説明

画像形成装置

【課題】容器に収容されるトナー及び磁性キャリアの透磁率を測定してその収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器を採用する場合、被記録媒体に転写しないトナー像を感光体に形成するトナー放出動作が行われ、その転写しないトナー像が感光体の清掃装置で除去された後に容器に収容されることで、トナー放出動作を行わない場合に比べて容器内のトナーの割合が磁性キャリアの割合よりも増加して収容検出器による検出が困難になることがあっても、その収容検出器による検出が確実にできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】容器のうち収容検出器の透磁率の測定が有効な部位を収容検出器による検出の要否を確認する仮想領域として設定し、制御手段は、容器内の収容量が仮想領域に達した段階で次に実行される作像動作がトナー放出動作の作像動作であるか否かを判断し、トナー放出動作の作像動作である場合、補給装置の補給時間等の累積情報に基づいて収容量が設定量以上になったことを予測して検出する予測検出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現像剤で構成される画像を形成する複写機、プリンタ等の画像形成装置としては、例えば、磁性を有する現像剤により現像して画像を形成する作像装置と、その作像装置で不要となる現像剤を容器に回収するとともに、その容器内に回収されて蓄積される現像剤の蓄積量が所定のレベルに達したことを磁気センサにより検知する現像剤回収システムとを備えたものが知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、磁性を有する現像剤として、非磁性トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤や、磁性一成分現像剤(トナー)が例示されている。また、作像装置で不要となって現像剤回収システムで回収される現像剤として、作像装置で現像に供されず劣化して不要となる劣化現像剤や、作像装置で使用後に残留して清掃除去されて不要となる残留トナーが例示されている。
【0004】
また、廃トナー容器に回収される廃トナーの量を表示する手段を有する印刷装置において、原稿画像の画素数を印刷頁単位で計数する手段と、計数した画素数を累積蓄積する手段と、廃トナー容器に廃トナーが満杯になるときの画素数を予め設定する手段と、累積蓄積した画素数と設定した画素数に基づいて廃トナー容器に回収されるトナー量を算出する手段とを備え、その累積蓄積した画素数が満杯になると想定する総画素数を超えたか否かを判断し、それが超えた場合には印刷エンジンを停止する印刷装置が知られている(特許文献2)。
【0005】
特許文献2には、計数された画素数を補正する手段として、トナーの転写材への転写率により補正する手段、または印刷ジョブ終了毎に、計数された画素数に所定の画素数を加算する手段を備えることが示されている。また、この画像形成装置によれば、光透過形のセンサでは廃トナーの満杯状態を正確に検知することができないことに鑑み、廃トナーが廃トナー容器に満杯になるときを正確に検知できることが示されている。
【0006】
近年、このような画像形成装置のなかには、記録用紙等の被記録媒体に転写しない特殊な現像剤(トナー)像を感光体に形成し、現像装置内にある現像剤(トナー)をある一定の量をまとめて放出する動作を行うものがある。このトナーの放出動作は、例えば、画像の品質の低下を招く要因を特殊トナー像の形成を伴うトナー放出動作を実行することにより排除して、その画像の品質を回復(維持)させるために行うことが多い。
【0007】
具体的には、例えば、現像装置に収容されている現像剤のなかで現像工程に供されず現像装置内に滞留して特性が劣化する現像剤が存在し、この特性が劣化した現像剤の存在により良好な現像がなされずひいては画像品質の低下を招くことがある。このため、その特性の劣化した現像剤を含む現像剤の一部を現像装置の外に放出するように特殊なトナー像を感光体に形成し、その放出した現像剤に代えて新しい現像剤を補給して現像剤の一部の入れ替えを行っている。このときの現像剤の劣化とは、例えば、帯電調整剤等の外添剤がトナー粒子から脱離することや、トナー粒子内に埋没してトナーに要求される特性が低下してしまうことなどである。
【0008】
この他にも、例えば、帯電工程で発生する放電生成物が感光体の表面に存在することにより感光体の特性が劣化し、潜像の電荷の一部がずれることで形成される画像流れ等の画像不良が発生することがある。このため、感光体の表面に特殊なトナー像を形成して感光体の清掃装置まで送り、その清掃装置によりトナー像と共に放電生成物を除去することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−209286号公報
【特許文献2】特開2005−241676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、現像剤を構成するトナー及び磁性キャリアを回収して収容する容器と、その容器に収容されたトナー及び磁性キャリアの透磁率を測定して容器におけるトナー及び磁性キャリアの収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器を採用する場合、被記録媒体に転写しないトナー像を感光体に形成するトナー放出動作が行われ、その転写しないトナー像が感光体の清掃装置で除去された後に容器内に収容されることで、そのトナー放出動作を行わない場合に比べて容器内のトナーの割合が磁性キャリアの割合よりも増加して収容検出器による検出が困難になることがあっても、その容器の収容量の検出を確実に行って、容器からの現像剤の溢れ出しや回収搬送装置における現像剤の詰まりの発生を回避することができる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明(A1)の画像形成装置は、
