説明

画像形成装置

【課題】多くの紙種の用紙に対しても設定作業による生産性低下とコスト増大の虞がない画像形成装置を提供すること。
【解決手段】印刷開始ボタンが押下されたら印刷処理を指示し(ステップ1)、給紙トレイから用紙を給紙し(ステップ2)、印刷処理内容がユーザ設定かどうかを確認する(ステップ3)。ユーザ設定ではない場合、センサにより用紙の特性を検知し(ステップ7)、制御パラメータを算出し(ステップ8)、画像形成処理を行い(ステップ5)、排紙する(ステップ6)。一方、ユーザ設定の場合はステップ7とステップ8をスキップし、対応する印刷条件を読み出し、制御パラメータを設定し(ステップ4)、画像形成処理を行い(ステップ5)、排紙する(ステップ6)のである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタ及びその複合機を含む画像形成装置に係り、特に、多様な用紙に対して高画質の画像形成が要求されるプロダクションプリンティング業務用として好適な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置に対する高画質化要求の高まりから、特にプロダクションプリンティング業務向けの画像形成装置においては、用紙の特性に合わせて印刷条件を変更する機能が実現されている。
例えば、或る従来技術(第1の従来技術)によれば、動紙種検知及び印刷条件の自動設定機能をより安定化することができ、安定した画質を出力することができる画像形成装置について提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
そして、この第1の従来技術に係る画像形成装置によれば、記録材の特性に関する情報を設定可能な反射型光学センサと、当該センサによる測定結果に基づき印刷条件を自動で設定可能な装置制御手段とを備え、これにより測定された記録材の特性に関する情報と、印刷時に設定される印刷条件との対応を任意に設定できる対応制御手段を有し、当該手段により、外部から呼び出し可能な情報管理手段から情報を取得して、記録材の特性に関する情報と印刷条件の対応を設定できるようにしている。
【0004】
また、別の従来技術(第2従来技術)によれば、多様な紙質の用紙に対して適切な画像形成が可能にできる画像形成装置について提案されている(例えば特許文献2参照)。
そして、この第2従来技術に係る画像形成装置によれば、予め登録されている用紙種別(プリセット紙種)の他に、ユーザがカスタム紙種を設定できるようにしてあり、このため、画像形成パラメータのうち、転写バイアス電圧や定着温度、用紙搬送速度などの紙質依存のパラメータの値を、ユーザによりタッチパネルから入力して貰い、これらカスタム設定のパラメータの組をカスタム紙種設定値とし、印刷を開始すると、印刷部を制御する印刷制御部に画像形成装置全体を制御するシステム制御部からカスタム紙種設定値が送信され、印刷制御部は、このカスタム紙種設定値の各パラメータの値に従って印刷部の各部を制御するようになっている。
【0005】
更に、他の従来技術(第3従来技術)によれば、ユーザの紙種設定操作を不要にし、正常な印刷結果が得られるプリンタ装置として、紙種の特性と、その特性に対応したプロセス印刷条件を登録する機能と、給紙した用紙を検知して最適なプロセス印刷条件を判断する機能、及びそのプロセス印刷条件で印刷を実行する機能を有する装置について提案されている(例えば特許文献3参照)。
そして、この第3従来技術に係るプリンタ装置では、タッチパネルからユーザが手動で紙種と、それに対応する画像形成パラメータを設定することにより、上記の機能が実現されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ユーザが紙種の異なる用紙を扱いたい場合、特にプロダクションプリンティング業務向けなど多くの紙種にわたる用紙を扱う必要がある場合、印刷条件の変更が頻繁になるが、このとき、第2の従来技術に係る画像形成装置の場合、設定は手動であるため、ユーザが大量の紙種を扱いたい場合には、設定作業によるコストが増大する。
【0007】
ここで第1の従来技術に係る画像形成装置の場合、用紙の特性を自動検知し、その結果から最適な印刷条件が自動的に設定可能になっているので、設定作業によるコスト増大の虞はない。しかし、印刷ごとに用紙の特性を検知する必要があるので、印刷開始から検知までの時間分、さらには求めたパラメータが画像形成装置に反映されるまで待つ必要があるため、生産性が低下する虞がある。
【0008】
一方、第3の従来技術に係るプリント装置の場合、用紙の特性を検知し、この検知結果から、最適な印刷条件を登録するためのサンプル印刷モードを有しているので、印刷条件が最適か否かをユーザが印刷結果から確認することが可能になり、しかも、自動的に求めた印刷条件を用紙の特性と対応づけて登録する機能を有しているので、印刷時に用紙の特性を検知した結果、既に登録した紙種の場合は、登録済みの印刷条件を利用することができ、従って、この点では、生産性が低下する虞はない。
