説明

画像形成装置およびそのプログラム

【課題】予約印刷ジョブおよび非予約印刷ジョブの両方を円滑に行うことが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】非予約印刷ジョブおよび予約印刷ジョブが入力されときに当該非予約印刷ジョブおよび予約印刷ジョブをジョブデータ記憶部32に格納するジョブ登録処理部51と、ジョブデータ記憶部に格納されている非予約印刷ジョブおよび予約印刷ジョブを実行するジョブ実行部4と、印刷資源の残量に応じた印刷許容量を監視する印刷許容量監視部54と、印刷資源の補充の要否の確認を求める補充要否確認要求があったときに、予約印刷ジョブの実行中に印刷資源の補充が必要になるか否かを判断する補充要否判断部52と、補充要否判断部の判断結果をユーザに通知する判断結果出力手段とを画像形成装置1に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびそのプログラムに関し、特に印刷ジョブの実行開始時刻を指定することができる画像形成装置およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機能を備えた画像形成装置では、ある印刷ジョブの実行期間中は他の印刷ジョブを実行することができない。このため、複数のユーザによって共用される画像形成装置では、一人のユーザが大量の印刷物を一時に得るために長時間に亘る印刷ジョブを設定すると、他のユーザが長時間に亘って当該画像形成装置を利用できなくなるという不具合が生じる。このような不具合を防止するために、印刷ジョブの実行開始時刻を指定する時刻指定機能を備えた画像形成装置が開発されている。
【0003】
時刻指定機能を備えた画像形成装置では、深夜や早朝など、画像形成装置の利用頻度が低い時間帯の所望時刻に印刷ジョブ(以下、予約印刷ジョブという)を実行させることができるので、上記の不具合を生じさせることなく、大量の印刷物を一時に得ることが可能である。ただし、画像形成装置の利用頻度が低い時間帯では、予約印刷ジョブの実行途中に印刷用紙やトナー等の印刷資源が不足しても誰も気づかないことがあり、結果として、利用頻度が高い時間帯に誰かが印刷資源不足に気づいてその補給を行うまで、予約印刷ジョブが中断されることもある。
【0004】
印刷資源不足による予約印刷ジョブの中断を防止するために、例えば特許第4194616号公報に記載された画像形成装置(画像処理装置)では、予約印刷ジョブが設定されると当該予約印刷ジョブの実行に必要な印刷資源を予め確保し、非予約印刷ジョブすなわち原稿の画像データの形成後直ちに印刷を開始する印刷ジョブを予約印刷ジョブの実行開始時刻前に行うときには、予約印刷ジョブを実行するために確保した印刷資源は使用せずに残りの印刷資源を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の公報に記載された画像形成装置では、予約印刷ジョブを実行するために確保した印刷資源は使用せず非予約印刷ジョブを実行するので、非予約印刷ジョブを実行するに十分な印刷資源が現に当該画像形成装置内にあるときでも、印刷資源の補給を行わなければならないことがある。このような印刷資源の補給作業は、非予約印刷ジョブを設定したユーザにとっては煩わしい作業である。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、予約印刷ジョブおよび非予約印刷ジョブの両方を円滑に行うことが可能な画像形成装置およびそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成する本発明の画像形成装置は、実行開始時刻が指定されない非予約印刷ジョブおよび実行開始時刻が指定される予約印刷ジョブをジョブデータ記憶部に格納するジョブ登録処理部と、印刷ジョブの実行時に消費される印刷資源を収容し、前記ジョブデータ記憶部に前記非予約印刷ジョブが格納されているときには該非予約印刷ジョブを実行し、前記ジョブデータ記憶部に前記予約印刷ジョブが格納されているときには該予約印刷ジョブを実行するジョブ実行部と、前記ジョブ実行部に収容されている前記印刷資源の残量に応じた印刷許容量を監視する印刷許容量監視部と、前記印刷資源の補充の要否の確認を求める補充要否確認要求があったときに、前記印刷許容量監視部の監視結果と前記予約印刷ジョブの内容とに基づいて、前記予約印刷ジョブの実行中に前記印刷資源の補充が必要になるか否かを判断する補充要否判断部と、前記補充要否判断部の判断結果をユーザに通知する判断結果出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明のプログラムは、実行開始時刻が指定されない非予約印刷ジョブと実行開始時刻が指定される予約印刷ジョブとを実行することができる画像形成装置を制御するコンピュータに、前記非予約印刷ジョブおよび前記予約印刷ジョブをジョブデータ記憶部に格納する機能と、前記ジョブデータ記憶部に前記非予約印刷ジョブが格納されているときには前記画像形成装置のジョブ実行部に前記非予約印刷ジョブを実行させ、前記ジョブデータ記憶部に前記予約印刷ジョブが格納されているときには前記ジョブ実行部に前記予約印刷ジョブを実行させる機能と、印刷ジョブの実行時に消費される印刷資源の残量に応じた印刷許容量を前記画像形成装置の印刷許容量監視部に監視させる機能と、前記印刷資源の補充の要否の確認を求める補充要否確認要求があったときに、前記印刷許容量の監視結果と前記予約印刷ジョブの内容とに基づいて、前記予約印刷ジョブの実行中に前記印刷資源の補充が必要になるか否かを判断する機能と、前記印刷資源の補充が必要になるか否かの判断結果を前記画像形成装置の判断結果出力手段によってユーザに通知する機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置では、予約印刷ジョブの実行に必要な印刷資源を予め確保するということは行わないので、予約印刷ジョブが設定されているときでも非予約印刷ジョブを実行する十分な印刷資源が現にあるときには、印刷資源の補給を行うことなく非予約印刷ジョブを実行することができる。また、予約印刷ジョブの実行中に印刷資源の補充が必要になるか否かを補充要否判断部が判断し、この判断結果が入出力部に送られるので、当該判断結果を入出力部から出力することができる。このため、予約印刷ジョブを実行するにあたって印刷資源の補充が必要なときは、予約印刷ジョブの実行開始時刻前に当該補充をユーザに促すことができる。したがって、本発明の画像形成装置によれば、予約印刷ジョブおよび非予約印刷ジョブの両方を円滑に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、図1に示した画像形成装置での予約印刷ジョブの設定から印刷資源の補充要否の判断結果の通知・表示までの動作の一例を概略的に示すシーケンス図である。
