説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】カット紙を用いた場合であっても、装置の処理速度(装置スピード)に対して画像処理速度が間に合わない場合への対応が可能な画像形成装置および画像形成方法を提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置1は、複数の用紙122をA面とB面に保持して搬送する描画ドラム170と、描画ドラム170に対向して設けられ、描画ドラム170に保持された用紙122の表面に画像を形成するインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yと、を備えている。制御装置212は、描画ドラム170のA面とB面のすべてを使用せずに用紙122を所定の面に間引き搬送するように設定された複数の搬送モード(例えば搬送モードI、搬送モードII等)を備えている。制御装置212では、単位時間当たりの処理枚数に基づいて複数の搬送モードのいずれか1つが選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、印刷データをバッファリングする入力バッファと、入力バッファから供給された印刷データに基づいてイメージデータを出力する出力バッファを備えると共に、出力バッファのデータに基づいて連続紙に印刷する印刷手段と、印刷タイミングに間に合うか否かを判断する手段と、を備えた連続紙印刷装置が開示されている。
【0003】
この連続紙印刷装置では、印刷タイミングに間に合わないと判断されたときに、生成されたデータに基づいた印刷のページの間に所定のページだけスキップページ(画像がないエリア)が挿入されるような構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−15609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1は連続紙印刷装置の構成であり、例えば、回転する圧胴に2枚の用紙(カット紙)を保持して搬送しながら画像を形成する圧胴搬送式の画像形成装置に適用すると、画像が形成された用紙の間に白紙が入り、後処理が大変になる。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、カット紙を用いた場合であっても、装置の処理速度(装置スピード)に対して画像処理速度が間に合わない場合への対応が可能な画像形成装置および画像形成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の画像形成装置は、複数の記録媒体を周面の異なる保持部位にそれぞれ保持して搬送する搬送体と、前記搬送体に対向して設けられ、前記搬送体に保持された記録媒体の表面に画像を形成する画像形成部と、前記搬送体の周面のすべての保持部位は使用せずに記録媒体を所定の保持部位に間引き搬送するように設定された複数の搬送モードを備える制御手段と、を有するものである。
【0008】
上記の発明によれば、複数の記録媒体を搬送体の周面の異なる保持部位にそれぞれ保持して搬送し、搬送体に対向して設けられた画像形成部によって、搬送体に保持された記録媒体の表面に画像を形成する。その際、搬送体の周面のすべての保持部位は使用せずに記録媒体を所定の保持部位に間引き搬送するように設定された複数の搬送モードを備える制御手段を有している。複数の搬送モードのいずれか1つが実行されることで、装置の処理速度(装置スピード)に対して画像処理速度が間に合わない場合への対応が可能となる。
【0009】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、実行するジョブの印刷枚数と単位印刷時間の積と、ジョブの間で前記搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間と、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間と、から算出された単位時間当たりの処理枚数を基準として前記複数の搬送モードのいずれか1つを選択するものである。
【0010】
上記の発明によれば、制御手段は、実行するジョブの印刷枚数と単位印刷時間の積と、ジョブの間で搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間と、ジョブ完了後に昇温した搬送体を冷却する時間と、から算出された単位時間当たりの処理枚数を基準として複数の搬送モードのいずれか1つを選択する。これにより、装置の処理速度(装置スピード)に対して画像処理速度が間に合わない場合への対応が可能となり、効率的に間引き搬送(スキップ搬送)を行うことができる。
【0011】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記搬送体は、前記保持部位としてA面とB面に2枚の記録媒体を保持して搬送するものであり、前記複数の搬送モードは、前記A面に連続して記録媒体を供給する1枚抜きのパターンを実施した後で、記録媒体が搬送される面をB面に切替えて連続して記録媒体を供給する1枚抜きのパターンを実施する第1搬送モードと、前記A面又は前記B面の同一面に連続して記録媒体を供給する1枚抜きのパターンのみを実施する第2搬送モードと、を備えたものである。
【0012】
上記の発明によれば、複数の搬送モードは、搬送体のA面に連続して記録媒体を供給する1枚抜きのパターンを実施した後で、記録媒体が搬送される搬送体の面をB面に切替えて連続して記録媒体を供給する1枚抜きのパターンを実施する第1搬送モードと、搬送体のA面又はB面の同一面に連続して記録媒体を供給する1枚抜きのパターンのみを実施する第2搬送モードと、を備えている。これにより、第1搬送モード又は第2搬送モードが選択されることで、装置の処理速度(装置スピード)に対して画像処理速度が間に合わない場合への対応が可能となり、効率的に間引き搬送(スキップ搬送)を行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の発明において、前記制御手段は、前記第1搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A1と、ジョブの間で前記搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間Bと、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T1を算出し、前記第2搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A2と、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T2を算出し、T1>T2のときは前記第2搬送モードを実施するものである。
【0014】
上記の発明によれば、第1搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A1と、ジョブの間で前記搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間Bと、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T1が算出される。また、第2搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A2と、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T2が算出される。そして、T1>T2のときは第2搬送モードが実施される。このため、適切な搬送モードを選択して効率的に間引き搬送(スキップ搬送)を行うことができる。
