説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の内部を冷却する気体移送装置の駆動時の騒音を、部品点数を増やすことなく低減すること。
【解決手段】開口(1)と、気体を移送する第1の気体移送装置(2)と、気体を移送して画像形成装置本体(U1)の内部を冷却する第2の気体移送装置(4,7)と、開口(1)を覆う開口覆い位置と開口(1)を外部に露出させる開口開放位置との間で開閉可能である開閉部材(U1a)と、開放を検知する開閉検出器(SN1)と、検出結果に基づいて開閉部材(U1a)が開口覆い位置に移動している場合に第1の気体移送装置(2)および第2の気体移送装置(4,7)を駆動すると共に、開閉部材(U1a)が開口開放位置に移動している場合に第1の気体移送装置(2)を停止し且つ第2の気体移送装置(4,7)を駆動する気体移送装置制御手段(C4)とを備えた画像形成装置(U)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、画像形成装置の内部を冷却しつつ騒音の漏れを防止する技術として、特許文献1記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2005−43731号公報には、記録材が載置可能な作動位置と、装置本体に収容された収容位置とに移動可能な手差し給紙皿(100)を有する画像形成装置において、前記手差し給紙皿(100)近傍に冷却風を通す通気開口(110A)、および、該通気開口(110)を開閉するシャッタ(108)を設け、前記手差し給紙皿(100)が前記作動位置にあるときには、前記通気開口(110A)を塞ぎ、収納位置にあるときには、前記通気開口(110A)を開放するように前記シャッタ(108)を前記手差し給紙皿(100)に連動させることが記載されている。
【0003】
特許文献1の電子写真式の画像形成装置では、前記手差し給紙皿(100)が前記作動位置にある場合、手差し給紙部から冷却風を導入することで機内温度上昇が防止されており、また、前記通気開口(110A)が前記シャッタ(108)に塞がれることで前記通気開口(110A)から騒音の漏れが防止されている。
前記手差し給紙皿(100)が前記収容位置にある場合、前記シャッタ(108)は開放され、且つ、前記手差し給紙皿(100)で閉じられることで、前記手差し給紙皿(100)で騒音の漏れを防止すると共に、前記手差し給紙皿(100)の隙間を通じて、前記通気開口(110A)から冷却風が機内に導入され、機内温度上昇が防止される。
【0004】
【特許文献1】特開2005−43731号公報(「0014」、「0057」〜「0059」、「0061」図2、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、画像形成装置の内部を冷却する気体移送装置の駆動時の騒音を、部品点数を増やすことなく低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の画像形成装置は、
画像形成装置本体の外部に露出して形成された開口と、
前記開口を通じて気体を移送する第1の気体移送装置と、
前記画像形成装置本体の内部に配置され前記画像形成装置本体の内部の気体を移送して前記画像形成装置本体の内部を冷却する第2の気体移送装置と、
前記開口の外側に配置されて、前記開口を覆う開口覆い位置と前記開口を外部に露出させる開口開放位置との間で開閉可能に前記画像形成装置本体に支持された開閉部材と、
前記開閉部材の開放を検知する開閉検出器と、
前記開閉検出器の検出結果に基づいて、前記開閉部材が前記開口覆い位置に移動している場合に前記第1の気体移送装置および前記第2の気体移送装置を駆動すると共に、前記開閉部材が前記開口開放位置に移動している場合に前記第1の気体移送装置を停止し且つ前記第2の気体移送装置を駆動する気体移送装置制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
媒体が収容され且つ前記画像形成装置本体の内部に配置された媒体収容部と、
前記媒体収容部の外端部に形成され且つ前記画像形成装置本体の外部に露出して形成された収容部開口と、
