画像形成装置、印刷システム及び印刷制限方法
【課題】処理禁止条件を更新できなくなった場合に、印刷制限が適切に動作せず、制限が必要となった印刷ジョブを印刷するおそれがある。
【解決手段】印刷システムは、プリンタ40と、ネットワーク20を介してプリンタ40に接続された管理サーバ10とを備えている。プリンタ40は、処理禁止情報41aを格納する処理禁止情報格納部41と、処理許可情報44aを格納する処理許可情報格納部44と、管理サーバ10との通信状況を確認する通信状況確認部43と、印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷部46と、処理禁止情報41aと処理許可情報44aと通信状況とを参照し、印刷処理に対する許可又は禁止に制限を加える処理制限部45とを備えている。管理サーバ10は、ネットワーク20を介して、処理禁止情報41aと処理許可情報44aとを更新する。
【解決手段】印刷システムは、プリンタ40と、ネットワーク20を介してプリンタ40に接続された管理サーバ10とを備えている。プリンタ40は、処理禁止情報41aを格納する処理禁止情報格納部41と、処理許可情報44aを格納する処理許可情報格納部44と、管理サーバ10との通信状況を確認する通信状況確認部43と、印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷部46と、処理禁止情報41aと処理許可情報44aと通信状況とを参照し、印刷処理に対する許可又は禁止に制限を加える処理制限部45とを備えている。管理サーバ10は、ネットワーク20を介して、処理禁止情報41aと処理許可情報44aとを更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ネットワークに接続された画像形成装置と、管理サーバ及び画像形成装置を有する印刷システムと、印刷システムにおける印刷制限方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
製品情報や個人情報等、印刷を制限しなければならない印刷ジョブの条件はその時々において更新される。そのため、下記の特許文献1では、ネットワークを通じて画像形成装置としてのプリンタにおける印刷ジョブの処理禁止条件を更新する印刷システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−253241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷システムでは、通信状況の異常、処理禁止条件を管理する管理サーバのダウンやメンテナンス等で、処理禁止条件を更新できなくなった場合に、印刷制限が適切に動作せず、制限が必要となった印刷ジョブを印刷するおそれがあるといった課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のうちの第1の発明の画像形成装置は、印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報を格納する処理禁止情報格納部と、前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を格納する処理許可情報格納部と、前記処理禁止情報及び前記処理許可情報の更新状態を確認する確認部と、印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷部と、前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報と確認された前記更新状態とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止に制限を加える処理制限部と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
第2の発明の印刷システムは、画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置に接続された管理サーバと、を備えている。
【0007】
前記画像形成装置は、印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報を格納する処理禁止情報格納部と、前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を格納する処理許可情報格納部と、前記管理サーバとの通信状況を確認する通信状況確認部と、印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷部と、前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報と確認された前記通信状況とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止に制限を加える処理制限部と、を備えている。更に、前記管理サーバは、前記ネットワークを介して、前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報とを更新することを特徴とする。
【0008】
第3の発明の印刷制限方法は、印刷ジョブに基づいて行う印刷処理に対する禁止又は許可に制限を加える画像形成装置と、前記印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報及び前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を、ネットワークを介して前記画像形成装置へ送信する管理サーバと、を備えた印刷システムにおける印刷制限方法である。そして、前記画像形成装置は、前記管理サーバから送信された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報を受信する受信処理と、前記管理サーバとの通信状況を確認する確認処理と、受信された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報と確認された前記通信状況とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止を制限する制限処理と、を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明の画像形成装置によれば、処理禁止情報と処理許可情報と更新状態とを参照して、印刷処理に対する許可又は禁止に制限を加えるようにしているので、より安全に印刷制限を行うことが可能である。
【0010】
第2の発明の印刷システム、及び第3の発明の印刷制限方法によれば、処理禁止情報と処理許可情報と通信状況とを参照し、印刷処理を制限するようにしているので、より安全に印刷制限を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の実施例1における印刷システムを示す概略の構成図である。
【図2】図2は図1中の処理禁止データ13aの構成例を示す図である。
【図3】図3は図1中の表示部16に表示される処理禁止データ設定用画面16aの構成例を示す図である。
【図4】図4は図1中の処理許可データ15aの構成例を示す図である。
【図5】図5は図4中の画像ファイル15a1の表示例を示す図である。
【図6】図6は図1中の表示部16に表示される処理許可データ設定用画面16bの構成例を示す図である。
【図7】図7は印刷制限メッセージ45aの表示例を示す図である。
【図8】図8は図1の印刷システムにおける印刷実行時の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は印刷ジョブ51の例を示す図である。
【図10】図10は印刷ジョブ52の例を示す図である。
【図11】図11は印刷ジョブ53の例を示す図である。
【図12】図12は印刷ジョブ54の例を示す図である。
【図13】図13は図1のプリンタ40における処理禁止データ41a及び処理許可データ44aの更新時の動作を示すフローチャートである。
【図14】図14は図1中のプリンタ40、管理サーバ10及びクライアント30の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【図15】図15は本発明の実施例2における印刷システムを示す概略の構成図である。
【図16】図16は図15中のジョブ情報格納部49の構成例を示す図である。
【図17】図17は制限緩和メッセージ45bの表示例を示す図である。
【図18】図18は図15の印刷システムにおける印刷実行時の動作を示すフローチャートである。
【図19】図19は図15のプリンタ40Aにおける処理禁止データ41a及び処理許可データ44aの更新時の動作を示すフローチャートである。
【図20】図20は図15中のプリンタ40A、管理サーバ10及びクライアント30−1,30−2の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【図21】図21は本発明の実施例3における印刷システムを示す概略の構成図である。
【図22】図22は図21中の管理サーバ10Bから処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを送信してデータ更新を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図23】図23は前回のデータ送信から一定時間経過後の管理サーバ10Bの動作を示すフローチャートである。
【図24】図24は図21中のプリンタ40、管理サーバ10B及びクライアント30の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0013】
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1における印刷システムを示す概略の構成図である。
【0014】
印刷システムは、管理サーバ10と、ネットワーク20と、このネットワーク20を介してその管理サーバ10に接続されたクライアント30及び画像形成装置としてのプリンタ40とを備えている。
【0015】
管理サーバ10は、印刷処理に対する処理禁止情報としての処理禁止データ13a及び処理許可情報としての処理許可データ15aを管理する装置である。この管理サーバ10は、処理禁止データ13aを管理する処理禁止データ管理部11と、処理許可データ15aを管理する処理許可データ管理部12と、その処理禁止データ13aを格納する処理禁止情報格納部としての処理禁止データ格納部13と、通信部14と、その処理許可データ15aを格納する処理許可情報格納部としての処理許可データ格納部15とを有し、例えば、中央処理装置(以下「CPU」という。)、記憶装置及び入/出力装置等を有するコンピュータにより構成されている。この管理サーバ10には、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを設定するための設定用画面等を表示する表示部16等が接続されている。
【0016】
処理禁止データ管理部11は、処理禁止データ13aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理禁止データ13aを更新したり、処理禁止データ13aの設定の際に、その処理禁止データ13aの内容に基づいて、現在の処理禁止データ13aの内容を表示部16に表示させる機能を有している。処理許可データ管理部12は、処理許可データ15aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理許可データ15aを更新したり、処理許可データ15aの設定の際に、その処理許可データ15aの内容に基づいて、現在の処理許可データ15aの内容を表示部16に表示させる機能を有している。これらの処理禁止データ管理11及び処理許可データ管理部12は、CPUにより構成されている。
【0017】
処理禁止データ格納部13及び処理許可データ格納部15は、記憶装置により構成されている。処理禁止データ格納部13に格納される処理禁止データ13aは、例えば、複数の文字列データから構成されている。処理許可データ格納部15に格納される処理許可データ15aは、例えば、複数の画像ファイルから構成されている。通信部14は、処理禁止データ格納部13、処理許可データ格納部15、及びネットワーク20に接続され、プリンタ40からの問い合わせに応答して、あるいは、自発的に、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aをネットワーク20へ送信する機能を有している。
【0018】
クライアント30は、プリンタ40に対して印刷指示を行う印刷指示装置であり、アプリケーションプログラム(以下単に「アプリケーション」という。)31、プリンタドライバ32、及び通信部33を有し、例えば、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)により構成されている。このクライアント30には、データ等を表示するための表示部34等が接続されている。
【0019】
プリンタ40は、クライアント30からの印刷指示を受けると、管理サーバ10から与えられる処理禁止データ13a及び処理許可データ15a等に基づき、印刷処理を行う装置である。このプリンタ40は、処理禁止データ格納部41、通信部42、情報の更新状態を確認する確認部としての通信状況確認部43、処理許可データ格納部44、処理制限部45、印刷部46、最終更新時間格納部47、及び時刻取得部48により構成されている。
【0020】
処理禁止データ格納部41は、通信部42及び処理制限部45に接続され、通信部42を介して管理サーバ10から与えられる処理禁止データ41aを格納するものである。処理禁止データ41aは、複数の文字列データから構成されている。この処理禁止データ41aの中身は、管理サーバ10内の処理禁止データ格納部13に格納された処理禁止データ13aと一致するとは限らない。通信部42は、ネットワーク20、処理禁止データ格納部41、通信状況確認部43、処理許可データ格納部44及び処理制限部45に接続され、ネットワーク20に対してデータを送受信する機能を有している。
【0021】
通信状況確認部43は、通信部42、処理制限部45、最終更新時間格納部47及び時刻取得部48に接続され、通信部42を介して管理サーバ10との通信状況を確認する機能を有している。処理許可データ格納部44は、通信部42及び処理制限部45に接続され、通信部42を介して管理サーバ10から与えられる処理許可データ44aを格納するものである。処理許可データ44aは、複数の画像ファイルにより構成されている。この処理許可データ44aの中身は、管理サーバ10内の処理許可データ格納部15に格納された処理許可データ15aと一致するとは限らない。
【0022】
処理制限部45は、処理禁止データ格納部41、通信部42、通信状況確認部43、処理許可データ格納部44及び印刷部46に接続され、処理禁止データ41a、処理許可データ44a、及び通信状況確認部43の情報を参照し、印刷ジョブを制限すると共に、任意の情報としての印刷制限メッセージ45a等を出力する機能を有している。印刷部46は、処理制限部45に接続され、この印刷制限部45で許可された印刷ジョブを印刷する機能を有している。最終更新時間格納部47は、通信状況確認部43に接続され、最後に処理禁止データ41a及び処理許可データ44aを更新した時間を格納するものである。時刻取得部48は、通信状況確認部43に接続され、現在の時刻を取得する機能を有している。
