説明

画像形成装置

【課題】 定着ユニットの熱さを気にすることなく、装置本体内から定着ユニットを引出すことのできる画像形成装置を提供するものである。
【解決手段】 装置本体と、装置本体の外装を形成する外装部材と、装置本体内に配置され、記録用紙に画像を形成する画像形成ユニットと、画像が形成された記録用紙を加熱して、画像を前記記録用紙に定着させる定着ユニットを含んでなり、定着ユニットは、装着動作に基づいて装置本体内に装着され、引出動作に基づいて装置本体内から引出される画像形成装置において、外装部材は、定着ユニットの引出動作に連動して、装置本体の外装を形成する初期位置から定着ユニットに向けて移動されて、装置本体内から引出される定着ユニットを被覆する画像形成装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像が形成された記録用紙を加熱して、画像を記録用紙に定着させる定着ユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリやこれらの機能を併せ持たせた複合機等の画像形成装置は、記録用紙に画像(トナー像)を形成(転写)する画像形成ユニット、及び画像が形成された記録用紙を加熱、加圧して、画像を記録用紙に定着させる定着ユニットを含んで構成される。この定着ユニットは、記録用紙を加熱する定着ユニット、及び記録用紙を定着ユニットに加圧する加圧ローラを備えている。
定着ユニットにおいて、記録用紙を加熱、加圧するとき、記録用紙は画像(トナー像)を媒介として定着ローラに付着しやすくなる。記録用紙が定着ローラに付着して分離しないと、紙詰りが発生する原因となる。定着ユニットに紙詰りが発生すると、紙詰り記録用紙を定着ユニットから除去する処理が必要となる。
【0003】
紙詰り記録用紙を除去する処理として、特許文献1に開示する技術は、定着ユニットを画像形成装置内から引出して、定着ユニットの開閉カバーを開くことで、紙詰り記録用紙を除去する。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示する技術は、定着ローラによって記録用紙を加熱しているので、定着ユニットも熱く高温になっている。この定着ユニットを画像形成装置内から引出すとき、作業者は高温の定着ユニットに触れないように注意する必要があり、定着ユニットに接触することで火傷するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−255748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上記問題に鑑み、定着ユニットの熱さを気にすることなく、装置本体内から定着ユニットを引出すことのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、装置本体と、前記装置本体の外装を形成する外装部材と、前記装置本体内に配置され、記録用紙に画像を形成する画像形成ユニットと、前記画像が形成された前記記録用紙を加熱して、前記画像を前記記録用紙に定着させる定着ユニットを含んでなり、前記定着ユニットは、装着動作に基づいて前記装置本体内に装着され、引出動作に基づいて前記装置本体内から引出される画像形成装置において、前記外装部材は、前記定着ユニットの引出動作に連動して、前記装置本体の外装を形成する初期位置から前記定着ユニットに向けて移動されて、前記装置本体内から引出される定着ユニットを被覆することを特徴とする画像形成装置に関する。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記外装部材は、前記定着ユニットの装着動作に連動して、前記定着ユニットを被覆する状態から前記初期位置に移動されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置に関する。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記定着ユニットの引出動作に連動して、前記定着ユニット内に延在する前記記録紙を下流側に搬送する駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置に関する。