画像形成装置
【課題】画像形成装置の排出ガスの影響を抑えかつ室内の空気を浄化することが可能であって、ユーザに不快感を与えることがないようにする。
【解決手段】画像形成装置１００の動作モードに応じて、イオン発生装置７１からの正イオン及び負イオンの放出量もしくは放出方向を変更しているので、排出ガスの臭気を低減したり、空気を浄化したり、イオンを画像形成装置の利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させることができる。
【解決手段】画像形成装置１００の動作モードに応じて、イオン発生装置７１からの正イオン及び負イオンの放出量もしくは放出方向を変更しているので、排出ガスの臭気を低減したり、空気を浄化したり、イオンを画像形成装置の利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
この種の画像形成装置としては、電子写真方式のものがある。この方式の装置では、静電潜像を感光体ドラム表面に形成し、トナーにより感光体ドラム表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム表面にトナー像を形成し、トナー像を感光体ドラムから記録用紙に転写し、記録用紙を加熱及び加圧して、トナー像を記録用紙上に定着させている。
【０００３】
このような画像形成装置においては、記録用紙の印刷処理中に有害な排出ガスが生じることがある。この排出ガスの主成分は、記録用紙から発生すると推定されるロンギフォレン等である。
【０００４】
画像形成装置は、必須のＯＡ機器であって、殆どのオフィスに設置され、更には家庭や病院にも普及しつつある。このため、画像形成装置からの有害な排出ガスは、多くの利用者に不快感を与える。
【０００５】
例えば、特許文献１では、送風ファン、マイナスイオン発生部、及びプラスに帯電されたフィルター等を画像形成装置内部に設け、装置内部で発生したトナー粉、塵埃をマイナスに帯電させて、マイナス帯電のトナー粉、塵埃をプラス帯電のフィルターに吸着させ、装置外部に放出される有害物質を低減している。同時に、画像形成装置外部から侵入しようとする塵埃、カビ等をマイナスに帯電させて、これらもプラス帯電のフィルターに吸着させ、装置外部からの有害物質の侵入を抑制している。
【０００６】
一方、オフィス、家庭、病院等においては、室内の空気を浄化する空気清浄機が普及しつつある。
【０００７】
例えば、特許文献２では、正イオン及び負イオンを同時に発生して、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌を効果的に除去している、
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特開２００５−４１４４号公報
【特許文献２】特開２００２−５８７３１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、特許文献１では、画像形成装置の複写に直接係わらないマイナスイオン発生部やプラス帯電のフィルター等を設ける必要があって、これらが装置の大型化やコスト増大の原因となった。
【００１０】
また、特許文献２では、室内の空気を浄化することができても、画像形成装置の排出ガスを浄化することができるわけではなかった。
【００１１】
更に、特許文献１のような高いコストの画像形成装置と、特許文献２のような空気清浄機を共に設けるのは、非常に不経済であり、またそれらを設置するために広いスペースを用意しなければならない。
【００１２】
また、画像形成装置に空気清浄機を単に組み合わせただけでは、ユーザによる画像形成装置の操作が必要な動作モードのときに、空気清浄機のイオンがユーザに直接吹き付けられる可能性があり、ユーザに不快感を与えるという事態が生じる。
【００１３】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、画像形成装置の排出ガスの影響を抑えかつ室内の空気を浄化することが可能であって、ユーザに不快感を与えることがない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
上記課題を解決するために、本発明は、画像を記録用紙に印刷する画像形成装置において、前記画像形成装置本体の外側に取付けられ、イオンを発生して放出するイオン発生手段と、前記画像形成装置の動作モードに応じて、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向もしくは放出量を変更する放出制御手段とを備えている。
【００１５】
例えば、前記イオン発生手段は、正イオン及び負イオンを同時に発生して放出している。
【００１６】
また、前記画像形成装置は、操作手段と、外部端末装置に接続されたインターフェースとを備え、前記画像形成装置の動作モードは、前記操作手段の操作入力により起動される操作入力応答モード、及び前記外部端末装置から前記インターフェースへの受信入力により起動される受信入力応答モードのいずれかである。
【００１７】
更に、前記画像形成装置は、原稿画像を読取る読取り手段と、この読取った原稿画像を記録用紙に複写する印刷手段とを備え、前記操作入力応答モードは、前記原稿画像を読取って前記インターフェースから前記外部端末装置へと送信するスキャナモードもしくは前記原稿画像を読取って複写する複写モードである
また、前記受信入力応答モードは、前記外部端末装置から前記インターフェースへと受信入力した原稿画像を印刷するプリントモードである。
【００１８】
更に、前記放出制御手段は、前記操作入力応答モードのときに、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の上方の向きに設定するか、前記イオン発生手段からのイオンの放出を停止させるか、もしくは前記イオン発生手段からのイオンの放出量を低減させる。
【００１９】
また、前記放出制御手段は、前記受信入力応答モードのときに、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の向きに設定するか、もしくは前記イオン発生手段からのイオンの放出量を増大させている。
【００２０】
更に、前記放出制御手段は、前記操作入力応答モード又は前記受信入力応答モードの終了後に、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の上方の向きに設定している。
【００２１】
また、前記イオン発生手段は、イオンを放出する送風ファンを有し、前記放出制御手段は、前記送風ファンの回転数を駆動制御して、前記イオン発生手段からのイオンの放出量を変更している。
【００２２】
更に、前記放出制御手段は、前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号に応答して、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量を変更している。
【００２３】
また、前記画像形成装置は、操作手段と、原稿画像を読取る読取り手段と、この読取った原稿画像を記録用紙に複写する印刷手段とを備え、前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、前記操作手段の操作入力に応答して生成され、原稿画像の読取りもしくは複写を指示する動作指示信号である。
【００２４】
更に、前記画像形成装置は、外部端末装置に接続されたインターフェースを備え、前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、前記外部端末装置から前記インターフェースへと受信入力した原稿画像の印刷を指示する動作指示信号である。
【００２５】
また、前記放出制御手段は、前記イオン発生手段そのものの向きを変更して、このイオン発生手段からのイオンの放出方向を変更している。
【００２６】
更に、前記イオン発生手段におけるイオンの放出ダクトのダクト壁が可動であり、前記放出制御手段は、前記放出ダクトのダクト壁を移動させて、イオンの放出方向を変更している。
【００２７】
また、前記イオン発生手段は、前記画像形成装置の上方に配置され、前記放出制御手段は、前記画像形成装置の動作モードに応じて、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を該画像形成装置の向き及び上方の向きに選択的に設定している。
【００２８】
更に、前記イオン発生手段は、前記画像形成装置に上向きに突設された支持部材により支持されている。
【００２９】
また、前記支持部材は、前記画像形成装置の背面側一コーナーに上向きに突設されて、前記イオン発生手段の一端部を支持されている。
【００３０】
更に、前記支持部材は、前記画像形成装置の背面側一辺の中央に上向きに突設されて、前記イオン発生手段の中央を支持している。
【００３１】
また、前記イオン発生手段は、イオンを発生するイオン発生素子と、イオン発生素子周辺を通過するような空気の流れを発生させて、イオンを放出する送風ファンとを有する。
【発明の効果】
【００３２】
本発明において、放出制御手段は、画像形成装置の動作モードに応じてイオン発生手段からのイオンの放出方向もしくは放出量を変更している。このイオン発生手段を画像形成装置本体の外側に取り付けているので、イオンの放出方向及び放出量の設定により、画像形成装置本体をイオンで覆って、画像形成装置の排出ガスの臭気を低減させたり、イオンを室内に拡散させて、空気中の浮遊細菌を除去することができる。
【００３３】
ただし、利用者が画像形成装置を操作する動作モードでは、イオンの放出方向及び放出量の設定を誤ると、イオンを大量の空気と共に利用者に直接吹き付けることになり、利用者に不快感を与えるので、このような事態を避けねばならない。
【００３４】
そこで、本発明では、画像形成装置の動作モードに応じてイオンの放出方向及び放出量を変更することにより、排出ガスの臭気の低減や空気中の浮遊細菌の除去を行うだけではなく、イオンを画像形成装置の利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させている。
【００３５】
また、イオン発生手段を画像形成装置本体の外側に取付けていることから、本体が大型化することはなく、かつ空気清浄機を別途設ける必要がなく、設置スペースが拡大せず、室内の空間を有効利用することができる。
【００３６】
例えば、イオン発生手段からは正イオン及び負イオンが同時に発生されて放出される。このような正イオン及び負イオンは、空気中の浮遊細菌を効果的に除去したり、画像形成装置の排出ガスの臭気を効果的に低減することができ、本発明に好適である。
【００３７】
また、画像形成装置の動作モードは、操作手段の操作入力により起動される操作入力応答モード、及び外部端末装置から画像形成装置のインターフェースへの受信入力により起動される受信入力応答モードのいずれかである。
【００３８】
例えば、操作入力応答モードは、原稿画像を読取って外部端末装置へと送信するスキャナモードもしくは原稿画像を読取って複写する複写モードである。このような操作入力応答モードでは、利用者が画像形成装置の操作手段を操作するべく装置の近傍に居るので、イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量を調節して、イオンを利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させる。
【００３９】
また、受信入力応答モードでは、利用者が画像形成装置の近傍に居ないので、イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量に格別な制限を設けず、排出ガスの臭気の抑制を効果的に行うようにする。
【００４０】
より具体的には、操作入力応答モードのときに、イオン発生手段からのイオンの放出方向を画像形成装置の上方の向きに設定するか、イオンの放出を停止させるか、もしくはイオンの放出量を低減させる。このようなイオンの放出方向の設定、放出の停止、及び放出量の低減のいずれかにより、あるいはそれらの組合せにより、イオンを画像形成装置の利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させることができる。
【００４１】
また、受信入力応答モードのときに、イオン発生手段からのイオンの放出方向を画像形成装置の向きに設定するか、もしくはイオン発生手段からのイオンの放出量を増大させる。このようなイオンの放出方向の設定及び放出量の増大のいずれかにより、あるいはそれらの組合せにより、画像形成装置をイオンで包み込んで、画像形成装置の排出ガスの臭気をより効果的に抑えることができる。
【００４２】
更に、放出制御手段は、操作入力応答モード又は受信入力応答モードの終了後に、イオン発生手段からのイオンの放出方向を画像形成装置の上方の向きに設定している。操作入力応答モード又は受信入力応答モードが終了すると、画像形成装置の印刷処理が行われず、画像形成装置の排出ガスが生じなくなる。このとき、イオンの放出方向を上方の向きに設定すれば、室内の空気を広い範囲で浄化することができる。
【００４３】
例えば、イオン発生手段の送風ファンの回転数を駆動制御して、イオンの放出量を変更することができる。
【００４４】
また、放出制御手段は、画像形成装置の動作モードの開始を示す信号に応答して、イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量を変更する。これにより、イオンの放出方向及び放出量の変更を適確なタイミングで行うことが可能となる。
【００４５】
例えば、画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、操作手段の操作入力に応答して生成され、原稿画像の読取りもしくは複写を指示する動作指示信号である。この動作指示信号は、原稿画像の読取りもしくは複写を指示するものであることから、先に述べた操作入力応答モードを指示するものであるともいえる。従って、この動作指示信号に応答して、イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量を調節して、イオンを利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させるのが好ましい。
【００４６】
また、画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、外部端末装置から受信入力した原稿画像の印刷を指示する動作指示信号である。この動作指示信号は、外部端末装置から受信入力した原稿画像の印刷を指示するものであることから、先に述べた受信入力応答モードを指示するものであるともいえる。従って、この動作指示信号のときには、イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量に格別な制限を設けず、排出ガスの臭気の抑制を効果的に行うようにする。
【００４７】
また、放出制御手段は、イオン発生手段そのものの向きを変更して、イオンの放出方向を変更している。この場合は、放出制御手段の構成を簡単化することができる。
【００４８】
あるいは、放出制御手段は、イオン発生手段におけるイオンの放出ダクトのダクト壁を移動させて、イオンの放出方向を変更している。この場合は、イオン発生手段の向きを変更するためのスペースを必要とせず、設置スペースの自由度が高くなる。
【００４９】
例えば、イオン発生手段が画像形成装置の上方に配置され、画像形成装置の動作モードに応じてイオンの放出方向が該画像形成装置の向き及び上方の向きに選択的に設定される。イオンが画像形成装置の向きへと放出されると、イオンにより画像形成装置を容易に覆うことができ、イオンによる排出ガスの抑制が確実になされる。また、イオンが上方に放出されると、イオンが室内全体に流れて拡散し、空気の浄化が広い範囲で行われる。
【００５０】
また、イオン発生手段が画像形成装置の背面側に上向きに突設された支持部材により支持されるので、イオン発生手段が画像形成装置の上方に重ねられ、装置の設置スペースが拡大することはない。例えば、支持部材は、画像形成装置の背面側一コーナーに上向きに突設されて、イオン発生手段の一端部を支持している。これにより、画像形成装置の上方スペースが開放されて、装置の使い勝手が損なわれずに済む。あるいは、支持部材は、画像形成装置の背面側一辺の中央に上向きに突設されて、イオン発生手段の中央を支持している。これにより、イオン発生手段が安定的に支持される。
【００５１】
例えば、イオン発生手段は、正イオン及び負イオンを発生するイオン発生素子と、イオン発生素子周辺を通過するような空気の流れを発生させて、イオンを放出する送風ファンとを有する。
【図面の簡単な説明】
【００５２】
【図１】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。
【図２】（ａ）、（ｂ）は、図１の画像形成装置におけるイオン発生装置からの２つのイオン放出方向を示す斜視図である。
