説明

画像形成装置、情報提供装置およびプログラム

【課題】提供する不特定の複数の情報をユーザが見易い状態で提供することができる技術を提供する。
【解決手段】媒体に画像を形成する画像形成部22を制御するとともに制御に関する情報を保持する制御部21と、装置についての情報を記憶する記憶部24と、予め定められた複数の事項についての情報を記憶部24あるいは制御部21から取得する取得部281と、取得部281が取得した取得情報と予め記憶している記憶情報とを比較した結果に基づいて取得部281が取得した情報に関する文字列の外観を決定する文字列外観決定部283と、ウェブページ内の第1のページには文字列外観決定部283が決定した外観の文字列の一覧を表示させ、第2のページには取得部281が取得した情報を表示させるように、ウェブページを記述するための言語で記述された文書データを作成する文書データ作成部284とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報提供装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの機能を有する画像処理装置の情報を、この画像処理装置に組み込んだウェブサーバで提供する技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の画像処理装置は、ウェブサーバモジュールを備えており、例えばネットワークを介して接続されたデスクトップコンピュータからの要求に応じて、画像処理装置の管理情報を通知する。
【0003】
【特許文献1】特開2006−323610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワークで接続された画像形成装置についての情報をウェブサーバを介して提供する際には、提供する不特定の複数の情報をユーザが見易い状態で提供することが望まれる。また、複数の画像形成装置の更新情報などをユーザが一元的に把握できるようにすることが望まれる。また、複数の画像形成装置の管理者がこれら複数の画像形成装置を集中的に監視できるようにすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段を制御するとともに制御に関する情報を保持する制御手段と、装置についての情報を記憶する記憶手段と、予め定められた複数の事項についての情報を前記記憶手段あるいは前記制御手段から取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した取得情報と予め記憶している記憶情報とを比較した結果に基づいて当該情報取得手段が取得した情報に関する文字列の外観を決定する文字列外観決定手段と、ウェブページ内の第1のページには前記文字列外観決定手段が決定した外観の文字列の一覧を表示させ、当該ウェブページ内の第2のページには前記情報取得手段が取得した情報を表示させるように、当該ウェブページを記述するための言語で記述された文書データを作成する文書データ作成手段とを含むことを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合と当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合とで前記文字列のスペルを異ならせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合と当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合とで前記文字列の大きさ、色およびスタイルの少なくともいずれかを異ならせることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合には、当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合よりも、前記文字列の外観を強調させるようにすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項5に記載の発明は、複数の画像形成装置から当該複数の画像形成装置について予め定められた複数の情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した取得情報と予め記憶している記憶情報とを比較した結果に基づいて、当該情報取得手段が取得した情報に関する文字列の外観を決定する文字列外観決定手段と、ウェブページ内の第1のページには前記文字列外観決定手段が決定した外観の文字列の一覧を表示させ、当該ウェブページ内の第2のページには前記情報取得手段が取得した情報を表示させるように、当該ウェブページを記述するための言語で記述された文書データを作成する文書データ作成手段と、を含むことを特徴とする情報提供装置である。
【0008】
請求項6に記載の発明は、前記画像形成装置はウェブページを提供することが可能であり、前記情報取得手段は、前記画像形成装置が提供するウェブページを検索あるいは参照することにより、または当該画像形成装置が提供するフィード情報を取得することにより情報を取得することを特徴とする請求項5に記載の情報提供装置である。
請求項7に記載の発明は、前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合と当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合とで前記文字列のスペルを異ならせることを特徴とする請求項5または6に記載の情報提供装置である。
請求項8に記載の発明は、前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合と当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合とで前記文字列の大きさ、色およびスタイルの少なくともいずれかを異ならせることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の情報提供装置である。
請求項9に記載の発明は、前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合には、当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合よりも、前記文字列の外観を強調させるようにすることを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の情報提供装置である。
【0009】
請求項10に記載の発明は、予め定められた複数の事項についての情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した取得情報と予め記憶している記憶情報とを比較した結果に基づいて当該情報取得手段が取得した情報に関する文字列の外観を決定する文字列外観決定手段と、ウェブページ内の第1のページには前記文字列外観決定手段が決定した外観の文字列の一覧を表示させ、当該ウェブページ内の第2のページには前記情報取得手段が取得した情報を表示させるように、当該ウェブページを記述するための言語で記述された文書データを作成する文書データ作成手段とを含むことを特徴とする情報提供装置である。
【0010】
