説明

画像形成装置およびレポート印刷プログラム

【課題】 画像形成装置の状態を示す設定情報などを含むレポートを、可能な限り1頁に納めて印刷する。
【解決手段】 レポート作成部6は、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能な場合に、デフォルトの用紙サイズの用紙にデフォルトのフォントサイズでレポートを作成する。また、レポート作成部6は、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではない場合に、デフォルトの用紙サイズより大きい画像形成装置で使用可能な用紙サイズ、および/またはデフォルトのフォントサイズより小さい画像形成装置で使用可能なフォントサイズで、レポートを作成する。印刷部5は、そのレポートを印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびレポート印刷プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機器の設定情報のレポートを作成する装置が存在する(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような装置の他にも、画像形成装置などにおいて内部の設定情報をレポートとして印刷可能な装置がある。
【0004】
【特許文献1】特開2006−323447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようなレポート印刷では、設定情報のうち、予め指定されているレポート対象項目についての項目名および値が列挙されて印刷される。
【0006】
このようなレポート印刷では、場合によっては、印刷される項目が多くなったり、項目の値である文字列が長くなったりして、1頁の用紙にすべての項目を印刷することが困難な場合がある。その場合、レポートが複数頁に印刷されることになり、レポートの確認や管理が煩雑になってしまう。
【0007】
特に、一般ユーザではなく管理者がレポート印刷を行う場合には、確認すべき項目が多いため、上述の問題が顕著である。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、レポートを可能な限り1頁に納めて印刷することができる画像形成装置およびレポート印刷プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能な場合に、デフォルトの用紙サイズの用紙にデフォルトのフォントサイズでレポートを作成し、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではない場合に、デフォルトの用紙サイズより大きい当該画像形成装置で使用可能な用紙サイズ、および/またはデフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズで、レポートを作成するレポート作成部と、レポートを印刷する印刷部とを備える。
【0011】
これにより、レポートを可能な限り1頁に納めて印刷することができる。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、レポート作成部は、デフォルトの用紙サイズより大きい当該画像形成装置で使用可能な用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能である場合には、デフォルトのフォントサイズを使用して、デフォルトの用紙サイズより大きい用紙サイズの1頁でレポートを作成する。
【0013】
これにより、用紙サイズが優先的に調整され、レポートを可能な限り1頁に納めて印刷することができる。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、レポート作成部は、デフォルトの用紙サイズより大きい当該画像形成装置で使用可能な用紙サイズのうち、1頁でレポート対象の全項目が印刷可能となる最も小さい用紙サイズを選択する。
【0015】
これにより、可能な限りデフォルトの用紙サイズに近い用紙サイズでレポートが1頁で印刷される。
【0016】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、レポート作成部は、デフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用すると、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能である場合には、デフォルトの用紙サイズの1頁で、デフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用してレポートを作成する。
【0017】
これにより、フォントサイズが優先的に調整され、レポートを可能な限り1頁に納めて印刷することができる。
【0018】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、レポート作成部は、デフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズのうち、1頁でレポート対象の全項目が印刷可能となる最も大きいフォントサイズを選択する。
