説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】 共通プリンタ1を共用する複数の上位装置(PC2)のプリンタドライババージョンを統一すること。
【解決手段】 不揮発性メモリ212は、共通プリンタ1の装置情報を格納し、プリンタドライバ情報抽出部209は、印刷JOBデータからPC2の装置情報を抽出し、プリンタドライバ情報判定部221は、プリンタドライバ情報抽出部209により抽出されたPC2の装置情報と不揮発性メモリ212が格納する装置情報とを比較し、設定部210は、プリンタドライバ情報判定部221による比較結果が不一致であると、不揮発性メモリ212の装置情報をPC2へ送出してPC2の装置情報の更新を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の上位装置と接続された画像形成装置、及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(ローカルエリアネットワーク)等に接続された複数の上位装置(例えばパーソナルコンピュータ)が同じくLANに接続された印刷装置を共有するためには、予め各上位装置に、該印刷装置に適合するプリンタドライバをインストールしておく必要がある。通常、該印刷装置に適合するプリンタドライバは、該印刷装置の購入時に、CD等の記録媒体に格納された状態で同梱されてくる。従って、上記複数の上位装置を介して該印刷装置を使用したいユーザは、該印刷装置に適合するプリンタドライバを自己の上位装置にインストールすれば良い。一方、近年このプリンタドライバのバージョンアップは、頻繁に行われている。
【0003】
プリンタドライバのバージョンアップに際して、最近では、印刷装置のメーカが自己のホームページ上にバージョンアップされたプリンタドライバを公開し、該印刷装置を使用したいユーザが個々に、そのプリンタドライバをダウンロードして使用するといった方法が普及しつつある。その結果、該印刷装置を使用したい複数のユーザの全てが、自己の上位装置に対して最新のプリンタドライバをインストールしているとは限らない場合が発生し易くなる。
【特許文献1】特開2003−099223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上説明したように、印刷装置を共有する複数の上位装置のそれぞれにインストールされているプリンタドライバのバージョンが統一されていないために、印刷装置に同一画像を印刷出力させようとしても、その画像データを入力する上位装置が異なれば、異なる画像が印刷出力されかねないという解決すべき課題が残されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の発明は、複数の上位装置から該上位装置の装置情報を含む印刷JOBデータを受け入れる画像形成装置であって、上記上位装置の装置情報を格納する装置情報格納部と、上記印刷JOBデータから上記上位装置の装置情報を抽出する装置情報抽出部と、該装置情報抽出部により抽出された上位装置の装置情報と上記装置情報格納部が格納する装置情報とを比較する装置情報比較部と、該装置情報比較部による比較結果が不一致であると、上記装置情報格納部の装置情報を前記上位装置へ送出し、上記上位装置の装置情報の更新を求める装置情報更新制御部とを備えることを特徴とする。
【0006】
第二の発明は、自己の装置情報を含む印刷JOBデータを作成し、個々に通信路へ送出する複数の上位装置と、上記通信路を介して上記複数の上位装置の各々から個々に上記印刷JOBデータを受け入れる画像形成装置とを含む画像形成システムであって、上記画像形成装置は、上記上位装置から受け入れた装置情報を格納する第一の装置情報格納部と、上記印刷JOBデータから上記上位装置の装置情報を抽出する装置情報抽出部と、該装置情報抽出部により抽出された上位装置の装置情報と上記装置情報格納部が格納する装置情報とを比較する装置情報比較部と、該装置情報比較部による比較結果が不一致であると、上記装置情報格納部の装置情報を上記上位装置へ送出して上記上位装置の装置情報の更新を求める装置情報更新制御部とを備え、上記上位装置は、自己の装置情報を格納する第二の装置情報格納部と、上記装置情報更新制御部から上記装置情報の更新を求められると、上記第二の装置情報格納部が格納する自己の装置情報を、上記画像形成装置の装置情報で更新する装置情報登録部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
複数の上位装置は、印刷JOBデータに、該印刷JOBデータを作成した装置情報を追加したものを画像形成装置へ送信する。一方、画像形成装置は、この装置情報を受け入れて管理し、他の上位装置から印刷JOBデータを受け入れる毎にそのユーザが新規のものを使用しているか否かをチェックし、古いものを使用していればそのユーザに通知し、新規装置情報に更新することを促す。その結果、画像形成装置を共有する複数の上位装置の装置情報が統一され易いという効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態を図を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、実施例1の印刷システムのシステム構成図である。
図に示すように、実施例1の印刷システム1000は、共通プリンタ1と、LAN20を介して接続される、PC2、PC3、PC4、PC5、サーバ6、PC7、PC8、PC9、PC10、PC11、PC12とを含む。
【0010】
共通プリンタ1は、PC2、PC3、PC4、PC5、PC7、PC8、PC9、PC10、PC11、PC12により共有される画像形成装置(プリンタ)である。
【0011】
PC2、PC3、PC4、PC5、PC7、PC8、PC9、PC10、PC11、PC12は、共通プリンタ1に対して印刷JOBデータの送信、又、共通プリンタ1の状態管理を行う上位装置(ホストコンピュータ)としてのパーソナルコンピュータである。それぞれ共通プリンタ1に適合するプリンタドライバがインストールされている。
【0012】
サーバ6は、LAN20上で各種のリソースや機能を集中させて提供するコンピュータである。ここでは共通プリンタ1をPC2、PC3、PC4、PC5、PC7、PC8、PC9、PC10、PC11、PC12で共有するためのプリンタサーバとして機能している。
【0013】
