説明

画像形成装置

【課題】 定着後の収縮した記録紙であっても、トナー像領域に適切に光沢付与ができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 画像形成装置100は、中間転写ベルト8から転写された記録紙上のトナー像を加熱する定着器16と、定着器16により加熱された記録紙の任意の領域に光沢を付与するサーマルヘッド201と、光沢付与領域を設定する操作部505とを有する。CPU502は、光沢付与領域が、記録紙P上のトナー像領域よりも所定量外側まで存在しない場合は、記録紙上のトナー像領域よりも所定量外側まで光沢付与領域を拡大するよう補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に、記録紙に形成された画像に光沢を付与する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置として、例えば、第1の定着器の後段に第2の定着器を設け、第1の定着器を通過した記録紙を第2の定着器で再加熱することにより、光沢を付与する方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、この方式では、記録紙の全面に光沢を付与することが可能であるが、領域を限定して光沢を付与することができなかった。また、光沢を付与することを必要としない部分にまで熱を加えるので、消費電力が増大するという問題があった。
【0004】
そこで、第1の定着器の後工程に第2の定着器としてのサーマルヘッドを用いて任意の領域を再加熱することにより、画像が形成されている領域に限定して光沢を付与する方式が用いられている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−192068号公報
【特許文献2】特開2007−52175号公報、段落[0080]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の発明では、サーマルヘッドを使用して記録紙の任意の領域を再加熱して光沢を付与するよりも前に、第1の定着器からの加熱により記録紙に含有されていた水分が蒸発する。水分の蒸発により、定着後は記録紙が収縮し、その寸法に変化が生じる。
【0007】
この収縮率は、記録紙の種類や厚みにより異なるが、普通紙の場合、長手方向及び幅方向の長さは、ともに0.1〜0.5%程度収縮する。例えば、A3サイズの普通紙の場合、サイズが297mm×420mmであるため、収縮率が最大の0.5%とすると、幅方向で約1.5mm、長手方向で2.1mm収縮することになる。解像度が600dpiの場合、例えば2.1mmの収縮は、4画素程度の収縮量になる。
【0008】
つまり、サーマルヘッドで再加熱する際に、定着前の記録紙のサイズに基づいてサーマルヘッドの各抵抗に供給する電力パターンを決定してしまうと、記録紙が収縮した分だけ光沢を付与する領域がずれてしまう。そして、文字のエッジ部や画像領域の端部などに光沢ムラが生じてしまうという問題が発生する。
【0009】
そこで、本発明の目的は、定着後の収縮した記録紙であっても、トナー像領域に適切に光沢付与ができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、記録紙を給紙する給紙手段と、前記給紙手段により給紙された記録紙にトナー像を転写する転写手段と、前記転写手段により記録紙に転写されたトナー像を加熱する定着手段と、前記定着手段により加熱された記録紙の任意の領域に光沢を付与する光沢付与手段と、前記光沢付与手段により光沢を付与される記録紙上の光沢付与領域を設定する設定手段と、前記設定手段で設定される前記光沢付与領域が、記録紙上のトナー像領域よりも所定量外側まで存在しない場合は、記録紙上のトナー像領域よりも前記所定量外側まで前記光沢付与領域を拡大するよう補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置によれば、定着後の収縮した記録紙であっても、トナー像領域に適切に光沢付与ができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像形成装置100の断面図である。
【図2】光沢付与装置55の断面図である。
【図3】サーマルヘッド201のヘッド配置図である。
【図4】サーマルヘッド201の電気構成を示すブロック図である。
【図5】画像形成装置100及び光沢付与装置55の制御ブロック図である。
【図6】光沢付与領域設定画面を示す図である。
【図7】光沢付与領域とサーマルヘッドの駆動パターンとの関係を示す図である。
【図8】記録紙Pへの光沢付与動作を示すフローチャートである。
【図9】非光沢付与領域設定画面を示す図である。
