説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】特別な手間をかけずとも、未登録ユーザの情報処理装置からの印刷データに基づく印刷出力を可能とする画像形成装置及び画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像データを受信する受信部と、該画像データに基づき画像を形成する画像形成部と、画像形成処理の履歴情報を生成する生成部と、該履歴情報をユーザ識別情報に対応させて格納する格納部とを備える画像形成装置に、各登録ユーザ及び未登録ユーザからなる複数のユーザに対応して、画像形成処理を制限するための制限情報が予め記憶される記憶部と、履歴情報及び制限情報に基づいて、画像形成処理を許可するか否かを示す許可情報をユーザ毎に設定する設定部と、画像データにユーザ識別情報が付加されているか否かを判断する第1判断部と、付加されていないと判断されると、未登録ユーザに対して設定された許可情報に応じて、画像形成処理を許可するか否かを判断する第2判断部とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ毎に印刷制限を設定可能な画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のユーザにより共有使用される画像形成システムが、オフィス環境等に広く普及している。画像形成システムは、プリンタや、プリンタ部及びスキャナ部を備える複合機等の画像形成装置と、ネットワークを介して該画像形成装置に接続し、ユーザにより使用されるクライアントPC等の情報処理装置とを含んで構成される。この画像形成システムにおいて、画像形成装置は、情報処理装置から送信された印刷データに基づいて、印刷物の出力を行う。
【0003】
また、ネットワークを介して画像形成装置に接続する課金用のサーバが設けられ、印刷出力の履歴に応じて利用料金を算出し、ユーザに課金を行う画像形成システムが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−249625号公報
【0005】
このような画像形成システムでは、ユーザを識別するためのパスワードや暗証番号等のユーザ識別情報毎に、印刷の許可或いは禁止を示す許可情報が、画像形成装置に予め登録される。印刷を実行させる場合、情報処理装置は、印刷データにユーザ識別情報を付加して、画像形成装置に送信する。画像形成装置は、印刷データを受信すると、該印刷データに付加されたユーザ識別情報を取得し、対応して登録されている許可情報を参照する。そして、印刷が許可されている登録ユーザであると判断すると、画像形成装置は、受信した印刷データに基づく印刷出力を行う。
更に、画像形成装置は、印刷枚数やユーザ識別情報等を含む印刷出力の履歴情報を生成して保持する。サーバは、一定期間毎に画像形成装置から履歴情報を取得して、利用料金を算出し、各ユーザへの課金を行う。
【0006】
また、印刷が許可されていない印刷禁止ユーザや、ユーザ識別情報が登録されていない未登録ユーザであると判断した場合、画像形成装置は、受信した印刷データに基づく印刷の実行を不可とし、印刷処理を中止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来の画像形成システムでは、印刷が許可されていないユーザや課金対象ではない外部のユーザが画像形成装置を使用する必要が生じた場合、管理者が、該ユーザのユーザ識別情報を、画像形成装置に登録させなければならなかった。更に、印刷データにユーザ識別情報を付加するためのプリンタドライバを、このユーザが使用する情報処理装置にインストールしなければならず、手間がかかるという問題があった。また、使用が終了すると、管理者は、該ユーザの使用を不可とすべく、ユーザ識別情報の登録を解除しなければならなかった。
【0008】
したがって、特別な手間をかけずとも、未登録ユーザの情報処理装置からの印刷データに基づく印刷出力を可能とする画像形成装置及び画像形成システムが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
【0010】
〈構成1〉
本発明に係る画像形成装置は、ユーザが使用する情報処理装置から画像データを受信する受信部と、該画像データに基づき画像を形成するための画像形成部と、該画像形成部による画像形成処理の実行履歴を示す履歴情報を生成する生成部と、該履歴情報をユーザ識別情報に対応させて格納するための格納部とを備え、各登録ユーザ及び未登録ユーザからなる複数のユーザに対応して、画像形成部による画像形成処理の実行を制限するための制限情報が予め記憶される記憶部と、履歴情報及び制限情報に基づいて、画像形成部による画像形成処理の実行を許可するか否かを示す許可情報を、ユーザ毎に設定する設定部と、受信部により画像データが受信されると、該画像データにユーザ識別情報が付加されているか否かを判断する第1判断部と、付加されていないと判断されると、未登録ユーザに対して設定された許可情報に応じて、画像データに基づく画像形成処理の実行を許可するか否かを判断する第2判断部と、許可すると判断されると、画像形成部により画像形成処理を実行させる制御部とを設けることを特徴とする。
【0011】
〈構成2〉
本発明に係る画像形成システムは、ユーザが使用する情報処理装置から画像データを受信する受信部と、該画像データに基づき画像を形成するための画像形成部と、該画像形成部による画像形成処理の実行履歴を示す履歴情報を生成する生成部とを備える画像形成装置と、画像形成装置と通信可能であり、該画像形成装置から履歴情報及びユーザ識別情報を取得するためのサーバ取得部と、履歴情報及びユーザ識別情報を対応させて格納するための格納部とを備えるサーバとを含み、サーバは、各登録ユーザ及び未登録ユーザからなる複数のユーザに対応して、画像形成装置による画像形成処理の実行を制限するための制限情報が予め記憶される記憶部と、履歴情報及び制限情報に基づいて、画像形成装置による画像形成処理の実行を許可するか否かを示すユーザ毎の許可情報を、画像形成装置に設定する設定部とを備え、画像形成装置は、受信部により画像データが受信されると、該画像データにユーザ識別情報が付加されているか否かを判断する第1判断部と、付加されていないと判断されると、未登録ユーザに対して設定された許可情報に応じて、画像データに基づく画像形成処理の実行を許可するか否かを判断する第2判断部と、許可すると判断されると、画像形成部により画像形成処理を実行させると共に、生成部により履歴情報を生成させる制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置及び画像形成システムによれば、未登録ユーザに対応する制限情報が予め設定されるので、受信した画像データにユーザ識別情報が付加されていない場合も、該画像データを未登録ユーザの情報処理装置からの画像データであると判断し、設定された制限情報の範囲内で、画像形成処理の実行が許可される。したがって、特別な手間をかけずとも、外部のユーザによる画像形成装置の一時的使用が可能となり、利便性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係るプリンタシステムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るプリンタシステムの概略構成図である。
【図3】実施例1のユーザ情報記憶部の構成を示す説明図である。
【図4】実施例1の印刷ログ格納部の構成を示す説明図である。
【図5】実施例1の制限枚数値記憶部の構成を示す説明図である。
【図6】実施例1の総印刷枚数値格納部の構成を示す説明図である。
【図7】本発明に係るプリンタシステムの制限枚数値設定動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係るプリンタの実施例1の印刷動作を示すフローチャート(その1)である。
【図9】本発明に係るプリンタの実施例1の印刷動作を示すフローチャート(その2)である。
【図10】本発明に係るプリンタシステムの実施例1のOFF設定動作を示すフローチャート(その1)である。
【図11】本発明に係るプリンタシステムの実施例1のOFF設定動作を示すフローチャート(その2)である。
【図12】本発明の実施例2に係るプリンタシステムの機能構成を示すブロック図である。
【図13】実施例2のユーザ情報記憶部の構成を示す説明図である。
【図14】実施例2の印刷ログ格納部の構成を示す説明図である。
【図15】実施例2の制限枚数値記憶部の構成を示す説明図である。
【図16】実施例2の総印刷枚数値格納部の構成を示す説明図である。
【図17】本発明に係るプリンタシステムの実施例2のOFF設定動作を示すフローチャート(その1)である。
【図18】本発明に係るプリンタシステムの実施例2のOFF設定動作を示すフローチャート(その2)である。
【図19】本発明に係るプリンタの実施例2の印刷動作を示すフローチャート(その1)である。
【図20】本発明に係るプリンタの実施例2の印刷動作を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図2は、本発明に係るプリンタシステムの概略構成図である。
プリンタシステム10は、本発明に係る画像形成システムとして、図2に示されるように、プリンタ11と、該プリンタ11にネットワーク13を介して通信可能に接続されるプリンタ11の管理や課金用のサーバ12とを含んで構成される。サーバ12は、プリンタ11からの印刷出力の履歴を示す履歴情報を、一定期間毎に取得する。また、履歴情報に応じた利用料金の算出を行う課金処理を実行する。
【0016】
プリンタシステム10には、更に、複数のクライアントPC14が、ネットワーク13を介して通信可能に接続される。
【0017】
クライアントPC14は、例えば課金対象者等、印刷が許可されているユーザ、即ち登録ユーザにより使用される情報処理装置であり、課金処理に必要なユーザ識別情報を、印刷データに付加するためのプリンタドライバが、インストールされている。クライアントPC14は、画像データと、装置識別情報としての装置名、即ちPC名とを含む印刷データに、ユーザ識別情報としてのPIN(Personal Identification Number)データを付加して、プリンタ11へ送信する。本実施例では、印刷データに付加されるPINデータは、1〜3桁の数字からなる暗証番号である。このPINデータは、ユーザにより入力され、クライアントPC14内に保持される。
