説明

画像形成装置、機器システム、プログラム管理方法、プログラム

【課題】バージョンが異なる、ユーザに紐つくライセンス形態の機能を一台の機器で管理可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】機能を実現するプログラムの起動が、該プログラムの正当利用者であることを示すライセンス情報により認められる画像形成装置100であって、ログイン受け付け手段11と、ユーザ個人にライセンスされたプログラムとライセンス情報を外部から取得し、バージョンが異なる場合、プログラムを削除することなく、外部から取得したプログラムとライセンス情報を記憶する機能導入手段12と、ライセンス情報とプログラムのバージョン情報を、ユーザIDに対応づけて登録したユーザ情報21と、前記ユーザ情報から、ログインしたユーザのユーザIDに対応づけられたライセンス情報とバージョン情報を特定し、該バージョン情報のプログラムが実現する機能をユーザに提供する機能提供手段15,16と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにライセンスされたプログラムを導入する画像形成装置に関し、特に、同じ機能の異なるバージョンのプログラムの導入を管理する画像形成装置、機器システム、プログラム管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コピー、スキャナ、プリンタ若しくはFAX、又は、これらの機能の複数が備わった複合機(MFPともいう)等の機器は、内部に情報処理装置を備えている。この情報処理装置に搭載可能なCPUの性能が向上しており、また、大容量メモリが低価格で提供されるようになっている。
【0003】
また、機器の利用形態もネットワーク化が進んでおり、予め機器にアプリケーションを記憶させておいて出荷する(箱売り)のではなく、ユーザが必要に応じてアプリケーションを購入しネットワーク経由でアプリケーションをダウンロードし、機器へインストールする販売形態も可能になってきた。
【0004】
機器へのアプリケーションのインストールは、不正利用の防止を目的としてライセンス(使用権限)の有無により管理される。ライセンスの実体は、例えば、ユーザがアプリケーションの正式購入時に知らされるライセンスキーである。ユーザは、インストール時にライセンスキーを入力することで、機器へアプリケーションをインストールすることができる。
【0005】
また、ライセンスサーバに使用権限のある機器の情報等を登録しておくことで、ライセンスが管理される場合もある。この場合、ユーザは、アプリケーションをインストール後、利用する際にライセンスサーバへアクセスし、機器のライセンス認証をライセンスサーバに要求する。認証が成立すれば、ユーザは機器のアプリケーションを利用できる。
【0006】
しかし、これらのライセンスの管理では、認証対象があくまでアプリケーションを導入する"機器(ex 機器ユニークのシリアルコード)"である。
【0007】
これに対し、ライセンスの有無をインストールしたアプリケーションの数により管理するフローティングライセンスというライセンス形態もある。フローティングライセンスは、ライセンスの契約時に予めライセンス上限数を決めておき、ライセンス上限数を超えなければ、アプリケーションの導入を特定の機器に限定することなく、複数の機器へ認めるライセンス形態である。
【0008】
また、機器でもライセンス上限数でもなく、"個人"単位でライセンスを管理することが適切な状況もある。画像形成装置を例にすると、個人がサードベンダ作成のアプリケーション(ユーティリティ)などを購入して、職場にて自身が利用する機器に導入する場合が挙げられる。組織/部署がアプリケーションを購入するのではなく、あくまで個人が購入/導入するアプリケーションであるため、個人のみが利用可能である必要がある。以下、ユーザ単位のアプリケーションのライセンスを、ユーザと紐つくライセンスという。
【0009】
なお、個人が購入するアプリケーションとしては、単純な電卓、各種ガジェットのような機能を提供するものから、画面や操作フロー等を個人が登録したユニークな内容にする見た目や使いやすさを変更させるものなどが想定される。
【0010】
個人単位のライセンスが必要なアプリケーションの場合、ユーザがアプリケーションを導入した機器だけでなく、違う機器を利用時にもそのアプリケーションを使うことができる。例えば、ユーザが、出張時やいつもと違うフロアで臨時的に業務を行う場合でも、ユーザはアプリケーションを使用することができる。この場合、ライセンスの管理が、機器単位であるならば、ユーザが事前に導入済みの機器から該当機能を削除(ライセンス返却)したうえで、臨時で使う機器に新たに導入しなおす必要がある。しかし、個人単位でライセンスを管理するライセンス形態では、例えば、ライセンスサーバが、各ユーザのログイン(個人特定)に連動してログインユーザにライセンスが付与されているアプリケーションを特定することにより、ログイン機に該当アプリケーションを即時導入するといったことが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
特許文献1には、ユーザログイン時にユーザと紐づくライセンスの有無を判定し、ユーザがライセンスを有するアプリケーションがある場合、該当アプリケーションをユーザがログインした機器にダウンロード及びインストールさせるアプリケーションの管理方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載の管理方法は、同じ機能のバージョン違いについて考慮されていないという問題がある。例えば、ユーザに紐つくライセンスによりライセンスを管理する形態であり、かつ、同じ機器を複数のユーザが共用する場合、ユーザ毎に好みのバージョンが異なる場合があるが、バージョン違いを考慮しないと、ユーザが好むバージョンの機能を導入できない。
【0013】
図1は、バージョンが異なる同じ機能がもたらす、機器に特有の問題を説明する図の一例である。図1(a)は3つのPC(Personal Computer)に同じ機能であるα機能が導入されている例を示す。各ユーザが機器を占有して使用することができる環境の場合、各機器に導入されるα機能のバージョン違いが問題になることは少ない。例えばユーザAがUI(ユーザインタフェース)を理由にVer1を使用し、ユーザBが最新の機能が使用できるということを理由にVer3を使用し、ユーザCが使いやすさを理由にVer2を使用しても、不都合が生じることは少ない。
【0014】
一方、図1(b)は、1つの機器に導入されたα機能を各ユーザが共同で利用する形態の例を示す図である。機器にはα機能の最新のバージョンであるVer3が導入されている。一般的なユーザはこの最新のバージョンVer3を利用することを好むが、ユーザAとユーザBは好みのバージョンのα機能を使用することができない。
【0015】
この不都合は、各ユーザが個々に好みのバージョンの機能をインストールするだけでは解決しない。
図2は、各ユーザが各バージョンのα機能を機器に導入した場合の不都合を説明する図の一例である。
【0016】
図2(a)において、ユーザAが9Fの機器にα機能を導入した。購入方法はどのような方法でもよいが、販売サイトでα機能を購入後、ライセンスキーを用いて機器に機能を導入する方法、販売サイトでα機能を購入後、ログインに合わせて自動的に導入する方法、等がある。
【0017】
図2(b)において、ユーザAが2Fの機器にα機能を導入した一ヶ月後、ユーザBがα機能を機器に導入した。図2(a)から図2(b)に至るまでに、α機能がバージョンアップされたため、サーバ上には最新バージョンであるVer2のα機能が登録されている。このため、図2(b)においてユーザが機器へ導入したα機能のバージョンはVer2となっている。
【0018】
なお、ここでは、各ユーザとライセンスが紐づけられていることにより、ユーザがログインすることで、紐づけられている機能が利用可能になるとする。
【0019】
図2(c)はユーザBが9Fの機器を使用する場合の不都合を説明する図の一例である。ユーザBが機器にログインすることにより、ユーザBはα機能を利用可能になる。しかし、ユーザBは、Ver2のα機能に慣れているため、α機能のバージョンが下がっていることや、所望の設定が見つからないことから、違和感を感じてしまう。
【0020】
図2(d)はユーザAが2Fの機器を使用する場合の不都合を説明する図の一例である。ユーザAが機器にログインすることにより、ユーザAはα機能を利用可能になる。しかし、ユーザAは、Ver1のα機能に慣れているため、α機能のバージョンが上がっていることや、使い方の違いに違和感を感じてしまう。
【0021】
ブラウザや音楽管理ソフトなどバージョンによって使い勝手、見た目等大きくかわる機能もあるが、従来、ユーザに紐つくライセンスによりライセンスを管理するライセンス形態の場合、機能のバージョンまでを管理して提供することは行われていなかった。
【0022】
また、従来、ユーザがアプリケーションの古いバージョンがインストールされたPCに最新のバージョンのアプリケーションをインストールする場合、インストールプログラムは古いバージョンのアプリケーションの削除をユーザに要求したり、古いバージョンのアプリケーションに新しいバージョンのアプリーションを上書きすることが多い。このように、従来、同じアプリケーションの古いバージョンと新しいバージョンを同じ装置にインストールした状態を保つことは行われていない。
【0023】
また、同じアプリケーションの古いバージョンと新しいバージョンが同じ装置にインストールされていても、ユーザの指定するバージョンを選択的に提供する装置はこれまで考案されていない。
【0024】
本発明は、上記課題に鑑み、バージョンが異なる、ユーザに紐つくライセンス形態の機能を管理可能な画像形成装置、機器システム、プログラム管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記課題に鑑み、本発明は、機能を実現するプログラムの起動が、該プログラムの正当利用者であることを示すライセンス情報により認められる画像形成装置であって、ユーザのログインを受け付けるログイン受け付け手段と、プログラムを記憶するプログラム記憶手段と、ユーザ個人にライセンスされたプログラムとライセンス情報を外部から取得し、該プログラムと同じ機能のプログラムが前記プログラム記憶手段に記憶されていても、両者のバージョンが異なる場合、前記プログラム記憶手段のプログラムを削除することなく、外部から取得したプログラムとライセンス情報を前記プログラム記憶手段に記憶する機能導入手段と、前記機能導入手段が記憶したプログラムのライセンス情報とプログラムのバージョン情報を、ユーザIDに対応づけて登録したユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、前記ユーザ情報から、ログインしたユーザのユーザIDに対応づけられたライセンス情報とバージョン情報を特定し、該バージョン情報のプログラムが実現する機能をユーザに提供する機能提供手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