前記開口を覆い且つ前記収容部開口を閉じる前記開口覆い位置と、前記開口を外部に露出させ且つ前記収容部開口を開放し、前記媒体収容部に媒体を収容可能にさせる前記開口開放位置との間で開閉可能に移動する前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比して、画像形成装置の内部を冷却する気体移送装置の駆動時の騒音を、部品点数を増やすことなく低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、媒体収容部を開閉する開閉部材の開閉に連動して第1の気体移送装置を駆動、および、停止させることができ、開閉部材が開口開放位置に移動した場合に、開放されている収容部開口を通じて内部に気体を吸気して、冷却することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の手差しカバーが収納された状態の全体説明図である。
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の手差しカバーが開放された状態の全体説明図である。
図1、図2において、実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像形成装置本体の一例としてのプリンタ本体U1と、前記プリンタ本体U1に対して着脱可能に支持された着脱式現像剤保持体ユニットの一例としてのプロセスカートリッジU2と、定着ユニットU3、および、媒体反転装置U4とを有する。
【0011】
前記プリンタ本体U1は制御部の一例としてのコントローラC、前記コントローラCにより作動を制御される画像処理部IPS、潜像形成装置駆動回路の一例としてのレーザ駆動回路DL、および、電源装置E等を有している。前記電源装置Eは、後述の帯電装置CC、現像剤保持体の一例としての現像ロールGa、および、転写部材の一例としての転写ロールTr等にバイアス電圧を印加する。
前記画像処理部IPSは、外部の画像情報送信装置の一例としてのホストコンピュータ等から入力された画像情報を潜像形成用の情報に変換して、予め設定された時期に前記レーザ駆動回路DLに出力する。前記レーザ駆動回路DLは、入力された情報に応じて潜像書込信号の一例としてのレーザ駆動信号を潜像形成装置ROSに出力する。
【0012】
前記プロセスカートリッジU2は、回転駆動する像保持体PR、前記帯電装置CC、像保持体清掃器の一例としてのクリーナCL、現像容器V、および、現像剤補給容器の一例としてのトナー補給容器THを有している。前記トナー補給容器TH内には、補給用の現像剤の一例としてのトナーが収容されており、トナーは撹拌部材TH1により撹拌され、現像剤補給口の一例としてのトナー補給口TH2から現像容器Vに補給される。前記現像容器V内部には前記現像ロールGaと、補給された現像剤を撹拌しながら循環搬送する一対の循環撹拌部材Gb,Gcと、前記循環撹拌部材Gb,Gcで撹拌されたトナーを前記現像ロールGaに搬送する現像剤搬送部材の一例としての搬送ロールGdとが回転可能に支持されている。
【0013】
回転する前記像保持体PRの表面は、帯電領域Q1において前記帯電装置CCにより帯電され、潜像書込位置Q2において前記潜像書込装置ROSから出射する潜像書込光の一例としてのレーザビームLにより静電潜像が書き込まれる。前記静電潜像は現像領域Q3において前記現像ロールGaによりトナー像に現像され、前記像保持体PR、および、前記転写ロールTrとの圧接領域により形成される転写領域Q4において前記転写ロールTrにより媒体Sに転写される。前記像保持体PR表面の残留トナーは、転写領域Q4の下流側の清掃領域の一例としてのクリーニング領域Q5において像保持体清掃部材の一例としてのクリーニングブレードCBにより除去され、前記クリーナCLに回収される。
なお、前記クリーニングブレードCBの対向する側には現像剤漏出防止部材の一例としてのフィルムシールFSが設けられており、前記フィルムシールFSは前記クリーナCL内に回収されたトナーが外にこぼれ出るのを防止する。
【0014】
前記プリンタ本体U1の下部の給紙用媒体収容部材の一例としての給紙トレイTR1から、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRp1により取出された媒体Sは、媒体分離部材の一例としてのリタードロール、および、給紙部材の一例としての給紙ロールを有するさばき部材の一例としてのさばきロールRs1により1枚づつ分離される。