【図3】図3は、図1に示した画像形成装置のジョブデータ記憶部に格納される予約印刷ジョブデータの一例を示す概念図である。
【図4】図4は、図1に示した画像形成装置での補充要否確認要求の入力画面の一例を示す概略図である。
【図5】図5は、図1に示した画像形成装置での印刷許容量監視部による監視結果の一例を示す概念図である。
【図6】図6は、図1に示した画像形成装置の補充要否判断部が印刷資源の補充の要否を判断する際のデータ比較の一例を示す概念図である。
【図7】図7は、図1に示した画像形成装置での補充要否判断部の判断結果を示す通知画面の一例を示す概略図である。
【図8】図8は、図1に示した画像形成装置のジョブデータ記憶部に格納される予約印刷ジョブデータの他の例を示す概念図である。
【図9】図9は、図1に示した画像形成装置で予約印刷ジョブの内容に印刷資源の補充の要否の判断時刻を指定する判断時刻指定情報が含まれているときの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図10】図10は、図1に示した画像形成装置に判断時刻指定情報を入力するための入力画面の一例を示す概略図である。
【図11】図11は、図1に示した画像形成装置で用いられるユーザスケジュール情報の一例を示す概念図である。
【図12】図12は、図1に示した画像形成装置で用いられる補充担当者識別情報の一例を示す概念図である。
【図13】図13は、図1に示した画像形成装置で一つの予約印刷ジョブの実行中に印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄が必要になるか否かを、当該予約印刷ジョブと該予約印刷ジョブよりも実行順が前の全ての予約印刷ジョブでの印刷資源の消費量およびパンチ屑の発生量を加味して補充要否確認部が判断するときの判断手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の画像形成装置およびそのプログラムそれぞれの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の画像形成装置の一例を概略的に示す機能ブロック図である。図1に示す画像形成装置1は、ネットワークプリンタとしての機能とコピー機としての機能とスキャナとしての機能とを有し、非予約印刷ジョブ、予約印刷ジョブ、および文書蓄積等のジョブを行うことができる。これらのジョブを行うために、画像形成装置1は、入出力部2、記憶部3、ジョブ実行部4、ジョブ管理部5、判断結果通知部6、および計時部7を備える。
【0013】
入出力部2は、指示信号や設定情報をユーザが直接入力するための入力部21と、コンピュータネットワークに接続されて印刷すべき原稿の画像データや設定情報等を受信するとともに各種のメッセージ情報や通知情報を送信する通信部22と、各種の画像を表示する表示部23とを備える。入力部21は例えば透明パッチパネルや複数の操作ボタン等を有し、通信部22は例えば送信器および受信器等を有し、表示部23は例えば液晶表示パネル等のフラットディスプレイパネルを有する。
【0014】
上記の指示信号には、ジョブ実行部4の動作開始信号や動作中止信号等が含まれる。また、上記の設定情報には、印刷用紙のサイズ、印刷部数、印刷形態、予約印刷ジョブの実行開始時刻、ステープリングの有無、パンチングの有無、予約印刷ジョブを設定したユーザを特定するユーザ識別情報等が含まれる。そして、上記各種の画像には、指示信号や設定情報やスケジュール情報の入力画面、入力部21から入力された指示信号や設定情報の確認画像、ジョブ管理部5のジョブ管理内容を示す管理内容表示画面、ジョブ実行部4でのジョブの進捗状況や実行結果を示すジョブ実行状況表示画面、各種のメッセージ等が含まれる。
【0015】
記憶部3は、画像形成装置1の各部の動作を制御するためのプログラムが格納された制御情報記憶部31と、非予約印刷ジョブおよび予約印刷ジョブが格納されるジョブデータ記憶部32を含む。また、記憶部3は、文書蓄積した際の文書データが格納される文書蓄積データ記憶部33を含む。さらに、記憶部3は、画像形成装置1のユーザを識別するユーザ識別情報、印刷ジョブの実行時に消費される印刷資源である印字材料、印刷用紙、およびステープルをジョブ実行部4に補充可能な時間帯をユーザ毎に示すユーザスケジュール情報、および印刷資源の補充を担当する補充担当者を特定する補充担当者識別情報が格納されるスケジュール情報記憶部34も含む。この記憶部3は、例えば半導体記憶素子を用いて構成することができる。
【0016】
ジョブ実行部4は、画像データ形成部41と、印刷部42と、印刷用紙給紙部43と、ステープリング部44と、パンチング部45と、排紙部46と、当該ジョブ実行部4内の各部の動作を制御するジョブ制御部47とを備える。
【0017】
画像データ形成部41は、例えばリニアイメージセンサを有する画像読取り部(図示せず)を備える。この画像形成部41には、リニアイメージセンサに原稿を読み取らせるために原稿を一定の速度で搬送するオートシードフィーダ(図示せず)を必要に応じて含ませることができる。画像データ形成部41は、ジョブ制御部47による制御の下に動作して、非予約印刷すべき原稿の画像データ、予約印刷すべき原稿の画像データ、および文書蓄積すべき原稿の画像データの各々を形成する。
【0018】
これらの画像データのうち、非予約印刷すべき原稿の画像データおよび予約印刷すべき原稿の画像データは、ジョブ制御部47による制御の下に画像データ形成部41からジョブデータ記憶部32に送られてジョブデータ記憶部32に格納される。また、文書蓄積すべき原稿の画像データは、ジョブ制御部47による制御の下に画像データ形成部41から文書蓄積データ記憶部33に送られて文書蓄積データ記憶部33に格納される。
【0019】
印刷部42は、ジョブデータ記憶部32に格納された印刷ジョブを実行する。また、印刷部42は、文書蓄積データ記憶部33に格納された画像データと入力部21から入力された設定情報とに基づいた印刷も行う。これらの印刷を行うために、印刷部42は、例えば静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラム上に静電潜像を形成する潜像形成部と、感光体ドラム上にトナーを供給するトナー供給部(いずれも図示せず)とを有する。さらに、印刷部42は、例えばトナー供給部の質量変化または印刷部42での印刷枚数等に基づいてトナー残量を検出する印字材料残量検出部42aを有する。この印刷部42は、ジョブ制御部47の制御の下に動作する。
