画像形成装置および集約印刷方法
【課題】原稿から得た画像データを縮小することなく、有効画像領域内の有効画素が重ならないよう印刷することにより、集約印刷した文字や絵の画像に潰れを生じさせない。
【解決手段】画像形成装置は、複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る入力手段を備えている。また、前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段を備えている。さらに、前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段を備えている。
【解決手段】画像形成装置は、複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る入力手段を備えている。また、前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段を備えている。さらに、前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および集約印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ファクシミリ(facsimile)、プリンタ装置、デジタル複写機、或いは、画像読み取り機能・ファックス機能・印刷機能・ネットワーク接続機能などを有するデジタル複合機、などは、画像形成装置と呼ばれている。画像形成装置には、1頁分の文書を1枚の用紙に印刷する通常の印刷機能の他に、複数頁の文書を1枚の用紙に収めて印刷する機能や、複数頁の文書を縮小して一枚の用紙に収めて印刷する機能を備えるものがある。このような、複数頁の文書を1枚の用紙に収めて印刷する機能は、用紙の印刷枚数を減らす目的で使用される機能であり、集約印刷、或いは、エヌ・イン・ワン(N in 1)印刷などの呼称で知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上述した特許文献1「画像形成装置、画像形成方法及びプログラム」には、以下の記載がなされている。
【0004】
すなわち、複数の原稿から得た画像データを一枚の出力用紙に印刷する集約印刷のための画像形成装置において、出力用紙に余白領域を形成する。そして、出力用紙の余白領域を除いた原稿描写領域に、原稿描写領域の一隅を基準に空白を最小限にして、複数の原稿を配置する。複数の原稿を配置出来ない場合は、複数の原稿を原稿描写領域内に全て収まるように大きさを変倍する。このことにより、サイズの異なる複数の原稿を、余白を付した一枚の出力用紙に適正な大きさに変倍して集約印刷することができるようになる、としている。
【0005】
また、印刷用紙の空白に画像を印刷することにより、用紙の節減をはかるようにしているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
上述した特許文献2「画像形成装置」には以下の記載がなされている。
【0007】
すなわち、画像形成装置の給紙トレイに、予め印刷がなされた用紙をセットし、給紙された用紙に印刷された画像と空白領域を、画像読み取り部にて読み取る。そして、用紙における画像領域の大きさが、空白領域の大きさよりも小さいか又は等しい時、画像読み取り部で読み取った画像を空白領域に印刷する。すなわち、用紙から読み取った画像と同じ画像を、その用紙の空白部に印刷する「2 in 1 コピー」、又は、「3 in 1 コピー」が行われる。印刷終了後、用紙は排紙トレイに排出される。また、用紙における画像領域の大きさが、空白領域の大きさよりも大きい時には、画像読み取り部で読み取った画像を縮小して空白領域に印刷する。すなわち、用紙から読み取った画像と同じ画像を縮小して、その用紙の空白部に印刷する「縮小2 in 1 コピー」が行われる。このことにより、用紙の節減をはかることができる、としている。
【0008】
さらに、原稿の一部に印刷対象画像がある原稿において、印刷対象画像を自動で認識し、印刷対象用紙に対して無駄なく配置して、集約印刷を行えるようにしているものもある(例えば、特許文献3参照。)。
【0009】
上述した特許文献3「画像形成装置」には以下の記載がなされている。
【0010】
すなわち、デジタル複合機は、印刷用紙情報を取得し、複数の原稿を読み取り、原稿から読み取った画像を認識し、その中から印刷対象領域を認識する。次に、印刷対象領域の領域データ、サイズを保存し、印刷対象用紙中で各印刷対象画像の描画位置を決定する。描画位置を決定する時、印刷対象画像がそのままの向きでは配置できないと判定した場合には、印刷対象画像を90°回転させて、再度、配置できるかを判定し、配置できる場合に描画位置を決定する。また、印刷対象画像を縮小すれば配置可能と判定した場合には、印刷対象画像を縮小して描画位置を決定する。このように、印刷対象用紙中に各印刷対象画像を集約して描画し、印刷出力するようにしている。このことにより、印刷対象用紙上に各印刷対象画像を無駄なく配置して、集約印刷を行えるようになる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−042301号公報(第13〜17頁、図1〜9)
【特許文献2】特開2009−169270号公報(第3〜9頁、図1〜13)
【特許文献3】特開2004−104324号公報(第3〜7頁、図1〜10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した特許文献1、2、3に記載の画像形成装置においては、何れも、画像の変倍処理や縮小処理を行っているため、画像が小さくなり、出力用紙に印刷された画像に、文字や画像の潰れが生じ、ユーザが判読不可能となる場合がある、という課題を有している。
【0013】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものである。従って、本発明の目的は、原稿から得た画像データを縮小することなく、有効画像領域内の有効画素が重ならないよう印刷することにより、集約印刷した文字や絵の画像に潰れを生じさせない、画像形成装置および集約印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の画像形成装置は、複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る入力手段を備えている。また、前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段を備えている。さらに、前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段を備えている。
【0015】
本発明の集約印刷方法は、複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る。次に、前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する。そして、前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する、ようにしている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、集約印刷した画像に潰れが生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の画像形成装置の第1の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の画像形成装置の第1の実施形態のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の原稿配置処理部の動作を説明するフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の回転処理の動作を説明するフローチャートである。
【図6】第1の実施形態の具体例を示す第1の図である。
【図7】第1の実施形態の具体例を示す第2の図である。
【図8】第1の実施形態の具体例を示す第3の図である。
【図9】本発明の画像形成装置の第2の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図10】本発明の画像形成装置の第2の実施形態のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の画像形成装置の第1の実施形態を示す機能ブロック図である。
【0019】
図1に示す画像形成装置100は、制御部10を含んでいる。そして、制御部10に接続される装置操作部30、入力部40、記憶部50、表示部60、出力部70を含んでいる。
【0020】
制御部10は、画像形成装置100全体の動作制御を行う。そして、特に、集約印刷を行うために画像の編集処理を行う画像編集部20を含んでいる。
【0021】
装置操作部30は、画像形成装置100を操作する指示入力を行う。特に、画像形成装置100の各種設定項目を入力し、また、動作指示を入力する機能も有している。
【0022】
入力部40は、複数の原稿を読み込み、読み込んだ原稿を原稿データとして取得する機能を有している。
【0023】
記憶部50は、画像形成装置100を動作させるプログラムや、各種のデータを記憶する。特に、入力部40が取得した原稿データを記憶する画像記憶部52、画像形成装置100の各種のプログラムを記憶するプログラム記憶部54、制御部10が生成したデータやファイルなどを記憶し、また、それらを読み出させる作業用記憶部56を含んでいる。
【0024】
表示部60は、画像編集部20が集約印刷を行うために編集した結果の画像イメージを表示する。画像イメージを表示する必要がない場合は、表示部60は無くてもよい。
【0025】
出力部70は、画像編集部20が編集した集約印刷用の画像を、出力用紙に印刷する機能を有する。
【0026】
上述した制御部10の画像編集部20は、有効画像領域取得部22、原稿配置処理部24、配置済み画像出力部26を含んでいる。
【0027】
有効画像領域取得部22は、入力部40が取得した原稿データを、記憶部50の画像記憶部52に記憶させる。そして、画像記憶部52の原稿データから、集約印刷を行う部分画像としての領域、すなわち、有効画像領域を求め、有効画像領域内の画像を有効画像原稿として記憶部50の作業用記憶部56に記憶させる。
【0028】
原稿配置処理部24は、作業用記憶部56に記憶されている有効画像原稿を複数取得し、
これを、出力用紙の印刷用描画領域に集約して配置する機能を有している。
【0029】
配置済み画像出力部26は、原稿配置処理部24が配置処理した印刷用描画領域の画像を、出力部70に出力し、出力用紙上に集約印刷させる。印刷用描画領域の画像は、1枚とは限らず、原稿データが多い場合は複数枚の画像となる場合もある。
【0030】
次に、図1に機能ブロック図として示した画像形成装置を、実際のハードウェアで構成した一例につき、図2を参照して説明する。
【0031】
図2は、本発明の画像形成装置の第1の実施形態のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0032】
図2に示す画像形成装置100は、CPU10h、操作パネル30h、スキャナ40h、HDD52h、ROM54h、RAM56h、ディスプレイ60h、プリンタ70hが、バス80hを介して接続されている。
【0033】
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)10hは、図1の制御部10に相当し、ROM54hに記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置100全体の動作制御を行う。
【0034】
操作パネル30hは、図1の装置操作部30に相当し、テンキーやファンクションキーなどで構成されている。
【0035】
スキャナ40hは、図1の入力部40に相当し、複数の原稿を読み込み、読み込んだ原稿を原稿データとして取得する機能を有している。
【0036】