【0015】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の発明において、前記画像形成部が、記録媒体の表面に液滴を吐出する液滴吐出装置であるものである。
【0016】
上記の発明によれば、搬送体の周面の所定の保持部位に保持される記録媒体の表面に、液滴吐出装置によって液滴を吐出し、画像を形成することができる。
【0017】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の発明において、複数の記録媒体が積層される積層部から記録媒体を送り出す送り出し装置を備え、前記制御手段は、前記送り出し装置から送り出される記録媒体の送り出しタイミングを制御することで、前記複数の搬送モードを実施するものである。
【0018】
上記の発明によれば、送り出し装置によって、複数の記録媒体が積層される積層部から記録媒体が順次送り出される。制御手段は、送り出し装置から送り出される記録媒体の送り出しタイミングを制御することで、複数の搬送モードを実施するため、搬送体の適切な保持部位に記録媒体を保持させることができる。
【0019】
請求項7に記載の画像形成方法は、複数の記録媒体を周面の異なる保持部位にそれぞれ保持して搬送する搬送体の周面のすべての保持部位は使用せずに記録媒体を所定の保持部位に間引き搬送するように設定された複数の搬送モードを備え、単位時間当たりの処理枚数に基づいて前記複数の搬送モードのいずれか1つを選択し、前記選択された搬送モードに基づき、所定のタイミングで前記搬送体の周面の所定の保持部位に記録媒体を搬送し、当該記録媒体の表面に画像を形成するものである。
【0020】
上記の発明によれば、搬送体の周面のすべての保持部位は使用せずに記録媒体を所定の保持部位に間引き搬送するように設定された複数の搬送モードを備えており、単位時間当たりの処理枚数に基づいて複数の搬送モードのいずれか1つを選択する。そして、選択された搬送モードに基づき、所定のタイミングで搬送体の周面の所定の保持部位に記録媒体を搬送し、記録媒体の表面に画像を形成する。これにより、装置の処理速度(装置スピード)に対して画像処理速度が間に合わない場合への対応が可能となる。
【0021】
請求項8に記載の画像形成方法は、請求項7に記載の発明において、実行するジョブの印刷枚数と単位印刷時間の積と、ジョブの間で前記搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間と、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間と、から算出された前記単位時間当たりの処理枚数を基準として、前記複数の搬送モードのいずれか1つを選択するものである。
【0022】
上記の発明によれば、実行するジョブの印刷枚数と単位印刷時間の積と、ジョブの間で搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間と、ジョブ完了後に昇温した搬送体を冷却する時間と、から算出された単位時間当たりの処理枚数を基準として複数の搬送モードのいずれか1つを選択する。これにより、装置の処理速度(装置スピード)に対して画像処理速度が間に合わない場合への対応が可能となり、効率的に間引き搬送(スキップ搬送)を行うことができる。
【0023】
請求項9に記載の画像形成方法は、請求項7又は請求項8に記載の発明において、前記搬送体は、前記保持部位としてA面とB面に2枚の記録媒体を保持して搬送するものであり、前記複数の搬送モードは、前記A面に連続して記録媒体を供給して画像を形成する1枚抜きのパターンを実施した後で、記録媒体が搬送される面をB面に切替えて連続して記録媒体を供給して画像を形成する1枚抜きのパターンを実施する第1搬送モードと、前記A面又は前記B面の同一面に連続して記録媒体を供給して画像を形成する1枚抜きのパターンのみを実施する第2搬送モードと、を備えたものである。
【0024】
上記の発明によれば、複数の搬送モードは、搬送体のA面に連続して記録媒体を供給して画像を形成する1枚抜きのパターンを実施した後で、記録媒体が搬送される搬送体の面をB面に入れ替えて連続して記録媒体を供給して画像を形成する1枚抜きのパターンを実施する第1搬送モードと、搬送体のA面又はB面の同一面に連続して記録媒体を供給して画像を形成する1枚抜きのパターンのみを実施する第2搬送モードと、を備えており、単位時間当たりの処理枚数に基づいて第1搬送モード又は第2搬送モードを選択する。これにより、装置の処理速度(装置スピード)に対して画像処理速度が間に合わない場合への対応が可能となり、効率的に間引き搬送(スキップ搬送)を行うことができる。
【0025】
請求項10に記載の画像形成方法は、請求項9に記載の発明において、前記第1搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A1と、ジョブの間で前記搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間Bと、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T1を算出し、前記第2搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A2と、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T2を算出し、T1>T2のときは前記第2搬送モードを実施し、それ以外のときは前記第1搬送モードを実施するものである。
【0026】
上記の発明によれば、第1搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A1と、ジョブの間で前記搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間Bと、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T1を算出する。また、第2搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A2と、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T2を算出する。そして、T1>T2のときは第2搬送モードを実施し、それ以外のときは第1搬送モードを実施する。このため、適切な搬送モードを選択して効率的に間引き搬送(スキップ搬送)を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は上記構成としたので、カット紙を用いた場合であっても、装置の処理速度(装置スピード)に対して画像処理速度が間に合わない場合への対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる描画ドラムとインクジェットヘッドを示す構成図である。
【図3】用紙を供給する給紙部に設けられた給紙装置を示す構成図である。
【図4】JOBが長い場合の複数の搬送パターンにおける生産性を比較した図である。
【図5】JOBが短い場合の複数の搬送パターンにおける生産性を比較した図である。
【図6】描画ドラムのB面の搬送別温度と搬送枚数との関係を比較したグラフである。
【図7】描画ドラムのA面の搬送別温度と搬送枚数との関係を比較したグラフである。
【図8】2つの搬送モードから適切な搬送モードを選択する処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に用いられる描画ドラムとインクジェットヘッドを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。
【0030】
<第1実施形態の画像形成装置の全体構成>
以下に、図1、図2を参照して、本発明の搬送装置及び画像形成装置を実施するためのインクジェット式画像形成装置の構成例を示して説明する。図1は本発明の第1実施形態の画像形成装置の装置全体を示す概念図(側面)、図2は本発明の第1実施形態の画像形成装置に適用される描画ドラム付近を重点的に記載した構成図である。
