説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】両面読取可能な原稿読取部で読み取った画像を用紙上に形成する画像形成装置及び画像形成方法において、原稿読取部の画像読取位置が汚れている場合でもユーザが綺麗な出力結果を容易に得られるようにする。
【解決手段】画像形成装置1は、原稿から読み取った画像を用紙上に画像形成するものであって、原稿の表面と裏面の画像を読み取る原稿読取部4と、該原稿読取部4の裏面の画像読取位置に汚れがあるか検知する汚れ検知部10bと、原稿が片面原稿であり、該片面原稿から原稿読取部4によって裏面から画像が読取られ、原稿読取部4の裏面の画像読取位置に汚れがある場合、少なくとも、片面原稿の載置形態が誤っていること、及び、画像読取位置に汚れがあることを通知する通知情報を出力する情報出力部10cと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面読取可能な原稿読取部で読み取った画像を用紙上に形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の画像形成装置は、原稿両面を同時に読み込み可能な読み取り速度が向上したスキャナを搭載しており、画像形成装置によるコピー処理実行時の印刷速度を高速化している。
しかしながら、このようなスキャナを搭載した画像形成装置が片面コピーを行なう場合、読み取り面を所定の方向にセットして原稿を読み取る必要があり、不慣れな利用者等が片面原稿の読み取り面の載置方向を誤ってコピーを開始すると、原稿の裏面の白紙を読み取って、大量の白紙コピーを行なってしまうという問題があった。
【0003】
このような場合、コンビニエンスストア等にある有料の複写機や、会社の部門単位でコピーの費用請求(課金)がなされる複写機においては、白紙コピーであっても、課金されてしまい、無駄な費用が発生することとなる。
【0004】
また、複写機の使用に慣れた利用者であっても、片面原稿の載置方向に統一された基準が無く、メーカーにより、また、同一メーカーであっても高速機、低速機などの機種により載置方向が異なることから、使用に慣れていない機種でコピーを行う際には、原稿の載置方向を誤る可能性がある。
【0005】
そのため、特許文献1には、原稿の第1の面を読み取る第1面用読み取り部と、第2の面を読み取る第2面用読み取り部とを備え、片面原稿の表裏を判断し、画像のある面のみを選択して読み取る画像読取装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、原稿の表面と裏面の情報を同時に読み取り、裏面に記載があるか否かを判断し、裏面に記載がある場合に裏面の情報を送信するファクシミリ装置が開示されている。
【0007】
また、特許文献3には、原稿読み取りの原稿面指定が片面だった場合でも両面を読み取り、両面の画像データを含む画像ファイルを生成し、白紙以外の画像データを出力する画像処理装置が開示されている。
【0008】
また、特許文献4には、片面原稿か両面原稿かを示す情報を原稿に形成しておき、原稿の読み取り時にその情報をセンサにより検出して、各原稿が片面原稿か両面原稿かを判別し、その判別結果に応じて原稿の画像を読み取る画像読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−125168号公報
【特許文献2】特開平2−39765号公報
【特許文献3】特開2009−225042号公報
【特許文献4】特開2005−341185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1〜4には、原稿読取部の画像読取位置が汚れている場合の対処について何ら開示もされていない。
【0011】
本発明は、上述のような実情を鑑み、両面読取可能な原稿読取部で読み取った画像を用紙上に形成する画像形成装置及び画像形成方法において、原稿読取部の画像読取位置が汚れている場合でもユーザが綺麗な出力結果を容易に得られるようにすることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、原稿から読み取った画像を用紙上に画像形成する画像形成装置であって、前記原稿の表面と裏面の画像を読み取る原稿読取部と、該原稿読取部の前記裏面の画像読取位置に汚れがあるか検知する汚れ検知部と、前記原稿が片面原稿であり、該片面原稿から前記原稿読取部によって裏面から画像が読取られ、前記原稿読取部の裏面の画像読取位置に汚れがある場合、少なくとも、前記片面原稿の載置形態が誤っていること、及び、前記画像読取位置に汚れがあることを通知する通知情報を出力する情報出力部と、を備えることを特徴としたものである。