前記さばきロールRs1に1枚ずつ分離された媒体Sは、媒体搬送路SH1に沿って配置された媒体搬送部材の一例としての媒体搬送ロールRa1により転写領域搬送路SH2に搬送され、前記転写領域搬送路SH2に配置された媒体送り部材の一例としてのレジロールRrにより予め設定された時期に、前記転写領域Q4に搬送される。
【0015】
前記給紙トレイTR1と、前記プロセスカートリッジU2との間には、媒体収容部の一例としての手差し給紙トレイTR2が設けられている。
前記手差し給紙トレイTR2は、後下方向に傾斜する手差し給紙積載部本体の一例としての手差し給紙トレイ本体TR2aを有し、前記手差し給紙トレイ本体TR2aの後端には給紙積載部昇降板の一例としての昇降プレートTR2bが昇降軸TR2cを中心に回転可能に支持されている。前記昇降プレートTR2bの下面と、前記手差し給紙トレイ本体TR2aとの間には、昇降板付勢部材の一例としての昇降板付勢バネSpが配置されており、前記昇降板付勢バネSpは前記昇降プレートTR2bを上方に付勢している。前記昇降プレートTR2bは、図示しない昇降部材で非給紙時は下方に押さえつけられており、給紙時に昇降部材の押し付けが解除され、前記昇降板付勢バネSpのバネ力で上方に移動する。前記昇降プレートTR2bの上方には手差し媒体取出し部材の一例としての手差し給紙ロールRp2が配置されており、前記手差し給紙ロールRp2の搬送方向下流側に対向して手差し用媒体分離部材の一例としての手差しリタードロールRs2が配置されている。
【0016】
また、前記手差し給紙トレイTR2の前方の前記プリンタ本体U1の前側壁には、収容部開口の一例としての手差し給紙口TR2dが形成されている。前記手差し給紙口TR2dは、下端部が開閉部材回転軸の一例としての給紙カバー回転軸U1bを中心に回転可能に支持された開閉部材の一例としての手差しカバーU1aにより開放、閉塞される。
前記手差しカバーU1aは、前記手差し給紙トレイ本体TR2aに媒体Sを追加したり、取出し、または、交換等をしたり、大判の媒体Sの搬送方向後部を支持する場合に前記手差し給紙口TR2dを開放する図2に示す開口開放位置の一例としての開放位置と、前記手差し給紙口TR2dが閉塞される図1に示す開口覆い位置の一例としての閉塞位置との間を移動可能に構成されている。
【0017】
図2において、前記手差し給紙トレイTR2から給紙される場合、まず、前記手差しカバーU1aが開放位置に移動され、媒体Sの束が前記手差し給紙トレイTR2に搬入される。給紙が開始されると、前記昇降プレートTR2bが上昇して、前記昇降プレートTR2bに積載された媒体Sの搬送方向前側最上面が前記手差し給紙ロールRp2に接触する。そして、前記手差し給紙ロールRp2の回転に伴って、媒体Sが搬送され、前記手差しリタードロールRs2で1枚づつ分離され、手差し搬送路SH3の手差し給紙搬送部材の一例としての手差し給紙搬送ロールRa2により前記転写領域搬送路SH2に搬送され、前記レジロールRrによりタイミングが調整されて、前記転写領域Q4に搬送される。
【0018】
前記転写領域Q4において、前記コントローラCにより動作が制御される前記電源装置Eから転写バイアスが印加される前記転写ロールTrは、前記転写領域Q4を通過する媒体Sに対し、前記像保持体PR上のトナー像を転写する。
前記転写領域Q4でトナー像が転写された媒体Sは、トナー像が未定着の状態で前記定着ユニットU3に搬送される。前記定着ユニットU3は一対の定着部材の一例としての定着ロールFh,Fpからなる定着装置Fを有し、一対の前記定着ロールFh,Fpの接触領域によって定着領域Q6が形成される。したがって、前記定着ユニットU3に搬送された媒体Sは、定着領域Q6において前記定着装置Fの一対の前記定着ロールFh,Fpによりトナー像が定着される。
【0019】
前記定着ユニットU3で定着トナー像が形成された媒体Sは、媒体排出路SH4に搬送される。媒体Sは、前記媒体排出路SH4に配置された媒体案内部材の一例としてのシートガイドSG1,SG2によって案内され、前記媒体排出路SH4の下流端に形成された媒体排出口Exiの右方に配置された媒体排出部材の一例としての排出ロールR1から、排出媒体積載部の一例としての排出トレイTRhに排出される。前記シートガイドSG1には、媒体Sが前記媒体排出路SH4を通過することを判定する媒体検出器の一例であるフォトセンサPSが配置されている。
