説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置に複数設けられている覆い部材の固定の解除を鍵を用いて行う際に要する手間の低減を図る。
【解決手段】回転部600が図中時計回り方向に予め定められた第1角度αだけ回転した場合に、第1ソレノイド510がオンされる。そしてこの第1ソレノイド510のオンによって、進退部材520が第1覆い部材400に設けられた凹部420から退避し、第1覆い部材400の開放が可能となる。そしてこの開放によって、用紙排出空間32へのアクセスが可能となる。また回転部600が、ユーザにより図中時計回り方向にさらに回転され、第2角度βだけ回転した場合には、第2ソレノイドがオンされるようになる。そしてこの第2ソレノイドのオンによって、トナー収容容器の取り外しができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作像部にて記録した用紙を排出する排紙部を開閉可能に覆うカバーを設けるとともに、カバーを閉鎖位置にてロック可能な鍵を設けたことを特徴とする画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−339102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、画像形成装置に複数設けられている覆い部材の固定の解除を鍵を用いて行う際に要する手間の低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、開閉可能に設けられ、予め定められた箇所を覆う第1の覆い部材と、開閉可能に設けられ、予め定められた箇所を覆うとともに開放の頻度が前記第1の覆い部材よりも少ない第2の覆い部材と、前記予め定められた箇所を覆う第1の覆い部材の開放を規制する第1の規制部と、前記予め定められた箇所を覆う第2の覆い部材の開放を規制する第2の規制部と、回転可能に設けられ鍵が挿入される挿入部を有し、当該鍵により当該挿入部が第1の位置まで回転した際に前記第1の規制部による前記規制を解除し、当該鍵により当該挿入部が更に回転し第2の位置まで当該挿入部が回転した際に前記第2の規制部による前記規制を解除する解除機構と、を含む画像形成装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記第1の覆い部材は、画像形成部により画像が形成された記録材が積載される箇所を覆うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記画像形成部は、トナーを用いて記録材に対して前記画像の形成を行い、前記画像形成部が用いる前記トナーを収容したトナー収容容器が更に設けられ、前記第2の覆い部材は、前記トナー収容容器を覆うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記記録材を収容する記録材収容部を有し、当該記録材収容部に収容された記録材を前記画像形成部に供給する供給手段を更に備え、前記第2の覆い部材は、前記記録材収容部を覆うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、回転駆動し、前記記録材が積載される箇所に向けて記録材を送り出す送り出し部材を更に備え、閉じられた状態の前記第1の覆い部材によって前記送り出し部材へのユーザのアクセスが制限されるように当該第1の覆い部材は設けられ、前記解除機構は、前記鍵により前記挿入部が前記第1の位置まで回転し且つ前記送り出し部材が停止している場合に、前記第1の規制部による前記規制を解除することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像形成装置に複数設けられている覆い部材の固定の解除を鍵を用いて行う際に要する手間の低減が可能となる。
請求項2の発明によれば、画像が形成された記録材の第三者による持ち出しを抑制することが可能となる。
請求項3の発明によれば、トナーを収容したトナー収容容器の第三者による持ち出しを抑制することが可能となる。
請求項4の発明によれば、画像が形成される前の記録材の第三者による持ち出しを抑制することが可能となる。
請求項5の発明によれば、回転駆動を行っている送り出し部材へのユーザのアクセスを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示した図である。
【図2】画像形成装置の外観構成を示した図である。
【図3】図1の矢印III―III方向から筐体を眺めた場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の構成を示した図である。
同図に示すように、画像形成装置1には、筐体20が設けられている。また、筐体20の上部にスキャナ装置30が設けられるとともに、スキャナ装置30の上部にはこのスキャナ装置30に対して原稿を送る原稿送り装置40が設けられている。
【0010】
筐体20は、箱状に形成され、フロント側(手前側)から見て左側に第1側壁20A、フロント側から見て右側に第2側壁20Bを有している。ここで、第2側壁20Bは、第1側壁20Aよりも短く形成されている。また第2側壁20Bは、その上端部が第1側壁20Aの上端部よりも下方に位置するように配置されている。さらに、筐体20には、第2側壁20Bの上端部から左方向(第1側壁20Aが設けられている側)に向かって延びるように設けられた上面20Cが形成されている。また、上面20Cの左端部から上方に向かって延びるように設けられ第1側壁20Aや第2側壁20Bよりも筐体20の内側に配置された内壁20Dが設けられている。また本実施形態では、第2側壁20Bとスキャナ装置30との間に設けられ、スキャナ装置30を下方から支持する支持板31が設けられている。
【0011】