【0023】
図2は、図1中の処理禁止データ13aの構成例を示す図である。
処理禁止データ13aは、複数の文字列データ(例えば、「OX550」13a1、「OX560」13a2、「OX570」13a3)により構成されている。
【0024】
図3は、図1中の表示部16に表示される処理禁止データ設定用画面16aの構成例を示す図である。
【0025】
処理禁止データ設定用画面16aには、処理禁止データ13aと、この処理禁止データ13aを解除するための複数の解除ボタン16a1,16a2,16a3と、処理禁止データ13aを追加するためのテキストボックス16a4及び追加ボタン16a5とが表示されている。テキストボックス16a4に任意の文字列を入力し、追加ボタン16a5をクリックすることで、処理禁止データ13aに任意の文字列が追加される。
【0026】
図4は、図1中の処理許可データ15aの構成例を示す図である。
処理許可データ15aは、複数の画像ファイル15a1,15a2,15a3により構成されている。
【0027】
図5は、図4中の画像ファイル15a1の表示例を示す図である。
画像ファイル15a1は、「許可済み」と表示されている。
【0028】
図6は、図1中の表示部16に表示される処理許可データ設定用画面16bの構成例を示す図である。
【0029】
処理許可データ設定用画面16bには、処理許可データ15aと、この処理許可データ15aを解除するための複数の解除ボタン16b1,16b2,16b3と、処理許可データ15aを追加するためのテキストボックス16b4及び追加ボタン16b5とが表示されている。テキストボックス16b4に任意の画像ファイル名を入力し、追加ボタン16b5をクリックすることで、処理許可データ15aに任意の画像ファイルが追加される。
【0030】
図7は、図1中の処理制限部45から出力されてクライアント30の表示部34に表示される印刷制限メッセージ45aの表示例を示す図である。
【0031】
印刷制限メッセージ45aは、「印刷ジョブXは印刷が制限されております。」と表示されている。
【0032】
(実施例1の印刷制限方法)
本実施例1の印刷システムにおける印刷制限方法について、以下、その動作(1)〜(3)を説明する。
【0033】
(1) 実施例1の印刷実行時の動作
図8は、図1の印刷システムにおける印刷実行時の動作を示すフローチャートである。
【0034】
図1の印刷システムにおける印刷処理では、処理が開始されると、ステップS1において、ユーザがクライアント30のプリケーション31から印刷を実行すると、印刷が開始される。印刷が開始されると、アプリケーション31によって印刷ジョブが作成され、この印刷ジョブが、プリンタドライバ32、通信部33、及びネットワーク20を経由してプリンタ40へ送信される。プリンタ40では、通信部42を介して印刷ジョブを受信する。プリンタ40において、その印刷ジョブを許可するか又は制限するかを決定する。
【0035】
即ち、ステップS2において、通信状況確認部43は、管理サーバ10との間の通信状況が正常であるか否かを確認するために、最終更新時間格納部47に格納された時刻と、時刻取得部48で取得された現在時刻とを比較して、差が一定時間未満の場合には正常と判断(Yes)してステップS3へ進み、差が一定時間以上の場合には正常ではないと判断(No)してステップS4へ進む。
【0036】
ステップS3において、処理制限部45は、処理許可データ格納部44に格納された処理許可データ44aを参照して、処理許可データ44aに含まれる画像ファイルと同様の画像ファイルが、印刷ジョブに存在するか否かを確認し、同様の画像ファイルが存在する場合(Yes)にはステップS6へ進み、同様の画像ファイルが存在しない場合(No)にはステップS5へ進む。
【0037】
ステップS4において、処理制限部45は、処理許可データ格納部44に格納された処理許可データ44aを参照して、処理許可データ44aに含まれる画像ファイルと同様の画像ファイルが、印刷ジョブに存在するか否かを確認し、同様の画像ファイルが存在する場合(Yes)にはステップS6へ進み、同様の画像ファイルが存在しない場合(No)にはステップS7へ進む。
【0038】
ステップS5において、処理制限部45は、処理禁止データ格納部41に格納された処理禁止データ41aを参照して、処理禁止データ41aに含まれる文字列データと同様の文字列データが、印刷ジョブに存在するか否かを確認し、同様の文字列データが存在する場合(Yes)にはステップS7へ進み、同様の文字列データが存在しない場合(No)にはステップS6へ進む。
【0039】
ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブに対して印刷を実行し、印刷処理を終了する。ステップS7において、処理制限部45は、印刷ジョブを削除して印刷を停止させる。処理制限部45は、更に、印刷制限メッセージを通信部42、ネットワーク20、及びクライアント30内の通信部33を経由して、プリンタドライバ32に送信する。印刷制限メッセージを受け取ったプリンタドライバ32は、図7に示すように、印刷ジョブが制限されたことを表す印刷制限メッセージ45aを表示部34に表示させ、印刷処理を終了する。
【0040】
図9は、印刷ジョブ51の例を示す図である。
印刷ジョブ51には、文字列データとして「新製品」、「OX550」、「2010/08/XX発売」、「SPEC」、「CPU:YY」、及び、「MEM:ZZ」が含まれている。
【0041】
このような図9の印刷ジョブ51を印刷する場合の図8の印刷制限方法例を説明する。
図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常であることを確認すると(Yes)、ステップS3へ進む。ステップS3において、処理制限部45は、図9の印刷ジョブ51中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる画像ファイル15a1〜15a3と同様の画像ファイルが存在しないため(No)、ステップS5へ進む。ステップS5において、処理制限部45は、図9の印刷ジョブ51中に、図2の処理禁止データ13a(=41a)に含まれる文字列データ「OX550」13a1と同様の文字列データ「OX550」が存在するため(Yes)、ステップS7へ進む。ステップS7において、処理制限部45は、印刷ジョブ51の印刷を停止させる。
【0042】
又、ステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常でないことを確認すると(No)、ステップS4へ進む。ステップS4において、処理制限部45は、図9の印刷ジョブ51中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる画像ファイル15a1〜15a3と同様の画像ファイルが存在しないため(No)、ステップS7へ進む。ステップS7において、処理制限部45は、印刷ジョブ51の印刷を停止させる。
【0043】
従って、処理禁止データ13a(=41a)中の文字列データ13a1〜13a3が含まれ、処理許可データ15a(=44a)中の画像ファイル15a1〜15a3が含まれない印刷ジョブ51の場合には、常に印刷が制限される。
【0044】
図10は、印刷ジョブ52の例を示す図である。
印刷ジョブ52には、文字列データとして「OX540情報」、「SPEC」、「CPU:YY」、「MEM:ZZ」と、画像ファイルとして「許可済み」とが含まれている。
【0045】
このような図10の印刷ジョブ52を印刷する場合の図8の印刷制限方法例を説明する。
【0046】
図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常であることを確認すると(Yes)、ステップS3へ進む。ステップS3において、処理制限部45は、図10の印刷ジョブ52中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる図5の画像ファイル15a1が存在するため(Yes)、ステップS6へ進む。ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブ52を印刷する。
【0047】
又、図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常でないことを確認すると(No)、ステップS4へ進む。ステップS4において、処理制限部45は、図10の印刷ジョブ52中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる図5の画像ファイル15a1が存在するため(Yes)、ステップS6へ進む。ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブ52を印刷する。
【0048】
図11は、印刷ジョブ53の例を示す図である。
印刷ジョブ53には、文字列データとして「新製品」、「OX540」、「2010/08/XX発売」、「SPEC」、「CPU:YY」、「MEM:ZZ」と、画像ファイルとして「許可済み」とが含まれている。
【0049】
このような図11の印刷ジョブ53を印刷する場合の図8の印刷制限方法例を説明する。
【0050】
図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常であることを確認すると(Yes)、ステップS3へ進む。ステップS3において、処理制限部45は、図11の印刷ジョブ53中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる図5の画像ファイル15a1が存在するため(Yes)、ステップS6へ進む。ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブ52を印刷する。
【0051】
又、図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常でないことを確認すると(No)、ステップS4へ進む。ステップS4において、処理制限部45は、図11の印刷ジョブ53中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる図5の画像ファイル15a1が存在するため(Yes)、ステップS6へ進む。ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブ52を印刷する。
【0052】
このように、図11の印刷ジョブ53には、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる図5の画像ファイル15a1が存在し、且つ、図2の処理禁止データ13a(=41a)に含まれる文字列データ「OX550」13a1が存在する。動作については、図10の印刷ジョブ52と同様であり、常に印刷される。
【0053】
従って、図10の印刷ジョブ52及び図11の印刷ジョブ53のように、処理許可データ15a(=44a)中の画像ファイル15a1〜15a3が含まれる印刷ジョブ52,53の場合は、処理禁止データ13a(=41a)の存在に関わらず常に印刷される。
【0054】
図12は、印刷ジョブ54の例を示す図である。
印刷ジョブ54には、文字列データとして「OX540情報」、「SPEC」、「CPU:YY」、及び、「MEM:ZZ」が含まれている。
【0055】
このような図12の印刷ジョブ54を印刷する場合の図8の印刷制限方法例を説明する。
【0056】
図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常であることを確認すると(Yes)、ステップS3へ進む。ステップS3において、処理制限部45は、図12の印刷ジョブ54中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる画像ファイル15a1〜15a3と同様の画像ファイルが存在しないため(No)、ステップS5へ進む。ステップS5において、処理制限部45は、図12の印刷ジョブ54中に、図2の処理禁止データ13a(=41a)に含まれる文字列データ13a1〜13a3と同様の文字列データが存在しないため(No)、ステップS6へ進む。ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブ54を印刷する。
【0057】
又、ステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常でないことを確認すると(No)、ステップS4へ進む。ステップS4において、処理制限部45は、図12の印刷ジョブ54中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる画像ファイル15a1〜15a3と同様の画像ファイルが存在しないため(No)、ステップS7へ進む。ステップS7において、処理制限部45は、印刷ジョブ51の印刷を停止させる。
【0058】
従って、図2の処理禁止データ13a(=41a)中の文字列データ13a1〜13a3、及び図4の処理許可データ15a(=44a)中の画像ファイル15a1〜15a3が含まれない印刷ジョブ54の場合は、通信状況によって印刷が許可される場合と制限される場合がある。
【0059】
(2) 実施例1のデータ更新時の動作
図13は、図1のプリンタ40における処理禁止データ41a及び処理許可データ44aの更新時の動作を示すフローチャートである。
【0060】
データ更新処理が開始されると、ステップS11において、プリンタ40内の通信状況確認部43は、時刻取得部48から現在時刻を取得し、一定時間毎に、処理禁止データ格納部41内の処理禁止データ41aと、処理許可データ格納部44内の処理許可データ44aとの更新を開始し、ステップS12へ進む。ステップS12において、通信状況確認部43は、通信部42及びネットワーク20を経由して、管理サーバ10に対し、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aの問い合わせデータを送信する。問い合わせデータを受信した管理サーバ10は、処理禁止データ格納部13内の処理禁止データ13aと、処理許可データ格納部15内の処理許可データ15とを、通信部14及びネットワーク20を経由してプリンタ40に送信し、ステップS13へ進む。
【0061】
ステップS13において、プリンタ40内の通信部42は、処理禁止データ13a及び、処理許可データ15aを受信した場合には(Yes)、ステップS14へ進み、受信できない場合には(No)、データ更新処理を終了する。処理禁止データ13a及び処理許可データ15aが受信できない場合の例としては、管理サーバ10の障害や、ネットワーク20と管理サーバ10間のネットワーク障害等が挙げられる。
【0062】
ステップS14において、プリンタ40内の通信部42は、受信した処理禁止データ13aと処理許可データ15aとを、それぞれ処理禁止データ格納部41内の処理禁止データ41aと処理許可データ格納部44内の処理許可データ44とに上書きし、ステップS15へ進む。ステップS15において、通信状況確認部43は、時刻取得部48から現在時刻を取得して、最終更新時間格納部47に格納された最終更新時間を更新し、データ更新処理を終了する。
【0063】
(3) 実施例1のプリンタ、管理サーバ及びクライアントの通信状況
