説明

画像形成装置

【課題】ユーザが画像形成装置の交換部品の交換時期に留意することなく、交換作業が可能な適切なタイミングでユーザに対して交換部品の交換を促すことができるようにした画像形成装置を提供すること。
【解決手段】まず、時刻を取得し(S401)、現在、メンテナンス時間帯か否かかの判定を行う(S402)。メンテナンス時間帯ではないと判定された場合は、稼動時間帯と判断し、ここで、交換部品の寿命判定を終了し、メンテナンス時間帯であると判定された場合は、メンテナンス時間帯の残り時間を算出し(S403)、次の稼動時間帯の時間を算出する(S404)。そして、メンテナンス時間帯の残り時間と、次の稼動時間帯の時間から現在の稼動時間帯終了までの時間を求め、稼動時間帯終了までに寿命に到達するかを算出し(S405)、寿命に到達するか否かを判定し(S406)、寿命に達すると判断した場合は、ユーザに交換部品の交換を促し(S407)、メンテナンス期間に部品交換などのメンテナンス作業が行えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタ及びその複合機を含む画像形成装置に係り、特に、高画質の画像形成が要求される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、一般に、寿命を持った交換部品、例えば感光体や電子メールし写真プロセスユニットなどの交換部品を多く備え、その稼働には、現像剤や用紙などの消耗品が必要になる。
【0003】
従って、これら交換部品や消耗品を必要な時期に交換し、補充しないと画像形成装置の円滑な稼働は得られない。
【0004】
交換部品の交換中は画像形成装置が使えないため、ダウンタイムが発生し、稼働率が低下してしまう
ところで、近年、画像形成装置に対する高画質化要求の高まりから、高画質仕様の普及が著しく、このため部品点数が多い画像形成装置にならざるを得ず、従って、交換部品や消耗品の寿命をユーザ(使用者)に判り易くし、保守が容易に得られるようにする必要がある。
【0005】
特に、プロダクトプリンティング市場向けの画像形成装置の場合、稼働率の低下は大きなコスト上昇になってしまうので、大口のユーザの場合、交換部品や消耗品の在庫管理の面でも交換部品や消耗品の寿命を使用者にタイミング良く報知させる必要がある。
【0006】
そこで、画像形成装置には、通常、交換部品の寿命を検知し、寿命到達時に通知を行って交換部品の交換を促す制御が行われており、このため、交換部品の使用状況と一定期間後の使用状況を比較し、交換時期を算出し、その情報を印刷する技術が知られている。
【0007】
しかし、今までの交換時期を算出して情報を印刷する技術では、交換時期を算出してユーザに提示するだけなので、交換時期情報が印刷されると、その都度、ユーザは、いつ交換を行うか検討する必要があり、タイミング良い報知が困難であるという問題があった。
【0008】
また、この技術では、画像形成装置の使用状況に応じて交換時期を算出しているため、使用状況が変化すると交換時期が変わり、このため、ユーザは、いつ交換を行うか、再度、検討する必要があり、従って、この場合も、タイミング良い報知が困難であるという問題があった。
【0009】
そこで、画像形成装置において、交換部品の寿命を検知し、交換部品の寿命到達時に、当該交換部品が寿命に達したことを通知し、部品の交換を促すようにした上で、更に、交換寿命到達判定方法を時間帯に応じて変更し、寿命判定を行ったり、交換時の通知を時間帯に応じて遅らせたり早めたりするようにした技術が従来から提案されている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、従来から提案されている画像形成装置では、的確なタイミングで交換部品の交換を通知する目的で、時計機能手段と、装置内の交換部品の使用状況を記憶する記憶手段と、その記憶情報とある一定期間後の使用状況とを比較する機能とそれに基づき交換部品の寿命を算出する機能を有する演算手段と、それにより算出された情報を印刷する印刷手段と、全体を制御するメイン制御手段を備える点について開示したものであり、従って、交換部品の使用状況から交換部品の寿命を算出する点については確かに開示されている。
【0011】
しかし、この場合、ユーザが毎回、いつ交換するか決めなければならないという点では変わりがなく、従って、タイミング良い報知が困難であるという問題が解消されていなかった。
【0012】
