説明

画像形成装置

【課題】マガジンと圧着搬送手段との間の搬送距離が長い搬送経路において、それまで画像形成処理に供されていた記録材料を画像形成処理に供しなくなる場合や、該記録材料を再び画像形成処理に供する場合の、該記録材料の移動距離をできるだけ短くすることにより、アイドルタイムをできるだけ小さくし、生産性の向上を図る。
【解決手段】長手搬送経路TL2に係る記録材料Pを一定期間以上画像形成処理に供しなくなると、該記録材料Pを後退させてその先端が中継搬送手段240と圧着搬送手段231との間になるような位置で停止させると共に、中継搬送手段240による圧着が解除される。画像形成処理開始時は、圧着復帰して記録材料Pが圧着搬送されると共に、圧着搬送手段231の上流側に配置したセンサ等で、搬送される記録材料Pの先端を検出し、適正な搬送位置を把握するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材料を有したマガジンを二つ以上備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録材料上に画像を形成する画像形成装置として、記録材料としての感光材料に対して露光・現像処理を施して画像を形成する写真処理装置や、記録材料に描画処理を施して画像を形成するプリンター等が知られている。これらの画像形成装置には、長尺な記録材料が巻回されたロールを収容するための二つ以上のマガジンと、マガジンから供給される記録材料に画像を形成する画像形成手段(写真処理装置においては露光ユニット、プリンタにおいてはプリンタヘッド)とを備えたものがある。
【0003】
かかる画像形成装置は、各マガジンからの記録材料を共通(単一)の画像形成手段で処理できるように、各マガジンから単一の圧着搬送手段(例えば、ローラ対を備えたローラユニット)に記録材料を供給し、該圧着搬送手段による圧着搬送で各マガジンからの記録材料を画像形成手段(画像を形成する処理領域)に繋がる搬送経路上に供給できるようになっている。
【0004】
各マガジンは、ロールを軸支状態で収納可能に構成されており、ロールから巻きの解かれた記録材料を送り出す(圧着搬送する)一対の送出ローラと、装置本体側から駆動を受けて送出ローラに駆動を伝達する駆動伝達機構とを備えている。これにより、各マガジンは、送出ローラによる圧着搬送(送り出し)で記録材料を略一定速度で圧着搬送手段にまで供給できるようになっている。(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特許第3653651号公報
【0005】
図5は、上記特許文献1に記載の画像形成装置の概略図である(尚、図中の符号は、後に説明する実施形態と対比しやすいよう、実施形態において対応する構成に付された符号と同じものに「’」を付加して用いている)。上記特許文献1に記載の画像形成装置は、長尺な記録材料P’が巻回されたロールR’を収容する複数のマガジン20c’,20d’と、各マガジン20c’,20d’からの記録材料P’を下流側に圧着搬送可能に構成される共通の圧着搬送手段(駆動ローラ対)231a’,231a’とを備えている。また、マガジン20c’,20d’は、ロールRから巻きの解かれた感光材料Pを外部に送り出すための供給口(図示しない)を備え、該供給口に対応して感光材料Pを圧着搬送する一対の送出ローラ201’,201’が配設されている。
【0006】
下側のマガジン20c’にあっては、マガジン20c’の供給口、一対の送出ローラ201’,201’及び圧着搬送手段231a’,231a’が直線状に並ぶ配置となっており、従って、マガジン20c’と圧着搬送手段231a’,231a’とを結ぶ搬送経路は直線状である(以下、この搬送経路を短手搬送経路という)。一方、上側のマガジン20d’にあっては、一対の送出ローラ201’,201’によってマガジン20d’から供給される記録材料P’は、第一ターンローラ240a’によって搬送方向が短手搬送経路側に変更され、さらに第二ターンローラ243a’によって短手搬送経路に合流するようになっており、従って、マガジン20d’と圧着搬送手段231a’,231a’とを結ぶ搬送経路は複数箇所にて90°折れ曲がって短手搬送経路よりも長くなっている(以下、この搬送経路を長手搬送経路という)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1に記載の画像形成装置を含め、マガジンを二つ以上備える画像形成装置は、幅サイズが同一あるいは異なる記録材料をマガジンに収容しておくことにより、マガジンの取り替えを少なくして長時間の連続自動運転を図るわけであるが、画像形成処理をある程度停止する場合、あるいは他のマガジンに係る記録材料を画像形成処理に供する場合(他のマガジンに係る記録材料に切り替える場合)、それまで画像形成処理に供されていた記録材料を搬送経路内で後退させてマガジン内に完全に引き戻すようにしている。
【0008】
そのようにするのは、画像形成処理に供されない記録材料が不用意に感光してしまうのを防止するためであるわけだが、このようなやり方だと、上記特許文献1に記載の画像形成装置の場合、それまで画像形成処理に供されていた長手搬送経路に係る記録材料を画像形成処理に供しなくなった際の、該記録材料の後退移動距離が短手搬送経路に係る記録材料に比べて長く、また、これに伴い、該長手搬送経路に係る記録材料を再び画像形成処理に供する際の、該記録材料の圧着搬送手段までの移動距離も短手搬送経路に係る記録材料に比べて長いため、長手搬送経路にあっては、大きなアイドルタイムが発生し、その結果、生産性向上が阻害されるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、マガジンと圧着搬送手段との間の搬送距離が長い長手搬送経路において、それまで画像形成処理に供されていた記録材料を画像形成処理に供しなくなる場合や、該記録材料を再び画像形成処理に供する場合の、該記録材料の移動距離をできるだけ短くすることにより、アイドルタイムをできるだけ小さくし、これにより、生産性の向上を図ることができる画像形成装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するためのもので、長尺の記録材料が巻回されるロールを収容し且つ該ロールから記録材料を引き出して長手方向に送り出すことが可能な少なくとも二つ以上のマガジンと、各マガジンから送り出される記録材料を受け入れて下流側に圧着搬送する各マガジンに共通の圧着搬送手段とを備え、各マガジンと圧着搬送手段との間に記録材料の搬送距離を異にする短手搬送経路と長手搬送経路とが設定される画像形成装置において、少なくとも長手搬送経路上には、マガジンから送り出される記録材料を圧着搬送手段に向けて圧着搬送する中継搬送手段が設けられると共に、該中継搬送手段と圧着搬送手段との間に、長手搬送経路を搬送される記録材料の先端を検出する検出手段が設けられてなり、それまで画像形成処理に供されていた長手搬送経路に係る記録材料を画像形成処理に供しなくなると、該記録材料を後退させてその先端が中継搬送手段と圧着搬送手段との間になるような位置で停止させると共に、中継搬送手段による圧着を解除し、且つ該記録材料を再び画像形成処理に供する際、該記録材料を中継搬送手段による圧着状態に復帰させて圧着搬送すると共に、前記検出手段で該記録材料の先端を検出するよう構成されてなることを特徴とする。
【0011】
上記画像形成装置によれば、それまで画像形成処理に供されていた長手搬送経路に係る記録材料を画像形成処理に供しなくなると、該記録材料を後退させてその先端が中継搬送手段と圧着搬送手段との間になるような位置で停止させる。該記録材料を圧着搬送手段から外れる位置まで後退させるのは、例えば、他のマガジンに係る記録材料を画像形成処理に供する場合、各マガジンに共通である圧着搬送手段を空けておかなければ、記録材料同士が干渉してしまうからである。
【0012】
また、上記画像形成装置によれば、長手搬送経路に係る記録材料が上記のような位置まで後退すると、中継搬送手段による圧着が解除される。これにより、長手搬送経路に係る記録材料は、その位置で停止状態(待機状態)に入るが、中継搬送手段による影響を受けず、いわゆる圧着かぶり(例えば、回転駆動するメインローラと、該ローラに圧着するサブローラとの組み合わせで中継搬送手段が構成されている場合の、該サブローラによる記録材料に対する圧着で生じる不要な圧着癖)は生じない。
【0013】
