説明

画像形成装置、画像形成方法および画像形成システム

【課題】複数のユーザが一の文書を同時に編集可能な文書編集サーバから文書データを取得して印刷出力を行う場合に、文書編集サーバで保持されている文書データを最新の状態で印刷できるようにする。
【解決手段】画像形成装置3は、文書編集サーバ2から取得した文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブの実行を開始する前に、文書編集サーバ2における当該文書データDAの更新の有無を確認し、文書データDAが更新されている場合、その更新後の文書データを再度取得して印刷ジョブを生成し、実行対象となる印刷ジョブをその更新後の文書データに基づいて生成される印刷ジョブに差し替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法および画像形成システムに関し、特に複数のユーザが一の文書を同時に編集可能な文書編集サーバから文書データを取得して印刷出力を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ファイルサーバを備えたネットワークシステムでは、複数のユーザが利用する文書などのファイルをファイルサーバにおいて一元管理するようになっている。従来、このようなシステムにおいて、印刷出力を行う画像形成装置がコンピュータから印刷要求を受信したとき、その印刷要求の対象となるファイルのロケーション情報に基づいてファイルサーバにアクセスし、そのファイルサーバに保持されているファイルを印刷要求の対象となっているファイルに更新することにより、コンピュータにおいて編集された内容をファイルサーバのファイルに反映させる技術が提案されている(例えば特許文献1)。このような従来技術によれば、画像形成装置がコンピュータからの印刷要求に基づいて印刷出力を行う際に、ファイルサーバで保持されるファイルを最新のものに更新することができる。
【0003】
一方、近年は、クラウドコンピューティングの普及に伴い、Webサーバ機能と文書編集機能とを備える文書編集サーバを用いた文書管理サービスが提供されている。このようなサービスを利用すると、ユーザはコンピュータのブラウザを起動して文書編集サーバにアクセスすることにより、文書編集サーバで保持される文書データを閲覧することができると共に、文書編集サーバの文書編集機能によりその文書データを閲覧しながら編集操作も行うことができる。さらに、このようなサービスでは、複数のユーザが同時に文書編集サーバに保持されている1つの文書データにアクセスすることもできる。この場合、文書編集サーバは、それら複数のユーザからの編集操作を同時に受け付けて文書データに反映させることにより、各ユーザは他のユーザの編集した内容をリアルタイムで把握することができるようになっている。
【0004】
上記のような文書編集サーバを利用すると、各ユーザが使用するコンピュータには文書データを保存しておく必要がなくなるため、情報流出などのリスクを低減することができる。またユーザにとっては、外出先からでも文書編集サーバにアクセスすれば、文書データの編集作業を行うことができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−226541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したような文書編集サーバで保持される文書データの印刷出力を行う場合、ユーザはコンピュータのブラウザを起動した状態で文書編集サーバに印刷指示を行うと、文書編集サーバからコンピュータに、PDF(Portable Document Format)などの汎用的なファイル形式の文書データをダウンロードして取り込むことができる。そしてユーザは、自身のコンピュータに取り込んだ文書データを印刷ジョブとしてネットワークに接続されたプリンタなどの画像形成装置に出力することにより、目的の印刷物を得ることができる。
【0007】
しかし、上述したように文書編集サーバで保持される文書データは、複数のユーザが同時に編集作業を行うことが可能である。一方、画像形成装置は、印刷ジョブを受信したとき、他の印刷ジョブの実行中である場合、その受信した印刷ジョブを記憶して待機状態とする。そのため、ユーザは文書編集サーバで保持される文書データを最新の状態で印刷したい場合でも、画像形成装置に文書データに基づく印刷ジョブを投入した時点で既に待機ジョブが発生している場合には、その文書データに基づく印刷ジョブが実行されるまでに時間を要し、その間に他のユーザによって文書編集サーバで保持される文書データが更新されてしまう可能性がある。この場合、ユーザは、最新の文書データを印刷したいという要求であったにもかかわらず、画像形成装置で印刷出力が行われるときには既に最新でない文書データが印刷されてしまうという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、文書編集サーバで保持されている文書データを最新の状態で印刷できるようにする画像形成装置、画像形成方法および画像形成システムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、複数のユーザが一の文書を同時に編集可能な文書編集サーバから文書データを取得して印刷出力を行う画像形成装置であって、印刷ジョブを記憶するジョブ記憶手段と、前記ジョブ記憶手段に記憶された印刷ジョブを順次読み出して実行するジョブ実行手段と、前記文書編集サーバから印刷対象となる文書データへのアクセス情報を取得するアクセス情報取得手段と、前記アクセス情報取得手段によって取得されたアクセス情報に基づいて前記文書編集サーバにアクセスし、印刷対象となる文書データを取得して印刷ジョブを生成すると共に、当該印刷ジョブを前記ジョブ記憶手段に記憶する印刷ジョブ登録手段と、前記ジョブ記憶手段に記憶された印刷ジョブを管理するジョブ管理手段と、を備え、前記ジョブ管理手段は、前記文書編集サーバから取得された文書データに基づいて生成された印刷ジョブが前記ジョブ実行手段によって実行される前に、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認し、当該文書データが更新されている場合、その更新後の文書データを取得させて印刷ジョブを生成させると共に、前記ジョブ実行手段において実行される印刷ジョブをその更新後の文書データに基づいて生成される印刷ジョブに差し替えることを特徴とする構成である。
【0010】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記ジョブ管理部は、前記文書編集サーバにおいて文書データが更新されている場合、当該文書データの印刷指示を行ったユーザに対して更新後の文書データに基づいて印刷出力を行うか否かの問い合わせを行い、その問い合わせに対する返答結果に基づいて更新後の文書データを取得させることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記印刷ジョブ登録手段は、前記アクセス情報取得手段によって取得されたアクセス情報に基づいて前記文書編集サーバから印刷対象となる文書データを取得する際、その文書データの取得が完了するまでに要するデータ取得所要時間を計測し、前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行手段によって順次読み出されて実行される印刷ジョブを管理し、前記文書編集サーバから取得された文書データに基づいて生成された印刷ジョブが前記ジョブ実行手段によって読み出されて実行されるタイミングよりも、少なくとも前記データ取得所要時間だけ前のタイミングで、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項4にかかる発明は、複数のユーザが一の文書を同時に編集可能な文書編集サーバから文書データを取得して印刷出力を行う画像形成方法であって、(a)前記文書編集サーバから印刷対象となる文書データへのアクセス情報を取得するステップと、(b)前記文書編集サーバから取得されたアクセス情報に基づいて前記文書編集サーバにアクセスし、印刷対象となる文書データを取得して印刷ジョブを生成すると共に、当該印刷ジョブを、所定のジョブ記憶手段に記憶するステップと、(c)前記文書編集サーバから取得された文書データに基づいて生成された印刷ジョブが前記ジョブ記憶手段から読み出されて実行される前に、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認するステップと、(d)前記文書編集サーバにおいて当該文書データが更新されている場合、その更新後の文書データを再度取得して印刷ジョブを生成すると共に、実行対象の印刷ジョブをその更新後の文書データに基づいて生成される印刷ジョブに差し替えるステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる画像形成方法において、前記ステップ(d)は、前記文書編集サーバにおいて当該文書データが更新されている場合、当該文書データの印刷指示を行ったユーザに対して更新後の文書データに基づいて印刷出力を行うか否かの問い合わせを行い、その問い合わせに対する返答結果に基づいて更新後の文書データの再取得を行うことを特徴とする構成である。
