画像形成装置
【課題】 シートとシートとを若干オーバーラップした状態で画像形成部に搬送し、画像形成を行う画像形成装置で、先頭のシートを分離搬送する。
【解決手段】 1枚目をダミーシートとして白紙で搬送し、更にはシート先端を先行するシートに重ね合わせたまま画像形成するため、通常は転写部や定着部での画像形成部での分離困難な超薄紙シートでも確実に分離が可能となる。また、上述のようにダミーシートを一旦両面パスに退避させるためダミーシートを退避させる専用パスを必要とせず、次の出力時に画像形成を行い排出するため、複数回循環させることによるダミーシートの痛みを最小限に押えるとともに、シートを捨てることなく効率的に利用することが可能となる。
【解決手段】 1枚目をダミーシートとして白紙で搬送し、更にはシート先端を先行するシートに重ね合わせたまま画像形成するため、通常は転写部や定着部での画像形成部での分離困難な超薄紙シートでも確実に分離が可能となる。また、上述のようにダミーシートを一旦両面パスに退避させるためダミーシートを退避させる専用パスを必要とせず、次の出力時に画像形成を行い排出するため、複数回循環させることによるダミーシートの痛みを最小限に押えるとともに、シートを捨てることなく効率的に利用することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特にシートとシートとを若干オーバーラップした状態で画像形成部に搬送し、画像形成を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置に使用されるシートの坪量は、38g/m2以下の薄紙から300g/m2以上の厚紙まで様々なニーズがあり、シートのサイズもハガキ程度の小サイズから330mm×488mm程度の大サイズまで多様化している。
【0003】
図10は従来の画像形成装置を示しており、転写部112bに給紙されたシートS上には、転写帯電器115によりドラム112上のトナー像が転写され、分離帯電器116によりドラム112とシートSとが静電分離する。トナー像が転写されたシートSは、搬送ベルト117により定着装置118に搬送され熱と圧力を加えられてトナー像がシートSに定着される。
【0004】
特に38g/m2以下の薄紙では、転写部112b部へと搬送されたシートが感光ドラム112に巻きついてしまいJAMになりやすく、また、定着装置118へと搬送されたシートが定着ローラから分離できずにJAMになりやすいという問題があった。
【0005】
そこで図11に示すように特に38g/m2以下の薄紙でも分離搬送できるように、転写部112b及び定着部118bで先行するシートと後続するシートとを先端余白分オーバーラップした状態で画像形成することで、転写部112b部へと搬送されたシートが感光ドラム112に巻きついてしまいJAMや、定着装置118へと搬送されたシートが定着ローラから分離できないJAMを防止する構成が考えられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−112832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の方法では、オーバーラップした状態の連続するシートのうち先頭のシートを分離搬送することができないという問題が発生した。そこで、本発明では、特に38g/m2以下の薄紙でも転写部や定着部での分離が確実にできるシート搬送装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、先行するシート後端に後続するシート先端を若干オーバーラップした状態でシートを連続して搬送し、シート上に画像を形成する画像形成装置において、前記オーバーラップした状態の連続するシートのうち少なくとも先頭のシートには画像形成を行わずに搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1枚目のシートを白紙で搬送し、更にはシート先端を先行するシートに重ね合わせたまま画像形成するため、通常は転写部や定着部での画像形成部での分離困難な超薄紙シートでも確実に分離が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例の搬送装置を備えた画像形成装置の全体構成図
【図2】実施例におけるレジ構成概略図
【図3】実施例における片面薄紙搬送を示す断面概略図
【図4】実施例における片面薄紙搬送を示す制御概念図1
【図5】実施例における片面薄紙搬送を示す制御概念図2
【図6】実施例における両面薄紙搬送を示す断面概略図
【図7】実施例における両面薄紙搬送を示す制御概念図1
【図8】実施例における両面薄紙搬送を示す制御概念図2
【図9】実施例におけるサイズ違いの薄紙搬送を示す制御概念図
【図10】従来の搬送装置を備えた画像形成装置の全体構成図
【図11】従来の画像形成時の画像形成部の詳細概略図
【図12】本発明の画像形成時の画像形成部の詳細概略図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図を用いて詳細な説明を行なう。
【0012】
図1は、本発明の一実施例である画像形成装置としてのプリンタの断面図である。図1において、1000はプリンタで、図において、120は該プリンターを制御する為の制御手段たるコントローラであり、100は上段カセットで、カセット100内のシートは所定のタイミングで昇降/回転するピックアップローラ101とフィードローラ102及びリタードローラ103の作用によって1枚ずつ分離給紙される。そして給紙部から給紙されたシートは搬送ローラ105によってガイド板106,107によって構成される搬送路108を通過し、ガイド109、111で構成される屈曲した搬送路110へ受け渡され、アシストローラ対10を通過して、斜行補正ローラ対20及びレジローラ対30を有するレジスト部1に導かれる。このレジスト部1にて、シートの斜行補正した後にシートは転写部112b部へと搬送される。
【0013】
なお、レジスト部における斜行及び位置ズレ補正の動作に関しては、後に詳細に説明を行う。
【0014】
112は感光ドラムであり図中時計方向に回転するようになっている。111は作像手段たるレーザー変調(レーザースキャナ)であり、そのレーザー光はミラー113によって折り返され、ドラム上の露光位置112aに照射されて、ドラム上に潜像を形成し現像器114によってトナー像として顕像化される。115はドラム上のトナー像をシートに転写する為の転写帯電器、116はドラムとシートを静電分離する為の分離帯電器であり、画像形成部を構成する。なお、112bは転写部であり、この位置にて、感光ドラム112上のトナー像がシートS上に転写される。
【0015】
