説明

画像形成装置、画像形成方法及びプログラム

【課題】文章が印刷されているページと同一のページ上に、その文章と対応するオブジェクトを印刷することができる画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】テキストの描画命令からオブジェクト番号の文字列を全て抽出するオブジェクト番号抽出手段と、オブジェクト描画命令で描画されるオブジェクトを、オブジェクト番号抽出手段により抽出されたオブジェクト番号と対応づけるオブジェクト対応づけ手段と、オブジェクト番号抽出手段により抽出されたオブジェクト番号が含まれる文章の背後に、オブジェクト対応づけ手段によりオブジェクト番号と対応づけられたオブジェクトを透かし印刷するオブジェクト透かし印刷手段と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図や文章などの文書の印刷を行う画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
図(オブジェクト)とそれを説明する文章とが混在する文書では、図と文章とが別々の用紙に印刷されていることが多い。その場合、文章を読んでいるとき、対応する図がどの用紙に印刷されているのかを探す手間が生じる。そこで、対応する図と文章とをなるべく同一の用紙に印刷し、図を探す手間を少なくするという技術が考えられ、既に知られている。このような技術例として、例えば特許文献1には、互いに内容の関連するページ同士をなるべく同一の用紙に印刷するという目的で、集約印刷において、関連する複数のページをページ範囲として指定し、その複数のページがなるべく同一の用紙に収まるように面付けする方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のような、関連するページ同士をなるべく同一の用紙に印刷するといった方法では、必ずしも関連する図と文章とが同一の用紙に印刷されるとは限らず、その場合には図を探す手間が生じるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、文章が印刷されているページと同一のページ上に、その文章と対応するオブジェクトを印刷することができる画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、テキストの描画命令からオブジェクト番号の文字列を全て抽出するオブジェクト番号抽出手段と、オブジェクト描画命令で描画されるオブジェクトを、オブジェクト番号抽出手段により抽出されたオブジェクト番号と対応づけるオブジェクト対応づけ手段と、オブジェクト番号抽出手段により抽出されたオブジェクト番号が含まれる文章の背後に、オブジェクト対応づけ手段によりオブジェクト番号と対応づけられたオブジェクトを透かし印刷するオブジェクト透かし印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の画像形成方法は、テキストの描画命令からオブジェクト番号の文字列を全て抽出するオブジェクト番号抽出ステップと、オブジェクト描画命令で描画されるオブジェクトを、オブジェクト番号抽出ステップにより抽出されたオブジェクト番号と対応づけるオブジェクト対応づけステップと、オブジェクト番号抽出ステップにより抽出されたオブジェクト番号が含まれる文章の背後に、オブジェクト対応づけステップによりオブジェクト番号と対応づけられたオブジェクトを透かし印刷するオブジェクト透かし印刷ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明のプログラムは、テキストの描画命令からオブジェクト番号の文字列を全て抽出するオブジェクト番号抽出処理と、オブジェクト描画命令で描画されるオブジェクトを、オブジェクト番号抽出処理により抽出されたオブジェクト番号と対応づけるオブジェクト対応づけ処理と、オブジェクト番号抽出処理により抽出されたオブジェクト番号が含まれる文章の背後に、オブジェクト対応づけ処理によりオブジェクト番号と対応づけられたオブジェクトを透かし印刷するオブジェクト透かし印刷処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、文章が印刷されているページと同一のページ上に、その文章と対応するオブジェクトを印刷することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の動作例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の動作において、図番号を示す文字列の抽出、図と図番号の対応づけ、透かし印刷対象のオブジェクトからの除外の例をそれぞれ説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の動作において、オブジェクトのサイズの縮小、オブジェクトの色の変換、透かし印刷の結果の例をそれぞれ説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像形成装置における透かし印刷の設定時の、表示画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る画像形成装置における透かし印刷の設定時の、通常印刷のON・OFFの印刷結果を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置における透かし印刷の設定時の、ジョブデータを使用した場合と自動で設定した場合の印刷結果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。