【0020】
また、実施例1の排出トレイTRhは、前記プリンタ本体U1の上部を被覆し、且つ、媒体Sが上面に積載される排出媒体積載部材本体の一例としてのトレイカバーTC1を有する。
前記トレイカバーTC1は、前記プリンタ本体U1に回転中心TC1aを中心に回転可能に支持されており、前記プリンタ本体U1の上部が開放されて前記プロセスカートリッジU2を着脱可能なトレイ開放位置と、前記プリンタ本体U1の上部が閉塞された図1に示すトレイ閉塞位置との間を移動可能に構成されている。また、実施例1の排出トレイTRhは、前記トレイカバーTC1の前方に連続的に配置され、且つ、前記プリンタ本体U1に固定支持され、大判の媒体Sの搬送方向前端を支持可能な延長支持部TC2を有する。
【0021】
また、両面印刷が行われる場合には、媒体Sの搬送方向後端が前記排出ロールR1に挟まれた状態で搬送路切り替え部材の一例である切り替えゲートGT1が切り替えられ、前記排出ロールR1が逆回転駆動することで、媒体Sが本体反転搬送路SH5に搬送され、前記本体反転搬送路SH5を搬送された媒体Sは、媒体反転装置U4の媒体反転装置反転路SH6に搬送される。前記媒体反転装置反転路SH6に搬送された媒体Sは、前記媒体反転装置搬送路SH6に配置された反転路搬送部材の一例としての媒体反転装置搬送ロールRa3によって搬送され、前記レジロールRrに再送される。
【0022】
(冷却機構の説明)
図1、図2において、前記プリンタ本体U1は、前記延長支持部TC2の右部より上下方向下方に延びる右端壁TC2aを有している。
前記右端壁TC2aの上部には、開口の一例であり、補助気体移送装置用吸気口の一例としてのサブファン用吸気口1が形成されており、前記右端壁TC2aの左側面には、前記サブファン用吸気口1から空気を吸引する第1の気体移送装置の一例であり、補助気体移送装置の一例としてのサブファン2が支持されている。
前記右端壁TC2aの右方には、閉塞位置に移動した前記手差しカバーU1aが収容される閉塞部材収容空間の一例としてのカバー収容空間TC2bが形成されている。
また、前記右端壁TC2aの右側面の上下方向中央部には、前記手差しカバーU1aの開閉を検出する開閉検出器の一例としてのカバー開閉センサSN1が配置されている。前記カバー開閉センサSN1は、従来公知の接触式のセンサや光センサを使用可能であり、詳細な説明を省略する。
【0023】
前記プリンタ本体U1の後端壁U1cの上下方向中央部には、主排気口の一例としての本体排気口3が形成されており、前記本体排気口3の内側には第2の気体移送装置の一例であり、主気体移送装置の一例としてのメインファン4が配置されている。
前記媒体反転装置U4の複数の反転装置後端壁通気口U4bが形成された媒体反転装置後端壁U4aの上部には、反転装置用気体移送装置支持部の一例としての反転用ファン支持部6が形成されており、前記反転用ファン支持部6には、第2の気体移送装置の一例であり、反転装置用気体移送装置の一例としての反転用ファン7が支持されている。
【0024】
図1において、前記手差しカバーU1aが閉塞位置に移動し、前記メインファン4、前記反転用ファン7、および、前記サブファン2が駆動している場合、前記プリンタUの外部の空気が、サブファン用吸気口1を通じて、前記サブファン2より吸引される。
前記サブファン2から吸引された空気は、前記メインファン4と前記サブファン2とにより、図1に示すように前記トレイカバーTC1と前記プロセスカートリッジU2との間を通過して、前記クリーナCLを冷却し、前記転写ロールTr近傍を通じて、前記メインファン4に至る矢印Ya1の向きに流れるように空気流路が構成されている。すなわち、実施例1の前記プリンタUでは、熱源である前記定着装置Fと前記クリーナCLとの間に前記矢印Ya1の向きに流れる空気により、いわゆるエアカーテンを形成し、前記クリーナCLが加熱されることを低減している。
【0025】
さらに、前記サブファン2から吸引された空気は、前記トナー補給容器THと前記現像容器Vとの間の前記レーザビームLの通路を通じて前記像保持体PRを通過して、前記像保持体PRと前記クリーニングブレードCBとを冷却し、前記メインファン4に至る矢印Ya2の向きに流れるように空気流路が構成されている。
