画像形成装置、画像形成方法及びプログラム
【課題】自身が印刷不可能な状態であっても、他の画像形成装置と連携して印刷可能である場合、印刷可能な状態である旨をMIBによって応答可能な画像形成技術を提供する。
【解決手段】サブエージェント50は、自身の画像形成装置10のプリンタMIBを記憶しており、当該画像形成装置10が印刷可能な状態である場合、他の画像形成装置10に当該プリンタMIBの登録を要求する。マスターエージェント51は、自身の画像形成装置10のプリンタMIB及び他の画像形成装置10のプリンタMIBを登録し、プリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットがリモートPCから受信された場合、優先度の高いMIBを選択し、当該MIBによってその状態が示される画像形成装置からMIBを取得して、当該MIBを応答とするSNMPパケットをリモートPCに送信する。
【解決手段】サブエージェント50は、自身の画像形成装置10のプリンタMIBを記憶しており、当該画像形成装置10が印刷可能な状態である場合、他の画像形成装置10に当該プリンタMIBの登録を要求する。マスターエージェント51は、自身の画像形成装置10のプリンタMIB及び他の画像形成装置10のプリンタMIBを登録し、プリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットがリモートPCから受信された場合、優先度の高いMIBを選択し、当該MIBによってその状態が示される画像形成装置からMIBを取得して、当該MIBを応答とするSNMPパケットをリモートPCに送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の画像形成装置同士を接続して、機能の連携を図ることで、ある画像形成装置の1台だけでは実現できない機能を実現可能とする技術がある。また、ある画像形成装置において印刷不可能となった場合に、印刷可能な他の画像形成装置に印刷データを転送して印刷を代行させることで、印刷の継続を可能とする技術がある(例えば特許文献1参照)。このような技術では、画像形成装置に印刷データを送信する情報処理装置のプリンタドライバは、利用しているサービスの処理状態を監視し、処理状態に応じて各種処理を制御する。処理状態を監視する方法としては、ネットワークを介した監視や制御のためのプロトコルであるSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いる方法が広く知られている。SNMPによるネットワーク管理は、エージェントとマネージャと呼ばれるソフトウェアにより行われている。エージェントは、監視対象について、MIB(Management Information Base)と呼ばれる状態情報を管理し、マネージャからの取得の要求に応じて状態情報の読み出しや変更を行う。プリンタドライバはそれぞれ、各画像形成装置の状態を示す情報をMIB(Management Information Base)により取得する。例えば、ある画像形成装置では、当該画像形成装置が印刷不可能なとき、その状態をMIBにより応答するため、プリンタドライバは、画像形成装置は印刷不可能な状態であるという情報を取得することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、画像形成装置(画像形成装置Aとする)が印刷不可能であっても、印刷可能な他の画像形成装置(画像形成装置Bとする)と連携することで印刷の継続が可能な場合、画像形成装置Aは印刷可能な状態であるといえる。このため、MIBによっても画像形成装置Aは印刷可能な状態であるとして応答することが望まれていた。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自身が印刷不可能な状態であっても、他の画像形成装置と連携して印刷可能である場合、印刷可能な状態である旨をMIBによって応答可能な画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を実現可能な複数の画像形成装置が連携して印刷を行うことが可能な画像形成システムに接続される第1の画像形成装置であって、前記第1の画像形成装置の状態を示す第1のMIB(Management Information Base)の登録を登録手段に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第1の優先度を指定して要求し、前記複数の画像形成装置のうち第1の画像形成装置とは異なる他の画像形成装置からの要求に応じて、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBの登録を前記登録手段に対して第2の優先度を指定して要求し、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第3の優先度を指定して要求する要求手段と、前記要求手段の要求に応じて、前記第1のMIBを前記第1の優先度と対応付けて登録し、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBを前記第2の優先度と対応付けて登録する登録手段と、MIBの送信を要求するSNMPパケットを情報処理装置から受信する受信手段と、前記SNMPパケットを前記受信手段が受信した場合に、前記第1のMIBに対応付けられた前記第1の優先度及び前記第2のMIBに対応付けられた前記第2の優先度に応じて、MIBを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を実現可能な複数の画像形成装置が連携して印刷を行うことが可能な画像形成システムに接続される第1の画像形成装置で実行される画像形成方法であって、前記第1の画像形成装置は、要求手段と、登録手段と、受信手段と、選択手段と、取得手段と、送信手段とを備え、前記要求手段が、前記第1の画像形成装置の状態を示す第1のMIB(Management Information Base)の登録を登録手段に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第1の優先度を指定して要求する第1要求ステップと、前記要求手段が、前記複数の画像形成装置のうち第1の画像形成装置とは異なる他の画像形成装置からの要求に応じて、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBの登録を前記登録手段に対して第2の優先度を指定して要求する第2要求ステップと、前記要求手段が、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第3の優先度を指定して要求する第3要求ステップと、前記登録手段が、前記第1要求ステップでの要求に応じて、前記第1のMIBを前記第1の優先度と対応付けて登録する第1登録ステップと、前記登録手段が、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBを前記第2の優先度と対応付けて登録する第2登録ステップと、前記受信手段が、MIBの送信を要求するSNMPパケットを情報処理装置から受信する受信手段と、前記送信手段が、前記SNMPパケットが前記受信ステップで受信された場合に、前記第1のMIBに対応付けられた前記第1の優先度及び前記第2のMIBに対応付けられた前記第2の優先度に応じて、MIBを送信する送信ステップとを含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、自身が印刷不可能な状態であっても、他の画像形成装置と連携して印刷可能である場合、印刷可能な状態である旨をMIBによって応答可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、一実施の形態にかかる画像形成システムの構成を例示する図である。
【図2】図2は、画像形成装置10のハードウェア構成を例示する図である。
【図3】図3は、画像形成装置10の基本的なソフトウェア構成を例示する図である。
【図4】図4は、SNMPエージェント機能を実現させるためのソフトウェア構成を例示する図である。
【図5】図5は、プリンタMIBの登録及びその登録の解除を行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、プリンタMIBの登録及びその登録の解除を行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、画像形成装置10Aと画像形成装置10BとのそれぞれについてプリンタMIBの登録状況を概念的に例示する図である。
【図8】図8は、一変形例にかかる画像形成システムの構成を例示する図である。
【図9】図9は、一変形例にかかるサブエージェント50が記憶するIPアドレス及び優先度を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成を例示する図である。本実施の形態にかかる画像形成システムは、画像形成装置10A〜10Bと、リモートPC100A〜100Bとを備える。画像形成装置10A〜10Bと、リモートPC100A〜100Bとはネットワークを介して接続されて通信を行う。ネットワークとは、例えば、LAN(Local Area Network)、イントラネット、イーサネット(登録商標)又はインターネットなどである。画像形成装置10A〜10Bはそれぞれ、SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を実現可能であり、連携して印刷を行うことが可能である。尚、画像形成装置10A〜10Bを各々区別する必要がない場合には、以降、単に画像形成装置10と記載する。また、リモートPC100A〜100Bを各々区別する必要がない場合には、以降、単にリモートPC100と記載する。リモートPC100は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、画像形成装置10に対してプリンタMIBの送信を要求したり、画像の印刷を指示する印刷データを送信したりする。
【0012】
次に、画像形成装置10のハードウェア構成について図2を用いて説明する。画像形成装置10は、コントローラ60と,オペレーションパネル80と,FCU81と,エンジン部82とを含む。コントローラ60は、CPU61と,システムメモリ62と,ノースブリッジ(NB)63と,サウスブリッジ(SB)64と,ASIC66と,ローカルメモリ67と,HDD68と、ネットワークインターフェースカード(NIC)69と,USBデバイス71と,IEEE1394デバイス72と,セントロニクス73と、NVRAM76と、TPM77とを含む。
【0013】
オペレーションパネル80は、コントローラ60のASIC66に接続されている。また、FCU81およびエンジン部82は、コントローラ60のASIC66にPCIバス83で接続されている。
【0014】
コントローラ60は、ASIC66にローカルメモリ67,HDD68などが接続されると共に、CPU61とASIC66とがCPUチップセットのNB63を介して接続されている。ASIC66とNB63とはAGP(Accelerated Graphics Port )65を介して接続されている。
【0015】
