画像形成装置
【課題】画像の濃度や画質の安定性を向上することができ、高生産性が実現できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体2上のトナー像を受像部材へ転写する転写帯電器5と、感光体2を光照射により除電する光除電手段13とを有する画像形成装置において、転写帯電器5により帯電処理を受けた感光体2の領域が通過する際に照射する光量が転写帯電器5により帯電処理を受けなかった感光体2の領域が通過する際に照射する光量よりも弱くなるように光除電手段13を制御する制御手段を有する。
【解決手段】感光体2上のトナー像を受像部材へ転写する転写帯電器5と、感光体2を光照射により除電する光除電手段13とを有する画像形成装置において、転写帯電器5により帯電処理を受けた感光体2の領域が通過する際に照射する光量が転写帯電器5により帯電処理を受けなかった感光体2の領域が通過する際に照射する光量よりも弱くなるように光除電手段13を制御する制御手段を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ及び印刷装置などの画像形成装置に関し、詳しくは光除電装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置では、感光体を使用し、この感光体を回転させながら、極性、電位を一様に帯電処理した後、露光することで静電像を形成する。そして、静電像をそれぞれの色のトナーにより現像し、各画像形成部で形成された異なる色のトナー画像を中間転写ベルト上に重ねて一次転写する。
【0003】
その後、トナー画像を転写材等のシートに二次転写し、感光体や中間転写ベルト表面に残留したトナー及びその他の付着物をクリーニング手段によって除去する。しかる後、シート上のトナー画像を定着させ、所望の画像を得る。
【0004】
このような画像形成においては、感光体表面の帯電電位の分布が、形成される画質に大きな影響を与える。即ち帯電の電位が感光体で一様でない場合、形成された画像の一部で地力ブリを起こしたり画像濃度が低下する。そこで、帯電電位を一様に安定にさせるため、帯電手段の前に感光体表面に光を照射する方法が用いられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−142365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1では、感光体の帯電と露光を短時間に、かつ長期に渡って繰り返し行うことにより、感光体の除電が十分に行われなくなるとともに、感光体の劣化が進み所望の電位が得られなくなるおそれがある。
【0007】
また、光除電のための光量が強いと、感光体の劣化が促進され、光除電装置をその光量が強い状態で長時間使用すると、光除電装置の光源の寿命が短命となってしまい十分な除電が得られなくなる。
【0008】
そこで、光除電を行なわず、感光体の電荷がある程度まで減衰するまで帯電を休止させる手段もあるが、これでは十分な除電が得られなくなる。これらの要因で所望の感光体電位が得られなくなると、地力ブリや画像濃度低下等の画像不良が発生したり、高生産性の実現が不可能になるという事情がある。
【0009】
本発明の技術的課題は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像の濃度や画質の安定性を向上することができ、高生産性が実現できる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明に係る代表的な構成は、トナー像が形成される感光体と、前記感光体上のトナー像を受像部材へ転写する転写帯電器と、前記感光体を光照射により除電する光除電手段と、を有する画像形成装置において、前記転写帯電器により帯電処理を受けた前記感光体の領域が通過する際に照射する光量が前記転写帯電器により帯電処理を受けなかった前記感光体の領域が通過する際に照射する光量よりも弱くなるように前記光除電手段を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、感光体の光劣化や画像形成後に発生する電位ムラによる地力ブリや画像濃度低下等の画像不良の発生が抑制され、高生産性が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】ゴースト電位を測定した時の感光ドラム電位推移を示す図である。
【図3】ゴースト電位を測定した時の画像であり、(a)は画像先端が白の画像の説明図、(b)は画像先端が黒の画像の説明図である。
【図4】転写バイアスの有無によるゴースト電位と光除電装置の入力電圧との特性図である。
【図5】画像形成後の後回転時における感光ドラム電位推移を示す図である。
【図6】(a)は従来の画像形成時のタイミングチャートである。(b)は本実施形態の画像形成時のタイミングチャートである。(c)は本実施形態の画像形成時のタイミングチャートである。
【図7】(a)は従来の連続通紙時のタイミングチャートである。(b)は本実施形態の連続通紙時のタイミングチャートである。
【図8】画像形成装置の要部ブロック図である。
【図9】感光ドラムの回転速度差によるゴースト電位と光除電装置の入力電圧との特性図である。
【図10】感光ドラムの光除電方法を示すものであり、(a)は光除電装置のみで感光ドラムを除電する構成を示す図、(b)は光除電装置と露光装置を併用して感光ドラムを除電する構成を示す図である。
【図11】画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の断面図である。
【0014】
[画像形成装置の全体構成]
図1において、画像形成装置は、プリンタ部及びリーダ部から成る。プリンタ部は、イエロー色の画像を形成する画像形成部、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部、シアン色の画像を形成する画像形成部、ブラック色の画像を形成する画像形成部を備えている。そして、これら4つの画像形成部は1列状に配置されている。
【0015】
各画像形成部には、トナー像が形成されるドラム型の電子写真感光体である感光ドラム2(2Y,2M,2C,2Bk)がそれぞれ配置されている。各感光ドラム2の周囲には、感光ドラム2の表面を帯電させる帯電装置としての帯電ローラ3(3Y,3M,3C,3Bk)が配置されている。また、前記帯電ローラ3よりも感光ドラム2の回転方向下流側には、感光ドラム2に画像信号に応じた光照射して静電像を形成するために露光を行う画像露光器である露光装置7(7Y,7M,7C,7Bk)が配置されている。さらに、露光装置7の下流側には、前記静電像をトナーによって現像する現像装置4(4Y,4M,4C,4Bk)が配置されている。さらに、感光ドラム2の周囲には、前記現像装置4で現像したトナー像を受像部材としての中間転写体8に転写するための転写バイアスを印加する転写帯電器としての転写ローラ5(5Y,5M,5C,5Bk)が配設されている。さらに、前記トナー像が中間転写体8に転写された後に感光ドラム2に残留したトナーをクリーニングする感光体クリーニング装置6(6Y,6M,6C,6Bk)が配置されている。
【0016】
本実施形態の感光ドラム2は、外径40mm、中心支軸を中心に260mm/secのプロセススピード(周速度)をもって図1の反時計方向に回転駆動される。そして、画像形成に際しては、回転する感光ドラム2は帯電ローラ3により外周面が一様に帯電される。
【0017】
リーダ部若しくは外部装置から画像信号処理部に画像信号が入力されると、画像信号処理部ではこの画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成する。この信号に基いて、露光装置7から感光ドラム2に選択的な露光が行われて静電像が形成され、現像装置4によってトナー現像される。
