説明

画像形成装置及びプリンタドライバ並びに出力システム

【課題】印刷媒体に出力する際に利用するUIを利用して、電子ペーパーに出力する際の条件を設定可能にする。
【解決手段】画像形成装置に、表示デバイスへの出力と印刷媒体への出力とに共通した画面であり印刷条件を設定する項目が記載された画面を表示部に表示し、ユーザから項目の設定を受け付けるユーザインターフェイス部と、印刷条件を設定する項目のうち表示デバイスへの出力においては実行できない項目について、当該項目の設定内容を表示デバイスに応じた意味に対応付けた対応付け情報を記憶する記憶部と、印刷媒体への出力が指示された場合は項目の設定内容に従って印刷を実行し、表示デバイスへの出力が指示された場合は記憶部に記憶された対応付け情報に基づいて表示デバイスが実行できない所定の項目の設定内容を表示デバイスに応じた意味に解釈して表示デバイスに出力を指示する制御部と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプリンタドライバ並びに出力システムに関し、特に、印刷媒体への出力と表示デバイスへの出力とが可能な画像形成装置及び出力先を制御するプリンタドライバ並びに出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ペーパーなどの表示デバイスの普及に伴って、例えば、文書を紙などの印刷媒体に印刷する代わりに、文書の電子データを表示デバイスに記憶させて表示させることが行われている。このような背景から、印刷媒体への出力(以下、紙出力と呼ぶ。)と表示デバイスへの出力(以下、電子ペーパー出力と呼ぶ。)とを選択可能にするべく、表示デバイスを着脱可能に保持したプリンタや複合機(MFP:Multi Function Peripheral)などの印刷装置(以下、画像形成装置と呼ぶ。)も提案されている。
【0003】
このような、紙出力と電子ペーパー出力とを併せ持つハイブリッドな画像形成装置において、どちらの出力形態で文書を出力するのが適切かを判断するような技術として、例えば、下記特許文献1には、PCと、その出力先として印刷装置とリライタブルペーパー出力装置を持つ印刷システムにおいて、PCは、暫定出力先として特定の印刷装置を選定しておき、条件設定プログラムにより印刷条件を設定させ、印刷プログラムにより、その印刷条件に基づいて印刷画像データを作成し、その印刷画像領域が前記印刷装置の持つ印刷用紙の有効印刷範囲内に収まるか否かを判定し、収まる場合には出力先をそのまま前記印刷装置として出力する技術が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、ネットワークを介して接続する複数の出力装置に対して印刷要求を行う印刷制御装置であって、文書ごとに出力先として許可する第一の出力先を設定させる第一の出力先設定手段と、前記文書の印刷時に前記文書の第二の出力先を設定させる第二の出力先設定手段と、前記第一の出力先の特性と前記第二の出力先の特性との比較に基づいて、前記第二の出力先への出力の適否を判定する判定手段とを有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−33565号公報
【特許文献2】特開2007−87065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
文書を印刷媒体若しくは表示デバイスに出力するためには、双方の出力形態で出力の条件を設定できるようにする必要がある。ここで、紙出力に関しては、画像形成装置のパネル画面やプリンタドライバの画面などを利用して出力条件を設定することができるが、電子ペーパー出力に関しては、紙出力とは設定すべき条件が異なり、既存のUI(User Interface)を利用することができないため、電子ペーパー出力用のUIを作成しなければならない。
【0007】
そのため、紙出力用のUIと電子ペーパー出力用のUIとが併存することになり、混同が生じやすくなってしまう。特に、上述したハイブリッドな画像形成装置に出力する場合に、同じ装置に出力するにも関わらず、出力形態に応じて異なるUIを利用しなければならず、設定操作が非常に煩雑になってしまう。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、印刷媒体に出力する際に利用するUIを利用して、電子ペーパーに出力する際の条件を設定することができる画像形成装置及びプリンタドライバ並びに出力システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、挿抜可能に保持された表示デバイスと通信可能であり、印刷媒体への出力と前記表示デバイスへの出力とが選択可能な画像形成装置であって、前記表示デバイスへの出力と前記印刷媒体への出力とに共通した画面であり印刷条件を設定する項目が記載された画面を表示部に表示し、ユーザから前記項目の設定を受け付けるユーザインターフェイス部と、前記印刷条件を設定する項目のうち前記表示デバイスへの出力においては実行できない項目について、当該項目の設定内容を前記表示デバイスに応じた意味に対応付けた対応付け情報を記憶する記憶部と、前記印刷媒体への出力が指示された場合は、前記項目の設定内容に従って印刷を実行し、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、前記記憶部に記憶された対応付け情報に基づいて前記表示デバイスが実行できない所定の項目の設定内容を、前記表示デバイスに応じた意味に解釈して、前記表示デバイスに出力を指示する、制御部と、を備えるものである。
【0010】
また、本発明は、挿抜可能に保持された表示デバイスと通信可能であり、印刷媒体への出力と前記表示デバイスへの出力とが選択可能な画像形成装置に出力を指示するコンピュータ装置で動作するプリンタドライバであって、前記コンピュータ装置を、前記表示デバイスへの出力と前記印刷媒体への出力とに共通した画面であり印刷条件を設定する項目が記載された画面を表示部に表示して、ユーザから前記項目の設定を受け付け、前記印刷媒体への出力が指示された場合は、前記項目の設定内容に従って、前記画像形成装置に印刷を指示し、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、前記表示デバイスが実行できない所定の項目の設定内容を、当該設定内容と予め対応付けられた前記表示デバイスに応じた意味に解釈して、前記表示デバイスに出力を指示する制御部、として機能させるものである。