感光体と、
前記感光体の表面を帯電させる帯電装置と、
前記感光体の帯電された表面に光を照射して潜像を形成する露光装置と、
前記感光体に形成された潜像をトナーと磁性キャリアを含む現像剤により現像してトナー像を形成し、かつ、前記現像剤の一部が排出される現像装置と、
前記感光体に形成されたトナー像を最終的に被記録媒体に転写する転写装置と、
前記感光体の転写後の表面に残留する少なくともトナーを除去する清掃装置と、
前記現像装置に前記現像剤を構成するトナー及び磁性キャリアを補給する補給装置と、
前記現像装置から排出された現像剤と前記清掃装置で除去された少なくともトナーを収容する容器と、
前記現像装置及び清掃装置と前記容器との間を接続し、トナー及び磁性キャリアを回収して前記容器まで搬送する回収搬送装置と、
前記容器に収容された磁性キャリアの透磁率を測定して前記容器におけるトナー及び磁性キャリアの収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器と、
前記被記録媒体に転写しない特殊トナー像を前記感光体に形成するトナー放出動作を実行する制御手段と、
を有し、
前記容器のうち前記収容検出器の透磁率の測定が有効な部位を当該収容検出器による検出の要否を確認する仮想領域として設定し、
前記制御手段は、前記容器に収容されるトナー及び磁性キャリアの収容量が前記仮想領域に達した段階で次に実行される作像動作が前記トナー放出動作に関する作像動作であるか否かを判断し、トナー放出動作に関する作像動作であると判断した場合に、前記収容検出器による検出に代えて、前記補給装置の補給時間又は前記潜像の画素数の累積情報に基づいて前記収容量が設定量以上になったことを予測して検出する予測検出を行うものである。
【0012】
この発明(A2)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、
前記容器を複数設置し、かつ、前記回収搬送装置にトナー及び磁性キャリアを前記複数の容器のいずれかに搬送してその収容先を切り替える切替え機構を設け、
前記制御手段が、前記複数の容器のいずれかに収容されるトナー及び磁性キャリアの収容量が前記仮想領域に達した段階で他の容器の有無及び他の容器の前記収容量が前記仮想領域以上の量であるか否かを判断し、他の容器が存在してかつ当該他の容器の収容量が前記仮想領域未満の量であると判断した場合に、前記切替え機構における収容先を当該他の容器に切り替えるものである。
【0013】
この発明(A3)の画像形成装置は、上記発明A2の画像形成装置において、
前記制御手段が、前記判断において他の容器が存在しない場合又は他の容器が存在してかつ当該他の容器の収容量が前記仮想領域以上の量であると判断した場合、
次に実行される作像動作が前記トナー放出動作に関する作像動作であると判断されていたときに、前記切替え機構における収容先を前記収容量が仮想領域に達した容器に切り替えるとともに前記予測検出を行うものである。
【0014】
この発明(A4)の画像形成装置は、上記発明A1からA3のいずれかの画像形成装置において、
前記制御手段が、前記収容量が前記仮想領域に達したか否かを前記補給時間又は画素数の累積情報に基づいて予測して判断するものである。
【0015】
この発明(A5)の画像形成装置は、上記発明A1〜A4のいずれかの画像形成装置において、
前記制御手段が、前記トナー放出動作に関する作像動作が実行されたときに、前記補給時間又は画素数の累積情報を増やす補正処理を行い、その補正処理が行われた後の累積情報に基づいて前記予測検出を行うものである。
【0016】
また、この発明(B1)の画像形成装置は、
感光体と、
前記感光体の表面を帯電させる帯電装置と、
前記感光体の帯電された表面に光を照射して潜像を形成する露光装置と、
前記感光体に形成された潜像をトナーと磁性キャリアを含む現像剤により現像してトナー像を形成し、かつ、前記現像剤の一部が排出される現像装置と、
前記感光体に形成されたトナー像を最終的に被記録媒体に転写する転写装置と、
前記感光体の転写後の表面に残留する少なくともトナーを除去する清掃装置と、
前記現像装置に前記現像剤を構成するトナー及び磁性キャリアを補給する補給装置と、
前記現像装置から排出された現像剤と前記清掃装置で除去された少なくともトナーを収容する複数の容器と、
前記現像装置及び清掃装置と前記複数の容器の間をそれぞれ接続し、トナー及び磁性キャリアを回収して前記各容器まで搬送する回収搬送装置と、
前記回収搬送装置に設けられ、トナー及び磁性キャリアを前記複数の容器のいずれかに搬送してその収容先を切り替える切替え機構と、
前記容器に収容されたトナー及び磁性キャリアの透磁率を測定して前記容器におけるトナー及び磁性キャリアの収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器と、
