説明

画像形成装置

【課題】スイッチング素子の劣化及び破損を回避するとともに起動時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】複合機は、定着部48は、スイッチング素子48iにより調整された電力が誘導コイル48hに供給されることで加熱され、記録用紙上のトナー画像を加熱により定着させる定着部48を具備する複合機であって、スイッチング素子48iの温度を検出する温度計48jと、定着部48の加熱ローラ48aの加熱を開始する前に、温度計48jにより検出された温度に基づいてスイッチング素子48iが所定温度を超えない誘導コイル48hへの最大電力の供給時間を算出し、供給時間の間、最大電力を誘導コイル48hに供給するようにスイッチング素子48iを制御し、供給時間が経過すると、スイッチング素子48iが所定温度を超えないように最大電力より低い電力を誘導コイル48hに供給するようにスイッチング素子48iを制御する演算制御部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置は、記録用紙上に形成されたトナー画像を加熱及び加圧して定着させる定着ローラ等の定着装置を備えている。定着装置には、誘導コイルに電力を供給することにより加熱する誘導過熱式定着装置が存在する。このような定着装置において、その起動時間の大半は、定着処理に必要な温度(定着温度)にするための加熱時間に占められている。したがって、加熱時間を短縮することにより定着装置の起動時間を大幅に短縮することができる。しかしながら、加熱時間を短縮するためには、誘導コイルに大電力を供給して加熱温度を上げる必要があるが、電力を調整するスイッチング素子は、大電力が供給されると、スイッチング損失による発熱によりその温度が上昇し、劣化及び破損する恐れがある。そのため、例えば、下記特許文献1には、スイッチング素子の温度上昇対策として、スイッチング素子の温度をモニターし、予め設定された所定温度を超えた場合に、スイッチング素子の保護のため、スイッチング動作を停止し、スイッチング素子の温度上昇を抑える方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−257898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術における上記特許文献1に記載されている方法によってスイッチング素子の温度上昇を抑え、その劣化及び破損を回避できるが、スイッチング動作が停止されるので、加熱した定着装置の温度が下がってしまう。そのため、スイッチング素子の温度が低下した後に、電力を供給して定着装置を再加熱しなければならないので、定着装置の起動時間を短縮することができないという問題が残っている。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、スイッチング素子の劣化及び破損を回避するとともに起動時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、画像形成装置に係る第1の解決手段として、スイッチング素子により調整された電力が誘導コイルに供給されることで加熱され、記録用紙上のトナー画像を加熱により定着させる定着部を具備する画像形成装置であって、前記スイッチング素子の温度を検出する温度検出手段と、前記定着部の加熱を開始する前に、前記温度検出手段により検出された温度に基づいて前記スイッチング素子が所定温度を超えない誘導コイルへの最大電力の供給時間を算出し、前記供給時間の間、前記最大電力を前記誘導コイルに供給するように前記スイッチング素子を制御し、前記供給時間が経過すると、前記スイッチング素子が前記所定温度を超えないように前記最大電力より低い電力を前記誘導コイルに供給するように前記スイッチング素子を制御する制御手段とを具備するという手段を採用する。
【0007】
本発明では、画像形成装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記制御手段は、前記誘導コイルに前記最大電力を供給した場合における時間に応じた前記スイッチング素子の昇温結果を昇温データとして記憶し、前記定着部の加熱を開始する前に、前記温度検出手段により検出された温度と、前記昇温データとに基づいて、最大電力を供給した場合に前記スイッチング素子が前記所定温度になるまでの時間を算出し、当該時間から所定時間を引いた時間を前記供給時間として算出するという手段を採用する。
【0008】
本発明では、画像形成装置に係る第3の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記制御手段は、前記スイッチング素子の温度に応じた前記最大電力の前記供給時間が登録された供給時間登録テーブルを記憶し、前記定着部の加熱を開始する前に、前記温度検出手段により検出された温度と、前記供給時間登録テーブルとに基づいて前記供給時間を算出するという手段を採用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、供給時間の間、最大電力を誘導コイルに供給し、供給時間経過すると、スイッチング素子が所定温度を超えないように最大電力より低い電力を前記誘導コイルに供給するので、スイッチング素子が所定温度より昇温することを抑え、スイッチング素子の劣化及び破損を回避することができる。また、供給時間経過後に、従来のように電力の供給を停止のではなく、最大電力より低い電力を誘導コイルに供給し続けるので、起動時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機Aの概略構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態における定着部48の詳細構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態におけるスイッチング素子48iの昇温データを示す図である。