【0031】
インクジェット記録装置1は、描画部114の圧胴(描画ドラム170)に保持された用紙122に液滴吐出装置の一例としてのインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから複数色のインク(液滴)を吐出して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの吐出前に記録媒体としての用紙122上に処理液(インク凝集処理液)を付与し、処理液とインクを反応させて用紙122上に画像形成を行なう2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
【0032】
インクジェット記録装置1は、主として、給紙部110、処理液付与部112、描画部114、乾燥部116、定着部118、及び排紙部120を設けて構成されている。
【0033】
給紙部110は、用紙122を処理液付与部112に供給する機構であり、給紙部110には、枚葉紙である用紙122が積層されている。給紙部110には、給紙トレイ150が設けられ、この給紙トレイ150から用紙122が一枚ずつ処理液付与部112に給紙される。インクジェット記録装置1では、用紙122として、紙種や大きさ(媒体サイズ)の異なる複数種類の用紙122を使用することができる。なお、本実施形態では、用紙122として、枚葉紙(カット紙)を用いた場合を説明する。
【0034】
処理液付与部112は、用紙122の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部114で付与されるインク中の色材(顔料もしくは染料)を凝集若しくは増粘させる成分を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
【0035】
色材を凝集若しくは増粘させる方法は、具体的には、インクと反応してインク中の色材を析出あるいは不溶化させる処理液、インク中の色材を含む半固体状の物質(ゲル)を生成する処理液等が挙げられる。そして、インクと処理液との反応を引き起こす手段は、インク中のアニオン性の色材と処理液中のカチオン性の化合物を反応させる方法、互いにpHの異なるインクと処理液を混合させることでインクのpHを変化させてインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、処理液中の多価金属塩との反応によりインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、などがある。
【0036】
処理液の付与方法としては、インクジェットヘッドによる打滴、ローラによる塗布、スプレーによる一様付与、等がある。
【0037】
図1に示すように、処理液付与部112は、供給胴152、処理液ドラム154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、用紙122を保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)を備え、この保持手段の爪と処理液ドラム154の周面の間に用紙122を挟み込むことによって用紙122の先端を保持できるようになっている。
【0038】
処理液ドラム154は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより用紙122を処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
【0039】
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられている。処理液塗布装置156は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニロックスローラと、アニロックスローラと処理液ドラム154上の用紙122に圧接されて計量後の処理液を用紙122に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置156によれば、処理液を計量しながら用紙122に塗布することができる。処理液塗布装置156よりも用紙122の搬送方向下流側には、用紙122に塗布された処理液を乾燥させる温風ヒータ158とIRヒータ160が設けられている。
【0040】
色材浮遊(インク液滴が処理液の上に浮遊し、所望の位置にドットが形成されない現象)を防ぐために、処理液打滴後、温風ヒータ158とIRヒータ160で処理液中の溶媒成分の乾燥を行う。
【0041】
処理液付与部112で処理液が付与された用紙122は、処理液ドラム154から中間搬送部124(渡し胴130)を介して描画部114の描画ドラム170へ受け渡される。描画部114には、用紙122を搬送する搬送体の一例としての描画ドラム170と、描画ドラム170の周面に対向して配置される液滴吐出装置(画像形成部)の一例としてのインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yと、が設けられている。描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段としてのグリッパー204を備える(図2参照)。描画ドラム170に保持された用紙122は、記録面が外側を向くようにして搬送され、用紙122の記録面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yからインクが付与される。
【0042】
インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yはそれぞれ、用紙122における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用としてのノズル(吐出口)が複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、用紙122の搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
【0043】
描画ドラム170は、図示を省略するが、その外周面に吸引孔を備えるとともに、吸引孔から用紙122の吸引を行う吸引装置が接続されている。これにより、用紙122が描画ドラム170の周面に吸引され、用紙122を描画ドラム170の周面に密着保持することができる。
【0044】
描画ドラム170上に密着保持された用紙122の記録面に向かって各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部112で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する顔料、樹脂粒子が凝集し、凝集体が形成される。これにより、用紙122上での顔料流れなどが防止され、用紙122の記録面に画像が形成される。
【0045】
描画部114で画像が形成された用紙122は、描画ドラム170から中間搬送部126を介して乾燥部116の乾燥ドラム176へ受け渡される。乾燥部116は、インク中の溶媒、すなわち凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構である。乾燥機構としては、(a)用紙122の記録面の反対側からの乾燥手段と、(b)記録面側からの乾燥手段、の2つから構成される。(a)の乾燥手段としては、用紙122の記録面の反対側から用紙122に加熱部材を押し当て、接触熱伝導により熱供給する構成などが用いられる。(b)の乾燥手段としては、用紙122の記録面側から温風を照射する構成などが用いられる。これらに加え、カーボンヒーターやハロゲンヒーターなどによる輻射で熱を供給する、という構成もある。
【0046】
