説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置のハードディスクが破損した場合でも、画像形成装置にインストールされているアプリケーションのライセンス情報を容易に復元する。
【解決手段】 画像形成装置にインストールするアプリケーションの格納先(ハードディスク1004)とは物理的に異なる格納先(不揮発性メモリ1002)に、暗号化されたアプリケーションの復号情報と、アプリケーションを特定するアプリケーション情報を保持したライセンスファイルを記憶させ、ライセンスファイルがクライアントから提示されず、かつ前記不揮発性メモリに記憶されている場合はこのライセンスファイルを使用してアプリケーションをインストールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアプリケーションのインストールが可能であり、アプリケーションに対応したライセンスファイルのインストール、及び管理を行なう画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機を始めとする画像形成装置において、JAVA(登録商標)などの技術を使用することにより、画像形成装置上において、所定のアプリケーション実行環境が整備されてきている。(例えば、特許文献1参照。)
このようなアプリケーションの実行環境を持つ画像形成装置のビジネスでは、アプリケーション単体のビジネスもあれば、アプリケーションに所定のライセンス情報を付加し、ライセンスによるビジネスも行なわれるようになっている。このようなアプリケーションのライセンスによるビジネスにおいては、ライセンス情報にはアプリケーションそのものの有効期限や所定の動作回数などのある上限を設定することが行なわれている。さらに、ライセンス情報には、インストールする画像形成装置を一意に識別する情報などが格納され、他の画像形成装置には使用できないような仕組みが設けられている場合がある。
【0003】
従来、このようなアプリケーションやライセンスの情報は、画像形成装置内のハードディスクに格納されるのが一般的であった。また、アプリケーションとライセンス情報が対で扱われる場合、アプリケーション保護の観点から暗号化などが行なわれ、それを複合するための情報がライセンス情報に含まれる場合もあった。
【特許文献1】特開2003−330732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術によれば、画像形成装置という特殊な筐体に格納されてはいるものの、盗難や装置を破棄した後のハードディスクの解析による暗号情報の漏洩が懸念されている。
【0005】
また、画像形成装置におけるハードディスクは、PCなどとは異なりサイズの大きなデータを頻繁に生成・削除を繰り返すため、ユーザ先において破損するケースがある。その場合、アプリケーションは物理的には再インストールすれば復元することができるが、有効期限や所定の動作回数などを管理する情報は、ライセンス情報を再度インストールし直すと、破損直前の情報に復帰できないため、使用できないという問題があった。破損直前の状態でライセンス情報を復帰させるには、その画像形成装置専用の特殊なライセンスを使用しなければならないなどの問題があり、破損の修理を担当するサービスマンにとっては、特殊なライセンスの発行依頼等、作業負荷が大きいという欠点があった。サービスマンにとってはライセンスを意識することなくアプリケーションをインストールするだけで破損直前の状態に復帰することが望ましい。
【0006】
本発明はこれらの問題に鑑みなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題を解決するために、本発明はネットワークに接続され、該ネットワーク上のクライアントと通信し、クライアントから機器を操作するためのアプリケーションをインストールし、かつ実行可能な画像形成装置であって、前記ネットワーク上のクライアントと通信するための通信手段と、前記アプリケーションをインストール、及び管理するアプリケーション管理手段と、前記インストールされたアプリケーションを記憶する第1の記憶手段と、前記アプリケーションを実行するアプリケーション実行手段と、前記アプリケーションをインストールする際に、対応するライセンスファイルの存在を確認するライセンスチェック手段と、前記ライセンスファイルをインストール、及び管理するライセンスファイル管理手段と、前記インストールされたライセンスファイルを記憶する、前記第1の記憶手段とは物理的に異なる第2の記憶手段とを備え、前記アプリケーションは所定の方式で暗号化し、少なくともその暗号を解読するための復号情報とアプリケーションを特定するアプリケーション情報を保持したライセンスファイルと、前記アプリケーションのインストール時に、前記ライセンスチェック手段において、前記アプリケーションに対応するライセンスファイルが前記クライアントから提示されない場合で、且つ前記第2の記憶手段において前記アプリケーションに対応するライセンスファイルを検索し、前記第2の記憶手段に記憶されていると判定された場合、前記アプリケーション管理手段は前記第2の記憶手段に記憶されているライセンスファイルを使用してアプリケーションがインストールすることを特徴とする