NB63は、CPU61,システムメモリ62,SB64,ASIC66,NIC69,USBデバイス71,IEEE1394デバイス72およびセントロニクス73を接続するためのブリッジである。
【0016】
SB64,NIC69,USBデバイス71,IEEE1394デバイス72およびセントロニクス73は、PCIバス74を介してNB63に接続されている。なお、SB64は、PCIバス74とROMや周辺デバイス等とを接続するためのブリッジである。
【0017】
CPU61は、SB64を介して接続されるROMやHDD68に記憶された各種ソフトウェアを読み出してこれを起動し、画像形成装置10全体を制御すると共に、各種機能を実現させる。
【0018】
システムメモリ62は、画像形成装置10の描画用メモリなどとして用いるメモリである。ローカルメモリ67はコピー用画像バッファ,符号バッファとして用いるメモリである。
【0019】
ASIC66は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。HDD68は、画像データや、文書データや、各種ソフトウェアや、フォントデータフォームなどを記憶する補助記憶装置である。
【0020】
NIC69は、画像形成装置10をネットワークに接続するインターフェース機器である。USBデバイス71,IEEE1394デバイス72およびセントロニクス73は、夫々の規格に準じたインターフェースである。NVRAM76は、CPU61が各種ソフトウェアを実行する際の各種データや各種ソフトウェアを記憶する。
【0021】
オペレーションパネル80は、オペレータからの入力操作を受け付けると共に、オペレータに向けた表示を行う。エンジン部82は、画像を処理する画像処理手段として、白黒レーザープリンタ(B&W LP)11と,カラーレーザープリンタ(ColorLP)12と,スキャナ13とを有する。白黒レーザープリンタ(B&W LP)11と,カラーレーザープリンタ(ColorLP)12とは、紙などの印刷媒体に画像を形成することにより、印刷を行う。FCU81は、ファクシミリ通信を制御するユニットであり、図示しないメモリを有する。このメモリは、例えば画像形成装置10の電源がOFFのときに受信したファクシミリデータを一時的に格納するために利用される。
【0022】
次に、画像形成装置10の基本的なソフトウェア構成について図3を用いて説明する。画像形成装置10は、ソフトウェア群として、アプリケーション30とプラットフォーム40とを有する。これらの実体は、ROMやHDD68に記憶された各種ソフトウェアである。CPU61がこれらの各種ソフトウェアを読み出して実行することにより、各ソフトウェアが起動して、以下に示す各種機能が実現される。
【0023】
アプリケーション30は、プリンタ,コピー,ファクシミリおよびスキャナなどの画像形成処理にかかるユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うものである。アプリケーション30は、ページ記述言語(PDL,PCL)およびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のソフトウェアであるプリンタアプリ31と,コピー用のソフトウェアであるコピーアプリ32と,ファクシミリ用ソフトウェアであるファックスアプリ33と,スキャナ用ソフトウェアであるスキャナアプリ34と,ネットワークファイル用ソフトウェアであるネットファイルアプリ35とを有している。
【0024】
また、プラットフォーム40は、アプリケーション30からの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生するコントロールサービスと、B&W LP11,ColorLP12及びスキャナ13のうち1つ以上の管理を行ってコントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(以下、SRMという)43と、オペレーティングシステム(以下、OSという)41とを有するように構成されている。
【0025】
コントロールサービスは、システムコントロールサービス(以下、SCSという)42,エンジンコントロールサービス(以下、ECSという)44,メモリコントロールサービス(以下、MCSという)45,オペレーションパネルコントロールサービス(以下、OCSという)46,ファックスコントロールサービス(以下、FCSという)47,ネットワークコントロールサービス(以下、NCSという)48など、一つ以上のサービスモジュールを有するように構成されている。
【0026】
なお、プラットフォーム40は予め定義されている関数によりアプリケーション30からの処理要求を受信可能とするソフトウェアプログラムインターフェース(以下、APIという)を有するように構成されている。OS41は、UNIX(登録商標)等であって、プラットフォーム40およびアプリケーション30の各ソフトウェアをプロセスとして並列実行する。
【0027】
SRM43のプロセスは、SCS42と共にシステムの制御およびハードウェア資源の管理を行うものである。例えばSRM43のプロセスは、エンジン,メモリ,HDDファイル,ホストI/O(セントロI/F,ネットワークI/F,IEEE1394 I/F,RS232C I/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求に従って調停を行い、実行制御する。
【0028】
具体的に、SRM43は要求されたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判定し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に通知する。また、SRM43は上位層からの要求に対してハードウェア資源を利用するためのスケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンによる紙搬送と作像動作,メモリ確保,ファイル生成など)を直接実施している。
【0029】
SCS42のプロセスは、ソフトウェアの管理,オペレーションパネル80の制御及び画面表示,LED表示,ハードウェア資源の管理,割り込みソフトウェア制御などの処理を行う。ECS44のプロセスは、白黒レーザープリンタ11,カラーレーザープリンタ12,スキャナ13などのエンジンの制御を行う。
【0030】
MCS45のプロセスは、画像メモリの取得および解放,HDD68の利用,画像データの圧縮および伸張などのメモリ制御を行う。OCS46のプロセスは、オペレーションパネル80の制御を行う。
【0031】
FCS47のプロセスは、システムコントローラの各ソフトウェア層からPSTNまたはISDN網を利用したファクシミリ送受信,バックアップ用のメモリで管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用,ファクシミリ読み取り,ファクシミリ受信印刷,融合送受信を行うためのAPIを提供する。
【0032】
NCS48のプロセスは、ネットワークI/Oを必要とするソフトウェアに対して共通に利用できるサービスを提供するものであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各ソフトウェアに振り分けたり、各ソフトウェアからのデータをネットワーク側に送信したりする際の仲介を行う。
【0033】
例えばNCS48は、ネットワークを介して接続されるネットワーク機器とのデータ通信をhttpd(HyperText Transfer Protocol Daemon)により、HTTP(HyperText Transfer Protocol)で制御する。
【0034】
画像形成装置10は、各ソフトウェアで共通的に必要な処理をプラットフォーム40で一元的に処理することができる。このような画像形成装置10のCPU61は、OS41上にSCS42,SRM43,ECS44,MCS45,OCS46,FCS47及びNCS48をそれぞれプロセスとして起動して実行させると共に、アプリケーション30を形成するプリンタアプリ31,コピーアプリ32,ファックスアプリ33,スキャナアプリ34,ネットファイルアプリ35を適宜起動して実行させることにより、各種機能を実現させる。
【0035】
以上のようなソフトウェア構成に加えて、画像形成装置10は、SNMPエージェント機能を実現させるためのソフトウェアを更に有する。ここで、本実施の形態にかかるSNMPエージェント機能を実現させるためのソフトウェア構成について図4を用いて説明する。画像形成装置10は、サブエージェント50と、マスターエージェント51と、ネットワークI/F52とを有する。これらの実体は、ROMやHDD68に記憶された各種ソフトウェアである。CPU61がこれらの各種ソフトウェアを読み出して実行することにより、各ソフトウェアが起動して、以下に示す各種機能が実現される。尚、画像形成装置10Aと画像形成装置10Bとが各々有するものを区別する必要がある場合には、画像形成装置10Aが有するものをサブエージェント50Aと、マスターエージェント51Aと、ネットワークI/F52Aと記載し、画像形成装置10Bが有するものをサブエージェント50Bと、マスターエージェント51Bと、ネットワークI/F52Bと記載する場合がある。
【0036】
ネットワークI/F52は、上述のNCS48に相当し、ネットワークを介した通信を制御する。サブエージェント50は、当該サブエージェント50を有する画像形成装置10自身の状態を示すMIB(プリンタMIBという)を記憶しており、マスターエージェント51に対してAgentXプロトコルを用いて、当該プリンタMIBの登録を要求する。尚、プリンタMIBは、例えばローカルメモリ67においてサブエージェント50に割り当てられた記憶領域に記憶される。当該プリンタMIBの登録の要求時には、サブエージェント50は、画像形成装置10の利用の優先度として、「1」から「255」までの優先度を指定することができる。優先度の初期値は「127」であり、その値が小さい程利用の優先の度合いが高くなる。具体的には、サブエージェント50は、起動時には、低位の優先度(例えば優先度「255」)を指定し、その後、当該サブエージェント50を有する画像形成装置10が印刷可能な状態か否かを検出し、当該画像形成装置10が印刷可能な状態である場合、高位の優先度(例えば優先度「1」)を指定する。印刷可能な状態とは、例えば、エンジン部82における印刷に用いられるトナーが所定量以上である状態や、エンジン部82に不具合が生じていない状態などである。当該画像形成装置10が印刷不可能な状態になった場合、サブエージェント50は、高位の優先度のプリンタMIBの登録の解除を要求する。
【0037】