乾燥後のインク水分の残水量は1g/m以上3.5g/m未満が好ましい。3.5g/m以上水分を残存させてしまうと、後述する定着ローラ186、188へのオフセットが発生してしまい、また、1g/m以下だと用紙122の内部にしみ込んだ水分も蒸発させることになるので、多大なエネルギーが必要になるからである。
【0047】
本実施形態の乾燥部116は、乾燥ドラム176と、複数のIR(赤外線)ヒータ178及び各IRヒータ178の間に配置された温風ヒータ180と、を備えている。
【0048】
乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)を備え、この保持手段によって用紙122の先端を保持できるようになっている。温風ヒータ180から用紙122に向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各IRヒータの温度は温度センサによって検知され、図示しない制御部に温度情報として送られる。この温度情報に基づいて制御部が温風の温度と風量、各IRヒータの温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件が実現される。
【0049】
また、乾燥ドラム176の表面温度は、内部の加熱部材(ヒータなど)により例えば50℃以上に設定されることが好ましい。用紙122の裏面から加熱を行なうことによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができる。なお、乾燥ドラム176の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム176の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
【0050】
また前述のように、乾燥胴温度(乾燥ドラム176の表面温度)が高い方が用紙122の伸縮が少ないことが判明しているので、上記の安全性を損なわない程度に乾燥ドラム176の表面温度は高い方がカックルの影響を少なく抑えることができる。
【0051】
乾燥ドラム176の外周面に、用紙122の記録面が外側を向くように(即ち、用紙122の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、用紙122のシワや浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを防止することができる。
【0052】
乾燥部116で乾燥処理が行なわれた用紙122は、乾燥ドラム176から中間搬送部128を介して定着部118の定着ドラム184へ受け渡される。定着部118は、定着ドラム184、第1の定着ローラ186、第2の定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成されている。
【0053】
定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)を備え、この保持手段によって用紙122の先端を保持できるようになっている。この定着ドラム184の回転により、用紙122は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して第1の定着ローラ186と第2の定着ローラ188による定着処理とインラインセンサ190による検査が行なわれる。
【0054】
第1の定着ローラ186及び第2の定着ローラ188は、インクを加熱加圧することによって、インク中の樹脂粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)を溶着し、インクを皮膜化させるためのローラ部材であり、用紙122を加熱加圧するように構成される。
【0055】
具体的には、第1の定着ローラ186及び第2の定着ローラ188は、定着ドラム184に対して圧接するように配置されており、定着ドラム184との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、用紙122は、第1の定着ローラ186及び第2の定着ローラ188と定着ドラム184との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば0.3MPa)でニップされ、定着処理が行なわれる。
【0056】
また、第1の定着ローラ186及び第2の定着ローラ188は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度(例えば60〜80℃)に制御される。
【0057】
これらの加熱ローラで用紙122を加熱することによって、インクに含まれる樹脂粒子(ラテックス)のTg(ガラス転移温度)以上の熱エネルギーが付与され、樹脂粒子が溶融されることにより、用紙122の凹凸に押し込み定着が行なわれるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢が得られる。
【0058】
インラインセンサ190は、用紙122に定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
【0059】
定着部118によれば、乾燥部116で形成された薄層の画像層内の樹脂粒子が定着ローラ186、188によって加熱加圧されて溶融されるので、用紙122に定着させることができる。また、定着ドラム184の表面温度は50℃以上に設定され、定着ドラム184の外周面に保持された用紙122を裏面から加熱することによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができると共に、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
【0060】
定着部118の記録媒体搬送方向の下流側には排紙部120が設けられている。排紙部120は、排出トレイ192を備えており、この排出トレイ192と定着部118の定着ドラム184との間に、これらに対接するように渡し胴194、搬送ベルト196、張架ローラ198が設けられている。用紙122は、渡し胴194により搬送ベルト196に送られ、排出トレイ192に排出される。
【0061】
また、排出トレイ192に冷風噴出ノズル199が併設されており、冷風噴出ノズル199から冷風を送風することにより用紙122の冷却が行なえるようになっている。
【0062】
また、図1には図示しないが、インクジェット記録装置1には、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yにインクを供給するインク貯留タンク、処理液付与部112に対して処理液を供給する手段を備えると共に、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行なうヘッドメンテナンス部や、媒体搬送路上における用紙122の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
【0063】
図1に示すインクジェット記録装置1では、排出トレイ192に用いるシーズニング装置を複数台備えるとともに、各シーズニング装置を排紙部120と給紙部110との間で移動できる構成としてもよい。
【0064】
<描画部114の詳細>
図2に示されるように、描画部114は、用紙122を搬送する描画ドラム170と、描画ドラム170の周面に沿って描画ドラム170と対向して配置されるインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yと、を備えている。また、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yよりも描画ドラム170の用紙搬送方向(矢印A方向)の上流側には、描画ドラム170の周面の温度を検出する温度センサ210が設けられており、温度センサ210から出力される信号は制御装置(制御手段)212に入力される。