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、予め定められた複数の事項についての情報を取得する機能と、前記情報を取得する機能が取得した取得情報と予め記憶している記憶情報とを比較した結果に基づいて当該情報を取得する機能が取得した情報に関する文字列の外観を決定する機能と、ウェブページ内の第1のページには前記文字列の外観を決定する機能が決定した外観の文字列の一覧を表示させ、当該ウェブページ内の第2のページには前記情報を取得する機能が取得した情報を表示させるように、当該ウェブページを記述するための言語で記述された文書データを作成する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1によれば、本発明を採用しない場合に比べて、画像形成装置についての複数の情報をより見易い状態で提供することができる。
本発明の請求項2によれば、本発明を採用しない場合に比べて、情報の変化の意味をより把握し易くすることができる。
本発明の請求項3によれば、本発明を採用しない場合に比べて、情報の変化が生じたことをより把握し易くすることができる。
本発明の請求項4によれば、本発明を採用しない場合に比べて、より注意を喚起させる状態にすることができる。
【0012】
本発明の請求項5によれば、本発明を採用しない場合に比べて、複数の画像形成装置についての複数の情報をより見易い状態で提供することができる。
本発明の請求項6によれば、本発明を採用しない場合に比べて、より迅速に複数の画像形成装置についての情報を取得することができる。
本発明の請求項7によれば、本発明を採用しない場合に比べて、情報の変化の意味をより把握し易くすることができる。
本発明の請求項8によれば、本発明を採用しない場合に比べて、情報の変化が生じたことをより把握し易くすることができる。
【0013】
本発明の請求項9によれば、本発明を採用しない場合に比べて、より注意を喚起させる状態にすることができる。
本発明の請求項10によれば、本発明を採用しない場合に比べて、複数の情報をより見易い状態で提供することができる。
本発明の請求項11によれば、本発明を採用しない場合に比べて、複数の情報をより見易い状態で提供するコンピュータを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るネットワークシステム1を示す概略構成図である。
本実施形態に係るネットワークシステム1は、複写機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能、プリンタ機能などの機能を有するとともに、ウェブサーバとしての機能をも有する画像形成装置2と、複数(図示しているのは3台)のパーソナルコンピュータ(PC)3とを備えている。そして、画像形成装置2と、PC3とは、インターネット等のネットワーク4を介して接続されている。
【0015】
図2は、PC3の概略構成を示す図である。
PC3は、ネットワーク4を介して画像形成装置2と通信可能な装置である。
そして、PC3は、装置全体の動作を制御する制御部31と、データを記憶する記憶部32と、操作メニューなどを表示する表示部33と、ネットワーク4を介して外部との間で行う通信を制御するLANアダプタなどからなるネットワーク接続部34とを有する。
【0016】
制御部31は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータであり、PC3全体の動作を制御する。また、制御部31は、後述する画像形成装置2の組込ウェブサーバ部28へのリクエスト情報を送信する処理や、組込ウェブサーバ部28からのレスポンス情報を受信する処理等を行うウェブブラウザ部31aを有する。このウェブブラウザ部31aは、CPUが記憶領域(記憶部32やROM)からプログラムを読み込み実行することにより、つまり、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。
【0017】
記憶部32は、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)、半導体メモリにて実現される。記憶部32には、組込ウェブサーバ部28が提供するHTML文書データを解釈して、ウェブページに対応する画面を表示部33に表示するための処理を制御部31に実行させるためのプログラムがインストールされている。
表示部33は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などで実現され、操作メニューを表示してユーザから処理要求等の操作指示を受け付けたり、ユーザに対する選択情報や装置の動作状況等を表示したりする。
【0018】
図3は、画像形成装置2の概略構成を示す図である。
図3に示すように、画像形成装置2は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを有し、装置全体の動作を制御する制御部21を有している。また、画像形成装置2は、紙などの媒体上に画像を形成する画像形成部22と、原稿の画像を読み取る画像読取部23と、制御部21が処理に用いるデータ等を記憶する記憶部24を備える。また、画像形成装置2は、ネットワーク4を介して他の装置との間で通信を行うネットワーク接続部25と、ファクシミリ送受信のための通信回線接続部26と、表示画面および各種操作ボタンを有する操作部27とを備える。また、画像形成装置2は、PC3などからの要求に応じて、ネットワーク4を通じて、画像形成装置2が保持している情報を送信する組込ウェブサーバ部28を備えている。
そして、画像形成部22、画像読取部23、記憶部24、ネットワーク接続部25、通信回線接続部26、操作部27および組込ウェブサーバ部28は、制御部21に接続されている。
【0019】
画像形成部22は、制御部21における画像処理の結果に基づいて媒体に画像を形成するものである。画像形成部22は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを紙などの記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式のものを例示することができる。
【0020】
画像読取部23は、原稿に印刷された画像を電子データとして読み取るものである。画像読取部23は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを例示することができる。
【0021】
記憶部24は、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)にて実現される。また、ネットワーク接続部25は、ネットワーク4を介して他の装置との間で行う通信を制御するLANカードやモデム等からなる。通信回線接続部26は、画像を電話回線等の通信回線を通じて送受信するファクシミリ(FAX)送受信を行う。
操作部27は、表示画面および各種操作ボタンを有し、ユーザから処理要求等の操作指示を受け付けたり、ユーザに対する選択情報や装置の動作状況等を表示したりする。
【0022】
組込ウェブサーバ部28は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを有しており、PC3のウェブブラウザ部31aなどに対して、画像形成装置2に関する情報、例えば、用紙切れ、トナー切れ、紙詰まりなどの情報を記載したウェブページを閲覧可能とする。つまり、組込ウェブサーバ部28は、画像形成装置2に関する情報を記載した、例えばHTML文書を作成し、PC3のウェブブラウザ部31aからの要求に応えて作成したHTML文書を送信する。