HDD(Hard Disk Drive:エイチ・ディー・ディー)52hは、図1の画像記憶部52に相当する。HDD52hは、磁性体を塗布または蒸着した円板を高速で回転させ、磁気ヘッドを使ってデータ(本実施形態では、原稿データ)の記録と読み取りを行う。HDDに代えて、不揮発性の半導体メモリであるところのフラッシュメモリ(flash memory)を使用してもよい。
【0037】
ROM(Read Only Memory:ロム)54hは、図1のプログラム記憶部54に相当し、画像形成装置100の各種のプログラムを記憶している。
【0038】
RAM(Random Access Memory:ラム)56hは、図1の作業用記憶部56に相当し、CPU10hの動作により生成されたデータやファイルなどを記憶し、また、これらを読み出させる。
【0039】
ディスプレイ(display)60hは、図1の表示部60に相当し、CPU10hの動作により、集約印刷を行うために編集された結果の画像イメージを表示する。ディスプレイ60hは、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどである。
【0040】
プリンタ70hは、図1の出力部70に相当し、CPU10hの動作により編集された集約印刷用の画像を、出力用紙に印刷する。
【0041】
バス(bus)80hは、上記の各ハードウェアを結ぶ信号路である。
【0042】
次に、図3〜図8を参照して、図1に示した本実施形態の動作について説明する。
【0043】
図3は、第1の実施形態の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【0044】
先ず、画像形成装置100のユーザは、画像形成装置100の入力部40に、複数の原稿(例えば、n枚の原稿とする)をセットし、装置操作部30から集約印刷を行わせる指示入力を行う。すると、制御部10の画像編集部20が図3に示す動作を開始する。
【0045】
はじめに、画像編集部20の有効画像領域取得部22は、入力部40にセットされたn枚の原稿を読み込み、読み込んだ原稿を原稿データとして、記憶部50の画像記憶部52に記憶させる(図3のステップS1)。画像記憶部52に記憶された原稿データはn枚分となる。
【0046】
次に、n枚分の原稿データそれぞれの有効画像領域を求め、有効画像領域内の画像を有効画像原稿として、記憶部50の作業用記憶部56に記憶させる(ステップS2)。
【0047】
ここで、上記ステップS1とS2の動作の具体例につき、図6を参照して説明する。
【0048】
図6の(a)は、サイズの異なる二枚の原稿を入力部40から読み込み、読み込んだ原稿を原稿データとしたことを示している。左側の1枚目の原稿データ内の黒点は文字を示しているものとする。右側の2枚目の原稿データは、釣り竿の絵を示しているものとする。
【0049】
そして、図6(a)の原稿データの有効画像領域を求めたものを、図6の(b)に示している。図6(b)の点線で囲まれた部分が有効画像領域である。ここで、有効画像領域とは、原稿データ内の有効画素をすべて含む最小の長方形または正方形の部分のことである。有効画素であることの判定方法としては、例えば、2値化された原稿データの画像中の白画素を無効画素とし、それ以外の画素を有効画素とする方法がある。或いは、予め無効色を指定しておき、指定された無効色の画素を無効画素とし、それ以外の画素を有効画素とする方法でもよい。
【0050】
最後に、図6(b)の有効画像領域内の画像を有効画像原稿としたものを、図6の(c)として示している。有効画像原稿は、記憶部50の作業用記憶部56に記憶され、大きい有効画像原稿から順に記憶させておくものとする。すなわち、図6(c)においては、第1の有効画像原稿を1番目として記憶し、第2の有効画像原稿は、その次の大きさの有効画像原稿として記憶する。
【0051】
図3に戻り、ステップS2の後、画像編集部20の原稿配置処理部24が動作し、出力用紙の印刷用描画領域に、有効画像原稿を集約して配置する処理を行う。この時点では、出力用紙が何枚になるかは分かっていない。そのため、先ず、出力用紙の枚数(mとして表すものとする)を1枚目に設定する。すなわち、m=1とする(ステップS3)。
【0052】
そして、原稿配置処理部24が動作し、出力用紙の印刷用描画領域に、有効原稿画像を集約して配置する処理を行う(ステップS4)。なお、ステップS4の処理の詳細については図4、図5を参照して後述するものとする。
【0053】
ステップS4の後、m枚目の出力用紙に配置されていない有効画像原稿が、作業用記憶部56内に残っているか否かを判定する(ステップS5)。
【0054】
未配置の有効画像原稿が残っている場合(ステップS5でYes)、出力用紙の枚数を1だけ増し、すなわち、m=m+1とし(ステップS6)、ステップS4に戻る。ステップS4では、次の出力用紙の印刷用描画領域に有効画像原稿を集約して配置する処理を再度実行する。
【0055】
未配置の有効画像原稿が残っていない場合(ステップS5でNo)、制御部10の配置済み画像出力部26が動作し、m個の印刷用描画領域に集約配置された画像を出力部70に出力し、m枚の出力用紙上に集約印刷させる(ステップS7)。
【0056】
次に、図4を参照して、本実施形態の詳細な動作について説明する。
【0057】
図4は、第1の実施形態の原稿配置処理部の動作を説明するフローチャートである。
【0058】
図4において、原稿配置処理部24は、先ず、作業用記憶部56に記憶されている有効画像原稿の内、最大の有効画像原稿を選択し、その有効画像原稿を印刷用描画領域の左上に配置し、その配置を確定する(図4のステップS11)。ここで、印刷用描画領域とは、出力用紙の内側で、集約印刷を行うことが可能な領域のことを示すものとする。なお、印刷用描画領域は、出力用紙の周辺に余白領域を設定して、出力用紙の余白領域の内側に収まる領域、すなわち、出力用紙の大きさよりも小さな領域でもよい。或いは、出力用紙に余白領域を設定せず、出力用紙と同じ大きさの領域であってもよい。また、印刷用描画領域上での配置が確定した有効画像原稿は、作業用記憶部56から消去するものとする。
【0059】
次に、原稿配置処理部24は、作業用記憶部56に記憶されている有効画像原稿の内、次に大きな有効画像原稿を選択する(ステップS12)。次に、その有効画像原稿の高さ(hで表すものとする)と幅(wで表すものとする)を取得する(ステップS13)。そして、高さ(h)が幅(w)よりも大きいかを判定する(ステップS14)。
【0060】
高さ(h)が幅(w)よりも大きい場合(ステップS14でYes)、当該有効画像原稿は縦長の有効画像原稿であるため、印刷用描画領域の中で、配置済みの有効画像原稿の右側に当該有効画像原稿を配置する(ステップS15)。高さ(h)が幅(w)よりも大きくない場合(ステップS14でNo)、当該有効画像原稿は横長の有効画像原稿であるため、印刷用描画領域の中で、配置済みの有効画像原稿の下側に当該有効画像原稿を配置する(ステップS16)。なお、ステップS15或いはS16にて配置する当該有効画像原稿の大きさは、縮小するなどの変更を行わない。
【0061】
ここで、上記ステップS11〜S16の動作の具体例につき、図7を参照して説明する。
【0062】
図7の(a)は、ステップS11において、図6(c)に示した最大の有効画像原稿、すなわち第1の有効画像原稿を選択し、図7(a)の印刷用描画領域(実線で示す領域)の左上に配置した状態を示している。
【0063】
次に、ステップS12において、図6(c)に示した次に大きな有効画像原稿、すなわち第2の有効画像原稿を選択する。そして、第2の有効画像原稿は、図示しているように高さ(h)が幅(w)より小さく、横長の有効画像原稿である。従って、第2の有効画像原稿を、配置済みの有効画像原稿(第1の有効画像原稿)の下側に配置する(ステップS13〜S16)。第2の有効画像原稿を、配置済みの有効画像原稿の下側に配置した状態を図7(b)に示している。
【0064】
図4に戻り、ステップS15或いはステップS16で配置した有効画像原稿が、印刷用描画領域の内側に収まっているか否かを判定する(ステップS17)。収まっている場合(ステップS17でYes)、ステップS22に進む。
【0065】
ステップS15或いはS16で配置した有効画像原稿が印刷用描画領域に収まっていない場合(ステップS17でNo)、ステップS18に進む。
【0066】
すなわち、ステップS18において、印刷用描画領域からはみ出した領域(以下、領域Aと称するものとする)を検出する。そして、はみ出した領域(領域A)を有する有効画像原稿を、領域Aの逆方向に、印刷用描画領域内に収まる距離だけシフトし、既に印刷用描画領域内で配置が確定している有効画像原稿と重ね合わせを行う(ステップS19)。
【0067】
そして、2つの有効画像原稿が重ね合わさった領域(以下、領域Bと称するものとする)につき、有効画素が有るかを検出する(ステップS20)。次に、何れか一方の領域Bに有効画素が無いかを判定する(ステップS21)。有効画素が無いということは、その領域Bには何の文字も絵も描かれていない空白の領域であることを示している。
【0068】
何れか一方の領域Bに有効画素が無い場合(ステップS21で無し)、他方の領域Bに有効画素が有ったとしても、その有効画素(文字や絵、など)は目視して判読可能であるため、重ね合わせは可能と判断する。そして、当該有効画像原稿の配置をその位置で確定する(ステップS22)。配置が確定した有効画像原稿は、作業用記憶部56から消去する。
【0069】
なお、上記のステップS21では、何れか一方の領域Bに有効画素が無いかを判定しているが、これを、2つの領域B共に有効画素が無いか、と判定するようにしてもよい。この場合でも、重ね合わせは可能と判断し、当該有効画像原稿の配置をその位置で確定する。
【0070】
ここで、上記ステップS17〜S22の動作の具体例につき図8を参照して説明する。
【0071】
図8の(a)は、図7(b)と同一であり、ステップS15或いはステップS16で、次に大きな第2の有効画像原稿を配置した状態を示している。
【0072】
そして、図8(a)の領域Aとして示す領域(ハッチングした部分)は、ステップS17及びS18において、印刷用描画領域からはみ出している領域として検出された領域である。ステップS18において、印刷用描画領域からはみ出した領域(領域A)を検出したため、ステップS19で、領域Aが印刷用描画領域の内側に収まるようシフトする。図8(b)は、シフトした後の状態を示しており、第1と第2の有効画像原稿が重ね合わさった領域を、領域B(ハッチングした部分)として示している。
【0073】
次に、ステップS20で、第1の有効画像原稿の領域Bに有効画素が有るかを検出し、また、第2の有効画像原稿の領域Bに有効画素が有るかを検出する。図8(c)に示すように、第1の有効画像原稿の領域Bには有効画素が無く(何の文字も記載されていない)、第2の有効画像原稿の領域Bには有効画素が有る(釣り竿の絵の一部が描かれている)。従って、ステップS21では、何れか一方の領域B(第1の有効画像原稿の領域B)に有効画素が無い、と判定するので、図8(b)の状態で、第1と第2の有効画像原稿の配置を確定する(ステップS22)。
【0074】
図4に戻り、ステップS22で、当該有効画像原稿の配置を確定したので、次に、印刷用描画領域内に更なる有効画像原稿を配置可能な余白の領域が有るかを判定する(ステップS23)。印刷用描画領域内に余白の領域が無い場合(ステップS23でNo)、図4における原稿配置処理を終了する(ステップS25)。印刷用描画領域内に余白の領域がある場合(ステップS23でYes)、次に、作業用記憶部56に、未だ配置されていない有効画像原稿が有るかを判定する(ステップS24)。未だ配置されていない有効画像原稿がある場合(ステップS24でYes)、ステップS12に戻り、次に大きな有効画像原稿を作業用記憶部56から選択し配置する処理を続ける。未だ配置されていない有効画像原稿が無い場合(ステップS24でNo)、図4における原稿配置処理を終了する(ステップS25)。
【0075】
次に、上記したステップS21の判定で、2つの重ね合わさった領域(領域B)に、共に有効画素が有った場合(ステップS21で有り)の処理について説明する。
【0076】