また本実施形態では、筐体20の背面側に、背面壁20Eが設けられている。ここで本実施形態における画像形成装置1では、スキャナ装置30、支持板31、上面20C、内壁20D、および背面壁20Eにより囲まれた空間32内に画像が形成された用紙P(記録材の一例)が順次排出され、上面20Cの上に用紙Pが積載されるようになっている。より詳細に説明すると、本実施形態における画像形成装置1では、上面20Cの一部に、図中左方向に進むに従い下る傾斜面20Fが形成されており、空間32に排出された用紙Pは、この傾斜面20Fの上に積載されるようになっている。なお本明細書では、以下、スキャナ装置30、支持板31、上面20C、内壁20D、および背面壁20Eにより囲まれた上記空間32を、用紙排出空間32と称する。
【0012】
また本実施形態では、筐体20の内部に、用紙Pにトナー像を形成する像形成部100(画像形成部の一例)、像形成部100に用紙Pを供給する給紙装置200(供給手段の一例)が設けられている。また筐体20の内部には、用紙Pの搬送に用いられる搬送路250が設けられている。また筐体20の内部には、本画像形成装置1の各部、各機構を制御する制御部900が設けられている。ここで制御部900は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を備えている。
【0013】
像形成部100は、感光体ドラム2Y,2M,2C,2K、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kを帯電する帯電装置4Y,4M,4C,4K、帯電装置4Y,4M,4C,4Kによって帯電された感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kに光を照射して静電潜像を形成する潜像形成装置106を有している。また、潜像形成装置106によって感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kの表面に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像を形成する現像装置110Y,110M,110C,110Kを備えている。
【0014】
なお本実施形態では、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーがそれぞれ収容されたトナー収容容器300Y,300M,300C,300Kが設けられており、このトナー収容容器300Y,300M,300C,300Kから現像装置110Y,110M,110C,110Kに対して、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーが供給されるようになっている。また像形成部100は、現像装置110Y,110M,110C,110Kによって形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像を用紙Pに転写する転写装置140、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kの表面をクリーニングするクリーニング装置(不図示)、転写装置140によって用紙Pに転写されたトナー像をこの用紙Pに定着する定着装置116を備えている。
【0015】
転写装置140は、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kに形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像が重ねられた状態で転写される中間転写ベルト42を有する。なお中間転写ベルト42は、支持ロール46,48,50,52によって回転可能な状態で支持されている。また転写装置140は、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kに形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像を、中間転写ベルト42に転写する1次転写ロール6Y,6M,6C,6Kを備えている。また、中間転写ベルト42に転写されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像を、用紙Pに転写する2次転写ロール58を有する。また転写装置140は、中間転写ベルト42の表面をクリーニングするクリーニング装置(不図示)を有する。
【0016】
給紙装置200は、像形成部100に対して用紙Pを供給する第1給紙部210、同じく像形成部100に対して用紙Pを供給する第2給紙部220を備えている。ここで、第1給紙部210および第2給紙部220は、同様に構成されており、第1給紙部210および第2給紙部220の各々は、用紙Pを収納する用紙収納部202、用紙収納部202に収納された用紙Pのうち最上位に位置する用紙Pを送り出す送り出しロール204、送り出しロール204により送り出された用紙Pを捌く捌き機構206を備える。
【0017】
ここで捌き機構206は、例えば回転可能に配設されるフィードロールと回転が制限されたリタードロールとによって構成され、送り出しロール204により送り出された用紙Pを一枚ずつに捌く。そして、捌かれた一枚の用紙Pを後述するレジストロール260に向けて送り出す。ここで用紙収納部202は、画像形成装置1のフロント側に引き出すことができるようになっており、フロント側に引き出すことにより用紙Pの補充が可能となる。
【0018】
搬送路250は、主搬送路252および反転搬送路254により構成されている。主搬送路252は、給紙装置200から供給された用紙Pを用紙排出空間32に向けて搬送するための搬送路である。この主搬送路252には、用紙Pの搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かって順に、レジストロール260、2次転写ロール58、定着装置116、排出ロール262が設けられている。
【0019】
