説明

画像形成装置

【課題】静音性に優れるとともに部品点数や組立工数が削減された画像形成装置を提供する。
【解決手段】手差しトレイ30は、固定トレイ301と、固定トレイ301に収納自在な第1延長トレイ302と、第1延長トレイ302に収納自在な第2延長トレイ303とから構成され、筐体10の開口10aを塞いだ閉状態とその開口10aを開放した開状態との間で開閉自在に配備されている。音を吸収する吸音材31とこの吸音材31を内包した外壁32とからなる構造を有し、上記閉状態にある時にその開口10aとその筐体10の外部との間を遮るように備えられた4つの遮音板3011,3012,3013,3021のうちの3つの遮音板3011,3012,3013は固定トレイ301の一部として構成され、もう1つの遮音板3021は第1延長トレイ302の一部として構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタあるいはファクシミリなどに用いられる電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラム等に代表される像保持体の周面を一様に帯電させ、画像の情報を保持した露光光をその像保持体周面に照射することによりその像保持体周面に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像することにより像保持体周面にトナー像を形成し、形成されたトナー像を直接に、あるいは例えば中間転写体を介在させて、最終的に記録媒体上に転写し、そのトナー像を定着部で記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に定着トナー像からなる画像が形成される。
【0003】
画像形成装置内には、例えば、記録媒体の搬送経路における搬送ロールの駆動源や、像保持体の駆動源や、現像装置における現像ロールの駆動源や、転写部における転写ロールの駆動源や、定着部における定着ロールの駆動源などといった各種駆動源が配備されており、従来より、それらの駆動源で発生する音が画像形成装置外に漏れ出ることによる騒音が問題となっている。また、例えば、記録媒体が搬送経路に沿って搬送されるときに発生する摺擦音が画像形成装置外に漏れ出ることによる騒音も問題となっている。
【0004】
このような騒音を低減した画像形成装置として、例えば、繊維状の吸音部材と、吸音部材の略全面を覆う布材の吸音部材カバーとを、記録媒体を搬送する搬送路に臨む開閉ドアの内側に取り付けた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−47569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に提案された画像形成装置によれば、例えば、搬送経路等における各種駆動源で発生する音や、記録媒体が搬送経路に沿って搬送されるときに発生する摺擦音などが、開閉ドアの内側に取り付けられた吸音部材によって遮音されることとなるため、それらの音が画像形成装置外に漏れ出ることによる騒音が低減される。ところが、開閉ドアの内側に吸音材を取り付ける必要があるため、部品点数や組立工数が多いといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、静音性に優れるとともに部品点数や組立工数が削減された画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は、
記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
上記画像形成部を内包し、この画像形成部に上記記録媒体を供給する開口が設けられた筐体と、
上記筐体の開口を塞いだ閉状態とこの開口を開放した開状態との間で開閉自在な、その開状態で上記記録媒体が置かれる記録媒体置台と、
音の伝達を阻害する構造を有した、上記記録媒体置台の少なくとも一部を構成した、その記録媒体置台が上記閉状態にある時に上記開口と上記筐体の外部との間を遮る遮音板とを備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、本発明にいう記録媒体置台における「塞いだ」とは、上記開口を完全に塞いだ形態に限らず、その開口を完全に塞ぐことなく覆う程度に塞いだ形態も意味する。
【0009】
本発明の画像形成装置は、音の伝達を阻害する構造を有した遮音板が、上記記録媒体置台が上記閉状態にある時に上記開口と上記筐体の外部との間を遮るものであるため、その閉状態にある時に、駆動源で発生する音や、記録媒体が搬送経路に沿って搬送されるときに発生する摺擦音などが、その遮音板によって遮音されることとなる。従って、本発明の画像形成装置によれば、それらの音が画像形成装置外に漏れ出ることによる騒音が低く、静音性に優れる装置が実現される。さらに、本発明の画像形成装置は、その遮音板が記録媒体置台の少なくとも一部を構成したものであるため、装置の組み立て時には記録媒体置台として1部品に含まれており、例えば吸音材を開閉ドアの内側に取り付けるといった従来の技術に比して部品点数や組立工数が削減される。
【0010】