図14は、図1中のプリンタ40、管理サーバ10及びクライアント30の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【0064】
この図14では、途中で管理サーバ10がダウンする例が示されている。
プリンタ40からは管理サーバ10に対して、一定時間毎に問い合わせデータASKが送信されている。通信状況が正常な場合は、問い合わせデータASKを受信した管理サーバ10からプリンタ40へ、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aが送信される。管理サーバ10のダウン後は、この管理サーバ10からプリンタ40へ処理禁止データ13a及び処理許可データ15aが送信されない。
【0065】
クライアント30からはプリンタ40に対して、その都度、印刷ジョブ(例えば、図9の印刷ジョブ51、図10の印刷ジョブ52、図12の印刷ジョブ54)が送信されている。
【0066】
図9の印刷ジョブ51については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データ「OX550」が存在するため、プリンタ40内の処理制限部45により、印刷部46の印刷が停止される。そして、図7の印刷制限メッセージ45aが、プリンタ40内の処理制限部45から通信部42及びネットワーク20を経由して、クライアント30へ送信される。
【0067】
図10の印刷ジョブ52については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データが存在せず、且つ図4の処理許可データ15a(=44a)に当てはまる画像ファイルが存在するため、印刷部46によって正常に印刷が実行される。
【0068】
図12の印刷ジョブ54については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データが存在せず、且つ図4の処理許可データ15a(=44a)に当てはまる画像ファイルが存在しない。条件は印刷ジョブ52と同様であるが、管理サーバ10のダウンにより、一定時間以上、処理禁止データ41a及び処理許可データ44aが更新されていないため、処理制限部45により、印刷部46の印刷が停止される。
【0069】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(a)、(b)のような効果がある。
【0070】
(a) プリンタ40と管理サーバ10が通信可能時は、処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる印刷ジョブ51のみ印刷を制限し、一定時間以上通信できていない場合は、処理禁止データ41aに当てはまる可能性のあるジョブについても印刷を制限している。これにより、管理者はより安全に印刷制限を行うことが可能である。
【0071】
(b) プリンタ40と管理サーバ10が一定時間以上通信できていない場合においても、処理許可データ44aに当てはまる印刷ジョブについては、印刷を可能にしている。これにより、ユーザの利便性低下を抑えることが可能である。
【実施例2】
【0072】
(実施例2の構成)
図15は、本発明の実施例2における印刷システムを示す概略の構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0073】
本実施例2の印刷システムでは、実施例1と同様の管理サーバ10及び表示部16と、実施例1と同様のネットワーク20と、実施例1のクライアント30及び表示部34に代えて設けられた複数のクライアント30−1,30−2,30−3及び複数の表示部34−1,34−2,34−3と、実施例1の画像形成装置としてのプリンタ40に代えて設けられたプリンタ40Aとを備えている。管理サーバ10と、複数のクライアント30−1〜30−3と、プリンタ40Aとは、ネットワーク20を介して相互に接続されている。
【0074】
本実施例2の各クライアント30−1〜30−3及び各表示部34−1〜34−3は、実施例1のクライアント30及び表示部34と同様の構成である。即ち、クライアント30−1は、アプリケーション31−1と、このアプリケーション31−1に接続されたプリンタドライバ32−1と、このプリンタドライバ32−1に接続された通信部33−1とを有し、その通信部33−1がネットワーク20に接続されている。クライアント34−1には、表示部34−1が接続されている。同様に、クライアント30−2は、アプリケーション31−2と、プリンタドライバ32−2と、通信部33−2とを有し、その通信部33−2がネットワーク20に接続されている。クライアント30−2には、表示部34−2が接続されている。更に、クライアント30−3は、アプリケーション31−3と、プリンタドライバ32−3と、通信部33−3とを有し、その通信部33−3がネットワーク20に接続されている。クライアント30−3には、表示部34−3が接続されている。
【0075】
本実施例2のプリンタ40Aでは、実施例1のプリンタ40に対して、新たに装置情報格納部としてのジョブ情報格納部49が追加され、そのジョブ情報格納部49が処理制限部45に接続されている。ジョブ情報格納部49には、処理制限部45により制限された印刷処理に関連した装置情報(例えば、印刷制限を行った印刷ジョブの送信元情報)が格納される。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0076】
図16は、図15中のジョブ情報格納部49の構成例を示す図である。
ジョブ情報格納部49には、送信元情報であるクライアント名(30−1,30−2)が格納されている。
【0077】
図17は、図15中の処理制限部45から出力されてクライアント30−1〜30−3の表示部34−1〜34−3に表示される制限緩和メッセージ45bの表示例を示す図である。
制限緩和メッセージ45bは、「印刷制限が緩和されました。」と表示されている。
【0078】
(実施例2の印刷制限方法)
本実施例2の印刷システムにおける印刷制限方法について、以下、その動作(1)〜(3)を説明する。
【0079】
(1) 実施例2の印刷実行時の動作
図18は、図15の印刷システムにおける印刷実行時の動作を示すフローチャートであり、実施例1を示す図8中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0080】
本実施例2の図18のフローチャートでは、実施例1の図8のフローチャートにおけるステップS1〜S7に対して、ステップS4とステップS7との間に、新たにステップS8が追加されている。
【0081】
図15の印刷システムにおける印刷処理では、実施例1と同様に、ステップS1にて印刷が開始され、ステップS2へ進む。ステップS2において、実施例1と同様に、通信状況確認部43は、管理サーバ10との間の通信状況が正常であるか否かを確認するために、最終更新時間格納部47に格納された時刻と、時刻取得部48で取得された現在時刻とを比較して、差が一定時間未満の場合には正常であると判断(Yes)してステップS3へ進み、差が一定時間以上の場合には正常ではないと判断(No)してステップS4へ進む。
【0082】
ステップS4において、実施例1と同様に、処理制限部45は、処理許可データ格納部44に格納された処理許可データ44aを参照して、処理許可データ44aに含まれる画像ファイルと同様の画像ファイルが、印刷ジョブに存在するか否かを確認する。このステップS4において、同様の画像ファイルが存在する場合(Yes)には、実施例1と同様に、ステップS6へ進み、同様の画像ファイルが存在しない場合(No)には、実施例1と異なり、ステップS8へ進む。ステップS8において、処理制限部45は、印刷ジョブを参照し、送信元情報をジョブ情報格納部49に格納した後、実施例1と同様のステップS7の印刷停止処理へ進む。
【0083】
このように、本実施例2の印刷処理では、ステップS2において、印刷状況が正常ではなく(No)、ステップS4において、処理許可データ44aに含まれる画像ファイルと同様の画像ファイルが存在せず(No)、次のステップS8において、送信元情報をジョブ情報格納部49に格納する。これらの印刷ジョブについては、ステップS7において、印刷が制限されるが、通信状況が正常である場合は、印刷できる可能性があるため、ステップS8において、送信元情報を保存している。
【0084】
(2) 実施例2のデータ更新時の動作
図19は、図15のプリンタ40Aにおける処理禁止データ41a及び処理許可データ44aの更新時の動作を示すフローチャートであり、実施例1を示す図13中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0085】
本実施例2の図19のフローチャートでは、実施例1の図13のフローチャートにおけるステップS11〜S15に対して、ステップS14とステップS15との間に、新たにステップS16,S17,S18が追加されている。
【0086】
データ更新処理が開始されると、実施例1と同様に、ステップS11〜S14の処理が行われ、ステップS16へ進む。
【0087】
ステップS16において、通信状況確認部43は、最終更新時間格納部47に格納された時刻と、時刻取得部48から取得した現在時刻とを比較し、差が一定時間以上の場合には、通信状況が復旧したと判断(Yes)してステップS17へ進み、差が一定時間未満の場合には、そもそも通信状況が正常であったと判断(No)してステップS15へ進む。ステップS17において、処理制限部45は、図16のジョブ情報格納部49に格納されている印刷ジョブ送信元であるクライアント30−1,30−2に対し、通信部42及びネットワーク20を経由して、制限緩和メッセージ45bを送信する。制限緩和メッセージ45bを受け取ったクライアント30−1,30−2は、プリンタドライバ32−1,32−2により駆動される表示部34−1,34−2において、印刷制限が緩和されたことを表す図17の制限緩和メッセージ45bを表示し、ステップS18へ進む。
【0088】
ステップS18において、処理制限部45は、図16のジョブ情報格納部49に格納されている送信元情報であるクライアント名(30−1,30−2)を全て削除し、ステップS15へ進む。ステップS15において、実施例1と同様に、通信状況確認部43は、最終更新時間格納部47内の最終更新日時を更新した後、データ更新処理を終了する。
【0089】
(3) 実施例2のプリンタ、管理サーバ及びクライアントの通信状況
図20は、図15中のプリンタ40A、管理サーバ10及びクライアント30−1,30−2の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【0090】
この図20では、途中で管理サーバ10が復旧する例が示されている。
プリンタ40Aからは管理サーバ10に対して、一定時間毎に問い合わせデータASKが送信されている。管理サーバ10の復旧後、プリンタ40A内の通信部42は、管理サーバ10から送信された処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを受信する。通信状況確認部43は、一定時間以上、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aが更新されていないため、通信状況が復旧したと判断する。そして、処理制限部45は、通信部42及びネットワーク20を経由して、制限緩和メッセージ45bをクライアント30−1,30−2へ送信する。
【0091】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、プリンタ40Aと管理サーバ10間の通信状況が復旧した場合には、通信状況が正常ではないときに印刷制限を受けた印刷ジョブを送信したクライアント30−1,30−2に対して通知を出すようにしている。これにより、クライアント30−1,30−2のユーザは、通知を受けて再度印刷を実行することが可能になるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【実施例3】
【0092】
前記実施例1、2では、プリンタ40,40Aが一定時間毎に管理サーバ10に対して、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを問い合わせている。しかし、管理サーバ10からプリンタ40,40Aへ、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを自動的に送信することも可能である。この送信例を以下説明する。
【0093】
(実施例3の構成)
図21は、本発明の実施例3における印刷システムを示す概略の構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0094】
本実施例3の印刷システムでは、実施例1の管理サーバ10とは異なる構成の管理サーバ10Bと、実施例1と同様のネットワーク20、クライアント30、及び画像形成装置としてのプリンタ40とを備えている。管理サーバ10Bには、実施例1と同様の表示部34が接続されている。クライアント30にも、実施例1と同様の表示部34が接続されている。これらの管理サーバ10Bと、クライアント30と、プリンタ40とは、ネットワーク20を介して相互に接続されている。
【0095】
本実施例3の管理サーバ10Bでは、実施例1とは異なる構成の処理禁止データ管理部11B及び処理許可データ管理部12Bと、実施例1と同様の処理禁止データ格納部13、通信部14及び処理許可データ格納部15と、新たに追加されたタイマ部17及び日時更新データ格納部18とを備えている。
【0096】
処理禁止データ管理部11Bは、処理禁止データ格納部13に接続され、処理禁止データ13aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理禁止データ13aを更新したり、処理禁止データ13aの設定の際に、その処理禁止データ13aの内容に基づいて、現在の処理禁止データ13aの内容を表示部16に表示させる機能を有している。更に、処理禁止データ管理部11Bは、処理禁止データ格納部13内の処理禁止データ13aを更新した場合には、その更新した処理禁止データ13aを、通信部14及びネットワーク20を経由して、プリンタ40へ送信する機能を有している。
【0097】
処理許可データ管理部12は、処理許可データ格納部15に接続され、処理許可データ15aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理許可データ15aを更新したり、処理許可データ15aの設定の際に、その処理許可データ15aの内容に基づいて、現在の処理許可データ15aの内容を表示部16に表示させる機能を有している。更に、処理許可データ管理部12Bは、処理許可データ格納部15内の処理許可データ15aを更新した場合には、その更新した処理許可データ15aを、通信部14及びネットワーク20を経由して、プリンタ40へ送信する機能を有している。これらの処理禁止データ管理11B及び処理許可データ管理部12Bは、CPUにより構成されている。
【0098】
タイマ部17は、経過時間を計数するものであり、この出力側に、日時更新データ格納部18を介して通信部14が接続されている。日時更新データ格納部18は、タイマ部17の出力時間に基づき生成された日時更新データ18aを格納するものである。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0099】