ここで、レジストロール260は、予め定められたタイミングにて回転を聞始し、中間転写ベルト42と2次転写ロール58との接触部(2次転写部)に用紙Pを供給する。送り出し部材の一例としての排出ロール262は、回転駆動し、定着装置116によってトナー像が定着された用紙Pを用紙排出空間32に排出する。また排出ロール262は、用紙Pの両面に画像を形成する場合、用紙排出空間32に用紙Pを排出する際の回転方向とは反対方向に回転を行い、一方の面に画像が形成された用紙Pを反転搬送路254ヘと送り出す。反転搬送路254は、一方の面に画像が形成された用紙Pを、レジストロール260の上流側に再び供給する場合に用いられる。なお反転搬送路254には、反転搬送路254に沿って2つの反転搬送ロール264が設けられている。
【0020】
図2は、画像形成装置1の外観構成を示した図である。
上記では説明を省略したが、筐体20には、画像形成装置1のフロント側に、前面板20Gが設けられている。またこの前面板20Gに取り付けられ、用紙排出空間32を覆う第1覆い部材400(第1の覆い部材の一例)が設けられている。なお、この第1覆い部材400は、ヒンジ410を介して前面板20Gに取り付けられており、このヒンジ410を中心に回転(揺動)できるようになっている。付言すると、第1覆い部材400は、筐体20に対する開閉が可能に設けられている。そして本実施形態では、第1覆い部材400を開くことで、用紙排出空間32へのアクセスが可能となっている。
【0021】
さらに本実施形態では、閉じられた状態にある第1覆い部材400を固定する固定機構500が筐体20の内部に設けられている。この固定機構500は、第1ソレノイド510と、第1ソレノイド510によって進退する進退部材520とから構成されている。本実施形態では、この進退部材520が内壁20Dから突出するとともに、第1覆い部材400に形成された凹部420にこの進退部材520が進入することで、第1覆い部材400が固定されるようになっている。付言すると、第1覆い部材400に形成された凹部420に進退部材520が進入することで、第1覆い部材400の開放が規制されるようになっている。ここで本実施形態における固定機構500の進退部材520は、第1覆い部材400の開放を規制する第1の規制部として機能している。
【0022】
なお、第1覆い部材400の開操作(開放)は、第1ソレノイド510が制御部900によってオンされ、進退部材520が凹部420から離れる方向に移動することで行うことができるようになる。ここで本実施形態のように、用紙排出空間32を第1覆い部材400で覆うとともにこの第1覆い部材400が固定される場合、用紙排出空間32へのアクセスが制限されるようになる。そしてこの場合、画像形成を行った者以外の者(第三者)による用紙Pの持ち出しが抑制されるようになる。
【0023】
また本実施形態では、前面板20Gに、鍵穴610が形成されこの鍵穴610に挿入された鍵(不図示)によって回転が可能となる回転部600(挿入部の一例)が設けられている。さらに、回転部600の状態(回転部600の位相、位置)を検知する検知センサSが設けられている。なおこの検知センサSによる検知結果は、制御部900に出力され、制御部900によって、上記第1ソレノイド510や後述する第2ソレノイド560(図3参照)のオン/オフがなされる。ここで、回転部600、検知センサS、制御部900、第1ソレノイド510、第2ソレノイド560は、第1覆い部材400の開放の規制を解除し、第2覆い部材450(後述)の開放の規制を解除する解除機構として機能している。
【0024】
ここで本実施形態では、初期状態にある回転部600が図中時計回り方向に予め定められた第1角度α(例えば60°)だけ回転した場合(第1の位置まで回転した場合)に、上記第1ソレノイド510がオンされるようになっている。そしてこの第1ソレノイド510のオンによって、進退部材520が第1覆い部材400に設けられた凹部420から退避し、第1覆い部材400の開放が可能となる。そしてこの開放によって、用紙排出空間32へのアクセスが可能となる。
【0025】
また回転部600が、ユーザにより図中時計回り方向にさらに回転され、上記初期状態から予め定められた第2角度β(例えば120°)だけ回転した場合(第2の位置まで回転した場合)には、後述する第2ソレノイド560がオンされるようになる。そしてこの第2ソレノイド560のオンによって、トナー収容容器300Y,300M,300C,300K(図1参照)の取り外しができるようになる(詳細は後述)。
【0026】
図3は、図1の矢印III―III方向から筐体20を眺めた場合の図である。
上記にて説明したとおり、本実施形態では、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーがそれぞれ収容されたトナー収容容器300Y,300M,300C,300Kが設けられている。ここで、これらのトナー収容容器300Y,300M,300C,300Kは、筐体20のリア側(画像形成装置1のリア側)に設けられている。また、筐体20の上面20C且つ筐体20のリア側には、凹部20Hが形成されており、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kは、この凹部20Hに収容されている。さらに本実施形態では、凹部20Hに収容されたトナー収容容器300Y,300M,300C,300Kを覆う第2覆い部材450(第2の覆い部材の一例)が設けられている。
【0027】
ここで第2覆い部材450は、ヒンジ460を介して上面20Cに取り付けられ、筐体20に対する開閉が可能な状態で設けられている。そして本実施形態では、第2覆い部材450を開くことで(上方に移動させることで)、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kが露出し、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの取り外しが可能な状態となる。また本実施形態では、第2覆い部材450を閉じることで、上面20Cの一部およびトナー収容容器300Y,300M,300C,300Kが覆われるようになっている。