【0018】
また、プリンタシステム10には、クライアントPC15が、ネットワーク13を介して通信可能に接続されている。
【0019】
クライアントPC15は、印刷が許可されていない外部のユーザ、即ち未登録ユーザにより使用される情報処理装置であり、プリンタシステム10に一時的に接続される。クライアントPC15は、画像データ及びPC名を含み且つPINデータが付加されていない印刷データを、プリンタ11へ送信可能である。
【0020】
次に、プリンタ11及びサーバ12の機能構成について、図1を用いて詳しく説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るプリンタシステムの機能構成を示すブロック図である。
【0021】
プリンタ11は、画像形成装置として、図1に示されるように、ユーザ情報記憶部16、ユーザ情報管理部17、プリンタ通信部18、解析部21、第1判断部22、第2判断部23、ジョブ管理部24、印刷制御部25、エンジン部26、生成部27、印刷ログ格納部28、印刷ログ管理部29及びプリンタ制御部30を備えている。
【0022】
ユーザ情報記憶部16は、例えばハードディスク装置からなり、ユーザ情報を記憶する機能を有する。本実施例では、ユーザ情報記憶部16には、プリンタ11における印刷出力を許可するか否かを示す許可情報が、ユーザ毎に設定されて記憶される。
図3は、実施例1のユーザ情報記憶部の構成を示す説明図である。
【0023】
ユーザ情報記憶部16には、PINデータに対応して、許可情報「ON」或いは「OFF」が記憶されている。ここで、許可情報「ON」は、印刷出力を許可することを意味し、許可情報「OFF」は、印刷出力を許可しない、即ち禁止することを意味する。また、PINデータは、各登録ユーザを識別するためのユーザ情報である。ただし、PINデータ「0」は、未登録ユーザに対応して設定されるユーザ情報である。
【0024】
例えば、図3(a)に示されるユーザ情報記憶部16には、PINデータ「1」に対応して、許可情報「ON」が記憶されている。これは、PINデータ「1」に対応する登録ユーザの許可情報が「ON」であり、即ち、印刷出力が許可されていることを意味する。また、ユーザ情報記憶部16には、PINデータ「2」に対応して、許可情報「OFF」が記憶されている。これは、PINデータ「2」に対応する登録ユーザの許可情報が「OFF」であり、即ち、印刷出力が許可されていないことを意味する。更に、ユーザ情報記憶部16には、PINデータ「0」に対応して、許可情報「ON」が記憶されている。これは、未登録ユーザに対応する許可情報が「ON」であり、印刷出力が許可されていることを意味する。
【0025】
なお、本実施例では、ユーザ情報記憶部16には、PINデータに対応して、許可情報のみが記憶されるが、更に、ユーザ名や、該ユーザが使用するクライアントPC13のPC名等の各種ユーザ情報を記憶させても良い。
【0026】
ユーザ情報管理部17は、ユーザ情報記憶部16の管理機能を有し、プリンタ制御部30からのコマンドジョブに基づいて、ユーザ情報記憶部16内のデータの取得や更新を行う。
【0027】
プリンタ通信部18は、図1に示されるように、プリンタ受信部19及びプリンタ送信部20を有し、ネットワーク13を介して、サーバ12や登録ユーザのクライアントPC14、未登録ユーザのクライアントPC15(図2)等との間で、各種データの送受信を行う。
【0028】
プリンタ受信部19は、受信部として、クライアントPC14や、クライアントPC15から印刷データを受信する。また、プリンタ受信部19は、サーバ12から、各種コマンドデータを受信する。
【0029】
プリンタ送信部20は、後述する印刷ログ等の各種データを、サーバ12へ送信する。
【0030】
解析部21は、プリンタ受信部19により受信されたデータを解析し、該データが印刷データ及びコマンドデータの何れであるかを判断し、判断結果をプリンタ制御部30に通知する。
【0031】
第1判断部22は、印刷データにPINデータが付加されているか否かの判断を行う。PINデータが付加されている場合、第1判断部22は、該PINデータを取得して、プリンタ制御部30に通知する。PINデータが付加されていない場合、第1判断部21は、PINデータとして「0」を取得し、プリンタ制御部30に通知する。
【0032】
第2判断部23は、プリンタ制御部30から通知された許可情報に基づいて、印刷出力を許可するか否かを判断する。例えば、許可情報「ON」が通知された場合、第2判断部23は、印刷出力を許可すると判断する。また、許可情報「OFF」が通知された場合、第2判断部23は、印刷出力を許可しないと判断する。第2判断部23は、判断結果をプリンタ制御部30に通知する。
【0033】
ジョブ管理部24は、プリンタ制御部30から受け取った各種データをジョブに変換する機能を有する。ジョブ管理部24は、印刷データに基づき印刷ジョブを生成し、印刷制御部25へ送る。また、ジョブ管理部24は、コマンドデータに基づきコマンドジョブを生成し、プリンタ制御部30へ送る。
【0034】
ジョブ管理部24は、更に、印刷ジョブの管理機能を有する。ジョブ管理部24は、印刷制御部25から印刷結果を受け取ると、後述する印刷ログを生成すべく、コマンドジョブを生成して、生成部27へ送る。
【0035】
印刷制御部25は、ジョブ管理部24から受け取った印刷ジョブに基づき、ページデータを生成し、エンジン部26へ投入する。そして、エンジン部26から印刷出力の完了通知を受け取ると、印刷出力枚数を示す印刷枚数値等を含む印刷結果を、ジョブ管理部24に通知する。
【0036】
エンジン部26は、画像形成部として、ページデータに基づく印刷出力を行う。そして、印刷出力が完了すると、完了通知を印刷制御部25に送る。
【0037】
生成部27は、ジョブ管理部24からのコマンドジョブに基づき、印刷ログを生成する。生成部27により生成される印刷ログは、本実施例では、エンジン部26による印刷出力の履歴を示す履歴情報としての印刷枚数値と、ユーザのPINデータとを含む。
【0038】
印刷ログ格納部28は、格納部として、印刷ログを格納する。
図4は、実施例1の印刷ログ格納部の構成を示す説明図である。
【0039】
本実施例の印刷ログ格納部28には、プリンタ11において所定期間内に実行された各印刷ジョブの印刷ログとして、対応するユーザのPINデータと、履歴情報としての印刷枚数値とが、それぞれ格納される。
【0040】
例えば、図4に示される印刷ログ格納部28には、PINデータ「100」及び印刷枚数値「22」が、対応して格納されている。これは、PINデータ「100」の登録ユーザのクライアントPC14からの印刷データに基づいて、22枚の印刷出力が実行されたことを意味する。また、印刷ログ格納部28には、PINデータ「0」及び印刷枚数値「8」が、対応して格納されている。これは、PINデータ「0」の未登録ユーザのクライアントPC15からの印刷データに基づいて、8枚の印刷出力が実行されたことを意味する。
【0041】
なお、本実施例では、印刷ログ格納部28には、印刷ジョブ毎に、PINデータ及び印刷枚数値が格納されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、各PINデータに対応して、所定期間内の印刷枚数の総計を示す総印刷枚数値が格納される構成をとることも可能である。また、各印刷ジョブを識別するための印刷ジョブ名や、印刷出力が実行された日時情報等を、対応させて格納しても良い。
【0042】
印刷ログ管理部29は、印刷ログ格納部28の管理機能を有し、プリンタ制御部30からのコマンドジョブに基づいて、印刷ログ格納部28内のデータの取得や更新を行う。
【0043】
プリンタ制御部30は、プリンタ11の各部を制御する機能を有する。
【0044】
サーバ12は、図1に示されるように、サーバ通信部31、入力部34、表示部35、制限枚数値記憶部36、制限枚数値管理部37、総印刷枚数値格納部38、総印刷枚数値管理部39、設定部40及びサーバ制御部43を備えている。
【0045】
サーバ通信部31は、図1に示されるように、サーバ送信部32及びサーバ受信部33を有し、ネットワーク13を介して、プリンタ11との間で通信を行う。
【0046】
サーバ送信部32は、例えば印刷ログの取得を要求するためのログ取得コマンドデータや、ユーザ情報の取得を要求するためのユーザ情報取得コマンドデータ等のコマンドデータを、プリンタ11へ送信する。
【0047】
サーバ受信部33は、プリンタ11から各種データを受信する。サーバ受信部33は、サーバ取得部として、プリンタ11から印刷ログを受信する。
【0048】
入力部34は、例えばキーボード及びマウスからなり、管理者であるオペレータの操作に基づき、各種情報の入力を行う。本実施例では、入力部34は、印刷制限枚数を示す制限情報としての制限枚数値(後述)を入力する。
【0049】
表示部35は、例えばディスプレイからなり、各種画面の表示を行う。本実施例では、表示部35は、各ユーザの制限枚数値や許可情報等のユーザ情報を設定するためのユーザ情報設定画面を表示する。
【0050】
制限枚数値記憶部36は、記憶部として、プリンタ11における印刷出力を制限するための制限情報としての制限枚数値を記憶する。
図5は、実施例1の制限枚数値記憶部の構成を示す説明図である。
【0051】
本実施例の制限枚数値記憶部36には、PINデータに対応して、制限情報としての制限枚数値と、プリンタ11に設定済の許可情報とが、それぞれ記憶される。ここで、制限枚数値は、所定期間内に印刷出力が許可される印刷枚数の上限値である。
【0052】
例えば、図5(b)に示される制限枚数値記憶部36には、PINデータ「0」に対応して、制限枚数値「10」が記憶されている。これは、PINデータ「0」に対応する未登録ユーザに対し、10枚までの印刷出力が許可されることを意味する。また、PINデータ「0」に対応して、許可情報「ON」が記憶されている。これは、未登録ユーザの印刷出力が許可されていることを意味する。
【0053】
更に、図5(b)に示される制限枚数値記憶部36には、PINデータ「1」に対応して、制限枚数値「−」及び許可情報「ON」が記憶されている。これは、PINデータ「1」に対応する登録ユーザの印刷出力が許可されていると共に、該登録ユーザに対し、制限枚数値が設定されていない、即ち、印刷出力に制限が課されていないことを意味する。
【0054】