本発明の目的は、ユーザが画像形成装置の交換部品の交換時期に留意することなく、交換作業が可能な適切なタイミングでユーザに対して交換部品の交換を促すことができるようにした画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、第1の手段は、交換部品の寿命検知手段と、寿命到達時に寿命到達を通知する手段と、時刻計測手段と、時刻により交換部品の交換が可能なメンテナンス時間帯を判断する手段と、あるメンテナンス時間帯とその次のメンテナンス時間帯との間の使用量を予測する使用量予測手段とを備えた画像形成装置において、前記使用量予測手段による使用量の予測結果から、あるメンテナンス時間帯とその次のメンテナンス時間帯との間に前記寿命検知手段により或る交換部品に寿命検知が予想された場合、メンテナンス時間帯の中の期間に前記交換部品の寿命通知を行う手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
次に、第2の手段は、第1の手段において、メンテナンス時間帯の指定の有無を設定する手段を備え、前記手段によりメンテナンス時間帯の指定無しが設定された場合、メンテナンス時間帯に関係なく、前記寿命検知手段により寿命が検知されたとき前記寿命到達通知手段により寿命が通知されることを特徴とする。
【0015】
また、第3の手段は、第1の手段において、メンテナンス時間帯の寿命交換通知を行うか否かを選択する交換通知選択手段を備え、前記交換通知選択手段により交換通知を行う選択を行った場合はメンテナンス時間帯以外の時間帯において、前記交換部品の寿命検知手段により交換部品の寿命を検知した場合、前記寿命到達通知手段により寿命が通知されることを特徴とする。
【0016】
次に、第4の手段は、第1の手段において、メンテナンス時間帯の開始時刻と終了時刻及びメンテナンス時間帯の開始時刻から終了までの時間幅を指定する手段を備え、開始時刻、終了時刻、時間幅が変更可能に構成されていることを特徴とする。
【0017】
更に、第5の手段は、第1の手段において、メンテナンス時間帯とその次のメンテナンス時間帯との間の時間帯を稼動時間帯とし、この稼動時間帯の開始時刻と終了時刻及び開始時刻から終了時刻までの時間幅を指定する手段を備え、開始時刻、終了時刻、時間幅が変更可能に構成されていることを特徴とする。
【0018】
そして、第6の手段は、第1の手段において、前記時間帯の開始時刻と終了時刻は、日時と曜日及び出勤日の少なくとも何れかで表現されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、メンテナンス時間帯に、稼動時間内に寿命到達するか予測し、寿命到達する場合は先に交換部品の寿命到達を通知するので、稼動時間帯での交換作業を避けることができ、この結果、ユーザが画像形成装置の交換部品の交換時期を気にすることなく、交換作業ができる適切なタイミングに、ユーザに対し交換部品の交換を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態による寿命検知のフローチャート1を示す説明図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施形態による寿命検知のフローチャート2を示す説明図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の一実施形態による寿命検知のフローチャート3を示す説明図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の一実施形態が適用されたディジタル複写機の一例を示す全体構成図である。
【図5】本発明の一実施形態における稼働時間帯とメンテナンス時間帯の説明図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の一実施形態における制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による画像形成装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。
【0022】
図4は、本発明による画像形成装置が適用されるディジタル複写機の一例で、まず、スキャナユニット203は、図示されていない操作部によりコピー開始の指示がされたことにより原稿の読み取りを行なう。そして、読み取られた画像データは、書き込みユニット214により、各色毎に順番に感光体ベルト217に書き込まれる。このとき感光体ベルト217は、帯電ユニット211によって予め均一に帯電されている。
【0023】