【0028】
また本実施形態では、第2覆い部材450が閉じられた際に上面20Cと対抗する面であって第2覆い部材450の一方の面に、貫通孔451が形成された突出部452が形成されている。また本実施形態では、筐体20の上面20Cに、第2覆い部材450が閉じられた際に上記突出部452が入り込む凹部20Jが形成されている。さらに本実施形態では、凹部20J内に突出するとともにこの凹部20Jからの退避が可能に設けられた進退部材550、この進退部材550を進退させる第2ソレノイド560が設けられている。
【0029】
ここで本実施形態では、突出部452に形成された貫通孔451に対して進退部材550が侵入することで、第2覆い部材450が固定されるようになっている。付言すると、突出部452に形成された貫通孔451に対して進退部材550が侵入することで、第2覆い部材450の開放が規制されるようになっている。ここで、進退部材550は、第2覆い部材450の開放を規制する第2の規制部として機能している。
【0030】
ここで本実施形態では、第2覆い部材450の上記固定によって、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの取り外しができないようになる。なお、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの取り外しが行われる際には、第2ソレノイド560が制御部900によってオンされる。これにより、進退部材550が貫通孔451から退避し、第2覆い部材450の固定が解除される。これにより、第2覆い部材450の開操作が可能となり、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの取り外しが可能となる。
【0031】
ここで、ユーザが、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの取り外しを行う場合は、まず、回転部600を第1角度αだけ回転させ、第1ソレノイド510をオンする。これにより第1覆い部材400の固定が解除される。ついで、第1覆い部材400の開操作を行う。その後、回転部600を更に回転させ、上記第2角度βとなる位置まで回転部600を回転させる。これにより、第2ソレノイド560がオンされ、進退部材550が貫通孔451から退避する。これにより、第2覆い部材450の開操作が可能となり、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの取り外しができるようになる。
【0032】
ここで本実施形態では、上記のとおり、用紙排出空間32を覆う第1覆い部材400が設けられているため、第三者による用紙Pの持ち出しが抑制されるようになる。また本実施形態では、第1覆い部材400の奥側に、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kが設けられているため、第1覆い部材400によって、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの持ち出し(盗難)も抑制されるようになっている。さらに本実施形態では、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kを覆う第2覆い部材450が設けられている。このため、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの持ち出しが更に抑制されるようになっている。
【0033】
なお上記では説明を省略したが、本実施形態では、回転部600を上記第2角度βとなる位置まで回転させた際に、第1ソレノイド510がオフされる構成となっている。付言すると、回転部600を上記第1角度αとなる位置まで回転させた際に第1ソレノイド510はオンとなるが、回転部600を第2角度βとなる位置までさらに回転させた際に第1ソレノイド510はオフとなる。さらに説明すると、回転部600を上記第1角度αとなる位置まで回転させた際に第1覆い部材400の開放(開操作)が可能となるが、回転部600を第2角度βとなる位置までさらに回転させた際には、第1覆い部材400が再び固定され、第1覆い部材400の開放ができなくなる。
【0034】
このため本実施形態では、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの取り外しを行う場合は、まず、回転部600を第1角度αだけ回転させ、第1覆い部材400の開操作を行う必要が生じる。付言すると、回転部600を第2角度βとなる位置まで回転させた際に第1覆い部材400が再び固定されるのを防ぐため、回転部600を第1角度αとなる位置まで一旦回転させ、第1覆い部材400の開放を行う必要がある。
【0035】
ここで、回転部600を上記第2角度βとなる位置まで回転させた際に、第1ソレノイド510をオンとする構成とすることもできる。すなわち、回転部600を第2角度βとなる位置まで回転させた際に第1覆い部材400が固定されない構成とすることもできる。この場合、第1覆い部材400の再度の固定を防ぐための第1覆い部材400の上記開放が不要となり、より簡易にトナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの取り出しが可能となる。
【0036】
ところでこの場合、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kを取り出す際の手間がかからなくなることから、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの持ち出し(盗難)は行いやすくなってしまう。このため本実施形態では、上記のように、第1覆い部材400の開放が必要な構成とし、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kの持ち出しを行いにくくしている。