制限枚数値管理部37は、制限枚数値記憶部36の管理機能を有し、制限枚数値記憶部36内のデータの取得や更新を行う。
【0055】
総印刷枚数値格納部38は、所定期間内に印刷出力された印刷枚数値の総計を示す総印刷枚数値を、PINデータ毎に格納する格納部である。
図6は、実施例1の総印刷枚数値格納部の構成を示す説明図である。
【0056】
総印刷枚数値格納部38には、PINデータに対応して、総印刷枚数値が格納される。例えば、図6(a)に示される総印刷枚数値格納部38には、PINデータ「0」に対応して、総印刷枚数値「2」が格納されている。また、PINデータ「1」に対応して、総印刷枚数値「0」が格納されている。
【0057】
総印刷枚数値管理部39は、総印刷枚数値格納部38の管理機能を有し、総印刷枚数値格納部38内のデータの取得や更新を行う。
【0058】
設定部40は、図1に示されるように、比較判断部41及び実行部42を有している。
【0059】
比較判断部41は、サーバ制御部43から通知された制限枚数値と総印刷枚数値とを比較して、総印刷枚数値が制限枚数値以上であるか否かを判断する。比較判断部41は、総印刷枚数値が制限枚数値以上であると判断すると、対応するPINデータを実行部42に通知する。
【0060】
実行部42は、比較判断部41から通知されたPINデータを、禁止PINデータとして設定し、一時的に記憶する。また、実行部42は、サーバ制御部43からの設定指示に基づいて、制限枚数値記憶部36及びプリンタ11に許可情報を設定するために、設定コマンドデータを生成する。生成された設定コマンドデータは、サーバ制御部43に送られる。
【0061】
サーバ制御部43は、サーバ12の各部を制御する機能を有する。
【0062】
次に、本実施例のプリンタシステム10の動作について、説明する。
ここでは、まず、プリンタシステム10において、未登録ユーザの印刷枚数を制限すべく、制限枚数値が設定される流れについて、図7に沿って説明する。
図7は、本発明に係るプリンタシステムの制限枚数値設定動作を示すフローチャートである。
【0063】
制限枚数値設定処理に先立ち、プリンタ11において、電源が投入され、初期化処理が実行される。この初期化処理に伴い、プリンタ11のユーザ情報管理部17は、プリンタ制御部30の制御に基づき、未登録ユーザや不明ユーザに対応する許可情報をユーザ情報記憶部16に設定すべく、所定のPINデータ「0」を割り当てる。ユーザ情報管理部17は、このPINデータ「0」に対応させて、許可情報「ON」をユーザ情報記憶部16に記憶させる。
【0064】
プリンタ11のユーザ情報記憶部16には、図3(a)に示されるように、PINデータ「0」が割り当てられ、対応する許可情報「ON」と共に記憶される。
【0065】
なお、本実施例のプリンタ11では、初期設定として、PINデータ「0」に対応して許可情報「ON」が設定されるが、許可情報「OFF」を設定しても良い。
【0066】
その後、サーバ12において、管理者であるオペレータが、許可情報や制限枚数値等のユーザ情報を設定するためのユーザ情報設定画面を、表示部35に表示させるべく、入力部34を操作する。この操作に基づき、入力部34が、ユーザ情報の取得要求をサーバ制御部43に入力する(ステップS101)。
【0067】
サーバ制御部43は、入力された取得要求に基づき、ユーザ情報取得コマンドデータを生成する。そして、サーバ送信部32が、サーバ制御部43からユーザ情報取得コマンドデータを受け取って、プリンタ11へ送信する(ステップS102)。
【0068】
プリンタ11において、プリンタ受信部19が、ユーザ情報取得コマンドデータをサーバ12から受信すると、該ユーザ情報取得コマンドデータは、解析部21に送られる。そして、解析部21が、ユーザ情報取得コマンドデータを解析し、コマンドデータであると判断する(ステップS103)。解析部21は、ユーザ情報取得コマンドデータを、ジョブ管理部24へ送る。
【0069】
ジョブ管理部24は、ユーザ情報取得コマンドデータを受け取ると、ユーザ情報取得コマンドジョブを生成する(ステップS104)。生成されたユーザ情報取得コマンドジョブは、プリンタ制御部30を介して、ユーザ情報管理部17に送られる。
【0070】
ユーザ情報管理部17は、ユーザ情報取得コマンドジョブを受け取ると、ユーザ情報記憶部16(図3(a))から、各PINデータ及び対応する許可情報を取得する(ステップS105)。そして、プリンタ制御部30の制御に基づき、プリンタ送信部20が、取得されたPINデータ及び許可情報を、サーバ12へ送信する(ステップS105)。
【0071】
サーバ12において、サーバ受信部33が、PINデータ及び許可情報をプリンタ11から受信すると、PINデータ及び許可情報は、制限枚数値管理部37へ送られる。そして、制限枚数値管理部37が、受け取ったPINデータ及び許可情報に基づいて、制限枚数値記憶部36を更新する(ステップS106)。
【0072】
制限枚数値記憶部36には、図5(a)に示されるように、プリンタ11から取得された各ユーザの許可情報が記憶される。このとき、未登録ユーザに対応する制限枚数値は未設定であるため、PINデータ「0」に対応して記憶される制限枚数値は「−」となっている。
【0073】
続いて、サーバ制御部43の制御に基づき、制限枚数値管理部37が、制限枚数値記憶部36に記憶されているPINデータ、制限枚数値及び許可情報を取得する。そして、表示部35が、取得されたPINデータ、制限枚数値及び許可情報を含むユーザ情報設定画面を表示する(ステップS107)。
【0074】
未登録ユーザに対して制限枚数値「10」を設定する場合、入力部34は、オペレータの操作に基づき、設定要求と、PINデータ「0」及び制限枚数値「10」とを入力する(ステップS108)。
【0075】
サーバ制御部43は、入力された設定要求、PINデータ及び制限枚数値に基づいて、制限枚数値管理部37に設定指示を行う。そして、制限枚数値管理部37が、設定指示に基づいて、制限枚数値記憶部36を更新する(ステップS109)。これにより、プリンタシステム10における制限枚数値設定処理が終了する。
【0076】
制限枚数値記憶部36には、図5(b)に示されるように、PINデータ「0」に対応して、制限枚数値「10」が記憶される。
【0077】
上記のように、未登録ユーザに対する制限枚数値がサーバ12の制限枚数値記憶部36に設定される。他の登録ユーザに対する制限枚数値も、同様に、ユーザ情報設定画面上で設定可能である。
【0078】
次に、プリンタ11において、印刷データが受信された場合の処理の流れについて、図8及び図9に沿って説明する。
図8は、本発明に係るプリンタの実施例1の印刷動作を示すフローチャート(その1)であり、図9は、本発明に係るプリンタの実施例1の印刷動作を示すフローチャート(その2)である。
【0079】
まず、PINデータ「100」を登録済の登録ユーザのクライアントPC14から、プリンタ11へ22枚分の印刷データが送信される場合を例に、処理の流れを説明する。
【0080】
クライアントPC14は、画像データを含む印刷データに、登録済のPINデータ「100」を付加して、プリンタ11へ送信する。
【0081】
プリンタ11において、プリンタ受信部19は、クライアントPC14から印刷データを受信する(ステップS201)。
【0082】
続いて、解析部21が、受信されたデータを解析し、印刷データであると判断すると、該印刷データは第1判断部22に送られる(ステップS202)。
【0083】
そして、第1判断部22が、印刷データにPINデータが付加されているか否かを判断する(ステップS203)。
【0084】
PINデータが付加されていると判断する(ステップS203)と、第1判断部22は、該PINデータを取得し、プリンタ制御部30に通知する(ステップS204)。第1判断部22は、PINデータ「100」を取得して通知する。
【0085】
プリンタ制御部30は、ジョブ管理部24に、許可情報を取得するための許可情報取得コマンドジョブを生成させる。そして、生成された許可情報取得コマンドジョブと、通知されたPINデータとを、ユーザ情報管理部17に送る。
【0086】
ユーザ情報管理部17は、許可情報取得コマンドジョブに基づき、通知されたPINデータがユーザ情報記憶部16に登録されているか否かを判断する(ステップS205)。そして、登録されていると判断すると、該PINデータに対応して設定されている許可情報を、ユーザ情報記憶部16から取得する(ステップS206)。
【0087】
印刷データにPINデータ「100」が付加されていた場合、ユーザ情報管理部17は、図3(a)に示されるユーザ情報記憶部16から、許可情報「ON」を取得する。取得された許可情報は、プリンタ制御部30に通知される。
【0088】
続いて、プリンタ制御部30は、許可情報を第2判断部23に通知する。そして、第2判断部23が、該許可情報に基づいて、印刷出力を許可するか否かを判断する(ステップS207)。
【0089】
許可情報が「ON」である場合(ステップS207)、第2判断部23は、印刷出力を許可すると判断し、判断結果をプリンタ制御部30に通知する(ステップS208)。
【0090】
そして、プリンタ制御部30の制御により、ジョブ管理部24が、印刷データに基づく印刷ジョブを生成し、印刷制御部25へ送る(ステップS209)。
【0091】
印刷制御部25は、受け取った印刷ジョブに基づいて、22枚分のページデータを生成し、エンジン部26へ投入する。そして、エンジン部26が、該ページデータに基づき印刷出力を行う(ステップS210)。エンジン部26は、印刷用紙上に画像を形成し、該印刷用紙を排出する。印刷出力が完了すると、エンジン部26は、印刷制御部25に完了通知を送る。
【0092】
続いて、印刷制御部25が、エンジン部26による印刷枚数値を含む印刷結果をジョブ管理部24に通知する。印刷制御部25は、印刷枚数値「22」を含む印刷結果を通知する。
【0093】
そして、ジョブ管理部24が、印刷ログを生成すべくログ生成コマンドジョブを生成部27に送り、生成部27が、ログ生成コマンドジョブに基づいて、PINデータ及び印刷枚数値からなる印刷ログを生成する(ステップS211)。生成部27は、PINデータ「100」及び印刷枚数値「22」からなる印刷ログを生成する。生成された印刷ログは、プリンタ制御部30に送られる。
【0094】