【0018】
現像されたトナー画像は、感光ドラム2から中間転写体8に転写される。この中間転写体8は支持ローラ13a,13b,14等によって支持されたエンドレスのベルト状部材であり、感光ドラム2と同期して回転する。そして、転写ローラ5へのバイアス印加による帯電処理によって各感光ドラム2に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー像が中間転写体8に順次一次転写され、カラー画像が形成される。
【0019】
また、中間転写体8の回転方向で、前記一次転写部の下流側には中間転写体8を挟むように二次転写対向ローラ9と二次転写ローラ10が配置され、二次転写部が形成されている。この二次転写部において、中間転写体8上のトナー画像が搬送されたシートに転写される。このシートは定着装置11に搬送され、定着ローラ11aと加圧ローラ11b間の定着ニップ部で加熱、加圧されてトナー画像がシートに定着された後、排出トレイ上に排出される。
【0020】
また、一次転写処理後における感光ドラム2の外周面の電位は光除電手段である光除電装置13(13Y,13M,13C,13Bk)によって除電処理される。この光除電装置13は感光ドラム2の回転方向において一次転写部より下流側(感光ドラム周面の移動方向下流側)であって、クリーニング装置6より上流側(感光ドラム周面の移動方向上流側)に設けられている。この光除電装置13によって感光ドラム2を光照射することにより、感光ドラム2の周面に残留している電荷を除電するものである。
【0021】
クリーニング装置6は前述したように感光ドラム2の一次転写残トナーなどの残留物をクリーニングする。本実施形態のクリーニング装置6は感光ドラム2に当接したクリーニングブレード6a(図10参照)で構成され、回転する感光ドラム2の周面から残留トナー等を掻き取る。
【0022】
また、中間転写体8上に残った二次転写残トナーなどの残留物を除去するベルトクリーニング装置12が設けられている。
【0023】
シートは、中間転写体8の下方にて取り外し自在に配置されたカセット41から給送ローラ42により選択的に給送された後、給送ローラ42からシートの搬送方向下流側に配置されたレジストローラ43に搬送される。
【0024】
レジストローラ43に搬送されたシートは、中間転写体8上のカラー画像が二次転写部に搬送されるタイミングに合せて、二次転写部に搬送され、転写処理及び定着処理が施される。
【0025】
光除電装置13は、LEDチップアレイタイプやライトガイドタイプなどがある。LEDチップアレイは、従来から使用されているもので、長手方向にLEDチップを複数個並べ、LEDから発光される光を直接感光ドラムに照射するものである。
【0026】
また、ライトガイドタイプは、画像形成装置本体の手前側と奥側に装備された光源としてのLEDランプを有し、この両方のLEDランプに対向して光入光部が形成され、導光された光を感光ドラムの長手方向表面に照射するライトガイドタイプなどがある。
【0027】
どのタイプの光除電装置13においても、入力される電力に応じて発光される光量を調整することが可能である。なお、本実施形態ではLEDチップアレイタイプを用いる。
【0028】
感光ドラム2は、耐削れ性、耐傷性が良好な高い光(電子線)硬化性樹脂を用いているので、帯電と露光を長期に繰り返し行うことにより劣化が進む。更に、帯電や露光によって所望の感光体電位が得られなくなるため、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良が発生しやすい。
【0029】
[感光ドラムの電位及び光除電の光量と画像不良レベルの関係]
次に、感光ドラム2の電位及び光除電の光量と画像不良レベルの関係について説明する。図2は本実施形態の画像形成装置において、図3(a)のような画像と、図3(b)のような画像をA3サイズで連続通紙した際の感光ドラム電位の推移を示すものである。
【0030】
図3(a)に示す画像は感光ドラム2を帯電電位VD=−600Vに帯電し、画像先端から感光ドラム1周分が白で、残りの感光ドラム1周分以上がハーフトーンとなっている。また、図3(b)に示す画像は画像先端から感光ドラム1周分がベタで、残りの感光ドラム1周分以上がハーフトーンになっている。
【0031】
感光ドラム電位は、画像形成部の現像装置の部分に感光ドラム電位測定治具を配置して、感光ドラム2の表面電位を電位計に接続した測定プローブにより測定して得られた値を連続的にレコーダーに読み取ったグラフである。なお、電位計はトレックジャパン社製、Model−344を使用し、測定プローブはトレックジャパン社製、Model−6000B−8を使用した。
【0032】
画像不良であるゴーストのレベルを評価する方法として、現像装置などの他の装置からの影響を受けないようにゴースト電位を測定し、その値の大小で評価を行った。ゴースト電位とは、帯電や露光による残電が光除電装置13などで消えきれず、ハーフトーン部の感光ドラム表面電位に、前記残電位が感光ドラム2の1周分現れた状態の電位である。この電位の大きさによってゴーストの画像不良レベルを判断した。
【0033】
ゴースト電位は1枚目に発生するゴースト電位とそのハーフトーン部の電位との差分Aに、2枚目のハーフトーン部の電位とその領域に発生するゴースト電位との差分Bを足したものとする。
【0034】
図4は、図2に示す感光ドラム電位を光除電装置13に入力される電圧を振って測定し、光除電装置13の光量(入力される電圧)とゴースト電位との関係を示した図である。また、転写バイアスの有無による光除電装置13の光量(入力される電圧)とゴースト電位との関係図も示す。なお、転写バイアスとしては転写電流が40μAになるよう設定している。
【0035】
光除電装置13に入力される電圧が小さくなると、感光ドラム2に照射される光量が少なくなる。そのため、帯電や露光による感光ドラム2の電荷が消しきれず、電荷が残った状態で、再度、帯電と露光がされるために、残電荷が電位として現れる。特に、画像先端から感光ドラム2の1周分が白、若しくはベタで、残りの画像がハーフトーンの画像の時に、顕著に残電荷がゴースト電位として現れる。
【0036】
転写バイアスの有無に関しては、転写バイアスが印加されたドラム領域(帯電処理を受けた領域)は除電効果が得られるため、転写バイアスが印加されないドラム領域(帯電処理を受けない領域)に比べて、ゴースト電位消滅のための光除電の光量が少なくて良い。
【0037】
しかし、光除電装置13に入力される電圧を小さくし、画像形成を行うと、後回転時(感光ドラムへのトナー像形成終了に伴う後処理時)に、図5に示すように、感光ドラム2に電荷が残ってしまう。図5は感光ドラム電位の推移を画像形成部の現像部分に感光ドラム電位測定治具を配置して電位計に接続した測定プローブにより測定した。なお、感光ドラム電位は帯電電位を−800Vに設定し、画像形成終了後、帯電ローラ3へのバイアス印加がOFFした状態での後回転時の電位である。
【0038】
この残電荷が次の画像形成時の帯電電位ムラを発生させ、地カブリや濃度ムラ等の画像不良となる。また、画像不良が発生しない程度まで感光ドラム電位が減衰するまで待機すると、高生産性や画像形成の立ち上がり時間などに影響する。これらのことは、転写バイアスの有無が混在する画像形成終了後の後回転時や紙間時に顕著となる。
【0039】
例えば、後回転時に転写バイアスが印加されていなければ、通常時の光量では、次の作像時にゴーストなどの画像不良が発生する。また、後回転時にトナー帯などの画像形成したトナーをクリーニング装置6に供給する場合も同様に、次の作像時にゴーストなどの画像不良が発生する。
