説明

画像形成装置の入力装置、および画像形成装置

【課題】操作パネルを用いた入力であっても、入力のクリック感が得られる。
【解決手段】入力装置400には、表示部411を有し、使用者が前記表示部をタッチすることで入力が行われ、また、使用者のタッチによって少なくとも一部が変位するパネル部410と、パネル部410の予め設定した変位量を超えた変位により動作して入力が行われるスイッチ部430と、が設けられている。この入力装置400による入力には、パネル部410のみによって入力が行われる第1入力と、パネル部410およびスイッチ部430によって入力が行われる第2入力とがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の入力装置、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器である画像処理装置として、記録用紙に画像を形成する画像形成装置(例えば、複合機(MFP))がある。この画像形成装置は、コピーモード、ファクシミリモード、プリンタモード、およびスキャナモード等のように、複数の基本的な動作モードを備える。
【0003】
画像形成装置は、感光ドラムなどの感光体上に、画像のデータに応じてレーザビームを光変調させて照射することにより静電潜像を形成し、形成した感光体上の静電潜像をトナーにより現像し、中間転写ベルトなどの転写材にトナー像を形成する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このような特許文献1に記載の画像形成装置では、複数色の各色に対応した複数の画像形成部が設けられ、これら複数の画像形成部から無端ベルト(転写材)上に各色によるそれぞれの画像を多重転写し、その後に、多重転写した画像を記録用紙に一括転写して記録用紙にカラー画像を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−149907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、画像形成装置では、ユーザが入力を行う操作部として、タッチパネルなどの操作パネルや、キー(例えばスタートキー)などのタスクスイッチが用いられている。特に、現在、操作パネルのUI(User Interface)がグラフィカルになり、入力部の主流は、タクトスイッチから操作パネルに切り替わってきている。
【0007】
現在汎用されている操作パネルは、ユーザが様々な指示の入力を行う操作機能と、各種情報を表示する表示機能とを有し、画像形成装置とユーザとのインターフェイスとして機能する。このように、入力部として、操作機能だけでなく、表示機能と操作機能とを兼用する操作パネルを用いることで、画像形成装置に表示部と操作部とを別々に備えなくてもよいという利点がある。
【0008】
上記の操作パネルが備えられた画像形成装置を利用する場合、操作パネルに、画像形成装置における動作モードを選択するための項目(ソフトウェアボタン)を表示し、その表示を見たユーザが操作パネルに表示された項目の位置を押圧して(ソフトウェアボタンを押圧して)、動作モードを設定する。
【0009】
しかしながら、操作パネルを用いた入力の場合、タスクスイッチを用いた入力と異なり、入力のクリック感が無い。そのため、ユーザは、操作パネルを用いて間違いない入力を行ったか否かが分かり難い。
【0010】
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、操作パネルを用いた入力であっても、入力のクリック感が得られる画像形成装置の入力装置、および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる画像形成装置の入力装置は、表示部を有し、使用者が前記表示部をタッチすることで入力が行われ、また、使用者のタッチによって少なくとも一部が変位するパネル部と、前記パネル部の予め設定した変位量を超えた変位により動作して入力が行われる、少なくとも1つのスイッチ部と、が設けられ、当該入力装置の入力には、前記パネル部のみによって入力が行われる第1入力と、前記パネル部および前記スイッチ部によって入力が行われる第2入力とがあることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、前記パネル部を用いた入力であっても、入力のクリック感を得ることが可能となる。特に、本発明によれば、前記パネル部のみによって入力が行われる前記第1入力と、前記パネル部および前記スイッチ部によって入力が行われる前記第2入力とがあるので、クリック感を必要とする入力と、クリック感を必要としない入力とを1つの入力装置で行うことが可能となり、入力装置の自由度が高い。また、前記第1入力と前記第2入力とを併用することができるので、画像形成に関わる実行動作を開始する入力と、その他の動作を選択する入力(例えば、印刷枚数の入力など)とを区別することが可能となり、重要となる画像形成に関わる実行動作を開始する入力についてのみ入力のクリック感を持たせることで、使用者の実行動作の確認に有効な手段となる。
【0013】