書き込みユニット214内にはLDユニットがあり、これから照射されたレーザーが感光体ベルト217に照射されると、これにより、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色毎の静電潜像が感光体ベルト217上に形成される。
【0024】
感光体ベルト217上に形成された静電潜像は、その色に対応する現像ユニット216により、トナーカートリッジ215内のトナーで現像され、感光体ベルト217上でトナー像が形成される。
【0025】
印刷用紙は、第1給紙トレイ213又は第2給紙トレイ212にセットされており、コピー開始の指示がされると、適切なタイミングで給紙される。
【0026】
このとき、メディアセンサ219により、用紙の厚さや光沢度などの特性が測定される。メディアセンサとしては、光学式のものとしては赤外透過光量検知、正反射光量検知、紙表面凹凸検知センサなどが挙げられる他、超音波式センサ、電気抵抗検知センサなどがあり、これらセンサのいずれか1種、若しくは複数種を用いて測定が行われる。
【0027】
感光体ベルト217上に形成されたトナー像は、中間転写ベルトユニット206の中間転写ベルト218上に転写され、中間転写ベルト218に転写したトナー像は更に第1給紙トレイ213又は第2給紙トレイ212から給紙された用紙に2次転写ユニット207のローラを用いて転写される。
【0028】
用紙上に転写されたトナー像は定着ユニット205により熱定着されて用紙上に固定される。
【0029】
そして、定着ユニット205によってトナー像が熱定着された用紙は排紙ユニット204によって排紙されることで、コピー像が得られる。
【0030】
このとき、感光体ベルト217や中間転写ベルト218に転写されずに残ったトナーは、感光体クリーニングユニット209や中間転写ベルトクリーニングユニット201によりクリーニングされ、それぞれ感光体廃トナーボトル210及び中間転写廃トナーボトル208に廃トナーとして蓄積される。
【0031】
また、定着ユニット205は定着後の用紙の分離性を良くするために、定着ユニット塗布ユニット202により、少量のシリコンオイルが塗布されている。
【0032】
そして、これらの部分の中で、定着ユニット205、中間転写ベルトユニット206、二次転写ユニット207などが画像形成を続けていると磨耗したり、消耗したりすることにより、画像形成の品質が劣化してくる部品である。
【0033】
そこで、これらの部品については交換部品として、寿命が来たら新品に適宜交換することになる。
【0034】
このとき、本発明は、画像形成装置の交換部品の寿命検知に際して、以下の特徴を有するものである。すなわち、本発明は、メンテナンス時間帯以外の時間に交換部品が寿命に達するか否かを予想し、もし寿命に達することが予想された場合は、メンテナンス時間内に交換部品の寿命を通知し、稼動時間帯に交換部品の交換作業を発生させないことが特徴になっているものである。
【0035】
そこで、まず、稼動時間帯とメンテナンス時間帯について図5により説明すると、図示の稼動時間帯301は、画像形成装置を用いて画像形成を行うための時間であり、メンテナンス時間帯302は、画像形成装置のメンテナンスを行うための時間である。
【0036】
そして、画像形成装置の場合、メンテナンスには、寿命に到達した交換部品の交換や、消耗品の補充、画像形成装置の清掃などが含まれるが、このとき、画像形成を業務にしているユーザの場合は、業務時間中に画像形成が行えない状態になることはできるだけ避けたいというニーズがある。
【0037】
このため、例えば業務時間を稼動時間帯とし、業務時間外をメンテナンス時間帯とすることが考えられる。
【0038】
また、曜日によって業務の繁忙具合に変動があるような場合は、繁忙期を稼動時間帯、それ以外をメンテナンス時間帯とすることもできる。
【0039】
なお、この図5では一定周期で稼動時間帯とメンテナンス時間帯を繰り返しているが、周期的でなくてもよい。
【0040】
そこで、まず、本発明の一実施形態が適用された画像形成装置の制御ブロックについて、図6により説明する。
【0041】
図示の通り、この制御ブロックは、コントローラ部101とエンジン制御部102に大別され、これらの間はインターフェース機能に特化されたASIC104により結ばれている。
【0042】
そして、まず、ROM105には画像形成装置のエンジン制御プログラムが格納されている。このときRAM106は前記制御プログラムが動作しているときに使われる揮発性メモリである。
【0043】
CPU103は、ROM105からエンジン制御プログラムを読み出し、適宜RAM106を用いてプログラムを実行し、エンジンを制御する。