前記メインファン4に到達した空気は、前記媒体反転装置反転路SH6の隙間を通じて、矢印Ya3と矢印Ya4の向きに流れ、前記媒体反転装置反転路SH6を冷却しつつ、前記プリンタUの外部へ排気されるように前記プリンタUの内部が構成されている。
【0026】
また、実施例1の前記プリンタUでは、前記メインファン4、前記反転用ファン7の駆動により、図1に示すように前記媒体排出口Exiから空気が吸引され、前記定着ユニットU3の前記フォトセンサPSの部分を通過して、前記シートガイドSG1と前記フォトセンサPSとを冷却し、前記メインファン4に至る矢印Ya6の向きに流れるように空気路が構成されている。さらに、実施例1の前記プリンタUでは、前記媒体排出口Exiから吸引された空気が前記シートガイドSG2を冷却しつつ、前記本体反転搬送路SH5、前記媒体反転装置反転路SH6を通じて、前記反転用ファン7に至る矢印Ya7の向きに流れるように空気流路が構成されている。
前記媒体反転装置反転路SH6に到達した空気は、前記媒体反転装置反転路SH6の隙間から矢印Ya8の向きに流れ、前記媒体反転装置反転路SH6を冷却しつつ前記プリンタUの外部へ排気されるように前記プリンタUの内部が構成されている。
【0027】
図2において、前記手差しカバーU1aが開放位置に移動し、前記メインファン4と前記反転用ファン7とが駆動している場合、前記プリンタUの外部の空気が、開放されている前記手差し給紙口TR2dや前記サブファン用吸気口1より吸気される。
前記手差し給紙口TR2dより吸気された空気は、前記潜像形成装置ROSと前記手差しトレイTR2との間を通過して前記プロセスカートリッジU2の近傍を通じて、前記像保持体PRを冷却し、前記メインファン4に至る矢印Ya9の向きに流れるように空気流路が構成されている。さらに、前記手差し給紙口TR2dより吸気された空気は、前記トナー補給容器THと前記現像容器Vとの間の前記レーザビームLの通路を通じて前記像保持体PRを通過して、前記像保持体PRと前記クリーニングブレードCBとを冷却し、前記メインファン4に至る矢印Ya11の向きに流れるように空気流路が構成されている。
また、前記サブファン用吸気口1から吸引された空気は、前記手差しカバーU1aが閉塞された場合と同様に前記メインファン4に至る前記矢印Ya1に沿って流れる。
【0028】
なお、図2に示す実施例1の前記手差しカバーU1aが開放位置に移動した場合、空気が前記媒体排出口Exiで吸引され前記プリンタUの外部へ排気されるまでの空気流路の構成は、図1に示す手差しカバーU1aが閉塞位置に移動した場合の空気流路の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0029】
(実施例1の制御部の説明)
図3は本発明の実施例1の画像形成装置の制御部が備えている各機能をブロック図で示した図である。
図3において、実施例1のプリンタUの制御部Cは、いわゆる、マイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力、および、入出力信号レベルの調節等を行う入出力信号調節部の一例としての入出力インターフェース、いわゆる、I/O、必要な処理を実行するためのプログラム、および、データ等が記憶された補助記憶装置の一例としてのリードオンリーメモリ、いわゆる、ROMや、ハードディスクドライブ、いわゆる、HDD、必要なデータを一時的に記憶するためのランダムアクセスメモリ、いわゆる、RAM、前記ROMや、前記HDDに記憶されたプログラムに応じた処理を行う中央演算処理装置、いわゆる、CPU、ならびにクロック発振器等を有する計算機の一例としてのコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0030】
(制御部Cに接続された信号入力要素)
制御部Cには、次の信号出力要素SN1の出力信号が入力されている。
SN1:カバー開閉検出センサ
カバー開閉検出センサSN1は、手差しカバーU1aが、閉塞位置に移動しているか否かを検出し、その検出信号を制御部Cに入力する。
【0031】
(制御部Cに接続された被制御要素)
制御部Cは、次の被制御要素D1〜D4,Eの制御信号を出力している。
D1:主駆動源駆動回路