また、サブエージェント50は、画像形成システムに接続されて連携可能な他の画像形成装置10の接続先を示す接続先情報を記憶している。接続先情報は、例えば、IPアドレスである。接続先情報は、例えばローカルメモリ67においてサブエージェント50に割り当てられた記憶領域に記憶されるが、プリンタMIBが記憶される記憶領域と同じ記憶領域であっても異なる記憶領域であっても良い。そして、当該サブエージェント50を有する画像形成装置10が印刷可能な状態である場合、サブエージェント50は、接続先情報を参照して、ネットワークI/F52を介して、他の画像形成装置10の有するマスターエージェント51に対して、中位の優先度(例えば優先度「127」)を指定してプリンタMIBの登録を要求し、当該サブエージェント50を有する画像形成装置10が印刷不可能な状態になった場合、他の画像形成装置10の有するマスターエージェント51に対して、中位の優先度のプリンタMIBの登録の解除を要求し、自身の画像形成装置10の有するマスターエージェント51に対して、高位の優先度のプリンタMIBの登録の解除を要求する。また、サブエージェント50は、他の画像形成装置10の有するマスターエージェント51からプリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットを受信すると、当該マスターエージェント51に対して、自身が記憶しているプリンタMIBを応答とするSNMPパケットを送信する。
【0038】
マスターエージェント51は、自身の画像形成装置10の有するサブエージェント50からプリンタMIBの登録がAgentXプロトコルによって要求されると、当該プリンタMIBを指定された優先度と対応付けて記憶することにより、当該プリンタMIBを登録する。また、マスターエージェント51は、他の画像形成装置10の有するサブエージェント50からプリンタMIBの登録がAgentXプロトコルによって要求されると、自身の画像形成装置10が他の画像形成装置10からの印刷要求を受け入れ可能な状態であるか否かを検出し、当該印刷要求を受け入れ可能な状態である場合、当該プリンタMIBを指定された優先度と対応付けて記憶することにより、当該プリンタMIBを登録する。他の画像形成装置10からの印刷要求を受け入れ可能な状態であるとは、例えば、自身の画像形成装置50が印刷可能な状態であると共に、エンジン部82に対して印刷を指示する印刷ジョブの数が所定数以下である状態である。プリンタMIBは、例えばローカルメモリ67においてマスターエージェント51に割り当てられた記憶領域に記憶される。また、上述の接続先情報もマスターエージェント51に割り当てられた記憶領域に記憶される。マスターエージェント51は、ネットワークI/F52を介してリモートPC100からプリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットを受信すると、記憶しているプリンタMIBのうち優先度が高いプリンタMIBを選択して、選択したプリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置10のサブエージェント50から当該プリンタMIBを取得する。具体的には、選択したプリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置10が他の画像形成装置10である場合、マスターエージェント51は、接続先情報を参照して、当該他の画像形成装置10のサブエージェント50に対してネットワークI/F52を介してプリンタMIBの送信を要求するSMNPパケットを送信して、この要求に応じて送信されたプリンタMIBをネットワークI/F52を介して受信する。一方、選択したプリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置10が自身の画像形成装置10である場合、当該画像形成装置10のサブエージェント50に対してプリンタMIBの送信を要求し、当該要求に応じたサブエージェント50からプリンタMIBを取得する。いずれの場合であっても、マスターエージェント51は、取得したプリンタMIBを応答とするSNMPパケットをリモートPC100にネットワークI/F52を介して送信する。
【0039】
また、マスターエージェント51は、ネットワークI/F52を介してリモートPC100から画像の印刷を指示する印刷データを受信すると、記憶されているプリンタMIBのうち優先度が高いプリンタMIBを優先して選択し、選択したプリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置10で印刷を行うことを決定する。決定した画像形成装置10が他の画像形成装置10である場合、マスターエージェント51は、ネットワークI/F52を介して、当該他の画像形成装置10に印刷データを送信することにより、印刷の実行を要求する(印刷要求)。この結果、他の画像形成装置10で印刷データを用いた印刷が行われる。決定した画像形成装置10が自身の画像形成装置10である場合、画像形成装置10が、印刷データを用いて、自身のエンジン部82により印刷を行う。
【0040】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置10の行う処理の手順について説明する。まず、サブエージェント50が、自身の画像形成装置10の有するマスターエージェント51に対してプリンタMIBの登録及びその登録の解除を行う処理の手順について図5を用いて説明する。ここでは、例えば、画像形成装置10Aを主体として説明する。画像形成装置10Aの有するサブエージェント50Aは、起動後、マスターエージェント51Aに対してAgentXプロトコルを用いて、当該サブエージェント50Aが記憶しているプリンタMIBの登録を、低位の優先度(例えば優先度「255」)を指定して要求する(ステップS1)。マスターエージェント51Aは、当該要求に応じて、当該プリンタMIBと優先度「255」とを対応付けて記憶する。また、サブエージェント50Aは、当該画像形成装置10Aが印刷可能な状態であるか否かを判定し(ステップS2)、当該画像形成装置10Aが印刷可能な状態であると判定した場合(ステップS2:YES)、マスターエージェント51Aに対して、当該サブエージェント50Aが記憶しているプリンタMIBの登録を、高位の優先度(例えば優先度「1」)を指定して要求して(ステップS3)、ステップS2に戻る。一方、当該画像形成装置10Aが印刷不可能な状態であると判定した場合(ステップS2:NO)、サブエージェント50Aは、マスターエージェント51Aに対して、当該サブエージェント50Aが記憶しているプリンタMIBの登録の解除を要求する(ステップS4)。この場合、マスターエージェント51Aは、当該要求に応じて、画像形成装置10AのプリンタMIBを削除するようにしても良いし、画像形成装置10AのプリンタMIBと対応付けられて記憶されている優先度を低位(例えば優先度「255」)に更新するようにしても良い。ステップS4の後、ステップS2に戻る。その後、当該画像形成装置10Aが印刷可能な状態になったときには、ステップS2の判定結果が肯定的となってステップS3に進み、当該画像形成装置10AのプリンタMIBが高位の優先度「1」と対応付けられてマスターエージェント51Aに記憶されることになる。
【0041】
次に、画像形成装置10Aの有するサブエージェント50Aが、画像形成装置10Aと連携する他の画像形成装置10Bの有するマスターエージェント51Bに対してプリンタMIBの登録及びその登録の解除を行う処理の手順について図6を用いて説明する。画像形成装置10Aの有するサブエージェント50Aは、他の画像形成装置10Bからの印刷要求を受け入れ可能な状態であるか否かを判定する(ステップS10)。そして、他の画像形成装置10Bからの印刷要求を受け入れ可能な状態であると判定した場合(ステップS10:YES)、サブエージェント50Aは、他の画像形成装置10Bの有するマスターエージェント51Bに対してネットワークI/F52Aを介して、サブエージェント50Aが記憶しているプリンタMIBの登録を、中位の優先度(例えば優先度「127」)を指定して要求する(ステップS11)。一方、他の画像形成装置10Bからの印刷要求を受け入れ不可能な状態であると判定した場合(ステップS10:NO)、サブエージェント50Aは、他の画像形成装置10Bの有するマスターエージェント51Bに対してネットワークI/F52Aを介して、サブエージェント50Aを有する画像形成装置10AのプリンタMIBの登録の解除を要求する(ステップS12)。この場合、他の画像形成装置10Bの有するマスターエージェント51Bは、当該要求に応じて、画像形成装置10AのプリンタMIBを削除するようにしても良いし、画像形成装置10AのプリンタMIBと対応付けられて記憶している優先度を低位(例えば優先度「255」)に更新するようにしても良い。
【0042】
図7は、画像形成装置10Aと画像形成装置10BとのそれぞれについてプリンタMIBの登録状況を概念的に例示する図である。例えば、画像形成装置10Aは印刷不可能な状態であるが、画像形成装置10Bは印刷可能な状態である場合、同図に示されるように、画像形成装置10Aのマスターエージェント51Aには、画像形成装置10AのプリンタMIBが低位の優先度と対応付けられて記憶され、画像形成装置10BのプリンタMIBが中位の優先度と対応付けられて記憶される。一方、画像形成装置10Bのマスターエージェント51Bには、画像形成装置10BのプリンタMIBが高位の優先度と対応付けられて記憶され、画像形成装置10AのプリンタMIBが低位の優先度と対応付けられて記憶される。
【0043】
このような登録状況において、画像形成装置10Aが、リモートPC100からプリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットを受信すると、マスターエージェント51Aの機能により、一番高い優先度(ここでは優先度「1」である)が対応付けられて登録されているプリンタMIBを検索する。図7の例では、画像形成装置10BのプリンタMIBが該当する。この場合、画像形成装置10Aは、マスターエージェント51Aの機能により、画像形成装置10BのプリンタMIBを選択して、画像形成装置10Bのサブエージェント50Bに対してネットワークI/F52Aを介してプリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットを送信する。画像形成装置10Bは、当該SNMPパケットを受信すると、サブエージェント50Bの機能により、当該要求に応じて、記憶しているプリンタMIBを応答とするSNMPパケットを画像形成装置10Aのマスターエージェント51AにネットワークI/F52Bを介して送信する。画像形成装置10Aは、当該SNMPパケットを受信すると、マスターエージェント51Aの機能により、画像形成装置10BのプリンタMIBを応答とするSNMPパケットをリモートPC100にネットワークI/F52Aを介して送信する。
【0044】
また、画像形成装置10Aが、リモートPC100から印刷データを受信すると、マスターエージェント51Aの機能により、一番高い優先度が対応付けられて登録されているプリンタMIBを検索する。図7の例では、画像形成装置10BのプリンタMIBが該当する。この場合、画像形成装置10Aは、マスターエージェント51Aの機能により、画像形成装置10BのプリンタMIBを選択して、画像形成装置10Bで印刷を行うことを決定し、画像形成装置10BにネットワークI/F52Aを介して印刷データを送信する。画像形成装置10Bは、印刷データを受信すると、当該印刷データを用いて、印刷を行う。
【0045】