そして、上記画像形成装置によれば、長手搬送経路に係る記録材料を再び画像形成処理に供する際、該記録材料を中継搬送手段による圧着状態に復帰させて圧着搬送を再開することとなるが、これに伴い、検出手段で該記録材料の先端が検出されるようになっている。検出手段は、例えば圧着搬送手段までの距離が観念されているので、検出手段により記録材料の先端が検出されると、該記録材料の搬送速度との関係から、圧着搬送手段にいつ到達するかが把握でき、即ち、さらにその先のある画像形成手段にいつ到達するかが把握できるようになっている。
【0014】
従って、上記のように、長手搬送経路に係る記録材料は、中継搬送手段による圧着が一旦解除されてフリーな状態で待機状態となるため、その間に搬送方向における該記録材料の先端位置が自重により変化したり、あるいはその待機状態の間に内部の機械的振動を受けて該記録材料の先端位置が変化してしまうこともあり得るが、検出手段が設けられているため、長手搬送経路における記録材料の搬送位置を正確に把握することができ、その結果、再び画像形成処理に供されることとなった長手搬送経路に係る記録材料に対して、正確なタイミングで画像形成処理を開始することができるのである。
【0015】
尚、ここで「圧着搬送」とは、駆動源から駆動を受けて、記録材料を圧着した状態で搬送することを意味する。また、「共通の」とは、複数のマガジンのそれぞれに対して共通した単一のものを意味する。即ち、何れのマガジンから記録材料が供給されても該記録材料を受け入れて搬送できる単一の構成であることを意味する。
【0016】
ここで、本発明に係る画像形成装置は、前記少なくとも二以上のマガジン、前記中継搬送手段は、画像形成装置本体を構成する主筐体に対して分離可能に接続される副筐体内に配置される一方、前記共通の圧着搬送手段は、主筐体内に配置されることで、前記短手搬送経路及び前記長手搬送経路の少なくとも下流側部は主筐体と副筐体とに跨るように設定され、主筐体と副筐体との接続部に、両者に跨る各搬送経路に対応した別個の供給口が設けられる構成を採用することができる。
【0017】
かかる構成によれば、各マガジンに対応した別個の供給口を設けることで、従来の供給装置のように各マガジンからの記録材料の搬送経路を副筐体内で一箇所に合流させる必要が無くなり、各マガジンから画像形成装置本体までの記録材料の搬送経路を互いに独立して設定することができる。即ち、各マガジンから画像形成装置本体までの記録材料の搬送経路をできるだけ短く設定することが可能となり、その分、搬送される記録材料の蛇行が抑制され、好適な状態で記録材料を画像形成装置本体に供給することができる。
【0018】
この場合、本発明に係る画像形成装置は、前記検出手段は、前記供給口の近傍に配置される構成を採用するのが好ましい。かかる構成は、検出手段が圧着搬送手段寄りに配置されるということであり、かかる構成によれば、それまで画像形成処理に供されていた長手搬送経路に係る記録材料を画像形成処理に供しなくなった際の、該記録材料の後退移動距離を短くでき、また、これに伴い、該記録材料を再び画像形成処理に供する際の、該記録材料の圧着搬送手段までの移動距離も短くすることができ、その結果、アイドルタイムをさらに短縮できて、さらなる生産性向上を図ることができるようになる。
【発明の効果】
【0019】
以上の如く、本発明に係る画像形成装置によれば、長手搬送経路において、それまで画像形成処理に供されていた記録材料を画像形成処理に供しなくなると、該記録材料を従来のように搬送経路内で後退させてマガジン内に完全に引き戻すわけではなく、途中で止めるようにしているので、後退移動距離を短くでき、また、これに伴い、該記録材料を再び画像形成処理に供する際の、圧着搬送手段までの移動距離も短くすることができ、その結果、アイドルタイムを短縮できて、生産性向上を図ることができる。
【0020】
しかも、長手搬送経路において、搬送力低下を防止する(搬送力低下を途中で補う)ための補助的な圧着搬送手段としての中継搬送手段が設けられるものの、画像形成処理に供しなくなった記録材料が後退して途中で止まる待機状態において、この中継搬送手段が記録材料に対して圧着を解除するようになっているので、いわゆる圧着かぶりが生じることはなく、その結果、記録材料に圧着かぶりが付くことによるアウトプット(写真プリント)の画質低下も起こり得ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について、添付図面を参照しつつ説明する。尚、記録材料に対して画像を形成する画像形成装置として、記録材料にインクやトナーを用いて画像を形成するプリンターや、記録材料としての感光材料に露光・現像処理を施して画像を形成する写真処理装置等があるが、本実施形態においては写真処理装置を一例にして説明することとする。
【0022】
図1及び図2に示す如く、本実施形態に係る写真処理装置1は、画像データに基づいて感光材料Pを露光処理する露光処理部2と、露光処理された感光材料Pを現像処理する現像処理部3と、現像処理後の感光材料Pを乾燥処理する乾燥処理部4と、乾燥処理された感光材料Pを写真プリントとしてオーダー毎に仕分ける仕分部5とを備えている。
【0023】
この写真処理装置1は、別個の制御装置6が電気的に接続され、該制御装置6によって全体の制御が行われると共に、その制御装置6で読み取った画像データや編集した画像データに基づいて露光処理等を行うようになっている。制御装置6について概略説明すると、図2及び図3に示す如く、この制御装置6は、各処理の処理状況や操作案内等を表示するモニター60と、該モニター60の表示に基づいて入力操作を行うための入力手段61と、露光処理部2で感光材料Pに露光処理を行うための画像データを読み取る読取手段62と、画像編集等の各種処理や写真処理装置1全体の実質的な制御を行う演算処理装置63とを備えている。
【0024】
モニター60には、ブラウン管モニターあるいは液晶モニターを採用することができ、本実施形態においては、ブラウン管モニターが採用されている。入力手段61には、キーボード61aとマウス61bとが採用されている。また、読取手段62には、写真プリント等から画像を読み取るフラットベッドスキャナ62a、帯状のフィルムFに形成された複数の駒画像を読み取るフィルムスキャナ62b、CD−R/RWやメモリカード等の各種メディアからデータ(例えば、画像データ)を読み込むメディアドライブ62cが採用されている。該読取手段62(フラットベッドスキャナ62a,フィルムスキャナ62b、メディアドライブ62c)は、演算処理装置63に電気的に接続され、該演算処理装置63に読み取った各画像データを伝送するようになっている。演算処理装置63は、実質的な演算を行うCPU63aや、該CPU63aに演算を実行させるためのソフトウェア等が記憶されるRAM63b、ROM63c等から構成されており、I/Oインターフェース(図示せず)を介して、読取手段62の他に、モニター60や入力手段61が電気的に接続されている。
【0025】
露光処理部2は、図2に示す如く、長尺な感光材料Pが巻回されたロールRを収容するためのマガジン20a,20b、20c,20dと、マガジン20a,20b,20c,20dから供給された感光材料Pを所定の長さで切断してカットシートにする切断装置21と、該切断装置21で切断された感光材料Pを露光処理する露光ユニット22と、各マガジン20a,20b,20c,20dから供給される感光材料Pを下流側(現像処理部3)に搬送するための露光処理部搬送系23とを備えている。
【0026】
マガジン20a,20b,20c、20dは、ロールRを軸支状態で収納できるよう箱状に形成されており、該写真処理装置1内の所定の位置(後述する主筐体10及び副筐体11内の所定位置)に装填された状態で、ロールRを軸心回りに回転させつつ該ロールRから感光材料Pを長手方向に供給できるようになっている。
【0027】
具体的に説明すると、マガジン20a,20b,20c,20dは、ロールRが外挿される芯体200を軸装可能に構成され、芯体200を介してロールRを軸支状態で収容できるようになっている。さらに、該マガジン20a,20b,20c,20dは、ロールRから巻きの解かれた感光材料Pを外部に送り出すための供給口(図示しない)が一角部に設けられると共に、該供給口に対応して感光材料Pを圧着搬送する一対の送出ローラ201,201が配設されている。また、マガジン20a,20b,20c,20dは、供給口の内側近傍に、感光材料Pの先端を検出する検出手段(図示しない)が設けられている。該検出手段は、光電センサ等、各種周知のセンサを採用可能である。
【0028】
