画像形成装置
【課題】簡単な構成、及び制御方法により、主電源装置と補助電源装置を切換えても画像濃度ムラのない高画質な画像を得られる画像形成装置を提供する。
【解決手段】交流負荷と直流負荷へ電力を供給する主電源装置と、直流負荷へ電力を供給する蓄電可能な補助電源装置を有し、主電源装置と前記補助電源装置を切換えて直流負荷へ電力を供給可能であり、原稿読取機能を備えた画像形成装置において、電源装置の切換え後に、読取データの増幅率を変化させる。
【解決手段】交流負荷と直流負荷へ電力を供給する主電源装置と、直流負荷へ電力を供給する蓄電可能な補助電源装置を有し、主電源装置と前記補助電源装置を切換えて直流負荷へ電力を供給可能であり、原稿読取機能を備えた画像形成装置において、電源装置の切換え後に、読取データの増幅率を変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助電源を有する画像形成装置に関し、特に、補助電源から直流負荷に対して電力を供給することで、電源ラインの最大供給可能電力を越えずに、大電力を利用できるようにする電力の平準化技術を備えた電子写真方式の複写機やプリンターなどに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置の定着装置としては、高速性、安全性等の面からヒートローラ方式が現在最も多く採用されている。ヒートローラ方式とは、発熱体となるハロゲンヒータによって加熱される加熱部材としての加熱ローラと、これに対向配置される対向回転体であり加圧回転体を構成する加圧ローラを圧接してニップ部と呼ばれる相互圧接部を形成し、両ローラ間に転写紙Pを通過させて加熱する方式である。
【0003】
金属性の加熱ローラは熱容量が大きいため、定着に必要な温度、(以下、「定着温度」と記す)である約180℃前後に昇温するために数分から十分程度かかる。そこで、プリントを行わない待機時にも、温度を所定の温度に保ち、すぐに使用できるように待機時エネルギーを消費している。
【0004】
近年、環境保護意識の高まりから各国で省エネ規制が制定されている。国内では省エネ法が改正されて強化され、米国でもエナジースターやZESM(Zero Energy Star Mode)などの省エネプログラムが制定されている。これらの規制やプログラムに対応するべく省電力化を図る際には、上記待機時消費エネルギーを削減すると効果が大きく、複写機未使用時の待機時電力供給をゼロにすることが望ましい。
【0005】
しかし、従来の定着装置の構成のままで待機時の電力をゼロにすると、再立ち上げ時には加熱ローラの昇温時間が数分かかってしまい、待ち時間が長く使用者の使い勝手が悪化してしまう。このため、速やかに加熱ローラ温度を上昇させる構成が、省エネの複写機を実現する上で必要とされ、例えば、前記ZESMでは再立ち上げには10秒以下が要求されている。
【0006】
そこで、加熱ローラを薄肉化して短時間で昇温する構成が中低速層では広まってきているが、60cpm以上の高速なプリント速度では採用が困難であった。これは、高速層では単位時間あたりの通紙枚数が多いため紙が定着ローラから奪う熱量が多く、熱容量が小さいと温度低下が発生しやすかったためである。
通紙中の温度低下解決するために、電源電圧を200Vにして大電力を供給する機器もあるが、設置場所の電源に特別な工ことを施す必要があり一般的な解決法とはいえない。また、100V15Aを2系統用いて総投入電力を上げる製品も実用化されているが、2系統のコンセントが近くにないと設置することが困難であった。このため、これまでは短時間で加熱ローラを昇温させようとしても、投入エネルギーの上限は上げられないのが実状であった。
【0007】
そこで、特許文献1、2では、二次電池やキャパシタを補助電源に用いて最大供給電力を増やし、短時間昇温を実現する以下の構成が提案されている。
【0008】
この従来の補助電源方式について説明すると、発熱部材はハロゲンヒータなどの発熱体を複数有している。発熱体は主電源装置2からの電力供給により発熱し、例えば100V1200wのハロゲンヒータを用いている。発熱体は補助電源からの電力供給により発熱し、例えば50V500wのハロゲンヒータで構成されている。
【0009】
このような従来の構成におい、発熱部材には、主電源装置から発熱部材に給電するのに加えて、補助電源装置から補助発熱熱部材に給電可能である。補助電源装置は充電器によって電力を蓄えられ、残電力や画像形成装置の状態に応じて任意のタイミングで供電することができる。これにより、主電源装置2による最大供給電力を上回る電力を発熱部材に供給し、定着ローラを加熱することができる。
【0010】
このため、発熱部の温度が室温から所定の温度になるまでの温度上昇時間(立上時給電)は、主電源装置だけを用いるより、主電源装置と補助電源装置を同時に用いた方が昇温時間を短くすることができる。さらに、大容量キャパシタは放電することで電圧が低下して電力が供給できなくなるため、装置が暴走した際には昇温が低減するため、安全な短時間昇温装置を実現することが可能である。
【0011】
また、高速層や厚紙の連続通紙時では、転写紙に奪われる熱量が多く、連続通紙時の給電は、主電源装置からの給電だけでは必要な温度を維持しにくい場合でも、補助電源装置からの給電を加えることで温度を維持して画像品質の劣化を防止することが可能であり、高速化や対応する紙種を広げることが可能である。なおこの場合でも、キャパシタが放電するにつれて電圧が低下し、電力が供給できなくなるため、装置が暴走した際には昇温が低減してくれるため、安全な短時間昇温装置を実現することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
補助電源装置をヒータに給電する構成では、補助ヒータを追加する必要があるため、加熱ローラサイズの小型化や、低熱容量化したローラ構成で暴走時の昇温が大きく安全性が低下してしまう。このため、例えば、定着装置以外の画像形成装置を構成するシステム部の直流負荷に対して補助給電装置から給電を行う構成が本出願人から提案されている。この提案により交流負荷である定着ヒータに供給する電力を増やすことができている。
【0013】
しかしながら、蓄電装置による補助電源では補助給電可能な時間に制限があるため、直流負荷は、補助電源装置から主電源装置、あるいは主電源装置から補助電源装置へ電源を切換えて電力供給を行う必要がある。この場合、電源装置に使われる部品の公差やバラツキ、構成の違いなどから出力電圧、電力など出力に微妙な違いがあり、画像形成装置の画質が低下することが想定される。
【0014】
本発明は、簡単な構成、及び制御方法により、主電源装置と補助電源装置を切換えても画像濃度ムラのない高画質な画像を得られる画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、交流負荷と前記直流負荷へ電力を供給する主電源装置と、直流負荷へ電力を供給する蓄電可能な補助電源装置を有し、主電源装置と補助電源装置を切換えて直流負荷へ電力を供給可能であり、原稿読取機能を備えた画像形成装置において、電源装置の切換え後に、読取データの増幅率を変化させることを特徴としている。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、変化させる増幅率の値として、電源切換え時に記憶していた所定の値を用いることを特徴としている。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、変化させる増幅率の値として、電源切換え時に増幅率調整動作を行って得る値を用いることを特徴としている。
【0018】
請求項4の発明は、交流負荷と直流負荷へ電力を供給する主電源装置と、直流負荷へ電力を供給する蓄電可能な補助電源装置を有し、主電源装置と補助電源装置を切換えて直流負荷へ電力を供給可能であり、原稿読取機能を備えた画像形成装置において、電源装置の切換え動作を行った時の読取データを保持すると共に、電源装置切換え時の読取位置情報を記憶し、この読取位置情報に応じて、保持していた読取後のデータに増幅率補正を行うことを特徴としている。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1つに記載の画像形成装置において、補助電源装置に少なくとも電気二重層キャパシタを有することを特徴としている。
【0020】
すなわち、請求項1〜3の発明では、原稿が複数枚あった場合には、電源装置を切換えた前後で読取装置のランプの発光量が変化し、出力画像の濃度が変化してしまうという問題がでる。すなわち、切換え前に読み取った出直画像に比べて、切換え後の画像は濃度が濃いもしくは、薄い画像となってしまうことを解決する。
【0021】
請求項4の発明では、読取動作の中断による生産性低下や、切換え時期の延長による所定値以上の過放電を解決し、請求項5の発明では、耐久性、信頼性の高い、小型の補助電源システムを実現する。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の発明によれば、電源装置の切換え後に、読取データの増幅率を変化させるので、複数枚原稿を形成する場合でも、切換え前後の出力画像に濃度変動が発生しなくなり、簡素な構成と切換え制御で高画質な画像を得られる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、変化させる増幅率の値として、電源切換え時に記憶していた所定の値を用いるので、切換え時に増幅率の調整動作が不要となり、より簡素な構成と切換え制御で高画質な画像を得られる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、変化させる増幅率の値として、電源切換え時に増幅率調整動作を行って得る値を用いるので、画質を向上することができる。
【0025】
請求項4記載の発明によれば、電源装置の切換え動作を行った時の読取データを保持すると共に、電源装置切換え時の読取位置情報を記憶し、この読取位置情報に応じて、保持していた読取後のデータに増幅率補正を行うので、読取途中で切換え動作の入った濃度変動のある画像データでも、後から増幅率の補正を行うことで濃度変動のない高画質な画像を提供することができるので、任意のタイミングで直流電源装置の切換えを行うことができ、読取動作の中断による生産性低下や、切換え時期の延長による所定値以上の過放電を防止することができる。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、補助電源装置に少なくとも電気二重層キャパシタを有するので、エネルギー密度の小さいキャパシタでも利用することができるため、耐久性、信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明が適用された画像形成装置の一形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明が適用されるローラ定着方式の定着装置の一形態を示す断面図である。
【図3】本発明が適用されるベルト定着方式の定着装置の一形態を示す断面図である。
【図4】磁束発生手段で構成された加熱手段の一形態を示す断面図である。
【図5】(a)は発熱部材がローラ軸線方向の略全域に配置された構成図であり、(b)は発熱部材がローラ軸線方向にずらして配置された構成図である。
【図6】画像形成装置の給電制御の主要部の構成を示すブロック図である。
【図7】通紙時に補助電源装置を用いる給電パターンを示す図である。
【図8】通紙時における電力供給手段の違いによる加熱部材の温度特性を示す図である。
【図9】立ち上げ時から補助電源装置を用いる給電パターンを示す図である。
【図10】電力供給手段側の電力変動と画像形成装置側での消費電力と加熱部材の温度変動の関係を示す図である。
【図11】電力供給手段の違いによる加熱部材の温度特性を示す図である。
【図12】画像形成装置の画像処理構成を示すブロック図である
【図13】電源装置の切換えによる画像濃度変動を模式的に示す図である。
【図14】電源装置の切換え時期をずらした場合の画像濃度変動を模式的に示す図である。
【図15】原稿読取動作を中断した後に電源装置の切換え行いその後に再読込みした場合の画像濃度変動を模式的に示す図である。
【図16】原稿読取動作の合間に電源装置の切換えを行った場合の画像濃度変動を模式的に示す図である。
【図17】電源装置の切換え後に読取データの増幅率を変化させる制御形態を模式的に示す図である。