【0040】
更に、紙間時に、転写バイアスを印加し続けると感光ドラムにダメージが発生するので、紙間時、転写バイアスを印加しない場合にも、次の作像時にゴーストなどの画像不良が発生する。
【0041】
そこで、本実施形態では感光ドラム2へのトナー像形成開始のための前処理時や感光ドラム2へのトナー像形成終了に伴う後処理時に転写バイアスが印加されない感光ドラム2の領域が光除電装置13を通過するときに照射する光量を通常の作像時より強くする。
【0042】
また、同様に転写バイアスが印加されない複数の画像を連続して形成する際の感光ドラム2での複数の画像の間の領域が光除電装置13を通過するときにも照射する除電光量を通常の作像時より強くする。
【0043】
また、同様に転写バイアスが印加されなかった感光ドラムの領域として、感光ドラム2に形成された所定のトナー像を中間転写体8に転写することなく、クリーニングブレードへ供給するため感光ドラムに所定のトナー像が形成された領域が光除電装置13を通過するときにも照射する除電光量を通常の作像時より強くする。
【0044】
転写バイアスが印加されずに帯電処理を受けなかったドラム領域が光除電装置13を通過するときに照射する除電光量を通常の作像時より強くする。このとき、帯電処理を受けなかった領域として、前記前処理時の領域、後処理時の領域、複数の画像間の領域、クリーニング画像が形成された領域の少なくとも1つの領域が光除電装置13を通過するときに除電光量を通常の作像時より強くするようにしても良い。
【0045】
図6及び図7は、画像形成時のドラム駆動と帯電バイアス、前露光と転写バイアスのタイミングチャートである。これらの画像形成に関る制御に関しては、タイマーに基いて動作を行う。
【0046】
図8において、タイマー15はコントローラ(制御手段)14に接続され、コントローラ14に格納された制御プログラムとタイマー15に基づいて画像形成シーケンスを総括制御する。操作部16はコピーモード(片面、両面、多重等)及び複写モード(倍率、シートサイズ等)を設定するキーであり、その指令信号がコントローラ14に入力される。この指令信号により、感光ドラム2の回転速度が決まる。
【0047】
モータ制御部17は感光ドラム駆動モータ20を制御し、感光ドラム駆動モータ20は感光ドラム2をコントローラ14で決定した回転速度で駆動させる。DC電圧制御部18は光除電装置13の光源への入力電圧を制御し、コントローラ14から信号に応じて、光除電装置13の光源への入力電圧を変更する。
【0048】
高圧ユニット19は帯電ローラ3や転写ローラ5、現像装置4などの各種高圧を必要とする装置に所定の電圧を印加する。高圧ユニット19はタイマー15とコントローラ14からの信号に基いて制御される。なお、本実施形態ではタイマー15で説明しているが、感光ドラム2の位置が分かる方法であれば限定されない。
【0049】
図6(a)に示すように、従来においては、ドラム駆動がONされた状態が長く、それよりも少ない時間で帯電バイアスがONされる。光除電装置の除電光は帯電バイアスがONされている時間と同じか、若しくは余分に点灯され、その時の光量は一定であった。
【0050】
しかし、これでは転写バイアスの除電効果を得られているにも関らず、余分に感光ドラム2に光を照射している。このため、感光ドラム2の光による劣化が進み、帯電や露光によって所望の感光ドラム電位が得られなくなり、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良が発生しやすくなってしまう。
【0051】
また、光除電装置13の光量を弱くすると、感光ドラム2に光が照射されているにも関らず、後回転時に電荷が残ってしまい、次の画像形成時に、帯電電位ムラを発生させ、地カブリや濃度ムラ等の画像不良となる。
【0052】
(転写バイアスと除電光量)
そこで、本実施形態では制御手段であるコントローラ14が、図6(b)に示すように、光除電装置13による光量を調整する入力電圧を制御するようにしている。
【0053】
すなわち、ドラム駆動がONされた状態で、帯電バイアスと同時に、若しくは先に光除電装置13が弱い光量でONされる。そして、画像形成中は光除電装置13の光量を弱く設定し、画像形成終了後、後回転時、転写バイアスがOFFされた感光ドラム面が光除電装置13の位置を通過したときに、その光量を強める。そして、帯電バイアスがOFFされた感光ドラム面が光除電装置13に達し、更に少なくとも感光ドラム1周した後に光除電装置13をOFFする。
【0054】
このようなタイミングで光除電装置13を調整することで、感光ドラム2の光劣化や後回転時の残電荷によって、地カブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑えることが可能となった。
【0055】
また、図6(c)は、画像形成終了後、後回転時に転写バイアスを印加する制御が行われた場合であるが、この場合、転写バイアスが印加されたのが一瞬であるため、時間的に光除電装置13の光量の調整が難しい。また、この場合は光除電装置13の光量を強めたままでも、感光ドラム2が受ける光劣化の影響が少ないことを考慮すると、後回転時は、いかなる場合でも光除電装置13の光量を強めても良い。
【0056】
また、感光ドラム2に対して画像形成前若しくは画像形成後のどちらか一方で強い光量を照射することで、後回転時の残電荷を次の画像形成までに消去し、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑えることが可能となる。
【0057】
図7(a)に従来の連続時におけるタイミングチャートを示す。生産性向上のため、なるべく紙間を詰める場合がある。従来は転写バイアスの有無にかかわらず、光除電装置による除電光量は一定であった。このため、2枚目以降に得られる画像上で、転写バイアスの有無による濃度ムラが発生することがある。
【0058】
そこで、図7(b)に示すように、転写バイアスがある時は光除電装置13の光量を弱め、転写バイアスがない時は光除電装置13の光量を強める。このようなタイミングで光除電装置13を調整することで、感光ドラム2の光劣化や後回転時の残電荷によって、地カブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑えることが可能となった。
【0059】
(プロセススピードと除電光量)
シートの厚みや成果物の光沢度や画質などによって、ユーザが画像形成装置に欲しい成果物の情報を入力することで、画像形成時の感光ドラム2の速度が可変である構成の画像形成装置がある。
【0060】
この場合、その速度に応じて、トナー像形成開始のための前処理時に感光ドラム表面に照射される光量を調整する。その時の光量が、通常の速度に比べ遅くなったときに、画像形成時における感光ドラム表面が照射される光量を少なくする際の有用性について説明する。
【0061】
図9は感光ドラム電位を光除電装置13に入力される電圧を振って測定し、光除電装置13の光量(入力される電圧)とゴースト電位との特性図である。また、画像形成時の速度の違いによる光除電装置13の光量(入力される電圧)とゴースト電位との特性図も示す。本実施形態において、通常の速度を260mm/s、これよりも1/2速に速度を落とした130mm/sとをそれぞれ設定している。
【0062】
130mm/sの場合、通常よりも速度を落としているため、感光ドラム電位測定治具が配置されている画像形成部の現像装置の位置までに、ゴースト電位が減衰され、通常の速度よりも光除電装置13の光量が少なくても、ゴーストの発生が抑制される。
【0063】