本実施形態は、文章が印刷されているページと同一のページ上に、文章と対応する図を透かし印刷する処理に際し、文章中に登場する図番号と、それに対応する図とを対応づけ、図番号が登場する文章の上にオブジェクトを透かし印刷することが特徴になっている。この特徴について、添付図面を参照して詳細に解説する。
【0011】
まず、本実施形態の画像形成装置の構成について、図1を用いて説明する。本実施形態の画像形成装置の適用例としては、コピー、ファクシミリ、スキャナ、プリント等の複合機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)が挙げられるが、MFPに限定されるものではない。本実施形態の画像処理装置は、図1に示すように、ハードウェアとして、コントローラ110、スキャナエンジン120、プリンタエンジン130、ユーザインターフェース140により主に構成される。
【0012】
コントローラ110は、画像形成装置全体の処理を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)111、CPU111を制御するプログラム等の固定的なデータを予め格納したROM(Read Only Memory)112、各種データを一時的に記憶するエリアを形成するRAM(Random Access Memory)113、とから構成される。スキャナエンジン120は、コントローラ110によって制御され、画像読取処理を実行する機能を有する。プリンタエンジン130は、コントローラ110によって制御され、画像形成処理(印刷処理)を実行する。ユーザインターフェース140は、コントローラ110から送られた情報の表示を行うとともに、ユーザにより入力された情報をコントローラ110に伝えることができる。すなわち、ユーザインターフェース140は、ユーザに対する情報の出力(提供)や、ユーザからの指示(情報)入力を行うものであり、例えば、ディスプレイ(LCTやCRT等)、ポインティングデバイス(マウス、タッチペン等)や、キーボードによって構成可能である。なお、図1には示していないが、本実施形態の画像形成装置は、上記以外の構成として、FAXボード、大容量補助記憶装置、外部装置や外部ネットワークと接続可能な通信インターフェース、可搬性記録媒体を読み書き可能なドライブなどを備えるようにしてもよい。
【0013】
以上のように構成された画像形成装置では、プリンタエンジン130を選択することでプリントジョブの発行が可能となる。また、スキャナエンジン120を選択することでスキャンジョブの発行が可能となる。さらに、プリンタエンジン130とスキャナエンジン120とを選択することで、コピージョブの発行が可能となる。
【0014】
次に、上述した本実施形態の画像形成装置の動作について説明する。図2は、本実施形態の画像形成装置において、ある一枚の用紙Aにオブジェクト(図)を透かし印刷する際の、プリンタエンジン130(プリンタドライバ)が行う処理のフローについて説明する図である。
【0015】
ユーザは、ユーザインターフェース140において操作を行い、透かし印刷に関する設定を行う(ステップS1)。
【0016】
このステップS1にてユーザが設定する、透かし印刷に関する設定は、以下の通りである。
#1:図を文章の背後に透かし印刷するかどうか
#2:通常の図の印刷も行うかどうか
#3:図番号のフォーマット
#4:図番号と図との位置関係
#5:透かし印刷の色
これらの詳細は、図5の説明にて後述する。なお、#3の設定はステップS2で、#4の設定はステップS3で、#5の設定はステップS9でそれぞれ用いられる。
【0017】
まず、プリンタエンジン130は、ある用紙(以下、用紙Aという)に印刷されるテキストの描画命令の中で、図番号(オブジェクト番号)の文字列を全て抽出する(ステップS2)。すなわち、ステップS2では、プリンタエンジン130はオブジェクト番号抽出手段として機能する。
【0018】
ここで、図番号のフォーマットは、ステップS1でユーザが#3として設定した「図番号のフォーマット」に従う。例えば、ユーザが、図番号のフォーマットとして「図1、図2、…」を選択した場合、プリンタエンジン130は、テキストの描画命令の中から、「図1」、「図2」・・・という文字列を抽出する。なお、同じ図番号が2回以上登場する場合は、初めに登場するほうのみ抽出する。図3(a)に示す例では、「図1」という文字列は2回登場するので、初めに登場した方(四角の囲みで示している方)のみを抽出する。