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アプリケーションが格納される第1の記憶装置と、ライセンスファイルが格納される第2の記憶装置が物理的に異なるよう構成し、且つアプリケーションインストール時に参照すべきライセンスファイルを第2の記憶装置から検索し使用することにより、第1の記憶装置が破損し復帰する際、ライセンスファイルを用意することなくアプリケーションがインストールできサービスマンの作業効率を上げることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施例1)
図1は、本発明第一の実施例である複合機のシステムブロック図である。
【0010】
Controller Unit 1000は画像入力デバイスであるScanner1070や画像出力デバイスであるPrinter1095と接続し、一方ではLAN1011や公衆回線(WAN)1051接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行なう為のコントローラである。CPU1001はシステム全体を制御するコントローラである。
【0011】
RAM1002はCPU1002が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。さらにRAM1002は、揮発性メモリと不揮発性メモリで構成されているものとする。ROM1003はブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD1004はハードディスクドライブで、システムソフトウェア、画像データを格納する。
【0012】
操作部I/F1006はタッチパネルを有した操作部(UI)1012とのインターフェース部で、操作部1012に表示する画像データを操作部1012に対して出力する。また、操作部1012から本システム使用者が入力した情報を、CPU1001に伝える役割をする。Network I/F1010はLAN1011に接続し、情報の入出力を行なう。
【0013】
Modem1050は公衆回線1051に接続し、情報の入出力を行なう。以上のデバイスがシステムバス1007上に配置される。
【0014】
Image Bus I/F1005はシステムバス1007と画像データを高速で転送する画像バス1008を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス1008は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス1008上には以下のデバイスが配置される。
【0015】
ラスターイメージプロセッサ(RIP)1060はPDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部1020は、画像入出力デバイスであるスキャナ1070やプリンタ1095とコントローラ1000を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行なう。スキャナ画像処理部1080は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行なう。プリンタ画像処理部は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行なう。画像回転部1030は画像データの回転を行なう。画像圧縮部1040は、多値画像データはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MHの圧縮伸張処理を行なう。IC Card Slot1100はICカードメディアを挿入した後に適切なPIN(Personal Identifier Number)コードを入力することにより、暗号・復号に用いる鍵の入出力を行なうことが可能となる。暗号・復号処理部1110はIC Card Slot1100の鍵を用いてデータの暗号化・複合化処理を行なうハードウェアアクセラレータボードである。
【0016】
図2は、本発明第一の実施例である複合機におけるソフトウエアブロック図である。
【0017】
アプリケーション実行環境2000は、複合機上において特定のアプリケーションを実行する環境であり、本実施例ではJAVA(登録商標)(JAVA(登録商標)は米国サン・マイクロシステムズの商標)を使用するものとする。
【0018】
同図において2001は通信手段であり、NetworkI/F1010を介して後述のPC3002と通信を行なう機能を提供するものである。2002は、アプリケーション管理手段であり、通信手段2001を介して後述のPC3002と通信を行ない、後述のアプリケーション2003をインストールすると共に、アプリケーションの起動や停止などの管理を行なうものである。インストールしたアプリケーションは、HDD1004上に格納されているものとする。