また、速度が落ちている分、光除電装置13の光量を通常の速度の時よりも少なくしないと、感光ドラム2への光劣化が促進され、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良が発生してしまう恐れがある。
【0064】
そのため、光除電装置13の光量を感光ドラム2の回転速度が落ちている分だけ少なくした場合、ゴースト画像は発生しないが、後回転時の残電荷が消去しきれず、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良が発生してしまう恐れがある。
【0065】
本実施形態によれば、後回転時に光除電装置13による光量を強めることで感光ドラム2の速度を落としたことによる光除電装置13の影響を抑え、感光ドラム2の光劣化やトナー像形成終了後の後回転時の残電荷による地力ブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑えることが可能となる。
【0066】
(光除電装置13と露光装置7とによる除電)
なお、本実施形態においては、光除電手段として図10(a)に示すように、光除電装置13のみで感光ドラム2へ照射される光量を調整していた。しかし、光除電手段として図10(b)に示すように、露光装置(画像露光器)7と光除電装置(光除電器)13とを併用することで除電光量を調整しても良い。
【0067】
この場合、制御手段は転写バイアスを受けた感光ドラム2の領域に対しては光除電装置13のみで光照射して除電処理を実行させ、転写バイアスを受けなかった感光ドラム2の領域に対しては光除電装置13と露光装置7により光照射して除電処理を実行させる。
【0068】
光除電装置13については、感光ドラム2の回転方向に対して、クリーニング装置6の上流側に配置されているが、クリーニング装置6の下流側に配置しても良い。
【0069】
また、露光装置7と光除電装置13の少なくともどちらか一方の光量を下げたり上げたりする。これにより、転写バイアスがある時の感光ドラム表面に照射される光量の方が転写バイアスのない時の感光ドラム表面に照射される光量に比べて大きくなるように調整しても良い。
【0070】
上記構成にすることで、通常よりも速度を落として画像形成する際、感光ドラム表面の単位時間あたりの照射する光量を抑えることが可能となり、光耐久劣化を抑え、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑える。
【0071】
(画像形成動作)
次に、本実施形態の画像形成装置の動作について、図11のフローチャートで説明する。なお、感光ドラム2の外周において、帯電ローラ3の位置を0°とした時、反時計回りに180°の位置に転写ローラ5、225°の位置に光除電装置13が配置されている。
【0072】
まず、欲しい成果物の情報を入力し、その情報に基いて感光ドラム2の回転速度を変更する。その時、画像形成される感光ドラム2の回転速度を判断する(ステップS1)。
【0073】
通常の速度である260mm/sである場合、光除電装置13の光量(電圧)を、転写バイアスがある時は13V(弱)に、転写バイアスがない時は15V(強)に選択する(ステップS2)。通常の速度よりも遅い130mm/sである場合、光除電装置13の光量(電圧)は、転写バイアスがある時はゴースト電位が小さいために0V(弱)に、転写バイアスがない時は後回転の残電荷を消去するために15V(強)にそれぞれ選択する(ステップS3)。
【0074】
次に、感光ドラム駆動とタイマー15を同時にONする(ステップS4)。これにより、以下に説明するタイミングはタイマー15に基づいて行なわれる。感光ドラム駆動とタイマー15がONされ、タイマー15がある時間になったら、帯電バイアスと同時に光除電装置13がONされる(ステップS5)。ただし、帯電バイアスと同時に光除電装置13をONしたが、先に光除電装置13をONしても良い。
【0075】
画像形成中は光除電装置13に入力される電圧は13V(弱)に設定され、転写バイアスがOFFされる(ステップS6)。そして、そのOFFされた感光ドラム面が光除電装置13の位置を通過したとき、タイマー15が転写バイアスOFFされてから約60ms後に、光除電装置13に入力する電圧を15V(強)と強める(ステップS7)。
【0076】
その後、ある時間で帯電バイアスがOFFされ(ステップS8)、そのOFFされた感光ドラム面が光除電装置13の位置を通過し、更に少なくとも感光ドラム2を1周する。その後、タイマー15が転写バイアスONされてから約785ms後に、光除電装置13をOFFし(ステップS9)、ある時間後にドラム駆動とタイマー15をOFFする(ステップS10)。
【0077】
ここで、画像形成のタイミングは図6(c)及び図7(b)に示すタイミングでも良い。即ち、図6(c)はステップS6の後、転写バイアスをONする制御が入ったとしても、光除電装置13に入力される電圧を変更せず、15V(強)のままで行うものである。図7(b)は連続通紙時のタイミングチャートで、紙間時に光除電装置13に入力される電圧を変更させる。15V(強)である。なお、感光ドラム2の回転速度が遅くなったときは、光除電装置13に入力する電圧は0V(弱)となる。
【0078】
このような本実施形態により、感光ドラム2の光劣化や後回転時の残電荷による地力ブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑えることが可能となり、高生産性を実行できる。
【符号の説明】
【0079】
2 …感光ドラム
3 …帯電ローラ
4 …現像装置
5 …転写ローラ
6 …クリーニング装置
6a …クリーニングブレード
7 …露光装置
8 …中間転写体
10 …二次転写ローラ
12 …ベルトクリーニング装置
13 …光除電装置
14 …コントローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ及び印刷装置などの画像形成装置に関し、詳しくは光除電装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置では、感光体を使用し、この感光体を回転させながら、極性、電位を一様に帯電処理した後、露光することで静電像を形成する。そして、静電像をそれぞれの色のトナーにより現像し、各画像形成部で形成された異なる色のトナー画像を中間転写ベルト上に重ねて一次転写する。
【0003】
その後、トナー画像を転写材等のシートに二次転写し、感光体や中間転写ベルト表面に残留したトナー及びその他の付着物をクリーニング手段によって除去する。しかる後、シート上のトナー画像を定着させ、所望の画像を得る。
【0004】
このような画像形成においては、感光体表面の帯電電位の分布が、形成される画質に大きな影響を与える。即ち帯電の電位が感光体で一様でない場合、形成された画像の一部で地力ブリを起こしたり画像濃度が低下する。そこで、帯電電位を一様に安定にさせるため、帯電手段の前に感光体表面に光を照射する方法が用いられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−142365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1では、感光体の帯電と露光を短時間に、かつ長期に渡って繰り返し行うことにより、感光体の除電が十分に行われなくなるとともに、感光体の劣化が進み所望の電位が得られなくなるおそれがある。
【0007】
また、光除電のための光量が強いと、感光体の劣化が促進され、光除電装置をその光量が強い状態で長時間使用すると、光除電装置の光源の寿命が短命となってしまい十分な除電が得られなくなる。
【0008】