【0014】
請求項6にかかる発明は、請求項4又は5に記載の画像形成方法において、前記ステップ(b)は、前記文書編集サーバから印刷対象となる文書データを取得する際、その文書データの取得が完了するまでに要するデータ取得所要時間を計測し、前記ステップ(c)は、前記文書編集サーバから取得された文書データに基づいて生成された印刷ジョブが前記ジョブ記憶手段から読み出されて実行されるタイミングよりも、少なくとも前記データ取得所要時間だけ前のタイミングで、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項7にかかる発明は、複数のユーザが一の文書を同時に編集可能な文書編集サーバと、前記文書編集サーバにアクセスし、ユーザからの操作に基づいて前記文書編集サーバにおいて保持される文書を編集する情報処理装置と、前記文書編集サーバから文書データを取得して印刷出力を行う画像形成装置と、を有する画像形成システムであって、前記情報処理装置は、前記文書編集サーバに対して印刷対象となる文書データを指定して印刷指示を送信し、前記文書編集サーバは、前記情報処理装置から印刷指示を受信することに伴い、前記画像形成装置に対して印刷対象となる文書データへのアクセス情報を送信し、前記画像形成装置は、前記文書編集サーバから受信するアクセス情報に基づいて前記文書編集サーバにアクセスし、印刷対象となる文書データを取得して当該文書データに基づく印刷ジョブを所定のジョブ記憶手段に記憶すると共に、前記ジョブ記憶手段に記憶された印刷ジョブを順次読み出して実行することにより印刷出力を行う構成であり、前記画像形成装置は、前記文書編集サーバから取得した文書データに基づく印刷ジョブを実行する前に、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認し、当該文書データが更新されている場合、その更新後の文書データを再取得して印刷ジョブを生成すると共に、実行対象となる印刷ジョブをその更新後の文書データに基づいて生成される印刷ジョブに差し替えることを特徴とする構成である。
【0016】
請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、前記文書編集サーバにおいて文書データが更新されている場合、前記情報処理装置に対して更新後の文書データに基づいて印刷出力を行うか否かの問い合わせを行い、前記情報処理装置から得られる返答結果に基づいて更新後の文書データの再取得を行うことを特徴とする構成である。
【0017】
請求項9にかかる発明は、請求項7又は8に記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、前記文書編集サーバから受信するアクセス情報に基づいて前記文書編集サーバから印刷対象となる文書データを取得する際、その文書データの取得が完了するまでに要するデータ取得所要時間を計測し、当該文書データに基づいて生成された印刷ジョブを前記ジョブ記憶手段から読み出して実行するタイミングよりも、少なくとも前記データ取得所要時間だけ前のタイミングで、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、文書編集サーバから取得した文書データに基づいて生成された印刷ジョブが実行されるまでに時間を要する場合、その印刷ジョブの実行が開始される前に、文書編集サーバにおいて当該文書データの更新の有無が確認される。そして当該文書データが更新されている場合には、その更新後の文書データを再度取得し、実行対象となる印刷ジョブを、その更新後の文書データに基づいて生成される印刷ジョブに差し替える構成となっている。そのため、文書編集サーバから文書データを取得した後にその文書データに基づく印刷ジョブの実行を開始するまでの間に、文書編集サーバにおいてその文書データが更新されている場合であっても、その更新後の文書データを再取得して最新の状態で印刷出力を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成システムの概略構成を示す図である。
【図2】コンピュータから出力される印刷指示が画像形成装置に入力するまでのデータ通信の流れを示す図である。
【図3】画像形成装置におけるハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】画像形成装置における制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図5】ジョブ管理情報の一例を示す図である。
【図6】文書データの更新の有無を確認するタイミングの一例を説明するための図である。
【図7】制御部において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】電子メール受信処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】印刷ジョブ登録処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】ジョブ管理処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】ジョブ実行開始処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】画像形成装置が文書編集サーバから文書データを取得するデータ通信の流れを示す図である。
【図13】画像形成装置において待機状態となっている印刷ジョブの印刷開始予定時刻が近づいてきた場合のデータ通信の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態である画像形成システム1の概略構成を示す図である。この画像形成システム1は、文書編集サーバ2と、画像形成装置3と、複数のコンピュータ4とがネットワーク5を介して相互にデータ通信可能な構成である。図例では、複数のコンピュータ4として、ユーザAが使用するコンピュータ4aと、ユーザBが使用するコンピュータ4bと、ユーザCが使用するコンピュータ4cとの3台がネットワーク5に接続される場合を示している。また図例では、画像形成装置3およびコンピュータ4a,4bが、特定のオフィスや事業所などの拠点6に設置されており、文書編集サーバ2がその拠点6とは異なる環境に設置されている場合を示している。ネットワーク5は、例えば、拠点6に敷設されるLAN(Local Area Network)と、その拠点6と他の拠点とを結ぶWAN(Wide Area Network)とを含んで構成される複合的な通信ネットワークであり、インターネットなども含むネットワークである。
【0022】
文書編集サーバ2は、Webサーバ機能と、文書データの管理機能および編集機能とを備えたサーバ装置である。この文書編集サーバ2は、ハードディスク装置などの記憶装置2aを備えており、その記憶装置2aに文書データDAを保存して管理する。文書編集サーバ2は、ネットワーク5を介してコンピュータ4a,4b,4cのそれぞれからユーザA,B,Cのログイン要求を受け付ける。そして文書編集サーバ2は、ユーザA,B,Cがログインした状態となると、そのユーザからの指示操作を受け付け、その指示操作に基づいて文書データDAを作成し、記憶装置2aに保存する。また文書編集サーバ2は、ユーザからの編集指示を受け付け、その編集指示に基づいて記憶装置2aに保存されている文書データDAを編集して更新する。
【0023】
このような文書編集サーバ2は、例えば各ユーザA,B,Cの電子メールアドレスをアカウントとして文書データDAに関連付けて管理しており、ひとつの文書データDAに対して複数のユーザA,B,Cのアカウントを関連付けることが可能である。文書編集サーバ2において、ひとつの文書データDAに複数のユーザA,B,Cのアカウントが関連付けられている場合、その文書データDAは複数のユーザA,B,Cによって共有されるデータとなる。したがって、それら複数のユーザA,B,Cは、ひとつの文書データDAを共有しながら閲覧や編集作業を行うことができる。さらに、文書編集サーバ2は、ひとつの文書データDAに対する複数のユーザA,B,Cからの編集指示を同時に受け付け、文書データDAに対してリアルタイムに反映させる。そのため、各ユーザA,B,Cは、他のユーザの編集した内容をリアルタイムで把握することが可能である。