【0023】
組込ウェブサーバ部28が提供するウェブページは、複数の情報を個々に記載したページである情報ページ(第2のページ)を複数有している。そして、これら複数の情報ページの各情報ページに記載されている情報に関連する文字列をその情報ページについての文字列(タグ)として設定し、複数の情報ページの分の文字列を一覧として後述するようにウェブページの先頭ページであるトップページ(第1のページ)に記述する。これについては後で詳述する。
【0024】
かかる機能を有する組込ウェブサーバ部28は、情報ページに記載する情報を取得する情報取得手段の一例としての取得部281と、取得部281が取得した情報と予め記憶している基準の情報(記憶情報)との比較を行う比較手段の一例としての比較部282とを有している。また、組込ウェブサーバ部28は、比較部282が比較した結果に基づいてトップページの文字列の一覧に表示すべき文字列の外観を決定する手段の一例としての文字列外観決定部283を有している。また、組込ウェブサーバ部28は、情報ページには取得部281が取得した情報を表示させ、トップページには文字列外観決定部283が決定した外観の文字列の一覧を表示させるHTML文書を作成する手段の一例としての文書データ作成部284と、文書データ作成部284が作成したHTML文書をPC3のウェブブラウザ部31aなどのウェブブラウザに送信する手段の一例としての送信部285とを有する。
【0025】
なお、取得部281、比較部282、文字列外観決定部283、文書データ作成部284および送信部285は、CPUが記憶領域(ROMやHDD)からプログラムを読み込み実行することにより、つまり、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。
また、図3では、組込ウェブサーバ部28と、制御部21とを分けて示しているが、組込ウェブサーバ部28は、専用装置(例えば、専用のマイクロコンピュータ等)にて構成されてもよいし、制御部21のCPUに対応するプログラムを実行させることにより実現されてもよい。
【0026】
組込ウェブサーバ部28は、記憶部24に記憶された下記の情報を記載したウェブページである情報ページを、それぞれ作成する。
(1)カラー印刷の有無、印刷/スキャン速度、FAX回線数などの装置の機能情報
(2)ネットワーク設定などの装置の設定情報
(3)機種名、装置名、ロケーションなどの装置の記述情報
(4)コピー、プリント、ファクシミリ、スキャンなど、どのようなジョブが行われたかに関する情報(ジョブログ)
(5)どのようなエラーが発生したかに関する情報(エラーログ)
(6)出力ビン、トラッシュボックスなどについての情報
(7)ユーザのログイン情報
(8)ユーザのログアウト情報
(9)ユーザの親展ボックスについての情報
(10)ユーザ毎に設けられたアドレス帳の情報
(11)ユーザによりアップロードプリントされた文書およびその情報
(12)管理者からユーザへのメッセージ
【0027】
そして、組込ウェブサーバ部28は、上記情報に変化が生じた場合には更新する。組込ウェブサーバ部28がウェブページに記載する情報については、制御部21の方が能動的に組込ウェブサーバ部28にその情報の変化を伝達し、これにより情報の変化を取得した組込ウェブサーバ部28が最新の情報を情報ページ各々に記載する。あるいは、組込ウェブサーバ部28の方が能動的に記憶部24からそれらの情報の最新情報を取得し、取得した最新の情報を情報ページに記載してもよい。
【0028】
また、制御部21は、自身が関知する画像形成装置2に備えられた、紙、トナー、ステープラー(ホチキス)の針の残量などの消耗品情報を逐次組込ウェブサーバ部28に伝達する。一方、組込ウェブサーバ部28は、この消耗品情報を記載した専用のウェブページである情報ページを設けており、これら紙、トナー、ステープラー(ホチキス)の針の残量の情報をこの情報ページに記載する。
なお、消耗品情報については、制御部21の方が能動的に、残量に変化が生じた場合に組込ウェブサーバ部28にその変化を伝達し、これにより残量の変化を取得した組込ウェブサーバ部28が最新の情報を情報ページに記載する。あるいは、組込ウェブサーバ部28の方が能動的に消耗品情報を取得し、取得した最新の情報を情報ページに記載してもよい。
【0029】
また、制御部21は、自身が関知する画像形成装置2の稼働状況に変化が生じた場合にはその情報を逐次組込ウェブサーバ部28に伝達する。例えば、正常に稼働している状態から紙詰まりなどのエラーが生じた場合には、エラーが生じた旨の情報を組込ウェブサーバ部28に伝達する。また、エラーが生じている状態から正常に稼働し始めた場合には、正常に稼働している旨の情報を組込ウェブサーバ部28に伝達する。
組込ウェブサーバ部28は、画像形成装置2の稼働状況についての情報を記載した専用のウェブページである情報ページを設けており、制御部21から画像形成装置2の稼働状況について変化が生じた旨の情報を取得した場合には、その情報を稼働状況についての情報ページに記載する。
【0030】
そして、組込ウェブサーバ部28は、各情報ページに記載されている情報に関連する文字列をその情報ページについて文字列(タグ)として設定し、この文字列を後述するようにウェブページのトップページに情報ページの数の分、記述する。文字列(タグ)は、対応する情報ページに記載されて情報が何についての情報であるかを知らせる役目を果たす。
そして、組込ウェブサーバ部28は、これらの文字列(タグ)の一覧(タグクラウド(tag cloud))を、ウェブページのトップページに表示させる。そして、ユーザがこの文字列をクリックなどして選択した場合には、その文字列に関連する情報ページに切り替えさせる。つまり、そのように表示、切り替えを行うHTML文書を生成し、ウェブブラウザに送信する。
【0031】
図4は、情報ページに記載する情報の一例とその情報について設定された文字列(タグ)を示す図である。
図4に示すように、(1)装置の機能情報についての文字列を、「Functions」と設定する。また、(2)装置の設定情報については、ネットワーク設定情報などについて、それぞれ文字列を「Properties」、「Network」、「IPP」、「LPD」と設定する。なお、ネットワーク設定情報などの装置の設定情報に関する情報を1つの情報ページに記載し、その情報ページについての文字列を「Properties」などと設定してもよい。また、(3)装置の記述情報についての文字列を、「Description」と設定し、(4)ジョブログ、(5)エラーログについての文字列を、それぞれ「JobLog」、「ErrLog」と設定する。また、(6)出力ビン、トラッシュボックスについて文字列を、それぞれ「Bin」、「TrashBox」と設定する。また、(7)ログイン情報、(8)ログアウト情報についての文字列を、それぞれ「LOGIN」、「LOGOUT」と設定する。また、(9)ユーザの親展ボックス情報についての文字列を「Mailbox」、(10)アドレス帳の情報についての文字列を「AddressBook」、(11)アップロードプリントされた文書情報についての文字列を「UploadPrint」、(12)管理者からユーザへのメッセージ情報についての文字列を「Announcement」と設定する。