【0019】
2003は本発明の複合機上で動作するアプリケーションであり、本複合機上において印刷やコピーなどの様々な処理を行なうものである。2004はライセンス管理手段であり、通信手段2001を介して後述のPC3002と通信を行ない、所定のライセンスファイルをインストールすると共に、ライセンスの一般的な管理を行なうものである。インストールしたライセンスファイルは、RAM1002上の不揮発性メモリに格納されているものとする。2005はライセンスチェック手段であり、アプリケーション2003のインストールの際に対応するライセンスファイルの有無を判定するものである。
【0020】
本実施例の形態では、上記の各ソフトウエアブロックは全てアプリケーション実行環境2000上に構成したが、特にこの構成について限定するものではない。
【0021】
図3は、本発明第一の実施例である図1で示した画像形成装置が動作するネットワークシステムの構成例を示すブロック図3000であり、同図において、3001はMFP(Multi Function Peripheral:スキャナ、プリンタ、Fax等の機能を有する複合機)で、図1で示した画像形成装置を示す。3002はPC、3003はMFP3001に隣接するMFP(2)である。PC3002は、ネットワーク3004経由でMFP3001と接続されたPC(パーソナルコンピュータ)を示す。
【0022】
図4は、本発明第一の実施例である図3のネットワークシステムを構成するPCのハードウェア構成を示すブロック図4000であり、PCは、図4に示すように、CPU4001と、RAM4002と、CRT(陰極線管)4003と、キーボード4004と、ポインティングデバイス4005と、ROM4006と、DISK4007と、通信I/F4008とを、システムバス4009を介して相互に接続して構成されている。
【0023】
PCを制御するプログラムは、ROM4006若しくはDISK4007に格納されており、必要に応じてRAM4002に読み出され、CPU4001によって実行される。また、CPU4001がCRT4003を通して表示を行ない、キーボード4004及びポインティングデバイス4005からユーザの指示を受ける。また、CPU4001が通信I/F4008を通じて外部機器と通信を行なう。
【0024】
本実施の形態では、特に断らない限り、図4のPCでは、CPU4001がシステムバス4009を介してキーボード4005やポインティングデバイス4005からユーザの入力を受け取り且つRAM4002と、CRT4003と、ROM4006と、DISK4007と、通信I/F4008とを制御して実施する。
【0025】
図5は、本発明第一の実施例であるPC3002からMFP3001にアプリケーションをインストールする際のインストール画面5000であり、PC3002からネットワーク3004を介してMFP3001にアクセスした際に通信手段2001からの出力により、PC3002のCRT4003に表示されるものである。
【0026】
具体的には通信手段2001にWebサーバーを設け、PC3002からWebブラウザなどを利用し表示するように構成してもよい。
【0027】
同図において、5001はアプリケーションファイルを指定するためのフィールドであり、DISK4007上の所定の位置に格納されたアプリケーションファイルを指定するものである。
【0028】
5002はライセンスファイルを指定するためのフィールドであり、DISK4007上の所定の位置に格納されたライセンスファイルを指定するものである。5003は、アプリケーションファイルを指定する際に視覚的に判り易いI/Fを提供する図外の画面を開くボタンである。
【0029】
5004は、ライセンスファイルを指定する際に視覚的に判り易いI/Fを提供する図外の画面を開くボタンである。5005は、アプリケーションファイル、ライセンスファイルの指定が完了した後、実際にインストールを指示するためのボタンである。
【0030】
5006は、インストール画面5000の処理を中断し直前の画面に戻ることを指示するためのボタンである。
【0031】
本実施例では、通常ユーザがアプリケーションをインストールする場合にはアプリケーションファイルとライセンスファイルの指定を行ない、ハードディスク破損時の復旧の際にはアプリケーションファイルの指定のみを行ないボタン5005を押下する。
【0032】
図6は、本発明第一の実施例であるMFP3001上で動作するアプリケーション2003のアプリケーション情報6000であり、アプリケーション実行環境2000上で動作するアプリケーションは全て同様の情報をもっているものとする。
【0033】
同図において、アプリケーション2003は、アプリケーション名が「簡易コピー」であり、アプリケーション識別情報が「c2b291f0-7e8b-11d6-a44a-005004d0f31a」であり、有効期限制御機能、印刷上限制御機能、スキャン上限制御機能を有していることを示している。
【0034】