【0013】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記通知情報の出力の際、読み取り動作及び画像形成動作を一時停止するものであって、前記通知情報は、前記読み取り動作及び前記画像形成動作を継続するか否かの選択をユーザに促す情報を含むことを特徴としたものである。
【0014】
本発明の第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記読み取り動作及び前記画像形成動作の継続がユーザにより選択指示された場合、前記原稿全体を読み取り、その後、最後に読み取った原稿の画像から順に画像形成することを特徴としたものである。
【0015】
本発明の第4の技術手段は、片面原稿から読み取った画像を用紙上に画像形成する画像形成方法であって、前記片面原稿の表面と裏面の画像を読み取る原稿読取ステップと、前記片面原稿の裏面に画像が形成されているか否かを判定するステップと、前記原稿読取ステップにおける前記裏面の画像読取位置に汚れがあるか検知する汚れ検知ステップと、前記片面原稿の裏面に画像が形成されていると判定され、前記裏面の画像読取位置に汚れがあると判定された場合、少なくとも、前記片面原稿の載置形態が誤っていること、及び、前記画像読取位置に汚れがあることを通知する通知情報を出力する情報出力ステップと、を含むことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、両面読取可能な原稿読取部の画像読取位置が汚れている場合でもユーザが容易に綺麗な出力結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の画像形成装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の原稿読取部の機械的な構成の一例を示す図である。
【図3】片面原稿を載置する際の正しい原稿の向きについて説明する図である。
【図4】片面原稿の面の向きの判定方法の一例について説明する図である。
【図5】画像読取位置が汚れているか否かの判定方法の一例について説明する図である。
【図6】原稿の面の向きが間違っており裏面読取位置が汚れていることを知らせる通知情報の一例について説明する図である。
【図7】原稿の面の向きが間違っており裏面読取位置が汚れていることを知らせる通知情報の他の例について説明する図である。
【図8】図1の画像形成装置において片面原稿を読み取って片面印刷する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の画像形成装置の機能ブロックの一例を示す図である。図2は、図1の画像形成装置1の原稿読取部2の機械的な構成の一例を示す図である。
画像形成装置1は、図1に示すように、操作パネル部2、光学センサ部3、原稿読取部4、画像形成部5、給紙部6、排紙部7、画像処理部8、画像記憶部9、制御部10を備える。
【0019】
操作パネル部2は、操作ボタンやタッチパネルを備え、ユーザに対して種々の情報を表示するとともに、ユーザからの種々の情報の入力を受け付ける装置である。光学センサ部3は、原稿の有無や、原稿のサイズなどを検知する光学センサである。
【0020】
原稿読取部4は、図2に示すように、透明ガラスからなる原稿載置台40、原稿載置台
40上へ自動的に原稿を搬送する原稿搬送部(両面対応自動原稿送り装置、RADF)41、原稿の第1の面の画像を読み取る第1の画像読取部42、原稿の第2の面の画像を読み取る第2の画像読取部43、後述の対向白板48を備える。
【0021】
原稿搬送部41は、所定の原稿トレイ上に複数枚の原稿を一度にセットしておき、セットされた原稿を1枚ずつ自動的に原稿載置台40上へ送給する装置である。