【0032】
また、消耗品情報について、消耗品毎にそれぞれ文字列を「Paper」、「Toner」、「Staple」と設定する。また、装置の稼働状況についての文字列を「STATUS」と設定する。
なお、上述した文字列は、その文字の大文字、小文字、スペルなどを含めて、画像形成装置毎に任意に決定することができる文字列であり、特に、上述した文字列に限定されない。
【0033】
また、組込ウェブサーバ部28は、文字列の一覧をトップページに表示させる際、組込ウェブサーバ部28に対してウェブページの閲覧の要求を行った者が、画像形成装置2の管理者であるか、一般ユーザであるかに応じて文字列の一覧を変更する。図4には、上述した文字列を、管理者用のウェブページのトップページに表示するのか、一般ユーザ用のウェブページのトップページに表示するのか、あるいはその両方のトップページに表示するのかをも示している。
【0034】
図5は、組込ウェブサーバ部28がPC3のウェブブラウザ部31aなどのウェブブラウザに表示させるトップページに表示させる文字列の一覧を示した図である。図5(a)は、画像形成装置2の管理者のウェブページのトップページに表示される文字列の一覧であり、図5(b)は、一般ユーザのウェブページのトップページに表示される文字列の一覧である。なお、文字列の順序は特に限定されないが、ここではアルファベット順に並べた状態を示している。また、図5に示す文字列の外観は基準の外観を示している。
【0035】
そして、ユーザ(単に、「ユーザ」と称する場合には、管理者と管理者以外の一般ユーザとを含む意味として用いる)のPC3のウェブブラウザ部31aのウェブページのトップページに文字列の一覧を表示する際、ユーザに注意を喚起したい情報が存在する場合には、その情報に関連する文字列の強弱を変える。強弱は文字の形式(スタイル(太字、斜体、太字斜体など)、サイズ、色に差を持たせる。
【0036】
例えば、管理者から一般ユーザに対して新たなメッセージがある場合には、一般ユーザのPC3のウェブブラウザ部31aのトップページに表示する「Announcement」の文字を強調させる(強調させるように記載したHTML文書を作成し、このHTML文書をこのウェブブラウザに対して送信する)。図6は、一部の文字列の強弱を変更させた文字列の一覧を示す図である。強調させる手段としては、文字のスタイルを太字にする、文字のサイズ(大きさ)を大きくする、色を赤色にすることを例示することができ、これらの手段のいずれかを選択してもよいし、これらの手段を重複して用いてもよい。図6(a)においては、「Announcement」の文字の太さおよび文字のサイズをその他の文字よりも大きくしている。
【0037】
また、同様に、親展ボックスにメッセージが届いている場合には、「Mailbox」という文字列を強調させてもよい。図6(b)においては、「Announcement」の文字を強調させるとともに「Mailbox」の文字を強調させた文字列の一覧を示している。
【0038】
また、管理者用のウェブブラウザのトップページの文字列に対しては、消耗品情報として、用紙の枚数が少なくなってきた場合には、「Paper」という文字列を強調させたり、トナーの残量が少なくなってきた場合には、「Toner」という文字列を強調させたりすることが好適である。図7は、一部の文字列の強弱を変更させた文字列の一覧を示す図である。図7においては、管理者用のウェブブラウザのトップページの文字列の一覧で「Paper」と「Toner」の文字を強調させた文字列の一覧を示している。なお、消耗品情報の文字列を強調させる際には、消耗品の残量に応じて文字列の強調度合いを変更させてもよい。例えば、残量が少なくなるのに比例させて文字列の大きさを大きくするおよび/または文字の太さを太くするごとくである。また、比例ではなく、残量を段階的に区分けし、段階的に強調度合いを変更させてもよい。
【0039】
また、ユーザのPC3のウェブブラウザ部31aのウェブページのトップページに文字列の一覧を表示する際、ユーザに注意を喚起したい情報が存在する場合には、状態に応じて文字列のスペルを変更してもよい。例えば、画像形成装置2にエラーが生じている場合には、「Status」の文字列を「Error」という文字列に変更して表示することが好適である。また、消耗品情報として、用紙切れてしまっている場合には、「Paper」の文字を「No Paper」という文字列に変更して表示してもよい。その際、文字列の大きさ、色、スタイルを変更することによりその文字列を強調させることが好適である。
【0040】
図8は、状態に応じて文字列のスペルを変更させた文字列の一覧を示した図である。図8(a)は、ユーザ用のウェブページのトップページに文字列の一覧である図5(b)に対して、「Status」を「Error」に変更した図であり、図8(b)は、図5(a)に対して、「Paper」を「No Paper」に変更した図である。
【0041】
なお、ウェブページのトップページの文字列の一覧に表示する文字列の外観(大きさ、色、スタイル、スペル)をどのようにするかは、組込ウェブサーバ部28の文字列外観決定部283が、比較部282が比較した結果に基づいて決定する。比較部282は、取得部281が取得した最新情報と予め記憶している基準の情報(記憶情報)とを比較する。なお、基準の情報とは、記憶部24に記憶された情報あるいは組込ウェブサーバ部28が内蔵する記憶領域に記憶された情報であり、情報の種類および/またはユーザ毎に応じて設定することが好適である。
【0042】
例えば、装置の機能、設定、記述情報、管理者メッセージ、親展ボックスについては、ユーザが前回アクセスした時点に記憶された情報を基準の情報とすることが好適である。これにより、例えば、図6に示した「Announcement」の文字を強調させる場合には、ユーザが前回アクセスした時点から今回のアクセス時点までの間に新たな管理者メッセージが加わっている場合に強調されることとなる。
【0043】
また、稼働状況については、基準の情報として正常に稼働していることを設定(記憶)しておき、取得部281が取得した最新の情報がエラーが発生したとの情報である場合には、比較部282が、最新の情報である「エラー発生」と基準の情報である「正常に稼働」とを比較する。そして、比較結果である、「正常稼働」から「エラー発生」へ変化に基づいて、文字列外観決定部283が文字列のスペルを「Status」から「Error」に変更すると決定することが好適である。
【0044】
また、消耗品情報について、消耗品の残量に応じて文字列の強調度合いを変更させる場合には、基準の情報として消耗品が最大に存在する(満杯)状態を設定(記憶)しておき、比較部282が、最新の残量と満杯状態とを比較する。そして、比較結果である、「最新残量」と「満杯状態」との差に基づいて、文字列外観決定部283が文字列の強調度合い決定することが好適である。
【0045】
なお、文字列の外観は、上述したように、情報の変化に応じて変化させることに加えて、その情報へのアクセス頻度(ページが閲覧された回数、文字列がクリックされた回数)に応じて文字列の強弱を変えてもよい。
【0046】
以下、フローチャートを用いて、上述した本実施形態に係る画像形成装置2の組込ウェブサーバ部28が行う情報配信処理について説明する。