前記被記録媒体に転写しないトナー像を前記感光体に形成するトナー放出動作を実行する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、次に実行される作像動作が前記トナー放出動作に関する作像動作であるか否かを判断し、前記トナー放出動作に関する作像動作であると判断した場合には、前記切替え機構の搬送先を前記複数の容器のうちから予め選定された専用の容器に切り替え、また前記トナー放出動作に関する作像動作でないと判断した場合には、前記切替え機構の搬送先を前記専用の容器以外の容器に切り替え、
かつ、前記専用の容器について、前記補給装置の補給時間又は前記潜像の画素数の累積情報に基づいて前記収容量が設定量以上になったことを予測して検出する予測検出を行うものである。
【発明の効果】
【0017】
上記発明A1の画像形成装置によれば、現像剤を構成するトナー及び磁性キャリアを回収して収容する容器と、その容器に収容されたトナー及び磁性キャリアの透磁率を測定して容器におけるトナー及び磁性キャリアの収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器を採用する場合、被記録媒体に転写しないトナー像を感光体に形成するトナー放出動作が行われ、その転写しないトナー像が感光体の清掃装置で除去された後に容器内に収容されることで、そのトナー放出動作を行わない場合に比べて容器内のトナーの割合が磁性キャリアの割合よりも増加して収容検出器による検出が困難になることがあっても、その容器の収容量の検出を確実に行って、容器からの現像剤の溢れ出しや回収搬送装置における現像剤の詰まりの発生を回避することができる。
【0018】
上記発明A2の画像形成装置では、その構成を有しない場合に比べて、収容量が仮想領域に達した容器の収容量の検出を収容検出器による検出により行う機会が増え、複数の容器の各収容量の検出をより確実に行って、容器からの現像剤の溢れ出しや回収搬送装置における現像剤の詰まりの発生を容易に回避することができる。また、予測検出の誤差により容器の有効利用が阻害されることを防止できる。
【0019】
上記発明A3の画像形成装置では、その構成を有しない場合に比べて、収容先を他の容器に切り替えることができない段階になっても、複数の容器の各収容量の検出をより確実に行って、容器からの現像剤の溢れ出しや回収搬送装置における現像剤の詰まりの発生を容易に回避することができる。
【0020】
上記発明A4の画像形成装置では、その構成を有しない場合に比べて、収容量が仮想領域に達する前の容器の収容量の検出についてもより確実に行え、容器からの現像剤の溢れ出しや回収搬送装置における現像剤の詰まりの発生をより確実に回避することができる。
【0021】
上記発明A5の画像形成装置では、その構成を有しない場合に比べて、トナー放出動作に関する作像動作が実行されて予測検出が行われることがあっても、容器の収容量の検出をより確実に行え、容器からの現像剤の溢れ出しや回収搬送装置における現像剤の詰まりの発生をより確実に回避することができる。
【0022】
上記発明B1の画像形成装置によれば、その構成を有しない場合に比べて、現像剤を構成するトナー及び磁性キャリアを回収して収容する容器と、その容器に収容された磁性キャリアの透磁率を測定して容器におけるトナー及び磁性キャリアの収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器を採用する場合、被記録媒体に転写しない特殊トナー像を感光体に形成するトナー放出動作が行われ、その特殊トナー像が感光体の清掃装置で除去されて容器まで搬送されて容器内に収容されることでトナーの割合が磁性キャリアの割合に比べて急増して収容検出器による検出が困難になることがあっても、その容器の収容量の検出を確実に行って、容器からの現像剤の溢れ出しや回収搬送装置における現像剤の詰まりの発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】図1の画像形成装置における一部(作像装置及び現像剤補給システム)を概念的に示す説明図である。
【図3】図1の画像形成装置に装備されるトナー及びキャリア等の回収システムの構成を示す一部断面説明図である。
【図4】図3の回収システムにおける搬送装置の一部を拡大して示す断面図である。
【図5】図3の回収システムで使用される容器と収容検出センサ等の構成を示す説明図である。
【図6】図3の容器の外形とその収容量の状態等の構成を示す説明図である。
【図7】トナー放出動作における特殊トナー像の形成位置等を示す説明図である。
【図8】容器内のトナー濃度に対する収容検出センサの出力との関係を測定した結果を示すグラフ図である。
【図9】画像形成装置における主な制御に関する構成を示す説明図である。
【図10】容器の収容量状態の確認動作の処理工程を示すフローチャートである。
【図11】回収システムの回収動作及び容器の収容量の検出動作の処理工程を示すフローチャートである。
【図12】予測検出に使用する累積情報のカウント動作やその確定動作の処理工程を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態2に係る画像形成装置における回収システムの回収動作及び容器の収容量の検出動作の処理工程を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態3に係る画像形成装置における回収システムの回収動作及び容器の収容量の検出動作の処理工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[実施の形態1]