前記構成において、前記表示部における前記第2入力の入力領域の直下、もしくは直下付近に前記スイッチ部が配されてもよい。
【0014】
この場合、前記表示部における前記第2入力の入力領域の直下、もしくは直下付近に前記スイッチ部が配されるので、前記第2入力を容易に行うことが可能となる。
【0015】
前記構成において、少なくとも1つの前記スイッチ部は、前記表示部の周縁部に設けられ、前記第2入力は、前記パネル部、および前記周縁部に設けられた前記スイッチ部による入力であってもよい。
【0016】
この場合、少なくとも1つの前記スイッチ部が前記表示部の周縁部に設けられ、前記第2入力が、前記パネル部、および前記周縁部に設けられた前記スイッチ部による入力を入力対象とするので、前記第2入力を行うための、使用者が前記表示部をタッチする押圧力を小さくすることが可能となる。
【0017】
前記構成において、前記スイッチ部には、前記スイッチ部に近づく向きへの前記パネル部の変位を規制して前記スイッチ部を保護するストッパー部が設けられてもよい。
【0018】
この場合、前記スイッチ部には前記ストッパー部が設けられているので、前記ストッパー部により前記パネル部の変位を規制することが可能となり、前記パネル部の損傷(割れなど)を防止することが可能となる。また、前記パネル部が前記スイッチ部を押圧する力を前記ストッパー部に集中させることが可能となり、前記パネル部の押圧によるスイッチ部の故障を抑えることが可能となる。
【0019】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる画像形成装置は、本発明にかかる入力装置が設けられたことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、本発明にかかる入力装置による作用効果を有することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる入力装置および、入力装置が設けられた画像形成装置によれば、操作パネルを用いた入力であっても、入力のクリック感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置の全体構成を示す概略構成図であり、正面より視た概略断面図である。
【図2】図2は、本実施の形態にかかる画像形成装置の主要構成部材を示す概略構成ブロック図である。
【図3】図3は、本実施の形態にかかるパネル部の表示画面の、各領域を示した概略構成図である。
【図4】図4は、本実施の形態にかかるパネル部の表示画面の、各領域および各項目の関係を示した概略構成図である。
【図5】図5は、本実施の形態にかかる入力装置の全体構成を示す概略側面図である。
【図6】図6は、本実施の形態にかかる入力装置の全体構成を示す概略平面図である。
【図7】図7は、他の形態にかかる入力装置の全体構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100の全体構成を示す概略正面図であり、正面より視た概略断面図である。
【0025】
図1に示す画像形成装置100は、画像形成を行う画像データに応じ、記録用紙等のシート(以下、記録用紙という)に対して、少なくとも1色以上(複数色または単色)からなる画像を形成するカラー画像形成装置である。
【0026】
画像形成装置100は、電子写真方式により記録用紙に画像を形成するものであり、動作モードとして、コピーモード、ファクシミリモード、ドキュメントファイリングモード(スキャンした画像を画像形成装置100内部の記憶部303(下記参照)に記憶するモード)、メールモード(スキャンした画像を電子メールに添付する形式で送信するモード)、ネットワークプリンタモードなどを備える。なお、画像形成装置100の動作モードは、これらに限定されるものではなく、任意に設定可能である。
【0027】
画像形成装置100は、原稿読取装置108と、装置本体110と、入力装置400とを備えており、装置本体110には、画像形成部102と用紙搬送系103とが設けられている。
【0028】
画像形成部102は、露光ユニット1、複数の現像ユニット2、複数の感光体ユニット4、中間転写ベルトユニット6、転写前帯電ユニット8、複数のトナーカートリッジユニット21、及び定着ユニット7を備えている。本実施の形態では、露光ユニット1、現像ユニット2、感光体ユニット4、中間転写ベルトユニット6、及びトナーカートリッジユニット21は、画像形成動作が異なる着脱可能な複数の画像形成用ユニット200として作用する。なお、感光体ユニット4は、ここでは、感光体用ユニットと帯電用ユニットとクリーニング用ユニットとを一体的に組み合わせたユニットとされている。
【0029】
また、用紙搬送系103は、給紙トレイ81、手差し給紙トレイ82、及び排紙トレイ91を備えている。
【0030】