【図３】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は、図１の画像形成装置におけるイオン発生装置の向きとイオンの放出を模式的に示す図である。
【図４】図１の画像形成装置における操作パネルを示す平面図である。
【図５】（ａ）、（ｂ）は、図１の画像形成装置におけるイオン発生装置の取り付け構造を側方及び背面から見て示すそれぞれの断面図である。
【図６】図１の画像形成装置におけるイオン発生装置を示す断面図である。
【図７】図３のイオン発生装置におけるプラズマクラスターイオン発生素子を例示する平面図である。
【図８】図１の画像形成装置における制御部の構成を示すブロック図である。
【図９】図１の画像形成装置において図６のイオン発生装置からのイオン放出方向を上方に設定した状態を示す側面図である。
【図１０】図１の画像形成装置において図６のイオン発生装置からのイオン放出方向を斜め下方に設定した状態を示す側面図である。
【図１１】図１の画像形成装置におけるイオン発生装置の他の例を示す断面図である。
【図１２】図１１のイオン発生装置からのイオン放出方向を斜め下方に設定した状態を示す側面図である。
【図１３】図１の画像形成装置において図１１のイオン発生装置の支持構造を示す斜視図である。
【図１４】図１の画像形成装置において図１１のイオン発生装置からのイオン放出方向を上方に設定した状態を示す側面図である。
【図１５】図１の画像形成装置において図１２のイオン発生装置からのイオン放出方向を斜め下方に設定した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００５３】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【００５４】
図１は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。この画像形成装置１００は、原稿読取り装置１０１により読取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成するものである。
【００５５】
原稿読取り装置１０１は、原稿搬送部４２により搬送されている原稿画像を読取る。原稿搬送部４２では、原稿が原稿セットトレイ４１にセットされると、原稿ピックアップローラ４４が原稿表面に押し付けられて回転され、原稿が原稿セットトレイ４１から引き出され、原稿がサバキローラ４５と分離パッド４６間を通過して１枚ずつに分離されてから搬送経路４７へと搬送される。
【００５６】
この搬送経路４７では、原稿の先端が原稿レジストローラ４９に当接して、原稿の先端が原稿レジストローラ４９と平行に揃えられ、この後に原稿が原稿レジストローラ４９により搬送されて読取りガイド５１と読取りガラス５２間を通過する。更に、原稿は、搬送ローラ５７により搬送され、排紙ローラ５８を介して排紙トレイ５９に排出される。
【００５７】
原稿読取り装置１０１では、原稿が読取りガイド５１と読取りガラス５２間を通過するに際し、第１走査部５３の光源の光が読取りガラス５２を介して原稿表面に照射され、その反射光が読取りガラス５２を介して第１走査部５３に入射し、この反射光が第１及び第２走査部５３、５４のミラーで反射されて結像レンズ５５へと導かれ、結像レンズ５５によって原稿の画像がＣＣＤ（Charge Coupled Device）５６上に結像される。ＣＣＤ５６は、原稿の画像を読取り、原稿の画像を示す画像データを出力する。
【００５８】
また、原稿台ガラス６１上に載置された原稿を読取ることができる。原稿搬送部４２は、原稿読取り装置１０１の背面側で開閉可能に枢支されており、この原稿搬送部４２が開かれると、原稿台ガラス６１が解放されて、原稿台ガラス６１上に原稿を載置することができる。原稿が載置されて、原稿搬送部４２が閉じられると、第１及び第２走査部５３、５４が副走査方向に移動されつつ、第１走査部５３によって原稿台ガラス６１上の原稿表面が露光され、第１及び第２走査部５３、５４によって原稿表面からの反射光が結像レンズ５５へと導かれ、結像レンズ５５によって原稿の画像がＣＣＤ５６上に結像される。このとき、第１及び第２走査部５３、５４が相互に所定の速度関係を維持しつつ移動されて、原稿表面→第１及び第２走査部５３、５４→結像レンズ５５→ＣＣＤ５６という反射光の光路の長さが変化しないように第１及び第２走査部５３、５４の位置関係が維持され、これによりＣＣＤ５６上での原稿の画像のピントが常に正確に維持される。
【００５９】
こうして読取られた原稿の画像全体は、画像データとして画像形成装置１００のレーザ露光装置１へと送受され、画像形成装置１００において画像が記録用紙に記録される。
【００６０】
一方、画像形成装置１００は、レーザ露光装置１、現像装置２、感光体ドラム３、帯電器５、クリーナ装置４、中間転写ベルト装置８、定着装置１２、用紙搬送経路Ｓ、給紙トレイ１０、及び用紙排出トレイ１５等により構成されている。
【００６１】
画像形成装置１００において扱われる画像データは、ブラック（Ｋ）、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色（例えばブラック）を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置２、感光体ドラム３、帯電器５、クリーナ装置４は各色に応じた４種類の潜像を形成するようにそれぞれ４個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、４つの画像ステーションＰａ、Ｐｂ、Ｐｃ、Ｐｄが構成されている。
【００６２】
感光体ドラム３は、画像形成装置１００のほぼ中央に配置されている。
【００６３】
帯電器５は、感光体ドラム３の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
【００６４】
レーザ露光装置１は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット（ＬＳＵ）であり、帯電された感光体ドラム３表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。
【００６５】
現像装置２は、感光体ドラム３上に形成された静電潜像を（Ｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙ）のトナーにより現像する。クリーナ装置４は、現像及び画像転写後に感光体ドラム３表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【００６６】
感光体ドラム３の上方に配置されている中間転写ベルト装置８は、中間転写ベルト７、中間転写ベルト駆動ローラ２１、従動ローラ２２、中間転写ローラ６、及び中間転写ベルトクリーニング装置９を備えている。
【００６７】
中間転写ベルト駆動ローラ２１、中間転写ローラ６、従動ローラ２２等は、中間転写ベルト７を張架して支持し、中間転写ベルト７を矢印Ｃ方向に周回移動させる。
【００６８】
中間転写ローラ６は、中間転写ベルト７近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト７を介して感光体ドラム３に圧接され、感光体ドラム３のトナー像を中間転写ベルト７に転写するための転写バイアスを印加されている。
【００６９】
中間転写ベルト７は、各感光体ドラム３に接触するように設けられており、各感光体ドラム３表面のトナー像を中間転写ベルト７に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像（各色のトナー像）を形成する。この転写ベルトは、厚さ１００μｍ〜１５０μｍ程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。
【００７０】
感光体ドラム３から中間転写ベルト７へのトナー像の転写は、中間転写ベルト７裏面に圧接されている中間転写ローラ６によって行われる。中間転写ローラ６には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス（トナーの帯電極性（−）とは逆極性（＋）の高電圧）が印加されている。中間転写ローラ６は、直径８〜１０ｍｍの金属（例えばステンレス）軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材（例えばＥＰＤＭ、発泡ウレタン等）により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、記録用紙に対して均一に高電圧を印加することができる。
【００７１】
上述の様に各感光体ドラム３表面のトナー像は、中間転写ベルト７で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト７と共に搬送され、中間転写ベルト７と接触する２次転写装置１１の転写ローラ１１ａによって記録用紙上に転写される。
【００７２】
中間転写ベルト７と２次転写装置１１の転写ローラ１１ａとは相互に圧接されて、ニップ域を形成する。また、２次転写装置１１の転写ローラ１１ａには、中間転写ベルト７上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧（トナーの帯電極性（−）とは逆極性（＋）の高電圧）が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、２次転写装置１１の転写ローラ１１ａもしくは中間転写ベルト駆動ローラ２１の何れか一方を硬質材料（金属等）とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料（弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等）としている。
【００７３】
また、２次転写装置１１によって中間転写ベルト７上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト７上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置９によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置９には、例えばクリーニング部材として、中間転写ベルト７に接触して残留トナーを除去するクリーニングブレードが設けられており、クリーニングブレードが接触する部位で、従動ローラ２２により中間転写ベルト７裏側が支持されている。
【００７４】
給紙トレイ１０は、記録用紙を格納しておくためのトレイであり、画像形成装置１００の画像形成部の下側に設けられて、トレイ内の記録用紙を供給する。
【００７５】
画像形成装置１００には、給紙トレイ１０から供給された記録用紙を２次転写装置１１や定着装置１２を経由させて用紙排出トレイ１５に送るための、Ｓの字形状の用紙搬送経路Ｓが設けられている。この用紙搬送経路Ｓに沿って、用紙ピックアップローラ１６、用紙レジストローラ１４、定着装置１２、及び記録用紙を搬送する搬送ローラ等が配置されている。
【００７６】
用紙ピックアップローラ１６は、給紙トレイ１０の端部に設けられ、給紙トレイ１０から記録用紙を１枚ずつ用紙搬送経路Ｓに供給する呼び込みローラである。搬送ローラは、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、複数個設けられている。
【００７７】
用紙レジストローラ１４は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト７と２次転写装置１１の転写ローラ１１ａ間のニップ域で中間転写ベルト７上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、感光体ドラム３及び中間転写ベルト７の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【００７８】
例えば、用紙レジストローラ１４は、図示しないレジスト前検知スイッチの検出出力に基づき、中間転写ベルト７と２次転写装置１１の転写ローラ１１ａ間のニップ域で中間転写ベルト７上のカラーのトナー像の先端が記録用紙の画像形成領域の先端に合うように、記録用紙を搬送する。
【００７９】
定着装置１２は、加熱ローラ３１及び加圧ローラ３２等を備えている。加熱ローラ３１及び加圧ローラ３２は、中間転写ベルト７と２次転写装置１１の転写ローラ１１ａ間のニップ域を通過して来た記録用紙を挟み込んで搬送する。
【００８０】
加熱ローラ３１は、図示しない温度検出器の検出出力に基づき、所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ３２とともに記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる機能を有している。
【００８１】
各色のトナー像の定着後の記録用紙は、搬送ローラによって用紙排出トレイ１５上にフェイスダウンで排出される。
【００８２】
さて、このような画像形成装置１００においては、先に述べた電子写真方式により記録用紙の印刷を行うに際し、有害な排出ガスが生じることがある。この排出ガスの主成分は、記録用紙から発生すると推定されるロンギフォレン等である。
【００８３】
このような有害な排出ガスを放置していたのでは、画像形成装置１００の利用者に不快感を与えてしまい、好ましくない。
【００８４】
そこで、本実施形態の画像形成装置１００では、図１及び図２（ａ）に示すように画像形成装置１００の本体の上方にイオン発生装置７１を設け、イオン発生装置７１により正イオン及び負イオンを発生させ、正イオン及び負イオンをイオン発生装置７１から矢印Ｄの斜め下方に放出している。これにより、エアーカーテンのように正イオン及び負イオンが画像形成装置１００の本体前側を主に覆って、排出ガスの臭気が低減される。このような正イオン及び負イオンにより、画像形成装置１００の外部からでも排出ガスの影響が効果的に抑えられることが実験で確認されている。
【００８５】
ただし、図３（ａ）に示すように利用者が画像形成装置１００の前に立っているときには、正イオン及び負イオンをイオン発生装置７１から矢印Ｄの斜め下方に放出すると、イオンを大量の空気と共に利用者に直接吹き付けることになり、利用者に不快感を与えるため、このような事態を避けねばならない。
【００８６】
このため、本実施形態では、利用者が画像形成装置１００の前に立っているときに、図３（ｂ）に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出を停止して、イオンを利用者に直接かけないようにするか、あるいは放出量を低減して、利用者にかかるイオンの量を低減させている。
【００８７】
更に、画像形成装置１００の印刷処理が終了した後には、画像形成装置１００の排出ガスが発生しなくなるので、図２（ｂ）及び図３（ｃ）に示すようにイオン発生装置７１からの正イオン及び負イオンの放出方向を矢印Ｅの上方向に変更して、正イオン及び負イオンを室内全体に流して拡散させ、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌を除去して、空気の浄化を広い範囲で行うようにしている。
【００８８】
ここで、利用者が画像形成装置１００の前に立っているか否かは、画像形成装置１００の動作モードに応じて特定することができる。
【００８９】
例えば、図１に示すように画像形成装置１００の手前上部には操作パネル７５が配置されており、この操作パネル７５の入力操作により起動された動作モードのときには、利用者が画像形成装置１００の前に立っているとみなすことができる。このときの動作モードを操作入力応答モードと称する。
【００９０】
この操作入力応答モードとしては、原稿読取り装置１０１により原稿画像を読取らせて、この原稿画像をインターフェース７６からネットワークＮを通じて外部端末装置へと送信するスキャナモード、原稿読取り装置１０１により原稿画像を読取らせて、この原稿画像を記録用紙に複写する複写モード等がある。これらのスキャナモードや複写モードでは、利用者が原稿画像を原稿読取り装置１０１にセットして操作パネル７５を操作するので、利用者が画像形成装置１００の前に立つ必要がある。
【００９１】
図４は、操作パネル７５を示す平面図である。この操作パネル７５では、その左側に液晶ディスプレイ７５ａが配置され、この液晶ディスプレイ７５ａの周囲に各種の操作キー７５ｂが配置されている。これらの操作キー７５ｂの１つが開始キーであり、この開始キーが操作されると、操作パネル７５から制御部７４へと動作指示信号が出力される。制御部７４は、画像形成装置１００全体の制御を司っており、原稿読取り装置１０１の原稿セットトレイ４１に原稿がセットされた状態で、その動作指示信号を入力すると、画像形成装置１００の動作を開始して、原稿読取り装置１０１により原稿画像を読取らせ、この原稿画像を記録用紙に複写する。
【００９２】
また、各操作キー７５ｂの操作によりスキャナ動作が選択されると、操作パネル７５から制御部７４へとスキャナ動作が指示され、引き続いて開始キーが操作されると、操作パネル７５から制御部７４へと動作指示信号が出力され、これに応答して制御部７４は、画像形成装置１００の動作を開始して、原稿読取り装置１０１により原稿画像を読取らせ、この原稿画像をインターフェース７６からネットワークＮを通じて外部端末装置へと送信させる。