該レジスト部1を通過したシートSはその先端をレジセンサ131によって検知され、感光ドラム112のレーザー光照射位置112aから転写部112bまでの距離l0を搬送される画像に同期させて、レジセンサ131から転写部112bまでの距離l1を搬送する間にシートSの位置を補正して、シートSとドラム112上の画像の先端位置との同期を取る事が可能となっている。
【0016】
117は画像形成されたシート材を搬送する搬送ベルト、118は定着装置、119は内排紙ローラ、120は排紙パス、121は排紙フラッパー、122は排出ローラである。画像形成されたシート材は排出ローラ122によって排出される。
【0017】
また、シートS両面に画像形成する場合には、排紙フラッパー121を反転パス123に切り替えてシートSが反転ローラ125に搬送される。反転パス123に搬送されたシートSの後端が不図示のバネにより加圧された反転フラッパー124を通過したところで反転ローラ125が一旦停止し、その後逆回転をして反転フラッパー124により両面パス126に搬送される。両面搬送ローラ127、128、129、130によりシートSは再びレジスト部1に搬送される。以片面と同様にシートS裏面に画像形成されプリンタ外へ排出される。
【0018】
2000はスキャナで、図において201は走査光学系光源、202はプラテンガラス、203は開閉する原稿圧板、204はレンズ、205は受光素子(光電変換)、206は画像処理部、208は画像処理部にて処理された画像処理信号を記憶しておく為のメモリー部である。
【0019】
走査光学源201で読み取られた原稿像は画像処理部206で処理され、電気的に符号化され電気信号207に変換されて作像手段たるレーザー変調111に伝送される。また、画像処理部にて処理され、符号化された画像情報を一旦メモリー208に記憶させて、コントローラ120からの信号によって、必要に応じて、レーザー変調111に伝送する事もできるように構成されている。
【0020】
ここで、1000はプリンタ、2000はスキャナであるが、図のように別体の場合もあるが、プリンタ1000とスキャナ2000が一体の場合もある。
【0021】
プリンタ1000は別体でも一体でも、レーザー変調111に画像形成部の処理信号を入力すれば複写機として機能するし、FAXの送信信号を入力すればFAXとして機能するし、パソコンの出力信号を入力すれば、プリンタとして機能する。逆に、画像処理部206の処理信号をほかのFAXに送信すれば、FAXとして機能する。ここで、圧板203に変わって、2点鎖線で示すような原稿自動送り装置250を装着すれば、原稿は自動的に読み取られる。
【0022】
次にレジスト部の詳細説明を、図2〜図11行う。
【0023】
図は本発明の一実施例に係るレジストレーション装置を示すもので、図2は模式図、図3はブロック図である。
【0024】
図2において、アシストローラ対10、斜行補正ローラ対20及びレジローラ対30は、不図示のフレームによりそれぞれの側板に回転自在に軸支されている。
【0025】
アシストローラ対10の上流部には、先行シートの後端の下に後続するシート先端をもぐりこませるためのシート重ね合せ部40があり、レジスト前上ガイド41とレジスト上ガイド42にて構成されている。図5に示すように先行するシートS1後端がレジスト上ガイド42に沿って跳ね上げられると、後続するシートS2先端が増速搬送され、シートS1後端の下にもぐりこむ構成となっている。
【0026】
アシストローラ対10はアシスト駆動ローラ10aと、図示せぬ加圧バネによって加圧されているアシスト従動ローラ10bとにより構成されている。アシスト駆動ローラ10aにはシート搬送方向に駆動するためのアシストモータ11とアシストローラ対10をシート搬送方向と直交する方向に駆動するためのアシストシフトモータ12とアシストシフトHPセンサ13とが配置されている。さらに、アシスト従動ローラ10bには、アシストローラ対を解除するためのアシスト解除モータ14とアシスト解除モータの位相を検知するためのアシスト解除HPセンサ15が配置されている。
【0027】
斜行補正ローラ対20は、シート搬送方向と直交する方向に所定間隔Lをあけて配設された2つの斜行補正ローラ対21,22からなり、それぞれC型の形状をした斜行補正駆動ローラ21a,22aと、図示せぬ加圧バネによって加圧されている斜行補正従動ローラ21b,22bとにより構成されている。斜行補正駆動ローラ21a,22aには、斜行補正モータ23,24が連結され、それぞれのローラ位相を検知するための斜行補正HPセンサ25、26が配置され、斜行補正駆動ローラ21a,22aが独立して駆動される。斜行補正ローラ対20の搬送方向上流側には、シート先端位置を検出し駆動モータ23,24を起動するための起動センサ27配置され、シートSの先端を検知に同期して、駆動モータ23,24が起動される。そして、図10に示すように、斜行補正駆動ローラ21a,22aの周面が切り欠かれている箇所が斜行補正従動ローラ21b,22bと対向した状態、すなわち、斜行補正駆動ローラ21a,22aと斜行補正従動ローラ21b,22bとのローラニップ部が解除された状態では、シートの挟持が解除されている。
【0028】
さらに、斜行補正ローラ対20の搬送方向上流及び下流側には、シートSの横レジ位置を検出するためのラインセンサ28とラインセンサ35とがシート搬送方向と直交する方向で感光ドラム112の軸線112cと平行となるようにそれぞれ配設されている。
【0029】
また、レジローラ対30はC型の形状をしたレジ駆動ローラ30aと、図示せぬ加圧バネによって加圧されているレジ従動ローラ30bとにより構成されている。そして、図5に示すように、レジ駆動ローラ30aの周面が切り欠かれている箇所がレジ従動ローラ30bと対向した状態、すなわち、レジ駆動ローラ30aとレジ従動ローラ30bとのローラニップ部が解除された状態では、シートの挟持が解除されている。
【0030】
レジ駆動ローラ30aにはシート搬送方向に駆動するためのレジモータ31とレジローラの位相を検知するためのレジHPセンサ32とが配置され、レジローラ対30をシート搬送方向と直交する方向に駆動するためのレジシフトモータ33とレジシフトHPセンサ34とが配置されている。レジローラ対30の下流には、シートSの先端を検知するためのレジセンサ131が配置されている。
【0031】
次にレジスト部における補正動作の説明を、図4〜図11を用いて行う。図4は動作概略を示すフローチャートで、図5〜8は斜行補正動作を示す概略図、図9〜11は先レジ・横レジ補正動作を示す概略図である。動作概略をフローチャート図4にそって説明する。
【0032】