続いて、プリンタ制御部30が、ジョブ管理部24により生成されたログ格納コマンドジョブと、生成部27から受け取った印刷ログとを、印刷ログ管理部29に送る。そして、印刷ログ管理部29が、受け取った印刷ログを、印刷ログ格納部28に格納する(ステップS212)。これにより、プリンタ11における印刷処理が完了する。
【0095】
印刷ログ格納部28には、図4に示されるように、PINデータ「100」及び印刷枚数値「22」からなる印刷ログが、格納される。
【0096】
ステップS207において、許可情報が「OFF」である場合、第2判断部23は、印刷出力を許可しない、即ち禁止すると判断し、該判断結果をプリンタ制御部30に通知する(ステップS213)。
【0097】
そして、プリンタ制御部30が、ジョブ管理部24に印刷中止を通知し、ジョブ管理部24が、対応する印刷データに基づく印刷出力をキャンセルする(ステップS214)。これにより、プリンタ11における印刷処理が終了する。
【0098】
上記のように、印刷データに付加されているPINデータが取得され、該PINデータに対応して設定されている許可情報に基づいて、印刷出力の可否が判断される。また、印刷出力が実行された場合、PINデータ及び印刷枚数値からなる印刷ログが生成されて格納される。
【0099】
次に、未登録ユーザのクライアントPC15から、8枚分の印刷データが受信される場合について、説明する。
【0100】
未登録ユーザのクライアントPC15は、8枚分の画像データを含む印刷データを、プリンタ11へ送信する。
【0101】
プリンタ11において、プリンタ受信部19が、クライアントPC15からの印刷データを受信する(ステップS201)と、解析部21が、受信したデータの解析を行って、印刷データであると判断する(ステップS202)。
【0102】
続いて、第1判断部22が、印刷データにPINデータが付加されているか否かを判断する(ステップS203)。
【0103】
PINデータが付加されていないと判断する(ステップS203)と、第1判断部22は、PINデータとして「0」を取得する(ステップS215)。第1判断部22は、取得したPINデータ「0」を、プリンタ制御部30に通知する。
【0104】
続いて、プリンタ制御部30が、許可情報取得コマンドジョブとPINデータ「0」とを、ユーザ情報管理部17に送る。そして、ユーザ情報管理部17が、ユーザ情報記憶部16にPINデータ「0」が登録済であると判断する(ステップS205)と、該PINデータ「0」に対応する許可情報を、ユーザ情報記憶部16から取得する(ステップS206)。
【0105】
次に、第2判断部23が、許可情報に基づいて、印刷出力を許可するか否かを判断する(ステップS207)。ステップS207以降の処理の流れは、登録ユーザの場合と同一であるので、詳しい説明を省略する。8枚分の印刷出力が実行された場合(ステップS210)、生成部27が、PINデータ「0」及び印刷枚数値「8」からなる印刷ログを生成し(ステップS211)、該印刷ログが印刷ログ格納部28に格納される(ステップS212)。これにより、プリンタ11における印刷処理が完了する。
【0106】
印刷ログ格納部28には、図4に示されるように、PINデータ「0」及び印刷枚数値「8」からなる印刷ログが、格納される。
【0107】
また、ステップS203において、PINデータが付加されていると判断され、このPINデータが取得された(ステップS204)後、ステップS205において、該PINデータが登録されていないと判断された場合、PINデータとして「0」が再度取得される(ステップS215)。そして、ユーザ情報管理部17は、該PINデータ「0」に対応する許可情報を取得して、プリンタ制御部30に通知し(ステップS206)、ステップS207以降の処理が実行される。
【0108】
上記のように、印刷データにPINデータが付加されていない場合、或いは未登録のPINデータが付加されている場合、未登録ユーザに対応して設定された許可情報に基づいて、印刷出力の可否が判断される。
【0109】
次に、プリンタシステム10において、各PINデータに対応する総印刷枚数値及び制限枚数値を比較して、許可情報の設定変更が実行される流れについて、図10及び図11に沿って説明する。
図10は、本発明に係るプリンタシステムの実施例1のOFF設定動作を示すフローチャート(その1)であり、図11は、本発明に係るプリンタシステムの実施例1のOFF設定動作を示すフローチャート(その2)である。
【0110】
ここでは、未登録ユーザの総印刷枚数値が制限枚数値に達し、許可情報が「ON」から「OFF」に設定変更される場合を例に、説明を行う。
【0111】
サーバ12において、入力部34は、一定期間毎に、或いはオペレータの操作に基づいて、各PINデータに対応する許可情報の設定を見直すべく、許可情報の設定変更要求を入力する(ステップS301)。
【0112】
この設定変更要求に基づき、サーバ制御部43が、プリンタ11から印刷ログを取得すべく、ログ要求コマンドデータを生成する。そして、サーバ送信部32が、ログ要求コマンドデータをプリンタ11へ送信する(ステップS302)。
【0113】
プリンタ11において、プリンタ受信部19が、サーバ12からログ要求コマンドデータを受信すると、解析部21が、受信されたデータを解析し、コマンドデータであると判断する(ステップS303)。
【0114】
続いて、ジョブ管理部24が、ログ要求コマンドデータに基づいて、ログ要求コマンドジョブを生成する(ステップS304)。生成されたログ要求コマンドジョブは、プリンタ制御部30を介して、印刷ログ管理部29に送られる。
【0115】
印刷ログ管理部29は、ログ要求コマンドジョブを受け取ると、印刷ログ格納部28(図4)から、PINデータ及び印刷枚数値を含む印刷ログを取得する(ステップS305)。そして、プリンタ制御部30の制御に基づき、プリンタ送信部20が、取得された印刷ログをサーバ12へ送信する(ステップS305)。また、印刷ログ管理部29は、取得した印刷ログを、印刷ログ格納部28から削除する。
【0116】
サーバ12において、サーバ受信部33がプリンタ11から印刷ログを受信すると、該印刷ログは、サーバ制御部43を介して総印刷枚数値管理部39に送られる。そして、総印刷枚数値管理部39が、受け取った印刷ログに含まれる各PINデータ及び対応する印刷枚数値に基づいて、総印刷枚数値格納部38を更新する(ステップS306)。
【0117】
更新前の総印刷枚数値格納部38には、図6(a)に示されるように、PINデータ「0」に対応して総印刷枚数値「2」が、PINデータ「100」に対応して総印刷枚数値「10」が、それぞれ格納されている。総印刷枚数値管理部39は、プリンタ11から取得された印刷ログに基づいて、図6(b)に示されるように、総印刷枚数値格納部38を更新する。即ち、総印刷枚数値格納部38において、PINデータ「0」に対応する総印刷枚数値は、取得された印刷枚数値「8」が更新前の総印刷枚数値「2」に加算され、「10」に更新される。また、PINデータ「100」に対応する総印刷枚数値は、取得された印刷枚数値「22」が更新前の総印刷枚数値「10」に加算され、「32」に更新される。
【0118】
続いて、サーバ制御部43の制御に基づき、総印刷枚数値管理部39が、まず、PINデータ「0」に対応する総印刷枚数値を、総印刷枚数値格納部38から取得する(ステップS307)。総印刷枚数値管理部39は、図6(b)に示される総印刷枚数値格納部38から、PINデータ「0」に対応する総印刷枚数値「10」を取得する。また、制限枚数値管理部37が、PINデータ「0」に対応する制限枚数値を、制限枚数値記憶部36から取得する(ステップS307)。制限枚数値管理部37は、図5(b)に示される制限枚数値記憶部36から、PINデータ「0」に対応する制限枚数値「10」を取得する。取得された総印刷枚数値及び制限枚数値は、サーバ制御部43に通知される。
【0119】
サーバ制御部43は、通知された総印刷枚数値及び制限枚数値と、PINデータとを、設定部40に通知する。そして、設定部40の比較判断部41が、通知された総印刷枚数値及び制限枚数値を比較して、総印刷枚数値が制限枚数値以上であるか否かを判断する(ステップS308)。
【0120】
比較判断部41は、総印刷枚数値「10」及び制限枚数値「10」を比較して、総印刷枚数値が制限枚数値以上であると判断する(ステップS308)と、対応するPINデータ「0」を、実行部42に通知する。実行部42は、通知されたPINデータ「0」を、禁止PINデータとして設定して記憶する(ステップS309)。
【0121】
設定部40は、PINデータ「0」に対応する比較判断処理の完了を、サーバ制御部43に通知する。そして、サーバ制御部43は、次のPINデータが登録されているか否かを判断する(ステップS310)。
【0122】
サーバ制御部43により、次のPINデータが登録されていると判断される(ステップS310)と、総印刷枚数値管理部39が、該PINデータ「1」に対応する総印刷枚数値「0」を、総印刷枚数値格納部38から取得すると共に、制限枚数値管理部37が、該PINデータ「1」に対応する制限枚数値「−」を、制限枚数値記憶部36から取得する(ステップS307)。
【0123】
そして、サーバ制御部43が、PINデータ「1」、総印刷枚数値「0」及び制限枚数値「−」を、設定部40に通知する。そして、比較判断部41が、総印刷枚数値及び制限枚数値を比較して、総印刷枚数値が制限枚数値以上であるか否かを判断する(ステップS308)。
【0124】
制限枚数値記憶部36には、PINデータ「1」に対応する制限枚数値は設定されていないので、比較判断部41は、総印刷枚数値が制限枚数値以上ではないと判断する(ステップS308)。そして、比較判断部41が、PINデータ「1」に対応する比較判断処理の完了を、サーバ制御部43に通知する。この通知を受けて、サーバ制御部43は、次のPINデータが登録されているか否かの判断を行う(ステップS310)。
【0125】
このように、サーバ12に登録済の各PINデータに対して、総印刷枚数値及び制限枚数値が取得され、比較判断処理が実行される。そして、何れかのPINデータに対応する総印刷枚数値が制限枚数値以上であると判断されると、該PINデータが禁止PINデータとして設定されて記憶される。
【0126】
次のPINデータが登録されていないと判断する(ステップS310)と、サーバ制御部43は、設定部40にOFF設定指示を行う(ステップS311)。
【0127】
設定部40において、実行部42は、禁止PINデータが記憶されている場合(ステップS312)、サーバ制御部43からのOFF設定指示に基づき、各禁止PINデータに対応する許可情報を「OFF」と設定すべく、OFF設定コマンドデータを生成し、サーバ制御部43に送る(ステップS313)。