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記外装部材は、前記定着ユニットを装着した状態で、前記初期位置から外側に所定角度開放することが可能なことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、装置本体と、前記装置本体の外装を形成する外装部材と、前記装置本体内に配置され、記録用紙に画像を形成する画像形成ユニットと、前記画像が形成された前記記録用紙を加熱して、前記画像を前記記録用紙に定着させる定着ユニットを含んでなり、前記定着ユニットは、装着動作に基づいて前記装置本体内に装着され、引出動作に基づいて前記装置本体内から引出される画像形成装置において、前記外装部材は、前記定着ユニットの引出動作に連動して、前記装置本体の外装を形成する初期位置から前記定着ユニットに向けて移動されて、前記装置本体内から引出される定着ユニットを被覆するので、第1に、定着ユニットを装置本体内から引出す作業者は、定着ユニットに直接触れることを防止できる。外装部材は、装置本体の外装を形成するので、装置本体を設置する周辺温度(室温)になっている。この外装部材によって定着ユニットを被覆すると、作業者が外装部材に触れても火傷することもない。
これにより、作業者は、定着ユニットの熱さに注意することなく、定着ユニットを装置本体内から引出して、定着ユニットから紙詰り記録用紙を除くことができる。
第2に、定着ユニットを被覆する部材を、装置本体の外装を形成する外装部材で兼用できるので、別途、定着ユニットを被覆するための部材を設ける必要がない。
第3に、作業者は、定着ユニットを装置本体内から引出すだけで、この引出動作に連動して、装置本体内から引出される定着ユニットを外装部材によって被覆できる。
これにより、作業者は、定着ユニットを引出す動作、及び定着ユニットを被覆する動作を別々にする必要はない。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、前記外装部材は、前記定着ユニットの装着動作に連動して、前記定着ユニットを被覆する状態から前記初期位置に移動されるので、定着ユニットを装置本体内に装着するだけで、外装部材を初期位置(装置本体の外装を形成する位置)に戻すことができる。
定着ユニットの熱で加熱された外装部材は、初期位置に戻されることで、装置本体の周辺温度に冷却できる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、定着ユニットに用紙が残留する状態で装置が停止しても、定着ユニットの引出動作に連動して用紙が下流側に搬送されるため、用紙の取り出しがより容易になる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、前記外装部材は、前記定着ユニットを装着した状態で、前記初期位置から外側に所定角度開放することが可能なであるので、外装カバー部材を装置本体から離間することで、定着ユニットより下流側の紙詰り記録用紙を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の外装を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の外装を示す図であって、定着ユニットを装置本体内から引出した状態を示す斜視図である。
【図4】定着ユニットを装置本体内から引出した状態を示す図であって、側面から見た拡大斜視図である。
【図5】定着ユニットを装置本体内から引出した状態を示す図であって、裏面から見た拡大斜視図である。
【図6】定着ユニット及び装置本体の駆動機構体を示す拡大図である。
【図7】連動機構手段の連結機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が初期位置にある状態を示す要部拡大図である。
【図8】連動機構手段の連結機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が定着ユニットを被覆する状態を示す要部拡大図である。
【図9】連動機構手段の連結機構体を示す要部断面図である。
【図10】連動機構手段のガイド機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が初期位置に位置する状態を示す拡大側面図である。
【図11】連動機構手段のガイド機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が初期位置に位置する状態を示す拡大上面図である。
【図12】連動機構手段のガイド機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が傾斜しつつ回転移動した状態を示す拡大側面図である。
【図13】連動機構手段のガイド機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が定着ユニットを被覆する状態を示す拡大側面図である。
