説明

画像形成装置のクリーニング装置及び画像形成装置

【課題】像担持体の表面からトナーを除去する効率を向上することのできる画像形成装置のクリーニング装置及びこのクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】クリーニング装置100は、中間転写ベルト7の表面からトナーを除去するクリーニングブラシ110と、クリーニングブラシ110により除去したトナーをクリーニングブラシ110から回収する回収ローラ120と、回収ローラ120に接触して、回収ローラ120により回収したトナーを掻き落とすブレード130とを備え、クリーニングブラシ110は、トナーとの摩擦によりトナーとは逆極性に帯電され、回収ローラ120は、トナー及びクリーニングブラシ110との摩擦によりトナーとは逆極性に帯電される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機やプリンタ等の画像形成装置に用いられるクリーニング装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機等の画像形成装置としては、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムに形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、感光体ドラムに形成されたトナー画像を一時的に保持してその上に多色カラー画像を形成する中間転写ベルトと、感光体ドラムに形成されたトナー画像を中間転写ベルトに転写する1次転写ローラと、中間転写ベルトに転写されたトナー画像を用紙に転写する2次転写ローラと、を備えるものが知られている。このような画像形成装置には、トナー画像を用紙に転写した後の中間転写ベルトに残る残留トナーを除去するためのクリーニング装置が備えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このクリーニング装置は、中間転写ベルトに接触してトナーを中間転写ベルトから除去するクリーニングブラシと、クリーニングブラシに接触してクリーニングブラシからトナーを回収する回収ローラと、回収ローラに電圧を印加する電圧印加部と、を備える。クリーニングブラシは、回収ローラと接触しているため、クリーニングブラシ表面がマイナスに帯電される。一方、トナーは、プラスに帯電している。このため、トナーは、クリーニングブラシ及び回収ローラに静電気的に吸着され、中間転写ベルトから除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−225252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、クリーニングブラシの抵抗値とトナーの抵抗値とを比較すると、トナーの抵抗値の方が高くなっている。このため、上述したクリーニング装置では、クリーニングブラシと回収ローラとの間において、クリーニングブラシにおけるトナーが多く付着した部分(トナー高密度付着部分)と、トナーが付着していない部分との間に電流密度の差ができてしまう。本来、クリーニングブラシと回収ローラとの間では、クリーニングブラシのトナー高密度付着部分の電流密度を高くすることで、トナーの回収ローラへの移動を効率良く行うことが好ましい。しかしながら、実際は、クリーニングブラシのトナー高密度付着部分の抵抗値が高くなるために、このトナー高密度付着部分の電流密度が低くなってしまい、クリーニングブラシからのトナーの除去効率が悪化してしまうという問題があった。
【0006】
さらに、感光体ドラム、中間転写ベルト等、像担持体に残留するトナーは、プラスに帯電したものとマイナスに帯電したものとが混在している。このため、特許文献1に記載のクリーニング装置では、プラス帯電性のトナーを感光体ドラムから除去することができるが、マイナス帯電性のトナーを感光体ドラムから除去することができず、効率が低いという問題があった。
【0007】
本発明は、像担持体の表面からトナーを除去する効率を向上することができる画像形成装置のクリーニング装置及びこのクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画像形成装置の像担持体の表面に残留するトナーを前記表面から除去して前記表面のクリーニングを行うクリーニング装置であって、前記像担持体の表面と接触して、前記像担持体の表面からトナーを除去するクリーニング部材と、前記クリーニング部材により前記像担持体の表面から除去されたトナーを吸着することにより前記クリーニング部材から回収する回収ローラと、前記回収ローラに接触して、前記回収ローラに吸着されたトナーを掻き落とすトナー掻き取り部材と、を備え、前記クリーニング部材は、トナーとの摩擦によりトナーとは逆極性に帯電され、前記回収ローラは、トナー及び前記クリーニング部材との摩擦によりトナーとは逆極性に帯電される画像形成装置のクリーニング装置に関する。
【0009】
また、前記トナーと前記クリーニング部材との摩擦により、前記トナーはプラスに帯電すると共に、前記クリーニング部材はマイナスに帯電し、前記トナー及び前記クリーニング部材と前記回収ローラとの摩擦により、前記トナーはプラスに帯電すると共に、前記回収ローラは、前記クリーニング部材と比較してさらにマイナス側に帯電されることが好ましい。
【0010】
その場合、前記像担持体と前記回収ローラとの間に電場を形成する電場形成部をさらに備え、前記電場は、前記像担持体側がプラスとされると共に、前記回収ローラ側がマイナスとされることが好ましい。
【0011】
また、前記トナーと前記クリーニング部材との摩擦により、前記トナーはマイナスに帯電すると共に、前記クリーニング部材はプラスに帯電し、前記トナー及びクリーニング部材と前記回収ローラとの摩擦により、前記トナーはマイナスに帯電すると共に、前記回収ローラは、前記クリーニング部材と比較してさらにプラス側に帯電されることが好ましい。