【0065】
描画ドラム170の周面には、2つの凹部170Aが中心部を挟んで対向する位置に設けられている。凹部170Aは、描画ドラム170の幅方向に沿って形成されている。凹部170Aには、軸部202が描画ドラム170の幅方向に沿って配置されており、軸部202には、用紙122の先端122A(搬送方向前端部)を把持する爪形状のグリッパー(保持手段)204が設けられている。グリッパー204は軸部202に所定の間隔で複数設けられている。軸部202の回転により、グリッパー204が用紙122の先端122Aを把持することで、描画ドラム170の周面に用紙122が保持されて矢印A方向に搬送されるようになっている。
【0066】
本実施形態では、描画ドラム170の周面に2つのグリッパー204が設けられていることで、描画ドラム170の周面の2つの保持部位、すなわち、A面とB面にそれぞれ用紙122が保持される。これにより、1回転の描画ドラム170に2枚の用紙122を保持して搬送することができる。
【0067】
また、描画ドラム170の内部には、ヒータ214が固定支持されており、ヒータ214の周囲に設けられた描画ドラム170を構成する回転体が回転する。ヒータ214により描画ドラム170の周面が所定の温度に上昇される。描画ドラム170の周面の温度は温度センサ210で検出され、ヒータ214のON・OFF状態が制御装置(制御手段)212により制御される。これにより、描画ドラム170の周面が所定の温度に制御され、描画ドラム170の周面に保持された用紙122の表面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yからインクが吐出された直後にインクを乾燥することが可能となる。
【0068】
用紙122上に画像を形成する際には、画像処理速度と装置の処理速度(装置スピード)が合っていることが好ましい。画像処理が遅いと、装置の処理速度が速くてもトータルでは印刷物(画像形成物)の生産性は低下するからである。例えば、装置の処理速度を画像処理速度に合わせることも可能であるが、装置の処理速度は、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yからのインク吐出に都合が良い周波数や、装置振動を抑制するために、固有振動数を避けるなどの対応が必要で、制約で決まってしまうことが多い。
【0069】
このため、両者の速度の違いを吸収するために、画像処理速度が装置の処理速度に追いつかない場合は、描画ドラム170に搬送する用紙122を間引くなどの対応がとられる。例えば、描画ドラム170のA面には用紙122を搬送し、描画ドラム170のB面には用紙122を搬送しない、といったスキップ搬送(間引き搬送)が行われる。そして、描画ドラム170のA面に保持された用紙122にのみ画像を形成する。
例えば、雑誌などのカラー画像で1枚1枚の画像が異なるときに、画像処理速度が装置の処理速度に追いつかなくなることが多い。本実施形態では、1枚1枚異なるカラー画像を印刷するときに、スキップ搬送(間引き搬送)を行うように制御されている。
【0070】
<給紙部110の詳細>
上記スキップ搬送は、給紙部110で用紙122を給紙するタイミングを制御することにより行われる。図3に示されるように、積層部の一例としての給紙部110には、箱体216内に用紙122が積載される給紙台218が設けられている。給紙台218の上方には、給紙台218に積載された用紙122を順次供給する送り出し装置の一例としての給紙装置220が設けられている。
【0071】
給紙装置220は、用紙122を吸引するサッカー222と、用紙122を送り出すローラ226と、を備えている。給紙台218は、図示しない付勢手段により用紙122をローラ226側(矢印B方向)に押し上げる。サッカー222の上部には、サッカー222を回動させる軸部224が設けられており、サッカー222で用紙122を吸引し、軸部224を中心にサッカー222を矢印C方向に回動させることで、用紙122をローラ226に受け渡すようになっている。サッカー222の回動動作とローラ226の回転は同期している。すなわち、用紙122を受け渡すタイミングでサッカー222の吸引は停止される(OFF状態とされる)。サッカー222から用紙122が受け渡されるタイミングでローラ226が矢印D方向に回転し、用紙122を給送する。
【0072】
ローラ226の搬送方向下流側には、搬送方向下流側端部が下り勾配となるように配置された給紙トレイ150と、給紙トレイ150に供給された用紙122を搬送する搬送ベルト232と、搬送ベルト232の搬送方向下流側で用紙122の先端が当たるように配置された前当て部236と、が設けられている。搬送ベルト232は、無端状のベルトからなり、2本の支持ローラ234に張架された状態で矢印E方向に周回移動する。給紙トレイ150に供給された用紙122は、搬送ベルト232により用紙122の先端が前当て部236に当たるまで搬送される。前当て部236は、アーム238の軸部238Aを中心に矢印F方向に回動可能に支持されている。用紙122の先端が前当て部236に当たった状態で前当て部236が軸部238Aを中心に回動することで、用紙122が供給胴152に供給される。供給胴152に供給された用紙122は、処理液ドラム154に搬送される。
【0073】
本実施形態では、制御装置212がサッカー222の吸引及び回動タイミングと、ローラ226の給紙タイミングを制御することで、スキップ搬送(間引き搬送)が行われる。例えば、図2に示されるように、描画ドラム170のA面に用紙122を搬送し、描画ドラム170のB面には用紙122を搬送しないように制御する。
【0074】
<スキップ搬送の詳細>
インクジェット記録装置1では、描画ドラム170のA面とB面の両方は使用せずに用紙122をA面又はB面に間引き搬送(スキップ搬送)するように設定された複数の搬送モードを備えている。制御装置212は、画像処理速度がインクジェット記録装置1の処理速度(装置スピード)に追いつかない場合(例えば、1枚1枚異なるカラー画像を印刷するとき)は、インクジェット記録装置1の単位時間当たりの処理枚数(印刷物の生産性)に基づいて複数の搬送モードのいずれか1つを選択し、所定のタイミングで描画ドラム170の所定の面(A面又はB面)に用紙122を搬送するような制御を行う。
【0075】
例えば、制御装置212は、実行するJOBの印刷枚数と単位印刷時間の積と、JOBの間で描画ドラム170のA面とB面の記録媒体が搬送される面を切替える際に必要な時間と、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間と、から算出された単位時間当たりの処理枚数(印刷物の生産性)を基準として複数の搬送モードのいずれか1つを選択する。ここで、JOBとは、任意のまとまった枚数を連続して印刷する処理をいう。オペレータは、インクジェット記録装置1に設けられた図示しない入力装置から、1回のJOBで印刷する枚数(例えば、200枚、500枚又は1000枚など)を入力する。
【0076】
図4及び図5には、複数の搬送パターンと生産性との関係が示されている。
【0077】
図4に示されるように、搬送パターン1(No.1)は、描画ドラム170のA面とB面のすべてを交互に使用した用紙122の搬送パターンである。すなわち、スキップ搬送を行わない通常の搬送パターン(通常モード)である。また、搬送パターン2(No.2)は、描画ドラム170のA面、B面、A面、B面の順に2枚抜きで交互に面を入れ替えて用紙122を搬送するスキップ搬送のパターンである。搬送パターン3(No.3)は、描画ドラム170のA面のみに1枚抜きで連続して用紙122を搬送するスキップ搬送のパターンである。搬送パターン4(No.4)は、描画ドラム170のA面のみに1枚抜きで連続して用紙122を搬送した後、用紙122が搬送される面をB面に切替えて1枚抜きで連続して用紙122を搬送するスキップ搬送のパターンである。