図1は実施の形態1に係る画像形成装置1の概要を示し、図2はその画像形成装置1における一部(作像装置及び現像剤補給システム)を示し、図3はその画像形成装置1における他の一部(回収システム)を示している。
【0025】
この画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。画像形成装置1は、筐体10の内部空間に、公知の電子写真方式、静電記録方式等の画像記録方式を利用して入力画像の情報に基づいて現像剤を構成するトナー(着色等がされた微粉体)で現像されるトナー像を形成する複数の作像装置20と、作像装置20で形成されたトナー像を保持して最終的に被記録材の一例としての記録用紙9に転写する中間転写装置30と、中間転写装置30の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙9を収容して搬送する給紙装置40と、中間転写装置30でトナー像が転写された記録用紙9を通過させてトナー像の定着を行う定着装置45、作像装置20及び中間転写装置30における不要な現像剤を回収する回収システム100、制御装置7等が設置されている。筐体10は、支持部材、外装カバー等で支持構造部や外装部が形成されている。図中の一点鎖線は、筐体10内において記録用紙9が主に搬送される搬送経路を示す。
【0026】
作像装置20は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(黒:K)の4色のトナー像と特別色SA,SBの特別色トナー像をそれぞれ専用に形成する6つの作像装置20Y,20M,20C,20K,20SA,20SBで構成されている。この6つの作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)は、筐体10の内部空間において直列に並べた状態となるよう配置されている。また、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)は、以下に示すようにほぼ共通した構成のものである。
【0027】
各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)は、図1や図2に示すように、回転する感光ドラム21を備えており、この感光ドラム21の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光ドラム21の表面(帯電と潜像の形成を行うことができる像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置22と、感光ドラム21の帯電された表面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光装置23と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K,SA,SB)の現像剤のトナーで現像して可視像であるトナー像とする現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)と、そのトナー像を中間転写装置30(の中間転写ベルト)に転写する一次転写装置25と、転写後の感光ドラム21の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を除去するドラム清掃装置26とである。
【0028】
感光ドラム21は、接地処理される円筒又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものであり、図示しない回転駆動装置(図8:回転駆動部16A)から動力を受けて矢印で示す方向に回転する。帯電装置22は、感光ドラム21の表面に接触した状態で配置されるとともに帯電バイアスが供給される帯電ロール等の接触部材を備えた接触型の帯電装置である。帯電バイアスとしては、現像装置24が反転現像を行うものである場合、その現像装置から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が帯電用電源16B(図9)から供給される。
【0029】
露光装置23は、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成される光(矢付き点線)を、帯電された後の感光ドラム21の像保持面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置23としては、半導体レーザとポリゴンミラー等の光学部品を用いて構成される走査型のものを使用しているが、その他にも、例えば、発光ダイオードと光学部品等を用いて構成される非走査型の露光装置を使用してもよい。この露光装置23には、画像形成装置1に入力されるプリント対象となる画像の情報について画像処理装置27で必要な画像処理が施され、その処理後に得られる各色成分の画像信号が露光駆動部16C(図9)に送信されるようになっている。画像形成装置1には、画像読取装置や、パーソナルコンピュータ等の情報端末や、記憶媒体の読み書き装置等の図示しない画像情報機器が接続通信部12を介して接続可能となっており、その画像情報機器から画像の情報が入力される。
【0030】
