説明

画像形成装置

【課題】ユーザが画像形成装置を占有でき、使用効率が良く、さらに操作性の良い画像形成装置を提供することを目的としている。
【解決手段】画像形成装置10に所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの印刷出力を禁止する占有印刷設定を設けた。画像形成装置10が占有印刷設定とされているとき、ユーザが所定の印刷ジョブを指定すると、この所定の印刷ジョブ以外の他の印刷ジョブの動作が禁止され、所定の印刷ジョブにより印刷出力が行われ、印刷出力が終了して占有印刷設定が解除されると、他の印刷ジョブの動作が再開される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に係り、さらに詳細には一時的にユーザが占有できる画像形成装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンタ、ファクシミリおよびスキャナなどの複数の機能を1つの装置内で実現することが可能な画像形成装置(複合機)がある。このような画像形成装置はネットワークで複数のパーソナルコンピュータ(以下、PC)から共有され、プリンタとして使用されたり、文書を蓄積するためのファイルサーバとして使用されるものもある。このような装置においては、複数のアプリケーションを同時に動作させることが可能であるため、複数のジョブが動作待ち状態とされている場合が多々ある。このようなジョブを効率よく処理するために、ジョブの終了後は素早くジョブ実行時に使用したリソースを開放している。
【0003】
一方、このような画像形成装置においては各ユーザの印刷出力や蓄積文書が混在するため、機密性の高いものに対しては、パスワード入力等の認証判断を行うものもある。例えば特開2005−262864号公報(特許文献)に開示された発明では、機密性の高い文書を印刷する場合に、PCのドライバで機密印刷を設定して印刷要求を出し、ユーザ本人が画像形成装置の操作部からパスワードを入力することにより印刷が開始される。また、簡略的な印刷を行いたい場合は、画像形成装置本体をオフライン設定にし、PCから印刷要求をだす。この印刷要求は画像形成装置本体にキューイングされるだけで、装置本体操作部から手動で印刷指示を出すことで出力される。
【0004】
特開2004−279487号公報(特許文献)に開示された発明では、排紙トレイの用紙の有無を検知し、印刷出力後に一旦排紙トレイに用紙がないことが検知されるまで、次の印刷ジョブを開始させない方法が考案されている。
【特許文献1】特開2005−262864号公報
【特許文献2】特開2004−279487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された発明では、ユーザが特殊な用紙を使用したい場合に給紙トレイに用紙をセットしている最中に他の印刷ジョブが動作してしまうという問題点がある。
【0006】
また、特許文献2に開示された発明では、印刷処理を一度停止させることにより、装置の使用効率が落ちるという問題点がある。
【0007】
また、従来の画像形成装置では、操作部を占有しているユーザがある程度装置を占有することが可能であったが、装置の複合化やネットワークによる共有化が進み、ユーザが装置を占有できず操作性が悪いという問題点がある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みて、これらの問題を解消すべく考案されたものであり、ユーザが装置を一時的に占有でき、使用効率が良く、さらに操作性の良い画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は次の如き構成を採用した。
【0010】
本発明の画像形成装置は、画像データの出力を制御する制御手段と、前記画像データを印刷出力する出力手段と、画像形成処理に係る操作をする操作手段と、前記操作手段により所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定する動作禁止設定手段とを有する画像形成装置であって、前記制御手段は、前記動作禁止設定手段が前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定した場合に、前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブによる前記出力手段からの印刷出力を禁止する構成とすることができる。
【0011】
このように、動作禁止手段により所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作を禁止する設定を行うことにより、ユーザに画像形成装置を占有させ、印刷出力開始前の状態の画像形成装置が他のジョブで動作することを防止する。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、画像データの出力を制御する制御手段と、前記画像データを印刷出力する出力手段と、画像形成処理に係る操作をする操作手段と、所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定する動作禁止設定手段と、前記操作手段により所定の印刷ジョブを指定する印刷ジョブ指定手段と、前記印刷ジョブを外部より受信する通信手段と、を有する画像形成装置であって、前記制御手段は、前記動作禁止設定手段が前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定し、前記通信手段により受信された印刷ジョブが前記印刷ジョブ指定手段により指定された場合に、前記受信された印刷ジョブ以外の印刷ジョブによる前記出力手段からの印刷出力を禁止し、前記受信された印刷ジョブによる前記出力手段からの印刷出力を行う構成とした。
【0013】
これにより、ネットワークを介して画像データを印刷する場合に、ユーザに画像形成装置を占有させ、印刷出力開始前の状態の画像形成装置が他のジョブで動作することを防止する。