(実施例3の印刷制限方法)
本実施例3の印刷システムにおける印刷制限方法について、以下、その動作(1)〜(3)を説明する。
【0100】
(1) 実施例3のデータ更新時の動作
図22は、図21中の管理サーバ10Bから処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを送信してデータ更新を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【0101】
データ更新処理が開始されると、ステップS21において、管理サーバ10B内の処理禁止データ管理部11B又は処理許可データ管理部12Bは、処理禁止データ格納部13内の処理禁止データ13a又は処理許可データ格納部15内の処理許可データ15aを更新する。即ち、処理禁止データ管理部11Bは、処理禁止データ13aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理禁止データ13aを更新する。又、処理許可データ管理部12Bは、処理許可データ15aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理許可データ15aを更新する。その後、ステップS22へ進む。
【0102】
ステップS22において、管理サーバ10B内の通信部14は、更新された処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを、ネットワーク20を経由して、プリンタ40へ送信し、ステップS23へ進む。ステップS23において、プリンタ40内の通信部42は、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを受信した場合には(Yes)、ステップS24へ進み、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを受信できない場合には(No)、データ更新処理を終了する。
【0103】
ステップS24において、プリンタ40内の通信部42は、受信した処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを、それぞれ処理禁止データ格納部41内の処理禁止データ41a及び処理許可データ格納部44内の処理許可データ44aに上書きし、ステップS25へ進む。ステップS25において、通信状況確認部43は、時刻取得部48から現在時刻を取得し、最終更新時間格納部47に格納された最終更新時間を更新した後、データ更新処理を終了する。
【0104】
(2) 実施例3の管理サーバの動作
図23は、前回のデータ送信から一定時間経過後の管理サーバ10Bの動作を示すフローチャートである。
【0105】
管理サーバ10Bの動作が開始されると、ステップS31において、管理サーバ10B内の通信部14は、前回のデータ送信から、タイマ部17で計数された一定時間が経過した場合、日時更新データ格納部18に格納された日時更新データ18aを、ネットワーク20を経由して、プリンタ40へ送信し、ステップS32へ進む。
【0106】
ステップS32において、プリンタ40内の通信部42は、日時更新データ18aを受信した場合には(Yes)、ステップS33へ進み、日時更新データ18aを受信できない場合には(No)、管理サーバ10Bの動作が終了する。ステップS33において、通信状況確認部43は、時刻取得部48から現在時刻を取得して、最終更新時間格納部47に格納された最終更新時間を更新した後、管理サーバ10Bの動作が終了する。
【0107】
(3) 実施例3のプリンタ、管理サーバ及びクライアントの通信状況
図24は、図21中のプリンタ40、管理サーバ10B及びクライアント30の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【0108】
この図24では、途中で管理サーバ10Bとプリンタ40間のネットワーク20が切断される例が示されている。
【0109】
管理サーバ10Bでは、処理禁止データ格納部13内の処理禁止データ13a又は処理許可データ格納部15内の処理許可データ15aが更新される毎に、通信部14及びネットワーク20を経由して、その処理禁止データ13a及び処理許可データ15aをプリンタ40へ送信する。ネットワーク20が切断された後は、管理サーバ10Bからプリンタ40へ処理禁止データ13a及び処理許可データ15aが送信されない。又、データが更新されない場合においても、前回のデータ送信から一定時間経過した場合は、管理サーバ10Bからプリンタ40へ、日時更新データ18aを送信することで、通信が正しく行われていることをプリンタ40に認識させる。
【0110】
クライアント30からはプリンタ40に対して、実施例1の図14と同様に、その都度、印刷ジョブ(例えば、図9の印刷ジョブ51、図10の印刷ジョブ52、図12の印刷ジョブ54)が送信されている。
【0111】
実施例1の図14と同様に、図9の印刷ジョブ51については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データ「OX550」が存在するため、プリンタ40内の処理制限部45により、印刷部46の印刷が停止される。そして、図7の印刷制限メッセージ45aが、プリンタ40内の処理制限部45から通信部42及びネットワーク20を通じて、クライアント30へ送信される。
【0112】
図10の印刷ジョブ52については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データが存在せず、且つ図4の処理許可データ15a(=44a)に当てはまる画像ファイルが存在するため、印刷部46によって正常に印刷が実行される。
【0113】
図12の印刷ジョブ54については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データが存在せず、且つ図4の処理許可データ15a(=44a)に当てはまる画像ファイルが存在しない。条件は印刷ジョブ52と同様であるが、管理サーバ10Bとプリンタ40間のネットワーク20の切断により、管理サーバ10Bからデータが更新されないため、処理制限部45により、印刷部46の印刷が停止される。そして、図7の印刷制限メッセージ45aが、プリンタ40内の処理制限部45から通信部42及びネットワーク20を経由して、クライアント30へ送信される。
【0114】
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、実施例1とほぼ同様の効果がある。特に、本実施例3によれば、管理サーバ10B内の処理禁止データ13a又は処理許可データ15aが更新される毎に、その処理禁止データ13aと処理許可データ15aをプリンタ40へ送信するようにしているので、プリンタ40側においてデータ更新のための処理が簡単になり、プリンタ40側の負担を低減できる。
【0115】
(変形例)
本発明は、上記実施例1〜3に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(e)のようなものがある。
【0116】
(a) 実施例において、処理禁止データ管理部11,11Bは、処理禁止データ13aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理禁止データ13aを更新したり、処理禁止データ13aの設定の際に、その処理禁止データ13aの内容に基づいて、現在の処理禁止データ13aの内容を表示部16に表示させるようにしているが、クライアント30,30−1〜30−3側の表示部34,34−1〜34−3に表示させるようにしても良い。同様に、処理許可データ管理部12,12Bは、処理許可データ15aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理許可データ15aを更新したり、処理許可データ15aの設定の際に、その処理許可データ15aの内容に基づいて、現在の処理許可データ15aの内容を表示部16に表示させるようにしているが、クライアント30,30−1〜30−3側の表示部34,34−1〜34−3に表示させるようにしても良い。
【0117】
(b) 実施例では、処理禁止データ13a,41aを複数の文字列データとし、処理許可データ15a,44aを複数の画像ファイルとしたが、それぞれ任意のデータ及びファイル、又、任意の条件を適用可能である。
【0118】
(c) 実施例では、プリンタ40,40Aとクライアント30,30−1〜30−3とが、ネットワーク20を通して接続されているが、USB(Universal Serial Bus)ポート、シリアルポート等を使用して、プリンタ40,40Aとクライアント30,30−1〜30−3とが、直接接続される形式とすることも可能である。
【0119】
(d) 実施例では、プリンタ40,40Aと管理サーバ10,10Bとが一定時間以上通信できない場合に、処理許可データ44aに含まれるファイルと同様のファイルが存在する印刷ジョブのみ印刷処理をすることとしたが、全ての印刷ジョブを制限することにより、制限を厳しくすることも可能である。
【0120】
(e) 管理サーバ10,10B、クライアント30,30−1〜30−3、及びプリンタ40,40Aは、図示以外の構成に変更しても良い。又、本発明の画像形成装置は、プリンタ40,40A以外の複写機、ファクシミリ装置、複合機(MFP)等にも適用できる。
【符号の説明】
【0121】
10,10B 管理サーバ
11,11B 処理禁止データ管理部
12,12B 処理許可データ管理部
13,41 処理禁止データ格納部
13a,41a 処理禁止データ
14,42 通信部
15,44 処理許可データ格納部
15a,44a 処理許可データ
16,34,34−1〜34−3 表示部
18 日時更新データ格納部
18a 日時更新データ
20 ネットワーク
30,30−1〜30−3 クライアント
40,40A プリンタ
43 通信状況確認部
45 処理制限部
46 印刷部
49 ジョブ情報格納部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ネットワークに接続された画像形成装置と、管理サーバ及び画像形成装置を有する印刷システムと、印刷システムにおける印刷制限方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
製品情報や個人情報等、印刷を制限しなければならない印刷ジョブの条件はその時々において更新される。そのため、下記の特許文献1では、ネットワークを通じて画像形成装置としてのプリンタにおける印刷ジョブの処理禁止条件を更新する印刷システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−253241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷システムでは、通信状況の異常、処理禁止条件を管理する管理サーバのダウンやメンテナンス等で、処理禁止条件を更新できなくなった場合に、印刷制限が適切に動作せず、制限が必要となった印刷ジョブを印刷するおそれがあるといった課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のうちの第1の発明の画像形成装置は、印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報を格納する処理禁止情報格納部と、前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を格納する処理許可情報格納部と、前記処理禁止情報及び前記処理許可情報の更新状態を確認する確認部と、印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷部と、前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報と確認された前記更新状態とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止に制限を加える処理制限部と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
第2の発明の印刷システムは、画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置に接続された管理サーバと、を備えている。
【0007】
前記画像形成装置は、印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報を格納する処理禁止情報格納部と、前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を格納する処理許可情報格納部と、前記管理サーバとの通信状況を確認する通信状況確認部と、印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷部と、前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報と確認された前記通信状況とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止に制限を加える処理制限部と、を備えている。更に、前記管理サーバは、前記ネットワークを介して、前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報とを更新することを特徴とする。
【0008】
第3の発明の印刷制限方法は、印刷ジョブに基づいて行う印刷処理に対する禁止又は許可に制限を加える画像形成装置と、前記印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報及び前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を、ネットワークを介して前記画像形成装置へ送信する管理サーバと、を備えた印刷システムにおける印刷制限方法である。そして、前記画像形成装置は、前記管理サーバから送信された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報を受信する受信処理と、前記管理サーバとの通信状況を確認する確認処理と、受信された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報と確認された前記通信状況とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止を制限する制限処理と、を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明の画像形成装置によれば、処理禁止情報と処理許可情報と更新状態とを参照して、印刷処理に対する許可又は禁止に制限を加えるようにしているので、より安全に印刷制限を行うことが可能である。
【0010】
第2の発明の印刷システム、及び第3の発明の印刷制限方法によれば、処理禁止情報と処理許可情報と通信状況とを参照し、印刷処理を制限するようにしているので、より安全に印刷制限を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の実施例1における印刷システムを示す概略の構成図である。
【図2】図2は図1中の処理禁止データ13aの構成例を示す図である。