【0020】
印刷用紙供給部43は、印刷用紙を収容する少なくとも一つの用紙カット(図示せず)を有する。また、印刷用紙供給部43は、例えば用紙カセットの質量変化等に基づいて用紙カセット内の印刷用紙の残量を検出する用紙残量検出部43aを有する。印刷用紙供給部43は、例えば、用紙カセット内に印刷用紙の質量に応じて高さ位置が変化する底板を設け、この底板の高さ位置に基づいて用紙残量検出部43aが用紙カセット内の印刷用紙の残量を検出するように構成することもできる。印刷用紙供給部43は、ジョブ制御部47の制御の下に動作して、所定枚数の印刷用紙を印刷部42に順次供給する。
【0021】
ステープリング部44は、印刷部42によって印刷された印刷物を所定形状の針で一揃い(部)毎に綴じるステープラと、ステープラに針を供給する針供給部(いずれも図示せず)とを有する。また、ステープリング部42は、例えばステープラでの針の使用量、針供給部の質量変化、または針供給部内で針を所定方向に送り出す送出し部の変位量等に基づいて針供給部内の針の残量を検出するステープル残量検出部44aを有する。ステープリング部44は、ジョブ制御部47の制御の下に動作する。
【0022】
パンチング部45は、印刷部42によって印刷された印刷物を一揃い毎に綴じるための穴を当該一揃い毎にあける所定数のパンチ刃と、パンチ刃を駆動するパンチ刃駆動部と、パンチ刃による穴あけで生じたパンチ屑を収容するパンチ屑収容部(いずれも図示せず)とを有する。また、パンチング部45は、例えばパンチ刃による穴あけ回数またはパンチ屑収容部の質量変化等に基づいてパンチ屑収容部での収容可能残量を検出するパンチ屑収容残量検出部45aを有する。パンチング部45は、ジョブ制御部47の制御の下に動作する。
【0023】
排紙部46は、印刷部42によって印刷された印刷物を一揃い毎に載せるための所定数の排紙台と、上記の印刷物を排紙台上に搬送する搬送部(いずれも図示せず)とを有する。上記の搬送部には、必要に応じて、印刷部42で印刷された印刷物を所定枚数毎に排紙台に供給する積載装置を含ませることができ、この積載装置にはステープリング部44およびパンチング部45の少なくとも一方を含ませることができる。勿論、ステープリング部44およびパンチング部45を上記の積載装置とは別個に設けることもできる。排紙部46は、ジョブ制御部47の制御の下に動作する。
【0024】
ジョブ制御部47は、ジョブデータ記憶部32に格納された印刷ジョブの内容に基づいて、ジョブ実行部4内の各部の動作を上述のように制御する。また、印刷ジョブの進捗状況や実行結果等に係る情報を入出力部2に送る。さらに、少なくとも非予約印刷ジョブの実行期間中は、印字材料残量検出部42a、用紙残量検出部43a、ステープル残量検出部44a、およびパンチ屑収容残量検出部45aそれぞれの検出結果を監視する。そして、これらの検出部43a〜45aの少なくとも一つの検出結果が閾値以下になったときには、残量不足を報知するメッセージの表示を指示する指示信号や、印字材料、印刷用紙、またはステープルの補給を促すメッセージの表示を指示する指示信号や、パンチ屑収容部内のパンチ屑の廃棄を促すメッセージの表示を指示する指示信号を表示部23に送る。なお、上記の閾値は、例えば記憶部3に予め格納される。
【0025】
ジョブ管理部5は、通信部22で受信した非予約印刷ジョブ、予約印刷ジョブ、および発信元のアドレス(IPアドレス,MACアドレス等)情報、ならびに入力部21から入力されて入出力部2が受け付けた非予約印刷ジョブおよび予約印刷ジョブをジョブデータ記憶部32に格納するとともに、全ての予約印刷ジョブの管理を行う。これらを行うために、ジョブ管理部5は、ジョブ登録処理部51、補充要否判断部52、要否判断要求部53、印刷許容量監視部54、およびスケジュール登録処理部55を備える。
【0026】
ジョブ登録処理部51は、通信部22で受信して入出力部2が受け付けた非予約印刷ジョブ、予約印刷ジョブ、および発信元のアドレス情報、ならびに入力部21から入力されて入出力部2が受け付けた非予約印刷ジョブおよび予約印刷ジョブをジョブデータ記憶部32に格納する。このとき、通信部22で受信して入出力部2が受け付けた印刷ジョブについては、該印刷ジョブと発信元のアドレス情報とを互いに関連づけて一つの印刷ジョブデータにする。また、また、入力部21から入力されて入出力部2が受け付けた印刷ジョブについては、該印刷ジョブを一つの印刷ジョブデータにする。そして、個々の印刷ジョブテータに、該印刷ジョブデータを特定するジョブ識別情報を付加する。このジョブ登録処理部51は、既にジョブデータ記憶部32に格納されている予約印刷ジョブの内容を変更または削除する指示信号が入出力部2から送られてきたときに、対応する設定情報の変更処理または削除処理を行う。
【0027】
補充要否判断部52は、印刷資源である印字材料、印刷用紙、およびステープルそれぞれの補充の要否ならびにパンチ屑の廃棄の要否の確認を求める補充要否確認要求を入出力部2が受け付けたことを示す信号が入出力部2から送られてきたときに、印刷許容量監視部54に検出結果の取得要求を送り、印刷許容量監視部54から印字材料残量検出部42a、用紙残量検出部43a、ステープル残量検出部44a、およびパンチ屑収容残量検出部45aそれぞれの検出結果を取得する。また、要否判断要求部53から補充要否確認要求があったときにも印刷許容量監視部54に検出結果の取得要求を送り、印刷許容量監視部54から各残量検出部42a〜45aの検出結果を取得する。
【0028】
上記の検出結果を取得した補充要否判断部52は、当該検出結果とジョブデータ記憶部32に格納されている予約印刷ジョブの内容とに基づいて、予約印刷ジョブの実行中に印刷資源の補充またはパンチ屑の廃棄が必要になるか否かを判断する。そして、印刷資源の補充またはパンチ屑の廃棄が必要になると判断されると、当該判断結果を判断結果通知部6に送る。この判断結果には、補充が必要と判断される印刷資源の補充量情報、予約印刷ジョブを特定するジョブ識別情報、および予約印刷ジョブを設定したユーザを特定するユーザ識別情報も付加される。さらに、通信部22で受信して入出力部2が受け付けた予約印刷ジョブについては、発信元のアドレス情報も付加される。勿論、印刷資源の補充およびパンチ屑の廃棄のいずれも不要と判断されたときにも、当該判断結果を補充要否判断部52が判断結果通知部6に送るように画像形成装置1を構成してもよい。
【0029】