【0014】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記制御手段は、前記動作禁止設定手段が前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定した場合に、印刷出力実行中の印刷ジョブを中断する構成とすることができる。
【0015】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前前記制御手段は、前記動作禁止設定手段が前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定し、前記通信手段により受信された印刷ジョブが前記印刷ジョブ指定手段により指定された場合に、印刷出力実行中の印刷ジョブを中断する構成とすることができる。
【0016】
他の印刷ジョブを中断させることにより、画像形成装置の前にいるユーザの所望の画像データが印刷可能となり、文書が印刷されるまでの待ち時間を短縮する。
【0017】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記所定の印刷ジョブの印刷を開始させる印刷開始指示手段を有し、前記制御手段は、前記動作禁止設定手段の設定から、所定時間前記印刷開始指示手段による開始指示を受けないとき、前記動作禁止設定手段による設定を解除する構成とすることができる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記所定の印刷ジョブの印刷を開始させる印刷開始指示手段を有し、前記制御手段は、前記動作禁止設定手段が前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定し、前記通信手段により受信された印刷ジョブが前記印刷ジョブ指定手段により指定されてから、所定時間前記印刷開始指示手段による開始指示を受けないとき、前記動作禁止設定手段による設定を解除する構成とすることができる。
【0019】
他の印刷ジョブの動作禁止の設定を解除することにより、他の印刷ジョブの実行を再開させ、画像形成装置の使用効率を向上させる。
【0020】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記印刷開始指示手段により前記所定の印刷ジョブの印刷を開始し、前記所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した後、前記動作禁止設定手段による設定を所定時間維持する構成とすることができる。
【0021】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記印刷開始指示手段により前記所定の印刷ジョブの印刷を開始し、前記所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した後、前記操作手段による操作がないとき、前記動作禁止設定手段による設定を所定時間維持する構成とすることができる。
【0022】
これにより、前記所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した後の誤操作を防止し、操作性を向上させる。
【0023】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記動作禁止設定を解除する出力禁止解除手段を有し、前記制御手段は、前記所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した場合であっても、前記出力禁止解除手段により前記動作禁止設定手段による設定が解除されるまで、前記設定を維持する構成とすることができる。
【0024】
これにより、前記所定の印刷ジョブを印刷出力した後の用紙の入れ換えなどの後処理中に他の印刷ジョブの動作を抑制して操作性を向上させる。
【0025】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記制御手段は、前記所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した後、所定時間以内に前記動作禁止設定手段による設定が解除されないとき、前記出力禁止解除手段により前記設定を解除する構成とすることができる。
【0026】
これにより、動作禁止の設定の解除忘れの誤操作を防止する。
【0027】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記操作手段により前記所定時間を設定する構成とすることができる。
【0028】
これにより、タイムアウト時間をユーザの使用状況に合わせることでき、操作性を向上させる。
【0029】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記所定の印刷ジョブが前記出力手段により印刷出力されるときの印刷条件を変更する印刷条件変更手段を有し、前記制御手段は、前記印刷条件変更手段により前記印刷条件を変更する構成とすることができる。
【0030】
これにより、前記所定の印刷ジョブの印刷条件を変更することができ、操作性を向上させる。
【0031】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記印刷条件変更手段により変更された印刷条件は、前記所定の印刷ジョブにのみ有効である構成とすることができる。
【0032】
これにより、前記所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した後、印刷条件の変更を印刷前の状態にもどす操作の操作忘れを防止でき、操作性を向上させる。
【0033】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、該画像形成装置は、複数の機能を実現させるアプリケーションを有し、前記印刷条件による前記印刷条件の変更は、前記所定の印刷ジョブを印刷出力するアプリケーションにのみ有効である構成とすることができる。
【0034】
これにより、他の機能を実現するアプリケーションにおいて印刷条件を変更するという誤操作を防止でき、操作性を向上させる。