【図18】電源装置の切換時に読取データの増幅率を変化させる制御形態を模式的に示す図である。
【図19】電源切換時の読取データの増幅率を電源切換位置に応じて変化させる制御形態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1に、本発明が適用された画像形成装置の断面の模式図を示す。この画像形成装置は、装置本体の上部に読取系を構成する原稿読取手段としての画像読取光学部200を備えている。画像読取光学部200は、キャリッジ223,224、結像レンズ225、CCD226を備えている。キャリッジ223には光源227と第1ミラー228が、キャリッジ224には第2ミラー229と第3ミラー230がそれぞれ備えられている。キャリッジ223,224は、図示しない駆動源となるモータによって副走査方向に移動する。その際、キャリッジ224の移動量はキャリッジ223の半分となっている。これにより、副走査方向のどの位置にキャリッジ223および224が移動している状態でも、原稿載置部201aに載置された原稿Gの原稿面からCCD226までの光路長を一定に維持しつつ画像読取位置を副走査方向に移動させることが可能とされている。
【0029】
光源227は、原稿載置部201の下方に配置されていて、原稿Gに向けて発光するものである。原稿からの反射光は、第1ミラー228、第2ミラー229および第3ミラー230によって結像レンズ225へ導かれ、所定の縮小倍率でCCD226の受像面に結像させる。CCD226は、原稿Gの画像を読み取るセンサであり、原稿Gからの反射光に応じて画像信号を生成する。
【0030】
図1において、符号41は回転体からなる像担持体の一例であってドラム形状の感光体を示す。この感光体41は、装置本体内部に配置されていて、その周囲には、矢印で示す向きの回転方向順に、帯電ローラからなる帯電装置42、露光手段の一部を構成するミラー43、現像ローラ44aを備えた現像手段44、転写紙Pに現像画像を転写する転写装置48、感光体41の周面に摺接するブレード46aを具備したクリーニング手段46などが配置されている。帯電装置42と現像ローラ44aとの間に位置する感光体41の表面には、ミラー43を介して露光光Lbが走査されるように構成されている。この露光光Lbの照射位置を露光部150と呼ぶ。
【0031】
転写装置48は感光体表面と対向配置されていて、両者の間に転写部47を形成している。転写部47には、給紙装置50が有する給紙トレイ51から搬送系を構成する給紙コロ110及びレジストローラ対49を介して転写紙Pが搬送される。搬送された転写紙Pには、転写部47において転写装置48から印加される転写バイアスによって感光体41上のトナー画像(顕画像)が静電的に転写される。トナー画像(顕画像)が転写された転写紙Pは、転写部47よりも下流に配置された定着装置10へと図示しない搬送系を構成する図示しない搬送ローラ等で適宜搬送される。
【0032】
定着装置とこれに関連する構成部について説明する。
定着装置10としては、図2に示すローラ定着方式と図3に示すベルト定着方式がある。図1に示す画像形成装置の定着装置10には、図2に示すローラ定着方式を用いているが、図3に示すベルト定着方式のものを用いても良い。
【0033】
定着装置10は、図示しない駆動源によって回転される加熱ローラ1と、加熱ローラ1の外周面に圧接して圧接ニップ部52を形成する加圧ローラ7とを備え、圧接ニップ部52に未定着像であるトナー画像Tを転写された転写紙Pを導入して挟持搬送させることで、トナー画像Tを転写紙Pに熱と圧力で固着するものである。加熱ローラ1は、その内部に発熱部材としてのハロゲンヒータ60を備えていて、このハロゲンヒータ60に電力が供給されて発熱することで、その表面が所定の温度である定着温度まで昇温される。図2において符号Tで示すトナー画像は定着前の状態を示している。
【0034】
図3に示すベルト定着方式の定着装置100は、無端ベルトで構成された定着部材としての定着ベルト101と、定着ベルト101が巻き掛けられる複数のバックアップ部材としての定着ローラ102と加熱ローラ103と、定着ベルト101を間に挟んで一方のローラとしての定着ローラ102との間に圧接ニップ部52を形成する加圧部材であり対向回転体となる加圧ローラ104を備え、圧接ニップ部52にトナー画像Tを転写された転写紙Pを導入して挟持搬送させることで、トナー画像Tを転写紙Pに熱と圧力で固着するものである。
【0035】
加熱ローラ103は、その内部に発熱部材としてのハロゲンヒータ60を備えていて、加熱部材を構成している。加熱ローラ103は、ハロゲンヒータ60に電力が供給されて発熱することで、ローラを介して定着ベルト101の表面を定着温度まで昇温する。この定着装置100では、転写紙Pを搬送するために定着ローラ102と加圧ローラ104が図示しない駆動源となる駆動モータから駆動力を伝達されるように構成されている。このため、図3において、定着ローラ102は時計回り方向に回転駆動されて定着ベルト101も同方向に回転移動し、加圧ローラ104は反時計回り方向に回転駆動される。駆動形態としては、定着ローラ101あるいは加圧ローラ104の何れか一方が駆動力を受けて回転駆動する形態であってもよい。
【0036】
図2に示すように、加熱ローラ1は、金属製で筒状のローラ基体63の内部にハロゲンヒータ60を備えている。ハロゲンヒータ60は、その輻射熱でローラ基体63を加熱してローラ表面温度を昇温するように構成されている。ローラ基体63は、加熱ローラ1の基体として機能することから、アルミや鉄などの金属製であることが耐久性や加圧による変形などの点を考慮すると望ましい。本形態では、ローラ表面となるローラ基体63の外周面にトナー等の固着を防ぐための離型層1aが形成されている。ローラ内面、すなわち、ローラ基体63の内周面には、ハロゲンヒータ60の熱を効率よく吸収するための黒化処理をすることが望ましい。加圧ローラ7は、その芯金7aの外周にゴムなどの弾性層7bを形成されていて、加熱ローラ1との圧接時に弾性変形して圧接ニップ部52が十分に形成されるように構成されている。
【0037】
図3に示すように、加熱ローラ103は、定着ローラ102よりも、その直径が小径に形成されている。加熱ローラ103は、金属製で筒状のローラ基体103aの内部にハロゲンヒータ60を備えている。ハロゲンヒータ60は、その輻射熱でローラ基体103aを加熱してローラ表面温度を昇温して定着ベルト101を加熱昇温するように構成されている。この加熱ローラ103は、加圧ローラ104と対向しないで、定着ベルト101に張力を与えるように機能するので、図2の加熱ローラ1よりもローラ基体103aの肉厚が薄く構成されている。このため、金属部分が小径で薄肉化されているので、その熱容量が加熱ローラ1よりも小さく、従来のような補助ヒータが不要となる。ローラ内面、すなわち、ローラ基体103aの内周面には、ハロゲンヒータ60の熱を効率よく吸収するための黒化処理をすることが望ましい。加圧ローラ104は、その芯金104aの外周にゴムなどの弾性層104bが形成されていて、加熱ローラ102との圧接時に弾性変形して圧接ニップ部52が十分に形成されるように構成されている。
【0038】
本形態において、ハロゲンヒータ60は、100Vで1200Wの出力のものを1本用いている。ハロゲンヒータ60は、図5(a)に示すように各ローラの軸線方向の全域に設ける形態としても良いし、図5(b)に示すように各ローラ中央部のみを加熱する第1ヒータ60aと、ローラ両端部のみを加熱する第2ヒータ60bとを設け、用紙サイズに応じて各ヒータへの給電を制御して非通紙部の昇温を防止する構成としてもよい。この場合、発熱部材は複数となるが、何れか一方が補助ヒータとして機能するのではなく、双方共に主ヒータとして機能する。
【0039】
本形態において、各加熱部材はそれぞれ発熱部材となるハロゲンヒータ60で加熱されているが、加熱形態としては、このような形態に限定されるものではない。例えば、板状のセラミックヒータを各ローラの内部に配置して用いても良い。あるいは、図4に示すように、円弧状のコア701にコイル702を巻いて磁束発生手段700を構成し、コイル702に高周波を流して交番磁界によってコア701を誘導加熱して温度を昇温させる構成としても良い。この場合、加熱部材がコイル702となり、発熱部材がコア701となる。このような加熱形態としては、加熱ローラ103自体が加熱されなくても良い。
【0040】
磁束発生手段700を加熱手段として利用するメリットは、ハロゲンヒータ60の電力調整には、一般にオン/オフ制御や位相制御、もしくはゼロクロス制御などを用いるが、その出力制御はオン時間とオフ時間を混在させて平均電力を調整する方式である。このため、昇温性(立ち上がり特性)という点では好ましいが、厳密に電力の調整をすることが難しい。これに対し、誘導加熱構成では、コイル702への周波数を変化させることで加熱のための出力電力を変更することができるため、電力調整が容易であることが利点である。また、加熱ローラ内部にハロゲンヒータを同時に内包することで、待機状態などローラ非回転時でもローラ全体を加熱しておくことができるようにする構成としてもよい。
【0041】
本形態の画像形成装置において、画像形成は次のようにして行われる。感光体41が回転を始め、この回転中に感光体41が暗中において帯電装置42により均一に帯電され、画像読取光学部200で得られた画像情報をもとに露光光Lbが露光部150に照射、走査されて作成すべき画像に対応した潜像が形成される。この潜像は感光体41の回転により現像装置44に移動してきて、ここでトナーにより可視像化されてトナー像が形成される。
【0042】
一方、給紙コロ110により給紙トレイ上の転写紙Pの送給が開始され、破線で示す搬送経路を経て一対のレジストローラ49の位置で一旦停止し、感光体41上のトナー像と転写部47で合致するように送り出しのタイミングを待つ。かかる好適なタイミングが到来すると、レジストローラ49に停止していた転写紙Pはレジストローラ49から送り出され、転写部47に向けて搬送される。感光体41上のトナー像と転写紙Pとは、転写部47で合致し、転写部材48による電界により、トナー像は転写紙P上に転写される。
【0043】
こうして感光体41及びその周囲に配置された各構成要素からなる画像形成部で形成されたトナー像を担持した転写紙Pは、定着装置10に向けて送り出される。定着装置10ではハロゲンヒータ60に通電されて発熱することで加熱ローラ1が定着温度まで昇温される。転写紙Pのトナー像は定着装置10のニップ部52を通過する際に、熱と圧力によって当該転写紙Pに定着されて図示省略の排紙部に排紙される。一方、転写部47で転写されずに感光体41上に残った残留トナーは、感光体41の回転と共にクリーニング装置46に至り、該クリーニング装置46を通過する間に清掃されて次の画像形成に備えられる。
【0044】
次に、画像形成装置の給電系統について説明する。
画像形成装置は、図1に示すように、主電源装置2と補助電源装置300とを備えている。主電源装置2は、商用電源200から電力を得て画像形成装置の構成部の交流負荷と直流負荷に対して給電を行う。補助電源装置300は蓄電装置3と充電器4と電圧調整回路5を有し、画像形成装置の直流負荷に対して電力を供給する。補助電源装置300では充電器4で蓄電装置3へ充電し、電圧調整回路5により直流負荷が必要とする電圧へ変化している。本形態では24Vと5Vに電圧変換する。
【0045】
本形態において、給電系統からの負荷には、交流負荷と直流負荷が存在する。交流負荷としては、図6に示すように、定着装置10のハロゲンヒータ60が挙げられる。直流負荷としては、周辺機、現像用、書込用、後処理用の駆動系や各部のファン、CPUや表示装置などのエンジン制御部など直流負荷М1や、読取光源227や搬送用の駆動源などの直流負荷М2で構成された、ハロゲンヒータ60以外の負荷であり、DC5V、DC24V等の直流定電圧の給電で駆動する負荷である。
【0046】
直流負荷M1は、主電源装置2からの供給電力だけで駆動する直流負荷で、各部駆動系、エンジン制御回路などである。直流負荷M2は、主電源装置2と補助電源装置300からの供給電力を切換えて駆動可能な直流負荷である。本形態では、後述する制御手段600によって補助電源装置300の残電力の検知結果と画像形成装置の動作条件に応じて給電電源の選択を行い、残電力が少なくなると主電源装置2からの給電に切り替わるように制御される。
【0047】