【図14】連動機構手段の連結機構体を示す図であって、第1外装カバー部材を装置本体から離間した状態を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る画像形成装置について、図1乃至図14を参照して説明する。
先ず、画像形成装置の全体構成について説明し、続いて画像形成装置の連動機構手段について説明する。
【0017】
<画像形成装置の全体構成>
画像形成装置(Z)の全体構成について、図1乃至図6を参照して説明する。
図1は発明に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。図2は本発明に係る画像形成装置の外装を示す斜視図である。図3は本発明に係る画像形成装置の外装を示す図であって、定着ユニットを装置本体内から引出した状態を示す斜視図である。図4は定着ユニットを装置本体内から引出した状態を示す図であって、側面から見た拡大斜視図である。図5は定着ユニットを装置本体内から引出した状態を示す図であって、裏面から見た拡大斜視図である。図6は、定着ユニット及び装置本体の駆動機構体を示す拡大図である。
【0018】
図1及び図2において、画像形成装置(Z)は、装置本体(2)、外装カバー体(3)、画像形成ユニット(X)及び定着ユニット(Y)を含んで構成されている。
【0019】
装置本体(2)は、図1及び図2に示すように、前後方向(F)の一端(2A)に開口(8)が形成されている。この開口(8)には、定着ユニット(Y)を装着する収納空間(G)が形成されている。収納空間(G)は、装置本体(2)の上下方向(U)において、開口(8)の下方側に形成され、前後方向(F)において、装置本体(2)の他端(2B)側に延設されている。
【0020】
外装カバー体(3)は、図1及び図2に示すように、装置本体(2)の外装を形成している。この外装カバー体(3)は、第1外装カバー部材(5:外装部材)及び第2外装カバー部材(6)を含んで構成される。第1及び第2外装カバー部材(5)、(6)は、図2に示すように、装置本体(2)の一端(2A)に配置され、装置本体(2)の開口(8)を閉状態としている。第1外装カバー部材(5)は、装置本体(2)の上下方向(U)において、装置本体(2)の一端(2A)上方側に配置されている。第2外装カバー部材(6)は、上下方向(U)において、装置本体(2)の一端(2A)下方側に配置されている。
これにより、第1及び第2外装カバー部材(5)、(6)は、装置本体(2)の一端(2A)の外装を形成している。
【0021】
画像形成ユニット(X)は、図1に示すように、装置本体(2)内に配置されている。また、画像形成ユニット(X)は、トナーコンテナ(9)に接続されており、このトナーコンテナ(9)は画像形成ユニット(X)にトナーを供給する。この画像形成ユニット(X)は、感光体ドラム(10)、帯電器(11)及び現像ローラ(12)を備え、この感光体ドラム(10)は転写ローラ(13)に当接して配置されている。感光体ドラム(10)には、帯電器(11)の帯電バイアスによって負極性の電位に帯電され、露光装置(14)のレーザ走査露光によって原稿画像の静電潜像が形成される。感光体ドラム(10)の静電潜像に対して、現像ローラ(12)の現像バイアスによってトナーが付着される。これにより、感光体ドラム(10)には、静電潜像に対してトナー像(画像)が形成される。
【0022】
上記構成の画像形成ユニット(X)は、図1に示すように、給紙カセット(15)から搬送される記録用紙を感光体ドラム(10)及び転写ローラ(13)でニップして、転写ローラ(13)の転写バイアスによって感光体ドラム(10)のトナー像を記録用紙に転写する。
これにより、記録用紙には、トナー像(画像)が形成され、定着ユニット(Y)へ搬送される。
【0023】
定着ユニット(Y)は、図1及び図3に示すように、装置本体(2)の開口(8)から挿入されて、収納空間(G)内に装着される。この定着ユニット(Y)は、図3に示すように、ガイドレール(21)及びガイド溝(22)によって収納空間(G)に対して移動自在に支持されている。
これにより、定着ユニット(Y)は、装着動作に基づいて、ガイドレール(21)及びガイド溝(22)で案内されながら、装置本体(2)の収納空間(G)内に装着される。また、定着ユニット(Y)は、引出動作に基づいて、ガイドレール(21)及びガイド溝(22)で案内されながら、装置本体(2)の収納空間(G)内から装置本体(2)外側に引出される。
【0024】
定着ユニット(Y)は、図1及び図6に示すように、定着ローラ(23)、加圧ローラ(24)及び搬送ローラ対(25)を備えている。定着ローラ(23)は、内部に加熱体(図示しない)が配置され、加熱体によって加熱される。