カセット100及び110から給紙されたシートSは、搬送ローラ対105により、アシストローラ対10を通過して、シートのサイズごとに必要に応じて従動ローラ105bが不図示のローラ解除モータにより、ニップ解除される(step1)。図6(a)(b)に示すように先行シートS’の後端がラインセンサ28を抜けると、ラインセンサ28によりシートSの(1)での横レジ位置検知が行われると同時に、(1)から(2)までΔL1搬送させたときの検出ズレ量ΔL2によりシートSの斜行量が検出される(step2)。
【0033】
ラインセンサ28により横レジ位置が検出されたシートSは、アシストローラ対10をアシストシフトモータ12によりシフト方向に移動し、図6(c)のシートS(4)位置までシフト移動する(Step3)ことで、先行シートS’後端よりシートS先端がシフト方向にずれることで、起動センサ27により先端位置が検出される(Step4)。
【0034】
シートS先端位置が、起動センサ27により検出されると、斜行補正モータ23及び24のうち先行側のモータが起動し、Δt1後に遅れ側のモータが起動する(step5)。
【0035】
【数1】
【0036】
これによりローラニップ部が解除されていた斜行補正ローラ対21、22が(図5A方向)に回転しシートSが搬送され、斜行補正動作が始まる。
【0037】
図8に示すように、シートSの斜行により斜行補正ローラ対21(斜行補正モータ23)側が斜行補正ローラ対22(斜行補正モータ24)側より先行している場合は、斜行補正ローラ対21(斜行補正モータ23)を減速して斜行補正を行うための制御パラメータである補正時間T1及び減速速度ΔV1を下記の数式を満足するように算出する。
【0038】
【数2】
【0039】
また、アシストローラの搬送方向の速度は、図7の関係から求められる。斜行補正ローラ21、22の補正時の搬送速度をVL、VR、補正ローラ間のスラストピッチをLRP、シートSの旋回中心Oでの回転速度をωとすると
【0040】
【数3】
【0041】
シートSの旋回中心Oと補正ローラ21、22との中点O’までの旋回距離RROTとすると、
【0042】
【数4】
【0043】
アシストローラ対10の搬送方向速度VASX、スラスト方向速度VASY、補正ローラ対21、22とアシストローラ対10との距離LAS、シートSの旋回中心Oとアシストローラ対10までの旋回距離RASとすると、
【0044】
【数5】
【0045】
シートSの旋回中心Oとアシストローラ対10とのなす角θ、アシストローラ対10によるシートSの合成搬送速度|ωRAS|となす角φとすると、
【0046】
【数6】
【0047】
以上よりアシストローラ対10の搬送方向速度VASX、スラスト方向速度VASYは下記の関係式となる。
【0048】
【数7】
【0049】
斜行量が十分小さい場合には
【0050】
【数8】
【0051】
と近似できるため、
【0052】
【数9】
【0053】
よって、下記式(4)の関係式より補正モータ23、アシストモータ11、アシストシフトモータ12の各速度が演算できる。
【0054】
【数10】
【0055】
以上、式(4)(7)より、斜行補正を行うための各種制御パラメータを算出する(Step6)。斜行補正モータ23は第1回目の斜行補正区間(T1)において、搬送速度V0から加速度a1でΔV1減速し、斜行補正区間終了時に搬送速度V0まで最加速し第1回目の斜行補正を行う。このとき同時にアシストモータ11は、搬送速度V0から加速度a2でΔV2減速し、斜行補正区間終了時に搬送速度V0まで最加速する。アシストシフトモータ12は、加速度a3でΔV3まで加速し、斜行補正区間終了時に停止する。以上、図8のように斜行補正モータ23、アシストモータ11、アシストシフトモータ12を制御し、第1回目の斜行補正(T1)が行われる(Step7)。このとき、斜行補正駆動ローラ21a、22aのローラ位相が同位相となっている。
【0056】
シートSの第1回目の斜行補正が終了後、斜行補正モータ23、24、アシストモータ11の搬送速度がV0からV0’に減速される。図6(d)のように、大斜行しているシートSは、状態(5)のように補正され、ラインセンサ28と下流のラインセンサ35とにより図6(e)のようにシートSの斜行量を検出し(Step8)、第1の斜行補正と同様に、斜行補正を行うための各種制御パラメータを算出し(Step9)、第2回目の斜行補正(T2)を行う(Step10)。これにより、図6に示されるようにシートSが(6)の状態に斜行が補正される。
【0057】
斜行補正ローラ対21、22により斜行状態が補正されたシートSはレジローラ対30に搬送される、レジモータ31が起動され(step11)、ローラニップ部が解除されていたレジローラ対30が(図9A方向に)回転しシートSが搬送される。レジローラ対30によりシートSが挟持されると、斜行補正HPセンサ25、26それぞれを基準に、図9のように斜行補正ローラ対21、22のローラニップ部が解除された状態で、斜行補正モータ23及び24が停止する(step12)。
【0058】
図10に示すように、シートSの先端がレジセンサ131に検知されると(step13)、同時に、ラインセンサ35によりシートSの横端位置が検知される(step14)。図11に示すように、レジセンサ131の検知タイミングと感光ドラム112上にレーザー光が照射されたタイミング(ITOP)との時間差Δt3を基に、感光ドラム112のレーザー光照射位置112aから転写部112bまでの距離l0を搬送される画像先端と、レジセンサ131から転写部112bまでの距離l1を搬送されるシートS先端とを同期させる、レジモータ31及びアシストモータ11の減速速度ΔV4と変速時間T3とを算出する(step15)。また、ラインセンサ35の検知信号を基に、感光ドラム112上の画像横レジ位置と、シートSの横レジ位置とを同期させるため、レジシフトモータ33及びアシストシフトモータ12のシフト方向の速度ΔV5と変速時間T4とを算出する(step16)。以上のように、レジモータ31、レジシフトモータ33、アシストモータ11及びアシストシフトモータ12を制御することで、感光ドラム112上の画像位置とシートSとの先端位置及び横レジ位置を一致させる(step17)。
【0059】
シートSのシフト動作が終了すると、アシストローラ対10の従動ローラ10bはアシスト解除モータ14により解除される(step18)。アシストローラ10のローラニップ解除が、アシスト解除HPセンサ15により検出されると、アシストシフトモータ12が起動され、アシストシフトHPセンサ13が検知されると停止する(step19)。このときアシストローラ対10は、先端検知シフト、第1回目、第2回目の斜行補正及び横レジ補正分シフト方向に移動しているため、アシストシフトモータ12が駆動可能な最大移動速度でT5シフト移動する。そして、シートSの後端がアシストローラ対10を抜ける位置で、アシスト解除モータ14によりアシストローラ対10は再びニップされる(step20)。