以下に、上位装置(ホストコンピュータ)と、画像形成装置(プリンタ)の内部構成、及び機能について詳細に説明する。
図2は、実施例1の印刷システムにおけるブロック図である。
最初に上位装置としてのPC2を構成するブロックのそれぞれについて説明し、続いて、画像形成装置としての共通プリンタ1を構成するブロックのそれぞれについて説明する。
【0014】
図に示すように、PC2は、ハードウェア構成ブロック(図中太実線のブロック)としての、CRT101と、キーボード104と、マウス105と、RAM107と、CPU108と、双方向I/F109と、HDD(不揮発性メモリ)115とを備え、CPU108を中心にして相互に信号接続されている。
【0015】
CRT101は、印刷システムの状態を画像としてモニタ表示し、ユーザに知らせる部分である。キーボード104とマウス105とは、ユーザがPC2に対して情報(命令)入力を行うための機構部分である。
【0016】
RAM107は、CPU108に演算領域を提供するランダムアクセスメモリである。CPU108は、PC2全体を制御する中央演算処理装置である。双方向I/F109は、PC2と共通プリンタ1とを双方向通信接続するPC2側のインタフェース回路である。PC2と共通プリンタ1との接続は、ネットワーク、セントロ、USB、RS−232C、無線LAN等の何れでも良い。HDD115は、PC2の内部に半永久的にデータを格納することが可能な不揮発性のメモリである。
【0017】
更に、PC2は、ソフトウェア機能ブロック(図中細実線のブロック)としての、CRT制御部102と、操作部103と、印刷JOBデータ作成部110と、APデータ作成部111と、プリンタドライバ情報作成部112と、新規プリンタドライバ情報登録部113と、記憶部114と、制御部116とを備え、制御部116を中心にして相互に機能的に関連付けられている。
【0018】
CRT制御部102は、制御部116の制御に基づいてCRT101上への画像を表現する部分である。操作部103は、キーボード104、及びマウス105を介して受け入れるユーザの情報(命令)入力を信号化して制御部116へ伝達する部分である。
【0019】
印刷JOBデータ作成部110は、制御部116の制御に基づいて印刷JOBデータを作成する部分である。具体的には、上位装置にインストールされたプリンタドライバである。ここで印刷JOBデータの内容について説明する。
図3は、実施例1の印刷JOBデータの説明図である。
図に示すように、印刷JOBデータ300は、JOBヘッダ部データ(1)301と、JOBヘッダ部データ(2)302と、印刷描画データ部303とを有する。
【0020】
JOBヘッダ部データ(1)301は、従来から含まれている印刷JOBデータヘッダ情報であり、その中に(00)JOBスタート、(01)送信ユーザ名、(02)送信元IPアドレス、(03)JOBネーム、等の項目が含まれている。
【0021】
JOBヘッダ部データ(2)302は、本発明により新規に追加された部分であり、その内部には使用しているプリンタドライバの詳細情報が含まれている。
(d0)現在格納され使用しているプリンタドライバのバージョン、(d1)新規プリンタドライバの取り出しアドレス、(d2)改版による対応項目を意味する新規変更項目一覧、及び、(d3)それらの個々の項目をユーザに具体的に解説するための、新規変更項目の説明が含まれている。
【0022】
印刷描画データ部303には、(10)プリンタ設定情報、(11)印刷エミュレーション種別、(12)各種画像描画コマンドデータ、(13)JOBエンド、等の項目が含まれている。この部分は、従来と同様なので説明を省略する。
【0023】
図2に戻って、APデータ作成部111は、制御部116の制御に基づいて、印刷JOBデータ(図3)の中身としてアプリケーション(例えば、ドキュメント編集プログラム)ソフトウェアからの出力データを作成する部分である。プリンタドライバ情報作成部112は、制御部116の制御に基づいて印刷JOBデータ300(図3)の中身となるJOBヘッダ部データ(2)302(図3)を作成する部分である。
【0024】
新規プリンタドライバ情報登録部113は、新しいプリンタドライバがPC2にインストールされたときに、制御部116の制御に基づいて、記憶部114を介して、そのデータを管理情報として保持するためにHDD115に登録する部分である。更に、プリンタバージョン、該バージョンの改修項目及び説明を格納する部分でもある。尚、初期情報は、メーカにより登録されてくるか、又は、印刷システムの管理者によって登録が実行される。
【0025】
記憶部114は、制御部116の制御に基づいて、HDD115等の不揮発性メモリに所定のデータを登録させる部分である。制御部116は、CPU108が、図示しないROM(リードオンリメモリ)又は、HDD115に格納されている制御プログラムを実行することによって、PC2全体を制御する部分である。
【0026】
共通プリンタ1は、ハードウェア構成ブロック(図中太実線のブロック)としての、入出力I/F201と、オペレータパネル204と、不揮発性メモリ212と、CPU214と、エンジン(印刷部)218と、外部メモリ219と、RAM220とを備える。各部分はCPU214を中心にして相互に信号接続されている。
【0027】
入出力I/F201は、PC2と共通プリンタ1とを双方向通信接続する共通プリンタ1側のインタフェース回路である。PC2と共通プリンタ1との接続は、各種ネットワーク、セントロニクス、USB(ユニバーサルシリアルバス)、RS−232C、無線LAN等の何れでも良い。
【0028】
オペレータパネル204は、ユーザが共通プリンタ1に対して情報(命令)入力を行うための押圧スイッチ等を含むLCD、LEDなどからなる操作板である。不揮発性メモリ212は、EEPROM、Flashメモリ、HDDなどからなる、装置電源のOFF/ON操作に関わらず設定値を保持するメモリである。本実施例におけるプリンタドライバ共通情報もここに格納され継続的に保持され管理される。
【0029】
CPU214は、共通プリンタ1全体を制御する中央演算処理装置である。RAM220は、CPU214に演算領域を提供するランダムアクセスメモリである。エンジン(印刷部)218は、所定の用紙上に所定の画像を印刷して出力するための一連の動作を行うプリントエンジンである。外部メモリ219は、RAM220の拡張メモリである。
【0030】