2つの重ね合わさった領域(領域B)に、共に有効画素が有った場合(ステップS21で有り)は、領域Bの中で、2つの有効画像原稿に描かれている文字や絵などが重なってしまう。重なった状態の領域Bを目視した際、領域Bは判読不可能となる可能性が高い。従って、当該有効画像原稿のその位置への配置は不可能と判断し、当該有効画像原稿を回転させる処理を行う(ステップS30)。そして、回転させた後の当該有効画像原稿が、印刷用描画領域に集約配置可能かを再度試みる。ステップS30の回転処理の結果は2種類の何れかとなり、図4の「X」、「Y」の何れかの点に進む。
【0077】
次に、図5を参照して、図4のステップS30の回転処理について説明する。
【0078】
図5は、第1の実施形態の回転処理の動作を説明するフローチャートである。
【0079】
図5における前提として、画像形成装置100の作業用記憶部56に記憶されている有効画像原稿は、回転を行っていない状態であるものとする。
【0080】
図4のステップS21で有効画素有り、と判定された当該有効画像原稿が、先ず、回転を行っていない状態から180°回転されたかを判定する(図5のステップS31)。
【0081】
180°回転されていない場合(ステップS31でNo)、当該有効画像原稿を180°回転させる(ステップS32)。そして図4の「X」点、すなわちステップS14に進み、当該有効画像原稿の高さ(h)と幅(w)を比較し、縦長の有効画像原稿か横長の有効画像原稿かの何れかに基づいて、印刷用描画領域内への配置を再度行う。
【0082】
180°の回転が既になされている場合(ステップS31でYes)、次に、当該有効画像原稿が90°回転されたかを判定する(ステップS33)。
【0083】
90°回転されていない場合(ステップS33でNo)、当該有効画像原稿を90°回転させる(ステップS34)。90°回転させるということは、当該有効画像原稿が当初、縦長であった場合には横長の、横長であった場合には縦長の有効画像原稿になったことと同じである。従って、当該有効画像原稿の高さ(h)と幅(w)の入れ替えを行い(ステップS35)、図4の「X」点、すなわちステップS14に進む。そして、当該有効画像原稿の高さ(h)と幅(w)を比較し、縦長の有効画像原稿か横長の有効画像原稿かの何れかに基づいて、印刷用描画領域内への配置を再度行う。
【0084】
90°の回転が既になされている場合(ステップS33でYes)、次に、当該有効画像原稿が270°回転されたかを判定する(ステップS36)。
【0085】
270°回転されていない場合(ステップS36でNo)、当該有効画像原稿を180°回転させる(ステップS37)。180°回転させるということは、直前の回転処理において、当該有効画像原稿がステップS34において90°回転されているため、当初の有効画像原稿(回転が全く行われていない状態)を270°回転させたことに相当する。そして、図4の「X」点、すなわちステップS14に進む。ステップS14以降においては、当該有効画像原稿の高さ(h)と幅(w)を比較し、縦長の有効画像原稿か横長の有効画像原稿かの何れかに基づいて、印刷用描画領域内への配置を再度行う。
【0086】
270°の回転が既になされている場合(ステップS36でYes)、当該有効画像原稿は、90°、180°、270°の回転を全て行って、再配置を試みたにもかかわらず、配置不可能と判定された場合となっている。そこで、当該有効画像原稿は、次の印刷用紙に出力するものとし、現在の印刷用描画領域内への配置を中断し(ステップS38)、図4の「Y」点、すなわちステップS23に進む。当該有効画像原稿は、次の印刷用紙に出力するものであるため、作業用記憶部56内にそのまま残しておく。
【0087】
以上、本発明の第1の実施形態の動作について説明した。しかし、より良い集約印刷を行うために、以下に示すような変更を行ってもよい。
【0088】
第1に、図4における終了処理(ステップS25)を行う前に、それまでに、印刷用描画領域内に配置した画像イメージ、すなわち、集約印刷可能なように配置された複数の有効画像原稿を含む画像イメージ、を、表示部60に表示するようにしてもよい。そして、表示部60に表示された画像イメージを見たユーザは、図4のステップS21における判定方法を変更するようにしてもよい。つまり、「何れか一方の領域Bに有効画素が無いか?」
の判定方法を、「2つの領域B共に有効画素が無いか?」に変更してもよい。或いは、印刷用描画領域の大きさを変更するようにしてもよい。
【0089】
第2に、図4における動作により印刷用描画領域内に配置された有効画像原稿の外縁部に境界線を付すようにしてもよい。
【0090】
第3に、図3のステップS1で入力部40から読み込んだ原稿データに、読み込んだ順を示すページ番号を付加するようにしてもよい。
【0091】
このような変更を行うことにより、ユーザが入力部40から入力した原稿の有効画像領域を、より明確に認識することが可能となる。
【0092】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置は、複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る入力手段(入力部40)を備えている。また、前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段(制御部10)を備えている。さらに、前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段(出力部70)を備えている。
【0093】
また、前記制御手段(制御部10)は、印刷用描画領域内に有効画像原稿を配置する際、前記有効画像原稿が縦長である場合は配置済みの有効画像原稿の右側に配置し、前記有効画像原稿が横長である場合は配置済みの有効画像原稿の下側に配置する。そして、配置した前記有効画像原稿が印刷用描画領域からはみ出した場合は、はみ出した部分が印刷用描画領域内に収まるよう前記有効画像原稿をシフトさせるよう動作する。
【0094】
さらに、前記制御手段(制御部10)は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定する。そして、何れか一方の前記重なり合った領域内、或いは両方の前記重なり合った領域内に有効画素が無い場合、前記有効画像原稿の配置をシフトさせた位置で確定するよう動作する。
【0095】
またさらに、前記制御手段(制御部10)は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定する。そして、前記重なり合った領域内の両方に有効画素がある場合、前記有効画像原稿を180°或いは90°或いは270°回転させた後、前記有効画像原稿の配置を再度初めから実行するよう動作する。
【0096】
従って、本実施形態によれば、集約印刷した画像に潰れが生じることはない。
【0097】
また、本実施形態によれば、より効率的に集約印刷を行うことが可能となる。
【0098】
さらに、本実施形態によれば、出力用紙を節減することが可能となる。
【0099】
またさらに、本実施形態によれば、ユーザが入力した原稿の有効画像領域を、より明確に認識することが可能となる。
【0100】
さらにまた、本実施形態によれば、ユーザは原稿を入力部にセットするだけであり、ユーザが時間的に拘束されることはない。
[第2の実施形態]
次に、本発明の画像形成装置の第2の実施形態について説明する。
【0101】
図9は、本発明の画像形成装置の第2の実施形態を示す機能ブロック図である。
【0102】
なお、本発明の第2の実施形態は、図1に示した機能ブロック図における入力部40を削除し、入力部40に代えて、制御部10の画像編集部20内にプリンタドライバを追加した点が異なっている。また、記憶部50内にファイル記憶部を追加した点が異なっているものである。従って、図9において、図1の構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を極力省略するものとする。
【0103】
図9に示す画像形成装置100−1は、制御部10−1を含んでいる。そして、制御部10−1に接続される装置操作部30、記憶部50−1、表示部60、出力部70を含んでいる。
【0104】
制御部10−1は、画像形成装置100−1全体の動作制御を行う。そして、特に、集約印刷を行うために画像の編集処理を行う画像編集部20−1を含んでいる。
【0105】
上述した制御部10−1の画像編集部20−1は、有効画像領域取得部22−1、原稿配置処理部24、配置済み画像出力部26、プリンタドライバ28を含んでいる。
【0106】
プリンタドライバ28は、後述する記憶部50−1のファイル記憶部58から、ファイル内の原稿をビットマップデータとして読み込み、記憶部50−1の画像記憶部52に原稿データとして記憶させる。
【0107】
有効画像領域取得部22−1は、画像記憶部52の原稿データから、集約印刷を行う部分画像としての領域、すなわち、有効画像領域を求め、有効画像領域内の画像を有効画像原稿として記憶部50−1の作業用記憶部56に記憶させる。
【0108】
原稿配置処理部24、配置済み画像出力部26は、第1の実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
【0109】
記憶部50−1は、画像形成装置100−1を動作させるプログラムや、各種のデータを記憶する。特に、上述した画像編集部20−1のプリンタドライバ28が取得した原稿データを記憶する画像記憶部52を含んでいる。また、画像形成装置100−1の各種のプログラム(プリンタドライバ28のプログラムも含む)を記憶するプログラム記憶部54−1を含んでいる。さらに、制御部10−1が生成したデータやファイルなどを記憶し、また、それらを読み出させる作業用記憶部56を含んでいる。またさらに、文書ファイルや画像ファイルなど、集約印刷の対象となるファイルを記憶するファイル記憶部58を含んでいる。
【0110】
装置操作部30、表示部60、出力部70は、第1の実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
【0111】
次に、図9に機能ブロック図として示した画像形成装置を、実際のハードウェアで構成した一例につき、図10を参照して説明する。
【0112】
図10は、本発明の画像形成装置の第2の実施形態のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0113】
図10に示す画像形成装置100−1は、パーソナルコンピュータで構成したものとしたハードウェア構成の一例を示すものである。図10に示す画像形成装置100−1は、CPU10h−1、操作部30h−1、HDD52h、ROM54h−1、RAM56h、フラッシュメモリ58h、ディスプレイ60h、ネットワークI/F(inter face:インターフェース)70h−1が、バス80hを介して接続されている。また、ネットワークI/F70h−1には、ネットワークプリンタ70h−3が、LAN(Local Area Network:ラン)70h−2を介して接続されている。
【0114】
CPU10h−1は、図9の制御部10−1に相当し、ROM54h−1に記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置100−1全体の動作制御を行う。
【0115】
操作部30h−1は、図9の装置操作部30に相当し、キーボードやマウスなどで構成されている。
【0116】
HDD52hは、図9の画像記憶部52に相当する。
【0117】
ROM54h−1は、図9のプログラム記憶部54−1に相当し、画像形成装置100−1の各種のプログラム(プリンタドライバ28のプログラムも含む)を記憶している。
【0118】
RAM56hは、図9の作業用記憶部56に相当する。
【0119】
ディスプレイ60hは、図9の表示部60に相当する。
【0120】
ネットワークI/F70h−1、LAN70h−2、ネットワークプリンタ70h−3は、図9の出力部70に相当する。
【0121】
バス80hは、上記のCPU10h−1、操作部30h−1、HDD52h、ROM54h−1、RAM56h、フラッシュメモリ58h、ディスプレイ60h、ネットワークI/F70h−1の各ハードウェアを結ぶ信号路である。