図9は、組込ウェブサーバ部28が行う情報配信処理の手順を示すフローチャートである。
この処理は画像形成装置2の組込ウェブサーバ部28が、ウェブページの閲覧の要求を受け付けたことをトリガーとして行う。例えば、ユーザがPC3のウェブブラウザ部31aを介してウェブページの閲覧の要求し、その要求を受信したとの情報を取得したときに実行開始する。
【0047】
先ず、ウェブページの閲覧の要求を行ったユーザが管理者であるか一般ユーザであるかを判別する(ステップ101)。この処理は、ウェブページの要求画面を表示できるのは、先にログイン画面で認証を受けたユーザであることから、先に取得しているユーザ情報と予め登録されているユーザに関するテーブルとを比較し、ユーザが管理者であるか一般ユーザであるかを判別する処理である。
【0048】
そして、管理者であった場合には、取得部281が、管理者用のウェブページの情報ページに記載する最新の情報を取得する(ステップ102)。取得部281はこの時点で、最新情報を能動的に取得してもよいし、組込ウェブサーバ部28が制御部21などから受動的に取得し記憶しておいた情報を参照してもよい。
その後、比較部282が、取得した最新の情報と基準の情報との比較を行う(ステップ103)。そして、文字列外観決定部283が、ステップ103にて行った比較結果に応じて、トップページの文字列の一覧に表示すべき文字列の外観を決定する(ステップ104)。
【0049】
その後、管理者用のウェブページを表示させるHTML文書を作成する(ステップ105)。このHTML文書は、ウェブページのトップページにはステップ104にて決定した外観の文字列の一覧を表示させる文書であり、情報ページにはステップ102にて取得した情報を表示させる文書である。
その後、ステップ105にて作成したHTML文書をウェブページの閲覧の要求を行ったウェブブラウザに対して送信する(ステップ106)。なお、組込ウェブサーバ部28は、ログインページを経由するとCookieにユーザ情報を付加し、その後は、Cookieで伝達されるユーザ情報を基にユーザを特定して送信する。
【0050】
一方、ステップ101にて判別した結果、一般ユーザであった場合には、一般ユーザ用のウェブページの情報ページに記載する情報を取得する(ステップ107)。その後、取得した情報と基準の情報との比較を行う(ステップ108)。そして、文字列の一覧に表示すべき文字列の外観を決定する(ステップ109)。そして、一般ユーザ用のウェブページを表示させるHTML文書を作成する(ステップ110)。このHTML文書は、一般ユーザ用のウェブページのトップページにはステップ109にて決定した外観の文字列の一覧を表示させる文書であり、情報ページにはステップ107にて取得した情報を表示させる文書である。その後、ステップ110にて作成したHTML文書をウェブページの閲覧の要求を行ったウェブブラウザに対して送信する(ステップ106)。
【0051】
組込ウェブサーバ部28がこの情報配信処理を実行することにより、ウェブページの閲覧を要求したユーザに対して、情報ページに関連する文字列の一覧がトップページに表示されたウェブページが提供される。また、その文字列の外観は状況に応じて変更される。また、管理者、一般ユーザなどのユーザに応じて提供するウェブページが異なる。これらにより、ユーザは、画像形成装置2についての複数の情報を直感的な形で視認できる。また、注意すべき情報を容易に把握することができる。
【0052】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るネットワークシステムは、第1の実施形態と同じく、図1に示すように、複写機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能、プリンタ機能などの機能を有するとともに、ウェブサーバとしての機能をも有する画像形成装置2と、複数のPC3とを備えている。そして、画像形成装置2と、PC3とは、インターネット等のネットワーク4を介して接続されている。
【0053】
そして、第2の実施形態に係る画像形成装置2の組込ウェブサーバ部28は、ユーザのPC3のウェブブラウザ部31aなどのウェブブラウザに対して、用紙切れ、トナー切れ、紙詰まりなどの画像形成装置2の状態を閲覧可能とする。さらに、第2の実施形態に係る組込ウェブサーバ部28は、例えばRSS(Rich Site Summary又はReally Simple Syndication)やAtom等のフィード(feed)と称される情報伝達技術を利用して画像形成装置2に関する情報を配信することを特徴とする。つまり、本実施形態の組込ウェブサーバ部28は、ウェブページの1つ(例えば、第1の実施形態のトップページ)を例えばRSSの様態で生成し、画像形成装置2が提供する他の複数のウェブページの更新情報(例えば、第1の実施形態の情報ページに記載された情報の更新情報)をRSS形式で提供する(フィードする)。それゆえ、画像形成装置2の記憶領域にはRSS形式の情報の配信を行うために必要な各種機能を実現するための各種プログラムが記憶されている。
【0054】
一方、PC3においては、RSSリーダーやRSSリーダー機能を有するウェブブラウザがインストールされている。そして、RSSリーダーやRSSリーダー機能を有するウェブブラウザが、組込ウェブサーバ部28のURLを登録し、定期的にポーリングしてその内容を表示部33に表示する。
【0055】
図10は、RSS形式の文書データの一例を示したものである。
RSS形式の文書データは、画像形成装置2のアプリケーションに関連する各種データの更新や装置のアプリケーションに関連して生起する各種イベントの情報を記述するXML文書である。このXML文書の形式としては、一般のウェブサイトがサイトの更新情報を配信するために利用している各種のフォーマットに対応して複数種類が存在する。画像形成装置2は、RSSの各バージョンやAtomなどのXML形式をサポートするが、ここではRSS2.0による記述を例にあげて説明する。
【0056】
RSS2.0の文書データは、図示したように、更新情報全体に関連する基本情報を記述するchannel要素を有している。そして、channel要素は、この更新情報のタイトルを表すtitle要素と、この更新情報が扱っているウェブページへのリンクを表すlink要素と、この更新情報が扱っている情報の概要説明を記述するdescription要素と、更新情報を表現するitem要素とを含む。
【0057】
title要素の記述としては、装置名、情報名、updateであり、例えば、MFP2000、20F #1、Recoverable Error、updateと記述する。link要素には、詳細情報のWebページへのリンクを記述する。description要素には、情報の概要説明を記述する。例えば、「Trash box is almost full.」、「Job id=1234 has been stopped.」という具合である。
【0058】
図11は、情報の種類と公開範囲の一例を示す図である。
組込ウェブサーバ部28は、画像形成装置2についての以下の情報を管理者のPC3向けに配信する。
(1)ハードディスク障害、転写部/搬送部の致命的障害などの回復不可能な動作不良
(2)消耗品なし、屑箱/出力トレーフル、ジャムなどの回復可能な動作不良
(3)消耗品残量不足、屑箱/出力トレー容量不足などの警告状態
【0059】