【0011】
また、本発明は、挿抜可能に保持された表示デバイスと、印刷媒体への出力が可能な画像形成装置と、前記表示デバイス若しくは前記画像形成装置に出力を指示するコンピュータ装置と、が通信ネットワークで接続された出力システムであって、前記コンピュータ装置は、印刷条件を設定する項目が記載された画面を表示部に表示し、前記項目の設定を受け付けるユーザインターフェイス部と、前記印刷条件を設定する項目のうち前記表示デバイスへの出力においては実行できない項目について、当該項目の設定内容を前記表示デバイスに応じた意味に対応付けた対応付け情報を記憶する記憶部と、前記印刷媒体への出力が指示された場合は、前記項目の設定内容に従って、前記画像形成装置に印刷を指示し、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、前記記憶部に記憶された対応付け情報に基づいて前記表示デバイスが実行できない所定の項目の設定内容を、前記表示デバイスに応じた意味に解釈して、前記表示デバイスに出力を指示する、制御部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置及びプリンタドライバ並びに出力システムによれば、印刷媒体に出力する際に利用するUIを利用して、電子ペーパーに出力する際の条件を設定することができる。
【0013】
その理由は、印刷媒体に出力する際の条件を設定するためのUIを有する画像形成装置若しくはプリンタでは、紙出力用のUIで電子ペーパー出力が選択された場合には、電子ペーパーが実行できない項目の設定内容は電子ペーパーに応じた意味に解釈して、電子ペーパーに出力を指示するからである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施例に係る出力システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る電子ペーパー及び保持装置を画像形成装置に設置した例を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るコンピュータ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る保持装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る電子ペーパーの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される設定画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(出力準備処理)を示すフローチャート図である。
【図10】電子ペーパーに送付されるファイルのフォーマットを示す図である。
【図11】電子ペーパーにとじ原稿を表示させた時のページ操作を説明する図である。
【図12】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(読取画像を利用する場合の処理)を示すフローチャート図である。
【図13】本発明の第2の実施例に係るコンピュータ装置に表示される設定画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施例に係る出力システムの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
背景技術で示したように、データを出力する際に、印刷媒体に出力するか、電子ペーパーに出力するかを選択することが可能であるが、印刷媒体に出力する場合と電子ペーパーに出力する場合とで出力条件の設定内容が異なるため、別々のUIを用いて出力条件を設定する必要がある。
【0016】
しかしながら、同じデータを出力する際に、異なるUIを用いて出力条件を設定すると、設定の間違いが生じやすくなる。特に、紙出力と電子ペーパー出力を併せ持つハイブリッドな画像形成装置に対して出力を指示する場合に、同じ装置に対して複数のUIを使い分けるのは不合理であり、設定操作が非常に煩雑になってしまう。
【0017】
そこで、本発明の一実施の形態では、印刷媒体への出力条件を設定するための既存のUIを利用して、電子ペーパーへの出力条件を設定できるようにするために、印刷媒体への出力条件を設定する項目のうち、電子ペーパーが実行できない項目の設定内容を電子ペーパーに応じた意味に解釈して電子ペーパーに出力を指示する。
【0018】
このように、使い慣れた紙出力のUIを利用して電子ペーパーの出力条件を設定できるようにすることで、出力先ごとに異なるUIを利用することによる混同を未然に防止することができる。特に、ハイブリッドな画像形成装置に利用する際に、より効果的に紙出力と電子ペーパー出力とを使い分けることが出来るようになる。
【実施例1】
【0019】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る画像形成装置及びプリンタドライバ並びに出力システムについて、図1乃至図12を参照して説明する。図1は、本実施例の出力システムの構成を模式的に示す図であり、図2は、電子ペーパーを挿抜可能に保持した画像形成装置の一例を示す斜視図である。また、図3乃至図6は、各々、コンピュータ装置、画像形成装置、保持装置、電子ペーパーの構成を示すブロック図である。また、図7は、画像形成装置に表示される待機画面の一例を示す図であり、図8、図9及び図12は、画像形成装置の動作を示すフローチャート図である。また、図10は、電子ペーパーに送付されるファイルのフォーマットを示す図であり、図11は、電子ペーパーにとじ原稿を表示させた時のページ操作を説明する図である。
【0020】