【0019】
これにより、可能な限りデフォルトのフォントサイズに近いフォントサイズでレポートが1頁で印刷される。
【0020】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、レポート作成部は、デフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用してレポートを作成する場合に、レポートの複数頁を用紙サイズの1頁に配列させて集約させたレポートを作成する。
【0021】
これにより、レポートがN−UP印刷(集約印刷)されるため、フォントが小さくても、印刷されたレポートが読みやすいものとなる。
【0022】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、印刷部は、1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではないときには、両面印刷でレポートを印刷する。
【0023】
これにより、レポートが1頁のみで印刷できない場合には両面印刷が行われるため、1枚の用紙、または可能な限り少ない頁数の用紙にレポートを印刷することができる。
【0024】
本発明に係るレポート印刷プログラムは、コンピュータを、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能な場合に、デフォルトの用紙サイズの用紙にデフォルトのフォントサイズでレポートを作成し、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではない場合に、デフォルトの用紙サイズより大きい画像形成装置で使用可能な用紙サイズ、および/またはデフォルトのフォントサイズより小さい画像形成装置で使用可能なフォントサイズで、レポートを作成するレポート作成部、並びにレポートを印刷させるレポート印刷命令を送信する命令送信部として機能させる。
【0025】
これにより、レポートを可能な限り1頁に納めて印刷することができる。
【0026】
また、本発明に係るレポート印刷プログラムは、上記のレポート印刷プログラムに加え、次のようにしてもよい。この場合、レポート作成部は、デフォルトの用紙サイズより大きい画像形成装置で使用可能な用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能である場合には、デフォルトのフォントサイズを使用して、デフォルトの用紙サイズより大きい用紙サイズの1頁でレポートを作成する。
【0027】
これにより、用紙サイズが優先的に調整され、レポートを可能な限り1頁に納めて印刷することができる。
【0028】
また、本発明に係るレポート印刷プログラムは、上記のレポート印刷プログラムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、レポート作成部は、デフォルトの用紙サイズより大きい画像形成装置で使用可能な用紙サイズのうち、1頁でレポート対象の全項目が印刷可能となる最も小さい用紙サイズを選択する。
【0029】
これにより、可能な限りデフォルトの用紙サイズに近い用紙サイズでレポートが1頁で印刷される。
【0030】
また、本発明に係るレポート印刷プログラムは、上記のレポート印刷プログラムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、レポート作成部は、デフォルトのフォントサイズより小さい画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用すると、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能である場合には、デフォルトの用紙サイズの1頁で、デフォルトのフォントサイズより小さい画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用してレポートを作成する。
【0031】
これにより、フォントサイズが優先的に調整され、レポートを可能な限り1頁に納めて印刷することができる。
【0032】
また、本発明に係るレポート印刷プログラムは、上記のレポート印刷プログラムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、レポート作成部は、デフォルトのフォントサイズより小さい画像形成装置で使用可能なフォントサイズのうち、1頁でレポート対象の全項目が印刷可能となる最も大きいフォントサイズを選択する。
【0033】
これにより、可能な限りデフォルトのフォントサイズに近いフォントサイズでレポートが1頁で印刷される。
【0034】
また、本発明に係るレポート印刷プログラムは、上記のレポート印刷プログラムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、レポート作成部は、デフォルトのフォントサイズより小さい画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用してレポートを作成する場合に、レポートの複数頁を用紙の1頁に配列させて集約させたレポートを作成する。
