説明

画像形成装置

【課題】感光体ドラムの現像領域外(非画像領域)に残存トナーが付着することを防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】グリッド電極68の単位面積当りの第2開口部72の開口面積がグリッド部の単位面積当りの第1開口部70の開口面積と比較して大きいため、感光体ドラム24の非画像領域Yの電位が、感光体ドラム24の画像領域Xの電位と比較して、小さくなる。これにより、現像スリーブ38の外周面であって感光体ドラム24の非画像領域Yに対応する部位に付着した残存トナーは、電位が相対的に低い感光体ドラム24の非画像領域Yよりも電位が相対的に高い感光体ドラム24の画像領域Xに移動するため、感光体ドラム24の非画像領域Yに残存トナーが付着することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に用いられる画像形成装置に係り、特に、所謂スコロトロン帯電器と呼ばれる非接触のコロナ帯電方式の帯電デバイスを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置の中には、所謂スコロトロン帯電器と呼ばれる非接触のコロナ帯電方式の帯電デバイスを備えたものが知られている。この帯電デバイスは、所定の電圧が印加される放電ワイヤと、コロナ放電のイオン量を調整する開口部が形成されたグリッド電極と、を備えている。放電ワイヤに所定の電圧が印加されることにより、コロナ放電が生じ、グリッド電極によりコロナ放電に伴うイオン量が調整されて、感光体ドラムの表面が負の電位に帯電される。そして、負の電位に帯電された感光体ドラムに対して、LEDヘッドからレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラムのレーザ光が照射された部位では、負の電位が減衰する。このようにして、感光体ドラムにレーザ光が照射されることにより、感光体ドラムの表面に電位差を発生させ静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラムに、負の電位に帯電したトナーが付着された現像ローラが接触することにより、このトナーが感光体ドラムの負の電位が減衰した部位に付着する。これにより、感光体ドラムの静電潜像が可視像化(現像)される。
【特許文献1】実開平1−73853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、現像ローラの表面を清掃するクリーナが設けられていないクリーナレスタイプの現像方式では、現像ローラの外周面であって感光体ドラムの現像領域外(非画像領域)に対応する部位にトナー(残存トナー)が付着すると、この残存トナーを除去することができなくなる。これにより、現像ローラの外周面であって感光体ドラムの現像領域外(非画像領域)に対応する部位に付着した残存トナーは、感光体ドラムの現像領域外(非画像領域)にリング状となって付着する。この結果、この残存トナーがグリッド電極や転写ローラなどの汚染の原因となってしまい、ひいては用紙に形成される画像の画質が低下する問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、感光体ドラムの現像領域外(非画像領域)に残存トナーが付着することを防止できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、所定の電圧が印加されコロナ放電を発生させるコロナ放電部と、前記コロナ放電に伴うイオン量を調整する開口部が形成されたグリッド部と、前記コロナ放電により表面が負の電位に帯電される感光体ドラムと、前記感光体ドラムの表面にレーザ光を照射する露光部と、前記感光体ドラムの表面に負の電位に帯電したトナーを供給する現像部と、を有する画像形成装置であって、前記開口部は、前記感光体ドラムの画像領域に対応する部位に形成された第1開口部と、前記感光体ドラムの非画像領域に対応する部位に形成された第2開口部と、で構成され、前記グリッド部の単位面積当りの前記第2開口部の開口面積は、前記グリッド部の単位面積当りの前記第1開口部の開口面積と比較して大きいことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、所定の電圧が印加されコロナ放電を発生させるコロナ放電部と、前記コロナ放電に伴うイオン量を調整する開口部が形成されたグリッド部と、前記コロナ放電により表面が正の電位に帯電される感光体ドラムと、前記感光体ドラムの表面にレーザ光を照射する露光部と、前記感光体ドラムの表面に正の電位に帯電したトナーを供給する現像部と、を有する画像形成装置であって、前記開口部は、前記感光体ドラムの画像領域に対応する部位に形成された第1開口部と、前記感光体ドラムの非画像領域に対応する部位に形成された第2開口部と、で構成され、前記グリッド部の単位面積当りの前記第2開口部の開口面積は、前記グリッド部の単位面積当りの前記第1開口部の開口面積と比較して大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、コロナ放電部に所定の電圧が印加されると、コロナ放電が発生する。