【0035】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記制御手段は、前記印刷開始指示手段による印刷開始指示を複数回受け付けることが可能な構成とすることができる。
【0036】
これにより、出力結果を確認しながら印刷出力を実行することができ、操作性を向上させる。
【0037】
また、本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、さらに、前記動作禁止設定を解除する出力禁止解除手段と、印刷ジョブが格納される記憶手段を有し、前記制御手段は、前記出力禁止解除手段により前記動作禁止設定が解除されたとき、前記記憶手段に格納された印刷ジョブのうち、前記所定の印刷ジョブを削除する構成とすることができる。
【0038】
これにより、前記所定の印刷ジョブの削除忘れを防止し、操作性を向上させる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の画像形成装置によれば、ユーザが当該画像形成装置を占有でき、さらに操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の画像形成装置では、所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの印刷出力を禁止する設定を設けることで、前記設定がなされている期間はユーザが当該画像形成装置を占有することが可能としたものである。
【実施例1】
【0041】
以下に図面を参照して本発明の詳細について説明する。
【0042】
図1は本発明の画像形成装置10のハードウェア構成図である。本発明の画像形成装置10は、CPU1、入力部2、出力部3、I/O(Input/Output)制御部4、各センサ4a、ドライバ4b、通信部5、ネットワーク部6、操作部7、画像データ記憶部8、メモリ9から構成されている。
【0043】
画像形成装置10は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を搭載した複合機として動作する。画像形成装置10は、入力部2から読み込まれた画像データ、通信部5により受信された画像データ、ネットワーク部6を介して外部機器より受信された画像データを出力部3より記録紙へ書き込むことにより、これらの画像データを印刷出力するものである。画像形成装置10は、これらの機能を実現させるための複数のアプリケーションを有し、このアプリケーションは、例えばメモリ9に格納されている。
【0044】
CPU1は、画像形成装置10の装置本体の制御を司るものである。CPU1の機能についての詳細は後述する。
【0045】
入力部2は、画像データを読み込むためのものであり、画像処理部2aとスキャナ2bで構成されている。画像処理部2aはスキャナ2bの制御と、スキャナ2bにより読み込まれた画像データの処理を行う。出力部3は、画像データを印刷出力するためのものであり、書き込み制御部3a、プロッタ3bで構成されている。書き込み制御部3aは、プロッタ3bの制御を行うものであり、プロッタ3bは、画像データを記録紙へ書き込む動作を行うものである。
【0046】
I/O制御部4は、電装品の各センサ4aや、この電装品の駆動手段となるドライバ4bを制御するものである。またI/O制御部4は、記録紙の給紙手段の制御を行う。
【0047】
通信部5は、外部の通信端末と通信を行うものであり、モデム5aとNCU(Network Control Unit)5bで構成されている。画像形成装置10は、通信部5を介して公衆回線に接続されており、外部の通信端末と画像データの送受信を行う。ネットワーク部6は、外部機器として画像形成装置10の外部に接続されているPC6aとのインターフェイスとして機能する。
【0048】
操作部7は、複数の操作部が配設され、ユーザが画像形成装置10の操作入力を行うものであり、例えばタッチパネルなどや操作ボタンなどである。また、操作部7には、画像形成装置10の状態を示す情報や記録紙の種類などを示す情報をユーザが閲覧可能に表示するための表示部が配設されていることが好ましい。
【0049】
画像データ記録部8は、入力部2から読み込まれた画像データ、通信部5を介してモデム5で受信された画像データ、ネットワーク部6を介して外部機器より受信された画像データなどが格納される。これらの画像データは、画像データ記憶部8に一時的に記憶され、プロッタ2aより印刷出力された後、自動的に消去される。また、こられの画像データは印刷出力後であっても、ユーザによる削除指示があるまで画像データ記憶部8内に保持されるものであっても良い。
【0050】
メモリ9は、画像形成装置10の設定条件やCPU1で実行される処理に基づくデータなどが格納される。
【0051】
図2は、実施例1でCPU1が実行する制御機能ブロック図である。CPU1は制御部21、動作禁止設定部23、印刷ジョブ指定部24、印刷条件変更部25、印刷開始指示部26、動作禁止設定解除部27を有する。
【0052】
制御部21は、印刷ジョブの実行処理に係る制御を行うものである。尚ここで、印刷ジョブとは、画像データを印刷出力する動作を要求する印刷要求であり、画像形成装置10で実現可能な各機能において、ユーザが画像データの印刷出力を指示した際に、画像形成装置10へ送信される。この印刷ジョブはメモリ9に格納され、制御部21によりこの印刷ジョブが実行されると、メモリ9から自動的に削除される。
【0053】
動作禁止設定部23は、画像形成装置10において複数の印刷ジョブが動作待ち状態とされている場合に、所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作を禁止するものである。これより、画像形成装置10はこの所定のジョブを指定したユーザに占有され、このユーザの指定した画像データのファイルのみが印刷可能な占有印刷設定の状態となる。
【0054】
印刷ジョブ指定部24は、動作禁止設定部23により占有印刷設定がなされたときに動作させる所定の印刷ジョブを指定するものである。印刷ジョブ指定部24により所定の印刷ジョブが指定されると、制御部21はこの所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作を禁止する。