【0035】
これにより、レポートがN−UP印刷(集約印刷)されるため、フォントが小さくても、印刷されたレポートが読みやすいものとなる。
【0036】
また、本発明に係るレポート印刷プログラムは、上記のレポート印刷プログラムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、命令送信部は、1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではないときには、両面印刷でレポートを印刷させるレポート印刷命令を送信する。
【0037】
これにより、レポートが1頁のみで印刷できない場合には両面印刷が行われるため、1枚の用紙、または可能な限り少ない頁数の用紙にレポートを印刷することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、レポートを可能な限り1頁に納めて印刷することができる画像形成装置およびレポート印刷プログラムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0040】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。図1において、操作パネル1は、入力装置および表示装置を有し、装置の筐体に設置されたユーザインタフェースである。入力装置は、ユーザ操作を検出すると操作に応じた電気信号を出力する装置である。入力装置としては、キー、タッチパネルなどが使用される。表示装置は、供給されたデータに基づき各種情報を表示する装置である。表示装置としては、液晶ディスプレイなどが使用される。
【0041】
設定記憶部2は、各設定項目についてのデフォルトの値、またはユーザ操作により指定された値を設定情報として格納する装置である。設定記憶部2としては、NVRAM(Non Volatile Random Access Memory)などの不揮発性で書換可能な記憶装置が使用される。
【0042】
画像読取部3は、自動原稿給紙装置により給紙されてきた原稿またはユーザにより載置された原稿の片面または両面に対して光を照射しその反射光等を受光して原稿の画像を読み取り画像データとして出力する装置である。
【0043】
また、通信部4は、電話回線、コンピュータネットワークなどを介してデータ通信を行う1または複数の装置である。通信部4によりファクシミリ信号の送受信が行われる。通信部4は、例えばネットワークインタフェースカード、モデムなどを有する。
【0044】
また、印刷部5は、画像読取部1により生成されたデータ、通信部4により受信されたデータなどに基づき画像を印刷する装置である。実施の形態1では、印刷部5は、レポート作成部6により生成されたレポートのデータに基づき、レポートを印刷する。
【0045】
また、レポート作成部6は、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能な場合に、デフォルトの用紙サイズの用紙にデフォルトのフォントサイズでレポートを作成する。また、レポート作成部6は、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではない場合に、デフォルトの用紙サイズより大きい当該画像形成装置で使用可能な用紙サイズ、および/またはデフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズで、レポート(つまり、レポートを印刷するための印刷データ)を作成する。
【0046】
なお、レポート対象の項目は、設定情報における設定項目の一部または全部、当該装置の内部状態情報における項目の一部または全部などを含む。この項目の数は、当該装置にインストールされているプログラムの種類、数などにより変化する。また、項目の値の長さ(つまり、テキスト長)も、そのときの装置の状況に応じて変化する。このため、レポートの内容量は、レポートを作成・印刷する時点によって変動するため、固定的に予め特定しておくことはできない。
【0047】
また、制御部7は、当該画像形成装置内の各部の状態および操作パネル1へのユーザ操作に基づいて、各部を制御し、各種処理を実行される処理部である。
【0048】
なお、レポート作成部6および制御部7は、例えば、内蔵のコンピュータにプログラムを実行させることにより実現される。
【0049】
次に、上記装置の動作について説明する。図2は、図1に示す画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【0050】
制御部7は、操作パネル1に対してレポート印刷要求の操作が行われると、その操作に基づきレポート印刷要求を検出する(ステップS1)。
【0051】
制御部7は、レポート印刷要求を検出すると、レポート作成部6にレポートデータの生成を実行させる。
【0052】
レポート作成部6は、設定記憶部2に格納されている設定情報を参照するとともに、各部3,4,5の状態情報を取得することにより、予め設定されているレポートの全項目についての現在の値を収集する。レポート作成部6は、収集したレポートの全項目の値に基づいて、デフォルトの用紙サイズでデフォルトのフォントサイズを使用した場合の、レポートの印刷データを生成する。このときの印刷データとしては、例えばPDL(Printer Description Language)によるデータが使用される。