バージョンが異なる、ユーザに紐つくライセンス形態の機能を管理可能な画像形成装置、機器システム、プログラム管理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】バージョンが異なる同じ機能がもたらす機器に特有の問題を説明する図の一例である。
【図2】各ユーザが各バージョンのα機能を機器に導入した場合の不都合を説明する図の一例である。
【図3】画像形成装置の概略的な特徴を説明する図の一例である。
【図4】機器システム構成図の一例である。
【図5】画像形成装置のハードウェア構成図の一例である。
【図6】画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図7】ユーザ情報を模式的に示す図の一例である。
【図8】機器構成情報を模式的に示す図の一例である。
【図9】ライセンスの取得を説明する図の一例である。
【図10】画像形成装置がユーザ情報の紐つきライセンス情報及び指定バージョンを更新するタイミングを説明する図の一例である。
【図11】画像形成装置がユーザ情報を更新する手順を説明する図の一例である。
【図12】ユーザ情報更新部がユーザ情報を更新する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図13】ユーザがユーザ情報の指定バージョンを変更する際にオペレーションパネルに表示されるバージョン指定画面の一例である。
【図14】機能の自動導入を模式的に説明する図の一例である。
【図15】自動導入の手順を説明するフローチャート図の一例である。
【図16】ユーザ毎に変わりうる操作画面の一例を示す図である。
【図17】画面生成部が操作画面を生成する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図18】機能の実行と自動停止を説明する図の一例である。
【図19】起動部が機能を自動的に実行し、機能停止部が自動的に機能を停止させる手順を説明するフローチャート図の一例である。
【図20】ユーザがユーザ情報の指定バージョンを変更する際にオペレーションパネルに表示されるバージョン指定画面の一例である。
【図21】機器構成情報の一例である。
【図22】画面生成部が操作画面を生成する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図23】起動部が機能を自動起動する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図24】ユーザ毎に変わりうる操作画面の一例である。
【図25】画面生成部が操作画面を生成する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図26】起動部が自動起動した後にオペレーションパネルに表示される起動バージョン変更画面の一例である。
【図27】起動部が機能を自動的に実行し、機能停止部が自動的に機能を停止させる手順を説明するフローチャート図の一例である。
【図28】機器構成情報の一例である。
【図29】削除のロジックの選択画面の一例である。
【図30】機能の削除の手順を説明するフローチャート図の一例である。
【図31】移転の有無の設定画面の一例を示す図である。
【図32】機能移転部が移転先の画像形成装置を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0029】
〔画像形成装置の特徴〕
図3は、本実施形態の画像形成装置100の概略的な特徴を説明する図の一例である。画像形成装置100は、図示するようなユーザ情報を記憶している。ユーザ情報には、「ユーザID」「紐つきライセンス情報」「指定バージョン」が登録されている。すなわち、「紐つきライセンス情報」「指定バージョン」が登録されていることが特徴の1つとなる。
【0030】
画像形成装置100は、ログインしたユーザのユーザIDに基づき「紐つきライセンス情報」を参照し、ユーザに紐ついた機能があることを検出する。ユーザに紐ついた機能がある場合、画像形成装置100はその機能の「指定バージョン」を読み出し、そのバージョンの機能をログインしたユーザに提供する。
【0031】
例えば、ユーザaaaaがログインした場合、画像形成装置100はユーザaaaaに対しVer1のβ機能を提供し、ユーザbbbbがログインした場合、画像形成装置100はユーザbbbbに対しVer2のβ機能を提供する。
【0032】
提供するとは、例えば操作パネルにそのバージョンの機能にリンクしたアイコンを表示することをいい、画像形成装置100はユーザの指定バージョンの機能を呼び出すアイコンを表示する。また、提供するとは、例えばそのバージョンの機能をユーザが操作しなくても起動すること(以下、自動起動という場合がある)をいい、画像形成装置100はユーザの指定バージョンの機能をアイコンを表示することも機能の起動の指示を受けることなく、ユーザの指定バージョンの機能を起動させる。
【0033】
したがって、本実施形態の画像形成装置100は、同じ機能の複数のバージョンからユーザにとって使いやすいバージョンの機能をユーザに提供することができる。
【0034】
なお、説明のため本実施形態で使用する用語を簡単に定義しておく。
「機能」とはアプリケーション(以下、単にアプリという)が提供する機能である。以下では、「機能」と「アプリ」を同じ意味で用いる場合がある。また、ユーザが機器でその機能を使用できるようにすることを機能の導入というが、これはインストール及びアクティベーションとほぼ同じ意味である(すでにインストールされている場合は、アクティベーションのみとなる)。なお、アクティベーションとは、正規のライセンスを持っていることが証明されアプリを使用可能となることである。
【0035】
「アプリ」には、種々のプログラムが含まれる。例えば、電卓、電子カレンダ、スケジュール表などのユーティリティ、画面の色やアイコンの配置を規定したように並び替える画面変更ソフト、予め登録してある印刷条件・読み取り条件・FAX送信先等を機器に設定する制御用ソフト、コピー機能・スキャナ機能・FAX機能等の基本的な機能そのもののソフトがある。
「紐つきライセンス」とは機器ではなくユーザに機能の使用を認めるライセンス形態のライセンスをいい、「紐つきライセンス情報」とは、紐つきライセンスの実体(例えばライセンスキー)である。本実施形態では、紐つきライセンス情報が機能の機能名を兼ねる。これに対し、機器に使用を認めるライセンス形態を「通常ライセンス」という。また、ユーザが機器とは別に購入する必要のない機能もあり、このような機能を「デフォルト」の機能という(ライセンス情報がない)。
【0036】
したがって、アプリの本体だけではユーザがアプリを起動することができず、アプリと一対の紐つきライセンス情報が機器に登録されることでユーザがそのアプリを起動できるようになる。または、紐つきライセンス情報にアクセス可能であることでアプリのインストールが可能になる。
【0037】
〔全体的な構成〕
図4は、機器システム600の構成図の一例を示す。画像形成装置100が、ネットワーク500を介して画像形成装置200、販売サーバ300、及び、ライセンスサーバ400と接続されている。画像形成装置100は、プリンタ機能、スキャナ機能、FAX機能等の1つ以上の機能を備えた装置である。MFP(Multifunction Peripheral)と呼ばれることもある。
【0038】
販売サーバ300は、機能をユーザや機器に販売するサーバである。ライセンスサーバ400は、ユーザにライセンスされた機能を管理するサーバである。また、説明を容易にするため、ライセンスサーバ400は、ユーザがログインした機器に機能を導入するサーバとしての役割を果たすサーバとするが、機能を蓄積したサーバはライセンスサーバ400と別であってもよい。画像形成装置200は、ユーザが機能を使用する画像形成装置100と同等の画像形成装置である。機能は自動的に画像形成装置200に導入されるので、ユーザは画像形成装置100だけでなく、画像形成装置200でも購入した機能を使用することができる。このような点において、紐つきライセンスは通常ライセンスより有効となる。また、画像形成装置200はコンピュータを備えるので、販売サーバ300又はライセンスサーバ400のいずれか1つ以上を兼ねることもできる。なお、ネットワーク500は、LAN,WAN(VLAN、VPN等)、又は、インターネットなどである。また、ネットワーク500は有線でも無線でもよい。
【0039】
図5は、画像形成装置100のハードウェア構成図の一例を示す。画像形成装置100は、コントローラ130と、オペレーションパネル125と、ファクシミリコントロールユニット(FCU)126と、撮像部127及び印刷部128を有する。
【0040】
コントローラ130は、CPU114と、ASIC116と、NB(ノースブリッジ)115と、SB(サウスブリッジ)117と、MEM−P(システムメモリ)111と、MEM−C(ローカルメモリ)112と、HDD(ハードディスクドライブ)113と、メモリカードスロット123と、NIC(ネットワークインタフェースコントローラ)118と、USBデバイス119と、IEEE1394デバイス121と、セントロニクスデバイス122とを有する。
【0041】
CPU114は、種々の情報処理を実行するためのICであり、アプリやプラットフォーム、オプションパッケージをUNIX(登録商標)等のOSによりプロセス単位で並列的に実行する。ASIC116は、画像処理用のICである。NB115は、CPU114とASIC116を接続するためのブリッジである。SB117は、NB115と周辺機器等を接続するためのブリッジである。ASIC116とNB115は、AGP(Accelerated Graphics Port)を介して接続されている。
【0042】
MEM−P111は、NB115に接続されたメモリである。MEM−C112は、ASIC116に接続されたメモリである。HDD113は、ASIC116に接続されたストレージであり、画像データ蓄積・文書データ蓄積・プログラム蓄積・フォントデータ蓄積・フォームデータ蓄積等を行うために使用される。HDD113には上記の種々のアプリ、及び、プログラム131が記憶されている。