本実施形態に係るマガジン20a,20b,20c,20dは、写真処理装置1内に装填された状態で外部(後述の主筐体10又は副筐体11)に設けられた駆動源からの駆動を芯体200(ロールR)及び一対の送出ローラ201,201に伝達し、これらを軸心回りで回転させるための駆動伝達機構(図示しない)を備えている。これにより、上記構成のマガジン20a,20b,20c,20dは、外部の駆動源からの駆動を受けることで、芯体200(ロールR)と一対の送出ローラ201,201とを駆動し、ロールRの巻きを解きつつ感光材料Pを一対の送出ローラ201,201の圧着搬送によって供給口から下流側に送り出す(供給する)ようになっている。
【0029】
ここで、本実施形態に係る写真処理装置1は、露光処理部2、現像処理部3及び乾燥処理部4が一体的に収容された主筐体10(露光処理部2)に対し、上記構成のマガジン20a,20bが標準の装備として装填され、さらに、標準の装備と同様(同一)のマガジン20c、20dをオプションとして追加でき、装置全体に対するマガジン20a,20b,20c,20dの装填数を増やせるようになっている。
【0030】
具体的に説明すると、該写真処理装置1は、主筐体10に対し、上記構成のマガジン20c,20dを装填可能に構成された副筐体11を接続でき、該副筐体11内のマガジン20c,20dから標準装備のマガジン20a,20bと同様に感光材料Pを供給できるようになっている。即ち、主筐体10に接続された副筐体11内の各構成(オプションのマガジン20c,20dや後述する中継搬送ユニット24等)は、主筐体10内の各構成と連動し、オプションのマガジン20c,20dが標準装備のマガジン20a,20bと同様に露光処理部2の一部(記録材料供給手段)として機能するようになっている。
【0031】
本実施形態においては、標準装備としてのマガジン20a,20bが主筐体10内に二つ設けられ(以下、主筐体10内のマガジンを第一マガジン20a及び第二マガジン20bという)、オプションのマガジン20c,20dが副筐体11内に二つ設けられる(以下、副筐体11内のマガジンを第三マガジン20c及び第四マガジン20dという)。そして、第一及び第二マガジン20a,20bから供給される感光材料Pの搬送経路に対し、第三及び第四マガジン20c,20dから供給される感光材料Pの搬送経路が合流し、写真処理に際して何れか一つのマガジン20a,20b,20c,20dから感光材料Pを供給できるようになっている。
【0032】
本実施形態に係る写真処理装置1は、第一及び第二マガジン20a,20bがそれぞれ供給口を後述する第一ローラユニット230(第一アドバンスローラ230a(図4参照))側に向くように主筐体10内に装填されるようになっているが、第一マガジン20aは供給口を下向きにして感光材料Pを垂直方向下方に向けて供給できるように主筐体10内に装填される一方、第二マガジン20bは、供給口を第二マガジン20bの上側で横向きして感光材料Pを水平方向に供給できるように主筐体10内に装填され、各供給口から第一ローラユニット230までの感光材料Pの搬送距離が略等しくなっている。
【0033】
これに対し、第三及び第四マガジン20c,20dは、副筐体11内に上下並列で、それぞれの供給口を横向きにして(主筐体10側に向け)感光材料Pを水平方向に供給できるように副筐体11内に装填される。このような配置の関係上、副筐体11内には感光材料Pの搬送距離を異する二系統の搬送経路TL1,TL2が第三及び第四マガジン20c,20dと後述する第二ローラユニット231(圧着搬送手段)との間に形成されている。尚、該二系統の搬送経路TL1,TL2及び該搬送経路TL1,TL2を構成するための各構成については、露光処理部搬送系23の説明と併せて詳細に後述することとする。
【0034】
露光ユニット22は、露光処理部搬送系23によって搬送される感光材料Pの乳剤面を露光する露光エンジン221を備えている。該露光エンジン221は、レーザー光源(図示しない)や、該レーザー光源からのレーザー光を露光ポイント(画像形成処理領域)Aにまで導く光学系(例えば、ポリゴンミラーやレンズ:図示しない)等を備えた、いわゆるレーザーエンジンが採用されている。尚、露光エンジン221には、ハロゲンランプ等からなる光源と、該光源に光ファイバー束を介して接続された光シャッター(PLZT)とで構成されたもの等、その他のいわゆるデジタル露光エンジンであってもよい。
【0035】
また、露光処理部搬送系23は、露光処理部2内の搬送経路に対して随所に配置され、感光材料Pを圧着搬送(ローラ搬送)する複数のローラ対232…と、感光材料Pを圧着(把持)可能に構成され且つ搬送経路に沿って往復動可能に構成されたスライド搬送体233,234とを備え、これらの組合せで主筐体10内で感光材料Pを搬送するための主たる搬送経路(主搬送経路という)TMを形成している。該主搬送経路TMは、最上流(第一及び第二ローラユニット230,231の下流側)から感光材料Pに対して画像を形成するための領域(露光ポイント)Aに繋がり、さらに、露光ポイントAから現像処理部3に繋がるように形成されている。前記スライド搬送体233,234は、ローラ対232,232間(本実施形態においては、切断装置21の下流側で略垂直方向に形成された主搬送経路TM上と、露光ユニット22(露光ポイントA)の下流側で略水平方向に形成された主搬送経路TM上と)に設けられており、上流側のローラ対232から送られてくる感光材料Pを受け取って、該感光材料Pを下流側のローラ対232に送り出すように構成されている。
【0036】
本実施形態においては、主筐体10内に第一及び第二マガジン20a,20bを装填し、副筐体11内に第三及び第四マガジン20c,20dを装填するようになっているため露光処理部搬送系23は、上記構成に加え、第一及び第二マガジン20a,20bからの感光材料Pを主搬送経路TMに導くための第一ローラユニット230と、第三及び第四マガジン20c,20dからの感光材料Pを主搬送経路TMに導くための圧着搬送手段としての第二ローラユニット231とを更に備えている。そして、本実施形態に係る露光処理部搬送系23は、マガジン20a〜20dとは異なるそれ独自の駆動源を有しつつ、マガジン20a〜20dの芯体200及び送出ローラ201と同期的に駆動するよう制御されている。
【0037】
第一ローラユニット230は、第一及び第二マガジン10a,10bから異なる経路を経て供給される感光材料Pの搬送方向を変更して主搬送経路TMに導くためのものである。本実施形態においては、第二ローラユニット231から垂直方向上方に向けて搬送されてくる第三及び第四マガジン20c,20dからの感光材料Pをそのままの姿勢で主搬送経路TMに合流させるのに経路を確保すべく、第一及び第二マガジン20a,20bからの感光材料Pの搬送方向を変更し、下流側で垂直方向上方に向けて伸びる主搬送経路TMに対して第一及び第二マガジン20a,20bからの感光材料Pを斜め下方から(主搬送経路TMに対して傾斜して)進入させるようになっている。
【0038】
具体的には、該第一ローラユニット230は、図4に示す如く、回転駆動される第一アドバンスローラ230aと、該第一アドバンスローラ230aに対して接離可能に構成され、感光材料Pに対する圧着とその解除を行う第一圧着ローラ230b、230bとを備えている。
【0039】
第一アドバンスローラ230aは、主筐体10内に設けられた駆動源から駆動を受けて回転するようになっている。該第一ローラユニット230は、感光材料Pを介して第一アドバンスローラ230aに第一圧着ローラ230b,230bが圧接することで、感光材料Pを下流側に搬送できる(圧着搬送する)ようになっている。そして、本実施形態に係る第一ローラユニット230は、第一圧着ローラ230b,230bが第一アドバンスローラ230aの外周回りに複数本(図においては二本)設けられると共に、該第一圧着ローラ230b,230b間に感光材料Pを案内するターンガイド230dが設けられている。これにより、第一アドバンスローラ230aと上流側の第一圧着ローラ230bとによって圧着搬送される感光材料Pが、ターンガイド230dに案内されて第一アドバンスローラ230aと下流側の第一圧着ローラ230bとの間に導かれる結果、各第一圧着ローラ230b,230bによって感光材料Pを案内して第一アドバンスローラ230aに対する感光材料Pの巻き掛け(感光材料Pの搬送方向の変更)を確実にできるようになっている。そして、該第一ローラユニット230は、搬送方向を変更した感光材料Pを斜め上方にある主搬送経路TM(最上流のローラ対232)に向けて送り出すようになっており、最上流のローラ対232に到達した感光材料Pが該ローラ対232の一方のローラ232aに巻き掛けられることで搬送方向が垂直方向に変更されて主搬送経路TMに導かれるようになっている。
【0040】