【図10】光沢を付与するトナー像領域と光沢を付与しないトナー像領域とが隣接している場合のサーマルヘッド201の駆動パターンを示す図である。
【図11】光沢付与領域を拡大するかどうかの設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、画像形成装置100の断面図である。
【0014】
画像形成装置100は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Bkの4つの画像形成部を備えている。
【0015】
中間転写ベルト8の下方には、レーザースキャナユニット7が配置されており、各色の感光体2a(イエロー)、2b(マゼンタ)、2c(シアン)、2d(ブラック)に各色の画像データに基づいて変調されたレーザ光を照射する。レーザ光の照射前には、それぞれ一次帯電器3a(イエロー)、3b(マゼンタ)、3c(シアン)、3d(ブラック)にて、感光体2a、2b、2c、2dの全面を帯電させた状態にしている。
【0016】
現像器4a、4b、4c、4dは、レーザースキャナユニット7によりレーザ光を照射された各色の感光体に各色のトナーを静電的に付着させる。各色の感光体に付着したトナーは、中間転写ベルト8に転写され、ベルトは図中Aの方向に進行し、転写された各色のトナー像は、二次転写ローラ12にて、記録紙Pへと再度転写される。
【0017】
さらにその下方に給紙ユニット17、手差しマルチトレイ20を配置し、記録紙Pの搬送パス18、搬送ローラ19、二次転写ローラ12を縦に配置し、その上方に定着器16を備えている。
【0018】
定着器16は、内部にヒータパターンを印刷したセラミック基板などの熱源を有する定着フィルム16aと前記基板に前記フィルムをはさんで加圧される加圧ローラ16bから構成される。
【0019】
さらに、定着器16の下流側には定着排紙ローラ21、及び光沢付与装置55が配置されている。記録紙Pの表裏面に画像を形成する場合には、定着排紙ローラ21を逆回転することにより、片面の画像形成及び定着が終了した記録紙Pを両面搬送路23へと搬送し、記録紙Pの裏面に再度画像形成を行うべく二次転写ローラ12の方向へ再給紙する。
【0020】
なお、記録紙センサ24は、給紙ユニット17や手差しマルチトレイ20から給紙される記録紙P、及び両面搬送路23から再給紙される記録紙Pを検知するためのセンサである。
【0021】
光沢付与装置55は、記録紙Pの任意の領域を再加熱して光沢を付与する装置である。光沢付与装置55により記録紙Pへの光沢の付与が完了した後、記録紙Pは光沢付与装置55から排紙トレイ22へと排紙される。
【0022】
図2は、光沢付与装置55の断面図である。
【0023】
定着排紙ローラ21は、定着器16の下流にあり、定着器16から排出された記録紙Pを光沢付与装置55へと搬送する。定着排紙センサ208は、定着器16と定着排紙ローラ21の間に配置されており、定着器16から排出された記録紙Pの先端及び後端を検知し、定着器16内に記録紙Pが滞留していないことを監視する。
【0024】
光沢付与装置55には、サーマルヘッド201が記録紙Pの搬送方向に直交する幅方向に長手となるよう設けられている。図3に示されるように、サーマルヘッド201の先端Hにはn個の発熱部(H1、H2、・・・、Hn)が設けられている。発熱部(H1、H2、・・・、Hn)は、300dpiの間隔で記録紙Pの幅の分だけ、およそ5000個並べられている。
【0025】
有限長のフィルム202は、送り出しローラ204から送り出され、巻取りローラ205により巻き取られる構成になっている。サーマルヘッド201に対向する対向ローラ203は、記録紙Pの搬送を行う。分離板206は、フィルム202と記録紙Pとを分離する機能を持つ。
【0026】
定着排紙ローラ21から矢印方向に搬送されてきた記録紙Pは、フィルム202と対向ローラ203により形成されるニップ部を通過する。このとき、サーマルヘッドがオンされた領域のみ記録紙P上のトナー像が再加熱され、光沢が付与された画像が形成される。再加熱された記録紙Pは、フィルム202と共に左方向に送り出される。記録紙Pは分離板206によりフィルム202と分離され、フィルム202が巻取りローラ205に巻き取られる一方、記録紙Pのみが光沢付与装置55から排出される。
【0027】
図4は、サーマルヘッド201の電気構成を示すブロック図である。
【0028】
シフトレジスタ401は、後述するCPU502からCLK信号に同期して順次入力されたDATA信号を1ライン分記憶する。ラッチレジスタ402は、LAT信号のタイミングでシフトレジスタ401のデータをラッチする。ここで、ラッチされたデータがサーマルヘッド201を駆動する駆動信号となる。
【0029】