そこで、光除電を行なわず、感光体の電荷がある程度まで減衰するまで帯電を休止させる手段もあるが、これでは十分な除電が得られなくなる。これらの要因で所望の感光体電位が得られなくなると、地力ブリや画像濃度低下等の画像不良が発生したり、高生産性の実現が不可能になるという事情がある。
【0009】
本発明の技術的課題は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像の濃度や画質の安定性を向上することができ、高生産性が実現できる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明に係る代表的な構成は、トナー像が形成される感光体と、前記感光体上のトナー像を受像部材へ転写する転写帯電器と、前記感光体を光照射により除電する光除電手段と、を有する画像形成装置において、前記転写帯電器により帯電処理を受けた前記感光体の領域が通過する際に照射する光量が前記転写帯電器により帯電処理を受けなかった前記感光体の領域が通過する際に照射する光量よりも弱くなるように前記光除電手段を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、感光体の光劣化や画像形成後に発生する電位ムラによる地力ブリや画像濃度低下等の画像不良の発生が抑制され、高生産性が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】ゴースト電位を測定した時の感光ドラム電位推移を示す図である。
【図3】ゴースト電位を測定した時の画像であり、(a)は画像先端が白の画像の説明図、(b)は画像先端が黒の画像の説明図である。
【図4】転写バイアスの有無によるゴースト電位と光除電装置の入力電圧との特性図である。
【図5】画像形成後の後回転時における感光ドラム電位推移を示す図である。
【図6】(a)は従来の画像形成時のタイミングチャートである。(b)は本実施形態の画像形成時のタイミングチャートである。(c)は本実施形態の画像形成時のタイミングチャートである。
【図7】(a)は従来の連続通紙時のタイミングチャートである。(b)は本実施形態の連続通紙時のタイミングチャートである。
【図8】画像形成装置の要部ブロック図である。
【図9】感光ドラムの回転速度差によるゴースト電位と光除電装置の入力電圧との特性図である。
【図10】感光ドラムの光除電方法を示すものであり、(a)は光除電装置のみで感光ドラムを除電する構成を示す図、(b)は光除電装置と露光装置を併用して感光ドラムを除電する構成を示す図である。
【図11】画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の断面図である。
【0014】
[画像形成装置の全体構成]
図1において、画像形成装置は、プリンタ部及びリーダ部から成る。プリンタ部は、イエロー色の画像を形成する画像形成部、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部、シアン色の画像を形成する画像形成部、ブラック色の画像を形成する画像形成部を備えている。そして、これら4つの画像形成部は1列状に配置されている。
【0015】
各画像形成部には、トナー像が形成されるドラム型の電子写真感光体である感光ドラム2(2Y,2M,2C,2Bk)がそれぞれ配置されている。各感光ドラム2の周囲には、感光ドラム2の表面を帯電させる帯電装置としての帯電ローラ3(3Y,3M,3C,3Bk)が配置されている。また、前記帯電ローラ3よりも感光ドラム2の回転方向下流側には、感光ドラム2に画像信号に応じた光照射して静電像を形成するために露光を行う画像露光器である露光装置7(7Y,7M,7C,7Bk)が配置されている。さらに、露光装置7の下流側には、前記静電像をトナーによって現像する現像装置4(4Y,4M,4C,4Bk)が配置されている。さらに、感光ドラム2の周囲には、前記現像装置4で現像したトナー像を受像部材としての中間転写体8に転写するための転写バイアスを印加する転写帯電器としての転写ローラ5(5Y,5M,5C,5Bk)が配設されている。さらに、前記トナー像が中間転写体8に転写された後に感光ドラム2に残留したトナーをクリーニングする感光体クリーニング装置6(6Y,6M,6C,6Bk)が配置されている。
【0016】
本実施形態の感光ドラム2は、外径40mm、中心支軸を中心に260mm/secのプロセススピード(周速度)をもって図1の反時計方向に回転駆動される。そして、画像形成に際しては、回転する感光ドラム2は帯電ローラ3により外周面が一様に帯電される。
【0017】
リーダ部若しくは外部装置から画像信号処理部に画像信号が入力されると、画像信号処理部ではこの画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成する。この信号に基いて、露光装置7から感光ドラム2に選択的な露光が行われて静電像が形成され、現像装置4によってトナー現像される。
【0018】
現像されたトナー画像は、感光ドラム2から中間転写体8に転写される。この中間転写体8は支持ローラ13a,13b,14等によって支持されたエンドレスのベルト状部材であり、感光ドラム2と同期して回転する。そして、転写ローラ5へのバイアス印加による帯電処理によって各感光ドラム2に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー像が中間転写体8に順次一次転写され、カラー画像が形成される。
【0019】
また、中間転写体8の回転方向で、前記一次転写部の下流側には中間転写体8を挟むように二次転写対向ローラ9と二次転写ローラ10が配置され、二次転写部が形成されている。この二次転写部において、中間転写体8上のトナー画像が搬送されたシートに転写される。このシートは定着装置11に搬送され、定着ローラ11aと加圧ローラ11b間の定着ニップ部で加熱、加圧されてトナー画像がシートに定着された後、排出トレイ上に排出される。
【0020】
また、一次転写処理後における感光ドラム2の外周面の電位は光除電手段である光除電装置13(13Y,13M,13C,13Bk)によって除電処理される。この光除電装置13は感光ドラム2の回転方向において一次転写部より下流側(感光ドラム周面の移動方向下流側)であって、クリーニング装置6より上流側(感光ドラム周面の移動方向上流側)に設けられている。この光除電装置13によって感光ドラム2を光照射することにより、感光ドラム2の周面に残留している電荷を除電するものである。
【0021】
クリーニング装置6は前述したように感光ドラム2の一次転写残トナーなどの残留物をクリーニングする。本実施形態のクリーニング装置6は感光ドラム2に当接したクリーニングブレード6a(図10参照)で構成され、回転する感光ドラム2の周面から残留トナー等を掻き取る。
【0022】
また、中間転写体8上に残った二次転写残トナーなどの残留物を除去するベルトクリーニング装置12が設けられている。
【0023】
シートは、中間転写体8の下方にて取り外し自在に配置されたカセット41から給送ローラ42により選択的に給送された後、給送ローラ42からシートの搬送方向下流側に配置されたレジストローラ43に搬送される。
【0024】
レジストローラ43に搬送されたシートは、中間転写体8上のカラー画像が二次転写部に搬送されるタイミングに合せて、二次転写部に搬送され、転写処理及び定着処理が施される。
【0025】
光除電装置13は、LEDチップアレイタイプやライトガイドタイプなどがある。LEDチップアレイは、従来から使用されているもので、長手方向にLEDチップを複数個並べ、LEDから発光される光を直接感光ドラムに照射するものである。
【0026】