ここで、上記本発明の画像形成装置は、上記画像形成部が、トナーで像を形成し、この像を最終的に記録媒体上に転写し、この像をその記録媒体上に定着させるものであることが好ましい。
【0011】
上記トナーで像を形成する箇所や、この像を記録媒体上に転写する箇所や、この像を記録媒体上に定着させる箇所は、例えば、周面にトナー像を保持するロール状の像保持体の駆動源や転写ロールの駆動源や駆動ロールの駆動源などといった複数の駆動源を有しているた。そのため、このような好ましい形態によれば、それら複数の駆動源で発生する音が画像形成装置外に漏れ出ることによる騒音が低い。
【0012】
また、上記本発明の画像形成装置は、上記遮音板が、上記構造として、音を吸収する吸音材とこの吸音材を内包した外壁とからなる第1の構造および大気圧よりも低い気圧の空隙を内包した外壁からなる第2の構造のうちの少なくとも一方の構造を有することがさらに好ましい。
【0013】
このような好ましい形態によれば、上記吸音材や上記空隙によって、上述した各種駆動源で発生する音や、記録媒体が搬送経路に沿って搬送されるときに発生する摺擦音などが、効率良く遮音されることとなるため、それらの音が画像形成装置外に漏れ出ることによる騒音が低い。
【0014】
また、上記本発明の画像形成装置は、上記記録媒体置台が、互いに固有振動数が異なる、互いに押し付け合わされた複数の上記遮音板を有するものであることも好ましい形態である。
【0015】
このような好ましい形態によれば、複数の上記遮音板による共振が防止され、減衰効果が得られるため、より一層の騒音低減を図ることができる。
【0016】
さらに、上記本発明の画像形成装置は、上記記録媒体置台が、複数の上記遮音板と、それら複数の遮音板の相互間を支える、振動の伝達を阻害する阻害材料からなる振動阻害部材とを有するものであることも好ましい形態である。
【0017】
このような好ましい形態によれば、振動の伝播が抑制されるため、より一層の騒音低減を図ることができるとともに、装置の振動に起因する騒音も抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、静音性に優れるとともに部品点数や組立工数が削減された画像形成装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態の内部構成図であり、図2は、図1に示す画像形成装置1を前面斜め上から見た外観斜視図である。
【0021】
この画像形成装置1には、図1に示すように、筐体10内に感光体ドラム110が内包され、例えばB5サイズの用紙やA4サイズの用紙に代表される定形サイズの用紙が収容される用紙カセット20が2つ内包されている。また、図1,図2に示す画像形成装置1には、例えば上記定形サイズの用紙の他、はがきやOHPシート等といった特異サイズや特異種類の用紙もセット可能な手差しトレイ30が備えられている。
【0022】
図1に示す感光体ドラム110は所定方向に回転するものであって、画像形成装置1には、この感光体ドラム110の表面に接するように設けられた転写ロール120も備えられている。図1に示す画像形成装置1における、感光体ドラム110と転写ロール120が接する領域が転写領域50である。用紙カセット20に収容された用紙や手差しトレイ30に載置された用紙は、各種のロールによって用紙搬送路60に沿ってこの転写領域50に向けて搬送される。
【0023】
また、図1,図2に示すに示すように、筐体10の、ユーザが画像形成装置を使用する際に向かって左側の側面11には、手差しトレイ30にセットされた用紙を転写領域50に向けて供給する開口10aが設けられている。この筐体10は、本発明にいう筐体の一例に相当するものであり、この開口10aは、本発明にいう開口の一例に相当するものである。
【0024】
また、図1,図2に示すに示すように、手差しトレイ30は、固定トレイ301と、固定トレイ301に収納自在な第1延長トレイ302と、第1延長トレイ302に収納自在な第2延長トレイ303とから構成されている。そして、この手差しトレイ30は、筐体10の開口10aを塞いだ閉状態とその開口10aを開放した開状態との間で矢印A方向に開閉自在となるように、回転軸300を介して筐体10に取り付けられている。尚、図1,図2には、筐体10の開口10aを開放して開状態とされるとともに、第1延長トレイ302および第2延長トレイ303を延長した状態の手差しトレイ30が示されており、この開状態で手差しトレイ30上に用紙が置かれ、その用紙が転写領域50に向けて供給可能となる。この手差しトレイ30は、本発明にいう記録媒体置台の一例に相当するものである。
【0025】
図1に示す感光体ドラム110の周囲には、帯電器、露光器、および現像装置等が配備されているが、ここでは図示省略されている。ドラム状の感光体ドラム110の表面は、帯電器によって一様に帯電された後、露光器によって画像の情報を担持した露光光が露光されて感光体ドラム110の表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム110の表面に形成された静電潜像は、現像装置によって現像されてトナー像となる。このトナー像は、用紙カセット20あるいは手差しトレイ30から供給されて、用紙搬送路60に沿って転写領域50に送り込まれてきた用紙上に転写される。また、図1に示す画像形成装置1には、未定着トナー像を用紙に定着させる定着器130も配備されており、転写領域50においてトナー像の転写を受けた用紙は、用紙搬送路60に沿ってこの定着器130に送り込まれ、用紙上にトナー像が定着され、用紙上に定着トナー像からなる画像が形成される。図1に示した感光体ドラム110、転写ロール120、定着器130、および図示を省略した帯電器、露光器、現像装置は、本発明にいう画像形成部の一例を構成している。