加圧ローラ(24)は、定着ローラ(23)に押圧されている。搬送ローラ対(25)は、定着ローラ(23)よりも装置本体(2)の一端(2A)に配置され、駆動搬送ローラ(26)及び従動搬送ローラ(27)で構成されている。
【0025】
定着ユニット(Y)は、図1、図3乃至図5に示すように、第2外装カバー部材(6)に取り付けられている。第2外装カバー部材(6)は、定着ユニット(Y)の一端(17A)に配置され、この一端(17A)を被覆している。また、第2外装カバー部材(6)は、図2乃至図4に示すように、定着ユニット(Y)に連通する開口が形成され、この開口を開閉する開閉扉(18)を備えている。この開閉扉(18)の取手(19)を操作して開状態にすることで、定着ユニット(Y)内の紙詰り記録用紙を取り除くことができる。
【0026】
定着ユニット(Y)及び装置本体(2)は、図1及び図6に示すように、駆動機構体(30)を備えている。駆動機構体(30)は、図1及び図6に示すように、複数の伝達ギア(32)〜(37)、及び駆動ラック(41)を有している。
伝達ギア(32)、(33)は、定着ユニット(Y)に回転自在に軸支された第1回転軸(38)に配置され、伝達ギア(32)は駆動ギア(39)に噛合されている。駆動ギア(39)は、装置本体(2)の駆動モータ(図示しない)に連結されている。
伝達ギア(34)、(35)は、定着ユニット(Y)に回転自在に軸支された第2回転軸(40)に配置され、伝達ギア(34)は伝達ギア(32)に噛合されている。また、伝達ギア(34)は、駆動搬送ローラ(26)の伝達ギア(36)に噛合されている。伝達ギア(35)は、定着ローラ(23)の伝達ギア(37)に噛合されている。
これにより、装置本体(2)の駆動モータ(図示しない)を駆動することで、複数の伝達ギア(32)〜(37)を介して、定着ユニット(Y)の定着ローラ(23)及び駆動搬送ローラ(26)が同方向へ回転される。
【0027】
駆動ラック(41)は、図1及び図6に示すように、伝達ギア(33)に対峙して装置本体(2)の収納空間(G)内に配置されている。この駆動ラック(41)は、伝達ギア(33)に噛合自在にされている。
これにより、定着ユニット(Y)を装置本体(2)の開口(8)に挿入すると、駆動機構体(30)の伝達ギア(33)が駆動ラック(41)に噛合され、装着動作に伴って、各伝達ギア(32)〜(37)を介して、定着ユニット(23)及び駆動搬送ローラ(26)を一方向に回転させる。なお、定着ユニット(Y)を装置本体(2)の収納空間(G)内に装着すると、伝達ギア(33)は、駆動ラック(41)から離間されて、駆動ギア(39)に噛合される。
また、定着ユニット(Y)を装置本体(2)の収納空間(G)から引出すと、駆動機構体(30)の伝達ギア(33)が駆動ラック(41)に噛合され、引出動作に伴って、各伝達ギア(32)〜(37)を介して、定着ユニット(23)及び駆動搬送ローラ(26)を他方向に回転させる。
【0028】
上記構成の定着ユニット(Y)は、画像形成ユニット(X)から搬送される記録用紙を定着ローラ(26)及び加圧ローラ(27)でニップして加熱、加圧する。
これにより、記録用紙に転写されたトナー像(画像)は、記録用紙に定着され、搬送ローラ対(25)によって装置本体(2)外側の排出トレイ(16)に排出される。
【0029】
<連動機構体の具体構成>
次に、連動機構手段(P)について、図3乃至図5、及び図7乃至図13を参照して説明する。
図7は連動機構手段の連結機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が初期位置にある状態を示す要部拡大図である。図8は連動機構手段の連結機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が定着ユニットを被覆する状態を示す要部拡大図である。図9は連動機構手段の連結機構体を示す要部断面図である。図10は連動機構手段のガイド機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が初期位置に位置する状態を示す拡大側面図である。図11は連動機構手段のガイド機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が初期位置に位置する状態を示す拡大上面図である。図12は連動機構手段のガイド機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が傾斜しつつ回転移動した状態を示す拡大側面図である。図13は連動機構手段のガイド機構体を示す図であって、第1外装カバー部材が定着ユニットを被覆する状態を示す拡大側面図である。
【0030】