【0078】
図4では、搬送パターン1において、500枚の用紙122に10分で画像を形成し、さらに500枚の用紙122に10分で画像を形成したときをJOB枚数「1」としている。このとき、実行するJOBの時間(印刷枚数1000枚と単位印刷時間の積)は20分となる。また、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間は20分であり、トータルの処理時間は40分となる。このときの印刷物の生産性(単位時間当たりの処理枚数)は、1000枚/40分で「25」となる。
【0079】
搬送パターン2では、2枚ぬきのスキップ搬送のパターンであるため、JOB枚数「1/3」となる。また、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間は47分であり、トータルの処理時間は67分(20分+47分)となる。このときの印刷物の生産性(単位時間当たりの処理枚数)は、333枚/67分で「4.97」となる。
【0080】
搬送パターン3では、1枚ぬきのスキップ搬送のパターンであるため、JOB枚数「1/2」となる。また、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間は60分であり、トータルの処理時間は80分(20分+47分)となる。すなわち、描画ドラム170のA面のみを連続使用するため、搬送パターン2よりも描画ドラム170の冷却時間が長くなる。このときの印刷物の生産性(単位時間当たりの処理枚数)は、500枚/80分で「6.25」となる。
【0081】
搬送パターン4では、1枚ぬきのスキップ搬送のパターンであるため、JOB枚数「1/2」となる。また、描画ドラム170のA面とB面を切替える際に必要な時間が5分である。描画ドラム170のA面とB面を切替える際に必要な時間は、インクジェット記録装置1の固有の値であり、切替え前後の印刷枚数が変わってもほぼ一定の時間が必要となる。例えば、描画ドラム170のA面にのみ連続して用紙122を搬送する1枚ぬきのスキップ搬送では、インクジェット記録装置1で搬送中のすべての用紙122を一旦排出トレイ192(図1参照)に排出した後、新たに描画ドラム170のB面にのみ連続して用紙122を搬送する1枚ぬきのスキップ搬送を行うため、上記の切替え時間が必要となる。
また、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間は40分であり、トータルの処理時間は65分(20分+5分+40分)となる。すなわち、A面とB面を切替える時間が必要となるが、JOBの間に切り替え時間が入ることで、搬送パターン3よりも描画ドラム170の冷却時間が短くなる。このときの印刷物の生産性(単位時間当たりの処理枚数)は、500枚/65分で「7.69」となる。
【0082】
したがって、印刷枚数1000枚の長いJOBのときは、搬送パターン4が最も生産性(単位時間当たりの処理枚数)が高いことがわかる。
【0083】
図5では、搬送パターン1において、100枚の用紙122に2分で画像を形成し、さらに100枚の用紙122に2分で画像を形成したときをJOB枚数「1」としている。すなわち、図5では、「ショートJOB」の場合を示している。このとき、実行するJOBの時間(印刷枚数200枚と単位印刷時間の積)は4分となる。また、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間は4分であり、トータルの処理時間は8分となる。このときの印刷物の生産性(単位時間当たりの処理枚数)は、200枚/8分で「25」となる。
【0084】
搬送パターン2では、2枚ぬきのスキップ搬送のパターンであるため、JOB枚数「1/3」となる。また、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間は9.4分であり、トータルの処理時間は13.4分(4分+9.4分)となる。このときの印刷物の生産性(単位時間当たりの処理枚数)は、67枚/13.4分で「5」となる。
【0085】
搬送パターン3では、1枚ぬきのスキップ搬送のパターンであるため、JOB枚数「1/2」となる。また、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間は12分であり、トータルの処理時間は16分(4分+12分)となる。このときの印刷物の生産性(単位時間当たりの処理枚数)は、100枚/16分で「6.25」となる。
【0086】
搬送パターン4では、1枚ぬきのスキップ搬送のパターンであるため、JOB枚数「1/2」となる。また、描画ドラム170のA面とB面を切替える際に必要な時間が5分である。また、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間は8分であり、トータルの処理時間は17分(4分+5分+8分)となる。このときの印刷物の生産性(単位時間当たりの処理枚数)は、100枚/17分で「5.88」となる。
【0087】
したがって、印刷枚数200枚のときは、搬送パターン3が最も生産性(単位時間当たりの処理枚数)が高いことがわかる。
【0088】
図4及び図5に示されるように、JOBの長さに応じてスキップ搬送を分けた方が印刷物の生産性が向上する。本実施形態では、搬送パターン4を「搬送モードI」とし、搬送パターン3を「搬送モードII」とした2つの搬送モードを設定する。描画ドラム170のA面とB面の切替え時間が長い場合(JOBの長さが長くなると切替え時間も長くなる)、搬送モードIと搬送モードIIに分けることは有効である。なお、搬送パターン2を「搬送モードIII」とし、3つの搬送モードを設定してもよい。
【0089】
例えば、JOBの長い場合は、搬送モードIの「AAAAAA・・・面(切替え)BBBBBB・・・面」の搬送パターンが印刷物の生産性が高い。一方で、ショートJOBの場合は、搬送モードIIの「A・A・A・A・・・・面」の搬送パターンのほうが印刷物の生産性が高い。
【0090】
図6には、用紙122の搬送前と900枚搬送後における描画ドラム170のB面の搬送別の温度変化が示されている。図6において、「バリアブル」は、描画ドラム170のA面のみに片面搬送(スキップ搬送)したときのB面の温度変化を示す。また、「通常」は、スキップ搬送せずに描画ドラム170のA面とB面に交互に搬送したときのB面の温度変化を示す。また、全白、全ベタは、用紙122に印刷する画像を示している。図6に示されるように、描画ドラム170のA面のみに片面搬送(スキップ搬送)した場合は、スキップ搬送しない場合と比較して、B面に用紙122が搬送されないため、B面の温度が上昇していることがわかる。
【0091】
図7には、用紙122の搬送前と900枚搬送後における描画ドラム170のA面の搬送別の温度変化が示されている。図7において、「バリアブル」は、描画ドラム170のA面のみに片面搬送(スキップ搬送)したときのA面の温度変化を示す。また、「通常」は、スキップ搬送せずに描画ドラム170のA面とB面に交互に搬送したときのA面の温度変化を示す。図6に示されるように、描画ドラム170のA面のみに片面搬送(スキップ搬送)した場合は、A面に用紙122が搬送されるため、A面の温度上昇は通常の(スキップ搬送しない)場合とあまり変わらないことがわかる。
【0092】
したがって、描画ドラム170のA面とB面の昇温度合いを搬送の仕方により仮定した上で、以下のことが導出される。
(1)描画ドラム170の周面の温度をJOB完了後に下げる時間は、JOBの印刷時間よりも極端に長いので、描画ドラム170の周面の温度を上げないことがJOBの効率化に寄与する。
(2)描画ドラム170の周面の温度を上げないために、A面とB面を切替えることが有効であるが、一定の切替え時間を要する。ショートJOBの場合は、切替え時間が長くなると、JOBを効率化する効果が薄くなり、JOB完了後に描画ドラム170の周面の温度を下げたほうが有効となる。