現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)は、図2等に示すように、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する現像剤収容器24aを有し、その現像剤収容器24aに収容されている現像剤を回転しながら保持して感光ドラム21と近接して対向する現像領域に搬送する現像ロール24bや、その収容されている現像剤を回転して攪拌しながら現像ロール24bに搬送する攪拌搬送部材24cや、現像ロール24bに保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材24dを有している。
【0031】
この現像装置24はいずれも、その現像ロール24bに図示しない現像用電源部16D(図9)から現像バイアスが供給されるとともに、その現像ロール24b及び攪拌搬送部材24cが回転駆動装置28(回転駆動部16A:図9)からの動力を受けて所要の方向に回転させられる。各現像装置24における現像剤のトナーは、現像剤収容器24a内において攪拌搬送部材24cにより攪拌されながら搬送されることでキャリアと擦れ合い、これにより所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)に摩擦帯電される。また、特別色SA,SBの現像剤におけるトナーは、例えば、上記4色では表現が困難又は不可能であった色材等で構成される。具体的には、上記4色以外の色のトナー、点字用の発泡性トナー、蛍光色トナー、光沢を向上させるトナー等である。
【0032】
また、現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)は、図2に示すように、現像剤の補給システム5により、各現像剤が補給されるようになっている。補給システム5は、4色(Y,M,C,K)及び特別色(SA,SB)の補給現像剤(磁性キャリアを含む非磁性トナー)をそれぞれ収納する着脱交換式の現像剤カートリッジ50(Y,M,C,K,SA,SB)と、各現像剤カートリッジ50の補給現像剤を各現像装置24にそれぞれ必要な量だけ搬送する補給装置60(Y,M,C,K,SA,SB)とで構成されている。
【0033】
補給装置60はいずれも、各現像剤カートリッジ50の排出口から排出される補給現像剤を受け入れて一時的に貯留するとともに、その貯留されている補給現像剤を各現像装置24にむけてそれぞれ送り出すものである。各補給装置60から送り出される補給現像剤は、接続搬送装置64を通して各現像装置24に搬送される。図2等における符号55は、現像剤カートリッジ50内の補給現像剤を排出口にむけて搬送する搬送部材52を回転駆動させる駆動装置である。符号65は、補給装置60内に貯留されている補給現像剤の一部を送出口にむけて送り出す送出部材62等を回転駆動させる駆動装置であり、符号63は、補給装置60内に貯留されている補給現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材である。また、符号67は、補給装置60内に貯留されている補給現像剤の設定値以上の有無を検出する残量検出センサであり、符号29は、現像装置24内に収容されている現像剤のトナー濃度(現像剤中におけるトナーの重量割合)を検出する濃度検出センサである。
【0034】
さらに、現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)は、その現像剤収容器24aに収容されている現像剤のキャリアの劣化に対処するため現像剤の一部(磁性キャリアとそれに付着する非磁性トナー)を現像装置24の外部に排出させるようになっている。いわゆるトリクル現像方式を採用している。この現像剤の一部の排出は、現像剤収容器24aの一端部に攪拌搬送部材24cで搬送される現像剤の一部が乗り越えて排出される排出口を通して行われる。各現像装置24から排出される現像剤は、後述する回収システム100によって回収される。
【0035】
一次転写装置25は、感光ドラム21の表面に(後記の中間転写ベルト31を介して)接触して回転するとともに一次転写バイアスが供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写バイアスとしては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧等が転写用電源部16E(図9)から印加される。この一次転写装置25は、中間転写装置30を構成するものとして扱ってもよい。ドラム清掃装置26は、一次転写位置を通過した後の感光ドラム21の表面に接触して残留トナー等の付着物を除去する弾性ブレード26aと、弾性ブレード26aで除去したトナー等の付着物を回収して後述する回収システム100に対して送り出すように駆動する送出部材26b等で構成されている。
【0036】
中間転写装置30は、図1等に示すように、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)の下方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置30は、感光ドラム21と一次転写装置25(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印で示す方向に回転する中間転写ベルト31と、中間転写ベルト31をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数の支持ロール32a〜32fと、支持ロール32eに支持されている中間転写ベルト31に所定の圧力で接触して回転する二次転写ロール35と、二次転写ロール35を通過した後に中間転写ベルト31に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を除去するベルト清掃装置36とで主に構成されている。