【0043】
メモリカードスロット123は、SB117に接続され、メモリカード124をセット(挿入)するために使用される。メモリカード124は、USBメモリ等のフラッシュメモリであり、プログラム131を配布するために使用される。また、プログラム131は所定のサーバから画像形成装置100にダウンロードして配布することもできる。
【0044】
NIC118は、ネットワーク500等を介してMACアドレス等を使用したデータ通信を行うためのコントローラである。USBデバイス119は、USB規格に準拠したシリアルポートを提供するためのデバイスである。IEEE1394デバイス121は、IEEE1394規格に準拠したシリアルポートを提供するためのデバイスである。セントロニクスデバイス122は、セントロニクス仕様に準拠したパラレルポートを提供するためのデバイスである。NIC118と、USBデバイス119と、IEEE1394デバイス121と、セントロニクスデバイス122と、PCI(Peripheral Component Interconect)バスを介してNB115とSB117に接続されている。
【0045】
オペレーションパネル125は、ユーザが画像形成装置100に入力を行うためのハードウェア(操作部)であると共に、画像形成装置100がオペレータに可視情報を提供するためのハードウェア(表示部)である。オペレーションパネル125は、ASIC116に接続されている。FCU126と、撮像部127と、印刷部128は、PCI(Peripheral Component Interconect)バスを介してASIC116に接続されている。
【0046】
図6は、画像形成装置100の機能ブロック図の一例を示す。画像形成装置100は、CPUがプロラムを実行して実現される、ユーザ認証部11、機能導入部12、機能停止部17、ユーザ情報更新部13、画面生成部15、起動部16、指定バージョン変更部14、機能削除部18及び機能移転部19を有する。また、画像形成装置100は、HDD13等に記憶されたユーザ情報21及び機器構成情報22、並びに、HDD13等を実体とする機能記憶部23及び部品記憶部24を有する。
【0047】
各機能ブロックについて間単に説明する。ユーザ認証部11は、ユーザが入力したユーザIDとパスワードの組がユーザ情報21に登録されているか否かに基づき、ユーザを認証する。機能導入部12はログインしたユーザにライセンスされた機能であって指定バージョンの機能が画像形成装置100に登録されていない場合、ライセンスサーバ400から指定バージョンの機能を導入する。
【0048】
ユーザ情報更新部13は、ライセンスサーバ400と通信してユーザ情報21の紐つきライセンス情報や指定バージョンを更新する。指定バージョン変更部14は、ユーザ情報21に登録された指定バージョンを変更する。
【0049】
画面生成部15は、指定バージョンの機能にリンクしたアイコンを選別して、ペレーションパネル125に表示される操作画面に表示する。起動部16は、指定バージョンの機能を自動起動させる。機能削除部18は、画像形成装置100に導入されている機能を削除する。機能停止部17は、自動起動した機能を停止させる。機能移転部19は、削除された機能を他の画像形成装置200に移転する。
【0050】
機能記憶部23は機能(すなわちアプリ)を記憶する記憶手段であり、部品記憶部24は操作画面を構成する各種のアイコンや文字などの部品を記憶する記憶手段である。
【0051】
〔ユーザ情報21〕
図7は、ユーザ情報21を模式的に示す図の一例である。ユーザ情報21には、ユーザIDに対応づけられて、パスワード、紐つきライセンス情報及び指定バージョンが登録されている。
・ユーザIDは、機器にログインする上で、ユーザを特定するためのユニークな識別情報である。ユーザIDは、例えばライセンスサーバ400でも一意性が保証されるように、1つの機器内でユニークであるだけでなく、同じユーザが使用しうる複数の機器の全てにおいて一意性が保証されるユニークな識別情報である。例えば、社員番号をユーザIDとすることができる。
・パスワードは、ユーザを認証するための情報である。ユーザ認証部11は、ユーザが機器にログインする際に入力したユーザIDとパスワードの組が、ユーザIDに対応付けて登録されているパスワードの組と一致するか否かに基づき、ユーザを認証する。なお、以下の図のユーザ情報21ではパスワードを省略する。
・紐つきライセンス情報は、上述したように、ユーザ毎に機能のライセンスが与えられるライセンス形態にてライセンスされた機能の機能名(ライセンス情報)である。
・指定バージョンは、ユーザが利用したいバージョンである。図示するように、ユーザは、バージョンを指定する数値だけでなく「常に最新」といった設定をすることも可能である。
【0052】
ユーザIDとパスワードが登録されていれば、指定バージョンはユーザが個人毎に登録することができる。これらの設定方法は後述する。
【0053】
〔機器構成情報22〕
図8は、機器構成情報22を模式的に示す図の一例である。機器構成情報22には、画像形成装置100に導入されている機能の情報が登録されている。
【0054】
α機能、β機能、γ機能、Σ機能などの各機能に対応づけて、ライセンス形態とバージョンが登録されている。上述したように、ライセンス形態の「−(デフォルト)」は、その機能が、機器とは別にユーザが購入する必要のない機能であることを示す。「通常ライセンス」は、その機能が画像形成装置100に使用が認められた機能であることを示す。
【0055】
「バージョン」は画像形成装置100に導入されている機能のバージョンである。一つの機能の複数のバージョンが導入されるのは、ライセンス形態が紐つきライセンスの場合なので、ライセンス形態が紐つきライセンスの機能には複数のバージョンが登録されることがある。
【0056】
このように一つの画像形成装置100が複数のバージョンの機能を導入しておくことで、各ユーザが望むバージョンで機能を提供することができ、同じ機能でも様々な態様でユーザに機能を提供することが可能となる。
【0057】
〔機能の購入とライセンス管理情報の更新〕
図9は、ライセンスの取得を説明する図の一例である。ユーザaaaaとユーザbbbbは、不図示のPC(Persoal Computer)を操作してブラウザを立ち上げ、販売サーバ300にアクセスする。ユーザaaaa、ユーザbbbbは、それぞれユーザIDを入力し、「α機能」「β機能」等から購入したい機能を選択する。
【0058】
ブラウザは機能の選択を受け付け、ユーザIDと機能名を販売サーバ300に送信する。なお、図では、ユーザaaaaとユーザbbbbのいずれも、α機能を購入しているがあくまで一例である。ユーザaaaaとユーザbbbbは所定の支払い方法で代金を支払う(支払い方法については省略する)ことで、ユーザaaaaとユーザbbbbは、α機能の紐つきライセンス情報を取得することができる。
【0059】
α機能の現在のバージョンはVer2であるので、「α機能」の隣に「Ver2」と記述されている。本実施形態では、ある機能の紐つきライセンスを購入したユーザはバージョンの制限なくその機能を使用することができるので、特にバージョンを表示しなくてもよい。購入するバージョンを選択可能としてもよい。このようにバージョンを表示することでユーザは購入した時のバージョンを知ることができる。
【0060】
なお、購入した時よりも高いバージョンの機能がリリースされても、ユーザはバージョンアップされた機能を使用する際に、特に追加の料金は要求されないものとする。
【0061】
販売サーバ300はユーザに機能を販売すると、販売した機能名とユーザIDをライセンスサーバ400に送信する。ライセンスサーバ400はライセンス管理情報を管理する。ライセンス管理情報は、機能毎にユーザIDを関連付けた情報である。図ではα機能にユーザaaaaとユーザbbbbが登録されている。
【0062】
ライセンス管理情報を参照することで、ライセンスサーバ400は、ユーザID(ログインと連動できる他の情報でもよい)が特定されれば、ユーザに紐つけられた機能を全て特定することができる。また、画像形成装置100に機能をライセンスする通常ライセンスと異なり、ライセンスサーバ400からPCにライセンスキーを発行する必要がない。紐つきライセンスでは、ライセンスサーバ400が機器を特定するためにユーザがライセンスキーを入力することが不要なためである。画像形成装置100は、所望のタイミングでライセンスサーバ400にアクセスすれば、ライセンスされた機能を導入できる。
【0063】
なお、比較のため、機器に機能をライセンスする通常ライセンスについて説明する。ユーザが機器を特定して機能を導入させる場合には、販売サーバ300で機能を購入する際にライセンスサーバがライセンスキーを発行する。ユーザは、このライセンスキーを用いて機能を導入したい機器から導入処理を実行する。導入の際、機器の情報(機器を特定するシリアルID等)がライセンスサーバ400に転送され、これによりライセンスサーバ400は機器とライセンスキーを対応づけて管理すること(「あるライセンスに基づく機能はある機器に導入されている」)ができる。したがって、第三者がライセンスキーを入手しても、ライセンスサーバがライセンスキーを対応づけたシリアル番号の機器以外ではアプリを利用することが防止できる。
【0064】
また、ライセンスサーバ400は、バージョン管理情報を有する。バージョン管理情報は、各機能毎に「現在最高バージョン」「使用可能バージョン」が登録されている。現在最高バージョンは、その機能の最も新しいバージョンであり、使用可能バージョンはその機能で過去にリリースされたバージョンである。
【0065】
〔ユーザ情報21の更新タイミング〕
ライセンスサーバ400のライセンス管理情報は、ユーザが機能を購入したり、紐つきライセンスを失うことで変更される。よって、画像形成装置100は、ユーザ情報21の紐つきライセンス情報や指定バージョンを更新する必要が生じる。
【0066】
図10は、画像形成装置100がユーザ情報21の紐つきライセンス情報及び指定バージョンを更新するタイミングを説明する図の一例である。このタイミングとして、
(1)機器の電源がONになった直後
(2)電源ONの間の一定間隔毎
(3)ライセンスサーバ400からライセンス管理情報の変化通知を受けた時
の3つが挙げられる。画像形成装置100には(1)〜(3)のいずれか1つ以上のタイミングが設定されている。画像形成装置100はこれらのタイミングが到来したことを検知して、ライセンスサーバ400にアクセスする。