第1の画像読取部42は、原稿面上を露光するランプリフレクタアセンブリと、原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換する光電変換素子(CCD)46に導くための第1反射ミラーを搭載した第1走査ユニット44、および、第2、第3反射ミラーを搭載した第2走査ユニット45、反射光像をCCD46上に結像するための光学レンズ体を備える。第1走査ユニット44及び第2走査ユニット45はそれぞれ、原稿載置台40に沿った副走査方向に移動可能に構成されている。これにより、原稿載置台40上に載置された原稿の画像を読み取ることができる。
【0022】
また、原稿搬送部41により送給された原稿の画像を読み取る際には、第1走査ユニット44及び第2走査ユニット45の位置は、所定のホームポジションに設定される。そして、第1の画像読取部42は、原稿搬送部41との関連した動作によって、原稿載置台40上に読み取るべき原稿を順次載置させながら、原稿載置台40上に載置された原稿の画像を1ライン毎に順次CCD46に結像させて、原稿画像を読み取る。
【0023】
第2の画像読取部43は、原稿面上を露光するランプリフレクタアセンブリと、原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換する光電変換素子(CCD)47に導くための第1〜第4反射ミラー、反射光像をCCD47上に結像するための光学レンズ体から構成される。
【0024】
原稿搬送部41により送給された原稿の画像を読み取る際には、第2の画像読取部43は、原稿搬送部41との関連した動作によって、原稿の画像を1ライン毎に順次CCD47に結像させて、原稿画像を読み取る。
対向白板48は、第2の画像読取部43の画像読取位置が汚れているか否かの判定に用いられる白板であり、画像読取位置に対向する位置に設けられている。
【0025】
原稿画像を第1の画像読取部42、第2の画像読取部43で読み取ることにより得られた画像データは、各種処理が施された後、メモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリから画像形成部5に出力されて用紙上に画像形成される。
【0026】
ここで、この原稿読取部4には、片面原稿を載置する際の正しい原稿の向きが規定されているものとする。図3は、片面原稿を載置する際の正しい原稿の向きについて説明する図である。図3は、図2に示した原稿読取部4を上側から見た図であり、図3(A)は正しい原稿の向きを、図3(B)は誤った原稿の向きを示している。すなわち、この画像形成装置1では、片面原稿において画像を含む面が上側となる向きが原稿の正しい向きであり、画像を含む面が下側となる向きが原稿の誤った向きと定められている。
【0027】
図3(A)のように、片面原稿が正しく載置された場合、原稿の1枚目から順に画像の読み込みがなされる。この場合、図1の画像形成部5にて画像形成された用紙は、フェースダウンで排紙される。すなわち、原稿の1枚目から画像を含む面が下側となるように排紙されることになるので、原稿と画像が印刷された用紙との間でページの順序の整合性が保たれる。
【0028】
一方、図3(B)のように、原稿の画像を含む面が下向きとなるよう誤って載置された場合、最後の原稿から画像の読み込みがなされることになる。この場合、例えば、原稿の読み込みが全て完了した後に、図1の画像形成部5にて画像形成された用紙は、最後に読み込んだ原稿すなわち原稿の1枚目からフェースダウンで順に排紙される。
【0029】
図1の説明に戻る。上述の原稿読取部4は、2つのCCD46、47(図2参照)、ドライバ4a、プラテン原稿走査部駆動モータ4b、ドライバ4c、原稿搬送ローラー駆動モータ4dを備える。
【0030】
原稿読取部4は、片面にのみ画像が含まれる片面原稿であっても、原稿の両面を読み取る処理を行う。また、原稿読取部4は、両面を読み取った原稿の枚数を計数する。
【0031】
ドライバ4aは、プラテン原稿走査部駆動モータ4bを制御するドライバである。プラテン原稿走査部駆動モータ4bは、図2の第1走査ユニット44および第2走査ユニット45を、原稿載置台10に沿った副走査方向に移動させるモータである。ドライバ4cは、原稿搬送駆動モータ4dを制御するドライバである。原稿搬送駆動モータ4dは、原稿読取部4が有する各ローラーを駆動させるモータである。
【0032】
画像形成部5、給紙部6、排紙部7はそれぞれ、ドライバ5a,6a,7aと、用紙搬送ローラー駆動モータ5b,6b,7bを備える。
【0033】