【図3】図3は図1中の表示部16に表示される処理禁止データ設定用画面16aの構成例を示す図である。
【図4】図4は図1中の処理許可データ15aの構成例を示す図である。
【図5】図5は図4中の画像ファイル15a1の表示例を示す図である。
【図6】図6は図1中の表示部16に表示される処理許可データ設定用画面16bの構成例を示す図である。
【図7】図7は印刷制限メッセージ45aの表示例を示す図である。
【図8】図8は図1の印刷システムにおける印刷実行時の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は印刷ジョブ51の例を示す図である。
【図10】図10は印刷ジョブ52の例を示す図である。
【図11】図11は印刷ジョブ53の例を示す図である。
【図12】図12は印刷ジョブ54の例を示す図である。
【図13】図13は図1のプリンタ40における処理禁止データ41a及び処理許可データ44aの更新時の動作を示すフローチャートである。
【図14】図14は図1中のプリンタ40、管理サーバ10及びクライアント30の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【図15】図15は本発明の実施例2における印刷システムを示す概略の構成図である。
【図16】図16は図15中のジョブ情報格納部49の構成例を示す図である。
【図17】図17は制限緩和メッセージ45bの表示例を示す図である。
【図18】図18は図15の印刷システムにおける印刷実行時の動作を示すフローチャートである。
【図19】図19は図15のプリンタ40Aにおける処理禁止データ41a及び処理許可データ44aの更新時の動作を示すフローチャートである。
【図20】図20は図15中のプリンタ40A、管理サーバ10及びクライアント30−1,30−2の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【図21】図21は本発明の実施例3における印刷システムを示す概略の構成図である。
【図22】図22は図21中の管理サーバ10Bから処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを送信してデータ更新を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図23】図23は前回のデータ送信から一定時間経過後の管理サーバ10Bの動作を示すフローチャートである。
【図24】図24は図21中のプリンタ40、管理サーバ10B及びクライアント30の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0013】
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1における印刷システムを示す概略の構成図である。
【0014】
印刷システムは、管理サーバ10と、ネットワーク20と、このネットワーク20を介してその管理サーバ10に接続されたクライアント30及び画像形成装置としてのプリンタ40とを備えている。
【0015】
管理サーバ10は、印刷処理に対する処理禁止情報としての処理禁止データ13a及び処理許可情報としての処理許可データ15aを管理する装置である。この管理サーバ10は、処理禁止データ13aを管理する処理禁止データ管理部11と、処理許可データ15aを管理する処理許可データ管理部12と、その処理禁止データ13aを格納する処理禁止情報格納部としての処理禁止データ格納部13と、通信部14と、その処理許可データ15aを格納する処理許可情報格納部としての処理許可データ格納部15とを有し、例えば、中央処理装置(以下「CPU」という。)、記憶装置及び入/出力装置等を有するコンピュータにより構成されている。この管理サーバ10には、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを設定するための設定用画面等を表示する表示部16等が接続されている。
【0016】
処理禁止データ管理部11は、処理禁止データ13aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理禁止データ13aを更新したり、処理禁止データ13aの設定の際に、その処理禁止データ13aの内容に基づいて、現在の処理禁止データ13aの内容を表示部16に表示させる機能を有している。処理許可データ管理部12は、処理許可データ15aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理許可データ15aを更新したり、処理許可データ15aの設定の際に、その処理許可データ15aの内容に基づいて、現在の処理許可データ15aの内容を表示部16に表示させる機能を有している。これらの処理禁止データ管理11及び処理許可データ管理部12は、CPUにより構成されている。
【0017】
処理禁止データ格納部13及び処理許可データ格納部15は、記憶装置により構成されている。処理禁止データ格納部13に格納される処理禁止データ13aは、例えば、複数の文字列データから構成されている。処理許可データ格納部15に格納される処理許可データ15aは、例えば、複数の画像ファイルから構成されている。通信部14は、処理禁止データ格納部13、処理許可データ格納部15、及びネットワーク20に接続され、プリンタ40からの問い合わせに応答して、あるいは、自発的に、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aをネットワーク20へ送信する機能を有している。
【0018】
クライアント30は、プリンタ40に対して印刷指示を行う印刷指示装置であり、アプリケーションプログラム(以下単に「アプリケーション」という。)31、プリンタドライバ32、及び通信部33を有し、例えば、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)により構成されている。このクライアント30には、データ等を表示するための表示部34等が接続されている。
【0019】
プリンタ40は、クライアント30からの印刷指示を受けると、管理サーバ10から与えられる処理禁止データ13a及び処理許可データ15a等に基づき、印刷処理を行う装置である。このプリンタ40は、処理禁止データ格納部41、通信部42、情報の更新状態を確認する確認部としての通信状況確認部43、処理許可データ格納部44、処理制限部45、印刷部46、最終更新時間格納部47、及び時刻取得部48により構成されている。
【0020】
処理禁止データ格納部41は、通信部42及び処理制限部45に接続され、通信部42を介して管理サーバ10から与えられる処理禁止データ41aを格納するものである。処理禁止データ41aは、複数の文字列データから構成されている。この処理禁止データ41aの中身は、管理サーバ10内の処理禁止データ格納部13に格納された処理禁止データ13aと一致するとは限らない。通信部42は、ネットワーク20、処理禁止データ格納部41、通信状況確認部43、処理許可データ格納部44及び処理制限部45に接続され、ネットワーク20に対してデータを送受信する機能を有している。
【0021】
通信状況確認部43は、通信部42、処理制限部45、最終更新時間格納部47及び時刻取得部48に接続され、通信部42を介して管理サーバ10との通信状況を確認する機能を有している。処理許可データ格納部44は、通信部42及び処理制限部45に接続され、通信部42を介して管理サーバ10から与えられる処理許可データ44aを格納するものである。処理許可データ44aは、複数の画像ファイルにより構成されている。この処理許可データ44aの中身は、管理サーバ10内の処理許可データ格納部15に格納された処理許可データ15aと一致するとは限らない。
【0022】
処理制限部45は、処理禁止データ格納部41、通信部42、通信状況確認部43、処理許可データ格納部44及び印刷部46に接続され、処理禁止データ41a、処理許可データ44a、及び通信状況確認部43の情報を参照し、印刷ジョブを制限すると共に、任意の情報としての印刷制限メッセージ45a等を出力する機能を有している。印刷部46は、処理制限部45に接続され、この印刷制限部45で許可された印刷ジョブを印刷する機能を有している。最終更新時間格納部47は、通信状況確認部43に接続され、最後に処理禁止データ41a及び処理許可データ44aを更新した時間を格納するものである。時刻取得部48は、通信状況確認部43に接続され、現在の時刻を取得する機能を有している。
【0023】
図2は、図1中の処理禁止データ13aの構成例を示す図である。
処理禁止データ13aは、複数の文字列データ(例えば、「OX550」13a1、「OX560」13a2、「OX570」13a3)により構成されている。
【0024】
図3は、図1中の表示部16に表示される処理禁止データ設定用画面16aの構成例を示す図である。
【0025】
処理禁止データ設定用画面16aには、処理禁止データ13aと、この処理禁止データ13aを解除するための複数の解除ボタン16a1,16a2,16a3と、処理禁止データ13aを追加するためのテキストボックス16a4及び追加ボタン16a5とが表示されている。テキストボックス16a4に任意の文字列を入力し、追加ボタン16a5をクリックすることで、処理禁止データ13aに任意の文字列が追加される。
【0026】
図4は、図1中の処理許可データ15aの構成例を示す図である。
処理許可データ15aは、複数の画像ファイル15a1,15a2,15a3により構成されている。
【0027】
図5は、図4中の画像ファイル15a1の表示例を示す図である。
画像ファイル15a1は、「許可済み」と表示されている。
【0028】
図6は、図1中の表示部16に表示される処理許可データ設定用画面16bの構成例を示す図である。
【0029】
処理許可データ設定用画面16bには、処理許可データ15aと、この処理許可データ15aを解除するための複数の解除ボタン16b1,16b2,16b3と、処理許可データ15aを追加するためのテキストボックス16b4及び追加ボタン16b5とが表示されている。テキストボックス16b4に任意の画像ファイル名を入力し、追加ボタン16b5をクリックすることで、処理許可データ15aに任意の画像ファイルが追加される。
【0030】
図7は、図1中の処理制限部45から出力されてクライアント30の表示部34に表示される印刷制限メッセージ45aの表示例を示す図である。
【0031】
印刷制限メッセージ45aは、「印刷ジョブXは印刷が制限されております。」と表示されている。
【0032】
(実施例1の印刷制限方法)
本実施例1の印刷システムにおける印刷制限方法について、以下、その動作(1)〜(3)を説明する。
【0033】
(1) 実施例1の印刷実行時の動作
図8は、図1の印刷システムにおける印刷実行時の動作を示すフローチャートである。
【0034】
図1の印刷システムにおける印刷処理では、処理が開始されると、ステップS1において、ユーザがクライアント30のプリケーション31から印刷を実行すると、印刷が開始される。印刷が開始されると、アプリケーション31によって印刷ジョブが作成され、この印刷ジョブが、プリンタドライバ32、通信部33、及びネットワーク20を経由してプリンタ40へ送信される。プリンタ40では、通信部42を介して印刷ジョブを受信する。プリンタ40において、その印刷ジョブを許可するか又は制限するかを決定する。
【0035】
即ち、ステップS2において、通信状況確認部43は、管理サーバ10との間の通信状況が正常であるか否かを確認するために、最終更新時間格納部47に格納された時刻と、時刻取得部48で取得された現在時刻とを比較して、差が一定時間未満の場合には正常と判断(Yes)してステップS3へ進み、差が一定時間以上の場合には正常ではないと判断(No)してステップS4へ進む。
【0036】
ステップS3において、処理制限部45は、処理許可データ格納部44に格納された処理許可データ44aを参照して、処理許可データ44aに含まれる画像ファイルと同様の画像ファイルが、印刷ジョブに存在するか否かを確認し、同様の画像ファイルが存在する場合(Yes)にはステップS6へ進み、同様の画像ファイルが存在しない場合(No)にはステップS5へ進む。
【0037】
ステップS4において、処理制限部45は、処理許可データ格納部44に格納された処理許可データ44aを参照して、処理許可データ44aに含まれる画像ファイルと同様の画像ファイルが、印刷ジョブに存在するか否かを確認し、同様の画像ファイルが存在する場合(Yes)にはステップS6へ進み、同様の画像ファイルが存在しない場合(No)にはステップS7へ進む。
【0038】
ステップS5において、処理制限部45は、処理禁止データ格納部41に格納された処理禁止データ41aを参照して、処理禁止データ41aに含まれる文字列データと同様の文字列データが、印刷ジョブに存在するか否かを確認し、同様の文字列データが存在する場合(Yes)にはステップS7へ進み、同様の文字列データが存在しない場合(No)にはステップS6へ進む。
【0039】
ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブに対して印刷を実行し、印刷処理を終了する。ステップS7において、処理制限部45は、印刷ジョブを削除して印刷を停止させる。処理制限部45は、更に、印刷制限メッセージを通信部42、ネットワーク20、及びクライアント30内の通信部33を経由して、プリンタドライバ32に送信する。印刷制限メッセージを受け取ったプリンタドライバ32は、図7に示すように、印刷ジョブが制限されたことを表す印刷制限メッセージ45aを表示部34に表示させ、印刷処理を終了する。
【0040】
図9は、印刷ジョブ51の例を示す図である。
印刷ジョブ51には、文字列データとして「新製品」、「OX550」、「2010/08/XX発売」、「SPEC」、「CPU:YY」、及び、「MEM:ZZ」が含まれている。
【0041】
このような図9の印刷ジョブ51を印刷する場合の図8の印刷制限方法例を説明する。
図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常であることを確認すると(Yes)、ステップS3へ進む。ステップS3において、処理制限部45は、図9の印刷ジョブ51中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる画像ファイル15a1〜15a3と同様の画像ファイルが存在しないため(No)、ステップS5へ進む。ステップS5において、処理制限部45は、図9の印刷ジョブ51中に、図2の処理禁止データ13a(=41a)に含まれる文字列データ「OX550」13a1と同様の文字列データ「OX550」が存在するため(Yes)、ステップS7へ進む。ステップS7において、処理制限部45は、印刷ジョブ51の印刷を停止させる。
【0042】
又、ステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常でないことを確認すると(No)、ステップS4へ進む。ステップS4において、処理制限部45は、図9の印刷ジョブ51中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる画像ファイル15a1〜15a3と同様の画像ファイルが存在しないため(No)、ステップS7へ進む。ステップS7において、処理制限部45は、印刷ジョブ51の印刷を停止させる。
【0043】