しかし、印刷ごとに用紙の特性を検知する必要があるため、この点では、生産性が低下する。
【0009】
本発明の目的は、多くの紙種の用紙に対しても設定作業による生産性低下とコスト増大の虞がない画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、第1の手段は、予め設定してある制御パラメータを印刷条件として用紙に画像形成を行う方式の画像形成装置において、搬送した用紙の特性を検知する紙種検知手段と、前記紙種検知手段による検知結果に応じて印刷条件を決定し、当該印刷条件に対応した制御パラメータをユーザ設定制御パラメータとして自動的に登録する印刷条件決定手段とを設け、用紙に画像形成する一連の処理を実行する際、前記ユーザ設定制御パラメータを使用する場合は、前記一連の処理に含まれている紙種検知手段による検知処理が省略されるように構成したことを特徴とする。
【0011】
次に、第2の手段は、第1の手段において、前記ユーザ設定制御パラメータの変更が可能な印刷条件変更手段が設けられていることを特徴とする。
また、第3の手段は、第1の手段又は第2の手段において、ユーザを識別するユーザ識別手段と、特定のユーザを管理者として登録する管理者登録手段とを設け、前記ユーザ識別機能による識別結果が、前記管理者登録手段により管理者として登録されているユーザだった場合にのみ、前記印刷条件決定手段の利用を許可することを特徴とする。
【0012】
更に、第4の手段は、第1の手段乃至第3の手段の何れかにおいて、前記制御パラメータは、定着温度制御パラメータと用紙搬送制御パラメータ及び作像制御パラメータの少なくとも1種であることを特徴とする。
そして、第5の手段は、第1の手段乃至第3の手段の何れかにおいて、前記紙種検知手段は、前記用紙の厚さを検知する手段と前記用紙の光に対する反射率を検知する手段及び前記用紙の光に対する透過率を検知する手段の少なくとも1種の手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザが用紙の特性に適した印刷条件を自動的に登録することができるようにし、かつユーザが登録済みの印刷条件を使用する場合は、用紙検知を無効にするようにしたので、生産性の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態による登録モードでの処理を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施形態による印刷処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明に係る画像形成装置の一実施形態による認証処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明に係る画像形成装置の一実施形態が適用されたディジタル複写機の一例を示す全体構成図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の一実施形態におけるシステム制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による画像形成装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。
まず、本発明による画像形成装置が適用されるディジタル複写機の一例について、図4により説明する。
スキャナユニット203は、図示されていない操作部によりコピー開始の指示がされたことにより原稿の読み取りを行なう。そして、読み取られた画像データは、書き込みユニット214により、各色毎に順番に感光体ベルト217に書き込まれる。このとき感光体ベルト217は、帯電ユニット211によって予め均一に帯電されている。
【0016】
書き込みユニット214内にはLDユニットがあり、これから照射されたレーザーが感光体ベルト217に照射されると、これにより、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色毎の静電潜像が感光体ベルト217上に形成される。
感光体ベルト217上に形成された静電潜像は、その色に対応する現像ユニット216により、トナーカートリッジ215内のトナーで現像され、感光体ベルト217上でトナー像が形成される。
印刷用紙は、第1給紙トレイ213又は第2給紙トレイ212にセットされており、コピー開始の指示がされると、適切なタイミングで給紙される。
このとき、メディアセンサ219により、用紙の厚さや光沢度などの特性が測定される。メディアセンサとしては、光学式のものとしては赤外透過光量検知、正反射光量検知、紙表面凹凸検知センサなどが挙げられる他、超音波式センサ、電気抵抗検知センサなどがあり、これらセンサのいずれか1種、若しくは複数種を用いて測定が行われる。