該第一ローラユニット230は、二本の第一圧着ローラ230b、230bが単一のフレーム230cに軸支されており、該フレーム230cを第一アドバンスローラ230aに対して接離させることで、二本の第一圧着ローラ230b、230bを第一アドバンスローラ230aに対して同時に接離させ、感光材料Pに対する圧着とその解除とを切り換えることができるようになっている。
【0041】
第二ローラユニット231は、第三及び第四マガジン20c,20dから異なる経路を経て供給される感光材料Pの搬送方向を変更して主搬送経路TMに導くためのものである。本実施形態に係る第二ローラユニット231は、第一ローラユニット230の下方に設けられており、副筐体11側から搬送されてくる感光材料Pの搬送方向を垂直方向上方に変更しつつ搬送するようになっている。
【0042】
具体的には、該第二ローラユニット231は、回転駆動される第二アドバンスローラ231aと、該第二アドバンスローラ231aに対して接離可能に構成され、感光材料Pに対する圧着とその解除を行う第二圧着ローラ231b、231bと、第三及び第四マガジン20c,20dからの感光材料Pを第二アドバンスローラ231aの外周上(実際には第二アドバンスローラ231aと第二圧着ローラ231b、231bとの間)に導くためのガイド手段235a,235bとを備えている。
【0043】
第二アドバンスローラ231aは、主筐体10内に設けられた駆動源から駆動を受けて回転するようになっている。該第二ローラユニット231は、感光材料Pを介して第二アドバンスローラ231aに第二圧着ローラ231b,231bが圧接することで、感光材料Pを下流側に搬送できる(圧着搬送する)ようになっている。そして、本実施形態に係る第二ローラユニット231は、第二圧着ローラ231b、231bが第二アドバンスローラ231aの外周回りに複数本(図においては二本)設けられると共に、該第二圧着ローラ231b,231b間に感光材料Pを案内するターンガイド231cが設けられている。これにより、第二アドバンスローラ231aと上流側の第二圧着ローラ231bとによって圧着搬送される感光材料Pが、ターンガイド231cに案内されて第二アドバンスローラ231aと下流側の第二圧着ローラ231bとの間に導かれる結果、第二圧着ローラ231b、231bによって感光材料Pを案内して第二アドバンスローラ230bに対する感光材料Pの巻き掛け(感光材料Pの搬送方向の変更)を確実にできるようになっている。該第二ローラユニット231は、搬送方向を変更した感光材料Pを垂直方向上方にある主搬送経路TM(最上流のローラ対232)に向けて送り出すようになっており、該感光材料Pが姿勢を変更することなく主搬送経路TM(最上流のローラ対232間)に導かれるようになっている。
【0044】
本実施形態においては、二本の第二圧着ローラ231b、231bが単一のフレーム236に軸支されており、該フレーム236を第二アドバンスローラ231aに対して接離させることで、二本の第二圧着ローラ231b、231bを第二アドバンスローラ231aに対して同時に接離させ、感光材料Pに対する圧着とその解除とを同時に切り換えることができるようになっている。
【0045】
前記ガイド手段235a,235bは、第三マガジン20cからの感光材料Pを第二アドバンスローラ231a上に導くためのもの(第一ガイド手段235a)と、第四マガジン20dからの感光材料Pを第二アドバンスローラ231a上に導くためのもの(第二ガイド手段235b)とが設けられている。第一ガイド手段235a及び第二ガイド手段235bは、それぞれ感光材料Pを両面から案内する一対の板材(採番しない)で構成されている。第一ガイド手段235aは、副筐体11側から第二アドバンスローラ231aに向けて略水平の経路を形成し、第二ガイド手段235bは、副筐体11側の斜め上方から第二アドバンスローラ231aに向けて先下りに傾斜した経路を形成しており、それぞれ第二アドバンスローラ231aの外周面(下側に向くの外周面上)に感光材料Pを案内できるようになっている。これにより、副筐体11側から供給される感光材料Pの搬送経路TL1,TL2が第二アドバンスローラ231a上で合流している。そして、第二圧着ローラ231b、231bは、搬送経路TL1,TL2の合流部分の下流側で第二アドバンスローラ231aに対して接離できるようになっており、各搬送経路TL1,TL2からの感光材料Pを下流側に圧着搬送できるようになっている。
【0046】
次に、副筐体11内部に形成された上述の二系統の搬送経路TL1,TL2について説明する。尚、該搬送経路TL1,TL2の説明に伴い、副筐体11及びその内部構造についても併せて説明する。
【0047】
副筐体11は、縦方向に伸びる仕切り壁113によって内部空間が二つの空間(室)に区画されており、第三及び第四マガジン20c,20dを収容するマガジン収容室11aと、第三及び第四マガジン20c,20dからの感光材料Pを第二ローラユニット231に導くための搬送系(各種ガイド114a,114b,115,116や中継搬送ユニット24)を収容するための搬送系収容室11bとが横並びに形成されている。
【0048】
前記マガジン収容室11aは、第三及び第四マガジン20c,20dを上下二段にして収容できるようになっている。具体的には、該マガジン収容室11aには、二本一組のレール112,112が上下方向に間隔をおいて二組取り付けられている。そして、各組のレール112,112にはマガジン20c,20dが載置されるベース111がスライド可能に設けられ、ベース111に載置した第三及び第四マガジン20c,20dを副筐体11から感光材料Pの幅方向(副筐体11の前面カバーを開いて手前側)に引き出し可能且つ着脱可能となっている。尚、図示しないが、第一及び第二マガジン20a,20bについても、主筐体10内に取り付けられたレールに対してスライド可能なベース上に載置され、第三及び第四マガジン20c,20dと同様に、感光材料Pの幅方向(主筐体10の前面カバーを開いて手前側)に引き出し可能且つ着脱可能となっている。
【0049】
そして、該副筐体11(主として搬送系収容室11b)内には、感光材料Pの搬送距離を異する二系統の搬送経路TL1,TL2、即ち、マガジン収容室11a内の下側に装填されるマガジン(第三マガジン20c)と第二ローラユニット231とを結ぶ搬送経路(以下、この搬送経路を短手搬送経路という)TL1と、マガジン収容室11a内の上側に装填されるマガジン(第四マガジン20d)と第二ローラユニット231とを結ぶ搬送経路(以下、この搬送経路を長手搬送経路という)TL2とが形成されている。
【0050】
短手搬送経路TL1は、感光材料Pを搬送する搬送距離が他の構成(例えば、後述する中継搬送ユニット)の配置を考慮した上で最短となるように形成されている。即ち、第二アドバンスローラ231aの外周下部に対する水平方向の接線上に第三マガジン20cの供給口が位置しており、短手搬送経路TL1は、搬送系収容室11bを介してマガジン収容室11aと主筐体10内とに跨って、水平方向に直線状に形成されている。
【0051】
該短手搬送経路TL1は、マガジン収容室11aと搬送系収容室11bとに跨るように設けられ、マガジン収容室11a内の第三マガジン20cの供給口と隣接する一対の第一補助ガイド板114a,114aと、搬送系収容室11bと主筐体10内とに跨るように設けられ、一対の第一補助ガイド板114a,114aと第二ローラユニット231(第一ガイド手段235a)との間に配設される一対のガイド板115,115とで形成されている。
【0052】
一対の第一補助ガイド板114a,114a及び一対のガイド板115,115の何れも、所定の間隔をおいて上下方向に対向配置され、ガイド板114a,114a,115,115間の間隙で連続した直線状の経路(短手搬送経路TL1)を形成し、感光材料Pを両面側から案内するようになっている。
【0053】
本実施形態に係る一対の第一補助ガイド板114a,114aは、副筐体11内の仕切り壁113を貫通して設けられ、第三マガジン20c側に位置する端部が、互いに離間するように曲げ加工され、第三マガジン20c(供給口)からの感光材料Pの進入を許容するテーパー状のガイド部(採番しない)が形成されている。他方、本実施形態に係る一対のガイド板115,115は、接続された副筐体11及び主筐体10の壁部を貫通して設けられ、第三マガジン20c側(一対の第一補助ガイド板114a,114a側)に位置する端部が、互いに離間するように曲げ加工され、感光材料Pの進入(補助ガイド板114a,114aからの乗り移り)を許容するテーパー状のガイド部(採番しない)が形成されている。従って、一対のガイド板115,115間は、副筐体11から主筐体10への感光材料Pの供給口を構成する。
【0054】
