説明

画像形成装置

【課題】 割込み禁止を行う際に自分が割込みを禁止したい箇所の選択肢を広げる事で、他ユーザーからの割込みジョブ投入ができる時間を増やすようにする。
【解決手段】 割込みジョブの禁止対象として画像形成装置全体だけでなく、画像形成装置に構成されている排紙段のみ割込みジョブ禁止にするかの2つを割込み禁止対象として設定する事で、画像形成装置を操作中のユーザーは自分の都合で割込み禁止対象を選択できるので、選択によっては割込みジョブ投入が可能になるので、画像形成装置を操作していないユーザーにとっても待ち時間を低減できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコピー、プリント機能を備えており、且つ画像形成装置及び印刷物が排紙される排紙段に対して割込み印刷を禁止する機能、及び割込み印刷禁止の状態を解除する機能を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では割込みジョブの投入を禁止したい場合は、オフラインにする事で画像形成装置全体に対して割込みを禁止する処理を行っていた。
【0003】
現在もその処理方法は世に発売されている製品にも搭載されており、特許文献1のような、印刷ジョブ管理に関する発明でも画像形成装置全体に対する割込みジョブの禁止、禁止解除の機能についての発明が既に出願されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007‐266698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術によって他ユーザーからの割込み印刷ジョブによる印刷物が本ユーザーの印刷物に混入される事を防ぐ事ができる。
【0006】
しかし画像形成装置全体を割込み禁止対象にした場合、割込み禁止の設定を解除しない限り割込みジョブは一切投入できない問題が発生する。
【0007】
本発明では割込み禁止の対象を従来技術である画像形成装置全体だけでなく、画像形成装置の構成部品である排紙段のみ割込み禁止対象として選択できるようにして、適切なジョブ管理ができるようにする事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
他ユーザーからの割込み印刷のジョブ投入を禁止する事、かつ割込みジョブ投入禁止状態からジョブ投入禁止を解除する事ができる画像形成装置であって、
上記画像形成装置を操作中のユーザーが割込み印刷投入をさせたくない時に割込み禁止モードを開始する際に、割込み禁止対象を画像形成装置全体にするか、もしくは特定の排紙段のみ割込み禁止にするかを選択する事ができる操作部を備えた上記画像形成装置であり、
割込み印刷の禁止対象として画像形成装置全体を選択した場合は割込みジョブ投入自体が禁止され、
割込み禁止対象として排紙段を選択した場合は、更に割込み禁止対象とする排紙段を選択する事ができ、選択された排紙段については割込み印刷が禁止され、
選択されていない排紙段に対しては引き続き割込み印刷が可能な状態を継続する事ができる画像形成装置であり、
割込み禁止対象が画像形成装置全体、排紙段のどちらでも割込み印刷を禁止する必要が無くなった場合は割込み印刷禁止の状態から割込み印刷OKの状態に戻す事ができる画像形成装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明により割込み禁止対象が画像形成装置全体か、画像形成装置に構成されている排紙段のみ割込み禁止にするかを選択できるので画像形成装置を操作しているユーザーは、自分が取り扱う印刷物の排紙状況に応じて割込み禁止対象を選択でき、排紙段のみ割込み禁止にした場合は他ユーザーからの割込み投入が可能になるので、設定次第で待ち時間の低減につながる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】割込み禁止の有無選択から、対象となる割込み禁止モードの終了までの全体の処理の流れを示すフローチャート。
【図2】コピー時の操作部と割込み禁止ボタンの表示箇所を示した図。
【図3】割込み禁止の対象を画像形成装置全体か排紙段かを選択する時の操作部を示した図。
【図4】割込み禁止対象が排紙段時に割込み禁止対象の排紙段を選択するときの操作部を示した図。
【図5】割込み禁止の継続から他ユーザーが割込み禁止の解除ができるまでの流れを示したフローチャート。
【図6】排紙段が割込み禁止対象になっている時に割込み印刷ジョブが投入された時の流れを示したフローチャート。
【図7】割込みが禁止されている排紙段に対し割込み印刷ジョブが投入された時に、印刷ができない事を通知、および他排紙段への印刷の継続、またはキャンセルをユーザーに選択させる時の画面。