【0122】
次に、図11を参照して、図9に示した本実施形態の動作について説明する。
【0123】
図11は、第2の実施形態の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【0124】
上述したように、本発明の第2の実施形態は、図1に示した機能ブロック図における入力部40を削除し、入力部40に代えて、制御部10(本実施形態では10−1)の画像編集部20(本実施形態では20−1)内にプリンタドライバ28を追加した点が異なっている。また、記憶部50(本実施形態では50−1)内にファイル記憶部58を追加した点が異なっているものである。従って、図11において、図3の構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を極力省略するものとする。
【0125】
先ず、画像形成装置100−1のユーザは、画像形成装置100−1の記憶部50−1のファイル記憶部58に、集約印刷させたい原稿を含むファイルを記憶させておくものとする。
【0126】
そして、装置操作部30から集約印刷を行わせるファイル名を入力し、集約印刷を行わせる指示入力を行う。すると、制御部10−1の画像編集部20−1が図11に示す動作を開始する。
【0127】
はじめに、画像編集部20−1のプリンタドライバ28は、入力されたファイル名のファイルからn枚分の原稿をビットマップデータとして取得し、取得したビットマップデータを原稿データとして、記憶部50−1の画像記憶部52に記憶させる(図11のステップS1−1)。なお、ファイルから原稿をビットマップデータとして取得するためには、当該ファイルを閲覧するプログラムを起動して閲覧用の画像を作業用記憶部56などに記憶させ、閲覧用の画像をそのままビットマップデータとして取得するようにするとよい。画像記憶部52に記憶された原稿データはn枚分となる。
【0128】
次に、画像編集部20−1の有効画像領域取得部22−1が動作し、画像記憶部52に記憶されたn枚分の原稿データそれぞれの有効画像領域を求め、有効画像領域内の画像を有効画像原稿として、記憶部50−1の作業用記憶部56に記憶させる(ステップS2−1)。なお、ステップS2−1における動作は、第1の実施形態の図6で説明した動作と同一である。
【0129】
そして、ステップS2−1の後、画像編集部20−1の原稿配置処理部24が動作し、出力用紙の印刷用描画領域に、有効画像原稿を集約して配置する処理を行う。
【0130】
なお、原稿配置処理部24が動作を開始した後、集約配置された画像を出力部70に出力し、出力用紙上に集約印刷させる動作(図11のステップS3〜ステップS7の動作)は、第1の実施形態で説明した動作と同一である。従って、第2の実施形態の動作に関するこれ以上の説明は省略するものとする。
【0131】
以上、本発明の第2の実施形態の動作について説明した。
【0132】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置は、複数の原稿をファイルから取得して複数の原稿データを得る入力手段(プリンタドライバ28)を備えている。また、前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段(制御部10−1)を備えている。さらに、前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段(出力部70)を備えている。
【0133】
従って、本実施形態によれば、ファイルから原稿を取得して集約印刷を行うことが可能となる。
【0134】
また、本実施形態によれば、原稿を読み取るスキャナなどの装置が不要となる。
【0135】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る入力手段と、
前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段と、
前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
(付記2)
前記制御手段は、印刷用描画領域内に有効画像原稿を配置する際、前記有効画像原稿が縦長である場合は配置済みの有効画像原稿の右側に配置し、前記有効画像原稿が横長である場合は配置済みの有効画像原稿の下側に配置し、配置した前記有効画像原稿が印刷用描画領域からはみ出した場合は、はみ出した部分が印刷用描画領域内に収まるよう前記有効画像原稿をシフトさせる、
ことを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
(付記3)
前記制御手段は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、何れか一方の前記重なり合った領域内、或いは両方の前記重なり合った領域内に有効画素が無い場合、前記有効画像原稿の配置をシフトさせた位置で確定する、
ことを特徴とする付記2に記載の画像形成装置。
(付記4)
前記制御手段は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、前記重なり合った領域内の両方に有効画素がある場合、前記有効画像原稿を180°或いは90°或いは270°回転させた後、前記有効画像原稿の配置を再度初めから実行する、
ことを特徴とする付記2に記載の画像形成装置。
(付記5)
前記入力手段は、ファイルから原稿を取得して複数の原稿データを得る、
ことを特徴とする付記1から付記4の何れかに記載の画像形成装置。
(付記6)
前記制御手段は、印刷用描画領域内に配置した有効画像原稿のそれぞれの外縁部に境界線を付す、
ことを特徴とする付記1〜付記5の何れかに記載の画像形成装置。
(付記7)
前記制御手段は、印刷用描画領域内に配置した有効画像原稿のそれぞれにページ番号を付加する、
ことを特徴とする付記1〜付記6の何れかに記載の画像形成装置。
(付記8)
複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得、
前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置し、
前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する、
ことを特徴とする集約印刷方法。
(付記9)
前記印刷用描画領域内に有効画像原稿を配置する際、前記有効画像原稿が縦長である場合は配置済みの有効画像原稿の右側に配置し、前記有効画像原稿が横長である場合は配置済みの有効画像原稿の下側に配置し、配置した前記有効画像原稿が印刷用描画領域からはみ出した場合は、はみ出した部分が印刷用描画領域内に収まるよう前記有効画像原稿をシフトさせる、
ことを特徴とする付記8に記載の集約印刷方法。
(付記10)
前記有効画像原稿をシフトさせた後、配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、何れか一方の前記重なり合った領域内、或いは両方の前記重なり合った領域内に有効画素が無い場合、前記有効画像原稿の配置をシフトさせた位置で確定する、
ことを特徴とする付記9に記載の集約印刷方法。
(付記11)
前記有効画像原稿をシフトさせた後、配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、前記重なり合った領域内の両方に有効画素がある場合、前記有効画像原稿を180°或いは90°或いは270°回転させた後、前記有効画像原稿の配置を再度初めから実行する、
ことを特徴とする付記9に記載の集約印刷方法。
(付記12)
前記印刷用描画領域内に配置した有効画像原稿のそれぞれの外縁部に境界線を付す、
ことを特徴とする付記8〜付記11の何れかに記載の集約印刷方法。
(付記13)
前記印刷用描画領域内に配置した有効画像原稿のそれぞれにページ番号を付加する、
ことを特徴とする付記8〜付記12の何れかに記載の集約印刷方法。
【符号の説明】
【0136】
10 制御部
10−1 制御部
20 画像編集部
20−1 画像編集部
22 有効画像領域取得部
22−1 有効画像領域取得部
24 原稿配置処理部
26 配置済み画像出力部
28 プリンタドライバ
30 装置操作部
40 入力部
50 記憶部
50−1 記憶部
52 画像記憶部
54 プログラム記憶部
54−1 プログラム記憶部
56 作業用記憶部
58 ファイル記憶部
60 表示部
70 出力部
100 画像形成装置
100−1 画像形成装置
10h CPU
10h−1 CPU
30h 操作パネル
30h−1 操作部
40h スキャナ
52h HDD
54h ROM
54h−1 ROM
56h RAM
58h フラッシュメモリ
60h ディスプレイ
70h プリンタ
70h−1 ネットワークI/F
70h−2 LAN
70h−3 ネットワークプリンタ
80h バス
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および集約印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ファクシミリ(facsimile)、プリンタ装置、デジタル複写機、或いは、画像読み取り機能・ファックス機能・印刷機能・ネットワーク接続機能などを有するデジタル複合機、などは、画像形成装置と呼ばれている。画像形成装置には、1頁分の文書を1枚の用紙に印刷する通常の印刷機能の他に、複数頁の文書を1枚の用紙に収めて印刷する機能や、複数頁の文書を縮小して一枚の用紙に収めて印刷する機能を備えるものがある。このような、複数頁の文書を1枚の用紙に収めて印刷する機能は、用紙の印刷枚数を減らす目的で使用される機能であり、集約印刷、或いは、エヌ・イン・ワン(N in 1)印刷などの呼称で知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上述した特許文献1「画像形成装置、画像形成方法及びプログラム」には、以下の記載がなされている。
【0004】
すなわち、複数の原稿から得た画像データを一枚の出力用紙に印刷する集約印刷のための画像形成装置において、出力用紙に余白領域を形成する。そして、出力用紙の余白領域を除いた原稿描写領域に、原稿描写領域の一隅を基準に空白を最小限にして、複数の原稿を配置する。複数の原稿を配置出来ない場合は、複数の原稿を原稿描写領域内に全て収まるように大きさを変倍する。このことにより、サイズの異なる複数の原稿を、余白を付した一枚の出力用紙に適正な大きさに変倍して集約印刷することができるようになる、としている。
【0005】
また、印刷用紙の空白に画像を印刷することにより、用紙の節減をはかるようにしているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
上述した特許文献2「画像形成装置」には以下の記載がなされている。
【0007】
すなわち、画像形成装置の給紙トレイに、予め印刷がなされた用紙をセットし、給紙された用紙に印刷された画像と空白領域を、画像読み取り部にて読み取る。そして、用紙における画像領域の大きさが、空白領域の大きさよりも小さいか又は等しい時、画像読み取り部で読み取った画像を空白領域に印刷する。すなわち、用紙から読み取った画像と同じ画像を、その用紙の空白部に印刷する「2 in 1 コピー」、又は、「3 in 1 コピー」が行われる。印刷終了後、用紙は排紙トレイに排出される。また、用紙における画像領域の大きさが、空白領域の大きさよりも大きい時には、画像読み取り部で読み取った画像を縮小して空白領域に印刷する。すなわち、用紙から読み取った画像と同じ画像を縮小して、その用紙の空白部に印刷する「縮小2 in 1 コピー」が行われる。このことにより、用紙の節減をはかることができる、としている。
【0008】
さらに、原稿の一部に印刷対象画像がある原稿において、印刷対象画像を自動で認識し、印刷対象用紙に対して無駄なく配置して、集約印刷を行えるようにしているものもある(例えば、特許文献3参照。)。
【0009】
上述した特許文献3「画像形成装置」には以下の記載がなされている。