また、組込ウェブサーバ部28は、画像形成装置2についての以下の情報を一般ユーザのPC3向けに配信する。
一般ユーザ共有情報として、(1)保守、新機能、運用時間のアナウンスなどの管理者メッセージ。
一般ユーザ個別情報として、(2)ジョブ一次停止などのジョブ状態、(3)親展ボックスからの文書、(4)アップロードプリントした文書。
【0060】
ユーザのPC3においては、RSSリーダーやRSSリーダー機能を有するウェブブラウザがフィードの更新を定期的に確認することで、組込ウェブサーバ部28が配信する上記情報についての最新の情報を得ることができる。
【0061】
<第3の実施形態>
図12は、第3の実施形態に係るネットワークシステム301を示す概略構成図である。ネットワークシステム301は、図12に示すように、複数(図示しているのは3台)の、複写機能、プリンタ機能などの機能に加えてウェブサーバとしての機能をも有する画像形成装置302と、複数の画像形成装置302とインターネット等のネットワーク304を介して接続されたサーバ装置305と、インターネット等のネットワーク306を介して接続された複数(図示しているのは3台)のPC303とを有している。ネットワーク304とネットワーク306とは同じネットワークであってもよい。
【0062】
画像形成装置302は、第1の実施形態に係る画像形成装置2と同じ構成であり、その詳細な説明は省略する。加えて、画像形成装置302に備えられた組込ウェブサーバ部28は、第2の実施形態に係る画像形成装置2と同様に、画像形成装置302に関する情報(図11参照)をRSS形式で提供する。
【0063】
サーバ装置305は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを有し装置全体の動作を制御する制御部351と、データを記憶する記憶部352と、ネットワーク304,306を介して外部との間で行う通信を制御するLANアダプタなどからなるネットワーク接続部353とを有する。そして、サーバ装置305は、複数の画像形成装置302の組込ウェブサーバ部28と通信することにより画像形成装置302から情報を収集し、収集した情報を基にウェブページを生成する。
PC303は、第1の実施形態に係る画像形成装置2と同じ構成であり、ネットワーク306で接続されたサーバ装置305が生成したウェブページにアクセス可能である。
【0064】
サーバ装置305が提供するウェブページは、第1の実施形態に係る画像形成装置2の組込ウェブサーバ部28が提供するウェブページと同様に、情報を記載した情報ページを複数有している。そして、ウェブページのトップページに、PC303のユーザに応じて、これら複数の情報ページの各情報ページに記載されている情報に関連する文字列の一覧を記述する(図5〜8参照)。
すなわち、サーバ装置305は、複数の画像形成装置302から情報を収集し、収集した情報を基に、トップページに情報ページに関する文字列の一覧を有するウェブページを提供する。
【0065】
サーバ装置305が複数の画像形成装置302から情報を収集する方法は、以下の方法を例示することができる。
(1)各画像形成装置302のウェブページを検索することにより、情報を収集する方法。(2)各画像形成装置302のウェブページのトップページに表示された情報ページに関する文字列の一覧を参照することにより、画像形成装置302に関する情報および情報の変化を検知することで情報を収集する方法。(3)各画像形成装置302から提供されるフィードの更新を定期的に確認することで情報を収集する方法。
【0066】
そして、サーバ装置305の制御部351が図9のフローチャートを用いて説明した上述した情報配信処理を実行する。
その際、ステップ101においては、ウェブページの閲覧の要求を行ったPC303のユーザが管理者であるか一般ユーザであるかを判別する。ステップ102およびステップ107においては、取得部281が、管理者用のウェブページの情報ページに記載する最新の情報を複数の画像形成装置302から取得する。
【0067】
また、ステップ105およびステップ110において、管理者用あるいは一般ユーザ用のウェブページを表示させるHTML文書を作成する際には、情報ページに、情報の種類毎に画像形成装置302台数分の情報を含ませることが好適である。
【0068】
これにより、PC303のユーザは、上述したように構成されたネットワークシステム301により、ウェブブラウザを介して、サーバ装置305から、複数の画像形成装置302についての情報をタグクラウドの様態(文字列の一覧)で取得することができる。また、サーバ装置305は、上述したように、複数の画像形成装置302から情報を収集するので、PC303のユーザは、より迅速に情報を取得することができる。
【0069】
なお、上述した第1〜第3の実施形態において、画像形成装置2の組込ウェブサーバ部28あるいはサーバ装置305がウェブページに記述する言語は、一般の個別ユーザへの送信については、そのユーザのプロファイルに応じた言語を使用することが好適である。ユーザのプロファイルは、認証の際のユーザ情報により取得することができる。また、管理者用、一般ユーザ共有情報については、システムに一意に設定された言語を使用してもよいし、言語毎に複数のページを設けてもよい。
【0070】
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る画像形成装置は、文書などを送信する際に自動的に送信手段を選択する点に特徴がある。
以下では、第1の実施形態に係る画像形成装置2を例に取り説明する。
画像形成装置2は、文書などを送信する手段として、メール送信、ファクシミリ送信を利用することが可能である。さらに、ファクシミリ送信においては、PSTNを使用したファクシミリ送信に加えて、IP電話網を使用したファクシミリ送信(以下では、「IP・FAX」と称する場合もある。)も可能である。
【0071】
図13は、アドレス帳に記載されている情報の一例を示した図である。
図13に示すように、記憶部24(図3参照)に記憶されているアドレス帳には、同じ宛先に対して複数の送信方法を記憶している場合に、制御部21は、スキャンパラメータ(カラー、解像度など)および送信条件(セキュリティ、重要度など)に基づくルールを適用し自動的に送信手段を選択する。そして、設定された、あるいは定められた条件を満足しない場合に、ユーザの介入を促す。
【0072】
PSTNによるFAXにおいては、一般のFAXプロトコルT.30でありカラー送信はできない。また、インターネットのような不特定の経路を経由せず、回線施設業者の通信網を経由するために機密上安全である。ただし、通信料金は必要である。
VoIPによるFAXにおいては、T.38プロトコルに準拠しており、通信料金は必要ない。ただし、一般のFAXプロトコルT.30と同様に、カラー送信はできない。また、インターネット中の不特定の経路を経由するため盗聴されるおそれがある。この対策としては、盗聴に関しては、IPsecなどの暗号化により防止することが可能である。
【0073】
メール送信においては、種々のファイルを添付して送信することが可能であり、通信料金は必要ない。ただし、インターネット中の不特定のメールサーバを経由して転送されるので盗聴されるおそれがある。この対策としては、暗号化により盗聴を防止することが可能である。