【００９３】
更に、インターフェース７６としてファクシミリ通信機能を有するものを適用し、ネットワークＮとして電話回線を適用した構成でも、各操作キー７５ｂの選択的操作によりスキャナモードが選択され、開始キーが操作されると、インターフェース７６から電話回線を通じて外部端末装置が呼び出され、原稿読取り装置１０１で原稿画像が読取られ、この原稿画像がインターフェース７６から電話回線を通じて外部端末装置へと送信される。
【００９４】
一方、パーソナルコンピュータ等の外部端末装置（図示せず）からの受信入力により起動された動作モードのときには、利用者が画像形成装置１００の前に立っていないとみなすことができる。このときの動作モードを受信入力応答モードと称する。
【００９５】
この受信入力応答モードとしては、外部端末装置から受信した原稿画像を記録用紙に印刷するというプリントモードがある。このプリントモードでは、外部端末装置からネットワークＮを通じてインターフェース７６へとプリントの動作指示信号及び原稿画像が受信され、これに応答して原稿画像が記録用紙に印刷されるので、利用者が画像形成装置１００の前に立つ必要がない。
【００９６】
また、インターフェース７６としてファクシミリ通信機能を有するものを適用し、ネットワークＮとして電話回線を適用した構成でも、外部端末装置からの着呼があり、外部端末装置から電話回線を通じてインターフェース７６へとプリントの動作指示信号（ファクシミリ通信の制御信号に対応する）及び原稿画像が送受されて、プリントモードとなり、原稿画像が記録用紙に印刷されるので、利用者が画像形成装置１００の前に立つ必要がない。
【００９７】
次に、イオン発生装置７１及び制御部７４について詳しく説明する。図１及び図５（ａ）、（ｂ）から明らかなように画像形成装置１００の本体の背面片側のコーナー１００ａには支柱７２が突設されており、この支柱７２の上端にイオン発生装置７１の外装筐体が覆い被せられ、この外装筐体内でイオン発生装置７１の軸７１ａが支柱７２に内蔵された偏向用モータ７３の出力軸に接続されている。
【００９８】
この偏向用モータ７３によりイオン発生装置７１の軸７１ａが往復回転駆動されて、イオン発生装置７１が矢印Ｆの方向に往復回転され、図２（ａ）、（ｂ）に示すようにイオン発生装置７１からの正イオン及び負イオンの放出方向が矢印Ｄ及び矢印Ｅのいずれかの向きに変更される。
【００９９】
図１に示すように偏向用モータ７３は、画像形成装置１００に内蔵の制御部７４に接続され、制御部７４により駆動制御される。制御部７４は、画像形成装置１００の動作状態に応じて偏向用モータ７３を駆動制御して、イオン発生装置７１の回転位置を制御し、図２（ａ）、（ｂ）に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｄ及び矢印Ｅのいずれかの向きに設定する。
【０１００】
図１及び図５（ａ）、（ｂ）に示すように支柱７２が本体の背面片側のコーナー１００ａに配置され、支柱７２によりイオン発生装置７１が水平に片持ちされているので、画像形成装置１００の上方スペースが開放されて、画像形成装置１００の使い勝手が損なわれずに済む。また、画像形成装置１００は、その背面側が壁等に向けて配置されるように構成されている。このため、イオン発生装置７１が画像形成装置１００の背面側に設けられており、イオン発生装置７１が壁際に配置されて邪魔にならないようにされている。
【０１０１】
図６は、イオン発生装置７１を示す断面図である。このイオン発生装置７１は、本体筐体８１、本体筐体８１の下部に配置されたファンユニット８２、本体筐体８１の下側壁に形成された複数の吸入孔８１ａとファンユニット８２の吸入口８２ａとの間に配置された吸入ダクト８３、本体筐体８１の上部に形成された上部吹き出し口８１ｂとファンユニット８２の吹き出し口８２ｂとの間に配置された吹き出しダクト８４、及びファンユニット８２の周囲に配置された複数のイオン発生素子８５を備えている。
【０１０２】
図１及び図５（ａ）、（ｂ）に示すようにイオン発生装置７１が画像形成装置１００の幅方向に長いため、本体筐体８１、ファンユニット８２、各吸入孔８１ａ、吸入ダクト８３、放出口８２ｂ、及び放出ダクト８４も画像形成装置１００の幅方向に長く、また複数のイオン発生素子８５を画像形成装置１００の幅方向に配列している。
【０１０３】
ファンユニット８２のファン８２ｃは、モータ８２ｄ（図５（ｂ）に示す）により回転駆動され、矢印Ｇに示すような空気流を発生し、空気を各吸入孔８１ａから吸入ダクト８３を通じてファンユニット８２内へと吸入し、空気を各イオン発生素子８５近傍に流してから、空気を吹き出しダクト８４を通じて上部吹き出し口８１ｂから放出する。
【０１０４】
このファン８２ｃのモータ８２ｄも、偏向用モータ７３と同様に、画像形成装置１００に内蔵の制御部７４に接続され、制御部７４により駆動制御される。
【０１０５】
各イオン発生素子８５は、プラズマクラスターイオン（登録商標）発生素子（ＰＣＩ）である。図６の矢印Ａ方向から各イオン発生素子８５を見ると、図７に示すように２個のイオン発生素子８５が画像形成装置１００の幅方向に配列され、イオン発生素子８５毎に、正イオンを発生する一対の正イオン発生部８５ａと、負イオンを発生する一対の負イオン発生部８５ｂとが配列されている。このようなイオン発生素子８５は、本願発明の出願人が先に出願した特開２００２−５８７３１号に詳しく開示されている。
【０１０６】
このイオン発生素子８５により発生された正イオン及び負イオンは、ファンユニット８２のファン８２ｃにより発生された空気流と共に吹き出しダクト８４を通じて上部吹き出し口８１ｂから放出される。
【０１０７】
図８は、イオン発生装置７１を制御するための制御部７４の構成を概略的に示すブロック図である。図８に示すように制御部７４は、制御ＩＣ７４ａと、ＰＣＩオンオフ回路７４ｂと、モータ駆動回路７４ｃとを備えている。ＰＣＩオンオフ回路７４ｂは、各イオン発生素子８５に対する印加電圧Ｖａをオンオフするためのスイッチである。また、モータ駆動回路７４ｃは、偏向用モータ７３及びファン８２ｃのモータ８２ｄに対するそれぞれの駆動電圧をオンオフするためのものである。制御ＩＣ７４ａは、ＰＣＩオンオフ回路７４ｂを制御して、各イオン発生素子８５に対する印加電圧Ｖａをオンオフし、各イオン発生素子８５からイオンを発生させたり、イオンの発生を停止させる。また、制御ＩＣ７４ａは、モータ駆動回路７４ｃを制御して、偏向用モータ７３及びファン８２ｃのモータ８２ｄに対するそれぞれの駆動電圧をオンオフし、これらのモータを回転駆動する。
【０１０８】
尚、制御部７４は、先に述べたように画像形成装置１００全体の制御を司るため、ＰＣＩオンオフ回路７４ｂやモータ駆動回路７４ｃだけではなく、種々の入出力ポートやメモリ等を備えている。
【０１０９】
このような構成において、図１の制御部７４は、電源スイッチがオンになると、予め設定された手順で画像形成装置１００の各部を駆動制御して、画像形成装置１００の動作モードを待機モードとする。この待機モードとは、印刷処理が実行されていない状態であって、直ちに印刷処理の実行に移れる状態である。
【０１１０】
この待機モードにおいて、原稿読取り装置１０１の原稿セットトレイ４１に原稿がセットされ、操作パネル７５の開始キーが操作され、操作パネル７５から制御部７４へと複写の動作指示信号が出力されると、これに応答して制御部７４は、画像形成装置１００の動作を開始して、画像形成装置１００の動作状態を設定し、原稿画像を読取り、読取った原稿画像を記録用紙に複写する。
【０１１１】
また、操作パネル７５の入力操作によりスキャナ動作が選択され、開始キーが操作され、操作パネル７５から制御部７４へとスキャナの動作指示信号が出力されると、これに応答して制御部７４は、画像形成装置１００の動作を開始して、画像形成装置１００の動作状態を設定し、原稿画像を読取り、この原稿画像をインターフェース７６からネットワークＮを通じて外部端末装置へと送信する。あるいは、インターフェース７６から電話回線を通じて外部端末装置を呼び出し、原稿画像を読取り、この原稿画像をインターフェース７６から電話回線を通じて外部端末装置へとファクシミリ送信する。
【０１１２】
更に、プリントモードでは、外部端末装置からネットワークＮを通じてインターフェース７６へとプリントの動作指示信号及び原稿画像が受信され、これに応答して制御部７４は、画像形成装置１００の動作を開始して、画像形成装置１００の動作状態を設定し、この原稿画像を記録用紙に印刷する。あるいは、外部端末装置から電話回線を通じてインターフェース７６へとファクシミリ通信の着呼があり、外部端末装置から電話回線を通じてインターフェース７６へとプリントの動作指示信号及び原稿画像が送受され、これに応答して制御部７４は、画像形成装置１００の動作を開始して、画像形成装置１００の動作状態を設定し、この原稿画像を記録用紙に印刷する。
【０１１３】
そして、このような複写モード、スキャナモード、プリントモードの印刷処理が終了した後、印刷処理が実行されないまま一定時間が経過すると、画像形成装置１００が再び待機モードとなり、次の動作指示信号の入力が待機される。
【０１１４】
ここで、制御部７４は、画像形成装置１００を待機モードに設定すると、偏向用モータ７３を駆動制御して、イオン発生装置７１の回転位置を制御し、図２（ｂ）、図３（ｃ）、及び図９に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｅの上方向に設定する。また、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃの回転速度を待機モードの規定回転速度に維持する。これにより、正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌が除去されて、空気の浄化が広い範囲で行われる。一般に、画像形成装置１００の待機モードの設定時間がその他のプリンタモード、スキャナモード、複写モードの設定時間よりも長いため、画像形成装置１００の待機モードのときに正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散されれば、空気の浄化が効果的になされる。
【０１１５】
このとき、制御部７４は、偏向用モータ７３の駆動制御によりイオン発生装置７１を軸７１ａ周りの一定角度範囲で往復回転させてもよい。すなわち、イオン発生装置７１をスイング動作させる。これにより、正イオン及び負イオンの放出範囲を広げることができる。
【０１１６】
あるいは、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄの駆動制御によりファン８２ｃの回転速度を速くする。これによって、イオン発生装置７１からの空気の放出速度及び放出量が増大し、正イオン及び負イオンの放出範囲がより広がる。
【０１１７】
また、制御部７４は、外部端末装置からの受信入力（プリントの動作指示信号）に応答してプリントモードを設定すると、偏向用モータ７３を駆動制御して、イオン発生装置７１の回転位置を制御し、図２（ａ）、図３（ａ）、及び図１０に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｄの斜め下方に設定する。また、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃの回転速度を待機モードと同一の規定回転速度に維持する。これにより、正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側が主に覆われて、排出ガスの臭気が低減される。
【０１１８】
このときにも、制御部７４は、偏向用モータ７３の駆動制御によりイオン発生装置７１を軸７１ａ周りの一定角度範囲で往復回転させ、イオン発生装置７１をスイング動作させてもよい。
【０１１９】
更に、制御部７４は、操作パネル７５の入力操作（複写又はスキャナの動作指示信号）に応答して複写モードやスキャナモードを設定したときにも、図２（ａ）及び図１０に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｄの斜め下方に維持する。だだし、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃを停止させるか、ファン８２ｃの回転速度を遅くする。これによって、図３（ｂ）に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出が停止されるか、イオンの放出量が低減され、イオンが画像形成装置１００の本体前側に立った利用者にかからなくなるか、殆どかからずに済む。イオンの放出量を低減させた場合は、イオン及び負イオンを穏やかに拡散させて、正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側を覆い、利用者周辺の排出ガスの臭気を軽減させることができる。
【０１２０】
また、制御部７４は、プリントモード、複写モード、スキャナモードを終了すると、画像形成装置１００を待機モードに設定し、同時に偏向用モータ７３を駆動制御して、イオン発生装置７１の回転位置を制御し、図２（ｂ）、図３（ｃ）、及び図９に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｅの上方向に戻す。また、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃの回転速度を待機モードの規定回転速度に戻す。これにより、再び正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、空気の浄化が広い範囲で行われる。
【０１２１】
このように本実施形態では、プリントモードのときに、図２（ａ）、図３（ａ）、及び図１０に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｄの斜め下方に設定しているので、正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側が主に覆われて、排出ガスの臭気が効果的に低減される。また、複写モードやスキャナモードのときには、図２（ａ）及び図１０に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｄの斜め下方に設定したまま、図３（ｂ）に示すようにファン８２ｃを停止させて、イオンの放出を停止させ、イオンを画像形成装置１００の本体前側に立った利用者にかけないようにするか、ファン８２ｃの回転速度を遅くして、イオンの放出量を低減させ、イオンを利用者に殆どかけないようにしている。更に、待機モードでは、図２（ｂ）、図３（ｃ）、及び図９に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｅの上方向に設定し、ファン８２ｃの回転速度を待機モードの規定回転速度に設定して、イオンの放出量を増やしているので、正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌が除去されて、空気の浄化が広い範囲で行われる。すなわち、イオンを利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させながらも、イオンを適確なタイミングで広い範囲に大量放出して、排出ガスの臭気の低減や空気中の浮遊細菌の除去を効果的に行うことができる。
【０１２２】
また、エアーカーテンのようにイオンが画像形成装置１００を覆えば、画像形成装置１００の排出ガスの影響を効果的に抑えられることが実験で確認されている。このため、イオン発生装置７１を画像形成装置１００の外側に配置して、画像形成装置１００の本体の大型化を避けることができる。また、このイオン発生装置７１により室内の空気が浄化されるので、空気清浄機を別途設ける必要がなく、室内の空間を有効利用することができ、また設備費用を節減することができる。
【０１２３】
尚、複写モードやスキャナモードのときに、図２（ａ）及び図１０に示すようにイオンの放出方向を矢印Ｄの斜め下方に設定する代わりに、図２（ｂ）及び図９に示すようにイオンの放出方向を矢印Ｅの上方向に設定し、その上でイオンの放出を停止するか、イオンの放出量を低減させてもよい。これによっても、イオンが画像形成装置１００の本体前側に立った利用者にかからなくなるか、殆どかからないようすることができる。
【０１２４】
図１１は、イオン発生装置の他の例を示す断面図である。尚、図１１において、図６と同様の作用を果たす部位には同じ符号を付して、説明を簡略化する。
【０１２５】
図１１に示すようにイオン発生装置７１Ａでは、図６の本体筐体８１及吹き出しダクト８４の代わりに、本体筐体８１Ａ及び吹き出しダクト８４Ａを設けている。
【０１２６】
本体筐体８１Ａは、図６の本体筐体８１と同様に複数の吸入孔８１ａ及び上部吹き出し口８１ｂを有するだけではなく、側部吹き出し口８１ｃを有している。
【０１２７】