【0128】
そして、制限枚数値管理部37が、OFF設定コマンドデータに基づいて、制限枚数値記憶部36を更新し、禁止PINデータに対応する許可情報を「OFF」に設定する(ステップS314)。
【0129】
制限枚数値記憶部36には、図5(c)に示されるように、禁止PINデータ「0」に対応する許可情報として、「OFF」が記憶される。
【0130】
続いて、サーバ制御部43の制御に基づいて、サーバ送信部32が、OFF設定コマンドデータをプリンタ11へ送信する(ステップS315)。
【0131】
プリンタ11において、プリンタ受信部19が、サーバ12からOFF設定コマンドデータを受信すると、解析部21が、受信されたデータの解析を行って、コマンドデータであると判断する(ステップS316)。
【0132】
続いて、ジョブ管理部24が、OFF設定コマンドデータに基づいて、OFF設定コマンドジョブを生成する(ステップS317)。生成されたOFF設定コマンドジョブは、プリンタ制御部30を介して、ユーザ情報管理部17に送られる。
【0133】
そして、ユーザ情報管理部17が、OFF設定コマンドジョブに基づいて、ユーザ情報記憶部16を更新し、禁止PINデータに対応する許可情報を「OFF」に設定する(ステップS318)。これにより、プリンタシステム10におけるOFF設定処理が終了する。
【0134】
ユーザ情報記憶部16には、図3(b)に示されるように、禁止PINデータ「0」に対応する許可情報として、「OFF」が記憶される。
【0135】
ステップS312において、禁止PINデータが無いと判断された場合、実行部42は、該判断結果をサーバ制御部43に通知する。そして、プリンタシステム10は、OFF設定処理を終了する。
【0136】
上記のように、総印刷枚数値が制限枚数値に達したPINデータに対して、許可情報「OFF」が、プリンタ11及びサーバ12に設定される。これにより、プリンタ11において、該PINデータを用いた印刷出力が禁止される。
【0137】
なお、サーバ12の総印刷枚数値格納部38に格納される総印刷枚数値は、例えば一定期間毎に、課金処理の実行に伴い、「0」にリセットされる。また、制限枚数値記憶部36及びプリンタ11のユーザ情報記憶部16に設定される許可情報「OFF」は、このリセットに伴い、「ON」に設定変更される。
【0138】
以上のように、本実施例のプリンタシステムは、未登録ユーザに対応する許可情報及び制限枚数値を予め設定することにより、印刷データにPINデータが付加されていない場合も、設定された制限枚数値の範囲内で、該印刷データに基づく印刷出力が可能となる。そのため、印刷データにPINデータを付加するためのプリンタドライバをわざわざインストールせずとも、外部のユーザが使用するクライアントPCから印刷データを送信して、プリンタを一時的に使用可能となる。また、プリンタシステムの管理者が、一時使用するユーザのために、PINデータの登録や登録解除を行う手間を省略可能となる。更に、制限枚数値を超えて印刷が実行された場合、該ユーザに対して、印刷出力を禁止可能となる。したがって、コストを抑制可能且つ利便性を向上可能なプリンタシステムが実現される。
【0139】
なお、本実施例では、プリンタ及びサーバの何れにも、PINデータ毎の許可情報が設定されるが、プリンタのみに許可情報を設定する構成をとることも可能である。
【0140】
また、本実施例では、PINデータ毎の制限枚数値をサーバに設定し、サーバにおいて、総印刷枚数値及び制限枚数値の比較判断処理を実行するが、本発明はこれに限定されない。プリンタにおいて制限枚数値を記憶し、上記した比較判断処理を実行する構成をとることも可能である。また、印刷出力のたびに、比較判断処理を実行させることも可能である。これにより、制限枚数値を超えて印刷出力が実行されることを確実に防止できる。
【実施例2】
【0141】
図12は、本発明の実施例2に係るプリンタシステムの機能構成を示すブロック図である。
本実施例のプリンタシステム50は、印刷データからPC名を取得するための取得部55が、プリンタ51に追加される構成が、実施例1とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1と同一の構成については同一の符号で示し、重複する説明を可能な限り省略する。
【0142】
プリンタシステム50は、本発明に係る画像形成システムとして、図12に示されるように、プリンタ51と、該プリンタ51にネットワークを介して通信可能に接続されるプリンタ51の管理や課金用のサーバ52とを含んで構成される。
【0143】
プリンタシステム50には、更に、登録ユーザに使用されるクライアントPC14(不図示)や、未登録ユーザに使用されるクライアントPC15(不図示)が、ネットワーク13を介して通信可能に接続されている。
【0144】
プリンタ51は、画像形成装置として、図12に示されるように、ユーザ情報記憶部53、ユーザ情報管理部54、プリンタ通信部18、解析部21、第1判断部22、第2判断部23、取得部55、ジョブ管理部24、印刷制御部25、エンジン部26、生成部57、印刷ログ格納部58、印刷ログ管理部59及びプリンタ制御部60を備えている。
【0145】
ユーザ情報記憶部53は、例えばハードディスク装置からなり、ユーザ情報を記憶する。本実施例では、ユーザ情報記憶部53には、プリンタ51における印刷出力を許可するか否かを示す許可情報が、ユーザ毎に設定されて記憶される。
【0146】
図13は、実施例2のユーザ情報記憶部の構成を示す説明図である。
ユーザ情報記憶部53には、ユーザ識別情報としてのPINデータと、装置識別情報としてのPC名とに対応して、許可情報が記憶されている。
【0147】
例えば、図13(a)に示されるユーザ情報記憶部53には、PINデータ「1」及びPC名「PC1」に対応して、許可情報「ON」が記憶されている。これは、PINデータ「1」に対応する登録ユーザがPC名「PC1」のクライアントPC14を使用して送信した印刷データに基づく印刷出力が、許可されていることを意味する。また、PINデータ「0」にするユーザ、即ち未登録ユーザの使用するクライアントPC15のPC名は未登録であり、図13(a)に示されるユーザ情報記憶部53には、PINデータ「0」に対応して、PC名「−」が記憶されている。
【0148】
なお、本実施例では、ユーザ情報記憶部53には、PINデータ及びPC名に対応して、許可情報が記憶されるが、PC名に代えて、ユーザ名を記憶させても良い。
【0149】
ユーザ情報管理部54は、ユーザ情報記憶部53の管理機能を有し、プリンタ制御部60からのコマンドジョブに基づいて、ユーザ情報記憶部53内のデータの取得や更新を行う。
【0150】
取得部55は、装置取得部として、印刷データからPC名を取得して、プリンタ制御部60に通知する。
【0151】
生成部57は、履歴情報としての印刷枚数値を含む印刷ログを生成する。本実施例では、生成部57により生成される印刷ログは、PINデータ、PC名及び印刷枚数値からなる。
【0152】
印刷ログ格納部58は、格納部として、所定期間内に実行された各印刷ジョブの印刷ログを格納する。
図14は、実施例2の印刷ログ格納部の構成を示す説明図である。
【0153】
本実施例の印刷ログ格納部58には、印刷ログとして、各印刷ジョブに対応するPINデータ、PC名及び印刷枚数値が、それぞれ格納される。
【0154】
例えば、図14に示される印刷ログ格納部58には、PINデータ「100」、PC名「PC100」及び印刷枚数値「22」が、対応して格納されている。これは、PC名「PC100」のクライアントPC14からの印刷データに基づき、22枚の印刷出力が実行されたことを意味する。また、印刷ログ格納部58には、PINデータ「0」、PC名「PC0」及び印刷枚数値「10」が、対応して格納されている。これは、未登録ユーザが使用するPC名「PC0」のクライアントPC15からの印刷データに基づき、10枚の印刷出力が実行されたことを意味する。
【0155】
なお、本実施例では、印刷ログ格納部58には、印刷ジョブ毎にPINデータ、PC名及び印刷枚数値が格納されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、各PINデータ及びPC名に対応して、所定期間内の印刷枚数の総計を示す総印刷枚数値が格納される構成をとることも可能である。
【0156】
印刷ログ管理部59は、印刷ログ格納部58の管理機能を有し、プリンタ制御部60からのコマンドジョブに基づいて、印刷ログ格納部58内のデータの取得や更新を行う。
【0157】
プリンタ制御部60は、プリンタ51の各部を制御する機能を有する。
【0158】
サーバ52は、図12に示されるように、サーバ通信部31、入力部34、表示部35、制限枚数値記憶部61、制限枚数値管理部62、総印刷枚数値格納部63、総印刷枚数値管理部64、設定部65及びサーバ制御部68を備えている。
【0159】
制限枚数値記憶部61は、記憶部として、PINデータに対応して、制限情報としての制限枚数値を記憶する。
図15は、実施例2の制限枚数値記憶部の構成を示す説明図である。
【0160】
例えば、図15に示される制限枚数値記憶部61には、PINデータ「100」に対応して、制限枚数値「1000」が記憶されている。これは、PINデータ「100」に対応する登録ユーザに対し、1000枚までの印刷出力が許可されることを意味する。
【0161】
また、図15に示される制限枚数値記憶部61には、PINデータ「0」に対応して、制限枚数値「10」が記憶されている。これは、未登録ユーザに対し、10枚までの印刷出力が許可されることを意味する。
【0162】
なお、本実施例では、制限枚数値記憶部61には、PINデータ毎に、制限枚数値のみが記憶されるが、更にPC名や許可情報を対応させて記憶させても良い。
【0163】
制限枚数値管理部62は、制限枚数値記憶部61の管理機能を有し、制限枚数値記憶部61内のデータの取得や更新を行う。
【0164】
総印刷枚数値格納部63は、総印刷枚数値を、PINデータ及びPC名毎に格納する格納部である。
図16は、実施例2の総印刷枚数値格納部の構成を示す説明図である。
【0165】
例えば、図16(a)に示される総印刷枚数値格納部63には、PINデータ「1」及びPC名「PC1」に対応して、総印刷枚数値「0」が格納されている。
【0166】