【0067】
図11は、画像形成装置100がユーザ情報21を更新する手順を説明する図の一例である。更新前の機器のユーザ情報21によれば、ユーザaaaaとユーザbbbbの紐つきライセンス情報は「なし」、ユーザccccの紐つきライセンス情報は「β機能」、指定バージョンは「Ver1」となっている。
【0068】
これに対し、ライセンスサーバ400のライセンス管理情報によれば、ユーザaaaaとユーザbbbbには「α機能」が紐つけられている。したがって、画像形成装置100は、ユーザ情報21を更新する必要がある。
【0069】
図12は、ユーザ情報更新部13がユーザ情報21を更新する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0070】
まず、ユーザ情報更新部13は設定されたタイミングが到来したか否かを判定する(S1)。
【0071】
タイミングが到来した場合(S1のYes)、ユーザ情報更新部13は、ユーザ情報21のユーザIDを全てライセンスサーバ400に送信する(S2)。
【0072】
ライセンスサーバ400は、ユーザIDに紐つけられた機能名を全て読み出す(S3)。例えば、ユーザaaaaについてα機能、ユーザbbbbについてα機能、ユーザccccについてβ機能、が読み出される。
【0073】
また、ライセンスサーバ400は、S3で読み出した機能の現在最高バージョンを、バージョン管理情報から読み出す(S4)。α機能の現在最高バージョンはVer2,β機能の現在最高バージョンはVer3,である。
【0074】
ライセンスサーバ400は、ユーザIDに関連付けて機能名と現在最高バージョンを画像形成装置100に送信する(S5)。なお、一つのユーザIDに複数の紐つきライセンス情報が関連付けられることもある。
ユーザaaaa:α機能 Ver2
:β機能 Ver2
ユーザbbbb:α機能 Ver2
ユーザcccc:β機能 Ver3
:γ機能 Ver1
ユーザ情報更新部13は、ユーザ情報21のユーザID毎に、以下の手順を実行する。まず、ユーザ情報21のユーザIDに、ライセンスサーバ400から送信された紐つきライセンス情報の機能名が登録されているか否かを判定する(S6)。ライセンスサーバ400から送信された紐つきライセンス情報の機能名が登録されている場合(S6のYes)、すでにその機能はユーザ情報21に登録されていることになるので、ユーザ情報更新部13は何もしない(S8)。
【0075】
ライセンスサーバ400から送信された紐つきライセンス情報の機能名が登録されていない場合(S6のNo)、ユーザIDにその機能を登録する必要があるので、ユーザ情報更新部13はユーザIDに対応づけて、紐つきライセンス情報と現在最高バージョンを登録する(S7)。
【0076】
例えば、ユーザaaaaとユーザbbbbには、ユーザ情報21に紐つきライセンス情報が登録されていないので、ユーザ情報更新部13はユーザaaaaとユーザbbbbに対応づけて、紐つきライセンス情報として「α機能」を、指定バージョンとして「Ver2」をそれぞれ登録する。こうすることで、機能を購入したばかりのユーザaaaaとユーザbbbbの指定バージョンを最新のバージョンに設定することができる。
【0077】
ユーザccccには、紐つきライセンス情報としてすでにβ機能が登録されているので、ユーザ情報更新部13はユーザccccの紐つきライセンス情報と指定バージョンを変更しない。こうすることで、ユーザccccの指定バージョンを維持することができる。
【0078】
以上のような処理により、画像形成装置100のユーザ情報21のユーザIDに紐つきライセンス情報と指定バージョンを登録することができる。
【0079】
〔指定バージョンの変更〕
図13は、ユーザがユーザ情報21の指定バージョンを変更する際にオペレーションパネル125に表示されるバージョン指定画面の一例を示す。ユーザがすでに設定されている指定バージョンを変更したい場合、ユーザは画像形成装置100のオペレーションパネル125を操作して、例えば初期設定画面を表示する。そして、初期設定画面に表示される項目からユーザ情報21の変更を選択することで、図13のバージョン指定画面が表示される。なお、パスワードの変更も同様の画面からユーザ情報更新部13が受け付けることが可能だが、説明は省略する。
【0080】
ユーザはすでにログインしているため、図13のバージョン指定画面にはユーザIDにユーザ名[aaaa]が表示されている。また、バージョン指定画面には、「購入済み機能」、その機能にてユーザが指定可能な「指定可能バージョン」が表示されている。バージョン指定画面を表示するため、ユーザ情報更新部13は、ユーザ情報21からユーザIDに紐つきライセンス情報として対応づけられた機能名を全て読み出す。また、ライセンスサーバ400に機能名を送信し、使用可能バージョンを問い合わせる。こうすることで、機能毎に使用可能バージョンが表示される。ユーザは使用可能バージョンの中から所望のバージョンを選択できる。
【0081】
また、ユーザ情報更新部13は、指定可能バージョンに「常に最新」という選択肢を表示している。ユーザは個別のバージョンでなく、とにかく新しいバージョンの機能を使用することを望む場合「常に最新」を選択することができる。ユーザが選択した項目は反転表示され、「OK」ボタンを押下すると、ユーザ情報更新部13が指定バージョンとして受け付ける。
【0082】
ユーザ情報更新部13は、使用可能バージョンから選択されたバージョン情報をユーザ情報21の「指定バージョン」に登録する。
【0083】
〔機能の自動導入〕
ユーザ情報21にユーザが望む指定バージョンが登録されていても、ユーザがログインした画像形成装置100に指定バージョンの機能が導入されていないことが生じうる。このため、画像形成装置100は、ログインしたユーザに応じて機能を自動的に導入する。
【0084】
図14は、機能の自動導入を模式的に説明する図の一例を、図15は自動導入の手順を説明するフローチャート図の一例である。
【0085】
まず、ユーザは画像形成装置100にログインする(S10)。機能導入部12はユーザ情報21を参照し、ログインしたユーザのユーザIDに紐つきライセンス情報が登録されている否かを判定する(S20)。紐つきライセンス情報が登録されていない場合(S20のNo)、機能を自動的に導入する必要はないので図15の手順は終了する。
【0086】
紐つきライセンス情報が登録されている場合(S20のYes)、機能導入部12は、ユーザが指定する指定バージョンをユーザ情報21から読み出す(S30)。
【0087】
ここで、指定バージョンが「常に最新」である場合、機能導入部12はすでに導入されている機能が現在最高のバージョンか否かを確認する必要が生じる。このため、機能導入部12は、指定バージョンが「常に最新」か否かを判定する(S40)。
【0088】
指定バージョンが「常に最新」でない場合(S40のNo)、機能導入部12は、機器構成情報22を参照して、指定バージョンの機能が画像形成装置100に導入されているか否かを判定する(S50)。
【0089】
指定バージョンの機能が画像形成装置100に導入されている場合(S50のYes)、機能を導入する必要がないので、図15の手順は終了する。
【0090】
指定バージョンの機能が画像形成装置100に導入されていない場合(S50のNo)、機能を導入するため、機能導入部12はライセンスサーバ400に機能とバージョンを指定して、その機能を要求する(S60)。これにより、ライセンスサーバ400から指定したバージョンの機能が送信されるので、機能導入部12は、機能を画像形成装置100に導入する(S70)。これによりユーザがその機能を実行可能な状態となる。
【0091】
次に、機能導入部12は、機器構成情報22を更新する(S80)。更新により、画像形成装置100に実際に導入されている機能と、機器構成情報22とを一致させることができる。
【0092】
ステップS40に戻り、指定バージョンが「常に最新」の場合(S40のYes)、機能導入部12は、機器構成情報22を参照して、ユーザが紐つきライセンス情報を有する全ての機能のバージョンを読み出す(S90)。
【0093】
そして、機能導入部12は、全ての機能のバージョンをラインセンスサーバに送信し、そのバージョンが現在最高のバージョンと一致するか否かを問い合わせる(S100)。
【0094】
ライセンスサーバ400は、画像形成装置100に導入されている機能のバージョンが現在最高のバージョンと一致する場合、一致する旨を画像形成装置100に送信し、一致しない場合、その機能の最新のバージョンを画像形成装置100に送信する。
【0095】
機能導入部12は、ライセンスサーバ400の応答が一致する旨であるか否かを判定する(S110)。
【0096】
画像形成装置100に導入されている機能のバージョンが現在最高のバージョンと一致する場合(S110のYes)、機能を導入する必要がないので、図15の手順は終了する。
【0097】
画像形成装置100に導入されている機能のバージョンが現在最高のバージョンと一致しない場合(S110のNo)、機能導入部12はライセンスサーバ400から受信した最新のバージョンの機能を画像形成装置100に導入する。よって、以降の処理はステップS70、S80と同じである。
【0098】
以上のように、画像形成装置100はユーザが指定するバージョンの機能を自動的に導入することができる。
【0099】
〔操作画面の表示(機能の提供)〕
ユーザに、ユーザが指定するバージョンの機能を提供するため、画像形成装置100はユーザが指定するバージョンの機能とリンクしたアイコンを、操作画面を表示する。したがって、操作画面はユーザによって変わりうる。
【0100】
図16は、ユーザ毎に変わりうる操作画面の一例を、図17は画面生成部15が操作画面を生成する手順を示すフローチャート図の一例をそれぞれ示す。
【0101】
図16の画像形成装置100のユーザ情報21によれば、ユーザaaaaとユーザddddは紐つきライセンスのライセンス形態の機能を有していない。ユーザbbbbはβ機能の紐つきライセンスを有し、その指定バージョンはVer1である。ユーザccccはβ機能とγ機能の紐つきライセンスを有し、その指定バージョンはそれぞれVer2と「常に最新」である。
【0102】
なお、機器構成情報22によれば、画像形成装置100にはVer2とVer1のβ機能、及び、Ver3とVer2のγ機能が導入されている。ここでは、機能γの現在最高のバージョンはVer3であるとする。すなわち、画像形成装置100にはユーザが指定する全てのバージョンが導入されている。仮に導入されていない場合は図15の手順を実行すればよい。