装置本体110の上部には、原稿等のシート(以下、原稿という)を載置する透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の下部には、原稿を読み取るための光学ユニット90が設けられている。また、原稿載置台92の上側には原稿読取装置108が設けられている。原稿読取装置108は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送するものである。また、原稿読取装置108は、装置本体110に対して前側開きで回動自在に取り付けられており、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで載置できるようになっている。なお、本実施の形態において、装置本体110の前側は、トナーカートリッジユニット21、感光体ユニット4、現像ユニット2及び転写前帯電ユニット8を着脱する着脱側とする。
【0031】
原稿読取装置108は、自動的に原稿載置台92上に搬送される原稿、又は原稿載置台92上に載置された原稿を読み取ることができる。原稿読取装置108で読み取られた原稿の画像全体は、画像データとして画像形成装置100の装置本体110へと送られ、装置本体110において画像データに基づき形成された画像が記録用紙に記録される。
【0032】
画像形成装置100において扱われる画像データは、複数色(ここではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像ユニット2、感光体ユニット4、及びトナーカートリッジユニット21は、各色に応じた複数種類(ここでは4種類)の画像を形成するようにそれぞれ複数個(ここでは4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)設けられ、これらによって各色毎(ここでは4つ)に画像ステーションが構成されている。
【0033】
感光体ユニット4において、帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、帯電器5として、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器を用いることができる。
【0034】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成されている。露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学素子とが設けられている。また、露光ユニット1としては、この他にも、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)やLED(発光ダイオード)等の発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いる手法を採用することもできる。
【0035】
露光ユニット1は、入力された画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3をそれぞれ露光することにより、画像データに応じた静電潜像をそれぞれの感光体ドラム3の表面に形成する。
【0036】
トナーカートリッジユニット21は、トナーを収容するユニットであり、現像ユニット2の現像槽へトナーが供給されるようになっている。画像形成装置100の装置本体110において、トナーカートリッジユニット21から現像ユニット2の現像槽へ供給されるトナーは、該現像槽における現像剤のトナー濃度が一定になるように制御される。
【0037】
現像ユニット2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(Y、M、C、K)のトナーにより顕像化するものである。また、感光体ユニット4は、現像及び画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去、回収するクリーニング機能も有している。
【0038】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写体として作用する中間転写ベルト61、駆動ローラ62、従動ローラ63、複数の中間転写ローラ64及びクリーニングユニット65を備えている。
【0039】
中間転写ローラ64は、Y、M、C、Kの各色に対応して4本設けられている。駆動ローラ62は、従動ローラ63及び中間転写ローラ64と共に中間転写ベルト61を張架し、回転駆動することで、中間転写ベルト61が移動方向(図1中矢印M方向)に周回移動し、それに伴い従動ローラ63及び中間転写ローラ64が従動回転する。
【0040】
各中間転写ローラ64には、感光体ドラム3上に形成されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスが印加される。
【0041】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。中間転写ベルト61は、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を順次重ねて転写することによって、表面にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、例えば、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いた無端状のものとされている。
