5,767,994となる。
今回は、拡大率に影響を及ぼす設定差異が含まれていないため、拡大率は1.0とする。以上の計算結果をまとめると、最終的なトナー量は(39,378,955 + 5,767,994 ) × 1.0 = 45,146,949 となる。これに対する従量課金額を算出すると45,146,9499 / 34,799,360 * 6.0 = 7.8円となり、標準課金額6.0と合計され、課金額は13.8円となる。
【0037】
<計算例3>
図16は、計算例2の印刷設定に更なる変更を加えた場合の例を示す図である。この例では印刷設定を計算例2に加え、「出力プロファイルーイメージ」を「Normal」から「Photo」に、「グレイ補償―テキスト」を「しない」から「する」に変更した場合を例に説明を行う。この印刷設定差異をまとめたものが図16(a)である。計算例2と同様にトナー量影響係数を求めると図16(b)となる。今回はカラーイメージに対する設定変更を行っているため、カラー、かつ、イメージ部分の係数が図15(b)では0.00だったものが0.13に増加している。
計算例2同様に追加トナー量を算出した結果が図16(c)である。カラーイメージのトナー量24,011,558にカラーイメージに対するトナー量影響係数0.13を乗じた3,121,503がカラーイメージのトナー量等倍変動量となる。これをもとにトナー量等倍変動量を求めると、(160,077 + 26,100 +3,121,503) = 3,307,679 となる。0.1円の影響を当るトナー量は34,799,360 / 6.0 * 0.1 = 579,989である。閾値を超過しているため、詳細トナー量算出を行うためのシーケンス手順に基づきトナー量を算出すると判定される。
以上、本実施形態によれば、画像形成装置に簡易トナー量算出部210を設けたことにより、印刷設定が変更された場合に、速やかにトナー量を計算することができる。また、本実施形態の画像形成装置によれば、出力画像に大きな変更を与えないような印刷設定情報の変更の場合は、簡易トナー量算出部210でトナー量を計算させる。一方、本実施形態の画像形成装置によれば、出力画像に大きな変更を与えるような印刷設定情報の変更の場合は、詳細トナー量算出部209でトナー量を計算させる。このようにすることによって、速やかに(高速に)、かつ、正確にトナー量を算出することができる。
【0038】
<<実施形態2>>
実施形態1で示した実施形態では、簡易トナー算出処理と詳細トナー算出処理とのそれぞれで得られたトナー量を同等のものとして扱っていた。しかし、簡易トナー算出処理で求められたトナー量1600はあくまでも概算であり、そこには誤差が少なからず含まれる。これらを使い分ける実施形態もまた有用である。
簡易トナー量算出処理時と、詳細トナー量算出処理時とで、課金額表示ボックス338上での表現を切り替えることで本実施形態は容易に実現できる。S420において、プレビュー画像更新部223は、簡易トナー量算出処理時かどうかを判断し、簡易トナー量算出時には赤字で課金額を描画することで、ユーザには詳細な計算に基づきものではなく、目安の値であることを通告することができる。或いは、プレビュー画像更新部223は、同種内容をユーザに通知するメッセージを表示することによって、簡易トナー量算出処理で算出された課金額か、詳細トナー量算出処理で算出された課金額か、を区別可能に表示してもよい。
プレビュー表示・更新指示受信部201は印刷設定の変更無しにプレビューボタン302が押された場合、印刷設定記録データ218よりプレビュー表示しようとする印刷設定224に関連する印刷データ特徴量を削除してから従来のプレビュー表示処理を実行する。これにより印刷設定受信部202は、S402において常に詳細トナー量算出処理を実行するためのシーケンスへと分岐がなされる。
【0039】
<<実施形態3>>
また、プロセッサ101は、印刷設定情報の変更内容に応じて、印刷設定情報の変更によるRIPデバイス111等で形成される画像に対する影響度が閾値未満か否かを判断するようにしてもよい。
より具体的に説明するとプロセッサ101は、印刷設定情報の変更がカラー印刷からモノクロ印刷への設定変更であった場合、前記影響度が閾値未満と判断する。つまり、このような場合、簡易トナー量算出部210でトナー量が算出されることになる。また、プロセッサ101は、印刷設定情報の変更がモノクロ印刷からカラー印刷への設定変更であった場合、前記影響度が閾値以上と判断する。つまり、このような場合、詳細トナー量算出部209でトナー量が算出されることになる。
また、プロセッサ101は、印刷データ特徴量算出部206で算出された印刷データ特徴量と、印刷設定情報の変更内容と、に応じて、RIPデバイス111等で形成される画像に対する影響度が閾値未満か否かを判断するようにしてもよい。
より具体的に説明すると、プロセッサ101は、印刷設定情報の変更がイメージ補正に関する設定の変更である場合、以下のように判断を行う。プロセッサ101は、印刷データ特徴量算出部206で算出された印刷データ特徴量が、イメージが占める面積の割合が閾値以上の印刷データであることを示していた場合、前記影響度が閾値以上と判断する。つまり、このような場合、詳細トナー量算出部209でトナー量が算出されることになる。また、プロセッサ101は、印刷データ特徴量算出部206で算出された印刷データ特徴量が、イメージが占める面積の割合が閾値未満の印刷データであることを示していた場合、前記影響度が閾値未満と判断する。つまり、このような場合、簡易トナー量算出部210でトナー量が算出されることになる。
また、プロセッサ101は、印刷設定情報の変更が文字墨版に関する設定の変更である場合、以下のように判断を行う。プロセッサ101は、印刷データ特徴量算出部206で算出された印刷データ特徴量が、テキストが占める割合が閾値以上の印刷データであることを示していた場合、前記影響度が閾値以上と判断する。つまり、このような場合、詳細トナー量算出部209でトナー量が算出されることになる。また、プロセッサ101は、印刷データ特徴量算出部206で算出された印刷データ特徴量が、テキストが占める割合が閾値未満の印刷データであることを示していた場合、前記影響度が閾値未満と判断する。つまり、このような場合、簡易トナー量算出部210でトナー量が算出されることになる。