【0012】
その場合、前記像担持体と前記回収ローラとの間に電場を形成する電場形成部をさらに備え、前記電場は、前記像担持体側がマイナスとされると共に、前記回収ローラ側がプラスとされることが好ましい。
【0013】
また、前記回収ローラは、導電部と、前記導電部の表面に設けられる絶縁部とを備え、前記絶縁部は、トナー及びクリーニング部材との摩擦により、トナーとは逆極性に帯電されることが好ましい。
【0014】
また、前記トナー掻き取り部材は、前記トナー掻き取り部材と前記回収ローラとの接線方向に対して外側に15°から20°の角度を有して配置されることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、上述した画像形成装置のクリーニング装置を備える画像形成装置であって、表面に静電潜像が形成される第2像担持体と、前記第2像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、前記像担持体と、前記第2像担持体に形成されたトナー画像を前記像担持体に転写する第1転写部と、前記像担持体に転写されたトナー画像をシート状の被転写材に転写する第2転写部と、前記クリーニング装置と、を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、像担持体の表面からトナーを除去する効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態のコピー機1の各構成要素を説明するための図である。
【図2】クリーニング装置100、感光体ドラム2a、2b、2c、2d及び中間転写ベルト7を説明するための図である。
【図3】クリーニング装置100を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
まず、図1により、画像形成装置としてのコピー機1における全体構造を説明する。図1は、コピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【0019】
図1に示すように、画像形成装置としてのコピー機1は、コピー機1における上方側に配置される画像読取装置300と、コピー機1における下方側に配置され画像読取装置300からの画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
【0020】
画像読取装置300について説明する。
図1に示すように、画像読取装置300は、蓋部材70と、原稿Gの画像を読み取る読取部301と、を備える。
蓋部材70は、読取部301に対して不図示の連結部により開閉可能に連結されている。蓋部材70は、後述する読取面302Aを保護する機能を有する。
【0021】
読取部301は、読取面302Aと、読取部301の内部空間304に配置される光源を含む照明部340と、複数のミラー321、322及び323と、読取面302Aと平行な方向に移動する第1枠体311及び第2枠体312と、結像レンズ357と、読取装置としてのCCD358と、CCD358により読み取られた画像データに対して所定の処理をすると共に該画像データを装置本体M側に出力させるCCD基板361と、を備える。
【0022】
読取面302Aは、原稿Gが載置されるコンタクトガラス302の垂直方向上面に沿って形成される。
上述の照明部340及びミラー321は、第1枠体311に収容される。また、ミラー322及び323は、第2枠体312に収容される。
【0023】
読取部301の内部空間304において、複数のミラー321、322及び323は、原稿Gからの光を結像レンズ357に入光させるための光路Hを形成する。また、第1枠体311が副走査方向Xに一定速度Aで移動すると共に、第2枠体312が副走査方向Xに一定速度A/2で移動するため、画像読み取り動作時においても、光路Hの長さは一定に維持される。これにより、読取面302Aに載置された原稿Gの画像が読み取られる。
【0024】
装置本体Mについて説明する。
装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部と、用紙Tを画像形成部に給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部とを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体M2により構成される。
【0025】
図1に示すように、画像形成部は、第2像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、像担持体としての中間転写ベルト7と、第1転写部としての1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、第2転写部としての2次転写ローラ8と、対向ローラ18と、定着部9と、を備える。
【0026】
図1に示すように、給排紙部は、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、第1排紙部50aと、第2排紙部50bとを備える。なお、搬送路Lは、後述するように、第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、手差し搬送路Laと、戻り搬送路Lbと、後処理搬送路Lcとの集合体である。
【0027】
以下、画像形成部及び給排紙部の各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部について説明する。