更に、共通プリンタ1は、ソフトウェア機能ブロック(図中細実線のブロック)としての、通信部202と、操作部203と、コマンド(データ)解析部205と、選択部206と、表示部208と、プリンタドライバ情報抽出部209と、設定部210と、記憶部211と、編集(エミュレーション)部215と、展開部216と、エンジン制御部217と、プリンタドライバ情報判定部221と、制御部213とを備える。各部分は、制御部213を中心にして相互に機能的に関連付けられている。
【0031】
通信部202は、制御部213の制御に基づいて入出力I/F201を介して、PC2との間でデータ送受信を行う部分である。操作部203は、オペレータパネル204を介して受け入れるユーザの情報(命令)入力を信号化して選択部206へ送出したり、画像表示命令を表示部208へ送出する部分である。
【0032】
コマンド(データ)解析部205は、制御部213の制御に基づいて、印刷JOBデータ300(図3)を解析する部分である。選択部206は、操作部203を介して通知されるスイッチキー情報の種類に基づいてパラメータを決定する部分である。表示部208は、操作部203から画像表示命令を受け入れてオペレータパネル204上に表示させる部分である。
【0033】
プリンタドライバ情報抽出部209は、制御部213の制御に基づいて、印刷JOBデータ300(図3)中に含まれているプリンタドライバ情報を抽出する部分である。設定部210は、制御部213の制御に基づいて、記憶部211に対して、プリンタドライバ情報の格納(更新)を通知する部分である。
【0034】
記憶部211は、設定部210からの通知を受け入れて、制御部213の制御に基づいて、不揮発性メモリ212に対してプリンタドライバ情報の格納(更新)を行う部分である。編集(エミュレーション)部215は、制御部213の制御に基づいて、印刷JOBデータ300(図3)を解析して印刷データを作成し、展開部216へ送出する部分である。展開部216は、編集(エミュレーション)部215から印刷データを受け入れて、制御部213の制御に基づいて印刷イメージを作成し、エンジン制御部217へ送出する部分である。
【0035】
エンジン制御部217は、制御部213の制御に基づいてエンジン(印刷部)218を作動させ、所定の用紙上に所定の画像を印刷して出力させる部分である。プリンタドライバ情報判定部221は、プリンタドライバ情報抽出部209が、抽出した情報に新規内容があるか否かを判断し、あった場合には、その新規内容を共通データとして保持できる形式に整理する部分である。
【0036】
制御部213は、CPU214が、図示しないROM(リードオンリメモリ)又は、不揮発性メモリ212に格納されている制御プログラムを実行することによって、共通プリンタ1全体を制御する部分である。
【0037】
以上説明した実施例1の印刷システムは以下のように動作する。
以下の説明では、実施例1の印刷システムの動作を、(1)PC2(図2)が印刷JOBデータ300(図3)を作成して共通プリンタ1(図2)へ送信する動作と、(2)この作成された印刷JOBデータ300(図3)を受信した共通プリンタ1(図2)が所定の処理を実行し、印刷出力するまでの動作と、(3)上記(2)における所定の処理の中で発生するプリンタドライバの更新処理の動作と、大きく3つの動作に分類し、その順番にフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0038】
図4は、実施例1における印刷JOBデータ作成のフローチャートである。
このフローチャートは、上記(1)を説明するフローチャートである。図2及び図3を併用しながらステップS1−1からステップS1−3までステップ順に説明する。
【0039】
ステップS1−1
ユーザが上位装置上で、アプリケーションを起動してドキュメントを作成した後、プリンタ1を指定して印刷が実行されると、印刷JOBデータ作成部110は、JOBヘッダ部データ(1)301を作成すべくユーザからキーボート104、マウス105を介してJOB先頭データの定義と、ユーザ名、IPアドレス、JOBネームなど(図3のJOBヘッダ部データ(1)301の内容)を受け入れて印刷JOBデータ300に格納する。
【0040】
ステップS1−2
印刷JOBデータ作成部110は、現在使用されているプリンタドライバの詳細情報(図3のJOBヘッダ部データ(2)302の内容)をプリンタドライバ情報作成部112を介してHDD115から読み出して印刷JOBデータ300に格納する。その内容には、(d0)現在格納されているプリンタドライバのバージョン、(d1)新規プリンタドライバの取り出しアドレス、(d2)改版による対応項目を意味する新規変更項目一覧、及び、(d3)それらの個々の項目をユーザに具体的に解説するための、新規変更項目の説明が含まれている。
【0041】
ステップS1−3
印刷JOBデータ作成部110は、ユーザがキーボード104、及びマウス105を用いるなどして入力する情報をAPデータ作成部111が描画データ(図3の印刷描画データ部303に該当する)に変換した情報を受け入れて印刷JOBデータ300に格納する。その内部には、(10)プリンタ設定情報、(11)印刷エミュレーション種別、(12)各種描画コマンドデータ、(13)JOBエンドなどが含まれている。尚、プリンタ設定情報(10)には、ユーザが現行のプリンタドライバの利用を希望しているか否かを含めても良い。このようにして作成された印刷JOBデータ300(図3)は、双方向I/F109を通って、共通プリンタ1(図2)へ送信される。
【0042】
以上説明したフローチャートに従って生成された印刷JOBデータ300は、図3に示すように、PC2から共通プリンタ1へ、例えばLAN20(図1)を介して送信される。続いて共通プリンタ1における印刷処理が実行される。
【0043】
図5は、実施例1における印刷処理のフローチャートである。
このフローチャートは、上記(2)を説明するフローチャートである。図2及び図3を併用しながらステップS1−11からステップS1−22までステップ順に説明する。
【0044】
ステップS1−11
入出力I/F201は、PC2から印刷JOBデータ300を受信する。
【0045】
ステップS1−12
入出力I/F201は、印刷JOBデータ300をRAM220などに形成されている受信バッファへ格納する。
【0046】
ステップS1−13
コマンド(データ)解析部205は、印刷JOBデータ300を解析する。
【0047】
ステップS1−14