【0019】
次に、プリンタエンジン130は、各オブジェクト(図)を、ステップS2で抽出した図番号と対応づける。そして、用紙Aに登場する図番号と対応づけられたオブジェクトを、用紙Aにおける透かし印刷対象のオブジェクトとする(ステップS3)。すなわち、ステップS3では、プリンタエンジン130はオブジェクト対応づけ手段として機能する。
【0020】
ここで、オブジェクトと図番号の対応づけの方法は、ステップS1でユーザが#4として設定した「図番号と図との位置関係」に基づいて、以下の手順1〜3で行われる。ここでは例として、ユーザが「図番号:上、図:下」という選択を行った場合とする。
【0021】
1.あるオブジェクトAの描画命令が持つ、描画開始座標を獲得する。
2.テキストの描画命令のうち、テキストの描画開始座標がオブジェクトAの開始座標の直上にあるテキスト描画命令を獲得する。
3.そのテキスト描画命令の持つ文字列の中から、図番号に該当する文字列を抽出する(図番号のフォーマットは、ステップS1でユーザが設定したフォーマットに従う)。
【0022】
図3(b)に示す例では、オブジェクトA(直方体)の描画開始座標の直上にあるテキストの描画命令が、「図1:直方体の図」である。従って、そのテキストの文字列中の図番号として「図1」が抽出され、これがオブジェクトAと対応づけられる。
【0023】
次に、プリンタエンジン130は、ステップS3で用意した透かし印刷対象のオブジェクトのうち、用紙Aに通常印刷されるものがあるかを判定する(ステップS4)。
【0024】
ステップS4の判定の結果、通常印刷されるものがあれば(ステップS4/YES)、透かし印刷対象のオブジェクトから除外する(ステップS5)。図3(c)に示す例では、用紙Bのテキストに登場する「図3」、「図4」のうち、図3(月の図)は用紙Bに通常印刷されているので、用紙Bの透かし印刷対象のオブジェクトから除外される。従って、図4(図示せず)のみが透かし印刷対象のオブジェクトとなる。すなわち、ステップS4、S5では、プリンタエンジン130は透かし印刷対象オブジェクト選別手段として機能する。なお、ステップS4の判定の結果、通常印刷されるものがなければ(ステップS4/NO)、上記ステップS5の処理は行われず、ステップS6へ進む。
【0025】
次に、プリンタエンジン130は、用紙Aにおける、透かし印刷対象のオブジェクトの個数が、2個以上かどうかを判定する(ステップS6)。
【0026】
ステップS6の判定の結果、オブジェクトの個数が2個以上である場合(ステップS6/YES)、プリンタエンジン130は、それらのオブジェクトを並べたときに、用紙Aに収まりきるかを判定する(ステップS7)。なお、ステップS6の判定の結果、オブジェクトの個数が2個以上ではない場合(ステップS6/NO)、ステップS7、S8の処理は行われず、ステップS9へ進む。
【0027】
ステップS7の判定の結果、全てのオブジェクトが並んで用紙Aに収まりきらない場合(ステップS7/NO)、プリンタエンジン130は、収まりきるように、それらのオブジェクトのサイズを縮小する(ステップS8)。サイズ縮小の例を図4(a)に示す。図4(a)の左図に示すように、破線で示す用紙A内に直方体と円柱が並んで収まらない場合、図4(a)の右図に示すように、直方体と円柱を縮小することで用紙A内に全て収まるようにする。すなわち、ステップS8では、プリンタエンジン130はオブジェクトレイアウト処理手段として機能する。なお、ステップS7の判定の結果、全てのオブジェクトが並んで用紙Aに収まる場合(ステップS7/YES)、ステップS8の処理は行われず、ステップS9へ進む。
【0028】
次に、プリンタエンジン130は、用紙Aにおける透かし印刷対象のオブジェクトの色を変換する(ステップS9)。
【0029】
ここで、変換されるオブジェクトの色は、ステップS1でユーザが#5として設定した「透かし印刷の色」に従う。例えば、ユーザが「自動で設定」を選択した場合、図4(b)の左図に示すように、テキストで黒、赤、青が使用されているので、図4(b)の右図に示すように、オブジェクトの色がテキストで使用されていない色、例えば緑に変換される。
【0030】
次に、プリンタエンジン130は、「上述した各ステップを経て作成されたオブジェクトを用紙Aに透かし印刷する」という内容のPDLコードを発行する(ステップS10)。そのPDLコードに基づいて印刷される印刷結果は、例えば図4(c)に示すようになる。図4(c)に示すように、文章が印刷されている用紙Aにオブジェクトが透かし印刷されることで、用紙Aにおいて文章とオブジェクトの両方を同時に視認可能となる。すなわち、ステップS10では、プリンタエンジン130はオブジェクト透かし印刷手段として機能する。
【0031】
図5は、ユーザが図1のステップS1にて予め設定する、透かし印刷の設定について説明する図である。以下、各設定について説明する。
【0032】