画像形成部においては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対して、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
【0028】
また、画像形成部においては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0029】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0030】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0031】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0032】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部301により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0033】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置可能な現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成される。
【0034】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0035】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0036】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラ35、駆動ローラからなる対向ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡される。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
【0037】
中間転写ベルト7を挟んで従動ローラ35とは反対側には、中間転写ベルト7を清掃するためのクリーニング装置100が配置される。クリーニング装置100は、中間転写ベルト7の表面に接触するように配置されるクリーニングブラシ(クリーニング部材)110と、クリーニングブラシ110と接触するように配置される回収ローラ120と、先端が回収ローラ120の表面と接触するように配置されるブレード(トナー掻き取り部材)130と、を備える。このクリーニング装置100の詳細については後述する。
【0038】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
【0039】
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像が中間転写ベルト7に順次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0040】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色トナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0041】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0042】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0043】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための電圧としての2次転写バイアスが印加される。
【0044】
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ18が配置され、2次転写ローラ8と中間転写ベルト7の間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像が用紙Tに2次転写される。
【0045】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色トナーを溶融及び加圧して用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される定着ローラ9aと、定着ローラ9aに圧接される加圧ローラ9bと、を備える。定着ローラ9aと加圧ローラ9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。定着ローラ9aと加圧ローラ9bとの間に挟み込まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧されることで用紙Tに定着される。
【0046】
次に、給排紙部について説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する2個の給紙カセット52が上下に配列されて配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの筐体から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において左側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
【0047】
装置本体Mの右側面(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0048】
装置本体Mにおける上方側には、第1排紙部50a及び第2排紙部50bが設けられる。第1排紙部50a及び第2排紙部50bは、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。第1排紙部50a及び第2排紙部50bの詳細については後述する。