該短手搬送経路TL1は、駆動系を一切備えておらず、第三マガジン20cを駆動(送出ローラ201及び芯体200を回転駆動)することで、第三マガジン20cから感光材料Pを送り出し、第二ローラユニット231に導くようになっている。即ち、短手搬送経路TL1は、直線状で且つ感光材料Pの搬送距離が可能な限り短くなるように形成されることから感光材料Pを供給するに際して抵抗が小さいため、第三マガジン20cの駆動(送出ローラ201による圧着搬送)だけで感光材料Pを第二ローラユニット231にまで搬送するようになっている。
【0055】
長手搬送経路TL2は、第四マガジン20dの配置(第四マガジン20dと第二ローラユニット231との配置)の関係上、感光材料Pの搬送距離が短手搬送経路TL1よりも大幅に長くなっている。そして、該長手搬送経路TL2は、複数箇所(本実施形態においては二カ所)にターン部Uを有して迂曲するように形成され、感光材料Pの搬送安定性を確保した上で感光材料Pを第二ローラユニット231にまで導けるようになっている。具体的には、長手搬送経路TL2は、第四マガジン20dから水平方向に伸びる第一経路TL2aと、ターン部Uを介して第一経路TL2aから垂直方向下方に伸びる第二経路TL2bと、ターン部Uを介して第二経路TL2bから第二ローラユニット231(第二ガイド手段235b)に向けて斜め下方に伸びる第三経路TL2cとで構成されている。
【0056】
該長手搬送経路TL2(第一乃至第三経路TL2a〜TL2c)は、第四マガジン20dの供給口と隣接する一対の第二補助ガイド板114b,114bと、第二補助ガイド板114b,114bで案内される感光材料Pを受け取り、該感光材料Pを垂直方向下方に搬送した後に斜め下方に方向変換させる中継搬送ユニット24と、該中継搬送ユニット24と第二ローラユニット231(第二ガイド手段235b)との間に配設され、中継搬送ユニット24からの感光材料Pを第二ローラユニット231に導く一対の傾斜ガイド板116,116とで形成され、マガジン収容室11a、搬送系収容室11b及び主筐体10内に跨るように形成されている。
【0057】
一対の第二補助ガイド板114b,114bは、所定の間隔をおいて上下方向に対向配置され、該一対の第二補助ガイド板114b,114b間の間隙で水平方向の第一経路TL2aの一部を形成し、感光材料Pを両面側から案内するようになっている。本実施形態に係る一対の第二補助ガイド板114b,114bは、副筐体11内の仕切り壁113を貫通するように設けられており、第四マガジン20d側に位置する端部が、互いに離間するように曲げ加工され、第四マガジン20d(供給口)からの感光材料Pの進入を許容するテーパー状のガイド部(採番しない)が形成されている。
【0058】
該中継搬送ユニット24は、長手搬送経路TL2上の感光材料Pに対しての供給力(搬送力)を付加し、該感光材料Pを第二ローラユニット231にまで円滑に供給できるようにするための中継搬送手段240を備えている。
【0059】
より具体的に説明すると、中継搬送ユニット24は、第二補助ガイド板114b,114bで案内されてくる感光材料Pを受け入れ、該感光材料Pを下流側に案内する第一案内手段241と、第一案内手段241で案内されてくる感光材料Pを補助的に圧着搬送する中継搬送手段240と、中継搬送手段240によって搬送力が付加され、下流側に搬送される感光材料Pを案内する第二案内手段242と、該第二案内手段242で案内されてくる感光材料Pの搬送方向を変換させる方向変換手段243と、第二案内手段242から方向変換手段243に感光材料Pを導くための第三案内手段244と、方向変換手段243で方向変換された感光材料Pを前記一対の傾斜ガイド板116,116間に導くための第四案内手段245とを備えており、これらが共通フレーム246に取り付けられて一体的にユニット化されている。
【0060】
該中継搬送ユニット24は、搬送系収容室11b内に収容されており、マガジン収容室11a内のマガジン20c、20dと同様に、感光材料Pの搬送方向と直交する方向に引き出し可能になっている。これにより、中継搬送ユニット24や副筐体11内の駆動系等に対してメンテナンスできるようになっている。
【0061】
第一案内手段241は、一対の第二補助ガイド板114b,114bと同様に、所定の間隔をおいて上下方向に対向配置された一対の板材で構成され、該板材間の間隙で一対の第二補助ガイド板114b,114b間の間隙とともに水平方向の第一経路TL2aを形成している。これにより、第一案内手段241は、各板材で感光材料Pを両面側から案内し、該感光材料Pを中継搬送手段240(後述する第一ターンローラ240aの外周上)に導けるようになっている。該第一案内手段241(一対の板材)は、両側端部が共通フレーム246に固定され、一対の第二補助ガイド板114b,114b側に位置する端部が、互いに離間するように曲げ加工され、感光材料Pの進入を許容するテーパー状のガイド部(採番しない)が形成されている。
【0062】
本実施形態に係る中継搬送手段240は、長手搬送経路TL2上で感光材料Pの搬送方向を変更するターン部U(上流側のターン部U)に設けられ、第一経路TL2aを介して第四マガジン20dから供給されてくる感光材料Pの搬送方向を垂直方向下方に変更しつつ該感光材料Pを搬送し、垂直方向に伸びる第二経路TL2bに送り出すように構成されている。
【0063】
中継搬送手段240について具体的に説明すると、該中継搬送手段240は、副筐体11(搬送系収容室11b)内に設けられた駆動源から駆動を受けて回転する(回転駆動する)第一ターンローラ240aと、該第一ターンローラ240aに対して接離可能に構成され、感光材料Pに対する圧着とその解除を行う第一サブローラ240bとを備え、感光材料Pを介して第一サブローラ240bが第一ターンローラ240aに圧接することで感光材料Pを圧着搬送できるようになっている。
【0064】
本実施形態に係る中継搬送手段240は、第一サブローラ240bが第一ターンローラ240aの外周回りに複数本(図においては二本)設けられると共に、該第一サブローラ240b間に感光材料Pを案内するターンガイド(第一ターンガイド)240dが設けられている。これにより、第一ターンローラ240aと上流側の第一サブローラ240bとによって圧着搬送される感光材料Pが、第一ターンガイド240dによって中心となる第一ターンローラ240a回りで案内され、第一ターンローラ240aと下流側の第一サブローラ240bとの間に導かれる結果、第一ターンローラ240aに巻き掛けられ、該感光材料Pの搬送方向が変更されるようになっている。
【0065】
本実施形態においては、第一ターンローラ240aが共通フレーム246に両端部が軸支される一方、二本の第一サブローラ240bが共通フレーム246に対して移動可能に設けられた単一の支持フレーム240cに軸支されており、該支持フレーム240cを第一ターンローラ240aに対して接離させることで、二本の第一サブローラ240bを第一ターンローラ240aに対して同時に接離させ、感光材料Pに対する圧着とその解除とを切り換えることができるようになっている。
【0066】
該中継搬送手段240は、感光材料Pの搬送速度が第四マガジン20d(芯体200)の駆動による感光材料Pの送り出し(供給)速度よりも高速になっており、中継搬送手段240と第四マガジン20dとの間(第一経路TL2a上)で感光材料Pにテンションを作用させる(下流側に引っ張られる力が作用する)ようになっている。その一方で、該中継搬送手段240は、感光材料Pの搬送速度が第二ローラユニット231による感光材料Pの搬送速度よりも遅く設定されている。即ち、第二ローラユニット231での感光材料Pの搬送速度は、中継搬送手段240の搬送速度よりも高速に設定されており、感光材料Pが第二ローラユニット231と中継搬送手段240とに跨った状態で、その間(第二経路TL2b乃至第三経路TL2c上)で感光材料Pにテンションを作用させる(下流側に引っ張られる力が作用する)ようになっている。
【0067】
このように、第四マガジン20dの供給速度V1<中継搬送手段240の搬送速度V2<第二ローラユニット231の搬送速度V3の関係により、上流側で感光材料Pが過剰に供給(搬送)されることがなく、長手搬送経路TL2(各経路TL2a〜TL2c)上で感光材料Pが詰まってしまう等といった問題が発生するのを防止できるようになっている。尚、第二ローラユニット231に対して下流側にある主搬送経路TM(ローラ対232)については、第二ローラユニット231よりも高速に設定されており、主筐体10(露光処理部)内でのペーパー詰まり(ジャム)の発生を防止するようになっている。
【0068】