ドライバ5a,6a,7aはそれぞれ、用紙搬送ローラー駆動モータ5b,6b,7bを制御するドライバである。用紙搬送ローラー駆動モータ5b,6b,7bはそれぞれ、画像形成部5、給紙部6、排紙部7が有する各ローラーを駆動させるモータである。
【0034】
画像処理部8は、原稿読取部4が読み取った画像に対して、各種画像処理を施す処理部である。画像記憶部9は、画像処理が施された画像を記憶するメモリやハードディスクなどの装置である。
【0035】
制御部10は、画像形成装置1の各部を制御する処理部である。制御部54は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/O(input/output)インターフェースなどから構成される。
【0036】
制御部10は、向き判定部10a、汚れ判定部10b、情報出力部10c、画像形成制御部10dを備える。
【0037】
向き判定部10aは、原稿読取部4により読み取られたページの両面の読み取り結果に基づいて、片面原稿を載置した際の原稿の面の向きが正しいか否かを判定する。
【0038】
図4は、片面原稿の面の向きの判定方法の一例について説明する図である。図4(A)には、原稿の面の向きが正しい場合の最初に読み取られた原稿の表面70a、および、裏面70bが示されている。なお、表面70aは、図2に示した第1の画像読取部42により読み取られ、裏面70bは、第2の画像読取部43により読み取られる。
【0039】
図4(A)に示されるように、表面70aに画像が含まれており、裏面70bに画像が含まれていない場合、向き判定部10aは、原稿の面の向きが正しいと判定する。図2において、原稿の表面が上向きとなるように載置された場合、第1の画像読取部42により最初の原稿の表面が読み取られ、第2の画像読取部43により最初の原稿の裏面が読み取られることになるからである。なお、向き判定部10aは、例えば、第1の画像読取部42、第2の画像読取部43により読み取られた原稿の白領域の割合を算出することにより、原稿に画像が含まれているか否かを判定する。
【0040】
図4(B)には、原稿の面の向きが誤っている場合の最初に読み取られた原稿の表面71a、および、裏面71bが示されている。図4(B)に示されるように、表面71aに画像が含まれておらず、裏面71bに画像が含まれている場合、向き判定部10aは、原稿の面の向きが誤りであると判定する。図2において、原稿の表面が下向きとなるように載置された場合、第1の画像読取部42により最後の原稿の裏面が読み取られ、第2の画像読取部43により最後の原稿の表面が読み取られることになるからである。
【0041】
汚れ判定部10bは、図2に示した第2の画像読取部43による対向白板48の読み取り結果に基づいて、第2の画像読取部43の画像読取位置が汚れているか否かを判定する。
図5は、画像読取位置が汚れているか否かの判定方法の一例について説明する図である。第2の画像読取部43による対向白板48の読み取りの結果、図5(A)に示されるように、閾値Th以上の値が一様に入力された場合、汚れ判定部10bは、汚れていないと判定する。一方、第2の画像読取部43による対向白板48の読み取りの結果、図5(B)に示されるように、閾値Th以下の入力がある場合、汚れ判定部10bは、汚れていると判定する。
【0042】
情報出力部10cは、操作パネル部2を制御して、操作パネル部2に種々の情報を出力させる処理部である。例えば、情報出力部10cは、向き判定部10aにより原稿の面の向きが正しくないと判定され、汚れ判定部10bにより第2の画像読取部43の読取位置すなわち裏面読取位置が汚れていると判定された場合、原稿の面の向きが間違っており上記裏面読取位置が汚れていることを知らせる通知情報を操作パネル2に表示させる。
【0043】
図6は、原稿の面の向きが間違っており裏面読取位置が汚れていることを知らせる通知情報の一例について説明する図である。図6(A)には、操作パネル部2に表示される通知情報80の一例が示されている。この通知情報80には、原稿を載置した際の原稿の面の向きが誤っていることを通知するメッセージと、裏面読取位置が汚れていることを通知するメッセージと、汚れの無い印刷物を得ることが可能な原稿の面の向きの情報が含まれる。
【0044】