グリッド部の開口部によりコロナ放電に伴うイオン量が調整される。これにより、感光体ドラムの表面は、負の電位に帯電される。そして、感光体ドラムの表面には、露光部によりレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。さらに、負の電位に帯電されたトナーが現像部から感光体ドラムの表面に供給される。負の電位に帯電されたトナーが現像部から感光体ドラムの表面に供給されると、感光体ドラムのレーザ光が照射された部位で負の電位が減衰するため、この部位にトナーが付着する。これにより、感光体ドラムの静電潜像が可視像化(現像)される。
【0008】
ここで、開口部は、感光体ドラムの画像領域に対応する部位に形成された第1開口部と、感光体ドラムの非画像領域に対応する部位に形成された第2開口部と、で構成されており、グリッド部の単位面積当りの第2開口部の開口面積がグリッド部の単位面積当りの第1開口部の開口面積と比較して大きいため、感光体ドラムの非画像領域の電位が、感光体ドラムの画像領域の電位と比較して、小さくなる(負の電位が大きくなる)。これにより、現像部の外周面であって感光体ドラムの非画像領域に対応する部位に付着した残存トナーは、電位が相対的に低い感光体ドラムの非画像領域よりも電位が相対的に高い感光体ドラムの画像領域に移動するため、感光体ドラムの非画像領域に残存トナーが付着することを防止できる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、コロナ放電部に所定の電圧が印加されると、コロナ放電が発生する。グリッド部の開口部によりコロナ放電に伴うイオン量が調整される。これにより、感光体ドラムの表面は、正の電位に帯電される。そして、感光体ドラムの表面には、露光部によりレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。さらに、正の電位に帯電されたトナーが現像部から感光体ドラムの表面に供給される。正の電位に帯電されたトナーが現像部から感光体ドラムの表面に供給されると、感光体ドラムのレーザ光が照射された部位で正の電位が減衰するため、この部位にトナーが付着する。これにより、感光体ドラムの静電潜像が可視像化(現像)される。
【0010】
ここで、開口部は、感光体ドラムの画像領域に対応する部位に形成された第1開口部と、感光体ドラムの非画像領域に対応する部位に形成された第2開口部と、で構成されており、グリッド部の単位面積当りの第2開口部の開口面積がグリッド部の単位面積当りの第1開口部の開口面積と比較して大きいため、感光体ドラムの非画像領域の電位が、感光体ドラムの画像領域の電位と比較して、大きくなる(正の電位が大きくなる)。これにより、現像部の外周面であって感光体ドラムの非画像領域に対応する部位に付着した残存トナーは、電位が相対的に高い感光体ドラムの非画像領域よりも電位が相対的に低い感光体ドラムの画像領域に移動するため、感光体ドラムの非画像領域に残存トナーが付着することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。本実施形態の画像形成装置は、スキャナ、プリンタ、複写機、ファクシミリ、またはこれらの機能を複合させた複合機である。
【0012】
図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成装置本体12を備えている。画像形成装置本体12の内部の下部には、給紙カセット14が配置されている。この給紙カセット14は、各種サイズの用紙を収納しており、用紙を1枚ずつ搬送路16へ繰り込むことができるようになっている。なお、画像形成装置本体12には、フラットベッドスキャナとして機能する画像読取部(図示省略)と、画像読取りや記録の開始等を入力するための操作パネル(図示省略)と、がそれぞれ配置されている。さらに、画像形成装置本体12の上部には、画像形成が終了した用紙が排出される排紙トレイ18が設けられている。
【0013】
また、給紙カセット14の近傍には、1対のレジストローラ20が配置されている。このレジストローラ20により用紙の搬送姿勢及び搬送タイミングが調整され、用紙が搬送路16に沿って後述の画像形成部22に搬送される。
【0014】