そして、上記構成の中継搬送手段240は、感光材料Pの先端部が第二ローラユニット231に到達し、第二ローラユニット231によって感光材料Pに対する圧着搬送が行われる状態で、第一サブローラ240b,240bが第一ターンローラ240aから離間して圧着が解除され、第二ローラユニット231(第二アドバンスローラ231a)の駆動と、第四マガジン20d(芯体200)の駆動とで感光材料Pが供給されるようになっており、中継搬送手段240による感光材料Pに対する圧着で不要な圧着癖(いわゆる、圧着かぶり)が付くのを防止している。このように第一サブローラ240b,240bを第一ターンローラ240aから離間して圧着が解除されても、第四マガジン20dの供給速度V1<第二ローラユニット231の搬送速度V3の関係が成り立つため、第四マガジン20dと第二ローラユニット231との間の感光材料Pにテンションが作用し、第一ターンローラ240aに対する感光材料Pの巻き掛け状態を維持することができるとともに感光材料Pの過剰な供給が防止され、ペーパー詰まりの発生が防止される。
【0069】
本実施形態に係る第二案内手段242は、感光材料Pの幅方向の搬送ぶれ(蛇行)を防止する、いわゆる幅規制ガイドである。該第二案内手段(幅規制ガイド)242は、感光材料Pの幅方向(搬送方向と直交する方向)に間隔をおいて設けられた一対の案内バー242a,242aと、副筐体11内に設けられた駆動源から駆動を受け、該一対の案内バー242a,242aを接離させる(間隔を調節する)ボールネジ242bとを備えている。一対の案内バー242a,242aのそれぞれは、上下方向(垂直方向)に伸びるように設けられており、互いに対向する面には、垂直方向に伸びる案内スリットSが形成されている。該案内バー242a,242aは、感光材料Pの両側部が各案内スリットSに入り込むことで、感光材料Pが搬送方向と直交する方向への搬送ぶれ(蛇行)を規制するようになっている。
【0070】
そして、該第二案内手段242は、上述の如く、ボールネジ242bで一対の案内バー242a,242aを相対的に移動(接離)させることで感光材料Pの幅に対応した位置に各案内バー242a,242aを配置できるようになっている。尚、マガジン20c,20bがセットされる際に、感光材料Pの幅寸法を制御装置6に入力しておくので、感光材料Pの幅寸法の情報が制御装置6から自動的に取得され、該情報を基に駆動源がボールネジ242bを作動させ、一対の案内バー242a,242aの間隔が感光材料Pに対応して調節される。
【0071】
方向変換手段243は、第二案内手段242の下流側であって感光材料Pの搬送方向を変更するターン部U(下流側のターン部)に設けられている。該方向変換手段243は、感光材料Pが巻き掛けられる第二ターンローラ243aと、該第二ターンローラ243aの外周回りに設けられた複数(図においては二つ)の第二サブローラ243b,243bと、該第二サブローラ243b,243b間に設けられ、感光材料Pを案内するターンガイド(第二ターンガイド)243cとで構成されている。
【0072】
前記第二ターンローラ243a及び第二サブローラ243bの何れもフリーローラで構成されており、共通フレーム246に軸支されている。そして、各第二サブローラ243bは、第二ターンローラ243aとの間に所定の隙間を形成するように配置されている。即ち、方向変換手段243は、第二案内手段242で案内されてきた感光材料Pが、圧着されることなく第二ターンローラ243aと上流側の第二サブローラ243bとの間に入り込み、第二サブローラ243b間の第二ターンガイド243cによって第二ターンローラ243a回りで案内されるようになっている。そして、該方向変換手段243は、第二ターンガイド243cに案内される感光材料Pが、圧着されることなく第二ターンローラ243aと下流側の第二サブローラ243bとの間に入り込む結果、該感光材料Pが中心となるターンローラ243aに巻きかけられた状態(ターンローラ243aの外周面に沿った状態)になるようになっている。
【0073】
第三案内手段244は、間隔をおいて互いに対向する一対の板材(採番しない)で構成されている。該第三案内手段244は、一対の板材が垂直方向に起立した状態で設けられることで、該板材間の間隙で第二案内手段242とともに垂直方向に伸びる第二経路TL2bを形成し、感光材料Pを両面側から案内して該感光材料Pを方向変換手段243(第二ターンローラ243aと第二サブローラ243b,243bとの間)に導くようになっている。そして、第四案内手段245についても、間隔をおいて互いに対向する一対の板材(採番しない)で構成されている。該第四案内手段245は、一対の板材が主筐体10側に先下りするように設けられることで、該板材間の間隙で第三経路TL2cの一部を形成し、方向変換手段243で方向変換された感光材料P(第二ターンローラ243aに巻き掛けられた感光材料P)を両面側から案内して斜め下方にある一対の傾斜ガイド板116,116間に導くようになっている。
【0074】
一対の傾斜ガイド板116,116は、間隔をおいて互いに対向配置され、主筐体10側に向けて先下りに傾斜した状態で設けられており、一対の傾斜ガイド板116,116間の間隙で第三経路TL2cの一部を形成し、感光材料Pを両面側から案内して第二ガイド手段235bに導くようになっている。即ち、該一対の傾斜ガイド板116,116は、第四案内手段245(板材間の間隙)及び第二ガイド手段235b(板材間の間隙)とともに第二ローラユニット231(第二アドバンスローラ231a)に向けて先下りに傾斜して連続する第三経路TL2cを形成している。本実施形態に係る一対の傾斜ガイド116,116は、副筐体11及び主筐体10の壁部を貫通して設けられ、上流側(第四案内手段245側)に位置する端部が、互いに離間するように曲げ加工され、感光材料Pの進入(第四案内手段245からの乗り移り)を許容するテーパー状のガイド部(採番しない)が形成されている。従って、一対の傾斜ガイド板116,116間は、副筐体11から主筐体10への感光材料Pの供給口を構成する。
【0075】
この供給口の近傍、より具体的には、一対の傾斜ガイド板116,116間には、感光材料Pの先端を検出する(長手搬送経路TL2における感光材料Pの搬送位置を把握する)ための検出手段(図示しない)が設けられている。該検出手段は、各マガジン20a,20b,20c,20dと同様のものが用いられ、例えば光電センサ等、各種周知のセンサを採用可能である。
【0076】
図2に戻り、現像処理部3は、露光処理部2から送り込まれてくる感光材料Pを現像するためのもので、現像処理液が貯留される現像処理液槽30と、該現像処理液槽30内の現像処理液に対して感光材料Pを浸漬して引き上げる動作を繰り返すように、感光材料Pを搬送する現像処理部搬送系32とを備えている。現像処理液槽30は、複数の液槽30a,30b…が横並びに配置されることで構成されている。各液槽30a,30b…には、感光材料Pに対して現像処理、漂白処理、定着処理、安定処理を行うための現像処理液が貯留されている。即ち、各液槽30a,30b…には、上流側から順に現像液(CD)、漂白・定着液(BF)、安定液(STB)、洗浄液が貯留されている。現像処理部搬送系32は、現像処理液槽30(各液槽30a,30b…)の現像処理液(現像液、漂白・定着液、安定液、洗浄液)中で感光材料Pを搬送する液中搬送系32aと、各液槽30a,30b…から引き上げられた感光材料Pを下流側で隣接する液槽30b…内に導きつつ搬送する外部搬送系32bとで構成されており、各搬送系32a,32bのそれぞれは、複数のローラ対(採番しない)により構成されている。
【0077】
乾燥処理部4は、上流側の現像処理部3から送り込まれる感光材料Pを搬送する乾燥処理部搬送系40と、該乾燥処理部搬送系40で搬送される感光材料Pを乾燥させる乾燥装置41とを備えている。乾燥処理部搬送系40は、現像処理部3から送り込まれてきた感光材料Pの搬送方向を変更しつつ搬送し、該感光材料Pに対する乾燥処理に必要な距離(実際には、乾燥処理に必要な時間)を担保するようになっている。
【0078】
図1に戻り、該写真処理装置1は、乾燥処理した感光材料Pを主筐体10外に排出する排出口434,435(小判サイズの感光材料P(写真プリント)を排出する第一排出口434及び大判サイズの感光材料P(写真プリント)を排出する第二排出口435)を備えている。仕分部5は、第一排出口434から排出される写真プリントを搬送するコンベア50と、該コンベア50で搬送されてくる写真プリントをオーダー毎に仕分ける仕分機構51とで構成されている。そして、該仕分機構51は、コンベア50で搬送されてくる写真プリントを受けるための複数のトレー51a,51b…と、該複数のトレー51a,51b…のうち、所定(空)のトレー51a,51b…をコンベア50から写真プリントを受け取り可能な位置に移動させるための駆動手段(図示しない)とで構成され、トレー51a,51b…の配置を適宜変更することで、写真プリントをオーダー毎にそれぞれのトレー51a,51b…に排出できるようになっている。