以上のようにして、SNMPエージェント機能を有する複数の画像形成装置同士で連携して印刷を行うことが可能な画像形成システムにおいて、画像形成装置は印刷可能な状態である場合、自身のプリンタMIBを自身に対してだけではなく他の画像形成装置に対しても登録しておく。そして、画像形成装置は、プリンタMIBの送信がリモートPCから要求された場合、登録したプリンタMIBの中から優先度の高いプリンタMIBを選択して、当該プリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置からプリンタMIBを取得して当該プリンタMIBを応答としてリモートPCに送信する。これにより、印刷不可能な状態である画像形成装置からであっても、当該画像形成装置と連携可能な他の画像形成装置が印刷可能な状態であれば、印刷可能な状態である旨を示すプリンタMIBを応答としてリモートPCに返すことができる。そして、画像形成装置は、画像の印刷を指示する印刷データをリモートPCから受信した場合、登録したプリンタMIBの中から優先度の高いプリンタMIBを選択して、選択したプリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置に当該印刷データを用いた印刷を行わせる。これにより、印刷不可能な状態である画像形成装置が印刷データを受信したとしても、当該画像形成装置と連携可能な他の画像形成装置が印刷可能な状態であれば、当該他の画像形成装置に印刷を代行させることができる。
【0046】
尚、画像形成装置が印刷可能な状態である場合、自身のプリンタMIBの登録を他の画像形成装置に要求するタイミングや条件は限定されず、当該画像形成装置にとって都合の良いタイミングであれば良い。このため、画像形成装置同士が各々都合の良いタイミングで連携することが可能である。
【0047】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0048】
上述した実施の形態において、画像形成装置10で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成しても良い。
【0049】
上述した実施の形態において、画像形成装置10は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも1つの機能を有するものであっても良く、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【0050】
上述した実施の形態において、画像形成システムの備える画像形成装置10は2つであるとしたが、これに限らず、3つ以上であっても良い。この場合、例えば、図8に例示されるように、少なくとも1つの画像形成装置10CがリモートPC100に接続されてはいない構成であっても良い。この画像形成装置10Cは、画像形成装置10A〜10Bと接続されて、上述したサブエージェント50及びマスターエージェント51の機能を実現可能であることにより、画像形成装置10A〜10Bと連携して、印刷を行うことが可能である。
【0051】
上述した実施の形態において、サブエージェント50は、図9に例示されるように、画像形成システムに接続されて連携可能な他の画像形成装置10の接続先情報を優先度と対応付けて記憶するようにしても良い。
【0052】
また、優先度の値は、上述の例に限らず、各画像形成装置10A〜10Bで各々任意に決定するようにしても良い。
【0053】
また、マスターエージェント51は、プリンタMIBの記憶を優先度と対応付けて行うようにしたが、優先度と対応付けて行わなくても良い。この場合、マスターエージェント51は、プリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットや印刷データを受信した場合、自身が記憶している、当該マスターエージェント51を有する画像形成装置10のプリンタMIBや当該画像形成装置10と連携可能な他の画像形成装置10のプリンタMIBを、所定の条件に応じて、選択するようにすれば良い。
【0054】
上述した実施の形態において、マスターエージェント51は、プリンタMIBの送信が要求された場合及び印刷データが受信された場合、一番高い優先度が対応付けられて登録されているプリンタMIBを選択するようにしたが、これに限らず、例えば、優先度が所定の値以上であるプリンタMIBを選択するようにしても良い。
【符号の説明】
【0055】
10,10A,10B,10C 画像形成装置
50,50A,50B サブエージェント
51,51A,51B マスターエージェント
82 エンジン部
52,52A,52B ネットワークI/F
100,100A,100B リモートPC
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2007−062059号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の画像形成装置同士を接続して、機能の連携を図ることで、ある画像形成装置の1台だけでは実現できない機能を実現可能とする技術がある。また、ある画像形成装置において印刷不可能となった場合に、印刷可能な他の画像形成装置に印刷データを転送して印刷を代行させることで、印刷の継続を可能とする技術がある(例えば特許文献1参照)。このような技術では、画像形成装置に印刷データを送信する情報処理装置のプリンタドライバは、利用しているサービスの処理状態を監視し、処理状態に応じて各種処理を制御する。処理状態を監視する方法としては、ネットワークを介した監視や制御のためのプロトコルであるSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いる方法が広く知られている。SNMPによるネットワーク管理は、エージェントとマネージャと呼ばれるソフトウェアにより行われている。エージェントは、監視対象について、MIB(Management Information Base)と呼ばれる状態情報を管理し、マネージャからの取得の要求に応じて状態情報の読み出しや変更を行う。プリンタドライバはそれぞれ、各画像形成装置の状態を示す情報をMIB(Management Information Base)により取得する。例えば、ある画像形成装置では、当該画像形成装置が印刷不可能なとき、その状態をMIBにより応答するため、プリンタドライバは、画像形成装置は印刷不可能な状態であるという情報を取得することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、画像形成装置(画像形成装置Aとする)が印刷不可能であっても、印刷可能な他の画像形成装置(画像形成装置Bとする)と連携することで印刷の継続が可能な場合、画像形成装置Aは印刷可能な状態であるといえる。このため、MIBによっても画像形成装置Aは印刷可能な状態であるとして応答することが望まれていた。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自身が印刷不可能な状態であっても、他の画像形成装置と連携して印刷可能である場合、印刷可能な状態である旨をMIBによって応答可能な画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を実現可能な複数の画像形成装置が連携して印刷を行うことが可能な画像形成システムに接続される第1の画像形成装置であって、前記第1の画像形成装置の状態を示す第1のMIB(Management Information Base)の登録を登録手段に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第1の優先度を指定して要求し、前記複数の画像形成装置のうち第1の画像形成装置とは異なる他の画像形成装置からの要求に応じて、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBの登録を前記登録手段に対して第2の優先度を指定して要求し、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第3の優先度を指定して要求する要求手段と、前記要求手段の要求に応じて、前記第1のMIBを前記第1の優先度と対応付けて登録し、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBを前記第2の優先度と対応付けて登録する登録手段と、MIBの送信を要求するSNMPパケットを情報処理装置から受信する受信手段と、前記SNMPパケットを前記受信手段が受信した場合に、前記第1のMIBに対応付けられた前記第1の優先度及び前記第2のMIBに対応付けられた前記第2の優先度に応じて、MIBを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を実現可能な複数の画像形成装置が連携して印刷を行うことが可能な画像形成システムに接続される第1の画像形成装置で実行される画像形成方法であって、前記第1の画像形成装置は、要求手段と、登録手段と、受信手段と、選択手段と、取得手段と、送信手段とを備え、前記要求手段が、前記第1の画像形成装置の状態を示す第1のMIB(Management Information Base)の登録を登録手段に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第1の優先度を指定して要求する第1要求ステップと、前記要求手段が、前記複数の画像形成装置のうち第1の画像形成装置とは異なる他の画像形成装置からの要求に応じて、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBの登録を前記登録手段に対して第2の優先度を指定して要求する第2要求ステップと、前記要求手段が、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第3の優先度を指定して要求する第3要求ステップと、前記登録手段が、前記第1要求ステップでの要求に応じて、前記第1のMIBを前記第1の優先度と対応付けて登録する第1登録ステップと、前記登録手段が、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBを前記第2の優先度と対応付けて登録する第2登録ステップと、前記受信手段が、MIBの送信を要求するSNMPパケットを情報処理装置から受信する受信手段と、前記送信手段が、前記SNMPパケットが前記受信ステップで受信された場合に、前記第1のMIBに対応付けられた前記第1の優先度及び前記第2のMIBに対応付けられた前記第2の優先度に応じて、MIBを送信する送信ステップとを含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、自身が印刷不可能な状態であっても、他の画像形成装置と連携して印刷可能である場合、印刷可能な状態である旨をMIBによって応答可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、一実施の形態にかかる画像形成システムの構成を例示する図である。
【図2】図2は、画像形成装置10のハードウェア構成を例示する図である。
【図3】図3は、画像形成装置10の基本的なソフトウェア構成を例示する図である。
【図4】図4は、SNMPエージェント機能を実現させるためのソフトウェア構成を例示する図である。
【図5】図5は、プリンタMIBの登録及びその登録の解除を行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、プリンタMIBの登録及びその登録の解除を行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、画像形成装置10Aと画像形成装置10BとのそれぞれについてプリンタMIBの登録状況を概念的に例示する図である。