図1に示すように、本実施例の出力システム10は、データを送信するクライアントのコンピュータ装置20と、コンピュータ装置20から受信したデータを処理(印刷又は転送)する画像形成装置30と、画像形成装置30に装着される保持装置40(DOCK)と、その保持装置40に挿抜可能に保持される表示デバイス(電子ペーパー50とする。)と、により構成される。
【0021】
図2は、電子ペーパー50を挿抜可能に保持する保持装置40を画像形成装置30に装着した例であり、画像形成装置30の所定の位置に保持装置40が装着され、その保持装置40に電子ペーパー50が挿入される。以下、各装置について詳細に説明する。
【0022】
[コンピュータ装置]
コンピュータ装置20は、図3に示すように、制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24、操作部25などを備える。
【0023】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリとで構成され、CPUはメモリ又は記憶部22から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。また、制御部21は、PS(Post Script)やPCL(Printer Control Language)等のページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたデータ、PDF(Portable Document Format)データなどを作成して画像形成装置30に送信するプリンタドライバとしても機能する。
【0024】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)などで構成され、記憶部22(又はメモリ)は、制御部21で動作する各種プログラムやコンピュータ装置20の動作を制御するための情報、アプリケーションで作成した文書データ、プリンタドライバで生成したPDLデータなどを記憶する。
【0025】
通信部23は、画像形成装置30と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信などを利用して、画像形成装置30との通信を確立する。
【0026】
表示部24は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)表示装置などで構成され、文書を作成するアプリケーションやプリンタドライバの画面などを表示する。
【0027】
操作部24は、キーボードやマウスなどで構成され、文書の作成、印刷指示などの各種操作を可能とする。
【0028】
[画像形成装置]
画像形成装置30は、図4に示すように、制御部31、記憶部32、保持装置用通信部33、外部機器用通信部34、表示・操作部35、データ処理部36、画像読取部37、画像形成部38、後処理部39などを備える。
【0029】
制御部31は、CPUとROMやRAMなどのメモリとで構成され、CPUはメモリ又は記憶部32から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。本実施例では、上記制御部は、表示・操作部35に、紙出力の条件を設定するための設定画面を表示させて設定を受け付ける機能と、当該設定画面で紙出力が指示された場合は、設定内容に従って画像形成部38に印刷を実行させる機能と、電子ペーパー出力が指示された場合は、当該設定画面の各項目が電子ペーパー出力に対応しているかを判断し、電子ペーパー50が実行できない項目(電子ペーパー出力に対して意味が明確でない項目)の設定内容を電子ペーパー50に応じた意味に解釈して、電子ペーパー50に出力を指示する機能と、を有する。
【0030】
記憶部32は、HDDなどで構成され、記憶部32(又はメモリ)は、制御部31で動作する各種プログラムや画像形成装置30の動作を制御するための情報、設定画面のデータ、紙出力と電子ペーパー出力の意味を対応付ける際に参照する情報などを記憶する。
【0031】
保持装置用通信部33は、保持装置40と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、保持装置40との通信を確立する。
【0032】
外部機器用通信部34は、コンピュータ装置20と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信などを利用して、コンピュータ装置20との通信を確立する。
【0033】
表示・操作部35は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の画面上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルなどであり、制御部31の指示に従って上記設定画面などを表示すると共に、条件を設定する操作などを受け付ける。
【0034】
データ処理部36は、コンピュータ装置20から受信したPDLデータを解析し、各ページのデータをラスタライズして印刷可能なビットマップデータを作成し、このビットマップデータに色変換、濃度調整等の画像処理を施して、印刷媒体への印刷若しくは電子ペーパー50での表示に適した画像データに変換する処理を行う。
【0035】
画像読取部37は、原稿台上の原稿用紙から画像データを光学的に読み取る部分であり、原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器等により構成される。
【0036】
画像形成部38は、電子写真方式や静電記録方式等の作像プロセスを利用した画像形成のために必要な要素、すなわち、帯電装置、感光体ドラム、露光装置、転写ローラ、転写ベルト、定着装置などで構成される。具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置から画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成し、現像装置で帯電したトナーを付着させて現像し、そのトナー像を一次転写ローラ、二次転写ベルトを介して印刷媒体に転写して定着装置で定着させる処理を行う。