つまり、上記の印刷時間と、A面とB面の切替え時間と、冷却時間等から算出される単位時間当たりの処理枚数からJOBによって最適の搬送パターンが決まる。
【0093】
上記の結果を踏まえた上で、本実施形態のインクジェット記録装置1では、描画ドラム170のA面に連続して用紙122を搬送(供給)する1枚抜きのパターンを実施した後で、用紙122が搬送される面をB面に入れ替えて連続して用紙122を搬送(供給)する1枚抜きのパターンを実施する搬送モードI(第1搬送モード)と、描画ドラム170のA面のみに連続して用紙122を搬送(供給)する1枚抜きのパターンを実施する搬送モードII(第2搬送モード)と、を設ける。インクジェット記録装置1では、画像処理速度が装置の処理速度(装置スピード)に追いつかないときに、制御装置212により、適切な搬送モードが選択されてスキップ搬送が行われる。
【0094】
図8には、搬送モードIと搬送モードIIから適切な搬送モードを選択する処理の流れが示されている。
【0095】
図8に示されるように、スキップ搬送処理がスタートすると、ステップ300で各搬送モードにおけるJOBの長さが算出される。ステップ300では、テーブル302を適用して搬送モードIと搬送モードIIによる印刷工程のトータルの時間(処理時間)T1、T2を算出する。時間(処理時間)T1、T2の算出は、図示しない入力装置から入力された1回のJOBの印刷枚数を基準として行われる。言い換えると、同じ印刷枚数での搬送モードIと搬送モードIIによるトータルの時間(処理時間)T1、T2が算出される。
【0096】
具体的には、搬送モードI(第1搬送モード)について、実行するJOBの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間(印刷枚数を単位時間当たりの生産性で割った時間)A1と、JOBの間で描画ドラム170の用紙122が搬送されるA面をB面に切替える際に必要な時間Bと、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間C1と、を合算したトータルの時間T1を算出する。また、搬送モードII(第2搬送モード)について、実行するJOBの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間(印刷枚数を単位時間当たりの生産性で割った時間)A2と、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間C1と、を合算したトータルの時間T2を算出する。
【0097】
次いで、ステップ304では、搬送モードIのトータルの時間T1が搬送モードIIのトータルの時間T2よりも大きいか否かが判定される。搬送モードIのトータルの時間T1が搬送モードIIのトータルの時間T2よりも大きいときは、ステップ306で搬送モードIIを選択する。これにより、描画ドラム170のA面のみに連続して用紙122を搬送する1枚抜きのスキップ搬送のパターンを実施する。
【0098】
一方、ステップ304で、搬送モードIのトータルの時間T1が搬送モードIIのトータルの時間T2より大きくない(時間T2以下である)と判定されたときは、ステップ308で搬送モードIを選択する。これにより、描画ドラム170のA面に連続して用紙122を搬送する1枚抜きのパターンを実施した後で、用紙122が搬送される面をB面に入れ替えて連続して用紙122を搬送する1枚抜きのスキップ搬送のパターンを実施する。
【0099】
図8では、1回のJOBの印刷枚数が同じであるので、搬送モードIと搬送モードIIの単位時間当たりの処理枚数を比較せずに、トータルの時間(処理時間)T1、T2を比較すればよい。これにより、搬送モードIと搬送モードIIから最も効率的な搬送モードを選択することができる。
【0100】
なお、図8では、搬送モードIと搬送モードIIのどちらかを選択する処理の流れが示されているが、図4及び図5に示す搬送パターン2を「搬送モードIII」とし、「搬送モードIII」のトータルの時間T3を上記T1、T2と比較した上で最も効率的な搬送モードを選択するようにしてもよい。
【0101】
このようなインクジェット記録装置1では、実行するJOBの印刷枚数と単位印刷時間の積と、JOBの間で描画ドラム170の用紙122が搬送されるA面をB面に切替える際に必要な時間と、JOB完了後に昇温した描画ドラム170を冷却する時間と、から算出された単位時間当たりの処理枚数を基準として複数の搬送モードのいずれか1つを選択する。これにより、用紙122(カット紙)を用いた場合であっても、装置の処理速度(装置スピード)に対して画像処理速度が間に合わない場合への対応が可能となり、効率的にスキップ搬送(間引き搬送)を行うことができる。このため、画像が形成された用紙の間に白紙が入らない。
【0102】
また、複数の搬送モードにおけるJOBの長さ(トータルの処理時間)を算出し、単位時間当たりの処理枚数に応じて適切な搬送モードを選択することで、より効率的にスキップ搬送を行うことができる。
【0103】
また、図6及び図7に示されるように、予め描画ドラム170における用紙122が搬送されない面の昇温度合いを予測した上で最適な搬送モードを選択することで、描画ドラム170のA面とB面の温度差が大きくなるのを抑制することができる。このため、画像形成前の用紙122の温度がA面とB面で異なることで、陽炎の影響が生じて用紙122の浮きを検知するセンサの波形が不安定になり、誤認識が発生することを抑制することができる。また、描画ドラム170上での用紙122の温度が高くなりすぎ、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yに結露が発生することを抑制することができる。
【0104】
さらに、搬送モードIと搬送モードIIでは、描画ドラム170の同一面に連続して用紙122が搬送されるため、描画ドラム170における用紙122が搬送されない面に他のローラ等が接触することによる描画ドラム170の周面の汚れの発生を抑制することができる。
【0105】
<第2実施形態の画像形成装置>
次に、図9を用いて、本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0106】
図9に示されるように、本実施形態の画像形成装置としてのインクジェット記録装置350では、描画部114の描画ドラム170の内部にヒータは設けられていない。インクジェット記録装置350では、図1に示されるように、IRヒータ178及び温風ヒータ180が配置された乾燥部116等から伝わる熱により描画ドラム170の温度が上昇する。描画ドラム170の下方側には、送風口を備えた冷却装置352が設けられており、冷却装置352の送風口から冷風が送風されることによって、描画ドラム170が冷却されるようになっている。冷却装置352のON・OFF状態、冷風の温度及び送風量は、制御装置212によって制御される。
本実施形態のインクジェット記録装置350では、複数の搬送モードによるスキップ搬送の制御は、前述した第1実施形態と同じである。
【0107】
インクジェット記録装置350では、乾燥部116(図1参照)等から伝わる熱により描画ドラム170の温度が上昇するが、描画ドラム170の下方側の冷却装置352から冷風が送風されることにより、描画ドラム170が冷却される。これにより、描画ドラム170の周面の温度が過度に上昇することを抑制することができる。また、乾燥部116(図1参照)等から伝わる熱により描画ドラム170の温度が上昇することで、スキップ搬送を行う際に描画ドラム170のA面とB面の温度差が生じる可能性があるが、冷却装置352からの冷風により描画ドラム170が冷却されることで、描画ドラム170のA面とB面の温度差が大きくなることを抑制することができる。
【0108】
<その他>