【0037】
中間転写ベルト31としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボン等の抵抗調整剤を分散した材料を用いて所定の厚さからなる無端状のベルトに形成されたものが使用される。支持ロール32aは駆動ロールとして、支持ロール32cは張力付与ロールとして構成されている。支持ロール32e(又は二次転写ロール35)には、二次転写バイアスが転写用電源部16E(図9)から供給される。二次転写バイアスとしては、トナーの帯電極性と同極性(又は逆極性)を示す直流の電圧等が供給される。ベルト清掃装置36は、二次転写位置を通過した後の中間転写ベルト31の表面に接触して残留トナー等の付着物を除去する弾性ブレード36aと、弾性ブレード36aで除去したトナー等の付着物を回収して後述する回収システム100に対して送り出すように駆動する送出部材36b等で構成されている。
【0038】
給紙装置40は、中間転写装置30の下方側の位置に存在するように配置される。給紙装置40は、筐体10の正面(操作者が使用時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられ、所望のサイズ、種類等の記録用紙9を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体41と、用紙収容体41から記録用紙9を1枚ずつ送り出す送出装置42とで主に構成されている。給紙装置40から送りされる記録用紙9は、複数の用紙搬送ロール対43a,43b,43c,…や搬送ガイド材で構成される搬送路を経由して中間転写装置30における中間転写ベルト31と二次転写ロール35の間である二次転写位置に搬送される。
【0039】
定着装置45は、筐体46の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるように加熱手段によって加熱される加熱回転体47と、この加熱回転体47の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して従動回転する加圧用回転体48とを設置したものである。この定着装置45でトナー像の定着が終了して画像が形成された記録用紙9は、複数の搬送ロール対や搬送ガイド材で構成される排出搬送路を通して筐体10等に設置される排出部に搬送されて収容される。
【0040】
この画像形成装置1による基本的な画像形成動作は、以下に説明するように行われる。ここでは、前記4つの作像装置20(Y,M,C,K)のすべてを使用して形成する4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成する画像形成動作のパターン(フルカラーモード)を説明する。
【0041】
前記した画像情報機器などから画像形成動作(プリント)の要求の指示があると、4つの作像装置20(Y,M,C,K)において、まず各感光ドラム21が矢印で示す方向に回転し、各帯電装置22がその各感光ドラム21の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置23が、帯電後の感光ドラム21の表面に対し、画像処理装置27から送信された各色成分(Y,M,C,K)に分解された画像データに基づいて発光される光を照射して露光を行い、所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。次いで、各現像装置24(Y,M,C,K)が、感光ドラム21に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを供給して静電的に付着させる。
【0042】
このときの現像工程について詳述すると、各現像装置24では、現像ロール24b及び攪拌搬送部材24cが回転駆動し、その現像剤収容部24a内に収容されている現像剤Gが攪拌搬送部材24cで攪拌されながら現像ロール24bに至るまで搬送される。この攪拌して搬送された現像剤Gは、回転する現像ロール24bに付着し、層厚規制部材24dで所要の厚さに規制された後に、感光ドラム21と対向する現像領域に搬送される。そして、この現像領域に搬送された現像剤G(実施の形態1ではトナー成分)は、現像ロール24bと感光ドラム21の間に供給される現像バイアスで形成される現像電界により感光ドラム21に供給されて、静電潜像部分に付着する。一方、この現像に供されなかった現像剤Gの多くは、回転する現像ロール24bによって現像剤収容部24aに戻される。このようにして各感光ドラム21で形成された各色成分の静電潜像は、現像装置24を通過することにより、その対応する色のトナーでそれぞれ現像されて4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
【0043】