【0055】
印刷条件変更部25は、印刷ジョブ指定部24により指定された印刷ジョブを印刷出力する際に、この所定の印刷ジョブの印刷条件を変更するものである。ここでいう印刷条件とは、給紙トレイの場所、種類、用紙サイズ、印刷部数等の設定であり、これらの設定はメモリ9に記憶されていても良い。
【0056】
印刷開始指示部26は、所定の印刷ジョブによる印刷出力の開始を指示するものである。印刷開始指示部26により印刷開始指示が出されると、制御部21はこの所定の印刷ジョブを実行し、出力部3より印刷出力を行う。
【0057】
動作禁止設定解除部27は、動作禁止設定部23により設定された占有印刷設定を解除する。占有印刷設定が解除されると、制御部21は所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの実行を再開する。
【0058】
図3は、本実施例の画像形成装置10の概略図である。画像形成装置10は、自動原稿送り装置(以下、DF)2cにより送り込まれた原稿を入力部2で読み取り、読み取った画像データを印刷出力する。また、画像形成装置10は通信部5を介して公衆回線に接続されており、外部通信端末より受信された画像データを印刷出力する。さらに、画像形成装置10はネットワークを介してPC6aと接続されており、外部機器であるPC6aから受信された画像データを印刷出力する。尚ここで、本実施例における外部機器はPC6aのみとなっているが、これに限定されるものではない。
【0059】
画像形成装置10は、複数からなる給紙段11を有しており、記録紙はサイズ別や種類別に分類されて各給紙段に収納されている。本実施例において、このような記録紙の種類などを示す情報や画像形成装置10の状態を示す情報は、操作部7に配設された表示部によりユーザが閲覧可能に表示される。ユーザは記録紙の種類などを示す情報や画像形成装置10の状態を示す情報を確認しながら、所望の機能を実現させるように画像形成装置10の操作を行うことができる。
【0060】
図4は画像形成装置10の操作を行う操作部7の一例を示す図である。操作部7は、表示部31と複数の操作部32、33、34、35、36、37、38で構成されている。表示部31は、画像形成装置10の状態を示す情報や、印刷出力される画像データのファイル名などが表示される。操作部32は、画像形成装置10を占有印刷設定とするものである。操作部33は、画像形成装置10をオフライン状態とするか、オンライン状態とするかを設定するためのものである。
【0061】
操作部34は、印刷出力させる画像データのファイルを選択するためのものである。操作部35は、印刷ジョブの印刷条件を設定するためのものである。操作部36は、印刷開始指示を出すためのものであり、操作部37は、実行中の印刷ジョブを中断させるためのものである。操作部38は、これまでの印刷出力におけるエラー履歴や、外部機器または公衆回線との通信におけるエラー履歴を表示させるためのものである。
【0062】
ユーザは操作部7により、画像形成装置10を占有印刷設定として所定の印刷ジョブを実行させたり、印刷ジョブを実行する際の印刷条件の設定を変更することができる。以下に、操作部7を用いた画像形成装置10の操作と、その操作による画像形成装置10の動作について説明する。
【0063】
操作部32が押下されると、動作禁止設定部23は画像形成装置10を占有印刷設定とする。次に、操作部34により印刷出力される画像データのファイルが選択されると、印刷ジョブ指定部24は選択されたファイルに該当する所定の印刷ジョブを指定する。所定の印刷ジョブが指定されると、制御部21は所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作を禁止する。
【0064】
このとき、表示部31には、画像形成装置10が「占有印刷設定」であることを示す情報や、印刷出力されるファイル名などが表示されても良い。また、表示部31では、画像形成装置10が占有印刷設定となった時点で画像形成装置10内に保持された印刷ジョブのリストをユーザが閲覧可能に表示しても良い。
【0065】
また、画像形成装置10の操作において、操作部32と操作部34が、上記と逆の順序で操作されても良い。すなわち、画像形成装置10において、最初に印刷ジョブ指定部24により所定の印刷ジョブが指定され、次に動作禁止設定部23により、所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作が禁止される占有印刷設定とされても良い。
【0066】
このように、画像形成装置10に動作禁止設定部23を設け画像形成装置10を占有印刷設定とし、所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作を禁止することより、複数のユーザが画像形成装置10を使用しても各ユーザがある程度画像形成装置10を占有することが可能となる。また、各ユーザにおいて、所望の画像データが印刷出力されるまでの待ち時間などが短縮され、操作性が良く、かつ使用効率の良い画像形成装置を提供することができる。
【0067】
また、画像形成装置10をオフライン状態で使用する場合は、操作部33により、予め画像形成装置10をオフライン状態としておく。このとき印刷ジョブは、実行処理待ち状態で順序づけられてメモリ9へ格納されている。
【0068】
ここで操作部32が押下されると、動作禁止設定部23は画像形成装置10を占有印刷設定とする。そして、操作部34で印刷出力するファイルが選択されると、印刷ジョブ指定部24はこのファイルに該当する印刷ジョブを指定する。そして、制御部21は、指定された所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作を禁止する。
【0069】
これにより、画像形成装置10に接続された外部機器から送信される印刷ジョブによる動作を抑制できる。
【0070】
次に画像形成装置10がオンラインの状態で、占有印刷設定を行う場合について説明する。この場合、PC6a内にインストールされている画像形成装置10のドライバ(図示せず)により、占有印刷設定を選択した上で、印刷要求をすることで実現できる。この占有印刷設定の情報は、例えば機密文書の印刷する際の設定である機密印刷設定等と同様に、印刷される画像データのファイルに付加されて、PC6aから画像形成装置10に送信される。