【図8】図8は、一変形例にかかる画像形成システムの構成を例示する図である。
【図9】図9は、一変形例にかかるサブエージェント50が記憶するIPアドレス及び優先度を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成を例示する図である。本実施の形態にかかる画像形成システムは、画像形成装置10A〜10Bと、リモートPC100A〜100Bとを備える。画像形成装置10A〜10Bと、リモートPC100A〜100Bとはネットワークを介して接続されて通信を行う。ネットワークとは、例えば、LAN(Local Area Network)、イントラネット、イーサネット(登録商標)又はインターネットなどである。画像形成装置10A〜10Bはそれぞれ、SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を実現可能であり、連携して印刷を行うことが可能である。尚、画像形成装置10A〜10Bを各々区別する必要がない場合には、以降、単に画像形成装置10と記載する。また、リモートPC100A〜100Bを各々区別する必要がない場合には、以降、単にリモートPC100と記載する。リモートPC100は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、画像形成装置10に対してプリンタMIBの送信を要求したり、画像の印刷を指示する印刷データを送信したりする。
【0012】
次に、画像形成装置10のハードウェア構成について図2を用いて説明する。画像形成装置10は、コントローラ60と,オペレーションパネル80と,FCU81と,エンジン部82とを含む。コントローラ60は、CPU61と,システムメモリ62と,ノースブリッジ(NB)63と,サウスブリッジ(SB)64と,ASIC66と,ローカルメモリ67と,HDD68と、ネットワークインターフェースカード(NIC)69と,USBデバイス71と,IEEE1394デバイス72と,セントロニクス73と、NVRAM76と、TPM77とを含む。
【0013】
オペレーションパネル80は、コントローラ60のASIC66に接続されている。また、FCU81およびエンジン部82は、コントローラ60のASIC66にPCIバス83で接続されている。
【0014】
コントローラ60は、ASIC66にローカルメモリ67,HDD68などが接続されると共に、CPU61とASIC66とがCPUチップセットのNB63を介して接続されている。ASIC66とNB63とはAGP(Accelerated Graphics Port )65を介して接続されている。
【0015】
NB63は、CPU61,システムメモリ62,SB64,ASIC66,NIC69,USBデバイス71,IEEE1394デバイス72およびセントロニクス73を接続するためのブリッジである。
【0016】
SB64,NIC69,USBデバイス71,IEEE1394デバイス72およびセントロニクス73は、PCIバス74を介してNB63に接続されている。なお、SB64は、PCIバス74とROMや周辺デバイス等とを接続するためのブリッジである。
【0017】
CPU61は、SB64を介して接続されるROMやHDD68に記憶された各種ソフトウェアを読み出してこれを起動し、画像形成装置10全体を制御すると共に、各種機能を実現させる。
【0018】
システムメモリ62は、画像形成装置10の描画用メモリなどとして用いるメモリである。ローカルメモリ67はコピー用画像バッファ,符号バッファとして用いるメモリである。
【0019】
ASIC66は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。HDD68は、画像データや、文書データや、各種ソフトウェアや、フォントデータフォームなどを記憶する補助記憶装置である。
【0020】
NIC69は、画像形成装置10をネットワークに接続するインターフェース機器である。USBデバイス71,IEEE1394デバイス72およびセントロニクス73は、夫々の規格に準じたインターフェースである。NVRAM76は、CPU61が各種ソフトウェアを実行する際の各種データや各種ソフトウェアを記憶する。
【0021】
オペレーションパネル80は、オペレータからの入力操作を受け付けると共に、オペレータに向けた表示を行う。エンジン部82は、画像を処理する画像処理手段として、白黒レーザープリンタ(B&W LP)11と,カラーレーザープリンタ(ColorLP)12と,スキャナ13とを有する。白黒レーザープリンタ(B&W LP)11と,カラーレーザープリンタ(ColorLP)12とは、紙などの印刷媒体に画像を形成することにより、印刷を行う。FCU81は、ファクシミリ通信を制御するユニットであり、図示しないメモリを有する。このメモリは、例えば画像形成装置10の電源がOFFのときに受信したファクシミリデータを一時的に格納するために利用される。
【0022】
次に、画像形成装置10の基本的なソフトウェア構成について図3を用いて説明する。画像形成装置10は、ソフトウェア群として、アプリケーション30とプラットフォーム40とを有する。これらの実体は、ROMやHDD68に記憶された各種ソフトウェアである。CPU61がこれらの各種ソフトウェアを読み出して実行することにより、各ソフトウェアが起動して、以下に示す各種機能が実現される。
【0023】
アプリケーション30は、プリンタ,コピー,ファクシミリおよびスキャナなどの画像形成処理にかかるユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うものである。アプリケーション30は、ページ記述言語(PDL,PCL)およびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のソフトウェアであるプリンタアプリ31と,コピー用のソフトウェアであるコピーアプリ32と,ファクシミリ用ソフトウェアであるファックスアプリ33と,スキャナ用ソフトウェアであるスキャナアプリ34と,ネットワークファイル用ソフトウェアであるネットファイルアプリ35とを有している。
【0024】
また、プラットフォーム40は、アプリケーション30からの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生するコントロールサービスと、B&W LP11,ColorLP12及びスキャナ13のうち1つ以上の管理を行ってコントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(以下、SRMという)43と、オペレーティングシステム(以下、OSという)41とを有するように構成されている。
【0025】
コントロールサービスは、システムコントロールサービス(以下、SCSという)42,エンジンコントロールサービス(以下、ECSという)44,メモリコントロールサービス(以下、MCSという)45,オペレーションパネルコントロールサービス(以下、OCSという)46,ファックスコントロールサービス(以下、FCSという)47,ネットワークコントロールサービス(以下、NCSという)48など、一つ以上のサービスモジュールを有するように構成されている。
【0026】
なお、プラットフォーム40は予め定義されている関数によりアプリケーション30からの処理要求を受信可能とするソフトウェアプログラムインターフェース(以下、APIという)を有するように構成されている。OS41は、UNIX(登録商標)等であって、プラットフォーム40およびアプリケーション30の各ソフトウェアをプロセスとして並列実行する。
【0027】
SRM43のプロセスは、SCS42と共にシステムの制御およびハードウェア資源の管理を行うものである。例えばSRM43のプロセスは、エンジン,メモリ,HDDファイル,ホストI/O(セントロI/F,ネットワークI/F,IEEE1394 I/F,RS232C I/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求に従って調停を行い、実行制御する。
【0028】
具体的に、SRM43は要求されたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判定し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に通知する。また、SRM43は上位層からの要求に対してハードウェア資源を利用するためのスケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンによる紙搬送と作像動作,メモリ確保,ファイル生成など)を直接実施している。
【0029】
SCS42のプロセスは、ソフトウェアの管理,オペレーションパネル80の制御及び画面表示,LED表示,ハードウェア資源の管理,割り込みソフトウェア制御などの処理を行う。ECS44のプロセスは、白黒レーザープリンタ11,カラーレーザープリンタ12,スキャナ13などのエンジンの制御を行う。
【0030】
MCS45のプロセスは、画像メモリの取得および解放,HDD68の利用,画像データの圧縮および伸張などのメモリ制御を行う。OCS46のプロセスは、オペレーションパネル80の制御を行う。
【0031】
FCS47のプロセスは、システムコントローラの各ソフトウェア層からPSTNまたはISDN網を利用したファクシミリ送受信,バックアップ用のメモリで管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用,ファクシミリ読み取り,ファクシミリ受信印刷,融合送受信を行うためのAPIを提供する。
【0032】
NCS48のプロセスは、ネットワークI/Oを必要とするソフトウェアに対して共通に利用できるサービスを提供するものであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各ソフトウェアに振り分けたり、各ソフトウェアからのデータをネットワーク側に送信したりする際の仲介を行う。
【0033】
例えばNCS48は、ネットワークを介して接続されるネットワーク機器とのデータ通信をhttpd(HyperText Transfer Protocol Daemon)により、HTTP(HyperText Transfer Protocol)で制御する。
【0034】
画像形成装置10は、各ソフトウェアで共通的に必要な処理をプラットフォーム40で一元的に処理することができる。このような画像形成装置10のCPU61は、OS41上にSCS42,SRM43,ECS44,MCS45,OCS46,FCS47及びNCS48をそれぞれプロセスとして起動して実行させると共に、アプリケーション30を形成するプリンタアプリ31,コピーアプリ32,ファックスアプリ33,スキャナアプリ34,ネットファイルアプリ35を適宜起動して実行させることにより、各種機能を実現させる。
【0035】