図3乃至図5において、画像形成装置(Z)は、連動機構手段(P)を備えている。連動機構手段(P)は、装置本体(2)の第1及び第2外装カバー部材(5)、(6)を連結して、第1外装カバー部材(5)を定着ユニット(Y)の装着動作、引出動作に連動させる。この連動機構手段(P)は、図3乃至図5に示すように、連結機構体(Q)及びガイド機構体(R)を備えている。
【0031】
連結機構体(Q)は、装置本体(2)の第1及び第2外装カバー部材(5)、(6)に複数配置されている。この連結構造体(Q)は、図7乃至図9に示すように、第1ヒンジ部材(51)、第2ヒンジ部材(52)、連結ピン(53)及びコイルバネ(54:付勢部材)で構成されている。
第1ヒンジ部材(51)は、第1外装カバー部材(5)の下端側に一体形成され、第2外装カバー部材(6)側に延設されている。また、第1ヒンジ部材(51)は、装置本体(2)の幅方向(H)において、第1外装カバー部材(5)の両端側に夫々配置されている。
この第1ヒンジ部材(51)には、図9に示すように、取付穴(55)が形成されている。
第2ヒンジ部材(52)は、図7乃至図9に示すように、第2外装カバー部材(6)の上端側に一体形成され、第1外装カバー部材(5)側に延設されている。また、第2ヒンジ部材(52)は、幅方向(H)において、第2外装カバー部材(6)の両端側に夫々配置されている。この第2外装カバー部材(6)には、図9に示すように、円筒部(56)が形成されている。
【0032】
第1外装カバー部材(5)は、図7及び図9に示すように、第1ヒンジ部材(51)の取付穴(55)を第2ヒンジ部材(52)の円筒部(56)外周に装着することで、第2外装カバー部材(6)に対して回転自在に連結される。
【0033】
連結ピン(53)は、図9に示すように、第2ヒンジ部材(52)の円筒部(56)内を挿通して、第1ヒンジ部材(51)及び円筒部(56)に当接される。これにより、第1ヒンジ部材(51)が第2ヒンジ部材(52)外周から外れることが防止される。
【0034】
コイルバネ(54)は、図9に示すように、第2ヒンジ部材(52)の円筒部(56)外周に配置され、第1ヒンジ部材(51)及び円筒部(56)間に介装されている。また、コイルバネ(54)の一端側(54A)は、図7に示すように、第1ヒンジ部材(51)の係止突起(57)に当接され、コイルバネ(54)の他端側(54B)は、図7に示すように、第2外装カバー部材(6)に係止されている。
これにより、コイルバネ(54)は、図7に示すように、第1外装カバー部材(5)を装置本体(2)の開口(8)側に付勢している。
【0035】
ガイド機構体(R)は、図3乃至図5、及び図7乃至図13に示すように、ガイド突起(58)、連動ガイド溝(59)、カム面部(75)及びガイドリンク(76)で構成されている。
【0036】
ガイド突起(58)は、図10に示すように、第1外装カバー部材(5)の上端側に一体形成されている。ガイド溝(59)は、装置本体(2)の開口(8)に形成され、装置本体(2)の上下方向(U)に延設されている。第1外装カバー部材(5)のガイド突起(58)は、図10に示すように、装置本体(2)の連動ガイド溝(59)に挿入されている。
【0037】
カム面部(75)は、図10に示すように、収納空間(G)の上面に形成されており、収納空間(G)の開口(8)から装置本体(2)の他端(2B)側に延設されている。このカム面部(75)は、図10に示すように、開口(8)から定着ユニット(Y)に近接するように傾斜しつつ延びる第1カム面(75A)、第1カム面(75A)に連続して定着ユニット(Y)から離間するように傾斜しつつ延びる第2カム面(75B)及び第2カム面(75B)に連続して直線状に延びる第3カム面(75C)で構成されている。
【0038】
ガイドリンク(76)は、図10に示すように、リンク部材(77)、(78)を備えてなり、リンク部材(77)は、定着ユニット(Y)のリンク回転軸(79)に取付られている。リンク回転軸(79)は、定着ユニット(Y)の他端(17B)側に配置されており、リンク部材(77)はリンク回転軸(79)から定着ユニット(Y)の一端(17A)側に延設されている。また、リンク部材(77)は、第1外装カバー部材(5)に当接自在にされている。
リンク部材(78)は、図10に示すように、リンク回転軸(79)に取付られており、カム面部(75)に当接されている。
【0039】
<紙詰り除去動作(定着ユニットの引出動作)>
次に、定着ユニット(Y)の紙詰り除去動作(定着ユニット(Y)の引出動作)について、図1乃至図13を参照して説明する。