制御手段600は、画像形成装置各部の稼働情報を元に動作を決定する装置で、定着部温度検出手段としての温度センサ8からの温度情報に応じて、定着装置10への供給電力を制御する機能を有している。
【0048】
温度センサ8は、サーミスタ、熱電体、赤外線温度検知装置などで、制御手段600へ温度情報を送信している。制御手段600は、得られた温度情報を元に定着装置10のハロゲンヒータ60への給電を開始・停止及び増減するなどの制御を行う。
【0049】
補助電源装置300は蓄電装置3の状態を検出する手段3aを有している。制御手段600は、この検出手段3aから入力される残電力情報及び、蓄電装置温度や不具合検出等の各種状態情報に応じて補助電源装置300から供給する電力や充電状態を制御する。
【0050】
主電源装置2は、図1に示すプラグ51で商用電源200から電力を得て、図6に示す画像形成装置の交流負荷及び直流負荷である各部ユニットに給電を行う。一般的に、日本国内では100Vの電圧で15A程度の電流容量に制限されているため、主電源装置2からの供給電力は1500W程度が最大となる。交流負荷としてのハロゲンヒータ60など交流で駆動するものに対しては、商用電源200電圧や周波数をそのまま給電するが、周波数や電圧を調整して供給してもかまわない。直流で駆動する直流負荷に対しては、交流−直流変換と電圧変換により、AC100VをDC5Vや24Vに変換して画像形成装置各部の直流負荷M1,M2へ給電を行う。
【0051】
補助電源装置300は電気二重層キャパシタなどの蓄電装置3を有し、主電源装置2から充電器4によって充電される。充電器4は、補助電源に応じた主電源電力の電圧調整とAC/DC変換を行って、蓄電装置3へ給電して蓄電を行う。充電は補助電源状態を検知する検知手段3aによる検知情報に応じて行われ、充分充電されたと検知されると、充電を停止し、蓄電量が少ないと充電を開始する。
【0052】
補助電源装置300は、電源調整回路5を通して画像形成装置各部の直流負荷M2へ給電可能に構成されている。電圧調整回路5はDC/DCコンバータなど変圧手段であり、補助電源装置300からの出力をDC24Vの定電圧に調整する。これは、モータや光源227などの比較的使用電力の大きい装置が24V直流負荷のためである。
【0053】
補助電源装置300の電力は、主電源装置2の供給電力とともに画像形成装置へ供給可能とされている。このため、本形態では、商用電源200の定格電力を越える電力を画像形成装置に供給可能とされている。蓄電装置3としては、電気二重層キャパシタだけでなく、Liイオンやニッケル水素やリチウムイオンなどの二次電池でも、酸化還元を利用する疑似容量キャパシタなどであっても良いし、複数種のデバイスを適宜組み合わせたものでも構わない。
【0054】
本形態で用いる電気二重層キャパシタは、二次電池と異なって化学反応を伴わないため下記のような優れた特徴を有する。
【0055】
・充電時間が短い:二次電池として一般的なニッケル−カドミウム電池を用いた補助電源装置では、急速充電を行っても数十分〜数時間の時間を要するため、一日の大電力供給可能回数が数時間おきに数回しか実現できず、実用的ではなかった。これに対し、本形態のようなコンデンサを用いた補助電源装置300では数十秒〜数分程度の急速な充電が可能であるため、印刷をしておらず主電源装置2の供給電力に余裕のある時に充電を行い、補助電源装置300を用いた加熱の回数を実用的な回数にまで増やすことができる。
【0056】
・寿命が長い:ニッケル−カドミウム電池は充放電の繰り返し回数が500から1000回であるため、加熱時用補助電源としては寿命が短く、交換の手間やコストが問題となる。これに対し、コンデンサを用いた補助電源は1万回以上の寿命を有し、繰り返しの充放電による劣化も少ない。また、鉛蓄電池のように液交換や補充なども必要ないため、メンテナンスがほとんどいらない。
【0057】
・大電力を取りやすい:内部抵抗が5mΩ以下と電池に比べて小さいため20Aを越える大電流での使用も可能で、リチウム電池やニッケル水素電池などの二次電池よりもロスが小さく大電力を得やすい。近年は電気二重層コンデンサにも多量の電気エネルギーを蓄えられる物が開発されてきており、電気自動車などへの採用も検討されている。例えば、日本ケミコン株式会社の開発した電気二重層コンデンサ等は2.5Vで2000F程度の静電容量を有している。日本電子株式会社からは、耐電圧を3.2〜3.5Vへ上げて電力量密度を50〜75wh/kgと従来の5〜10倍にしたナノゲートキャパシタという技術が発表されている。
【0058】
本形態の補助電源装置300には、定格2.5v1200Fで、内部抵抗が5mΩ以下の直径40mmで長さが120mm程度のキャパシタセルを、8本直列に接続する20Vモジュールを使用している。直列に接続する際の各セルの電圧バランスを確保するために、図示しない電圧バランス回路を備えることで動作の長期的な安定性を確保することが可能である。補助電源装置300は、20Vの満充電状態から200wで給電を開始し、電圧を検知して半分の約10V程度まで放電をすると放電を停止する。
【0059】
この補助電源装置300からの補助電力は、前述した電圧調整回路5でDC24Vの定電圧に昇圧して調整され、非定着部のモータなどの負荷へ給電される。なお、昇圧だけでなく、セルの本数を増やして高圧のキャパシタモジュールを降圧しても、また、昇降圧して定電圧に調整してもかまわない。
【0060】
以上説明してきた画像形成装置における給電パターンを説明する。
補助電源装置3からの供給電力量は、ハロゲンヒータ60の定格電力よりも小さい電力であり、さらには、ハロゲンヒータ60の最大定格電力(1200W)と図7に示す補助電源装置3を使わない状態での電力Wfus_run(900W)との差(300W=1200W−900W)以内の電力を供給する構成とされている。
【0061】
電圧調整回路5は、DC/DCコンバータなどの変圧手段を有し、補助電源装置3からの出力電力を画像形成装置側の負荷に応じた所定の電圧に調整する用に構成されている。電圧調整回路5は、主電源装置2から定着装置10以外の複数の駆動系300へ給電する。電圧調整回路5は、複数の駆動系300がモータなどの比較的使用電力の大きい装置へ給電するDC24Vの定電圧出力としているが、定電圧に限るものではなく、駆動系300の負荷の入力許容電圧範囲が広い場合には、それに応じて電圧が変動する構成であってもかまわない。
【0062】
図7は、画像形成装置の稼動状態と供給電力の関係を示す図であり、縦軸が供給電力、横軸が時間をそれぞれ示す。図7に示すように、画像形成装置が立ち上がる(加熱ローラ1の温度の立ち上がり区間)Twuでは、主電源装置2からの給電はハロゲンヒータ60へ1200w(Wfus_wu)、その他の直流負荷へ300W給電し、画像形成装置全体への総給電力が1500Wに抑えられている。このため、この状態で駆動する負荷としては、エンジン制御部等の比較的消費電力が少ない駆動系である。このため、図8に示す立ち上がり時においては、主電源装置2からの単独の給電で各部での消費電力を賄える。
【0063】
印刷が始まると、画像読取光学部200の光源227や紙搬送モータ、現像装置の駆動モータやセンサなど画像形成動作に必要な電力が増えるため、直流負荷への電力は立上げ区間Twuでの300Wを超えてしまい、例えば約500Wが必要となる。交流負荷である定着電力も、加熱ローラ1を含む定着系が十分温まると900W(Wfus_run)程度の電力で十分となり、直流負荷の500Wとあわせて1400W(Wall_run)の電力で印刷が可能である。
【0064】
しかし、特に短時間で立ち上がる熱容量の小さい定着装置10では、十分に加熱しきれず、立ち上げ直後に必要な電力が大きくなる。たとえば、30秒で立ち上がって65cpm程度のプリント速度で複写をする装置では、立ち上げ直後だけは定着部で約1100W(Wfus_edlc_run)程度の電力が必要であった。この定着装置10の電力1100W(Wfus_edlc_run)と、定着以外のシステム部の電力500Wをそのまま給電しようとすると合計1600W(Wall_edlc_run)が必要で、商用電源200の定格電力1500Wを超えてしまう。
【0065】
ところが、定着装置10での大電力(1100W:Wfus_edlc_run)は連続通紙中に常時必要ではなく、立ち上げ直後の数分程度の短時間だけである。そこで、本発明のようにシステムへの給電電力を補助電源から例えば200W程度を数分間補助する間(Tedlc)は、商用電源200の主電源装置2から定着装置10へは1100W(Wfus_edlc_run)を供給することが可能となる。
【0066】
すなわち、直流負荷であるシステム部で必要な電力500Wのうち200Wを補助電源から供給することで、商用電源200からシステム部へ供給する電力は300wに抑える。主電源装置2の定格は1500w(Wall_wu)であるため、商用電源200には定着用途に1200Wまで使うことができ、必要な1100w(Wfus_edlc_run)は十分供給する余裕ができる。
【0067】
これに対し、従来の厚肉ローラでは立ち上げ時間を長くして蓄熱した熱エネルギーで立ち上げ直後の電力不足を補っていた。また、従来の補助電源と補助ヒータを用いる構成では、補助ヒータの加熱より電力不足を補っていた。このため、連続通紙で転写紙Pに奪われる熱量が多い場合、主電源装置2からの給電だけでは定着電力が足りず、図8に縦軸を加熱ローラの温度、横軸を時間とした温度特性図に破線で示すように、定着に必要な最低温度を下回ってしまう場合でも、補助電源装置300からシステム部へ給電した場合には図中実線で示すように、落込を小さくすることが可能である。このため、単位時間あたりの通紙をより多くした機械の高速化が可能で、厚紙への対応なども可能となる。
【0068】
また、補助電源装置300の、残電力検知や、電圧検知手段などの状態検知手段を有していて、状態検知手段からの検知情報で残電力が所定値よりも少ない(残量ゼロも含む)場合、画像形成動作中であれば、補助給電を停止して、プリント速度(cpm)をダウンするなどのプリント物の生産性を落として画像品質を確保するとともに、印刷前に残電力がないことを確認できれば、はじめからプリント速度(cpm)をダウンして画像品質を確保するようにしても良い。
【0069】
連続通紙時に補助電源装置300からシステム部へ給電する構成ではなく、図9〜図11に示すように、立ち上げ時に補助電源装置300からシステム部へ給電する構成により、立ち上げ時間を短縮することも可能である。
【0070】
図9は、画像形成装置のシステム部への給電と立ち上がり時の補給給電の関係を示す特性図であり、図10は給電と立ち上がり時の加熱ローラ1(加熱部材)温度と、ハロゲンヒータ60とシステム部での消費電力と、各電源装置からの供給電力の関係を示し、図11は加熱ローラ1の温度上昇特性を示す図である。図9において縦軸は必要な電力量、横軸は時間をそれぞれ示す。図11において縦軸は加熱ローラ1の温度、横軸は時間をそれぞれ示す。
【0071】
すなわち、図9,図10において、補助電源装置3から給電のない立上げ時Twuにシステム部での要求電力を300W、定着系(ハロゲンヒータ60)で使かえる電力を1200Wとした場合、ハロゲンヒータ60の定格電力(Wfus_edlc_wu)を予め大きく、例えば1350Wに設定しておき、所定温度(定着温度)になるまでは、この多くした分の電力(150W)を補助電源装置3からシステム部に給電することで、ハロゲンヒータ60に対する主電源装置2から利用可能な電力を増加することができる。このため、図11示すように、主電源装置2だけを用いるより、主電源装置2と補助電源装置300を同時に用い、補助電源をシステム部に給電した方が昇温時間を短くすることができる。
【0072】
次に、図12を参照して、画像読取光学部200で読み取った原稿画像の処理について説明する。図12は、図1に示した画像形成装置の画像処理構成を示すブロック図である。画像形成装置における画像読取光学部200は、CCD226と、増幅手段250と、サンプルホールド(S/H)回路251と、A/D変換回路252と、CCDドライバ260と、パルスジェネレータと261、クロックジェネレータ262とを備えた構成とされている。
【0073】
この画像読取光学部200において、光源227(図1参照)は、複写すべき原稿やキャリブレーションパターンを照射し、この反射光は反射ミラー228,229,230(図1参照)、結像レンズ225等を経てCCD226(図1参照)に入光する。増幅回路250はこのアナログ信号を増幅する。アナログ信号をデジタル信号に変換するために、S/H回路251は一定のタイミング毎にこの増幅された信号をサンプルホールドする。このときの値をA/D変換回路252が例えば8ビット信号値で表したデジタル信号に変換する。