以上のようなソフトウェア構成に加えて、画像形成装置10は、SNMPエージェント機能を実現させるためのソフトウェアを更に有する。ここで、本実施の形態にかかるSNMPエージェント機能を実現させるためのソフトウェア構成について図4を用いて説明する。画像形成装置10は、サブエージェント50と、マスターエージェント51と、ネットワークI/F52とを有する。これらの実体は、ROMやHDD68に記憶された各種ソフトウェアである。CPU61がこれらの各種ソフトウェアを読み出して実行することにより、各ソフトウェアが起動して、以下に示す各種機能が実現される。尚、画像形成装置10Aと画像形成装置10Bとが各々有するものを区別する必要がある場合には、画像形成装置10Aが有するものをサブエージェント50Aと、マスターエージェント51Aと、ネットワークI/F52Aと記載し、画像形成装置10Bが有するものをサブエージェント50Bと、マスターエージェント51Bと、ネットワークI/F52Bと記載する場合がある。
【0036】
ネットワークI/F52は、上述のNCS48に相当し、ネットワークを介した通信を制御する。サブエージェント50は、当該サブエージェント50を有する画像形成装置10自身の状態を示すMIB(プリンタMIBという)を記憶しており、マスターエージェント51に対してAgentXプロトコルを用いて、当該プリンタMIBの登録を要求する。尚、プリンタMIBは、例えばローカルメモリ67においてサブエージェント50に割り当てられた記憶領域に記憶される。当該プリンタMIBの登録の要求時には、サブエージェント50は、画像形成装置10の利用の優先度として、「1」から「255」までの優先度を指定することができる。優先度の初期値は「127」であり、その値が小さい程利用の優先の度合いが高くなる。具体的には、サブエージェント50は、起動時には、低位の優先度(例えば優先度「255」)を指定し、その後、当該サブエージェント50を有する画像形成装置10が印刷可能な状態か否かを検出し、当該画像形成装置10が印刷可能な状態である場合、高位の優先度(例えば優先度「1」)を指定する。印刷可能な状態とは、例えば、エンジン部82における印刷に用いられるトナーが所定量以上である状態や、エンジン部82に不具合が生じていない状態などである。当該画像形成装置10が印刷不可能な状態になった場合、サブエージェント50は、高位の優先度のプリンタMIBの登録の解除を要求する。
【0037】
また、サブエージェント50は、画像形成システムに接続されて連携可能な他の画像形成装置10の接続先を示す接続先情報を記憶している。接続先情報は、例えば、IPアドレスである。接続先情報は、例えばローカルメモリ67においてサブエージェント50に割り当てられた記憶領域に記憶されるが、プリンタMIBが記憶される記憶領域と同じ記憶領域であっても異なる記憶領域であっても良い。そして、当該サブエージェント50を有する画像形成装置10が印刷可能な状態である場合、サブエージェント50は、接続先情報を参照して、ネットワークI/F52を介して、他の画像形成装置10の有するマスターエージェント51に対して、中位の優先度(例えば優先度「127」)を指定してプリンタMIBの登録を要求し、当該サブエージェント50を有する画像形成装置10が印刷不可能な状態になった場合、他の画像形成装置10の有するマスターエージェント51に対して、中位の優先度のプリンタMIBの登録の解除を要求し、自身の画像形成装置10の有するマスターエージェント51に対して、高位の優先度のプリンタMIBの登録の解除を要求する。また、サブエージェント50は、他の画像形成装置10の有するマスターエージェント51からプリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットを受信すると、当該マスターエージェント51に対して、自身が記憶しているプリンタMIBを応答とするSNMPパケットを送信する。
【0038】
マスターエージェント51は、自身の画像形成装置10の有するサブエージェント50からプリンタMIBの登録がAgentXプロトコルによって要求されると、当該プリンタMIBを指定された優先度と対応付けて記憶することにより、当該プリンタMIBを登録する。また、マスターエージェント51は、他の画像形成装置10の有するサブエージェント50からプリンタMIBの登録がAgentXプロトコルによって要求されると、自身の画像形成装置10が他の画像形成装置10からの印刷要求を受け入れ可能な状態であるか否かを検出し、当該印刷要求を受け入れ可能な状態である場合、当該プリンタMIBを指定された優先度と対応付けて記憶することにより、当該プリンタMIBを登録する。他の画像形成装置10からの印刷要求を受け入れ可能な状態であるとは、例えば、自身の画像形成装置50が印刷可能な状態であると共に、エンジン部82に対して印刷を指示する印刷ジョブの数が所定数以下である状態である。プリンタMIBは、例えばローカルメモリ67においてマスターエージェント51に割り当てられた記憶領域に記憶される。また、上述の接続先情報もマスターエージェント51に割り当てられた記憶領域に記憶される。マスターエージェント51は、ネットワークI/F52を介してリモートPC100からプリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットを受信すると、記憶しているプリンタMIBのうち優先度が高いプリンタMIBを選択して、選択したプリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置10のサブエージェント50から当該プリンタMIBを取得する。具体的には、選択したプリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置10が他の画像形成装置10である場合、マスターエージェント51は、接続先情報を参照して、当該他の画像形成装置10のサブエージェント50に対してネットワークI/F52を介してプリンタMIBの送信を要求するSMNPパケットを送信して、この要求に応じて送信されたプリンタMIBをネットワークI/F52を介して受信する。一方、選択したプリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置10が自身の画像形成装置10である場合、当該画像形成装置10のサブエージェント50に対してプリンタMIBの送信を要求し、当該要求に応じたサブエージェント50からプリンタMIBを取得する。いずれの場合であっても、マスターエージェント51は、取得したプリンタMIBを応答とするSNMPパケットをリモートPC100にネットワークI/F52を介して送信する。
【0039】
また、マスターエージェント51は、ネットワークI/F52を介してリモートPC100から画像の印刷を指示する印刷データを受信すると、記憶されているプリンタMIBのうち優先度が高いプリンタMIBを優先して選択し、選択したプリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置10で印刷を行うことを決定する。決定した画像形成装置10が他の画像形成装置10である場合、マスターエージェント51は、ネットワークI/F52を介して、当該他の画像形成装置10に印刷データを送信することにより、印刷の実行を要求する(印刷要求)。この結果、他の画像形成装置10で印刷データを用いた印刷が行われる。決定した画像形成装置10が自身の画像形成装置10である場合、画像形成装置10が、印刷データを用いて、自身のエンジン部82により印刷を行う。
【0040】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置10の行う処理の手順について説明する。まず、サブエージェント50が、自身の画像形成装置10の有するマスターエージェント51に対してプリンタMIBの登録及びその登録の解除を行う処理の手順について図5を用いて説明する。ここでは、例えば、画像形成装置10Aを主体として説明する。画像形成装置10Aの有するサブエージェント50Aは、起動後、マスターエージェント51Aに対してAgentXプロトコルを用いて、当該サブエージェント50Aが記憶しているプリンタMIBの登録を、低位の優先度(例えば優先度「255」)を指定して要求する(ステップS1)。マスターエージェント51Aは、当該要求に応じて、当該プリンタMIBと優先度「255」とを対応付けて記憶する。また、サブエージェント50Aは、当該画像形成装置10Aが印刷可能な状態であるか否かを判定し(ステップS2)、当該画像形成装置10Aが印刷可能な状態であると判定した場合(ステップS2:YES)、マスターエージェント51Aに対して、当該サブエージェント50Aが記憶しているプリンタMIBの登録を、高位の優先度(例えば優先度「1」)を指定して要求して(ステップS3)、ステップS2に戻る。一方、当該画像形成装置10Aが印刷不可能な状態であると判定した場合(ステップS2:NO)、サブエージェント50Aは、マスターエージェント51Aに対して、当該サブエージェント50Aが記憶しているプリンタMIBの登録の解除を要求する(ステップS4)。この場合、マスターエージェント51Aは、当該要求に応じて、画像形成装置10AのプリンタMIBを削除するようにしても良いし、画像形成装置10AのプリンタMIBと対応付けられて記憶されている優先度を低位(例えば優先度「255」)に更新するようにしても良い。ステップS4の後、ステップS2に戻る。その後、当該画像形成装置10Aが印刷可能な状態になったときには、ステップS2の判定結果が肯定的となってステップS3に進み、当該画像形成装置10AのプリンタMIBが高位の優先度「1」と対応付けられてマスターエージェント51Aに記憶されることになる。
【0041】
次に、画像形成装置10Aの有するサブエージェント50Aが、画像形成装置10Aと連携する他の画像形成装置10Bの有するマスターエージェント51Bに対してプリンタMIBの登録及びその登録の解除を行う処理の手順について図6を用いて説明する。画像形成装置10Aの有するサブエージェント50Aは、他の画像形成装置10Bからの印刷要求を受け入れ可能な状態であるか否かを判定する(ステップS10)。そして、他の画像形成装置10Bからの印刷要求を受け入れ可能な状態であると判定した場合(ステップS10:YES)、サブエージェント50Aは、他の画像形成装置10Bの有するマスターエージェント51Bに対してネットワークI/F52Aを介して、サブエージェント50Aが記憶しているプリンタMIBの登録を、中位の優先度(例えば優先度「127」)を指定して要求する(ステップS11)。一方、他の画像形成装置10Bからの印刷要求を受け入れ不可能な状態であると判定した場合(ステップS10:NO)、サブエージェント50Aは、他の画像形成装置10Bの有するマスターエージェント51Bに対してネットワークI/F52Aを介して、サブエージェント50Aを有する画像形成装置10AのプリンタMIBの登録の解除を要求する(ステップS12)。この場合、他の画像形成装置10Bの有するマスターエージェント51Bは、当該要求に応じて、画像形成装置10AのプリンタMIBを削除するようにしても良いし、画像形成装置10AのプリンタMIBと対応付けられて記憶している優先度を低位(例えば優先度「255」)に更新するようにしても良い。
【0042】
