説明

画像形成装置

【課題】インデックス印刷に好適な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】ファイル内容を示す画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画42を行方向と列方向とにレイアウトして記録用紙に印刷する画像形成装置において、ファイル識別情報を配置区画42内に全て書き込めない場合に、当該配置区画42に対して真下に隣接する配置区画42を空欄48とし、前記ファイル識別情報を当該配置区画42から空欄48にかけて書き込むようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インデックス印刷機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インデックス機能を有する画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1に記載する画像形成装置用インデックスプリント作成方法は、同一フォルダに保存されている画像を選択した後、画像1コマの大きさの設定、付帯印刷事項の設定、並びに必要に応じてフォントやプリンタの設定を行い、設定された条件に従って選択した画像を付帯印刷事項とともに自動的にレイアウトし、インデックス印刷する。付帯印刷事項には、ファイル名、画像タイトル、ファイル更新日時が含まれる。よって、特許文献1に記載するインデックスプリント作成方法によれば、インデックス印刷時に画像や付帯印刷事項のレイアウトを設定する複雑な手順が不要であり、画像形成装置の操作性を向上させることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2000−332985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記インデックスプリント作成方法を適用する画像形成装置は、ファイル名が長いと、そのファイル名全体を記録用紙にインデックス印刷できず、ファイルを判別することができないことがあり、不便であった。
【0005】
具体的には、例えば、文書データの1頁目を画像表示してインデックスプリントする場合、画像表示される文字が点となることがある。また、例えば、作成した報告書の内容を何回か修正し、修正回数をファイル名の後方につけて各報告書を同一フォルダに保存する場合、それらの文書データは、インデックス印刷する画像が報告書の表紙で同一になる一方、画データとともに表示するファイル名が、後方に付加した修正回数の部分だけ異なることがある。このようにインデックス印刷した画像からファイルを特定できない場合には、ユーザはファイル名を手がかりにして、文書データの内容を判別する必要がある。
【0006】
ところが、従来のインデックスプリント作成方法を適用する画像形成装置は、ファイル名が長い場合、ファイル名を先頭部分から部分的にしか印刷しなかった。そのため、ユーザは、インデックス印刷したファイル名から文書内容等のデータを確認できず、結局、ファイルの文書データを一つずつ打ち出して文書内容を確認しなければならなかった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、インデックス印刷に好適な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、次のような構成を有している。
(1)ファイル内容に応じた画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画を行方向と列方向とにレイアウトして記録用紙に印刷する画像形成装置において、前記ファイル識別情報を前記配置区画内に全て書き込めない場合に、当該配置区画に対して前記列方向に隣接する配置区画を空欄とし、前記ファイル識別情報を当該配置区画から前記空欄にかけて書き込むことを特徴とする。
【0009】
(2)ファイル内容に応じた画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画を行方向と列方向とにレイアウトして記録用紙に印刷する画像形成装置において、前記ファイル識別情報を前記配置区画内に全て書き込めない場合に、当該配置区画に対して前記行方向に隣接する配置区画を空欄とし、前記ファイル識別情報を当該配置区画から前記空欄にかけて書き込むことを特徴とする。
【0010】
(3)ファイル内容に応じた画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画を行方向と列方向とにレイアウトして印刷するインデックス印刷機能を有する画像形成装置において、前記ファイル識別情報を前記配置区画に全て書き込めるか否かを判断する書込判断手段と、前記書込判断手段が、前記ファイル識別情報を前記配置区画に全て書き込めないと判断した場合に、当該配置区画に隣接する配置区画を空欄にする空欄形成手段と、前記ファイル識別情報を前記配置区画から前記空欄にかけて書き込む書込手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