【図8】排紙される排紙段ではできない処理が存在した時にユーザーに通知する時のインターフェース図。
【図9】本発明に係わるデータ処理装置としての画像入出力システムの実施例形態を示すブロック構成図。
【図10】本発明に係わる電子部品としてのコントローラ部の詳細を示すブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
尚、本発明は割込みジョブ投入禁止の対象として排紙段が選択される事になるので排紙段を2箇所以上備えている画像形成装置である事が望ましい。
【0013】
図1は、本発明における割込み禁止の対象箇所の選択から、割込み禁止制御が外れるまでの全体の流れを示すフローチャートである。
【0014】
ステップ101の段階で、ユーザーは割込み禁止を行うか否かを選択する。
【0015】
割込み禁止にする必要がない場合は、図2にあるコピー時の操作部画面内のボタン201を押下せずにコピーを実施する(ステップ102)。
【0016】
割込み禁止にしたい場合はボタン201を押下する(ステップ103)。
【0017】
ボタン201を押下した場合、操作部の画面は図2から図3に変わる。
【0018】
図3にて割込み禁止にする対象を選択する。(ステップ104)
対象が複写機全体の場合は図3の操作部内のボタン301を押下する。
【0019】
ボタン301を押下した場合、画像形成装置はオフラインモードになり割込み印刷自体できなくなるようになる(ステップ105)。
【0020】
対象が排紙段の場合は図3の操作部内のボタン302を押下する。
【0021】
ボタン302を押下後、操作部の画面は図3から図4に変わる。
【0022】
図4に変わった後、割込みを禁止したい排紙段を選択する(ステップ106)。
【0023】
図4では選択する排紙段が合計3箇所になっているが3箇所に限定する必要はない。
【0024】
対象となる排紙段の箇所に応じて操作部の図も選択できる数を適宜変更したら問題ない。
【0025】
割込み禁止対象となる排紙段を選択後、選択された排紙段は割込み禁止が開始される。
【0026】
割込み禁止が開始された後、禁止にしたユーザーはコピー等の処理をして割込み禁止を解除する事になる。
【0027】
ステップ107で割込み禁止が解除されていた場合は割込み印刷が可能なコピーモードに移行する。
【0028】
逆に割込み禁止が解除されていない場合はステップ108に進む。
【0029】
ステップ108の詳細の流れを図5に示す。
【0030】
割込み禁止中に画像形成装置に対しての操作が行われているかをチェックする(ステップ501)。
【0031】
操作がされている事が確認できない場合は、無操作時間として操作が行われていない間はその時間をカウントする(ステップ502)。
【0032】
逆に操作が確認できた場合は無操作時間のカウントを0にして、引き続き割込み禁止がされている間、操作の有無の確認を行う(ステップ503)。
【0033】
ステップ504で無操作時間が設定した一定時間を超えた場合は、あるユーザーが割込み禁止を設定したにも関わらず、割込み禁止を解除しわすれている可能性が高い為、他ユーザーでも割込み禁止が解除できるようにする(ステップ505)。
【0034】
無操作時間がまだ一定時間を超えていない場合はステップ501に戻り、引き続き操作有無の確認を行う。
【0035】
ステップ505に進んだ時点で割込み禁止が誰でも解除可能になる為、割込み禁止を解除する(ステップ109)。
【0036】
割込み禁止の状態且つ、割込み禁止の対象に排紙段が選択されている時に、割込み印刷ジョブが投入された時の形態について説明する(図6)。
【0037】
ステップ601で、割込み印刷のジョブを投入する。
【0038】
ジョブ投入後にそのジョブが指定している排紙段が割込み禁止対象となっている排紙段であるかを確認して(ステップ602)、禁止されていない排紙段であれば割込み印刷を開始する(ステップ603)。
【0039】
割込みジョブの指定排紙段先が割込み禁止であればステップ604に進む。
【0040】
ステップ604で割込み印刷ジョブを投入したユーザーに対して、ジョブ投入時に設定した排紙段では割込みが禁止されている事を通知する。
【0041】
通知後に、割込み禁止がされていない他の排紙段への印刷を継続するかジョブキャンセルするかの選択をユーザーにさせる(ステップ605)。
【0042】
ステップ604、605をユーザーに見てもらう為にステップ604の時点で図7の表示を出す。
【0043】
図7が表示されたら選択肢である701と702をユーザーに選択させる。
【0044】