また、レジストローラ20の用紙搬送方向下流側には、画像形成部22が配置されている。この画像形成部22は、感光体ドラム24と、帯電デバイス26と、LEDヘッド28と、現像器ユニット30と、転写ローラ32と、クリーニングブレード34と、定着デバイス36と、で構成されている。なお、感光体ドラム24と、帯電デバイス26と、現像器ユニット30と、クリーニングブレード34と、がプロセスユニットとしてカートリッジに収容されて一体となっているように構成されていてもよい。
【0015】
感光体ドラム24は、その表面に有機感光体による光導電膜が形成されており、図示しない駆動源により所定の速度で回転するものである。この感光体ドラム24の表面は、帯電デバイス26により一定電圧に帯電される。
【0016】
帯電デバイス26は、所謂スコロトロン帯電器と呼ばれる非接触のコロナ帯電方式のものである。図2に示すように、この帯電デバイス26は、半空間を形成するケーシング電極の略中心に針電極66が配設されるとともに、感光体ドラム24側にグリッド電極68が配設されるようにして構成されている。帯電デバイス26は、針電極66に所定の電圧が印加されることによりコロナ放電が生じ、このコロナ放電によるイオン量をグリッド電極68で抑制するものである。このコロナ放電により感光体ドラム24の表面は負の電位に帯電する。なお、針電極66に替えて、放電ワイヤを用いるようにしてもよい。
【0017】
ここで、図3に示すように、グリッド電極68の感光体ドラム24の画像領域Xに対応する部位には複数の第1開口部70が形成されており、グリッド電極68の感光体ドラム24の非画像領域Yに対応する部位には複数の第2開口部72が形成されている。また、グリッド電極68の単位面積当りの第2開口部72の開口面積は、グリッド電極68の単位面積当りの第1開口部70の開口面積と比較して大きくなるように設定されている。本実施形態のように、グリッド電極68の感光体ドラム24の画像領域Xに対応する部位に複数の第1開口部70が形成されており、グリッド電極68の感光体ドラム24の非画像領域Yに対応する部位に複数の第2開口部72が形成されている構成では、グリッド電極68の単位面積を占める複数の第2開口部72の開口面積の総和は、グリッド電極68の単位面積を占める第1開口部70の開口面積の総和と比較して大きくなる。
【0018】
また、グリッド電極68の寸法の一例として、グリッド電極68の厚み寸法が10mm以上12mm以下に設定されており、グリッド電極68の幅方向(長手方向と直交する方向)の寸法Aが14mm以上15mm以下に設定されている。また、第1開口部70の寸法の一例として、各第1開口部70の幅方向(長手方向と直交する方向)の寸法Bが0.5mm以上1.0mm以下に設定されており、幅方向(長手方向と直交する方向)隣接する第1開口部70間の間隔の寸法Cが0.5mm以上1.0mm以下に設定されている。さらに、第2開口部72の寸法の一例として、各第2開口部72の幅方向(長手方向と直交する方向)の寸法Dが1.0mm以上2.0mm以下に設定されており、幅方向(長手方向と直交する方向)隣接する第2開口部72間の間隔の寸法Eが0.5mm以上1.0mm以下に設定されている。なお、第1開口部70の長手方向の寸法Fと第2開口部72の長手方向の寸法Gとは同じになるように設定されている。
【0019】
LEDヘッド28は、LEDアレイを記録画素数だけ並設して構成されている。LEDヘッド28は、このLEDアレイが発した光をセルフォックレンズアレイで感光体ドラム24の表面に結像する所謂自己発光型のプリンタヘッドであり、感光体ドラム24に対して画像情報に基づいて感光体ドラム24の表面を選択的に露光して、表面に静電潜像を形成するものである。帯電バイアス26により帯電された感光体ドラム24の表面は、LEDヘッド28により露光されることにより表面電位(負の電位)が減衰し、露光されていない部分との電位差により静電潜像が形成される。また、フラットヘッドスキャナとして機能する画像読取部が読み取った用紙の画像が電気信号としてLEDヘッド28に送信されるようになっている。
【0020】
現像器ユニット30は、負の電位を帯びたトナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いるものである。この現像器ユニット30は、感光体ドラム24に対向して配置される現像スリーブ38と、3本の攪拌体40、42、44を備えている。3本の攪拌体40、42、44により攪拌された現像剤が現像スリーブ38に向けて移送され、現像スリーブ38の表面上に担持された現像剤が感光体ドラム24に供給される。感光体ドラム24の表面上の静電潜像がトナーにて現像されることにより、トナー画像が形成される。
【0021】