【0024】
コンピュータ4a,4b,4cは、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)などによって構成される情報処理装置である。これらコンピュータ4a,4b,4cのそれぞれには、文書編集サーバ2のWebサーバ機能によって提供されるWebページを閲覧するためのブラウザプログラムがインストールされている。各ユーザA,B,Cは、自身のコンピュータ4a,4b,4cにおいてブラウザプログラムを起動して文書編集サーバ2にアクセスし、文書編集サーバ2にログインすることにより、文書編集サーバ2において保持される文書データDAを閲覧することができると共に、文書編集サーバ2の編集機能によってその文書データDAを閲覧しながら編集操作を行うこともできる。
【0025】
例えば、図1においては、ユーザA,Bのコンピュータ4a,4bが拠点6に設置されているのに対し、ユーザCのコンピュータ4cが拠点6とは異なる地点に設けられている。ユーザCは、異なる地点からコンピュータ4cを操作してネットワーク5に接続し、さらに文書編集サーバ2にアクセスすることにより、ユーザA,Bとは異なる地点に居ながら、ユーザA,Bと同じ文書データDAを共有することができる。
【0026】
画像形成装置3は、例えば複合機やプリンタなどによって構成される。この画像形成装置3は、印刷ジョブを実行することにより、印刷用紙などに画像形成を行って印刷出力を行う画像形成機能を有している。また画像形成装置3は、ネットワーク5を介して電子メールを送受信する機能を有している。すなわち、画像形成装置3には電子メールアドレスが設定されており、画像形成装置3は、自身宛の電子メールの有無を一定時間間隔で監視し、自身宛の電子メールがあればそれを自動受信するように構成されている。さらに画像形成装置3は、ネットワーク5を経由してWebサーバにアクセスするためのブラウザ機能を有している。そのため、画像形成装置3は、ブラウザ機能を動作させることにより、ネットワーク5を介してWebサーバから各種データを取得することが可能である。特に本実施形態における画像形成装置3は、ブラウザ機能を利用して文書編集サーバ2から文書データDAを自動取得することができるようになっている。
【0027】
上記のような画像形成システム1では、複数のユーザA,B,Cが共有する文書データDAが文書編集サーバ2に保持される。そして各ユーザA,B,Cが文書データDAに対する編集作業を行う際には、各コンピュータ4a,4b,4cにおいてブラウザプログラムを起動し、文書編集サーバ2によって提供される編集画面を参照しながら、文書編集サーバ2において保持される文書データDAに対して直接編集操作を行うようになっている。このようなシステム構成によれば、各コンピュータ4a,4b,4cが文書データDAを保持しておく必要がないため、各コンピュータ4a,4b,4cから文書データDAに記録されている情報が流出する可能性がなくなるという利点がある。
【0028】
次に、図2は、ユーザAが文書編集サーバ2において保持される文書データDAの印刷出力を行う場合にコンピュータ4aから出力される印刷指示が画像形成装置3に入力するまでのデータ通信の流れを示す図である。ユーザAは、コンピュータ4aのブラウザプログラムを起動して文書編集サーバ2にログインし、文書データDAを閲覧している状態で文書編集サーバ2に対して印刷指示を行う。このとき、ユーザAは、文書データDAの印刷出力を行う画像形成装置3を指定するため、画像形成装置3の電子メールアドレスを入力する。このようなユーザAの操作により、コンピュータ4aは文書編集サーバ2に対して、印刷指示D2を送信する(矢印F1)。この印刷指示D2には、ユーザAによって指定された画像形成装置3の電子メールアドレスD3が含まれている。
【0029】
文書編集サーバ2は、コンピュータ4aからの印刷指示D2を受信すると、ユーザAのアカウントによって印刷指示D2を送信したユーザがユーザAであることを特定する。そして文書編集サーバ2は、ユーザAによって指定された画像形成装置3の電子メールアドレスに対して招待メールD4を送信する(矢印F2)。
【0030】
招待メールD4は、ユーザA以外の電子メールアドレスをアカウントとして同じ文書データDAにアクセスすることを許可するための電子メールである。この招待メールD4には、図2に示すように、印刷対象となる文書データDAにアクセスするためのアクセス情報D5と、印刷指示D2を送信したユーザに関するユーザ情報D6と、印刷対象の文書データDAに関する文書付属情報D7とが含まれる。アクセス情報D5は、文書編集サーバ2に保持されている印刷対象の文書データDAに、ネットワーク5を介してアクセスするための情報であり、例えばURL(Uniform Resource Locator)などの情報である。ユーザ情報D6は、印刷指示D2を送信したユーザを特定するための情報であり、例えばユーザAの電子メールアドレスやユーザ名、ユーザIDなどの情報である。文書付属情報D7は、印刷対象となる文書データDAのページ数、文書データDAが更新された日時を示す更新日時、文書データDAが更新される度に書き換えられる改訂番号などを含む情報である。
【0031】
したがって、ユーザAがコンピュータ4aを操作して文書編集サーバ2に印刷指示D2を送信することに伴い、画像形成装置3は、文書編集サーバ2から図2に示すような招待メールD4を受信する。そして画像形成装置3は、この招待メールD4を受信すると、文書編集サーバ2にアクセスし、文書編集サーバ2から印刷対象となる文書データDAを自動取得する。以下、このような画像形成装置3について更に詳しく説明する。
【0032】
図3は、画像形成装置3におけるハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、画像形成装置3は、制御部10と、記憶装置11と、操作パネル12と、スキャナ部13と、プリンタ部14と、ネットワークインタフェース15とを備え、これらがデータバス16を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0033】
制御部10は、CPU10aとメモリ10bとを備えており、CPU10aが記憶装置11に記憶されている各種プログラムを読み出して実行すると共に、メモリ10bがそれに伴って発生する一時的なデータなどを記憶するように構成されている。
【0034】
記憶装置11は、例えばハードディスク装置などによって構成される。この記憶装置11には、CPU10aによって実行されるプログラムとして、処理プログラム17とブラウザプログラム18とが予めインストールされている。ここで処理プログラム17は、画像形成装置3における基本プログラムであり、画像形成装置3に電源が投入されることに伴ってCPU10aに読み出されて実行されるプログラムである。CPU10aがこの処理プログラム17を実行することにより、制御部10は各部の動作を制御し、画像形成装置3において印刷ジョブが実行されるようになる。また、ブラウザプログラム18は、画像形成装置3においてブラウザ機能を動作させる場合にCPU10aによって実行されるプログラムである。CPU10aは、このブラウザプログラム18を実行することによってブラウザ機能を動作させ、文書編集サーバ2から印刷対象となる文書データDAを取得する。
【0035】
また記憶装置11には、図3に示すように印刷ジョブ記憶部19が設けられている。印刷ジョブ記憶部19は、画像形成装置3において印刷ジョブが受け付けられた場合に、その受け付けられた印刷ジョブを記憶するための記憶領域である。この印刷ジョブ記憶部19に印刷ジョブが記憶されたとき、画像形成装置3において先の印刷ジョブが実行されていない状態であれば、その印刷ジョブは速やかに読み出されて実行される。これに対し、印刷ジョブ記憶部19に印刷ジョブが記憶されたとき、画像形成装置3において先の印刷ジョブが実行中であれば、その印刷ジョブは少なくとも先の印刷ジョブの実行が終了するまで待機する待機ジョブとなる。このような待機ジョブは、印刷ジョブ記憶部19に記憶された順に読み出されて順次実行されていくようになる。
【0036】
操作パネル12は、ユーザが画像形成装置3を使用する際のユーザインタフェースとなるものであり、ユーザに対して各種情報を表示するための表示部12aと、ユーザからの各種操作を受け付けるための操作部12bとを備えている。またスキャナ部13は、原稿の画像を読み取って画像データを生成するためのものである。プリンタ部14は、画像形成装置3において印刷ジョブが実行されることに伴い、印刷用紙などに画像形成を行って印刷出力を行うものであり、上述した画像形成機能の主たる動作を行う処理部である。またネットワークインタフェース15は、画像形成装置3をネットワーク5に接続するためのものである。