【0026】
また、図1に示す画像形成装置1には、画像形成が行われた後の用紙が積載される積載トレイ40、および搬送されてきた用紙を積載トレイ40に向けて排出する排出部140が備えられている。定着トナー像からなる画像が形成された用紙は、各種のロールによって用紙搬送路60に沿って搬送されて排出部140に送り込まれ、排出部140から積載トレイ40に向けて排出され、積載トレイ40上に積載される。
【0027】
以下、手差しトレイ30について詳しく説明する。
【0028】
図3は、図1,図2に示す筐体10の開口10aを塞いで閉状態となった手差しトレイ30の縦断面図である。
【0029】
図3には、第2延長トレイ303が第1延長トレイ302に収納され、この第1延長トレイ302が固定トレイ301に収納された状態の、回転軸300を介して筐体10に取り付けられた手差しトレイ30が、筐体10の開口10aを塞いだ閉状態となった図が示されており、このような閉状態となった手差しトレイ30は、筐体10から突出することなく開口10a内に収納される。
【0030】
また、図2,図3に示すように、画像形成装置1には、手差しトレイ30の一部として構成された4つの遮音板3011,3012,3013,3021が、手差しトレイ30が筐体10の開口10aを塞いだ閉状態にある時にその開口10aとその筐体10の外部との間を遮るように備えられている。尚、この4つの遮音板3011,3012,3013,3021のうちの3つの遮音板3011,3012,3013は固定トレイ301の一部として構成されている。また、もう1つの遮音板3021は第1延長トレイ302の一部として構成されている。また、この4つの遮音板3011,3012,3013,3021それぞれは、音を吸収する吸音材31とこの吸音材31を内包した外壁32とからなる構造を有している。この遮音板3011,3012,3013,3021は、本発明にいう遮音板の一例に相当するものである。
【0031】
第1実施形態の画像形成装置1によれば、例えば、用紙搬送路60における各種のロールの駆動源や、感光体ドラム110の駆動源や、転写ロール120の駆動源や、定着器130における定着ロールの駆動源などといった各種駆動源で発生する音、あるいは用紙が用紙搬送路60に沿って搬送されるときに発生する摺擦音などが、手差しトレイ30が閉状態にある時に、手差しトレイ30の一部として構成された4つの遮音板3011,3012,3013,3021それぞれの吸音材31によって遮音される。従って、第1実施形態の画像形成装置1は、手差しトレイ30を閉状態とし、用紙カセット20から供給された用紙に画像を形成する場合に、上述した種々の音が画像形成装置1外に漏れ出ることによる騒音が低く、静音性に優れる。
【0032】
さらに、第1実施形態の画像形成装置1における、遮音板3011,3012,3013,3021それぞれの外壁32は、例えばブロー成型などといった周知の技術によって手差しトレイ30と一体に容易に形成することができるため、装置の組み立て時には手差しトレイ30として1部品に含まれており、例えば吸音材を開閉ドアの内側に取り付けるといった従来の技術に比して部品点数や組立工数が削減される。
【0033】
以上で、本発明の第1実施形態の説明を終了し、本発明の第2実施形態について説明する。
【0034】
尚、以下説明する第2実施形態は、上述した第1実施形態の画像形成装置1における手差しトレイ30を、この手差しトレイ30とは構成の異なる手差しトレイ70に置き換えたものである。
【0035】
以下、第1実施形態における要素と同じ要素については同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0036】
図4は、第2実施形態における、筐体10の開口10aを塞いで閉状態となった手差しトレイ70の縦断面図である。
【0037】
この図4に示す手差しトレイ70は、固定トレイ701と、固定トレイ701に収納自在な第1延長トレイ702と、第1延長トレイ702に収納自在な第2延長トレイ703とから構成されている。そして、この手差しトレイ70は、筐体10の開口10aを塞いだ閉状態とその開口10aを開放した開状態との間で開閉自在に配備されている。尚、図4には、第2延長トレイ703が第1延長トレイ702に収納され、この第1延長トレイ702が固定トレイ701に収納された状態の、回転軸700を介して筐体10に取り付けられた手差しトレイ70が、筐体10の開口10aを塞いだ閉状態となった図が示されており、このような閉状態となった手差しトレイ70は、筐体10から突出することなく開口10a内に収納される。この手差しトレイ70は、本発明にいう記録媒体置台の一例に相当するものである。
【0038】