なお、本実施例においては、MFP3001内にインストールされたアプリケーションの格納方法について何ら制限するものではない。
【0035】
図7は、本発明第一の実施例であるアプリケーション2003のライセンスファイル7000であり、同図においてライセンスファイル7000は、ライセンス識別情報が「c2b291f0-7e8b-11d6-a44a-005004d0f31b」であり、対応するアプリケーション識別情報が「c2b291f0-7e8b-11d6-a44a-005004d0f31a」であり、有効期限と印刷上限が設定されていることを示している。
【0036】
なお、本実施例において、MFP3001内にインストールされたライセンスファイルは、内容が検索可能な状態であれば、各項目毎に体系付けて管理されていている、或いは単にファイル形式のまま保持されるなど特に制限するものではない。
【0037】
図8は、本発明第一の実施例であるアプリケーションインストール時のフローチャート8000の一部である。
【0038】
より詳細には、ボタン5005が押下されたときのアプリケーション管理手段2002、ライセンス管理手段2004、ライセンスチェック手段2005の処理を示したものである。なお、本実施例においては、アプリケーションはアプリケーション識別情報を除き暗号化されており、復号するためのデータはライセンスファイルにより提供されるものとする。さらにライセンスファイルは予め所定の暗号化が施され、MFP3001内の所定の復号情報により復号されるものとする。
【0039】
8001はアプリケーションファイル受信ステップであり、アプリケーション指定フィールド5001で指定されたアプリケーションファイルを受信するステップである。8002はアプリケーション識別情報の抽出ステップであり、ステップ8001で受信したアプリケーションファイルからアプリケーション識別情報を抽出するステップである。ステップ8003は、ライセンスファイル指定フィールド5002で指定されたライセンスファイルを受信するステップである。
【0040】
ステップ8004は、ステップ8003でライセンスファイルの受信が行なえたかを判定するステップであり、受信した場合はステップ8005に進み、そうでなければステップ8012に進む。ステップ8005は、受信したライセンスファイルを図外の復号情報により複合化するステップである。ステップ8006は、複合化したライセンスファイルからアプリケーション識別情報を抽出するステップである。
【0041】
ステップ8007は、ステップ8002とステップ8006で抽出したアプリケーション識別情報が一致するかを判定するステップであり、一致した場合はステップ8008に進み、そうでなければステップ8015に進む。
【0042】
ステップ8008は、ステップ8005で復号化した結果得られた復号情報によりステップ8001で受信したアプリケーションを復号化するステップである。
【0043】
ステップ8009は復号化に成功したかを判定するステップであり、成功した場合はステップ8010に進み、そうでなければステップ8015に進む。
【0044】
ステップ8010は、アプリケーションのインストールステップであり、アプリケーション管理手段2002によりアプリケーション実行環境への登録とHDD1004への格納が行なわれるステップである。ステップ8011は、後述のステップ8013においてライセンスファイルがインストール済みであるかを判定するステップであり、ライセンスファイルがインストール済みと判定された場合は、本フローチャートの処理を終了し、そうでなければステップ8014に進む。
【0045】
ステップ8012は、ライセンスチェック手段2005により、ステップ8002で抽出したアプリケーション識別情報に該当するライセンスファイルがRAM1002内に存在するかを検索するステップである。ステップ8013は検索の結果ライセンスファイルが存在したかを判定するステップであり、存在した場合はステップ8008に進み、ライセンスファイルを受信した場合と同じ処理を行なう。
【0046】
ステップ8014は、ライセンスファイルのインストールを行なうステップであり、ライセンス管理手段2004によりRAM1002内の所定の場所にライセンスファイルの内容を格納する。ステップ8015はエラー処理を行なうステップであり、本実施例においてはPC3002のCRT4003にエラーメッセージを表示すべくデータを送信する処理を行なう。
【0047】
(実施例2)
第2の実施例は、第1の実施例に対し、ステップ8012で前記RAM1002上に記憶されたライセンスファイルを検索するか否かを設定する手段を更に設けたものである。
【0048】
図9は、本発明第2の実施例である、アプリケーションインストール時に、ライセンスファイルをRAM1002内から検索するか否かを指定するための、MFP3001上の操作画面9000である。9001は、アプリケーションインストール時に、RAM1002上に記憶されたライセンスファイルの検索を許可することを示す値を選択するためのボタンである。
【0049】