このように、PSTNによるFAX、VoIPによるFAX、メール送信では、通信費用やセキュリティ面で特性が異なる。本実施形態に係る画像形成装置2においては、自動的に送信手段を判断する。
【0074】
以下、フローチャートを用いて、上述した本実施の形態に係る画像形成装置2の制御部21が行う送信手段自動選択処理について説明する。例として、送信しようとする宛先に対して、メール送信、VoIPによるFAX送信、PSTNによるFAX送信が全て設定されているケースについて動作フローを説明する。
図14および図15は、制御部21が行う送信手段自動選択処理の手順を示すフローチャートである。
この処理は画像形成装置2の制御部21が、画像読取の指示を受け付けたことをトリガーとして行う。例えば、ユーザがスキャンボタンを押下したとの情報を取得したときに実行開始する。
【0075】
前提として、画像形成装置2は、ユーザに、送信するにあたって必要な設定情報の設定を促す。ユーザは、読み取り方法(カラー/モノクロ、解像度等など)、送信方法(機密送信か否かなど)を設定し、読み取りおよび送信開始を指示する。
【0076】
制御部21は、先ず、読み取り方法(カラー/モノクロ、解像度等など)、送信方法(機密送信か否かなど)などの設定情報を取得する(ステップ401)。
次に、読み取り設定が、カラー読み取りであるか否かを判別する(ステップ402)。そして、肯定判定された場合には、設定された送信方法が機密送信であるか否かを判別する(ステップ403)。そして、肯定判定された場合には、宛先の公開鍵証明書を取得可能であるか否かを判別する(ステップ404)。そして、肯定判定された場合には、暗号化処理を施したE−mail送信を行う(ステップ505)。一方、ステップ404にて否定判定された場合には、エラー表示をし、カラー送信かつ機密送信が設定されたにもかかわらず公開鍵証明書を取得できない旨を表示する(ステップ406)。
ステップ403にて否定判定された場合、つまり、設定された送信方法が機密送信ではない場合には、暗号化処理を施さないE−mail送信を行う(ステップ407)。
【0077】
ステップ402にて否定判定された場合、つまり、読み取り設定がカラー読み取りではなく、モノクロ読み取り設定である場合には、設定された送信方法が機密送信であるか否かを判別する(ステップ408)。そして、肯定判定された場合には、宛先の公開鍵証明書を取得可能であるか否かを判別する(ステップ409)。そして、肯定判定された場合には、VoIPsecによるFAX送信を行う(ステップ410)。一方、ステップ409にて否定判定された場合、つまり、公開鍵証明書を取得できない場合には、PSTNによるFAX送信を行う(ステップ411)。
一方、ステップ408にて否定判定された場合、つまり、設定された送信方法が機密送信ではない場合には、VoIPによるFAX送信を行う(ステップ412)。
【0078】
画像形成装置2が、このような処理を行うことにより、ユーザの指定が、カラー送信であるのか、機密送信であるのかに応じて、また、通信費用を考慮して、最適な送信手段を自動的に決定するので、ユーザビリティを向上させることができる。
【0079】
なお、上述した処理のステップ406においては、機密送信が設定されたにもかかわらず公開鍵証明書を取得できない場合には、エラー表示を行っているが、エラー表示することなく、非機密送信を選択するようにしても良い。
また、ステップ412においては、暗号化処理を施さないE−mail送信を行ってもよい。
【0080】
また、上記の例では、同一の宛先に対して3つの送信手段全てが登録されている例を示したが、いずれかの送信手段が登録されていない場合には、以下のように処理してもよい。すなわち、(1)E−mail送信が登録されていない場合には、ステップ402で肯定判定されたら、カラー送信できない旨のエラー表示を行う。(2)VoIPによるFAX送信が登録されていない場合には、ステップ410において、暗号化処理を施したE−mail送信を行い、ステップ412において、暗号化処理を施さないE−mail送信を行う。(3)PSTNによるFAX送信が登録されていない場合には、ステップ411において、暗号化処理を施したE−mail送信を行う。
【0081】
VoIPあるいはPSTNによるFAX送信であっても、画像形成装置2の仕様によりカラー送信可能である場合には、以下のように処理してもよい。すなわち、ステップ405おいては、暗号化処理を施したE−mail送信に加えてVoIPsecによるFAX送信を選択肢としてもよい。また、ステップ407においては、暗号化処理を施さないE−mail送信に加えて、VoIPによるFAX送信を選択肢としてもよい。
【0082】
上記実施形態においては、3種類の送信手段を備えている場合について述べたが、さらにI−FAXを備えている場合には、以下のように処理してもよい。I−FAXは、メール送信の添付ファイルにTIFF形式の画像ファイルを添付した規約である。このI−FAXの利用を上記した処理の選択肢に加えても良い。その際、宛先がシンプルモードであるのかフルモードであるのかを考慮することが好適である。なお、シンプルモードは、モノクロ、非暗号のみの送信を可能とするモードであり、フルモードは、カラー送信も可能であり、暗号化通信も可能である。このI−FAXを選択するにあたっては、宛先とメールで能力交換する機能を利用して、相手がカラーや暗号化/復号化をサポートしているかを自動的に問い合わせること好適である。
【0083】
また、上述した自動選択処理を行うにあたっては、料金優先モードにするのか、セキュリティ優先モードにするのか、利用者毎に優先させるモードを変更するようにしても良いし、宛先毎に優先させるモードを変更するようにしても良い。
【0084】
また、VoIPによるFAX送信を利用する場合には、通信の際にPSTNゲートウェイを経由するのか否かを検知することが好適である。これは、VoIPによるFAX送信を選択した場合であっても、PSTNゲートウェイを経由するために結果的に課金される場合があるためである。もし、PSTNゲートウェイを経由すると検知した場合はそのVoIPの宛先をPSTN送信に準じた基準で判断することが好適である。すなわち、ステップ410においては、暗号化処理を施したE−mail送信を行い、ステップ412においては、暗号化処理を施さないE−mail送信を行うようにすることが好適である。
【0085】
なお、利用者介入を追加してもよい。すなわち、非機密送信する場合、確認ダイアログを表示して、利用者の確認を得ることが好適である。また、PSTNなど通信料金が必要となる送信手段が選択された場合には、確認ダイアログを表示すること好適である。また、料金優先モードの場合、セキュリティ低下する場合には利用者に問い合わせることが好適である。また、セキュリティ優先モードの場合、料金が発生する場合には利用者に問い合わせることが好適である。
【0086】
また、公開鍵証明書の有り無しで処理を分けたが、公開鍵証明書の代わりに暗号化するために必要な情報、例えば事前共有鍵等を代用することも可能である。
【0087】
なお、装置に上述した機能を実現させるためのプログラム(ソフトウェア)は、装置に予めインストールされていてもよいし、通信手段により提供してもよいし、CD−ROM等の記憶媒体に格納して提供してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】第1の実施形態に係るネットワークシステムを示す概略構成図である。