【0017】
感光体ベルト217上に形成されたトナー像は、中間転写ベルトユニット206の中間転写ベルト218上に転写され、中間転写ベルト218に転写したトナー像は更に第1給紙トレイ213又は第2給紙トレイ212から給紙された用紙に2次転写ユニット207のローラを用いて転写される。
用紙上に転写されたトナー像は定着ユニット205により熱定着されて用紙上に固定される。
【0018】
そして、定着ユニット205によってトナー像が熱定着された用紙は排紙ユニット204によって排紙されることで、コピー像が得られる。
このとき、感光体ベルト217や中間転写ベルト218に転写されずに残ったトナーは、感光体クリーニングユニット209や中間転写ベルトクリーニングユニット201によりクリーニングされ、それぞれ感光体廃トナーボトル210及び中間転写廃トナーボトル208に廃トナーとして蓄積される。
また、定着ユニット205は定着後の用紙の分離性を良くするために、定着ユニット塗布ユニット202により、少量のシリコンオイルが塗布されている。
【0019】
次に、本発明の実施形態が適用された画像形成装置におけるシステム制御ブロックについて、図5により説明する。
まず、システムコントローラ630は、システム全体の制御を行うもので、スキャナアプリケーション、コピーアプリケーション、FAXアプリケーション、プリンタアプリケーション等の単体のアプリケーションの機能又は複数のアプリケーションの機能を持つことができる。
次に、操作パネル制御装置631は、設定入力と、その状態内容を表示する装置である。
また、画像制御装置632は、原稿画像の読取り、公知の電子写真技術による転写用紙への画像書き込みを行う。
このとき、画像データバス/制御コマンドバス620は、画像データと制御コマンドが時分割で転送されるバスであり、バス制御611、612、613を介してシステムコントローラ630にアクセスし、バス制御619を介して操作パネル制御装置631にアクセスし、バス制御621、622を介して画像制御装置632にアクセスしている。
【0020】
そして、まず、システムコントローラ630において、CPU605は、このシステムコントローラ630の制御を司り、このとき、ROM604にはシステムコントローラ630の制御プログラムが書かれている。
一方、RAM603は、CPU605が使用する作業用メモリであり、NVRAM602は不揮発性メモリで、システム全体の情報の保管を行う。
ネットワークI/Fコントローラ606は、ネットワークとの接続制御を行ない、システムI/F607は、CPU605の命令によりシステム内で処理されるFAXデータやプリンタデータの転送制御を行う。
ワークメモリ600は、プリンタで使用する画像展開の作業用メモリで、フレームメモリ601は、読取り画像や書き込み画像のイメージデータを蓄える作業用メモリである。このときのイメージデータは、符号化されたりドットイメージであったりする。
【0021】
FIFOバッファ609は、入力画像をフレームメモリへの書き込み時のデータ転送速度変換を行い、同様にFIFOバッファ608は、フレームメモリの画像データを出力画像としてデータ転送する時の速度変換を行う。
メモリコントローラ610は、CPU605による制御なしにフレームメモリ及びHDDC650とバス間の画像の入出力をコントロールし、このためHDDC650は、内部に周知のHDDを持ち、このHDDに画像データの入出力制御を行う。
従って、HDDには画像読取り装置623により読み取られた画像及びネットワーク経由で取得した画像が保存されることになる。
CPU617は、操作パネル制御装置611の制御を行う。このときROM616には、操作パネル制御装置611の制御プログラムが書かれている。一方、RAM618は、CPU617が使用する作業用メモリである。
【0022】
入力装置614は、使用者がシステム設定の入力を行う装置で、このとき表示装置615は、使用者がシステムの設定内容、状態を確認するため、それらを表示する装置である。
CPU625は、画像入出力制御装置632の制御を行う。そこで、ROM629には、画像入出力装置632の制御プログラムが書かれている。一方、RAM628は、CPU625で使用される作業用メモリである。
画像書き込みユニット623は、レーザー光を画素周波数で点灯し、ポリゴンスキャナでスキャンする公知の光学書き込み装置の制御ユニットであり、画像読取りユニット624は、原稿で反射したランプ光をCCDで読み取るもので、公知の光学式スキャナの制御を行うユニットである。
また、画像読取りユニット624は、画像処理を行って可視及び不可視の識別子を画像データから分離する。分離した識別子は、CPU625によりコード化され、システムコントロオーラ630に送られてネットワーク上に存在する画像処理装置及びコンピュータを特定する。
【0023】
原稿搬送制御ユニット634は、複数枚積載された原稿から、画像読取りユニット623が読み取る原稿を1枚ずつ搬送する。また、原稿搬送制御ユニット634は、原稿のサイズの検出も行う。