また、プロセッサ101は、印刷設定情報の変更がトナーのり量制限に関する設定の変更である場合、以下のように判断を行う。プロセッサ101は、印刷データ特徴量算出部206で算出された印刷データ特徴量が、グラフィックスが占める面積の割合が閾値以上の印刷データであり、かつ、トナーのり量が閾値以上のピクセル数が閾値以上の印刷データであることを示していた場合、前記影響度が閾値以上と判断する。つまり、このような場合、詳細トナー量算出部209でトナー量が算出されることになる。また、プロセッサ101は、印刷データ特徴量算出部206で算出された印刷データ特徴量が、グラフィックスが占める面積の割合が閾値未満の印刷データ、又は閾値以上の印刷データであり、かつ、トナーのり量が閾値以上のピクセル数が閾値以上のピクセル数が閾値未満の印刷データであることを示していた場合、前記影響度が閾値未満と判断する。つまり、このような場合、簡易トナー量算出部210でトナー量が算出されることになる。
【0040】
<<その他の実施形態>>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0041】
以上、上述した各実施形態によれば、トナー量を再算出する際に印刷データからフルサイズの画像を生成する回数を抑える事が可能となり、プレビュー画面等で用いる場合でも高い応答性を実現することが可能となる。
特に、カラーとモノクロ、テキスト・グラフィック・イメージの各オブジェクトタイプ、そして拡大率を分離して特徴量として扱うことで、様々な印刷パラメータ変化に対して柔軟に設定変更による変動量を算出できる。
加えて特徴量としてある閾値以上にトナーを乗せる画素の頻度を用いることで、トナーののり量に制限を加えるか否かといった事に対しても毎回ラスタライズすることを回避することができる。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷設定情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信された印刷設定情報に基づいて、印刷データに対して画像処理を施し、画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で形成された画像に基づいて前記印刷データの印刷データ特徴量を算出する印刷データ特徴量算出手段と、
前記印刷設定情報が変更された場合、変更前の印刷設定情報と変更後の印刷設定情報との差分情報と、変更前の印刷設定情報に基づき前記画像形成手段で形成された画像に基づいて前記印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量と、に基づいて、トナー量を算出する第一のトナー量算出手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷設定情報が変更された場合、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値未満か否かを判断する判断手段を更に有し、
前記第一のトナー量算出手段は、前記判断手段で前記画像に対する影響度が閾値未満と判断された場合、前記差分情報と、前記印刷データ特徴量と、に基づいて、トナー量を算出する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判断手段で前記画像に対する影響度が閾値以上と判断された場合、
前記画像形成手段は、前記変更後の印刷設定情報に基づいて、印刷データに対して画像処理を施し、画像を形成し、
前記印刷データ特徴量算出手段は、前記画像形成手段で形成された画像に基づいて前記印刷データの印刷データ特徴量を算出し、
前記印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量に基づいて、トナー量を算出する第二のトナー量算出手段を更に有する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第一のトナー量算出手段で算出されたトナー量に基づいて、課金額を算出する課金額算出手段と、
前記課金額算出手段で算出された課金額を表示する表示手段と、
を更に有する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記課金額算出手段は、トナー量が前記第一のトナー量算出手段で算出された場合は、前記第一のトナー量算出手段で算出されたトナー量に基づいて、課金額を算出し、トナー量が前記第二のトナー量算出手段で算出された場合は、前記第二のトナー量算出手段で算出されたトナー量に基づいて、課金額を算出し、
前記表示手段は、表示する課金額が、前記第一のトナー量算出手段で算出されたトナー量に基づき算出された課金額か、前記第二のトナー量算出手段で算出されたトナー量に基づき算出された課金額か、を区別可能に表示する請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判断手段は、前記受信手段で受信された印刷設定情報の変更内容に応じて、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値未満か否かを判断する請求項2乃至5何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記判断手段は、
前記受信手段で受信された印刷設定情報の変更がカラー印刷からモノクロ印刷への設定変更であった場合は、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値未満と判断し、