【0060】
レジローラ対30により搬送されたシートSは感光ドラム112に転写吸着され、レジHPセンサ26を基準に、レジローラ対31のローラニップ部が解除された状態で、レジモータ31が停止する(step21)。これと同時に、レジシフトモータ33が起動され、step15とは逆方向にシフト移動し、レジシフトHPセンサ34が検知されると停止する(step22)。
【0061】
以上のstep1〜step22を繰り返すことで、先行するシート後端と後続するシート先端とが重ね合わせたままで、ドラム112上の画像位置とシートSとの位置合せを高精度に連続して行うことが可能となる。
【0062】
次に本発明の特徴である連続シート搬送について説明する。
【0063】
図12は、シートS0、S1、S2、S3が転写部112b及び定着部118bで先行するシート後端に後続するシート先端がもぐりこむように先端余白分オーバーラップした状態で画像形成されている状態を示している。ここで、1枚目のシートS0はダミーシートでシート上に画像を形成せず、シートS0先端が転写部112bを通過する時には転写帯電機115及び分離帯電機116は動作させない、又はドラム112から分離しやすい条件で搬送させ、2枚目のシートS1からトナー画像を転写する構成となっている。同様にシートS0先端が定着ニップ部118bを通過するときには、定着器118の定着圧をDownする或は定着温度を低くするなど分離しやすい条件で搬送させ、2枚目のシートS1先端がくるところで定着圧及び定着温度を所望の値に設定してトナー画像をシート上に定着させる構成となっている。
【0064】
図3は、1枚目のダミーシートS0が両面搬送パス126に退避している状態を示している。図4のように1回あたりの連続した出力枚数が多い時には、両面パス上に退避しているダミーシートS0をカセット100から給紙されたシートSn−1、Sn+1との間にシートSnとして搬送し、出力を行うことができる。しかし、1回あたりの連続した出力枚数が少ない場合(図5では7枚より少ない場合)で、シートSnとして出力できない場合には、ダミーシートS0は両面パス上に退避し、次の出力時のシートS’として出力する。
【0065】
図6は、両面出力時の搬送パス上で、1枚目のダミーシートS0が両面搬送パス126に退避している状態を示している。ダミーシートS0及び両面パスに搬送されるシートは、定着器118を抜けると、排紙フラッパー121を反転パス123に切り替えてシートが反転ローラ125に高速に搬送される。反転パス123に搬送されたシートの後端が不図示のバネにより加圧された反転フラッパー124を通過したところで反転ローラ125が一旦停止し、その後逆回転をして反転フラッパー124により両面パス126に高速搬送される。両面搬送ローラ127、128、129、130によりシートSは再びレジスト部1に搬送される。
【0066】
図7は、両面出力時の概略を示しており、1回あたりの連続した出力枚数が少ない場合(図では7枚より少ない場合)で、シートSnとして出力できない場合には、ダミーシートS0は両面作像時のダミーシートB0として使用し、片面作像され反転したシートS1、S2・・・はシートB1、B2・・・として裏面も作像され排出される。また、両面作像時のダミーシートB0は、両面パス上に退避し、次の出力時のシートS’1として作像後、排出される。
【0067】
図8は、両面出力時に1回あたりの連続した出力枚数が多い時には、両面パス上に退避しているダミーシートS0をカセット100から給紙されたシートSn−1の後のSnとして搬送し、出力を行うことができる。しかし、出力枚数eがnの倍数にならない場合は、出力の終盤でカセット100から両面用のダミーシートB0を給紙し続くシート・・・Be−1,Beが裏面作像され排出される。ダミーシートB0は、両面パス上に退避し、次の出力時のシートS’1として出力する。
【0068】
図9は、1枚目のダミーシートS0が両面搬送パス126に退避して、次の出力時にシートサイズの異なるシートS1、S2・・・が通紙される場合を示しており、両面パス上に退避したダミーシートS0は、次の出力時のダミーシートS’0として出力する。 図ではサイズが異なるシートの場合を示しているが、坪量、普通紙やコート紙、色紙などの紙種が異なり搬送速度、作像条件等がシート条件により異なるときも同様である。
【0069】
以上のように、1枚目をダミーシートとして白紙で搬送し、更にはシート先端を先行するシートに重ね合わせたまま画像形成するため、通常は転写部や定着部での画像形成部での分離困難な超薄紙シートでも確実に分離が可能となる。また、上述のようにダミーシートを一旦両面パスに退避させるためダミーシートを退避させる専用パスを必要とせず、次の出力時に画像形成を行い排出するため、複数回循環させることによるダミーシートの痛みを最小限に押えるとともに、シートを捨てることなく効率的に利用することが可能となる。
【0070】
本実施例では、ダミーシートを両面パスに退避させたが、専用の循環パスやその他の退避パスを利用する構成でももちろんかまわない。また、ダミーシートの使用を1回又は2回としているが、何度も使用してもかまわず、ダミーシートを排出するといった構成にしてももちろんかまわない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特にシートとシートとを若干オーバーラップした状態で画像形成部に搬送し、画像形成を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置に使用されるシートの坪量は、38g/m2以下の薄紙から300g/m2以上の厚紙まで様々なニーズがあり、シートのサイズもハガキ程度の小サイズから330mm×488mm程度の大サイズまで多様化している。
【0003】
図10は従来の画像形成装置を示しており、転写部112bに給紙されたシートS上には、転写帯電器115によりドラム112上のトナー像が転写され、分離帯電器116によりドラム112とシートSとが静電分離する。トナー像が転写されたシートSは、搬送ベルト117により定着装置118に搬送され熱と圧力を加えられてトナー像がシートSに定着される。
【0004】
特に38g/m2以下の薄紙では、転写部112b部へと搬送されたシートが感光ドラム112に巻きついてしまいJAMになりやすく、また、定着装置118へと搬送されたシートが定着ローラから分離できずにJAMになりやすいという問題があった。
【0005】