ゲート回路403は、STB信号がHighの時にラッチレジスタ402にラッチされている駆動信号を出力する。ドライバ素子404は、サーマルヘッド201を駆動する素子であり、Highが入力されたときにサーマルヘッド201がオンされる。抵抗ヒータ405は、サーマルヘッド201のn個の発熱部(H1、H2、・・・、Hn)に対応して設けられた、n個の抵抗(R1、R2、・・・、Rn)から構成される。
【0030】
図5は、画像形成装置100及び光沢付与装置55の制御ブロック図である。
【0031】
制御部501は、CPU502、ROM503、及びRAM504を有する。CPU502は、画像形成装置100全体を制御する制御回路である。ROM503には、画像形成装置100で実行する各種処理を制御するための制御プログラムが格納されている。RAM504は、CPU502が動作するためのシステムワークメモリであり、また画像データを一時記憶するための画像メモリとしても機能する。
【0032】
CPU502は、外部のスキャナ、PC、及びFAX等の外部装置300から画像データを受信し、画像形成装置100の内部に設けられた各種センサ類507の出力に応じて、各種モータ類506を制御して記録紙Pへの画像形成動作を行う。また、ユーザは、操作部505上の入力キーを用いて、操作部505に設けられた表示部の表示の切り替えをCPU502に指示することができる。
【0033】
図6は、光沢付与領域設定画面を示す図である。
【0034】
操作部505に設けられた表示部は、外部から受信した画像データに基づきこれから出力する画像600を表示する。ユーザは、画像600における光沢付与領域605(斜線部分)を、操作部505から指定する。具体的には、ユーザは、光沢付与領域605の2点の角A及びBの座標を、座標入力部601〜604から入力することにより、光沢を付与する領域を入力する。
【0035】
なお、ここでは操作部505から光沢付与領域605を指定することとしたが、この構成に限られない。例えば、ユーザがスキャナ、PC、及びFAX等の外部装置300から光沢付与領域605を入力し、入力された光沢付与領域605を示すデータを画像形成装置1へと送信するようにしてもよい。
【0036】
図7は、光沢付与領域とサーマルヘッドの駆動パターンとの関係を示す図である。
【0037】
記録紙Pに対して、領域A1にトナー像が存在し、この領域A1が光沢付与領域として設定されているものとする。通常は、この領域A1に光沢を与えるようにサーマルヘッド201の駆動パターンを決定すればよいが、定着器16を通過した記録紙Pの収縮による画像の位置ずれ等を考慮する必要がある。
【0038】
すなわち、記録紙Pは、定着器16からの加熱により収縮し、A3サイズの普通紙の場合は最大で2.1mmの画像の位置変動が生じることは前述したとおりである。また、記録紙Pの搬送ばらつきによる画像の位置ずれが最大で1mm弱発生するとすると、この1mm弱のずれに前述の2.1mmのずれを合算した約3mmの画像の位置ずれが最大で発生することになる。
【0039】
そこで、本実施形態では、トナー像領域の外側3mmまで光沢付与領域を拡大することで、記録紙Pの収縮などによる画像の位置ずれが発生しても、トナー像領域全体に光沢を付与できるようにする。図7に示されるように、領域A1にトナー像が存在し、この領域A1に光沢を付与する設定がされている場合、領域A1の所定量(3mm)外側の領域まで光沢付与領域を拡大する。
【0040】
図8は、記録紙への光沢付与動作を示すフローチャートである。
【0041】
このフローチャートを実行するためのプログラムは、ROM503に記憶されており、CPU502により読み出されることにより実行される。
【0042】
まず、CPU502は、スキャナ、PC、及びFAX等の外部装置300からから送信された画像データを受信することにより、画像データを取得する(S801)。次に、CPU502は、図6の光沢付与領域設定画面からユーザにより入力された光沢付与領域データを取得する(S802)。そして、CPU502は、受信した画像データからトナー像領域を認識し、当該トナー像領域の所定量(3mm)外部まで光沢付与領域が存在するかどうかを判断する(S803)。
【0043】
トナー像領域の所定量(3mm)外部まで光沢付与領域が存在しない場合は、CPU502は、光沢付与領域をトナー像領域の所定量(3mm)外部まで拡大するように、光沢付与領域データを補正する(S804)。一方、ステップS803で、トナー像領域の所定量(3mm)外部まで光沢付与領域が存在する場合は、光沢付与領域を補正する必要は無いので、ステップS804の処理を行わずにステップS805へと進む。
【0044】