次いで、各作像装置20(Y,M,C,K)の感光ドラム21上に形成された各色のトナー像が、一次転写装置25により、中間転写装置30の中間転写ベルト31に対して順番に重ね合わるようにして一次転写される。また、中間転写装置30は、中間転写ベルト31に一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送した後、二次転写ロール35が給紙装置40から搬送されて送り込まれる用紙9に一括して二次転写させる。トナー像が二次転写された用紙9は、中間転写ベルト31から剥離された後に定着装置45に導入されて必要な定着処理(加熱及び加圧)を受け、そのトナー像が定着される。定着が終了した後の用紙9は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、例えば筐体10に形成される図示しない排出収容部に排出されて収容される。
【0044】
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された用紙9が出力される。
【0045】
また、この画像形成装置1は、前記特別色SA,SBのトナー像を形成する場合、その作像装置20SA,20SBにおいて前述した作像装置20(Y,M,C,K)と同様の動作が行われることにより各感光ドラム21に特別色SA,SBのトナー像が形成される。また、この作像装置20SA,20SBで形成された特別色SA,SBのトナー像は、中間転写装置30により最終的に記録用紙9に(例えば、他の色のトナー像と併せて)転写される。記録用紙9に転写された特別色SA,SBのトナー像は、定着装置45で定着される。
【0046】
さらに、この画像形成装置1による画像形成動作では、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)における各感光ドラム21の一次転写後の表面がドラム清掃装置26によって清掃され、中間転写装置30の中間転写ベルト31がベルト清掃装置36によって清掃される。また、各作像装置20における各現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)では、前記したトリックル現像方式により現像剤の一部が外部に排出される。このとき、ドラム清掃装置26では一次転写されなかった未転写のトナーが最も多く除去され、ベルト清掃装置36では二次転写されなかった未転写のトナーが最も多く除去される。また、各現像装置24では、キャリアとそのキャリアに付着するトナーとが排出される。そして、このドラム清掃装置26及びベルト清掃装置36で除去されたトナー等と各現像装置24から排出されるキャリア及びトナーは、後述するように回収システム100に回収される。
【0047】
次に、回収システム100について説明する。
【0048】
回収システム100は、図3等に示すように、主としてトナー及びキャリアを搬送する回収搬送装置101と、回収搬送装置101で搬送されたトナー及びキャリアを収容する2つの回収容器200A,200Bとで構成されている。
【0049】
回収搬送装置101は、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)の現像装置24及びドラム清掃装置26からそれぞれ送出されるトナー及びキャリアを1つにまとめて搬送する第1搬送装置110と、中間転写装置30のベルト清掃装置36から送出されるトナーを搬送する第2搬送装置120と、第1搬送装置110及び第2搬送装置120から搬送されたトナー及びキャリアを搬送する第3搬送装置130と、第3搬送装置130から搬送されたトナー及びキャリアを搬送する第4搬送装置140と、第4搬送装置140で搬送されたトナー及びキャリアを回収容器200A,200Bのいずれかに切り替えて搬送する第5搬送装置150を備えている。
【0050】
第1搬送装置110は、筐体10の後方の部位において各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)の下方になる位置にほぼ水平の状態になるよう配置される管状部材112と、管状部材112の内部空間で回転してトナー及びキャリアをその搬送方向の下流側に搬送する搬送部材113と、搬送部材113に回転動力を伝える第1駆動装置114とで構成されている。搬送方向は、図3等において矢印で示す方向である。また、第1搬送装置100における搬送方向の下流側は、実施の形態1では特別色の作像装置20SAが配置される側となる。
【0051】
この第1搬送装置110の管状部材112には、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)における現像装置24の排出口及びドラム清掃装置26の送出口との間をそれぞれ接続してトナー及びキャリアを搬送する接続搬送装置115(Y,M,C,K,SA,SB)が接続されている。接続搬送装置115はいずれも、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)における現像装置24の排出口及びドラム清掃装置26の送出口と第1搬送装置110の管状部材112とを接続するようにほぼ上下の方向(鉛直方向)にそって配置される管状部材116と、管状部材116の内部空間において上下の方向に進退して内壁に付着するトナー等を取り崩す崩し部材117と、崩し部材117を進退運動させるための動力を伝える駆動装置118とで構成されている。実施の形態1では崩す崩し部材117として、回転軸がなく線材を螺旋状に巻いたコイルスプリングを使用している。
【0052】