【0074】
増幅回路250の増幅率は、デジタル信号がこのビット値の範囲に収まるように増幅する。すなわち増幅回路250の増幅率は、ある特定の原稿濃度を読み取った後のA/D変換回路252の出力値が所望の値となるように設定される。
【0075】
増幅率の調節は、例えば以下のような手順により行われる。
先ず増幅器13の増幅率と光量を所定の値に固定して、CCD226の電気信号を走査する。次ぎに、増幅器13の出力するアナログ信号の強度をCPUに送り、所望の値と比較して増幅率を調節するパラメータである増幅パラメータを設定し、増幅回路の増幅率の調節を行う。増幅回路250は、通常の増幅率であればA/D変換後の値が例えば240値となる信号を、シェーディング補正時においては増幅率を下げ、A/D変換後のデジタル信号値を例えば180値と小さく出力する。これはシェーディング補正の感度を上げるために行うものである。その理由は、通常のコピー時の増幅率によりシェーディング補正を行うと、反射光が多い場合には、A/D変換後の8ビット信号が最大値255値に飽和する部分が生じてしまい、シェーディング補正に誤差が生じるからである。
【0076】
CCDドライバ260は、CCD226を駆動するためのパルス信号を供給する。パルスジェネレータ261は、CCDドライバ260を駆動する必要なパルス源を供給し、CCD226からの信号をS/H回路251がサンプルホールドするための必要なタイミングを供給する。クロックジェネレータ262は、水晶発振子などからなり、パルスジェネレータ261に基準となる発振信号を供給する。
次に、画像形成装置である複写機におけるIPU部270について説明する。図12に示すように、複写機におけるIPU部270は、シェーディング補正回路253Aと、エリア処理回路253Bと、スキャナγ変換回路254と、画像メモリ255と、画像分離回路256と、色補正処理回路257と、変倍回路258と、画像加工回路259とを備えて構成されている。
このIPU部270において、シェーディング補正回路253Aは、白レベル(光量が多い場合の電気信号)を補正する。すなわち、光源(非図示)を白色基準板(非図示)に移動させて照射光を照射することにより行い、反射光が反射ミラー(非図示)や結像レンズ(非図示)等を通過する際に生じる白色データのばらつきやCCD226の感度のばらつき等を補正する。
【0077】
エリア処理回路253Bは、現在処理を行っている画像データが原稿内のどの領域に属するかを区別するための領域信号(エリア信号)を発生させる。この回路から出力された領域信号により、後段の各処理部で用いる画像処理パラメータを切換える。すなわち、原稿G上の指定されたエリア情報と画像読取時の読取位置情報とを比較し、エリア処理回路253Bからエリア信号が発生される。そして、エリア信号に基づいて、スキャナγ変換回路254、色補正処理回路257、画像加工回路259で使用するパラメータを変更する。これらの画像処理パラメータは、通常の画像処理パラメータのテーブルから選択するが、パラメータ演算部において演算されたカラー複写機の読取特性に対応した画像処理パラメータのテーブルから選択するようにしてもよい。
(比較例)
CCD226は光源227の反射光を読み取るが、図6に示すように光源227は直流負荷M2に割り当てられており、24VのDC電源によって駆動されるとともに、主電源装置2と補助電源装置300からの給電を切換えて駆動される。このため、主電源装置2と補助電源装置300の供給電圧が変化することによって光源227の発光量が変化してしまう。このため、増幅回路250において設定される増幅率が電圧変動後は不適当な値となるため、出力される画像濃度が電源装置切換え前後で変化してしまうという不具合となる。
【0078】
この画像濃度変動を図13に模式的に示す。図13において、横軸は原稿Gの読取を開始してからの時間で、画像における位置と等価となる。縦軸は均一画像の原稿を出力したときの画像濃度である。図からわかるように、2枚目の原稿を読込む途中で電源切換え要求が発生し、略同時に電源を切換えている。このため、光源227の光量が変動して2枚目画像の先端と後端で濃度差が発生してしまっている。
【0079】
そこで、図14に示すように、電源装置の切換えを、原稿読取動作中以外に行うようにすることで、1枚の出力画像中で濃度変動が現れないようにする。例えば、同原稿を複数部数印刷する場合には、補助電源装置300からの電力供給時間を電源切換え要求が来ても実際の電源切換え動作を、所定の時間より遅らせて実施することで、画像濃度の変動した低画質の出力を防止することができる。これは、原稿枚数が少ない場合に特に有効である。
【0080】
図15に示すように、補助電源装置300と主電源装置2からのDC給電を切換える要求発生に対して、原稿読取動作を一旦中断もしくは取得した画像データを破棄すると共に、電源装置を切換えて、改めて原稿読み取り動作を開始し、新規に全域を読み取る。これによって、濃度の変動ムラのあるデータでなく、均一な濃度の画像を得ることが可能となる。
【0081】
蓄電装置3は、その残量が任意の状態で放電を停止できるため、過放電をすることがなくなる。過放電は蓄電装置3にとっては避けねばならない動作状態であり、電気二重層キャパシタでは、例えば複数の容量バラツキの大きくなったセルを直列に接続している状態で過放電をすると、逆電圧にまで下がってしまうセルが出る可能性がある。また、リチウムイオン電池やNI−MH電池では、過放電をしすぎるとダメージが大きく、大きく寿命を損なうことになってしまう。容量の小さい補助電源で何枚原稿があっても対応可能となる。
【0082】
図16に示すように、複数枚の原稿を読み取っている時に電源切換え要求が発生した場合に、電源切換え動作の実施時期をT2だけ延長し、1枚の原稿読取が終了した原稿読み取りの合間T1に電源を切換えて、次の原稿読取を続ける構成である。なお、電源切換え後光量が安定するまでやや時間がかかることがあるため、通常の原稿送り時間間隔Tよりも、切換え動作を実行する際の読み取り原稿送り時間間隔T1を長くする構成が望ましい。このような場合、原稿読取を中断することによる生産性低下がなく、ライン読み取り機構などの同一原稿の再読取など原稿ハンドリングが困難である原稿送り機構であっても画像中の濃度変動が発生しない。
【0083】
図17に示すように、電源装置の切換え後に読取データの増幅率を変化させることにより画像の濃度変動を低減させることができる。図18に示すように原稿読み取り中に電源切換え要求が発生すると即座に電源切換えを実行してもよいが、読み取りデータを受ける増幅回路によって増幅率を変更すると処理の時間遅れが発生して濃度変動が残ってしまう。
【0084】
このため、図17に示すように原稿読み取り動作をしていない状態で電源を切換え、その後増幅回路における増幅率を変更することが望ましい。また、増幅率の値は電源切換え後に増幅率調整動作を行って得る値を利用しても良いし、原稿読取開始前にあらかじめ主電源装置2からの給電による増幅率とともに、補助電源装置300からの給電による増幅率を求めて保持しておき、切換え動作後の増幅率は保持していた値を呼び出して適用する構成としても良い。このため、原稿が複数枚あった場合でも、電源切換え前後の出力画像の濃度変動を抑えることが可能となる。
【0085】
図19に示すように、電源装置の切換え動作を行って図中破線で示す光量変動による影響のある読取データd1デーを保持すると共に、電源装置の切換え時の読取位置情報P1を記憶し、この読取位置情報に応じて、保持していた読取後のデータに増幅率補正を行うようにしてもよい。
【0086】
図12のCCD226で取得して、電源装置切換え前に設定していた本来不適切な増幅率で増幅されたデータを、例えば画像メモリ回路255や、図示しないHDDに蓄積し、原稿読取り時の不適切な増幅率を補正するように画像濃度を例えば画像加工回路259などを用いて濃度補正を行う構成とする。どのエリアの画像データに濃度補正を入れるかは、電源切換え時に保持していた発生タイミング情報とエリア処理回路253Bで保持している領域データ情報を対照させることで特定することができる。
【0087】
アナログ情報をリアルタイムで増幅するのでなく、一端記憶保持した画像情報に対して増幅率の補正を行うため、スキャン途中で切換え動作の入った濃度変動のある画像データでも、濃度変動のない高画質な画像を提供することができる。
【0088】
このように、スキャナなどの画像読取光学部200では、電源の出力電圧が異なることで読取用ランプとなる照明227の発光量が変化し、電源の切換え前後で画像の濃度が変化してしまうことがわかった。例えば1枚の転写紙Pをスキャンしている途中で電源の切換え動作を行うと照明227の駆動電圧が変化してランプの発光の強さが変わるため、出力画像における電源切換え位置の前後の領域で画像濃度が変化してムラのある画像となってしまうが、上述のように、画像読取動作時には給電をしないので、スキャン中に照明227の光量の変動がなく1枚の画像中で濃度変動が発生しないため、簡素な構成と切換え制御で高画質画像の形成することができる。
【0089】
画像読み取りを中断してから電源装置を切換えるため、画像読み取り中に光源227の光量の変動がなく1枚の画像中で濃度変動が発生しない。蓄電装置3を所定の電圧以下もしくは所定の時間以上無理に放電することが無いので、充電時間の短縮と、特に二次電池では寿命を延ばすことができる。容量の小さい補助電源装置300で何枚原稿があっても対応かることができる。また、原稿読取の合間に電源装置を切換えるため、1枚の画像中で濃度変動が発生しなくなり、簡素な構成と切換え制御で高品質な画像を得られる。
【0090】
原稿Gが複数枚あった場合には、電源装置を切換えた前後で光源227の発光量が変化し、出力画像の濃度が変化してしまうという問題があるが、この場合には、電源装置の切換え前に読み取った出直画像に比べて、切換え後の画像は濃度が濃いもしくは、薄い画像となってしまうので、電源装置の切換え後にゲインを変更するため、複数枚原稿Gから複写物を形成する場合でも、切換え前後の出力画像に濃度変動が発生しなくなり、簡素な構成と切換え制御で高品質な画像を得られる。
【符号の説明】
【0091】
2 主電源装置
3 蓄電装置(電気二重層キャパシタ)
6 補助電源装置
60 交流負荷
200 画像読取部
G 原稿
d1 電源装置切換動作時の読取データ
M1,M2 直流負荷
P1電源装置切換時の読取位置
T,T1 原稿読取動作と原稿読取動作の合間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開平10−282821号公報
【特許文献2】特開2000−315567号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助電源を有する画像形成装置に関し、特に、補助電源から直流負荷に対して電力を供給することで、電源ラインの最大供給可能電力を越えずに、大電力を利用できるようにする電力の平準化技術を備えた電子写真方式の複写機やプリンターなどに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置の定着装置としては、高速性、安全性等の面からヒートローラ方式が現在最も多く採用されている。ヒートローラ方式とは、発熱体となるハロゲンヒータによって加熱される加熱部材としての加熱ローラと、これに対向配置される対向回転体であり加圧回転体を構成する加圧ローラを圧接してニップ部と呼ばれる相互圧接部を形成し、両ローラ間に転写紙Pを通過させて加熱する方式である。
【0003】
金属性の加熱ローラは熱容量が大きいため、定着に必要な温度、(以下、「定着温度」と記す)である約180℃前後に昇温するために数分から十分程度かかる。そこで、プリントを行わない待機時にも、温度を所定の温度に保ち、すぐに使用できるように待機時エネルギーを消費している。
【0004】
近年、環境保護意識の高まりから各国で省エネ規制が制定されている。国内では省エネ法が改正されて強化され、米国でもエナジースターやZESM(Zero Energy Star Mode)などの省エネプログラムが制定されている。これらの規制やプログラムに対応するべく省電力化を図る際には、上記待機時消費エネルギーを削減すると効果が大きく、複写機未使用時の待機時電力供給をゼロにすることが望ましい。
【0005】