なお、説明の便宜上、定着ユニット(Y)は、図1及び図10に示すように、装置本体(2)の収納空間(G)内に装着され、第1外装カバー部材(5)は装置本体(2)の一端(2A)の外装を形成する初期位置(K)に位置されている。
【0040】
画像形成装置(Z)は、図1に示すように、定着ユニット(Y)の定着ローラ(23)、搬送ローラ対(25)等に紙詰りが発生すると、作業者に紙詰りを報知する。
【0041】
作業者は、図2及び図3に示すように、第2外装カバー部材(6)の取手(19)を掴んで、定着ユニット(Y)を装置本体(2)内(収納空間(G)内)から引出す。
【0042】
定着ユニット(Y)の引出動作に連動して、第1外装カバー部材(5)は、図7、図10及び図12に示すように、コイルバネ(54)のバネ力によって第2ヒンジ部材(52)の円筒部(56)を軸心として初期位置(K)から定着ユニット(Y)に向けて回転(移動)される。
このとき、第1外装カバー部材(5)は、図12に示すように、ガイド突起(58)及び連動ガイド溝(59)によって案内されながら、定着ユニット(Y)側に傾斜しつつ回転(移動)される。
【0043】
引出動作に連動して、ガイドリンク(76)のリンク部材(78)は、図10及び図12に示すように、収納空間(G)の第3カム面(75C)から第2カム面(75B)を摺動し、リンク部材(77)はリンク回転軸(79)を軸心として第1外装カバー部材(5)に向けて回転される。
これにより、ガイドリンク(76)のリンク部材(77)は、図12に示すように、第1外装カバー部材(5)に当接して、傾斜される第1外装カバー部材(5)を支持する。
【0044】
更に、定着ユニット(Y)を装置本体(2)内から引出すと、この引出動作に連動して、 第1ヒンジ部材(51)の係止突起(57)は、図8に示すように、コイルバネ(54)の一端側(54A)から離間する。
これにより、第1外装カバー部材(5)は、自重によって定着ユニット(Y)に向けて回転して、遂に、図13に示すように、定着ユニット(Y)の上部を被覆する。
【0045】
このとき、ガイドリンク(76)のリンク部材(78)は、図12及び図13に示すように、第2カム面(75B)から第1カム面(75A)を摺動し、リンク部材(77)はリンク回転軸(79)を軸心として定着ユニット(Y)に向けて回転される。
これにより、ガイドリンク(76)は、傾斜する第1外装カバー部材(5)を支持して、定着ユニット(Y)の上部に向けて案内する。
【0046】
また、引出動作に連動して、定着ユニット(Y)の伝達ギア(33)は、図1及び図6に示すように、駆動ギア(39)から離間されて、駆動ラック(41)に噛合される。
これにより、定着ローラ(23)及び駆動搬送ローラ(26)は、定着ユニット(Y)の引出動作に伴って、駆動ラック(41)及び各伝達ギア(32)〜(37)を介して回転され、定着ユニット(Y)内に延存する紙詰り記録用紙を第2外装カバー部材(6)側(記録用紙を搬送する下流側)に搬送する。
【0047】
作業者は、図3乃至図5に示すように、定着ユニット(Y)を装置本体(2)内から引出すと、第2外装カバー部材(6)の開閉扉(18)を開いて、紙詰り記録用紙を定着ユニット(Y)内から取り除く。
【0048】
以上の通り、第1外装カバー部材(5)は、定着ユニット(Y)の引出動作に連動して、初期位置(K)から定着ユニット(Y)に向けて回転(移動)して、定着ユニット(Y)の上部を被覆するので、作業者は、定着ユニット(Y)に直接触れることがない。また、作業者が第1外装カバー部材(5)に触れても火傷することもない。
また、引出動作に連動して、定着ローラ(23)及び駆動搬送ローラ(26)を回転して、紙詰り記録用紙を第2外装カバー部材(6)側に搬送するので、作業者は容易に紙詰り記録用紙を定着ユニット(Y)内から取り除くことができる。
【0049】
<定着ユニットの装着動作>
作業者は、定着ユニット(Y)から紙詰り記録用紙を取り除くと、定着ユニット(Y)を装置本体(2)内(収納空間(G)内)に装着する。
このとき、定着ユニット(Y)は、図3乃至図5に示すように、ガイドレール(21)及びガイド溝(22)によって案内されながら、装置本体(2)内に装着される。
【0050】
定着ユニット(Y)の装着動作に連動して、ガイドリンク(76)のリンク部材(78)は、図12及び図13に示すように、第1カム面(75A)を摺動し、リンク部材(77)は、図12に示すように、リンク回転軸(79)を軸心として定着ユニット(Y)から離間する方向に回転される。
これにより、リンク部材(77)は、図12に示すように、第1外装カバー部材(5)を押上げて、第1外装カバー部材(5)を第2ヒンジ部(52)の円筒部(56)を軸心として定着ユニット(Y)から離間する方向に回転(移動)させる。