電子写真プロセスユニット626は、感光体上にレーザー光で書きこまれた潜像画像をトナーで実像化し用紙に転写し定着する周知の電子写真技術を制御するユニットであり、このとき転写紙搬送制御ユニット627は、電子写真ユニット626において画像が転写される用紙の搬送制御を行う。
なお、原稿搬送制御ユニット634と地域認識ユニット635の説明は割愛する。
【0024】
次に、この実施形態の動作について説明する。
ここで、まず、このときの動作については、登録モードと、この登録モードにおける印刷処理があり、更に登録モードを管理者による実施に制限した場合に用いられる認証処理があり、それぞれ本発明の実施形態となっている。
このときの登録モードとは、紙種を自動検知し、それに適した印刷条件を自動登録する場合の動作モードのことである。
【0025】
まず、登録モードにおける第1の実施形態について、図1のフローチャートを用いて説明する。
この場合、まず、入力装置614(図5)により紙種登録機能が呼び出され、これがCPU617により認識される。そこで、CPU617は、表示装置615にA画面を表示し、この後、自動登録ボタン300が押下されたことを認識すると(ステップ1)、CPU617は、自動登録モードが開始されたことをCPU625に通知する。
そこで、CPU625は、給紙トレイ213から用紙を給紙し(ステップ2)、メディアセンサ219により用紙の特性を検知する(ステップ3)。
【0026】
次に、CPU625は、ROM629に格納されている制御パラメータ算出プログラムにより、検知した用紙の特性結果から最適な制御パラメータを算出し、NVRAM602に保存する(ステップ4)。このパラメータ算出方法には、試し刷りなどにより、予め紙種に応じて選定した結果が得られるようにしてあるパラメータ算出方法を利用する。
CPU625は、CPU617に算出結果を通知し、CPU617は表示装置615に画面Bを表示し、算出した制御パラメータがユーザに視認されるようにする(ステップ5)。
【0027】
CPU617は、入力装置614により、制御パラメータ302のいずれかと登録紙種名303が入力されるのを待ち、入力が認識されたら、登録紙種名と制御パラメータの対応テーブルをNVRAM602に保存し(ステップ6)する。
この結果、ユーザは、紙種に対応した制御パラメータが、自動登録ボタン300を押下しただけで、ユーザ登録制御パラメータとして自動的に得られることになる。
そして、CPU617は、OKボタン301が押下されたことを認識したら登録モードを終了する(ステップ7)。
この結果、ユーザは、自動登録ボタン300を押下しただけで、紙種に対応した制御パラメータが自動的に得られ、従って、最小限の手間でユーザ設定が登録されることになる。
【0028】
この第1の実施形態による登録モードによれば、搬送した用紙の特性を検知する紙種検知手段と、ユーザが任意の印刷条件をユーザ設定として登録することができるユーザ登録機能と、紙種検知手段による検知結果に応じた印刷条件を決定する印刷条件決定手段と、印刷条件決定手段により決定した印刷条件と用紙の特性を対応づけ、ユーザ登録機能により自動的にユーザ設定として登録する登録モードを画像形成装置が備えられていることになり、従って、用紙の特性に合わせた印刷条件をユーザが登録する必要がなく、よって、ユーザの手間を省くことができる。
【0029】
次に、登録モードにおいて登録されたユーザ設定を使用して印刷した場合に、紙種検知をスキップするようにした場合の動作について、図2のフローチャートを用い、第2の実施形態として説明する。
図2において、入力装置614により紙種選択機能が呼び出されたことをCPU617が認識すると、表示装置615に画面Cを表示する。そして、入力装置615により、画面Cのユーザ設定が選択されたことを認識した場合、CPU617はCPU605に通知する。そのほかの設定についても同様である。
CPU617は、入力装置614により図示していない印刷開始ボタンが押下されたことを認識したら、CPU605に通知する。
【0030】
そこで、CPU605は、前述の設定内容を付加してCPU625に印刷処理を指示する(ステップ1)。そしてCPU625は、給紙トレイ213から用紙を給紙する(ステップ2)。
また、CPU605は、印刷処理内容がユーザ設定かどうかを確認し(ステップ3)、ユーザ設定の場合はステップ7とステップ8をスキップし、NVRAM602から対応する印刷条件を読み出し、制御パラメータを設定する(ステップ4)。その後、公知の方法で画像形成処理を行い(ステップ5)、排紙する(ステップ6)。
一方、印刷処理内容がユーザ設定ではない場合、CPU625は、メディアセンサ219により用紙の特性を検知し(ステップ7)、制御パラメータを算出する(ステップ8)。その後は、ユーザ設定の場合と同様の処理を行う。
【0031】