しかし、従来の定着装置の構成のままで待機時の電力をゼロにすると、再立ち上げ時には加熱ローラの昇温時間が数分かかってしまい、待ち時間が長く使用者の使い勝手が悪化してしまう。このため、速やかに加熱ローラ温度を上昇させる構成が、省エネの複写機を実現する上で必要とされ、例えば、前記ZESMでは再立ち上げには10秒以下が要求されている。
【0006】
そこで、加熱ローラを薄肉化して短時間で昇温する構成が中低速層では広まってきているが、60cpm以上の高速なプリント速度では採用が困難であった。これは、高速層では単位時間あたりの通紙枚数が多いため紙が定着ローラから奪う熱量が多く、熱容量が小さいと温度低下が発生しやすかったためである。
通紙中の温度低下解決するために、電源電圧を200Vにして大電力を供給する機器もあるが、設置場所の電源に特別な工ことを施す必要があり一般的な解決法とはいえない。また、100V15Aを2系統用いて総投入電力を上げる製品も実用化されているが、2系統のコンセントが近くにないと設置することが困難であった。このため、これまでは短時間で加熱ローラを昇温させようとしても、投入エネルギーの上限は上げられないのが実状であった。
【0007】
そこで、特許文献1、2では、二次電池やキャパシタを補助電源に用いて最大供給電力を増やし、短時間昇温を実現する以下の構成が提案されている。
【0008】
この従来の補助電源方式について説明すると、発熱部材はハロゲンヒータなどの発熱体を複数有している。発熱体は主電源装置2からの電力供給により発熱し、例えば100V1200wのハロゲンヒータを用いている。発熱体は補助電源からの電力供給により発熱し、例えば50V500wのハロゲンヒータで構成されている。
【0009】
このような従来の構成におい、発熱部材には、主電源装置から発熱部材に給電するのに加えて、補助電源装置から補助発熱熱部材に給電可能である。補助電源装置は充電器によって電力を蓄えられ、残電力や画像形成装置の状態に応じて任意のタイミングで供電することができる。これにより、主電源装置2による最大供給電力を上回る電力を発熱部材に供給し、定着ローラを加熱することができる。
【0010】
このため、発熱部の温度が室温から所定の温度になるまでの温度上昇時間(立上時給電)は、主電源装置だけを用いるより、主電源装置と補助電源装置を同時に用いた方が昇温時間を短くすることができる。さらに、大容量キャパシタは放電することで電圧が低下して電力が供給できなくなるため、装置が暴走した際には昇温が低減するため、安全な短時間昇温装置を実現することが可能である。
【0011】
また、高速層や厚紙の連続通紙時では、転写紙に奪われる熱量が多く、連続通紙時の給電は、主電源装置からの給電だけでは必要な温度を維持しにくい場合でも、補助電源装置からの給電を加えることで温度を維持して画像品質の劣化を防止することが可能であり、高速化や対応する紙種を広げることが可能である。なおこの場合でも、キャパシタが放電するにつれて電圧が低下し、電力が供給できなくなるため、装置が暴走した際には昇温が低減してくれるため、安全な短時間昇温装置を実現することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
補助電源装置をヒータに給電する構成では、補助ヒータを追加する必要があるため、加熱ローラサイズの小型化や、低熱容量化したローラ構成で暴走時の昇温が大きく安全性が低下してしまう。このため、例えば、定着装置以外の画像形成装置を構成するシステム部の直流負荷に対して補助給電装置から給電を行う構成が本出願人から提案されている。この提案により交流負荷である定着ヒータに供給する電力を増やすことができている。
【0013】
しかしながら、蓄電装置による補助電源では補助給電可能な時間に制限があるため、直流負荷は、補助電源装置から主電源装置、あるいは主電源装置から補助電源装置へ電源を切換えて電力供給を行う必要がある。この場合、電源装置に使われる部品の公差やバラツキ、構成の違いなどから出力電圧、電力など出力に微妙な違いがあり、画像形成装置の画質が低下することが想定される。
【0014】
本発明は、簡単な構成、及び制御方法により、主電源装置と補助電源装置を切換えても画像濃度ムラのない高画質な画像を得られる画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、交流負荷と前記直流負荷へ電力を供給する主電源装置と、直流負荷へ電力を供給する蓄電可能な補助電源装置を有し、主電源装置と補助電源装置を切換えて直流負荷へ電力を供給可能であり、原稿読取機能を備えた画像形成装置において、電源装置の切換え後に、読取データの増幅率を変化させることを特徴としている。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、変化させる増幅率の値として、電源切換え時に記憶していた所定の値を用いることを特徴としている。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、変化させる増幅率の値として、電源切換え時に増幅率調整動作を行って得る値を用いることを特徴としている。
【0018】
請求項4の発明は、交流負荷と直流負荷へ電力を供給する主電源装置と、直流負荷へ電力を供給する蓄電可能な補助電源装置を有し、主電源装置と補助電源装置を切換えて直流負荷へ電力を供給可能であり、原稿読取機能を備えた画像形成装置において、電源装置の切換え動作を行った時の読取データを保持すると共に、電源装置切換え時の読取位置情報を記憶し、この読取位置情報に応じて、保持していた読取後のデータに増幅率補正を行うことを特徴としている。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1つに記載の画像形成装置において、補助電源装置に少なくとも電気二重層キャパシタを有することを特徴としている。
【0020】
すなわち、請求項1〜3の発明では、原稿が複数枚あった場合には、電源装置を切換えた前後で読取装置のランプの発光量が変化し、出力画像の濃度が変化してしまうという問題がでる。すなわち、切換え前に読み取った出直画像に比べて、切換え後の画像は濃度が濃いもしくは、薄い画像となってしまうことを解決する。
【0021】
請求項4の発明では、読取動作の中断による生産性低下や、切換え時期の延長による所定値以上の過放電を解決し、請求項5の発明では、耐久性、信頼性の高い、小型の補助電源システムを実現する。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の発明によれば、電源装置の切換え後に、読取データの増幅率を変化させるので、複数枚原稿を形成する場合でも、切換え前後の出力画像に濃度変動が発生しなくなり、簡素な構成と切換え制御で高画質な画像を得られる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、変化させる増幅率の値として、電源切換え時に記憶していた所定の値を用いるので、切換え時に増幅率の調整動作が不要となり、より簡素な構成と切換え制御で高画質な画像を得られる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、変化させる増幅率の値として、電源切換え時に増幅率調整動作を行って得る値を用いるので、画質を向上することができる。
【0025】
請求項4記載の発明によれば、電源装置の切換え動作を行った時の読取データを保持すると共に、電源装置切換え時の読取位置情報を記憶し、この読取位置情報に応じて、保持していた読取後のデータに増幅率補正を行うので、読取途中で切換え動作の入った濃度変動のある画像データでも、後から増幅率の補正を行うことで濃度変動のない高画質な画像を提供することができるので、任意のタイミングで直流電源装置の切換えを行うことができ、読取動作の中断による生産性低下や、切換え時期の延長による所定値以上の過放電を防止することができる。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、補助電源装置に少なくとも電気二重層キャパシタを有するので、エネルギー密度の小さいキャパシタでも利用することができるため、耐久性、信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明が適用された画像形成装置の一形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明が適用されるローラ定着方式の定着装置の一形態を示す断面図である。
【図3】本発明が適用されるベルト定着方式の定着装置の一形態を示す断面図である。
【図4】磁束発生手段で構成された加熱手段の一形態を示す断面図である。
【図5】(a)は発熱部材がローラ軸線方向の略全域に配置された構成図であり、(b)は発熱部材がローラ軸線方向にずらして配置された構成図である。
【図6】画像形成装置の給電制御の主要部の構成を示すブロック図である。
【図7】通紙時に補助電源装置を用いる給電パターンを示す図である。
【図8】通紙時における電力供給手段の違いによる加熱部材の温度特性を示す図である。
【図9】立ち上げ時から補助電源装置を用いる給電パターンを示す図である。
【図10】電力供給手段側の電力変動と画像形成装置側での消費電力と加熱部材の温度変動の関係を示す図である。
【図11】電力供給手段の違いによる加熱部材の温度特性を示す図である。
【図12】画像形成装置の画像処理構成を示すブロック図である
【図13】電源装置の切換えによる画像濃度変動を模式的に示す図である。
【図14】電源装置の切換え時期をずらした場合の画像濃度変動を模式的に示す図である。
【図15】原稿読取動作を中断した後に電源装置の切換え行いその後に再読込みした場合の画像濃度変動を模式的に示す図である。
【図16】原稿読取動作の合間に電源装置の切換えを行った場合の画像濃度変動を模式的に示す図である。
【図17】電源装置の切換え後に読取データの増幅率を変化させる制御形態を模式的に示す図である。
【図18】電源装置の切換時に読取データの増幅率を変化させる制御形態を模式的に示す図である。
【図19】電源切換時の読取データの増幅率を電源切換位置に応じて変化させる制御形態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1に、本発明が適用された画像形成装置の断面の模式図を示す。この画像形成装置は、装置本体の上部に読取系を構成する原稿読取手段としての画像読取光学部200を備えている。画像読取光学部200は、キャリッジ223,224、結像レンズ225、CCD226を備えている。キャリッジ223には光源227と第1ミラー228が、キャリッジ224には第2ミラー229と第3ミラー230がそれぞれ備えられている。キャリッジ223,224は、図示しない駆動源となるモータによって副走査方向に移動する。その際、キャリッジ224の移動量はキャリッジ223の半分となっている。これにより、副走査方向のどの位置にキャリッジ223および224が移動している状態でも、原稿載置部201aに載置された原稿Gの原稿面からCCD226までの光路長を一定に維持しつつ画像読取位置を副走査方向に移動させることが可能とされている。
【0029】
光源227は、原稿載置部201の下方に配置されていて、原稿Gに向けて発光するものである。原稿からの反射光は、第1ミラー228、第2ミラー229および第3ミラー230によって結像レンズ225へ導かれ、所定の縮小倍率でCCD226の受像面に結像させる。CCD226は、原稿Gの画像を読み取るセンサであり、原稿Gからの反射光に応じて画像信号を生成する。
【0030】
図1において、符号41は回転体からなる像担持体の一例であってドラム形状の感光体を示す。この感光体41は、装置本体内部に配置されていて、その周囲には、矢印で示す向きの回転方向順に、帯電ローラからなる帯電装置42、露光手段の一部を構成するミラー43、現像ローラ44aを備えた現像手段44、転写紙Pに現像画像を転写する転写装置48、感光体41の周面に摺接するブレード46aを具備したクリーニング手段46などが配置されている。帯電装置42と現像ローラ44aとの間に位置する感光体41の表面には、ミラー43を介して露光光Lbが走査されるように構成されている。この露光光Lbの照射位置を露光部150と呼ぶ。
【0031】