【0049】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から第1排紙部50aまでの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を第2排紙部50bに接続された後処理装置(図示せず)に搬送する後処理搬送路Lcとを備える。
【0050】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、後処理搬送路Lcが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出された用紙Tの搬送方向を、第1排紙部50aに向かう第3搬送路L3又は第2排紙部50bに向かう後処理搬送路Lcに整流させる(切り換える)。
【0051】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正やトナー画像とのタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0052】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(非印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、感光体ドラム2により非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0053】
第3搬送路L3における端部には、第1排紙部50aが形成される。第1排紙部50aは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第1排紙部50aは、装置本体Mの右側面側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。第1排紙部50aは、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
【0054】
第1排紙部50aにおける開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され第1排紙部50aから排紙された用紙Tが積層して集積される。
【0055】
後処理搬送路Lcにおける端部には、第2排紙部50bが形成される。第2排紙部50bは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第2排紙部50bは、装置本体Mの左側面側(図1において左側、後処理装置が連結される側)に向けて開口している。第2排紙部50bは、後処理搬送路Lcを搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
【0056】
第2排紙部50bにおける開口側には、後処理装置(図示せず)が連結される。後処理装置は、画像形成装置(コピー機1)から排出される用紙の後処理(ステープル、パンチ等)を行うものである。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
【0057】
次に、主搬送路L1〜L3(第1搬送路L1、第2搬送路L2及び第3搬送路L3を合わせて以下「主搬送路」ともいう)及び戻り搬送路Lbにおける紙詰まり(JAM)を解消するための構造について簡単に説明する。
図1に示すように、装置本体Mの左側面側(図1において左側)には、主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbが主に上下方向に延びるように並列している。装置本体Mの左側面側(図1において左側)には、装置本体Mの側面の一部を形成するように、カバー体40が設けられている。カバー体40は、その下端部において、支点軸43を介して装置本体Mに連結されている。支点軸43は、その軸方向が主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbを横断する方向に沿って配設されている。カバー体40は、支点軸43を中心として閉位置(図1に示す位置)と開位置(図示せず)との間を回動自在に構成されている。
【0058】
カバー体40は、支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第1のカバー部41と、同じ支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第2のカバー部42とから構成されている。第1のカバー部41は、第2のカバー部42よりも装置本体Mの外側(側面側)に位置する。なお、図1において、左下がりの破線でハッチングされた部分が第1のカバー部41であり、右下がりの破線でハッチングされた部分が第2のカバー部42である。
【0059】
カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41は、その外面側が装置本体Mの外面(側面)の一部を形成している。
また、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第2のカバー部42は、その内面側(装置本体M側)が主搬送路L1〜L3の一部を形成している。
更に、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41の内面側と第2のカバー部42の外面側とが、戻り搬送路Lbの少なくとも一部を形成している。つまり、戻り搬送路Lbは、第1のカバー部41と第2のカバー部42との間に形成されている。
【0060】