総印刷枚数値管理部64は、総印刷枚数値格納部63の管理機能を有し、総印刷枚数値格納部63内のデータの取得や更新を行う。
【0167】
設定部65は、図12に示されるように、比較判断部66及び実行部67を有している。
【0168】
比較判断部66は、サーバ制御部68から通知された制限枚数値と総印刷枚数値とを比較して、総印刷枚数値が制限枚数値以上であるか否かを判断する。比較判断部66は、総印刷枚数値が制限枚数値以上であると判断すると、対応するPINデータ及びPC名を実行部67に通知する。
【0169】
実行部67は、比較判断部66から通知されたPINデータ及びPC名を、禁止PINデータ及び禁止PC名として設定し、一時的に記憶する。また、実行部67は、サーバ制御部68からの設定指示に基づいて、プリンタ51に許可情報を設定するために、設定コマンドデータを生成し、サーバ制御部68に送る。
【0170】
サーバ制御部68は、サーバ52の各部を制御する機能を有する。
【0171】
次に、本実施例のプリンタシステム50の動作について、説明する。
未登録ユーザに対する制限枚数値を、サーバ52に設定する流れは、実施例1(図7)と同一であるので、説明を省略する。
【0172】
ここでは、まず、プリンタシステム50において、各PINデータに対応する総印刷枚数値及び制限枚数値を比較して、許可情報の設定変更が実行される流れについて、図17及び図18に沿って説明する。
図17は、本発明に係るプリンタシステムの実施例2のOFF設定動作を示すフローチャート(その1)であり、図18は、本発明に係るプリンタシステムの実施例2のOFF設定動作を示すフローチャート(その2)である。
【0173】
ここでは、未登録ユーザの総印刷枚数値が制限枚数値に達し、許可情報が「ON」から「OFF」に設定変更される場合を例に、説明を行う。
【0174】
サーバ52において、入力部34から許可情報の設定変更要求が入力される(ステップS301)と、サーバ制御部68が、ログ要求コマンドデータを生成し、サーバ送信部32が、該ログ要求コマンドデータをプリンタ51へ送信する(ステップS302)。
【0175】
プリンタ51において、プリンタ受信部19が、サーバ52からログ要求コマンドデータを受信すると、解析部21が、解析を行い、コマンドデータであると判断する(ステップS303)。
【0176】
そして、ジョブ管理部24が、ログ要求コマンドジョブを生成し(ステップS304)、印刷ログ管理部59が、該ログ要求コマンドジョブに基づいて、印刷ログ格納部58(図14)から印刷ログを取得する(ステップS305)。そして、プリンタ送信部20が、該印刷ログをサーバ52へ送信する(ステップS305)。印刷ログ管理部59は、取得した印刷ログを印刷ログ格納部58から削除する。
【0177】
サーバ52において、サーバ受信部33がプリンタ51から印刷ログを受信すると、総印刷枚数値管理部64が、受け取った印刷ログに含まれる各PINデータ及び対応する印刷枚数値に基づいて、総印刷枚数値格納部63を更新する(ステップS401)。
【0178】
更新前の総印刷枚数値格納部63には、図16(a)に示されるように、PINデータ「100」及びPC名「PC100」に対応して、総印刷枚数値「10」が格納されている。総印刷枚数値管理部64は、取得された印刷ログのうち、PINデータ「100」及びPC名「PC100」に対応する印刷枚数値「22」を、この総印刷枚数値「10」に加算して、図16(b)に示されるように、総印刷枚数値「32」に更新する。
【0179】
また、更新前の総印刷枚数値格納部63には、図16(a)に示されるように、PINデータ「0」及びPC名「−」に対応して、総印刷枚数値「0」が格納されているが、PINデータ「0」及びPC名「PC0」に対応する総印刷枚数値は格納されていない。総印刷枚数値管理部64は、PINデータ「0」、PC名「PC0」及び印刷枚数値「10」からなる印刷ログに基づく更新処理を実行すべく、総印刷枚数値格納部63のPINデータ「0」に対応するPC名項目を新たに作成し、「PC0」を格納させる。また、このPC名「PC0」に対応する総印刷枚数値項目に、「10」を格納させる(図16(b))。
【0180】
このように、総印刷枚数値格納部63が、取得された印刷ログに基づき更新される(ステップS401)。
【0181】
続いて、総印刷枚数値管理部64は、総印刷枚数値格納部63(図16(b))から、一つずつデータを取得すべく、まず、PINデータ「0」及びPC名「−」に対応する総印刷枚数値「0」を取得する(ステップS402)。また、制限枚数値管理部62が、制限枚数値記憶部61(図15)から、PINデータ「0」に対応する制限枚数値「10」を取得する(ステップS402)。取得された総印刷枚数値及び制限枚数値は、サーバ制御部68に通知される。
【0182】
サーバ制御部68は、通知された総印刷枚数値「0」及び制限枚数値「10」と、PINデータ「0」及びPC名「−」とを、設定部65に通知する。そして、設定部65の比較判断部66が、通知された総印刷枚数値及び制限枚数値を比較して、総印刷枚数値が制限枚数値以上であるか否かを判断する(ステップS308)。
【0183】
比較判断部66は、総印刷枚数値「0」及び制限枚数値「10」を比較して、総印刷枚数値が制限枚数値以上ではないと判断する(ステップS308)と、PINデータ「0」及びPC名「−」に対応する比較判断処理の完了を、サーバ制御部68に通知する。この通知を受けて、サーバ制御部68は、次のPINデータ及びPC名が登録されているか否かを判断する(ステップS404)。
【0184】
次のPINデータ「0」及びPC名「PC0」が登録されていると判断される(ステップS404)と、総印刷枚数値管理部64が、総印刷枚数値格納部63(図16(b))から、該PINデータ「0」及びPC名「PC0」に対応する総印刷枚数値「10」を取得する(ステップS402)。また、制限枚数値管理部62が、制限枚数値記憶部61(図15)から、PINデータ「0」に対応する制限枚数値「10」を取得する(ステップS402)。取得された総印刷枚数値及び制限枚数値は、サーバ制御部68に通知される。
【0185】
サーバ制御部68は、通知された総印刷枚数値「10」及び制限枚数値「10」と、PINデータ「0」及びPC名「PC0」とを、設定部65に通知する。そして、設定部65の比較判断部66が、通知された総印刷枚数値及び制限枚数値を比較して、総印刷枚数値が制限枚数値以上であるか否かを判断する(ステップS308)。
【0186】
比較判断部66は、総印刷枚数値「10」及び制限枚数値「10」を比較して、総印刷枚数値が制限枚数値以上であると判断する(ステップS308)と、対応するPINデータ「0」及びPC名「PC0」を、実行部67に通知する。実行部67は、通知されたPINデータ及びPC名を、禁止PINデータ及び禁止PC名として、設定して記憶する(ステップS403)。
【0187】
続いて、設定部65は、PINデータ「0」及びPC名「PC0」に対応する比較判断処理の完了を、サーバ制御部68に通知する。そして、サーバ制御部68が、次のPINデータ及びPC名が登録されているか否かを判断する。
【0188】
このように、サーバ52に登録済の各PINデータ及びPC名に対して、総印刷枚数値及び制限枚数値が取得され、比較判断処理が実行される。そして、何れかのPINデータ及びPC名に対応する総印刷枚数値が制限枚数値以上であると判断されると、該PINデータ及びPC名が、禁止PINデータ及び禁止PC名として設定されて記憶される。
【0189】
次のPINデータ及びPC名が登録されていないと判断される(ステップS404)と、サーバ制御部68は、設定部65にOFF設定指示を行う(ステップS311)。
【0190】
禁止PINデータ及び禁止PC名が記憶されている場合(ステップS405)、設定部65の実行部67は、このOFF設定指示に基づき、各禁止PINデータ及びPC名に対応する許可情報を「OFF」と設定すべく、OFF設定コマンドデータを生成し、サーバ制御部68に送る(ステップS406)。
【0191】
続いて、サーバ送信部32が、OFF設定コマンドデータをプリンタ51へ送信する(ステップS315)。
【0192】
プリンタ51において、プリンタ受信部19が、サーバ52からOFF設定コマンドデータを受信すると、解析部21が、受信されたデータを解析し、コマンドデータであると判断する(ステップS316)。
【0193】
続いて、ジョブ管理部24が、OFF設定コマンドジョブを生成し(ステップS317)、該OFF設定コマンドジョブを、プリンタ制御部60を介してユーザ情報管理部54に送る。
【0194】
ユーザ情報管理部54は、OFF設定コマンドジョブに基づいて、ユーザ情報記憶部53を更新し、禁止PINデータ及び禁止PC名に対応する許可情報を「OFF」に設定する(ステップS407)。
【0195】
更新前のユーザ情報記憶部53には、図13(a)に示されるように、PINデータ「0」及びPC名「−」に対応して、許可情報「ON」が格納されているが、PINデータ「0」及びPC名「PC0」に対応する許可情報は設定されていない。ユーザ情報管理部54は、PINデータ「0」及びPC名「PC0」に対応する許可情報を設定すべく、ユーザ情報記憶部53のPINデータ「0」に対応するPC名項目を新たに作成し、「PC0」を格納させる。また、このPC名「PC0」に対応する許可情報項目に、「OFF」を格納させる。
【0196】
ユーザ情報記憶部53には、図13(c)に示されるように、PINデータ「0」及びPC名「PC0」に対応して、許可情報「OFF」が設定される。これにより、プリンタシステム50におけるOFF設定処理が終了する。
【0197】
ステップS405において、禁止PINデータ及び禁止PC名が無いと判断された場合、実行部67は、該判断結果をサーバ制御部68に通知する。そして、プリンタシステム50は、OFF設定処理を終了する。
【0198】
上記のように、総印刷枚数値が制限枚数値に達したPINデータ及びPC名に対して、許可情報「FF」がプリンタ51に設定される。これにより、プリンタ51において、該PINデータ及びPC名による印刷出力が禁止される。
【0199】
なお、サーバ52の総印刷枚数値格納部63に格納される総印刷枚数値は、例えば一定期間毎に実行される課金処理に伴い、「0」にリセットされる。また、プリンタ51に設定される許可情報「OFF」は、このリセットに伴い、「ON」に設定変更される。
【0200】
次に、プリンタ51において、印刷データが受信された場合の処理の流れについて、図19及び図20に沿って説明する。