図7は、画像形成装置10Aと画像形成装置10BとのそれぞれについてプリンタMIBの登録状況を概念的に例示する図である。例えば、画像形成装置10Aは印刷不可能な状態であるが、画像形成装置10Bは印刷可能な状態である場合、同図に示されるように、画像形成装置10Aのマスターエージェント51Aには、画像形成装置10AのプリンタMIBが低位の優先度と対応付けられて記憶され、画像形成装置10BのプリンタMIBが中位の優先度と対応付けられて記憶される。一方、画像形成装置10Bのマスターエージェント51Bには、画像形成装置10BのプリンタMIBが高位の優先度と対応付けられて記憶され、画像形成装置10AのプリンタMIBが低位の優先度と対応付けられて記憶される。
【0043】
このような登録状況において、画像形成装置10Aが、リモートPC100からプリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットを受信すると、マスターエージェント51Aの機能により、一番高い優先度(ここでは優先度「1」である)が対応付けられて登録されているプリンタMIBを検索する。図7の例では、画像形成装置10BのプリンタMIBが該当する。この場合、画像形成装置10Aは、マスターエージェント51Aの機能により、画像形成装置10BのプリンタMIBを選択して、画像形成装置10Bのサブエージェント50Bに対してネットワークI/F52Aを介してプリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットを送信する。画像形成装置10Bは、当該SNMPパケットを受信すると、サブエージェント50Bの機能により、当該要求に応じて、記憶しているプリンタMIBを応答とするSNMPパケットを画像形成装置10Aのマスターエージェント51AにネットワークI/F52Bを介して送信する。画像形成装置10Aは、当該SNMPパケットを受信すると、マスターエージェント51Aの機能により、画像形成装置10BのプリンタMIBを応答とするSNMPパケットをリモートPC100にネットワークI/F52Aを介して送信する。
【0044】
また、画像形成装置10Aが、リモートPC100から印刷データを受信すると、マスターエージェント51Aの機能により、一番高い優先度が対応付けられて登録されているプリンタMIBを検索する。図7の例では、画像形成装置10BのプリンタMIBが該当する。この場合、画像形成装置10Aは、マスターエージェント51Aの機能により、画像形成装置10BのプリンタMIBを選択して、画像形成装置10Bで印刷を行うことを決定し、画像形成装置10BにネットワークI/F52Aを介して印刷データを送信する。画像形成装置10Bは、印刷データを受信すると、当該印刷データを用いて、印刷を行う。
【0045】
以上のようにして、SNMPエージェント機能を有する複数の画像形成装置同士で連携して印刷を行うことが可能な画像形成システムにおいて、画像形成装置は印刷可能な状態である場合、自身のプリンタMIBを自身に対してだけではなく他の画像形成装置に対しても登録しておく。そして、画像形成装置は、プリンタMIBの送信がリモートPCから要求された場合、登録したプリンタMIBの中から優先度の高いプリンタMIBを選択して、当該プリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置からプリンタMIBを取得して当該プリンタMIBを応答としてリモートPCに送信する。これにより、印刷不可能な状態である画像形成装置からであっても、当該画像形成装置と連携可能な他の画像形成装置が印刷可能な状態であれば、印刷可能な状態である旨を示すプリンタMIBを応答としてリモートPCに返すことができる。そして、画像形成装置は、画像の印刷を指示する印刷データをリモートPCから受信した場合、登録したプリンタMIBの中から優先度の高いプリンタMIBを選択して、選択したプリンタMIBによってその状態が示される画像形成装置に当該印刷データを用いた印刷を行わせる。これにより、印刷不可能な状態である画像形成装置が印刷データを受信したとしても、当該画像形成装置と連携可能な他の画像形成装置が印刷可能な状態であれば、当該他の画像形成装置に印刷を代行させることができる。
【0046】
尚、画像形成装置が印刷可能な状態である場合、自身のプリンタMIBの登録を他の画像形成装置に要求するタイミングや条件は限定されず、当該画像形成装置にとって都合の良いタイミングであれば良い。このため、画像形成装置同士が各々都合の良いタイミングで連携することが可能である。
【0047】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0048】
上述した実施の形態において、画像形成装置10で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成しても良い。
【0049】
上述した実施の形態において、画像形成装置10は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも1つの機能を有するものであっても良く、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【0050】
上述した実施の形態において、画像形成システムの備える画像形成装置10は2つであるとしたが、これに限らず、3つ以上であっても良い。この場合、例えば、図8に例示されるように、少なくとも1つの画像形成装置10CがリモートPC100に接続されてはいない構成であっても良い。この画像形成装置10Cは、画像形成装置10A〜10Bと接続されて、上述したサブエージェント50及びマスターエージェント51の機能を実現可能であることにより、画像形成装置10A〜10Bと連携して、印刷を行うことが可能である。
【0051】
上述した実施の形態において、サブエージェント50は、図9に例示されるように、画像形成システムに接続されて連携可能な他の画像形成装置10の接続先情報を優先度と対応付けて記憶するようにしても良い。
【0052】
また、優先度の値は、上述の例に限らず、各画像形成装置10A〜10Bで各々任意に決定するようにしても良い。
【0053】
また、マスターエージェント51は、プリンタMIBの記憶を優先度と対応付けて行うようにしたが、優先度と対応付けて行わなくても良い。この場合、マスターエージェント51は、プリンタMIBの送信を要求するSNMPパケットや印刷データを受信した場合、自身が記憶している、当該マスターエージェント51を有する画像形成装置10のプリンタMIBや当該画像形成装置10と連携可能な他の画像形成装置10のプリンタMIBを、所定の条件に応じて、選択するようにすれば良い。
【0054】
上述した実施の形態において、マスターエージェント51は、プリンタMIBの送信が要求された場合及び印刷データが受信された場合、一番高い優先度が対応付けられて登録されているプリンタMIBを選択するようにしたが、これに限らず、例えば、優先度が所定の値以上であるプリンタMIBを選択するようにしても良い。
【符号の説明】
【0055】
10,10A,10B,10C 画像形成装置
50,50A,50B サブエージェント
51,51A,51B マスターエージェント
82 エンジン部
52,52A,52B ネットワークI/F
100,100A,100B リモートPC
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2007−062059号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を実現可能な複数の画像形成装置が連携して印刷を行うことが可能な画像形成システムに接続される第1の画像形成装置であって、
前記第1の画像形成装置の状態を示す第1のMIB(Management Information Base)の登録を登録手段に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第1の優先度を指定して要求し、前記複数の画像形成装置のうち第1の画像形成装置とは異なる他の画像形成装置からの要求に応じて、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBの登録を前記登録手段に対して第2の優先度を指定して要求し、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第3の優先度を指定して要求する要求手段と、
前記要求手段の要求に応じて、前記第1のMIBを前記第1の優先度と対応付けて登録し、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBを前記第2の優先度と対応付けて登録する登録手段と、
MIBの送信を要求するSNMPパケットを情報処理装置から受信する受信手段と、
前記SNMPパケットを前記受信手段が受信した場合に、前記第1のMIBに対応付けられた前記第1の優先度及び前記第2のMIBに対応付けられた前記第2の優先度に応じて、MIBを送信する送信手段とを備える
ことを特徴とする第1の画像形成装置。
【請求項2】
前記要求手段は、前記第1の画像形成装置が印刷可能な状態である場合に、高位の優先度である前記第1の優先度を指定して、前記第1のMIBの登録を前記登録手段に対して要求する
ことを特徴とする請求項1に記載の第1の画像形成装置。
【請求項3】
前記要求手段は、前記第1の画像形成装置が印刷不可能な状態である場合に、高位の優先度である前記第1の優先度が対応付けられた前記第1のMIBの登録の解除を前記登録手段に対して要求し、
前記登録手段は、前記要求手段の要求に応じて、高位の優先度である前記第1の優先度が対応付けられた前記第1のMIBの登録を解除する
ことを特徴とする請求項2に記載の第1の画像形成装置。
【請求項4】
前記要求手段は、前記他の画像形成装置からの要求に応じて、前記第2のMIBの登録を前記登録手段に対して中位の優先度である前記第2の優先度を指定して要求する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の第1の画像形成装置。
【請求項5】
前記要求手段は、前記他の画像形成装置からの要求に応じて、中位の優先度である前記第2の優先度が対応付けられた前記第2のMIBの登録の解除を前記登録手段に対して要求し、
前記登録手段は、前記要求手段の要求に応じて、中位の優先度である前記第2の優先度が対応付けられた前記第2のMIBの登録を解除する
ことを特徴とする請求項4に記載の第1の画像形成装置。
【請求項6】
前記要求手段は、前記第1の画像形成装置が印刷の要求を受け入れ可能な状態である場合に、中位の優先度である前記第3の優先度を指定して、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して要求する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の第1の画像形成装置。
【請求項7】
前記要求手段は、前記第1の画像形成装置が印刷の要求を受け入れ不可能な状態である場合に、中位の優先度である前記第3の優先度が対応付けられた前記第1のMIBの登録の解除を前記他の画像形成装置に対して要求する
ことを特徴とする請求項6に記載の第1の画像形成装置。
【請求項8】
前記SNMPパケットを前記受信手段が受信した場合に、前記第1のMIBに対応付けられた前記第1の優先度及び前記第2のMIBに対応付けられた前記第2の優先度に応じて、前記第1のMIB及び前記第2のMIBの中から少なくとも1つのMIBを選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した前記MIBによってその状態が示される画像形成装置から、当該画像形成装置の状態を示す第3のMIBを取得する取得手段とを更に備え、