【0071】
PC6aより送信された印刷ジョブは、ネットワーク部6を介して受信されてメモリ9に保持される。このとき制御部21は、受信された印刷ジョブを実行処理待ち状態とせず、単にメモリ9に保持するのみである。よって、実行処理待ち状態でメモリ9に保持された他の印刷ジョブは、制御部21により順次実行されていくが、ここで受信された印刷ジョブはスキップされるため、実行されない。この受信された印刷ジョブは、ユーザが画像形成装置10本体の操作部7から改めて印刷ジョブを指定することによって実行される。
【0072】
すなわち、まずユーザがPC6aにより占有印刷設定情報が付与された印刷ジョブを送信する。この印刷ジョブが画像形成装置10で受信されると、動作禁止設定部23は占有印刷設定情報に基づき画像形成装置10を占有印刷設定とする。その後、ユーザが操作部34により印刷出力するファイルを選択すると、印刷ジョブ指定部24がこのファイルに該当する印刷ジョブを指定する。制御部21は、この指定された印刷ジョブを実行してファイルの印刷出力を行う。そして、それと同時に他の印刷ジョブの動作を禁止する。
【0073】
これにより、ユーザは画像形成装置10に複数のユーザが同時にアクセスしている場合でも、各ユーザがある程度画像形成装置10を占有して所望のファイルを正確に印刷出力することができ、操作性を向上させることができる。また、画像形成装置10本体で直接印刷指示を出すことにより印刷を開始するので、間違って他のユーザに印刷出力後のファイルをみられることがなく、機密性を向上することができる。
【0074】
また、印刷条件の設定を変更したい場合には、操作部35により記録紙の給紙トレイの場所、種類、用紙サイズ、印刷部数の設定の変更が可能である。ユーザによる操作部35の操作を受けて、印刷条件変更部25は該当する印刷条件の設定を変更する。なお設定可能な印刷条件は、本実施例で説明したものに限られるものではなく、状況に応じて様々な印刷条件の設定の変更が可能である。
【0075】
ここで、画像形成装置10が占有印刷設定の状態にある場合、メモリ9に格納された複数のアプリケーションが共有するシステム設定に含まれる印刷条件設定は、占有印刷設定時において選択された所定の印刷ジョブにのみ反映される。ここでシステム設定に含まれる印刷条件設定とは、用紙サイズや種類などの設定である。
【0076】
次に、占有印刷設定の解除について説明する。図5は、表示部31に表示される占有印刷設定を解除するためのタイムアウト設定画面の一例を示す図である。
【0077】
図5において、占有印刷設定がなされてから印刷出力開始までのタイムアウト時間をT1とする。制御部21は、占有印刷設定がなされてからT1の間印刷開始指示がなかった場合、占有印刷設定を自動的に解除する。また、制御部21は、占有印刷設定時にユーザにより所定の印刷ジョブが指定された後、T1の間印刷開始指示がなかった場合にも、占有印刷設定を自動的に解除しても良い。
【0078】
ここで、印刷ジョブの印刷開始指示は、印刷開始指示部26により生成され制御部21に受け付けられる。制御部21は、操作部36が押下されるとユーザによる印刷開始指示があったものと判断し、印刷開始指示部26より印刷指示を出す。制御部21はこの印刷指示を受けて印刷ジョブを実行し、印刷出力を行う。また、この印刷開始指示は、占有印刷設定時において複数回出すことができ、制御部21はこの複数回の印刷開始指示を受け付けることが可能である。
【0079】
さらに、所定の印刷ジョブの印刷出力終了から占有印刷設定が自動解除されるまでのタイムアウト時間をT2とする。制御部21は、所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した後、T2の間操作部7による操作が行われなかった場合、動作禁止設定解除部27により占有印刷設定を自動的に解除する。
【0080】
また、所定の印刷ジョブの印刷出力終了から占有印刷設定を手動解除するまでのタイムアウト時間をT3とした。制御部21は、所定の印刷ジョブの印刷出力終了からT3の間手動で占有印刷設定が解除されない場合に、動作禁止設定解除部27により占有印刷設定を自動的に解除する。尚このとき、操作部7には、占有印刷設定の手動解除を行うための操作部(図示せず)が設けられている。制御部21は、この操作部が操作されると占有印刷設定の解除と判断し、動作禁止設定解除部27により占有印刷設定を解除する。
【0081】
ここでT2の値が0と設定されているときは、占有印刷設定の解除は手動のみで行う。よって、タイムアウト時間T2が0であるとき、制御部21は印刷ジョブの印刷出力終了後、T3をタイムアウト時間としてタイムアウトを検出する。
【0082】
また、T2の値はユーザの任意に設定可能であり、T2の値が0以外に設定されていた場合でも、占有印刷設定は手動で解除することが可能である。また、占有印刷設定の解除を手動で行うか自動的に行うかは、画像形成装置10の使用環境に応じてユーザが設定することが可能である。
【0083】
次に図6ないし図10を参照して画像形成装置10の動作について説明する。図6は、占有印刷設定とされるときの画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。
【0084】
制御部21は、占有フラグがセットされているかどうかを判断する(S501)。この占有フラグは、画像形成装置10が占有印刷設定とされたときと、実行される所定の印刷ジョブが指定されたときにセットされる。この占有フラグがセットされると、制御部21は占有印刷設定がなされたものと判断し、所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作を禁止する。
【0085】
S501において占有フラグがセットされていない場合、制御部21は、画像形成装置10が占有印刷設定とされているかを判断する(S502)。占有印刷設定がなされている場合、制御部21は占有フラグをセットする(S503)。
【0086】