(4)(3)に記載の発明において、前記空欄形成手段は、前記配置区画に対して前記行方向又は前記列方向に前記空欄を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記構成を有する本発明の画像形成装置は、ファイル識別情報が長く、配置区画に全て書き込めない場合には、当該配置区画に行方向又は列方向に隣接する配置区画を空欄にし、当該配置区画から空欄にかけてファイル識別情報全体を書き込むので、配置区画の行間を各行で揃えてファイル識別情報全体を見やすく印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、レーザプリンタ1の外観構成図である。
画像形成装置の一例であるレーザプリンタ1は、ファイル内容を示す画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画42を行方向と列方向とにレイアウトして記録用紙3に印刷するインデックス印刷機能を有する。本実施形態において、レーザプリンタ1は、ファイル識別情報を配置区画42内に全て表示できない場合に、当該配置区画42に隣接する配置区画42を空欄にして、当該配置区画にファイル識別情報を全て表示する点に特徴を有する。この特徴を説明するのに先立ち、レーザプリンタ1の外観及び内部構成について簡単に説明する。
【0015】
(レーザプリンタの外観構成)
レーザプリンタ1は、箱形の本体ケーシング2によって外観が構成されている。本体ケーシング2の下方には、記録用紙3を収容する給紙カセット4が正面側から着脱できるように設けられている。本体ケーシング2の上面には、排紙トレイ5が形成され、排紙トレイ5の片側に操作部6が設けられている。操作部6は、レーザプリンタ1を操作するものであって、操作指示を入力する操作ボタン7やデータを表示する表示パネル8等を備える。本体ケーシング2の側面には、レーザプリンタ1をON/OFFする電源投入スイッチ9が設けられている。また、本体ケーシング2の正側面(給紙カセット4を装着する側面)には、USBポート10が設けられ、USBケーブルやUSBメモリなどの外部記憶装置が接続されるようになっている。
【0016】
(レーザプリンタの内部構造)
図2は、図1に示すレーザプリンタ1の内部構造を示す概略図である。
レーザプリンタ1は、給紙カセット4の上方に搬送ベルト駆動ローラ11と搬送ベルト従動ローラ12とが本体ケーシング2に内設され、その搬送ベルト駆動ローラ11と搬送ベルト従動ローラ12とに巻回された搬送ベルト13を半時計回りに移動させる。搬送ベルト駆動ローラ11と搬送ベルト従動ローラ12の上流側には、給紙部14が設けられ、給紙カセット4から記録用紙3をピックアップして画像形成部15へ送り出す。
【0017】
画像形成部15は、画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kを搬送ベルト13の搬送方向に沿って並べて設け、画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kの下流側に定着部17を配置している。画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーを収容し、搬送ベルト13によって搬送される記録用紙3に各色の可視像を重ね合わせて形成する。記録用紙3に形成された可視像は、定着部17において熱定着される。
【0018】
画像形成部15の下流側には、排紙部18が設けられ、画像形成部15で画像形成された記録用紙3を排紙トレイ5に排紙する。
このような構成を有するレーザプリンタ1は、制御部19に各部を制御される。
【0019】
(レーザプリンタの電気的構成)
図3は、図2に示す制御部19の電気ブロック図である。
制御部19は、周知のコンピュータであって、データの加工・演算を行うCPU21を中心に構成されている。CPU21には、入出力インターフェース(以下「入出力I/F」という。)22と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、HDD(Hard Disk Drive)25と、USBインターフェース(以下「USBI/F」という。)26とが接続されている。
【0020】
CPU21は、データを加工・演算して処理するものである。
入出力I/F22には、操作ボタン7、表示パネル8、電源投入スイッチ9、給紙部14、画像形成ユニット16、定着部17、排紙部18などが接続されている。
【0021】
ROM23は読み出し専用の不揮発性メモリであり、各種データやプログラムを記憶する。ROM23には、インデックス印刷プログラム27が格納されている。
【0022】
インデックス印刷プログラム27は、USBメモリ30などの記憶媒体に記憶されている画データと画データに関連するファイル識別情報とを読み込んで配置区画に配置し、記録用紙3に印刷するものである。インデックス印刷プログラム27の具体的内容については後述する。
【0023】