本実施形態のコピー機1は、このような構成のカバー体40を備えることにより、主搬送路L1〜L3で紙詰まり(JAM)が発生した際には、カバー体40を図1に示す閉位置から、開位置(図示せず)に回動して主搬送路L1〜L3を開放することにより、主搬送路L1〜L3に詰まった用紙を処理することができる。一方、戻り搬送路Lbで紙詰まりが発生した際には、カバー体40を開位置に回動した後、支点軸43を中心に第2のカバー部42を装置本体M側(図1において右側)に回動させて戻り搬送路Lbを開放することにより、戻り搬送路Lbに詰まった用紙を処理することができる。
【0061】
次に、図2及び図3により、本実施形態におけるコピー機1のクリーニング装置100について詳細に説明する。図2は、クリーニング装置100、感光体ドラム2a、2b、2c、2d及び中間転写ベルト7を説明するための図である。図3は、クリーニング装置100を説明するための図である。
【0062】
図2及び図3に示すように、本実施形態のクリーニング装置100は、クリーニングブラシ110と、回収ローラ120と、ブレード130とを備える。クリーニングブラシ110は、中間転写ベルト7の表面と接触して、その中間転写ベルト7の表面からトナーTNを除去するものである。クリーニングブラシ110は、中間転写ベルト7を挟んで従動ローラ35とは反対側において、中間転写ベルト7の移動方向(矢印A方向)とは反対方向(矢印B方向)に回転可能に配置される。なお、従動ローラは接地される。
【0063】
クリーニングブラシ110は、トナーTNがマイナス帯電性の場合に、例えばレーヨン導電糸等の導電性繊維から形成される。クリーニングブラシ110は、トナーTNとの摩擦によりトナーTNとは逆極性に帯電される。具体的には、クリーニングブラシ110は、中間転写ベルト7の表面に付着したトナーTNや、クリーニングブラシ110に付着したトナーTNと擦れあうことによって、摩擦帯電をする。このとき、クリーニングブラシ110は、摩擦帯電系列によりプラス帯電性となる。一方、トナーTNは、摩擦帯電系列により、中間転写ベルト7(像担持体)上ではプラスに帯電していたトナーもマイナス帯電となる。ここで、摩擦帯電系列とは、2つの物体間に摩擦が生じたときに、どちらがプラスに帯電し、どちらがマイナスに帯電するのかを並べたものである。一般的に、摩擦帯電系列の位置関係が近い物体同士よりも、位置関係が遠い物体同士の方が摩擦による帯電量は大きくなる。
【0064】
回収ローラ120は、クリーニングブラシ110により中間転写ベルト7の表面から除去されたトナーTNを吸着することによりクリーニングブラシ110から回収するローラである。回収ローラ120は、従動ローラ35とはクリーニングブラシ110を挟んで反対側において、クリーニングブラシ110の回転方向(矢印B方向)とは反対方向(矢印C方向)に回転可能に配置される。また、回収ローラ120は、摩擦帯電系列において、トナーTNからクリーニングブラシ110を挟んでより離れた位置にある部材で構成される。
【0065】
回収ローラ120は、トナーTN及びクリーニングブラシ110との摩擦によりトナーTNとは逆極性に且つ単位面積あたりの帯電量がクリーニングブラシ110よりも大きくなるように帯電される。具体的には、回収ローラ120は、クリーニングブラシ110及び付着したトナーTNと擦れあうことにより、摩擦帯電をする。このとき、回収ローラ120は、摩擦帯電系列によりプラス帯電性となる。一方、トナーTNは、摩擦帯電系列によりマイナス帯電性となる。さらに、回収ローラ120は、クリーニングブラシ110よりも、摩擦帯電系列により電位が大きくなる。すなわち、回収ローラ120は、前記クリーニングブラシ110と比較して、さらにプラス側に電位が大きくなる。
【0066】
回収ローラ120は、導電部121と、この導電部121の表面に設けられる絶縁部122とを備える。導電部121は、例えば金属等の導電体からなる。絶縁部122は、例えばチューブやコート等の絶縁材料からなる被膜層からなる。絶縁部122は、トナーTNとの摩擦により、トナーTNとは逆極性に帯電される。回収ローラ120は、トナーTNがマイナス帯電性の場合に、例えばアルミ製のパイプにナイロン系チューブを被覆して熱融着させたローラから形成される。回収ローラ120及び中間転写ベルト7には、電源140(電場形成部)が接続される。本実施形態では、回収ローラ120にプラス電圧が印加される。これにより、中間転写ベルト7と回収ローラ120との間に電界が生じる。
【0067】
ブレード130は、回収ローラ120に接触して、回収ローラ120に吸着されたトナーTNを掻き落とすものである。ブレード130は、例えばウレタン材料から形成される。ブレード130は、このブレード130と回収ローラ120との接線Dに対して外側に15°から20°の角度(クリーニング角度θ)になるよう配置される。
【0068】
なお、ブレード130には、反発弾性率が35%以下の材料を用いることが好ましい。これにより、回収ローラ120に吸着されたトナーTNの外添剤等がブレード130をすり抜けて、すり抜けた場所を起点にして回収ローラ120表面の摩耗が進行することを防ぐことができる。すなわち、スティックスリップの周期が長くなり、スティックスリップでのブレード130の振幅量も減るため、トナーTNの外添剤等のすり抜けを防止することができる。
【0069】
次に、クリーニング装置100の動作について説明する。
中間転写ベルト7は、矢印A方向に回転している。感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによって転写される。このように、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dにおいて各色トナー像は重ね合わされる。その後、中間転写ベルト7は、2次転写ローラ8によって用紙Tに押し当てられる。これにより、中間転写ベルト7のトナー像が用紙Tの表面に2次転写される。2次転写された後の中間転写ベルト7には、マイナスまたはプラスに帯電したトナーTNが残留しており、そのトナーTNは中間転写ベルト7の回転によってクリーニングブラシ110へ運ばれる。