すなわち、図1に示すように、現像器ユニット30は、現像スリーブ38と、現像剤を収容する現像剤容器50と、規制ブレード52と、現像剤容器50に収容された現像剤を攪拌しながら現像スリーブ38に向けて移送する3本の攪拌体40、42、44と、を備えている。この現像器ユニット30は、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を収容するものである。
【0022】
現像スリーブ38は、現像器ユニット30が画像形成装置本体12に装着された状態において感光体ドラム24に近接した位置で回転可能となるように現像剤容器50の側壁に支持されている。現像スリーブ38は図示しない電気回路からバイアス電圧が印加されることにより、その表面が帯電することになる。攪拌によって帯電された現像剤が移送されてくることにより、現像スリーブ38の表面に現像剤が担持される。そして、感光体ドラム24の矢印方向(反時計回り)の軸回転に同調させて、図示しない駆動源により現像スリーブ38を矢印方向(時計回り)に軸回転させると、感光体ドラム24の静電潜像との電位差により現像スリーブ38の表面に担持された現像剤が感光体ドラム24に供給され、感光体ドラム24の表面上の静電潜像が可視像化されトナー画像が形成される。
【0023】
規制ブレード52は、現像スリーブ38の表面に近接されて現像剤容器50に配設されている。この規制ブレード52は、現像スリーブ38の表面に担持された余分な現像剤を掻き落し、現像剤の層厚を一定に規制するものである。
【0024】
図1に示すように、3本の攪拌体40、42、44は、第1スクリュー40と、第2スクリュー42と、パドル44と、で構成されている。第1スクリュー40は、現像剤容器50の内部に形成された第1攪拌室54に回転可能となるように支持されている。また、第2スクリュー42は、第1攪拌室54に対して並列するように形成された第2攪拌室56に回転可能となるように支持されている。これら第1スクリュー40と、第2スクリュー42と、パドル44は、現像スリーブ38の軸線に対して平行で相互に並列するように配置されている。
【0025】
また、パドル44は、放射状の薄い羽根部を備えており、図示しない駆動源により矢印方向(反時計回り)に軸回転されることにより、羽根部で現像剤を攪拌しながら現像スリーブ38側へ移送する。
【0026】
現像剤容器50の底部は、各攪拌体40、42、44にそれぞれ備えられた羽根部40A、42Aの回転動作の軌跡に沿うように断面円弧状に形成されている。そして、現像剤容器50の底部であって第1スクリュー40と第2スクリュー42との間には、第1攪拌室54と第2攪拌室56とを区画する第1仕切壁58が設けられている。この第1仕切壁58は、各スクリュー40、42の軸方向にわたって延在するように形成されている。
【0027】
また、現像剤容器50の底部であって第2スクリュー42とパドル44との間には、第1仕切壁58よりも高さが低い第2仕切壁64が第2スクリュー42とパドル44の軸方向にわたって形成されている。
【0028】
転写ローラ32は、EPDM発泡体からなるローラであり、搬送路16の対向位置において感光体ドラム24に圧接されるようにして配置されている。この転写ローラ32には、図示しない電気回路からバイアス電圧が印加されるようになっている。給紙カセット14から搬送路16を経て供給された用紙を感光体ドラム24及び転写ローラ32がニップしてバイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム24の表面に形成されたトナー画像が用紙へ転写される。
【0029】
クリーニングブレード34は、転写後の感光体ドラム24に圧接するように配置されている。このクリーニングブレード34は、図示しない電気回路から所定の電圧が印加されることにより、感光体ドラム24の表面に残留したトナーや紙粉を除去するとともに静電潜像を消去するものである。これにより、感光体ドラム24の表面が清掃されて連続使用が可能となる。なお、クリーニングブレード34の他に、クリーニングローラ等を用いる他の接触方式や非接触方式によるクリーニング法も採用でき、また、クリーニング部材を用いないクリーニングレス方式とすることもできる。
【0030】
定着デバイス36は、搬送路16の対向位置にそれぞれ配置された加熱ローラ46と加圧ローラ48とで構成されている。この定着デバイス36は、搬送路16を搬送されてきた用紙の表面上のトナー画像を加熱及び加圧して固定するものである。加熱ローラ46の表面はヒータにより所定の温度に維持されており、加熱ローラ46に加圧ローラ48が所定の圧力で圧接されている。トナー画像が転写された用紙が、加熱ローラ46と加圧ローラ48とでニップされることにより用紙上のトナーが溶融されて固定される。