占有印刷設定がなされていない場合、制御部21は印刷ジョブ指定部24により所定の印刷ジョブが指定されているかを判断する(S204)。所定の印刷ジョブが指定されている場合は、制御部21は再度占有フラグをセットする処理を行う(S505)。
【0087】
所定の印刷ジョブが指定されていない場合、制御部21は、再度占有フラグがセットされているかどうかを判断する(S506)。ここで占有フラグがセットされていない場合、制御部21は占有印刷設定とされていないと判断する。占有フラグがセットされている場合、制御部21は占有印刷設定がなされたものと判断する。そして実行中の印刷ジョブを中断し、所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作を禁止する(S507)。
【0088】
さらに制御部21は、占有印刷設定時の処理において画像形成装置10のシステム設定が変更されないように、システム設定をロックする(S508)。ここでいうシステム設定とは、メモリ9に格納された複数のアプリケーションで共有される設定値のことである。このシステム設定をロックすることで、占有印刷設定時の設定が、占有印刷設定解除後に他のアプリケーションに影響するのを防止する。このようにして、制御部21は、画像形成装置10を占有印刷設定とする。
【0089】
このように、占有印刷設定がなされると、指定された所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作を禁止する。よって所定の印刷ジョブが実行されるまでユーザが画像形成装置10を占有することができる。このため、例えば特殊な用紙を使用したい場合などに、他の印刷ジョブにより誤って特殊な用紙が消耗されてしまうといった操作ミスを防止できる。
【0090】
図7は占有印刷設定が解除されるときの画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。制御部21は占有フラグがセットされているかを判断し(S601)、占有フラグがセットされている場合、占有印刷設定がなされているかを判断する(S602)。ここで占有印刷設定がなされていない場合、制御部21は占有フラグをリセットする(S603)。
【0091】
占有印刷設定がなされていた場合、制御部21は、所定の印刷ジョブが指定されているかを判断する(S604)。ここで所定の印刷ジョブが指定されていなかった場合、制御部21は占有フラグをリセットする(S605)。
【0092】
所定の印刷ジョブが指定されていた場合、制御部21は再度占有フラグがセットされているかどうかを判断し(S606)、占有フラグがセットされていた場合、制御部21は占有印刷設定を解除する占有開放処理を実行する(S607)。そして、占有印刷設定が解除されると、制御部21は所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの実行を再開する。
【0093】
図8は画像形成装置10における占有開放処理を示すフローチャートである。占有開放処理は、占有印刷設定の解除の操作がなされたときや、所定の印刷ジョブの指定をとりやめたときなどに実行される。
【0094】
占有開放処理が開始されると、制御部21は占有フラグをリセットする(S701)。次に制御部21は、占有印刷設定時に指定された印刷ジョブが、蓄積文書印刷設定となっていいないかどうかを判断する(S702)。ここで、蓄積文書印刷設定とは、印刷ジョブに含まれる画像テータや文書データを削除せずに画像データ記憶部8に格納し、蓄積することである。この蓄積文書印刷設定は、占有印刷設定時に同時設定可能であっても良いし、印刷ジョブを指定する際に設定可能であっても良い。
【0095】
印刷ジョブが蓄積文書印刷設定である場合、制御部21は、画像データまたは文書データを画像データ記憶部8へ格納し、そうでない場合にはこの画像データまたは文書データを削除する(S703)。
【0096】
次に制御部21は、指定された印刷ジョブをクリアし(S704)、占有印刷設定時に画像形成装置10のシステム設定を更新する(S705)。そして、制御部21は、画像形成装置10のシステム設定に変更があるかどうかを判断する(S706)。システム設定に変更があった場合、制御部21は、他の機能を実現させるためのアプリケーションへその変更を通知する(S707)。その後、制御部21は実行を中断されていた印刷ジョブ、または所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの実行を再開する(S708)。
【0097】
ここでいうシステム設定の変更について以下に具体例を挙げて説明する。例えばシステム設定においてある給紙トレイがA4サイズの用紙を入れる設定となっていたとする。ここで占有印刷設定時に、この給紙トレイにA5サイズの用紙をセットして印刷出力を実行する。この場合、占有印刷設定解除後であっても、ユーザが用紙を入れ換えない限りは
A4サイズ用の給紙トレイにA5サイズの用紙がセットされていることになる。
【0098】
よって、制御部21は、システム設定において、この給紙トレイの設定をA5サイズの用紙を入れる設定に変更し、この変更を各アプリケーションにも反映させるものである。
【0099】
図9は占有印刷設定時の画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。占有印刷設定がなされ、所定の印刷ジョブが指定されると、制御部21は、所定の印刷ジョブ固有の印刷条件を判断し、印刷条件の変更などの処理を行う(S801)。そして、制御部21は、印刷開始指示部26により印刷指示を受けると(S802)、所定の印刷ジョブ固有の印刷条件でこの印刷ジョブを実行し、印刷出力を行う(S803)。
【0100】
S802において印刷開始指示がない場合、制御部21はタイムアウト時間が経過したかを判断する(S804)。ここでタイムアウト時間が経過していない場合、制御部21は占有印刷設定の解除操作がされていないかを判断する(S805)。そして、占有印刷設定の解除操作が行われた場合、制御部21は占有開放処理を開始する(S806)。
【0101】
S804において、タイムアップ時間が経過すると、制御部21はS806の占有開放処理を開始する。また、S805において占有印刷設定が解除操作がされていない場合、制御部21は再び印刷開始指示を待つ状態となる。