【0070】
クリーニングブラシ110は、矢印B方向に回転しているため、中間転写ベルトに残留するトナーTNが移動してくると、トナーTNとクリーニングブラシ110とが擦れあい、摩擦帯電系列によって、クリーニングブラシ110とトナーTNとがそれぞれ逆極性に帯電する。具体的には、トナーTNがマイナスに帯電し、クリーニングブラシ110がプラスに帯電する。ここで、中間転写ベルト7にプラス帯電性のトナーTNが付着していた場合でも、トナーTNとクリーニングブラシ110との摩擦により、トナーTNがマイナス帯電性に変化する。これにより、トナーTNは、クリーニングブラシ110に静電気的に吸着され、中間転写ベルト7から除去される。
【0071】
回収ローラ120は、矢印C方向に回転しているため、トナーTN及びクリーニングブラシ110と回収ローラ120とが摩擦しあい、摩擦帯電系列によって、回収ローラ120とトナーTNとがそれぞれ逆極性に帯電する。具体的には、トナーTNがマイナスに帯電し、回収ローラ120がプラスに帯電する。ここで、クリーニングブラシ110と回収ローラ120との摩擦帯電系列によれば、クリーニングブラシ110に比べて回収ローラ120の方のプラス帯電性が大きいので、回収ローラ120のプラス側の電位がクリーニングブラシ110よりも大きく帯電する。さらに、回収ローラ120にはプラス電圧が印加されているので、回収ローラ120と中間転写ベルト7との間に電界が発生している。これにより、トナーTNは、回収ローラ120に静電気的に吸着され、クリーニングブラシ110から除去される。
回収ローラ120に吸着されたトナーTNは、ブレード130によって掻き落とされて回収される。
【0072】
以上のような本実施形態のコピー機1のクリーニング装置100によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態によれば、クリーニングブラシ110は、トナーTNとの摩擦によりトナーTNとは逆極性に帯電され、回収ローラ120は、トナーTN及びクリーニングブラシ110との摩擦によりトナーTNとは逆極性に帯電される。具体的には、トナーTNとクリーニングブラシ110との摩擦により、トナーTNはマイナスに帯電し、クリーニングブラシ110はプラスに帯電する。また、トナーTN及びクリーニングブラシ110と回収ローラ120との摩擦により、トナーTNはマイナスに帯電し、回収ローラ120は、クリーニングブラシ110と比較してさらにプラス側に帯電する。そのため、中間転写ベルト7の表面から静電気的にトナーTNを除去することができ、トナーTNの除去効率を向上することができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、中間転写ベルト7と回収ローラ120との間に電場を形成する電源140を備え、回収ローラ120にプラス電圧が印加される。そのため、回収ローラ120側がプラスになり、中間転写ベルト7側がマイナスになる電場が形成され、中間転写ベルト7に付着したトナーTNを、クリーニングブラシ110を介して回収ローラ120へ静電気的に吸着させることができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、回収ローラ120は、導電部121と、この導電部121の表面に設けられる絶縁部122とを備え、絶縁部122は、トナーTNとの摩擦により、トナーTNとは逆極性に帯電される。そのため、トナーTNと絶縁部122とが摩擦しあい、摩擦帯電系列により、トナーTNと絶縁部122とを逆極性に帯電させることができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、ブレード130は、このブレード130と回収ローラ120との接線Dに対して外側に15°から20°の角度を有して配置される。そのため、ブレード130によってトナーTNが回収されない状態において長時間使用された場合でも、回収ローラ120に対してブレード130が安定的に接触し、ブレード130のめくれが発生することを防止することができる。
【0076】
以上、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。
上述した実施形態では、トナーTNがマイナス帯電性の場合について説明したが、トナーTNはプラス帯電性であってもよい。この場合、クリーニングブラシ110は、例えばアクリルやポリエステル等を用いて形成される。また、回収ローラ120は、導電部121の表面にフッ素樹脂系の材料(PFA、PTFE)等を被覆したローラから形成される。
【0077】
これにより、プラス帯電またはマイナス帯電のトナーTNが中間転写ベルト7に残る場合であっても、トナーTNとクリーニングブラシ110との摩擦により、トナーTNがプラスに帯電し、クリーニングブラシ110がマイナスに帯電する。すなわち、中間転写ベルト7にマイナスに帯電したトナーTNが付着していた場合でも、トナーTNとクリーニングブラシ110との摩擦により、トナーTNがプラス帯電に変化する。さらに、クリーニングブラシ110に吸着されたトナーTN及びクリーニングブラシ110と回収ローラ120との摩擦により、トナーTNがプラスに帯電し、回収ローラ120がマイナスに帯電する。
【0078】
ここで、クリーニングブラシ110と回収ローラ120との摩擦帯電系列によれば、クリーニングブラシ110に比べて回収ローラ120の方のマイナス帯電性が大きいので、回収ローラ120がクリーニングブラシ110よりもよりマイナス電位に帯電する。さらに、回収ローラ120と中間転写ベルト7に接続される電源140は、回収ローラ120にマイナス電圧を印加するように構成され、回収ローラ120と中間転写ベルト7との間に電界が発生している。これにより、中間転写ベルト7に付着したトナーTNは、中間転写ベルト7からクリーニングブラシ110に静電気的に吸着された後、回収ローラ120に静電気的に吸着され、ブレード130によって掻き落とされる。