最初にユーザの希望が、現行のプリンタドライバの使用を求めているか否かを判定し、求めている場合にはステップS1−18へ進み、特に求めていない場合にはステップS1−15へ進む。ここで現行のプリンタドライバの使用を求めているか否かの判定は、後に説明するステップS1−42、及びステップS1−43でユーザ希望が判定延期タイマ−値セットがされているか否かで判定される。又は、上記ステップS1−3で作成された(10)プリンタ設定情報に基づいて判定される。
【0048】
ステップS1−15
プリンタドライバ情報抽出部209は、印刷JOBデータ300からプリンタドライバ情報(JOBヘッダ部データ(2)302)の抽出を実行する。
【0049】
ステップS1−16
プリンタドライバ情報判定部221は、現行のプリンタドライバ情報の判定を行い、判定結果が最新の情報である場合には更新の必要無しとしてステップS1−18へ進む。判定結果が(現行管理情報にない)新規プリンタドライバを使用している場合にはステップS1−17へ進む。判定結果が旧版プリンタドライバを使用している場合にはステップS1−19へ進む。ここで現行のプリンタドライバ情報の判定は、ステップS1−15で抽出されたプリンタドライバ情報(JOBヘッダ部データ(2)302)と、不揮発性メモリ212に格納されている現行のプリンタドライバ情報とを比較することによって判定される。
【0050】
ステップS1−17
設定部(更新制御)210は、記憶部211を介して、現在まで不揮発性メモリ212に格納されている情報(バージョン、対応項目の解説内容など)を印刷JOBデータ300から抽出したJOBヘッダ部データ(2)302の内容で更新する。
【0051】
ステップS1−18
エンジン制御部217は、エンジン(印刷部)218を制御して印刷処理を行ってフローを終了する。
【0052】
ステップS1−19
プリンタドライバ情報判定部221は、ネットワークで使用されている最新のプリンタドライバの詳細情報をPC2へ送信すべく、不揮発性メモリ212から取得する。但し、項目及び説明は、旧バージョンと新バージョンとの差分データのみ取得する。
【0053】
ステップS1−20
プリンタドライバ情報判定部221は、通信部202、及び入出力I/F201を介して、ネットワークで使用されている最新のプリンタドライバの詳細情報(バージョン、項目、説明、取出しアドレスなど)をPC2へ送信し、応答を受信する。このフローの内容については後に詳細に説明する。
【0054】
ステップS1−21
プリンタドライバ情報判定部221は、PC2からの応答結果が新規プリンタドライバに更新しない旨の通知を受信した場合には現行プリンタドライバで印刷するものとしてステップS1−18へ進む。プリンタドライバ情報判定部221は、PC2からの応答結果が新規プリンタドライバに更新した旨の通知を受信した場合にはステップS1−22へ進む。
【0055】
ステップS1−22
プリンタドライバ情報判定部221は、印刷JOBデータ300をキャンセルしてフローを終了する。
【0056】
図6は、実施例1におけるホスト側画面表示と更新実行時までのフローチャートである。
このフローチャートは、上記(3)を説明するフローチャートである。図2及び図3を併用しながらステップS1−31からステップS1−43までステップ順に説明する。
【0057】
ステップS1−31
PC2は、自己が印刷JOBデータ300を送信した共通プリンタ1から、既に、新しいプリンタドライバが存在している旨の通知を受け入れる。この通知には、上記ステップS1−19で作成された新規プリンタドライバの詳細情報が含まれている。
【0058】
ステップS1−32
CRT制御部102は、その共通プリンタ1からの通知の内容をCRT101に表示すべく準備を行う。
【0059】
ステップS1−33
CRT制御部102は、通知の内容をCRT101に表示させる。その表示の1例について説明する。
【0060】
図7は、実施例1の「新規プリンタドライバによって改良される項目」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
図に示すように、新旧プリンタドライバのバージョン、新しいプリンタドライバの改良点等が表示される。この画面の情報により、ユーザがキーボード104及びマスク105を操作して新規プリンタドライバに更新する(図中はいボタン)か、否(図中いいえボタン)か、を選択することになる。
【0061】
ステップS1−34
操作部103は、ユーザがキーボード104及びマスク105を操作して入力する、新規プリンタドライバに更新するか、否かの選択を受け入れる。
【0062】
ステップS1−35
選択結果が、新規プリンタドライバへの更新希望であった場合にはステップS1−36へ進み、そうでない場合にはステップS1−42へ進む。
【0063】
ステップS1−36
CRT制御部102は、受信した通知内容からプリンタドライバが格納されている取り出しアドレスの表示準備を行う。
【0064】
ステップS1−37
CRT制御部102は、CRT101の表示画面を取り出しアドレスを表示する画面に変更する。その表示の1例について説明する。
【0065】
図8は、実施例1の「新規プリンタドライバをアップデート実行する」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
図に示すように、新しいプリンタドライバの格納場所が表示されている。この画面の情報により、ユーザがキーボード104及びマスク105を操作し、アップデートを実行する(図中実行するボタン)か、否(図中中止するボタン)かを選択することになる。
【0066】
ステップS1−38
操作部103は、ユーザがキーボード104及びマスク105を操作して入力する、アップデートを実行するか、否かの選択を受け入れる。
【0067】
ステップS1−39
選択結果が、新規プリンタドライバへの更新実行であった場合にはステップS1−40へ進み、そうでない場合にはステップS1−42へ進む。
【0068】
ステップS1−40
新規プリンタドライバ情報登録部113は、共通プリンタ1に対して、送信済の印刷JOBデータ300をキャンセルするように通知する。
【0069】
ステップS1−41
新規プリンタドライバ情報登録部113は、新規プリンタドライバへの更新を実行してフローを終了する。
【0070】
ステップS1−42
CRT制御部102は、CRT101の表示画面を新規プリンタドライバのアップデートを中止する時の画面に変更し、ユーザが当面は現行プリンタドライバを希望している場合にはステップS1−43へ進み、そうでない場合にはフローを終了する。その表示の1例について説明する。
【0071】
図9は、実施例1の「新規プリンタドライバのアップデートを中止する」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
図に示すように、現行プリンタドライバの継続利用期間の入力がユーザに対して求められることになる。
【0072】
ステップS1−43
新規プリンタドライバ情報登録部113は、ユーザが[xxx]日間継続利用する意思を有しているので、新規プリンタドライバ情報を[xxx]日間送信しないように、プリンタドライバ情報判定部221に対して通知する。この通知により、プリンタドライバ情報判定部221は自己の内部に有する判定延期タイマを[xxx]日間に設定してフローを終了する。
【0073】
以上説明したように、実施例1の印刷システム1000によれば、複数の上位装置で印刷JOBデータを作成するときに、印刷JOBデータに、該印刷JOBデータを作成したプリンタドライバの詳細情報を追加したものを共通プリンタ1に送信する。一方、共通プリンタ1は、このプリンタドライバの詳細情報を受け入れて管理し、今後他のユーザから印刷JOBデータを受け入れる毎にそのユーザが新規のものを使用しているか否かをチェックし、古いものを使用していればそのユーザに通知し、新規プリンタドライバに更新することを促す。また、あるユーザが新しいプリンタドライバを使用している場合には、その印刷JOBデータに含まれているプリンタドライバ情報を使って、プリンタドライバ情報を更新する。その結果、ネットワークを介して共通プリンタ1を共有する上位装置にインストールされているプリンタドライバのバージョンを統一できるという効果を得る。
【実施例2】
【0074】
上記実施例1では、印刷装置を共有する複数の上位装置のそれぞれにインストールされているプリンタドライバのバージョンが統一されていないために発生する弊害の除去を目的とした。しかし、近年、画像形成装置のメーカが、バージョンアップにまでは至らないが、自己のサイトを通して、印刷システム環境の変更等を推奨する場合も多くなっている。本実施例の目的は、かかる場合に、統一された印刷システム環境を容易に構築できる印刷システムを提供することにある。
【0075】
本実施例による印刷システムのシステム構成は、実施例1における図1と同様なので説明を省略し、上位装置と画像形成装置の内部構成及び機能について詳細に説明する。
図10は、実施例2の印刷システムにおけるブロック図である。
【0076】
図に示すように、上位装置としてのPC2aは、ハードウェア構成ブロック(図中太実線のブロック)としての、CRT101と、キーボード104と、マウス105と、RAM107と、CPU108と、双方向I/Fと109と、HDD(不揮発性メモリ)115とを備え、CPU108を中心にして相互に信号接続されている。
【0077】
更に、PC2aは、ソフトウェア機能ブロック(図中細実線のブロック)としての、CRT制御部102と、操作部103と、印刷JOBデータ作成部110と、APデータ作成部111と、記憶部114と、上位装置仕様情報データ作成部130と、画像形成装置関係の推奨情報データ作成部131と、新規の印刷システムの推奨情報登録部132と、制御部133とを備える。各部分は、制御部133を中心にして相互に機能的に関連付けられている。
【0078】
以下に、実施例1と異なる部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分については実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
上位装置仕様情報データ作成部130は、印刷JOBデータの中身として添付する上位装置における仕様情報のデータを作成する部分である。ここで印刷JOBデータの内容について説明する。
【0080】
図11は、実施例2の印刷JOBデータの説明図である。
図に示すように、印刷JOBデータ600は、JOBヘッダ部データ(1)301と、印刷システム情報310と、印刷描画データ部303とを有する。以下に実施例1の印刷JOBデータ300と相違する部分のみについて説明する。印刷JOBデータ300と同様の部分については実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
印刷システム情報310は、その内部に、使用している上位装置の詳細情報311と、取得している最新の画像形成装置の推奨情報312とを含んでいる。使用している上位装置の詳細情報311には、(e0)CPU関係情報(上位装置の中枢となるCPUの種類等)、(e1)RAMサイズ、(e2)HDDメモリサイズ、(e3)拡張オプション類の情報、等が含まれている。
【0082】
取得している最新の画像形成装置の推奨情報312には、基本的にメーカ側が提供した印刷システムとしての設定や方法を変更することにより、そのパフォーマンスを向上させる為のお勧め情報、その後のフィールド情報や新たな経験や実験結果から追加される推奨情報が含まれる。例えば、管理バージョンとして(f0)推奨情報ID−Noが定義され、(f1)推奨詳細情報1、(f2)推奨詳細情報2、(f3)推奨詳細情報3・・・等の情報が含まれる。
【0083】
図10に戻って、画像形成装置関係の推奨情報データ作成部131は、印刷JOBデータ600の中身に含まれる、現状のユーザが得ている画像形成装置におけるお勧め情報(上記最新の画像形成装置の推奨情報312(図11))を格納するためのデータを作成する部分である。
【0084】
新規の印刷システムの推奨情報登録部132は、メーカサイト情報、若しくは、画像形成装置からの更新情報により、新たに取得した印刷システムにおける推奨情報データを管理情報として上位装置に登録する部分である。尚、初期情報は、メーカにより行われるか、この印刷システム管理者により格納される。
【0085】
画像形成装置としての共通プリンタ1aは、ハードウェア構成ブロック(図中太実線のブロック)としての、入出力I/F201と、オペレータパネル204と、不揮発性メモリ212と、CPU215と、エンジン(印刷部)218と、外部メモリ219と、RAM220とを備え、CPU214を中心にして相互に信号接続されている。
【0086】
更に、共通プリンタ1aは、ソフトウェア機能ブロック(図中細実線のブロック)としての、通信部202と、操作部203と、コマンド(データ)解析部205と、選択部206と、表示部208と、設定部210と、記憶部211と、編集(エミュレーション)部215と、展開部216と、エンジン制御部217と、印刷システムにおける推奨情報データ抽出部230と、情報更新判定部231と、制御部213とを備える。各部分は、制御部213を中心にして相互に機能的に関連付けられている。