【0042】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ64は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)や発泡ウレタン等の樹脂材料)により覆われているローラである。中間転写ローラ64は、この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加する転写電極とされている。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状の転写電極を使用しているが、それ以外に、ブラシなどの転写電極を用いることが可能である。
【0043】
既述のとおり、各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は、中間転写ベルト61上で積層される。中間転写ベルト61上で積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の周回移動によって、記録用紙と中間転写ベルト61との接触位置に配置された二次転写機構部を構成する転写ローラ10によって記録用紙上に転写される。但し、二次転写機構部の構成としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルト等の転写構成を用いることが可能である。
【0044】
このとき、転写ローラ10は、中間転写ベルト61との間で転写ニップが形成された状態で、トナーを記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。転写ローラ10及び駆動ローラ62が互いに圧接されることで転写ローラ10と中間転写ベルト61との間には転写ニップが形成される。転写ニップを定常的に得るために、転写ローラ10及び駆動ローラ62のうち何れか一方が硬質材料(金属等)で構成された硬質ローラとされ、他方が軟質材料(弾性ゴムや発泡性樹脂等の樹脂材料)で構成された弾性ローラとされている。
【0045】
転写ローラ10による中間転写ベルト61上から記録用紙上へのトナー像の転写にあたり、記録用紙上に転写されずに中間転写ベルト61上にトナーが残存することがある。中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、クリーニングユニット65によって除去、回収される。具体的には、クリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材(例えばクリーニングブレード)が備えられている。従動ローラ63は、中間転写ベルト61を内側(裏側)から支持しており、クリーニング部材は、外側から従動ローラ63に向けて押圧するように中間転写ベルト61に接触している。
【0046】
転写前帯電ユニット8は、ここでは、プレ転写チャージャ(PTC)を有しており、中間転写ベルト61の移動方向Mにおいて転写ローラ10と中間転写ベルト61との間の転写ニップよりも上流側かつ感光体ユニット4よりも下流側の中間転写ベルト61の近傍に設けられている。
【0047】
ところで、感光体ドラム3から転写された中間転写ベルト61上のトナー像は、ハーフトーン部やベタ部を含んだり、トナーの重ね合わせ量が異なる部分を含んだりするため、帯電量がばらついている場合がある。また、中間転写ベルト61の移動方向Mにおける1次転写部の隣接下流側の空隙に発生する剥離放電により、1次転写後の中間転写ベルト61上のトナー像内に帯電量のバラツキが発生する場合もある。このような同一トナー像内の帯電量のバラツキは、中間転写ベルト61上のトナー像をシートに転写する際の転写余裕度を低下させてしまう。
【0048】
このため、転写前帯電ユニット8を使用して、シートへ転写する前のトナー像を均一に帯電することにより、同一トナー像内の帯電量のバラツキを解消し、2次転写における転写余裕度を向上させることが可能となる。
【0049】
給紙トレイ81は、画像形成(印刷)される記録用紙を予め収容しておくトレイであり、装置本体110における露光ユニット1の下方に設けられている。また、手差し給紙トレイ82には、画像形成(印刷)される記録用紙が載置される。排紙トレイ91は、装置本体110における画像形成部102の上方に設けられており、画像形成(印刷)済みの記録用紙をフェイスダウンで集積する。
【0050】
また、装置本体110には、給紙トレイ81及び手差し給紙トレイ82から送られてきた記録用紙を転写ローラ10及び定着ユニット7を経て、排紙トレイ91に送るための用紙搬送路Sが設けられている。用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a、11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7におけるヒートローラ71及び加圧ローラ72が配置されている。
【0051】