以上、本発明の実施形態について記述したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【0109】
なお、上記第1及び第2実施形態では、描画ドラム170は、A面とB面に2枚の用紙122を保持して搬送するものであるが、これに限定されず、例えば、描画ドラムの周面を3分割した保持部位に3枚の用紙をそれぞれ保持して搬送する構成としてもよい。例えば、描画ドラムの周面に用紙が保持されるA面とB面とC面を備える場合は、AAAA・・・面(切替え)BBBB・・・面(切替え)CCCC・・・面の順で用紙を搬送するように設定した第1搬送モードと、AAAA・・・・面のみに用紙を搬送するように設定した第2搬送モードと、を有する構成とすることができる。
さらに、描画ドラムの周面に保持される用紙の枚数を3枚以上としてもよい。また、描画ドラムに限定されず、搬送ベルトからなる搬送体を用いてもよい。
【0110】
また、上記第1及び第2実施形態では、図4及び図5に示す3つの搬送モードが示されているが、これに限定されず、他の搬送モードをさらに設定してもよい。すなわち、4つ以上の搬送モードを設定し、画像形成装置の単位時間当たりの処理枚数から最も効率的な搬送モードを選択するようにしてもよい。
【0111】
また、上記第1及び第2実施形態では水を溶媒として使用する水性インクを用いたインクジェット方式の画像形成装置を例に挙げたが、吐出される液は画像記録・文字印刷用などのインクに限定されず、記録媒体に染み込む溶媒あるいは分散媒を使用している液体であれば種々の吐出液に応用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 インクジェット記録装置(画像形成装置)
110 給紙部(積層部)
170 描画ドラム(搬送体)
172M、172K、172C、172Y インクジェットヘッド(液滴吐出装置)
212 制御装置(制御手段)
220 給紙装置(送り出し装置)
350 インクジェット記録装置(画像形成装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録媒体を周面の異なる保持部位にそれぞれ保持して搬送する搬送体と、
前記搬送体に対向して設けられ、前記搬送体に保持された記録媒体の表面に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送体の周面のすべての保持部位は使用せずに記録媒体を所定の保持部位に間引き搬送するように設定された複数の搬送モードを備える制御手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
実行するジョブの印刷枚数と単位印刷時間の積と、ジョブの間で前記搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間と、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間と、から算出された単位時間当たりの処理枚数を基準として前記複数の搬送モードのいずれか1つを選択する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送体は、前記保持部位としてA面とB面に2枚の記録媒体を保持して搬送するものであり、
前記複数の搬送モードは、
前記A面に連続して記録媒体を供給する1枚抜きのパターンを実施した後で、記録媒体が搬送される面をB面に切替えて連続して記録媒体を供給する1枚抜きのパターンを実施する第1搬送モードと、
前記A面又は前記B面の同一面に連続して記録媒体を供給する1枚抜きのパターンのみを実施する第2搬送モードと、
を備えた請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記第1搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A1と、ジョブの間で前記搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間Bと、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T1を算出し、
前記第2搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A2と、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T2を算出し、
T1>T2
のときは前記第2搬送モードを実施する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成部が、記録媒体の表面に液滴を吐出する液滴吐出装置である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数の記録媒体が積層される積層部から記録媒体を送り出す送り出し装置を備え、
前記制御手段は、前記送り出し装置から送り出される記録媒体の送り出しタイミングを制御することで、前記複数の搬送モードを実施する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数の記録媒体を周面の異なる保持部位にそれぞれ保持して搬送する搬送体の周面のすべての保持部位は使用せずに記録媒体を所定の保持部位に間引き搬送するように設定された複数の搬送モードを備え、単位時間当たりの処理枚数に基づいて前記複数の搬送モードのいずれか1つを選択し、
前記選択された搬送モードに基づき、所定のタイミングで前記搬送体の周面の所定の保持部位に記録媒体を搬送し、当該記録媒体の表面に画像を形成する画像形成方法。
【請求項8】
実行するジョブの印刷枚数と単位印刷時間の積と、ジョブの間で前記搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間と、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間と、から算出された前記単位時間当たりの処理枚数を基準として、前記複数の搬送モードのいずれか1つを選択する請求項7に記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記搬送体は、前記保持部位としてA面とB面に2枚の記録媒体を保持して搬送するものであり、
前記複数の搬送モードは、
前記A面に連続して記録媒体を供給して画像を形成する1枚抜きのパターンを実施した後で、記録媒体が搬送される面をB面に切替えて連続して記録媒体を供給して画像を形成する1枚抜きのパターンを実施する第1搬送モードと、
前記A面又は前記B面の同一面に連続して記録媒体を供給して画像を形成する1枚抜きのパターンのみを実施する第2搬送モードと、
を備えた請求項7又は請求項8に記載の画像形成方法。
【請求項10】
前記第1搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A1と、ジョブの間で前記搬送体の周面の記録媒体が搬送される保持部位を切替える際に必要な時間Bと、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T1を算出し、
前記第2搬送モードについて、実行するジョブの印刷枚数に単位印刷時間を積算した時間A2と、ジョブ完了後に昇温した前記搬送体を冷却する時間C1と、を合算した時間T2を算出し、
T1>T2
のときは前記第2搬送モードを実施し、それ以外のときは前記第1搬送モードを実施する請求項9に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−22867(P2013−22867A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161001(P2011−161001)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】