転写装置48は感光体表面と対向配置されていて、両者の間に転写部47を形成している。転写部47には、給紙装置50が有する給紙トレイ51から搬送系を構成する給紙コロ110及びレジストローラ対49を介して転写紙Pが搬送される。搬送された転写紙Pには、転写部47において転写装置48から印加される転写バイアスによって感光体41上のトナー画像(顕画像)が静電的に転写される。トナー画像(顕画像)が転写された転写紙Pは、転写部47よりも下流に配置された定着装置10へと図示しない搬送系を構成する図示しない搬送ローラ等で適宜搬送される。
【0032】
定着装置とこれに関連する構成部について説明する。
定着装置10としては、図2に示すローラ定着方式と図3に示すベルト定着方式がある。図1に示す画像形成装置の定着装置10には、図2に示すローラ定着方式を用いているが、図3に示すベルト定着方式のものを用いても良い。
【0033】
定着装置10は、図示しない駆動源によって回転される加熱ローラ1と、加熱ローラ1の外周面に圧接して圧接ニップ部52を形成する加圧ローラ7とを備え、圧接ニップ部52に未定着像であるトナー画像Tを転写された転写紙Pを導入して挟持搬送させることで、トナー画像Tを転写紙Pに熱と圧力で固着するものである。加熱ローラ1は、その内部に発熱部材としてのハロゲンヒータ60を備えていて、このハロゲンヒータ60に電力が供給されて発熱することで、その表面が所定の温度である定着温度まで昇温される。図2において符号Tで示すトナー画像は定着前の状態を示している。
【0034】
図3に示すベルト定着方式の定着装置100は、無端ベルトで構成された定着部材としての定着ベルト101と、定着ベルト101が巻き掛けられる複数のバックアップ部材としての定着ローラ102と加熱ローラ103と、定着ベルト101を間に挟んで一方のローラとしての定着ローラ102との間に圧接ニップ部52を形成する加圧部材であり対向回転体となる加圧ローラ104を備え、圧接ニップ部52にトナー画像Tを転写された転写紙Pを導入して挟持搬送させることで、トナー画像Tを転写紙Pに熱と圧力で固着するものである。
【0035】
加熱ローラ103は、その内部に発熱部材としてのハロゲンヒータ60を備えていて、加熱部材を構成している。加熱ローラ103は、ハロゲンヒータ60に電力が供給されて発熱することで、ローラを介して定着ベルト101の表面を定着温度まで昇温する。この定着装置100では、転写紙Pを搬送するために定着ローラ102と加圧ローラ104が図示しない駆動源となる駆動モータから駆動力を伝達されるように構成されている。このため、図3において、定着ローラ102は時計回り方向に回転駆動されて定着ベルト101も同方向に回転移動し、加圧ローラ104は反時計回り方向に回転駆動される。駆動形態としては、定着ローラ101あるいは加圧ローラ104の何れか一方が駆動力を受けて回転駆動する形態であってもよい。
【0036】
図2に示すように、加熱ローラ1は、金属製で筒状のローラ基体63の内部にハロゲンヒータ60を備えている。ハロゲンヒータ60は、その輻射熱でローラ基体63を加熱してローラ表面温度を昇温するように構成されている。ローラ基体63は、加熱ローラ1の基体として機能することから、アルミや鉄などの金属製であることが耐久性や加圧による変形などの点を考慮すると望ましい。本形態では、ローラ表面となるローラ基体63の外周面にトナー等の固着を防ぐための離型層1aが形成されている。ローラ内面、すなわち、ローラ基体63の内周面には、ハロゲンヒータ60の熱を効率よく吸収するための黒化処理をすることが望ましい。加圧ローラ7は、その芯金7aの外周にゴムなどの弾性層7bを形成されていて、加熱ローラ1との圧接時に弾性変形して圧接ニップ部52が十分に形成されるように構成されている。
【0037】
図3に示すように、加熱ローラ103は、定着ローラ102よりも、その直径が小径に形成されている。加熱ローラ103は、金属製で筒状のローラ基体103aの内部にハロゲンヒータ60を備えている。ハロゲンヒータ60は、その輻射熱でローラ基体103aを加熱してローラ表面温度を昇温して定着ベルト101を加熱昇温するように構成されている。この加熱ローラ103は、加圧ローラ104と対向しないで、定着ベルト101に張力を与えるように機能するので、図2の加熱ローラ1よりもローラ基体103aの肉厚が薄く構成されている。このため、金属部分が小径で薄肉化されているので、その熱容量が加熱ローラ1よりも小さく、従来のような補助ヒータが不要となる。ローラ内面、すなわち、ローラ基体103aの内周面には、ハロゲンヒータ60の熱を効率よく吸収するための黒化処理をすることが望ましい。加圧ローラ104は、その芯金104aの外周にゴムなどの弾性層104bが形成されていて、加熱ローラ102との圧接時に弾性変形して圧接ニップ部52が十分に形成されるように構成されている。
【0038】
本形態において、ハロゲンヒータ60は、100Vで1200Wの出力のものを1本用いている。ハロゲンヒータ60は、図5(a)に示すように各ローラの軸線方向の全域に設ける形態としても良いし、図5(b)に示すように各ローラ中央部のみを加熱する第1ヒータ60aと、ローラ両端部のみを加熱する第2ヒータ60bとを設け、用紙サイズに応じて各ヒータへの給電を制御して非通紙部の昇温を防止する構成としてもよい。この場合、発熱部材は複数となるが、何れか一方が補助ヒータとして機能するのではなく、双方共に主ヒータとして機能する。
【0039】
本形態において、各加熱部材はそれぞれ発熱部材となるハロゲンヒータ60で加熱されているが、加熱形態としては、このような形態に限定されるものではない。例えば、板状のセラミックヒータを各ローラの内部に配置して用いても良い。あるいは、図4に示すように、円弧状のコア701にコイル702を巻いて磁束発生手段700を構成し、コイル702に高周波を流して交番磁界によってコア701を誘導加熱して温度を昇温させる構成としても良い。この場合、加熱部材がコイル702となり、発熱部材がコア701となる。このような加熱形態としては、加熱ローラ103自体が加熱されなくても良い。
【0040】
磁束発生手段700を加熱手段として利用するメリットは、ハロゲンヒータ60の電力調整には、一般にオン/オフ制御や位相制御、もしくはゼロクロス制御などを用いるが、その出力制御はオン時間とオフ時間を混在させて平均電力を調整する方式である。このため、昇温性(立ち上がり特性)という点では好ましいが、厳密に電力の調整をすることが難しい。これに対し、誘導加熱構成では、コイル702への周波数を変化させることで加熱のための出力電力を変更することができるため、電力調整が容易であることが利点である。また、加熱ローラ内部にハロゲンヒータを同時に内包することで、待機状態などローラ非回転時でもローラ全体を加熱しておくことができるようにする構成としてもよい。
【0041】
本形態の画像形成装置において、画像形成は次のようにして行われる。感光体41が回転を始め、この回転中に感光体41が暗中において帯電装置42により均一に帯電され、画像読取光学部200で得られた画像情報をもとに露光光Lbが露光部150に照射、走査されて作成すべき画像に対応した潜像が形成される。この潜像は感光体41の回転により現像装置44に移動してきて、ここでトナーにより可視像化されてトナー像が形成される。
【0042】
一方、給紙コロ110により給紙トレイ上の転写紙Pの送給が開始され、破線で示す搬送経路を経て一対のレジストローラ49の位置で一旦停止し、感光体41上のトナー像と転写部47で合致するように送り出しのタイミングを待つ。かかる好適なタイミングが到来すると、レジストローラ49に停止していた転写紙Pはレジストローラ49から送り出され、転写部47に向けて搬送される。感光体41上のトナー像と転写紙Pとは、転写部47で合致し、転写部材48による電界により、トナー像は転写紙P上に転写される。
【0043】
こうして感光体41及びその周囲に配置された各構成要素からなる画像形成部で形成されたトナー像を担持した転写紙Pは、定着装置10に向けて送り出される。定着装置10ではハロゲンヒータ60に通電されて発熱することで加熱ローラ1が定着温度まで昇温される。転写紙Pのトナー像は定着装置10のニップ部52を通過する際に、熱と圧力によって当該転写紙Pに定着されて図示省略の排紙部に排紙される。一方、転写部47で転写されずに感光体41上に残った残留トナーは、感光体41の回転と共にクリーニング装置46に至り、該クリーニング装置46を通過する間に清掃されて次の画像形成に備えられる。
【0044】
次に、画像形成装置の給電系統について説明する。
画像形成装置は、図1に示すように、主電源装置2と補助電源装置300とを備えている。主電源装置2は、商用電源200から電力を得て画像形成装置の構成部の交流負荷と直流負荷に対して給電を行う。補助電源装置300は蓄電装置3と充電器4と電圧調整回路5を有し、画像形成装置の直流負荷に対して電力を供給する。補助電源装置300では充電器4で蓄電装置3へ充電し、電圧調整回路5により直流負荷が必要とする電圧へ変化している。本形態では24Vと5Vに電圧変換する。
【0045】
本形態において、給電系統からの負荷には、交流負荷と直流負荷が存在する。交流負荷としては、図6に示すように、定着装置10のハロゲンヒータ60が挙げられる。直流負荷としては、周辺機、現像用、書込用、後処理用の駆動系や各部のファン、CPUや表示装置などのエンジン制御部など直流負荷М1や、読取光源227や搬送用の駆動源などの直流負荷М2で構成された、ハロゲンヒータ60以外の負荷であり、DC5V、DC24V等の直流定電圧の給電で駆動する負荷である。
【0046】
直流負荷M1は、主電源装置2からの供給電力だけで駆動する直流負荷で、各部駆動系、エンジン制御回路などである。直流負荷M2は、主電源装置2と補助電源装置300からの供給電力を切換えて駆動可能な直流負荷である。本形態では、後述する制御手段600によって補助電源装置300の残電力の検知結果と画像形成装置の動作条件に応じて給電電源の選択を行い、残電力が少なくなると主電源装置2からの給電に切り替わるように制御される。
【0047】
制御手段600は、画像形成装置各部の稼働情報を元に動作を決定する装置で、定着部温度検出手段としての温度センサ8からの温度情報に応じて、定着装置10への供給電力を制御する機能を有している。
【0048】
温度センサ8は、サーミスタ、熱電体、赤外線温度検知装置などで、制御手段600へ温度情報を送信している。制御手段600は、得られた温度情報を元に定着装置10のハロゲンヒータ60への給電を開始・停止及び増減するなどの制御を行う。
【0049】
補助電源装置300は蓄電装置3の状態を検出する手段3aを有している。制御手段600は、この検出手段3aから入力される残電力情報及び、蓄電装置温度や不具合検出等の各種状態情報に応じて補助電源装置300から供給する電力や充電状態を制御する。
【0050】
主電源装置2は、図1に示すプラグ51で商用電源200から電力を得て、図6に示す画像形成装置の交流負荷及び直流負荷である各部ユニットに給電を行う。一般的に、日本国内では100Vの電圧で15A程度の電流容量に制限されているため、主電源装置2からの供給電力は1500W程度が最大となる。交流負荷としてのハロゲンヒータ60など交流で駆動するものに対しては、商用電源200電圧や周波数をそのまま給電するが、周波数や電圧を調整して供給してもかまわない。直流で駆動する直流負荷に対しては、交流−直流変換と電圧変換により、AC100VをDC5Vや24Vに変換して画像形成装置各部の直流負荷M1,M2へ給電を行う。
【0051】
補助電源装置300は電気二重層キャパシタなどの蓄電装置3を有し、主電源装置2から充電器4によって充電される。充電器4は、補助電源に応じた主電源電力の電圧調整とAC/DC変換を行って、蓄電装置3へ給電して蓄電を行う。充電は補助電源状態を検知する検知手段3aによる検知情報に応じて行われ、充分充電されたと検知されると、充電を停止し、蓄電量が少ないと充電を開始する。
【0052】
補助電源装置300は、電源調整回路5を通して画像形成装置各部の直流負荷M2へ給電可能に構成されている。電圧調整回路5はDC/DCコンバータなど変圧手段であり、補助電源装置300からの出力をDC24Vの定電圧に調整する。これは、モータや光源227などの比較的使用電力の大きい装置が24V直流負荷のためである。
【0053】
補助電源装置300の電力は、主電源装置2の供給電力とともに画像形成装置へ供給可能とされている。このため、本形態では、商用電源200の定格電力を越える電力を画像形成装置に供給可能とされている。蓄電装置3としては、電気二重層キャパシタだけでなく、Liイオンやニッケル水素やリチウムイオンなどの二次電池でも、酸化還元を利用する疑似容量キャパシタなどであっても良いし、複数種のデバイスを適宜組み合わせたものでも構わない。