【図4】本発明の実施形態における供給時間登録テーブルを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る複合機Aは、図1に示すように、操作表示部1、画像読取部2、画像データ記憶部3、用紙搬送画像形成部4、通信部5及び演算制御部6を備える。このような複合機Aは、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ送信受信機能及び電子メール送信機能を併せ持つ画像形成装置である。
【0012】
操作表示部1は、操作キー及びタッチパネルを備えており、ユーザと複合機Aとを関係付けるマンマシンインタフェースとして機能する。操作表示部1は、押下された操作キーまたはタッチパネルに表示された操作ボタンの操作指示を演算制御部6に出力するとともに、演算制御部6の制御信号に基づいてタッチパネルに種々の画面を表示する。
【0013】
画像読取部2は、演算制御部6から入力される制御信号に基づいてADF(Automatic document feeder:自動原稿送り装置)により自動給紙される原稿またはプラテンガラス上に載置された原稿の表面画像(原稿画像)をラインセンサで読み取って原稿画像データに変換し、この原稿画像データを出力する。なお、画像読取部2は、原稿画像データを演算制御部6に出力し、一方、演算制御部6は、原稿画像データを画像データ記憶部3に記憶させる。
【0014】
画像データ記憶部3は、半導体メモリまたはハードディスク装置などであり、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて原稿画像データや、通信部5が外部のクライアントコンピュータ(図示略)から受信するプリント画像データや、通信部5がファクシミリ装置から受信したファクシミリ画像データを記憶する。
【0015】
用紙搬送画像形成部4は、演算制御部6の制御の下、給紙カセット44内に収容された記録用紙を搬送し、画像データ記憶部3の画像データに基づいて記録用紙上にトナー画像を形成するものである。このような用紙搬送画像形成部4は、図1に示すように、各色(K,Y,C,M)に対応するトナーからなる画像を形成する画像形成ユニット41、中間転写ベルト42、1次転写ローラ43、給紙カセット44、ピックアップローラ45、搬送ローラ対46、2次転写ローラ47、定着部48、排紙ローラ49及び排紙トレイ50から構成されている。
【0016】
各画像形成ユニット41は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色(4色)に対応するトナーからなる画像を形成するものであり、複合機Aの正面から視て水平方向に所定間隔で各色に対応して4つ設けられている。このような画像形成ユニット41は、図1に示すように、トナー画像が周面に形成される感光体ドラム41aを備えている。
【0017】
中間転写ベルト42は、各感光体ドラム41aに接するように設けられた無端ベルトと当該無端ベルトを走行させる駆動ローラ42aとを備え、各感光体ドラム41aの周面に形成されたトナー画像が各感光体ドラム41aから1次転写されるものである。1次転写ローラ43は、中間転写ベルト42を挟むように各感光体ドラム41aに対向配置されており、回転しながら1次転写電圧を中間転写ベルト42に印加することにより各感光体ドラム41aから中間転写ベルト42にトナー画像を1次転写させるローラである。
【0018】
給紙カセット44は、A4サイズやB5サイズ等、所定形状の記録用紙の束を収容する容器である。ピックアップローラ45は、給紙カセット44上において記録用紙に圧接するように設けられ、給紙カセット44内の記録用紙を1枚づつピックアップして搬送ローラ46に送り出すローラである。搬送ローラ46は、ピックアップローラ45から給紙された記録用紙を2次転写ローラ47と駆動ローラ間の2次転写ニップに向けて搬送するローラである。
【0019】
2次転写ローラ47は、駆動ローラ42aに対向配置された回転ローラであり、中間転写ベルト42上のトナー画像を記録用紙に2次転写させるものである。すなわち、2次転写ローラ47は、中間転写ベルト42と記録用紙とを挟んだ状態で2次転写電圧を印加することにより、中間転写ベルト42上のトナー画像を記録用紙に2次転写させる。
【0020】
定着部48は、誘導加熱(IH;Induction Heating)方式を用いた加熱機構により加熱される金属製の加熱ローラ48aと、加熱ローラ48aに圧接される圧接ローラ48bとから構成され、上記2次転写ローラ47でトナー画像が転写された記録用紙を挟持することにより、記録用紙を加熱及び加圧してトナー画像を記録用紙上に定着させる。定着部48は、上記加熱ローラ48a及び圧接ローラ48b加えて、加熱機構として、図2に示すように、交流電源48c、整流回路48d、電圧計48e、電流計48f、コンデンサ48g、誘導コイル48h、スイッチング素子48i及び温度計(温度検出手段)48jを備える。
【0021】
交流電源48cは、整流回路48dに接続されており、交流電力を整流回路48dに出力する。
整流回路48dは、交流電源48cから入力された交流電力を整流し、コンデンサ48g及び誘導コイル48hに出力する。