【0053】
そして、レポート作成部6は、生成した印刷データに基づいて、デフォルトの用紙サイズでデフォルトのフォントサイズを使用した場合にレポートの印刷頁数が1であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0054】
その場合の印刷頁数が1である場合には、レポート作成部6は、生成した印刷データを図示せぬメモリに格納しておき、レポート作成の完了を制御部7に通知する。制御部7は、レポート作成が完了すると、印刷部5にレポート印刷を実行させる。印刷部5は、図示せぬメモリからレポートの印刷データを読み出しその印刷データに基づきレポートを1頁のデフォルトサイズの用紙に印刷する(ステップS3)。なお、レポートの用紙のデフォルトサイズの設定情報は、設定記憶部2に格納されている。
【0055】
一方、上述の印刷頁数が2以上である場合には、レポート作成部6は、当該装置の状態情報に基づいて、デフォルトサイズより大きい用紙サイズの用紙がいずれかの給紙カセットに収容されているか否かを判定する(ステップS4)。
【0056】
デフォルトサイズより大きい用紙サイズの用紙がいずれかの給紙カセットに収容されている場合、レポート作成部6は、そのデフォルトサイズより大きい用紙サイズでデフォルトのフォントサイズを使用した場合のレポートの印刷データを生成する。レポート作成部6は、生成した印刷データを図示せぬメモリに格納しておき、レポート作成の完了を制御部7に通知する。制御部7は、レポート作成が完了すると、印刷部5にレポート印刷を実行させる。印刷部5は、図示せぬメモリからレポートの印刷データを読み出しその印刷データに基づきレポートを、レポート作成部6により選択された用紙サイズの用紙に印刷する(ステップS5)。例えば、デフォルトサイズがA4である場合に、A4の1頁でレポートを作成できないときには、A3の用紙にレポートが作成され印刷される。
【0057】
ここで、デフォルトサイズより大きい複数の用紙サイズの用紙が複数の給紙カセットに収容されている場合には、それらの用紙サイズのうち、1頁でレポートを印刷可能な用紙サイズが選択される。また、1頁でレポートを印刷可能な用紙サイズが複数ある場合には、それらの用紙サイズのうち、デフォルトサイズに最も近い用紙サイズが選択される。なお、デフォルトサイズより大きい用紙サイズの用紙が1または複数の給紙カセットに収容されている場合において、最大サイズの用紙を使用しても1頁でレポートを印刷できないときには、レポートは複数頁で印刷される。
【0058】
一方、デフォルトサイズより大きい用紙サイズの用紙がいずれの給紙カセットにも収容されていない場合、レポート作成部6は、デフォルトの用紙サイズで、デフォルトのフォントサイズより小さいサイズのフォントを使用した場合の、レポートの印刷データを生成する。レポート作成部6は、生成した印刷データを図示せぬメモリに格納しておき、レポート作成の完了を制御部7に通知する。制御部7は、レポート作成が完了すると、印刷部5にレポート印刷を実行させる。印刷部5は、図示せぬメモリからレポートの印刷データを読み出しその印刷データに基づきレポートをデフォルトサイズの用紙に印刷する(ステップS6)。例えば、デフォルトサイズが12ポイントである場合に、12ポイントの文字により1尾頁でレポーを作成できないときには、9ポイントの文字でレポートが作成され印刷される。
【0059】
ここで、デフォルトサイズより小さいフォントサイズのフォントが複数使用可能である場合には、それらのフォントサイズのうち、1頁でレポートを印刷可能なフォントサイズが選択される。また、1頁でレポートを印刷可能なフォントサイズが複数ある場合には、それらのフォントサイズのうち、デフォルトサイズに最も近いフォントサイズが選択される。なお、デフォルトサイズより小さい1または複数のフォントサイズが使用可能である場合において、最小サイズのフォントを使用しても1頁でレポートを印刷できないときには、レポートは複数頁で印刷される。この場合の最小サイズは、当該画像形成装置により機能上使用可能な最小サイズとしてもよいし、その機能上の最小サイズより大きいレポート印刷用に予め設定された最小サイズとしてもよい。
【0060】
なお、デフォルトサイズより大きい用紙サイズの用紙が1または複数の給紙カセットに収容されている場合に最大サイズの用紙を使用しても1頁でレポートを印刷できないときには、ステップS6の処理と同様にして、フォントサイズを変更してレポートが印刷されるようにしてもよい。
【0061】
以上のように、上記実施の形態1によれば、レポート作成部6は、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではない場合に、デフォルトの用紙サイズより大きい当該画像形成装置で使用可能な用紙サイズ、および/またはデフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズで、レポートを作成する。印刷部5は、そのレポートを印刷する。
【0062】
これにより、レポートを可能な限り1頁に納めて印刷することができる。