そこで図11に示すように特に38g/m2以下の薄紙でも分離搬送できるように、転写部112b及び定着部118bで先行するシートと後続するシートとを先端余白分オーバーラップした状態で画像形成することで、転写部112b部へと搬送されたシートが感光ドラム112に巻きついてしまいJAMや、定着装置118へと搬送されたシートが定着ローラから分離できないJAMを防止する構成が考えられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−112832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の方法では、オーバーラップした状態の連続するシートのうち先頭のシートを分離搬送することができないという問題が発生した。そこで、本発明では、特に38g/m2以下の薄紙でも転写部や定着部での分離が確実にできるシート搬送装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、先行するシート後端に後続するシート先端を若干オーバーラップした状態でシートを連続して搬送し、シート上に画像を形成する画像形成装置において、前記オーバーラップした状態の連続するシートのうち少なくとも先頭のシートには画像形成を行わずに搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1枚目のシートを白紙で搬送し、更にはシート先端を先行するシートに重ね合わせたまま画像形成するため、通常は転写部や定着部での画像形成部での分離困難な超薄紙シートでも確実に分離が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例の搬送装置を備えた画像形成装置の全体構成図
【図2】実施例におけるレジ構成概略図
【図3】実施例における片面薄紙搬送を示す断面概略図
【図4】実施例における片面薄紙搬送を示す制御概念図1
【図5】実施例における片面薄紙搬送を示す制御概念図2
【図6】実施例における両面薄紙搬送を示す断面概略図
【図7】実施例における両面薄紙搬送を示す制御概念図1
【図8】実施例における両面薄紙搬送を示す制御概念図2
【図9】実施例におけるサイズ違いの薄紙搬送を示す制御概念図
【図10】従来の搬送装置を備えた画像形成装置の全体構成図
【図11】従来の画像形成時の画像形成部の詳細概略図
【図12】本発明の画像形成時の画像形成部の詳細概略図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図を用いて詳細な説明を行なう。
【0012】
図1は、本発明の一実施例である画像形成装置としてのプリンタの断面図である。図1において、1000はプリンタで、図において、120は該プリンターを制御する為の制御手段たるコントローラであり、100は上段カセットで、カセット100内のシートは所定のタイミングで昇降/回転するピックアップローラ101とフィードローラ102及びリタードローラ103の作用によって1枚ずつ分離給紙される。そして給紙部から給紙されたシートは搬送ローラ105によってガイド板106,107によって構成される搬送路108を通過し、ガイド109、111で構成される屈曲した搬送路110へ受け渡され、アシストローラ対10を通過して、斜行補正ローラ対20及びレジローラ対30を有するレジスト部1に導かれる。このレジスト部1にて、シートの斜行補正した後にシートは転写部112b部へと搬送される。
【0013】
なお、レジスト部における斜行及び位置ズレ補正の動作に関しては、後に詳細に説明を行う。
【0014】
112は感光ドラムであり図中時計方向に回転するようになっている。111は作像手段たるレーザー変調(レーザースキャナ)であり、そのレーザー光はミラー113によって折り返され、ドラム上の露光位置112aに照射されて、ドラム上に潜像を形成し現像器114によってトナー像として顕像化される。115はドラム上のトナー像をシートに転写する為の転写帯電器、116はドラムとシートを静電分離する為の分離帯電器であり、画像形成部を構成する。なお、112bは転写部であり、この位置にて、感光ドラム112上のトナー像がシートS上に転写される。
【0015】
該レジスト部1を通過したシートSはその先端をレジセンサ131によって検知され、感光ドラム112のレーザー光照射位置112aから転写部112bまでの距離l0を搬送される画像に同期させて、レジセンサ131から転写部112bまでの距離l1を搬送する間にシートSの位置を補正して、シートSとドラム112上の画像の先端位置との同期を取る事が可能となっている。
【0016】
117は画像形成されたシート材を搬送する搬送ベルト、118は定着装置、119は内排紙ローラ、120は排紙パス、121は排紙フラッパー、122は排出ローラである。画像形成されたシート材は排出ローラ122によって排出される。
【0017】
また、シートS両面に画像形成する場合には、排紙フラッパー121を反転パス123に切り替えてシートSが反転ローラ125に搬送される。反転パス123に搬送されたシートSの後端が不図示のバネにより加圧された反転フラッパー124を通過したところで反転ローラ125が一旦停止し、その後逆回転をして反転フラッパー124により両面パス126に搬送される。両面搬送ローラ127、128、129、130によりシートSは再びレジスト部1に搬送される。以片面と同様にシートS裏面に画像形成されプリンタ外へ排出される。
【0018】
2000はスキャナで、図において201は走査光学系光源、202はプラテンガラス、203は開閉する原稿圧板、204はレンズ、205は受光素子(光電変換)、206は画像処理部、208は画像処理部にて処理された画像処理信号を記憶しておく為のメモリー部である。
【0019】
走査光学源201で読み取られた原稿像は画像処理部206で処理され、電気的に符号化され電気信号207に変換されて作像手段たるレーザー変調111に伝送される。また、画像処理部にて処理され、符号化された画像情報を一旦メモリー208に記憶させて、コントローラ120からの信号によって、必要に応じて、レーザー変調111に伝送する事もできるように構成されている。
【0020】
ここで、1000はプリンタ、2000はスキャナであるが、図のように別体の場合もあるが、プリンタ1000とスキャナ2000が一体の場合もある。
【0021】
プリンタ1000は別体でも一体でも、レーザー変調111に画像形成部の処理信号を入力すれば複写機として機能するし、FAXの送信信号を入力すればFAXとして機能するし、パソコンの出力信号を入力すれば、プリンタとして機能する。逆に、画像処理部206の処理信号をほかのFAXに送信すれば、FAXとして機能する。ここで、圧板203に変わって、2点鎖線で示すような原稿自動送り装置250を装着すれば、原稿は自動的に読み取られる。
【0022】
次にレジスト部の詳細説明を、図2〜図11行う。
【0023】