【0103】
このような状況で、まずユーザがログインする(S210)。画面生成部15はユーザ情報21を参照し、ログインしたユーザのユーザIDに紐つきライセンス情報が登録されている否かを判定する(S220)。
【0104】
紐つきライセンス情報が登録されている場合(S220のYes)、画面生成部15は、ユーザが指定する指定バージョンをユーザ情報21から読み出す(S230)。
【0105】
そして、画面生成部15は、紐つきライセンス情報の機能名に対応したアイコン画像を画面の部品が記憶された部品記憶部24から読み出す(S240)。
【0106】
次に、画面生成部15は、ユーザが指定する指定バージョンに対応したアイコン画像を画面の部品が記憶された部品記憶部24から読み出す(250)。このアイコン画像により、例えば、「Ver1」「Ver2」「Ver3」等が可視化される。
【0107】
次にS220に戻り、紐つきライセンス情報が登録されていない場合(S220のNo)、ユーザが指定するバージョンの機能を提供する必要がないので、画面生成部15は、機器構成情報22からライセンス形態がデフォルトと通常ライセンスの機能を特定する(S260)。これらの機能は、ユーザに関係なく操作画面からユーザが選択可能な機能である。
【0108】
また、画面生成部15は、デフォルトと通常ライセンスの機能に対応したアイコン画像を画面の部品が記憶された部品記憶部24から読み出す(S270)。
【0109】
そして、画面生成部15は、所定の位置に各アイコン画像を配置して、操作画面を生成する(S280)。
【0110】
図16に示すように、ユーザaaaaがログインした場合、ユーザaaaaは紐つきライセンスのライセンス形態の機能を有していないので、デフォルトの機能の「α機能アイコン」と通常ライセンスの機能の「Σ機能アイコン」だけが表示される。
【0111】
ユーザbbbbがログインした場合、ユーザbbbbはVer1を指定バージョンとするβ機能の紐つきライセンスを有しているので、「β機能アイコン」と「Ver1アイコン」が表示される。なお、デフォルトの機能の「α機能アイコン」と通常ライセンスの機能の「Σ機能アイコン」も表示される。
【0112】
ユーザccccがログインした場合、ユーザccccbはVer2を指定バージョンとするβ機能の紐つきライセンスと「常に最新」を指定バージョンとするγ機能の紐つきライセンスを有しているので、「β機能アイコン」と「Ver2アイコン」及び、「γ機能アイコン」と「Ver3アイコン」が表示される。なお、デフォルトの機能の「α機能アイコン」と通常ライセンスの機能の「Σ機能アイコン」も表示される。
【0113】
これらのアイコンは、機能記憶部23に記憶されたアプリとリンクされている。起動部16は、オペレーションパネル125の操作位置に基づきユーザが指定したアイコンを特定し、アイコンにリンクされたアプリを機能記憶部23から読み出して起動する。
【0114】
したがって、本実施形態の画像形成装置100は、ユーザが指定するバージョンの機能のアイコンを表示するので、ユーザは同じ機能でも好みのバージョンの機能を起動させることができる。
【0115】
なお、画像形成装置100に導入されている全ての機能のアイコンを表示しておき、ユーザが紐つきライセンスを有さない機能のアイコンを押下した場合に、例えば「ライセンスがないためこの機能は利用できません」というメッセージを表示してもよい。
【0116】
〔機能の自動起動(機能の提供)と自動停止〕
以上のように、ユーザはログインして紐つきライセンスの機能を選択して起動させることができる。しかし、ガジェットやユーティリティのようなアプリなら、ユーザがアイコンを選択するまでもなく自動的に実行した方が、操作性が向上する場合がある。一方、ログインしたユーザでない他のユーザに機能を使用させることは好ましくない。
【0117】
以上を考慮すると、画像形成装置100はユーザのログインに応じて機能を自動で起動し、かつ、ユーザがログアウトした場合、ログアウトに合わせて紐つきライセンスの機能を停止させることが好ましい。停止させることで、次に別のユーザがログインしても紐つきライセンスの機能を無断では利用できないようにすることができる。
【0118】
なお、機能の起動が指示されると、OSは機能を1つのプロセスとして、メモリ空間やファイル入出力用の識別子を割り当てる。OSは、複数のプロセスが要求する資源を調停するなどして、各プロセスを並行的に実行する。したがって、機能の停止とは、プロセスが占有していたメモリ空間やファイル識別子が開放され、再度起動するために、ユーザが操作画面からアイコンの選択が必要になることをいう。
【0119】
図18は、機能の実行と自動停止を説明する図の一例である。なお、画像形成装置100が有するユーザ情報21と機器構成情報22は、図16と同じなので説明は省略する。画像形成装置100の右側の図は、導入されている機能を示す。無地の機能は停止状態を、無地で太枠の機能は電源オンにより起動した機能を、斜線の機能はログインにより起動した機能を、網掛けの機能はログアウトにより停止した機能を、それぞれ示す。
【0120】
(1)画像形成装置100の電源がオフの状態である
画像形成装置100に導入されている機能、α機能、Σ機能、Ver3のγ機能、Ver2のβ機能、Ver1のβ機能、Ver2のγ機能、は全て停止状態である。
(2)画像形成装置100の電源がオンされた状態である
ライセンス形態がデフォルトと通常ライセンスのα機能と機能Σが起動される。
(3)画像形成装置100にユーザccccがログインした状態である
α機能と機能Σに加え、ユーザccccの紐つきライセンスの機能であるVer3のγ機能とVer2のβ機能が起動される。
(4)画像形成装置100からユーザccccがログアウトした状態である
ユーザccccの紐つきライセンスの機能であるVer3のγ機能とVer2のβ機能が停止され、α機能と機能Σのみが起動された状態となる。
(5)画像形成装置100にユーザbbbbがログインした状態である
α機能と機能Σに加え、ユーザbbbbの紐つきライセンスの機能であるVer1のβ機能が起動される。
【0121】
図19は、起動部16が機能を自動的に実行し、機能停止部17が自動的に機能を停止させる手順を説明するフローチャート図の一例である。
【0122】
まず、画像形成装置100の電源がオンになり、画像形成装置100が起動する(S310)。例えばOSが画像形成装置100の起動の直後に起動部16を起動させることで、画像形成装置100の起動の直後から起動部16が実行される。
【0123】
起動部16は、ライセンス形態がデフォルトと通常ライセンスの機能を起動させる(S320)。具体的には、起動部16は、機器構成情報22を読み出し、ライセンス形態がデフォルトと通常ライセンスの機能を特定し、機能記憶部23から読み出してRAMを作業メモリに実行する。これにより、これらの機能はプロセスとしてOSに登録される。
【0124】
起動部16はユーザがログインしたか否かを監視する(S330)。ユーザがログインした場合、ユーザ情報21を参照しユーザIDに紐つきライセンス情報が登録されているか否かを判定する(S340)。
【0125】
ユーザIDに紐つきライセンス情報が登録されていない場合(S340のNo)、起動部16は機能を自動起動しない。
【0126】
ユーザIDに紐つきライセンス情報が登録されている場合(S340のYes)、起動部16は、機能名とユーザが指定する指定バージョンをユーザ情報21から読み出す(S350)。
【0127】
そして、起動部16は指定バージョンに対応した機能を起動させる(S360)。具体的には、起動部16は、指定バージョンに対応した機能を機能記憶部23から読み出してRAMを作業メモリに実行する。これにより、これらの機能はプロセスとしてOSに登録される。
【0128】
次に、機能停止部17は、ユーザがログアウトしたか否かを判定する(S370)。ログアウトしたことは、例えばユーザがログアウトボタンを押下することで検出される。
【0129】
ユーザがログアウトした場合(S370のYes)、機能停止部17はOSに、紐つきライセンスの機能として自動起動された機能の停止を要求する(S380)。OSは、管理対象のプロセスから機能を削除し、メモリを解放する。これにより、機能は停止され、ユーザが再度起動するには、アイコンを選択するか又はログインし直すことが必要になる。
【0130】
〔指定バージョンの変更の変形例〕
図13にバージョン指定画面の一例を示したが、ユーザが選択しうる指定バージョンは様々であることが好ましいので、より多様な指定バージョンの選択が可能なバージョン指定画面について説明する。
【0131】
図20(a)は、ユーザがユーザ情報21の指定バージョンを変更する際にオペレーションパネル125に表示されるバージョン指定画面の一例を示す。図20(a)において図13と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0132】
図20(a)では、その機能にてユーザが指定可能な数値としてのバージョンと「常に最新」に加え「機器内で最新」「最後の起動バージョン」「ユーザの多いバージョン」のボタンが追加されている。
【0133】
「機器内で最新」は、画像形成装置100に、異なるバージョンの同じ機能が導入されている場合、機器内で最新のバージョンの機能を実行対象とするためのボタンである。例えば、画像形成装置100にVer1とVer2のα機能が導入された状態で、ユーザがα機能の紐つきライセンスを有している場合、画像形成装置100はVer2の機能をユーザに提供する。すなわち、ユーザは、画像形成装置100に導入された機能のうち最も新しいバージョンの機能を実行できる。したがって、「常に最新」と異なり、画像形成装置100はサーバから最新のバージョンの機能を受信する必要がないので、ユーザの待ち時間を少なくできる。
【0134】
「最後の起動バージョン」は、画像形成装置100が最後に起動したバージョンの機能を実行対象とするためのボタンである。このボタンを有効にするため、例えば、起動部16が機器構成情報22に最後の起動日時を登録するようにする。
【0135】
図21は、機器構成情報22の一例を示す。例えば、画像形成装置100にVer1とVer2のβ機能が導入された状態で、ユーザがβ機能の紐つきライセンスを有しているとする。Ver1のα機能の最後の起動時刻が2010年1月1日でVer2のα機能の最後の起動時刻が2010年5月1日であるので、画像形成装置100はVer2の機能をユーザに提供する。
【0136】
このような設定は、最後に起動したバージョンなら高い信頼性がおけるという考えかたのユーザに適したものとなる。