【0079】
本実施形態に係る写真処理装置1は、以上の構成からなり、次に、この写真処理装置1の作動について図2及び図4を参照して説明する。
【0080】
まず、選択したマガジン20a,20b,20c,20dに対応する駆動源が作動し、該マガジン20a,20b,20c,20d内のロールR(芯体200)及び一対の送出ローラ201,201に駆動が伝達される。そうすると、該芯体200に外挿されたロールRが回転し、該ロールRの巻きが解かれて感光材料Pが一対の送出ローラ201,201によって圧着搬送され供給口から送り出される。そして、第一マガジン20a又は第二マガジン20bから感光材料Pが供給される場合には、ロールRの回転と一対の送出ローラ201,201による圧着搬送のみで感光材料Pが第一ローラユニット230に供給され、該第一ローラユニット230の圧着搬送で当該感光材料Pが主搬送経路TM上に導かれる(供給される)ことになる。
【0081】
そして、第三マガジン20cから感光材料Pが供給される場合には、ロールRの回転及び一対の送出ローラ201,201による圧着搬送によって、ロールRから巻きが解かれた感光材料Pが供給口から水平方向に送り出される。そうすると、第三マガジン20cから送り出された感光材料Pは、一対の第一補助ガイド板114a,114a及び一対のガイド板115,115の案内で姿勢を略水平状態に維持しつつ短手搬送経路TL1上で搬送され、第二ローラユニット231に供給される。そうすると、該第二ローラユニット231に到達した感光材料Pは、該第二ローラユニット231によって下流側に圧着搬送されるが、上述の如く、第二ローラユニット231の搬送速度が第三マガジン20cの供給速度よりも高速に設定されているので、第三マガジン20cからの感光材料Pの供給が過剰になることなく、供給された感光材料Pは搬送方向が水平方向から垂直方向上方に変更されつつ円滑に下流側に搬送されることになる。そして、搬送方向が垂直方向に変更された(切り換わった)感光材料Pは、第二ローラユニット231の圧着搬送で主搬送経路TM上に導かれる(供給される)ことになる。
【0082】
その一方で、第四マガジン20dから感光材料Pが供給される場合、ロールRの回転及び一対の送出ローラ201,201による圧着搬送によって、ロールRから巻きの解かれた感光材料Pが供給口から水平方向に送り出される。そうすると、感光材料Pは、第二補助ガイド板114b,114b、第一案内手段241の案内によって中継搬送手段240に導かれ、該中継搬送手段240の第一ターンローラ240aと第一サブローラ240bとによって圧着される。そして、中継搬送手段240は、第四マガジン20dと同期的に作動している(第一ターンローラ240aが回転している)ので、感光材料Pは、第一ターンローラ240aと第一サブローラ240bとによって圧着搬送される結果、該第一ターンローラ240aに巻き掛けられた状態になって搬送方向が水平方向から垂直方向下方に変更される。このように搬送方向が垂直方向下方に変更された感光材料Pは、中継搬送手段240と第四マガジン20dとの駆動によって下流側の第二案内手段242に向けて搬送される。
【0083】
そして、第二案内手段242に到達した感光材料Pは、両側部が一対の案内バー242a,242aの案内スリットS内に入り込み、幅方向の搬送ブレ(蛇行)が防止されつつ下流側に搬送され、第三案内手段244を介して方向変換手段243(第二ターンローラ243aと第二サブローラ243b,243bとの間)に導かれる。このように、感光材料Pが一対の案内バー242a,242aや方向変換手段243に案内されるに際し、これらとの接触や干渉で搬送抵抗が大きくなるが、本実施形態に係る写真処理装置1は、中継搬送手段240で補助的な搬送力を付加しているため、搬送力が不足することなく、感光材料Pが下流側に円滑に搬送されることになる。
【0084】
そして、上述の如く、方向変換手段243に導かれた感光材料Pは、搬送方向が斜め下方に変更され、第四案内手段245及び第二ガイド手段235bを介して第二ローラユニット231に導かれ、該第二ローラユニット231によって圧着搬送される。このように第二ローラユニット231で感光材料Pを搬送できる状態になると、中継搬送手段240は第一サブローラ240bが第一ターンローラ240aから離間して感光材料Pに対する圧着を解除し、感光材料Pは、第二ローラユニット231と第四マガジン20dの駆動のみによって搬送されることになる。尚、第二ローラユニット231は、中継搬送手段240、第四マガジン20dと同期的に作動(駆動)しているため、中継搬送手段240の圧着が解除されるまでに一時的に第二ローラユニット231、中継搬送手段240及び第四マガジン20dの三つが同期的に駆動して感光材料Pを搬送した状態になるが、下流側ほど搬送速度が高速に設定されているため、各構成に対して上流側から感光材料Pが過剰に供給されることがなく、安定した搬送が続行される。
【0085】
そして、上述の如く、中継搬送手段240による圧着を解除しても、第二ローラユニット231の搬送速度と第四マガジン20dの供給速度との関係が維持されるので、第四マガジン20dからの感光材料Pの供給が過剰になることなく、供給された感光材料Pは搬送方向が垂直方向上方に変更されつつ円滑に下流側に搬送されることになる。そして、搬送方向が垂直方向に変更された(切り換わった)感光材料Pは、第二ローラユニット231の圧着搬送で主搬送経路TM上に導かれる(供給される)ことになる。
【0086】
そして、各マガジン20a,20b,20c,20dから供給されて主搬送経路TMに到達した感光材料Pは、切断装置21を通過して主搬送経路TM上で垂直方向に往復動するスライド搬送体233に到達するまでローラ対232によって更に下流側に搬送される。そして、スライド搬送体233に到達した感光材料Pは、該スライド搬送体233に先端部が把持され、その状態でスライド搬送体233が垂直方向上方に向けて移動することで下流側に搬送される。そして、下流側に搬送された感光材料Pの先端から切断装置21までの距離が予め設定したサイズに対応する長さになると、切断装置21が作動して感光材料Pが枚葉状に切断されることになる。
【0087】
そして、垂直方向上方に搬送された感光材料Pが露光ユニット22の露光ポイントAに到達すると、該感光材料Pは、下流側に搬送されつつ先端から後端にかけて順々に露光処理が行われる。そして、露光処理された感光材料Pはローラ対232…で搬送された後、水平方向に往復動するスライド搬送体234に先端部を把持させた状態で水平方向に搬送され、その下流側に設けられたローラ対232…を介して現像処理部3に送り込まれる。
【0088】
現像処理部3に送り込まれた感光材料Pは、各液槽30a,30b…の現像処理液Wに対して浸漬と引き上げとを繰り返すように液中搬送系32a及び外部搬送系32bによって搬送されて現像処理が行われる。そして、現像処理された感光材料Pは、乾燥処理部4で乾燥処理され、小判サイズである場合には第一排出口434側に、大判サイズである場合には第二排出口435側に振り分けられる。そして、大判サイズの写真プリントは、第二排出口435を介して大判用のトレーT上に排出され、小判サイズの写真プリントは、第一排出口434を介してコンベア50上に排出された後、仕分機構51のトレー51a,51b…上にオーダー毎に仕分けられた状態で排出されることになる(図1参照)。
【0089】
ところで、本実施形態においては、それまで写真処理に供されていた感光材料Pを一定期間以上写真処理に供しなくなった際、二つのパターンが選択可能である。第一のパターンは、従来と同様、それまで写真処理に供されていた感光材料Pを後退させてマガジン20a,20b,20c,20d内に完全に引き戻す態様である。
【0090】
第二のパターンは、長手搬送経路TL2に関して、それまで写真処理に供されていた感光材料Pを後退させるが、その先端が中継搬送手段240と第二ローラユニット231との間になるような位置(即ち、感光材料Pの先端が長手搬送経路TL2のうちの第二経路TL2bあるいは第三経路TL2cになるような位置、より好ましくは第三経路TL2cになるような位置)で停止させる態様である。尚、感光材料Pを最低限、第二ローラユニット231から外れる位置まで後退させるのは、例えば、他のマガジン(第三マガジン20c)に係る感光材料Pを写真処理に供する場合、第二ローラユニット231を空けておかなければ、第三マガジン20cに係る感光材料Pと第四マガジン20dに係る感光材料Pとが干渉し合ってしまうからである。