要否判断要求部53は、ジョブデータ記憶部32に格納された予約印刷ジョブの内容を監視し、該内容に印刷資源の補充の要否およびパンチ屑の廃棄の要否の判断時刻を指定する判断時刻指定情報が含まれていたときには当該判断時刻指定情報によって特定される時刻に動作して、補充要否判断部52に補充要否確認要求を送る。また、スケジュール情報記憶部34にユーザ識別情報、ユーザスケジュール情報、および補充担当者識別情報が格納されているときには、補充担当者識別情報によって特定されるユーザのユーザスケジュール情報と予約印刷ジョブの内容とに基づいて、補充担当者がジョブ実行部4への印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄を行うことが可能な時刻を上記の判断時刻として選定し、この時刻に動作して、補充要否判断部52に補充要否確認要求を送る。
【0030】
なお、入出力部2は、補充要否確認要求または判断時刻指定情報の入力許可を求める入力許可要求が入力部21から入力されると、補充要否確認要求または判断時刻指定情報を入力するための入力画面を表示部23に表示する。このとき、ジョブ登録処理部51は、上記の入力許可要求を受け付けたことを示す信号が入出力部2から送られてくると、所望の予約印刷ジョブの補充要否確認要求または判断時刻指定情報をユーザが容易に入力することができるように、例えばジョブデータ記憶部32に格納されている予約印刷ジョブデータ中のジョブ識別情報、ユーザ識別情報、実行開始時刻の情報、判断時刻指定情報に係る情報等を取得し、これらの情報を画面表示情報として入出力部2に送る。そして、画面表示情報を受け取った入出力部2は、上記の入力画面内に当該画面表示情報中の各情報を一覧表示する。
【0031】
また、入出力部2は、補充要否確認要求または判断時刻指定情報の入力許可を求める入力許可要求が通信部22で受信してこれを受け付けると、入力許可要求を受け付けたことを示す信号をジョブ登録処理部51に送り、ジョブ登録処理部51から上記の画面表示情報を受け取って、該入力画面情報を通信部22から入力許可要求の発信元に送信する。
【0032】
印刷許容量監視部54は、補充要否判断部52から検出結果の取得要求があったときに動作して、印字材料残量検出部42a、用紙残量検出部43a、ステープル残量検出部44a、およびパンチ屑収容残量検出部45aの各々から検出結果を取得する。印刷許容量監視部54は、取得した検出結果を補充要否判断部52に送る。
【0033】
スケジュール登録処理部55は、入力部21から入力されて入出力部2が受け付けた前述のユーザ識別情報、ユーザスケジュール情報、および補充担当者識別情報を互いに関連づけてスケジュール情報記憶部34に格納する。また、通信部22で受信して入出力部2が受け付けたユーザ識別情報、ユーザスケジュール情報、および補充担当者識別情報も、これらを互いに関連づけてスケジュール情報記憶部34に格納する。
【0034】
判断結果通知部6は、補充要否判断部52から送られてきた判断結果を入出力部2に送る。印刷資源の補充の要否の判断対象となった予約ジョブの画像データがジョブ実行部4で取得したものであるとき、入出力部2は、上記の判断結果を表示部23に表示する。また、印刷資源の補充の要否の判断対象となった予約ジョブの画像データが通信部22で取得したものであるとき、入出力部2は、予約ジョブの画像データの発信元に宛てて当該判断結果を通信部22に送信させる。判断結果通知部6、通信部22、および表示部23は、補充要否判断部52の判断結果をユーザに通知する判断結果出力手段として機能する。
【0035】
計時部7はカレンダ機能と時計機能とを有し、計時結果をジョブ実行部4および要否判断要求部53に常時提供する。
【0036】
上述した構成を有する画像形成装置1では、入出力部2での入力信号の受付動作および出力動作に係る制御、ジョブ制御部47、ジョブ管理部5、および判断結果通知部6の各々が一または複数のコンピュータによって実現される。画像形成装置1で実行されるプログラムは、これら入出力部2での制御、ジョブ制御部47、ジョブ管理部5、および判断結果通知部6に対応するモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、少なくとも一つのプロセッサが制御情報記憶部31から上記のプログラムを読み出して実行する。これにより、入出力部2での入力信号の受付動作および出力動作に係る制御を行う制御部(図示せず)、ジョブ制御部47、ジョブ管理部5、および判断結果通知部6の各々が主記憶装置等の記憶装置(図示せず)上にロードされ、生成される。
【0037】
この画像形成装置1では、非予約印刷ジョブがジョブデータ記憶部32に格納されると、当該非予約印刷ジョブが直ちに実行される。画像形成装置1に印刷部数、印刷濃度、用紙サイズ等についての基本印刷条件を予め設定しておき、非予約印刷ジョブの印刷条件が当該基本印刷条件と同一であるときは、当該基本印刷条件の下に非予約印刷ジョブを実行してもよい。一方、予約印刷ジョブについては、実行開始時刻前に、印刷資源の補充の要否およびパンチ屑の廃棄の要否を補充要否判断部52が判断し、その後、実行開始時刻になると、当該予約印刷ジョブが実行される。以下、画像形成装置1での予約印刷ジョブの設定から予約印刷ジョブの実行までの動作を具体的に説明する。
【0038】
図2は、図1に示した画像形成装置1での予約印刷ジョブの設定から印刷資源の補充要否の判断結果の通知・表示までの動作の一例を概略的に示すシーケンス図であり、予約印刷ジョブの内容に判断時刻指定情報が含まれていないときの動作の一例を示している。図2に示す装置構成要素の各々は図1を参照して既に説明したものであるので、これらの装置構成要素には図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してある。
【0039】
この例では、まず、予約印刷ジョブを通信部22(図1参照)が受信して当該予約印刷ジョブを入出力部2が受け付ける予約印刷ジョブ設定ステップS1が行われる。予約印刷ジョブ設定ステップS1で入出力部2が受け付けた予約印刷ジョブPaはジョブ登録処理部51に送られる。このとき、予約印刷ジョブPaの発信元のアドレス情報Oaも入出力部2からジョブ登録処理部51に送られる。これら予約印刷ジョブPaおよびアドレス情報Oaを受け取ったジョブ登録処理部51は、当該予約印刷ジョブPaおよびアドレス情報Oaを互いに関連づけて、一つの予約印刷ジョブデータPJとしてジョブデータ記憶部32に格納する登録処理ステップS2を行う。
【0040】