従って、処理禁止データ13a(=41a)中の文字列データ13a1〜13a3が含まれ、処理許可データ15a(=44a)中の画像ファイル15a1〜15a3が含まれない印刷ジョブ51の場合には、常に印刷が制限される。
【0044】
図10は、印刷ジョブ52の例を示す図である。
印刷ジョブ52には、文字列データとして「OX540情報」、「SPEC」、「CPU:YY」、「MEM:ZZ」と、画像ファイルとして「許可済み」とが含まれている。
【0045】
このような図10の印刷ジョブ52を印刷する場合の図8の印刷制限方法例を説明する。
【0046】
図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常であることを確認すると(Yes)、ステップS3へ進む。ステップS3において、処理制限部45は、図10の印刷ジョブ52中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる図5の画像ファイル15a1が存在するため(Yes)、ステップS6へ進む。ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブ52を印刷する。
【0047】
又、図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常でないことを確認すると(No)、ステップS4へ進む。ステップS4において、処理制限部45は、図10の印刷ジョブ52中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる図5の画像ファイル15a1が存在するため(Yes)、ステップS6へ進む。ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブ52を印刷する。
【0048】
図11は、印刷ジョブ53の例を示す図である。
印刷ジョブ53には、文字列データとして「新製品」、「OX540」、「2010/08/XX発売」、「SPEC」、「CPU:YY」、「MEM:ZZ」と、画像ファイルとして「許可済み」とが含まれている。
【0049】
このような図11の印刷ジョブ53を印刷する場合の図8の印刷制限方法例を説明する。
【0050】
図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常であることを確認すると(Yes)、ステップS3へ進む。ステップS3において、処理制限部45は、図11の印刷ジョブ53中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる図5の画像ファイル15a1が存在するため(Yes)、ステップS6へ進む。ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブ52を印刷する。
【0051】
又、図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常でないことを確認すると(No)、ステップS4へ進む。ステップS4において、処理制限部45は、図11の印刷ジョブ53中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる図5の画像ファイル15a1が存在するため(Yes)、ステップS6へ進む。ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブ52を印刷する。
【0052】
このように、図11の印刷ジョブ53には、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる図5の画像ファイル15a1が存在し、且つ、図2の処理禁止データ13a(=41a)に含まれる文字列データ「OX550」13a1が存在する。動作については、図10の印刷ジョブ52と同様であり、常に印刷される。
【0053】
従って、図10の印刷ジョブ52及び図11の印刷ジョブ53のように、処理許可データ15a(=44a)中の画像ファイル15a1〜15a3が含まれる印刷ジョブ52,53の場合は、処理禁止データ13a(=41a)の存在に関わらず常に印刷される。
【0054】
図12は、印刷ジョブ54の例を示す図である。
印刷ジョブ54には、文字列データとして「OX540情報」、「SPEC」、「CPU:YY」、及び、「MEM:ZZ」が含まれている。
【0055】
このような図12の印刷ジョブ54を印刷する場合の図8の印刷制限方法例を説明する。
【0056】
図8のステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常であることを確認すると(Yes)、ステップS3へ進む。ステップS3において、処理制限部45は、図12の印刷ジョブ54中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる画像ファイル15a1〜15a3と同様の画像ファイルが存在しないため(No)、ステップS5へ進む。ステップS5において、処理制限部45は、図12の印刷ジョブ54中に、図2の処理禁止データ13a(=41a)に含まれる文字列データ13a1〜13a3と同様の文字列データが存在しないため(No)、ステップS6へ進む。ステップS6において、印刷部46は、印刷ジョブ54を印刷する。
【0057】
又、ステップS2において、通信状況確認部43は、通信状況が正常でないことを確認すると(No)、ステップS4へ進む。ステップS4において、処理制限部45は、図12の印刷ジョブ54中に、図4の処理許可データ15a(=44a)に含まれる画像ファイル15a1〜15a3と同様の画像ファイルが存在しないため(No)、ステップS7へ進む。ステップS7において、処理制限部45は、印刷ジョブ51の印刷を停止させる。
【0058】
従って、図2の処理禁止データ13a(=41a)中の文字列データ13a1〜13a3、及び図4の処理許可データ15a(=44a)中の画像ファイル15a1〜15a3が含まれない印刷ジョブ54の場合は、通信状況によって印刷が許可される場合と制限される場合がある。
【0059】
(2) 実施例1のデータ更新時の動作
図13は、図1のプリンタ40における処理禁止データ41a及び処理許可データ44aの更新時の動作を示すフローチャートである。
【0060】
データ更新処理が開始されると、ステップS11において、プリンタ40内の通信状況確認部43は、時刻取得部48から現在時刻を取得し、一定時間毎に、処理禁止データ格納部41内の処理禁止データ41aと、処理許可データ格納部44内の処理許可データ44aとの更新を開始し、ステップS12へ進む。ステップS12において、通信状況確認部43は、通信部42及びネットワーク20を経由して、管理サーバ10に対し、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aの問い合わせデータを送信する。問い合わせデータを受信した管理サーバ10は、処理禁止データ格納部13内の処理禁止データ13aと、処理許可データ格納部15内の処理許可データ15とを、通信部14及びネットワーク20を経由してプリンタ40に送信し、ステップS13へ進む。
【0061】
ステップS13において、プリンタ40内の通信部42は、処理禁止データ13a及び、処理許可データ15aを受信した場合には(Yes)、ステップS14へ進み、受信できない場合には(No)、データ更新処理を終了する。処理禁止データ13a及び処理許可データ15aが受信できない場合の例としては、管理サーバ10の障害や、ネットワーク20と管理サーバ10間のネットワーク障害等が挙げられる。
【0062】
ステップS14において、プリンタ40内の通信部42は、受信した処理禁止データ13aと処理許可データ15aとを、それぞれ処理禁止データ格納部41内の処理禁止データ41aと処理許可データ格納部44内の処理許可データ44とに上書きし、ステップS15へ進む。ステップS15において、通信状況確認部43は、時刻取得部48から現在時刻を取得して、最終更新時間格納部47に格納された最終更新時間を更新し、データ更新処理を終了する。
【0063】
(3) 実施例1のプリンタ、管理サーバ及びクライアントの通信状況
図14は、図1中のプリンタ40、管理サーバ10及びクライアント30の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【0064】
この図14では、途中で管理サーバ10がダウンする例が示されている。
プリンタ40からは管理サーバ10に対して、一定時間毎に問い合わせデータASKが送信されている。通信状況が正常な場合は、問い合わせデータASKを受信した管理サーバ10からプリンタ40へ、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aが送信される。管理サーバ10のダウン後は、この管理サーバ10からプリンタ40へ処理禁止データ13a及び処理許可データ15aが送信されない。
【0065】
クライアント30からはプリンタ40に対して、その都度、印刷ジョブ(例えば、図9の印刷ジョブ51、図10の印刷ジョブ52、図12の印刷ジョブ54)が送信されている。
【0066】
図9の印刷ジョブ51については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データ「OX550」が存在するため、プリンタ40内の処理制限部45により、印刷部46の印刷が停止される。そして、図7の印刷制限メッセージ45aが、プリンタ40内の処理制限部45から通信部42及びネットワーク20を経由して、クライアント30へ送信される。
【0067】
図10の印刷ジョブ52については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データが存在せず、且つ図4の処理許可データ15a(=44a)に当てはまる画像ファイルが存在するため、印刷部46によって正常に印刷が実行される。
【0068】
図12の印刷ジョブ54については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データが存在せず、且つ図4の処理許可データ15a(=44a)に当てはまる画像ファイルが存在しない。条件は印刷ジョブ52と同様であるが、管理サーバ10のダウンにより、一定時間以上、処理禁止データ41a及び処理許可データ44aが更新されていないため、処理制限部45により、印刷部46の印刷が停止される。
【0069】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(a)、(b)のような効果がある。
【0070】
(a) プリンタ40と管理サーバ10が通信可能時は、処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる印刷ジョブ51のみ印刷を制限し、一定時間以上通信できていない場合は、処理禁止データ41aに当てはまる可能性のあるジョブについても印刷を制限している。これにより、管理者はより安全に印刷制限を行うことが可能である。
【0071】
(b) プリンタ40と管理サーバ10が一定時間以上通信できていない場合においても、処理許可データ44aに当てはまる印刷ジョブについては、印刷を可能にしている。これにより、ユーザの利便性低下を抑えることが可能である。
【実施例2】
【0072】
(実施例2の構成)
図15は、本発明の実施例2における印刷システムを示す概略の構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0073】
本実施例2の印刷システムでは、実施例1と同様の管理サーバ10及び表示部16と、実施例1と同様のネットワーク20と、実施例1のクライアント30及び表示部34に代えて設けられた複数のクライアント30−1,30−2,30−3及び複数の表示部34−1,34−2,34−3と、実施例1の画像形成装置としてのプリンタ40に代えて設けられたプリンタ40Aとを備えている。管理サーバ10と、複数のクライアント30−1〜30−3と、プリンタ40Aとは、ネットワーク20を介して相互に接続されている。
【0074】
本実施例2の各クライアント30−1〜30−3及び各表示部34−1〜34−3は、実施例1のクライアント30及び表示部34と同様の構成である。即ち、クライアント30−1は、アプリケーション31−1と、このアプリケーション31−1に接続されたプリンタドライバ32−1と、このプリンタドライバ32−1に接続された通信部33−1とを有し、その通信部33−1がネットワーク20に接続されている。クライアント34−1には、表示部34−1が接続されている。同様に、クライアント30−2は、アプリケーション31−2と、プリンタドライバ32−2と、通信部33−2とを有し、その通信部33−2がネットワーク20に接続されている。クライアント30−2には、表示部34−2が接続されている。更に、クライアント30−3は、アプリケーション31−3と、プリンタドライバ32−3と、通信部33−3とを有し、その通信部33−3がネットワーク20に接続されている。クライアント30−3には、表示部34−3が接続されている。
【0075】
本実施例2のプリンタ40Aでは、実施例1のプリンタ40に対して、新たに装置情報格納部としてのジョブ情報格納部49が追加され、そのジョブ情報格納部49が処理制限部45に接続されている。ジョブ情報格納部49には、処理制限部45により制限された印刷処理に関連した装置情報(例えば、印刷制限を行った印刷ジョブの送信元情報)が格納される。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0076】
図16は、図15中のジョブ情報格納部49の構成例を示す図である。
ジョブ情報格納部49には、送信元情報であるクライアント名(30−1,30−2)が格納されている。
【0077】
図17は、図15中の処理制限部45から出力されてクライアント30−1〜30−3の表示部34−1〜34−3に表示される制限緩和メッセージ45bの表示例を示す図である。
制限緩和メッセージ45bは、「印刷制限が緩和されました。」と表示されている。
【0078】
(実施例2の印刷制限方法)
本実施例2の印刷システムにおける印刷制限方法について、以下、その動作(1)〜(3)を説明する。
【0079】
(1) 実施例2の印刷実行時の動作
図18は、図15の印刷システムにおける印刷実行時の動作を示すフローチャートであり、実施例1を示す図8中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0080】
本実施例2の図18のフローチャートでは、実施例1の図8のフローチャートにおけるステップS1〜S7に対して、ステップS4とステップS7との間に、新たにステップS8が追加されている。
【0081】
図15の印刷システムにおける印刷処理では、実施例1と同様に、ステップS1にて印刷が開始され、ステップS2へ進む。ステップS2において、実施例1と同様に、通信状況確認部43は、管理サーバ10との間の通信状況が正常であるか否かを確認するために、最終更新時間格納部47に格納された時刻と、時刻取得部48で取得された現在時刻とを比較して、差が一定時間未満の場合には正常であると判断(Yes)してステップS3へ進み、差が一定時間以上の場合には正常ではないと判断(No)してステップS4へ進む。
【0082】