次に、CPU502は、記録紙Pの給紙を開始し(S805)、中間転写ベルト8から記録紙Pへのトナー像の転写、及び定着器16による記録紙P上のトナー像の定着を行う(S806)。そして、CPU502は、光沢付与領域データを、図4に示されるDATA信号としてシフトレジスタ401に入力し、サーマルヘッド201を駆動して記録紙Pを加熱する(S807)。その後、記録紙Pを排紙トレイ22へ排紙する(S808)。
【0045】
以上の制御を行うことにより、定着器16を通過して収縮等してトナー像の位置がずれた記録紙Pであっても、記録紙P上のトナー像領域に適切に光沢付与ができる。
【0046】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態として、非光沢付与領域設定画面を示す図である。
【0047】
第1の実施形態では、ユーザが光沢付与領域のみを入力した場合について説明したが、第2の実施形態では、光沢付与領域だけでなく、光沢を付与しない非光沢付与領域についてもユーザが入力した場合についての制御を示す。
【0048】
本実施形態では、ユーザが図6の光沢付与領域の設定を行い、OKキーを押下すると、操作部505に設けられた表示部は、図9の非光沢付与領域設定画面を表示する。そして、ユーザは、画像600における非光沢付与領域905(網点部分)を、操作部505から指定する。具体的には、ユーザは、非光沢付与領域905の2点の角A及びBの座標を、座標入力部901〜904から入力することにより、光沢を付与しない領域を入力する。
【0049】
例えば、1ページに写真画像とテキスト画像の両方が混在する画像データの場合、写真画像領域については光沢を付与し、テキスト画像領域については光沢を付与したくないとユーザが望む場合がある。仮に、写真画像領域の近くにテキスト画像領域が存在する場合、光沢付与領域を拡大すると、テキスト画像領域の一部に光沢を付与してしまう可能性がある。
【0050】
そこで、本実施形態では、例えば、写真画像領域に光沢付与の設定をし、写真画像領域に隣接する位置に光沢を付与しないテキスト画像領域が存在するような場合には、テキスト画像領域にまで光沢付与領域を拡大しないようにする。
【0051】
図10は、光沢を付与するトナー像領域と光沢を付与しないトナー像領域とが隣接している場合のサーマルヘッドの駆動パターンを示す図である。
【0052】
記録紙Pに対して、領域A1及びA2のトナー像領域が光沢付与領域として設定されている一方、領域B1及びB2のトナー像領域は非光沢付与領域として設定されているものとする。また、領域A1と領域B1との間の距離は前述の所定量(3mm)以上であり、領域A2と領域B2との間の距離は所定量(3mm)未満であるものとする。なお、非光沢付与領域については、前述したように、操作部505からのユーザの入力により設定される。
【0053】
この場合、領域A1と領域B1との間の距離は所定量(3mm)以上であることから、第1の実施形態と同様に、CPU502は、領域A1のトナー像領域の所定量(3mm)外部まで光沢付与領域を拡大するように、光沢付与領域データを補正する。
【0054】
一方、領域A2と領域B2との間の距離は所定量(3mm)に満たないことから、領域A2のトナー像領域の所定量(3mm)外部まで光沢付与領域を拡大すると、光沢を付与しない領域B2にまで光沢を付与することになってしまう。
【0055】
そこで、CPU502は、領域A2における領域B2に隣接しない側の端部については、前述と同様に領域A2のトナー像領域の所定量(3mm)外部まで光沢付与領域を拡大する。一方、CPU502は、領域A2における領域B2に隣接する側の端部については、光沢付与領域を拡大しないようにする。
【0056】
この構成により、非光沢付与領域に対して、サーマルヘッド201による再加熱を行わないように、サーマルヘッド201の駆動パターンを設定することで、不必要な光沢付与を防止することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、操作部505から非光沢付与領域905を指定することとしたが、この構成に限られない。例えば、ユーザがスキャナ、PC、及びFAX等の外部装置300から非光沢付与領域905を入力し、入力された非光沢付与領域905を示すデータを画像形成装置100が受信して設定するようにしてもよい。
【0058】
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態として、光沢付与領域を拡大するかどうかの設定画面を示す図である。
【0059】
第2の実施形態では、非光沢付与領域の座標をユーザが入力するようにしたものであるが、第3の実施形態では、ユーザが光沢付与領域を拡大しない辺のみを入力するようにし、ユーザの入力の手間を省いたものである。
【0060】