上記の予約印刷ジョブデータPJには、例えば図3に示すように、予約印刷ジョブPaを識別するジョブ識別情報に相当する「ジョブID」、予約印刷ジョブPaの対象となる画像データの識別情報に相当する「データ名」、予約印刷ジョブの印刷条件(「原稿枚数」、「用紙サイズ」、「印刷部数」、印刷色の種別を示す「色」、および「ステープリングの有無」)、および予約印刷ジョブPaを予約したユーザのユーザ識別情報に相当する「予約ユーザ名」の各項目、ならびに各項目についての値(設定内容)が含まれる。さらには、予約印刷の実行開始時刻に相当する「実行開始時刻」、印刷資源の補充の要否およびパンチ屑の廃棄の要否の判断時刻を指定する判断時刻指定情報に相当する「印刷資源確認時刻」、およびアドレス情報Oaに相当する「通知先アドレス」の各項目、ならびに各項目についての値(設定内容)も含まれる。
【0041】
なお、図3は、図1に示した画像形成装置1のジョブデータ記憶部32に格納される予約印刷ジョブデータの一例を示す概念図である。この例では、判断時刻指定情報に相当する印刷資源確認時刻が設定されていない。また、通知先アドレスが設定されている印刷ジョブの画像データは通信部22で取得したものであり、設定されていない印刷ジョブの画像データはジョブ実行部4で取得されたものと判断される。
【0042】
この後、図2に示すように、通信部22が受信した補充要否確認要求Ra、または入力部21(図1参照)から入力された補充要否確認要求Raを入出力部2が受け付ける補充要否確認ステップS3が行われると、補充要否確認要求Raが補充要否判断部52に送られて、補充要否判断部52が印刷資源の補充の要否を判断する補充要否判断ステップS4が開始される。
【0043】
この補充要否判断ステップS4では、補充要否判断部52が印刷許容量監視部54に検出結果の取得要求Rrを送り、取得要求Rrを受け取った印刷許容量監視部54が印字材料残量検出部42a、用紙残量検出部43a、ステープル残量検出部44a、およびパンチ屑収容残量検出部45a(図1参照)の各検出結果Rdを取得して補充要否判断部52に送る。また、補充要否判断部52は、ジョブデータ記憶部32に格納されている予約印刷ジョブデータPJから予約印刷ジョブPaの内容を読み出す。そして、検出結果Rdと予約印刷ジョブPaの内容とを比較して、予約印刷ジョブPaの実行中に印刷資源の補充またはパンチ屑の廃棄が必要になるか否かを判断する。
【0044】
このとき、補充要否確認要求Raは、例えば図4に示す入力画面ES1から入力することができる。図4は、画像形成装置1での補充要否確認要求の入力画面の一例を示す概略図である。この入力画面ES1は、例えばコンピュータネットワークを介して画像形成装置1と接続された各ユーザのノードの表示部に、または入出力部2の表示部23に表示される。入力画面ES1には、ジョブデータ記憶部32に格納されている予約印刷ジョブデータに基づいて、「予約ユーザ名」、「データ名」、および予約印刷の実行開始時刻に相当する「予約実行開始時刻」の各項目が予約印刷ジョブ毎に表示されるとともに、操作の仕方を示すガイドメッセージGM1が表示される。ユーザが入力画面ES1上で所望のジョブを選択すると、当該ジョブについての補充要否確認要求Raが入出力部2によって受け付けられる。
【0045】
また、印刷許容量監視部54が取得する印字材料残量検出部42a、用紙残量検出部43a、ステープル残量検出部44a、およびパンチ屑収容残量検出部45aの各検出結果Rdは、例えば図5に示すものとなる。図5は、画像形成装置1での印刷許容量監視部54による監視結果の一例を示す概念図である。この例での印刷資源「用紙(A4)」および「用紙(A3)」それぞれの残量は、用紙残量検出部43aの検出結果に相当し、印刷資源「トナー(K)」の残量は、印字材料残量検出部42aの検出結果に相当する。また、印刷資源「ステープル」の残量は、ステープル残量検出部44aの検出結果に相当し、印刷資源「パンチ屑」は、パンチ屑収容残量検出部45aの検出結果に相当する。なお、パンチ屑は印刷資源ではないが、図5に示す例では、便宜上、印刷資源と称している。
【0046】
補充要否判断部52は、予約印刷ジョブの実行に必要な印字材料、印刷用紙、およびステープルそれぞれの数量、ならびに予約印刷ジョブの実行に必要なパンチ屑の収容可能残量を求め、例えば図6に示すように、これらの数量と上記の検出結果Rdとを比較して、予約印刷ジョブの実行中に印刷資源の補充またはパンチ屑の廃棄が必要になるか否かを判断する。図6は、画像形成装置1の補充要否判断部52が印刷資源の補充の要否を判断する際のデータ比較の一例を示す概念図である。この例では、予約印刷ジョブの実行中に「用紙(A4)」が100枚不足することになるので、補充要否判断部52は「用紙(A4)」を100枚補充することが必要であると判断する。
【0047】
上述した補充要否判断ステップS4での補充要否判断部52の判断結果Dは、図2に示すように判断結果通知部6に送られる。判断結果Dを受け取った判断結果通知部6は、判断結果Dに対応した所定の通知データAdを作成する通知処理ステップS5を行って、通知データAdを入出力部2に送る。
【0048】
通知データAdを受け取った入出力部2は、通信部22から所定のユーザ、すなわち予約印刷ジョブデータ中のアドレス情報によって特定されるユーザに宛てて当該通知データAdを送信する。この通知データを受信したユーザのノードには、例えば図7に示す通知画面ASが表示される。通知画面ASには、補充が必要であると補充要否判断部52が判断した印刷資源とその補充量を通知するメッセージM1と、当該印刷資源の補充を促すメッセージM2とが表示される。図7は、画像形成装置1での補充要否判断部52の判断結果を示す通知画面の一例を示す概略図である。勿論、ステープルの補充が必要であると補充要否判断部52が判断したときには、ステープルの補充量を通知するメッセージとステープルの補充を促すメッセージとが通知画面ASに表示される。また、パンチ屑の廃棄が必要であると補充要否判断部52が判断したときには、パンチ屑の廃棄を通知するメッセージが通知画面ASに表示される。
【0049】
なお、図2に示したシーケンスでは、通信部22(図1参照)が受信した予約印刷ジョブを入出力部2が受け付けてジョブ登録処理部51に送ったが、予約印刷ジョブは、画像データ形成部41(図1参照)が取得してもよい。この場合、予約印刷ジョブの内容(画像データを除く)は例えば入力部21から入力されて入出力部2が受け付ける。また、ジョブデータ記憶部32への予約印刷ジョブの格納はジョブ制御部47(図1参照)が行い、ジョブデータ記憶部32への予約印刷ジョブの格納は例えばジョブ登録処理部51が行う。補充要否判断部52の判断結果を示す通知画面は、例えば表示部23(図1参照)に表示される。
【0050】