また、RAM24は読み書き可能な揮発性メモリであり、各種データやプログラムを記憶する。RAM24には、ファイル記憶手段28と、バッファ29とが設けられている。ファイル記憶手段28は、USBメモリ30などの記憶媒体から読み込んだファイルを記憶するものである。バッファ29は、インデックス印刷時に使用する画データやファイル情報などを記憶するものである。また、配置区画42に画データやファイル識別情報などのデータを配置したか否かに関する「配置領域情報」も、バッファ29に記憶される。
【0024】
HDD25は読み書き可能な不揮発性メモリである。
USBI/F26は、USBポート10(図1参照)に接続されるUSBメモリ30などとの間でデータを入出力するものである。
【0025】
(インデックス印刷の印刷結果)
図4は、インデックス印刷プログラム27を実行して得た印刷結果の一例を示す図である。
記録用紙3には、配置領域41内に配置区画42が行方向(X方向)と列方向(Y方向)に並んで格子状に配置される。各配置区画42は、画データを配置するための画データ配置欄43と、ファイル情報を配置するためのファイル情報配置欄44とを備える。本実施形態では、ファイル情報配置欄44には、通し番号を表示するための通し番号表示欄45と、ファイル識別情報を表示するためのファイル識別情報表示欄46と、更新情報を表示するための更新情報表示欄47とが設けられている。
【0026】
本実施形態において、「画データ」とは、ファイルに記憶されているデータを画像表示するものをいい、デジタルカメラなどで撮影した画像データの他、文書ファイル内の文字列を画像表示するデータなどを含む。
「ファイル情報」とは、ファイルに関連する情報をいい、例えば、ファイル名、ファイルパス名、データのプロパティ(作成日時、更新日時、作成者など)、文書ファイルであった場合の先頭文字列等を含む。
「通し番号」とは、ファイルの順番を示す番号をいう。
「ファイル識別情報」とは、ファイル情報に含まれる情報の一つであり、ファイルを識
別するための情報をいう。例えば、ファイル識別情報は、ファイル名、データ内の文字列識別子などを含む。
「更新情報」とは、ファイル更新に関する情報であり、例えば、年月日、時間を含む。
【0027】
尚、本実施形態では、ファイル識別情報表示欄46は、1行の文字数が24文字とされている。そのため、例えば、図4の通し番号「No.2」に示すように、ファイル識別情報が24文字を超える場合には、ファイル識別情報をファイル識別情報表示欄46に1行で表示できない。そこで、本実施形態では、通し番号「No.2」の配置区画42に隣接する配置区画42(図4では通し番号「No.5」の配置区画42)を空欄にし、通し番号「No.2」のファイル識別情報表示欄46にファイル識別情報を複数段表示し、ファイル識別情報を全体表示している。従って、本実施形態では、配置区画42を横一列に並べる行の行間が一定間隔にされ、画データ表示欄43が横一列に位置合わせされている。
尚、本実施の形態では、ファイル識別情報は、最大文字数を200文字に制限しており、それを9段にわたって表示するように構成されている。
【0028】
(インデックス印刷プログラム)
図5は、インデックス印刷プログラム27のフロー図である。図6〜図9は、図3に示す配置領域情報記憶手段のデータ構造を示す図であって、
図5に示すインデックス印刷プログラム27は、ユーザが操作部6を操作してインデックス印刷命令を入力したときに、USBメモリ30などの記憶媒体をUSBポート10に接続していることを条件に、ROM23からRAM24に書き込まれて実行される。
【0029】
インデックス印刷プログラム27は、先ずステップ1(以下「S1」と略記する。)において、バッファ29に記憶されている配置領域情報を初期化する。配置領域情報は、例えば図6に示すテーブルで管理される。
【0030】
例えば、図6に示すテーブルには、配置区画番号毎に配置フラグ設定欄51〜62が設けられている。「配置区画番号」は、配置領域41に設けられた配置区画42に各々付与された番号をいう。本実施形態では、配置領域41に行方向に3個、列方向
3個、合計12個の配置区画42が配置領域41に格子状に配置されている。そして、左上の配置区画42から行方向に順に配置区画番号「1」〜「12」が付与されている。一方、「配置フラグ」は、配置区画42に画データやファイル識別情報等を配置していない未配置を示す「0」と、配置区画42に画データやファイル識別情報を配置した配置済を示す「1」と、配置区画42に画データやファイル識別情報を配置できない配置不能を示す「2」とを備える。配置領域情報を初期化した段階では、未配置を示す配置フラグ「0」が配置フラグ設定欄51〜59にセットされる。
尚、本実施の形態では、配置区画番号10〜12には、ファイル識別情報を複数段にわたって表示する必要がある画データ、つまりファイル識別情報が24文字以上の場合には、配置することができない。
【0031】
図5に戻り、S2において、USBポート10に接続するUSBメモリ30から記憶されているファイルを全て読み込み、ファイル記憶手段28に記憶する。そして、S3において、ファイル記憶手段28に記憶したファイルから画データとファイル情報を取得する。そして、S4において、配置領域情報をバッファ29から取得する。この時点では、初期状態の配置領域情報を取得する。
【0032】