主駆動源駆動回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を駆動することにより、像保持体PR、現像ロールGa、帯電装置CC、転写ロールTr、定着装置Fの定着ロールFh等を回転駆動する。
D2:メインファン駆動制御回路
主気体移送装置駆動制御回路の一例としてのメインファン駆動制御回路D2は、主気体移送装置駆動源の一例としてのメインファン駆動モータM4を駆動することにより、メインファン4を回転駆動する。
D3:反転用ファン駆動制御回路
反転装置用気体移送装置制御回路の一例としての反転用ファン駆動制御回路D3は、反転装置用気体移送装置駆動源の一例としての反転用ファン駆動モータM7を駆動することにより、反転用ファン7を回転駆動する。
D4:サブファン駆動制御回路
補助気体移送装置制御回路の一例としてのサブファン駆動制御回路D4は、補助気体移送装置駆動源の一例としてのサブファン駆動モータM2を駆動することにより、サブファン2を回転駆動する。
【0032】
E:電源回路
電源回路Eは、現像用電源回路E1、帯電用電源回路E2、転写ロール用電源回路E3、定着用電源回路E4とを有し電源を供給する。
E1:現像用電源回路
現像用電源回路E1は、前記現像ロールGaに現像電圧を印加する。
E2:帯電用電源回路
帯電用電源回路E2は、前記帯電装置CCに帯電電圧を印加する。
E3:転写ロール用電源回路
転写ロール用電源回路E3は、前記転写ロールTrに転写電圧を印加する。
E4:定着用電源回路
定着用電源回路E4は、前記定着装置Fの前記定着ロールFhの加熱定着部材の一例としてのヒータに加熱用の電力を供給する。
【0033】
(制御部Cの機能)
制御部Cは、前記信号入力要素からの出力信号に応じて、前記各被制御要素の動作を制御するためのプログラムにより、次の機能実現手段を有している。
C1:画像形成動作制御手段
画像形成動作制御手段C1は、ホストコンピュータ等の出力信号の入力に応じて、前記帯電装置CC、前記転写ロールTr、前記定着装置F等の動作を制御して、画像形成動作を制御する。
【0034】
C2:主駆動源回転制御手段
主駆動源回転制御手段C2は、前記主駆動源駆動回路D1を介して前記メインモータM1の回転を制御して、前記像保持体PRや前記現像ロールGa、前記定着装置Fの前記定着ロールFhの駆動を制御する。
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、前記電源回路Eの作動を制御して、前記現像ロールGaや前記帯電装置CC、前記転写ロールTr、前記定着装置Fの前記定着ロールFhのヒータ等を制御する電圧、電流の供給を制御する。
【0035】
C4:ファン制御手段
気体移送装置制御手段の一例としてのファン制御手段C4は、メインファン制御手段C4Aと、反転用ファン制御手段C4Bと、サブファン制御手段C4Cとを有する。
前記ファン制御手段C4は、メインファン4、反転用ファン7、および、サブファン2を制御して、プリンタUの外部から内部へ空気を吸入したり、内部の空気を外部に放出したりして、前記プリンタUの内部を冷却する。
【0036】
C4A:メインファン制御手段
主気体移送装置制御手段の一例としてのメインファン制御手段C4Aは、前記メインファン駆動制御回路D2を介して、前記メインファン4の駆動、および、停止を制御して、前記プリンタ本体U1の内部に空気を吸引させたり、空気を外部に放出させる。
C4B:反転用ファン制御手段
反転装置用気体移送装置制御手段の一例としての反転用ファン制御手段C4Bは、前記反転用ファン駆動制御回路D3を介して、前記反転用ファン7の駆動、および、停止を制御して、前記プリンタUの内部に空気を吸引させたり、前記プリンタUの内部の空気を外部に放出させる。
【0037】
C4C:サブファン制御手段
補助気体移送装置制御手段の一例としてのサブファン制御手段C4Cは、カバー開閉判別手段C4C1を有し、前記サブファン駆動制御回路D4を介して、前記サブファン2の駆動、および、停止を制御して、前記プリンタ本体U1の外部から内部へ空気を吸引させる。
実施例1のサブファン制御手段C4Cは、前記手差しカバーU1aが開放位置に移動している場合に、前記サブファン2を駆動させ、前記手差しカバーU1aが閉塞位置に移動している場合に、前記サブファン2の駆動を停止させる。
C4C1:カバー開閉判別手段