前記受信手段で受信された印刷設定情報の変更がモノクロ印刷からカラー印刷への設定変更であった場合は、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値以上と判断する
請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記判断手段は、前記印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量と、前記受信手段で受信された印刷設定情報の変更内容と、に応じて、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値未満か否かを判断する請求項2乃至5何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判断手段は、
前記受信手段で受信された印刷設定情報の変更がイメージ補正に関する設定の変更であり、
前記印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量が、イメージが占める面積の割合が閾値以上の印刷データであることを示していた場合、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値以上と判断し、
前記印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量が、イメージが閾値未満の印刷データであることを示していた場合、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値未満と判断する請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記判断手段は、
前記受信手段で受信された印刷設定情報の変更が文字墨版に関する設定の変更であり、
前記印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量が、テキストが占める面積の割合が閾値以上の印刷データであることを示していた場合、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値以上と判断し、
前記印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量が、テキストが占める割合が閾値未満の印刷データであることを示していた場合、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値未満と判断する請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記判断手段は、
前記受信手段で受信された印刷設定情報の変更がトナーのり量制限に関する設定の変更であり、
前記印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量が、グラフィックスが占める面積の割合が閾値以上の印刷データであり、かつ、トナーのり量が閾値以上のピクセル数が閾値以上の印刷データであることを示していた場合、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値以上と判断し、
前記印刷データ特徴量算出手段で算出された印刷データ特徴量が、グラフィックスが占める面積の割合が閾値未満の印刷データ、又は閾値以上の印刷データであり、かつ、トナーのり量が閾値以上のピクセル数が閾値以上のピクセル数が閾値未満の印刷データであることを示していた場合、前記印刷設定情報の変更による前記画像形成手段で形成される画像に対する影響度が閾値未満と判断する請求項8記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置が実行するトナー量算出方法であって、
印刷設定情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信された印刷設定情報に基づいて、印刷データに対して画像処理を施し、画像を形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで形成された画像に基づいて前記印刷データの印刷データ特徴量を算出する印刷データ特徴量算出ステップと、
前記印刷設定情報が変更された場合、変更前の印刷設定情報と変更後の印刷設定情報との差分情報と、変更前の印刷設定情報に基づき前記画像形成ステップで形成された画像に基づいて前記印刷データ特徴量算出ステップで算出された印刷データ特徴量と、に基づいて、トナー量を算出する第一のトナー量算出ステップと、
を含むトナー量算出方法。
【請求項13】
コンピュータに、
印刷設定情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信された印刷設定情報に基づいて、印刷データに対して画像処理を施し、画像を形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで形成された画像に基づいて前記印刷データの印刷データ特徴量を算出する印刷データ特徴量算出ステップと、
前記印刷設定情報が変更された場合、変更前の印刷設定情報と変更後の印刷設定情報との差分情報と、変更前の印刷設定情報に基づき前記画像形成ステップで形成された画像に基づいて前記印刷データ特徴量算出ステップで算出された印刷データ特徴量と、に基づいて、トナー量を算出する第一のトナー量算出ステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−83465(P2012−83465A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228382(P2010−228382)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】