また、ライトガイドタイプは、画像形成装置本体の手前側と奥側に装備された光源としてのLEDランプを有し、この両方のLEDランプに対向して光入光部が形成され、導光された光を感光ドラムの長手方向表面に照射するライトガイドタイプなどがある。
【0027】
どのタイプの光除電装置13においても、入力される電力に応じて発光される光量を調整することが可能である。なお、本実施形態ではLEDチップアレイタイプを用いる。
【0028】
感光ドラム2は、耐削れ性、耐傷性が良好な高い光(電子線)硬化性樹脂を用いているので、帯電と露光を長期に繰り返し行うことにより劣化が進む。更に、帯電や露光によって所望の感光体電位が得られなくなるため、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良が発生しやすい。
【0029】
[感光ドラムの電位及び光除電の光量と画像不良レベルの関係]
次に、感光ドラム2の電位及び光除電の光量と画像不良レベルの関係について説明する。図2は本実施形態の画像形成装置において、図3(a)のような画像と、図3(b)のような画像をA3サイズで連続通紙した際の感光ドラム電位の推移を示すものである。
【0030】
図3(a)に示す画像は感光ドラム2を帯電電位VD=−600Vに帯電し、画像先端から感光ドラム1周分が白で、残りの感光ドラム1周分以上がハーフトーンとなっている。また、図3(b)に示す画像は画像先端から感光ドラム1周分がベタで、残りの感光ドラム1周分以上がハーフトーンになっている。
【0031】
感光ドラム電位は、画像形成部の現像装置の部分に感光ドラム電位測定治具を配置して、感光ドラム2の表面電位を電位計に接続した測定プローブにより測定して得られた値を連続的にレコーダーに読み取ったグラフである。なお、電位計はトレックジャパン社製、Model−344を使用し、測定プローブはトレックジャパン社製、Model−6000B−8を使用した。
【0032】
画像不良であるゴーストのレベルを評価する方法として、現像装置などの他の装置からの影響を受けないようにゴースト電位を測定し、その値の大小で評価を行った。ゴースト電位とは、帯電や露光による残電が光除電装置13などで消えきれず、ハーフトーン部の感光ドラム表面電位に、前記残電位が感光ドラム2の1周分現れた状態の電位である。この電位の大きさによってゴーストの画像不良レベルを判断した。
【0033】
ゴースト電位は1枚目に発生するゴースト電位とそのハーフトーン部の電位との差分Aに、2枚目のハーフトーン部の電位とその領域に発生するゴースト電位との差分Bを足したものとする。
【0034】
図4は、図2に示す感光ドラム電位を光除電装置13に入力される電圧を振って測定し、光除電装置13の光量(入力される電圧)とゴースト電位との関係を示した図である。また、転写バイアスの有無による光除電装置13の光量(入力される電圧)とゴースト電位との関係図も示す。なお、転写バイアスとしては転写電流が40μAになるよう設定している。
【0035】
光除電装置13に入力される電圧が小さくなると、感光ドラム2に照射される光量が少なくなる。そのため、帯電や露光による感光ドラム2の電荷が消しきれず、電荷が残った状態で、再度、帯電と露光がされるために、残電荷が電位として現れる。特に、画像先端から感光ドラム2の1周分が白、若しくはベタで、残りの画像がハーフトーンの画像の時に、顕著に残電荷がゴースト電位として現れる。
【0036】
転写バイアスの有無に関しては、転写バイアスが印加されたドラム領域(帯電処理を受けた領域)は除電効果が得られるため、転写バイアスが印加されないドラム領域(帯電処理を受けない領域)に比べて、ゴースト電位消滅のための光除電の光量が少なくて良い。
【0037】
しかし、光除電装置13に入力される電圧を小さくし、画像形成を行うと、後回転時(感光ドラムへのトナー像形成終了に伴う後処理時)に、図5に示すように、感光ドラム2に電荷が残ってしまう。図5は感光ドラム電位の推移を画像形成部の現像部分に感光ドラム電位測定治具を配置して電位計に接続した測定プローブにより測定した。なお、感光ドラム電位は帯電電位を−800Vに設定し、画像形成終了後、帯電ローラ3へのバイアス印加がOFFした状態での後回転時の電位である。
【0038】
この残電荷が次の画像形成時の帯電電位ムラを発生させ、地カブリや濃度ムラ等の画像不良となる。また、画像不良が発生しない程度まで感光ドラム電位が減衰するまで待機すると、高生産性や画像形成の立ち上がり時間などに影響する。これらのことは、転写バイアスの有無が混在する画像形成終了後の後回転時や紙間時に顕著となる。
【0039】
例えば、後回転時に転写バイアスが印加されていなければ、通常時の光量では、次の作像時にゴーストなどの画像不良が発生する。また、後回転時にトナー帯などの画像形成したトナーをクリーニング装置6に供給する場合も同様に、次の作像時にゴーストなどの画像不良が発生する。
【0040】
更に、紙間時に、転写バイアスを印加し続けると感光ドラムにダメージが発生するので、紙間時、転写バイアスを印加しない場合にも、次の作像時にゴーストなどの画像不良が発生する。
【0041】
そこで、本実施形態では感光ドラム2へのトナー像形成開始のための前処理時や感光ドラム2へのトナー像形成終了に伴う後処理時に転写バイアスが印加されない感光ドラム2の領域が光除電装置13を通過するときに照射する光量を通常の作像時より強くする。
【0042】
また、同様に転写バイアスが印加されない複数の画像を連続して形成する際の感光ドラム2での複数の画像の間の領域が光除電装置13を通過するときにも照射する除電光量を通常の作像時より強くする。
【0043】
また、同様に転写バイアスが印加されなかった感光ドラムの領域として、感光ドラム2に形成された所定のトナー像を中間転写体8に転写することなく、クリーニングブレードへ供給するため感光ドラムに所定のトナー像が形成された領域が光除電装置13を通過するときにも照射する除電光量を通常の作像時より強くする。
【0044】
転写バイアスが印加されずに帯電処理を受けなかったドラム領域が光除電装置13を通過するときに照射する除電光量を通常の作像時より強くする。このとき、帯電処理を受けなかった領域として、前記前処理時の領域、後処理時の領域、複数の画像間の領域、クリーニング画像が形成された領域の少なくとも1つの領域が光除電装置13を通過するときに除電光量を通常の作像時より強くするようにしても良い。
【0045】
図6及び図7は、画像形成時のドラム駆動と帯電バイアス、前露光と転写バイアスのタイミングチャートである。これらの画像形成に関る制御に関しては、タイマーに基いて動作を行う。
【0046】
図8において、タイマー15はコントローラ(制御手段)14に接続され、コントローラ14に格納された制御プログラムとタイマー15に基づいて画像形成シーケンスを総括制御する。操作部16はコピーモード(片面、両面、多重等)及び複写モード(倍率、シートサイズ等)を設定するキーであり、その指令信号がコントローラ14に入力される。この指令信号により、感光ドラム2の回転速度が決まる。
【0047】
モータ制御部17は感光ドラム駆動モータ20を制御し、感光ドラム駆動モータ20は感光ドラム2をコントローラ14で決定した回転速度で駆動させる。DC電圧制御部18は光除電装置13の光源への入力電圧を制御し、コントローラ14から信号に応じて、光除電装置13の光源への入力電圧を変更する。
【0048】
高圧ユニット19は帯電ローラ3や転写ローラ5、現像装置4などの各種高圧を必要とする装置に所定の電圧を印加する。高圧ユニット19はタイマー15とコントローラ14からの信号に基いて制御される。なお、本実施形態ではタイマー15で説明しているが、感光ドラム2の位置が分かる方法であれば限定されない。
【0049】