【0054】
本形態で用いる電気二重層キャパシタは、二次電池と異なって化学反応を伴わないため下記のような優れた特徴を有する。
【0055】
・充電時間が短い:二次電池として一般的なニッケル−カドミウム電池を用いた補助電源装置では、急速充電を行っても数十分〜数時間の時間を要するため、一日の大電力供給可能回数が数時間おきに数回しか実現できず、実用的ではなかった。これに対し、本形態のようなコンデンサを用いた補助電源装置300では数十秒〜数分程度の急速な充電が可能であるため、印刷をしておらず主電源装置2の供給電力に余裕のある時に充電を行い、補助電源装置300を用いた加熱の回数を実用的な回数にまで増やすことができる。
【0056】
・寿命が長い:ニッケル−カドミウム電池は充放電の繰り返し回数が500から1000回であるため、加熱時用補助電源としては寿命が短く、交換の手間やコストが問題となる。これに対し、コンデンサを用いた補助電源は1万回以上の寿命を有し、繰り返しの充放電による劣化も少ない。また、鉛蓄電池のように液交換や補充なども必要ないため、メンテナンスがほとんどいらない。
【0057】
・大電力を取りやすい:内部抵抗が5mΩ以下と電池に比べて小さいため20Aを越える大電流での使用も可能で、リチウム電池やニッケル水素電池などの二次電池よりもロスが小さく大電力を得やすい。近年は電気二重層コンデンサにも多量の電気エネルギーを蓄えられる物が開発されてきており、電気自動車などへの採用も検討されている。例えば、日本ケミコン株式会社の開発した電気二重層コンデンサ等は2.5Vで2000F程度の静電容量を有している。日本電子株式会社からは、耐電圧を3.2〜3.5Vへ上げて電力量密度を50〜75wh/kgと従来の5〜10倍にしたナノゲートキャパシタという技術が発表されている。
【0058】
本形態の補助電源装置300には、定格2.5v1200Fで、内部抵抗が5mΩ以下の直径40mmで長さが120mm程度のキャパシタセルを、8本直列に接続する20Vモジュールを使用している。直列に接続する際の各セルの電圧バランスを確保するために、図示しない電圧バランス回路を備えることで動作の長期的な安定性を確保することが可能である。補助電源装置300は、20Vの満充電状態から200wで給電を開始し、電圧を検知して半分の約10V程度まで放電をすると放電を停止する。
【0059】
この補助電源装置300からの補助電力は、前述した電圧調整回路5でDC24Vの定電圧に昇圧して調整され、非定着部のモータなどの負荷へ給電される。なお、昇圧だけでなく、セルの本数を増やして高圧のキャパシタモジュールを降圧しても、また、昇降圧して定電圧に調整してもかまわない。
【0060】
以上説明してきた画像形成装置における給電パターンを説明する。
補助電源装置3からの供給電力量は、ハロゲンヒータ60の定格電力よりも小さい電力であり、さらには、ハロゲンヒータ60の最大定格電力(1200W)と図7に示す補助電源装置3を使わない状態での電力Wfus_run(900W)との差(300W=1200W−900W)以内の電力を供給する構成とされている。
【0061】
電圧調整回路5は、DC/DCコンバータなどの変圧手段を有し、補助電源装置3からの出力電力を画像形成装置側の負荷に応じた所定の電圧に調整する用に構成されている。電圧調整回路5は、主電源装置2から定着装置10以外の複数の駆動系300へ給電する。電圧調整回路5は、複数の駆動系300がモータなどの比較的使用電力の大きい装置へ給電するDC24Vの定電圧出力としているが、定電圧に限るものではなく、駆動系300の負荷の入力許容電圧範囲が広い場合には、それに応じて電圧が変動する構成であってもかまわない。
【0062】
図7は、画像形成装置の稼動状態と供給電力の関係を示す図であり、縦軸が供給電力、横軸が時間をそれぞれ示す。図7に示すように、画像形成装置が立ち上がる(加熱ローラ1の温度の立ち上がり区間)Twuでは、主電源装置2からの給電はハロゲンヒータ60へ1200w(Wfus_wu)、その他の直流負荷へ300W給電し、画像形成装置全体への総給電力が1500Wに抑えられている。このため、この状態で駆動する負荷としては、エンジン制御部等の比較的消費電力が少ない駆動系である。このため、図8に示す立ち上がり時においては、主電源装置2からの単独の給電で各部での消費電力を賄える。
【0063】
印刷が始まると、画像読取光学部200の光源227や紙搬送モータ、現像装置の駆動モータやセンサなど画像形成動作に必要な電力が増えるため、直流負荷への電力は立上げ区間Twuでの300Wを超えてしまい、例えば約500Wが必要となる。交流負荷である定着電力も、加熱ローラ1を含む定着系が十分温まると900W(Wfus_run)程度の電力で十分となり、直流負荷の500Wとあわせて1400W(Wall_run)の電力で印刷が可能である。
【0064】
しかし、特に短時間で立ち上がる熱容量の小さい定着装置10では、十分に加熱しきれず、立ち上げ直後に必要な電力が大きくなる。たとえば、30秒で立ち上がって65cpm程度のプリント速度で複写をする装置では、立ち上げ直後だけは定着部で約1100W(Wfus_edlc_run)程度の電力が必要であった。この定着装置10の電力1100W(Wfus_edlc_run)と、定着以外のシステム部の電力500Wをそのまま給電しようとすると合計1600W(Wall_edlc_run)が必要で、商用電源200の定格電力1500Wを超えてしまう。
【0065】
ところが、定着装置10での大電力(1100W:Wfus_edlc_run)は連続通紙中に常時必要ではなく、立ち上げ直後の数分程度の短時間だけである。そこで、本発明のようにシステムへの給電電力を補助電源から例えば200W程度を数分間補助する間(Tedlc)は、商用電源200の主電源装置2から定着装置10へは1100W(Wfus_edlc_run)を供給することが可能となる。
【0066】
すなわち、直流負荷であるシステム部で必要な電力500Wのうち200Wを補助電源から供給することで、商用電源200からシステム部へ供給する電力は300wに抑える。主電源装置2の定格は1500w(Wall_wu)であるため、商用電源200には定着用途に1200Wまで使うことができ、必要な1100w(Wfus_edlc_run)は十分供給する余裕ができる。
【0067】
これに対し、従来の厚肉ローラでは立ち上げ時間を長くして蓄熱した熱エネルギーで立ち上げ直後の電力不足を補っていた。また、従来の補助電源と補助ヒータを用いる構成では、補助ヒータの加熱より電力不足を補っていた。このため、連続通紙で転写紙Pに奪われる熱量が多い場合、主電源装置2からの給電だけでは定着電力が足りず、図8に縦軸を加熱ローラの温度、横軸を時間とした温度特性図に破線で示すように、定着に必要な最低温度を下回ってしまう場合でも、補助電源装置300からシステム部へ給電した場合には図中実線で示すように、落込を小さくすることが可能である。このため、単位時間あたりの通紙をより多くした機械の高速化が可能で、厚紙への対応なども可能となる。
【0068】
また、補助電源装置300の、残電力検知や、電圧検知手段などの状態検知手段を有していて、状態検知手段からの検知情報で残電力が所定値よりも少ない(残量ゼロも含む)場合、画像形成動作中であれば、補助給電を停止して、プリント速度(cpm)をダウンするなどのプリント物の生産性を落として画像品質を確保するとともに、印刷前に残電力がないことを確認できれば、はじめからプリント速度(cpm)をダウンして画像品質を確保するようにしても良い。
【0069】
連続通紙時に補助電源装置300からシステム部へ給電する構成ではなく、図9〜図11に示すように、立ち上げ時に補助電源装置300からシステム部へ給電する構成により、立ち上げ時間を短縮することも可能である。
【0070】
図9は、画像形成装置のシステム部への給電と立ち上がり時の補給給電の関係を示す特性図であり、図10は給電と立ち上がり時の加熱ローラ1(加熱部材)温度と、ハロゲンヒータ60とシステム部での消費電力と、各電源装置からの供給電力の関係を示し、図11は加熱ローラ1の温度上昇特性を示す図である。図9において縦軸は必要な電力量、横軸は時間をそれぞれ示す。図11において縦軸は加熱ローラ1の温度、横軸は時間をそれぞれ示す。
【0071】
すなわち、図9,図10において、補助電源装置3から給電のない立上げ時Twuにシステム部での要求電力を300W、定着系(ハロゲンヒータ60)で使かえる電力を1200Wとした場合、ハロゲンヒータ60の定格電力(Wfus_edlc_wu)を予め大きく、例えば1350Wに設定しておき、所定温度(定着温度)になるまでは、この多くした分の電力(150W)を補助電源装置3からシステム部に給電することで、ハロゲンヒータ60に対する主電源装置2から利用可能な電力を増加することができる。このため、図11示すように、主電源装置2だけを用いるより、主電源装置2と補助電源装置300を同時に用い、補助電源をシステム部に給電した方が昇温時間を短くすることができる。
【0072】
次に、図12を参照して、画像読取光学部200で読み取った原稿画像の処理について説明する。図12は、図1に示した画像形成装置の画像処理構成を示すブロック図である。画像形成装置における画像読取光学部200は、CCD226と、増幅手段250と、サンプルホールド(S/H)回路251と、A/D変換回路252と、CCDドライバ260と、パルスジェネレータと261、クロックジェネレータ262とを備えた構成とされている。
【0073】
この画像読取光学部200において、光源227(図1参照)は、複写すべき原稿やキャリブレーションパターンを照射し、この反射光は反射ミラー228,229,230(図1参照)、結像レンズ225等を経てCCD226(図1参照)に入光する。増幅回路250はこのアナログ信号を増幅する。アナログ信号をデジタル信号に変換するために、S/H回路251は一定のタイミング毎にこの増幅された信号をサンプルホールドする。このときの値をA/D変換回路252が例えば8ビット信号値で表したデジタル信号に変換する。
【0074】
増幅回路250の増幅率は、デジタル信号がこのビット値の範囲に収まるように増幅する。すなわち増幅回路250の増幅率は、ある特定の原稿濃度を読み取った後のA/D変換回路252の出力値が所望の値となるように設定される。
【0075】
増幅率の調節は、例えば以下のような手順により行われる。
先ず増幅器13の増幅率と光量を所定の値に固定して、CCD226の電気信号を走査する。次ぎに、増幅器13の出力するアナログ信号の強度をCPUに送り、所望の値と比較して増幅率を調節するパラメータである増幅パラメータを設定し、増幅回路の増幅率の調節を行う。増幅回路250は、通常の増幅率であればA/D変換後の値が例えば240値となる信号を、シェーディング補正時においては増幅率を下げ、A/D変換後のデジタル信号値を例えば180値と小さく出力する。これはシェーディング補正の感度を上げるために行うものである。その理由は、通常のコピー時の増幅率によりシェーディング補正を行うと、反射光が多い場合には、A/D変換後の8ビット信号が最大値255値に飽和する部分が生じてしまい、シェーディング補正に誤差が生じるからである。
【0076】
CCDドライバ260は、CCD226を駆動するためのパルス信号を供給する。パルスジェネレータ261は、CCDドライバ260を駆動する必要なパルス源を供給し、CCD226からの信号をS/H回路251がサンプルホールドするための必要なタイミングを供給する。クロックジェネレータ262は、水晶発振子などからなり、パルスジェネレータ261に基準となる発振信号を供給する。
次に、画像形成装置である複写機におけるIPU部270について説明する。図12に示すように、複写機におけるIPU部270は、シェーディング補正回路253Aと、エリア処理回路253Bと、スキャナγ変換回路254と、画像メモリ255と、画像分離回路256と、色補正処理回路257と、変倍回路258と、画像加工回路259とを備えて構成されている。
このIPU部270において、シェーディング補正回路253Aは、白レベル(光量が多い場合の電気信号)を補正する。すなわち、光源(非図示)を白色基準板(非図示)に移動させて照射光を照射することにより行い、反射光が反射ミラー(非図示)や結像レンズ(非図示)等を通過する際に生じる白色データのばらつきやCCD226の感度のばらつき等を補正する。