【0044】
不揮発性メモリ108は書き換えが可能な不揮発性メモリで、画像形成装置の電源切断後も記録しておくデータを記録するために使われ、例えばEEPROMやNVRAMなどが用いられる。
【0045】
リアルタイムクロックIC110は現在の時刻をカウントするデバイスで、現時刻を年、月、日、曜日、時、分、秒などで取り出すことができる。
【0046】
CPU103と不揮発性メモリ108、それにリアルタイムクロックIC110はシリアル通信路109で接続され、CPU103の指示に従って送受信が行われる。シリアル通信の方式として、例えばI2Cバス仕様やSPI通信が用いられる。
【0047】
次に、この実施形態の動作について、図1〜図3のフローチャートにより説明する。ここで、これらのフローチャートによる動作は、図6で説明したCPU103により実行される。
【0048】
そこで、まず、第1の実施形態として、図1の寿命検知のフローチャート1による処理について説明する。
【0049】
この場合、まず、CPU103は、起動時や画像形成時など、イベントが発生したときに、リアルタイムクロックIC110からシリアル通信路109を用いて時刻を取得する(S401)。
【0050】
そして、取得した時刻と、RAM106に保存されていたメンテナンス時間帯の開始時刻/終了時刻を比較し、現在、メンテナンス時間帯か否かかの判定を行う(S402)。
【0051】
そして、まず、メンテナンス時間帯ではないと判定された場合は、稼動時間帯と判断し、ここで、交換部品の寿命判定を終了する。
【0052】
一方、メンテナンス時間帯であると判定された場合は、まず、現在の時刻と、RAM106のメンテナンス開始時刻/終了時刻を比較し、メンテナンス時間帯の残り時間を算出する(S403)。次いでRAM106に保存された次のメンテナンス時間帯までの時間から、次の稼動時間帯の時間を算出する(S404)。
【0053】
そして、メンテナンス時間帯の残り時間と、次の稼動時間帯の時間から現在の稼動時間帯終了までの時間を求め、稼動時間帯終了までに寿命に到達するかを算出し(S405)、寿命に到達するか否かを判定する(S406)。
【0054】
このときの稼動時間帯終了までの時間Wは、次の(1)式により求める。
【0055】

W=U+V …… ……(1)

U:稼働時間
Y:メンテナンス時間帯の残り時間

また、寿命到達するか否かの判断は、例えば交換寿命を印刷枚数により判断している場合は、次の(2)式により予想印刷枚数Zを算出し、予想印刷枚数Zが、その交換部品の寿命閾値である印刷枚数を超えていた場合は寿命到達とすることができる。
【0056】

Z=X・W+Y …………(2)

W:稼動時間帯終了までの時間
X:単位時間当たりの印刷枚数実績
Y:前回交換からの印刷枚数

一方、別の方法として、単位時間当たりの印刷枚数実績ではなく、単位時間当たりに印刷できる最大量に基づいて予想印刷枚数を算出したり、予定されている印刷枚数に基づいて算出したりするようにしても良い。
【0057】
また、印刷枚数以外に、交換部品の稼動時間、印刷面数、通紙面数、交換からの時間などに基づいて交換寿命を判定するようにしても良い。
【0058】
そして、まず、S406の寿命判定の結果、まだ、寿命に到達しないと判断した場合は、ここで、交換部品の寿命判定を終了する。
【0059】
しかして寿命に達すると判断した場合は、図示しない操作部に該当交換部品の寿命到達を表示し、ユーザに交換部品の交換を促す(S407)。
【0060】
従って、この第1の実施形態によれば、メンテナンス時間帯に、稼動時間内に寿命到達するか予測し、寿命到達する場合は先に交換部品の寿命到達を通知するので、稼動時間帯に交換作業を行うのを避けることができる。
【0061】
すなわち、この場合、交換部品が寿命に達したか否かがメンテナンス時間帯において判定され、交換部品が寿命に達した場合、それもメンテナンス時間帯の中でユーザに報知されることになり、よって、ユーザは、メンテナンス期間に部品交換などのメンテナンス作業が行えることになる。
【0062】
また、メンテナンス時間帯になった時点で寿命判定を行うため、寿命到達の予想よりも早く寿命に到達した場合でもすぐに交換部品の交換ができる。
【0063】
この結果、この第1の実施形態によれば、部品交換によるダウンタイムが画像形成装置に発生する虞がなく、稼働率の向上に大きく寄与することができる。
【0064】
ここで、交換部品が複数ある場合は、交換部品ごとに図1の処理を実行するようにしてもよい。