吹き出しダクト８４Ａは、相互に対向する第１及び第２可動ダクト壁９１、９２を有している。第１可動ダクト壁９１は、その上端の軸９１ａを枢支されて、この軸９１ａ周りで矢印Ｈの方向に往復回動することができる。また、第２可動ダクト壁９２は、その下端の軸９２ａを枢支されて、この軸９２ａ周りで矢印Ｉの方向に往復回動することができる。
【０１２８】
第１及び第２可動ダクト壁９１、９２の軸９１ａ、９２ａは、ダクト用モータ（図示せず）により同時に回転駆動されて、同時に往復回転される。
【０１２９】
画像形成装置１００内の制御部７４は、画像形成装置１００の待機モード及び動作状態に応じてそのダクト用モータを駆動制御し、第１及び第２可動ダクト壁９１、９２の軸９１ａ、９２ａを同時に往復回転させる。これにより、第１及び第２可動ダクト壁９１、９２が図１１又は図１２に示すように選択的に位置決めされる。
【０１３０】
図１１に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２が位置決めされた状態では、第１可動ダクト壁９１が側部吹き出し口８１ｃを閉じるので、イオン発生装置７１Ａにおける空気流が矢印Ｊに示すように発生し、各吸入孔８１ａ→吸入ダクト８３→ファンユニット８２内の各イオン発生素子８５近傍→吹き出し口８２ｂ→吹き出しダクト８４Ａ→上部吹き出し口８１ｂという経路で空気が流れて上方向に放出される。
【０１３１】
また、図１２に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２が位置決めされた状態では、第１可動ダクト壁９１が側部吹き出し口８１ｃを開放し、第２可動ダクト壁９２が上部吹き出し口８１ｂを閉じるので、イオン発生装置７１Ａにおける空気流が矢印Ｋに示すように発生し、各吸入孔８１ａ→吸入ダクト８３→ファンユニット８２内の各イオン発生素子８５近傍→吹き出し口８２ｂ→側部吹き出し口８１ｃという経路で空気が流れて斜め下方向に放出される。
【０１３２】
図１３は、イオン発生装置７１Ａを画像形成装置１００に取付けた状態を示している。画像形成装置１００の本体の背面中央には支柱９３が突設されており、この支柱９３の上端にイオン発生装置７１Ａの中央を安定的に支持している。
【０１３３】
ここで、制御部７４は、画像形成装置１００を待機モードに設定すると、ダクト用モータを駆動制御して、第１及び第２可動ダクト壁９１、９２の軸９１ａ、９２ａを同時に回転させ、図１１に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２を位置決めする。このため、図１４に示すようにイオン発生装置７１Ａの上部吹き出し口８１ｂから空気が正イオン及び負イオンと共に矢印Ｌの上方向に放出される。これにより、正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、空気の浄化が効果的になされる。
【０１３４】
このとき、ファンユニット８２のモータ８２ｄの駆動制御によりファン８２ｃの回転速度を速くして、イオン発生装置７１Ａからの空気の放出速度及び放出量を増大させ、正イオン及び負イオンの放出範囲をより広げてもよい。
【０１３５】
また、制御部７４は、外部端末装置からの受信入力や着呼に応答してプリントモードを設定すると、ダクト用モータを駆動制御して、第１及び第２可動ダクト壁９１、９２の軸９１ａ、９２ａを同時に回転させ、図１２に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２を位置決めする。このため、図１５に示すようにイオン発生装置７１Ａの側部吹き出し口８１ｃから空気が正イオン及び負イオンと共に矢印Ｍの斜め下方向に放出される。この正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側が主に覆われ、排出ガスの臭気が効果的に低減される。
【０１３６】
このときにも、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄの駆動制御によりファン８２ｃの回転速度を速くして、イオン発生装置７１Ａからの空気の放出速度及び放出量を増大させてもよい。
【０１３７】
更に、制御部７４は、操作パネル７５の入力操作に応答して複写モードやスキャナモードを設定したときにも、図１２に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２を位置決めし、図１５に示すようにイオン発生装置７１Ａの側部吹き出し口８１ｃから空気を正イオン及び負イオンと共に矢印Ｍの斜め下方向に放出する。だだし、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃを停止させ、イオン発生装置７１Ａからのイオンの放出を停止して、イオンを画像形成装置１００の本体前側に立った利用者にかけないようにするか、ファン８２ｃの回転速度を遅くし、イオンの放出量を低減して、イオンを利用者に殆どかけないようにする。イオンの放出量を低減させた場合は、正イオン及び負イオンを穏やかに拡散させて、正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側を覆い、利用者周辺の排出ガスの臭気を軽減させることができる。
【０１３８】
また、制御部７４は、プリントモード、複写モード、スキャナモードを終了すると、画像形成装置１００を待機モードに設定し、同時に図１１に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２を位置決めして、図１４に示すようにイオン発生装置７１Ａの上部吹き出し口８１ｂから空気を正イオン及び負イオンと共に矢印Ｌの上方向に放出させる。また、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃの回転速度を待機モードの規定回転速度に戻す。
【０１３９】
このようなイオン発生装置７１Ａを用いた構成でも、プリントモードのときに、図１５に示すようにイオン発生装置７１Ａからのイオンの放出方向を矢印Ｍの斜め下方向に設定しているので、正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側が主に覆われて、排出ガスの臭気が効果的に低減される。また、複写モードやスキャナモードのときには、図１５に示すようにイオンの放出方向を矢印Ｍの斜め下方向に設定したまま、イオンの放出を停止させて、イオンを利用者にかけないようにするか、イオンの放出量を低減して、イオンを利用者に殆どかけないようにすることができる。更に、待機モードでは、図１４に示すようにイオン発生装置７１Ａからのイオンの放出方向を矢印Ｌの上方向に設定し、イオンの放出量を増やしているので、正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌が除去されて、空気の浄化が広い範囲で行われる。すなわち、イオンを利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させながらも、イオンを適確なタイミングで広い範囲に大量放出して、排出ガスの臭気の低減や空気中の浮遊細菌の除去を効果的に行うことができる。
【０１４０】
尚、複写モードやスキャナモードのときに、図１５に示すようにイオンの放出方向を矢印Ｍの斜め下方向に設定する代わりに、図１４に示すようにイオンの放出方向を矢印Ｌの上方向に設定し、その上でイオンの放出を停止するか、イオンの放出量を低減させてもよい。これによっても、イオンが画像形成装置１００の本体前側に立った利用者にかからなくなるか、殆どかからないようすることができる。
【０１４１】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【０１４２】
例えば、上記実施形態では、画像形成装置の非動作状態として待機モードを示しているが、画像形成装置の非動作状態が長く続いたときには、待機モードから消費電力の少ない省電力モードへと移り、更に省電力モードからより消費電力の少ないスリープモードへと移り、印刷指示があったときに動作状態に戻るという節電制御を行うことがある。そのような省電力モードやスリープモードに際しても、待機モードと同様に、排出ガスが発生しないため、イオン発生装置からのイオンの放出方向を上方に向けて、イオンを上方に放出し続けてもよい。特に、夜間等においては、スリープモードが設定されるので、イオン発生装置からイオンを上方に放出し続ければ、人が居ない間に、室内の空気を十分に浄化することができる。
【０１４３】
また、イオン発生装置７１をオプションで後付けすることができるようにしてもよい。この場合は、イオン発生装置７１側に偏向用モータ７３等を駆動制御するための制御部を設けておき、この制御部と画像形成装置１００の制御部７４とをシリアル通信用のケーブル並びにコネクタを介して接続し、両者の制御部間のデータ通信により、画像形成装置１００の制御部７４からイオン発生装置７１側の制御部へと指示を送受して、イオン発生装置７１側の制御部により偏向用モータ７３等を制御する。
【０１４４】
更に、画像形成装置の構造や使用状況等に応じて、イオン発生装置７１の取り付け位置を変更してもよい。上記実施形態では、画像形成装置の背面側を壁等に向けて配置することを想定して、支柱を画像形成装置の背面側に突設し、この支柱の上端にイオン発生装置７１を水平に支持しているが、画像形成装置の構造や使用状況によっては、画像形成装置の側面を壁等に向けて配置することがある。この場合は、支柱を画像形成装置の側壁に突設し、この支柱の上端にイオン発生装置７１を支持すると、イオン発生装置７１が壁際に配置されて、イオン発生装置７１が邪魔にならずに済む。あるいは、支柱を用いずに、イオン発生装置７１を垂直に取付けたり、画像形成装置本体の外壁に直接取付けてもよい。更に、複数のイオン発生装置７１を分散して取付けても構わない。
【符号の説明】
【０１４５】
１ レーザ露光装置
２ 現像装置
３ 感光体ドラム
４ クリーナ装置
５ 帯電器
７ 中間転写ベルト
８ 中間転写ベルト装置
１０ 給紙トレイ
１１ ２次転写装置
１２ 定着装置
１４ 用紙レジストローラ
１５ 用紙排出トレイ
３１ 加熱ローラ
３２ 加圧ローラ
４１ 原稿セットトレイ
４２ 原稿搬送部
４４ 原稿ピックアップローラ
５３ 第１走査部
５４ 第２走査部
５５ 結像レンズ
５６ ＣＣＤ
７１、７１Ａ イオン発生装置
７２、９３ 支柱
７３ 偏向用モータ
７４ 制御部
８１、８１Ａ 本体筐体
８２ ファンユニット
８３ 吸入ダクト
８４、８４Ａ 吹き出しダクト
８５ イオン発生素子
９１ 第１可動ダクト壁
９２ 第２可動ダクト壁
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
この種の画像形成装置としては、電子写真方式のものがある。この方式の装置では、静電潜像を感光体ドラム表面に形成し、トナーにより感光体ドラム表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム表面にトナー像を形成し、トナー像を感光体ドラムから記録用紙に転写し、記録用紙を加熱及び加圧して、トナー像を記録用紙上に定着させている。
【０００３】
このような画像形成装置においては、記録用紙の印刷処理中に有害な排出ガスが生じることがある。この排出ガスの主成分は、記録用紙から発生すると推定されるロンギフォレン等である。
【０００４】
画像形成装置は、必須のＯＡ機器であって、殆どのオフィスに設置され、更には家庭や病院にも普及しつつある。このため、画像形成装置からの有害な排出ガスは、多くの利用者に不快感を与える。
【０００５】
例えば、特許文献１では、送風ファン、マイナスイオン発生部、及びプラスに帯電されたフィルター等を画像形成装置内部に設け、装置内部で発生したトナー粉、塵埃をマイナスに帯電させて、マイナス帯電のトナー粉、塵埃をプラス帯電のフィルターに吸着させ、装置外部に放出される有害物質を低減している。同時に、画像形成装置外部から侵入しようとする塵埃、カビ等をマイナスに帯電させて、これらもプラス帯電のフィルターに吸着させ、装置外部からの有害物質の侵入を抑制している。
【０００６】
一方、オフィス、家庭、病院等においては、室内の空気を浄化する空気清浄機が普及しつつある。
【０００７】
例えば、特許文献２では、正イオン及び負イオンを同時に発生して、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌を効果的に除去している、
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特開２００５−４１４４号公報
【特許文献２】特開２００２−５８７３１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、特許文献１では、画像形成装置の複写に直接係わらないマイナスイオン発生部やプラス帯電のフィルター等を設ける必要があって、これらが装置の大型化やコスト増大の原因となった。
【００１０】
また、特許文献２では、室内の空気を浄化することができても、画像形成装置の排出ガスを浄化することができるわけではなかった。
【００１１】
更に、特許文献１のような高いコストの画像形成装置と、特許文献２のような空気清浄機を共に設けるのは、非常に不経済であり、またそれらを設置するために広いスペースを用意しなければならない。
【００１２】
また、画像形成装置に空気清浄機を単に組み合わせただけでは、ユーザによる画像形成装置の操作が必要な動作モードのときに、空気清浄機のイオンがユーザに直接吹き付けられる可能性があり、ユーザに不快感を与えるという事態が生じる。
【００１３】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、画像形成装置の排出ガスの影響を抑えかつ室内の空気を浄化することが可能であって、ユーザに不快感を与えることがない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
上記課題を解決するために、本発明は、画像を記録用紙に印刷する画像形成装置において、前記画像形成装置本体の外側に取付けられ、イオンを発生して放出するイオン発生手段と、前記画像形成装置の動作モードに応じて、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向もしくは放出量を変更する放出制御手段とを備えている。
【００１５】
例えば、前記イオン発生手段は、正イオン及び負イオンを同時に発生して放出している。
【００１６】
また、前記画像形成装置は、操作手段と、外部端末装置に接続されたインターフェースとを備え、前記画像形成装置の動作モードは、前記操作手段の操作入力により起動される操作入力応答モード、及び前記外部端末装置から前記インターフェースへの受信入力により起動される受信入力応答モードのいずれかである。
【００１７】
更に、前記画像形成装置は、原稿画像を読取る読取り手段と、この読取った原稿画像を記録用紙に複写する印刷手段とを備え、前記操作入力応答モードは、前記原稿画像を読取って前記インターフェースから前記外部端末装置へと送信するスキャナモードもしくは前記原稿画像を読取って複写する複写モードである
また、前記受信入力応答モードは、前記外部端末装置から前記インターフェースへと受信入力した原稿画像を印刷するプリントモードである。
【００１８】
更に、前記放出制御手段は、前記操作入力応答モードのときに、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の上方の向きに設定するか、前記イオン発生手段からのイオンの放出を停止させるか、もしくは前記イオン発生手段からのイオンの放出量を低減させる。
【００１９】
また、前記放出制御手段は、前記受信入力応答モードのときに、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の向きに設定するか、もしくは前記イオン発生手段からのイオンの放出量を増大させている。
【００２０】
更に、前記放出制御手段は、前記操作入力応答モード又は前記受信入力応答モードの終了後に、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の上方の向きに設定している。
【００２１】
また、前記イオン発生手段は、イオンを放出する送風ファンを有し、前記放出制御手段は、前記送風ファンの回転数を駆動制御して、前記イオン発生手段からのイオンの放出量を変更している。
【００２２】
更に、前記放出制御手段は、前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号に応答して、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量を変更している。
【００２３】
また、前記画像形成装置は、操作手段と、原稿画像を読取る読取り手段と、この読取った原稿画像を記録用紙に複写する印刷手段とを備え、前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、前記操作手段の操作入力に応答して生成され、原稿画像の読取りもしくは複写を指示する動作指示信号である。