開閉部開閉判別手段の一例としてのカバー開閉判別手段C4C1は、前記カバー開閉検出センサSN1の検出結果に基づき、前記手差しカバーU1aの開閉を判別する。
実施例1のカバー開閉判別手段C4C1は、カバー開閉検出センサSN1の検出結果に基づいて、前記手差しカバーU1aが閉塞位置に移動したか否かを判別する。
【0038】
(画像形成装置のフローチャートの説明)
(ファン制御)
図4は本発明の実施例1の画像形成装置での気体移送装置制御処理のフローチャートである。
図4のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、プリンタUのROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各処理と並行して並列処理で実行される。
図4に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
【0039】
図4のST1において、画像形成動作が開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、以下の(1)〜(2)の処理を実行し、ST3に進む。
(1)メインファン4を駆動させる。
(2)反転用ファン7を駆動させる。
ST3において、取得したカバー開閉検出センサSN1の開閉検出結果に基づき、手差しカバーU1aが開放されているか否かを判断する。イエス(Y)の場合は、ST5に進み、ノー(N)の場合は、ST4に進む。
【0040】
ST4において、サブファン2を駆動させ、ST5に進む。
ST5において、画像形成動作が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST6に進み、ノー(N)の場合はST5を繰り返す。
ST6において、以下の(1)〜(3)の処理を実行し、ST1に戻る。
(1)メインファン4を停止させる。
(2)反転用ファン7を停止させる。
(3)サブファン2を停止させる。
【0041】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、媒体Sが給紙トレイTR1または手差しトレイTR2から供給されて画像形成が行われる。媒体Sを前記手差しトレイTR2に収容したり、交換する場合、手差しカバーU1aが開放される。
実施例1の前記プリンタUでは、画像形成動作時に、カバー開閉センサSN1で前記手差しカバーU1aの開閉が検出される。そして、前記手差しカバーU1aが閉塞位置に移動している場合、サブファン2、メインファン4、および、反転用ファン7が駆動され、前記手差しカバーU1aが開放位置に移動している場合、前記サブファン2が駆動されず、前記メインファン4、および、前記反転用ファン7が駆動される。
【0042】
よって、前記手差しカバーU1aの閉塞時は、図1に示す空気の流れで前記プリンタUの内部が冷却されると共に、前記手差しカバーU1aの開放時は、図2に示す空気の流れでプリンタUの内部が冷却される。
したがって、前記手差しカバーU1aが開放位置に移動し、手差し給紙口TR2dが開放されている場合に、前記サブファン2が駆動され、外部に露出するサブファン用吸気口1から、前記サブファン2の駆動時の騒音が前記プリンタUの外部に漏れる従来の場合に比べて、騒音が低減される。
また、前記手差しカバーU1aが閉塞されている場合は、前記サブファン用吸気口1の外側に配置されている前記手差しカバーU1aで外部に漏れる音が低減される。
【0043】
また、実施例1の前記プリンタUでは、シャッタ等の遮音部材を用いることなく騒音が低減されており、遮音部材を使用する従来の構成に比べ、遮音部材が増加せず、構成が簡素化されると共に、費用や遮音部材の配置に必要な空間が少なくてすむ。さらに、前記手差しカバーU1aの開放時に、図2に示すように、開放された前記手差し給紙口TR2dより前記プリンタUの外部の空気が吸引され、前記プリンタUの内部が冷却されており、十分な冷却性を実現しつつ、前記サブファン2の駆動による消費電力が低減されている。
【0044】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H04)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、モノクロの電子写真方式のプリンタUを例示したが、これに限定されず、カラーの電子写真方式の画像形成装置より構成することも可能である。さらに、電子写真方式に限定されず、いわゆるインクジェット記録方式の画像形成装置にも適用することも可能である。