ステップS4において、実施例1と同様に、処理制限部45は、処理許可データ格納部44に格納された処理許可データ44aを参照して、処理許可データ44aに含まれる画像ファイルと同様の画像ファイルが、印刷ジョブに存在するか否かを確認する。このステップS4において、同様の画像ファイルが存在する場合(Yes)には、実施例1と同様に、ステップS6へ進み、同様の画像ファイルが存在しない場合(No)には、実施例1と異なり、ステップS8へ進む。ステップS8において、処理制限部45は、印刷ジョブを参照し、送信元情報をジョブ情報格納部49に格納した後、実施例1と同様のステップS7の印刷停止処理へ進む。
【0083】
このように、本実施例2の印刷処理では、ステップS2において、印刷状況が正常ではなく(No)、ステップS4において、処理許可データ44aに含まれる画像ファイルと同様の画像ファイルが存在せず(No)、次のステップS8において、送信元情報をジョブ情報格納部49に格納する。これらの印刷ジョブについては、ステップS7において、印刷が制限されるが、通信状況が正常である場合は、印刷できる可能性があるため、ステップS8において、送信元情報を保存している。
【0084】
(2) 実施例2のデータ更新時の動作
図19は、図15のプリンタ40Aにおける処理禁止データ41a及び処理許可データ44aの更新時の動作を示すフローチャートであり、実施例1を示す図13中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0085】
本実施例2の図19のフローチャートでは、実施例1の図13のフローチャートにおけるステップS11〜S15に対して、ステップS14とステップS15との間に、新たにステップS16,S17,S18が追加されている。
【0086】
データ更新処理が開始されると、実施例1と同様に、ステップS11〜S14の処理が行われ、ステップS16へ進む。
【0087】
ステップS16において、通信状況確認部43は、最終更新時間格納部47に格納された時刻と、時刻取得部48から取得した現在時刻とを比較し、差が一定時間以上の場合には、通信状況が復旧したと判断(Yes)してステップS17へ進み、差が一定時間未満の場合には、そもそも通信状況が正常であったと判断(No)してステップS15へ進む。ステップS17において、処理制限部45は、図16のジョブ情報格納部49に格納されている印刷ジョブ送信元であるクライアント30−1,30−2に対し、通信部42及びネットワーク20を経由して、制限緩和メッセージ45bを送信する。制限緩和メッセージ45bを受け取ったクライアント30−1,30−2は、プリンタドライバ32−1,32−2により駆動される表示部34−1,34−2において、印刷制限が緩和されたことを表す図17の制限緩和メッセージ45bを表示し、ステップS18へ進む。
【0088】
ステップS18において、処理制限部45は、図16のジョブ情報格納部49に格納されている送信元情報であるクライアント名(30−1,30−2)を全て削除し、ステップS15へ進む。ステップS15において、実施例1と同様に、通信状況確認部43は、最終更新時間格納部47内の最終更新日時を更新した後、データ更新処理を終了する。
【0089】
(3) 実施例2のプリンタ、管理サーバ及びクライアントの通信状況
図20は、図15中のプリンタ40A、管理サーバ10及びクライアント30−1,30−2の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【0090】
この図20では、途中で管理サーバ10が復旧する例が示されている。
プリンタ40Aからは管理サーバ10に対して、一定時間毎に問い合わせデータASKが送信されている。管理サーバ10の復旧後、プリンタ40A内の通信部42は、管理サーバ10から送信された処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを受信する。通信状況確認部43は、一定時間以上、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aが更新されていないため、通信状況が復旧したと判断する。そして、処理制限部45は、通信部42及びネットワーク20を経由して、制限緩和メッセージ45bをクライアント30−1,30−2へ送信する。
【0091】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、プリンタ40Aと管理サーバ10間の通信状況が復旧した場合には、通信状況が正常ではないときに印刷制限を受けた印刷ジョブを送信したクライアント30−1,30−2に対して通知を出すようにしている。これにより、クライアント30−1,30−2のユーザは、通知を受けて再度印刷を実行することが可能になるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【実施例3】
【0092】
前記実施例1、2では、プリンタ40,40Aが一定時間毎に管理サーバ10に対して、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを問い合わせている。しかし、管理サーバ10からプリンタ40,40Aへ、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを自動的に送信することも可能である。この送信例を以下説明する。
【0093】
(実施例3の構成)
図21は、本発明の実施例3における印刷システムを示す概略の構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0094】
本実施例3の印刷システムでは、実施例1の管理サーバ10とは異なる構成の管理サーバ10Bと、実施例1と同様のネットワーク20、クライアント30、及び画像形成装置としてのプリンタ40とを備えている。管理サーバ10Bには、実施例1と同様の表示部34が接続されている。クライアント30にも、実施例1と同様の表示部34が接続されている。これらの管理サーバ10Bと、クライアント30と、プリンタ40とは、ネットワーク20を介して相互に接続されている。
【0095】
本実施例3の管理サーバ10Bでは、実施例1とは異なる構成の処理禁止データ管理部11B及び処理許可データ管理部12Bと、実施例1と同様の処理禁止データ格納部13、通信部14及び処理許可データ格納部15と、新たに追加されたタイマ部17及び日時更新データ格納部18とを備えている。
【0096】
処理禁止データ管理部11Bは、処理禁止データ格納部13に接続され、処理禁止データ13aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理禁止データ13aを更新したり、処理禁止データ13aの設定の際に、その処理禁止データ13aの内容に基づいて、現在の処理禁止データ13aの内容を表示部16に表示させる機能を有している。更に、処理禁止データ管理部11Bは、処理禁止データ格納部13内の処理禁止データ13aを更新した場合には、その更新した処理禁止データ13aを、通信部14及びネットワーク20を経由して、プリンタ40へ送信する機能を有している。
【0097】
処理許可データ管理部12は、処理許可データ格納部15に接続され、処理許可データ15aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理許可データ15aを更新したり、処理許可データ15aの設定の際に、その処理許可データ15aの内容に基づいて、現在の処理許可データ15aの内容を表示部16に表示させる機能を有している。更に、処理許可データ管理部12Bは、処理許可データ格納部15内の処理許可データ15aを更新した場合には、その更新した処理許可データ15aを、通信部14及びネットワーク20を経由して、プリンタ40へ送信する機能を有している。これらの処理禁止データ管理11B及び処理許可データ管理部12Bは、CPUにより構成されている。
【0098】
タイマ部17は、経過時間を計数するものであり、この出力側に、日時更新データ格納部18を介して通信部14が接続されている。日時更新データ格納部18は、タイマ部17の出力時間に基づき生成された日時更新データ18aを格納するものである。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0099】
(実施例3の印刷制限方法)
本実施例3の印刷システムにおける印刷制限方法について、以下、その動作(1)〜(3)を説明する。
【0100】
(1) 実施例3のデータ更新時の動作
図22は、図21中の管理サーバ10Bから処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを送信してデータ更新を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【0101】
データ更新処理が開始されると、ステップS21において、管理サーバ10B内の処理禁止データ管理部11B又は処理許可データ管理部12Bは、処理禁止データ格納部13内の処理禁止データ13a又は処理許可データ格納部15内の処理許可データ15aを更新する。即ち、処理禁止データ管理部11Bは、処理禁止データ13aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理禁止データ13aを更新する。又、処理許可データ管理部12Bは、処理許可データ15aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理許可データ15aを更新する。その後、ステップS22へ進む。
【0102】
ステップS22において、管理サーバ10B内の通信部14は、更新された処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを、ネットワーク20を経由して、プリンタ40へ送信し、ステップS23へ進む。ステップS23において、プリンタ40内の通信部42は、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを受信した場合には(Yes)、ステップS24へ進み、処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを受信できない場合には(No)、データ更新処理を終了する。
【0103】
ステップS24において、プリンタ40内の通信部42は、受信した処理禁止データ13a及び処理許可データ15aを、それぞれ処理禁止データ格納部41内の処理禁止データ41a及び処理許可データ格納部44内の処理許可データ44aに上書きし、ステップS25へ進む。ステップS25において、通信状況確認部43は、時刻取得部48から現在時刻を取得し、最終更新時間格納部47に格納された最終更新時間を更新した後、データ更新処理を終了する。
【0104】
(2) 実施例3の管理サーバの動作
図23は、前回のデータ送信から一定時間経過後の管理サーバ10Bの動作を示すフローチャートである。
【0105】
管理サーバ10Bの動作が開始されると、ステップS31において、管理サーバ10B内の通信部14は、前回のデータ送信から、タイマ部17で計数された一定時間が経過した場合、日時更新データ格納部18に格納された日時更新データ18aを、ネットワーク20を経由して、プリンタ40へ送信し、ステップS32へ進む。
【0106】
ステップS32において、プリンタ40内の通信部42は、日時更新データ18aを受信した場合には(Yes)、ステップS33へ進み、日時更新データ18aを受信できない場合には(No)、管理サーバ10Bの動作が終了する。ステップS33において、通信状況確認部43は、時刻取得部48から現在時刻を取得して、最終更新時間格納部47に格納された最終更新時間を更新した後、管理サーバ10Bの動作が終了する。
【0107】
(3) 実施例3のプリンタ、管理サーバ及びクライアントの通信状況
図24は、図21中のプリンタ40、管理サーバ10B及びクライアント30の通信状況の例を示すシーケンス図である。
【0108】
この図24では、途中で管理サーバ10Bとプリンタ40間のネットワーク20が切断される例が示されている。
【0109】
管理サーバ10Bでは、処理禁止データ格納部13内の処理禁止データ13a又は処理許可データ格納部15内の処理許可データ15aが更新される毎に、通信部14及びネットワーク20を経由して、その処理禁止データ13a及び処理許可データ15aをプリンタ40へ送信する。ネットワーク20が切断された後は、管理サーバ10Bからプリンタ40へ処理禁止データ13a及び処理許可データ15aが送信されない。又、データが更新されない場合においても、前回のデータ送信から一定時間経過した場合は、管理サーバ10Bからプリンタ40へ、日時更新データ18aを送信することで、通信が正しく行われていることをプリンタ40に認識させる。
【0110】
クライアント30からはプリンタ40に対して、実施例1の図14と同様に、その都度、印刷ジョブ(例えば、図9の印刷ジョブ51、図10の印刷ジョブ52、図12の印刷ジョブ54)が送信されている。
【0111】
実施例1の図14と同様に、図9の印刷ジョブ51については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データ「OX550」が存在するため、プリンタ40内の処理制限部45により、印刷部46の印刷が停止される。そして、図7の印刷制限メッセージ45aが、プリンタ40内の処理制限部45から通信部42及びネットワーク20を通じて、クライアント30へ送信される。
【0112】
図10の印刷ジョブ52については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データが存在せず、且つ図4の処理許可データ15a(=44a)に当てはまる画像ファイルが存在するため、印刷部46によって正常に印刷が実行される。
【0113】
図12の印刷ジョブ54については、図2の処理禁止データ13a(=41a)に当てはまる文字列データが存在せず、且つ図4の処理許可データ15a(=44a)に当てはまる画像ファイルが存在しない。条件は印刷ジョブ52と同様であるが、管理サーバ10Bとプリンタ40間のネットワーク20の切断により、管理サーバ10Bからデータが更新されないため、処理制限部45により、印刷部46の印刷が停止される。そして、図7の印刷制限メッセージ45aが、プリンタ40内の処理制限部45から通信部42及びネットワーク20を経由して、クライアント30へ送信される。
【0114】
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、実施例1とほぼ同様の効果がある。特に、本実施例3によれば、管理サーバ10B内の処理禁止データ13a又は処理許可データ15aが更新される毎に、その処理禁止データ13aと処理許可データ15aをプリンタ40へ送信するようにしているので、プリンタ40側においてデータ更新のための処理が簡単になり、プリンタ40側の負担を低減できる。
【0115】
(変形例)
本発明は、上記実施例1〜3に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(e)のようなものがある。
【0116】