図は本発明の一実施例に係るレジストレーション装置を示すもので、図2は模式図、図3はブロック図である。
【0024】
図2において、アシストローラ対10、斜行補正ローラ対20及びレジローラ対30は、不図示のフレームによりそれぞれの側板に回転自在に軸支されている。
【0025】
アシストローラ対10の上流部には、先行シートの後端の下に後続するシート先端をもぐりこませるためのシート重ね合せ部40があり、レジスト前上ガイド41とレジスト上ガイド42にて構成されている。図5に示すように先行するシートS1後端がレジスト上ガイド42に沿って跳ね上げられると、後続するシートS2先端が増速搬送され、シートS1後端の下にもぐりこむ構成となっている。
【0026】
アシストローラ対10はアシスト駆動ローラ10aと、図示せぬ加圧バネによって加圧されているアシスト従動ローラ10bとにより構成されている。アシスト駆動ローラ10aにはシート搬送方向に駆動するためのアシストモータ11とアシストローラ対10をシート搬送方向と直交する方向に駆動するためのアシストシフトモータ12とアシストシフトHPセンサ13とが配置されている。さらに、アシスト従動ローラ10bには、アシストローラ対を解除するためのアシスト解除モータ14とアシスト解除モータの位相を検知するためのアシスト解除HPセンサ15が配置されている。
【0027】
斜行補正ローラ対20は、シート搬送方向と直交する方向に所定間隔Lをあけて配設された2つの斜行補正ローラ対21,22からなり、それぞれC型の形状をした斜行補正駆動ローラ21a,22aと、図示せぬ加圧バネによって加圧されている斜行補正従動ローラ21b,22bとにより構成されている。斜行補正駆動ローラ21a,22aには、斜行補正モータ23,24が連結され、それぞれのローラ位相を検知するための斜行補正HPセンサ25、26が配置され、斜行補正駆動ローラ21a,22aが独立して駆動される。斜行補正ローラ対20の搬送方向上流側には、シート先端位置を検出し駆動モータ23,24を起動するための起動センサ27配置され、シートSの先端を検知に同期して、駆動モータ23,24が起動される。そして、図10に示すように、斜行補正駆動ローラ21a,22aの周面が切り欠かれている箇所が斜行補正従動ローラ21b,22bと対向した状態、すなわち、斜行補正駆動ローラ21a,22aと斜行補正従動ローラ21b,22bとのローラニップ部が解除された状態では、シートの挟持が解除されている。
【0028】
さらに、斜行補正ローラ対20の搬送方向上流及び下流側には、シートSの横レジ位置を検出するためのラインセンサ28とラインセンサ35とがシート搬送方向と直交する方向で感光ドラム112の軸線112cと平行となるようにそれぞれ配設されている。
【0029】
また、レジローラ対30はC型の形状をしたレジ駆動ローラ30aと、図示せぬ加圧バネによって加圧されているレジ従動ローラ30bとにより構成されている。そして、図5に示すように、レジ駆動ローラ30aの周面が切り欠かれている箇所がレジ従動ローラ30bと対向した状態、すなわち、レジ駆動ローラ30aとレジ従動ローラ30bとのローラニップ部が解除された状態では、シートの挟持が解除されている。
【0030】
レジ駆動ローラ30aにはシート搬送方向に駆動するためのレジモータ31とレジローラの位相を検知するためのレジHPセンサ32とが配置され、レジローラ対30をシート搬送方向と直交する方向に駆動するためのレジシフトモータ33とレジシフトHPセンサ34とが配置されている。レジローラ対30の下流には、シートSの先端を検知するためのレジセンサ131が配置されている。
【0031】
次にレジスト部における補正動作の説明を、図4〜図11を用いて行う。図4は動作概略を示すフローチャートで、図5〜8は斜行補正動作を示す概略図、図9〜11は先レジ・横レジ補正動作を示す概略図である。動作概略をフローチャート図4にそって説明する。
【0032】
カセット100及び110から給紙されたシートSは、搬送ローラ対105により、アシストローラ対10を通過して、シートのサイズごとに必要に応じて従動ローラ105bが不図示のローラ解除モータにより、ニップ解除される(step1)。図6(a)(b)に示すように先行シートS’の後端がラインセンサ28を抜けると、ラインセンサ28によりシートSの(1)での横レジ位置検知が行われると同時に、(1)から(2)までΔL1搬送させたときの検出ズレ量ΔL2によりシートSの斜行量が検出される(step2)。
【0033】
ラインセンサ28により横レジ位置が検出されたシートSは、アシストローラ対10をアシストシフトモータ12によりシフト方向に移動し、図6(c)のシートS(4)位置までシフト移動する(Step3)ことで、先行シートS’後端よりシートS先端がシフト方向にずれることで、起動センサ27により先端位置が検出される(Step4)。
【0034】
シートS先端位置が、起動センサ27により検出されると、斜行補正モータ23及び24のうち先行側のモータが起動し、Δt1後に遅れ側のモータが起動する(step5)。
【0035】
【数1】
【0036】
これによりローラニップ部が解除されていた斜行補正ローラ対21、22が(図5A方向)に回転しシートSが搬送され、斜行補正動作が始まる。
【0037】
図8に示すように、シートSの斜行により斜行補正ローラ対21(斜行補正モータ23)側が斜行補正ローラ対22(斜行補正モータ24)側より先行している場合は、斜行補正ローラ対21(斜行補正モータ23)を減速して斜行補正を行うための制御パラメータである補正時間T1及び減速速度ΔV1を下記の数式を満足するように算出する。
【0038】
【数2】
【0039】
また、アシストローラの搬送方向の速度は、図7の関係から求められる。斜行補正ローラ21、22の補正時の搬送速度をVL、VR、補正ローラ間のスラストピッチをLRP、シートSの旋回中心Oでの回転速度をωとすると
【0040】
【数3】
【0041】
シートSの旋回中心Oと補正ローラ21、22との中点O’までの旋回距離RROTとすると、
【0042】
【数4】
【0043】
アシストローラ対10の搬送方向速度VASX、スラスト方向速度VASY、補正ローラ対21、22とアシストローラ対10との距離LAS、シートSの旋回中心Oとアシストローラ対10までの旋回距離RASとすると、
【0044】
【数5】
【0045】
シートSの旋回中心Oとアシストローラ対10とのなす角θ、アシストローラ対10によるシートSの合成搬送速度|ωRAS|となす角φとすると、
【0046】
【数6】
【0047】
以上よりアシストローラ対10の搬送方向速度VASX、スラスト方向速度VASYは下記の関係式となる。
【0048】
【数7】
【0049】
斜行量が十分小さい場合には
【0050】
【数8】
【0051】