【0065】
また、この図1の処理を起動時や画像形成時に行うのではなく、定期的に実行するようにしても良い。
【0066】
このときの寿命到達の通知方法は、ネットワークを通じてユーザの端末に通知を送ってもよい。
【0067】
一方、稼動時間帯からメンテナンス時間帯に切り替わった段階で、すでに寿命到達していた場合は、すぐに寿命通知を通知するようにしてもよい。
【0068】
また、メンテナンス時間帯や稼動時間帯は、ユーザが操作部等から指定できるようにしても良い。この場合、それぞれの時間帯の開始時刻、終了時刻、或いはそれぞれの時間帯の時間幅などを指定するようにすればよい。
【0069】
この場合、メンテナンス時間帯をユーザが指定できるので、ユーザのニーズに合わせたタイミングで交換部品の交換ができる。
【0070】
また、稼動時間帯がユーザにより指定できるので、ユーザが容易に時間帯指定できる。
【0071】
更に、時間帯として、日時や曜日、出勤日などで指定することができるので、ユーザのニーズに合わせた細かい時間設定が容易になる。
【0072】
次に、第2の実施形態として、図2の寿命検知のフローチャート2による処理について説明する。
【0073】
ユーザによっては、特に稼動時間帯とメンテナンス時間帯を区別しなくても良い場合があるが、この場合、ユーザがメンテナンス時間帯を指定しなくて良いようにすることも可能である。
【0074】
そこで、この第2の実施形態は、ユーザが特に稼動時間帯とメンテナンス時間帯を区別しなくても良い場合を対象としたものであり、この場合、ユーザは、図示しない操作部などから、予めメンテナンス時間帯を指定しない旨を画像形成装置に設定しておく。
【0075】
そうすると、画像形成装置は、それをRAM106や不揮発性メモリ108に記録する。
【0076】
従って、CPU103は、起動時や画像形成時などイベントが発生したとき、まずRAM106や不揮発性メモリ108からメンテナンス時間帯を指定しているかどうかを確認する(S501)。
【0077】
ここで、まず、メンテナンス時間帯か指定されていた場合、ここでS505〜S510の処理を順次実行し、そこで寿命検知処理を終了するが、この場合の動作は、図1のS402〜S407の処理と同じであるから、説明は省略する。
【0078】
しかして、メンテナンス時間帯が指定されていない場合は、まず、交換部品が現時点で寿命に達しているか算出する(S502)。
【0079】
ここで、もしも寿命に達していたとすると、ここで直ちに寿命到達を通知する(S510)。
【0080】
一方、寿命に達していない場合は、ここで、そのまま寿命検知処理を終了するのである。
【0081】
従って、この第2の実施形態によれば、メンテナンス時間帯の設定の有無が指定できるので、第1の実施形態による作用効果に加え、交換部品の寿命検知を、ユーザが逐次実行したいと望む場合があることまで予想し、この場合にも対応できることになり、より一層、きめ細かくユーザの要望に応えることができる。
【0082】
次に、第3の実施形態として、図3の寿命検知のフローチャート3による処理について説明する。
【0083】
画像形成装置の交換部品の交換は、基本的にはメンテナンス時間帯に行うのが望ましい。
【0084】
しかし、予想外に大量の印刷が行なわれてしまった場合、稼動時間帯の中で交換部品が寿命に達してしまう事態の発生も考えられる。
【0085】
そこで、この第3の実施形態は、上記の事態の発生を考慮したもので、このため、図示のように、まず、時刻を取得する(S601)。
【0086】
そして、取得した時刻と、RAM106に保存されていたメンテナンス時間帯の開始時刻/終了時刻を比較し、現在、メンテナンス時間帯か否かかの判定を行う(S602)。
【0087】
このとき図1のS401とS402の処理は、図3の601とS602の処理と同じである。
【0088】
そして、まず、ここで、メンテナンス時間帯か指定されていた場合、ここからS605〜S609の処理を順次実行し、そこで寿命検知処理を終了するが、この場合の動作は、図1のS402〜S407の処理と同じであるから、説明は省略する。
【0089】
一方、ここでメンテナンス時間帯ではないと判定された場合、第1の実施形態では、図1に示されているように、ここで交換部品の寿命判定処理を終了している。
【0090】
しかして、この第3の実施形態の場合、図3に示すように、メンテナンス時間帯か否かの判定を行い、メンテナンス時間帯でないとS602の処理で判断された場合、ここで終了せず、S602の処理に移行するようになっている。
【0091】