【0137】
「ユーザの多いバージョン」は、ユーザ情報21において、指定バージョンに最も多く指定されるバージョンを実行対象とするためのボタンである。指定バージョンに最も多く指定されるバージョンは、ユーザ情報21から明らかとなる。画像形成装置100は、ユーザ情報21を参照して、機能毎かつ指定バージョン毎にユーザの数をカウントする。なお、「常に最新」「機器内で最新」「最後の起動バージョン」「ユーザの多いバージョン」はノーカウントとする。
【0138】
例えば、β機能のVer1を指定バージョンとするユーザの数が10人、Ver2を指定バージョンとするユーザの数が20人の場合、画像形成装置100は、「ユーザの多いバージョン」を選択したユーザにVer2の機能を提供する。
【0139】
このような設定は、多くのユーザが指定しているバージョンなら高い信頼性がおけるという考えかたのユーザに適したものとなる。
【0140】
また、ユーザが図20(a)のバージョン指定画面から指定バージョンを設定しないことも考えられる。このため、ユーザが指定バージョンを指定しない場合のデフォルトの指定態様が設定されている。このデフォルトの設定も例えば管理者により変更可能である。
【0141】
図20(b)は、管理者が指定バージョンのデフォルトの設定を変更する際にオペレーションパネル125に表示される画面の一例を示す。図20(b)の画面は図20(a)とほぼ同じであるが、「購入済み機能」でなく「機能に共通のデフォルト設定」と表示されている。こうすることで、管理者は1回の設定で、各機能のデフォルトの指定バージョンの設定を行うことができる。なお、機能毎に設定可能にしてもよい。
【0142】
<操作画面の生成>
図22は、図20のような多様なバージョン指定が可能な場合に、画面生成部15が操作画面を生成する手順を示すフローチャート図の一例を示す。図22において図17と異なるのは、ステップS230において、画面生成部15が、ユーザが指定する指定バージョンをユーザ情報21から読み出した後のステップである(S230)。
【0143】
図22のバージョン指定画面では、指定バージョンとして、バージョンを指定する数値、「常に最新」「機器内で最新」「最後の起動バージョン」又は「ユーザの多いバージョン」のいずれかが選択される。なお、「常に最新」の場合は、図15の処理が実行されることで画像形成装置100に最新のバージョンの機能が導入されているので、「機器内で最新」と同一視できる。
【0144】
よって、画面生成部15は、「機器内で最新」「最後の起動バージョン」又は「ユーザの多いバージョン」の指定バージョンに応じて、ユーザに提供するバージョンを決定する(S235)。決定方法は上述したとおりである。
【0145】
以降の処理は図17と同じなので説明は省略する。このように、ユーザがより多様な方法でバージョンを指定することができ、画像形成装置100は指定バージョンの指定方法に基づき決定したバージョンの機能のアイコンを表示することができる。
【0146】
<自動起動>
また、自動起動により機能を提供する際も同様である。図23は、図20のような多様なバージョン指定が可能な場合に、起動部16が機能を自動起動する手順を示すフローチャート図の一例を示す。
【0147】
図23において図19と異なるのは、ステップS350において、起動部16が、ユーザが指定する指定バージョンをユーザ情報21から読み出した後のステップである(S350)。
【0148】
操作画面の生成のフローチャート図と同様に、起動部16は、「機器内で最新」「最後の起動バージョン」又は「ユーザの多いバージョン」の指定バージョンに応じて、ユーザに提供するバージョンを決定する(S355)。決定方法は上述したとおりである。
【0149】
以降の処理は図19と同じなので説明は省略する。このように、ユーザがより多様な方法でバージョンを指定することができ、画像形成装置100は指定バージョンの指定方法に基づき決定したバージョンの機能を自動起動させることができる。
【0150】
〔指定バージョンと異なるバージョンへの変更〕
ユーザがログインすることによる操作画面の表示により、ユーザは指定バージョンにて指定するバージョンの機能にリンクしたアイコンを選択でき、自動起動においては、ユーザは指定バージョンにて指定するバージョンの機能を自動起動させることができる。
【0151】
しかしながら、アイコンで表示された機能のバージョンや自動起動した機能のバージョンが、必ずしもユーザが望むバージョンでなく、ユーザが変更したい場合がある。よって、ユーザが起動対象のバージョンを変更できることが好ましい。
【0152】
<操作画面の生成>
図24は、ユーザ毎に変わりうる操作画面の一例を示す。図24において図16と同一部の説明は省略する。図24の操作画面では、ユーザbbbbがログインした際の操作画面とユーザccccがログインした際の操作画面が図16と異なっている。
【0153】
ユーザbbbbがログインした場合、「β機能アイコン」と「Ver1アイコン」に加え、「Ver切替アイコン」が「β機能アイコン」に関連付けて(重畳して)表示される。ユーザbbbbは「Ver1アイコン」を目視して、β機能のバージョンとしてVer1では好ましくないと思った場合や他のバージョンを確認したいと思った場合、「Ver切換アイコン」を押下する。
【0154】
画面生成部15はこの操作を受け付けると、機器構成情報22を参照し、β機能の他のバージョンを1つ特定する。特定する順番は、例えばバージョンの昇順である。β機能の場合、Ver2のバージョンがあるので、画面生成部15はVer2を特定して、「Ver2アイコン」を生成し、「β機能アイコン」に関連付けて操作画面に配置する。図示するように、「β機能アイコン」「Ver2アイコン」「Ver切替アイコン」が表示される。画面生成部15は、「Ver切換アイコン」の押下が検出される毎に、「Ver2アイコン」の数値を切り替えて表示する。
【0155】
ユーザccccがログインした際の操作画面についても同様である。ユーザccccは紐つきライセンスの機能を2つ(β機能とγ機能)を有するので、「β機能アイコン」と「γ機能アイコン」のそれぞれに関連付けて「Ver切替アイコン」が表示される。画面生成部15は、「β機能アイコン」の「Ver切換アイコン」が押下される毎に、「Ver2アイコン」→「Ver1アイコン」→「Ver2アイコン」と変化させる。画面生成部15は、「γ機能アイコン」の「Ver切換アイコン」が押下される毎に、「Ver3アイコン」→「Ver2アイコン」→「Ver3アイコン」と変化させる。
【0156】
ところで、「Ver切換アイコン」を押下した後、ユーザは機能を起動させる際「β機能アイコン」や「γ機能アイコン」を押下するが、その時のバージョンはユーザが意識的選択したバージョンなので、指定バージョンに反映させることが好ましい。そこで、指定バージョン変更部14は、ユーザが機能を起動させた時のバージョンを、ユーザ情報21の指定バージョンに設定する。こうすることで、次回、ユーザがログインした時、ユーザは「Ver切替アイコン」を操作する必要がなくなり操作性が向上する。
【0157】
図25は、画面生成部15が操作画面を生成する手順を示すフローチャート図の一例をそれぞれ示す。図25において、図17と異なるのは、ステップS250にて、画面生成部15が、ユーザが指定する指定バージョンに対応したアイコン画像を画面の部品が記憶された部品記憶部24から読み出した後の処理である。
【0158】
次に、画面生成部15は、Ver切替アイコンのアイコン画像を画面の部品が記憶された部品記憶部24から読み出す(S255)。
【0159】
この後、S280にて図24のような操作画面が生成される。そして、指定バージョン変更部14は、操作画面から、紐つきライセンスの機能が起動されたか否かを判定する(S302)。紐つきライセンスの機能が起動された場合(S302のYes)、ユーザ情報21の指定バージョンを変更する必要がある可能性があるので、指定バージョン変更部14は、ユーザ情報21の指定バージョンを起動された機能のバージョンで上書きする(S304)。具体的には、指定バージョン変更部14は、画面生成部15から「Ver"n"アイコン(nは自然数)」を生成した際のバージョン"n"を受け取り、起動部16が起動した機能とそのバージョンを特定し、ユーザ情報21の指定バージョンに該バージョンを上書きする。
【0160】
なお、同じバージョンで上書きされれば、指定バージョンは結果的に変更されない。また、ユーザ情報21の指定バージョンが、「常に最新」「機器内で最新」「最後の起動バージョン」又は「ユーザの多いバージョン」のいずれかの場合、数値としてのバージョンで置き換えられる。ユーザ情報21の指定バージョンが、「常に最新」「機器内で最新」「最後の起動バージョン」又は「ユーザの多いバージョン」のいずれかの場合は、紐つきライセンス情報の機能が起動されても指定バージョン変更部24がユーザ情報21の指定バージョンを置き換えないようにしてもよい。
【0161】
<自動起動による指定バージョンに変更>
図26は、起動部16が自動起動した後にオペレーションパネル125に表示される起動バージョン変更画面の一例を示す。
【0162】
ユーザbbbbがログインした場合、起動部16はユーザbbbbが紐つきライセンスを有するβ機能を自動起動する。このため図26の画面には、「起動済み機能とそのバージョン」として「β機能 Ver1」と表示されている。そして、画面にはユーザが自動起動したβ機能のバージョンを切り替えることができるように、「起動するバージョンを変更しますか? 変更可能バージョンは以下のとおりです。」と表示され、「β機能 Ver2」ボタンが表示される。したがって、ユーザは、β機能のバージョンとしてVer1よりもVer2が好ましいと思った場合、「β機能 Ver2」ボタンを押下する。
【0163】
機能停止部17は、「β機能 Ver2」ボタンの押下を検出すると、Ver1のβ機能を停止させ、起動部16がVer2のβ機能を自動起動させる。また、指定バージョン変更部14は、ユーザが選択したバージョンを、ユーザ情報21の指定バージョンに設定する。こうすることで、次回、ユーザがログインした時、ユーザは別のバージョンを選択する必要がなくなり、待ち時間が短縮したり操作性を向上させることができる。
【0164】
図27は、起動部16が機能を自動的に実行し、機能停止部17が自動的に機能を停止させる手順を説明するフローチャート図の一例である。図27において図19と異なるのは、ステップS360において、起動部16は指定バージョンに対応した機能を起動させた後である。
【0165】