【0037】
後処理部39は、画像形成部38から搬送される用紙に対して、制御部31からの指示に従って、折りや穴あけ、綴じ止めなどのフィニッシング処理を加えて出力する。
【0038】
なお、図4では、データ処理部36をハードウェアとして構成しているが、データ処理部36は、制御部31により実行されるプログラムとして構成してもよい。また、図4は、本実施例の画像形成装置30の一例であり、コンピュータ装置20から受信したデータを出力する場合は画像読取部37を省略してもよいし、折りや穴あけ、綴じ止めなどを行わない場合は後処理部39を省略してもよい。
【0039】
[保持装置]
保持装置40は、電子ペーパー50を保持する機構、例えば、直方体の構造体に複数のスロットを備えており、画像形成装置30の本体や付属品(例えば、本体と分離した給紙部や後処理部など)に固定される。
【0040】
この保持装置40は、図5に示すように、制御部41、記憶部42、電子ペーパー用通信部43、電子ペーパー充電部44、電子ペーパー検出部45、画像形成装置用通信部46、電源47などを備える。
【0041】
制御部41は、CPUとROMやRAMなどのメモリとで構成され、CPUはメモリ又は記憶部42から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。
【0042】
記憶部42は、フラッシュメモリやHDDなどで構成され、記憶部42(又はメモリ)は、制御部41で動作する各種プログラムや保持装置40の動作を制御するための情報、電子ペーパー50に表示させるデータなどを記憶する。
【0043】
電子ペーパー用通信部43は、1又は複数の電子ペーパー50と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、各々の電子ペーパー50との通信を確立する。
【0044】
電子ペーパー充電部44は、電源47の電力を1又は複数の電子ペーパー50の電池57に供給し、電池57を充電する。
【0045】
電子ペーパー検出部45は、電子ペーパー50の装着を検出する。電子ペーパー50の装着や位置を検出する方法は特に限定されず、例えば、電子ペーパー充電部44と電子ペーパー50の電池57とが接続されたか否かで装着や位置を検出したり、保持装置40の各スロットに設けた電極と電子ペーパー50に設けた電極とが電気的に接続されたか否かで装着や位置を検出したり、保持装置40の各スロットの底部に電子ペーパー50の自重によってON/OFFする電気接点を設け、この電気接点のON/OFFによって装着や位置を検出したりすることができる。
【0046】
画像形成装置用通信部46は、画像形成装置30と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、画像形成装置30との通信を確立する。
【0047】
電源47は、保持装置40の各部を駆動するための電力を供給する。
【0048】
[電子ペーパー]
電子ペーパー50は、表示デバイスを備えた装置であり、図6に示すように、制御部51、記憶部52、通信部53、装着検出部54、表示・操作部55、データ処理部56、電池57などを備える。
【0049】
制御部51は、CPUとROMやRAMなどのメモリとで構成され、CPUはメモリ又は記憶部52から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。
【0050】
記憶部52は、フラッシュメモリやHDDなどで構成され、記憶部52(又はメモリ)は、制御部51で動作する各種プログラムや電子ペーパー50の動作を制御するための情報、保持装置40から転送されたデータ、データ処理部56で処理したデータなどを記憶する。
【0051】
通信部53は、保持装置40と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、保持装置40との通信を確立する。
【0052】
装着検出部54は、保持装置40からの電子ペーパー50の挿抜を検出する。検出の方法は特に限定されず、例えば、電池57と保持装置40の電子ペーパー充電部44とが接続されたか否かで装着を検出したり、電子ペーパー50に設けた電極と保持装置40に設けた電極とが電気的に接続されたか否かで装着を検出したり、電子ペーパー50の底部に自重によってON/OFFする電気接点を設け、この電気接点のON/OFFによって装着を検出したりすることができる。
【0053】
表示・操作部55は、透明な液体の中で浮動する微粒子を電界負荷によって移動させて表示を行うEPD(Electrophoretic Display)や液晶表示装置、有機EL表示装置等の画面上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルなどからなり、保持装置40から転送されたデータやデータ処理部56で処理したデータなどを表示する共に、表示されたデータに対する各種指示を可能にする。
【0054】
データ処理部56は、必要に応じて、保持装置40を介して画像形成装置30から取得したデータを表示に適したデータに変換する処理を行う。
【0055】
電池57は、保持装置40の電子ペーパー充電部44から供給される電力によって充電され、電子ペーパー50の各部を駆動するための電力を供給する。
【0056】
なお、図1乃至図6は本実施例の出力システム10の一例であり、画像形成装置30で、出力データを印刷媒体に印刷するか電子ペーパー50に表示するかが選択可能な構成であればよい。例えば、画像形成装置30の画像読取部37で読み取ったデータを出力する場合はコンピュータ装置20を省略することができる。
【0057】
次に、画像形成装置30の表示・操作部35に表示される画面について、図7を参照して説明する。
【0058】
図7(a)は、紙出力の条件を設定する際に一般的に表示される設定画面である。この設定画面には、例えば、部数、用紙、倍率、カラー、濃度、両面、集約、小冊子、とじ方向、合紙、複製禁止などの項目があり、部数に対してはテンキーでの入力が選択できるようになっており(図では3部)、他の項目に対しては選択肢から選択できるようになっている。