【0063】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置は、実施の形態1に係る画像形成装置の機能に加え、一般ユーザと、サービスマンなどの保守管理者とで、レポートに含まれる項目が異なるようにしたものである。
【0064】
保守管理者は、隠しコマンドやパスワードを使用して、保守管理者として画像形成装置にログインする。このようにしてログインした状態で、上述のようなレポート印刷要求が検出されると、保守管理者用の全項目の値が収集される。一方、保守管理者がログインしていない状態で、レポート印刷要求が検出されると、一般ユーザ用の全項目の値が収集される。
【0065】
制御部7は、レポート印刷要求を検出すると、保守管理者のログインの有無を判定し、判定結果をレポート作成部6に通知する。レポート作成部6は、その判定結果に基づいて、レポートに含める項目を特定し、各項目の値を収集する。
【0066】
レポートの印刷データの作成および印刷の処理は、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0067】
なお、保守管理者がログインしているときのみ、実施の形態1と同様の処理を実行し、そうでない場合には、フォントサイズおよび用紙サイズを調整せずにレポート印刷を行うようにしてもよい。
【0068】
また、操作パネル1で一般ユーザに対して表示されるメニューに、レポート印刷機能の項目を選択可能に表示させるか否かを、設定項目の値として設定記憶部2に格納しておくようにしてもよい。その場合、一般ユーザに対しては、その設定項目の値に応じて、メニューにおいて、レポート印刷機能の項目が表示される。レポート印刷機能の項目が表示されている場合のみ、一般ユーザは、操作パネル1への操作により、レポート印刷要求を発生させることができる。
【0069】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3では、画像形成装置と通信可能な端末装置が、レポート印刷プログラムを実行し、実施の形態1のレポート作成部6と同様にしてレポート印刷時の用紙サイズ、フォントサイズなどを制御する。そして、画像形成装置が、端末装置からの命令に応じて、画像形成装置に関するレポートを印刷する。
【0070】
図3は、本発明の実施の形態3に係るレポート印刷プログラムを実行する端末装置および画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0071】
図3において、端末装置11は、画像形成装置12に命令を送信し印刷などの各種処理を実行させる装置である。また、端末装置11は、デフォルトの用紙サイズの用紙にデフォルトのフォントサイズでレポートを画像形成装置12に印刷させるレポート印刷機能を有する。また、画像形成装置12は、端末装置11からの命令を受信し印刷などの各種処理を実行する装置である。
【0072】
端末装置11において、通信部21は、画像形成装置12との間でデータ通信可能な装置である。通信部21としては、ネットワークインタフェース、周辺機器インタフェースなどが適宜使用される。
【0073】
ユーザインタフェース22は、入力装置および表示装置を備える。入力装置は、ユーザ操作を検出すると操作に応じた電気信号を出力する装置である。入力装置としては、キーボード、マウス、タッチパネルなどが使用される。表示装置は、供給されたデータに基づき各種情報を表示する装置である。表示装置としては、液晶ディスプレイなどが使用される。
【0074】
コンピュータ23は、CPU、RAM、ROM、レポート印刷プログラムを格納した記録媒体などを備える。記録媒体としては、ハードディスクドライブ、光ディスクおよびその駆動装置などが使用される。コンピュータ23において、CPUによりレポート印刷プログラムが実行される。これにより、レポート作成部23aおよび制御部23bが実現される。
【0075】
レポート作成部23aは、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能な場合に、デフォルトの用紙サイズの用紙にデフォルトのフォントサイズでレポートを作成する。また、レポート作成部23aは、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではない場合に、デフォルトの用紙サイズより大きい画像形成装置12で使用可能な用紙サイズ、および/またはデフォルトのフォントサイズより小さい画像形成装置12で使用可能なフォントサイズで、レポートを作成する。
【0076】
制御部23bは、端末装置11内の各部を制御し、ユーザ操作の検出、画像形成装置12の内部状態情報、設定情報などの取得、レポート印刷命令の送信などを実行する処理部である。
【0077】