【0087】
以下に、実施例1と異なる部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分については実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0088】
印刷システムにおける推奨情報データ抽出部230は、印刷JOBデータ600(図11)に含まれている印刷システムの推奨情報の部分(取得している最新の画像形成装置の推奨情報312(図11))を抽出する部分である。
【0089】
情報更新判定部231は、印刷システムにおける推奨情報データ抽出部230が、印刷システムの推奨情報として抽出した情報に新規内容があるか否かを判断し、あった場合には、その新規内容を共通データとして保持できる形式に整理する部分である。
【0090】
以上説明した実施例2の印刷システムは以下のように動作する。
以下の説明では、実施例2の印刷システムの動作を、(4)PC2a(図10)が印刷JOBデータ600(図11)を作成して共通プリンタ1a(図11)へ送信する動作と、(5)この作成された印刷JOBデータ600(図11)を受信した共通プリンタ1a(図11)が所定の処理を実行し、印刷出力するまでの動作と、(6)上記(5)における所定の処理の中で発生するプリンタドライバの更新処理の動作と、大きく3つの動作に分類し、その順番にフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0091】
図12は、実施例2における印刷JOBデータ作成のフローチャートである。
このフローチャートは、上記(4)を説明するフローチャートである。図10及び図11を併用しながらステップS2−1からステップS2−4までステップ順に説明する。
【0092】
ステップS2−1
印刷JOBデータ作成部110は、JOBヘッダ部データ(1)301を作成すべくユーザからキーボート104、マウス105を介してJOB先頭データの定義と、ユーザ名、IPアドレス、JOBネームなど(図11のJOBヘッダ部データ(1)301の内容)を受け入れて印刷JOBデータ600に格納する。
【0093】
ステップS2−2
印刷JOBデータ作成部110は、現在使用しているPC2aの詳細情報(使用している上位装置の詳細情報311)を上位装置仕様情報データ作成部130を介してHDD115から読み出して印刷JOBデータ300に格納する。その内容には、(e0)CPU関係情報、(e1)RAMサイズ、(e2)HDDメモリサイズ、(e3)拡張オプション類の情報等が含まれる。
【0094】
ステップS2−3
印刷JOBデータ作成部110は、取得している最新の画像形成装置の推奨情報(取得している最新の画像形成装置の推奨情報312)を印刷JOBデータ600に格納する。その内容には、(f0)推奨情報ID−No、(f1)推奨詳細情報1、(f2)推奨詳細情報2、(f3)推奨詳細情報3・・・等が含まれる。
【0095】
ステップS2−4
印刷JOBデータ作成部110は、ユーザがキーボード104、及びマウス105を用いるなどして入力する情報をAPデータ作成部111が描画データ(図11の印刷描画データ部303に該当する)に変換した情報を受け入れて印刷JOBデータ600に格納する。その内部には、(10)プリンタ設定情報、(11)印刷エミュレーション種別、(12)各種描画コマンドデータ、(13)JOBエンドなどが含まれている。尚、プリンタ設定情報(10)には、ユーザが現行の印刷システム環境の利用を希望しているか否かを含めても良い。このようにして作成された印刷JOBデータ600(図11)は、双方向I/F109を通って、共通プリンタ1a(図2)へ送信される。
【0096】
以上説明したフローチャートに従って生成された印刷JOBデータ600は、図11に示すように、PC2aから共通プリンタ1aへ例えばLAN20(図1)を介して送信され、続いて共通プリンタ1aにおける印刷処理が実行される。
【0097】
図13は、実施例2における印刷処理のフローチャートである。
このフローチャートは、上記(5)を説明するフローチャートである。図10及び図11を併用しながらステップS2−11からステップS2−22までステップ順に説明する。
【0098】
ステップS2−11
入出力I/F201は、PC2aから印刷JOBデータ600を受信する。
【0099】
ステップS2−12
入出力I/F201は、印刷JOBデータ600をRAM220などに形成されている受信バッファへ格納する。
【0100】
ステップS2−13
コマンド(データ)解析部205は、印刷JOBデータ600を解析する。
【0101】
ステップS2−14
最初にユーザの希望が、現行の印刷システム環境を求めているか否かを判定し、求めている場合にはステップS2−18へ進み、求めていない場合にはステップS2−15へ進む。ここでユーザが現行のプリンタドライバの使用を求めていない場合は、後述するステップS2−43で発生する。ここで現行の印刷システム環境の使用を求めているか否かの判定は、後に説明するステップS2−43、及びステップS2−44でユーザ希望が判定延期タイマ−値セットがされているか否かで判定される。又は、上記ステップS2−4で作成された(10)プリンタ設定情報に基づいて判定される。
【0102】
ステップS2−15
印刷システムにおける推奨情報データ抽出部230は、印刷JOBデータ600から印刷システム情報(使用している上位装置の詳細情報311)の抽出を実行する。
【0103】
ステップS2−16
情報更新判定部231は、現行の印刷システム環境の判定を行い、判定結果が最新の印刷システム環境である場合には更新の必要無しとしてステップS2−18へ進む。判定結果が(現行管理情報にない)最新の印刷システム環境である場合にはステップS2−17へ進む。判定結果が旧版印刷システム環境である場合にはステップS2−19へ進む。ここで現行の印刷システム環境の判定は、ステップS2−15で抽出された使用している上位装置の詳細情報311と、不揮発性メモリ212に格納されている現行の印刷システム環境とを比較することによって判定される。
【0104】
ステップS2−17
設定部(更新制御)210は、現在まで不揮発性メモリ212に格納されている印刷システム環境の推奨情報を最新のものに更新する。