このように、画像形成装置1では、原稿の面の向きが間違っており裏面読取位置が汚れている際、その旨を知らせる通知情報を表示させるので、ユーザはそのメッセージの確認後、正しい向きに原稿をセットし汚れの無い綺麗な印刷物を得ることができる。なお、画像形成装置1では、表面読取位置の汚れについては簡単に除去することができるので、簡単に汚れを除去することができない裏面読取位置が汚れている場合にのみユーザに報知するようにしている。
【0045】
図6(B)には、図6(A)のものとは別の例の通知情報81が示されている。この通知情報81には、図6(A)の通知情報80に含まれるものに加えて、原稿の面の向きが誤ったままで且つ裏面読取位置が汚れたままでコピー処理を継続するか否かの指示をユーザから受け付ける継続指示受付ボタン81a、コピー処理の中止指示をユーザから受け付けるコピー中止指示受付ボタン81bが表示される。
【0046】
図6(C)には、図6(B)の通知情報81に表示されるコピー中止指示受付ボタン81bがユーザにより押下された場合に表示される指示メッセージ表示画面82が示されている。この指示メッセージ表示画面82には、読み込み面を上向きにして原稿を載置することを指示するメッセージと、OKボタン82aが表示される。OKボタン82aがユー
ザにより押下されると、このコピー処理がキャンセルされる。
【0047】
図7は、原稿の面の向きが間違っており裏面読取位置が汚れていることを知らせる通知情報の他の例について説明する図である。
図7(A)の例の通知情報90には、図6(B)の通知情報81に表示されるものに加えて、最初に読み取った原稿の表面および裏面のプレビュー表示を行う指示をユーザから受け付けるプレビュー確認ボタン90aが表示される。
【0048】
図7(B)には、プレビュー確認ボタン90aがユーザにより押下された場合に表示されるプレビュー確認画面91が示されている。このプレビュー確認画面81には、最初に読み取った原稿の表面の読み取り結果91aと裏面の読み取り結果91bが表示される。この例では、原稿の面の向きが誤っていたため、表面の読み取り結果91aには画像が含
まれず、裏面の読み取り結果91bに画像が含まれており、また、ユーザは、裏面の読み取り結果91bから汚れ91cの程度を確認することができる。
【0049】
また、プレビュー確認画面91には、戻るボタン91dが表示される。戻るボタン91dがユーザにより押下されると、図7(A)に示した通知情報90が再度操作パネル部2に表示される。
【0050】
画像形成制御部10dは、画像形成部5が行う画像形成処理を制御する処理部である。載置された片面原稿の向きが正しいと向き判定部10bにより判定された場合に、原稿読取部4により読み取られた画像を即座に印刷する処理を画像形成部5に実行させる。
【0051】
なお、画像処理部8、制御部10は、外部機器60と接続され、画像処理後の画像データを外部機器60に出力したり、外部機器60から画像データを取得したりすることができる。
【0052】
図8は、図1の画像形成装置1において片面原稿を読み取って片面印刷する処理の一例を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置1は、原稿読取部4により片面原稿の1枚目の両面を読み取る(ステップS1)。
そして、向き判定部10aにより、原稿の面の向きが正しいか否か、すなわち、画像を含んでいる面が上向きとなるように原稿が載置されているか否かを判定する(ステップS2)。その際、原稿読取部4における原稿の搬送を一時的に停止する。
【0053】
原稿の面の向きが正しい場合(ステップS2,YESの場合)、1枚目の原稿の画像を印刷するとともに、原稿読取部4における片面原稿の搬送を再開し、片面原稿の表面を第1の画像読取部42により順次読み取り、読み取った画像を画像形成部5により順次印刷する(ステップS3)。
【0054】
原稿の面の向きが誤っている場合(ステップS2,NOの場合)、汚れ判定部10bにより、第2の画像読取部43による対向白板48の読み取り結果に基づいて、第2の画像読取部43の画像読取位置すなわち裏面読取位置が汚れているか否かを判定する(ステップS4)。なお、第2の画像読取部43による対向白板48の読み取りは、コピージョブが入力される前に行なってもよいし、また、コピージョブが入力された後でステップS1の処理を行なう前もしくは後に行なってもよい。
【0055】
裏面読取位置が汚れていない場合(ステップS4,NOの場合)、原稿読取部4における片面原稿の搬送を再開し、片面原稿の裏面を第2の画像読取部43により順次最後まで読み取り(ステップS5)、画像形成部5を用いて、最後に読取った原稿から順に画像を印刷する(ステップS6)。