本実施形態では、ユーザが図6の光沢付与領域の設定を行い、OKキーを押下すると、操作部505に設けられた表示部は、図11の光沢付与領域を拡大するかどうかの設定画面を表示する。ユーザは、図6の画面で設定した画像600における光沢付与領域605(斜線部分)のうち、上辺、下辺、左辺、及び右辺のそれぞれについて、光沢付与領域を拡大するかどうかについて、拡大可否入力部1101〜1104から入力する。
【0061】
例えば、写真画像領域に光沢付与の設定をし、写真画像領域の右側に隣接する位置に光沢を付与しないテキスト画像領域が存在するような場合には、図11に示されるように、ユーザは光沢付与領域605の右辺について「拡大しない」を選択する。これによって、光沢付与領域を拡大したとしても、ユーザが光沢の付与を望まないテキスト画像領域には光沢を付与しないようにできる。
【0062】
なお、ここでの操作部505からの設定は、ユーザがスキャナ、PC、及びFAX等の外部装置300から行い、入力された設定内容を示すデータを画像形成装置100へと送信するようにしてもよい。
【0063】
本実施形態によれば、第2の実施形態のように非光沢付与領域の座標を入力するのではなく、光沢付与領域を拡大しない辺を入力するだけでよいので、ユーザの入力の手間を省くことができる。
【0064】
なお、以上の説明では光沢付与手段としてサーマルヘッドを例に挙げて説明したが、光沢付与領域に透明トナー画像を形成することで記録紙Pの一部に光沢を付与する構成に適用してもよい。この場合、CPU502により、記録紙上のトナー像領域の所定量外側まで光沢付与領域を拡大すべく、透明トナーの画像を形成する領域を補正すればよい。
【0065】
また、上記の本実施形態では、画像形成装置100としてタンデム型のカラー画像形成装置を一例として示したが、電子写真方式の画像形成装置であれば、この構成に限られるものではない。
【符号の説明】
【0066】
12 二次転写ローラ(転写手段に対応)
16 定着器(定着手段に対応)
17 給紙ユニット(給紙手段に対応)
20 マルチトレイ(給紙手段に対応)
55 光沢付与装置
100 画像形成装置
201 サーマルヘッド(光沢付与手段に対応)
502 CPU(補正手段に対応)
505 操作部(設定手段に対応)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙を給紙する給紙手段と、
前記給紙手段により給紙された記録紙にトナー像を転写する転写手段と、
前記転写手段により記録紙に転写されたトナー像を加熱する定着手段と、
前記定着手段により加熱された記録紙の任意の領域に光沢を付与する光沢付与手段と、
前記光沢付与手段により光沢を付与される記録紙上の光沢付与領域を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定される前記光沢付与領域が、記録紙上のトナー像領域よりも所定量外側まで存在しない場合は、記録紙上のトナー像領域よりも前記所定量外側まで前記光沢付与領域を拡大するよう補正する補正手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記光沢付与領域に加えて、前記光沢付与手段により光沢を付与しない非光沢付与領域についても設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記光沢付与領域と前記非光沢付与領域との間の距離が前記所定量に満たない場合は、前記光沢付与領域における前記非光沢付与領域に隣接しない側の端部については、記録紙上のトナー像領域よりも前記所定量外側まで前記光沢付与領域を拡大するよう補正し、前記光沢付与領域における前記非光沢付与領域に隣接する側の端部については、前記光沢付与領域を拡大する補正を行わないことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記光沢付与領域に加えて、前記光沢付与領域を拡大させない部分についても設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記光沢付与手段は、記録紙の搬送方向に直交する幅方向に長手となるよう設けられたサーマルヘッドであり、前記補正手段により補正された前記光沢付与領域に応じて、記録紙上のトナー像を加熱することにより光沢を付与することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記光沢付与手段は、記録紙の任意の領域に透明トナー画像を形成する手段であり、前記補正手段により補正された前記光沢付与領域に応じて、透明トナー画像を形成する領域を補正することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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