図8に示すように、印刷資源の補充の要否の判断時刻を指定する判断時刻指定情報に相当する「印刷資源確認時刻」の情報が予約印刷ジョブデータ中に含まれているときには、例えば図9に示すシーケンスによって、画像形成装置1が予約印刷ジョブの設定から印刷資源の補充およびパンチ屑の廃棄それぞれの要否の判断結果の通知・表示までの動作を行う。図8は、画像形成装置1のジョブデータ記憶部32に格納される予約印刷ジョブデータの他の例を示す概念図である。また、図9は、予約印刷ジョブデータ中に印刷資源の補充の要否の判断時刻を指定する情報Taが含まれているときの画像形成装置1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0051】
図8と図3との対比から明らかなように、図8に示す予約印刷ジョブデータPJ2は、判断時刻指定情報Taに相当する「印刷資源確認時刻」に値「17:00」が設定されている以外は図3に示した予約印刷ジョブデータPJと同様の内容になっている。予約印刷ジョブデータPJ2の内容に判断時刻指定情報Taが含まれていることから、予約印刷ジョブデータPJ2の内容を監視した要否判断要求部53は、判断時刻指定情報Taに対応する時刻(判断時刻)になったか否かを判断する時刻確認ステップS11を繰り返し行う。要否判断要求部53は、判断時刻になったと判断されると補充要否判断部52に補充要否確認要求Raを送る。
【0052】
このため、図2に示した補充要否確認ステップS3を省略しても、予約印刷ジョブの実行中に印刷資源の補充あるいはパンチ屑の廃棄が必要になるか否かを補充要否判断部52が判断し、その判断結果を示す通知画面がユーザのノードに表示される。勿論、図2に示した補充要否確認ステップS3を所望の時刻に行うこともできる。
【0053】
判断時刻指定情報Taは、ジョブ登録処理部51が予約印刷ジョブPaをジョブデータ記憶部32に格納する際に既に予約印刷ジョブPaの内容に含まれていてもよいし、その後に追加されてもよい。例えば、判断時刻指定情報Taの入力許可を求める入力許可要求を入力部21が受け付けたときに、判断時刻指定情報Taを入力するための入力画面がユーザのノードや表示部23に表示されるように画像形成装置1を構成してもよい。この場合、上記の入力許可要求を受け付けた入出力部2は、所定の信号をジョブ登録処理部51に送り、当該信号を受けたジョブ登録処理部51は、ジョブデータ記憶部32から全ての予約印刷ジョブデータを読み出して各予約印刷ジョブのジョブ識別情報と判断時刻指定情報Taの設定状況に係る情報等を画面表示情報として入出力部2に送る。そして、この画面表示情報を受け取った入出力部2は、当該画面表示情報をユーザのノードに宛てて送信するか、または当該画面表示情報を用いて上記の入力画面を表示部23に表示させる。
【0054】
図10は、画像形成装置1に判断時刻指定情報Taを入力するための入力画面の一例を示す概略図である。図10に示す入力画面ES2では、ジョブデータ記憶部32に格納されている予約印刷ジョブデータに基づいて、ジョブ識別情報に相当する「予約印刷ジョブ名」と判断時刻指定情報に相当する「確認時刻」とが予約印刷ジョブ毎に表示されるとともに、操作の仕方を示すガイドメッセージGM2が表示される。判断時刻が未指定の予約印刷ジョブの「確認時刻」の欄は空欄になっている。所望の予約印刷ジョブ名を指定してその「確認時刻」を入力すると、指定した予約印刷ジョブ名の情報と、入力された「確認時刻」に対応する判断時刻指定情報Taとが入出力部2によって受け付けられてジョブ登録処理部51に送られる。これらの情報を受け取ったジョブ登録処理部51は、ユーザが指定した予約印刷ジョブ名に対応する予約印刷ジョブデータに判断時刻指定情報Taを追加する。なお、入力画面ES2からは、全ての予約印刷ジョブに対して一つの判断時刻指定情報Taを一括で入力することも可能である。
【0055】
また、スケジュール情報記憶部34(図1参照)にユーザ識別情報、ユーザスケジュール情報、および補充担当者識別情報が格納されている場合には、入出力部2から所定の指示信号を受け取ったジョブ登録処理部51がこれらの情報を読み出して所定の時刻を選定し、この時刻に対応する判断時刻指定情報Taを予約印刷ジョブデータに追加するように画像形成装置1を構成してもよい。この場合、ジョブ登録処理部51は、補充担当者識別情報によって特定されるユーザのユーザスケジュール情報に基づいて、当該ユーザが印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄を行うことが可能な最終時刻の所定時間前の時刻を要否確認の判断時刻として選定する。上記最終時刻のどの程度前の時刻を判断時刻とするかは、ジョブ登録処理部51の制御プログラムによって予め設定される。
【0056】
図11は、画像形成装置1で用いられる上記のユーザスケジュール情報の一例を示す概念図である。図11に示すように、ユーザスケジュール情報には、年月日の情報である「日」と、ユーザ識別情報である「ユーザ」と、ユーザ毎の予定出社時刻の情報である「出社時刻」と、ユーザ毎の予定退社時刻の情報である「退社時刻」の各項目を含めることができ、「出社時刻」および「退社時刻」の各項目に対する入力情報には、出社しないことを示す情報である「休み」を含ませることができる。
【0057】
また、図12は、画像形成装置1で用いられる補充担当者識別情報の一例を示す概念図である。図12に示すように、補充担当者識別情報には、ユーザ識別情報である「名前」と、予約印刷ジョブを予約したユーザが上記の「休み」のときに当該ユーザに代わって印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄を担当する他のユーザのユーザ識別情報である「代理者」の各項目を含ませることができる。
【0058】
なお、画像形成装置1では、ジョブデータ記憶部32に複数の予約印刷ジョブが格納されており、かつ要否確認要求Raが送られてきた予約印刷ジョブよりも実行順が前の予約印刷ジョブがあるときには、要否確認要求Raが送られてきた予約印刷ジョブと該予約印刷ジョブよりも実行順が前の全ての予約印刷ジョブでの印刷資源の総消費量およびパンチ屑の総発生量を加味して、印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄が必要になるか否かを補充要否判断部52が判断するように構成することもできる。
【0059】
図13は、画像形成装置1で一つの予約印刷ジョブの実行中に印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄が必要になるか否かを、当該予約印刷ジョブと該予約印刷ジョブよりも実行順が前の全ての予約印刷ジョブでの印刷資源の総消費量およびパンチ屑の総発生量を加味して補充要否確認部52が判断するときの判断手順の一例を示すフローチャートである。この例では、補充要否判断部52がステップS21〜S25を行う。