前記送信手段は、前記取得手段が取得した前記第3のMIBを送信する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の第1の画像形成装置。
【請求項9】
前記他の画像形成装置の接続先を示す接続先情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記要求手段は、前記接続先情報を参照して、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して前記第3の優先度を指定して要求する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の第1の画像形成装置。
【請求項10】
前記要求手段は、SNMPにおけるサブエージェントであり、
前記登録手段、前記選択手段及び前記取得手段は、SNMPにおけるマスターエージェントである
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の第1の画像形成装置。
【請求項11】
SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を実現可能な複数の画像形成装置が連携して印刷を行うことが可能な画像形成システムに接続される第1の画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
前記第1の画像形成装置は、要求手段と、登録手段と、受信手段と、送信手段とを備え、
前記要求手段が、前記第1の画像形成装置の状態を示す第1のMIB(Management Information Base)の登録を登録手段に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第1の優先度を指定して要求する第1要求ステップと、
前記要求手段が、前記複数の画像形成装置のうち第1の画像形成装置とは異なる他の画像形成装置からの要求に応じて、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBの登録を前記登録手段に対して第2の優先度を指定して要求する第2要求ステップと、
前記要求手段が、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第3の優先度を指定して要求する第3要求ステップと、
前記登録手段が、前記第1要求ステップでの要求に応じて、前記第1のMIBを前記第1の優先度と対応付けて登録する第1登録ステップと、
前記登録手段が、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBを前記第2の優先度と対応付けて登録する第2登録ステップと、
前記受信手段が、MIBの送信を要求するSNMPパケットを情報処理装置から受信する受信手段と、
前記送信手段が、前記SNMPパケットが前記受信ステップで受信された場合に、前記第1のMIBに対応付けられた前記第1の優先度及び前記第2のMIBに対応付けられた前記第2の優先度に応じて、MIBを送信する送信ステップとを含む
ことを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を実現可能な複数の画像形成装置が連携して印刷を行うことが可能な画像形成システムに接続される第1の画像形成装置であって、
前記第1の画像形成装置の状態を示す第1のMIB(Management Information Base)の登録を登録手段に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第1の優先度を指定して要求し、前記複数の画像形成装置のうち第1の画像形成装置とは異なる他の画像形成装置からの要求に応じて、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBの登録を前記登録手段に対して第2の優先度を指定して要求し、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第3の優先度を指定して要求する要求手段と、
前記要求手段の要求に応じて、前記第1のMIBを前記第1の優先度と対応付けて登録し、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBを前記第2の優先度と対応付けて登録する登録手段と、
MIBの送信を要求するSNMPパケットを情報処理装置から受信する受信手段と、
前記SNMPパケットを前記受信手段が受信した場合に、前記第1のMIBに対応付けられた前記第1の優先度及び前記第2のMIBに対応付けられた前記第2の優先度に応じて、MIBを送信する送信手段とを備える
ことを特徴とする第1の画像形成装置。
【請求項2】
前記要求手段は、前記第1の画像形成装置が印刷可能な状態である場合に、高位の優先度である前記第1の優先度を指定して、前記第1のMIBの登録を前記登録手段に対して要求する
ことを特徴とする請求項1に記載の第1の画像形成装置。
【請求項3】
前記要求手段は、前記第1の画像形成装置が印刷不可能な状態である場合に、高位の優先度である前記第1の優先度が対応付けられた前記第1のMIBの登録の解除を前記登録手段に対して要求し、
前記登録手段は、前記要求手段の要求に応じて、高位の優先度である前記第1の優先度が対応付けられた前記第1のMIBの登録を解除する
ことを特徴とする請求項2に記載の第1の画像形成装置。
【請求項4】
前記要求手段は、前記他の画像形成装置からの要求に応じて、前記第2のMIBの登録を前記登録手段に対して中位の優先度である前記第2の優先度を指定して要求する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の第1の画像形成装置。
【請求項5】
前記要求手段は、前記他の画像形成装置からの要求に応じて、中位の優先度である前記第2の優先度が対応付けられた前記第2のMIBの登録の解除を前記登録手段に対して要求し、
前記登録手段は、前記要求手段の要求に応じて、中位の優先度である前記第2の優先度が対応付けられた前記第2のMIBの登録を解除する
ことを特徴とする請求項4に記載の第1の画像形成装置。
【請求項6】
前記要求手段は、前記第1の画像形成装置が印刷の要求を受け入れ可能な状態である場合に、中位の優先度である前記第3の優先度を指定して、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して要求する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の第1の画像形成装置。
【請求項7】
前記要求手段は、前記第1の画像形成装置が印刷の要求を受け入れ不可能な状態である場合に、中位の優先度である前記第3の優先度が対応付けられた前記第1のMIBの登録の解除を前記他の画像形成装置に対して要求する
ことを特徴とする請求項6に記載の第1の画像形成装置。
【請求項8】
前記SNMPパケットを前記受信手段が受信した場合に、前記第1のMIBに対応付けられた前記第1の優先度及び前記第2のMIBに対応付けられた前記第2の優先度に応じて、前記第1のMIB及び前記第2のMIBの中から少なくとも1つのMIBを選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した前記MIBによってその状態が示される画像形成装置から、当該画像形成装置の状態を示す第3のMIBを取得する取得手段とを更に備え、
前記送信手段は、前記取得手段が取得した前記第3のMIBを送信する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の第1の画像形成装置。
【請求項9】
前記他の画像形成装置の接続先を示す接続先情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記要求手段は、前記接続先情報を参照して、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して前記第3の優先度を指定して要求する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の第1の画像形成装置。
【請求項10】
前記要求手段は、SNMPにおけるサブエージェントであり、
前記登録手段、前記選択手段及び前記取得手段は、SNMPにおけるマスターエージェントである
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の第1の画像形成装置。
【請求項11】
SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を実現可能な複数の画像形成装置が連携して印刷を行うことが可能な画像形成システムに接続される第1の画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
前記第1の画像形成装置は、要求手段と、登録手段と、受信手段と、送信手段とを備え、
前記要求手段が、前記第1の画像形成装置の状態を示す第1のMIB(Management Information Base)の登録を登録手段に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第1の優先度を指定して要求する第1要求ステップと、
前記要求手段が、前記複数の画像形成装置のうち第1の画像形成装置とは異なる他の画像形成装置からの要求に応じて、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBの登録を前記登録手段に対して第2の優先度を指定して要求する第2要求ステップと、
前記要求手段が、前記第1のMIBの登録を前記他の画像形成装置に対して前記第1の画像形成装置の状態に応じた第3の優先度を指定して要求する第3要求ステップと、
前記登録手段が、前記第1要求ステップでの要求に応じて、前記第1のMIBを前記第1の優先度と対応付けて登録する第1登録ステップと、
前記登録手段が、前記他の画像形成装置の状態を示す第2のMIBを前記第2の優先度と対応付けて登録する第2登録ステップと、
前記受信手段が、MIBの送信を要求するSNMPパケットを情報処理装置から受信する受信手段と、
前記送信手段が、前記SNMPパケットが前記受信ステップで受信された場合に、前記第1のMIBに対応付けられた前記第1の優先度及び前記第2のMIBに対応付けられた前記第2の優先度に応じて、MIBを送信する送信ステップとを含む
ことを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−240653(P2011−240653A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116288(P2010−116288)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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