【0037】
次に上記構成を有する画像形成装置3において、CPU10aが上述した処理プログラム17を実行することによって実現される制御部10の機能について説明する。図4は、画像形成装置3における制御部10の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、制御部10は、主として、電子メール受信部21、電子メール解析部22、印刷ジョブ登録部24、ジョブ管理部28およびジョブ実行部29として機能する。
【0038】
電子メール受信部21は、ネットワークインタフェース15を介して、画像形成装置3に送信された電子メールの有無を一定時間間隔で確認し、電子メールがあればそれを自動受信する処理部である。この電子メール受信部21は、電子メールを受信すると、その受信した電子メールを電子メール解析部22に出力する。
【0039】
電子メール解析部22は、電子メール受信部21によって受信された電子メールを解析する処理部である。この電子メール解析部22は、アクセス情報抽出部23を備えており、電子メールを解析した結果、その電子メールが文書編集サーバ2から送信された招待メールD4である場合、そのアクセス情報抽出部23を機能させる。アクセス情報抽出部23は、招待メールD4に含まれるアクセス情報D5を抽出する処理部である。また、このアクセス情報抽出部23は、アクセス情報D5だけでなく、ユーザ情報D6および文書付属情報D7なども抽出する。電子メール解析部22は、アクセス情報抽出部23によって招待メールD4に含まれるアクセス情報D5、ユーザ情報D6および文書付属情報D7が抽出されると、それらの抽出された情報を印刷ジョブ登録部24に出力する。
【0040】
印刷ジョブ登録部24は、画像形成装置3において実行すべき印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部19に登録する処理部である。この印刷ジョブ登録部24は、文書データ取得部25、印刷ジョブ生成部26および格納保存部27を備えている。このうち、文書データ取得部25および印刷ジョブ生成部26は、特に画像形成装置3が招待メールD4を受信した場合に機能する処理部である。
【0041】
文書データ取得部25は、電子メール解析部22から入力するアクセス情報D5に基づいて文書編集サーバ2から文書データDAを取得する処理部である。この文書データ取得部25は、ブラウザプログラム18を起動し、ブラウザ機能を動作させる。そして文書データ取得部25は、アクセス情報D5に基づいて文書編集サーバ2にアクセスすると共に、画像形成装置3の電子メールアドレスを用いて文書編集サーバ2に自動ログインし、文書編集サーバ2に対して印刷対象となる文書データDAの取得要求を行う。そして文書データ取得部25は、文書編集サーバ2から送信されるPDFなどの汎用的なファイル形式の文書データDAを取得する。
【0042】
また、文書データ取得部25は、上記のようにして文書編集サーバ2から印刷対象となる文書データDAを取得する際、その文書データDAの取得が完了するまでに要するデータ取得所要時間を計測する。そして文書データDAの取得完了後、その計測したデータ取得所要時間を取得した文書データDAに関連付けておく。また、文書データ取得部25は、文書データDAの取得が完了すると、文書編集サーバ2から自動ログアウトし、ブラウザプログラム18の起動を終了する。
【0043】
上記のようにして文書データ取得部25によって印刷対象となる文書データDAが自動取得されると、次に、印刷ジョブ生成部26が機能する。印刷ジョブ生成部26は、文書データ取得部25によって取得された文書データDAに対してRIP(Raster Image Processing)処理を施すことにより、汎用的なファイル形式の文書データDAを印刷可能なビットマップ形式に変換して印刷ジョブを生成する処理部である。この印刷ジョブ生成部26は、印刷ジョブを生成すると、その印刷ジョブを格納保存部27に出力する。
【0044】
格納保存部27は、印刷ジョブ生成部26から出力される印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部19に格納して保存する処理を行う。この格納保存部27は、印刷ジョブ生成部26から出力される印刷ジョブだけでなく、他の印刷ジョブも印刷ジョブ記憶部19に格納して保存する。例えば、画像形成装置3は、ネットワーク5を介してコンピュータ4a,4bから出力される印刷ジョブを受信することが可能である。そのため、印刷ジョブ登録部24は、ネットワーク5を介してコンピュータ4a,4bから出力される印刷ジョブを受信すると、格納保存部27を機能させ、その受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部19に保存させる。
【0045】
この印刷ジョブ登録部24は、ジョブ管理部28と連携するように構成されており、上記のようにして印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部19に登録すると、ジョブ管理部28に対してその登録した印刷ジョブに関する情報を出力する。尚、印刷ジョブに関する情報には、招待メールD4に含まれていた各種情報や、文書データ取得部25によって計測されたデータ取得所要時間に関する情報が含まれる。
【0046】
ジョブ管理部28は、印刷ジョブ記憶部19に記憶される印刷ジョブを管理する処理部である。このジョブ管理部28は、ジョブ管理情報28aを保持している。ジョブ管理部28は、印刷ジョブ登録部24によって印刷ジョブ記憶部19に新規な印刷ジョブが登録されると、それに伴ってジョブ管理情報28aを更新すると共に、ジョブ実行部29によって印刷ジョブ記憶部19に記憶されている印刷ジョブが読み出されて実行されると、それに伴ってジョブ管理情報28aを更新する。
【0047】
図5は、ジョブ管理情報28aの一例を示す図である。図5に示すように、ジョブ管理情報28aは、ジョブID31と、ユーザ情報32と、ページ数33と、実行開始予定時刻34と、取得元35と、文書情報36とを含むテーブル情報である。印刷ジョブ登録部24によって新規な印刷ジョブが印刷ジョブ記憶部19に登録されると、ジョブ管理部28は、その新規な印刷ジョブに対して固有のジョブIDを発行し、そのジョブIDをジョブ管理情報28aに登録する。ジョブ管理部28は、ジョブ管理情報28aに登録したジョブIDで、印刷ジョブ記憶部19に記憶された印刷ジョブを管理する。またジョブ管理部28は、印刷ジョブ登録部24によって新規な印刷ジョブが印刷ジョブ記憶部19に登録されると、その新規な印刷ジョブに関するジョブID31と、ユーザ情報32と、ページ数33と、実行開始予定時刻34と、取得元35と、文書情報36とをジョブ管理情報28aの末尾に書き込んでジョブ管理情報28aを更新する。図5の例では、3つの印刷ジョブに関する情報が登録されている。
【0048】
ジョブ管理情報28aに含まれるユーザ情報32は、その印刷ジョブの印刷指示を行ったユーザに関する情報である。例えば、ユーザの電子メールアドレスや、ユーザ名、ユーザIDなどがこのユーザ情報32に登録される。
【0049】
ページ数33は、その印刷ジョブに含まれるページ数を示す情報である。例えば、このページ数33の値が大きくなるほど、その印刷ジョブの実行を開始してから終了するまでに要する時間が長くなる。
【0050】
実行開始予定時刻34は、ジョブ管理部28が演算処理を行うことによって求められる時刻であり、その印刷ジョブの実行が開始される時刻を示す情報である。例えば、印刷ジョブ登録部24によって新規な印刷ジョブが印刷ジョブ記憶部19に登録されると、ジョブ管理部28は、その新規な印刷ジョブよりも先に実行される印刷ジョブの実行終了タイミングを予測し、その実行終了タイミングに基づいて新規な印刷ジョブの実行が開始される時刻を算出する。そしてジョブ管理部28は、その算出した時刻をジョブ管理情報28aの実行開始予定時刻34に登録する。
【0051】
取得元35は、その印刷ジョブの取得元を示す情報である。例えば、ネットワーク5を介してコンピュータ4a,4bなどから印刷ジョブを受信した場合、この取得元35の欄には、印刷ジョブの取得元が外部のコンピュータであることを示す情報が登録される。これに対し、文書編集サーバ2から文書データDAを取得して印刷ジョブが登録された場合、この取得元35の欄には、印刷ジョブの取得元が文書編集サーバ2であることを示す情報が登録される。このとき、取得元35には、文書編集サーバ2にアクセスするためのアクセス情報D5が登録されるようにしても良い。