【0059】
ここで、上記項目は紙出力を前提としており、例えば、両面や小冊子、とじ方向などは電子ペーパー出力では意味が明確でないため、従来は、紙出力用の設定画面とは別に電子ペーパー用の設定画面を設けていた。しかしながら、この方法では、1つの装置に対して2種類の画面を使い分けなければならないため、手間がかかり、画面が混同して設定ミスを招きやすいという問題があった。特に、紙出力に慣れているユーザにとっては、見慣れない電子ペーパー出力用の設定画面は操作しにくく、ユーザの利便性が悪いという問題があった。
【0060】
そこで、本実施例では、一般的に使用されている紙出力用の設定画面を用いて電子ペーパー出力用の設定ができるようにするために、紙出力用の設定画面の各項目を電子ペーパー出力に対応付け、紙出力と電子ペーパー出力のいずれに対しても共通のUIを利用できるようにする。すなわち、電子ペーパー出力においても、図7(b)に示すように、紙出力と同じ項目で構成される設定画面を表示し、紙出力用の各項目を電子ペーパー出力用に解釈する。
【0061】
その際、双方の出力形態で同様に解釈できる項目に関しては、紙出力における意味を電子ペーパー出力にも適用するが、電子ペーパーが実行できない処理を規定する項目(電子ペーパー出力に対して意味が明確でない項目)の設定内容に関しては、電子ペーパー50に応じた意味に解釈して適用する。
【0062】
例えば、部数に関しては、紙出力の場合は印刷部数を表すが、電子ペーパー出力の場合はデータを転送する電子ペーパー50の台数として解釈する。用紙や倍率に関しては、紙出力の場合は用紙の種類及びその用紙に印刷する画像の倍率を表すが、電子ペーパー出力の場合は画面サイズを用紙サイズとした時の画像の表示倍率として解釈する。カラーや濃度、集約、合紙に関しては、電子ペーパー出力でも紙出力と同様に解釈する。とじ方向に関しては、紙出力の場合はとじ留めする位置を表し、画像形成時の両面印刷における表面と裏面の画像の向き合わせの判断に用いるが、電子ペーパー出力の場合はとじ留めができないため、ページめくり動作の表示方法を規定する情報として解釈する。複製禁止設定は、紙出力の場合は画像背景に地紋合成する処理を表すが、電子ペーパー出力の場合はデータのコピーや移動を禁止する処理として解釈する。
【0063】
また、両面や小冊子に関しては、電子ペーパー出力では意味が無いため、設定を無効にする。その際、設定操作は受け付けるがその設定は無効にするようにしても良いし、図7(b)のように、出力形態として電子ペーパー出力が選択されたら、両面や小冊子の項目をグレーアウトして設定操作を受け付けないようにして、電子ペーパー出力では両面や小冊子は無関係であることを明示的に示しても良い。
【0064】
このように、出力形態が異なることにより内部的に実行する制御が異なる項目に対して、項目を共通にして使用者に表示し、その解釈を出力形態に応じて変更することにより、使用者は、違和感なく紙出力と電子ペーパー出力を使い分けることができる。
【0065】
なお、図7では、項目として、部数、用紙、倍率、カラー、濃度、両面、集約、小冊子、とじ方向、合紙、複製禁止を例示したが、設定画面に表示する項目の構成や順番、配置等は任意である。
【0066】
以下、本実施例の画像形成装置30の動作について、図8及び図9のフローチャート図を参照して説明する。なお、図8は、画像形成装置30の全体動作を示しており、図9は、図8のS104の詳細動作を示している。
【0067】
画像形成装置30は、電源が投入されると、制御部31は、表示・操作部35に、図7に示すような、紙出力及び電子ペーパー出力共通の設定画面を表示して待機し(S101)、使用者が設定画面の各項目を設定すると、制御部31は、各項目の設定を読み取り、出力条件を設定する(S102)。
【0068】
そして、使用者が設定画面のスタートキーを押下して出力を指示すると(S103のYes)、制御部31は、設定内容に応じた出力準備処理を実行する(S104)。このステップの詳細については後述する。
【0069】
出力準備処理が終わると、制御部31は、設定画面で出力形態として電子ペーパー出力が選択されているかを判断する(S105)。
【0070】
電子ペーパー出力が選択されている場合は、制御部31は、S104の出力準備処理で用意されたファイルを電子ペーパー50に転送し(S106)、処理を終了する。一方、紙出力が選択されている場合は、制御部31は、出力準備処理で用意された画像データを画像形成部38に送り、画像形成部38は画像データに基づく画像を用紙に印刷して(S107)、処理を終了する。
【0071】
次に、S104の出力準備処理について、図9のフローチャート図を参照して説明する。この出力準備処理では、図7の設定画面で設定した出力条件を順次取得し、使用者が紙出力に設定しているか、電子ペーパー出力に設定しているかを判断しながら、それぞれに適切な出力準備処理を行う。
【0072】
具体的には、まず、用紙情報と倍率情報を取得する(S201、S202)。出力形態が紙出力(S203のNo)の場合は、これらの情報から印刷画像の大きさを決定する(S205)。一方、出力形態が電子ペーパー出力(S203のYes)の場合は、これらの情報は電子ペーパー出力に対する意味が明確ではないため、画面サイズを用紙サイズとした時の画像の表示倍率と解釈して、表示倍率の情報を転送用ファイルに書き込む(S204)。
【0073】
次に、カラー情報を取得する(S206)。このカラー情報は紙出力及び電子ペーパー出力で意味が同じであるため、紙出力(S207のNo)の場合は、カラー情報から印刷画像のカラーを決定し(S209)、電子ペーパー出力(S207のYes)の場合は、カラー情報を転送用ファイルに書き込む(S208)。
【0074】
次に、濃度情報を取得する(S210)。この濃度情報も紙出力及び電子ペーパー出力で意味が同じであるため、紙出力(S211のNo)の場合は、濃度情報から印刷画像の濃度を決定し(S213)、電子ペーパー出力(S211のYes)の場合は、濃度情報を転送用ファイルに書き込む(S212)。
【0075】