【0010】
すなわち、デジタル複合機は、印刷用紙情報を取得し、複数の原稿を読み取り、原稿から読み取った画像を認識し、その中から印刷対象領域を認識する。次に、印刷対象領域の領域データ、サイズを保存し、印刷対象用紙中で各印刷対象画像の描画位置を決定する。描画位置を決定する時、印刷対象画像がそのままの向きでは配置できないと判定した場合には、印刷対象画像を90°回転させて、再度、配置できるかを判定し、配置できる場合に描画位置を決定する。また、印刷対象画像を縮小すれば配置可能と判定した場合には、印刷対象画像を縮小して描画位置を決定する。このように、印刷対象用紙中に各印刷対象画像を集約して描画し、印刷出力するようにしている。このことにより、印刷対象用紙上に各印刷対象画像を無駄なく配置して、集約印刷を行えるようになる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−042301号公報(第13〜17頁、図1〜9)
【特許文献2】特開2009−169270号公報(第3〜9頁、図1〜13)
【特許文献3】特開2004−104324号公報(第3〜7頁、図1〜10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した特許文献1、2、3に記載の画像形成装置においては、何れも、画像の変倍処理や縮小処理を行っているため、画像が小さくなり、出力用紙に印刷された画像に、文字や画像の潰れが生じ、ユーザが判読不可能となる場合がある、という課題を有している。
【0013】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものである。従って、本発明の目的は、原稿から得た画像データを縮小することなく、有効画像領域内の有効画素が重ならないよう印刷することにより、集約印刷した文字や絵の画像に潰れを生じさせない、画像形成装置および集約印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の画像形成装置は、複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る入力手段を備えている。また、前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段を備えている。さらに、前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段を備えている。
【0015】
本発明の集約印刷方法は、複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る。次に、前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する。そして、前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する、ようにしている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、集約印刷した画像に潰れが生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の画像形成装置の第1の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の画像形成装置の第1の実施形態のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の原稿配置処理部の動作を説明するフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の回転処理の動作を説明するフローチャートである。
【図6】第1の実施形態の具体例を示す第1の図である。
【図7】第1の実施形態の具体例を示す第2の図である。
【図8】第1の実施形態の具体例を示す第3の図である。
【図9】本発明の画像形成装置の第2の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図10】本発明の画像形成装置の第2の実施形態のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の画像形成装置の第1の実施形態を示す機能ブロック図である。
【0019】
図1に示す画像形成装置100は、制御部10を含んでいる。そして、制御部10に接続される装置操作部30、入力部40、記憶部50、表示部60、出力部70を含んでいる。
【0020】
制御部10は、画像形成装置100全体の動作制御を行う。そして、特に、集約印刷を行うために画像の編集処理を行う画像編集部20を含んでいる。
【0021】
装置操作部30は、画像形成装置100を操作する指示入力を行う。特に、画像形成装置100の各種設定項目を入力し、また、動作指示を入力する機能も有している。
【0022】
入力部40は、複数の原稿を読み込み、読み込んだ原稿を原稿データとして取得する機能を有している。
【0023】
記憶部50は、画像形成装置100を動作させるプログラムや、各種のデータを記憶する。特に、入力部40が取得した原稿データを記憶する画像記憶部52、画像形成装置100の各種のプログラムを記憶するプログラム記憶部54、制御部10が生成したデータやファイルなどを記憶し、また、それらを読み出させる作業用記憶部56を含んでいる。
【0024】
表示部60は、画像編集部20が集約印刷を行うために編集した結果の画像イメージを表示する。画像イメージを表示する必要がない場合は、表示部60は無くてもよい。
【0025】
出力部70は、画像編集部20が編集した集約印刷用の画像を、出力用紙に印刷する機能を有する。
【0026】
上述した制御部10の画像編集部20は、有効画像領域取得部22、原稿配置処理部24、配置済み画像出力部26を含んでいる。
【0027】
有効画像領域取得部22は、入力部40が取得した原稿データを、記憶部50の画像記憶部52に記憶させる。そして、画像記憶部52の原稿データから、集約印刷を行う部分画像としての領域、すなわち、有効画像領域を求め、有効画像領域内の画像を有効画像原稿として記憶部50の作業用記憶部56に記憶させる。
【0028】
原稿配置処理部24は、作業用記憶部56に記憶されている有効画像原稿を複数取得し、
これを、出力用紙の印刷用描画領域に集約して配置する機能を有している。
【0029】
配置済み画像出力部26は、原稿配置処理部24が配置処理した印刷用描画領域の画像を、出力部70に出力し、出力用紙上に集約印刷させる。印刷用描画領域の画像は、1枚とは限らず、原稿データが多い場合は複数枚の画像となる場合もある。
【0030】
次に、図1に機能ブロック図として示した画像形成装置を、実際のハードウェアで構成した一例につき、図2を参照して説明する。
【0031】
図2は、本発明の画像形成装置の第1の実施形態のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0032】
図2に示す画像形成装置100は、CPU10h、操作パネル30h、スキャナ40h、HDD52h、ROM54h、RAM56h、ディスプレイ60h、プリンタ70hが、バス80hを介して接続されている。
【0033】
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)10hは、図1の制御部10に相当し、ROM54hに記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置100全体の動作制御を行う。
【0034】
操作パネル30hは、図1の装置操作部30に相当し、テンキーやファンクションキーなどで構成されている。
【0035】
スキャナ40hは、図1の入力部40に相当し、複数の原稿を読み込み、読み込んだ原稿を原稿データとして取得する機能を有している。
【0036】
HDD(Hard Disk Drive:エイチ・ディー・ディー)52hは、図1の画像記憶部52に相当する。HDD52hは、磁性体を塗布または蒸着した円板を高速で回転させ、磁気ヘッドを使ってデータ(本実施形態では、原稿データ)の記録と読み取りを行う。HDDに代えて、不揮発性の半導体メモリであるところのフラッシュメモリ(flash memory)を使用してもよい。
【0037】
ROM(Read Only Memory:ロム)54hは、図1のプログラム記憶部54に相当し、画像形成装置100の各種のプログラムを記憶している。
【0038】
RAM(Random Access Memory:ラム)56hは、図1の作業用記憶部56に相当し、CPU10hの動作により生成されたデータやファイルなどを記憶し、また、これらを読み出させる。
【0039】
ディスプレイ(display)60hは、図1の表示部60に相当し、CPU10hの動作により、集約印刷を行うために編集された結果の画像イメージを表示する。ディスプレイ60hは、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどである。
【0040】
プリンタ70hは、図1の出力部70に相当し、CPU10hの動作により編集された集約印刷用の画像を、出力用紙に印刷する。
【0041】
バス(bus)80hは、上記の各ハードウェアを結ぶ信号路である。
【0042】
次に、図3〜図8を参照して、図1に示した本実施形態の動作について説明する。
【0043】
図3は、第1の実施形態の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【0044】
先ず、画像形成装置100のユーザは、画像形成装置100の入力部40に、複数の原稿(例えば、n枚の原稿とする)をセットし、装置操作部30から集約印刷を行わせる指示入力を行う。すると、制御部10の画像編集部20が図3に示す動作を開始する。
【0045】
はじめに、画像編集部20の有効画像領域取得部22は、入力部40にセットされたn枚の原稿を読み込み、読み込んだ原稿を原稿データとして、記憶部50の画像記憶部52に記憶させる(図3のステップS1)。画像記憶部52に記憶された原稿データはn枚分となる。
【0046】
次に、n枚分の原稿データそれぞれの有効画像領域を求め、有効画像領域内の画像を有効画像原稿として、記憶部50の作業用記憶部56に記憶させる(ステップS2)。
【0047】
ここで、上記ステップS1とS2の動作の具体例につき、図6を参照して説明する。
【0048】
図6の(a)は、サイズの異なる二枚の原稿を入力部40から読み込み、読み込んだ原稿を原稿データとしたことを示している。左側の1枚目の原稿データ内の黒点は文字を示しているものとする。右側の2枚目の原稿データは、釣り竿の絵を示しているものとする。
【0049】
そして、図6(a)の原稿データの有効画像領域を求めたものを、図6の(b)に示している。図6(b)の点線で囲まれた部分が有効画像領域である。ここで、有効画像領域とは、原稿データ内の有効画素をすべて含む最小の長方形または正方形の部分のことである。有効画素であることの判定方法としては、例えば、2値化された原稿データの画像中の白画素を無効画素とし、それ以外の画素を有効画素とする方法がある。或いは、予め無効色を指定しておき、指定された無効色の画素を無効画素とし、それ以外の画素を有効画素とする方法でもよい。
【0050】
最後に、図6(b)の有効画像領域内の画像を有効画像原稿としたものを、図6の(c)として示している。有効画像原稿は、記憶部50の作業用記憶部56に記憶され、大きい有効画像原稿から順に記憶させておくものとする。すなわち、図6(c)においては、第1の有効画像原稿を1番目として記憶し、第2の有効画像原稿は、その次の大きさの有効画像原稿として記憶する。
【0051】
図3に戻り、ステップS2の後、画像編集部20の原稿配置処理部24が動作し、出力用紙の印刷用描画領域に、有効画像原稿を集約して配置する処理を行う。この時点では、出力用紙が何枚になるかは分かっていない。そのため、先ず、出力用紙の枚数(mとして表すものとする)を1枚目に設定する。すなわち、m=1とする(ステップS3)。
【0052】