【0052】
文書情報36は、印刷ジョブ登録部24によって印刷ジョブ記憶部19に登録された印刷ジョブが文書編集サーバ2から取得された文書データDAに基づいて生成されたジョブである場合に登録される情報である。この文書情報36には、招待メールD4に含まれていた文書付属情報D7や、文書データDAを文書編集サーバ2から取得するのに要したデータ取得所要時間などの情報が登録される。
【0053】
図5に示すジョブ管理情報28aでは、文書編集サーバ2から取得した文書データDAに基づく印刷ジョブが3番目のジョブとして登録されている。そのため、1番目と2番目の印刷ジョブの実行が終了した後に、文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブが実行されることとなり、それまでの間は印刷ジョブ記憶部19に記憶された状態で待機する待機ジョブとなる。
【0054】
図4に戻り、ジョブ管理部28は、上記のようなジョブ管理情報28aに基づいて、印刷ジョブ記憶部19に記憶されている印刷ジョブの印刷順序を管理するようになっており、次の実行対象となる印刷ジョブをジョブ実行部29に対して指示するように構成されている。
【0055】
ジョブ実行部29は、ジョブ管理部28によって指示された印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部19から読み出し、その印刷ジョブをプリンタ部14に出力して実行させる処理部である。ジョブ実行部29がプリンタ部14に対して印刷ジョブを出力することにより、プリンタ部14においては、その印刷ジョブに基づいて印刷用紙などにトナー像を転写させて定着させる動作が開始され、印刷ジョブに対応した印刷出力が行われる。このようにしてジョブ実行部29は、印刷ジョブ記憶部19に記憶されている印刷ジョブをジョブ管理部28からの指示に基づいて順次実行させていく。
【0056】
そしてジョブ管理部28は、ジョブ実行部29による印刷ジョブの実行が終了すると、そのジョブに対応する情報をジョブ管理情報28aから削除する。したがって、ジョブ管理情報28aでは、印刷ジョブ記憶部19に記憶されて待機状態となっている待機ジョブだけが管理されるようになっている。尚、ジョブ管理部28は、ジョブ管理情報28aから削除した情報をジョブ履歴情報に記録して保存するが、それについては図示を省略する。
【0057】
上記のようなジョブ管理部28は、ジョブ管理情報28aに、文書編集サーバ2から取得した文書データDAに基づく印刷ジョブが待機ジョブとして登録されている場合、その印刷ジョブがジョブ実行部29によって実行される前の所定のタイミングで、文書編集サーバ2にその文書データDAの更新の有無を確認する。具体的に説明すると、ジョブ管理部28は、文書データDAの更新を確認するタイミングになると、ブラウザプログラム18を起動する。そしてアクセス情報D5に基づいて文書編集サーバ2に自動ログインし、文書データDAにアクセスする。そしてジョブ管理部28は、文書データ取得部25が文書データDAを取得した後に、文書編集サーバ2で保持されている文書データDAが更新されているか否かを確認する。例えば、ジョブ管理部28は、文書編集サーバ2からその時点での文書付属情報D7を取得し、文書データDAの更新日時や改訂番号などが変更されていれば、その文書データDAが更新されていると判断する。
【0058】
ジョブ管理部28は、文書データDAが更新されている場合、上述した文書データ取得部25と印刷ジョブ生成部26とを再び機能させ、その更新後の文書データDAを文書編集サーバ2から再取得させると共に、その再取得させた文書データDAに基づいて印刷ジョブを再度生成させる。そしてジョブ管理部28は、更新後の文書データDAに基づいて生成される印刷ジョブを取得し、既に印刷ジョブ記憶部19に記憶されている更新前の文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブを、更新後の文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブに差し替える。これにより、更新前の文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブがジョブ実行部29によって実行されるタイミングとなったときには、更新後の文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブが読み出されて実行されるようになる。
【0059】
また文書データDAが更新されている場合、ジョブ管理部28は、その更新後の文書データDAの再取得を開始する前に、文書データDAの印刷指示を行ったユーザAに対して更新後の文書データDAを再取得するか否かを問い合わせるようにしても良い。このような問い合わせを行う手法としては、種々の手法が考えられるが、例えばユーザ情報32に基づいてユーザAに電子メールを送信する手法を採用しても良いし、或いは、ユーザAのコンピュータ4aに対して直接問い合わせの通知を送信する手法を採用しても良い。
【0060】
そしてジョブ管理部28は、その問い合わせに対するユーザAからの返答を所定時間が経過するまで待ち、所定時間が経過するまでにユーザAからの返答があれば、その返答結果に基づいて更新後の文書データDAを再取得するか否かを決定する。例えば、ユーザAからの返答が再取得を要求するものであれば、更新後の文書データDAを再取得することを決定し、上述したように、文書データ取得部25と印刷ジョブ生成部26とを再び機能させて、更新後の文書データDAを文書編集サーバ2から再取得させると共に、その再取得させた文書データDAに基づいて印刷ジョブを再度生成させる。そして印刷対象となる印刷ジョブを、更新された文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブに差し替える。これに対し、ユーザAからの返答が再取得を要求するものでない場合には、更新された文書データDAの再取得は行わない。
【0061】
このようにジョブ管理部28が、その印刷指示を行ったユーザAに対して更新後の文書データDAを再取得するか否かを問い合わせる場合には、文書データDAを最新の状態で印刷したいのかどうかというユーザAの意図を確認することができ、ユーザAの意図に即した印刷出力を行うことができるようになる。ただし、ジョブ管理部28は、ユーザAに対して問い合わせを行った後、ユーザAからの返答がなく、所定時間が経過した場合には、更新後の文書データDAを再取得するように決定して印刷ジョブの差し替えを行うことが好ましい。これにより、文書データDAは、最新の状態で印刷出力されるようになる。
【0062】
尚、文書編集サーバ2で保持されている文書データDAが更新されているか否かを確認した結果、文書データDAの更新が行われていない場合には、文書データDAの再取得を行わせる必要がないため、既に印刷ジョブ記憶部19に記憶されている印刷ジョブがそのまま実行対象となる。
【0063】
また上述した印刷ジョブの差し替えは、更新前の文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブがジョブ実行部29によって実行が開始される前に完了することが好ましい。そのため、ジョブ管理部28は、文書編集サーバ2から取得した文書データDAに基づく印刷ジョブが待機ジョブとして登録されている場合、その印刷ジョブの実行開始予定時刻とデータ取得所要時間とをジョブ管理情報28aから読み出し、その実行開始予定時刻から少なくともデータ取得所要時間分だけ前となるタイミングで、文書編集サーバ2における文書データDAの更新の有無を確認するように構成される。
【0064】
図6は、文書データDAの更新の有無を確認するタイミングの一例を説明するための図である。図6においては、例えば「JOB1」、「JOB2」および「JOB3」の3つの印刷ジョブがこの順に順次実行される場合であって、それら3つの印刷ジョブのうち、文書編集サーバ2から取得した文書データDAに基づく印刷ジョブが「JOB3」である場合を示している。図6の例では、「JOB1」の実行開始予定時刻がT1であり、「JOB2」の実行開始予定時刻がT2であり、「JOB3」の実行開始予定時刻がT3となっている。そして「JOB3」に対応する文書データDAを取得するのに要したデータ取得所要時間がTGであるとすると、ジョブ管理部28は、「JOB3」の実行開始予定時刻T3よりも少なくともデータ取得所要時間TG分だけ前となるタイミングTaで、文書編集サーバ2にアクセスし、文書データDAの更新の有無を確認する。
【0065】