次に、両面情報を取得する(S214)。紙出力(S215のNo)の場合は、両面情報から両面印刷の有無を決定する(S217)。一方、この両面情報は電子ペーパー出力では意味が不明であるため、電子ペーパー出力(S215のYes)の場合は、該当しない情報として両面情報を無効にする(S216)。
【0076】
次に、集約情報を取得する(S218)。この集約情報は紙出力及び電子ペーパー出力で意味が同じであるため、紙出力(S219のNo)の場合は、集約情報から集約印刷の有無を決定し(S221)、電子ペーパー出力(S219のYes)の場合は、集約情報を転送用ファイルに書き込む(S220)。
【0077】
次に、小冊子情報を取得する(S222)。紙出力(S223のNo)の場合は、小冊子情報から小冊子印刷の有無を決定する(S225)。一方、この小冊子情報は電子ペーパー出力では意味が不明であるため、電子ペーパー出力(S223のYes)の場合は、該当しない情報として小冊子情報を無効にする(S224)。
【0078】
次に、とじ方向情報を取得する(S226)。紙出力(S227のNo)の場合は、印刷用紙のとじ方向を決定する(S229)。一方、このとじ方向情報は電子ペーパー出力に対する意味が明確ではないため、電子ペーパー出力(S227のYes)の場合は、とじ方向情報をページめくりの表示方法を規定する情報と解釈して転送用ファイルに書き込む(S228)。
【0079】
次に、合紙情報を取得する(S230)。この合紙情報は紙出力及び電子ペーパー出力で意味が同じであるため、紙出力(S231のNo)の場合は、合紙情報から合紙機能を設定し(S233)、電子ペーパー出力(S231のYes)の場合は、合紙情報を転送用ファイルに書き込む(S232)。
【0080】
次に、複製禁止情報を取得する(S234)。紙出力(S235のNo)の場合は、地紋を合成するか否かを決定する(S237)。一方、この複製禁止情報は電子ペーパー出力に対する意味が明確でないため、電子ペーパー出力(S235のYes)の場合は、複製禁止情報を電子ペーパー50からのデータの持ち出しを禁止する情報と解釈して転送用ファイルに書き込む(S236)。
【0081】
次に、部数情報を取得する(S238)。紙出力(S239のNo)の場合は、部数情報から印刷部数を決定する(S241)。一方、この部数情報は電子ペーパー出力に対する意味が明確でないため、電子ペーパー出力(S239のYes)の場合は、部数情報をデータの書き込みを行う電子ペーパー50の台数と解釈する(S240)。
【0082】
このような処理を経て作成される転送ファイルは、図10のようなフォーマットとなる。すなわち、転送ファイルは、大きく2つのブロックに分かれ、表示情報ブロックには、電子ペーパー50に表示させるための画像データが配置される。一方、制御情報ブロックには、表示情報ブロックに配置された画像データを電子ペーパー50上でどのように表示するかを指定した各種制御情報が含まれる。
【0083】
この転送ファイルを受け取った電子ペーパー50は、制御情報ブロックの制御情報に基づいて表示情報ブロックの画像データに基づく画像を表示・操作部55に表示するが、その際、表示情報が複数ページにわたる場合、何らかのページめくり操作が必要となる。そこで、本実施例では、とじ方向の項目でページめくりの表示方法を規定し、制御部51は、表示・操作部55を指でなでる方向を検出し、それに応じた表示画像のページめくりを行う。
【0084】
例えば、図11(a)に示すように、とじ方向が左とじの場合、指の動きが右から左に移動した場合は次ページに進み、左から右に移動した場合は前ページに戻る。また、図11(b)に示すように、とじ方向が右とじの場合、指の動きが左から右に移動した場合は次ページに進み、右から左に移動した場合は前ページに戻る。
【0085】
このように、電子ペーパー50が実行できない処理を規定する項目(電子ペーパー出力に対して意味が明確でない項目)に関して、電子ペーパー50に応じた意味に解釈することにより、紙出力用のUIを利用して電子ペーパー出力の設定を行うことができる。
【0086】
以上、コンピュータ装置20から出力対象のデータを受信した場合の動作について説明したが、画像読取部37で読み取った画像データに対しても、同様に出力条件を設定することができる。その場合の動作について、図12のフローチャート図を参照して説明する。
【0087】
原稿が画像読取部37に載置され、図7に示すような設定画面で各項目が設定されたのち、スタートキーが押下されると、画像形成装置30の画像読取部37は、原稿をカラーモードで読み取り(S301)、読み取った画像データを記憶部32に保存する(S302)。
【0088】
次に、制御部31は、設定画面で設定されたカラーモードを判別し(S303)、ブラックに設定されている場合は、画像データのモノクロ変換を行う(S304)。
【0089】
その後、制御部31は、設定画面で設定された出力形態を判別し(S305)、紙出力に設定されている場合は、この画像データを画像形成部38に送り、画像形成部38は画像データに基づく画像を用紙に印刷する(S307)。一方、電子データ出力に設定されている場合は、この画像データを転送ファイルの表示情報ブロックに書き込むと共に、設定された出力条件を電子ペーパー50に応じた意味に解釈して制御情報ブロックに書き込み、転送ファイルを電子ペーパー50に転送する(S306)。
【0090】
以上説明したように、紙出力と同じ構成の設定画面を用いて電子ペーパー出力の設定ができるようにし、電子ペーパー50が実行できない処理を規定する項目(電子ペーパー出力に対する意味が明確でない項目)に関しては、電子ペーパー50に応じた意味に解釈して電子ペーパーに出力を指示することにより、紙出力と電子ペーパー出力とを兼ね備えた画像形成装置30であっても、簡便且つ確実に出力条件を設定することができる。
【実施例2】
【0091】
次に、本発明の第2の実施例に係る画像形成装置及びプリンタドライバ並びに出力システムについて、図13を参照して説明する。図13は、本実施例のコンピュータ装置に表示される設定画面の一例を示す図である。
【0092】