図6(a)に示すように、従来においては、ドラム駆動がONされた状態が長く、それよりも少ない時間で帯電バイアスがONされる。光除電装置の除電光は帯電バイアスがONされている時間と同じか、若しくは余分に点灯され、その時の光量は一定であった。
【0050】
しかし、これでは転写バイアスの除電効果を得られているにも関らず、余分に感光ドラム2に光を照射している。このため、感光ドラム2の光による劣化が進み、帯電や露光によって所望の感光ドラム電位が得られなくなり、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良が発生しやすくなってしまう。
【0051】
また、光除電装置13の光量を弱くすると、感光ドラム2に光が照射されているにも関らず、後回転時に電荷が残ってしまい、次の画像形成時に、帯電電位ムラを発生させ、地カブリや濃度ムラ等の画像不良となる。
【0052】
(転写バイアスと除電光量)
そこで、本実施形態では制御手段であるコントローラ14が、図6(b)に示すように、光除電装置13による光量を調整する入力電圧を制御するようにしている。
【0053】
すなわち、ドラム駆動がONされた状態で、帯電バイアスと同時に、若しくは先に光除電装置13が弱い光量でONされる。そして、画像形成中は光除電装置13の光量を弱く設定し、画像形成終了後、後回転時、転写バイアスがOFFされた感光ドラム面が光除電装置13の位置を通過したときに、その光量を強める。そして、帯電バイアスがOFFされた感光ドラム面が光除電装置13に達し、更に少なくとも感光ドラム1周した後に光除電装置13をOFFする。
【0054】
このようなタイミングで光除電装置13を調整することで、感光ドラム2の光劣化や後回転時の残電荷によって、地カブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑えることが可能となった。
【0055】
また、図6(c)は、画像形成終了後、後回転時に転写バイアスを印加する制御が行われた場合であるが、この場合、転写バイアスが印加されたのが一瞬であるため、時間的に光除電装置13の光量の調整が難しい。また、この場合は光除電装置13の光量を強めたままでも、感光ドラム2が受ける光劣化の影響が少ないことを考慮すると、後回転時は、いかなる場合でも光除電装置13の光量を強めても良い。
【0056】
また、感光ドラム2に対して画像形成前若しくは画像形成後のどちらか一方で強い光量を照射することで、後回転時の残電荷を次の画像形成までに消去し、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑えることが可能となる。
【0057】
図7(a)に従来の連続時におけるタイミングチャートを示す。生産性向上のため、なるべく紙間を詰める場合がある。従来は転写バイアスの有無にかかわらず、光除電装置による除電光量は一定であった。このため、2枚目以降に得られる画像上で、転写バイアスの有無による濃度ムラが発生することがある。
【0058】
そこで、図7(b)に示すように、転写バイアスがある時は光除電装置13の光量を弱め、転写バイアスがない時は光除電装置13の光量を強める。このようなタイミングで光除電装置13を調整することで、感光ドラム2の光劣化や後回転時の残電荷によって、地カブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑えることが可能となった。
【0059】
(プロセススピードと除電光量)
シートの厚みや成果物の光沢度や画質などによって、ユーザが画像形成装置に欲しい成果物の情報を入力することで、画像形成時の感光ドラム2の速度が可変である構成の画像形成装置がある。
【0060】
この場合、その速度に応じて、トナー像形成開始のための前処理時に感光ドラム表面に照射される光量を調整する。その時の光量が、通常の速度に比べ遅くなったときに、画像形成時における感光ドラム表面が照射される光量を少なくする際の有用性について説明する。
【0061】
図9は感光ドラム電位を光除電装置13に入力される電圧を振って測定し、光除電装置13の光量(入力される電圧)とゴースト電位との特性図である。また、画像形成時の速度の違いによる光除電装置13の光量(入力される電圧)とゴースト電位との特性図も示す。本実施形態において、通常の速度を260mm/s、これよりも1/2速に速度を落とした130mm/sとをそれぞれ設定している。
【0062】
130mm/sの場合、通常よりも速度を落としているため、感光ドラム電位測定治具が配置されている画像形成部の現像装置の位置までに、ゴースト電位が減衰され、通常の速度よりも光除電装置13の光量が少なくても、ゴーストの発生が抑制される。
【0063】
また、速度が落ちている分、光除電装置13の光量を通常の速度の時よりも少なくしないと、感光ドラム2への光劣化が促進され、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良が発生してしまう恐れがある。
【0064】
そのため、光除電装置13の光量を感光ドラム2の回転速度が落ちている分だけ少なくした場合、ゴースト画像は発生しないが、後回転時の残電荷が消去しきれず、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良が発生してしまう恐れがある。
【0065】
本実施形態によれば、後回転時に光除電装置13による光量を強めることで感光ドラム2の速度を落としたことによる光除電装置13の影響を抑え、感光ドラム2の光劣化やトナー像形成終了後の後回転時の残電荷による地力ブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑えることが可能となる。
【0066】
(光除電装置13と露光装置7とによる除電)
なお、本実施形態においては、光除電手段として図10(a)に示すように、光除電装置13のみで感光ドラム2へ照射される光量を調整していた。しかし、光除電手段として図10(b)に示すように、露光装置(画像露光器)7と光除電装置(光除電器)13とを併用することで除電光量を調整しても良い。
【0067】
この場合、制御手段は転写バイアスを受けた感光ドラム2の領域に対しては光除電装置13のみで光照射して除電処理を実行させ、転写バイアスを受けなかった感光ドラム2の領域に対しては光除電装置13と露光装置7により光照射して除電処理を実行させる。
【0068】
光除電装置13については、感光ドラム2の回転方向に対して、クリーニング装置6の上流側に配置されているが、クリーニング装置6の下流側に配置しても良い。
【0069】
また、露光装置7と光除電装置13の少なくともどちらか一方の光量を下げたり上げたりする。これにより、転写バイアスがある時の感光ドラム表面に照射される光量の方が転写バイアスのない時の感光ドラム表面に照射される光量に比べて大きくなるように調整しても良い。
【0070】
上記構成にすることで、通常よりも速度を落として画像形成する際、感光ドラム表面の単位時間あたりの照射する光量を抑えることが可能となり、光耐久劣化を抑え、地力ブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑える。
【0071】
(画像形成動作)
次に、本実施形態の画像形成装置の動作について、図11のフローチャートで説明する。なお、感光ドラム2の外周において、帯電ローラ3の位置を0°とした時、反時計回りに180°の位置に転写ローラ5、225°の位置に光除電装置13が配置されている。
【0072】
まず、欲しい成果物の情報を入力し、その情報に基いて感光ドラム2の回転速度を変更する。その時、画像形成される感光ドラム2の回転速度を判断する(ステップS1)。
【0073】