9002は、アプリケーションインストール時に、RAM1002上に記憶されたライセンスファイルの検索を許可しないことを示す値を選択するためのボタンである。ボタン9001、ボタン9002は、本操作画面表示時には現在RAM1002上に設定されている値を反映し、ボタンの色を変えるなどして、視覚的に識別できるようにしている。また、ボタンが押された場合、押されたボタンと押されなかったボタンの色を入れ替えるなどを行い、視覚的に識別できるようにしている。
【0050】
9003は、本操作画面の設定値をRAM1002に格納せず終了し図外の画面に遷移するためのボタンである。9004は本操作画面の設定内容をRAM1002に反映させ、図外の画面に遷移するためのボタンである。
【0051】
なお、本操作画面の設定は当該MFP3001の管理者だけがアクセスできるように構成されることが望ましい。また、本操作画面は、インストール画面5000と同様にPC3002上から設定できるように構成されてもよい。
【0052】
図10は、操作画面9000で設定された内容を参照し処理するようにした、本発明第二の実施例であるアプリケーションインストール時のフローチャート10000の一部である。
【0053】
より詳細には、ボタン5005が押下されたときのアプリケーション管理手段2002、ライセンス管理手段2004、ライセンスチェック手段2005の処理を示したものである。
【0054】
なお、本実施例においては、アプリケーションはアプリケーション識別情報を除き暗号化されており、復号するためのデータはライセンスファイルにより提供されるものとする。
【0055】
さらにライセンスファイルは予め所定の暗号化が施され、MFP3001内の所定の復号情報により復号されるものとする。
【0056】
10001はアプリケーションファイル受信ステップであり、アプリケーション指定フィールド5001で指定されたアプリケーションファイルを受信するステップである。10002はアプリケーション識別情報の抽出ステップであり、ステップ10001で受信したアプリケーションファイルからアプリケーション識別情報を抽出するステップである。ステップ10003は、ライセンスファイル指定フィールド5002で指定されたライセンスファイルを受信するステップである。
【0057】
ステップ10004は、ステップ10003でライセンスファイルの受信が行なえたかを判定するステップであり、受信した場合はステップ10005に進み、そうでなければステップ10012に進む。
【0058】
ステップ10005は、受信したライセンスファイルを図外の復号情報により複合化するステップである。ステップ10006は、複合化したライセンスファイルからアプリケーション識別情報を抽出するステップである。
【0059】
ステップ10007は、ステップ10002とステップ10006で抽出したアプリケーション識別情報が一致するかを判定するステップであり、一致した場合はステップ10008に進み、そうでなければステップ10015に進む。ステップ10008は、ステップ10005で復号化した結果得られた復号情報によりステップ10001で受信したアプリケーションを復号化するステップである。
【0060】
ステップ10009は復号化に成功したかを判定するステップであり、成功した場合はステップ10010に進み、そうでなければステップ10016に進む。ステップ10010は、アプリケーションのインストールステップであり、アプリケーション管理手段2002によりアプリケーション実行環境への登録とHDD1004への格納が行なわれるステップである。
【0061】
ステップ10011は、後述のステップ10013においてライセンスファイルがインストール済みであるかを判定するステップであり、ライセンスファイルがインストール済みと判定された場合は、本フローチャートの処理を終了し、そうでなければステップ10015に進む。
【0062】
ステップ10012は、RAM1002上のライセンスファイルを検索するか否かを判定するステップであり、操作画面9000で設定された情報をチェックするステップである。このステップにおいてライセンスファイルを検索する自動復帰設定が行われている場合、ステップ10013に進み、そうでなければステップ10016に進む。ステップ10013は、ライセンスチェック手段2005により、ステップ10002で抽出したアプリケーション識別情報に該当するライセンスファイルがRAM1002内に存在するかを検索するステップである。
【0063】
ステップ10014は検索の結果ライセンスファイルが存在したかを判定するステップであり、存在した場合はステップ10008に進み、ライセンスファイルを受信した場合と同じ処理を行なう。ステップ10015は、ライセンスファイルのインストールを行なうステップであり、ライセンス管理手段2004によりRAM1002内の所定の場所にライセンスファイルの内容を格納する。ステップ10016はエラー処理を行なうステップであり、本実施例においてはPC3002のCRT4003にエラーメッセージを表示すべくデータを送信する処理を行なう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例1の複合機1001のシステムブロック図である。