【0102】
図10は占有印刷設定のタイムアウト判定処理を示すフローチャートである。制御部21は、タイムアウトフラグを予めリセットの状態としておく(S901)。そして、制御部21は指定された所定の印刷ジョブによる印刷出力が行われたかを判断する(S902)。ここで印刷出力が行われていない場合、制御部21はタイムアウト時間T1が経過したかを判断する(S903)。尚ここで、制御部21は、タイムアウトフラグがセットされた場合、タイムアウトと判断し、占有印刷設定を解除する占有開放処理を開始する。
【0103】
タイムアウト時間T1が経過した場合、制御部21はタイムアウトフラグをセットし(S904)、図9のS806の処理へ移行する。S903において、タイムアウト時間T1が経過していない場合、制御部21は図9のS805の処理へ移行する。
【0104】
S902において、制御部21が所定の印刷ジョブによる印刷出力が1回でも実行されていると判断した場合、制御部21はタイムアウト時間T2の値の設定が0であるかを判断する(S905)。タイムアウト時間T2の値が0と設定されていた場合、制御部21はタイムアウト時間T3が経過したかどうかを判断する(S906)。
【0105】
S906において、タイムアウト時間T3が経過した場合、制御部21はS904においてタイムアウトフラグをセットし、図9のS806の処理へ移行する。S906においてタイムアウト時間T3が経過していない場合、制御部21は図9のS805の処理へ移行する。
【0106】
S905において、タイムアウト時間T2の値が0でない場合、制御部21はタイムアウト時間T2が経過したかどうかを判断する(S907)。そして、タイムアウト時間T2が経過した場合、制御部21はS904においてタイムアウトフラグをセットし、図9のS806の処理へ移行する。S907において、タイムアウト時間T2が経過していない場合、制御部21は図9のS805の処理へ移行する。
【0107】
このように、タイムアウト判定処理を実行することで、占有印刷設定の解除のし忘れなどの誤操作を防止するため、操作性を向上させることができる。また、このタイムアウト判定処理により、占有印刷設定が確実に解除されるので、他の印刷ジョブの動作の禁止が継続されない。そのため、使用効率の良い画像形成装置を提供することができる。
【0108】
以上に説明したように、本発明の画像形成装置においては、占有印刷設定とし、指定された所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作を禁止することにより、所定の印刷ジョブが実行されるまでユーザが画像形成装置を占有することができる。
【0109】
このため、例えば特殊な用紙を使用したい場合などに、他の印刷ジョブにより誤って特殊な用紙が消耗されてしまうといって操作ミスを防止できる。また、ユーザが所望のファイルを印刷出力させるまで待ち時間を短縮することができる。
【0110】
以上、実施例に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施例にあげた形状、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、占有印刷設定時においてユーザが指定した所望の印刷ジョブ以外の他の印刷ジョブの動作を禁止する画像形成装置であって、複数のユーザに使用される画像形成装置に応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】画像形成装置10のハードウェア構成図である。
【図2】CPU1が実行する制御機能ブロック図である。
【図3】画像形成装置10の概略図である。
【図4】画像形成装置10の操作を行う操作部7の一例を示す図である。
【図5】表示部31に表示される占有印刷設定を解除するためのタイムアウト設定画面の一例を示す図である。
【図6】占有印刷設定とされるときの画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。
【図7】占有印刷設定が解除されるときの画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。
【図8】画像形成装置10における占有開放処理を示すフローチャートである。
【図9】占有印刷設定時の画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。
【図10】占有印刷設定のタイムアウト判定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0113】
1 CPU
2 入力部
3 出力部
5 通信部
7 操作部
8 画像データ記憶部
9 メモリ
21 制御部
23 動作禁止設定部
24 印刷ジョブ指定部
25 印刷条件変更部
26 印刷開始指示部
27 動作禁止設定解除部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データの出力を制御する制御手段と、前記画像データを印刷出力する出力手段と、画像形成処理に係る操作をする操作手段と、前記操作手段により所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定する動作禁止設定手段とを有する画像形成装置であって、
前記制御手段は、前記動作禁止設定手段が前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定した場合に、前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブによる前記出力手段からの印刷出力を禁止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像データの出力を制御する制御手段と、前記画像データを印刷出力する出力手段と、画像形成処理に係る操作をする操作手段と、所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定する動作禁止設定手段と、前記操作手段により所定の印刷ジョブを指定する印刷ジョブ指定手段と、前記印刷ジョブを外部より受信する通信手段と、を有する画像形成装置であって、