そして、原稿配置処理部24が動作し、出力用紙の印刷用描画領域に、有効原稿画像を集約して配置する処理を行う(ステップS4)。なお、ステップS4の処理の詳細については図4、図5を参照して後述するものとする。
【0053】
ステップS4の後、m枚目の出力用紙に配置されていない有効画像原稿が、作業用記憶部56内に残っているか否かを判定する(ステップS5)。
【0054】
未配置の有効画像原稿が残っている場合(ステップS5でYes)、出力用紙の枚数を1だけ増し、すなわち、m=m+1とし(ステップS6)、ステップS4に戻る。ステップS4では、次の出力用紙の印刷用描画領域に有効画像原稿を集約して配置する処理を再度実行する。
【0055】
未配置の有効画像原稿が残っていない場合(ステップS5でNo)、制御部10の配置済み画像出力部26が動作し、m個の印刷用描画領域に集約配置された画像を出力部70に出力し、m枚の出力用紙上に集約印刷させる(ステップS7)。
【0056】
次に、図4を参照して、本実施形態の詳細な動作について説明する。
【0057】
図4は、第1の実施形態の原稿配置処理部の動作を説明するフローチャートである。
【0058】
図4において、原稿配置処理部24は、先ず、作業用記憶部56に記憶されている有効画像原稿の内、最大の有効画像原稿を選択し、その有効画像原稿を印刷用描画領域の左上に配置し、その配置を確定する(図4のステップS11)。ここで、印刷用描画領域とは、出力用紙の内側で、集約印刷を行うことが可能な領域のことを示すものとする。なお、印刷用描画領域は、出力用紙の周辺に余白領域を設定して、出力用紙の余白領域の内側に収まる領域、すなわち、出力用紙の大きさよりも小さな領域でもよい。或いは、出力用紙に余白領域を設定せず、出力用紙と同じ大きさの領域であってもよい。また、印刷用描画領域上での配置が確定した有効画像原稿は、作業用記憶部56から消去するものとする。
【0059】
次に、原稿配置処理部24は、作業用記憶部56に記憶されている有効画像原稿の内、次に大きな有効画像原稿を選択する(ステップS12)。次に、その有効画像原稿の高さ(hで表すものとする)と幅(wで表すものとする)を取得する(ステップS13)。そして、高さ(h)が幅(w)よりも大きいかを判定する(ステップS14)。
【0060】
高さ(h)が幅(w)よりも大きい場合(ステップS14でYes)、当該有効画像原稿は縦長の有効画像原稿であるため、印刷用描画領域の中で、配置済みの有効画像原稿の右側に当該有効画像原稿を配置する(ステップS15)。高さ(h)が幅(w)よりも大きくない場合(ステップS14でNo)、当該有効画像原稿は横長の有効画像原稿であるため、印刷用描画領域の中で、配置済みの有効画像原稿の下側に当該有効画像原稿を配置する(ステップS16)。なお、ステップS15或いはS16にて配置する当該有効画像原稿の大きさは、縮小するなどの変更を行わない。
【0061】
ここで、上記ステップS11〜S16の動作の具体例につき、図7を参照して説明する。
【0062】
図7の(a)は、ステップS11において、図6(c)に示した最大の有効画像原稿、すなわち第1の有効画像原稿を選択し、図7(a)の印刷用描画領域(実線で示す領域)の左上に配置した状態を示している。
【0063】
次に、ステップS12において、図6(c)に示した次に大きな有効画像原稿、すなわち第2の有効画像原稿を選択する。そして、第2の有効画像原稿は、図示しているように高さ(h)が幅(w)より小さく、横長の有効画像原稿である。従って、第2の有効画像原稿を、配置済みの有効画像原稿(第1の有効画像原稿)の下側に配置する(ステップS13〜S16)。第2の有効画像原稿を、配置済みの有効画像原稿の下側に配置した状態を図7(b)に示している。
【0064】
図4に戻り、ステップS15或いはステップS16で配置した有効画像原稿が、印刷用描画領域の内側に収まっているか否かを判定する(ステップS17)。収まっている場合(ステップS17でYes)、ステップS22に進む。
【0065】
ステップS15或いはS16で配置した有効画像原稿が印刷用描画領域に収まっていない場合(ステップS17でNo)、ステップS18に進む。
【0066】
すなわち、ステップS18において、印刷用描画領域からはみ出した領域(以下、領域Aと称するものとする)を検出する。そして、はみ出した領域(領域A)を有する有効画像原稿を、領域Aの逆方向に、印刷用描画領域内に収まる距離だけシフトし、既に印刷用描画領域内で配置が確定している有効画像原稿と重ね合わせを行う(ステップS19)。
【0067】
そして、2つの有効画像原稿が重ね合わさった領域(以下、領域Bと称するものとする)につき、有効画素が有るかを検出する(ステップS20)。次に、何れか一方の領域Bに有効画素が無いかを判定する(ステップS21)。有効画素が無いということは、その領域Bには何の文字も絵も描かれていない空白の領域であることを示している。
【0068】
何れか一方の領域Bに有効画素が無い場合(ステップS21で無し)、他方の領域Bに有効画素が有ったとしても、その有効画素(文字や絵、など)は目視して判読可能であるため、重ね合わせは可能と判断する。そして、当該有効画像原稿の配置をその位置で確定する(ステップS22)。配置が確定した有効画像原稿は、作業用記憶部56から消去する。
【0069】
なお、上記のステップS21では、何れか一方の領域Bに有効画素が無いかを判定しているが、これを、2つの領域B共に有効画素が無いか、と判定するようにしてもよい。この場合でも、重ね合わせは可能と判断し、当該有効画像原稿の配置をその位置で確定する。
【0070】
ここで、上記ステップS17〜S22の動作の具体例につき図8を参照して説明する。
【0071】
図8の(a)は、図7(b)と同一であり、ステップS15或いはステップS16で、次に大きな第2の有効画像原稿を配置した状態を示している。
【0072】
そして、図8(a)の領域Aとして示す領域(ハッチングした部分)は、ステップS17及びS18において、印刷用描画領域からはみ出している領域として検出された領域である。ステップS18において、印刷用描画領域からはみ出した領域(領域A)を検出したため、ステップS19で、領域Aが印刷用描画領域の内側に収まるようシフトする。図8(b)は、シフトした後の状態を示しており、第1と第2の有効画像原稿が重ね合わさった領域を、領域B(ハッチングした部分)として示している。
【0073】
次に、ステップS20で、第1の有効画像原稿の領域Bに有効画素が有るかを検出し、また、第2の有効画像原稿の領域Bに有効画素が有るかを検出する。図8(c)に示すように、第1の有効画像原稿の領域Bには有効画素が無く(何の文字も記載されていない)、第2の有効画像原稿の領域Bには有効画素が有る(釣り竿の絵の一部が描かれている)。従って、ステップS21では、何れか一方の領域B(第1の有効画像原稿の領域B)に有効画素が無い、と判定するので、図8(b)の状態で、第1と第2の有効画像原稿の配置を確定する(ステップS22)。
【0074】
図4に戻り、ステップS22で、当該有効画像原稿の配置を確定したので、次に、印刷用描画領域内に更なる有効画像原稿を配置可能な余白の領域が有るかを判定する(ステップS23)。印刷用描画領域内に余白の領域が無い場合(ステップS23でNo)、図4における原稿配置処理を終了する(ステップS25)。印刷用描画領域内に余白の領域がある場合(ステップS23でYes)、次に、作業用記憶部56に、未だ配置されていない有効画像原稿が有るかを判定する(ステップS24)。未だ配置されていない有効画像原稿がある場合(ステップS24でYes)、ステップS12に戻り、次に大きな有効画像原稿を作業用記憶部56から選択し配置する処理を続ける。未だ配置されていない有効画像原稿が無い場合(ステップS24でNo)、図4における原稿配置処理を終了する(ステップS25)。
【0075】
次に、上記したステップS21の判定で、2つの重ね合わさった領域(領域B)に、共に有効画素が有った場合(ステップS21で有り)の処理について説明する。
【0076】
2つの重ね合わさった領域(領域B)に、共に有効画素が有った場合(ステップS21で有り)は、領域Bの中で、2つの有効画像原稿に描かれている文字や絵などが重なってしまう。重なった状態の領域Bを目視した際、領域Bは判読不可能となる可能性が高い。従って、当該有効画像原稿のその位置への配置は不可能と判断し、当該有効画像原稿を回転させる処理を行う(ステップS30)。そして、回転させた後の当該有効画像原稿が、印刷用描画領域に集約配置可能かを再度試みる。ステップS30の回転処理の結果は2種類の何れかとなり、図4の「X」、「Y」の何れかの点に進む。
【0077】
次に、図5を参照して、図4のステップS30の回転処理について説明する。
【0078】
図5は、第1の実施形態の回転処理の動作を説明するフローチャートである。
【0079】
図5における前提として、画像形成装置100の作業用記憶部56に記憶されている有効画像原稿は、回転を行っていない状態であるものとする。
【0080】
図4のステップS21で有効画素有り、と判定された当該有効画像原稿が、先ず、回転を行っていない状態から180°回転されたかを判定する(図5のステップS31)。
【0081】
180°回転されていない場合(ステップS31でNo)、当該有効画像原稿を180°回転させる(ステップS32)。そして図4の「X」点、すなわちステップS14に進み、当該有効画像原稿の高さ(h)と幅(w)を比較し、縦長の有効画像原稿か横長の有効画像原稿かの何れかに基づいて、印刷用描画領域内への配置を再度行う。
【0082】
180°の回転が既になされている場合(ステップS31でYes)、次に、当該有効画像原稿が90°回転されたかを判定する(ステップS33)。
【0083】
90°回転されていない場合(ステップS33でNo)、当該有効画像原稿を90°回転させる(ステップS34)。90°回転させるということは、当該有効画像原稿が当初、縦長であった場合には横長の、横長であった場合には縦長の有効画像原稿になったことと同じである。従って、当該有効画像原稿の高さ(h)と幅(w)の入れ替えを行い(ステップS35)、図4の「X」点、すなわちステップS14に進む。そして、当該有効画像原稿の高さ(h)と幅(w)を比較し、縦長の有効画像原稿か横長の有効画像原稿かの何れかに基づいて、印刷用描画領域内への配置を再度行う。
【0084】
90°の回転が既になされている場合(ステップS33でYes)、次に、当該有効画像原稿が270°回転されたかを判定する(ステップS36)。
【0085】
270°回転されていない場合(ステップS36でNo)、当該有効画像原稿を180°回転させる(ステップS37)。180°回転させるということは、直前の回転処理において、当該有効画像原稿がステップS34において90°回転されているため、当初の有効画像原稿(回転が全く行われていない状態)を270°回転させたことに相当する。そして、図4の「X」点、すなわちステップS14に進む。ステップS14以降においては、当該有効画像原稿の高さ(h)と幅(w)を比較し、縦長の有効画像原稿か横長の有効画像原稿かの何れかに基づいて、印刷用描画領域内への配置を再度行う。
【0086】
270°の回転が既になされている場合(ステップS36でYes)、当該有効画像原稿は、90°、180°、270°の回転を全て行って、再配置を試みたにもかかわらず、配置不可能と判定された場合となっている。そこで、当該有効画像原稿は、次の印刷用紙に出力するものとし、現在の印刷用描画領域内への配置を中断し(ステップS38)、図4の「Y」点、すなわちステップS23に進む。当該有効画像原稿は、次の印刷用紙に出力するものであるため、作業用記憶部56内にそのまま残しておく。
【0087】
以上、本発明の第1の実施形態の動作について説明した。しかし、より良い集約印刷を行うために、以下に示すような変更を行ってもよい。
【0088】
第1に、図4における終了処理(ステップS25)を行う前に、それまでに、印刷用描画領域内に配置した画像イメージ、すなわち、集約印刷可能なように配置された複数の有効画像原稿を含む画像イメージ、を、表示部60に表示するようにしてもよい。そして、表示部60に表示された画像イメージを見たユーザは、図4のステップS21における判定方法を変更するようにしてもよい。つまり、「何れか一方の領域Bに有効画素が無いか?」