そして、まず、現時点で寿命到達しているか算出し(S603)、次に、寿命に達しているか否かを判定する(S604)。
【0092】
ここで、寿命に達していた場合、寿命到達を通知し(S609)、その後、寿命検知処理を終了するようになっている。
【0093】
一方、S604の判定処理で、まだ寿命に到達していなかった場合、ここで寿命検知処理を終了する。
【0094】
従って、この第3の実施形態によれば、メンテナンス時間帯に寿命交換通知するかしないか指定できるので、第1の実施形態による作用効果に加え、ユーザが画像形成の品質を気にする場合は寿命検知し、品質よりも画像形成装置の稼動を優先する場合は寿命検知しないようにすることで、ユーザのニーズに合わせた寿命検知をすることができる。
【符号の説明】
【0095】
101 コントローラ部
102 エンジン制御部
103 CPU
104 ASIC
105 ROM
106 RAM
107 通信バス
108 不揮発性メモリ
109 シリアル通信路
110 リアルタイムクロックIC
201 中間転写ベルトクリーニングユニット
202 定着ユニット塗布ユニット
203 スキャナユニット
204 排紙ユニット
205 定着ユニット
206 中間転写ベルトユニット
207 2次転写ユニット
208 中間転写廃トナーボトル
209 感光体クリーニングユニット
210 感光体廃トナーボトル
211 帯電ユニット
212 第2給紙トレイ
213 第1給紙トレイ
214 書き込みユニット
215 トナーカートリッジ
216 現像ユニット
217 感光体ベルト
218 中間転写ベルト
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】
【特許文献1】特開2004−160691号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換部品の寿命検知手段と、寿命到達時に寿命到達を通知する手段と、時刻計測手段と、時刻により交換部品の交換が可能なメンテナンス時間帯を判断する手段と、あるメンテナンス時間帯とその次のメンテナンス時間帯との間の使用量を予測する使用量予測手段とを備えた画像形成装置において、
前記使用量予測手段による使用量の予測結果から、あるメンテナンス時間帯とその次のメンテナンス時間帯との間に前記寿命検知手段により或る交換部品に寿命検知が予想された場合、メンテナンス時間帯の中の期間に前記交換部品の寿命通知を行う手段が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
メンテナンス時間帯の指定の有無を設定する手段を備え、
前記手段によりメンテナンス時間帯の指定無しが設定された場合、メンテナンス時間帯に関係なく、前記寿命検知手段により寿命が検知されたとき前記寿命到達通知手段により寿命が通知されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
メンテナンス時間帯の寿命交換通知を行うか否かを選択する交換通知選択手段を備え、
前記交換通知選択手段により交換通知を行う選択を行った場合はメンテナンス時間帯以外の時間帯において、前記交換部品の寿命検知手段により交換部品の寿命を検知した場合、前記寿命到達通知手段により寿命が通知されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
メンテナンス時間帯の開始時刻と終了時刻及びメンテナンス時間帯の開始時刻から終了までの時間幅を指定する手段を備え、
開始時刻、終了時刻、時間幅が変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
メンテナンス時間帯とその次のメンテナンス時間帯との間の時間帯を稼動時間帯とし、この稼動時間帯の開始時刻と終了時刻及び開始時刻から終了時刻までの時間幅を指定する手段を備え、
開始時刻、終了時刻、時間幅が変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記時間帯の開始時刻と終了時刻は、日時と曜日及び出勤日の少なくとも何れかで表現されたものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−217437(P2010−217437A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−63415(P2009−63415)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】