【0037】
なお本実施形態では、第1覆い部材400の開操作および第2覆い部材450の開操作を、一つの鍵穴610に対し一つの鍵を挿入することで行うことができるため、複数の鍵を個別に用意しておく場合に比べ、第1覆い部材400の開操作および第2覆い部材450の開操作を行う際の手間がかからなくなる。
【0038】
なお、第1角度αだけ回転部600が回転した際に、第2覆い部材450の固定を解除し、第2角度βとなる位置まで回転部600がさらに回転した際に、第1覆い部材400の固定を解除する処理を行うこともできる。なおこの処理では、第2角度βとなる位置まで回転部600が回転する際、第2覆い部材450の再固定は行われず第2覆い部材450の固定が解除された状態が維持される。ところでこの場合、開操作を行う頻度が圧倒的に多い第1覆い部材400の開操作を行う際の、回転部600の回転角度が大きいものとなってしまう。このため、本実施形態では、第1角度αだけ回転部600が回転したときに、使用頻度の多い第1覆い部材400の固定が解除されるようにし、回転部600がこの第1角度αよりも大きい第2角度β回転したときに、使用頻度の少ない第2覆い部材450の固定が解除されるようにしている。
【0039】
なお上記では、トナー収容容器300Y,300M,300C,300Kを第2覆い部材450で覆う場合を一例に説明したが、記録材収容部の一例としての用紙収容部202(図1参照)が第2覆い部材450により覆われる構成とし、用紙収容部202内の用紙Pが持ち出されないようにしてもよい。また上記では、第1ソレノイド510、第2ソレノイド560、制御部900、およびセンサSを、電気的に接続し、第1覆い部材400や第2覆い部材450の固定および固定解除を行ったが、回転部600と進退部材520等とをリンクやカムなどで接続することでも、第1覆い部材400や第2覆い部材450の固定および固定解除を行うことができる。
【0040】
また上記では、回転部600が第1角度αだけ回転された場合に、一律に、第1覆い部材400の固定を解除する場合を説明した。ところで、回転部600が第1角度αだけ回転された場合であっても排出ロール262(図1)の回転駆動が行われている場合には、第1覆い部材400の固定を解除しない構成とすることもできる。
【0041】
本実施形態では、内壁20Dに形成された開口(不図示)に、排出ロール262が設けられており、第1覆い部材400が開放された場合、回転駆動している排出ロール262へのユーザのアクセスが可能となってしまう。このため、排出ロール262が回転駆動を行っている最中に、回転部600が第1角度αだけ回転された場合は、第1覆い部材400の固定を解除しない構成とすることが好ましくなる。なおこの場合、用紙Pの用紙排出空間32への排出が終了し排出ロール262の回転が終了した後に(停止した後に)、第1覆い部材400の固定を解除する。
【符号の説明】
【0042】
1…画像形成装置、200…給紙装置、202…用紙収容部、262…排出ロール、300Y,300M,300C,300K…トナー収容容器、400…第1覆い部材、450…第2覆い部材、510…第1ソレノイド、520…進退部材、550…進退部材、560…第2ソレノイド、600…回転部、900…制御部、S…検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能に設けられ、予め定められた箇所を覆う第1の覆い部材と、
開閉可能に設けられ、予め定められた箇所を覆うとともに開放の頻度が前記第1の覆い部材よりも少ない第2の覆い部材と、
前記予め定められた箇所を覆う第1の覆い部材の開放を規制する第1の規制部と、
前記予め定められた箇所を覆う第2の覆い部材の開放を規制する第2の規制部と、
回転可能に設けられ鍵が挿入される挿入部を有し、当該鍵により当該挿入部が第1の位置まで回転した際に前記第1の規制部による前記規制を解除し、当該鍵により当該挿入部が更に回転し第2の位置まで当該挿入部が回転した際に前記第2の規制部による前記規制を解除する解除機構と、
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の覆い部材は、画像形成部により画像が形成された記録材が積載される箇所を覆うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部は、トナーを用いて記録材に対して前記画像の形成を行い、
前記画像形成部が用いる前記トナーを収容したトナー収容容器が更に設けられ、
前記第2の覆い部材は、前記トナー収容容器を覆うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録材を収容する記録材収容部を有し、当該記録材収容部に収容された記録材を前記画像形成部に供給する供給手段を更に備え、
前記第2の覆い部材は、前記記録材収容部を覆うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
回転駆動し、前記記録材が積載される箇所に向けて記録材を送り出す送り出し部材を更に備え、
閉じられた状態の前記第1の覆い部材によって前記送り出し部材へのユーザのアクセスが制限されるように当該第1の覆い部材は設けられ、
前記解除機構は、前記鍵により前記挿入部が前記第1の位置まで回転し且つ前記送り出し部材が停止している場合に、前記第1の規制部による前記規制を解除することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−118370(P2012−118370A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269104(P2010−269104)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】