文書データDAの更新の有無をタイミングTaで確認することにより、文書データDAが更新されていたときには、「JOB3」の実行開始予定時刻T3が到来するまでに更新後の文書データDAの再取得を行うことができるようになる。そのため、「JOB3」の実行開始を遅らせることなく、実行開始予定時刻T3が到来すれば、差し替えた印刷ジョブで「JOB3」の実行を開始することが可能となる。
【0066】
尚、ジョブ管理部28が文書データDAの更新の有無を確認するタイミングは、図6に示したタイミングTaに限られず、図6に示したタイミングTaよりも更に前のタイミングであっても良い。例えば、上述したように、文書データDAが更新されていることを確認した後に、印刷指示を行ったユーザAに対して更新後の文書データDAを再取得するか否かの問い合わせを行う場合には、ユーザAからの返答があるまで所定時間待機するので、図6に示したタイミングTaよりもその所定時間分だけ更に前のタイミングで文書データDAの更新の有無を確認することが好ましい。そうすることで、ユーザAに問い合わせを行う場合であっても、「JOB3」の実行開始を遅らせることなく、実行開始予定時刻T3が到来すれば、「JOB3」に対応する印刷ジョブの実行を開始することができるようになる。
【0067】
次に、上記のように構成される制御部10の具体的な処理手順について説明する。図7乃至図11は、制御部10において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。まず図7に示すように、制御部10は、この処理を開始すると、電子メールを受信したか否かを判断する(ステップS1)。その結果、電子メールを受信している場合(ステップS1でYES)、制御部10は、電子メール受信処理を実行する(ステップS2)。これに対し、電子メールを受信していない場合(ステップS1でNO)、電子メール受信処理は行わない。
【0068】
次に制御部10は、印刷ジョブを生成したか否かを判断する(ステップS3)。ここで、印刷ジョブを生成していない場合(ステップS3でNO)は、さらにネットワーク5を介して印刷ジョブを受信したか否かを判断する(ステップS4)。そして制御部10は、印刷ジョブを生成した場合(ステップS3でYES)、或いは、ネットワーク5を介して印刷ジョブを受信した場合(ステップS4でYES)、印刷ジョブ登録処理を実行する(ステップS5)。これに対し、印刷ジョブを生成しておらず(ステップS3でNO)、しかもネットワーク5を介して印刷ジョブの受信もしていない場合(ステップS4でNO)には、印刷ジョブ登録処理は行わない。
【0069】
次に制御部10は、印刷ジョブ記憶部19に記憶されている待機中の印刷ジョブがあるか否かを判断する(ステップS6)。その結果、待機中の印刷ジョブがある場合(ステップS6でYES)、制御部10は、ジョブ管理処理を実行する(ステップS7)。そして制御部10は、印刷ジョブ記憶部19に記憶されている印刷ジョブの実行開始が可能なタイミングであるか否かを判断する(ステップS8)。ここでは、例えばプリンタ部14において印刷ジョブが実行中であるか否かが確認され、プリンタ部14において印刷ジョブが実行されていないときに印刷ジョブの実行開始が可能なタイミングであると判断される。そして印刷ジョブの実行開始が可能なタイミングである場合(ステップS8でYES)、制御部10は、ジョブ実行開始処理を実行する(ステップS9)。一方、ステップS6において待機中の印刷ジョブがなかった場合には、ジョブ管理処理(ステップS7)は実行されず、また、ステップS8において印刷ジョブの実行開始が可能なタイミングでなかった場合には、ジョブ実行開始処理は実行されない。そして制御部10は、ステップS1に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
【0070】
図8は、電子メール受信処理(ステップS2)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、受信した電子メールが文書編集サーバ2から送信される招待メールD4か否かを判断する(ステップS10)。受信した電子メールが招待メールD4でない場合(ステップS10でNO)、この処理は終了する。ただし、受信した電子メールに対応する処理を行うようにしても良い。一方、受信した電子メールが招待メールD4である場合(ステップS10でYES)、制御部10は、その招待メールD4からアクセス情報D5を抽出する(ステップS11)。またこのとき、制御部10は、アクセス情報D5だけでなく、招待メールD4に含まれるユーザ情報D6および文書付属情報D7を抽出する。
【0071】
そして制御部10は、ブラウザプログラム18を起動し(ステップS12)、ステップS11で抽出したアクセス情報D5に基づいて文書編集サーバ2にアクセスして自動ログインする(ステップS13)。これにより、制御部10は、ブラウザプログラム18によって実現されるブラウザ機能を利用して、文書編集サーバ2で保持されている印刷対象の文書データDAにアクセスすることができる。そして制御部10は、文書編集サーバ2から、印刷対象となる文書データDAのダウンロード取得を開始すると共に(ステップS14)、そのダウンロード取得に要する時間の計測動作を開始する(ステップS15)。その後、文書編集サーバ2からの文書データDAの取得が完了すると(ステップS16)、制御部10は、時間の計測動作を終了させ(ステップS17)、文書データDAの取得に要した時間をデータ取得所要時間として記憶する。
【0072】
そして制御部10は、ブラウザプログラム18の起動を終了させ(ステップS18)、文書編集サーバ2から取得した文書データDAに基づいて印刷ジョブを生成する(ステップS19)。以上で、電子メール受信処理(ステップS2)が終了する。
【0073】
次に図9は、印刷ジョブ登録処理(ステップS5)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、上述した電子メール受信処理(ステップS2)によって生成された印刷ジョブ、又は、ネットワーク5を介して他のコンピュータ4a,4bから受信した印刷ジョブに対して、固有のジョブIDを発行する(ステップS20)。そして制御部10は、印刷ジョブにそのジョブIDを付加して印刷ジョブ記憶部19へ保存する(ステップS21)。また制御部10は、その印刷ジョブに関する情報をジョブ管理情報28aに登録する(ステップS22)。このとき制御部10は、その印刷ジョブの実行開始予定時刻を算出してジョブ管理情報28aに登録すると共に、その印刷ジョブが上述した電子メール受信処理(ステップS2)によって生成された印刷ジョブである場合には、取得元35の欄に文書編集サーバ2であることを示す情報を登録し、さらに文書情報36の欄に、招待メールD4に含まれていた文書付属情報D7や、文書データDAを取得するのに要したデータ取得所要時間などの情報を登録する。以上で、印刷ジョブ登録処理(ステップS5)が終了する。
【0074】
次に図10は、ジョブ管理処理(ステップS7)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、ジョブ管理情報28aを読み出す(ステップS30)。そして文書編集サーバ2から取得して生成した印刷ジョブがジョブ管理情報28aに登録されているか否かを判断する(ステップS31)。その結果、文書編集サーバ2から取得して生成した印刷ジョブが登録されていない場合(ステップS31でNO)、この処理は終了する。
【0075】
これに対し、文書編集サーバ2から取得して生成した印刷ジョブが登録されている場合(ステップS31でYES)、制御部10は、その印刷ジョブの実行開始予定時刻を読み出し(ステップS32)、さらにデータ取得所要時間を読み出す(ステップS33)。そして制御部10は、実行開始予定時刻およびデータ取得所要時間に基づいて演算を行い、現在のタイミングが文書データDAの更新の有無を確認するタイミングであるか否かを判断する(ステップS34)。その結果、文書データDAの更新の有無を確認するタイミングでない場合(ステップS34でNO)、この処理は終了する。これに対し、文書データDAの更新の有無を確認するタイミングとなっている場合(ステップS34でYES)、制御部10は、文書編集サーバ2に文書データDAの更新の有無を確認すべくステップS35に処理を進める。
【0076】
そして制御部10は、ブラウザプログラム18を起動し(ステップS35)、アクセス情報D5に基づいて文書編集サーバ2にアクセスして自動ログインする(ステップS36)。そして制御部10は、文書編集サーバ2で保持されている文書データDAを確認し(ステップS37)、その文書データDAが更新されているか否かを判断する(ステップS38)。
【0077】