画面生成部15は、紐つきライセンスの機能の他のバージョンへの切換ボタンを表示する(S362)。具体的には、画面生成部15は、指定バージョンの設定に応じて決定したバージョン以外のバージョンを、機器構成情報22から特定し、そのバージョンをユーザが選択可能な切換ボタンを表示する。ユーザが切換ボタンを押下しない場合(S364のNo)、ユーザがログアウトしたか否が判定される(S370)。
【0166】
ユーザが切換ボタンを押下した場合(S364のYes)、機能停止部17は機能を停止させ(S366)、ついで、起動部16がユーザが切換ボタンで選択したバージョンの機能を起動させる(S368)。具体的には起動部16は、押下された切換ボタンに基づき機能とバージョンを特定し、その機能を起動させる。起動方法と起動停止は、上述したとおりである。
ユーザが起動するバージョンを変更した場合、ユーザ情報21の指定バージョンを変更する必要があるので、指定バージョン変更部14は、ユーザ情報21の指定バージョンを起動された機能のバージョンで上書きする(S369)。以降の処理は、図19と同様なので説明を省略する。
【0167】
以上のような構成によれば、ユーザが指定バージョンで所望のバージョンを設定できるだけでなく、ユーザは起動対象のバージョンを柔軟に変更できる。また、変更した後は、ユーザ情報21の指定バージョンを変更できる。
【0168】
〔機能の削除〕
機能の導入において、機能の導入に制限があることは説明していないが、同じ機能の複数のバージョンを導入するということは、インストールデータが増えリソース不足を招く可能性がある。HDD13の高容量化と価格低下が進んでも、容量が有限であることには変わりがない。そこで、画像形成装置100に導入可能な機能に設けられる制限について説明する。なお、デフォルトと通常ライセンスの機能は削除の対象外である。
【0169】
画像形成装置100は導入可能な上限数が設定されている。図28(a)は、機器構成情報22の一例を示す。上限数は各機能の合計として10個と登録されている。この数は、例えば管理者が所定の画面から設定することができる。なお、「導入日時」「過去一年の利用頻度」については後述する。
【0170】
画像形成装置100はこの上限数よりも多くの数の機能を導入することはできないが、ユーザが導入したい機能を導入できないという不都合が生じるので、すでに導入されている機能を削除する。削除する機能としては、導入対象の機能と同じ機能の複数のバージョンのいずれかを選択することが好適である。こうすることで、少なくとも各機能のバージョンは1つ以上導入された状態を維持できる。すでに導入された機能を削除するのが機能削除部18である。
【0171】
機能削除部18は以下のいずれかのロジックに従い削除する機能を決定する。
(a)同じ機能の複数のバージョンのうち、最も古く導入されたバージョン
(b)同じ機能の複数のバージョンのうち、利用頻度が最も低いバージョン
(c)同じ機能の複数のバージョンのうち、最後に起動された日が最も古いバージョン
管理者は、(a)〜(c)の3つのロジックから、所望のロジックを選択することができる。図29は、削除のロジックの選択画面の一例を示す。管理者は所定の認証操作を入力してオペレーションパネル125に選択画面を表示する。選択画面には上記(a)〜(c)のそれぞれに対応づけて「はい」ボタンと「いいえ」ボタンが表示されている。機能削除部18は、管理者の選択を受け付けて記憶する。
【0172】
図30は、機能の削除の手順を説明するフローチャート図の一例である。この手順は、図15の「機能の自動導入」の手順のステップS70の直前に実行される。なお、機能を導入する際に実行されればよいので、機能導入時であれば自動導入か手動導入かに関係なく実行されることができる。
【0173】
まず、機能を導入する前、機能削除部18は、導入されている機能の数が上限数に達しているか否かを判定する(S410)。機能削除部18は、機器構成情報22を参照して導入されている紐つきライセンスの機能の数をカウントする。
【0174】
上限数に達していない場合(S410のNo)、機能を削除する必要がないので、図30の手順は省略する。
【0175】
上限数に達している場合(S410のYes)、機能を削除するため、機能削除部18は設定されている削除のロジックを読み出す(S420)。
【0176】
削除のロジックに応じて、機能削除部18は削除する機能とバージョンを決定する(S430)。削除のロジックとして(a)が選択された場合、機能削除部18は機器構成情報22の「導入日時」を参照し、導入日時が最も古い機能とそのバージョンを特定する。図28の例ではβ機能とγ機能のいずれも複数のバージョンを有するので、β機能とγ機能の中から導入日時が最も古い機能とそのバージョンを特定する。図28ではβ機能のVer1が最も導入日時が古いので、機能削除部18はβ機能のVer1を削除対象に決定する。
【0177】
削除のロジックとして(b)が選択された場合、機能削除部18は機器構成情報22の「過去1年の利用頻度」を参照し、利用頻度が最も低い機能とそのバージョンを特定する。図28の例ではβ機能とγ機能のいずれも複数のバージョンを有するので、β機能とγ機能の中から利用頻度が最も古い機能とそのバージョンを特定する。図28ではγ機能のVer2が最も利用頻度が低いので、機能削除部18はγ機能のVer2を削除対象に決定する。
【0178】
削除のロジックとして(c)が選択された場合、機能削除部18は機器構成情報22の「最後の起動時」を参照し、最後の起動時が最も古い機能とそのバージョンを特定する。図28の例ではβ機能とγ機能のいずれも複数のバージョンを有するので、β機能とγ機能の中から最後の起動時が最も古い機能とそのバージョンを特定する。図28ではβ機能のVer1が最も導入日時が古いので、機能削除部18はβ機能のVer1を削除対象に決定する。
【0179】
そして、機能削除部18は削除対象に決定した機能を削除する(S440)。これにより、画像形成装置100のHDD13に機能を導入する余裕を作成することができる。
【0180】
なお、図28(b)に示すように、機器構成情報22の上限数は、機能毎に登録可能でもよい。この場合、機能削除部18は、導入対象の機能と同じ、すでに導入された機能の複数のバージョンに対し、(a)から(c)のロジックで削除するバージョンを決定する。
【0181】
〔機能の移転〕
図30では機能削除について説明したが、削除した機能をネットワーク500で接続された他の機器に移転してもよい。移転しておけば、移転先の画像形成装置100ではユーザが導入することなくその機能を利用することができる。
【0182】
一方、ユーザとしては移転を望まない場合もある。このため、ユーザは削除した機能を移転するか否かを画像形成装置100に設定することができる。
【0183】
図31は、移転の有無の設定画面の一例を示す。この画面も例えば、例えば初期設定画面に表示される項目からユーザ情報21の変更を選択することで表示される。図31では「削除された機能について 移転しますか?」と表示され、「はい」ボタンと「いいえ」ボタンが表示されている。ユーザが「はい」ボタンを押下した場合、そのユーザの機能が削除されることで、機能削除部18は機能の移転を開始する。
【0184】
図32は、機能移転部19が移転先の画像形成装置100を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。この手順は図30のステップS440の直前に実行され、削除される機能は機能記憶部23に残っているものとする。
【0185】
まず、機能移転部19は、機能を移転する設定になっているか否かを判定する(S510)。機能を移転する設定になっていない場合(S520のNo)、移転先を決定する必要がないので図32の処理は終了する。
【0186】
ここで、機能の移転先の画像形成装置100はユーザがよく利用する画像形成装置100であることが好ましい。このため、機能削除部18は、ネットワーク500に複数の画像形成装置100が接続されている場合、ユーザがよくログインする画像形成装置100を特定する。画像形成装置100はログインするユーザの履歴をログに記録するので、過去のある程度の期間のログ情報からユーザの利用頻度を把握できる。
【0187】
機能削除部18は、ユーザ情報21から、削除したバージョンの機能を指定バージョンとするユーザIDを全て読み出し、同報的に画像形成装置200に送信する(530)。
【0188】
ユーザIDを受信した画像形成装置200は、受信したユーザIDのユーザの過去の所定期間のログイン数を合計し(又は、ユーザID毎でもよい)、画像形成装置100に送信する。
【0189】
機能移転部19は各画像形成装置200から、ユーザの過去の所定期間のログイン数の合計を取得する(S540)。
【0190】
画像形成装置100の機能移転部19は、合計数の最も大きい画像形成装置200を移転先に決定する(S550)。
【0191】
そして、機能移転部19は、削除対象の機能を移転先に決定した画像形成装置200に送信する(S560)。こうすることで、ユーザがよく利用する画像形成装置200に、機能を移転することができる。
【0192】
このように、画像形成装置100は削除するだけでなく、ユーザの設定に応じて、機能を移転することもできる。
【0193】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置は、一台にバージョンが異なる機能を導入して、ユーザが好むバージョンの機能を提供することができる。特に、複数のユーザが同じ画像形成装置を共用する際に、ユーザはそれぞれ好むバージョンの機能を使用できる。
【符号の説明】
【0194】
11 ユーザ認証部
12 機能導入部
13 ユーザ情報更新部
14 指定バージョン変更部
15 画面生成部
16 起動部
17 機能停止部
18 機能削除部
19 機能移転部
21 ユーザ情報
22 機器構成情報
100、200 画像形成装置
300 販売サーバ
400 ライセンスサーバ
500 ネットワーク
600 機器システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0195】
【特許文献1】特開2008−047056号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能を実現するプログラムの起動が、プログラムの正当利用者であることを示すライセンス情報により認められる画像形成装置であって、
ユーザのログインを受け付けるログイン受け付け手段と、
プログラムを記憶するプログラム記憶手段と、