の判定方法を、「2つの領域B共に有効画素が無いか?」に変更してもよい。或いは、印刷用描画領域の大きさを変更するようにしてもよい。
【0089】
第2に、図4における動作により印刷用描画領域内に配置された有効画像原稿の外縁部に境界線を付すようにしてもよい。
【0090】
第3に、図3のステップS1で入力部40から読み込んだ原稿データに、読み込んだ順を示すページ番号を付加するようにしてもよい。
【0091】
このような変更を行うことにより、ユーザが入力部40から入力した原稿の有効画像領域を、より明確に認識することが可能となる。
【0092】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置は、複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る入力手段(入力部40)を備えている。また、前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段(制御部10)を備えている。さらに、前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段(出力部70)を備えている。
【0093】
また、前記制御手段(制御部10)は、印刷用描画領域内に有効画像原稿を配置する際、前記有効画像原稿が縦長である場合は配置済みの有効画像原稿の右側に配置し、前記有効画像原稿が横長である場合は配置済みの有効画像原稿の下側に配置する。そして、配置した前記有効画像原稿が印刷用描画領域からはみ出した場合は、はみ出した部分が印刷用描画領域内に収まるよう前記有効画像原稿をシフトさせるよう動作する。
【0094】
さらに、前記制御手段(制御部10)は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定する。そして、何れか一方の前記重なり合った領域内、或いは両方の前記重なり合った領域内に有効画素が無い場合、前記有効画像原稿の配置をシフトさせた位置で確定するよう動作する。
【0095】
またさらに、前記制御手段(制御部10)は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定する。そして、前記重なり合った領域内の両方に有効画素がある場合、前記有効画像原稿を180°或いは90°或いは270°回転させた後、前記有効画像原稿の配置を再度初めから実行するよう動作する。
【0096】
従って、本実施形態によれば、集約印刷した画像に潰れが生じることはない。
【0097】
また、本実施形態によれば、より効率的に集約印刷を行うことが可能となる。
【0098】
さらに、本実施形態によれば、出力用紙を節減することが可能となる。
【0099】
またさらに、本実施形態によれば、ユーザが入力した原稿の有効画像領域を、より明確に認識することが可能となる。
【0100】
さらにまた、本実施形態によれば、ユーザは原稿を入力部にセットするだけであり、ユーザが時間的に拘束されることはない。
[第2の実施形態]
次に、本発明の画像形成装置の第2の実施形態について説明する。
【0101】
図9は、本発明の画像形成装置の第2の実施形態を示す機能ブロック図である。
【0102】
なお、本発明の第2の実施形態は、図1に示した機能ブロック図における入力部40を削除し、入力部40に代えて、制御部10の画像編集部20内にプリンタドライバを追加した点が異なっている。また、記憶部50内にファイル記憶部を追加した点が異なっているものである。従って、図9において、図1の構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を極力省略するものとする。
【0103】
図9に示す画像形成装置100−1は、制御部10−1を含んでいる。そして、制御部10−1に接続される装置操作部30、記憶部50−1、表示部60、出力部70を含んでいる。
【0104】
制御部10−1は、画像形成装置100−1全体の動作制御を行う。そして、特に、集約印刷を行うために画像の編集処理を行う画像編集部20−1を含んでいる。
【0105】
上述した制御部10−1の画像編集部20−1は、有効画像領域取得部22−1、原稿配置処理部24、配置済み画像出力部26、プリンタドライバ28を含んでいる。
【0106】
プリンタドライバ28は、後述する記憶部50−1のファイル記憶部58から、ファイル内の原稿をビットマップデータとして読み込み、記憶部50−1の画像記憶部52に原稿データとして記憶させる。
【0107】
有効画像領域取得部22−1は、画像記憶部52の原稿データから、集約印刷を行う部分画像としての領域、すなわち、有効画像領域を求め、有効画像領域内の画像を有効画像原稿として記憶部50−1の作業用記憶部56に記憶させる。
【0108】
原稿配置処理部24、配置済み画像出力部26は、第1の実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
【0109】
記憶部50−1は、画像形成装置100−1を動作させるプログラムや、各種のデータを記憶する。特に、上述した画像編集部20−1のプリンタドライバ28が取得した原稿データを記憶する画像記憶部52を含んでいる。また、画像形成装置100−1の各種のプログラム(プリンタドライバ28のプログラムも含む)を記憶するプログラム記憶部54−1を含んでいる。さらに、制御部10−1が生成したデータやファイルなどを記憶し、また、それらを読み出させる作業用記憶部56を含んでいる。またさらに、文書ファイルや画像ファイルなど、集約印刷の対象となるファイルを記憶するファイル記憶部58を含んでいる。
【0110】
装置操作部30、表示部60、出力部70は、第1の実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
【0111】
次に、図9に機能ブロック図として示した画像形成装置を、実際のハードウェアで構成した一例につき、図10を参照して説明する。
【0112】
図10は、本発明の画像形成装置の第2の実施形態のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0113】
図10に示す画像形成装置100−1は、パーソナルコンピュータで構成したものとしたハードウェア構成の一例を示すものである。図10に示す画像形成装置100−1は、CPU10h−1、操作部30h−1、HDD52h、ROM54h−1、RAM56h、フラッシュメモリ58h、ディスプレイ60h、ネットワークI/F(inter face:インターフェース)70h−1が、バス80hを介して接続されている。また、ネットワークI/F70h−1には、ネットワークプリンタ70h−3が、LAN(Local Area Network:ラン)70h−2を介して接続されている。
【0114】
CPU10h−1は、図9の制御部10−1に相当し、ROM54h−1に記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置100−1全体の動作制御を行う。
【0115】
操作部30h−1は、図9の装置操作部30に相当し、キーボードやマウスなどで構成されている。
【0116】
HDD52hは、図9の画像記憶部52に相当する。
【0117】
ROM54h−1は、図9のプログラム記憶部54−1に相当し、画像形成装置100−1の各種のプログラム(プリンタドライバ28のプログラムも含む)を記憶している。
【0118】
RAM56hは、図9の作業用記憶部56に相当する。
【0119】
ディスプレイ60hは、図9の表示部60に相当する。
【0120】
ネットワークI/F70h−1、LAN70h−2、ネットワークプリンタ70h−3は、図9の出力部70に相当する。
【0121】
バス80hは、上記のCPU10h−1、操作部30h−1、HDD52h、ROM54h−1、RAM56h、フラッシュメモリ58h、ディスプレイ60h、ネットワークI/F70h−1の各ハードウェアを結ぶ信号路である。
【0122】
次に、図11を参照して、図9に示した本実施形態の動作について説明する。
【0123】
図11は、第2の実施形態の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【0124】
上述したように、本発明の第2の実施形態は、図1に示した機能ブロック図における入力部40を削除し、入力部40に代えて、制御部10(本実施形態では10−1)の画像編集部20(本実施形態では20−1)内にプリンタドライバ28を追加した点が異なっている。また、記憶部50(本実施形態では50−1)内にファイル記憶部58を追加した点が異なっているものである。従って、図11において、図3の構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を極力省略するものとする。
【0125】
先ず、画像形成装置100−1のユーザは、画像形成装置100−1の記憶部50−1のファイル記憶部58に、集約印刷させたい原稿を含むファイルを記憶させておくものとする。
【0126】
そして、装置操作部30から集約印刷を行わせるファイル名を入力し、集約印刷を行わせる指示入力を行う。すると、制御部10−1の画像編集部20−1が図11に示す動作を開始する。
【0127】
はじめに、画像編集部20−1のプリンタドライバ28は、入力されたファイル名のファイルからn枚分の原稿をビットマップデータとして取得し、取得したビットマップデータを原稿データとして、記憶部50−1の画像記憶部52に記憶させる(図11のステップS1−1)。なお、ファイルから原稿をビットマップデータとして取得するためには、当該ファイルを閲覧するプログラムを起動して閲覧用の画像を作業用記憶部56などに記憶させ、閲覧用の画像をそのままビットマップデータとして取得するようにするとよい。画像記憶部52に記憶された原稿データはn枚分となる。
【0128】
次に、画像編集部20−1の有効画像領域取得部22−1が動作し、画像記憶部52に記憶されたn枚分の原稿データそれぞれの有効画像領域を求め、有効画像領域内の画像を有効画像原稿として、記憶部50−1の作業用記憶部56に記憶させる(ステップS2−1)。なお、ステップS2−1における動作は、第1の実施形態の図6で説明した動作と同一である。
【0129】
そして、ステップS2−1の後、画像編集部20−1の原稿配置処理部24が動作し、出力用紙の印刷用描画領域に、有効画像原稿を集約して配置する処理を行う。
【0130】
なお、原稿配置処理部24が動作を開始した後、集約配置された画像を出力部70に出力し、出力用紙上に集約印刷させる動作(図11のステップS3〜ステップS7の動作)は、第1の実施形態で説明した動作と同一である。従って、第2の実施形態の動作に関するこれ以上の説明は省略するものとする。
【0131】
以上、本発明の第2の実施形態の動作について説明した。
【0132】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置は、複数の原稿をファイルから取得して複数の原稿データを得る入力手段(プリンタドライバ28)を備えている。また、前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段(制御部10−1)を備えている。さらに、前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段(出力部70)を備えている。
【0133】
従って、本実施形態によれば、ファイルから原稿を取得して集約印刷を行うことが可能となる。
【0134】
また、本実施形態によれば、原稿を読み取るスキャナなどの装置が不要となる。
【0135】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る入力手段と、
前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段と、
前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
(付記2)