搬送ローラ12a〜12dは、記録用紙の搬送を促進、補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙トレイ81の用紙供給側の近傍に備えられ、給紙トレイ81から記録用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙トレイ82の用紙供給側の近傍に備えられ、手差し給紙トレイ82から記録用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0052】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている記録用紙を一旦保持するものである。そして、レジストローラ13は、感光体ドラム3上のトナー像の先端と記録用紙の先端を合わせるタイミングで記録用紙を転写ローラ10に搬送する。
【0053】
定着ユニット7は、未定着トナー像を記録用紙に定着するものであり、定着ローラとして作用するヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71は、回転駆動されることで、従動回転される加圧ローラ72と共に記録用紙を挟持しつつ記録用紙を搬送するようになっている。また、ヒートローラ71は、内側に設けられたヒータ71aによって加熱され、温度検出器71bからの信号に基づき所定の定着温度に維持されるようになっている。ヒータ71aにより加熱されたヒートローラ71は、加圧ローラ72と共に記録用紙に転写された多色トナー像を記録用紙に熱圧着することにより、多色トナー像を溶融、混合、圧接して記録用紙に対して熱定着させる。また、定着ユニット7には、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0054】
このように構成された画像形成装置100において、記録用紙にして片面印刷が要求されたときには、給紙トレイ81および手差し給紙トレイ82から供給された記録用紙は、用紙搬送路Sに沿って設けられた搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、記録用紙の先端と中間転写ベルト61上のトナー像の先端を整合するタイミングで転写ローラ10によって搬送され、記録用紙上にトナー像が転写される。その後、記録用紙は定着ユニット7を通過することによって記録用紙上の未定着トナーが熱で溶融、固着され、搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0055】
また、記録用紙に対して両面印刷が要求されたときには、前記した片面印刷が終了して定着ユニット7を通過した記録用紙の後端が最終の搬送ローラ12bと用紙搬送路Sの分岐部Saとの間に位置する状態で、搬送ローラ12bが逆回転することによって記録用紙が搬送ローラ12c、12dに導かれる。そして、レジストローラ13を経て転写ニップに搬送されてきた記録用紙は、裏面に印刷された後、排紙トレイ91に排出される。
上記構成からなる本実施の形態に係る画像形成装置100は、図2に示す主要構成部材からなり、当該画像形成装置100の各種動作の制御を行う主制御部300と、直接ユーザによる入力操作を行う入力部301と、画像などの情報の表示を行う表示部302と、画像データなどを記憶する記憶部303と、画像処理の演算を行う画像処理演算部304と、ネットワーク305を介して外部と接続するネットワークインターフェース306(ネットワークI/F)と、原稿をスキャンする光学ユニット90と、原稿の画像を記録用紙に形成する画像形成部102と、電話回線307を介して外部と接続する(ファクシミリする)ファクシミリ部308とが設けられ、これらの各構成部材がバス309を通じて画像データ(信号)の送受信が可能な状態で接続されている。
主制御部300は、入力部301と、表示部302と、記憶部303と、画像処理演算部304と、ネットワークインターフェース306と、光学ユニット90と、画像形成部102と、ファクシミリ部308とを制御するものである。例えば、主制御部300は、画像形成部102に、ネットワークインターフェース306を通じて受信した画像データに基づく印刷処理(画像形成処理)を実行させる。また、主制御部300は、ファクシミリ部308に、指定された送信先の電話番号を発呼して送信対象となる画像データを送信するファクシミリ送信処理を実行させる。また、主制御部300は、光学ユニット90に、原稿に形成された画像を読み取るスキャン処理を実行させる。このように、主制御部300では、画像形成装置100の各構成部材に対して、入力部301からの入力や、ネットワークインターフェース306を介した外部入力や、ファクシミリ部308を介した外部入力や、などに基づいて各種動作を実行させるものである。
入力部301は、情報を入力するためのものであり、また、表示部302は、画像の情報を含む任意の情報を表示するためのものであり、これら入力部301と表示部302とから下記の入力装置400が構成される。なお、入力部301および表示部302として、例えば、液晶表示装置が挙げられる。
記憶部303は、原稿から読み取って得られた画像データや、画像データの画像形成処理の際に必要に応じて画像形成処理データを記憶する読み書き自在な大容量の不揮発メモリである。
画像処理演算部304は、専用の信号処理回路等により構成され、画像データについて各種画像処理を行い、画像データを各種データ(ビットマップ画像データ等)に変換する変換処理や、外部装置へ送信する画像データ(例えば、JPEG形式等の所定の符号化がなされた画像データ等)の生成処理等を行うものである。
ネットワークインターフェース306は、例えば標準規格IEEE802.3に準拠したLAN及びインターネット等からなるネットワーク305を通じて、外部の情報処理端末や外部装置との間でデータ(画像データを含む)の送受信を行う通信インターフェースである。
光学ユニット90は、原稿載置台92上に載置された原稿、または原稿読取装置108により搬送される原稿に形成された画像を読み取るカラースキャナである。
画像形成部102は、主制御部300によって制御されるいわゆる画像形成エンジンであり、画像形成位置において原稿の画像データや印刷用の画像データ等に基づいて、記録用紙に画像を形成(出力)する機器及びその機器を制御するMPU等の部品の集合である。
ファクシミリ部308は、モデム等の通信手段を備え、電話回線307を通じて外部のファクシミリ装置や外部の情報端末装置などとの間でデータ(画像データを含む)の送受信を行うものである。なお、本実施の形態では、ファクシミリ部308とネットワークインターフェース306とを別構成部材としているが、これに限定されるものではなく、外部とデータの送受信を行う部材として1つの外部通信部材としてもよい。
【0056】
<画像形成装置の入力装置>
上記の構成からなる画像形成装置100には、タッチ操作により使用者が入力を行う図5に示す入力装置400が、装置本体110の上部に設けられている。入力装置400には、図2に示す入力部301と表示部302が設けられ、ユーザに対するマンマシンインターフェースが構成される。以下、入力装置400について図3〜6を用いて説明する。
【0057】
入力装置400は、図5に示すように、表示部411を有し、使用者が表示部411をタッチすることで入力(外部入力)が行われるタッチパネル方式のパネル部410が設けられている。このパネル部410では、使用者のタッチによってパネル部410の少なくとも一部が変位する設計がなされている。
【0058】
パネル部410の表示部411は、図3〜6に示す表示画面420を出力する液晶パネル412上に、使用者がタッチすることにより電気的入力を行うタッチパネル413が積層された積層構造からなる。このパネル部410は、使用者が、表示画面420に表示された項目に対応したタッチパネル413の入力領域を指で押圧することで、その項目を選択もしくは実行するものである。
【0059】
パネル部410の表示画面420は、図3,4に示すように、現在の動作モードや現在の使用者、ジョブ状況などを示すシステム領域421と、機能設定や機能確認を行う機能領域422と、プレビューや数字の入力などを行う表示入力領域423と、各種動作を選択もしくは登録するアクション領域424と、画像形成に関わる実行動作を開始するタスクトリガー領域425との5つの領域からなる。なお、図3は、パネル部410の表示画面420における、システム領域421と機能領域422と表示入力領域423とアクション領域424とタスクトリガー領域425との位置を示した表示画面420の概略構成図である。また、図4は、本実施の形態にかかるシステム領域421と機能領域422と表示入力領域423とアクション領域424とタスクトリガー領域425における各項目を示した表示画面420の概略構成図である。
【0060】
また、入力装置400には、図5,6に示すように、平面視矩形に成形されたパネル部410(具体的には液晶パネル412)の四隅の直下に、4つのスイッチ部430がそれぞれ配され、4つのスイッチ部430は平板状部材441上に設けられている。これらスイッチ部430は、個別動作するものであり、パネル部410の予め設定した変位量を超えた変位により動作する。なお、図6に示す表示画面420においては、4つのスイッチ部430のうち、図6に示す右下に配されたスイッチ部430のみが動作するように設定され、他のスイッチ部430は動作しないように設定されている。すなわち、図6に示すタスクトリガー領域425の直下にあるスイッチ部430のみが動作するように主制御部300によって制御されている。
【0061】
なお、上記の実施の形態にかかる表示画面420での各領域は、図6に示す配置に固定されるものではなく、任意に設定可能である。そのため、例えば、全ての領域が左右反転して、右側に機能領域422が配され、左側にアクション領域424およびタスクトリガー領域425が配されるように各領域の配置が変更可能に主制御部300によって表示制御されている。この変形例について、動作可能なスイッチ部430は、タスクトリガー領域425の直下、もしくは直下付近に配されたものに変更されるように、主制御部300によって制御されている。
【0062】
上記の通り、本実施の形態では、スイッチ部430は、タスクトリガー領域425の直下、もしくは直下付近に配されたもののみが動作するように主制御部300によって制御されている。
【0063】
4つのスイッチ部430は、同一部材からなり、図5,6に示すように、台座部431に押圧可能なボタン部432が、パネル部410の押圧による押圧方向(図5では下方向)に抗して付勢して設けられている。そのため、パネル部410からの押圧が無い場合、ボタン部432は、台座部431から最大限に突出した状態(図5では垂直上方向に突出した状態)となっている。
【0064】
また、スイッチ部430には、スイッチ部430に近づく向きへのパネル部410の変位を規制してスイッチ部430を保護するストッパー部433が設けられ、このストッパー部433によりパネル部410の変位量が予め設定(規制)される。
【0065】
また、4つのスイッチ部430各々は、図5,6に示すように、パネル部410を支える4つの支柱440の傍に設けられている。支柱440は、パネル部410の四隅において、パネル部410の四隅に成形された貫通孔414に挿設され、パネル部410への使用者のタッチによって支柱440の立設方向に沿ってパネル部410が変位自在となっている。ここでいうパネル部410の変位量は、上記の通り、スイッチ部430のストッパー部433によって決められている。そのため、ストッパー部433によりパネル部410の変位によるパネル部410の損傷(割れなど)が防止されている。
【0066】
上記構成の入力装置400では、パネル部410における入力動作とスイッチ部430における入力動作とに基づいて、外部からの入力(使用者によるタッチ入力)を行う。本実施の形態における入力には、スイッチ部430による入力は無くパネル部410のみによって入力する第1入力と、パネル部410およびスイッチ部430によって入力する第2入力とがあり、これら第1入力と第2入力とは、主制御部300によって制御されている。具体的には、パネル部410のみによって入力する第1入力の検出と、パネル部410およびスイッチ部430によって入力する第2入力の検出とが、主制御部300によって行われる。ここでいう第1入力の対象は、システム領域421と機能領域422と表示入力領域423とアクション領域424とにおける各項目とされ、第2入力の対象は、タスクトリガー領域の各項目とされる。
【0067】
本実施の形態にかかる入力装置400および画像形成装置100によれば、パネル部410を用いた入力であっても、入力のクリック感を得ることができる。特に、本実施の形態によれば、パネル部410のみによって入力が行われる第1入力と、パネル部410およびスイッチ部430によって入力が行われる第2入力とがあるので、クリック感を必要とする入力と、クリック感を必要としない入力とを1つの入力装置400で行うことができ、入力装置400の自由度が高い。また、第1入力と第2入力とを併用することができるので、画像形成に関わる実行動作を開始する入力(タスクトリガー領域425の各項目への入力)と、その他の動作を選択する入力とを区別することができ、重要となる画像形成に関わる実行動作を開始する入力についてのみ入力のクリック感を持たせることで、使用者の実行動作の確認にも有効である。
【0068】
また、表示部411における第2入力の入力領域(タスクトリガー領域425)の直下、もしくは直下付近にスイッチ部430が配されるので、第2入力を容易に行うことができ、また、第1入力と第2入力との誤動作を抑えることができる。
【0069】
また、スイッチ部430が表示部411の四隅に設けられ、第2入力が、パネル部410、および四隅に設けられたスイッチ部430による入力を入力対象とするので、第2入力を行うために、使用者が表示部411をタッチする押圧力を小さくすることができる。
【0070】
また、スイッチ部430にはストッパー部433が設けられているので、ストッパー部433によりパネル部410の変位を規制することができ、パネル部410の損傷(割れなど)を防止することができる。また、パネル部410がスイッチ部430を押圧する力をストッパー部433に集中させることができ、パネル部410の押圧によるスイッチ部430の故障を抑えることができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、4つのスイッチ部430を設けているが、スイッチ部430の数はこれに限定されるものではない。
【0072】
また、本実施の形態では、パネル部410の四隅の直下に、4つのスイッチ部430がそれぞれ設けられているが、これに限定されるものではなく、パネル部410の周縁部であって、表示部411における第2入力の入力領域(本実施の形態ではタスクトリガー領域425)の直下、もしくは直下付近に設けられていればよい。
【0073】
また、本実施の形態では、スイッチ部430と支柱440とを別部材としているが、支柱440にスイッチ部430を付加してもよい。
【0074】
また、本実施の形態では、パネル部410を支える構造として、支柱440をパネル部410に成形された貫通孔414に挿設したものとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、図7に示すような、支柱440に、パネル部410の外周端416を覆うように嵌合部450に嵌め、嵌合部450を変位自在に設けた構造であってもよい。
【0075】
図7に示す入力装置400では、タッチパネル413に、タッチパネル413の外周端を覆うように嵌める嵌合部450が設けられている。この嵌合部450は、タッチパネル413の側面415を覆う側壁部451と、タッチパネル413の外周端416およびその付近の表裏面417,418を覆う表壁部452および裏壁部453とが一体形成されてなる。また、嵌合部450には、支柱440を挿設する貫通孔454が設けられている。この図7に示す入力装置400では、タッチパネル413を嵌合した嵌合部450が、タッチパネル413への外部から入力(使用者によるタッチ入力)によって押圧方向(図7では下方向)に変位し、第1入力と第2入力とによる入力を行う。なお、図7に示す入力装置400では、液晶パネル412が支柱440を設けた平板状部材441上に配されている。
【0076】
なお、本実施の形態を例示として示す本発明にかかるカラー画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ機等の画像形成装置に適用することもできる。
【0077】
また、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、カラー画像形成装置に有効である。
【符号の説明】
【0079】
1 露光ユニット
2 現像ユニット
3 感光体ドラム
4 感光体ユニット
5 帯電器
6 中間転写ベルトユニット
7 定着ユニット
8 転写前帯電ユニット
10 転写ローラ
11a,11b ピックアップローラ
12a,12b,12c,12d 搬送ローラ
13 レジストローラ
21 トナーカートリッジユニット
61 中間転写ベルト
62 駆動ローラ
63 従動ローラ
64 中間転写ローラ
65 クリーニングユニット
71 ヒートローラ
71a ヒータ
71b 温度検出器
72 加圧ローラ
73 外部加熱ベルト
81 給紙トレイ
82 手差し給紙トレイ
90 光学ユニット
91 排紙トレイ
92 原稿載置台
100 画像形成装置
102 画像形成部
103 用紙搬送系
108 原稿読取装置
110 装置本体
200 画像形成用ユニット
301 主制御部
302 表示部
303 記憶部
304 画像処理演算部
305 ネットワーク
306 ネットワークインターフェース
307 電話回線
308 ファクシミリ部
309 バス
310 センサ部
400 入力装置
410 パネル部
411 表示部
412 液晶パネル
413 タッチパネル
414 貫通孔
415 側面
416 外周端
417 表面
418 裏面
420 表示画面
421 システム領域
422 機能領域
423 表示入力領域
424 アクション領域
425 タスクトリガー領域
430 スイッチ部
431 台座部
432 ボタン部
433 ストッパー部
440 支柱
450 嵌合部
451 側壁部
452 表壁部
453 裏壁部
454 貫通孔
D1 第1データ
D2 第2データ
P1,P2,P3,P4 検出用パターン
PB 検出用パターンブロック
S 用紙搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の入力装置において、
表示部を有し、使用者が前記表示部をタッチすることで入力が行われ、また、使用者のタッチによって少なくとも一部が変位するパネル部と、
前記パネル部の予め設定した変位量を超えた変位により動作して入力が行われる、少なくとも1つのスイッチ部と、が設けられ、
当該入力装置による入力には、前記パネル部のみによって入力が行われる第1入力と、前記パネル部および前記スイッチ部によって入力が行われる第2入力とがあることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置において、
前記表示部における前記第2入力の入力領域の直下、もしくは直下付近に前記スイッチ部が配されたことを特徴とする入力装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の入力装置において、
少なくとも1つの前記スイッチ部は、前記表示部の周縁部に設けられ、
前記第2入力は、前記パネル部、および前記周縁部に設けられた前記スイッチ部による入力であることを特徴とする入力装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の入力装置において、
前記スイッチ部には、前記スイッチ部に近づく向きへの前記パネル部の変位を規制して前記スイッチ部を保護するストッパー部が設けられたことを特徴とする入力装置。
【請求項5】
画像形成装置において、
請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載の入力装置が設けられたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−92925(P2013−92925A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234915(P2011−234915)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】