#1は、オブジェクトを、対応する文章が印刷されている用紙に透かし印刷するかどうかを設定するコントロールである(透かし印刷実施設定手段の一例)。#1がONの場合(四角の欄にチェックマークが入っている場合)はオブジェクトの透かし印刷が行われ、#1がOFFの場合(四角の欄にチェックマークが入っていない場合)は透かし印刷が行われない。
【0033】
#2は、オブジェクトを、もともと配置されていた箇所に通常印刷するかどうかを設定するコントロールである(通常印刷実施設定手段の一例)。#2がONの場合(四角の欄にチェックマークが入っている場合)は通常印刷が行われ、#2がOFFの場合(四角の欄にチェックマークが入っていない場合)は通常印刷が行われない。図6を用いて具体例を説明する。図6(a)は、ジョブデータ(印刷される元のデータ)の一例を示している。ジョブデータは、5ページ分あり、P.1とP.2が図についての文章のページであり、P.3〜P.5が図のページである。図6(a)に示すジョブデータに対し、通常印刷をONにして透かし印刷を行うと、図6(b)に示す印刷結果となる。すなわち、P.1にP.3の図が透かし印刷され、また、P.2にP.4とP.5の図が透かし印刷されるとともに、P.3〜P.5の印刷も通常通り行われる。その一方で、図6(a)に示すジョブデータに対し、通常印刷をOFFにして透かし印刷を行うと、図6(c)に示す印刷結果となる。すなわち、P.3〜P.5の通常の印刷は行われず、P.1にP.3の図が透かし印刷され、P.2にP.4とP.5の図が透かし印刷されるだけとなる。
【0034】
#3は、図番号のフォーマットを設定するコントロールである(オブジェクト番号フォーマット設定手段の一例)。設定値として、例えば、「図1、図2、…」、「Fig1、Fig2、…」、「Figure1、Figure2、…」などが設定できる。図1のステップS2で説明したように、例えば「図1、図2、…」が設定(選択)されると、画像形成装置は、テキストの描画命令の中から「図1」、「図2」、・・・ という文字列を抽出する。
【0035】
#4は、図番号と図との印刷関係を設定するコントロールである(位置関係設定手段の一例)。設定値として、例えば、「図番号:上、図:下」、「図番号:左、図:右」などが設定できる。図1のステップS3で説明したように、例えば「図番号:上、図:下」が設定(選択)されると、画像形成装置は、図番号が図の上に配置されている場合に、その図番号と図とを対応づける。図3(b)に示す例では、図番号「図1」と、図「オブジェクトA」とが対応づけられる。
【0036】
#5は、透かし印刷のオブジェクトの色を設定するコントロールである(透かし印刷色設定手段の一例)。この設定は図1のステップS9で用いられる。「ジョブデータを使用」が設定(選択)された場合、ジョブデータで使用されている色がそのまま使用される。「自動で設定」が設定(選択)された場合、オブジェクトの色として、テキストで使用されていない色が割り当てられる。それ以外の「黒」や「赤」などが設定(選択)された場合、設定された色がオブジェクトの色となる。「ジョブデータを使用」、「自動で設定」を選択した場合の例について、図7を用いて説明する。図7(a)は、ジョブデータ(印刷される元のデータ)の一例を示している。ジョブデータは、5ページ分あり、P.1とP.2が図についての文章のページであり、P.3〜P.5が図のページである。P.1とP.2において文章の色は赤と黒となっている。また、P.3において図の色は青、P.4において図の色は赤、P.5において図の色は黒となっている。このような図7(a)に示すジョブデータに対し、「ジョブデータを使用」により透かし印刷を行うと、図7(b)に示す印刷結果となる。すなわち、P.1では、P.3の図が青のまま透かし印刷され、P.2では、P.4の図が赤のままかつP.5の図が黒のまま透かし印刷される。一方、図7(a)に示すジョブデータに対し、「自動で設定」により透かし印刷を行うと、図7(c)に示す印刷結果となる。すなわち、P.1では、P.3の図が青のまま透かし印刷され、P.2では、P.4の図及びP.5の図が共に青に変更されて透かし印刷される。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、文章が印刷されているページと同一のページ上に、その文章と対応する図を印刷することが可能となる。よって、ユーザは、文章を読んでいるときに、その文章に関連する図がどの用紙に印刷されているかを探す必要がなくなり、図を容易に参照することができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0039】
例えば、上述した実施形態における動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0040】
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0041】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0042】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0043】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【符号の説明】