また、図4には、手差しトレイ70の一部として、手差しトレイ70が筐体10の開口10aを塞いだ閉状態にある時にその開口10aとその筐体10の外部との間を遮るように構成された4つの遮音板7011,7012,7013,7021が示されている。尚、この4つの遮音板7011,7012,7013,7021のうちの3つの遮音板7011,7012,7013は固定トレイ701の一部として構成されている。また、もう1つの遮音板7021は第1延長トレイ702の一部として構成されている。また、この4つの遮音板7011,7012,7013,7021それぞれは、真空引きされた空隙71を内包した外壁72からなる構造を有している。この遮音板7011,7012,7013,7021は、本発明にいう遮音板の一例に相当するものである。
【0039】
第2実施形態の画像形成装置によれば、例えば、用紙搬送路60における各種のロールの駆動源や、感光体ドラム110の駆動源や、転写ロール120の駆動源や、定着器130における定着ロールの駆動源などといった各種駆動源で発生する音、あるいは用紙が用紙搬送路60に沿って搬送されるときに発生する摺擦音などが、手差しトレイ70が閉状態にある時に、手差しトレイ70の一部として構成された4つの遮音板7011,7012,7013,7021それぞれの、真空引きされた空隙71によって遮音される。従って、第2実施形態の画像形成装置は、上述した第1実施形態の画像形成装置1と同様に、手差しトレイ70を閉状態とし、用紙カセット20から供給された用紙に画像を形成する場合に、上述した種々の音が画像形成装置外に漏れ出ることによる騒音が低く、静音性に優れる。
【0040】
さらに、図4に示す手差しトレイ70の、第1延長トレイ702の一部として構成された遮音板7021の外壁72には2つの凸部721が形成されており、この凸部721は、固定トレイ701の一部として構成された3つの遮音板7011,7012,7013のうちの中央の遮音板7012の外壁72に押し付けられている。また、遮音板7021の外壁72は高密度のガラス系材料によって形成されており、他の3つの遮音板7011,7012,7013の外壁72は、遮音板7021の外壁72とは異なる固有振動数を有する高密度のガラス系材料によって形成されている。
【0041】
そのため、4つの遮音板7011,7012,7013,7021による共振が防止され、減衰効果が得られるため、高い騒音低減効果がある。
【0042】
以上で、本発明の第2実施形態の説明を終了し、本発明の第3実施形態について説明する。
【0043】
尚、以下説明する第3実施形態は、上述した第1実施形態の画像形成装置1における手差しトレイ30を、この手差しトレイ30とは構成の異なる手差しトレイ80に置き換えたものである。
【0044】
以下、第1実施形態における要素と同じ要素については同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0045】
図5は、第3実施形態における、筐体10の開口10aを塞いで閉状態となった手差しトレイ80の縦断面図である。
【0046】
図5に示すように、手差しトレイ80は、固定トレイ301と、固定トレイ301に収納自在な第1延長トレイ302と、第1延長トレイ302に収納自在な第2延長トレイ303とから構成されている。尚、図5には、第2延長トレイ303が第1延長トレイ302に収納され、この第1延長トレイ302が固定トレイ301に収納された状態の、回転軸800を介して筐体10に取り付けられた手差しトレイ80が、筐体10の開口10aを塞いだ閉状態となった図が示されており、このような閉状態となった手差しトレイ80は、筐体10から突出することなく開口10a内に収納される。この手差しトレイ80は、本発明にいう記録媒体置台の一例に相当するものである。
【0047】
また、図5に示す手差しトレイ80の、固定トレイ301の一部として構成された4つの遮音板3011,3012,3013,3021のうちの3つの遮音板3011,3012,3013の外壁32の相互間は、振動の伝達を阻害する、例えば発砲ゴムからなる振動阻害部材81によって支えられている。この発砲ゴムは、本発明にいう阻害材料の一例に相当するものであり、この振動阻害部材81は、本発明にいう振動阻害部材の一例に相当するものである。
【0048】
また、図5に示す手差しトレイ80の、筐体10に対する取り付け部分である回転軸800には、振動の伝達を阻害する、例えばダンパ82が組み込まれている。
【0049】
そのため、振動阻害部材81やダンパ82によって振動の伝播が抑制されるため、高い騒音低減効果があり、装置の振動に起因する騒音も抑制される。
【0050】
以上で、本発明の第3実施形態の説明を終了し、本発明の第4実施形態について説明する。
【0051】
尚、以下説明する第4実施形態の画像形成装置2は、上述した第1実施形態の画像形成装置1における手差しトレイ30を、この手差しトレイ30とは異なる取り付け方法で配備される手差しトレイ30’に置き換えたものである。尚、この手差しトレイ30’は、図1〜図3を参照して説明した手差しトレイ30と、取り付け方法を除いて同様に構成されている。
【0052】
以下、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0053】