(a) 実施例において、処理禁止データ管理部11,11Bは、処理禁止データ13aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理禁止データ13aを更新したり、処理禁止データ13aの設定の際に、その処理禁止データ13aの内容に基づいて、現在の処理禁止データ13aの内容を表示部16に表示させるようにしているが、クライアント30,30−1〜30−3側の表示部34,34−1〜34−3に表示させるようにしても良い。同様に、処理許可データ管理部12,12Bは、処理許可データ15aを設定するために表示部16に表示される設定用画面の内容に基づいて、処理許可データ15aを更新したり、処理許可データ15aの設定の際に、その処理許可データ15aの内容に基づいて、現在の処理許可データ15aの内容を表示部16に表示させるようにしているが、クライアント30,30−1〜30−3側の表示部34,34−1〜34−3に表示させるようにしても良い。
【0117】
(b) 実施例では、処理禁止データ13a,41aを複数の文字列データとし、処理許可データ15a,44aを複数の画像ファイルとしたが、それぞれ任意のデータ及びファイル、又、任意の条件を適用可能である。
【0118】
(c) 実施例では、プリンタ40,40Aとクライアント30,30−1〜30−3とが、ネットワーク20を通して接続されているが、USB(Universal Serial Bus)ポート、シリアルポート等を使用して、プリンタ40,40Aとクライアント30,30−1〜30−3とが、直接接続される形式とすることも可能である。
【0119】
(d) 実施例では、プリンタ40,40Aと管理サーバ10,10Bとが一定時間以上通信できない場合に、処理許可データ44aに含まれるファイルと同様のファイルが存在する印刷ジョブのみ印刷処理をすることとしたが、全ての印刷ジョブを制限することにより、制限を厳しくすることも可能である。
【0120】
(e) 管理サーバ10,10B、クライアント30,30−1〜30−3、及びプリンタ40,40Aは、図示以外の構成に変更しても良い。又、本発明の画像形成装置は、プリンタ40,40A以外の複写機、ファクシミリ装置、複合機(MFP)等にも適用できる。
【符号の説明】
【0121】
10,10B 管理サーバ
11,11B 処理禁止データ管理部
12,12B 処理許可データ管理部
13,41 処理禁止データ格納部
13a,41a 処理禁止データ
14,42 通信部
15,44 処理許可データ格納部
15a,44a 処理許可データ
16,34,34−1〜34−3 表示部
18 日時更新データ格納部
18a 日時更新データ
20 ネットワーク
30,30−1〜30−3 クライアント
40,40A プリンタ
43 通信状況確認部
45 処理制限部
46 印刷部
49 ジョブ情報格納部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報を格納する処理禁止情報格納部と、
前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を格納する処理許可情報格納部と、
前記処理禁止情報及び前記処理許可情報の更新状態を確認する確認部と、
印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷部と、
前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報と確認された前記更新状態とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止に制限を加える処理制限部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記処理禁止情報又は前記処理許可情報は、
前記印刷処理のデータ中に特定の文字列が存在するという条件であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記処理禁止情報又は前記処理許可情報は、
前記印刷処理のデータ中に特定の画像データが存在するという条件であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と、前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報とは、
外部から通信により取得される新たな処理禁止情報と新たな処理許可情報とによってそれぞれ更新されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記新たな処理禁止情報と前記新たな処理許可情報とは、一定時間毎に前記外部から取得することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記新たな処理禁止情報と前記新たな処理許可情報とは、前記外部から送信されてきた時に受信して取得することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記確認部は、
前記更新状態として前記外部との通信状況を確認し、
前記処理制限部は、
前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報と確認された前記通信状況とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止に制限を加えることを特徴とする請求項4記載の画像生成装置。
【請求項8】
前記処理制限部は、
前記外部と一定時間通信できない場合には、前記制限を強化することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記処理制限部は、
前記外部と通信できる場合には、前記処理許可情報に当てはまらず、前記処理禁止情報に当てはまる前記印刷処理を制限し、前記外部と一定時間通信できない場合には、前記処理許可情報に当てはまらない前記印刷処理を制限することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置に接続された管理サーバと、を備えた印刷システムであって、
前記画像形成装置は、
印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報を格納する処理禁止情報格納部と、
前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を格納する処理許可情報格納部と、
前記管理サーバとの通信状況を確認する通信状況確認部と、
印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷部と、
前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報と確認された前記通信状況とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止に制限を加える処理制限部とを備え、
前記管理サーバは、前記ネットワークを介して、前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報とを更新することを特徴とする印刷システム。
【請求項11】
請求項10記載の印刷システムは、更に、
前記印刷ジョブを前記画像形成装置に与える印刷指示装置を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項12】
前記画像形成装置は、
一定時間毎に前記管理サーバから、更新された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報を取得することを特徴とする請求項10記載の印刷システム。
【請求項13】
前記画像形成装置は、
前記管理サーバ側において前記処理禁止情報及び前記処理許可情報が更新された時に前記管理サーバから送信される、更新された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報を受信することを特徴とする請求項10記載の印刷システム。
【請求項14】
印刷ジョブに基づいて行う印刷処理に対する禁止又は許可に制限を加える画像形成装置と、
前記印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報、及び前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を、ネットワークを介して前記画像形成装置へ送信する管理サーバと、
を備えた印刷システムにおける印刷制限方法であって、
前記画像形成装置は、
前記管理サーバから送信された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報を受信する受信処理と、
前記管理サーバとの通信状況を確認する確認処理と、
受信された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報と確認された前記通信状況とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止を制限する制限処理と、
を行うことを特徴とする印刷制限方法。
【請求項1】
印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報を格納する処理禁止情報格納部と、
前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を格納する処理許可情報格納部と、
前記処理禁止情報及び前記処理許可情報の更新状態を確認する確認部と、
印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷部と、
前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報と確認された前記更新状態とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止に制限を加える処理制限部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記処理禁止情報又は前記処理許可情報は、
前記印刷処理のデータ中に特定の文字列が存在するという条件であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記処理禁止情報又は前記処理許可情報は、
前記印刷処理のデータ中に特定の画像データが存在するという条件であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と、前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報とは、
外部から通信により取得される新たな処理禁止情報と新たな処理許可情報とによってそれぞれ更新されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記新たな処理禁止情報と前記新たな処理許可情報とは、一定時間毎に前記外部から取得することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記新たな処理禁止情報と前記新たな処理許可情報とは、前記外部から送信されてきた時に受信して取得することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記確認部は、
前記更新状態として前記外部との通信状況を確認し、
前記処理制限部は、
前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報と確認された前記通信状況とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止に制限を加えることを特徴とする請求項4記載の画像生成装置。
【請求項8】
前記処理制限部は、
前記外部と一定時間通信できない場合には、前記制限を強化することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記処理制限部は、
前記外部と通信できる場合には、前記処理許可情報に当てはまらず、前記処理禁止情報に当てはまる前記印刷処理を制限し、前記外部と一定時間通信できない場合には、前記処理許可情報に当てはまらない前記印刷処理を制限することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置に接続された管理サーバと、を備えた印刷システムであって、
前記画像形成装置は、
印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報を格納する処理禁止情報格納部と、
前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を格納する処理許可情報格納部と、
前記管理サーバとの通信状況を確認する通信状況確認部と、
印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷部と、
前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報と確認された前記通信状況とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止に制限を加える処理制限部とを備え、
前記管理サーバは、前記ネットワークを介して、前記処理禁止情報格納部に格納された前記処理禁止情報と前記処理許可情報格納部に格納された前記処理許可情報とを更新することを特徴とする印刷システム。
【請求項11】
請求項10記載の印刷システムは、更に、
前記印刷ジョブを前記画像形成装置に与える印刷指示装置を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項12】
前記画像形成装置は、
一定時間毎に前記管理サーバから、更新された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報を取得することを特徴とする請求項10記載の印刷システム。
【請求項13】
前記画像形成装置は、
前記管理サーバ側において前記処理禁止情報及び前記処理許可情報が更新された時に前記管理サーバから送信される、更新された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報を受信することを特徴とする請求項10記載の印刷システム。
【請求項14】
印刷ジョブに基づいて行う印刷処理に対する禁止又は許可に制限を加える画像形成装置と、
前記印刷処理を禁止する条件からなる処理禁止情報、及び前記印刷処理を許可する条件からなる処理許可情報を、ネットワークを介して前記画像形成装置へ送信する管理サーバと、
を備えた印刷システムにおける印刷制限方法であって、
前記画像形成装置は、
前記管理サーバから送信された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報を受信する受信処理と、
前記管理サーバとの通信状況を確認する確認処理と、
受信された前記処理禁止情報及び前記処理許可情報と確認された前記通信状況とを参照し、前記印刷処理に対する前記許可又は前記禁止を制限する制限処理と、
を行うことを特徴とする印刷制限方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−185715(P2012−185715A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49030(P2011−49030)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]