そして、S5において、S4で取得した配置領域情報を検索して、配置フラグの内容を参照していない最初の配置区画42を特定し、特定した配置区画42の配置フラグが「0」か否かを判断する。例えば、配置領域情報を初期化した段階では、配置フラグの内容を参照していない最初の配置区画42は、図6に示す配置区画番号1に対応する配置区画42になる。そこで、配置区画番号1に対応する配置フラグ設定欄51を参照して、配置フラグの内容を確認する。
【0033】
配置領域情報を初期化した時点では、配置区画番号1の配置フラグが「0」であるので(S5:Yes)、S6において、画データとファイル情報をファイル記憶手段48から読み出し、配置区画番号1に対応する配置区画42に、ファイル記憶手段48から読み出した画データとファイル情報を配置する。より具体的には、ファイル内容を示す画データを配置区画42の画データ配置欄43に配置する。ファイル情報に含まれるファイル識別情報をファイル識別情報表示欄46に配置する。ファイル情報に含まれる更新情報を更新情報表示欄47に配置する。更に、ファイルに付与された通し番号を通し番号表示欄45に配置する。
【0034】
そして、S7において、配置領域情報を更新する。上記のように配置区画番号1の配置区画42にデータを配置すると、図7に示すように、配置区画番号1の配置フラグ設定欄51に配置フラグ「1」が立てられ、配置領域情報が書き換えられる。そこで、配置領域情報を更新して、配置区画番号1に対応する配置区画42にデータを配置したことを定着させる。また、配置区画番号1に対応するバッファ29に画データ、ファイル識別情報、更新情報、通し番号を記憶する。
【0035】
そして、S8において、バッファ29の配置領域情報を参照して、全ての配置フラグ設定欄51〜62に「0」以外の配置フラグ「1」又は「2」が立っているかを確認し、全ての配置区画42にファイルを配置したか否かを確認する。
【0036】
この時点では、バッファ29の配置領域情報には、配置区画番号1の配置フラグ設定欄52〜62に配置フラグ「0」が立っており、配置区画番号2〜12に対応する配置区画42に画データやファイル識別情報等のデータを配置していない(S8:No)。そこで、S9において、ファイル記憶手段28に読み込み可能なファイルが残っていないか確認する。本実施形態では、配置区画42に配置するためにファイル記憶手段28から読み出されたファイルは、ファイル記憶手段28から消去されるため、ファイル記憶手段28には、配置区画42に配置されず、読み込み可能なファイルしか残っていない。よって、ファイル記憶手段28を参照すれば、読み込み可能なファイルが残っているか否かを確認できる。
【0037】
ファイル記憶手段28に読み込み可能なファイルが残っていない場合には(S9:Yes)、S10において、配置区画42に対応するバッファ29に記憶されたデータを記録用紙3に印刷した後、処理を終了する。
【0038】
一方、ファイル記憶手段28に読み込み可能なファイルが残っている場合には(S9:No)、S2へ戻る。そして、S2において、次のファイルをファイル記憶手段28から読み込み、S3において、読み込んだファイルから画データとファイル情報を取得する。そして、S4において、配置領域情報をバッファ29から取得する。この時点では、図7に示す配置領域情報が得られる。
【0039】
そして、図5のS5において、S4で取得した図7に示す配置領域情報を検索することにより、配置区画番号2に対応する配置区画42が、配置フラグの内容を参照して画データが配置されていない最初の配置区画42であることを特定し、配置区画番号2に対応する配置フラグ設定欄52の配置フラグを確認する。配置フラグ設定欄52の配置フラグは「0」であるので(図5のS5:Yes)、S3で取得した画データとファイル情報を、配置区画番号2の配置区画42に対応するバッファ29に画データとファイル情報を記憶する。
【0040】
そして、S7において、図8に示すように、配置区画番号2の配置フラグ設定欄52に配置フラグ「1」を立てる。このとき、図4に示すように、配置区画番号2に対応する配置区画42に配置したファイル識別情報が24文字を超える場合には、ファイル識別情報表示欄46にファイル識別情報が複数段表示される。そのため、配置区画番号2の配置区画42は、設定範囲(面積)が、初期状態より大きくなり、配置区画番号5の配置区画42に及ぶ。そのため、配置区画番号5の配置区画42にはデータを置けなくなるので、図8に示すように、配置区画番号5の配置フラグ設定欄55に配置フラグ「2」を立てる。このようにして配置領域情報を書き換え、更新する。
【0041】
そして、S8において、全ての配置区画42にファイルを配置したか否かを確認する。全ての配置区画42にファイルを配置しておらず(S8:No)、読み込み可能なファイルがファイル記憶手段28に残っている場合には(S9:No)、S2へ再び戻り、ファイル記憶手段28に残っている次のファイルを処理する。上記処理を繰り返すことにより、配置区画番号3,4に対応する配置区画42に画データとファイル情報を配置していく。
【0042】