前記制御手段は、前記動作禁止設定手段が前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定し、前記通信手段により受信された印刷ジョブが前記印刷ジョブ指定手段により指定された場合に、
前記受信された印刷ジョブ以外の印刷ジョブによる前記出力手段からの印刷出力を禁止し、前記受信された印刷ジョブによる前記出力手段からの印刷出力を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記動作禁止設定手段が前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定した場合に、印刷出力実行中の印刷ジョブを中断することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前前記制御手段は、前記動作禁止設定手段が前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定し、前記通信手段により受信された印刷ジョブが前記印刷ジョブ指定手段により指定された場合に、印刷出力実行中の印刷ジョブを中断することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記所定の印刷ジョブの印刷を開始させる印刷開始指示手段を有し、
前記制御手段は、前記動作禁止設定手段の設定から、所定時間前記印刷開始指示手段による開始指示を受けないとき、前記動作禁止設定手段による設定を解除することを特徴とする請求項1または3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記所定の印刷ジョブの印刷を開始させる印刷開始指示手段を有し、
前記制御手段は、前記動作禁止設定手段が前記所定の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの動作の禁止を設定し、前記通信手段により受信された印刷ジョブが前記印刷ジョブ指定手段により指定されてから、所定時間前記印刷開始指示手段による開始指示を受けないとき、前記動作禁止設定手段による設定を解除することを特徴とする請求項2または4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷開始指示手段により前記所定の印刷ジョブの印刷を開始し、前記所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した後、前記動作禁止設定手段による設定を所定時間維持することを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷開始指示手段により前記所定の印刷ジョブの印刷を開始し、前記所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した後、前記操作手段による操作がないとき、前記動作禁止設定手段による設定を所定時間維持することを特徴とする請求項5ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記動作禁止設定を解除する出力禁止解除手段を有し、
前記制御手段は、前記所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した場合であっても、前記出力禁止解除手段により前記動作禁止設定手段による設定が解除されるまで、前記設定を維持することを特徴とする請求項5ないし8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記所定の印刷ジョブの印刷出力が終了した後、所定時間以内に前記動作禁止設定手段による設定が解除されないとき、前記出力禁止解除手段により前記設定を解除することを特徴とする請求項5ないし8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記操作手段により前記所定時間を設定することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記所定の印刷ジョブが前記出力手段により印刷出力されるときの印刷条件を変更する印刷条件変更手段を有し、
前記制御手段は、前記印刷条件変更手段により前記印刷条件を変更することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記印刷条件変更手段により変更された印刷条件は、前記所定の印刷ジョブにのみ有効であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
該画像形成装置は、複数の機能を実現させるアプリケーションを有し、
前記印刷条件による前記印刷条件の変更は、前記所定の印刷ジョブを印刷出力するアプリケーションにのみ有効であることを特徴とする請求項12または13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記制御手段は、前記印刷開始指示手段による印刷開始指示を複数回受け付けることが可能な請求項5ないし14のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記動作禁止設定を解除する出力禁止解除手段と、印刷ジョブが格納される記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記出力禁止解除手段により前記動作禁止設定が解除されたとき、前記記憶手段に格納された印刷ジョブのうち、前記所定の印刷ジョブを削除することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−210237(P2007−210237A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33840(P2006−33840)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】