【0022】
電圧計48eは、整流回路48dからコンデンサ48g及び誘導コイル48hに入力される電力の電圧を検出するセンサであり、図2に示すように、一方の端子が整流回路48dの一方の出力端子に接続され、他方の端子が整流回路48dの他方の出力端子に接続され、検出された電圧を示す電圧検出信号を演算制御部6に出力する。
【0023】
電流計48fは、整流回路48dからコンデンサ48g及び誘導コイル48hに入力される電力の電流を検出するセンサであり、図2に示すように、一方の端子が整流回路48dの一方の出力端子に接続され、他方の端子がコンデンサ48gの一方の端子及び誘導コイル48hの一方の端子に接続され、検出された電流を示す電流検出信号を演算制御部6に出力する。
【0024】
コンデンサ48gは、誘導コイル48hに並列接続され、誘導コイル48hとともに共振回路を構成し、一方の端子が整流回路48dの一方の出力端子に接続され、他方の端子がスイッチング素子48iに接続されている。
誘導コイル48hは、コンデンサ48gに並列接続され、整流回路48dから供給された電力によって磁力線(磁束)を発生し、当該磁力線により金属製の加熱ローラ48aに電流(誘導電)を発生させて加熱するものであり、一方の端子が整流回路48dの一方の出力端子に接続され、他方の端子がスイッチング素子48iに接続されている。
【0025】
スイッチング素子48iは、演算制御部6から入力される制御信号に基づいてON/OFFすることにより誘導コイル48hに供給される電力を調整するものであり、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)により構成されている。
温度計48jは、スイッチング素子48iの温度を検出するサーミスタ、熱電対等の温度センサであり、スイッチング素子48iに非接触または接触させて配置され、検出されたスイッチング素子48iの温度を示す温度検出信号を演算制御部6に出力する。
【0026】
図1に戻り、排紙ローラ49は、定着部48から搬送されてきた記録用紙を排紙トレイ50に排出する。排紙トレイ50は、排紙ローラ49から供給された記録用紙を収容する受け皿である。
通信部5は、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて電話回線を介して外部の複合機あるいはファクシミリ装置、またローカルエリアネットワークを介してクライアントコンピュータなどと通信を行うものである。すなわち、この通信部5は、イーサネット(登録商標)などのLAN規格に準拠した通信機能と、G3などのファクシミリ規格に準拠した通信機能とを兼ね備えたものである。通信部5は、例えば、電子メールの送信またはファクシミリの送受信を行う。
【0027】
演算制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び上述した各部と各種信号の送受信を行うインタフェース回路などから構成されており、上記ROMに記憶された制御プログラムに基づいて複合機Aの全体動作を制御する。
【0028】
また、上記制御プログラムには誘導コイル48hに供給される電力を制御するための電力制御プログラムが含まれており、さらに、ROMには電力制御プログラムに関連するスイッチング素子48iの昇温データが記憶されている。昇温データとは、図3に示すように、誘導コイル48hに最大電力を供給した場合における時間(秒)に応じたスイッチング素子48iの昇温結果を示すデータであり、実験的に求められたものである。演算制御部6は、電圧計48eから入力される電圧検出信号、電流計48fから入力される電流検出信号、温度計48jから入力される温度検出信号、電力制御プログラム及び昇温データに基づいて誘導コイル48hに供給される電力を制御する。なお、演算制御部6、電圧計48e及び電流計48fは、本実施形態における制御手段を構成する。
【0029】
次に、このように構成された複合機Aの動作について説明する。
例えば、複合機Aによって原稿を複写しようとするユーザは、操作表示部1に設けられた電源スイッチをONにすることにより複合機Aを起動する。
演算制御部6は、操作表示部1の電源スイッチがONされると、複合機A全体の起動処理を開始する。演算制御部6は、その起動処理の1つとして、定着部48の加熱を開始する。
【0030】
演算制御部6は、定着部48の加熱ローラ48aの加熱を開始する前に、温度計48jから入力された温度検出信号によりスイッチング素子48iの温度を認識し、スイッチング素子48iの温度に基づいてスイッチング素子48iがハード保護設定温度(所定温度)を超えない誘導コイル48hへの最大電力の供給時間を算出する。
【0031】
すなわち、演算制御部6は、定着部48の加熱ローラ48aの加熱を開始する前のスイッチング素子48iの温度と、昇温データとに基づいて、誘導コイル48hに最大電力を供給した場合にスイッチング素子48iがハード保護設定温度になるまでの時間を算出し、当該時間から所定時間を引いた時間を供給時間として算出する。
【0032】
例えば、演算制御部6は、スイッチング素子48iの温度が100℃であった場合に、図3に示す昇温データに基づいて、誘導コイル48hに最大電力を供給した場合にスイッチング素子48iがハード保護設定温度になるまでの時間を70秒と算出する。そして、演算制御部6は、当該70秒から所定時間である10秒(T2)を引いた60秒(T1)を供給時間として算出する。なお、ハード保護設定温度とは、スイッチング素子48iの破壊を防ぐ目的で設けられたしきい値である。