その結果、文書データDAが更新されている場合(ステップS38でYES)、制御部10は、その文書データDAの印刷指示を行ったユーザAに再取得の問い合わせを行うための再取得確認通知をユーザAに送信する(ステップS39)。尚、この再取得確認通知は、ユーザAの電子メールアドレスに送信しても良いし、ユーザAのコンピュータ4aに対して直接送信しても良い。そして制御部10は、ユーザAからの返答が得られるか、或いは、所定時間が経過するまで待機し、その後、文書データDAの再取得を行うか否かを判断する(ステップS40)。
【0078】
そして文書データDAの再取得を行う場合(ステップS40でYES)、制御部10は、文書編集サーバ2から更新された文書データDAの再取得を行い(ステップS41)、その再取得された文書データDAに基づいて印刷ジョブを生成する(ステップS42)。そして制御部10は、更新前の文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブを、更新後の文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブに差し替える(ステップS43)。この印刷ジョブの差し替えは、他の印刷ジョブとの実行順序が入れ替わらないようにして行われる。また、この印刷ジョブの差し替えは、文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブの実行開始予定時刻が到来するまでに行われる。
【0079】
一方、文書データDAが更新されていなかった場合(ステップS38でNO)には、上述したステップS39〜S43の処理は行われずにスキップする。またユーザAが文書データDAの再取得を要求しなかった場合(ステップS40でNO)には、上述したステップS41〜S43の処理は行われずにスキップする。そして制御部10は、ブラウザプログラム18の起動を終了して(ステップS44)、この処理を終了する。以上で、ジョブ管理処理(ステップS7)の処理が終了する。
【0080】
次に図11は、ジョブ実行開始処理(ステップS9)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、印刷ジョブ記憶部19から実行対象となる印刷ジョブを読み出し(ステップS50)、その読み出した印刷ジョブをプリンタ部14へ出力する(ステップS51)。そして制御部10は、プリンタ部14に印刷出力を開始させる(ステップS52)。その後、制御部10は、ジョブ管理情報28aからプリンタ部14へ出力した印刷ジョブに関する情報を削除してジョブ管理情報28aを更新する(ステップS53)。以上で、ジョブ実行開始処理(ステップS9)の処理が終了する。
【0081】
したがって、本実施形態の画像形成装置3は、図2に示したように、ユーザAの印刷指示D2によって文書編集サーバ2から招待メールD4を受信した後には、図12および図13に示すように動作する。図12は、画像形成装置3が文書編集サーバ2から文書データDAを取得するデータ通信の流れを示す図である。画像形成装置3は、文書編集サーバ2から招待メールD4を受信した後、アクセス情報D5に基づいて文書編集サーバ2にアクセスし、文書編集サーバ2から印刷対象となる文書データDAを取得する(矢印F3)。そして画像形成装置3は、その文書データDAに基づいて印刷ジョブJDを生成し、印刷ジョブ記憶部19に保存する。
【0082】
このとき、印刷ジョブ記憶部19に他の印刷ジョブが先に保存されていれば、画像形成装置3は、その印刷ジョブJDを、それら他の印刷ジョブの実行が完了するまで待機させる待機ジョブとして保存する。また、印刷ジョブJDを生成したタイミングで既に他の印刷ジョブの実行中である場合も、画像形成装置3は、その実行中の印刷ジョブが終了するまで、印刷ジョブJDを待機させる待機ジョブとして保存する。このような場合、文書編集サーバ2から取得した文書データDAの印刷出力が開始されるまでに時間がかかる。
【0083】
一方、文書編集サーバ2は、上述したように、複数のユーザA,B,Cが同時に文書データDAに対する編集操作を行うことが可能である。そのため、画像形成装置3が文書編集サーバ2から文書データDAを取得した後、その文書データDAに基づく印刷ジョブJDの実行が開始されるまでの間に、例えば他のユーザBによって文書データDAが異なる内容に更新される可能性がある(矢印F4)。
【0084】
図13は、画像形成装置3において待機状態となっている印刷ジョブJDの印刷開始予定時刻が近づいてきた場合のデータ通信の流れを示す図である。画像形成装置3は、文書データDAに基づく印刷ジョブJDの印刷開始予定時刻が近づいてきて、文書編集サーバ2に対して更新の有無を確認するタイミングになると、文書編集サーバ2にアクセスし、文書データDAの更新の有無を確認する(矢印F5)。文書編集サーバ2に保持されている文書データDAが文書データDBに更新されている場合、画像形成装置3は、文書編集サーバ2から、その更新された文書データDBを取得する(矢印F6)。そして画像形成装置3は、文書データDBに基づいて印刷ジョブを生成し、実行開始タイミングが間近に迫っている印刷ジョブJDを、その文書データDBに基づいて生成した印刷ジョブに差し替える。
【0085】
以上のように、本実施形態の画像形成装置3は、文書編集サーバ2で保持されている文書データDAを取得して印刷出力する場合、その文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブの実行開始タイミングが近づいてくると、文書編集サーバ2とのデータ通信を行うことにより、その文書データDAが更新されているか否かを確認し、文書データDAが文書データDBに更新されていれば、その更新後の文書データDBを再び取得して印刷ジョブを生成し、文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブを、文書データDBに基づいて生成された印刷ジョブに差し替える構成である。したがって、画像形成装置3は、文書編集サーバ2に保持されている文書データを最新の状態で印刷することが可能である。
【0086】
特に本実施形態では、文書編集サーバ2で保持される文書データDAが、複数のユーザA,B,Cによって同時に編集作業が行われることある。このような場合、一人のユーザAが最新版の文書データDAに基づいて印刷出力を行いたいと思って印刷指示を行っても、画像形成装置3においてそれに対応する印刷ジョブの実行が開始されるまでに時間を要し、その間に他のユーザB,Cによって編集作業が行われ、文書データDAが更新されることがある。このような場合でも、本実施形態の画像形成装置3は、印刷ジョブの実行タイミングが近づいてくると、最新版の文書データDBの再取得を自動で行ってその最新版の文書データDBに基づいて印刷出力を行うため、ユーザAによって所望される最新版の文書データDBに基づいた印刷出力を良好に行うことができるようになる。
【0087】
また本実施形態の画像形成装置3は、文書編集サーバ2において文書データDAが更新されていることを確認した場合、その文書データDAの印刷指示を行ったユーザに対し、その更新後の文書データDBに基づいて印刷出力を行うか否かの問い合わせを行い、その問い合わせに対する返答結果に基づいて更新後の文書データDBを取得する構成としても良い。このような構成とすれば、印刷指示を行ったユーザの意図を確認することができ、ユーザが最新版の文書データDBでの印刷出力を意図している場合には、最新版の文書データDBを取得して印刷出力を行うことができる。したがって、このような構成によれば、印刷指示を行ったユーザの意図を確認してそのユーザの意図に基づいて最新版の文書データDBに基づいた印刷出力を行うことができるようになる。
【0088】
また本実施形態の画像形成装置3は、アクセス情報D5に基づいて文書編集サーバ2から印刷対象となる文書データDAを取得する際、その文書データDAの取得が完了するまでに要するデータ取得所要時間を計測する。そして画像形成装置3は、文書編集サーバ2から取得された文書データDAに基づいて生成された印刷ジョブが実行されるタイミングよりも、少なくともデータ取得所要時間だけ前のタイミングで、文書編集サーバ2における当該文書データDAの更新の有無を確認するように構成される。このような構成によれば、文書編集サーバ2で保持されている文書データDAが更新されている場合、画像形成装置3は、その印刷ジョブの実行が開始されるまでに最新版の文書データDBを取得することができ、印刷ジョブの実行開始タイミングとなったときには、文書データDBに基づいて生成された印刷ジョブに差し替えて印刷ジョブの実行を行うことができる。そのため、最新版の文書データDBを効率的に取得して印刷ジョブの実行を遅滞なく開始させることができるようになる。
【0089】