【0060】
ステップS21は、一つの予約印刷ジョブについての要否確認要求Raが送られてきたときに開始される。このステップS21では、印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄の要否の判断対象となる予約印刷ジョブの実行開始時刻の情報を補充要否確認部52がジョブデータ記憶部32から取得する。
【0061】
ステップS22では、補充要否確認部52がジョブデータ記憶部32にアクセスして、ステップS21で取得した実行開始時刻の情報に対応した時刻よりも前に実行開始時刻が設定された予約印刷ジョブを検索する。
【0062】
ステップS23では、ステップS22での検索の結果、該当する予約印刷ジョブがあったか否かを補充要否判断部52が判断する。該当する予約印刷ジョブがなかったと判断されるときにはステップS24に進み、該当する予約印刷ジョブがあったと判断されるときにはステップS25に進む。
【0063】
ステップS24では、要否確認要求Raが送られてきた予約印刷ジョブの実行に必要な印刷資源量およびパンチ屑の収容残量に基づいて、印刷資源の補充の要否、印刷資源の補充量、およびパンチ屑の廃棄の要否を補充要否判断部52が判断する。
【0064】
ステップS25では、要否確認要求Raが送られてきた予約印刷ジョブと該印刷ジョブよりも実行順が前の全ての予約印刷ジョブでの印刷資源の総消費量とパンチ屑の総発生量とを補充要否判断部52が算出し、これらの予約印刷ジョブを実行するのに要する総印刷資源量およびパンチ屑の総収容残量を求める。そして、これらの算出結果と現在の印刷資源量およびパンチ屑の収容残量とに基づいて、要否確認要求Raが送られてきた予約印刷ジョブの実行中に印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄が必要になるか否かを補充要否判断部52が判断する。
【0065】
また、画像形成装置1では、ジョブデータ記憶部32に複数の予約印刷ジョブが格納されており、かつ印刷資源の補充が必要と補充要否確認部52が判断した予約印刷ジョブよりも実行順が後の予約印刷ジョブがあるときには、当該実行順が後の予約印刷ジョブについても補充要否確認部52が印刷資源の補充が必要と自動的に判断するように構成することもできる。このように構成した場合、入出力部2は、印刷資源の補充が必要であると補充要否判断部52によって判断された予約印刷ジョブそれぞれの設定ユーザに宛てて、補充要否判断部52の判断結果を通信部22から出力する。
【0066】
上述のように構成された画像形成装置1では、予約印刷ジョブの実行に必要な印刷資源を予め確保するということは行わないので、予約印刷ジョブが設定されているときでも非予約印刷ジョブを実行する十分な印刷資源がジョブ実行部4内に現にあり、パンチ屑の収容残量も十分なときには、印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄を行うことなく非予約印刷ジョブを実行することができる。
【0067】
また、画像形成装置1では、予約印刷ジョブの実行中に印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄が必要になるか否かを補充要否判断部52が判断し、この判断結果が入出力部2から出力されるので、予約印刷ジョブを実行するにあたって印刷資源の補充やパンチ屑の廃棄が必要なときは、予約印刷ジョブの実行開始時刻前に当該補充ないし廃棄をユーザに促すことができる。したがって、画像形成装置1によれば、予約印刷ジョブおよび非予約印刷ジョブの両方を円滑に行うことが可能である。
【0068】
以上、実施の形態を挙げて本発明の画像形成装置およびそのプログラムついて説明したが、前述のように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の画像形成装置は複数のユーザによって共用可能なものに限らず、一人のユーザに専用のものであってもよい。
【0069】
また、本発明の画像形成装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、およびスキャナのいずれであってもよいし、プリンタ機能と複写機能とファクシミリ機能とスキャナ機能のうちの少なくとも二つの機能を有する複合機であってもよい。本発明の画像形成装置にネットワーク接続機能を付加するか否かは、適宜選択可能である。また、本発明の画像形成装置に文書蓄積機能を付加するか否かについても、適宜選択可能である。
【0070】
さらには、本発明の画像形成装置にステープリング部やパンチング部を設けるか否かについても、適宜選択可能である。印刷部は、感光体ドラムおよびトナーに代えて、少なくとも一つのインクジェットノズルと当該ノズルにインクを供給するインク供給部とを有していてもよく、この場合、印材材料残量検出部は、インク供給部の質量変化や印刷部での印刷枚数等に基づいてインク残量を検出するものとなる。
【0071】
補充要否判断部は、予約印刷ジョブの実行中に印刷資源の補充が必要になるか否かを判断することができればよく、パンチ屑の廃棄が必要になるか否かの判断機能を補充要否判断部に付加するか否かは適宜選択可能である。また、予約印刷ジョブが入出力部の通信部を介して設定されたときに、当該予約印刷ジョブを設定したユーザのノードと入出力部の表示部の両方に補充要否判断部の判断結果を表示させてもよい。補充要否判断部に印刷資源の補充量を求めさせるか否かは、適宜選択可能である。
【0072】
また、印刷資源にステープルを含ませるか否かも適宜選択可能である。したがって、印刷許容量監視部は、少なくとも印字材料残量検出部および用紙残量検出部それぞれの検出結果を監視するものであればよい。
【0073】
要否判断要求部は、任意の構成要素とすることができる。ただし、補充要否判断部に印刷資源の補充の要否を所望時刻に確実に判断させるうえからは、要否判断要求部を設けた方が好ましい。スケジュール登録処理部も任意の構成要素とすることができ、これに伴ってスケジュール情報記憶部も任意の構成要素とすることができる。
【0074】
スケジュール登録処理部およびスケジュール情報記憶部を構成要素とする場合でも、所定の動作モードの設定が入出力部からなされたときにのみ、スケジュール情報記憶部に格納されているユーザ識別情報、ユーザスケジュール情報、および補充担当者識別情報に基づいてジョブ登録処理部が判断時刻指定情報を予約印刷ジョブデータに追加するように画像形成装置を構成することができる。本発明の画像形成装置およびそのプログラムについては、上述した以外にも様々な変形、装飾、組み合わせ等が可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成装置