【0105】
ステップS2−18
エンジン制御部217は、エンジン(印刷部)218を制御して印刷処理を行ってフローを終了する。
【0106】
ステップS2−19
情報更新判定部231は、本ネットワークで使用されている最新の印刷システム環境の詳細情報をPC2aへ送信すべく、不揮発性メモリ212から取得する。
【0107】
ステップS2−20
情報更新判定部231は、通信部202、及び入出力I/F201を介して本ネットワークで使用されている最新の印刷システム環境の詳細情報をPC2aへ送信し、応答を受信する。このフローの内容については後に詳細に説明する。
【0108】
ステップS2−21
情報更新判定部231は、PC2aからの応答結果が新規印刷システム環境に更新しない旨の通知を受信した場合には現行印刷システム環境で印刷するものとしてステップS2−18へ進む。情報更新判定部231は、PC2aからの応答結果が新規印刷システム環境に更新した旨の通知を受信した場合にはステップS2−22へ進む。
【0109】
ステップS2−22
情報更新判定部231は、印刷JOBデータ600をキャンセルしてフローを終了する。
【0110】
図14は、実施例2におけるホスト側画面表示と更新実行時までのフローチャートである。
このフローチャートは、上記(6)を説明するフローチャートである。図10及び図11を併用しながらステップS2−31からステップS2−44までステップ順に説明する。
【0111】
ステップS2−31
PC2aは、自己が印刷JOBデータ600を送信した共通プリンタ1aから、既に、新しい印刷システム環境が存在している旨の通知を受け入れる。この通知には、上記ステップS2−19で作成された印刷システムの詳細情報が含まれている。
【0112】
ステップS2−32
CRT制御部102は、その画像形成装置(プリンタ)500からの通知の内容をCRT101に表示すべく準備を行う。
【0113】
ステップS2−33
CRT制御部102は、通知の内容をCRT101に表示させる。その表示の1例について説明する。
【0114】
図15は、実施例2の「新規印刷システム設定によって改良される項目」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
図に示すように、プリンタ設定の改良の内容、PC設定の改良の内容等が表示される。この画面の情報により、ユーザがキーボード104及びマスク105を操作して新規印刷システム設定に更新する(図中はいボタン)か、否(図中いいえボタン)かを選択することになる。
【0115】
ステップS2−34
操作部103は、ユーザがキーボード104及びマスク105を操作して入力する、新規印刷システムに更新するか、否かの選択を受け入れる。
【0116】
ステップS2−35
選択結果が、新規印刷システムへの更新希望であった場合にはステップS2−36へ進み、そうでない場合にはステップS2−43へ進む。
【0117】
ステップS2−36
CRT制御部102は、受信した通知内容から自動更新により可能な項目を準備する。
【0118】
ステップS2−37
CRT制御部102は、受信した通知内容から自動更新により不可能な項目を準備する。例えばオプションデバイス類の増設等に関する項目である。
【0119】
ステップS2−38
CRT制御部102は、CRT101の表示画面を取り出して表示する。その表示の1例について説明する。
【0120】
図16は、実施例2の「新規情報による印刷システムのアップデート実行する」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
図に示すように、プリンタ設定の改良の内容と、PC設定の改良の内容が表示されている。この画面の情報により、ユーザがキーボード104及びマスク105を操作し、アップデートを実行するか(図中実行するボタン)か、否(図中中止するボタン)か、を選択することになる。
【0121】
ステップS2−39
操作部103は、アップデートを実行するか、否かの選択を受け入れる。
【0122】
ステップS2−40
選択結果が、新規印刷システム環境への更新実行であった場合にはステップS2−41へ進み、そうでない場合にはステップS2−43へ進む。
【0123】
ステップS2−41
新規の印刷システムの推奨情報登録部132は、共通プリンタ1aに対して、送信済の印刷JOBデータ600をキャンセルするように通知する。
【0124】
ステップS2−42
新規の印刷システムの推奨情報登録部132は、新規印刷システム環境への更新を実行してフローを終了する。
【0125】
ステップS2−43
CRT制御部102は、CRT101の表示画面を新規プリンタドライバのアップデートを中止する時の画面に変更し、ユーザが当面は現行プリンタドライバを希望している場合にはステップS2−44へ進み、そうでない場合にはフローを終了する。その表示の1例について説明する。
【0126】
図17は、実施例2の「新規情報による印刷システムのアップデートを中止する」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
図に示すように、現行プリンタドライバの継続利用する期間の入力をユーザに求めることになる。
【0127】
ステップS2−44
新規の印刷システムの推奨情報登録部132は、ユーザが[xxx]日間継続利用する意思を有しているので、新規印刷システム環境を[xxx]日間送信しないように、情報更新判定部231に対して通知する。この通知により、情報更新判定部231は自己の内部に有する判定延期タイマを[xxx]日間に設定してフローを終了する。
【0128】
以上説明したように、実施例2の印刷システムによれば、複数のPC2aで印刷JOBデータを作成するときに、印刷JOBデータに、該印刷JOBデータを作成した印刷システム環境の詳細情報を追加したものを共通プリンタ1aに送信する。一方、共通プリンタ1aは、このプリンタドライバの詳細情報を受け入れて管理し、今後他のユーザから印刷JOBデータを受け入れる毎にそのユーザが新規の印刷システム環境を使用しているか否かをチェックし、古いものを使用していればそのユーザに通知し、新規印刷システム環境に更新することを促す。また、あるユーザが新しい印刷システム環境を使用している場合には、その印刷JOBデータに含まれている印刷システム環境を使って、印刷システム環境情報を更新する。その結果、ネットワークを介して共通プリンタ1aを共有するPC2aの印刷システム環境を統一できるという効果を得る。