以上、本発明に関する実施の形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能であることは言うまでもない。
【0090】
例えば、上述した画像形成システム1では、文書編集サーバ2が拠点6とは異なる地点に設置される場合を例示したが、これに限られるものではなく、例えば拠点6におけるローカルネットワーク内に設置されるものであっても構わない。
【符号の説明】
【0091】
1 画像形成システム
2 文書編集サーバ
3 画像形成装置
4 コンピュータ(情報処理装置)
10 制御部
19 印刷ジョブ記憶部(ジョブ記憶手段)
21 電子メール受信部
22 電子メール解析部
23 アクセス情報抽出部(アクセス情報取得手段)
24 印刷ジョブ登録部(印刷ジョブ登録手段)
25 ジョブ管理部(ジョブ管理手段)
29 ジョブ実行部(ジョブ実行手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが一の文書を同時に編集可能な文書編集サーバから文書データを取得して印刷出力を行う画像形成装置であって、
印刷ジョブを記憶するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶された印刷ジョブを順次読み出して実行するジョブ実行手段と、
前記文書編集サーバから印刷対象となる文書データへのアクセス情報を取得するアクセス情報取得手段と、
前記アクセス情報取得手段によって取得されたアクセス情報に基づいて前記文書編集サーバにアクセスし、印刷対象となる文書データを取得して印刷ジョブを生成すると共に、当該印刷ジョブを前記ジョブ記憶手段に記憶する印刷ジョブ登録手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶された印刷ジョブを管理するジョブ管理手段と、
を備え、
前記ジョブ管理手段は、前記文書編集サーバから取得された文書データに基づいて生成された印刷ジョブが前記ジョブ実行手段によって実行される前に、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認し、当該文書データが更新されている場合、その更新後の文書データを取得させて印刷ジョブを生成させると共に、前記ジョブ実行手段において実行される印刷ジョブをその更新後の文書データに基づいて生成される印刷ジョブに差し替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ジョブ管理部は、前記文書編集サーバにおいて文書データが更新されている場合、当該文書データの印刷指示を行ったユーザに対して更新後の文書データに基づいて印刷出力を行うか否かの問い合わせを行い、その問い合わせに対する返答結果に基づいて更新後の文書データを取得させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブ登録手段は、前記アクセス情報取得手段によって取得されたアクセス情報に基づいて前記文書編集サーバから印刷対象となる文書データを取得する際、その文書データの取得が完了するまでに要するデータ取得所要時間を計測し、
前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行手段によって順次読み出されて実行される印刷ジョブを管理し、前記文書編集サーバから取得された文書データに基づいて生成された印刷ジョブが前記ジョブ実行手段によって読み出されて実行されるタイミングよりも、少なくとも前記データ取得所要時間だけ前のタイミングで、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数のユーザが一の文書を同時に編集可能な文書編集サーバから文書データを取得して印刷出力を行う画像形成方法であって、
(a)前記文書編集サーバから印刷対象となる文書データへのアクセス情報を取得するステップと、
(b)前記文書編集サーバから取得されたアクセス情報に基づいて前記文書編集サーバにアクセスし、印刷対象となる文書データを取得して印刷ジョブを生成すると共に、当該印刷ジョブを、所定のジョブ記憶手段に記憶するステップと、
(c)前記文書編集サーバから取得された文書データに基づいて生成された印刷ジョブが前記ジョブ記憶手段から読み出されて実行される前に、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認するステップと、
(d)前記文書編集サーバにおいて当該文書データが更新されている場合、その更新後の文書データを再度取得して印刷ジョブを生成すると共に、実行対象の印刷ジョブをその更新後の文書データに基づいて生成される印刷ジョブに差し替えるステップと、
を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】
前記ステップ(d)は、前記文書編集サーバにおいて当該文書データが更新されている場合、当該文書データの印刷指示を行ったユーザに対して更新後の文書データに基づいて印刷出力を行うか否かの問い合わせを行い、その問い合わせに対する返答結果に基づいて更新後の文書データの再取得を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記ステップ(b)は、前記文書編集サーバから印刷対象となる文書データを取得する際、その文書データの取得が完了するまでに要するデータ取得所要時間を計測し、
前記ステップ(c)は、前記文書編集サーバから取得された文書データに基づいて生成された印刷ジョブが前記ジョブ記憶手段から読み出されて実行されるタイミングよりも、少なくとも前記データ取得所要時間だけ前のタイミングで、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成方法
【請求項7】
複数のユーザが一の文書を同時に編集可能な文書編集サーバと、
前記文書編集サーバにアクセスし、ユーザからの操作に基づいて前記文書編集サーバにおいて保持される文書を編集する情報処理装置と、
前記文書編集サーバから文書データを取得して印刷出力を行う画像形成装置と、
を有する画像形成システムであって、
前記情報処理装置は、前記文書編集サーバに対して印刷対象となる文書データを指定して印刷指示を送信し、
前記文書編集サーバは、前記情報処理装置から印刷指示を受信することに伴い、前記画像形成装置に対して印刷対象となる文書データへのアクセス情報を送信し、
前記画像形成装置は、前記文書編集サーバから受信するアクセス情報に基づいて前記文書編集サーバにアクセスし、印刷対象となる文書データを取得して当該文書データに基づく印刷ジョブを所定のジョブ記憶手段に記憶すると共に、前記ジョブ記憶手段に記憶された印刷ジョブを順次読み出して実行することにより印刷出力を行う構成であり、
前記画像形成装置は、前記文書編集サーバから取得した文書データに基づく印刷ジョブを実行する前に、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認し、当該文書データが更新されている場合、その更新後の文書データを再取得して印刷ジョブを生成すると共に、実行対象となる印刷ジョブをその更新後の文書データに基づいて生成される印刷ジョブに差し替えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
前記画像形成装置は、前記文書編集サーバにおいて文書データが更新されている場合、前記情報処理装置に対して更新後の文書データに基づいて印刷出力を行うか否かの問い合わせを行い、前記情報処理装置から得られる返答結果に基づいて更新後の文書データの再取得を行うことを特徴とする請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像形成装置は、前記文書編集サーバから受信するアクセス情報に基づいて前記文書編集サーバから印刷対象となる文書データを取得する際、その文書データの取得が完了するまでに要するデータ取得所要時間を計測し、当該文書データに基づいて生成された印刷ジョブを前記ジョブ記憶手段から読み出して実行するタイミングよりも、少なくとも前記データ取得所要時間だけ前のタイミングで、前記文書編集サーバにおける当該文書データの更新の有無を確認することを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−245751(P2012−245751A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121184(P2011−121184)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】