【0079】
また、本実施形態では、中間転写ベルト7を介して被転写材(用紙T)にトナー画像の転写を行っている(間接転写方式)が、これに制限されず、中間転写ベルトを介さずにシート状の被転写材(用紙T)に直接、トナー画像の転写を行うこともできる(直接転写方式)。この直接転写方式の場合、クリーニング装置100は、直接転写ベルトをクリーニングすることになる。
また、クリーニング装置100は、特に被クリーニング体を問わず、例えば感光体ドラムのクリーニングをすることができる。
【0080】
また、シート状の被転写材は、本実施形態では用紙Tであるが、これに限定されず、例えばフィルムシート等であってもよい。
また、クリーニング部材は、本実施形態ではクリーニングブラシ110であるが、これに限定されず、スポンジ等の部材を用いたものであってもよい。
また、本実施形態では、画像形成装置としてコピー機1について説明しているが、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1……コピー機(画像形成装置)、2a、2b、2c、2d……感光体ドラム(像担持体(第2像担持体))、7……中間転写ベルト(像担持体)、8……2次転写ローラ、35……従動ローラ、100……クリーニング装置、110……クリーニングブラシ(クリーニング部材)、120……回収ローラ、121……導電部、122……絶縁部、130……ブレード(トナー掻き取り部材)、140……電源(電場形成部)、G……原稿、H……光路、TN……トナー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の像担持体の表面に残留するトナーを前記表面から除去して前記表面のクリーニングを行うクリーニング装置であって、
前記像担持体の表面と接触して、前記像担持体の表面からトナーを除去するクリーニング部材と、
前記クリーニング部材により前記像担持体の表面から除去されたトナーを吸着することにより前記クリーニング部材から回収する回収ローラと、
前記回収ローラに接触して、前記回収ローラに吸着されたトナーを掻き落とすトナー掻き取り部材と、
を備え、
前記クリーニング部材は、トナーとの摩擦によりトナーとは逆極性に帯電され、
前記回収ローラは、トナー及び前記クリーニング部材との摩擦によりトナーとは逆極性に帯電される
画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項2】
前記トナーと前記クリーニング部材との摩擦により、前記トナーはプラスに帯電すると共に、前記クリーニング部材はマイナスに帯電し、
前記トナー及び前記クリーニング部材と前記回収ローラとの摩擦により、前記トナーはプラスに帯電すると共に、前記回収ローラは、前記クリーニング部材と比較してさらにマイナス側に帯電される
請求項1に記載の画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項3】
前記像担持体と前記回収ローラとの間に電場を形成する電場形成部をさらに備え、
前記電場は、前記像担持体側がプラスとされると共に、前記回収ローラ側がマイナスとされる
請求項2に記載の画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項4】
前記トナーと前記クリーニング部材との摩擦により、前記トナーはマイナスに帯電すると共に、前記クリーニング部材はプラスに帯電し、
前記トナー及び前記クリーニング部材と前記回収ローラとの摩擦により、前記トナーはマイナスに帯電すると共に、前記回収ローラは、前記クリーニング部材と比較してさらにプラス側に帯電される
請求項1に記載の画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項5】
前記像担持体と前記回収ローラとの間に電場を形成する電場形成部をさらに備え、
前記電場は、前記像担持体側がマイナスとされると共に、前記回収ローラ側がプラスとされる
請求項4に記載の画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項6】
前記回収ローラは、導電部と、前記導電部の表面に設けられる絶縁部とを備え、
前記絶縁部は、トナーとの摩擦により、トナーとは逆極性に帯電される
請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項7】
前記トナー掻き取り部材は、前記トナー掻き取り部材と前記回収ローラとの接線方向に対して外側に15°から20°の角度を有して配置される
請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置のクリーニング装置を備える画像形成装置であって、
表面に静電潜像が形成される第2像担持体と、
前記第2像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、
前記像担持体と、
前記第2像担持体に形成されたトナー画像を前記像担持体に転写する第1転写部と、
前記像担持体に転写されたトナー画像をシート状の被転写材に転写する第2転写部と、
前記クリーニング装置と、を備える
画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−53326(P2011−53326A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200387(P2009−200387)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】