【0077】
エリア処理回路253Bは、現在処理を行っている画像データが原稿内のどの領域に属するかを区別するための領域信号(エリア信号)を発生させる。この回路から出力された領域信号により、後段の各処理部で用いる画像処理パラメータを切換える。すなわち、原稿G上の指定されたエリア情報と画像読取時の読取位置情報とを比較し、エリア処理回路253Bからエリア信号が発生される。そして、エリア信号に基づいて、スキャナγ変換回路254、色補正処理回路257、画像加工回路259で使用するパラメータを変更する。これらの画像処理パラメータは、通常の画像処理パラメータのテーブルから選択するが、パラメータ演算部において演算されたカラー複写機の読取特性に対応した画像処理パラメータのテーブルから選択するようにしてもよい。
(比較例)
CCD226は光源227の反射光を読み取るが、図6に示すように光源227は直流負荷M2に割り当てられており、24VのDC電源によって駆動されるとともに、主電源装置2と補助電源装置300からの給電を切換えて駆動される。このため、主電源装置2と補助電源装置300の供給電圧が変化することによって光源227の発光量が変化してしまう。このため、増幅回路250において設定される増幅率が電圧変動後は不適当な値となるため、出力される画像濃度が電源装置切換え前後で変化してしまうという不具合となる。
【0078】
この画像濃度変動を図13に模式的に示す。図13において、横軸は原稿Gの読取を開始してからの時間で、画像における位置と等価となる。縦軸は均一画像の原稿を出力したときの画像濃度である。図からわかるように、2枚目の原稿を読込む途中で電源切換え要求が発生し、略同時に電源を切換えている。このため、光源227の光量が変動して2枚目画像の先端と後端で濃度差が発生してしまっている。
【0079】
そこで、図14に示すように、電源装置の切換えを、原稿読取動作中以外に行うようにすることで、1枚の出力画像中で濃度変動が現れないようにする。例えば、同原稿を複数部数印刷する場合には、補助電源装置300からの電力供給時間を電源切換え要求が来ても実際の電源切換え動作を、所定の時間より遅らせて実施することで、画像濃度の変動した低画質の出力を防止することができる。これは、原稿枚数が少ない場合に特に有効である。
【0080】
図15に示すように、補助電源装置300と主電源装置2からのDC給電を切換える要求発生に対して、原稿読取動作を一旦中断もしくは取得した画像データを破棄すると共に、電源装置を切換えて、改めて原稿読み取り動作を開始し、新規に全域を読み取る。これによって、濃度の変動ムラのあるデータでなく、均一な濃度の画像を得ることが可能となる。
【0081】
蓄電装置3は、その残量が任意の状態で放電を停止できるため、過放電をすることがなくなる。過放電は蓄電装置3にとっては避けねばならない動作状態であり、電気二重層キャパシタでは、例えば複数の容量バラツキの大きくなったセルを直列に接続している状態で過放電をすると、逆電圧にまで下がってしまうセルが出る可能性がある。また、リチウムイオン電池やNI−MH電池では、過放電をしすぎるとダメージが大きく、大きく寿命を損なうことになってしまう。容量の小さい補助電源で何枚原稿があっても対応可能となる。
【0082】
図16に示すように、複数枚の原稿を読み取っている時に電源切換え要求が発生した場合に、電源切換え動作の実施時期をT2だけ延長し、1枚の原稿読取が終了した原稿読み取りの合間T1に電源を切換えて、次の原稿読取を続ける構成である。なお、電源切換え後光量が安定するまでやや時間がかかることがあるため、通常の原稿送り時間間隔Tよりも、切換え動作を実行する際の読み取り原稿送り時間間隔T1を長くする構成が望ましい。このような場合、原稿読取を中断することによる生産性低下がなく、ライン読み取り機構などの同一原稿の再読取など原稿ハンドリングが困難である原稿送り機構であっても画像中の濃度変動が発生しない。
【0083】
図17に示すように、電源装置の切換え後に読取データの増幅率を変化させることにより画像の濃度変動を低減させることができる。図18に示すように原稿読み取り中に電源切換え要求が発生すると即座に電源切換えを実行してもよいが、読み取りデータを受ける増幅回路によって増幅率を変更すると処理の時間遅れが発生して濃度変動が残ってしまう。
【0084】
このため、図17に示すように原稿読み取り動作をしていない状態で電源を切換え、その後増幅回路における増幅率を変更することが望ましい。また、増幅率の値は電源切換え後に増幅率調整動作を行って得る値を利用しても良いし、原稿読取開始前にあらかじめ主電源装置2からの給電による増幅率とともに、補助電源装置300からの給電による増幅率を求めて保持しておき、切換え動作後の増幅率は保持していた値を呼び出して適用する構成としても良い。このため、原稿が複数枚あった場合でも、電源切換え前後の出力画像の濃度変動を抑えることが可能となる。
【0085】
図19に示すように、電源装置の切換え動作を行って図中破線で示す光量変動による影響のある読取データd1デーを保持すると共に、電源装置の切換え時の読取位置情報P1を記憶し、この読取位置情報に応じて、保持していた読取後のデータに増幅率補正を行うようにしてもよい。
【0086】
図12のCCD226で取得して、電源装置切換え前に設定していた本来不適切な増幅率で増幅されたデータを、例えば画像メモリ回路255や、図示しないHDDに蓄積し、原稿読取り時の不適切な増幅率を補正するように画像濃度を例えば画像加工回路259などを用いて濃度補正を行う構成とする。どのエリアの画像データに濃度補正を入れるかは、電源切換え時に保持していた発生タイミング情報とエリア処理回路253Bで保持している領域データ情報を対照させることで特定することができる。
【0087】
アナログ情報をリアルタイムで増幅するのでなく、一端記憶保持した画像情報に対して増幅率の補正を行うため、スキャン途中で切換え動作の入った濃度変動のある画像データでも、濃度変動のない高画質な画像を提供することができる。
【0088】
このように、スキャナなどの画像読取光学部200では、電源の出力電圧が異なることで読取用ランプとなる照明227の発光量が変化し、電源の切換え前後で画像の濃度が変化してしまうことがわかった。例えば1枚の転写紙Pをスキャンしている途中で電源の切換え動作を行うと照明227の駆動電圧が変化してランプの発光の強さが変わるため、出力画像における電源切換え位置の前後の領域で画像濃度が変化してムラのある画像となってしまうが、上述のように、画像読取動作時には給電をしないので、スキャン中に照明227の光量の変動がなく1枚の画像中で濃度変動が発生しないため、簡素な構成と切換え制御で高画質画像の形成することができる。
【0089】
画像読み取りを中断してから電源装置を切換えるため、画像読み取り中に光源227の光量の変動がなく1枚の画像中で濃度変動が発生しない。蓄電装置3を所定の電圧以下もしくは所定の時間以上無理に放電することが無いので、充電時間の短縮と、特に二次電池では寿命を延ばすことができる。容量の小さい補助電源装置300で何枚原稿があっても対応かることができる。また、原稿読取の合間に電源装置を切換えるため、1枚の画像中で濃度変動が発生しなくなり、簡素な構成と切換え制御で高品質な画像を得られる。
【0090】
原稿Gが複数枚あった場合には、電源装置を切換えた前後で光源227の発光量が変化し、出力画像の濃度が変化してしまうという問題があるが、この場合には、電源装置の切換え前に読み取った出直画像に比べて、切換え後の画像は濃度が濃いもしくは、薄い画像となってしまうので、電源装置の切換え後にゲインを変更するため、複数枚原稿Gから複写物を形成する場合でも、切換え前後の出力画像に濃度変動が発生しなくなり、簡素な構成と切換え制御で高品質な画像を得られる。
【符号の説明】
【0091】
2 主電源装置
3 蓄電装置(電気二重層キャパシタ)
6 補助電源装置
60 交流負荷
200 画像読取部
G 原稿
d1 電源装置切換動作時の読取データ
M1,M2 直流負荷
P1電源装置切換時の読取位置
T,T1 原稿読取動作と原稿読取動作の合間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開平10−282821号公報
【特許文献2】特開2000−315567号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流負荷と前記直流負荷へ電力を供給する主電源装置と、前記直流負荷へ電力を供給する蓄電可能な補助電源装置を有し、前記主電源装置と前記補助電源装置を切換えて直流負荷へ電力を供給可能であり、原稿読取機能を備えた画像形成装置において、
電源装置の切換え後に、読取データの増幅率を変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記変化させる増幅率の値は、電源切換え時に記憶していた所定の値を用いることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記変化させる増幅率の値は、電源切換え時に増幅率調整動作を行って得る値を用いることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置
【請求項4】
交流負荷と直流負荷へ電力を供給する主電源装置と、前記直流負荷へ電力を供給する蓄電可能な補助電源装置を有し、前記主電源装置と前記補助電源装置を切換えて直流負荷へ電力を供給可能であり、原稿読取機能を備えた画像形成装置において、
前記電源装置の切換え動作を行った時の読取データを保持すると共に、電源装置切換え時の読取位置情報を記憶し、この読取位置情報に応じて、保持していた読取後のデータに増幅率補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記補助電源装置に少なくとも電気二重層キャパシタを有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項1】
交流負荷と前記直流負荷へ電力を供給する主電源装置と、前記直流負荷へ電力を供給する蓄電可能な補助電源装置を有し、前記主電源装置と前記補助電源装置を切換えて直流負荷へ電力を供給可能であり、原稿読取機能を備えた画像形成装置において、
電源装置の切換え後に、読取データの増幅率を変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記変化させる増幅率の値は、電源切換え時に記憶していた所定の値を用いることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記変化させる増幅率の値は、電源切換え時に増幅率調整動作を行って得る値を用いることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置
【請求項4】
交流負荷と直流負荷へ電力を供給する主電源装置と、前記直流負荷へ電力を供給する蓄電可能な補助電源装置を有し、前記主電源装置と前記補助電源装置を切換えて直流負荷へ電力を供給可能であり、原稿読取機能を備えた画像形成装置において、
前記電源装置の切換え動作を行った時の読取データを保持すると共に、電源装置切換え時の読取位置情報を記憶し、この読取位置情報に応じて、保持していた読取後のデータに増幅率補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記補助電源装置に少なくとも電気二重層キャパシタを有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−66897(P2011−66897A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215831(P2010−215831)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【分割の表示】特願2005−365086(P2005−365086)の分割
【原出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【分割の表示】特願2005−365086(P2005−365086)の分割
【原出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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