【0201】
図19は、本発明に係るプリンタの実施例2の印刷動作を示すフローチャート(その1)であり、図20は、本発明に係るプリンタの実施例2の印刷動作を示すフローチャート(その2)である。
【0202】
まず、プリンタ51が、PINデータ及びPC名を登録済のクライアントPC14から印刷データを受信する場合を例に、処理の流れを説明する。
【0203】
クライアントPC14は、画像データ及びPC名を含む印刷データに、登録済のPINデータを付加して、プリンタ51へ送信する。
【0204】
プリンタ51において、プリンタ受信部19は、クライアントPC14から印刷データを受信する(ステップS201)。
【0205】
続いて、解析部21が、受信されたデータを解析し、印刷データであると判断する(ステップS202)と、第1判断部22が、該印刷データにPINデータが付加されているか否かを判断する(ステップS203)。
【0206】
PINデータが付加されていると判断する(ステップS203)と、第1判断部22は、該PINデータを取得する(ステップS204)。
【0207】
また、取得部55が、プリンタ制御部60の制御に基づいて、印刷データからPC名を取得する(ステップS501)。
【0208】
そして、プリンタ制御部60が、許可情報取得コマンドジョブと、PINデータ及びPC名とを、ユーザ情報管理部54に送る。
【0209】
ユーザ情報管理部54は、通知されたPINデータ及びPC名が、ユーザ情報記憶部53に登録されているか否かを判断する(ステップS502)。そして、登録されていると判断すると、ユーザ情報管理部54は、該PINデータ及びPC名に対応する許可情報を取得する(ステップS503)。
【0210】
続いて、第2判断部23が、許可情報に基づいて、印刷出力を許可するか否かを判断する(ステップS207)。
【0211】
許可情報が「ON」である場合(ステップS207)、第2判断部23は、印刷出力を許可すると判断する(ステップS208)。
【0212】
そして、ジョブ管理部24が、印刷データに基づき印刷ジョブを生成し、印刷制御部25へ送る(ステップS209)。印刷制御部25は、該印刷ジョブに基づきページデータを生成し、エンジン部26へ投入する。
【0213】
続いて、エンジン部26が、ページデータに基づき印刷出力を行う(ステップS210)。そして、エンジン部26は、印刷制御部25に完了通知を送る。
【0214】
印刷制御部25は、印刷枚数値を含む印刷結果をジョブ管理部24に通知する。ジョブ管理部24は、ログ生成コマンドジョブを生成部27に送る。
【0215】
続いて、生成部27が、PINデータ、PC名及び印刷枚数値からなる印刷ログを生成する(ステップS504)。そして、印刷ログ管理部59が、プリンタ制御部60からログ格納コマンドジョブ及び印刷ログを受け取って、該印刷ログを印刷ログ格納部58に格納する(ステップS505)。これにより、プリンタ51における印刷処理が完了する。
【0216】
ステップS207において、許可情報が「OFF」である場合、第2判断部23は、印刷を禁止すると判断する(ステップS213)。そして、プリンタ制御部60が、ジョブ管理部24に印刷中止を通知し、ジョブ管理部24が、印刷出力をキャンセルする(ステップS214)。これにより、プリンタ51における印刷処理が終了する。
【0217】
また、ステップS203において、PINデータが付加されていると判断された後、ステップS502において、PINデータ及びPC名が登録されていないと判断された場合、プリンタ51は、印刷出力を禁止すると判断し(ステップS213)、印刷出力をキャンセルする(ステップS214)。
【0218】
上記のように、印刷データからPINデータ及びPC名が取得され、印刷出力の可否が判断される。
【0219】
次に、未登録ユーザのクライアントPC15から、10枚分の印刷データが受信される場合について、クライアントPC15のPC名が「PC0」である場合を例に、説明する。
【0220】
プリンタ51において、プリンタ受信部19が、クライアントPC15から印刷データを受信する(ステップS201)と、解析部21が、解析を行い、印刷データであると判断する(ステップS202)。続いて、第1判断部22が、印刷データへのPINデータの付加の有無を判断する(ステップS203)。
【0221】
PINデータが付加されていないと判断する(ステップS203)と、第1判断部22は、PINデータ「0」を取得し、プリンタ制御部60に通知する(ステップS215)。
【0222】
次に、プリンタ制御部60が、許可情報取得コマンドジョブ及びPINデータ「0」を、ユーザ情報管理部54に送る。そして、ユーザ情報管理部54が、PINデータ「0」及びPC名「−」に対応する許可情報を、ユーザ情報記憶部53から取得する(ステップS506)。図13(b)及び図13(c)に示されるユーザ情報記憶部53には、PINデータ「0」及びPC名「−」に対応して、許可情報「ON」が記憶されている。ユーザ情報管理部54は、この許可情報「ON」を取得して、プリンタ制御部60に通知する。
【0223】
続いて、第2判断部23が、取得された許可情報が「ON」及び「OFF」の何れであるかを判断する(ステップS507)。
【0224】
許可情報が「ON」である場合(ステップS507)、第2判断部23は、該判断結果をプリンタ制御部60に通知する。続いて、取得部55が、プリンタ制御部60の制御に基づき、印刷データからPC名を取得する(ステップS508)。取得部55は、PC名「PC0」を取得し、プリンタ制御部60に通知する。
【0225】
そして、プリンタ制御部60が、許可情報取得コマンドジョブと、PINデータ「0」と、PC名「PC0」とを、ユーザ情報管理部54に送る。ユーザ情報管理部54は、PINデータ「0」に対応して、通知されたPC名「PC0」が、ユーザ情報記憶部53に登録されているか否かを判断する(ステップS509)。
【0226】
図13(b)及び図13(c)に示されるユーザ情報記憶部53には、通知されたPC名「PC0」がPINデータ「0」に対応して登録されている(ステップS509)。この場合、ユーザ情報管理部54は、PINデータ「0」及びPC名「PC0」に対応する許可情報を取得する(ステップS510)。
【0227】
続いて、第2判断部23が、取得された許可情報に基づいて、印刷出力を許可するか否かを判断する(ステップS207)。
【0228】
例えば、図13(b)のユーザ情報記憶部53から、PINデータ「0」及びPC名「PC0」に対応する許可情報が取得された場合(ステップS510)、許可情報が「ON」である(ステップS207)ので、第2判断部23は、印刷出力を許可すると判断する(ステップS208)。
【0229】
そして、ジョブ管理部24が、印刷データに基づき印刷ジョブを生成し、印刷制御部25へ送る(ステップS209)。印刷制御部25は、該印刷ジョブに基づき10枚分のページデータを生成し、エンジン部26へ投入する。
【0230】
続いて、エンジン部26が、ページデータに基づき印刷出力を行う(ステップS210)。そして、エンジン部26は、印刷制御部25に完了通知を送る。
【0231】
印刷制御部25は、印刷枚数値「10」を含む印刷結果をジョブ管理部24に通知する。ジョブ管理部24は、ログ生成コマンドジョブを生成部57に送る。
【0232】
続いて、生成部27が、PINデータ「0」、PC名「PC0」及び印刷枚数値「10」からなる印刷ログを生成する(ステップS504)。そして、印刷ログ管理部59が、プリンタ制御部60からログ格納コマンドジョブ及び印刷ログを受け取って、該印刷ログを印刷ログ格納部58に格納する(ステップS505)。これにより、プリンタ51における印刷処理が完了する。
【0233】
印刷ログ格納部58には、図14に示されるように、PINデータ「0」、PC名「PC0」及び印刷枚数値「10」からなる印刷ログが格納される。
【0234】
ステップS510において、図13(c)のユーザ情報記憶部53から、PINデータ「0」及びPC名「PC0」に対応する許可情報が取得された場合、許可情報が「OFF」である(ステップS207)ので、第2判断部23は、印刷出力を禁止すると判断する(ステップS213)。
【0235】
そして、プリンタ制御部60が、ジョブ管理部24に印刷中止を通知し、ジョブ管理部24が、印刷出力をキャンセルする(ステップS214)。これにより、プリンタ51における印刷処理が終了する。
【0236】
上記のように、印刷データにPINデータが付加されておらず、また、未登録ユーザに対して設定された許可情報が「ON」である場合、印刷データからPC名が取得され、該PC名に対応して設定された許可情報に基づいて、印刷出力の可否が判断される。
【0237】
ステップS507において、PINデータ「0」及びPC名「−」に対応する許可情報が「OFF」である場合、第2判断部23は、印刷出力を禁止すると判断する(ステップS213)。
【0238】
そして、プリンタ制御部60が、ジョブ管理部24に印刷中止を通知し、ジョブ管理部24が、印刷出力をキャンセルする(ステップS214)。これにより、プリンタ51における印刷処理が終了する。
【0239】
上記のように、印刷データにPINデータが付加されておらず、また、未登録ユーザに対して設定された許可情報が「OFF」である場合、プリンタ51は、印刷データからPC名を取得することなく、印刷出力をキャンセルする。
【0240】
以上のように、本実施例のプリンタシステムは、PINデータ毎に制限枚数値が設定されると共に、PC名毎に許可情報が設定されるので、プリンタの一時使用を希望する外部のユーザが複数存在する場合も、各ユーザがそれぞれ、設定された制限枚数値の範囲内で、印刷出力可能となる。したがって、更なる利便性の向上が実現される。
【産業上の利用可能性】
【0241】
上記した各実施例では、本発明の画像形成装置をプリンタに適用した場合について説明したが、本発明の画像形成装置は、この例に限定されるものではない。例えば、スキャナやファクシミリ、複写機、MFP等の画像形成装置全般に適用可能である。
【0242】
また、上記した各実施例では、ユーザ識別情報として、1〜3桁の数字からなるPINデータが採用されたが、本発明はこれに限定されないことは言うまでもない。ユーザ識別情報として、例えば、複数の数字及び記号からなるパスワード等を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0243】