その後、配置区画番号5の配置フラグを確認するために、配置領域情報を取得すると、配置区画番号5の配置フラグ設定欄55には、既に配置フラグ「2」が立てられている。この場合、配置フラグが「0」でないので(S5:No)、S11において、次の配置区画番号6の配置フラグを参照し、S5に戻る。
【0043】
この時点では、S11で参照した配置区画番号配置フラグは「0」であるので(S5:Yes)、S6において、S3で取得した画データとファイル情報を配置区画番号6に対応する配置区画42に配置する。すなわち、図4に示すように、配置区画番号5に対応する配置区画42を空欄48とし、空欄48の右横にある配置区画42に画データとファイル情報(通し番号、ファイル識別情報、更新情報)を配置する。
【0044】
上記処理を繰り返して配置区画番号1〜12まで配置フラグを参照し、S8において、図9に示すように、配置フラグ設定欄51〜61に配置フラグ「1」又は「2」をセットしたことを確認した場合には、すべての配置区画42にファイルが配置されたと判断する(S8:Yes)。この場合には、図5のS12において、図4に示すように、バッファ29に記憶した画データとファイル情報(通し番号、ファイル識別情報、更新情報)を記録用紙3に印刷する。そして、図5のS13において、S9と同様の処理で読み込み可能なファイルがファイル記憶手段28に残っていないか確認する。
尚、本実施の形態では、配置区画番号10〜12には、ファイル識別情報が、24文字以下の画データのみしか配置することができないので、配置区画番号10に配置予定の画データに対応するファイル識別情報が24文字以上の場合には、全ての配置区画42にファイルが配置されたものと判断して、次の記録用紙3に印刷する。このことは、配置区画番号11〜12の場合も同様である。
【0045】
読み込み可能なファイルがファイル記憶手段28に残っている場合には(S13:No)、S14において、配置領域情報を初期化する。すなわち、図6に示すように、配置領域情報の配置フラグを全て「0」にセットする。また同時に、各配置区画番号の配置区画42にセットした画データやファイル識別情報等も破棄する。その後、S2へ戻り、残っているファイルを配置区画2に配置する処理を繰り返す。
【0046】
一方、読み込み可能なファイルがファイル記憶手段28に残っていない場合には(S13:Yes)、処理を終了する。
【0047】
尚、本実施形態では、図5のS7の処理が、「書込判断手段、空欄形成手段」に相当し、S12、S10の処理が「書込手段」に相当する。
【0048】
(作用効果)
従って、本実施形態のレーザプリンタ1は、例えば、図4に示す1行目中央の配置区画42のように、ファイル識別情報が長く、ファイル識別情報表示欄46に1行で全て書ききれない場合には、当該配置区画42に列方向に(真下に)隣接する配置区画42を空欄48にし、当該配置区画42から空欄48にかけてファイル識別情報全体を書き込む。そのため、本実施形態のレーザプリンタ1は、図4に示すように、配置区画42を配置した行の行間が揃えられ、ファイル識別情報全体を記録用紙3に見やすく印刷できる。
【0049】
より具体的には、例えば、図4の通し番号「No.6」(配置区画番号8)に示す配置区画42のように、文書ファイルの先頭文字列を画データとして画データ配置欄43に印刷する場合、文字が点で表示されて読めないことがある。
また例えば、図4の通し番号「No.2」、「No.7」(配置区画番号2、9)に示すように、作成した「報告書」を何回か修正し、修正回数が分かるようにファイル名の後方に修正回数を付けて報告書の文書データをファイルに保存する場合、画データ配置欄43には、「報告書」の1頁目(表紙)が同じ形式で表示され、画データのみで「報告書」を特定することができないことがある。
上記のように画データによって文書内容を認識できない場合には、ユーザはファイル識別情報を見て文書内容を判別することになる。
【0050】
本実施形態のレーザプリンタ1は、例えば、配置区画番号2の配置区画42の真下に空欄48を設け、ファイル識別情報表示欄46に長さが近いファイル識別情報「testdata_031620061700_TIFFgazodata_Ver2.PDF」の全体を空欄48にかけて2段で表示する。また、配置区画番号4の配置区画42の真下に空欄49を設け、ファイル識別情報表示欄46に長さが近いファイル識別情報「A:|\data\testdata\gazou\20060222\hogehogetestdata_20060222__LocalDocumet_Japan.bmp」の全体を空欄49にかけて2段で表示する。
また、配置区画番号9の配置区画42には、ファイル識別情報「testdata_031620061700_TIFFbunsho_Ver1.PDF」がファイル識別情報表示欄46に2段で表示される。また、配置区画番号2の配置区画42には、「testdata_031620061700_TIFFbunsho_Ver2.PDF」がファイル識別情報表示欄46に2段で表示される。
【0051】