2 入出力部
3 記憶部
31 制御情報記憶部
32 ジョブデータ記憶部
33 文書蓄積データ記憶部
34 スケジュール情報記憶部
4 ジョブ実行部
5 ジョブ管理部
51 ジョブ登録処理部
52 補充要否判断部
53 要否判断要求部
54 印刷許容量監視部
55 スケジュール登録処理部
6 判断結果通知部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【特許文献1】特許第4194616号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行開始時刻が指定されない非予約印刷ジョブおよび実行開始時刻が指定される予約印刷ジョブが入力されときに、前記非予約印刷ジョブおよび前記予約印刷ジョブをジョブデータ記憶部に格納するジョブ登録処理部と、
印刷ジョブの実行時に消費される印刷資源を収容し、前記ジョブデータ記憶部に前記非予約印刷ジョブが格納されているときには該非予約印刷ジョブを実行し、前記ジョブデータ記憶部に前記予約印刷ジョブが格納されているときには該予約印刷ジョブを実行するジョブ実行部と、
前記ジョブ実行部に収容されている前記印刷資源の残量に応じた印刷許容量を監視する印刷許容量監視部と、
前記印刷資源の補充の要否の確認を求める補充要否確認要求があったときに、前記印刷許容量監視部の監視結果と前記予約印刷ジョブの内容とに基づいて、前記予約印刷ジョブの実行中に前記印刷資源の補充が必要になるか否かを判断する補充要否判断部と、
前記補充要否判断部の判断結果をユーザに通知する判断結果出力手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記補充要否判断部は、当該画像形成装置に前記補充要否確認要求が入力されたときに前記印刷資源の補充が必要になるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ジョブ登録処理部は、前記補充要否判断部が前記印刷資源の補充の要否の判断を行うべき時刻を指定する判断時刻指定情報が当該画像形成装置に入力されたときに、該判断時刻指定情報を前記ジョブデータ記憶部に格納し、
当該画像形成装置は、前記ジョブデータ記憶部に格納された前記判断時刻指定情報に対応する時刻に前記補充要否判断部に前記補充要否確認要求を送る要否判断要求部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ジョブデータ記憶部に格納されている全ての予約印刷ジョブに対して、一つの判断時刻指定情報を一括で入力することが可能であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ユーザを識別するユーザ識別情報と、前記印刷資源を前記ジョブ実行部に補充可能な時間帯を前記ユーザ毎に示すユーザスケジュール情報と、前記印刷資源の補充を担当するユーザを識別する補充担当者識別情報とが当該画像形成装置に入力されたときに、前記ユーザ識別情報、前記ユーザスケジュール情報、および前記補充担当者識別情報をスケジュール情報記憶部に格納するスケジュール登録処理部を更に備え、
前記要否判断要求部は、前記ユーザ識別情報と前記ユーザスケジュール情報と前記補充担当者識別情報とに基づいて、前記補充担当者識別情報によって特定されるユーザが前記印刷資源を前記ジョブ実行部に補充可能な時刻に前記補充要否判断部に前記補充要否確認要求を送る、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補充要否判断部は、前記ジョブデータ記憶部に複数の予約印刷ジョブが格納され、かつ前記要否確認要求が送られてきた予約印刷ジョブよりも実行順が前の予約印刷ジョブがあるときには、前記要否確認要求が送られてきた予約印刷ジョブと該予約印刷ジョブよりも実行順が前の全ての予約印刷ジョブでの印刷資源の総消費量を加味して、前記要否確認要求が送られてきた予約印刷ジョブの実行中に前記印刷資源の補充が必要になるか否かを判断することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記判断結果出力手段は、コンピュータネットワークに接続される通信部を有し、
前記補充要否判断部は、前記ジョブデータ記憶部に複数の予約印刷ジョブが格納され、かつ前記印刷資源の補充が必要になると判断される予約印刷ジョブよりも実行順が後の予約印刷ジョブがあるときには、該実行順が後の予約印刷ジョブについても前記印刷資源の補充が必要になると判断し、
前記判断結果出力手段は、前記印刷資源の補充が必要になると前記補充要否判断部が判断した予約印刷ジョブそれぞれの設定ユーザに宛てて、前記補充要否判断部の判断結果を前記通信部から出力する、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
実行開始時刻が指定されない非予約印刷ジョブと実行開始時刻が指定される予約印刷ジョブとを実行することができる画像形成装置を制御するコンピュータに、
前記非予約印刷ジョブおよび前記予約印刷ジョブが入力されたときに、前記非予約印刷ジョブおよび前記予約印刷ジョブをジョブデータ記憶部に格納する機能と、
前記ジョブデータ記憶部に前記非予約印刷ジョブが格納されているときには前記画像形成装置のジョブ実行部に前記非予約印刷ジョブを実行させ、前記ジョブデータ記憶部に前記予約印刷ジョブが格納されているときには前記ジョブ実行部に前記予約印刷ジョブを実行させる機能と、
印刷ジョブの実行時に消費される印刷資源の残量に応じた印刷許容量を前記画像形成装置の印刷許容量監視部に監視させる機能と、
前記印刷資源の補充の要否の確認を求める補充要否確認要求があったときに、前記印刷許容量の監視結果と前記予約印刷ジョブの内容とに基づいて、前記予約印刷ジョブの実行中に前記印刷資源の補充が必要になるか否かを判断する機能と、
前記印刷資源の補充が必要になるか否かの判断結果を前記画像形成装置の判断結果出力手段によってユーザに通知する機能と、
を実現させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−61641(P2012−61641A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205990(P2010−205990)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】