【産業上の利用可能性】
【0129】
実施例では、本発明をプリンタに適用した場合に限定して説明したが、本発明は、この例に限定されるものでは無い。即ち、MFP(マルチファンクションプリンタ)、ファクシミリ、スキャナや、証券、小切手、為替、及びトラベラーズチェック発光機等の上位装置からの指示により印刷や情報の参照操作を利用する装置全般に適用可能である。更に、可視データだけでなく、音楽メディアにおける視聴データの作成時におけるDVDやCD、HD等、マルチメディアへそれぞれを書き込む場合にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】実施例1の印刷システムのシステム構成図である。
【図2】実施例1の印刷システムにおけるブロック図である。
【図3】実施例1の印刷JOBデータの説明図である。
【図4】実施例1における印刷JOBデータ作成のフローチャートである。
【図5】実施例1における印刷処理のフローチャートである。
【図6】実施例1におけるホスト側画面表示と更新実行時までのフローチャートである。
【図7】実施例1の「新規プリンタドライバによって改良される項目」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
【図8】実施例1の「新規プリンタドライバをアップデート実行する」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
【図9】実施例1の「新規プリンタドライバのアップデートを中止する」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
【図10】実施例2の印刷システムにおけるブロック図である。
【図11】実施例2の印刷JOBデータの説明図である。
【図12】実施例2における印刷JOBデータ作成のフローチャートである。
【図13】実施例2における印刷処理のフローチャートである。
【図14】実施例2におけるホスト側画面表示と更新実行時までのフローチャートである。
【図15】実施例2の「新規印刷システム設定によって改良される項目」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
【図16】実施例2の「新規情報による印刷システムのアップデート実行する」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
【図17】実施例2の「新規情報による印刷システムのアップデートを中止する」時のCRT上の画面表示例の説明図である。
【符号の説明】
【0131】
PC2 上位装置
101 CRT
102 CRT制御部
103 操作部
104 キーボード
105 マウス
107 RAM
108 CPU
109 双方向I/F
110 印刷JOBデータ作成部
111 APデータ作成部
112 プリンタドライバ情報作成部
113 新規プリンタドライバ情報登録部
114 記憶部
115 HDD
116 制御部
1 共通プリンタ
201 入出力I/F
202 通信部
203 操作部
204 オペレータパネル
205 コマンド(データ)解析部
206 選択部
208 表示部
209 プリンタドライバ情報抽出部
210 設定部
211 記憶部
212 不揮発性メモリ
213 制御部
214 CPU
215 編集部
216 展開部
217 エンジン制御部
218 エンジン
219 外部メモリ
220 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の上位装置から該上位装置の装置情報を含む印刷JOBデータを受け入れる画像形成装置であって、
前記上位装置の装置情報を格納する装置情報格納部と、
前記印刷JOBデータから前記上位装置の装置情報を抽出する装置情報抽出部と、
該装置情報抽出部により抽出された上位装置の装置情報と前記装置情報格納部が格納する装置情報とを比較する装置情報比較部と、
該装置情報比較部による比較結果が不一致であると、前記装置情報格納部の装置情報を前記上位装置へ送出し、前記上位装置の装置情報の更新を求める装置情報更新制御部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記装置情報には、プリンタドライババージョンを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置情報には、印刷システム環境を用いることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
自己の装置情報を含む印刷JOBデータを作成し、個々に通信路へ送出する複数の上位装置と、前記通信路を介して前記複数の上位装置の各々から個々に前記印刷JOBデータを受け入れる画像形成装置とを含む画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
前記上位装置から受け入れた装置情報を格納する第一の装置情報格納部と、
前記印刷JOBデータから前記上位装置の装置情報を抽出する装置情報抽出部と、
該装置情報抽出部により抽出された上位装置の装置情報と前記装置情報格納部が格納する装置情報とを比較する装置情報比較部と、
該装置情報比較部による比較結果が不一致であると、前記装置情報格納部の装置情報を前記上位装置へ送出して前記上位装置の装置情報の更新を求める装置情報更新制御部とを備え、
前記上位装置は、
自己の装置情報を格納する第二の装置情報格納部と、
前記装置情報更新制御部から前記装置情報の更新を求められると、前記第二の装置情報格納部が格納する自己の装置情報を、前記画像形成装置の装置情報で更新する装置情報登録部とを備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
前記装置情報には、プリンタドライババージョンを用いることを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記装置情報には、システム環境を用いることを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−151678(P2009−151678A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330639(P2007−330639)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】