【図2】実施例1の複合機1001のソフトウエアブロック図である。
【図3】実施例1の複合機1001が動作するネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図4】実施例1のネットワークシステムを構成するPCのハードウェア構成を示すブロック図ある。
【図5】実施例1のアプリケーションをインストールする際のインストール画面である。
【図6】実施例1のMFP3001上で動作するアプリケーション2003のアプリケーション情報である。
【図7】実施例1のアプリケーション2003のライセンスファイル7000である。
【図8】実施例1のアプリケーションインストール時のフローチャートである。
【図9】実施例2のMFP3001上の操作画面である。
【図10】実施例2のアプリケーションインストール時のフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1000 コントローラユニット
1001 CPU
1002 RAM
1003 ROM
1004 ハードディスク
1005 Image Bus I/F
1006 操作部I/F
1007 システムバス
1008 画像バス
1010 Network I/F
1011 LAN
1012 操作部
1020 デバイスI/F
1030 画像回転
1040 画像圧縮
1050 MODEM
1051 WAN
1060 RIP
1070 スキャナ
1080 スキャナ画像処理
1090 プリンタ画像処理
1095 プリンタ
1100 IC Card Slot
1110 暗号・復号処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続され、該ネットワーク上のクライアントと通信し、クライアントから機器を操作するためのアプリケーションをインストールし、かつ実行可能な画像形成装置であって、
前記ネットワーク上のクライアントと通信するための通信手段と、
前記アプリケーションをインストール、及び管理するアプリケーション管理手段と、
前記インストールされたアプリケーションを記憶する第1の記憶手段と、
前記アプリケーションを実行するアプリケーション実行手段と、
前記アプリケーションをインストールする際に、対応するライセンスファイルの存在を確認するライセンスチェック手段と、
前記ライセンスファイルをインストール、及び管理するライセンスファイル管理手段と、
前記インストールされたライセンスファイルを記憶する、前記第1の記憶手段とは物理的に異なる第2の記憶手段とを備え、
前記アプリケーションは所定の方式で暗号化し、少なくともその暗号を解読するための復号情報とアプリケーションを特定するアプリケーション情報を保持したライセンスファイルと、前記アプリケーションのインストール時に、前記ライセンスチェック手段において、前記アプリケーションに対応するライセンスファイルが前記クライアントから提示されない場合で、且つ前記第2の記憶手段において前記アプリケーションに対応するライセンスファイルを検索し、前記第2の記憶手段に記憶されていると判定された場合、前記アプリケーション管理手段は前記第2の記憶手段に記憶されているライセンスファイルを使用してアプリケーションがインストールすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の記憶手段を、画像形成装置の外部に設けたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の記憶手段はハードディスクであり、かつ第2の記憶手段は不揮発性のメモリであることを特徴とする請求項1乃至2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の記憶手段に記憶されている所定の情報に従い、前記アプリケーションのインストール時に、前記ライセンスチェック手段において、前記アプリケーションに対応するライセンスファイルが前記クライアントから提示されない場合には単に操作エラーとする処理と、前記第2の記憶手段において前記アプリケーションに対応するライセンスを検索し、前記第2の記憶手段に記憶されていると認識された場合には前記第2の記憶手段に記憶されているライセンスファイルを使用してアプリケーションがインストールする処理を選択することができることを特徴とする請求項1乃至3の画像形成装置。
【請求項5】
前記ライセンスファイルは暗号化されており、前記第2の記憶手段に記憶された複合鍵で複合されることを特徴とする請求項1乃至4の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−40217(P2006−40217A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−223329(P2004−223329)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】