説明

画像形成装置

【課題】カバー部材を傷付けることなく装置カバーを操作性良く開閉することができるとともに、装置カバーとカバー部材間の隙間を均一に保って外観性を高めることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】装置本体2に設けられた回動支点を中心に回動して開閉される装置カバー5と、該装置カバー5を開いたときに外観面となる2次外観カバー(カバー部材)6を装置本体2に設けて成るカラーレーザープリンタ(画像形成装置)1において、前記2次外観カバー6の前記装置カバー5と対向する面の一部に突起6aを突設する。又、前記突起6aを前記装置カバー5の回動支点を中心とする円弧状とする。更に、前記突起6aの高さを前記装置カバー5の閉まり方向に高くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体に設けられた回動支点を中心に回動して開閉される装置カバーと、該装置カバーを開いたときに外観面となるカバー部材を装置本体に設けて成る画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によって用紙に画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置には、装置本体に設けられた回動支点を中心に回動して開閉される装置カバーが設けられており、ジャム処理やトナー交換等の際には装置カバーが開けられる。この装置カバーのうち、装置本体の前面や天面全体を開閉するカバーには、機能上必要である場合の他、外観上のデザインや騒音低減等を目的として側面まで回り込んでカバーする回り込み部が設けられているものが多く見られる。
【0003】
又、装置カバーを開けたときにユーザーが装置内部の高圧電源等に手を触れないよう、その部分を覆って保護するカバー部材が装置カバーの内側に設けられている。
【特許文献1】特開2007−286127号公報
【特許文献2】特開2007−279229号公報
【特許文献3】特開2004−361495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、側面まで回り込んだ回り込み部を備えた装置カバーにおいては、回り込み部が内反りしている場合や該装置カバーを寄せながら或いはひねりながら閉めた場合等には、装置カバーの回り込み部がこれの内側に設けられたカバー部材に接触してカバー部材が傷付くとともに、接触抵抗によって装置カバーの開閉操作性が悪化するという問題があった。
【0005】
又、装置カバーに内反り等の変形が生じている場合には、該装置カバーとカバー部材との隙間が不均一となり、外観上の美観を損ねるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、カバー部材を傷付けることなく装置カバーを操作性良く開閉することができるとともに、装置カバーとカバー部材間の隙間を均一に保って外観性を高めることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、装置本体に設けられた回動支点を中心に回動して開閉される装置カバーと、該装置カバーを開いたときに外観面となるカバー部材を装置本体に設けて成る画像形成装置において、前記カバー部材の前記装置カバーと対向する面の一部に突起を突設したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記突起を前記装置カバーの回動支点を中心とする円弧状としたことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記突起の高さを前記装置カバーの閉まり方向に高くしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、カバー部材の装置カバーと対向する面の一部に突起を突設したため、ジャム処理やトナー交換等のために装置カバーを開閉する際に該装置カバーの内面がカバー部材の突起に接触して装置カバーの開閉をガイドする。このため、装置カバーが内反りしている場合や装置カバーを寄せながら或いはひねりながら閉めた場合等であっても、該装置カバーがこれの内側に設けられたカバー部材の突起以外の部分に接触してその部分を傷付けることがなく、大きな接触抵抗が発生することがないために装置カバーを小さな力でスムーズに開閉することができ、その開閉操作性が高められる。又、装置カバーに内反り等の変形が生じている場合であっても、その変形はカバー部材の突起との接触によって矯正されるため、該装置カバーとカバー部材との隙間が均一に保たれて外観性が高められる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、突起を装置カバーの回動支点を中心とする円弧状としたため、装置カバーの開閉動作時にカバー部材の突起を該装置カバーに常に接触させることができ、該突起によって装置カバーの変形を矯正してカバー部材の傷付きを防ぐとともに、装置カバーの開閉操作性と外観性を高めることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、突起の高さを装置カバーの閉まり方向に高くしたため、装置カバーが閉まり切った状態においても該装置カバーの内面にカバー部材の突起を接触させておくことができ、装置カバーと他の外装面との段差を矯正して外観性を高めることができる。又、装置カバーを開く力を一定ではなく開き方向に小さくすることができるため、該装置カバーの開閉操作性を更に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明に係る画像形成装置の斜視図、図2は同画像形成装置の側面図、図3は同画像形成装置の装置カバーを開いた状態を示す部分側面図、図4は同側断面図、図5及び図6は同画像形成装置の装置カバーを開閉している状態を示す側面図、図7は同画像形成装置の部分斜視図である。
【0015】
図1及び図2に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであって、矩形ボックス状の装置本体2を備えており、この装置本体2の内部には、図4に示すように、本体フレーム3に組み込まれた感光ドラム、帯電器、現像装置、転写装置、定着装置等の各種プロセス機器(何れも不図示)が内蔵されている。そして、装置本体2の前面には、装置本体の下部に設けられた回動支点(図4参照)4を中心として上下方向に回動して開閉される装置カバー(フロントカバー)5が設けられている。
【0016】