【0044】
110 コントローラ
111 CPU
112 ROM
113 RAM
120 スキャナエンジン
130 プリンタエンジン
140 ユーザインターフェース
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2010−081205号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキストの描画命令からオブジェクト番号の文字列を全て抽出するオブジェクト番号抽出手段と、
オブジェクト描画命令で描画されるオブジェクトを、前記オブジェクト番号抽出手段により抽出されたオブジェクト番号と対応づけるオブジェクト対応づけ手段と、
前記オブジェクト番号抽出手段により抽出されたオブジェクト番号が含まれる文章の背後に、前記オブジェクト対応づけ手段によりオブジェクト番号と対応づけられたオブジェクトを透かし印刷するオブジェクト透かし印刷手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記オブジェクト対応づけ手段によりオブジェクト番号と対応づけられたオブジェクトの中から、透かし印刷を行うものと行わないものとを選別する透かし印刷対象オブジェクト選別手段と、
前記透かし印刷対象オブジェクト選別手段により、透かし印刷を行うものとして選別されたオブジェクトが複数ある場合に、それらのオブジェクトを一枚の用紙に収まりきるようにレイアウト処理するオブジェクトレイアウト処理手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記透かし印刷対象オブジェクト選別手段は、
前記オブジェクト番号抽出手段により抽出されたオブジェクト番号が含まれる文章が印刷される用紙と同じ用紙に、前記オブジェクト対応づけ手段によりオブジェクト番号と対応づけられたオブジェクトがジョブデータとして通常印刷される場合に、そのオブジェクトを透かし印刷しないものとして選別することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記オブジェクトレイアウト処理手段は、
前記透かし印刷対象オブジェクト選別手段により選別された複数のオブジェクトを並べたときに、一枚の用紙に収まりきらない場合に、それらのサイズを縮小することで一枚の用紙に収まりきるようにすることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記オブジェクト透かし印刷手段を用いて透かし印刷を行うか、行わないかを設定できる透かし印刷実施設定手段と、
前記オブジェクト透かし印刷手段を用いて透かし印刷を行ったオブジェクトについて、ジョブデータとしての通常印刷を行うか、行わないかを設定できる通常印刷実施設定手段と、
前記オブジェクト番号抽出手段で抽出するオブジェクト番号のフォーマットを設定できるオブジェクト番号フォーマット設定手段と、
オブジェクト番号と、前記オブジェクト対応づけ手段によりオブジェクト番号と対応づけられたオブジェクトとの位置関係を設定できる位置関係設定手段と、
前記オブジェクト透かし印刷手段を用いて透かし印刷を行うときのオブジェクトの色を設定できる透かし印刷色設定手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
テキストの描画命令からオブジェクト番号の文字列を全て抽出するオブジェクト番号抽出ステップと、
オブジェクト描画命令で描画されるオブジェクトを、前記オブジェクト番号抽出ステップにより抽出されたオブジェクト番号と対応づけるオブジェクト対応づけステップと、
前記オブジェクト番号抽出ステップにより抽出されたオブジェクト番号が含まれる文章の背後に、前記オブジェクト対応づけステップによりオブジェクト番号と対応づけられたオブジェクトを透かし印刷するオブジェクト透かし印刷ステップと、
を備えたことを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
テキストの描画命令からオブジェクト番号の文字列を全て抽出するオブジェクト番号抽出処理と、
オブジェクト描画命令で描画されるオブジェクトを、前記オブジェクト番号抽出処理により抽出されたオブジェクト番号と対応づけるオブジェクト対応づけ処理と、
前記オブジェクト番号抽出処理により抽出されたオブジェクト番号が含まれる文章の背後に、前記オブジェクト対応づけ処理によりオブジェクト番号と対応づけられたオブジェクトを透かし印刷するオブジェクト透かし印刷処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−86495(P2012−86495A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236716(P2010−236716)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】