このように本実施形態のレーザプリンタ1は、ファイル識別情報の文字数がファイル識別情報表示欄46に表示可能な文字数(24文字)を超える場合でも、配置区画42に隣接する配置区画42を空欄48(又は49)にして、ファイル識別情報の全体を表示するので、ユーザはファイル識別情報を見て文書ファイルの内容把握や、報告書の特定を行うことができる。この場合に、記録用紙3は、各行の行間が一定であり、画像を横一列に整列させるので、見栄えがよく、見やすい。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
【0053】
(1)例えば、上記実施形態では、レーザプリンタを画像形成装置の一例として挙げたが、インクジェットプリンタなどを画像形成装置としてもよい。
【0054】
(2)例えば、上記実施形態では、USBポート10にUSBメモリ30などの記憶媒体を接続してファイルを読み込んだが、パラレルポートやシリアルポートに記憶媒体を接続してファイルを読み込んでもよい。
【0055】
(3)例えば、上記実施形態では、ファイル識別情報がファイル識別情報表示欄46の設定文字数より長い場合に、配置区画42の列方向にある(真下にある)配置区画42を空欄にして、ファイル識別情報全体を表示するようにした。これに対して、配置区画42の行方向にある(右隣又は左隣にある)配置区画42を空欄にして、ファイル識別情報を行方向に長く1行で表示するようにしてもよい。
【0056】
(4)例えば、上記実施形態では、左上から右側に向かって配置区画番号を付したが、右上から左側に向かって、或いは、右下から左側に向かって、さらには、左上から左下に向かって等、配置区画番号の付与の仕方を適宜変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の画像形成装置の実施形態に係り、レーザプリンタの外観構成図である。
【図2】図1に示すレーザプリンタの内部構造を示す概略図である。
【図3】図2に示す制御部の電気ブロック図である。
【図4】図3に示すインデックス印刷プログラムを実行して得た印刷結果の一例を示す図である。
【図5】図3に示すインデックス印刷プログラムのフロー図である。
【図6】図3に示すバッファに記憶される配置領域情報のデータ構造を示す図であって、初期状態を示す。
【図7】図3に示すバッファに記憶される配置領域情報のデータ構造を示す図であって、配置区画1の配置フラグを設定した状態を示す。
【図8】図3に示すバッファに記憶される配置領域情報のデータ構造を示す図であって、配置区画2の配置フラグを設定した状態を示す。
【図9】図3に示すバッファに記憶される配置領域情報のデータ構造を示す図であって、全ての配置区画に配置フラグを設定した状態を示す。
【符号の説明】
【0058】
1 レーザプリンタ(画像形成装置)
3 記録用紙
27 インデックス印刷プログラム(書込判断手段、空欄形成手段、書込手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイル内容に応じた画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画を行方向と列方向とにレイアウトして記録用紙に印刷する画像形成装置において、
前記ファイル識別情報を前記配置区画内に全て書き込めない場合に、当該配置区画に対して前記列方向に隣接する配置区画を空欄とし、前記ファイル識別情報を当該配置区画から前記空欄にかけて書き込むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ファイル内容に応じた画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画を行方向と列方向とにレイアウトして記録用紙に印刷する画像形成装置において、
前記ファイル識別情報を前記配置区画内に全て書き込めない場合に、当該配置区画に対して前記行方向に隣接する配置区画を空欄とし、前記ファイル識別情報を当該配置区画から前記空欄にかけて書き込むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
ファイル内容に応じた画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画を行方向と列方向とにレイアウトして印刷するインデックス印刷機能を有する画像形成装置において、
前記ファイル識別情報を前記配置区画に全て書き込めるか否かを判断する書込判断手段と、
前記書込判断手段が、前記ファイル識別情報を前記配置区画に全て書き込めないと判断した場合に、当該配置区画に隣接する配置区画を空欄にする空欄形成手段と、
前記ファイル識別情報を前記配置区画から前記空欄にかけて書き込む書込手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載する画像形成装置において、
前記空欄形成手段は、前記配置区画に対して前記行方向又は前記列方向に前記空欄を設けることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−23714(P2008−23714A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195006(P2006−195006)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】