と近似できるため、
【0052】
【数9】
【0053】
よって、下記式(4)の関係式より補正モータ23、アシストモータ11、アシストシフトモータ12の各速度が演算できる。
【0054】
【数10】
【0055】
以上、式(4)(7)より、斜行補正を行うための各種制御パラメータを算出する(Step6)。斜行補正モータ23は第1回目の斜行補正区間(T1)において、搬送速度V0から加速度a1でΔV1減速し、斜行補正区間終了時に搬送速度V0まで最加速し第1回目の斜行補正を行う。このとき同時にアシストモータ11は、搬送速度V0から加速度a2でΔV2減速し、斜行補正区間終了時に搬送速度V0まで最加速する。アシストシフトモータ12は、加速度a3でΔV3まで加速し、斜行補正区間終了時に停止する。以上、図8のように斜行補正モータ23、アシストモータ11、アシストシフトモータ12を制御し、第1回目の斜行補正(T1)が行われる(Step7)。このとき、斜行補正駆動ローラ21a、22aのローラ位相が同位相となっている。
【0056】
シートSの第1回目の斜行補正が終了後、斜行補正モータ23、24、アシストモータ11の搬送速度がV0からV0’に減速される。図6(d)のように、大斜行しているシートSは、状態(5)のように補正され、ラインセンサ28と下流のラインセンサ35とにより図6(e)のようにシートSの斜行量を検出し(Step8)、第1の斜行補正と同様に、斜行補正を行うための各種制御パラメータを算出し(Step9)、第2回目の斜行補正(T2)を行う(Step10)。これにより、図6に示されるようにシートSが(6)の状態に斜行が補正される。
【0057】
斜行補正ローラ対21、22により斜行状態が補正されたシートSはレジローラ対30に搬送される、レジモータ31が起動され(step11)、ローラニップ部が解除されていたレジローラ対30が(図9A方向に)回転しシートSが搬送される。レジローラ対30によりシートSが挟持されると、斜行補正HPセンサ25、26それぞれを基準に、図9のように斜行補正ローラ対21、22のローラニップ部が解除された状態で、斜行補正モータ23及び24が停止する(step12)。
【0058】
図10に示すように、シートSの先端がレジセンサ131に検知されると(step13)、同時に、ラインセンサ35によりシートSの横端位置が検知される(step14)。図11に示すように、レジセンサ131の検知タイミングと感光ドラム112上にレーザー光が照射されたタイミング(ITOP)との時間差Δt3を基に、感光ドラム112のレーザー光照射位置112aから転写部112bまでの距離l0を搬送される画像先端と、レジセンサ131から転写部112bまでの距離l1を搬送されるシートS先端とを同期させる、レジモータ31及びアシストモータ11の減速速度ΔV4と変速時間T3とを算出する(step15)。また、ラインセンサ35の検知信号を基に、感光ドラム112上の画像横レジ位置と、シートSの横レジ位置とを同期させるため、レジシフトモータ33及びアシストシフトモータ12のシフト方向の速度ΔV5と変速時間T4とを算出する(step16)。以上のように、レジモータ31、レジシフトモータ33、アシストモータ11及びアシストシフトモータ12を制御することで、感光ドラム112上の画像位置とシートSとの先端位置及び横レジ位置を一致させる(step17)。
【0059】
シートSのシフト動作が終了すると、アシストローラ対10の従動ローラ10bはアシスト解除モータ14により解除される(step18)。アシストローラ10のローラニップ解除が、アシスト解除HPセンサ15により検出されると、アシストシフトモータ12が起動され、アシストシフトHPセンサ13が検知されると停止する(step19)。このときアシストローラ対10は、先端検知シフト、第1回目、第2回目の斜行補正及び横レジ補正分シフト方向に移動しているため、アシストシフトモータ12が駆動可能な最大移動速度でT5シフト移動する。そして、シートSの後端がアシストローラ対10を抜ける位置で、アシスト解除モータ14によりアシストローラ対10は再びニップされる(step20)。
【0060】
レジローラ対30により搬送されたシートSは感光ドラム112に転写吸着され、レジHPセンサ26を基準に、レジローラ対31のローラニップ部が解除された状態で、レジモータ31が停止する(step21)。これと同時に、レジシフトモータ33が起動され、step15とは逆方向にシフト移動し、レジシフトHPセンサ34が検知されると停止する(step22)。
【0061】
以上のstep1〜step22を繰り返すことで、先行するシート後端と後続するシート先端とが重ね合わせたままで、ドラム112上の画像位置とシートSとの位置合せを高精度に連続して行うことが可能となる。
【0062】
次に本発明の特徴である連続シート搬送について説明する。
【0063】
図12は、シートS0、S1、S2、S3が転写部112b及び定着部118bで先行するシート後端に後続するシート先端がもぐりこむように先端余白分オーバーラップした状態で画像形成されている状態を示している。ここで、1枚目のシートS0はダミーシートでシート上に画像を形成せず、シートS0先端が転写部112bを通過する時には転写帯電機115及び分離帯電機116は動作させない、又はドラム112から分離しやすい条件で搬送させ、2枚目のシートS1からトナー画像を転写する構成となっている。同様にシートS0先端が定着ニップ部118bを通過するときには、定着器118の定着圧をDownする或は定着温度を低くするなど分離しやすい条件で搬送させ、2枚目のシートS1先端がくるところで定着圧及び定着温度を所望の値に設定してトナー画像をシート上に定着させる構成となっている。
【0064】
図3は、1枚目のダミーシートS0が両面搬送パス126に退避している状態を示している。図4のように1回あたりの連続した出力枚数が多い時には、両面パス上に退避しているダミーシートS0をカセット100から給紙されたシートSn−1、Sn+1との間にシートSnとして搬送し、出力を行うことができる。しかし、1回あたりの連続した出力枚数が少ない場合(図5では7枚より少ない場合)で、シートSnとして出力できない場合には、ダミーシートS0は両面パス上に退避し、次の出力時のシートS’として出力する。
【0065】
図6は、両面出力時の搬送パス上で、1枚目のダミーシートS0が両面搬送パス126に退避している状態を示している。ダミーシートS0及び両面パスに搬送されるシートは、定着器118を抜けると、排紙フラッパー121を反転パス123に切り替えてシートが反転ローラ125に高速に搬送される。反転パス123に搬送されたシートの後端が不図示のバネにより加圧された反転フラッパー124を通過したところで反転ローラ125が一旦停止し、その後逆回転をして反転フラッパー124により両面パス126に高速搬送される。両面搬送ローラ127、128、129、130によりシートSは再びレジスト部1に搬送される。