この紙種検知をスキップするようにした登録モードによれば、ユーザ登録制御パラメータが設定されているときには紙種検知手段による処理がスキップされ、省略にされるので、印刷時における紙種検知に必要な時間と、検知結果に合わせた印刷条件が反映されるまでに必要な時間をなくすことができ、生産性の低下を防ぐことができる。
【0032】
次に、登録モードにより自動で算出した印刷条件をユーザが任意に変更した場合の動作について、同じく図1のフローチャートを用いて説明する。
まず、図1のフローチャートに従ってステップ5までを実施する。ここで、CPU617は、画面Bのパラメータ表示内容302がユーザによって変更されたことを、入力装置614により認識した場合(ステップ8)、NVRAM602に保存済みの印刷条件を書き換える(ステップ9)。CPU617は、登録名303が入力装置614により入力されたことを認識したら、登録名と制御パラメータの対応テーブルをNVRAM602に保存する(ステップ6)。そして、CPU617は、OKボタン301が押下されたことを認識したら登録モードを終了するのである(ステップ7)。
【0033】
この登録モードにおいて自動的に算出した印刷条件をユーザが任意に変更できるようにした実施形態の場合、印刷条件決定手段において決定した印刷条件をユーザ登録機能により任意に変更できる印刷条件変更手段が画像形成装置に備えられることになり、この結果、ユーザは、印刷条件決定手段により決定された印刷条件を、ユーザ自身の用途や嗜好にあわせて任意に変更することができる。
【0034】
次に、図3のフローチャートを用い、認証処理について、第3の実施形態として説明する。
この認証処理は、上記したように、登録モードの実施が管理者以外のユーザによって行われてしまうのを制限するようにした場合に用いられ、ユーザが管理者であるか否かを認証する処理で、図3のフローチャートにおいて、入力装置614により、ユーザ認証機能が呼び出されたことをCPU617が認識した場合(ステップ1)、表示装置615に画面Dを表示し、ユーザにユーザ名とパスワードの入力を促す(ステップ2)。
【0035】
そして、CPU617は、ユーザ名とパスワードが入力されたことを認識した場合(ステップ3)、NVRAM602に保存されているユーザ名とパスワードの対応テーブルを検索し(ステップ4)、ヒットした場合は、表示装置615に画面Eを表示する(ステップ5)。
このユーザ名とパスワードの対応テーブルは、ネットワークなどで接続された外部機器に保存してあってもよい。
【0036】
このユーザ名とパスワードの対応テーブルには、ユーザが管理者か否かを表すフラグも保存されている。
そこで、認証されたユーザが管理者の場合は、紙種登録機能が呼び出し可能になり、図1のフローチャートが実行され(ステップ6)、この結果、紙種が自動検知され、それに適した印刷条件が自動登録されることになる。
【0037】
この第3の実施形態に係る認証処理によれば、各ユーザを識別するユーザ識別機能と、特定のユーザを管理者として登録する管理者登録機能を有し、ユーザ識別機能による識別結果が、管理者登録機能により管理者として登録されているユーザだった場合にのみ、前記登録モードの利用が許可されるようになり、この結果、ユーザ設定による自動登録内容の保護と管理に大きく寄与できる。
【0038】
次に、第4の実施形態として、図1のステップ4におけるパラメータ算出時、例えば、目標温度、PID制御パラメータ、定着圧力など、公知の定着処理における制御パラメータを算出し、定着ユニット205に設定するようにした画像形成装置があり、この場合、印刷条件が定着温度制御パラメータとなるので、画像形成装置の高画質化を容易に実現することができる。
【0039】
また、第5の実施形態として、前述のパラメータ算出時に、例えば搬送速度やレジストローラへの突き当て量など、公知の用紙搬送処理における用紙搬送制御パラメータを算出し、転写紙搬送制御ユニット627に設定するようにした画像形成装置があり、この場合、印刷条件が用紙搬送制御パラメータとなるので、用紙搬送が安定した画像形成装置を容易に実現することができる。
【0040】
同じく、第6の実施形態として、前述のパラメータ算出時に、例えば転写バイアス、現像バイアスなどの公知の作像処理における作像制御パラメータを算出し、電子写真プロセスユニット626に設定するようにした画像形成装置があり、この場合、印刷条件が作像制御パラメータとなるので、画像形成装置の高画質化を容易に実現することができる。
【0041】
同じく、第7の実施形態として、メディアセンサ219を、例えば公知の変位センサとし、給紙前から給紙後にかけて検知した変位量を用紙の厚さとして判断するようにした画像形成装置があり、この場合、用紙の特性を用紙の厚さとして認識することになるので、例えば定着温度パラメータのような用紙の厚さに依存した制御パラメータを設定することができ、従って、画像形成装置の高画質化に更に大きく寄与することができる。
【0042】