このとき、第1外装カバー部材(5)のガイド突起(58)は、図12に示すように、装置本体(2)のガイド溝(59)に当接され、第1外装カバー部材(5)は、ガイド突起(58)及びガイド溝(59)によって案内されながら、定着ユニット(Y)を被覆する状態から初期位置(K)に向けて回転(移動)される。
【0051】
更に、定着ユニット(Y)を装置本体(2)内に装着すると、この装着動作に連動して、第1外装カバー部材(5)の係止突起(57)は、図7に示すように、コイルバネ(54)の一端側(54A)に当接し、第1外装カバー部材(5)はコイルバネ(54)のバネ力に抗して初期位置(K)に向けて回転(移動)される。
このとき、ガイドリンク(76)のリンク部材(78)は、図12に示すように、第1カム面(75A)から第2カム面(75B)を摺動し、リンク部材(77)はリンク回転軸(79)を軸心として第1外装カバー部材(5)から定着ユニット(Y)に向かって回転される。
【0052】
定着ユニット(Y)を装置本体(2)内(収納空間(G)内)に装着すると、第1外装カバー部材(5)は、図10に示すように、初期位置(K)に復帰(移動)される。
また、ガイドリンク(76)のリンク部材(77)は、図10に示すように、定着ユニット(Y)に位置する。これにより、リンク部材(77)は、定着ユニット(Y)の装着動作を阻害しないように位置される。
【0053】
また、装着動作に連動して、定着ユニット(Y)の伝達ギア(33)は、図1及び図6に示すように、駆動ラック(41)から離間されて、駆動ギア(39)に噛合される。これにより、定着ローラ(23)及び駆動搬送ローラ(26)は、駆動モータ(図示しない)の駆動によって、駆動ギア(39)及び各伝達ギア(32)〜(37)を介して回転自在にされる。
【0054】
なお、第1外装カバー部材(5)は、図14に示すように、定着ユニット(Y)を装着した状態で、コイルバネ(54)のバネ力に抗して、第2ヒンジ部材(52)の円筒部(56)を軸心として装置本体(2)から離間する方向に回転できる。また、第1外装カバー部材(5)は、図14に示すように、下端(5A)が第2外装カバー部材(6)に係止することで、初期位置から装置本体(2)外側に所定角度開放できるようにされている。
これにより、第1外装カバー部材(5)を装置本体(2)から所定角度開放することで、図1に示すように、定着ユニット(Y)より下流側(排出トレイ(16)側)の紙詰り記録用紙を取り除くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリやこれらの機能を併せ持たせた複合機等の画像形成装置に対して好適である。
【符号の説明】
【0056】
Z 画像形成装置
Y 定着ユニット
X 画像形成ユニット
K 初期位置
2 装置本体
5 第1外装カバー部材(外装部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、前記装置本体の外装を形成する外装部材と、前記装置本体内に配置され、記録用紙に画像を形成する画像形成ユニットと、前記画像が形成された前記記録用紙を加熱して、前記画像を前記記録用紙に定着させる定着ユニットを含んでなり、前記定着ユニットは、装着動作に基づいて前記装置本体内に装着され、引出動作に基づいて前記装置本体内から引出される画像形成装置において、
前記外装部材は、
前記定着ユニットの引出動作に連動して、前記装置本体の外装を形成する初期位置から前記定着ユニットに向けて移動されて、
前記装置本体内から引出される定着ユニットを被覆することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記外装部材は、
前記定着ユニットの装着動作に連動して、前記定着ユニットを被覆する状態から前記初期位置に移動されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記定着ユニットの引出動作に連動して、前記定着ユニット内に延在する前記記録紙を下流側に搬送する駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記外装部材は、
前記定着ユニットを装着した状態で、前記初期位置から外側に所定角度開放することが可能なことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−252982(P2011−252982A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125351(P2010−125351)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】