【００２４】
更に、前記画像形成装置は、外部端末装置に接続されたインターフェースを備え、前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、前記外部端末装置から前記インターフェースへと受信入力した原稿画像の印刷を指示する動作指示信号である。
【００２５】
また、前記放出制御手段は、前記イオン発生手段そのものの向きを変更して、このイオン発生手段からのイオンの放出方向を変更している。
【００２６】
更に、前記イオン発生手段におけるイオンの放出ダクトのダクト壁が可動であり、前記放出制御手段は、前記放出ダクトのダクト壁を移動させて、イオンの放出方向を変更している。
【００２７】
また、前記イオン発生手段は、前記画像形成装置の上方に配置され、前記放出制御手段は、前記画像形成装置の動作モードに応じて、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を該画像形成装置の向き及び上方の向きに選択的に設定している。
【００２８】
更に、前記イオン発生手段は、前記画像形成装置に上向きに突設された支持部材により支持されている。
【００２９】
また、前記支持部材は、前記画像形成装置の背面側一コーナーに上向きに突設されて、前記イオン発生手段の一端部を支持されている。
【００３０】
更に、前記支持部材は、前記画像形成装置の背面側一辺の中央に上向きに突設されて、前記イオン発生手段の中央を支持している。
【００３１】
また、前記イオン発生手段は、イオンを発生するイオン発生素子と、イオン発生素子周辺を通過するような空気の流れを発生させて、イオンを放出する送風ファンとを有する。
【発明の効果】
【００３２】
本発明において、放出制御手段は、画像形成装置の動作モードに応じてイオン発生手段からのイオンの放出方向もしくは放出量を変更している。このイオン発生手段を画像形成装置本体の外側に取り付けているので、イオンの放出方向及び放出量の設定により、画像形成装置本体をイオンで覆って、画像形成装置の排出ガスの臭気を低減させたり、イオンを室内に拡散させて、空気中の浮遊細菌を除去することができる。
【００３３】
ただし、利用者が画像形成装置を操作する動作モードでは、イオンの放出方向及び放出量の設定を誤ると、イオンを大量の空気と共に利用者に直接吹き付けることになり、利用者に不快感を与えるので、このような事態を避けねばならない。
【００３４】
そこで、本発明では、画像形成装置の動作モードに応じてイオンの放出方向及び放出量を変更することにより、排出ガスの臭気の低減や空気中の浮遊細菌の除去を行うだけではなく、イオンを画像形成装置の利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させている。
【００３５】
また、イオン発生手段を画像形成装置本体の外側に取付けていることから、本体が大型化することはなく、かつ空気清浄機を別途設ける必要がなく、設置スペースが拡大せず、室内の空間を有効利用することができる。
【００３６】
例えば、イオン発生手段からは正イオン及び負イオンが同時に発生されて放出される。このような正イオン及び負イオンは、空気中の浮遊細菌を効果的に除去したり、画像形成装置の排出ガスの臭気を効果的に低減することができ、本発明に好適である。
【００３７】
また、画像形成装置の動作モードは、操作手段の操作入力により起動される操作入力応答モード、及び外部端末装置から画像形成装置のインターフェースへの受信入力により起動される受信入力応答モードのいずれかである。
【００３８】
例えば、操作入力応答モードは、原稿画像を読取って外部端末装置へと送信するスキャナモードもしくは原稿画像を読取って複写する複写モードである。このような操作入力応答モードでは、利用者が画像形成装置の操作手段を操作するべく装置の近傍に居るので、イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量を調節して、イオンを利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させる。
【００３９】
また、受信入力応答モードでは、利用者が画像形成装置の近傍に居ないので、イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量に格別な制限を設けず、排出ガスの臭気の抑制を効果的に行うようにする。
【００４０】
より具体的には、操作入力応答モードのときに、イオン発生手段からのイオンの放出方向を画像形成装置の上方の向きに設定するか、イオンの放出を停止させるか、もしくはイオンの放出量を低減させる。このようなイオンの放出方向の設定、放出の停止、及び放出量の低減のいずれかにより、あるいはそれらの組合せにより、イオンを画像形成装置の利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させることができる。
【００４１】
また、受信入力応答モードのときに、イオン発生手段からのイオンの放出方向を画像形成装置の向きに設定するか、もしくはイオン発生手段からのイオンの放出量を増大させる。このようなイオンの放出方向の設定及び放出量の増大のいずれかにより、あるいはそれらの組合せにより、画像形成装置をイオンで包み込んで、画像形成装置の排出ガスの臭気をより効果的に抑えることができる。
【００４２】
更に、放出制御手段は、操作入力応答モード又は受信入力応答モードの終了後に、イオン発生手段からのイオンの放出方向を画像形成装置の上方の向きに設定している。操作入力応答モード又は受信入力応答モードが終了すると、画像形成装置の印刷処理が行われず、画像形成装置の排出ガスが生じなくなる。このとき、イオンの放出方向を上方の向きに設定すれば、室内の空気を広い範囲で浄化することができる。
【００４３】
例えば、イオン発生手段の送風ファンの回転数を駆動制御して、イオンの放出量を変更することができる。
【００４４】
また、放出制御手段は、画像形成装置の動作モードの開始を示す信号に応答して、イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量を変更する。これにより、イオンの放出方向及び放出量の変更を適確なタイミングで行うことが可能となる。
【００４５】
例えば、画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、操作手段の操作入力に応答して生成され、原稿画像の読取りもしくは複写を指示する動作指示信号である。この動作指示信号は、原稿画像の読取りもしくは複写を指示するものであることから、先に述べた操作入力応答モードを指示するものであるともいえる。従って、この動作指示信号に応答して、イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量を調節して、イオンを利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させるのが好ましい。
【００４６】
また、画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、外部端末装置から受信入力した原稿画像の印刷を指示する動作指示信号である。この動作指示信号は、外部端末装置から受信入力した原稿画像の印刷を指示するものであることから、先に述べた受信入力応答モードを指示するものであるともいえる。従って、この動作指示信号のときには、イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量に格別な制限を設けず、排出ガスの臭気の抑制を効果的に行うようにする。
【００４７】
また、放出制御手段は、イオン発生手段そのものの向きを変更して、イオンの放出方向を変更している。この場合は、放出制御手段の構成を簡単化することができる。
【００４８】
あるいは、放出制御手段は、イオン発生手段におけるイオンの放出ダクトのダクト壁を移動させて、イオンの放出方向を変更している。この場合は、イオン発生手段の向きを変更するためのスペースを必要とせず、設置スペースの自由度が高くなる。
【００４９】
例えば、イオン発生手段が画像形成装置の上方に配置され、画像形成装置の動作モードに応じてイオンの放出方向が該画像形成装置の向き及び上方の向きに選択的に設定される。イオンが画像形成装置の向きへと放出されると、イオンにより画像形成装置を容易に覆うことができ、イオンによる排出ガスの抑制が確実になされる。また、イオンが上方に放出されると、イオンが室内全体に流れて拡散し、空気の浄化が広い範囲で行われる。
【００５０】
また、イオン発生手段が画像形成装置の背面側に上向きに突設された支持部材により支持されるので、イオン発生手段が画像形成装置の上方に重ねられ、装置の設置スペースが拡大することはない。例えば、支持部材は、画像形成装置の背面側一コーナーに上向きに突設されて、イオン発生手段の一端部を支持している。これにより、画像形成装置の上方スペースが開放されて、装置の使い勝手が損なわれずに済む。あるいは、支持部材は、画像形成装置の背面側一辺の中央に上向きに突設されて、イオン発生手段の中央を支持している。これにより、イオン発生手段が安定的に支持される。
【００５１】
例えば、イオン発生手段は、正イオン及び負イオンを発生するイオン発生素子と、イオン発生素子周辺を通過するような空気の流れを発生させて、イオンを放出する送風ファンとを有する。
【図面の簡単な説明】
【００５２】
【図１】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。
【図２】（ａ）、（ｂ）は、図１の画像形成装置におけるイオン発生装置からの２つのイオン放出方向を示す斜視図である。
【図３】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は、図１の画像形成装置におけるイオン発生装置の向きとイオンの放出を模式的に示す図である。
【図４】図１の画像形成装置における操作パネルを示す平面図である。
【図５】（ａ）、（ｂ）は、図１の画像形成装置におけるイオン発生装置の取り付け構造を側方及び背面から見て示すそれぞれの断面図である。
【図６】図１の画像形成装置におけるイオン発生装置を示す断面図である。
【図７】図３のイオン発生装置におけるプラズマクラスターイオン発生素子を例示する平面図である。
【図８】図１の画像形成装置における制御部の構成を示すブロック図である。
【図９】図１の画像形成装置において図６のイオン発生装置からのイオン放出方向を上方に設定した状態を示す側面図である。
【図１０】図１の画像形成装置において図６のイオン発生装置からのイオン放出方向を斜め下方に設定した状態を示す側面図である。
【図１１】図１の画像形成装置におけるイオン発生装置の他の例を示す断面図である。
【図１２】図１１のイオン発生装置からのイオン放出方向を斜め下方に設定した状態を示す側面図である。
【図１３】図１の画像形成装置において図１１のイオン発生装置の支持構造を示す斜視図である。
【図１４】図１の画像形成装置において図１１のイオン発生装置からのイオン放出方向を上方に設定した状態を示す側面図である。
【図１５】図１の画像形成装置において図１２のイオン発生装置からのイオン放出方向を斜め下方に設定した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００５３】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【００５４】
図１は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。この画像形成装置１００は、原稿読取り装置１０１により読取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成するものである。
【００５５】
原稿読取り装置１０１は、原稿搬送部４２により搬送されている原稿画像を読取る。原稿搬送部４２では、原稿が原稿セットトレイ４１にセットされると、原稿ピックアップローラ４４が原稿表面に押し付けられて回転され、原稿が原稿セットトレイ４１から引き出され、原稿がサバキローラ４５と分離パッド４６間を通過して１枚ずつに分離されてから搬送経路４７へと搬送される。
【００５６】
この搬送経路４７では、原稿の先端が原稿レジストローラ４９に当接して、原稿の先端が原稿レジストローラ４９と平行に揃えられ、この後に原稿が原稿レジストローラ４９により搬送されて読取りガイド５１と読取りガラス５２間を通過する。更に、原稿は、搬送ローラ５７により搬送され、排紙ローラ５８を介して排紙トレイ５９に排出される。
【００５７】
原稿読取り装置１０１では、原稿が読取りガイド５１と読取りガラス５２間を通過するに際し、第１走査部５３の光源の光が読取りガラス５２を介して原稿表面に照射され、その反射光が読取りガラス５２を介して第１走査部５３に入射し、この反射光が第１及び第２走査部５３、５４のミラーで反射されて結像レンズ５５へと導かれ、結像レンズ５５によって原稿の画像がＣＣＤ（Charge Coupled Device）５６上に結像される。ＣＣＤ５６は、原稿の画像を読取り、原稿の画像を示す画像データを出力する。
【００５８】
また、原稿台ガラス６１上に載置された原稿を読取ることができる。原稿搬送部４２は、原稿読取り装置１０１の背面側で開閉可能に枢支されており、この原稿搬送部４２が開かれると、原稿台ガラス６１が解放されて、原稿台ガラス６１上に原稿を載置することができる。原稿が載置されて、原稿搬送部４２が閉じられると、第１及び第２走査部５３、５４が副走査方向に移動されつつ、第１走査部５３によって原稿台ガラス６１上の原稿表面が露光され、第１及び第２走査部５３、５４によって原稿表面からの反射光が結像レンズ５５へと導かれ、結像レンズ５５によって原稿の画像がＣＣＤ５６上に結像される。このとき、第１及び第２走査部５３、５４が相互に所定の速度関係を維持しつつ移動されて、原稿表面→第１及び第２走査部５３、５４→結像レンズ５５→ＣＣＤ５６という反射光の光路の長さが変化しないように第１及び第２走査部５３、５４の位置関係が維持され、これによりＣＣＤ５６上での原稿の画像のピントが常に正確に維持される。
【００５９】
こうして読取られた原稿の画像全体は、画像データとして画像形成装置１００のレーザ露光装置１へと送受され、画像形成装置１００において画像が記録用紙に記録される。
【００６０】
一方、画像形成装置１００は、レーザ露光装置１、現像装置２、感光体ドラム３、帯電器５、クリーナ装置４、中間転写ベルト装置８、定着装置１２、用紙搬送経路Ｓ、給紙トレイ１０、及び用紙排出トレイ１５等により構成されている。
【００６１】
画像形成装置１００において扱われる画像データは、ブラック（Ｋ）、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色（例えばブラック）を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置２、感光体ドラム３、帯電器５、クリーナ装置４は各色に応じた４種類の潜像を形成するようにそれぞれ４個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、４つの画像ステーションＰａ、Ｐｂ、Ｐｃ、Ｐｄが構成されている。
【００６２】
感光体ドラム３は、画像形成装置１００のほぼ中央に配置されている。
【００６３】
帯電器５は、感光体ドラム３の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
【００６４】
レーザ露光装置１は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット（ＬＳＵ）であり、帯電された感光体ドラム３表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。
【００６５】
現像装置２は、感光体ドラム３上に形成された静電潜像を（Ｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙ）のトナーにより現像する。クリーナ装置４は、現像及び画像転写後に感光体ドラム３表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【００６６】
感光体ドラム３の上方に配置されている中間転写ベルト装置８は、中間転写ベルト７、中間転写ベルト駆動ローラ２１、従動ローラ２２、中間転写ローラ６、及び中間転写ベルトクリーニング装置９を備えている。
【００６７】
中間転写ベルト駆動ローラ２１、中間転写ローラ６、従動ローラ２２等は、中間転写ベルト７を張架して支持し、中間転写ベルト７を矢印Ｃ方向に周回移動させる。
【００６８】
中間転写ローラ６は、中間転写ベルト７近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト７を介して感光体ドラム３に圧接され、感光体ドラム３のトナー像を中間転写ベルト７に転写するための転写バイアスを印加されている。
【００６９】