同じく、第8の実施形態として、メディアセンサ219を、例えば公知の赤外線反射センサとし、給紙後に用紙に赤外線を照射し、受光素子で受光した反射光の強度を用紙の反射率と判断するようにした画像形成装置があり、この場合、用紙の特性を光に対する反射率として認識することになるので、例えば定着温度パラメータのような用紙の反射率に依存した制御パラメータを設定することができ、画像形成装置の高画質化に更に大きく寄与することができる。
【0043】
同じく、第8の実施形態として、メディアセンサ219を、例えば公知の赤外線透過量検知センサとし、給紙後に用紙に赤外線を照射し、受光素子で受光した透過光の強度を用紙の透過率と判断するようにした画像形成装置があり、この場合、用紙の特性を光に対する透過率として認識することになるので、例えば定着温度パラメータのような用紙の厚さに依存した制御パラメータを設定することができ、画像形成装置の高画質化に更に大きく寄与することができる。
【符号の説明】
【0044】
201 中間転写ベルトクリーニングユニット
202 定着ユニット塗布ユニット
203 スキャナユニット
204 排紙ユニット
205 定着ユニット
206 中間転写ベルトユニット
207 2次転写ユニット
208 中間転写廃トナーボトル
209 感光体クリーニングユニット
210 感光体廃トナーボトル
211 帯電ユニット
212 第2給紙トレイ
213 第1給紙トレイ
214 書き込みユニット
215 トナーカートリッジ
216 現像ユニット
217 感光体ベルト
218 中間転写ベルト
219 メディアセンサ
600 ワークメモリ
601 フレームメモリ
602 NVRAM(不揮発性メモリ)
603 RAM
604 ROM
605 CPU
606 ネットワークI/Fコントローラ
607 システムI/F
608 FIFOバッファ
609 FIFOバッファ
610 メモリコントローラ
611、612、613 バス制御
614 入力装置
615 表示装置
616 ROM
617 CPU
618 RAM
619 バス制御
620 画像データバス/制御コマンドバス
621、622 バス制御
623 画像書き込みユニット
624 画像読取りユニット
625 CPU
626 電子写真プロセスユニット
627 転写紙搬送制御ユニット
628 RAM
629 ROM
630 システムコントローラ
631 操作パネル制御装置
632 画像入出力制御装置
633 課金装置I/Fユニット
634 原稿搬送制御ユニット
635 地域認識ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2007−108569号公報
【特許文献2】特開2003−270827号公報
【特許文献3】特開2004−61755号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定してある制御パラメータを印刷条件として用紙に画像形成を行う方式の画像形成装置において、
搬送した用紙の特性を検知する紙種検知手段と、前記紙種検知手段による検知結果に応じて印刷条件を決定し、当該印刷条件に対応した制御パラメータをユーザ設定制御パラメータとして自動的に登録する印刷条件決定手段とを設け、
用紙に画像形成する一連の処理を実行する際、前記ユーザ設定制御パラメータを使用する場合は、前記一連の処理に含まれている紙種検知手段による検知処理が省略されるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ユーザ設定制御パラメータの変更が可能な印刷条件変更手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
ユーザを識別するユーザ識別手段と、特定のユーザを管理者として登録する管理者登録手段とを設け、前記ユーザ識別機能による識別結果が、前記管理者登録手段により管理者として登録されているユーザだった場合にのみ、前記印刷条件決定手段の利用を許可することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御パラメータは、定着温度制御パラメータと用紙搬送制御パラメータ及び作像制御パラメータの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記紙種検知手段は、前記用紙の厚さを検知する手段と前記用紙の光に対する反射率を検知する手段及び前記用紙の光に対する透過率を検知する手段の少なくとも1種の手段であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−217742(P2010−217742A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66553(P2009−66553)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】