ユーザ個人にライセンスされたプログラムとライセンス情報を外部から取得し、該プログラムと同じ機能のプログラムが前記プログラム記憶手段に記憶されていても、両者のバージョンが異なる場合、前記プログラム記憶手段のプログラムを削除することなく、外部から取得したプログラムとライセンス情報を前記プログラム記憶手段に記憶する機能導入手段と、
ユーザIDに対応づけて、前記機能導入手段が記憶したプログラムのライセンス情報及びプログラムのバージョン情報が登録されたユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記ユーザ情報から、ログインしたユーザのユーザIDに対応づけられたライセンス情報とバージョン情報を特定し、該バージョン情報のプログラムが実現する機能をユーザに提供する機能提供手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記機能提供手段は、ログインしたユーザのユーザIDに対応づけられたバージョン情報のプログラムを自動起動する起動手段である、ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記機能提供手段は、ログインしたユーザのユーザIDに対応づけられたバージョン情報のプログラムの起動を受け付ける操作画面を生成する画面生成手段である、ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
バージョンの違う同じプログラムの中からユーザが提供を望むバージョン情報の指定を受け付けるバージョン指定受け付け手段を、有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記バージョン指定受け付け手段は、バージョン情報として、ユーザが指定するバージョンの数値情報、リリースされている最新のバージョン、最も利用ユーザが多いバージョン、最後に起動したバージョン、又は、機器に導入されている最新のバージョン、のいずれかの指定を受け付ける、
ことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記バージョン指定受け付け手段が、ユーザからバージョン情報の指定を受け付けていない場合、
前記機能提供手段は、初期設定されている、ユーザが指定するバージョンの数値情報、リリースされている最新のバージョン、最も利用ユーザが多いバージョン、最後に起動したバージョン、又は、機器に導入されている最新のバージョン、のいずれかをバージョン情報とする、
ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
初期設定されているバージョン情報の設定の変更を受け付ける初期設定受け付け手段を有する、
ことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記起動手段は、前記起動手段が自動起動したバージョンのプログラムを、同じ機能の別のバージョンのプログラムに切り替えて起動させる指示を受け付ける、
ことを特徴とする請求項2〜7いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
ユーザがログアウトした際、前記起動手段が自動起動させたプログラムを停止させる機能停止手段を有する、
ことを特徴とする請求項2〜8いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記起動手段が自動起動させたプログラムを、同等の機能の別のバージョンのプログラムに切り替えて起動させる指示を受け付けた場合、前記ユーザ情報のユーザIDに対応づけられたバージョン情報を、切り替えて起動させる指示を受け付けたプログラムのバージョンで更新する指定バージョン変更手段を有する、
ことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画面生成手段は、ログインしたユーザのユーザIDに対応づけられたバージョン情報のプログラムにリンクしたアイコンと、ログインしたユーザのユーザIDに対応づけられたバージョン情報のプログラムと同等の機能の別のバージョンのプログラムにリンクしたアイコン、の切り替えを受け付ける、
ことを特徴とする請求項3〜7いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記操作画面からアイコンの切り替えを受け付けた場合、前記ユーザ情報のユーザIDに対応づけられたバージョン情報を、切り替え後のアイコンがリンクされたプログラムのバージョンで更新する指定バージョン変更手段を有する、
ことを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記機能導入手段が前記記憶手段に記憶可能なプログラムの上限数の設定を受け付ける上限数設定受け付け手段を有する、
ことを特徴とする請求項1〜12いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記機能導入手段がプログラムを前記記憶手段に記憶する際に、前記記憶手段に記憶されているプログラムの数が前記上限数に達している場合、前記記憶手段に記憶されているプログラムのうち、記憶対象のプログラムと同等の機能のバージョンが異なるプログラムを削除する機能削除手段を有する、
ことを特徴とする請求項13記載の画像形成装置。
【請求項15】
削除するプログラムを決定する方法として、
同じプログラムの複数のバージョンのうち、最も古く導入されたバージョン、
同じプログラムの複数のバージョンのうち、利用頻度が最も低いバージョン、
同じプログラムの複数のバージョンのうち、最後に起動された日が最も古いバージョン、
のいずれかの選択を受け付ける削除方法選択受付手段、
を有することを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記機能削除手段が削除したプログラムを、ネットワークを介して接続された他の機器に移転する機能移転手段を有する、ことを特徴とする請求項13〜15いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記機能削除手段は、前記ユーザ情報から、前記機能削除手段が削除したプログラムに対応づけられたユーザIDを特定し、該ユーザIDのユーザが最も多くログインする機器を特定し、特定した機器に前記機能削除手段が削除したプログラムを移転する、
ことを特徴とする請求項16記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記機能削除手段が削除したプログラムを、前記機能移転手段に移転させるか否かを受け付ける移転可否受け付け手段を有する、
ことを特徴とする請求項16又は17記載の画像形成装置。
【請求項19】
機能を実現するプログラムの起動が、プログラムの正当利用者であることを示すライセンス情報により認められる画像形成装置と、プログラムとライセンス情報を画像形成装置に配信するサーバと、を有する機器システムであって、
前記サーバは、
ライセンス情報にユーザIDが対応づけられたライセンス管理情報、を有し、
前記画像形成装置は、
ユーザのログインを受け付けるログイン受け付け手段と、
プログラムを記憶するプログラム記憶手段と、
ユーザ個人にライセンスされたプログラムとライセンス情報をサーバから取得し、該プログラムと同じ機能のプログラムが前記プログラム記憶手段に記憶されていても、両者のバージョンが異なる場合、前記プログラム記憶手段のプログラムを削除することなく、サーバから取得したプログラムとライセンス情報を前記プログラム記憶手段に記憶する機能導入手段と、
ユーザIDに対応づけて、前記機能導入手段が記憶したプログラムのライセンス情報及びプログラムのバージョン情報が登録されたユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記ユーザ情報から、ログインしたユーザのユーザIDに対応づけられたライセンス情報とバージョン情報を特定し、該バージョン情報のプログラムが実現する機能をユーザに提供する機能提供手段と、有することを特徴とする機器システム。
【請求項20】
機能を実現するプログラムの起動が、プログラムの正当利用者であることを示すライセンス情報により認められる画像形成装置のプログラム管理方法であって、
ログイン受け付け手段が、ユーザのログインを受け付けるステップと、
機能導入手段が、ユーザ個人にライセンスされたプログラムとライセンス情報を外部から取得し、該プログラムと同じ機能のプログラムがプログラム記憶手段に記憶されていても、両者のバージョンが異なる場合、前記プログラム記憶手段のプログラムを削除することなく、外部から取得したプログラムとライセンス情報を前記プログラム記憶手段に記憶するステップ、
ユーザ情報更新手段が、前記機能導入手段が記憶したプログラムのライセンス情報とプログラムのバージョン情報を、ユーザIDに対応づけてユーザ情報記憶手段のユーザ情報に記憶するステップと、
機能提供手段が、前記ユーザ情報から、ログインしたユーザのユーザIDに対応づけられたライセンス情報とバージョン情報を特定し、該バージョン情報のプログラムが実現する機能をユーザに提供するステップと、
を有することを特徴とするプログラム管理方法。
【請求項21】
機能を実現するプログラムの起動が、該プログラムの正当利用者であることを示すライセンス情報により認められる画像形成装置が実行するプログラムであって、
コンピュータに、
ユーザのログインを受け付けるログイン受け付けステップと、
ユーザ個人にライセンスされたプログラムとライセンス情報を外部から取得し、該プログラムと同じ機能のプログラムがプログラム記憶手段に記憶されていても、両者のバージョンが異なる場合、前記プログラム記憶手段のプログラムを削除することなく、外部から取得したプログラムとライセンス情報を前記プログラム記憶手段に記憶する機能導入ステップ、
前記機能導入手段が記憶したプログラムのライセンス情報とプログラムのバージョン情報を、ユーザIDに対応づけてユーザ情報記憶手段のユーザ情報に記憶するユーザ情報更新ステップと、
前記ユーザ情報から、ログインしたユーザのユーザIDに対応づけられたライセンス情報とバージョン情報を特定し、該バージョン情報のプログラムが実現する機能をユーザに提供する機能提供ステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−20546(P2012−20546A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161902(P2010−161902)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】