中間転写ベルト７は、各感光体ドラム３に接触するように設けられており、各感光体ドラム３表面のトナー像を中間転写ベルト７に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像（各色のトナー像）を形成する。この転写ベルトは、厚さ１００μｍ〜１５０μｍ程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。
【００７０】
感光体ドラム３から中間転写ベルト７へのトナー像の転写は、中間転写ベルト７裏面に圧接されている中間転写ローラ６によって行われる。中間転写ローラ６には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス（トナーの帯電極性（−）とは逆極性（＋）の高電圧）が印加されている。中間転写ローラ６は、直径８〜１０ｍｍの金属（例えばステンレス）軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材（例えばＥＰＤＭ、発泡ウレタン等）により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、記録用紙に対して均一に高電圧を印加することができる。
【００７１】
上述の様に各感光体ドラム３表面のトナー像は、中間転写ベルト７で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト７と共に搬送され、中間転写ベルト７と接触する２次転写装置１１の転写ローラ１１ａによって記録用紙上に転写される。
【００７２】
中間転写ベルト７と２次転写装置１１の転写ローラ１１ａとは相互に圧接されて、ニップ域を形成する。また、２次転写装置１１の転写ローラ１１ａには、中間転写ベルト７上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧（トナーの帯電極性（−）とは逆極性（＋）の高電圧）が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、２次転写装置１１の転写ローラ１１ａもしくは中間転写ベルト駆動ローラ２１の何れか一方を硬質材料（金属等）とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料（弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等）としている。
【００７３】
また、２次転写装置１１によって中間転写ベルト７上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト７上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置９によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置９には、例えばクリーニング部材として、中間転写ベルト７に接触して残留トナーを除去するクリーニングブレードが設けられており、クリーニングブレードが接触する部位で、従動ローラ２２により中間転写ベルト７裏側が支持されている。
【００７４】
給紙トレイ１０は、記録用紙を格納しておくためのトレイであり、画像形成装置１００の画像形成部の下側に設けられて、トレイ内の記録用紙を供給する。
【００７５】
画像形成装置１００には、給紙トレイ１０から供給された記録用紙を２次転写装置１１や定着装置１２を経由させて用紙排出トレイ１５に送るための、Ｓの字形状の用紙搬送経路Ｓが設けられている。この用紙搬送経路Ｓに沿って、用紙ピックアップローラ１６、用紙レジストローラ１４、定着装置１２、及び記録用紙を搬送する搬送ローラ等が配置されている。
【００７６】
用紙ピックアップローラ１６は、給紙トレイ１０の端部に設けられ、給紙トレイ１０から記録用紙を１枚ずつ用紙搬送経路Ｓに供給する呼び込みローラである。搬送ローラは、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、複数個設けられている。
【００７７】
用紙レジストローラ１４は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト７と２次転写装置１１の転写ローラ１１ａ間のニップ域で中間転写ベルト７上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、感光体ドラム３及び中間転写ベルト７の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【００７８】
例えば、用紙レジストローラ１４は、図示しないレジスト前検知スイッチの検出出力に基づき、中間転写ベルト７と２次転写装置１１の転写ローラ１１ａ間のニップ域で中間転写ベルト７上のカラーのトナー像の先端が記録用紙の画像形成領域の先端に合うように、記録用紙を搬送する。
【００７９】
定着装置１２は、加熱ローラ３１及び加圧ローラ３２等を備えている。加熱ローラ３１及び加圧ローラ３２は、中間転写ベルト７と２次転写装置１１の転写ローラ１１ａ間のニップ域を通過して来た記録用紙を挟み込んで搬送する。
【００８０】
加熱ローラ３１は、図示しない温度検出器の検出出力に基づき、所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ３２とともに記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる機能を有している。
【００８１】
各色のトナー像の定着後の記録用紙は、搬送ローラによって用紙排出トレイ１５上にフェイスダウンで排出される。
【００８２】
さて、このような画像形成装置１００においては、先に述べた電子写真方式により記録用紙の印刷を行うに際し、有害な排出ガスが生じることがある。この排出ガスの主成分は、記録用紙から発生すると推定されるロンギフォレン等である。
【００８３】
このような有害な排出ガスを放置していたのでは、画像形成装置１００の利用者に不快感を与えてしまい、好ましくない。
【００８４】
そこで、本実施形態の画像形成装置１００では、図１及び図２（ａ）に示すように画像形成装置１００の本体の上方にイオン発生装置７１を設け、イオン発生装置７１により正イオン及び負イオンを発生させ、正イオン及び負イオンをイオン発生装置７１から矢印Ｄの斜め下方に放出している。これにより、エアーカーテンのように正イオン及び負イオンが画像形成装置１００の本体前側を主に覆って、排出ガスの臭気が低減される。このような正イオン及び負イオンにより、画像形成装置１００の外部からでも排出ガスの影響が効果的に抑えられることが実験で確認されている。
【００８５】
ただし、図３（ａ）に示すように利用者が画像形成装置１００の前に立っているときには、正イオン及び負イオンをイオン発生装置７１から矢印Ｄの斜め下方に放出すると、イオンを大量の空気と共に利用者に直接吹き付けることになり、利用者に不快感を与えるため、このような事態を避けねばならない。
【００８６】
このため、本実施形態では、利用者が画像形成装置１００の前に立っているときに、図３（ｂ）に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出を停止して、イオンを利用者に直接かけないようにするか、あるいは放出量を低減して、利用者にかかるイオンの量を低減させている。
【００８７】
更に、画像形成装置１００の印刷処理が終了した後には、画像形成装置１００の排出ガスが発生しなくなるので、図２（ｂ）及び図３（ｃ）に示すようにイオン発生装置７１からの正イオン及び負イオンの放出方向を矢印Ｅの上方向に変更して、正イオン及び負イオンを室内全体に流して拡散させ、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌を除去して、空気の浄化を広い範囲で行うようにしている。
【００８８】
ここで、利用者が画像形成装置１００の前に立っているか否かは、画像形成装置１００の動作モードに応じて特定することができる。
【００８９】
例えば、図１に示すように画像形成装置１００の手前上部には操作パネル７５が配置されており、この操作パネル７５の入力操作により起動された動作モードのときには、利用者が画像形成装置１００の前に立っているとみなすことができる。このときの動作モードを操作入力応答モードと称する。
【００９０】
この操作入力応答モードとしては、原稿読取り装置１０１により原稿画像を読取らせて、この原稿画像をインターフェース７６からネットワークＮを通じて外部端末装置へと送信するスキャナモード、原稿読取り装置１０１により原稿画像を読取らせて、この原稿画像を記録用紙に複写する複写モード等がある。これらのスキャナモードや複写モードでは、利用者が原稿画像を原稿読取り装置１０１にセットして操作パネル７５を操作するので、利用者が画像形成装置１００の前に立つ必要がある。
【００９１】
図４は、操作パネル７５を示す平面図である。この操作パネル７５では、その左側に液晶ディスプレイ７５ａが配置され、この液晶ディスプレイ７５ａの周囲に各種の操作キー７５ｂが配置されている。これらの操作キー７５ｂの１つが開始キーであり、この開始キーが操作されると、操作パネル７５から制御部７４へと動作指示信号が出力される。制御部７４は、画像形成装置１００全体の制御を司っており、原稿読取り装置１０１の原稿セットトレイ４１に原稿がセットされた状態で、その動作指示信号を入力すると、画像形成装置１００の動作を開始して、原稿読取り装置１０１により原稿画像を読取らせ、この原稿画像を記録用紙に複写する。
【００９２】
また、各操作キー７５ｂの操作によりスキャナ動作が選択されると、操作パネル７５から制御部７４へとスキャナ動作が指示され、引き続いて開始キーが操作されると、操作パネル７５から制御部７４へと動作指示信号が出力され、これに応答して制御部７４は、画像形成装置１００の動作を開始して、原稿読取り装置１０１により原稿画像を読取らせ、この原稿画像をインターフェース７６からネットワークＮを通じて外部端末装置へと送信させる。
【００９３】
更に、インターフェース７６としてファクシミリ通信機能を有するものを適用し、ネットワークＮとして電話回線を適用した構成でも、各操作キー７５ｂの選択的操作によりスキャナモードが選択され、開始キーが操作されると、インターフェース７６から電話回線を通じて外部端末装置が呼び出され、原稿読取り装置１０１で原稿画像が読取られ、この原稿画像がインターフェース７６から電話回線を通じて外部端末装置へと送信される。
【００９４】
一方、パーソナルコンピュータ等の外部端末装置（図示せず）からの受信入力により起動された動作モードのときには、利用者が画像形成装置１００の前に立っていないとみなすことができる。このときの動作モードを受信入力応答モードと称する。
【００９５】
この受信入力応答モードとしては、外部端末装置から受信した原稿画像を記録用紙に印刷するというプリントモードがある。このプリントモードでは、外部端末装置からネットワークＮを通じてインターフェース７６へとプリントの動作指示信号及び原稿画像が受信され、これに応答して原稿画像が記録用紙に印刷されるので、利用者が画像形成装置１００の前に立つ必要がない。
【００９６】
また、インターフェース７６としてファクシミリ通信機能を有するものを適用し、ネットワークＮとして電話回線を適用した構成でも、外部端末装置からの着呼があり、外部端末装置から電話回線を通じてインターフェース７６へとプリントの動作指示信号（ファクシミリ通信の制御信号に対応する）及び原稿画像が送受されて、プリントモードとなり、原稿画像が記録用紙に印刷されるので、利用者が画像形成装置１００の前に立つ必要がない。
【００９７】
次に、イオン発生装置７１及び制御部７４について詳しく説明する。図１及び図５（ａ）、（ｂ）から明らかなように画像形成装置１００の本体の背面片側のコーナー１００ａには支柱７２が突設されており、この支柱７２の上端にイオン発生装置７１の外装筐体が覆い被せられ、この外装筐体内でイオン発生装置７１の軸７１ａが支柱７２に内蔵された偏向用モータ７３の出力軸に接続されている。
【００９８】
この偏向用モータ７３によりイオン発生装置７１の軸７１ａが往復回転駆動されて、イオン発生装置７１が矢印Ｆの方向に往復回転され、図２（ａ）、（ｂ）に示すようにイオン発生装置７１からの正イオン及び負イオンの放出方向が矢印Ｄ及び矢印Ｅのいずれかの向きに変更される。
【００９９】
図１に示すように偏向用モータ７３は、画像形成装置１００に内蔵の制御部７４に接続され、制御部７４により駆動制御される。制御部７４は、画像形成装置１００の動作状態に応じて偏向用モータ７３を駆動制御して、イオン発生装置７１の回転位置を制御し、図２（ａ）、（ｂ）に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｄ及び矢印Ｅのいずれかの向きに設定する。
【０１００】
図１及び図５（ａ）、（ｂ）に示すように支柱７２が本体の背面片側のコーナー１００ａに配置され、支柱７２によりイオン発生装置７１が水平に片持ちされているので、画像形成装置１００の上方スペースが開放されて、画像形成装置１００の使い勝手が損なわれずに済む。また、画像形成装置１００は、その背面側が壁等に向けて配置されるように構成されている。このため、イオン発生装置７１が画像形成装置１００の背面側に設けられており、イオン発生装置７１が壁際に配置されて邪魔にならないようにされている。
【０１０１】
図６は、イオン発生装置７１を示す断面図である。このイオン発生装置７１は、本体筐体８１、本体筐体８１の下部に配置されたファンユニット８２、本体筐体８１の下側壁に形成された複数の吸入孔８１ａとファンユニット８２の吸入口８２ａとの間に配置された吸入ダクト８３、本体筐体８１の上部に形成された上部吹き出し口８１ｂとファンユニット８２の吹き出し口８２ｂとの間に配置された吹き出しダクト８４、及びファンユニット８２の周囲に配置された複数のイオン発生素子８５を備えている。
【０１０２】
図１及び図５（ａ）、（ｂ）に示すようにイオン発生装置７１が画像形成装置１００の幅方向に長いため、本体筐体８１、ファンユニット８２、各吸入孔８１ａ、吸入ダクト８３、放出口８２ｂ、及び放出ダクト８４も画像形成装置１００の幅方向に長く、また複数のイオン発生素子８５を画像形成装置１００の幅方向に配列している。
【０１０３】
ファンユニット８２のファン８２ｃは、モータ８２ｄ（図５（ｂ）に示す）により回転駆動され、矢印Ｇに示すような空気流を発生し、空気を各吸入孔８１ａから吸入ダクト８３を通じてファンユニット８２内へと吸入し、空気を各イオン発生素子８５近傍に流してから、空気を吹き出しダクト８４を通じて上部吹き出し口８１ｂから放出する。
【０１０４】
このファン８２ｃのモータ８２ｄも、偏向用モータ７３と同様に、画像形成装置１００に内蔵の制御部７４に接続され、制御部７４により駆動制御される。
【０１０５】
各イオン発生素子８５は、プラズマクラスターイオン（登録商標）発生素子（ＰＣＩ）である。図６の矢印Ａ方向から各イオン発生素子８５を見ると、図７に示すように２個のイオン発生素子８５が画像形成装置１００の幅方向に配列され、イオン発生素子８５毎に、正イオンを発生する一対の正イオン発生部８５ａと、負イオンを発生する一対の負イオン発生部８５ｂとが配列されている。このようなイオン発生素子８５は、本願発明の出願人が先に出願した特開２００２−５８７３１号に詳しく開示されている。
【０１０６】
このイオン発生素子８５により発生された正イオン及び負イオンは、ファンユニット８２のファン８２ｃにより発生された空気流と共に吹き出しダクト８４を通じて上部吹き出し口８１ｂから放出される。
【０１０７】
図８は、イオン発生装置７１を制御するための制御部７４の構成を概略的に示すブロック図である。図８に示すように制御部７４は、制御ＩＣ７４ａと、ＰＣＩオンオフ回路７４ｂと、モータ駆動回路７４ｃとを備えている。ＰＣＩオンオフ回路７４ｂは、各イオン発生素子８５に対する印加電圧Ｖａをオンオフするためのスイッチである。また、モータ駆動回路７４ｃは、偏向用モータ７３及びファン８２ｃのモータ８２ｄに対するそれぞれの駆動電圧をオンオフするためのものである。制御ＩＣ７４ａは、ＰＣＩオンオフ回路７４ｂを制御して、各イオン発生素子８５に対する印加電圧Ｖａをオンオフし、各イオン発生素子８５からイオンを発生させたり、イオンの発生を停止させる。また、制御ＩＣ７４ａは、モータ駆動回路７４ｃを制御して、偏向用モータ７３及びファン８２ｃのモータ８２ｄに対するそれぞれの駆動電圧をオンオフし、これらのモータを回転駆動する。
【０１０８】
尚、制御部７４は、先に述べたように画像形成装置１００全体の制御を司るため、ＰＣＩオンオフ回路７４ｂやモータ駆動回路７４ｃだけではなく、種々の入出力ポートやメモリ等を備えている。
【０１０９】
このような構成において、図１の制御部７４は、電源スイッチがオンになると、予め設定された手順で画像形成装置１００の各部を駆動制御して、画像形成装置１００の動作モードを待機モードとする。この待機モードとは、印刷処理が実行されていない状態であって、直ちに印刷処理の実行に移れる状態である。
【０１１０】