一方、画像形成装置12において、操作パネル31は、実施の形態1における操作パネル1と同様のものである。また、設定記憶部32は、実施の形態1における設定記憶部2と同様のものである。また、画像読取部33は、実施の形態1における画像読取部3と同様のものである。また、通信部34は、実施の形態1における通信部4と同様のものである。ただし、通信部34は、端末装置11との間でデータ通信可能とされる。端末装置11と画像形成装置12との間の伝送路は、LANなどであってもよく、周辺機器インタフェースであってもよい。また、印刷部35は、実施の形態1における印刷部5と同様のものである。また、制御部36は、実施の形態1における制御部7と同様のものである。ただし、制御部36は、通信部34により内部状態情報、設定情報などの送信要求が端末装置11から受信されると、内部状態情報、設定情報などを収集し、通信部34を制御して、端末装置11へ送信する。
【0078】
次に、上記端末装置11の動作について説明する。図4は、図3に示す端末装置の動作を説明するフローチャートである。
【0079】
端末装置11の制御部23bは、ユーザインタフェース22に対してレポート印刷要求の操作が行われると、その操作に基づきレポート印刷要求を検出する(ステップS11)。
【0080】
制御部23bは、レポート印刷要求を検出すると、通信部21を制御して、画像形成装置12の内部状態情報、設定情報などの送信要求を、画像形成装置12へ送信する。画像形成装置12の通信部34によりその送信要求が受信されると、制御部36は、それらの情報を収集し、通信部34を制御して、要求の応答としてそれらの情報を端末装置11に送信する。端末装置11において、通信部21によりその応答が受信されると、制御部23bは、その応答を取得する(ステップS12)。応答として取得された画像形成装置12の内部状態情報、設定情報などは、図示せぬRAMに格納される。
【0081】
そして、制御部23bは、レポート作成部23aにレポートデータの生成を実行させる。レポート作成部23aは、図示せぬRAMに格納されている設定情報、状態情報などを読み出し、予め設定されているレポートの全項目についての現在の値を特定する。
【0082】
そして、レポート作成部23aは、それらのレポートの全項目の値に基づいて、デフォルトの用紙サイズでデフォルトのフォントサイズを使用した場合の、レポートの印刷データを生成する。このときの印刷データとしては、例えばPDLによるデータが使用される。
【0083】
そして、レポート作成部23aは、デフォルトの用紙サイズでデフォルトのフォントサイズを使用した場合に、レポートの印刷頁数が1であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0084】
その場合の印刷頁数が1である場合には、レポート作成部23aは、生成した印刷データを図示せぬRAMに格納しておき、レポート作成の完了を制御部23bに通知する。制御部23bは、レポート作成が完了すると、図示せぬRAMから印刷データを読み出し、通信部21を制御して、印刷命令とともに、画像形成装置12に送信する。画像形成装置12は、その印刷命令および印刷データを受信すると、印刷データに基づきレポートを1頁のデフォルトサイズの用紙に印刷する(ステップS14)。
【0085】
一方、上述の場合の印刷頁数が2以上である場合には、レポート作成部23aは、画像形成装置12の状態情報に基づいて、デフォルトサイズより大きい用紙サイズの用紙がいずれかの給紙カセットに収容されているか否かを判定する(ステップS15)。この状態情報も、設定情報などとともに、画像形成装置12から取得される。
【0086】
デフォルトサイズより大きい用紙サイズの用紙がいずれかの給紙カセットに収容されている場合、レポート作成部23aは、そのデフォルトサイズより大きい用紙サイズでデフォルトのフォントサイズを使用した場合のレポートの印刷データを生成する。レポート作成部23aは、生成した印刷データを図示せぬRAMに格納しておき、レポート作成の完了を制御部23bに通知する。制御部23bは、レポート作成が完了すると、図示せぬRAMから印刷データを読み出し、通信部21を制御して、印刷命令とともに、画像形成装置12に送信する。画像形成装置12は、その印刷命令および印刷データを受信すると、印刷データに基づきレポートを、レポート作成部23aにより選択された用紙サイズの用紙に印刷する(ステップS16)。
【0087】
ここで、デフォルトサイズより大きい複数の用紙サイズの用紙が複数の給紙カセットに収容されている場合には、それらの用紙サイズのうち、1頁でレポートを印刷可能な用紙サイズの用紙が選択される。また、1頁でレポートを印刷可能な用紙サイズが複数ある場合には、それらの用紙サイズのうち、デフォルトサイズに最も近い用紙サイズが選択される。なお、デフォルトサイズより大きい用紙サイズの用紙が1または複数の給紙カセットに収容されている場合において、最大サイズの用紙を使用しても1頁でレポートを印刷できないときには、レポートは複数頁で印刷される。
【0088】
一方、デフォルトサイズより大きい用紙サイズの用紙がいずれの給紙カセットにも収容されていない場合、レポート作成部23aは、デフォルトの用紙サイズで、デフォルトのフォントサイズより小さいサイズのフォントを使用した場合の、レポートの印刷データを生成する。レポート作成部23aは、生成した印刷データを図示せぬRAMに格納しておき、レポート作成の完了を制御部23bに通知する。制御部23bは、レポート作成が完了すると、図示せぬRAMから印刷データを読み出し、通信部21を制御して、印刷命令とともに、画像形成装置12に送信する。画像形成装置12は、その印刷命令および印刷データを受信すると、印刷データに基づきレポートをデフォルトサイズの用紙に印刷する(ステップS17)。