【0066】
図7は、両面出力時の概略を示しており、1回あたりの連続した出力枚数が少ない場合(図では7枚より少ない場合)で、シートSnとして出力できない場合には、ダミーシートS0は両面作像時のダミーシートB0として使用し、片面作像され反転したシートS1、S2・・・はシートB1、B2・・・として裏面も作像され排出される。また、両面作像時のダミーシートB0は、両面パス上に退避し、次の出力時のシートS’1として作像後、排出される。
【0067】
図8は、両面出力時に1回あたりの連続した出力枚数が多い時には、両面パス上に退避しているダミーシートS0をカセット100から給紙されたシートSn−1の後のSnとして搬送し、出力を行うことができる。しかし、出力枚数eがnの倍数にならない場合は、出力の終盤でカセット100から両面用のダミーシートB0を給紙し続くシート・・・Be−1,Beが裏面作像され排出される。ダミーシートB0は、両面パス上に退避し、次の出力時のシートS’1として出力する。
【0068】
図9は、1枚目のダミーシートS0が両面搬送パス126に退避して、次の出力時にシートサイズの異なるシートS1、S2・・・が通紙される場合を示しており、両面パス上に退避したダミーシートS0は、次の出力時のダミーシートS’0として出力する。 図ではサイズが異なるシートの場合を示しているが、坪量、普通紙やコート紙、色紙などの紙種が異なり搬送速度、作像条件等がシート条件により異なるときも同様である。
【0069】
以上のように、1枚目をダミーシートとして白紙で搬送し、更にはシート先端を先行するシートに重ね合わせたまま画像形成するため、通常は転写部や定着部での画像形成部での分離困難な超薄紙シートでも確実に分離が可能となる。また、上述のようにダミーシートを一旦両面パスに退避させるためダミーシートを退避させる専用パスを必要とせず、次の出力時に画像形成を行い排出するため、複数回循環させることによるダミーシートの痛みを最小限に押えるとともに、シートを捨てることなく効率的に利用することが可能となる。
【0070】
本実施例では、ダミーシートを両面パスに退避させたが、専用の循環パスやその他の退避パスを利用する構成でももちろんかまわない。また、ダミーシートの使用を1回又は2回としているが、何度も使用してもかまわず、ダミーシートを排出するといった構成にしてももちろんかまわない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行するシート後端に後続するシート先端の一部をオーバーラップした状態でシートを連続して搬送し、シート上に画像を形成する画像形成装置において、
前記オーバーラップした状態の連続するシートのうち少なくとも先頭のシートには画像形成を行わずに搬送することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成後に少なくとも2つの搬送パスを持つ請求項1記載の画像形成装置において、
前記オーバーラップした状態の連続するシートのうち画像形成を行わなかったシートを一方の搬送パスに搬送し、
前記オーバーラップした状態の連続するシートのうち画像形成を行ったシートを一方の搬送パスに搬送することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記一方の搬送パスが画像形成されたシートをもう一度画像形成に搬送する循環パスで、
前記他方の搬送パスが排画像形成装置外へシートを排出するための排紙パスであることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記オーバーラップした状態の連続するシートの画像形成を行わなかった先頭シートを前記循環パスに一旦退避させ、前記オーバーラップした状態の連続するシートの2枚目以降に合流させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成を行わなわずに循環パスに一旦退避したシートと、作像を実施する前記オーバーラップした状態の連続するシートとのシート条件が異なる場合は、前記退避したシートを前記オーバーラップした状態の連続するシートの先頭シートとして搬送することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項1】
先行するシート後端に後続するシート先端の一部をオーバーラップした状態でシートを連続して搬送し、シート上に画像を形成する画像形成装置において、
前記オーバーラップした状態の連続するシートのうち少なくとも先頭のシートには画像形成を行わずに搬送することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成後に少なくとも2つの搬送パスを持つ請求項1記載の画像形成装置において、
前記オーバーラップした状態の連続するシートのうち画像形成を行わなかったシートを一方の搬送パスに搬送し、
前記オーバーラップした状態の連続するシートのうち画像形成を行ったシートを一方の搬送パスに搬送することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記一方の搬送パスが画像形成されたシートをもう一度画像形成に搬送する循環パスで、
前記他方の搬送パスが排画像形成装置外へシートを排出するための排紙パスであることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記オーバーラップした状態の連続するシートの画像形成を行わなかった先頭シートを前記循環パスに一旦退避させ、前記オーバーラップした状態の連続するシートの2枚目以降に合流させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成を行わなわずに循環パスに一旦退避したシートと、作像を実施する前記オーバーラップした状態の連続するシートとのシート条件が異なる場合は、前記退避したシートを前記オーバーラップした状態の連続するシートの先頭シートとして搬送することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−2600(P2011−2600A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144925(P2009−144925)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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