702を選択した場合はその割込み印刷ジョブをキャンセルする(ステップ606)
701を選択した場合、他の排紙段へのジョブ投入を行う(ステップ607)が、他排紙段では処理できない設定が印刷ジョブに含まれている可能性がある為、701選択後にコントローラ側で問題が無いかを確認する(ステップ608)。
【0045】
処理できない内容が含まれていなかった場合は、割込み印刷を開始する(ステップ610)。
【0046】
処理できない内容が含まれていた場合は、ユーザーに対して新たに指定した排紙段では処理できない内容の物が含まれている事を通知(ステップ609)、通知後に再度処理できない内容を省いてでも印刷を行うか否かの確認の選択をさせる(ステップ610)。
【0047】
ステップ609での通知、ステップ610での選択を行う際のインターフェース画面を図8に示す。
【0048】
803には該当の排紙段では処理できない設定を表示する。今回の図では「くるみ、ステイプル」を表示しているがくるみやステイプルに限定する必要な無く、できない設定があれば全て図8に表示させてユーザーに通知ができるようにする。この場合の処理できない設定とは請求項3にて記載されている事項の事を指す。
【0049】
ユーザーが804の文章を確認後、801を選択した場合は印刷ジョブから処理できない内容は抜いた状態で印刷を開始し(ステップ611)、802を選択した場合はジョブのキャンセルを行う(ステップ612)。
【0050】
ステップ611かステップ612を経た所で、割込み禁止中の排紙段に割込み印刷ジョブが投入された時の処理は終了する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他ユーザーからの割込み印刷のジョブ投入を禁止する事、かつ割込みジョブ投入禁止状態からジョブ投入禁止を解除する事ができる画像形成装置であって、
上記画像形成装置を操作中のユーザーが割込み印刷投入をさせたくない時に割込み禁止モードを開始する際に、割込み禁止対象を画像形成装置全体にするか、もしくは特定の排紙段のみ割込み禁止にするかを選択する事ができる操作部を備えた上記画像形成装置であり、
割込み印刷の禁止対象として画像形成装置全体を選択した場合は割込みジョブ投入自体が禁止され、
割込み禁止対象として排紙段を選択した場合は、更に割込み禁止対象とする排紙段を選択する事ができ、選択された排紙段については割込み印刷が禁止され、
選択されていない排紙段に対しては引き続き割込み印刷が可能な状態を継続する事ができる画像形成装置であり、
割込み禁止対象が画像形成装置全体、排紙段のどちらでも割込み印刷を禁止する必要が無くなった場合は割込み印刷禁止の状態から割込み印刷OKの状態に戻す事ができる画像形成装置。
【請求項2】
割込み印刷禁止の状態になっており、かつ割込み禁止対象が排紙段になっている状態で割込み印刷のジョブが投入された場合に、投入された割込み印刷ジョブの内容で排紙先が割込み印刷の禁止対象になっているか否かを判断する事ができる画像形成装置であり、
割込み印刷ジョブ指定の排紙箇所が割込み印刷禁止になっている排紙段でない場合は割込み印刷を行い、逆に割込み印刷禁止に選択されている排紙段が指定された場合は、割込み印刷ジョブを投入したユーザーに対して指定した排紙段は現状割込み印刷ジョブ投入が不可である事を通知する手段と、
その後別の排紙段で印刷を実行するか否かを確認を行う手段と、
実行しない場合は印刷キャンセル処理を行い、実行する場合は再度排紙先を選択させて印刷ジョブの再投入を行う手段と、
投入した割込み印刷ジョブの設定として新たに指定した排紙先では処理できない設定が含まれていなければ割込み印刷を実行し、
処理できない設定が含まれていた場合は割込み印刷ジョブを投入したユーザーに対して指定した排紙段では処理できない設定が印刷ジョブに含まれている事を通知し、
処理できない設定を削除してでも印刷を実施するか否かを確認させて、実施可なら処理できない設定を削除した状態で割込み印刷ジョブを実行し、実施しない場合は印刷ジョブキャンセルを行う事ができる画像形成装置。
【請求項3】
請求項2における印刷ジョブでの処理できない設定とはステイプル、製本、パンチ、折りたたみ、地紋処理、QRコード埋め込み処理から選ばれた設定である事を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−253798(P2010−253798A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106448(P2009−106448)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】