前記制御手段は、印刷用描画領域内に有効画像原稿を配置する際、前記有効画像原稿が縦長である場合は配置済みの有効画像原稿の右側に配置し、前記有効画像原稿が横長である場合は配置済みの有効画像原稿の下側に配置し、配置した前記有効画像原稿が印刷用描画領域からはみ出した場合は、はみ出した部分が印刷用描画領域内に収まるよう前記有効画像原稿をシフトさせる、
ことを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
(付記3)
前記制御手段は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、何れか一方の前記重なり合った領域内、或いは両方の前記重なり合った領域内に有効画素が無い場合、前記有効画像原稿の配置をシフトさせた位置で確定する、
ことを特徴とする付記2に記載の画像形成装置。
(付記4)
前記制御手段は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、前記重なり合った領域内の両方に有効画素がある場合、前記有効画像原稿を180°或いは90°或いは270°回転させた後、前記有効画像原稿の配置を再度初めから実行する、
ことを特徴とする付記2に記載の画像形成装置。
(付記5)
前記入力手段は、ファイルから原稿を取得して複数の原稿データを得る、
ことを特徴とする付記1から付記4の何れかに記載の画像形成装置。
(付記6)
前記制御手段は、印刷用描画領域内に配置した有効画像原稿のそれぞれの外縁部に境界線を付す、
ことを特徴とする付記1〜付記5の何れかに記載の画像形成装置。
(付記7)
前記制御手段は、印刷用描画領域内に配置した有効画像原稿のそれぞれにページ番号を付加する、
ことを特徴とする付記1〜付記6の何れかに記載の画像形成装置。
(付記8)
複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得、
前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置し、
前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する、
ことを特徴とする集約印刷方法。
(付記9)
前記印刷用描画領域内に有効画像原稿を配置する際、前記有効画像原稿が縦長である場合は配置済みの有効画像原稿の右側に配置し、前記有効画像原稿が横長である場合は配置済みの有効画像原稿の下側に配置し、配置した前記有効画像原稿が印刷用描画領域からはみ出した場合は、はみ出した部分が印刷用描画領域内に収まるよう前記有効画像原稿をシフトさせる、
ことを特徴とする付記8に記載の集約印刷方法。
(付記10)
前記有効画像原稿をシフトさせた後、配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、何れか一方の前記重なり合った領域内、或いは両方の前記重なり合った領域内に有効画素が無い場合、前記有効画像原稿の配置をシフトさせた位置で確定する、
ことを特徴とする付記9に記載の集約印刷方法。
(付記11)
前記有効画像原稿をシフトさせた後、配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、前記重なり合った領域内の両方に有効画素がある場合、前記有効画像原稿を180°或いは90°或いは270°回転させた後、前記有効画像原稿の配置を再度初めから実行する、
ことを特徴とする付記9に記載の集約印刷方法。
(付記12)
前記印刷用描画領域内に配置した有効画像原稿のそれぞれの外縁部に境界線を付す、
ことを特徴とする付記8〜付記11の何れかに記載の集約印刷方法。
(付記13)
前記印刷用描画領域内に配置した有効画像原稿のそれぞれにページ番号を付加する、
ことを特徴とする付記8〜付記12の何れかに記載の集約印刷方法。
【符号の説明】
【0136】
10 制御部
10−1 制御部
20 画像編集部
20−1 画像編集部
22 有効画像領域取得部
22−1 有効画像領域取得部
24 原稿配置処理部
26 配置済み画像出力部
28 プリンタドライバ
30 装置操作部
40 入力部
50 記憶部
50−1 記憶部
52 画像記憶部
54 プログラム記憶部
54−1 プログラム記憶部
56 作業用記憶部
58 ファイル記憶部
60 表示部
70 出力部
100 画像形成装置
100−1 画像形成装置
10h CPU
10h−1 CPU
30h 操作パネル
30h−1 操作部
40h スキャナ
52h HDD
54h ROM
54h−1 ROM
56h RAM
58h フラッシュメモリ
60h ディスプレイ
70h プリンタ
70h−1 ネットワークI/F
70h−2 LAN
70h−3 ネットワークプリンタ
80h バス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る入力手段と、
前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段と、
前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、印刷用描画領域内に有効画像原稿を配置する際、前記有効画像原稿が縦長である場合は配置済みの有効画像原稿の右側に配置し、前記有効画像原稿が横長である場合は配置済みの有効画像原稿の下側に配置し、配置した前記有効画像原稿が印刷用描画領域からはみ出した場合は、はみ出した部分が印刷用描画領域内に収まるよう前記有効画像原稿をシフトさせる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、何れか一方の前記重なり合った領域内、或いは両方の前記重なり合った領域内に有効画素が無い場合、前記有効画像原稿の配置をシフトさせた位置で確定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、前記重なり合った領域内の両方に有効画素がある場合、前記有効画像原稿を180°或いは90°或いは270°回転させた後、前記有効画像原稿の配置を再度初めから実行する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記入力手段は、ファイルから原稿を取得して複数の原稿データを得る、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得、
前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置し、
前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する、
ことを特徴とする集約印刷方法。
【請求項7】
前記印刷用描画領域内に有効画像原稿を配置する際、前記有効画像原稿が縦長である場合は配置済みの有効画像原稿の右側に配置し、前記有効画像原稿が横長である場合は配置済みの有効画像原稿の下側に配置し、配置した前記有効画像原稿が印刷用描画領域からはみ出した場合は、はみ出した部分が印刷用描画領域内に収まるよう前記有効画像原稿をシフトさせる、
ことを特徴とする請求項6に記載の集約印刷方法。
【請求項8】
前記有効画像原稿をシフトさせた後、配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、何れか一方の前記重なり合った領域内、或いは両方の前記重なり合った領域内に有効画素が無い場合、前記有効画像原稿の配置をシフトさせた位置で確定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の集約印刷方法。
【請求項9】
前記有効画像原稿をシフトさせた後、配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、前記重なり合った領域内の両方に有効画素がある場合、前記有効画像原稿を180°或いは90°或いは270°回転させた後、前記有効画像原稿の配置を再度初めから実行する、
ことを特徴とする請求項7に記載の集約印刷方法。
【請求項1】
複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得る入力手段と、
前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置する制御手段と、
前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する出力手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、印刷用描画領域内に有効画像原稿を配置する際、前記有効画像原稿が縦長である場合は配置済みの有効画像原稿の右側に配置し、前記有効画像原稿が横長である場合は配置済みの有効画像原稿の下側に配置し、配置した前記有効画像原稿が印刷用描画領域からはみ出した場合は、はみ出した部分が印刷用描画領域内に収まるよう前記有効画像原稿をシフトさせる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、何れか一方の前記重なり合った領域内、或いは両方の前記重なり合った領域内に有効画素が無い場合、前記有効画像原稿の配置をシフトさせた位置で確定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記有効画像原稿をシフトさせ配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、前記重なり合った領域内の両方に有効画素がある場合、前記有効画像原稿を180°或いは90°或いは270°回転させた後、前記有効画像原稿の配置を再度初めから実行する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記入力手段は、ファイルから原稿を取得して複数の原稿データを得る、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数の原稿を読み込んで複数の原稿データを得、
前記複数の原稿データそれぞれについて原稿データの有効画像原稿を得て、複数の前記有効画像原稿を元の大きさを変えずに1つの印刷用描画領域内に集約印刷可能なように配置し、
前記印刷用描画領域内に配置された画像を出力用紙に集約印刷する、
ことを特徴とする集約印刷方法。
【請求項7】
前記印刷用描画領域内に有効画像原稿を配置する際、前記有効画像原稿が縦長である場合は配置済みの有効画像原稿の右側に配置し、前記有効画像原稿が横長である場合は配置済みの有効画像原稿の下側に配置し、配置した前記有効画像原稿が印刷用描画領域からはみ出した場合は、はみ出した部分が印刷用描画領域内に収まるよう前記有効画像原稿をシフトさせる、
ことを特徴とする請求項6に記載の集約印刷方法。
【請求項8】
前記有効画像原稿をシフトさせた後、配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、何れか一方の前記重なり合った領域内、或いは両方の前記重なり合った領域内に有効画素が無い場合、前記有効画像原稿の配置をシフトさせた位置で確定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の集約印刷方法。
【請求項9】
前記有効画像原稿をシフトさせた後、配置済みの有効画像原稿と重なり合った領域内に有効画素が有るかを判定し、前記重なり合った領域内の両方に有効画素がある場合、前記有効画像原稿を180°或いは90°或いは270°回転させた後、前記有効画像原稿の配置を再度初めから実行する、
ことを特徴とする請求項7に記載の集約印刷方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−169909(P2012−169909A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29771(P2011−29771)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
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