この待機モードにおいて、原稿読取り装置１０１の原稿セットトレイ４１に原稿がセットされ、操作パネル７５の開始キーが操作され、操作パネル７５から制御部７４へと複写の動作指示信号が出力されると、これに応答して制御部７４は、画像形成装置１００の動作を開始して、画像形成装置１００の動作状態を設定し、原稿画像を読取り、読取った原稿画像を記録用紙に複写する。
【０１１１】
また、操作パネル７５の入力操作によりスキャナ動作が選択され、開始キーが操作され、操作パネル７５から制御部７４へとスキャナの動作指示信号が出力されると、これに応答して制御部７４は、画像形成装置１００の動作を開始して、画像形成装置１００の動作状態を設定し、原稿画像を読取り、この原稿画像をインターフェース７６からネットワークＮを通じて外部端末装置へと送信する。あるいは、インターフェース７６から電話回線を通じて外部端末装置を呼び出し、原稿画像を読取り、この原稿画像をインターフェース７６から電話回線を通じて外部端末装置へとファクシミリ送信する。
【０１１２】
更に、プリントモードでは、外部端末装置からネットワークＮを通じてインターフェース７６へとプリントの動作指示信号及び原稿画像が受信され、これに応答して制御部７４は、画像形成装置１００の動作を開始して、画像形成装置１００の動作状態を設定し、この原稿画像を記録用紙に印刷する。あるいは、外部端末装置から電話回線を通じてインターフェース７６へとファクシミリ通信の着呼があり、外部端末装置から電話回線を通じてインターフェース７６へとプリントの動作指示信号及び原稿画像が送受され、これに応答して制御部７４は、画像形成装置１００の動作を開始して、画像形成装置１００の動作状態を設定し、この原稿画像を記録用紙に印刷する。
【０１１３】
そして、このような複写モード、スキャナモード、プリントモードの印刷処理が終了した後、印刷処理が実行されないまま一定時間が経過すると、画像形成装置１００が再び待機モードとなり、次の動作指示信号の入力が待機される。
【０１１４】
ここで、制御部７４は、画像形成装置１００を待機モードに設定すると、偏向用モータ７３を駆動制御して、イオン発生装置７１の回転位置を制御し、図２（ｂ）、図３（ｃ）、及び図９に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｅの上方向に設定する。また、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃの回転速度を待機モードの規定回転速度に維持する。これにより、正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌が除去されて、空気の浄化が広い範囲で行われる。一般に、画像形成装置１００の待機モードの設定時間がその他のプリンタモード、スキャナモード、複写モードの設定時間よりも長いため、画像形成装置１００の待機モードのときに正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散されれば、空気の浄化が効果的になされる。
【０１１５】
このとき、制御部７４は、偏向用モータ７３の駆動制御によりイオン発生装置７１を軸７１ａ周りの一定角度範囲で往復回転させてもよい。すなわち、イオン発生装置７１をスイング動作させる。これにより、正イオン及び負イオンの放出範囲を広げることができる。
【０１１６】
あるいは、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄの駆動制御によりファン８２ｃの回転速度を速くする。これによって、イオン発生装置７１からの空気の放出速度及び放出量が増大し、正イオン及び負イオンの放出範囲がより広がる。
【０１１７】
また、制御部７４は、外部端末装置からの受信入力（プリントの動作指示信号）に応答してプリントモードを設定すると、偏向用モータ７３を駆動制御して、イオン発生装置７１の回転位置を制御し、図２（ａ）、図３（ａ）、及び図１０に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｄの斜め下方に設定する。また、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃの回転速度を待機モードと同一の規定回転速度に維持する。これにより、正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側が主に覆われて、排出ガスの臭気が低減される。
【０１１８】
このときにも、制御部７４は、偏向用モータ７３の駆動制御によりイオン発生装置７１を軸７１ａ周りの一定角度範囲で往復回転させ、イオン発生装置７１をスイング動作させてもよい。
【０１１９】
更に、制御部７４は、操作パネル７５の入力操作（複写又はスキャナの動作指示信号）に応答して複写モードやスキャナモードを設定したときにも、図２（ａ）及び図１０に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｄの斜め下方に維持する。だだし、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃを停止させるか、ファン８２ｃの回転速度を遅くする。これによって、図３（ｂ）に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出が停止されるか、イオンの放出量が低減され、イオンが画像形成装置１００の本体前側に立った利用者にかからなくなるか、殆どかからずに済む。イオンの放出量を低減させた場合は、イオン及び負イオンを穏やかに拡散させて、正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側を覆い、利用者周辺の排出ガスの臭気を軽減させることができる。
【０１２０】
また、制御部７４は、プリントモード、複写モード、スキャナモードを終了すると、画像形成装置１００を待機モードに設定し、同時に偏向用モータ７３を駆動制御して、イオン発生装置７１の回転位置を制御し、図２（ｂ）、図３（ｃ）、及び図９に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｅの上方向に戻す。また、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃの回転速度を待機モードの規定回転速度に戻す。これにより、再び正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、空気の浄化が広い範囲で行われる。
【０１２１】
このように本実施形態では、プリントモードのときに、図２（ａ）、図３（ａ）、及び図１０に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｄの斜め下方に設定しているので、正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側が主に覆われて、排出ガスの臭気が効果的に低減される。また、複写モードやスキャナモードのときには、図２（ａ）及び図１０に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｄの斜め下方に設定したまま、図３（ｂ）に示すようにファン８２ｃを停止させて、イオンの放出を停止させ、イオンを画像形成装置１００の本体前側に立った利用者にかけないようにするか、ファン８２ｃの回転速度を遅くして、イオンの放出量を低減させ、イオンを利用者に殆どかけないようにしている。更に、待機モードでは、図２（ｂ）、図３（ｃ）、及び図９に示すようにイオン発生装置７１からのイオンの放出方向を矢印Ｅの上方向に設定し、ファン８２ｃの回転速度を待機モードの規定回転速度に設定して、イオンの放出量を増やしているので、正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌が除去されて、空気の浄化が広い範囲で行われる。すなわち、イオンを利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させながらも、イオンを適確なタイミングで広い範囲に大量放出して、排出ガスの臭気の低減や空気中の浮遊細菌の除去を効果的に行うことができる。
【０１２２】
また、エアーカーテンのようにイオンが画像形成装置１００を覆えば、画像形成装置１００の排出ガスの影響を効果的に抑えられることが実験で確認されている。このため、イオン発生装置７１を画像形成装置１００の外側に配置して、画像形成装置１００の本体の大型化を避けることができる。また、このイオン発生装置７１により室内の空気が浄化されるので、空気清浄機を別途設ける必要がなく、室内の空間を有効利用することができ、また設備費用を節減することができる。
【０１２３】
尚、複写モードやスキャナモードのときに、図２（ａ）及び図１０に示すようにイオンの放出方向を矢印Ｄの斜め下方に設定する代わりに、図２（ｂ）及び図９に示すようにイオンの放出方向を矢印Ｅの上方向に設定し、その上でイオンの放出を停止するか、イオンの放出量を低減させてもよい。これによっても、イオンが画像形成装置１００の本体前側に立った利用者にかからなくなるか、殆どかからないようすることができる。
【０１２４】
図１１は、イオン発生装置の他の例を示す断面図である。尚、図１１において、図６と同様の作用を果たす部位には同じ符号を付して、説明を簡略化する。
【０１２５】
図１１に示すようにイオン発生装置７１Ａでは、図６の本体筐体８１及吹き出しダクト８４の代わりに、本体筐体８１Ａ及び吹き出しダクト８４Ａを設けている。
【０１２６】
本体筐体８１Ａは、図６の本体筐体８１と同様に複数の吸入孔８１ａ及び上部吹き出し口８１ｂを有するだけではなく、側部吹き出し口８１ｃを有している。
【０１２７】
吹き出しダクト８４Ａは、相互に対向する第１及び第２可動ダクト壁９１、９２を有している。第１可動ダクト壁９１は、その上端の軸９１ａを枢支されて、この軸９１ａ周りで矢印Ｈの方向に往復回動することができる。また、第２可動ダクト壁９２は、その下端の軸９２ａを枢支されて、この軸９２ａ周りで矢印Ｉの方向に往復回動することができる。
【０１２８】
第１及び第２可動ダクト壁９１、９２の軸９１ａ、９２ａは、ダクト用モータ（図示せず）により同時に回転駆動されて、同時に往復回転される。
【０１２９】
画像形成装置１００内の制御部７４は、画像形成装置１００の待機モード及び動作状態に応じてそのダクト用モータを駆動制御し、第１及び第２可動ダクト壁９１、９２の軸９１ａ、９２ａを同時に往復回転させる。これにより、第１及び第２可動ダクト壁９１、９２が図１１又は図１２に示すように選択的に位置決めされる。
【０１３０】
図１１に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２が位置決めされた状態では、第１可動ダクト壁９１が側部吹き出し口８１ｃを閉じるので、イオン発生装置７１Ａにおける空気流が矢印Ｊに示すように発生し、各吸入孔８１ａ→吸入ダクト８３→ファンユニット８２内の各イオン発生素子８５近傍→吹き出し口８２ｂ→吹き出しダクト８４Ａ→上部吹き出し口８１ｂという経路で空気が流れて上方向に放出される。
【０１３１】
また、図１２に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２が位置決めされた状態では、第１可動ダクト壁９１が側部吹き出し口８１ｃを開放し、第２可動ダクト壁９２が上部吹き出し口８１ｂを閉じるので、イオン発生装置７１Ａにおける空気流が矢印Ｋに示すように発生し、各吸入孔８１ａ→吸入ダクト８３→ファンユニット８２内の各イオン発生素子８５近傍→吹き出し口８２ｂ→側部吹き出し口８１ｃという経路で空気が流れて斜め下方向に放出される。
【０１３２】
図１３は、イオン発生装置７１Ａを画像形成装置１００に取付けた状態を示している。画像形成装置１００の本体の背面中央には支柱９３が突設されており、この支柱９３の上端にイオン発生装置７１Ａの中央を安定的に支持している。
【０１３３】
ここで、制御部７４は、画像形成装置１００を待機モードに設定すると、ダクト用モータを駆動制御して、第１及び第２可動ダクト壁９１、９２の軸９１ａ、９２ａを同時に回転させ、図１１に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２を位置決めする。このため、図１４に示すようにイオン発生装置７１Ａの上部吹き出し口８１ｂから空気が正イオン及び負イオンと共に矢印Ｌの上方向に放出される。これにより、正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、空気の浄化が効果的になされる。
【０１３４】
このとき、ファンユニット８２のモータ８２ｄの駆動制御によりファン８２ｃの回転速度を速くして、イオン発生装置７１Ａからの空気の放出速度及び放出量を増大させ、正イオン及び負イオンの放出範囲をより広げてもよい。
【０１３５】
また、制御部７４は、外部端末装置からの受信入力や着呼に応答してプリントモードを設定すると、ダクト用モータを駆動制御して、第１及び第２可動ダクト壁９１、９２の軸９１ａ、９２ａを同時に回転させ、図１２に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２を位置決めする。このため、図１５に示すようにイオン発生装置７１Ａの側部吹き出し口８１ｃから空気が正イオン及び負イオンと共に矢印Ｍの斜め下方向に放出される。この正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側が主に覆われ、排出ガスの臭気が効果的に低減される。
【０１３６】
このときにも、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄの駆動制御によりファン８２ｃの回転速度を速くして、イオン発生装置７１Ａからの空気の放出速度及び放出量を増大させてもよい。
【０１３７】
更に、制御部７４は、操作パネル７５の入力操作に応答して複写モードやスキャナモードを設定したときにも、図１２に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２を位置決めし、図１５に示すようにイオン発生装置７１Ａの側部吹き出し口８１ｃから空気を正イオン及び負イオンと共に矢印Ｍの斜め下方向に放出する。だだし、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃを停止させ、イオン発生装置７１Ａからのイオンの放出を停止して、イオンを画像形成装置１００の本体前側に立った利用者にかけないようにするか、ファン８２ｃの回転速度を遅くし、イオンの放出量を低減して、イオンを利用者に殆どかけないようにする。イオンの放出量を低減させた場合は、正イオン及び負イオンを穏やかに拡散させて、正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側を覆い、利用者周辺の排出ガスの臭気を軽減させることができる。
【０１３８】
また、制御部７４は、プリントモード、複写モード、スキャナモードを終了すると、画像形成装置１００を待機モードに設定し、同時に図１１に示すように第１及び第２可動ダクト壁９１、９２を位置決めして、図１４に示すようにイオン発生装置７１Ａの上部吹き出し口８１ｂから空気を正イオン及び負イオンと共に矢印Ｌの上方向に放出させる。また、制御部７４は、ファンユニット８２のモータ８２ｄを駆動制御して、ファン８２ｃの回転速度を待機モードの規定回転速度に戻す。
【０１３９】
このようなイオン発生装置７１Ａを用いた構成でも、プリントモードのときに、図１５に示すようにイオン発生装置７１Ａからのイオンの放出方向を矢印Ｍの斜め下方向に設定しているので、正イオン及び負イオンにより画像形成装置１００の本体前側が主に覆われて、排出ガスの臭気が効果的に低減される。また、複写モードやスキャナモードのときには、図１５に示すようにイオンの放出方向を矢印Ｍの斜め下方向に設定したまま、イオンの放出を停止させて、イオンを利用者にかけないようにするか、イオンの放出量を低減して、イオンを利用者に殆どかけないようにすることができる。更に、待機モードでは、図１４に示すようにイオン発生装置７１Ａからのイオンの放出方向を矢印Ｌの上方向に設定し、イオンの放出量を増やしているので、正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌が除去されて、空気の浄化が広い範囲で行われる。すなわち、イオンを利用者に直接かけないようにするか、利用者にかかるイオンの量を低減させながらも、イオンを適確なタイミングで広い範囲に大量放出して、排出ガスの臭気の低減や空気中の浮遊細菌の除去を効果的に行うことができる。
【０１４０】
尚、複写モードやスキャナモードのときに、図１５に示すようにイオンの放出方向を矢印Ｍの斜め下方向に設定する代わりに、図１４に示すようにイオンの放出方向を矢印Ｌの上方向に設定し、その上でイオンの放出を停止するか、イオンの放出量を低減させてもよい。これによっても、イオンが画像形成装置１００の本体前側に立った利用者にかからなくなるか、殆どかからないようすることができる。
【０１４１】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【０１４２】