通常の速度である260mm/sである場合、光除電装置13の光量(電圧)を、転写バイアスがある時は13V(弱)に、転写バイアスがない時は15V(強)に選択する(ステップS2)。通常の速度よりも遅い130mm/sである場合、光除電装置13の光量(電圧)は、転写バイアスがある時はゴースト電位が小さいために0V(弱)に、転写バイアスがない時は後回転の残電荷を消去するために15V(強)にそれぞれ選択する(ステップS3)。
【0074】
次に、感光ドラム駆動とタイマー15を同時にONする(ステップS4)。これにより、以下に説明するタイミングはタイマー15に基づいて行なわれる。感光ドラム駆動とタイマー15がONされ、タイマー15がある時間になったら、帯電バイアスと同時に光除電装置13がONされる(ステップS5)。ただし、帯電バイアスと同時に光除電装置13をONしたが、先に光除電装置13をONしても良い。
【0075】
画像形成中は光除電装置13に入力される電圧は13V(弱)に設定され、転写バイアスがOFFされる(ステップS6)。そして、そのOFFされた感光ドラム面が光除電装置13の位置を通過したとき、タイマー15が転写バイアスOFFされてから約60ms後に、光除電装置13に入力する電圧を15V(強)と強める(ステップS7)。
【0076】
その後、ある時間で帯電バイアスがOFFされ(ステップS8)、そのOFFされた感光ドラム面が光除電装置13の位置を通過し、更に少なくとも感光ドラム2を1周する。その後、タイマー15が転写バイアスONされてから約785ms後に、光除電装置13をOFFし(ステップS9)、ある時間後にドラム駆動とタイマー15をOFFする(ステップS10)。
【0077】
ここで、画像形成のタイミングは図6(c)及び図7(b)に示すタイミングでも良い。即ち、図6(c)はステップS6の後、転写バイアスをONする制御が入ったとしても、光除電装置13に入力される電圧を変更せず、15V(強)のままで行うものである。図7(b)は連続通紙時のタイミングチャートで、紙間時に光除電装置13に入力される電圧を変更させる。15V(強)である。なお、感光ドラム2の回転速度が遅くなったときは、光除電装置13に入力する電圧は0V(弱)となる。
【0078】
このような本実施形態により、感光ドラム2の光劣化や後回転時の残電荷による地力ブリや画像濃度低下などの画像不良の発生を抑えることが可能となり、高生産性を実行できる。
【符号の説明】
【0079】
2 …感光ドラム
3 …帯電ローラ
4 …現像装置
5 …転写ローラ
6 …クリーニング装置
6a …クリーニングブレード
7 …露光装置
8 …中間転写体
10 …二次転写ローラ
12 …ベルトクリーニング装置
13 …光除電装置
14 …コントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が形成される感光体と、前記感光体のトナー像を受像部材へ転写する転写帯電器と、前記感光体を光照射により除電する光除電手段と、を有する画像形成装置において、
前記転写帯電器により帯電処理を受けた前記感光体の領域が通過する際に照射する光量が前記転写帯電器により帯電処理を受けなかった前記感光体の領域が通過する際に照射する光量よりも弱くなるように前記光除電手段を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写帯電器により帯電処理を受けなかった前記感光体の領域とは、前記感光体へのトナー像形成開始のための前処理時に前記光除電手段を通過する前記感光体の領域と、前記感光体へのトナー像形成終了に伴う後処理時に前記光除電手段を通過する前記感光体の領域と、複数の画像を連続して形成する際の前記感光体での複数の画像の間の領域のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体をクリーニングするブレードを有し、前記転写帯電器により帯電処理を受けなかった前記感光体の領域とは、前記感光体に形成された所定のトナー像を受像部材に転写することなく前記ブレードへ供給するため前記感光体に所定のトナー像が形成された領域であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記光除電手段は、前記感光体に静電像を形成するために露光を行う画像露光器と、前記転写帯電器よりも前記感光体の移動方向下流側であって前記画像露光器よりも移動方向上流側に設けられた光除電器と、を有し、
前記制御手段は、前記転写帯電器により帯電処理を受けた前記感光体の領域に対しては前記光除電器により除電処理を実行させ、前記転写帯電器により帯電処理を受けなかった前記感光体の領域に対しては前記光除電器と前記画像露光器により除電処理を実行させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記感光体から前記受像部材に転写されたトナー像をシートに転写する転写帯電器を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
トナー像が形成される感光体と、前記感光体のトナー像を受像部材へ転写する転写帯電器と、前記感光体を光照射により除電する光除電手段と、を有する画像形成装置において、
前記転写帯電器により帯電処理を受けた前記感光体の領域が通過する際に照射する光量が前記転写帯電器により帯電処理を受けなかった前記感光体の領域が通過する際に照射する光量よりも弱くなるように前記光除電手段を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写帯電器により帯電処理を受けなかった前記感光体の領域とは、前記感光体へのトナー像形成開始のための前処理時に前記光除電手段を通過する前記感光体の領域と、前記感光体へのトナー像形成終了に伴う後処理時に前記光除電手段を通過する前記感光体の領域と、複数の画像を連続して形成する際の前記感光体での複数の画像の間の領域のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体をクリーニングするブレードを有し、前記転写帯電器により帯電処理を受けなかった前記感光体の領域とは、前記感光体に形成された所定のトナー像を受像部材に転写することなく前記ブレードへ供給するため前記感光体に所定のトナー像が形成された領域であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記光除電手段は、前記感光体に静電像を形成するために露光を行う画像露光器と、前記転写帯電器よりも前記感光体の移動方向下流側であって前記画像露光器よりも移動方向上流側に設けられた光除電器と、を有し、
前記制御手段は、前記転写帯電器により帯電処理を受けた前記感光体の領域に対しては前記光除電器により除電処理を実行させ、前記転写帯電器により帯電処理を受けなかった前記感光体の領域に対しては前記光除電器と前記画像露光器により除電処理を実行させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記感光体から前記受像部材に転写されたトナー像をシートに転写する転写帯電器を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【公開番号】特開2010−271602(P2010−271602A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124805(P2009−124805)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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