前記した第1の実施例では、紙出力及び電子ペーパー出力に共通するUIとして、画像形成装置30の表示・操作部35に表示される設定画面を例にして説明したが、この設定画面をコンピュータ装置20の表示部24に表示することも可能である。
【0093】
この場合、画像形成装置30の制御部31の機能をコンピュータ装置20の制御部21で動作するプリンタドライバに持たせる。そして、プリンタドライバは、図13に示すような設定画面を表示部24に表示し、当該設定画面で紙出力が指示された場合は、設定内容をPDLコマンドとして記述したPDLデータを画像形成装置30に送信して印刷を指示し、電子ペーパー出力が指示された場合は、電子ペーパー50が実行できない処理を規定する項目(電子ペーパー出力に対する意味が明確でない項目)の設定内容は電子ペーパー50に応じた意味に解釈し、設定内容を記述したデータを電子ペーパー50に送信して出力を指示する。
【0094】
このような構成でも、ユーザは紙出力と同じ構成の設定画面で電子ペーパー出力の条件を設定することができるため、設定操作を簡便にしてユーザの利便性を向上させることができる。
【実施例3】
【0095】
次に、本発明の第3の実施例に係る画像形成装置及びプリンタドライバ並びに出力システムについて、図14を参照して説明する。図14は、本実施例の出力システムの構成を模式的に示す図である。
【0096】
前記した第1及び第2の実施例では、紙出力と電子ペーパー出力の双方が可能なハイブリッドな画像形成装置30で出力する構成としたが、図14に示すように、画像形成装置30を紙出力のみが可能な装置とし、電子ペーパー50が保持装置40を介して通信ネットワークに接続されている構成でも、紙出力と電子ペーパー出力とを選択して実行することができる。
【0097】
この場合、図5における保持装置40の画像形成装置用通信部46、若しくは、図6における電子ペーパー50の通信部53が、コンピュータ装置20と通信する機能を持ち、プリンタドライバは、画像形成装置30及び電子ペーパー50を各々出力先として認識する。そして、図13に示すような設定画面で出力先として画像形成装置30が選択された場合は、設定内容をPDLコマンドとして記述したPDLデータを画像形成装置30に送信して印刷を指示し、出力先として電子ペーパー50が選択された場合は、電子ペーパー50が実行できない処理を規定する項目(電子ペーパー出力に対する意味が明確でない項目)の設定内容は電子ペーパー50に応じた意味に解釈し、設定内容を記述したデータを電子ペーパー50に送信して出力を指示する。
【0098】
このような構成でも、ユーザは紙出力と同じ構成の設定画面で電子ペーパー出力の条件を設定することができるため、設定操作を簡便にしてユーザの利便性を向上させることができる。
【0099】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、紙出力のUIで電子ペーパー出力の条件を設定できるようにしたが、所定の出力形態で利用するUIを利用して他の出力形態の条件を設定できればよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、紙出力と電子ペーパー出力とが可能な装置若しくはシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
10 出力システム
20 コンピュータ装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 表示部
25 操作部
30 画像形成装置
31 制御部
32 記憶部
33 保持装置用通信部
34 外部機器用通信部
35 表示・操作部
36 データ処理部
37 画像読取部
38 画像形成部
39 後処理部
40 保持装置
41 制御部
42 記憶部
43 電子ペーパー用通信部
44 電子ペーパー充電部
45 電子ペーパー検出部
46 画像形成装置用通信部
47 電源
50 電子ペーパー
51 制御部
52 記憶部
53 通信部
54 装着検出部
55 表示・操作部
56 データ処理部
57 電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿抜可能に保持された表示デバイスと通信可能であり、印刷媒体への出力と前記表示デバイスへの出力とが選択可能な画像形成装置であって、
前記表示デバイスへの出力と前記印刷媒体への出力とに共通した画面であり印刷条件を設定する項目が記載された画面を表示部に表示し、ユーザから前記項目の設定を受け付けるユーザインターフェイス部と、
前記印刷条件を設定する項目のうち前記表示デバイスへの出力においては実行できない項目について、当該項目の設定内容を前記表示デバイスに応じた意味に対応付けた対応付け情報を記憶する記憶部と、
前記印刷媒体への出力が指示された場合は、前記項目の設定内容に従って印刷を実行し、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、前記記憶部に記憶された対応付け情報に基づいて前記表示デバイスが実行できない所定の項目の設定内容を、前記表示デバイスに応じた意味に解釈して、前記表示デバイスに出力を指示する、制御部と、
を備える、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記所定の項目は、画像を印刷した用紙をとじ留めする位置を規定する項目であり、
前記制御部は、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、当該項目の設定内容を、とじ留め位置を基準としたページめくり動作を規定する情報として解釈し、前記画像の情報に前記ページめくり動作を規定する情報を付加したデータを前記表示デバイスに送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定の項目は、画像の背景に地紋を重ねて印刷する処理を規定する項目であり、