【0056】
裏面読取位置が汚れている場合(ステップS4,YESの場合)、図6(B)に示したような通知情報81を表示する(ステップS7)。
そして、継続指示受付ボタン81a、あるいは、コピー中止指示受付ボタン81bのいずれがユーザにより押下されたかを検出することにより、コピー処理を継続する指示がユーザによりなされたか否かを判定する(ステップS87)。
【0057】
コピー処理を継続する指示がユーザによりなされなかった場合(ステップS8,NOの場合)、図6(C)に示したように、読み込み面を上向きにして原稿を載置することを指示するメッセージを含む指示メッセージ表示画面82を表示し(ステップS9)、このコピー処理を終了する。
【0058】
一方、コピー処理を継続する指示がユーザによりなされた場合(ステップS8,YESの場合)、ステップS5に処理を移行し、片面原稿の裏面を第2の画像読取部43により順次最後まで読み取り、その後、画像形成部5を用いて、最後に読取った原稿から順に画像を印刷する。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能である。
【0060】
例えば、図8のステップS2では、1枚目の原稿を用いて、原稿の向きが正しいか否かを判定することとしたが、2枚目以降の原稿を用いて上記判定を行うこととしてもよい。原稿の1枚目には、表表紙が含まれる場合があるため、このような処理を行う。これにより、より確実に原稿の載置された向きを判定することができる。
【符号の説明】
【0061】
1…画像形成装置、2…操作パネル部、3…光学センサ部、4…原稿読取部、5…画像形成部、6…給紙部、7…排紙部、8…画像処理部、9…画像記憶部、10…制御部、10a…向き判定部、10b…汚れ判定部、10c…情報出力部、10d…画像形成制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から読み取った画像を用紙上に画像形成する画像形成装置であって、
前記原稿の表面と裏面の画像を読み取る原稿読取部と、
該原稿読取部の前記裏面の画像読取位置に汚れがあるか検知する汚れ検知部と、
前記原稿が片面原稿であり、該片面原稿から前記原稿読取部によって裏面から画像が読取られ、前記原稿読取部の裏面の画像読取位置に汚れがある場合、少なくとも、前記片面原稿の載置形態が誤っていること、及び、前記画像読取位置に汚れがあることを通知する通知情報を出力する情報出力部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記通知情報の出力の際、読み取り動作及び画像形成動作を一時停止するものであって、
前記通知情報は、前記読み取り動作及び前記画像形成動作を継続するか否かの選択をユーザに促す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記読み取り動作及び前記画像形成動作の継続がユーザにより選択指示された場合、前記原稿全体を読み取り、その後、最後に読み取った原稿の画像から順に画像形成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
片面原稿から読み取った画像を用紙上に画像形成する画像形成方法であって、
前記片面原稿の表面と裏面の画像を読み取る原稿読取ステップと、
前記片面原稿の裏面に画像が形成されているか否かを判定するステップと、
前記原稿読取ステップにおける前記裏面の画像読取位置に汚れがあるか検知する汚れ検知ステップと、
前記片面原稿の裏面に画像が形成されていると判定され、前記裏面の画像読取位置に汚れがあると判定された場合、少なくとも、前記片面原稿の載置形態が誤っていること、及び、前記画像読取位置に汚れがあることを通知する通知情報を出力する情報出力ステップと、を含むことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−92596(P2013−92596A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233605(P2011−233605)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】