【図2】PCの概略構成を示す図である。
【図3】画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図4】情報ページに記載する情報の一例とその情報について設定された文字列を示す図である。
【図5】組込ウェブサーバ部がウェブブラウザに表示させるトップページに表示させる文字列の一覧を示した図である。
【図6】一部の文字列の強弱を変更させた文字列の一覧を示す図である。
【図7】一部の文字列の強弱を変更させた文字列の一覧を示す図である。
【図8】文字列のスペルを変更させた文字列の一覧を示した図である。
【図9】組込ウェブサーバ部が行う情報配信処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】RSS形式の文書データの一例を示したものである。
【図11】情報の種類と公開範囲の一例を示す図である。
【図12】第3の実施形態に係るネットワークシステムを示す概略構成図である。
【図13】アドレス帳に記載されている情報の一例を示した図である。
【図14】送信手段自動選択処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】送信手段自動選択処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
1,301…ネットワークシステム、2,302…画像形成装置、3,303…PC、4,304,306…ネットワーク、21…制御部、22…画像形成部、23…画像読取部、24…記憶部、25…ネットワーク接続部、26…通信回線接続部、27…操作部、28…組込ウェブサーバ部、281…取得部、282…比較部、283…文字列外観決定部、284…文書データ作成部、285…送信部、305…サーバ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段を制御するとともに制御に関する情報を保持する制御手段と、
装置についての情報を記憶する記憶手段と、
予め定められた複数の事項についての情報を前記記憶手段あるいは前記制御手段から取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した取得情報と予め記憶している記憶情報とを比較した結果に基づいて当該情報取得手段が取得した情報に関する文字列の外観を決定する文字列外観決定手段と、
ウェブページ内の第1のページには前記文字列外観決定手段が決定した外観の文字列の一覧を表示させ、当該ウェブページ内の第2のページには前記情報取得手段が取得した情報を表示させるように、当該ウェブページを記述するための言語で記述された文書データを作成する文書データ作成手段と
を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合と当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合とで前記文字列のスペルを異ならせる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合と当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合とで前記文字列の大きさ、色およびスタイルの少なくともいずれかを異ならせる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合には、当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合よりも、前記文字列の外観を強調させるようにする
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数の画像形成装置から当該複数の画像形成装置について予め定められた複数の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した取得情報と予め記憶している記憶情報とを比較した結果に基づいて、当該情報取得手段が取得した情報に関する文字列の外観を決定する文字列外観決定手段と、
ウェブページ内の第1のページには前記文字列外観決定手段が決定した外観の文字列の一覧を表示させ、当該ウェブページ内の第2のページには前記情報取得手段が取得した情報を表示させるように、当該ウェブページを記述するための言語で記述された文書データを作成する文書データ作成手段と、
を含むことを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
前記画像形成装置はウェブページを提供することが可能であり、
前記情報取得手段は、前記画像形成装置が提供するウェブページを検索あるいは参照することにより、または当該画像形成装置が提供するフィード情報を取得することにより情報を取得する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合と当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合とで前記文字列のスペルを異ならせる
ことを特徴とする請求項5または6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合と当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合とで前記文字列の大きさ、色およびスタイルの少なくともいずれかを異ならせる
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記文字列外観決定手段は、前記取得情報と前記記憶情報との間に差異がある場合には、当該取得情報と当該記憶情報との間に差異がない場合よりも、前記文字列の外観を強調させるようにする
ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項10】
予め定められた複数の事項についての情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した取得情報と予め記憶している記憶情報とを比較した結果に基づいて当該情報取得手段が取得した情報に関する文字列の外観を決定する文字列外観決定手段と、
ウェブページ内の第1のページには前記文字列外観決定手段が決定した外観の文字列の一覧を表示させ、当該ウェブページ内の第2のページには前記情報取得手段が取得した情報を表示させるように、当該ウェブページを記述するための言語で記述された文書データを作成する文書データ作成手段と
を含むことを特徴とする情報提供装置。
【請求項11】
コンピュータに、
予め定められた複数の事項についての情報を取得する機能と、
前記情報を取得する機能が取得した取得情報と予め記憶している記憶情報とを比較した結果に基づいて当該情報を取得する機能が取得した情報に関する文字列の外観を決定する機能と、
ウェブページ内の第1のページには前記文字列の外観を決定する機能が決定した外観の文字列の一覧を表示させ、当該ウェブページ内の第2のページには前記情報を取得する機能が取得した情報を表示させるように、当該ウェブページを記述するための言語で記述された文書データを作成する機能と
を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate