画像形成装置及びその制御方法
【課題】紙搬送パスが画像形成パスよりも短い画像形成装置において、使用者が誤って用紙をセットせずに用紙有無検知できない用紙サイズの印刷を開始したときに、トナーの無駄な消費や紙に転写されなかったトナー画像による汚れを発生させないようにする。
【解決手段】本発明では、用紙を給紙する給紙部から用紙に画像を転写する転写部までの紙搬送パスが、画像形成を行う画像形成部の画像形成開始位置から前記転写部までの画像形成パスよりも短い画像形成装置において、前記給紙部に設けられた用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の前記用紙検知手段による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行う。
【解決手段】本発明では、用紙を給紙する給紙部から用紙に画像を転写する転写部までの紙搬送パスが、画像形成を行う画像形成部の画像形成開始位置から前記転写部までの画像形成パスよりも短い画像形成装置において、前記給紙部に設けられた用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の前記用紙検知手段による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙搬送パスが画像形成パスよりも短い画像形成装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置における給紙搬送制御を大きく2つに分類すると、はじめに給紙を行い用紙の先端検知をトリガーとして画像形成を開始する制御方式(紙先行制御)と、はじめに画像形成を開始した後に画像にあわせて給紙搬送を行なう制御方式(画像先行制御)に分類することができる。
給紙位置から転写部までの紙搬送パスが画像形成パス(感光体への露光開始位置から転写部までの経路長さ、中間転写ベルトを有する場合には、露光開始位置から1次転写部までの長さ+1次転写部から2次転写部までの長さ=画像形成パス)よりも長い機械構成では、画像形成開始よりも前に給紙をスタートさせなければ画像と記録紙のタイミングを合わせることができないため、画像形成タイミングを用紙先端検知後に実施する紙先行制御とすることが理にかなっている。
【0003】
ここで従来技術として、特許文献1(特開平4−34463号公報)には、紙搬送パスが画像形成パスよりも長い機械構成給紙手段において、給紙される記録紙の先端を検知するまでの時間に基づいて画像形成タイミングを調整することが記載されており、上述の紙先行制御を開示している。
一方、紙搬送パスが画像形成パスよりも短い機械構成では、画像形成を開始した後に給紙搬送を行なう画像先行制御としたほうがレジストローラ等での用紙待機時間を短くすることができる為、生産性に関して有利となる画像先行制御を採用する。
【0004】
特許文献2(特開2001−296785号公報)には、紙搬送パスが画像形成パスよりも短い画像形成装置で、連続印刷時は給紙搬送時間を計測して次ページの印刷タイミングを調整することが記載されており、上述の画像先行制御を開示している。
【0005】
ところで、近年、B6ハーフサイズ等の幅狭用紙にも画像形成装置にて画像形成を行ないたいという要望がある。例えば、熨斗紙などの短冊状の用紙への印刷や、通常の定形サイズ用紙をミシン目により切離して使用する用紙で、未使用部分に印刷を行ないたいといった需要である。(B5サイズ用紙を長さ方向に4分割できるミシン目用紙で、3ヶ所に印刷した後あまった部分は、長さがB6で幅がB6の半分の用紙サイズ(B6ハーフ)になる。)
【0006】
そのような幅狭用紙に画像形成する場合、給紙部の手差しトレイに用紙を積載し、画像形成装置に給紙することになるが、手差しトレイは外光にさらされる部分であるため、光学検知センサを用紙有無検知手段として用いると誤検知の虞があるため、フィラー式センサ(用紙と接触して有無を検知するセンサ)を用いているが、フィラー式センサでは、ピックアップローラや給紙ローラの給紙コロとの配置の関係で、幅狭用紙を検知できず、用紙無しと判断してしまうためにこの様な用紙に対して画像形成することができなかった。
【0007】
特許文献3(特開平10−153893号公報)には、手差し給紙トレイに設けた用紙有無検知が用紙を検知した場合のみ複写可能とする第一の手差し給紙モードと用紙有無検知の出力結果に拘わらず複写可能とする第二の手差し給紙モードとを選択可能にする画像形成装置が記載されている。
【0008】
しかし、この特許文献3の構成では、第一,第二の手差し給紙モードにおいて、紙搬送パスと画像形成パスとの関係や画像形成タイミング,給紙タイミングをどのように制御するかについては何ら開示されていない。
仮に紙搬送パスが画像形成パスよりも短い機械構成であるとすると、上述の理由から画像先行制御を行うが、この時、幅狭用紙に画像形成するために上述の第二の手差し給紙モードを選択すると、使用者が誤って用紙をセットせずに印刷開始ボタンを押下した場合であっても感光体にトナー像が形成され、中間転写ベルトを用いる画像形成装置では中間転写ベルト上にトナー画像が形成されてしまうため、トナーを無駄に消費してしまうとともに、用紙に転写されなかったトナーがリカバリー時(不給紙ジャム状態からの復帰動作時)に2次転写ローラ等をトナーで汚してしまい、リカバリー後のプリント用紙に裏汚れなどが発生するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、紙搬送パスが画像形成パスよりも短い画像形成装置において、使用者が誤って用紙をセットせずに用紙有無検知できない用紙サイズの印刷を開始したときに、トナーの無駄な消費や紙に転写されなかったトナー画像による汚れを発生させない制御を行うことができる画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
(1):画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を用紙に転写する転写部と、前記画像形成部で形成された画像とタイミングを合わせて前記転写部に用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に対して用紙を供給する給紙部と、前記給紙部から給送された用紙を前記搬送手段の手前で検知する用紙検知手段を備え、前記給紙部から前記転写部までの紙搬送パスが、前記画像形成部の画像形成開始位置から前記転写部までの画像形成パスよりも短い画像形成装置において、前記給紙部に用紙有無検知手段を有し、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の前記用紙検知手段による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする(請求項1)。
(2):(1)に記載の画像形成装置において、前記画像形成部に複数の像担持体を有し、該複数の像担持体に形成した画像を中間転写体に重ね合わせて1次転写した後、前記中間転写体に転写した画像を用紙に2次転写する構成であり、最初に画像形成が開始される取り付け基準となる像担持体の露光位置から1次転写部までと、該1次転写部から2次転写部までの長さが前記画像形成パスであることを特徴とする(請求項2)。
(3):(1)または(2)に記載の画像形成装置において、前記給紙部の給紙トレイの給紙ローラまたは手差しトレイのピックアップローラの位置から、前記転写部または前記2次転写部までの長さが紙搬送パスであることを特徴とする(請求項3)。
(4):(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記用紙有無検知手段で検知できないと判断されるサイズの用紙に画像形成する場合は、給紙動作を行なって前記用紙検知手段が用紙を検知した後に画像形成を開始することを特徴とする(請求項4)。
(5):(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の画像形成装置において、用紙サイズ設定手段を有し、前記制御手段は、前記用紙サイズ設定手段により設定された用紙サイズから前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする(請求項5)。
(6):(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記給紙部の手差しトレイには、セット用紙の幅方向を規制する規制手段と、前記規制手段の位置を検知する規制位置検知手段を有し、前記制御手段は、前記規制手段の位置の検知結果から前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする(請求項6)。
(7):(6)に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記規制位置検知手段により前記規制手段の移動を検知したときは、その検知結果をトリガーに画像先行制御から紙先行制御に切り替えることを特徴とする(請求項7)。
(8):(1)乃至(7)のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記用紙有無検知手段として、前記給紙部の給紙トレイおよび手差しトレイにフィラー式のセンサを有することを特徴とする(請求項8)。
(9):(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記搬送手段は、前記用紙をセンター基準で搬送する構成であることを特徴とする(請求項9)。
【0011】
(10):画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を用紙に転写する転写部と、前記画像形成部で形成された画像とタイミングを合わせて前記転写部に用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に対して用紙を供給する給紙部と、前記給紙部から給送された用紙を前記搬送手段の手前で検知する用紙検知手段を備え、前記給紙部から前記転写部までの紙搬送パスが、前記画像形成部の画像形成開始位置から前記転写部までの画像形成パスよりも短い画像形成装置の制御方法において、前記給紙部に設けられた用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の前記用紙検知手段による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行うことを特徴とする(請求項10)。
(11):(10)に記載の画像形成装置の制御方法において、前記画像形成装置が、前記画像形成部に複数の像担持体を有し、該複数の像担持体に形成した画像を中間転写体に重ね合わせて1次転写した後、前記中間転写体に転写した画像を用紙に2次転写する構成の場合は、最初に画像形成が開始される取り付け基準となる像担持体の露光位置から1次転写部までと、該1次転写部から2次転写部までの長さを前記画像形成パスとしたことを特徴とする(請求項11)。
(12):(10)または(11)に記載の画像形成装置の制御方法において、前記給紙部の給紙トレイの給紙ローラまたは手差しトレイのピックアップローラの位置から、前記転写部または前記2次転写部までの長さを紙搬送パスとしたことを特徴とする(請求項12)。
(13):(10)乃至(12)のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、前記用紙有無検知手段で検知できないと判断されるサイズの用紙に画像形成する場合は、給紙動作を行ない、前記転写部に用紙を搬送する搬送手段の手前に設けた用紙検知手段が用紙を検知した後に画像形成を開始することを特徴とする(請求項13)。
(14):(10)乃至(13)のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、用紙サイズ設定手段により設定された用紙サイズから前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする(請求項14)。
(15):(10)乃至(14)のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、前記給紙部の手差しトレイに設けられた、セット用紙の幅方向を規制する規制手段の位置を検知する規制位置検知手段の検知結果から、前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする(請求項15)。
(16):(15)に記載の画像形成装置の制御方法において、前記規制位置検知手段により前記規制手段の移動を検知したときは、その検知結果をトリガーに画像先行制御から紙先行制御に切り替えることを特徴とする(請求項16)。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、紙搬送パスが画像形成パスよりも短い画像形成装置であっても、使用者が誤って用紙をセットせずに用紙有無検知できない用紙サイズの印刷を開始したときに、トナーの無駄な消費や紙に転写されなかったトナー画像による汚れを発生させないようにすることができる。また、用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、通常の画像先行制御を行なうので生産性を損なうことがない。
【0013】
また、本発明では、用紙有無検知手段で用紙を検知できない小サイズ用紙に対してプリントする場合は、用紙有無検知手段の情報を無視するとともに、画像形成前に給紙動作を行い、用紙への画像転写に対して搬送手段(レジスト部)で用紙待機が確認(用紙検知手段(レジストセンサ)が用紙先端を検知)できてから画像形成を行なうように制御するので、用紙有無検知ができない小サイズ用紙に対してプリントを行なう際にも、用紙がない場合は画像形成を行なわないので、トナーを無駄に消費してしまうことがなく、2次転写部の2次転写ローラ等を汚してしまうことを防ぎ、プリント再開後のプリント用紙に裏汚れなどの画像不良が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す図であって、電子写真方式の作像装置を有する小型フルカラープリンタの概略全体構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の画像形成部の作像動作について説明する図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の手差し給紙部の斜視図である。
【図4】図3に示す手差し給紙部の要部拡大図である。
【図5】図3に示す手差し給紙部の側断面図である。
【図6】レジストローラとレジストセンサフィラーの配置例を示す画像形成装置の要部正面図である。
【図7】レジストローラとレジストセンサフィラーの配置例を示す画像形成装置の要部斜視図である。
【図8】第1実施例の制御動作を示すフローチャートである。
【図9】通常のプリント動作時の画像先行制御の制御タイミングについて説明する図である。
【図10】手差しトレイに短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)をセットした状態について説明する図であり、(a)は手差しトレイにセットされた小サイズ用紙とサイドフェンス、ピックアップローラ、用紙有無検知フィラーを上方から見た図、(b)は手差しトレイにセットされた小サイズ用紙とサイドフェンス、ピックアップローラ、用紙有無検知フィラーを正面から見た図である。
【図11】短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する際の紙先行制御の制御タイミングについて説明する図である。
【図12】第1変形例の制御動作を示すフローチャートである。
【図13】短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する際の制御タイミングについて説明する図である。
【図14】第2実施例の制御動作を示すフローチャートである。
【図15】第2変形例の制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す図であって、電子写真方式の作像装置を有する小型フルカラープリンタの概略全体構成図である。
図1に示す小型フルカラープリンタでは、画像形成部として、例えばブラック(BK),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の順に各色のトナー像を像担持体(具体的には光導電性の感光体)に形成する作像装置2a,2b,2c,2dと、各作像装置2a,2b,2c,2dの感光体にレーザーで潜像を書き込む露光装置1と、各色のトナー像を重ね合わせるベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)3を備えている。Bk,C,M,Yの各色の作像装置2a,2b,2c,2dは、ドラム状の感光体と、その周囲に配置された帯電装置(図示省略)、現像装置(現像ローラのみを図示)、1次転写装置(図示省略)、クリーニング装置(図示省略)を備えており、帯電、露光、現像のプロセスを経て感光体上に各色のトナー像を形成し、1次転写装置により中間転写ベルト3に転写する。転写後の感光体はクリーニング装置で残留トナーを除去される。
【0016】
給紙部としては、給紙トレイ10と給紙ローラ11,分離手段12からなる本体給紙部と、手差しトレイ13,ピックアップローラ14,給紙ローラ15,分離手段16からなる手差し給紙部を備えている。また、それぞれの給紙部にはフィラー式のセンサからなる用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21を有している。
【0017】
給紙部(本体給紙部または手差し給紙部)から給送された用紙は、搬送手段であるレジストローラ4の手前で、用紙検知手段であるレジストセンサ8が用紙先端を検知し、先端がレジストローラ4に突き当たってたわみを形成して用紙の斜行を補正した後に、給紙ローラ11または給紙ローラ15とピックアップローラ14を停止して待機する。そして画像形成部で作像した画像と同期するようにタイミングを合わせてレジストローラ4を駆動し、用紙を2次転写ローラ5に搬送する。2次転写ローラ5で中間転写ベルト3から用紙に画像を転写し、定着装置6で用紙に画像を定着した後に排紙ローラ7から排紙トレイ上にプリント済み用紙を排出する。定着排紙センサ9は定着装置5から搬送された用紙の先端及び排紙ローラ7で排出される用紙の後端を検知して搬送異常がないことを監視する。操作部17は図示省略の制御部に対して用紙のサイズ,種類の設定を行なうことができ、また液晶画面によりプリンタの状態を表示することができる。
【0018】
なお、図1は小型フルカラープリンタの構成例であるが、排紙トレイの上方に原稿画像を読み取り画像データに変換処理する画像読取装置(イメージスキャナ)を設置すれば、小型フルカラー複写機の構成とすることができ、さらに外部回線との通信機能を備えることによりファクシミリの機能を有する小型フルカラー複合機の構成とすることができる。
【0019】
図2は、図1に示す画像形成装置の画像形成部の作像動作について説明する図である。
画像の基準色となるBKの画像が形成される最上流の作像装置2aの感光体のA点に露光装置1からレーザー光が照射されて感光体上に潜像が書き込まれ、B点にて現像装置によりBkトナー像が形成され、C点にて中間転写ベルト3上にBkトナー像が転写(1次転写)される。中間転写ベルト3は図2において反時計周りに回転駆動されており、他の色の作像装置2b、2c、2dでも感光体上にC,M,Yの各色のトナー像が形成され、中間転写ベルト3上に各色の作像装置2b,2c,2dの感光体から順次各色のトナー像が1次転写される。中間転写ベルト3上に形成された画像(Bk,C,M,Yのカラー画像)はD点を経てE点に達し、E点にて2次転写ローラ5によってレジストローラ4から搬送される用紙に転写(2次転写)される。
【0020】
上記の画像形成のスタートは、取り付け基準となるBk用作像装置2aの像担持体(感光体)のA点における露光(書き込み)開始位置であり、E点での用紙への2次転写に達するまでの画像形成経路長(画像形成パス)L1(A→B→C→D→E)は、給紙トレイ10から給紙ローラ11によって給送されレジストローラ4を経て2次転写ローラ5に到る給紙搬送経路長(紙搬送パス)L2や、手差しトレイ13からピックアップローラ14及び給紙ローラ15により給送されレジストローラ4を経て2次転写ローラ5に到る手差し給紙搬送経路長(紙搬送パス)L3よりも長くなっている。
【0021】
次に図3〜5は図1に示す画像形成装置の手差し給紙部の具体的な構成例を示しており、図3は手差し給紙部の斜視図、図4は手差し給紙部の要部拡大図、図5は手差し給紙部の側断面図である。
この手差し給紙部は、手差しトレイ13と、手差しトレイに設けられセット用紙の幅方向を規制する規制手段であるサイドフェンス22と、ピックアップローラ14と、給紙ローラ15と、分離手段である用紙分離部材16と、フィラー式のセンサからなる用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21と、規制手段(サイドフェンス)22の位置や移動を検知する規制位置検知手段(図示せず)を備えている。
【0022】
ここで手差し給紙部の各部の寸法の一例を以下に示す。
本実施形態の画像形成装置は、B6ハーフ(幅64mm,長さ182mm),3×5インチサイズ(幅76.2mm,長さ127mm)などの小サイズモード制御の実施を目的としているA4フルカラープリンタである。
手差し給紙の対応用紙幅は、幅64mm〜216mmであり、このうち、幅64mm以上90mm未満の用紙については小サイズモードとして専用の給紙搬送制御を行なう。尚、手差し給紙の対応用紙長さについては、手差し給紙トレイに積載可能な長さであれば良く、長さ127mm(3×5インチサイズの長さ)以上の用紙を用いることができる。
手差しトレイ13にはフィラー式のセンサからなる用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21を備えているが、幅40mmの給紙ローラ15が用紙搬送中心位置に配置され、給紙ローラ駆動ギヤ,給紙ローラ軸支持部を避けて用紙有無検知フィラー21の検知部(軸から突出したフィラー)は用紙搬送中心から約40mm離れた位置に配置している。部品寸法,組付け等のバラツキを考慮すると、用紙有無検知フィラー21で検知を保証できる最小用紙幅は約88mmになる。
【0023】
なお、本発明では、用紙をセンター基準で搬送する構成を採用している。この構成によるサイド基準に対するメリットを以下に記載する。
さまざまなサイズの用紙に対してセンター基準では搬送ローラ,搬送ガイド等を左右対称に配置することが可能になる。
対称に構成することにより初期から経時を含め搬送力,搬送速度などを均一(対称)に設定することが容易となり、スキュー等の搬送品質を維持することができる。
また、定着装置のヒーターの配勾をほぼ対称にすることができる、感光体や中間転写体など転写時に用紙と接触する機能部材の劣化に対しても偏向を生じることがない、等の効果もある。
【0024】
図6、図7は用紙をセンター基準で搬送する構成を採用した場合の搬送手段であるレジストローラ4と、用紙検知手段であるフィラー式のレジストセンサ(レジストセンサフィラー)8の配置例を示している。
用紙搬送手段としては、レジストローラ4の他に搬送ローラ等を備えているが、搬送ローラ構成については、センター基準の用紙搬送であっても搬送ローラは幅方向の中央部にコロを有している必要はない。通常の搬送ローラは2個のコロで構成して中央部にはコロを有していない。グリップ力が必要なグリップローラ等では3個のコロ構成で中央部にもコロを配置する場合が多い。ただし、幅狭用紙に対応する為には最小幅用紙に対しても十分ニップできる(少なくとも左右各5,6mm程度は必要)位置にコロを配置する必要がある。3個コロ構成の搬送ローラの場合でも中央1個のコロだけで用紙を搬送するのは不安定になるため、左右のコロも用紙をニップできるようにコロを配置する必要がある。また、排紙トレイに用紙を排出する排紙ローラでは、幅狭用紙に対するコシ付け,用紙後端の蹴り出しなどを考慮して中央部にコロを設けるのが望ましい。
【0025】
レジストセンサ(レジストセンサフィラー)8は用紙搬送幅方向の中央付近に配置するが、必ずしも中央位置に配置するとは限らない。穴開き用紙(あらかじめパンチ穴が開いた用紙)に対応する為、あえて中央を避けて配置する場合が多い(奇数穴の場合、中央部にパンチ穴が開いている可能性が高く、誤検知を防止するため穴を避けて位置を少しずらす)。本発明の実施形態では図6,7に示すように、用紙センターから10mmほどずらした位置にレジストセンサフィラー8の検知部(軸から突出したフィラー)を配置している。レジストセンサフィラー8は用紙にダメージを与えないように軽負荷で回動するように設計するため、フィラーにより用紙のスキューが発生することはない。また、レジストセンサフィラー8はレジストローラ4の上流に配置するため、多少のスキューはレジストローラで補正を行うことができるため問題とならない。本発明の実施形態ではレジストローラ4はほぼ最大用紙幅と同等の幅のゴム製駆動ローラ4aと最大用紙幅よりも広い幅の金属製従動ローラ4bとからなり、従来から一般に使用されているレジストローラと同様の構成である。
【0026】
本発明は、以上のような構成の小型フルカラープリンタにおいて、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21で用紙を検知できない小サイズ用紙(幅方向のサイズが小さい短冊状の幅狭用紙など)へのプリントに際して、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の用紙検知手段(レジストセンサ)8による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行う制御手段を備えたことを特徴としている。
すなわち、本発明は、通常のプリントではプリントスピードを確保するため、作像装置2a〜2dで感光体に画像形成を開始した後に、給紙トレイ10または手差しトレイ13からの給紙動作を行いレジストローラ4で一旦待機させ、中間転写ベルト3上の画像が2次転写部(2次転写ローラ5による用紙への転写部)に来るタイミングに合わせてレジストローラ4から用紙搬送を行なうが、用紙サイズの設定や検知結果から、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21が用紙の有無を検知できないと判断される場合は、印刷要求があったときに、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21の検知結果が用紙なしの状態で、最上流の作像装置2aで画像形成(感光体に対して露光して潜像を形成)する前に、給紙トレイ10または手差しトレイ13からレジストローラ4への給紙動作を行なって、用紙検知手段(レジストセンサ)8で用紙を検知した後に画像形成をスタートさせることが特徴になっている。
上記の特徴について、以下、具体的な実施例に基づいて解説する。
【実施例】
【0027】
画像形成装置(小型フルカラープリンタ)の制御手段である制御部(図示省略)は、マイクロコンピュータからなる中央演算処理装置(CPU)、制御用のプログラムや各種制御用データが記憶されるメモリ(ROM,RAM,不揮発RAM)、入出力装置、各種制御回路、クロック、タイマー等を備えており、前述した用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21や用紙検知手段(レジストセンサ)8等の各種センサからの入力情報や、操作部17で設定された用紙サイズ等の設定情報に基づいてプリンタエンジン(画像形成部、給紙部、用紙搬送部、転写部等)の各部を制御し、以下に示す実施例1、実施例2や、変形例1、変形例2の制御動作を実行する。
【0028】
[実施例1]
図8は、第1実施例の制御動作を示すフローチャートであり、用紙有無検知手段で検知可能な用紙サイズか否かに応じて通常のプリント動作を行う処理と、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する処理を行う場合の制御動作を説明する図である。
【0029】
図8に示す第1実施例のフローチャートの各ステップ(S−1〜S−22)における処理を以下に示す。
S−1:プリンタエンジンは1ページ毎に印刷要求を受け取る。
S−2:操作部(用紙サイズ設定手段)17で設定された印刷サイズが用紙有無検知手段で検知可能な用紙サイズであるか判断する。印刷サイズが用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー18または21)で用紙有無検知可能サイズの時はS−3(画像先行制御)へ、用紙有無検知できないサイズの時はS−18(紙先行制御)へ進む。
S−3:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー18または21)の情報からトレイ(給紙トレイ10または手差しトレイ13)に用紙があるかどうかを判断する。用紙無しの時はS−4へ,用紙有りの時はS−5へ進む。
S−4:「用紙をセットしてください」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示1)する。
S−5:用紙有りのときは、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−6:最上流のBk用作像装置2aの感光体への画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングで給紙動作を開始する。
S−7:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−8へ,用紙を検知したときはS−9へ進む。
S−8:「用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示2)して、ジャム処理を促す。
S−9:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−10:2次転写部(中間転写ベルト3と2次転写ローラ5が当接する位置)で画像と用紙が同期するようにタイミングを合わせて画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を開始する。
S−11:用紙が2次転写部に到達して2次転写ローラ5により用紙に画像転写が開始される。
S−12:用紙が定着装置6に到達して用紙に画像定着が開始される。
S−13:レジストセンサ8が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−14:レジストセンサ8が用紙後端検知後、所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を停止する。
S−15:定着排紙センサ9が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−16:定着排紙センサ9が用紙後端検知後、所定のタイミングで用紙が排紙トレイに排出完了したと判断する。
S−17:用紙が排紙トレイに排出されたことで印刷要求に対する印刷を完了する。
S−18:S−2の用紙サイズの判断で、印刷サイズが用紙有無検知手段(手差しトレイ13の用紙有無検知フィラー21)で用紙有無検知できない用紙サイズの時は、直ちに給紙動作を開始する。
S−19:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−20へ,用紙を検知したときはS−21へ進む。
S−20:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−21:レジストセンサ8が用紙を検知したら、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−22:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−22後はS−10に移行し、上記のS−10〜S−17の処理を実行する
【0030】
上記の2つの制御ルートで、S−7からS−10までの時間とS−19からS−10までの時間が異なる。
S−7からS−9までの時間とS−19からS−22までの時間は同じなので、2つの制御ルートで、S−9からS−10までの時間とS−22からS−10までの時間が異なると言い換えることもできる。
【0031】
次に上記の制御動作について説明を補足する。
図9は、通常のプリント動作時(図8のS−3〜S−10)の画像先行制御の制御タイミングについて説明する図である。
画像形成パスである画像形成経路長L1は、紙搬送パスである給紙搬送経路長L2,手差し給紙搬送経路長L3よりも長くなっているため、印刷要求が出てプリンタが印刷を開始するときは、制御部は、操作部(用紙サイズ設定手段)17で指定された給紙部(給紙トレイ10または手差しトレイ13)に用紙があるかどうか、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー18または21)の情報を確認し、用紙有りの場合は露光装置1により最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に対する画像書き込みを開始する。用紙がなしの場合は操作部17に「用紙をセットしてください」などの用紙がないことを示すメッセージを表示(メッセージ表示1)する。
【0032】
次に制御部は、画像書き込み開始をトリガとして、所定の時間T2後に選択された給紙部(給紙トレイ10または手差しトレイ13)の給紙駆動(給紙ローラ11またはピックアップローラ14と給紙ローラ15の駆動)を開始する。時間T2は給紙部から2次転写ローラ5までの給紙搬送経路長(紙搬送パス)L2またはL3を搬送する為に必要な時間,レジストローラ4での用紙斜行補正及び待機時間に余裕度を加えた時間として給紙部ごとに設定したタイミングである。
【0033】
給紙駆動開始後、レジストセンサ8が用紙先端を検知するのを待ち、用紙検知から用紙先端がレジストローラ4に到達して斜行補正のためのたわみを形成したタイミングで給紙ローラ駆動を停止して用紙をレジストローラ部で待機させる。給紙駆動開始からあらかじめ決められたタイミングまでにレジストセンサ8が用紙を検知しなかった場合は、給紙搬送異常としてプリンタの画像形成部の作像及び給紙部の給紙駆動を停止し、操作部17に「用紙ミスフィード」などの給紙ジャムが発生したことを示すメッセージを表示(メッセージ表示2)する。
【0034】
画像書き込み開始から所定の時間T1後にレジストローラ4を駆動して待機している用紙を中間転写ベルト3と2次転写ローラ5からなる2次転写部に搬送する。時間T1は2次転写部において画像形成部で形成した画像と用紙の同期をとるために、画像形成経路長(画像形成パス)L1とレジストローラ4から2次転写部までの用紙搬送経路長から決まるタイミングである。レジストローラ4を駆動した後はレジストセンサ8が用紙後端を検知するのをトリガとして、用紙後端がレジストローラ4を抜けたタイミングでレジストローラ4を停止させる。
【0035】
複数枚の用紙に連続して印刷を行なう場合は、1枚目の画像書き込みをスタートした後、所定の時間T0後に2枚目の画像書き込みをスタートし、以後、一定の間隔T0で画像形成を行なう。用紙の給紙搬送はそれぞれの画像書き込みタイミングからT2後に給紙ローラ駆動,T1後にレジストローラ駆動を行い、1枚目と同様の処理で用紙に画像を転写し、定着装置6での画像定着を経て排紙ローラ7から排紙トレイ上に排出する。
【0036】
図10は、手差しトレイに短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)をセットした状態について説明する図であり、(a)は手差しトレイにセットされた小サイズ用紙とサイドフェンス、ピックアップローラ、用紙有無検知フィラーを上方から見た図、(b)は手差しトレイにセットされた小サイズ用紙とサイドフェンス、ピックアップローラ、用紙有無検知フィラーを正面から見た図である。
手差しトレイ13はさまざまな紙種,サイズの用紙に対応することが要求される。そのなかに幅方向のサイズが極端に小さい用紙に印刷を行ないたいという需要がある。例えば、熨斗紙など短冊状の用紙への印刷や、通常の定形サイズ用紙をミシン目により切離して使用する用紙で、未使用部分に印刷を行ないたいといった需要である。例えばB5サイズ用紙を長さ方向に4分割できるミシン目用紙で、3ヶ所に印刷した後、余った部分は、長さがB6で幅がB6の半分の用紙サイズ(B6ハーフ)になる。
【0037】
手差しトレイ13はプリンタ本体の機外にトレイ部分が露出している為、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21をピックアップローラ14等の給紙手段の近傍に配置することが多い。実施例では図1に示すように用紙搬送方向と直行する投影面内では用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21はピックアップローラ14の極近傍又はほぼ重なった位置に配置している。
【0038】
図10に示すように、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21は手差しトレイ13に積載した用紙の上面に接地するフィラー部21aとフィラー部21aの角度位置と連動する遮光部21bを有し、図示しない透過型フォトインタラプタを遮光部21bが遮光するか否かで用紙の有無を検知する。フィラー部21aは幅方向でピックアップローラ14の外側に配置する必要があるため、用紙幅が小さい短冊状用紙23では、フィラー部21aが用紙幅の外側になってしまい、用紙有無を検知することができない。用紙積載した状態でも用紙検知できず、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の出力は用紙無しとなる。
【0039】
このため、操作部17からの入力により、手差しトレイ13の用紙サイズが用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で検知できないサイズ(用紙の幅方向端面がフィラー部21a位置よりも内側になるサイズ)に設定された場合は、制御部は用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の出力を無視する。すなわち、小サイズ用紙(幅方向のサイズが小さい短冊状の幅狭用紙など)へのプリントに際して、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の用紙検知手段(レジストセンサフィラー)8による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行う。
【0040】
図11は、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する際(図8のS−18〜S−10)の紙先行制御の制御タイミングについて説明する図である。
操作部(用紙サイズ設定手段)17で設定された印刷サイズが用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21が用紙の有無を検知できない用紙サイズと判断した場合は、制御部は、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の出力を無視する。この用紙サイズに対して印刷要求がでてプリンタが印刷を開始するときは、まず手差しトレイ13のピックアップローラ14及び給紙ローラ15の駆動を開始する。手差しトレイ13に用紙がセットされている場合は、給送された用紙の先端をレジストセンサ8が検知する。レジストセンサ8が用紙検知後、画像書き込みをスタートさせて画像形成を開始する。ピックアップローラ14及び給紙ローラ15は、レジストセンサ8が用紙先端を検知した後、用紙先端がレジストローラ4に到達して斜行補正のためのたわみを形成したタイミングで駆動を停止して用紙をレジストローラ部で待機させる。
【0041】
手差しトレイ13からの給紙開始から予め決められたタイミングまでにレジストセンサ8が用紙を検知しなかった場合は、手差しトレイ13に用紙がセットされていないか、給紙搬送異常が生じたと判断して給紙部の駆動を停止し、操作部17に「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」など手差しトレイ13に用紙がセットされているか確認を促すメッセージを表示(メッセージ表示3)する。このため、手差しトレイ13に用紙がセットされていない場合も、レジストセンサ8が用紙を検知するまで画像形成を行なわないので、トナーを無駄に消費してしまったり、リカバリー時に中間転写ベルト3上の未転写トナーで2次転写ローラ5を汚してしまうことを防止することができる。
【0042】
画像形成開始後は、画像書き込み開始から所定の時間T1後にレジストローラ4を駆動して待機している用紙を中間転写ベルト3と2次転写ローラ5からなる2次転写部に搬送する。時間T1は2次転写部において画像形成部で形成した画像と用紙の同期をとるために、画像形成経路長(画像形成パス)L1とレジストローラ4から2次転写部までの用紙搬送経路長から決まるタイミングである。レジストローラ4を駆動した後はレジストセンサ8が用紙後端を検知するのをトリガとして、用紙後端がレジストローラ4を抜けたタイミングでレジストローラ4を停止させる。
【0043】
複数枚の用紙に連続して印刷を行なう場合は、1枚目のレジストローラ駆動を開始した後、所定の時間T3後に2枚目の給紙駆動をスタートし、用紙先端をレジストセンサ8が検知した後、画像書き込みをスタートさせて2枚目の画像形成を行なう。時間T3は1枚目の用紙後端がレジストセンサ8をOFFするタイミングと手差しトレイ13から給送された2枚目の用紙先端がレジストセンサ8をONするタイミングが前後せず、レジストセンサ8のOFF状態の時間が確保できるように設定したタイミングである。2枚目も1枚目と同様にレジストローラ部で用紙を待機させ、画像書き込み開始から時間T1後にレジストローラ4を駆動して用紙に画像を転写し定着装置6を経て排紙ローラ7から排紙トレイ上に用紙を排出する。
3枚目以降も同様の処理,制御タイミングで印刷を行なう。
【0044】
以上説明したように、本実施例では、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙を検知できない小サイズ用紙に対してプリントする場合は、制御部は用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の情報を無視するとともに、画像形成前に給紙動作を行い、用紙への画像転写に対してレジスト部で用紙待機が確認(レジストセンサ8が用紙先端を検知)できてから画像形成を行なうように制御するので、用紙有無検知ができない小サイズ用紙に対してプリントを行なう際にも、用紙がない場合は画像形成を行なわないので、トナーを無駄に消費してしまうことがなく、2次転写ローラ等を汚してしまうことを防ぎ、プリント再開後のプリント用紙に裏汚れなどの画像不良が発生することを防止することができる。
【0045】
[変形例1]
次に、本発明の変形例として、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー21)で検知できないと判断されるサイズの用紙に画像形成する場合は、給紙動作を行なって用紙検知手段(レジストセンサ8)が用紙を検知した後に画像形成を開始するとともに用紙有りのフラグを設定し、用紙有りのフラグが設定されている時は、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー21)で検知できないと判断されるサイズの用紙に対しても、給紙動作よりも先に画像形成を開始するという制御を行うこともできる。
また、この制御の場合には、
(1)給紙動作開始後に用紙検知手段(レジストセンサ8)により所定のタイミングまでに用紙が検知されなかった場合は、用紙有りフラグを解除する、
(2)ジャムが発生したときには、用紙有りフラグを解除する、
(3)用紙サイズが変更されたと判断したときには、用紙有りフラグを解除する、
(4)用紙有りフラグは電源OFFまたは省電力モードに移行したときに解除される、
等の制御が行われる。
【0046】
図12は、第1変形例の制御動作を示すフローチャートであり、用紙有無検知手段で検知可能でない用紙サイズの場合には、用紙有りフラグを設定して、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する処理を行う場合の制御動作を説明する図である。
【0047】
図12に示す第1変形例のフローチャートの各ステップ(S−1〜S−24)における処理を以下に示す。
S−1:プリンタエンジンは1ページ毎に印刷要求を受け取る。
S−2:操作部(用紙サイズ設定手段)17で設定された印刷サイズが用紙有無検知手段で検知可能な用紙サイズであるか判断する。印刷サイズが用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー18または21)で用紙有無検知可能サイズの時はS−3へ、用紙有無検知できないサイズの時はS−4へ進む。
S−3:用紙有無検知センサ(用紙有無検知フィラー18または21)で用紙有無検知可能なサイズのときのフローは第1実施例(図8のS−3〜S−17)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
S−4:用紙有無検知できないサイズのときは、「用紙有りフラグ」をチェックする。「用紙有りフラグ」が設定されていないときはS−5(紙先行制御)へ、設定されているときはS−19(画像先行制御)へ進む。
S−5:「用紙有りフラグ」が設定されていないときは、直ちに給紙動作を開始する。
S−6:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−7へ,用紙を検知したときはS−8へ進む。
S−7:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−8:レジストセンサ8が用紙を検知したら、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−9:「用紙有りフラグ」を設定する。(「用紙有りフラグ」は解除されるまで設定を保持する。)
S−10:レジストセンサが用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−11:2次転写部(中間転写ベルト3と2次転写ローラ5が当接する位置)で画像と用紙が同期するようにタイミングを合わせて画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を開始する。
S−12:用紙が2次転写部に到達して用紙に画像転写が開始される。
S−13:用紙が定着装置6に到達して用紙に画像定着が開始される。
S−14:レジストセンサ8が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−15:レジストセンサ8が用紙後端検知後、所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を停止する。
S−16:定着排紙センサが用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−17:定着排紙センサが用紙後端検知後、所定のタイミングで用紙が排紙トレイに排出完了したと判断する。
S−18:用紙が排紙トレイに排出されたことで印刷要求に対する印刷を完了する。
S−19:S−4で「用紙有りフラグ」が設定されているときは、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−20:最上流のBk用作像装置2aの感光体への画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングで給紙動作を開始する。
S−21:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−22へ,用紙を検知したときはS−24へ進む。
S−22:レジストセンサ8が所定の時間までに用紙を検知しなかったときは、「用紙有りフラグ」を解除する。
S−23:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−24:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−24後はS−11に移行し、上記のS−11〜S−18の処理を実行する。
【0048】
次に上記の制御動作について説明を補足する。
図13は、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する際の制御タイミングについて説明する図である。
前述の図11に示す第1実施例の制御タイミングでは1枚毎にレジストセンサ8が用紙を検知した後に画像形成を開始するため、画像が画像形成経路長L1を搬送されてくる間、用紙はレジストローラ部で待機するので待機時間が長くなり、複数枚プリントするときは生産性が低下することがある。そこで、手差しトレイ13の用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21が用紙の有無を検知できない用紙サイズと判断した場合の変形例として、図13に示す制御タイミングとすることが可能である。
制御部は、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21が用紙の有無を検知できない用紙サイズと判断した場合は、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の出力を無視し、最初の印刷要求に対しては、第1の実施例と同様に紙先行制御の処理(図12のS−5〜S−10)に従い手差しトレイ13のピックアップローラ14及び給紙ローラ15の駆動を開始する。
【0049】
手差しトレイ13に用紙がセットされている場合は、給送された用紙の先端をレジストセンサ8が検知する。制御部は、レジストセンサ8が用紙検知後、画像書き込みをスタートさせて画像形成を開始するとともに、用紙有りフラグを設定する。ピックアップローラ14及び給紙ローラ15は、レジストセンサ8が用紙先端を検知した後、用紙先端がレジストローラ4に到達して斜行補正のためのたわみを形成したタイミングで駆動を停止して用紙をレジストローラ部で待機させる。
【0050】
手差しトレイ13からの給紙開始から予め決められたタイミングまでにレジストセンサ8が用紙を検知しなかった場合は、制御部は手差しトレイ13に用紙がセットされていないか、給紙搬送異常が生じたと判断して給紙部の駆動を停止し、操作部17に「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」など手差しトレイ13に用紙がセットされているか確認を促すメッセージを表示(メッセージ表示3)する。
画像形成開始後は、画像書き込み開始から所定の時間T1後にレジストローラ4を駆動して待機している用紙を中間転写ベルト3と2次転写ローラ5からなる2次転写部に搬送する。レジストローラ4を駆動した後はレジストセンサ8が用紙後端を検知するのをトリガとして、用紙後端がレジストローラ4を抜けたタイミングでレジストローラ4を停止させる。
【0051】
2回目以降の印刷要求に対しては、用紙有りフラグが設定されているので、画像先行制御に移行し、画像書き込みを行い画像形成をスタートさせる。画像書き込みスタートから時間T2後にピックアップローラ14,給紙ローラ15を駆動開始して用紙の給送を行なう。その後は通常の(用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21が用紙を検知できる)用紙サイズと同様の制御タイミングでプリント動作を実施する。
【0052】
したがって、複数枚の用紙に連続印刷を行なう場合は、2枚目以降は1枚目の画像書き出しスタートから所定の時間T0後に2枚目の画像書き込みをスタートし、以後、一定の間隔T0で画像形成を行なう。用紙の給紙搬送はそれぞれの画像書き込みタイミングからT2後に給紙ローラ駆動,T1後にレジストローラ駆動を行い、用紙に画像を転写し、定着装置6での画像定着を経て排紙ローラ7から排紙トレイ上に排出する。このため、2枚目以降は通常と同様の間隔で印刷を行なうことができ、生産性が低下することがない。
【0053】
手差しトレイ13にセットされた用紙がなくなった場合はレジストセンサ8で用紙先端が検知されないので、制御部は、手差しトレイ13に用紙がなくなったか、給紙搬送異常が生じたと判断して給紙部の駆動及び画像書き込みを停止し、用紙有りフラグを解除して、操作部17に「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」など手差しトレイ13に用紙が有るか確認を促すメッセージを表示(メッセージ表示3)する。この場合は既に画像形成をスタートしているため、中間転写ベルト上にはトナー像が形成されているが、通常のジャムの場合と同様にリカバリー処理を行なう。
【0054】
特殊な用紙サイズである短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に対して印刷を行なう場合は、印刷する枚数に対して用紙セット枚数は同じ枚数又は余裕を持った枚数をセットすると考えられ、途中で用紙なし状態になることの頻度は少ないと考えられる。
再び手差しトレイ13に用紙をセットして印刷を再開した時は、用紙有りフラグは解除されているため、制御部は、印刷要求に対して給紙動作を行い、レジストセンサ8が用紙先端を検知した後に画像形成を開始する。
【0055】
前述のようにレジストセンサ8が用紙先端を検知しなかった場合の他、レジストセンサ8がレジストローラ駆動後の用紙後端を検知しなかった場合や定着排紙センサ9が用紙先端,後端の検知をしなかった場合など、用紙搬送異常(用紙ジャム)と判断したときにも用紙有りフラグを解除する。
また、用紙なし状態で画像形成をすることを極力防止するため、手差しトレイ13の用紙サイズ設定が変更された場合は手差しトレイ13から用紙が抜かれた可能性が有るため、用紙有りフラグを解除する。用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21が用紙検知信号を出力した場合も用紙有りフラグを解除する。
さらに、プリンタの電源がOFFされた場合,省電力モードに入った場合なども、手差しトレイにセットした用紙が抜かれる可能性があるため用紙有りフラグを解除する。
【0056】
なお、第1実施例と第1変形例の制御方式をモードとして持ち、ユーザーのプリンタの使い方に応じて制御モードを切り換えるようにすることも可能である。
例えば、プリンタドライバに「小サイズモードの設定」という項目を設けて切り換える、プリンタ本体の操作部(オペレーションパネル)から「動作モードの設定」などで切り換える、というように構成することができる。
【0057】
[実施例2]
本発明に係る画像形成装置では、図3〜5および図10に示したように、手差しトレイ13に用紙の幅方向を規制する規制手段であるサイドフェンス22(22a,22b)を備えているが、このサイドフェンス22(22a,22b)の位置を図示省略の規制位置検知手段(サイドフェンス位置検知手段)により検知して自動的に用紙幅サイズを検出する方法は従来からよく知られている。
そこで、このサイドフェンス位置から手差しトレイ13に積載された用紙のサイズが用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で検知できないサイズであると判断することが可能であるので、第2実施例では、制御部が、規制位置検知手段(サイドフェンス位置検知手段)によりサイドフェンス22(22a,22b)の移動を検知したときは、その検知結果をトリガーに画像先行制御から紙先行制御に切り替える構成としたものである。以下、その制御動作について説明する。
【0058】
図14は、第2実施例の制御動作を示すフローチャートであり、手差しトレイのサイドフェンス位置検出を行い、用紙サイズが用紙有無検知手段で検知可能で有るか否かに応じて、通常のプリント動作を行う処理と、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する処理を行う場合の制御動作を説明する図である。
【0059】
図14に示す第2実施例のフローチャートの各ステップ(S−1〜S−23)における処理を以下に示す。
S−1:プリンタエンジンは1ページ毎に印刷要求を受け取る。
S−2:手差しトレイ13のサイドフェンス22(22a,22b)の位置をサイドフェンス位置検知手段で検出する。
S−3:手差しトレイ13のサイドフェンス位置情報から、セット用紙が用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知可能な用紙幅であるか判断する。用紙有無検知可能な用紙幅の時はS−4(画像先行制御)へ,用紙有無検知できない用紙幅のときはS−19(紙先行制御)へ進む。
S−4:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の情報からトレイに用紙があるかどうかを判断する。用紙無しの時はS−5へ,用紙有りの時はS−6へ進む。
S−5:「用紙をセットしてください」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示1)する。
S−6:用紙有りのときは、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−7:Bk用作像装置2aの感光体への画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングで給紙動作を開始する。
S−8:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−9へ,用紙を検知したときはS−10へ進む。
S−9:「用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示2)してジャム処理を促す。
S−10:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−11:2次転写部(中間転写ベルト3と2次転写ローラ5が当接する位置)で画像と用紙が同期するようにタイミングを合わせて画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を開始する。
S−12:用紙が2次転写部に到達して用紙に画像転写が開始される。
S−13:用紙が定着装置6に到達して用紙に画像定着が開始される。
S−14:レジストセンサ8が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−15:レジストセンサ8が用紙後端検知後、所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を停止する。
S−16:定着排紙センサ9が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−17:定着排紙センサ9が用紙後端検知後、所定のタイミングで用紙が排紙トレイに排出完了したと判断する。
S−18:用紙が排紙トレイに排出されたことで印刷要求に対する印刷を完了する。
S−19:S−3で手差しトレイ13のサイドフェンス位置情報から、セット用紙が用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知できない用紙幅と判断されるときは、直ちに給紙動作を開始する。
S−20:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−21へ,用紙を検知したときはS−22へ進む。
S−21:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−22:レジストセンサ8が用紙を検知したら、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−23:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−23後はS−11に移行し、上記のS−11〜S−18の処理を実行する
する。
【0060】
上記の第2実施例の制御動作は、手差しトレイのサイドフェンス(ジョガーフェンス)22(22a,22b)の位置が幅方向で用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21のフィラー21aよりも内側に移動したことをトリガーにする構成である。具体的には、プリンタエンジンの制御部は印刷要求を受けると、手差しトレイ13のサイドフェンス位置をサイドフェンス位置検知手段で検出し、サイドフェンス位置情報から手差しトレイ13にセットされた用紙が用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知可能な用紙幅かどうかを判断する。従って、本実施例では、制御部は、サイドフェンス位置情報から、用紙幅を自動検知できるので、操作部17で用紙サイズを設定する手間を省くことができる。
サイドフェンス位置の検出には従来から使われているような、サイドフェンスのラックと連動するピニオンギヤ部に設置したロータリエンコーダーや、サイドフェンスの移動に連動してスライドする接点位置を検出するスライド式位置検知基板などの検出手段を用いることができる。
【0061】
本実施例では、制御部は、サイドフェンス位置情報から、セット用紙が用紙有無検知可能な用紙幅と判断した場合は、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の情報により、用紙有りの場合は画像形成を開始して印刷を実行する(第1実施例で説明した画像先行制御と同じ動作)。また、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知できない用紙幅と判断した場合は、給紙動作を開始してレジストセンサ8により用紙を検出した後に画像形成を開始して印刷を実行する(第1実施例で説明した紙先行制御と同じ動作)。従って、用紙有無検知ができない小サイズ用紙に対してプリントを行なう際にも、用紙がない場合は画像形成を行なわないので、トナーを無駄に消費してしまうことがなく、2次転写ローラ等を汚してしまうことを防ぎ、プリント再開後のプリント用紙に裏汚れなどの画像不良が発生することを防止することができる。
【0062】
[変形例2]
上記の第2実施例の制御方式は、前述した第1変形例のような用紙有りフラグを用いた制御方式と組み合わせても実施可能であるので、その組み合わせた制御方式を第2変形例として以下に示す。
図15は、第2変形例の制御動作を示すフローチャートであり、手差しトレイのサイドフェンス位置検出を行い、用紙有無検知手段で検知可能で無い用紙幅の場合には、用紙有りフラグを設定して、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する処理を行う場合の制御動作を説明する図である。
【0063】
図15に示す変形例のフローチャートの各ステップ(S−1〜S−25)における処理を以下に示す。
S−1:プリンタエンジンは1ページ毎に印刷要求を受け取る。
S−2:手差しトレイ13のサイドフェンス22(22a,22b)の位置を検出する。
S−3:手差しトレイ13のサイドフェンス位置情報から、セット用紙が用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知可能な用紙幅であるか判断する。用紙有無検知可能な用紙幅の時はS−4へ,用紙有無検知できない用紙幅のときはS−5へ進む。
S−4:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知可能な用紙幅のときのフロー(通常の画像先行制御)は第1実施例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
S−5:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知できない用紙幅のときは、「用紙有りフラグ」をチェックする。「用紙有りフラグ」が設定されていないときはS−6(紙先行制御)へ、設定されているときはS−20(画像先行制御)へ進む。
S−6:「用紙有りフラグ」が設定されていないときは、直ちに給紙動作を開始する。
S−7:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−8へ,用紙を検知したときはS−9へ進む。
S−8:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−9:レジストセンサ8が用紙を検知したら、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−10:「用紙有りフラグ」を設定する。(「用紙有りフラグ」は解除されるまで設定を保持する)。
S−11:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−12:2次転写部(中間転写ベルト3と2次転写ローラ5が当接する位置)で画像と用紙が同期するようにタイミングを合わせて画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を開始する。
S−13:用紙が2次転写部に到達して用紙に画像転写が開始される。
S−14:用紙が定着装置6に到達して用紙に画像定着が開始される。
S−15:レジストセンサ8が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−16:レジストセンサ8が用紙後端検知後、所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を停止する。
S−17:定着排紙センサ9が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−18:定着排紙センサ9が用紙後端検知後、所定のタイミングで用紙が排紙トレイに排出完了したと判断する。
S−19:用紙が排紙トレイに排出されたことで印刷要求に対する印刷を完了する。
S−20:S−5で「用紙有りフラグ」が設定されているときは、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−21:Bk用作像装置2aの感光体への画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングで給紙動作を開始する。
S−22:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−23へ,用紙を検知したときはS−25へ進む。
S−23:レジストセンサ8が所定の時間までに用紙を検知しなかったときは、「用紙有りフラグ」を解除する。
S−24:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−25:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−25後はS−12に移行し、上記のS−12〜S−19の処理を実行する
する。
【0064】
以上のように、第2変形例では、第2実施例の制御方式と、第1変形例のような用紙有りフラグを用いた制御方式とを組み合わせて実施したものであり、第1の変形例とは、サイドフェンス22の位置検出をステップS−2に有している点で相違している。従って、この第2変形例では、第1変形例と同様の効果が得られるとともに、サイドフェンス位置情報から、用紙幅を自動検知できるので、操作部17で用紙サイズを設定する手間を省くことができる。
【符号の説明】
【0065】
1:露光装置
2a,2b,2c,2d:作像装置
3:中間転写ベルト
4:レジストローラ
5:2次転写ローラ
6:定着装置
7:排紙ローラ
8:レジストセンサ(用紙検知手段)
9:定着排紙センサ
10:給紙トレイ
11:給紙ローラ
12:分離手段
13:手差しトレイ
14:ピックアップローラ
15:給紙ローラ
16:用紙分離部材(分離手段)
17:操作部(用紙サイズ設定手段)
18:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)
21:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)
21a:フィラー部
21b:遮光部
22(22a,22b):サイドフェンス(規制手段)
23:短冊状用紙(幅狭用紙)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開平4−34463号公報
【特許文献2】特開2001−296785号公報
【特許文献3】特開平10−153893号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙搬送パスが画像形成パスよりも短い画像形成装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置における給紙搬送制御を大きく2つに分類すると、はじめに給紙を行い用紙の先端検知をトリガーとして画像形成を開始する制御方式(紙先行制御)と、はじめに画像形成を開始した後に画像にあわせて給紙搬送を行なう制御方式(画像先行制御)に分類することができる。
給紙位置から転写部までの紙搬送パスが画像形成パス(感光体への露光開始位置から転写部までの経路長さ、中間転写ベルトを有する場合には、露光開始位置から1次転写部までの長さ+1次転写部から2次転写部までの長さ=画像形成パス)よりも長い機械構成では、画像形成開始よりも前に給紙をスタートさせなければ画像と記録紙のタイミングを合わせることができないため、画像形成タイミングを用紙先端検知後に実施する紙先行制御とすることが理にかなっている。
【0003】
ここで従来技術として、特許文献1(特開平4−34463号公報)には、紙搬送パスが画像形成パスよりも長い機械構成給紙手段において、給紙される記録紙の先端を検知するまでの時間に基づいて画像形成タイミングを調整することが記載されており、上述の紙先行制御を開示している。
一方、紙搬送パスが画像形成パスよりも短い機械構成では、画像形成を開始した後に給紙搬送を行なう画像先行制御としたほうがレジストローラ等での用紙待機時間を短くすることができる為、生産性に関して有利となる画像先行制御を採用する。
【0004】
特許文献2(特開2001−296785号公報)には、紙搬送パスが画像形成パスよりも短い画像形成装置で、連続印刷時は給紙搬送時間を計測して次ページの印刷タイミングを調整することが記載されており、上述の画像先行制御を開示している。
【0005】
ところで、近年、B6ハーフサイズ等の幅狭用紙にも画像形成装置にて画像形成を行ないたいという要望がある。例えば、熨斗紙などの短冊状の用紙への印刷や、通常の定形サイズ用紙をミシン目により切離して使用する用紙で、未使用部分に印刷を行ないたいといった需要である。(B5サイズ用紙を長さ方向に4分割できるミシン目用紙で、3ヶ所に印刷した後あまった部分は、長さがB6で幅がB6の半分の用紙サイズ(B6ハーフ)になる。)
【0006】
そのような幅狭用紙に画像形成する場合、給紙部の手差しトレイに用紙を積載し、画像形成装置に給紙することになるが、手差しトレイは外光にさらされる部分であるため、光学検知センサを用紙有無検知手段として用いると誤検知の虞があるため、フィラー式センサ(用紙と接触して有無を検知するセンサ)を用いているが、フィラー式センサでは、ピックアップローラや給紙ローラの給紙コロとの配置の関係で、幅狭用紙を検知できず、用紙無しと判断してしまうためにこの様な用紙に対して画像形成することができなかった。
【0007】
特許文献3(特開平10−153893号公報)には、手差し給紙トレイに設けた用紙有無検知が用紙を検知した場合のみ複写可能とする第一の手差し給紙モードと用紙有無検知の出力結果に拘わらず複写可能とする第二の手差し給紙モードとを選択可能にする画像形成装置が記載されている。
【0008】
しかし、この特許文献3の構成では、第一,第二の手差し給紙モードにおいて、紙搬送パスと画像形成パスとの関係や画像形成タイミング,給紙タイミングをどのように制御するかについては何ら開示されていない。
仮に紙搬送パスが画像形成パスよりも短い機械構成であるとすると、上述の理由から画像先行制御を行うが、この時、幅狭用紙に画像形成するために上述の第二の手差し給紙モードを選択すると、使用者が誤って用紙をセットせずに印刷開始ボタンを押下した場合であっても感光体にトナー像が形成され、中間転写ベルトを用いる画像形成装置では中間転写ベルト上にトナー画像が形成されてしまうため、トナーを無駄に消費してしまうとともに、用紙に転写されなかったトナーがリカバリー時(不給紙ジャム状態からの復帰動作時)に2次転写ローラ等をトナーで汚してしまい、リカバリー後のプリント用紙に裏汚れなどが発生するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、紙搬送パスが画像形成パスよりも短い画像形成装置において、使用者が誤って用紙をセットせずに用紙有無検知できない用紙サイズの印刷を開始したときに、トナーの無駄な消費や紙に転写されなかったトナー画像による汚れを発生させない制御を行うことができる画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
(1):画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を用紙に転写する転写部と、前記画像形成部で形成された画像とタイミングを合わせて前記転写部に用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に対して用紙を供給する給紙部と、前記給紙部から給送された用紙を前記搬送手段の手前で検知する用紙検知手段を備え、前記給紙部から前記転写部までの紙搬送パスが、前記画像形成部の画像形成開始位置から前記転写部までの画像形成パスよりも短い画像形成装置において、前記給紙部に用紙有無検知手段を有し、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の前記用紙検知手段による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする(請求項1)。
(2):(1)に記載の画像形成装置において、前記画像形成部に複数の像担持体を有し、該複数の像担持体に形成した画像を中間転写体に重ね合わせて1次転写した後、前記中間転写体に転写した画像を用紙に2次転写する構成であり、最初に画像形成が開始される取り付け基準となる像担持体の露光位置から1次転写部までと、該1次転写部から2次転写部までの長さが前記画像形成パスであることを特徴とする(請求項2)。
(3):(1)または(2)に記載の画像形成装置において、前記給紙部の給紙トレイの給紙ローラまたは手差しトレイのピックアップローラの位置から、前記転写部または前記2次転写部までの長さが紙搬送パスであることを特徴とする(請求項3)。
(4):(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記用紙有無検知手段で検知できないと判断されるサイズの用紙に画像形成する場合は、給紙動作を行なって前記用紙検知手段が用紙を検知した後に画像形成を開始することを特徴とする(請求項4)。
(5):(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の画像形成装置において、用紙サイズ設定手段を有し、前記制御手段は、前記用紙サイズ設定手段により設定された用紙サイズから前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする(請求項5)。
(6):(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記給紙部の手差しトレイには、セット用紙の幅方向を規制する規制手段と、前記規制手段の位置を検知する規制位置検知手段を有し、前記制御手段は、前記規制手段の位置の検知結果から前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする(請求項6)。
(7):(6)に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記規制位置検知手段により前記規制手段の移動を検知したときは、その検知結果をトリガーに画像先行制御から紙先行制御に切り替えることを特徴とする(請求項7)。
(8):(1)乃至(7)のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記用紙有無検知手段として、前記給紙部の給紙トレイおよび手差しトレイにフィラー式のセンサを有することを特徴とする(請求項8)。
(9):(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記搬送手段は、前記用紙をセンター基準で搬送する構成であることを特徴とする(請求項9)。
【0011】
(10):画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を用紙に転写する転写部と、前記画像形成部で形成された画像とタイミングを合わせて前記転写部に用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に対して用紙を供給する給紙部と、前記給紙部から給送された用紙を前記搬送手段の手前で検知する用紙検知手段を備え、前記給紙部から前記転写部までの紙搬送パスが、前記画像形成部の画像形成開始位置から前記転写部までの画像形成パスよりも短い画像形成装置の制御方法において、前記給紙部に設けられた用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の前記用紙検知手段による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行うことを特徴とする(請求項10)。
(11):(10)に記載の画像形成装置の制御方法において、前記画像形成装置が、前記画像形成部に複数の像担持体を有し、該複数の像担持体に形成した画像を中間転写体に重ね合わせて1次転写した後、前記中間転写体に転写した画像を用紙に2次転写する構成の場合は、最初に画像形成が開始される取り付け基準となる像担持体の露光位置から1次転写部までと、該1次転写部から2次転写部までの長さを前記画像形成パスとしたことを特徴とする(請求項11)。
(12):(10)または(11)に記載の画像形成装置の制御方法において、前記給紙部の給紙トレイの給紙ローラまたは手差しトレイのピックアップローラの位置から、前記転写部または前記2次転写部までの長さを紙搬送パスとしたことを特徴とする(請求項12)。
(13):(10)乃至(12)のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、前記用紙有無検知手段で検知できないと判断されるサイズの用紙に画像形成する場合は、給紙動作を行ない、前記転写部に用紙を搬送する搬送手段の手前に設けた用紙検知手段が用紙を検知した後に画像形成を開始することを特徴とする(請求項13)。
(14):(10)乃至(13)のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、用紙サイズ設定手段により設定された用紙サイズから前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする(請求項14)。
(15):(10)乃至(14)のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、前記給紙部の手差しトレイに設けられた、セット用紙の幅方向を規制する規制手段の位置を検知する規制位置検知手段の検知結果から、前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする(請求項15)。
(16):(15)に記載の画像形成装置の制御方法において、前記規制位置検知手段により前記規制手段の移動を検知したときは、その検知結果をトリガーに画像先行制御から紙先行制御に切り替えることを特徴とする(請求項16)。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、紙搬送パスが画像形成パスよりも短い画像形成装置であっても、使用者が誤って用紙をセットせずに用紙有無検知できない用紙サイズの印刷を開始したときに、トナーの無駄な消費や紙に転写されなかったトナー画像による汚れを発生させないようにすることができる。また、用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、通常の画像先行制御を行なうので生産性を損なうことがない。
【0013】
また、本発明では、用紙有無検知手段で用紙を検知できない小サイズ用紙に対してプリントする場合は、用紙有無検知手段の情報を無視するとともに、画像形成前に給紙動作を行い、用紙への画像転写に対して搬送手段(レジスト部)で用紙待機が確認(用紙検知手段(レジストセンサ)が用紙先端を検知)できてから画像形成を行なうように制御するので、用紙有無検知ができない小サイズ用紙に対してプリントを行なう際にも、用紙がない場合は画像形成を行なわないので、トナーを無駄に消費してしまうことがなく、2次転写部の2次転写ローラ等を汚してしまうことを防ぎ、プリント再開後のプリント用紙に裏汚れなどの画像不良が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す図であって、電子写真方式の作像装置を有する小型フルカラープリンタの概略全体構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の画像形成部の作像動作について説明する図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の手差し給紙部の斜視図である。
【図4】図3に示す手差し給紙部の要部拡大図である。
【図5】図3に示す手差し給紙部の側断面図である。
【図6】レジストローラとレジストセンサフィラーの配置例を示す画像形成装置の要部正面図である。
【図7】レジストローラとレジストセンサフィラーの配置例を示す画像形成装置の要部斜視図である。
【図8】第1実施例の制御動作を示すフローチャートである。
【図9】通常のプリント動作時の画像先行制御の制御タイミングについて説明する図である。
【図10】手差しトレイに短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)をセットした状態について説明する図であり、(a)は手差しトレイにセットされた小サイズ用紙とサイドフェンス、ピックアップローラ、用紙有無検知フィラーを上方から見た図、(b)は手差しトレイにセットされた小サイズ用紙とサイドフェンス、ピックアップローラ、用紙有無検知フィラーを正面から見た図である。
【図11】短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する際の紙先行制御の制御タイミングについて説明する図である。
【図12】第1変形例の制御動作を示すフローチャートである。
【図13】短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する際の制御タイミングについて説明する図である。
【図14】第2実施例の制御動作を示すフローチャートである。
【図15】第2変形例の制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す図であって、電子写真方式の作像装置を有する小型フルカラープリンタの概略全体構成図である。
図1に示す小型フルカラープリンタでは、画像形成部として、例えばブラック(BK),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の順に各色のトナー像を像担持体(具体的には光導電性の感光体)に形成する作像装置2a,2b,2c,2dと、各作像装置2a,2b,2c,2dの感光体にレーザーで潜像を書き込む露光装置1と、各色のトナー像を重ね合わせるベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)3を備えている。Bk,C,M,Yの各色の作像装置2a,2b,2c,2dは、ドラム状の感光体と、その周囲に配置された帯電装置(図示省略)、現像装置(現像ローラのみを図示)、1次転写装置(図示省略)、クリーニング装置(図示省略)を備えており、帯電、露光、現像のプロセスを経て感光体上に各色のトナー像を形成し、1次転写装置により中間転写ベルト3に転写する。転写後の感光体はクリーニング装置で残留トナーを除去される。
【0016】
給紙部としては、給紙トレイ10と給紙ローラ11,分離手段12からなる本体給紙部と、手差しトレイ13,ピックアップローラ14,給紙ローラ15,分離手段16からなる手差し給紙部を備えている。また、それぞれの給紙部にはフィラー式のセンサからなる用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21を有している。
【0017】
給紙部(本体給紙部または手差し給紙部)から給送された用紙は、搬送手段であるレジストローラ4の手前で、用紙検知手段であるレジストセンサ8が用紙先端を検知し、先端がレジストローラ4に突き当たってたわみを形成して用紙の斜行を補正した後に、給紙ローラ11または給紙ローラ15とピックアップローラ14を停止して待機する。そして画像形成部で作像した画像と同期するようにタイミングを合わせてレジストローラ4を駆動し、用紙を2次転写ローラ5に搬送する。2次転写ローラ5で中間転写ベルト3から用紙に画像を転写し、定着装置6で用紙に画像を定着した後に排紙ローラ7から排紙トレイ上にプリント済み用紙を排出する。定着排紙センサ9は定着装置5から搬送された用紙の先端及び排紙ローラ7で排出される用紙の後端を検知して搬送異常がないことを監視する。操作部17は図示省略の制御部に対して用紙のサイズ,種類の設定を行なうことができ、また液晶画面によりプリンタの状態を表示することができる。
【0018】
なお、図1は小型フルカラープリンタの構成例であるが、排紙トレイの上方に原稿画像を読み取り画像データに変換処理する画像読取装置(イメージスキャナ)を設置すれば、小型フルカラー複写機の構成とすることができ、さらに外部回線との通信機能を備えることによりファクシミリの機能を有する小型フルカラー複合機の構成とすることができる。
【0019】
図2は、図1に示す画像形成装置の画像形成部の作像動作について説明する図である。
画像の基準色となるBKの画像が形成される最上流の作像装置2aの感光体のA点に露光装置1からレーザー光が照射されて感光体上に潜像が書き込まれ、B点にて現像装置によりBkトナー像が形成され、C点にて中間転写ベルト3上にBkトナー像が転写(1次転写)される。中間転写ベルト3は図2において反時計周りに回転駆動されており、他の色の作像装置2b、2c、2dでも感光体上にC,M,Yの各色のトナー像が形成され、中間転写ベルト3上に各色の作像装置2b,2c,2dの感光体から順次各色のトナー像が1次転写される。中間転写ベルト3上に形成された画像(Bk,C,M,Yのカラー画像)はD点を経てE点に達し、E点にて2次転写ローラ5によってレジストローラ4から搬送される用紙に転写(2次転写)される。
【0020】
上記の画像形成のスタートは、取り付け基準となるBk用作像装置2aの像担持体(感光体)のA点における露光(書き込み)開始位置であり、E点での用紙への2次転写に達するまでの画像形成経路長(画像形成パス)L1(A→B→C→D→E)は、給紙トレイ10から給紙ローラ11によって給送されレジストローラ4を経て2次転写ローラ5に到る給紙搬送経路長(紙搬送パス)L2や、手差しトレイ13からピックアップローラ14及び給紙ローラ15により給送されレジストローラ4を経て2次転写ローラ5に到る手差し給紙搬送経路長(紙搬送パス)L3よりも長くなっている。
【0021】
次に図3〜5は図1に示す画像形成装置の手差し給紙部の具体的な構成例を示しており、図3は手差し給紙部の斜視図、図4は手差し給紙部の要部拡大図、図5は手差し給紙部の側断面図である。
この手差し給紙部は、手差しトレイ13と、手差しトレイに設けられセット用紙の幅方向を規制する規制手段であるサイドフェンス22と、ピックアップローラ14と、給紙ローラ15と、分離手段である用紙分離部材16と、フィラー式のセンサからなる用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21と、規制手段(サイドフェンス)22の位置や移動を検知する規制位置検知手段(図示せず)を備えている。
【0022】
ここで手差し給紙部の各部の寸法の一例を以下に示す。
本実施形態の画像形成装置は、B6ハーフ(幅64mm,長さ182mm),3×5インチサイズ(幅76.2mm,長さ127mm)などの小サイズモード制御の実施を目的としているA4フルカラープリンタである。
手差し給紙の対応用紙幅は、幅64mm〜216mmであり、このうち、幅64mm以上90mm未満の用紙については小サイズモードとして専用の給紙搬送制御を行なう。尚、手差し給紙の対応用紙長さについては、手差し給紙トレイに積載可能な長さであれば良く、長さ127mm(3×5インチサイズの長さ)以上の用紙を用いることができる。
手差しトレイ13にはフィラー式のセンサからなる用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21を備えているが、幅40mmの給紙ローラ15が用紙搬送中心位置に配置され、給紙ローラ駆動ギヤ,給紙ローラ軸支持部を避けて用紙有無検知フィラー21の検知部(軸から突出したフィラー)は用紙搬送中心から約40mm離れた位置に配置している。部品寸法,組付け等のバラツキを考慮すると、用紙有無検知フィラー21で検知を保証できる最小用紙幅は約88mmになる。
【0023】
なお、本発明では、用紙をセンター基準で搬送する構成を採用している。この構成によるサイド基準に対するメリットを以下に記載する。
さまざまなサイズの用紙に対してセンター基準では搬送ローラ,搬送ガイド等を左右対称に配置することが可能になる。
対称に構成することにより初期から経時を含め搬送力,搬送速度などを均一(対称)に設定することが容易となり、スキュー等の搬送品質を維持することができる。
また、定着装置のヒーターの配勾をほぼ対称にすることができる、感光体や中間転写体など転写時に用紙と接触する機能部材の劣化に対しても偏向を生じることがない、等の効果もある。
【0024】
図6、図7は用紙をセンター基準で搬送する構成を採用した場合の搬送手段であるレジストローラ4と、用紙検知手段であるフィラー式のレジストセンサ(レジストセンサフィラー)8の配置例を示している。
用紙搬送手段としては、レジストローラ4の他に搬送ローラ等を備えているが、搬送ローラ構成については、センター基準の用紙搬送であっても搬送ローラは幅方向の中央部にコロを有している必要はない。通常の搬送ローラは2個のコロで構成して中央部にはコロを有していない。グリップ力が必要なグリップローラ等では3個のコロ構成で中央部にもコロを配置する場合が多い。ただし、幅狭用紙に対応する為には最小幅用紙に対しても十分ニップできる(少なくとも左右各5,6mm程度は必要)位置にコロを配置する必要がある。3個コロ構成の搬送ローラの場合でも中央1個のコロだけで用紙を搬送するのは不安定になるため、左右のコロも用紙をニップできるようにコロを配置する必要がある。また、排紙トレイに用紙を排出する排紙ローラでは、幅狭用紙に対するコシ付け,用紙後端の蹴り出しなどを考慮して中央部にコロを設けるのが望ましい。
【0025】
レジストセンサ(レジストセンサフィラー)8は用紙搬送幅方向の中央付近に配置するが、必ずしも中央位置に配置するとは限らない。穴開き用紙(あらかじめパンチ穴が開いた用紙)に対応する為、あえて中央を避けて配置する場合が多い(奇数穴の場合、中央部にパンチ穴が開いている可能性が高く、誤検知を防止するため穴を避けて位置を少しずらす)。本発明の実施形態では図6,7に示すように、用紙センターから10mmほどずらした位置にレジストセンサフィラー8の検知部(軸から突出したフィラー)を配置している。レジストセンサフィラー8は用紙にダメージを与えないように軽負荷で回動するように設計するため、フィラーにより用紙のスキューが発生することはない。また、レジストセンサフィラー8はレジストローラ4の上流に配置するため、多少のスキューはレジストローラで補正を行うことができるため問題とならない。本発明の実施形態ではレジストローラ4はほぼ最大用紙幅と同等の幅のゴム製駆動ローラ4aと最大用紙幅よりも広い幅の金属製従動ローラ4bとからなり、従来から一般に使用されているレジストローラと同様の構成である。
【0026】
本発明は、以上のような構成の小型フルカラープリンタにおいて、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21で用紙を検知できない小サイズ用紙(幅方向のサイズが小さい短冊状の幅狭用紙など)へのプリントに際して、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の用紙検知手段(レジストセンサ)8による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行う制御手段を備えたことを特徴としている。
すなわち、本発明は、通常のプリントではプリントスピードを確保するため、作像装置2a〜2dで感光体に画像形成を開始した後に、給紙トレイ10または手差しトレイ13からの給紙動作を行いレジストローラ4で一旦待機させ、中間転写ベルト3上の画像が2次転写部(2次転写ローラ5による用紙への転写部)に来るタイミングに合わせてレジストローラ4から用紙搬送を行なうが、用紙サイズの設定や検知結果から、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21が用紙の有無を検知できないと判断される場合は、印刷要求があったときに、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21の検知結果が用紙なしの状態で、最上流の作像装置2aで画像形成(感光体に対して露光して潜像を形成)する前に、給紙トレイ10または手差しトレイ13からレジストローラ4への給紙動作を行なって、用紙検知手段(レジストセンサ)8で用紙を検知した後に画像形成をスタートさせることが特徴になっている。
上記の特徴について、以下、具体的な実施例に基づいて解説する。
【実施例】
【0027】
画像形成装置(小型フルカラープリンタ)の制御手段である制御部(図示省略)は、マイクロコンピュータからなる中央演算処理装置(CPU)、制御用のプログラムや各種制御用データが記憶されるメモリ(ROM,RAM,不揮発RAM)、入出力装置、各種制御回路、クロック、タイマー等を備えており、前述した用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)18,21や用紙検知手段(レジストセンサ)8等の各種センサからの入力情報や、操作部17で設定された用紙サイズ等の設定情報に基づいてプリンタエンジン(画像形成部、給紙部、用紙搬送部、転写部等)の各部を制御し、以下に示す実施例1、実施例2や、変形例1、変形例2の制御動作を実行する。
【0028】
[実施例1]
図8は、第1実施例の制御動作を示すフローチャートであり、用紙有無検知手段で検知可能な用紙サイズか否かに応じて通常のプリント動作を行う処理と、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する処理を行う場合の制御動作を説明する図である。
【0029】
図8に示す第1実施例のフローチャートの各ステップ(S−1〜S−22)における処理を以下に示す。
S−1:プリンタエンジンは1ページ毎に印刷要求を受け取る。
S−2:操作部(用紙サイズ設定手段)17で設定された印刷サイズが用紙有無検知手段で検知可能な用紙サイズであるか判断する。印刷サイズが用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー18または21)で用紙有無検知可能サイズの時はS−3(画像先行制御)へ、用紙有無検知できないサイズの時はS−18(紙先行制御)へ進む。
S−3:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー18または21)の情報からトレイ(給紙トレイ10または手差しトレイ13)に用紙があるかどうかを判断する。用紙無しの時はS−4へ,用紙有りの時はS−5へ進む。
S−4:「用紙をセットしてください」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示1)する。
S−5:用紙有りのときは、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−6:最上流のBk用作像装置2aの感光体への画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングで給紙動作を開始する。
S−7:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−8へ,用紙を検知したときはS−9へ進む。
S−8:「用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示2)して、ジャム処理を促す。
S−9:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−10:2次転写部(中間転写ベルト3と2次転写ローラ5が当接する位置)で画像と用紙が同期するようにタイミングを合わせて画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を開始する。
S−11:用紙が2次転写部に到達して2次転写ローラ5により用紙に画像転写が開始される。
S−12:用紙が定着装置6に到達して用紙に画像定着が開始される。
S−13:レジストセンサ8が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−14:レジストセンサ8が用紙後端検知後、所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を停止する。
S−15:定着排紙センサ9が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−16:定着排紙センサ9が用紙後端検知後、所定のタイミングで用紙が排紙トレイに排出完了したと判断する。
S−17:用紙が排紙トレイに排出されたことで印刷要求に対する印刷を完了する。
S−18:S−2の用紙サイズの判断で、印刷サイズが用紙有無検知手段(手差しトレイ13の用紙有無検知フィラー21)で用紙有無検知できない用紙サイズの時は、直ちに給紙動作を開始する。
S−19:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−20へ,用紙を検知したときはS−21へ進む。
S−20:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−21:レジストセンサ8が用紙を検知したら、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−22:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−22後はS−10に移行し、上記のS−10〜S−17の処理を実行する
【0030】
上記の2つの制御ルートで、S−7からS−10までの時間とS−19からS−10までの時間が異なる。
S−7からS−9までの時間とS−19からS−22までの時間は同じなので、2つの制御ルートで、S−9からS−10までの時間とS−22からS−10までの時間が異なると言い換えることもできる。
【0031】
次に上記の制御動作について説明を補足する。
図9は、通常のプリント動作時(図8のS−3〜S−10)の画像先行制御の制御タイミングについて説明する図である。
画像形成パスである画像形成経路長L1は、紙搬送パスである給紙搬送経路長L2,手差し給紙搬送経路長L3よりも長くなっているため、印刷要求が出てプリンタが印刷を開始するときは、制御部は、操作部(用紙サイズ設定手段)17で指定された給紙部(給紙トレイ10または手差しトレイ13)に用紙があるかどうか、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー18または21)の情報を確認し、用紙有りの場合は露光装置1により最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に対する画像書き込みを開始する。用紙がなしの場合は操作部17に「用紙をセットしてください」などの用紙がないことを示すメッセージを表示(メッセージ表示1)する。
【0032】
次に制御部は、画像書き込み開始をトリガとして、所定の時間T2後に選択された給紙部(給紙トレイ10または手差しトレイ13)の給紙駆動(給紙ローラ11またはピックアップローラ14と給紙ローラ15の駆動)を開始する。時間T2は給紙部から2次転写ローラ5までの給紙搬送経路長(紙搬送パス)L2またはL3を搬送する為に必要な時間,レジストローラ4での用紙斜行補正及び待機時間に余裕度を加えた時間として給紙部ごとに設定したタイミングである。
【0033】
給紙駆動開始後、レジストセンサ8が用紙先端を検知するのを待ち、用紙検知から用紙先端がレジストローラ4に到達して斜行補正のためのたわみを形成したタイミングで給紙ローラ駆動を停止して用紙をレジストローラ部で待機させる。給紙駆動開始からあらかじめ決められたタイミングまでにレジストセンサ8が用紙を検知しなかった場合は、給紙搬送異常としてプリンタの画像形成部の作像及び給紙部の給紙駆動を停止し、操作部17に「用紙ミスフィード」などの給紙ジャムが発生したことを示すメッセージを表示(メッセージ表示2)する。
【0034】
画像書き込み開始から所定の時間T1後にレジストローラ4を駆動して待機している用紙を中間転写ベルト3と2次転写ローラ5からなる2次転写部に搬送する。時間T1は2次転写部において画像形成部で形成した画像と用紙の同期をとるために、画像形成経路長(画像形成パス)L1とレジストローラ4から2次転写部までの用紙搬送経路長から決まるタイミングである。レジストローラ4を駆動した後はレジストセンサ8が用紙後端を検知するのをトリガとして、用紙後端がレジストローラ4を抜けたタイミングでレジストローラ4を停止させる。
【0035】
複数枚の用紙に連続して印刷を行なう場合は、1枚目の画像書き込みをスタートした後、所定の時間T0後に2枚目の画像書き込みをスタートし、以後、一定の間隔T0で画像形成を行なう。用紙の給紙搬送はそれぞれの画像書き込みタイミングからT2後に給紙ローラ駆動,T1後にレジストローラ駆動を行い、1枚目と同様の処理で用紙に画像を転写し、定着装置6での画像定着を経て排紙ローラ7から排紙トレイ上に排出する。
【0036】
図10は、手差しトレイに短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)をセットした状態について説明する図であり、(a)は手差しトレイにセットされた小サイズ用紙とサイドフェンス、ピックアップローラ、用紙有無検知フィラーを上方から見た図、(b)は手差しトレイにセットされた小サイズ用紙とサイドフェンス、ピックアップローラ、用紙有無検知フィラーを正面から見た図である。
手差しトレイ13はさまざまな紙種,サイズの用紙に対応することが要求される。そのなかに幅方向のサイズが極端に小さい用紙に印刷を行ないたいという需要がある。例えば、熨斗紙など短冊状の用紙への印刷や、通常の定形サイズ用紙をミシン目により切離して使用する用紙で、未使用部分に印刷を行ないたいといった需要である。例えばB5サイズ用紙を長さ方向に4分割できるミシン目用紙で、3ヶ所に印刷した後、余った部分は、長さがB6で幅がB6の半分の用紙サイズ(B6ハーフ)になる。
【0037】
手差しトレイ13はプリンタ本体の機外にトレイ部分が露出している為、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21をピックアップローラ14等の給紙手段の近傍に配置することが多い。実施例では図1に示すように用紙搬送方向と直行する投影面内では用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21はピックアップローラ14の極近傍又はほぼ重なった位置に配置している。
【0038】
図10に示すように、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21は手差しトレイ13に積載した用紙の上面に接地するフィラー部21aとフィラー部21aの角度位置と連動する遮光部21bを有し、図示しない透過型フォトインタラプタを遮光部21bが遮光するか否かで用紙の有無を検知する。フィラー部21aは幅方向でピックアップローラ14の外側に配置する必要があるため、用紙幅が小さい短冊状用紙23では、フィラー部21aが用紙幅の外側になってしまい、用紙有無を検知することができない。用紙積載した状態でも用紙検知できず、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の出力は用紙無しとなる。
【0039】
このため、操作部17からの入力により、手差しトレイ13の用紙サイズが用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で検知できないサイズ(用紙の幅方向端面がフィラー部21a位置よりも内側になるサイズ)に設定された場合は、制御部は用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の出力を無視する。すなわち、小サイズ用紙(幅方向のサイズが小さい短冊状の幅狭用紙など)へのプリントに際して、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の用紙検知手段(レジストセンサフィラー)8による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行う。
【0040】
図11は、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する際(図8のS−18〜S−10)の紙先行制御の制御タイミングについて説明する図である。
操作部(用紙サイズ設定手段)17で設定された印刷サイズが用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21が用紙の有無を検知できない用紙サイズと判断した場合は、制御部は、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の出力を無視する。この用紙サイズに対して印刷要求がでてプリンタが印刷を開始するときは、まず手差しトレイ13のピックアップローラ14及び給紙ローラ15の駆動を開始する。手差しトレイ13に用紙がセットされている場合は、給送された用紙の先端をレジストセンサ8が検知する。レジストセンサ8が用紙検知後、画像書き込みをスタートさせて画像形成を開始する。ピックアップローラ14及び給紙ローラ15は、レジストセンサ8が用紙先端を検知した後、用紙先端がレジストローラ4に到達して斜行補正のためのたわみを形成したタイミングで駆動を停止して用紙をレジストローラ部で待機させる。
【0041】
手差しトレイ13からの給紙開始から予め決められたタイミングまでにレジストセンサ8が用紙を検知しなかった場合は、手差しトレイ13に用紙がセットされていないか、給紙搬送異常が生じたと判断して給紙部の駆動を停止し、操作部17に「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」など手差しトレイ13に用紙がセットされているか確認を促すメッセージを表示(メッセージ表示3)する。このため、手差しトレイ13に用紙がセットされていない場合も、レジストセンサ8が用紙を検知するまで画像形成を行なわないので、トナーを無駄に消費してしまったり、リカバリー時に中間転写ベルト3上の未転写トナーで2次転写ローラ5を汚してしまうことを防止することができる。
【0042】
画像形成開始後は、画像書き込み開始から所定の時間T1後にレジストローラ4を駆動して待機している用紙を中間転写ベルト3と2次転写ローラ5からなる2次転写部に搬送する。時間T1は2次転写部において画像形成部で形成した画像と用紙の同期をとるために、画像形成経路長(画像形成パス)L1とレジストローラ4から2次転写部までの用紙搬送経路長から決まるタイミングである。レジストローラ4を駆動した後はレジストセンサ8が用紙後端を検知するのをトリガとして、用紙後端がレジストローラ4を抜けたタイミングでレジストローラ4を停止させる。
【0043】
複数枚の用紙に連続して印刷を行なう場合は、1枚目のレジストローラ駆動を開始した後、所定の時間T3後に2枚目の給紙駆動をスタートし、用紙先端をレジストセンサ8が検知した後、画像書き込みをスタートさせて2枚目の画像形成を行なう。時間T3は1枚目の用紙後端がレジストセンサ8をOFFするタイミングと手差しトレイ13から給送された2枚目の用紙先端がレジストセンサ8をONするタイミングが前後せず、レジストセンサ8のOFF状態の時間が確保できるように設定したタイミングである。2枚目も1枚目と同様にレジストローラ部で用紙を待機させ、画像書き込み開始から時間T1後にレジストローラ4を駆動して用紙に画像を転写し定着装置6を経て排紙ローラ7から排紙トレイ上に用紙を排出する。
3枚目以降も同様の処理,制御タイミングで印刷を行なう。
【0044】
以上説明したように、本実施例では、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙を検知できない小サイズ用紙に対してプリントする場合は、制御部は用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の情報を無視するとともに、画像形成前に給紙動作を行い、用紙への画像転写に対してレジスト部で用紙待機が確認(レジストセンサ8が用紙先端を検知)できてから画像形成を行なうように制御するので、用紙有無検知ができない小サイズ用紙に対してプリントを行なう際にも、用紙がない場合は画像形成を行なわないので、トナーを無駄に消費してしまうことがなく、2次転写ローラ等を汚してしまうことを防ぎ、プリント再開後のプリント用紙に裏汚れなどの画像不良が発生することを防止することができる。
【0045】
[変形例1]
次に、本発明の変形例として、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー21)で検知できないと判断されるサイズの用紙に画像形成する場合は、給紙動作を行なって用紙検知手段(レジストセンサ8)が用紙を検知した後に画像形成を開始するとともに用紙有りのフラグを設定し、用紙有りのフラグが設定されている時は、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー21)で検知できないと判断されるサイズの用紙に対しても、給紙動作よりも先に画像形成を開始するという制御を行うこともできる。
また、この制御の場合には、
(1)給紙動作開始後に用紙検知手段(レジストセンサ8)により所定のタイミングまでに用紙が検知されなかった場合は、用紙有りフラグを解除する、
(2)ジャムが発生したときには、用紙有りフラグを解除する、
(3)用紙サイズが変更されたと判断したときには、用紙有りフラグを解除する、
(4)用紙有りフラグは電源OFFまたは省電力モードに移行したときに解除される、
等の制御が行われる。
【0046】
図12は、第1変形例の制御動作を示すフローチャートであり、用紙有無検知手段で検知可能でない用紙サイズの場合には、用紙有りフラグを設定して、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する処理を行う場合の制御動作を説明する図である。
【0047】
図12に示す第1変形例のフローチャートの各ステップ(S−1〜S−24)における処理を以下に示す。
S−1:プリンタエンジンは1ページ毎に印刷要求を受け取る。
S−2:操作部(用紙サイズ設定手段)17で設定された印刷サイズが用紙有無検知手段で検知可能な用紙サイズであるか判断する。印刷サイズが用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー18または21)で用紙有無検知可能サイズの時はS−3へ、用紙有無検知できないサイズの時はS−4へ進む。
S−3:用紙有無検知センサ(用紙有無検知フィラー18または21)で用紙有無検知可能なサイズのときのフローは第1実施例(図8のS−3〜S−17)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
S−4:用紙有無検知できないサイズのときは、「用紙有りフラグ」をチェックする。「用紙有りフラグ」が設定されていないときはS−5(紙先行制御)へ、設定されているときはS−19(画像先行制御)へ進む。
S−5:「用紙有りフラグ」が設定されていないときは、直ちに給紙動作を開始する。
S−6:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−7へ,用紙を検知したときはS−8へ進む。
S−7:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−8:レジストセンサ8が用紙を検知したら、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−9:「用紙有りフラグ」を設定する。(「用紙有りフラグ」は解除されるまで設定を保持する。)
S−10:レジストセンサが用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−11:2次転写部(中間転写ベルト3と2次転写ローラ5が当接する位置)で画像と用紙が同期するようにタイミングを合わせて画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を開始する。
S−12:用紙が2次転写部に到達して用紙に画像転写が開始される。
S−13:用紙が定着装置6に到達して用紙に画像定着が開始される。
S−14:レジストセンサ8が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−15:レジストセンサ8が用紙後端検知後、所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を停止する。
S−16:定着排紙センサが用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−17:定着排紙センサが用紙後端検知後、所定のタイミングで用紙が排紙トレイに排出完了したと判断する。
S−18:用紙が排紙トレイに排出されたことで印刷要求に対する印刷を完了する。
S−19:S−4で「用紙有りフラグ」が設定されているときは、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−20:最上流のBk用作像装置2aの感光体への画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングで給紙動作を開始する。
S−21:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−22へ,用紙を検知したときはS−24へ進む。
S−22:レジストセンサ8が所定の時間までに用紙を検知しなかったときは、「用紙有りフラグ」を解除する。
S−23:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−24:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−24後はS−11に移行し、上記のS−11〜S−18の処理を実行する。
【0048】
次に上記の制御動作について説明を補足する。
図13は、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する際の制御タイミングについて説明する図である。
前述の図11に示す第1実施例の制御タイミングでは1枚毎にレジストセンサ8が用紙を検知した後に画像形成を開始するため、画像が画像形成経路長L1を搬送されてくる間、用紙はレジストローラ部で待機するので待機時間が長くなり、複数枚プリントするときは生産性が低下することがある。そこで、手差しトレイ13の用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21が用紙の有無を検知できない用紙サイズと判断した場合の変形例として、図13に示す制御タイミングとすることが可能である。
制御部は、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21が用紙の有無を検知できない用紙サイズと判断した場合は、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の出力を無視し、最初の印刷要求に対しては、第1の実施例と同様に紙先行制御の処理(図12のS−5〜S−10)に従い手差しトレイ13のピックアップローラ14及び給紙ローラ15の駆動を開始する。
【0049】
手差しトレイ13に用紙がセットされている場合は、給送された用紙の先端をレジストセンサ8が検知する。制御部は、レジストセンサ8が用紙検知後、画像書き込みをスタートさせて画像形成を開始するとともに、用紙有りフラグを設定する。ピックアップローラ14及び給紙ローラ15は、レジストセンサ8が用紙先端を検知した後、用紙先端がレジストローラ4に到達して斜行補正のためのたわみを形成したタイミングで駆動を停止して用紙をレジストローラ部で待機させる。
【0050】
手差しトレイ13からの給紙開始から予め決められたタイミングまでにレジストセンサ8が用紙を検知しなかった場合は、制御部は手差しトレイ13に用紙がセットされていないか、給紙搬送異常が生じたと判断して給紙部の駆動を停止し、操作部17に「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」など手差しトレイ13に用紙がセットされているか確認を促すメッセージを表示(メッセージ表示3)する。
画像形成開始後は、画像書き込み開始から所定の時間T1後にレジストローラ4を駆動して待機している用紙を中間転写ベルト3と2次転写ローラ5からなる2次転写部に搬送する。レジストローラ4を駆動した後はレジストセンサ8が用紙後端を検知するのをトリガとして、用紙後端がレジストローラ4を抜けたタイミングでレジストローラ4を停止させる。
【0051】
2回目以降の印刷要求に対しては、用紙有りフラグが設定されているので、画像先行制御に移行し、画像書き込みを行い画像形成をスタートさせる。画像書き込みスタートから時間T2後にピックアップローラ14,給紙ローラ15を駆動開始して用紙の給送を行なう。その後は通常の(用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21が用紙を検知できる)用紙サイズと同様の制御タイミングでプリント動作を実施する。
【0052】
したがって、複数枚の用紙に連続印刷を行なう場合は、2枚目以降は1枚目の画像書き出しスタートから所定の時間T0後に2枚目の画像書き込みをスタートし、以後、一定の間隔T0で画像形成を行なう。用紙の給紙搬送はそれぞれの画像書き込みタイミングからT2後に給紙ローラ駆動,T1後にレジストローラ駆動を行い、用紙に画像を転写し、定着装置6での画像定着を経て排紙ローラ7から排紙トレイ上に排出する。このため、2枚目以降は通常と同様の間隔で印刷を行なうことができ、生産性が低下することがない。
【0053】
手差しトレイ13にセットされた用紙がなくなった場合はレジストセンサ8で用紙先端が検知されないので、制御部は、手差しトレイ13に用紙がなくなったか、給紙搬送異常が生じたと判断して給紙部の駆動及び画像書き込みを停止し、用紙有りフラグを解除して、操作部17に「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」など手差しトレイ13に用紙が有るか確認を促すメッセージを表示(メッセージ表示3)する。この場合は既に画像形成をスタートしているため、中間転写ベルト上にはトナー像が形成されているが、通常のジャムの場合と同様にリカバリー処理を行なう。
【0054】
特殊な用紙サイズである短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に対して印刷を行なう場合は、印刷する枚数に対して用紙セット枚数は同じ枚数又は余裕を持った枚数をセットすると考えられ、途中で用紙なし状態になることの頻度は少ないと考えられる。
再び手差しトレイ13に用紙をセットして印刷を再開した時は、用紙有りフラグは解除されているため、制御部は、印刷要求に対して給紙動作を行い、レジストセンサ8が用紙先端を検知した後に画像形成を開始する。
【0055】
前述のようにレジストセンサ8が用紙先端を検知しなかった場合の他、レジストセンサ8がレジストローラ駆動後の用紙後端を検知しなかった場合や定着排紙センサ9が用紙先端,後端の検知をしなかった場合など、用紙搬送異常(用紙ジャム)と判断したときにも用紙有りフラグを解除する。
また、用紙なし状態で画像形成をすることを極力防止するため、手差しトレイ13の用紙サイズ設定が変更された場合は手差しトレイ13から用紙が抜かれた可能性が有るため、用紙有りフラグを解除する。用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21が用紙検知信号を出力した場合も用紙有りフラグを解除する。
さらに、プリンタの電源がOFFされた場合,省電力モードに入った場合なども、手差しトレイにセットした用紙が抜かれる可能性があるため用紙有りフラグを解除する。
【0056】
なお、第1実施例と第1変形例の制御方式をモードとして持ち、ユーザーのプリンタの使い方に応じて制御モードを切り換えるようにすることも可能である。
例えば、プリンタドライバに「小サイズモードの設定」という項目を設けて切り換える、プリンタ本体の操作部(オペレーションパネル)から「動作モードの設定」などで切り換える、というように構成することができる。
【0057】
[実施例2]
本発明に係る画像形成装置では、図3〜5および図10に示したように、手差しトレイ13に用紙の幅方向を規制する規制手段であるサイドフェンス22(22a,22b)を備えているが、このサイドフェンス22(22a,22b)の位置を図示省略の規制位置検知手段(サイドフェンス位置検知手段)により検知して自動的に用紙幅サイズを検出する方法は従来からよく知られている。
そこで、このサイドフェンス位置から手差しトレイ13に積載された用紙のサイズが用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で検知できないサイズであると判断することが可能であるので、第2実施例では、制御部が、規制位置検知手段(サイドフェンス位置検知手段)によりサイドフェンス22(22a,22b)の移動を検知したときは、その検知結果をトリガーに画像先行制御から紙先行制御に切り替える構成としたものである。以下、その制御動作について説明する。
【0058】
図14は、第2実施例の制御動作を示すフローチャートであり、手差しトレイのサイドフェンス位置検出を行い、用紙サイズが用紙有無検知手段で検知可能で有るか否かに応じて、通常のプリント動作を行う処理と、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する処理を行う場合の制御動作を説明する図である。
【0059】
図14に示す第2実施例のフローチャートの各ステップ(S−1〜S−23)における処理を以下に示す。
S−1:プリンタエンジンは1ページ毎に印刷要求を受け取る。
S−2:手差しトレイ13のサイドフェンス22(22a,22b)の位置をサイドフェンス位置検知手段で検出する。
S−3:手差しトレイ13のサイドフェンス位置情報から、セット用紙が用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知可能な用紙幅であるか判断する。用紙有無検知可能な用紙幅の時はS−4(画像先行制御)へ,用紙有無検知できない用紙幅のときはS−19(紙先行制御)へ進む。
S−4:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の情報からトレイに用紙があるかどうかを判断する。用紙無しの時はS−5へ,用紙有りの時はS−6へ進む。
S−5:「用紙をセットしてください」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示1)する。
S−6:用紙有りのときは、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−7:Bk用作像装置2aの感光体への画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングで給紙動作を開始する。
S−8:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−9へ,用紙を検知したときはS−10へ進む。
S−9:「用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示2)してジャム処理を促す。
S−10:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−11:2次転写部(中間転写ベルト3と2次転写ローラ5が当接する位置)で画像と用紙が同期するようにタイミングを合わせて画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を開始する。
S−12:用紙が2次転写部に到達して用紙に画像転写が開始される。
S−13:用紙が定着装置6に到達して用紙に画像定着が開始される。
S−14:レジストセンサ8が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−15:レジストセンサ8が用紙後端検知後、所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を停止する。
S−16:定着排紙センサ9が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−17:定着排紙センサ9が用紙後端検知後、所定のタイミングで用紙が排紙トレイに排出完了したと判断する。
S−18:用紙が排紙トレイに排出されたことで印刷要求に対する印刷を完了する。
S−19:S−3で手差しトレイ13のサイドフェンス位置情報から、セット用紙が用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知できない用紙幅と判断されるときは、直ちに給紙動作を開始する。
S−20:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−21へ,用紙を検知したときはS−22へ進む。
S−21:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−22:レジストセンサ8が用紙を検知したら、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−23:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−23後はS−11に移行し、上記のS−11〜S−18の処理を実行する
する。
【0060】
上記の第2実施例の制御動作は、手差しトレイのサイドフェンス(ジョガーフェンス)22(22a,22b)の位置が幅方向で用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21のフィラー21aよりも内側に移動したことをトリガーにする構成である。具体的には、プリンタエンジンの制御部は印刷要求を受けると、手差しトレイ13のサイドフェンス位置をサイドフェンス位置検知手段で検出し、サイドフェンス位置情報から手差しトレイ13にセットされた用紙が用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知可能な用紙幅かどうかを判断する。従って、本実施例では、制御部は、サイドフェンス位置情報から、用紙幅を自動検知できるので、操作部17で用紙サイズを設定する手間を省くことができる。
サイドフェンス位置の検出には従来から使われているような、サイドフェンスのラックと連動するピニオンギヤ部に設置したロータリエンコーダーや、サイドフェンスの移動に連動してスライドする接点位置を検出するスライド式位置検知基板などの検出手段を用いることができる。
【0061】
本実施例では、制御部は、サイドフェンス位置情報から、セット用紙が用紙有無検知可能な用紙幅と判断した場合は、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21の情報により、用紙有りの場合は画像形成を開始して印刷を実行する(第1実施例で説明した画像先行制御と同じ動作)。また、用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知できない用紙幅と判断した場合は、給紙動作を開始してレジストセンサ8により用紙を検出した後に画像形成を開始して印刷を実行する(第1実施例で説明した紙先行制御と同じ動作)。従って、用紙有無検知ができない小サイズ用紙に対してプリントを行なう際にも、用紙がない場合は画像形成を行なわないので、トナーを無駄に消費してしまうことがなく、2次転写ローラ等を汚してしまうことを防ぎ、プリント再開後のプリント用紙に裏汚れなどの画像不良が発生することを防止することができる。
【0062】
[変形例2]
上記の第2実施例の制御方式は、前述した第1変形例のような用紙有りフラグを用いた制御方式と組み合わせても実施可能であるので、その組み合わせた制御方式を第2変形例として以下に示す。
図15は、第2変形例の制御動作を示すフローチャートであり、手差しトレイのサイドフェンス位置検出を行い、用紙有無検知手段で検知可能で無い用紙幅の場合には、用紙有りフラグを設定して、短冊状の小サイズ用紙(幅狭用紙)に印刷する処理を行う場合の制御動作を説明する図である。
【0063】
図15に示す変形例のフローチャートの各ステップ(S−1〜S−25)における処理を以下に示す。
S−1:プリンタエンジンは1ページ毎に印刷要求を受け取る。
S−2:手差しトレイ13のサイドフェンス22(22a,22b)の位置を検出する。
S−3:手差しトレイ13のサイドフェンス位置情報から、セット用紙が用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知可能な用紙幅であるか判断する。用紙有無検知可能な用紙幅の時はS−4へ,用紙有無検知できない用紙幅のときはS−5へ進む。
S−4:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知可能な用紙幅のときのフロー(通常の画像先行制御)は第1実施例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
S−5:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)21で用紙有無検知できない用紙幅のときは、「用紙有りフラグ」をチェックする。「用紙有りフラグ」が設定されていないときはS−6(紙先行制御)へ、設定されているときはS−20(画像先行制御)へ進む。
S−6:「用紙有りフラグ」が設定されていないときは、直ちに給紙動作を開始する。
S−7:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−8へ,用紙を検知したときはS−9へ進む。
S−8:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−9:レジストセンサ8が用紙を検知したら、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−10:「用紙有りフラグ」を設定する。(「用紙有りフラグ」は解除されるまで設定を保持する)。
S−11:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−12:2次転写部(中間転写ベルト3と2次転写ローラ5が当接する位置)で画像と用紙が同期するようにタイミングを合わせて画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を開始する。
S−13:用紙が2次転写部に到達して用紙に画像転写が開始される。
S−14:用紙が定着装置6に到達して用紙に画像定着が開始される。
S−15:レジストセンサ8が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−16:レジストセンサ8が用紙後端検知後、所定のタイミングでレジストローラ4の駆動を停止する。
S−17:定着排紙センサ9が用紙後端を検知する(センサ情報:用紙有り→無し)。
S−18:定着排紙センサ9が用紙後端検知後、所定のタイミングで用紙が排紙トレイに排出完了したと判断する。
S−19:用紙が排紙トレイに排出されたことで印刷要求に対する印刷を完了する。
S−20:S−5で「用紙有りフラグ」が設定されているときは、最上流のBk用作像装置2aから順に各作像装置2a〜2dの感光体に露光を開始して画像形成を行う。
S−21:Bk用作像装置2aの感光体への画像書き込み(露光)開始から所定のタイミングで給紙動作を開始する。
S−22:所定の時間までにレジストセンンサ8が用紙を検知するかレジストセンサ情報をチェックする。所定の時間までに用紙を検知しなかったときはS−23へ,用紙を検知したときはS−25へ進む。
S−23:レジストセンサ8が所定の時間までに用紙を検知しなかったときは、「用紙有りフラグ」を解除する。
S−24:「用紙がセットされていない、または、用紙ミスフィード」等のメッセージを操作部17に表示(メッセージ表示3)し、用紙がセットされているか確認を促す。
S−25:レジストセンサ8が用紙検知後、所定のタイミングで給紙駆動を停止して用紙を待機させる。
S−25後はS−12に移行し、上記のS−12〜S−19の処理を実行する
する。
【0064】
以上のように、第2変形例では、第2実施例の制御方式と、第1変形例のような用紙有りフラグを用いた制御方式とを組み合わせて実施したものであり、第1の変形例とは、サイドフェンス22の位置検出をステップS−2に有している点で相違している。従って、この第2変形例では、第1変形例と同様の効果が得られるとともに、サイドフェンス位置情報から、用紙幅を自動検知できるので、操作部17で用紙サイズを設定する手間を省くことができる。
【符号の説明】
【0065】
1:露光装置
2a,2b,2c,2d:作像装置
3:中間転写ベルト
4:レジストローラ
5:2次転写ローラ
6:定着装置
7:排紙ローラ
8:レジストセンサ(用紙検知手段)
9:定着排紙センサ
10:給紙トレイ
11:給紙ローラ
12:分離手段
13:手差しトレイ
14:ピックアップローラ
15:給紙ローラ
16:用紙分離部材(分離手段)
17:操作部(用紙サイズ設定手段)
18:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)
21:用紙有無検知手段(用紙有無検知フィラー)
21a:フィラー部
21b:遮光部
22(22a,22b):サイドフェンス(規制手段)
23:短冊状用紙(幅狭用紙)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開平4−34463号公報
【特許文献2】特開2001−296785号公報
【特許文献3】特開平10−153893号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を用紙に転写する転写部と、前記画像形成部で形成された画像とタイミングを合わせて前記転写部に用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に対して用紙を供給する給紙部と、前記給紙部から給送された用紙を前記搬送手段の手前で検知する用紙検知手段を備え、前記給紙部から前記転写部までの紙搬送パスが、前記画像形成部の画像形成開始位置から前記転写部までの画像形成パスよりも短い画像形成装置において、
前記給紙部に用紙有無検知手段を有し、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の前記用紙検知手段による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記画像形成部に複数の像担持体を有し、該複数の像担持体に形成した画像を中間転写体に重ね合わせて1次転写した後、前記中間転写体に転写した画像を用紙に2次転写する構成であり、最初に画像形成が開始される取り付け基準となる像担持体の露光位置から1次転写部までと、該1次転写部から2次転写部までの長さが前記画像形成パスであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像形成装置において、
前記給紙部の給紙トレイの給紙ローラまたは手差しトレイのピックアップローラの位置から、前記転写部または前記2次転写部までの長さが紙搬送パスであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記用紙有無検知手段で検知できないと判断されるサイズの用紙に画像形成する場合は、給紙動作を行なって前記用紙検知手段が用紙を検知した後に画像形成を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
用紙サイズ設定手段を有し、前記制御手段は、前記用紙サイズ設定手段により設定された用紙サイズから前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記給紙部の手差しトレイには、セット用紙の幅方向を規制する規制手段と、前記規制手段の位置を検知する規制位置検知手段を有し、前記制御手段は、前記規制手段の位置の検知結果から前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記規制位置検知手段により前記規制手段の移動を検知したときは、その検知結果をトリガーに画像先行制御から紙先行制御に切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記用紙有無検知手段として、前記給紙部の給紙トレイおよび手差しトレイにフィラー式のセンサを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記搬送手段は、前記用紙をセンター基準で搬送する構成であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を用紙に転写する転写部と、前記画像形成部で形成された画像とタイミングを合わせて前記転写部に用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に対して用紙を供給する給紙部と、前記給紙部から給送された用紙を前記搬送手段の手前で検知する用紙検知手段を備え、前記給紙部から前記転写部までの紙搬送パスが、前記画像形成部の画像形成開始位置から前記転写部までの画像形成パスよりも短い画像形成装置の制御方法において、
前記給紙部に設けられた用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の前記用紙検知手段による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行うことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成装置の制御方法において、
前記画像形成装置が、前記画像形成部に複数の像担持体を有し、該複数の像担持体に形成した画像を中間転写体に重ね合わせて1次転写した後、前記中間転写体に転写した画像を用紙に2次転写する構成の場合は、最初に画像形成が開始される取り付け基準となる像担持体の露光位置から1次転写部までと、該1次転写部から2次転写部までの長さを前記画像形成パスとしたことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
請求項10または11記載の画像形成装置の制御方法において、
前記給紙部の給紙トレイの給紙ローラまたは手差しトレイのピックアップローラの位置から、前記転写部または前記2次転写部までの長さを紙搬送パスとしたことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、
前記用紙有無検知手段で検知できないと判断されるサイズの用紙に画像形成する場合は、給紙動作を行ない、前記転写部に用紙を搬送する搬送手段の手前に設けた用紙検知手段が用紙を検知した後に画像形成を開始することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
請求項10乃至13のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、
用紙サイズ設定手段により設定された用紙サイズから前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、
前記給紙部の手差しトレイに設けられた、セット用紙の幅方向を規制する規制手段の位置を検知する規制位置検知手段の検知結果から、前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項16】
請求項15記載の画像形成装置の制御方法において、
前記規制位置検知手段により前記規制手段の移動を検知したときは、その検知結果をトリガーに画像先行制御から紙先行制御に切り替えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項1】
画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を用紙に転写する転写部と、前記画像形成部で形成された画像とタイミングを合わせて前記転写部に用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に対して用紙を供給する給紙部と、前記給紙部から給送された用紙を前記搬送手段の手前で検知する用紙検知手段を備え、前記給紙部から前記転写部までの紙搬送パスが、前記画像形成部の画像形成開始位置から前記転写部までの画像形成パスよりも短い画像形成装置において、
前記給紙部に用紙有無検知手段を有し、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の前記用紙検知手段による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記画像形成部に複数の像担持体を有し、該複数の像担持体に形成した画像を中間転写体に重ね合わせて1次転写した後、前記中間転写体に転写した画像を用紙に2次転写する構成であり、最初に画像形成が開始される取り付け基準となる像担持体の露光位置から1次転写部までと、該1次転写部から2次転写部までの長さが前記画像形成パスであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像形成装置において、
前記給紙部の給紙トレイの給紙ローラまたは手差しトレイのピックアップローラの位置から、前記転写部または前記2次転写部までの長さが紙搬送パスであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記用紙有無検知手段で検知できないと判断されるサイズの用紙に画像形成する場合は、給紙動作を行なって前記用紙検知手段が用紙を検知した後に画像形成を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
用紙サイズ設定手段を有し、前記制御手段は、前記用紙サイズ設定手段により設定された用紙サイズから前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記給紙部の手差しトレイには、セット用紙の幅方向を規制する規制手段と、前記規制手段の位置を検知する規制位置検知手段を有し、前記制御手段は、前記規制手段の位置の検知結果から前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記規制位置検知手段により前記規制手段の移動を検知したときは、その検知結果をトリガーに画像先行制御から紙先行制御に切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記用紙有無検知手段として、前記給紙部の給紙トレイおよび手差しトレイにフィラー式のセンサを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記搬送手段は、前記用紙をセンター基準で搬送する構成であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を用紙に転写する転写部と、前記画像形成部で形成された画像とタイミングを合わせて前記転写部に用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に対して用紙を供給する給紙部と、前記給紙部から給送された用紙を前記搬送手段の手前で検知する用紙検知手段を備え、前記給紙部から前記転写部までの紙搬送パスが、前記画像形成部の画像形成開始位置から前記転写部までの画像形成パスよりも短い画像形成装置の制御方法において、
前記給紙部に設けられた用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できないと判断されるサイズの用紙に対しては、給紙動作を行なって給紙搬送された用紙の前記用紙検知手段による検知をトリガーとして画像形成を開始する紙先行制御を行い、前記用紙有無検知手段で用紙の有無が検知できるサイズの用紙に対しては、画像形成を開始した後に画像に合わせて給紙搬送を開始する画像先行制御を行うことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成装置の制御方法において、
前記画像形成装置が、前記画像形成部に複数の像担持体を有し、該複数の像担持体に形成した画像を中間転写体に重ね合わせて1次転写した後、前記中間転写体に転写した画像を用紙に2次転写する構成の場合は、最初に画像形成が開始される取り付け基準となる像担持体の露光位置から1次転写部までと、該1次転写部から2次転写部までの長さを前記画像形成パスとしたことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
請求項10または11記載の画像形成装置の制御方法において、
前記給紙部の給紙トレイの給紙ローラまたは手差しトレイのピックアップローラの位置から、前記転写部または前記2次転写部までの長さを紙搬送パスとしたことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、
前記用紙有無検知手段で検知できないと判断されるサイズの用紙に画像形成する場合は、給紙動作を行ない、前記転写部に用紙を搬送する搬送手段の手前に設けた用紙検知手段が用紙を検知した後に画像形成を開始することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
請求項10乃至13のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、
用紙サイズ設定手段により設定された用紙サイズから前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれか一つに記載の画像形成装置の制御方法において、
前記給紙部の手差しトレイに設けられた、セット用紙の幅方向を規制する規制手段の位置を検知する規制位置検知手段の検知結果から、前記用紙有無検知手段により用紙有無検知可能か判断し、用紙有無検知できないと判断した場合は前記用紙有無検知手段の検知結果を無視することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項16】
請求項15記載の画像形成装置の制御方法において、
前記規制位置検知手段により前記規制手段の移動を検知したときは、その検知結果をトリガーに画像先行制御から紙先行制御に切り替えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−197237(P2011−197237A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62318(P2010−62318)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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