図6は、本発明の第4実施形態を正面から見た外観図である。
【0054】
図6に示す画像形成装置2の筐体90には、感光体ドラム110(図1参照)、転写ロール120(図1参照)、定着器130(図1参照)、用紙カセット20(図1参照)、および用紙搬送路60などが内包されている。また、この筐体90の、ユーザが画像形成装置を使用する際に向かって左側の側面91には、外付けの手差しトレイ30’を着脱自在に取り付ける取付部91aが設けられている。尚、図6には、手差しトレイ30’がその取付部91aに取り付けられた状態が示されており、この状態で、手差しトレイ30’は筐体90から突出する。また、筐体10の取付部91aの上部には、手差しトレイ30’にセットされた用紙を用紙搬送路60に向けて供給する開口90aが設けられている。この筐体90は、本発明にいう筐体の一例に相当するものであり、この開口90aは、本発明にいう開口の一例に相当するものである。
【0055】
また、筐体90の取付部91aに取り付けられた手差しトレイ30’は、筐体90の開口90aを塞いだ閉状態とその開口90aを開放した開状態との間で開閉自在なものである。尚、その閉状態における「開口90aを塞いだ」とは、図6に示すように、その開口90aを覆う程度に塞ぐことを意味する。この手差しトレイ30’は、本発明にいう記録媒体置台の一例に相当するものである。
【0056】
このように、筐体10から突出して着脱自在に取り付けられた外付けの手差しトレイ30であっても、この手差しトレイ30を閉状態とし、用紙カセット20から供給された用紙に画像を形成する場合に、上述した種々の音が画像形成装置2外に漏れ出ることによる騒音が低く、静音性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1実施形態の内部構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置を前面斜め上から見た外観斜視図である。
【図3】図1,図2に示す筐体の開口を塞いで閉状態となった手差しトレイの縦断面図である。
【図4】第2実施形態における、筐体の開口を塞いで閉状態となった手差しトレイの縦断面図である。
【図5】第3実施形態における、筐体の開口を塞いで閉状態となった手差しトレイの縦断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態を正面から見た外観図である。
【符号の説明】
【0058】
1,2 画像形成装置
10,90 筐体
11,91 側面
10a,90a 開口
91a 取付部
110 感光体ドラム
120 転写ロール
130 定着器
20 用紙カセット
30,70,80,30’ 手差しトレイ
300,700,800 回転軸
301,701 固定トレイ
302,702 第1延長トレイ
303,703 第2延長トレイ
3011,3012,3013,3021,7011,7012,7013,7021 遮音板
31 吸音材
71 空隙
32,72 外壁
721 凸部
81 振動阻害部材
82 ダンパ
40 積載トレイ
140 排出部
50 転写領域
60 用紙搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を内包し、該画像形成部に前記記録媒体を供給する開口が設けられた筐体と、
前記筐体の開口を塞いだ閉状態と該開口を開放した開状態との間で開閉自在な、該開状態で前記記録媒体が置かれる記録媒体置台と、
音の伝達を阻害する構造を有した、前記記録媒体置台の少なくとも一部を構成した、該記録媒体置台が前記閉状態にある時に前記開口と前記筐体の外部との間を遮る遮音板とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部が、トナーで像を形成し、該像を最終的に記録媒体上に転写し、該像を該記録媒体上に定着させるものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記遮音板が、前記構造として、音を吸収する吸音材と該吸音材を内包した外壁とからなる第1の構造および大気圧よりも低い気圧の空隙を内包した外壁からなる第2の構造のうちの少なくとも一方の構造を有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録媒体置台が、互いに固有振動数が異なる、互いに押し付け合わされた複数の前記遮音板を有するものであることを特徴とする請求項1、2または3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記録媒体置台が、複数の前記遮音板と、それら複数の遮音板の相互間を支える、振動の伝達を阻害する阻害材料からなる振動阻害部材とを有するものであることを特徴とする請求項1、2または3記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−40555(P2009−40555A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207942(P2007−207942)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】