(H02)前記実施例において、前記プリンタUの内部に吸引された空気を移送する第2の気体移送装置の一例であるメインファン4と反転用ファン7の配置について例示したが、これに限定されず、例えば、前記プリンタUの内部の空気流路やサブファン2や手差し給紙口TR2d等の各部材の配置、いわゆるレイアウトに応じて、少なくとも1個以上の第2の気体移送装置を前記プリンタUの内部に配置することが可能である。また、レイアウトによって気体移送装置を配置する場所や配置する数量等を変更することも可能である。
【0045】
(H03)前記実施例において、給紙トレイTR1とプロセスカートリッジU2との間に手差し給紙トレイTR2が設けられたプリンタ本体U1の構成を例示したが、これに限定されず、例えば、前記プリンタ本体U1の後壁や側壁に手差し給紙トレイを設けることや、前記給紙トレイTR1を有しない前記プリンタ本体U1の前壁下端部に手差し給紙トレイを設けることも可能である。
(H04)前記実施例において、前記プリンタ本体U1に追加で装着される媒体反転装置U4に前記反転用ファン7を設ける構成を例示したが、これに限定されず、例えば、媒体反転装置が内部に一体的に組み込まれた前記プリンタUに適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の手差しカバーが収納された状態の全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の手差しカバーが開放された状態の全体説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の画像形成装置の制御部が備えている各機能をブロック図で示した図である。
【図4】図4は本発明の実施例1の画像形成装置での気体移送装置制御処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1…開口、
2…第1の気体移送装置、
4,7…第2の気体移送装置、
C4…気体移送装置制御手段、
S…媒体、
SN1…開閉検出器、
TR2…媒体収容部、
TR2d…収容部開口、
U…画像形成装置、
U1…画像形成装置本体、
U1a…開閉部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体の外部に露出して形成された開口と、
前記開口を通じて気体を移送する第1の気体移送装置と、
前記画像形成装置本体の内部に配置され前記画像形成装置本体の内部の気体を移送して前記画像形成装置本体の内部を冷却する第2の気体移送装置と、
前記開口の外側に配置されて、前記開口を覆う開口覆い位置と前記開口を外部に露出させる開口開放位置との間で開閉可能に前記画像形成装置本体に支持された開閉部材と、
前記開閉部材の開放を検知する開閉検出器と、
前記開閉検出器の検出結果に基づいて、前記開閉部材が前記開口覆い位置に移動している場合に前記第1の気体移送装置および前記第2の気体移送装置を駆動すると共に、前記開閉部材が前記開口開放位置に移動している場合に前記第1の気体移送装置を停止し且つ前記第2の気体移送装置を駆動する気体移送装置制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
媒体が収容され且つ前記画像形成装置本体の内部に配置された媒体収容部と、
前記媒体収容部の外端部に形成され且つ前記画像形成装置本体の外部に露出して形成された収容部開口と、
前記開口を覆い且つ前記収容部開口を閉じる前記開口覆い位置と、前記開口を外部に露出させ且つ前記収容部開口を開放し、前記媒体収容部に媒体を収容可能にさせる前記開口開放位置との間で開閉可能に移動する前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−113182(P2010−113182A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286177(P2008−286177)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】