又、装置本体2の前方上部には、図3〜図6に示すように、ユーザーが装置本体2内部の高圧電源等に誤って手を触れないための安全上の理由や美観向上のために2次外観カバー6が設けられている。
【0017】
更に、前記装置カバー5の上部左右(図には一方のみ図示)には、カバー部材である2次外観カバー6や装置本体2の内部に対する目隠しや意匠上の理由から、該装置カバー5を図1及び図2に示すように閉じたときに装置本体2の左右の側面まで回り込む面積の大きな回り込み部5aが一体に形成されている。
【0018】
ここで、設計上は装置カバー5の回り込み部5aと2次外観カバー6との間には所定の隙間が形成されており、装置カバー5を開閉しても両者はすれ違って互いに接触しない関係にあり、装置カバー5と2次外観カバー6が設計寸法通りに製作され、しかも、ユーザーが装置カバー6を回転方向(捩り方向)に力を加えることなく開閉すれば、該装置カバー5の回り込み部5aと2次外観カバー6とは接触しない設計となっている。
【0019】
しかしながら、実際には装置カバー5と2次外観カバー6には製作上の寸法公差が必要であり、この寸法公差を考慮して装置カバー5と2次外観カバー6との間に隙間を設けても、ユーザーが装置カバー5を左右にひねりながら閉めた場合には、該装置カバー5の回り込み部5aが2次外観カバー6に接触して前記問題が発生する。
【0020】
そこで、本実施の形態では、図3及び図5に示すように、2次外観カバー6の左右の装置カバー5の回り込み部5aと対向する面の一部にリブ状の細い突起(図3及び図5には一方のみ図示)を突設している。この突起6aは、装置カバー5の回動支点4(図4参照)を中心とする円弧状に形成されており、その幅は3mm以下(接触部分の傷が目立たない寸法)に設定されている。
【0021】
而して、本実施の形態によれば、2次外観カバー6の左右の装置カバー5の回り込み部5aと対向する面の一部に突起6aを突設したため、ジャム処理やトナー交換等のために装置カバー5を図5及び図6に示すように開閉する際に該装置カバー5の回り込み部6a内面が2次外観カバー6の突起6aに接触して装置カバー5の開閉をガイドする。このため、装置カバー5の回り込み部5aが内反りしている場合や装置カバー5を寄せながら或いはひねりながら閉めた場合等であっても、該装置カバー5がこれの内側に設けられた2次外観カバー6の突起6a以外の意匠面に接触してその部分を傷付けることがない。又、2次外観カバー6に突設された突起6aの幅は3mm以下と細いために大きな接触抵抗が発生することがなく、従って、装置カバー5を小さな力でスムーズに開閉することができ、その開閉操作性が高められる。
【0022】
更に、装置カバー5の回り込み部5aに内反り等の変形が生じている場合であっても、その変形は2次外観カバー6の突起6aとの接触によって矯正されるため、該装置カバー5と2次外観カバー6との隙間が均一に保たれて外観性が高められる。
【0023】
又、本実施の形態では、突起6aを装置カバー5の回動支点4を中心とする円弧状としたため、装置カバー5の開閉動作時に2次外観カバー6の突起6aを該装置カバー5の回り込み部5aに常に接触させることができ、該突起6aによって装置カバー5の回り込み部5aの変形を矯正して2次外観カバー2の傷付きを防ぐとともに、装置カバー5の開閉操作性と外観性を高めることができる。
【0024】
ところで、2次外観カバー6に突設される突起6aの高さを装置カバー5の閉まり方向に次第に高くすれば、図1、図2及び図7に示すように装置カバー5が閉まり切った状態においても該装置カバー5の回り込み部5aの内面に2次外観カバー6の突起6aを接触させておくことができ、装置カバー5と他の外装面との段差を矯正して外観性を高めることができる。又、装置カバー5を開く力を一定ではなく開き方向に小さくすることができるため、該装置カバー5の開閉操作性が更に高められる。
【0025】
尚、以上は本発明をカラーレーザープリンタに対して適用した形態について説明したが、本発明は、モノクロのプリンタの他、複写機やファクシミリ等の他の任意の画像形成装置に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る画像形成装置の斜視図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の側面図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の装置カバーを開いた状態を示す部分側面図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の装置カバーを開いた状態を示す側断面図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の装置カバーを開閉している状態を示す側面図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の装置カバーを開閉している状態を示す側面図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の部分斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 カラーレーザープリンタ(画像形成装置)
2 装置本体
3 本体フレーム
4 装置カバーの回動支点
5 装置カバー
5a 装置カバーの回り込み部
6 2次外観カバー(カバー部材)
6a 2次外観カバーの突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に設けられた回動支点を中心に回動して開閉される装置カバーと、該装置カバーを開いたときに外観面となるカバー部材を装置本体に設けて成る画像形成装置において、
前記カバー部材の前記装置カバーと対向する面の一部に突起を突設したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記突起を前記装置カバーの回動支点を中心とする円弧状としたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記突起の高さを前記装置カバーの閉まり方向に高くしたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−169084(P2009−169084A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−6884(P2008−6884)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】