10、50 プリンタシステム
11、51 プリンタ
12、52 サーバ
13 ネットワーク
14 クライアントPC
15 クライアントPC
16、53 ユーザ情報記憶部
18 プリンタ通信部
22 第1判断部
23 第2判断部
27、57 生成部
28、58 印刷ログ格納部
31 サーバ通信部
36、61 制限枚数値記憶部
38、63 総印刷枚数値格納部
40、65 設定部
41、66 比較判断部
42、67 実行部
56 取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する情報処理装置から画像データを受信する受信部と、該画像データに基づき画像を形成するための画像形成部と、該画像形成部による画像形成処理の実行履歴を示す履歴情報を生成する生成部と、該履歴情報をユーザ識別情報に対応させて格納するための格納部とを備える画像形成装置であって、
各登録ユーザ及び未登録ユーザからなる複数のユーザに対応して、前記画像形成部による画像形成処理の実行を制限するための制限情報が予め記憶される記憶部と、
前記履歴情報及び前記制限情報に基づいて、前記画像形成部による画像形成処理の実行を許可するか否かを示す許可情報を、ユーザ毎に設定する設定部と、
前記受信部により画像データが受信されると、該画像データにユーザ識別情報が付加されているか否かを判断する第1判断部と、
付加されていないと判断されると、前記未登録ユーザに対して設定された許可情報に応じて、前記画像データに基づく画像形成処理の実行を許可するか否かを判断する第2判断部と、
許可すると判断されると、前記画像形成部により前記画像形成処理を実行させる制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、更に、前記生成部により履歴情報を生成させ、該履歴情報を未登録ユーザのユーザ識別情報に対応させて前記格納部に格納させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1判断部により、ユーザ識別情報が付加されていると判断されると、前記第2判断部は、該ユーザ識別情報に対応する登録ユーザに設定された許可情報に応じて、前記判断を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部は、各登録ユーザのユーザ識別情報と、未登録ユーザを示すユーザ識別情報とに対応して、それぞれの制限情報を記憶し、
前記設定部は、各ユーザ識別情報に対応する前記履歴情報及び前記制限情報に基づいて、前記許可情報の設定を行う
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ユーザ識別情報は、対応するユーザのPIN(Personal Identification Number)データからなることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記履歴情報は、画像形成枚数を示す枚数値を含み、
前記制限情報は、画像形成枚数の上限を示す制限枚数値を含み、
前記設定部は、ユーザ毎に、前記枚数値及び前記制限枚数値を比較して、前記枚数値が前記制限枚数値未満であるか否かを判断する比較判断部と、前記制限枚数値未満ではないと判断されると、前記実行の禁止を示す許可情報の設定を実行する実行部とを有する
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像データは、前記情報処理装置の装置識別情報を含み、
前記第1判断部により、ユーザ識別情報が付加されていないと判断され、前記第2判断部により、許可されると判断されると、前記画像データから前記装置識別情報を取得する取得部を更に備え、
前記制御部は、前記履歴情報を、取得された前記装置識別情報と共に、前記格納部に格納させ、
前記設定部は、更に装置識別情報に対応して、未登録ユーザの許可情報を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記取得部により装置識別情報が取得されると、前記第2判断部は、更に該装置識別情報に対応する許可情報に基づいて、許可するか否かを判断することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1判断部により、ユーザ識別情報が付加されていると判断されると、
前記取得部は、前記画像データから前記装置識別情報を取得し、
前記第2判断部は、前記装置識別情報に対応する許可情報に基づいて、許可するか否かを判断することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記装置識別情報は、前記情報処理装置の装置名であることを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記装置識別情報は、前記情報処理装置を使用するユーザのユーザ名であることを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
ユーザが使用する情報処理装置から画像データを受信する受信部と、該画像データに基づき画像を形成するための画像形成部と、該画像形成部による画像形成処理の実行履歴を示す履歴情報を生成する生成部とを備える画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能であり、該画像形成装置から前記履歴情報及びユーザ識別情報を取得するためのサーバ取得部と、前記履歴情報及び前記ユーザ識別情報を対応させて格納するための格納部とを備えるサーバとを含む画像形成システムであって、
前記サーバは、
各登録ユーザ及び未登録ユーザからなる複数のユーザに対応して、前記画像形成装置による画像形成処理の実行を制限するための制限情報が予め記憶される記憶部と、
前記履歴情報及び前記制限情報に基づいて、前記画像形成装置による画像形成処理の実行を許可するか否かを示すユーザ毎の許可情報を、前記画像形成装置に設定する設定部と、
を備え、
前記画像形成装置は、
前記受信部により画像データが受信されると、該画像データにユーザ識別情報が付加されているか否かを判断する第1判断部と、
付加されていないと判断されると、前記未登録ユーザに対して設定された許可情報に応じて、前記画像データに基づく画像形成処理の実行を許可するか否かを判断する第2判断部と、
許可すると判断されると、前記画像形成部により前記画像形成処理を実行させる制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項13】
前記制御部は、更に、前記生成部により履歴情報を生成させ、
前記サーバ取得部は、生成された前記履歴情報を取得し、
前記格納部は、取得された前記履歴情報を、未登録ユーザを示すユーザ識別情報に対応させて格納する
ことを特徴とする画像形成システム。
させることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1判断部により、ユーザ識別情報が付加されていると判断されると、前記第2判断部は、該ユーザ識別情報に対応する登録ユーザに設定された許可情報に応じて、前記判断を行うことを特徴とする請求項12記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記記憶部は、各登録ユーザのユーザ識別情報と、未登録ユーザを示すユーザ識別情報とに対応して、それぞれの制限情報を記憶し、
前記設定部は、各ユーザ識別情報に対応する前記履歴情報及び前記制限情報に基づいて、前記許可情報の設定を行う
ことを特徴とする請求項12乃至14の何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項16】
前記ユーザ識別情報は、対応するユーザのPINデータからなることを特徴とする請求項13記載の画像形成システム。
【請求項17】
前記履歴情報は、画像形成枚数を示す枚数値を含み、
前記制限情報は、画像形成枚数の上限を示す制限枚数値を含み、
前記設定部は、ユーザ毎に、前記枚数値及び前記制限枚数値を比較して、前記枚数値が前記制限枚数値未満であるか否かを判断する比較判断部と、前記制限枚数値未満ではないと判断されると、前記実行の禁止を示す許可情報の設定を実行する実行部とを有する
ことを特徴とする請求項12乃至16の何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項18】
前記画像データは、前記情報処理装置の装置識別情報を含み、
前記画像形成装置は、
前記第1判断部により、ユーザ識別情報が付加されていないと判断され、前記第2判断部により、許可されると判断されると、前記画像データから前記装置識別情報を取得する装置取得部を更に備え、
前記サーバ取得部は、更に取得された前記装置識別情報を、前記画像形成装置から取得し、
前記格納部は、更に取得された前記装置識別情報を、前記履歴情報と共に格納し、
前記設定部は、更に装置識別情報に対応して、未登録ユーザの許可情報を設定する
ことを特徴とする請求項12記載の画像形成システム。
【請求項19】
前記装置取得部により装置識別情報が取得されると、前記第2判断部は、更に該装置識別情報に対応する許可情報に基づいて、許可するか否かを判断することを特徴とする請求項18記載の画像形成システム。
【請求項20】
前記第1判断部により、ユーザ識別情報が付加されていると判断されると、
前記装置取得部は、前記画像データから前記装置識別情報を取得し、
前記第2判断部は、前記装置識別情報に対応する許可情報に基づいて、許可するか否かを判断することを特徴とする請求項18記載の画像形成システム。
【請求項21】
前記装置識別情報は、前記情報処理装置の装置名であることを特徴とする請求項18乃至20の何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項22】
前記装置識別情報は、前記情報処理装置を使用するユーザのユーザ名であることを特徴とする請求項18乃至20の何れか1項に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−247451(P2010−247451A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100151(P2009−100151)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】