【0033】
演算制御部6は、上述したように供給時間を算出すると、当該供給時間の間、最大電力を誘導コイル48hに供給するようにスイッチング素子48iを制御し、当該供給時間が経過すると、スイッチング素子48iがハード保護設定温度を超えないように最大電力より低い電力を誘導コイル48hに供給するようにスイッチング素子48iを制御、すなわち、通常電力を誘導コイル48hに供給するようにスイッチング素子48iを制御する。なお、演算制御部6は、電圧計48eから入力される電圧検出信号に基づいて電圧を認識し、電流計48fから入力される電流検出信号に基づいて電流を認識し、当該電圧及び電流に基づいて電力を判断する。
【0034】
以上のように、本実施形態では、供給時間の間、最大電力を誘導コイル48hに供給し、供給時間が経過すると、スイッチング素子48iがハード保護設定温度を超えないように最大電力より低い電力を誘導コイル48hに供給するので、スイッチング素子48iがハード保護設定温度より昇温することを抑え、スイッチング素子48iの劣化及び破損を回避することができる。また、供給時間経過後に、従来のように電力の供給を停止のではなく、最大電力より低い電力を誘導コイル48hに供給し続けるので、定着部48の起動時間を短縮することができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態は、昇温データに基づいて供給時間を算出したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、演算制御部6は、図4に示すように、スイッチング素子48iの温度に応じた供給時間が登録された供給時間登録テーブルを記憶し、定着部48の加熱ローラ48aの加熱を開始する前に、温度計48jにより検出された温度と、供給時間登録テーブルとに基づいて供給時間を算出するようにしてもよい。
【0036】
(2)上記実施形態において、演算制御部6は、定着部48の加熱ローラ48aを誘導加熱制御する固有の誘導加熱制御部を含むものであるが、定着部48を誘導加熱する誘導加熱制御部と、当該誘導加熱制御部に対して動作指示を出力する複合機A全体を統括する統括制御部とを別々にするようにしてもよい。
【0037】
(3)上記実施形態において、スイッチング素子48iとしてIGBTを用いたが、IGBT以外のパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などをスイッチング素子48iとして用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
A…複合機、1…操作表示部、2…画像読取部、3…画像データ記憶部、4…用紙搬送画像形成部、5…通信部、6…演算制御部、41…画像形成ユニット、42…中間転写ベルト、43…1次転写ローラ、44…給紙カセット、45…ピックアップローラ、46…搬送ローラ、47…2次転写ローラ、48…定着部、49…排紙ローラ、50…排紙トレイ、41a…感光体ドラム、42a…駆動ローラ、48a…加熱ローラ、48b…圧接ローラ、48c…交流電源、48d…整流回路、48e…電圧計、48f…電流計、48g…コンデンサ、48h…誘導コイル、48i…スイッチング素子、48j…温度計






【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子により調整された電力が誘導コイルに供給されることで加熱され、記録用紙上のトナー画像を加熱により定着させる定着部を具備する画像形成装置であって、
前記スイッチング素子の温度を検出する温度検出手段と、
前記定着部の加熱を開始する前に、前記温度検出手段により検出された温度に基づいて前記スイッチング素子が所定温度を超えない誘導コイルへの最大電力の供給時間を算出し、前記供給時間の間、前記最大電力を前記誘導コイルに供給するように前記スイッチング素子を制御し、前記供給時間が経過すると、前記スイッチング素子が前記所定温度を超えないように前記最大電力より低い電力を前記誘導コイルに供給するように前記スイッチング素子を制御する制御手段とを具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記誘導コイルに前記最大電力を供給した場合における時間に応じた前記スイッチング素子の昇温結果を昇温データとして記憶し、前記定着部の加熱を開始する前に、前記温度検出手段により検出された温度と、前記昇温データとに基づいて、最大電力を供給した場合に前記スイッチング素子が前記所定温度になるまでの時間を算出し、当該時間から所定時間を引いた時間を前記供給時間として算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記スイッチング素子の温度に応じた前記最大電力の前記供給時間が登録された供給時間登録テーブルを記憶し、前記定着部の加熱を開始する前に、前記温度検出手段により検出された温度と、前記供給時間登録テーブルとに基づいて前記供給時間を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−118132(P2012−118132A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265526(P2010−265526)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリュ−ションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】