【0031】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10の作用について説明する。
【0032】
針電極66に所定の電圧が印加されると、コロナ放電が発生する。グリッド電極68の各開口部70、72によりコロナ放電に伴うイオン量が調整される。これにより、感光体ドラム24の表面は、負の電位に帯電される。そして、感光体ドラム24の表面には、LEDヘッド28によりレーザ光が照射される。これにより、レーザ光が照射された部位とレーザ光が照射されていない部位とで電位差が生じ、感光体ドラム24の表面に静電潜像が形成される。さらに、負の電位に帯電されたトナーが現像スリーブ38から感光体ドラム24の表面に供給される。負の電位に帯電されたトナーが現像スリーブ38から感光体ドラム24の表面に供給されると、感光体ドラム24のレーザ光が照射された部位で負の電位が減衰するため、この部位にトナーが付着する。これにより、感光体ドラム24の静電潜像が可視像化(現像)される。
【0033】
ここで、グリッド電極68の単位面積当りの第2開口部72の開口面積がグリッド部の単位面積当りの第1開口部70の開口面積と比較して大きいため、感光体ドラム24の非画像領域Yの電位が、感光体ドラム24の画像領域Xの電位と比較して、小さくなる(負の電位が大きくなる)。これにより、現像スリーブ38の外周面であって感光体ドラム24の非画像領域Yに対応する部位に付着した残存トナーは、電位が相対的に低い感光体ドラム24の非画像領域Yよりも電位が相対的に高い感光体ドラム24の画像領域Xに移動するため、感光体ドラム24の非画像領域Yに残存トナーが付着することを防止できる。
【0034】
なお、上記実施形態では、コロナ放電により感光体ドラム24の表面に負の電位を帯電させ、また負の電位を帯びたトナーを用いた構成を説明したが、この構成に限られるものではなく、コロナ放電により感光体ドラム24の表面に正の電位を帯電させ、また正の電位を帯びたトナーを用いた構成についても、本発明を容易に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を構成する帯電デバイスと感光体ドラムとの位置関係を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を構成する帯電デバイスの各開口部と感光体ドラムとの位置関係を示した図である。
【符号の説明】
【0036】
10 画像形成装置
24 感光体ドラム
28 LEDヘッド(露光部)
38 現像スリーブ(現像部)
66 針電極(コロナ放電部)
68 グリッド電極(グリッド部)
70 第1開口部(開口部)
72 第2開口部(開口部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電圧が印加されコロナ放電を発生させるコロナ放電部と、前記コロナ放電に伴うイオン量を調整する開口部が形成されたグリッド部と、前記コロナ放電により表面が負の電位に帯電される感光体ドラムと、前記感光体ドラムの表面にレーザ光を照射する露光部と、前記感光体ドラムの表面に負の電位に帯電したトナーを供給する現像部と、を有する画像形成装置であって、
前記開口部は、前記感光体ドラムの画像領域に対応する部位に形成された第1開口部と、前記感光体ドラムの非画像領域に対応する部位に形成された第2開口部と、で構成され、
前記グリッド部の単位面積当りの前記第2開口部の開口面積は、前記グリッド部の単位面積当りの前記第1開口部の開口面積と比較して大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
所定の電圧が印加されコロナ放電を発生させるコロナ放電部と、前記コロナ放電に伴うイオン量を調整する開口部が形成されたグリッド部と、前記コロナ放電により表面が正の電位に帯電される感光体ドラムと、前記感光体ドラムの表面にレーザ光を照射する露光部と、前記感光体ドラムの表面に正の電位に帯電したトナーを供給する現像部と、を有する画像形成装置であって、
前記開口部は、前記感光体ドラムの画像領域に対応する部位に形成された第1開口部と、前記感光体ドラムの非画像領域に対応する部位に形成された第2開口部と、で構成され、
前記グリッド部の単位面積当りの前記第2開口部の開口面積は、前記グリッド部の単位面積当りの前記第1開口部の開口面積と比較して大きいことを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−310094(P2007−310094A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−138076(P2006−138076)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】