例えば、上記実施形態では、画像形成装置の非動作状態として待機モードを示しているが、画像形成装置の非動作状態が長く続いたときには、待機モードから消費電力の少ない省電力モードへと移り、更に省電力モードからより消費電力の少ないスリープモードへと移り、印刷指示があったときに動作状態に戻るという節電制御を行うことがある。そのような省電力モードやスリープモードに際しても、待機モードと同様に、排出ガスが発生しないため、イオン発生装置からのイオンの放出方向を上方に向けて、イオンを上方に放出し続けてもよい。特に、夜間等においては、スリープモードが設定されるので、イオン発生装置からイオンを上方に放出し続ければ、人が居ない間に、室内の空気を十分に浄化することができる。
【０１４３】
また、イオン発生装置７１をオプションで後付けすることができるようにしてもよい。この場合は、イオン発生装置７１側に偏向用モータ７３等を駆動制御するための制御部を設けておき、この制御部と画像形成装置１００の制御部７４とをシリアル通信用のケーブル並びにコネクタを介して接続し、両者の制御部間のデータ通信により、画像形成装置１００の制御部７４からイオン発生装置７１側の制御部へと指示を送受して、イオン発生装置７１側の制御部により偏向用モータ７３等を制御する。
【０１４４】
更に、画像形成装置の構造や使用状況等に応じて、イオン発生装置７１の取り付け位置を変更してもよい。上記実施形態では、画像形成装置の背面側を壁等に向けて配置することを想定して、支柱を画像形成装置の背面側に突設し、この支柱の上端にイオン発生装置７１を水平に支持しているが、画像形成装置の構造や使用状況によっては、画像形成装置の側面を壁等に向けて配置することがある。この場合は、支柱を画像形成装置の側壁に突設し、この支柱の上端にイオン発生装置７１を支持すると、イオン発生装置７１が壁際に配置されて、イオン発生装置７１が邪魔にならずに済む。あるいは、支柱を用いずに、イオン発生装置７１を垂直に取付けたり、画像形成装置本体の外壁に直接取付けてもよい。更に、複数のイオン発生装置７１を分散して取付けても構わない。
【符号の説明】
【０１４５】
１ レーザ露光装置
２ 現像装置
３ 感光体ドラム
４ クリーナ装置
５ 帯電器
７ 中間転写ベルト
８ 中間転写ベルト装置
１０ 給紙トレイ
１１ ２次転写装置
１２ 定着装置
１４ 用紙レジストローラ
１５ 用紙排出トレイ
３１ 加熱ローラ
３２ 加圧ローラ
４１ 原稿セットトレイ
４２ 原稿搬送部
４４ 原稿ピックアップローラ
５３ 第１走査部
５４ 第２走査部
５５ 結像レンズ
５６ ＣＣＤ
７１、７１Ａ イオン発生装置
７２、９３ 支柱
７３ 偏向用モータ
７４ 制御部
８１、８１Ａ 本体筐体
８２ ファンユニット
８３ 吸入ダクト
８４、８４Ａ 吹き出しダクト
８５ イオン発生素子
９１ 第１可動ダクト壁
９２ 第２可動ダクト壁
【特許請求の範囲】
【請求項１】
画像を記録用紙に印刷する画像形成装置において、
前記画像形成装置本体の外側に取付けられ、イオンを発生して放出するイオン発生手段と、
前記画像形成装置の動作モードに応じて、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向もしくは放出量を変更する放出制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
前記イオン発生手段は、正イオン及び負イオンを同時に発生して放出することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項３】
前記画像形成装置は、操作手段と、外部端末装置に接続されたインターフェースとを備え、
前記画像形成装置の動作モードは、前記操作手段の操作入力により起動される操作入力応答モード、及び前記外部端末装置から前記インターフェースへの受信入力により起動される受信入力応答モードのいずれかであることを特徴とする請求項１又は２に記載の画像形成装置。
【請求項４】
前記画像形成装置は、原稿画像を読取る読取り手段と、この読取った原稿画像を記録用紙に複写する印刷手段とを備え、
前記操作入力応答モードは、前記原稿画像を読取って前記インターフェースから前記外部端末装置へと送信するスキャナモードもしくは前記原稿画像を読取って複写する複写モードであることを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項５】
前記受信入力応答モードは、前記外部端末装置から前記インターフェースへと受信入力した原稿画像を印刷するプリントモードであることを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項６】
前記放出制御手段は、前記操作入力応答モードのときに、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の上方の向きに設定するか、前記イオン発生手段からのイオンの放出を停止させるか、もしくは前記イオン発生手段からのイオンの放出量を低減させることを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項７】
前記放出制御手段は、前記受信入力応答モードのときに、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の向きに設定するか、もしくは前記イオン発生手段からのイオンの放出量を増大させることを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項８】
前記放出制御手段は、前記操作入力応答モード又は前記受信入力応答モードの終了後に、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の上方の向きに設定することを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項９】
前記イオン発生手段は、イオンを放出する送風ファンを有し、
前記放出制御手段は、前記送風ファンの回転数を駆動制御して、前記イオン発生手段からのイオンの放出量を変更することを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１０】
前記放出制御手段は、前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号に応答して、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量を変更することを特徴とする請求項１乃至９のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１１】
前記画像形成装置は、操作手段と、原稿画像を読取る読取り手段と、この読取った原稿画像を記録用紙に複写する印刷手段とを備え、
前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、前記操作手段の操作入力に応答して生成され、原稿画像の読取りもしくは複写を指示する動作指示信号であることを特徴とする請求項１０に記載の画像形成装置。
【請求項１２】
前記画像形成装置は、外部端末装置に接続されたインターフェースを備え、
前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、前記外部端末装置から前記インターフェースへと受信入力した原稿画像の印刷を指示する動作指示信号であることを特徴とする請求項１０に記載の画像形成装置。
【請求項１３】
前記放出制御手段は、前記イオン発生手段そのものの向きを変更して、このイオン発生手段からのイオンの放出方向を変更することを特徴とする請求項１乃至１２のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１４】
前記イオン発生手段におけるイオンの放出ダクトのダクト壁が可動であり、
前記放出制御手段は、前記放出ダクトのダクト壁を移動させて、イオンの放出方向を変更することを特徴とする請求項１乃至１２のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１５】
前記イオン発生手段は、前記画像形成装置の上方に配置され、
前記放出制御手段は、前記画像形成装置の動作モードに応じて、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を該画像形成装置の向き及び上方の向きに選択的に設定することを特徴とする請求項１乃至１４のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１６】
前記イオン発生手段は、前記画像形成装置に上向きに突設された支持部材により支持されたことを特徴とする請求項１５に記載の画像形成装置。
【請求項１７】
前記支持部材は、前記画像形成装置の背面側一コーナーに上向きに突設されて、前記イオン発生手段の一端部を支持したことを特徴とする請求項１６に記載の画像形成装置。
【請求項１８】
前記支持部材は、前記画像形成装置の背面側一辺の中央に上向きに突設されて、前記イオン発生手段の中央を支持したことを特徴とする請求項１６に記載の画像形成装置。
【請求項１９】
前記イオン発生手段は、イオンを発生するイオン発生素子と、イオン発生素子周辺を通過するような空気の流れを発生させて、イオンを放出する送風ファンとを有することを特徴とする請求項１乃至１８のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１】
画像を記録用紙に印刷する画像形成装置において、
前記画像形成装置本体の外側に取付けられ、イオンを発生して放出するイオン発生手段と、
前記画像形成装置の動作モードに応じて、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向もしくは放出量を変更する放出制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
前記イオン発生手段は、正イオン及び負イオンを同時に発生して放出することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項３】
前記画像形成装置は、操作手段と、外部端末装置に接続されたインターフェースとを備え、
前記画像形成装置の動作モードは、前記操作手段の操作入力により起動される操作入力応答モード、及び前記外部端末装置から前記インターフェースへの受信入力により起動される受信入力応答モードのいずれかであることを特徴とする請求項１又は２に記載の画像形成装置。
【請求項４】
前記画像形成装置は、原稿画像を読取る読取り手段と、この読取った原稿画像を記録用紙に複写する印刷手段とを備え、
前記操作入力応答モードは、前記原稿画像を読取って前記インターフェースから前記外部端末装置へと送信するスキャナモードもしくは前記原稿画像を読取って複写する複写モードであることを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項５】
前記受信入力応答モードは、前記外部端末装置から前記インターフェースへと受信入力した原稿画像を印刷するプリントモードであることを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項６】
前記放出制御手段は、前記操作入力応答モードのときに、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の上方の向きに設定するか、前記イオン発生手段からのイオンの放出を停止させるか、もしくは前記イオン発生手段からのイオンの放出量を低減させることを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項７】
前記放出制御手段は、前記受信入力応答モードのときに、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の向きに設定するか、もしくは前記イオン発生手段からのイオンの放出量を増大させることを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項８】
前記放出制御手段は、前記操作入力応答モード又は前記受信入力応答モードの終了後に、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を前記画像形成装置の上方の向きに設定することを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項９】
前記イオン発生手段は、イオンを放出する送風ファンを有し、
前記放出制御手段は、前記送風ファンの回転数を駆動制御して、前記イオン発生手段からのイオンの放出量を変更することを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１０】
前記放出制御手段は、前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号に応答して、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向及び放出量を変更することを特徴とする請求項１乃至９のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１１】
前記画像形成装置は、操作手段と、原稿画像を読取る読取り手段と、この読取った原稿画像を記録用紙に複写する印刷手段とを備え、
前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、前記操作手段の操作入力に応答して生成され、原稿画像の読取りもしくは複写を指示する動作指示信号であることを特徴とする請求項１０に記載の画像形成装置。
【請求項１２】
前記画像形成装置は、外部端末装置に接続されたインターフェースを備え、
前記画像形成装置の動作モードの開始を示す信号は、前記外部端末装置から前記インターフェースへと受信入力した原稿画像の印刷を指示する動作指示信号であることを特徴とする請求項１０に記載の画像形成装置。
【請求項１３】
前記放出制御手段は、前記イオン発生手段そのものの向きを変更して、このイオン発生手段からのイオンの放出方向を変更することを特徴とする請求項１乃至１２のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１４】
前記イオン発生手段におけるイオンの放出ダクトのダクト壁が可動であり、
前記放出制御手段は、前記放出ダクトのダクト壁を移動させて、イオンの放出方向を変更することを特徴とする請求項１乃至１２のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１５】
前記イオン発生手段は、前記画像形成装置の上方に配置され、
前記放出制御手段は、前記画像形成装置の動作モードに応じて、前記イオン発生手段からのイオンの放出方向を該画像形成装置の向き及び上方の向きに選択的に設定することを特徴とする請求項１乃至１４のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【請求項１６】
前記イオン発生手段は、前記画像形成装置に上向きに突設された支持部材により支持されたことを特徴とする請求項１５に記載の画像形成装置。
【請求項１７】
前記支持部材は、前記画像形成装置の背面側一コーナーに上向きに突設されて、前記イオン発生手段の一端部を支持したことを特徴とする請求項１６に記載の画像形成装置。
【請求項１８】
前記支持部材は、前記画像形成装置の背面側一辺の中央に上向きに突設されて、前記イオン発生手段の中央を支持したことを特徴とする請求項１６に記載の画像形成装置。
【請求項１９】
前記イオン発生手段は、イオンを発生するイオン発生素子と、イオン発生素子周辺を通過するような空気の流れを発生させて、イオンを放出する送風ファンとを有することを特徴とする請求項１乃至１８のいずれか１つに記載の画像形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【公開番号】特開２０１０−１６９７５８（Ｐ２０１０−１６９７５８Ａ）
【公開日】平成２２年８月５日（２０１０．８．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１０１５５（Ｐ２００９−１０１５５）
【出願日】平成２１年１月２０日（２００９．１．２０）
【出願人】（０００００５０４９）シャープ株式会社 (33,933)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年８月５日（２０１０．８．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１月２０日（２００９．１．２０）
【出願人】（０００００５０４９）シャープ株式会社 (33,933)
【Ｆターム（参考）】
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