前記制御部は、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、当該項目の設定内容を、データのコピー又は移動を禁止するか否かを規定する情報として解釈し、前記画像の情報に前記コピー又は移動を禁止するか否かを規定する情報を付加したデータを前記表示デバイスに送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定の項目は、用紙の両面に印刷する処理、若しくは、印刷した用紙束を折り込んで小冊子を作成する処理を規定する項目であり、
前記制御部は、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、当該項目の設定内容を無効にする、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
挿抜可能に保持された表示デバイスと通信可能であり、印刷媒体への出力と前記表示デバイスへの出力とが選択可能な画像形成装置に出力を指示するコンピュータ装置で動作するプリンタドライバであって、
前記コンピュータ装置を、
前記表示デバイスへの出力と前記印刷媒体への出力とに共通した画面であり印刷条件を設定する項目が記載された画面を表示部に表示して、ユーザから前記項目の設定を受け付け、
前記印刷媒体への出力が指示された場合は、前記項目の設定内容に従って、前記画像形成装置に印刷を指示し、
前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、前記表示デバイスが実行できない所定の項目の設定内容を、当該設定内容と予め対応付けられた前記表示デバイスに応じた意味に解釈して、前記表示デバイスに出力を指示する制御部、として機能させる、
ことを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項6】
前記所定の項目は、画像を印刷した用紙をとじ留めする位置を規定する項目であり、
前記制御部は、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、当該項目の設定内容を、とじ留め位置を基準としたページめくり動作を規定する情報として解釈し、前記画像の情報に前記ページめくり動作を規定する情報を付加したデータを、前記画像形成装置を介して前記表示デバイスに送信する、ことを特徴とする請求項5に記載のプリンタドライバ。
【請求項7】
前記所定の項目は、画像の背景に地紋を重ねて印刷する処理を規定する項目であり、
前記制御部は、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、当該項目の設定内容を、データのコピー又は移動を禁止するか否かを規定する情報として解釈し、前記画像の情報に前記コピー又は移動を禁止するか否かを規定する情報を付加したデータを、前記画像形成装置を介して前記表示デバイスに送信する、ことを特徴とする請求項5に記載のプリンタドライバ。
【請求項8】
前記所定の項目は、用紙の両面に印刷する処理、若しくは、印刷した用紙束を折り込んで小冊子を作成する処理を規定する項目であり、
前記制御部は、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、当該項目の設定内容を無効にする、ことを特徴とする請求項5に記載のプリンタドライバ。
【請求項9】
挿抜可能に保持された表示デバイスと、印刷媒体への出力が可能な画像形成装置と、前記表示デバイス若しくは前記画像形成装置に出力を指示するコンピュータ装置と、が通信ネットワークで接続された出力システムであって、
前記コンピュータ装置は、
印刷条件を設定する項目が記載された画面を表示部に表示し、前記項目の設定を受け付けるユーザインターフェイス部と、
前記印刷条件を設定する項目のうち前記表示デバイスへの出力においては実行できない項目について、当該項目の設定内容を前記表示デバイスに応じた意味に対応付けた対応付け情報を記憶する記憶部と、
前記印刷媒体への出力が指示された場合は、前記項目の設定内容に従って、前記画像形成装置に印刷を指示し、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、前記記憶部に記憶された対応付け情報に基づいて前記表示デバイスが実行できない所定の項目の設定内容を、前記表示デバイスに応じた意味に解釈して、前記表示デバイスに出力を指示する、制御部と、
を備える、ことを特徴とする出力システム。
【請求項10】
前記所定の項目は、画像を印刷した用紙をとじ留めする位置を規定する項目であり、
前記制御部は、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、当該項目の設定内容を、とじ留め位置を基準としたページめくり動作を規定する情報として解釈し、前記画像の情報に前記ページめくり動作を規定する情報を付加したデータを前記表示デバイスに送信する、ことを特徴とする請求項9に記載の出力システム。
【請求項11】
前記所定の項目は、画像の背景に地紋を重ねて印刷する処理を規定する項目であり、
前記制御部は、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、当該項目の設定内容を、データのコピー又は移動を禁止するか否かを規定する情報として解釈し、前記画像の情報に前記コピー又は移動を禁止するか否かを規定する情報を付加したデータを前記表示デバイスに送信する、ことを特徴とする請求項9に記載の出力システム。
【請求項12】
前記所定の項目は、用紙の両面に印刷する処理、若しくは、印刷した用紙束を折り込んで小冊子を作成する処理を規定する項目であり、
前記制御部は、前記表示デバイスへの出力が指示された場合は、当該項目の設定内容を無効にする、ことを特徴とする請求項9に記載の出力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−113388(P2012−113388A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259797(P2010−259797)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】