【0091】
そして、長手搬送経路TL2に係る感光材料Pが上記のような位置まで後退すると、中継搬送手段240による圧着を解除する。より詳しくは、すでに説明したように、中継搬送手段240の第一サブローラ240b,240bが第一ターンローラ240aから離間して圧着を解除する。これにより、長手搬送経路TL2に係る感光材料Pは、その位置で停止状態(待機状態)に入るが、中継搬送手段240による影響を受けず、いわゆる圧着かぶりは生じない。因みに、方向変換手段243においては、第二ターンローラ243aに第二サブローラ243b,243bは圧着していないので、そもそもここでの圧着かぶりは生じない。
【0092】
そして、長手搬送経路TL2に係る感光材料Pを再び写真処理に供する際、中継搬送手段240を圧着状態に復帰させて感光材料Pの圧着搬送を再開する。これに伴い、供給口近傍の(一対の傾斜ガイド板116,116間における)検出手段で該感光材料Pの先端が検出されるようになっている。検出手段は、第二ローラユニット231までの距離が観念されているので、検出手段により感光材料Pの先端が検出されると、該感光材料Pの搬送速度との関係から、第二ローラユニット231にいつ到達するかが把握でき、即ち、さらにその先のある露光ユニット22にいつ到達するかが把握できるようになっている。
【0093】
従って、上記のように、長手搬送経路TL2に係る感光材料Pは、中継搬送手段240による圧着が一旦解除されてフリーな状態で待機状態となるため、その間に搬送方向における該感光材料Pの先端位置が自重により変化したり、あるいはその待機状態の間に内部の機械的振動を受けて該感光材料Pの先端位置が変化してしまうこともあり得るが、検出手段が設けられているため、再び露光処理に供されることとなった長手搬送経路TL2に係る感光材料Pに対して、正確なタイミングで露光処理が開始されるのである。
【0094】
尚、本発明の画像形成装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0095】
上記実施形態において、記録材料としての感光材料Pに露光・現像処理を施して該感光材料Pに画像を形成する写真処理装置を一例にして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、記録材料に対してインクやトナーで描画を行うプリンターであってもよい。即ち、画像を形成するための記録材料を収容するマガジンを二つ以上備えると共に、各マガジンからの記録材料を下流側に圧着搬送可能に構成された共通の圧着搬送手段を備え、各マガジンと圧着搬送手段との間に記録材料の搬送距離を異する短手搬送経路と長手搬送経路とが形成されたものであればよい。
【0096】
上記実施形態において、主筐体10に対して別体の副筐体11を接続することで、四つのマガジン20a,20b,20c,20dを装填できるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、上記実施形態に係る副筐体11を主筐体10と一体的に構成したもの、即ち、第三及び第四マガジン20c,20dについても標準の装備としたものであっても勿論よい。
【0097】
上記実施形態において、副筐体11に二つのマガジン20c,20dを装填できるようにし、記録材料の搬送距離を異にする二系統の搬送経路を形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、マガジンを三つ以上装填できるようにして各マガジンと共通の圧着搬送手段との間に、記録材料の搬送距離を異にする搬送経路を三系統以上形成されたものであってもよい。
【0098】
上記実施形態において、第三及び第四マガジン20c,20dに対する共通の圧着搬送手段として、(第二)アドバンスローラと(第二)圧着ローラとで構成される(第二)ローラユニットを採用したが、これに限定されるものではなく、例えば、二つ以上のマガジンに対して共通の圧着搬送手段として、ローラとこれに圧接する無端ベルトとで記録材料を圧着搬送するように構成されたものや、互いに圧接する無端ベルトで記録材料を圧着搬送するように構成されたものであってもよい。また、共通の圧着搬送手段は、記録材料の搬送方向を変更するものに限定されず、受け入れた記録材料を下流側に圧着搬送するだけの構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置(写真処理装置)の外観斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係る画像形成装置(写真処理装置)の概略構成図を示す。
【図3】同実施形態に係る画像形成装置(写真処理装置)と一緒に用いられる制御装置の正面図を示す。
【図4】同実施形態に係る画像形成装置(写真処理装置)の部分断面図を示す。
【図5】従来の画像形成装置(写真処理装置)の部分概略構成図を示す。
【符号の説明】
【0100】
1…写真処理装置、2…露光処理部、6…制御装置、10…主筐体、11…副筐体、20a…第一マガジン(マガジン)、20b…第二マガジン(マガジン)、20c…第三マガジン(マガジン)、20d…第四マガジン(マガジン)、21…切断装置、22…露光ユニット、24…中継搬送ユニット、114a…第一補助ガイド板、114b…第二補助ガイド板、115…ガイド板、116…傾斜ガイド板、200…芯体、201…送出ローラ、230…第一ローラユニット、230a…第一アドバンスローラ、230b…第一圧着ローラ、231…第二ローラユニット、231a…第二アドバンスローラ、231b…第二圧着ローラ、235a…第一ガイド手段(ガイド手段)、235b…第二ガイド手段(ガイド手段)、240…中継搬送手段、240a…第一ターンローラ、240b…第一サブローラ、241…第一案内手段、242…第二案内手段、242a…案内バー、242b…ボールネジ、243…方向変換手段、243a…第二ターンローラ、243b…第二サブローラ、244…第三案内手段、245…第四案内手段、A…露光ポイント(画像形成処理領域)、P…感光材料(記録材料)、R…ロール、TL1…短手搬送経路(搬送経路)、TL2…長手搬送経路(搬送経路)、TL2a…第一経路、TL2b…第二経路、TL2c…第三経路、TM…主搬送経路、U…ターン部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の記録材料が巻回されるロールを収容し且つ該ロールから記録材料を引き出して長手方向に送り出すことが可能な少なくとも二つ以上のマガジンと、各マガジンから送り出される記録材料を受け入れて下流側に圧着搬送する各マガジンに共通の圧着搬送手段とを備え、各マガジンと圧着搬送手段との間に記録材料の搬送距離を異にする短手搬送経路と長手搬送経路とが設定される画像形成装置において、
少なくとも長手搬送経路上には、マガジンから送り出される記録材料を圧着搬送手段に向けて圧着搬送する中継搬送手段が設けられると共に、
該中継搬送手段と圧着搬送手段との間に、長手搬送経路を搬送される記録材料の先端を検出する検出手段が設けられてなり、
それまで画像形成処理に供されていた長手搬送経路に係る記録材料を画像形成処理に供しなくなると、該記録材料を後退させてその先端が中継搬送手段と圧着搬送手段との間になるような位置で停止させると共に、中継搬送手段による圧着を解除し、
且つ該記録材料を再び画像形成処理に供する際、該記録材料を中継搬送手段による圧着状態に復帰させて圧着搬送すると共に、前記検出手段で該記録材料の先端を検出するよう構成されてなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記少なくとも二以上のマガジン、前記中継搬送手段は、画像形成装置本体を構成する主筐体に対して分離可能に接続される副筐体内に配置される一方、前記共通の圧着搬送手段は、主筐体内に配置されることで、前記短手搬送経路及び前記長手搬送経路の少なくとも下流側部は主筐体と副筐体とに跨るように設定され、主筐体と副筐体との接続部に、両者に跨る各搬送経路に対応した別個の供給口が設けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記供給口の近傍に配置されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−223713(P2007−223713A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−45442(P2006−45442)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】