【0089】
ここで、デフォルトサイズより小さいフォントサイズのフォントが複数使用可能である場合には、それらのフォントサイズのうち、1頁でレポートを印刷可能なフォントサイズが選択される。また、1頁でレポートを印刷可能なフォントサイズが複数ある場合には、それらのフォントサイズのうち、デフォルトサイズに最も近いフォントサイズが選択される。なお、デフォルトサイズより小さい1または複数のフォントサイズが使用可能である場合において、最小サイズのフォントを使用しても1頁でレポートを印刷できないときには、レポートは複数頁で印刷される。この場合の最小サイズは、画像形成装置12により可能な機能上の最小サイズとしてもよいし、その機能上の最小サイズより大きいレポート印刷用に予め設定された最小サイズとしてもよい。
【0090】
なお、デフォルトサイズより大きい用紙サイズの用紙が1または複数の給紙カセットに収容されている場合に最大サイズの用紙を使用しても1頁でレポートを印刷できないときには、ステップS17の処理と同様にして、フォントサイズを変更してレポートが生成され印刷されるようにしてもよい。
【0091】
以上のように、上記実施の形態3によれば、端末装置11において実行されるレポート印刷プログラムは、コンピュータ23を、レポート作成部23aおよび制御部23bとして機能させる。このレポート作成部23aは、デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではない場合に、デフォルトの用紙サイズより大きい画像形成装置12で使用可能な用紙サイズ、および/またはデフォルトのフォントサイズより小さい画像形成装置12で使用可能なフォントサイズで、レポートを作成する。また、制御部23bは、レポートを印刷させるレポート印刷命令を画像形成装置12へ送信する命令送信部として機能する。
【0092】
これにより、レポートを可能な限り1頁に納めて印刷することができる。
【0093】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0094】
上記の各実施の形態では、まず、用紙サイズを変更しその後に必要に応じてフォントサイズを変更しているが、その代わりに、最初にフォントサイズを変更しその後に必要に応じて用紙サイズを変更するようにしてもよい。
【0095】
また、上記各実施の形態において、用紙サイズおよび/またはフォントサイズの変更後においても1頁にレポートが収まらない場合には、印刷部5,35は、両面印刷で、レポートを印刷するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、例えば、各種のレポートを印刷可能な複合機に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態3に係るレポート印刷プログラムを実行する端末装置および画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す端末装置の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
5 印刷部
6 レポート作成部
23 コンピュータ
23a レポート作成部
23b 制御部(命令送信部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レポート印刷機能を有する画像形成装置において、
デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能な場合に、前記デフォルトの用紙サイズの用紙にデフォルトのフォントサイズでレポートを作成し、前記デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではない場合に、前記デフォルトの用紙サイズより大きい当該画像形成装置で使用可能な用紙サイズ、および/または前記デフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズで、レポートを作成するレポート作成部と、
前記レポートを印刷する印刷部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記レポート作成部は、前記デフォルトの用紙サイズより大きい当該画像形成装置で使用可能な用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能である場合には、前記デフォルトのフォントサイズを使用して、前記デフォルトの用紙サイズより大きい用紙サイズの1頁で前記レポートを作成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記レポート作成部は、前記デフォルトの用紙サイズより大きい当該画像形成装置で使用可能な用紙サイズのうち、1頁でレポート対象の全項目が印刷可能となる最も小さい用紙サイズを選択することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記レポート作成部は、前記デフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用すると、前記デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能である場合には、前記デフォルトの用紙サイズの1頁で、前記デフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用して前記レポートを作成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記レポート作成部は、前記デフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズのうち、1頁でレポート対象の全項目が印刷可能となる最も大きいフォントサイズを選択することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記レポート作成部は、前記デフォルトのフォントサイズより小さい当該画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用して前記レポートを作成する場合に、前記レポートの複数頁を用紙の1頁に配列させて集約させたレポートを作成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷部は、1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではないときには、両面印刷で、前記レポートを印刷することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
レポート印刷機能を記述されたレポート印刷プログラムにおいて、
コンピュータを、
デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能な場合に、デフォルトの用紙サイズの用紙にデフォルトのフォントサイズでレポートを作成し、前記デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではない場合に、前記デフォルトの用紙サイズより大きい前記画像形成装置で使用可能な用紙サイズ、および/または前記デフォルトのフォントサイズより小さい前記画像形成装置で使用可能なフォントサイズで、レポートを作成するレポート作成部、並びに
前記レポートを印刷させるレポート印刷命令を送信する命令送信部、
として機能させるレポート印刷プログラム。
【請求項9】
前記レポート作成部は、前記デフォルトの用紙サイズより大きい前記画像形成装置で使用可能な用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能である場合には、前記デフォルトのフォントサイズを使用して、前記デフォルトの用紙サイズより大きい用紙サイズの1頁で前記レポートを作成することを特徴とする請求項8記載のレポート印刷プログラム。
【請求項10】
前記レポート作成部は、前記デフォルトの用紙サイズより大きい前記画像形成装置で使用可能な用紙サイズのうち、1頁でレポート対象の全項目が印刷可能となる最も小さい用紙サイズを選択することを特徴とする請求項9記載のレポート印刷プログラム。
【請求項11】
前記レポート作成部は、前記デフォルトのフォントサイズより小さい前記画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用すると、前記デフォルトの用紙サイズの1頁でレポート対象の全項目を印刷可能である場合には、前記デフォルトの用紙サイズの1頁で、前記デフォルトのフォントサイズより小さい前記画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用して前記レポートを作成することを特徴とする請求項8記載のレポート印刷プログラム。
【請求項12】
前記レポート作成部は、前記デフォルトのフォントサイズより小さい前記画像形成装置で使用可能なフォントサイズのうち、1頁でレポート対象の全項目が印刷可能となる最も大きいフォントサイズを選択することを特徴とする請求項11記載のレポート印刷プログラム。
【請求項13】
前記レポート作成部は、前記デフォルトのフォントサイズより小さい前記画像形成装置で使用可能なフォントサイズを使用して前記レポートを作成する場合に、前記レポートの複数頁を用紙の1頁に配列させて集約させたレポートを作成することを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項記載のレポート印刷プログラム。
【請求項14】
前記命令送信部は、1頁でレポート対象の全項目を印刷可能ではないときには、両面印刷で前記レポートを印刷させるレポート印刷命令を送信することを特徴とする請求項8記載のレポート印刷プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−291994(P2009−291994A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146198(P2008−146198)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】