第2搬送装置120は、筐体10の後方の部位において中間転写装置30のベルト清掃装置36の下方になる位置にほぼ水平の状態になるよう配置される管状部材122と、管状部材122の内部空間で回転してトナーをその搬送方向下流側に搬送する図示しない搬送部材と、搬送部材に回転動力を伝える第2駆動装置124とで構成されている。第2搬送装置120における搬送方向下流側は、実施の形態1では特別色の作像装置20SAが配置されて第1搬送装置110の管状部材112の下流端側となる。
【0053】
この第2搬送装置120の管状部材122は、ベルト清掃装置36の送出口と直接接続されるよう構成されている。なお、第2搬送装置120は、第3搬送装置130がベルト清掃装置36から作像装置20側とは反対側の位置に離れた位置に配置される場合には、その設置を省略することができる。この場合は、例えば、ベルト清掃装置36の送出口を第1搬送装置110の管状部材112に接続した構成にすればよい。
【0054】
第3搬送装置130は、第1搬送装置110の管状部材112と第2搬送装置120の管状部材122の接合部から下方側にある第4搬送装置140にむけてほぼ上下の方向にそって配置される管状部材132と、管状部材132の内部空間において上下の方向に進退して内壁に付着するトナー等を取り崩す崩し部材(実施の形態1ではコイルスプリング)133と、崩し部材133を進退運動させるための動力を伝える第3駆動装置134とで構成されている。
【0055】
第4搬送装置140は、図3や図4に示すように、第3搬送装置130の管状部材132の下端部と交差する状態になり、全体がほぼ水平の状態になるよう配置される管状部材142と、管状部材142の内部空間で回転してトナー及びキャリアを搬送方向下流側にむけて搬送する搬送部材143と、搬送部材143に回転動力を伝える第4駆動装置144とで構成されている。実施の形態1における第4搬送装置140の搬送方向下流側は、容器200A,200Bが配置される側となる。また、搬送部材143としては、回転軸に螺旋状に巻きつく形態の搬送羽根を形成したスクリューオーガーを使用している。
【0056】
第5搬送装置150は、図3や図4に示すように、第4搬送装置140の管状部材142の下流側端部の下部に配置されて接続され、全体がほぼ水平の状態になるよう配置される管状部材152と、管状部材152の内部空間で回転してトナー及びキャリアを両方向にむけて搬送することができる搬送部材153と、搬送部材153に正方向及び逆方向の回転動力を伝える第5駆動装置154とで構成されている。管状部材152は、接続管部155を介して第4搬送装置140の管状部材142の下流側端部と接続されている一方で、接続管部155の両側の位置に存在し且つ下方に突出した状態で配置される排出部156,157を介して容器200A,200Bの受入部210A,210Bにそれぞれ接続される構造になっている。
【0057】
この第5搬送装置150は、搬送先切替え機構としての搬送切り替え機能を備えている。すなわち、図4に示すように、第5駆動装置154で発生させる回転動力の回転方向について制御することにより、搬送部材153を正転方向C1に回転させた場合には、搬送部材153が第4搬送装置140から搬送されたトナー及びキャリアを、第1容器200Aと接続される第1排出部156にむけて搬送し、最終的に第1容器200Aに収容させることになる。一方、搬送部材153を逆転方向C2に回転させた場合には、搬送部材153が第4搬送装置140から搬送されたトナー及びキャリアを、第2容器200Bと接続される第2排出部157にむけて搬送し、最終的に第2容器200Bに収容させることになる。
【0058】
容器200A,200Bはいずれも、図3、図5、図6等に示すように、外観がほぼ長方体の形状からなる容器であり、その上面部201にトナー及びキャリア等を受け入れる受け口210A,210Bが形成され、その1つの側面部202に取っ手部220A,220Bが形成されている。また、この容器200A,200Bは、筐体10の下部に形成された容器装着部に着脱自在に装着されて交換できるようになっている。その装着に当たっては、容器200A,200Bを容器装着部に設けられた設置枠105に嵌め入れることで、受け口210A,210Bが回収システム100の第5搬送装置150における接続管部156,157の下方に存在して接続された状態に保たれる。
【0059】
また、筐体10の容器装着部には、容器200A,200Bが装着されたときに、容器200A,200Bの各取っ手部220が形成された側面部202とは反対側の側面部203と対峙する部位に、容器200A,200B内に収容される磁性キャリアの透磁率を測定して収容される非磁性トナーT及び磁性キャリアCの収容量が設定した量以上になったことを検出する収容検出センサ106A,106Bがそれぞれ設けられている。さらに、筐体10の容器装着部には、容器200A,200Bが装着されたか否か(有無)を検出する装着検出センサ107A,107Bがそれぞれ設けられている。
【0060】
このうち収容検出センサ106は、その検出面部106aが容器200A,200Bの側面部203に接近又は接触した状態になるよう設置されており、その状態において容器200内の磁性キャリアの透磁率を検出するようになっている。また、収容検出センサ106は、収容量が設定量L1に至ると、その出力が閾値以上の高い値となり、その出力が獲られたときに収容量が設定した量L1以上になったことを検出したものとなる。設定した量L1に相当する収容量は、例えば、図6に示すように満杯であると想定する収容量(一点鎖線Lmax)よりも少し少ない量(満杯に近い量であって満杯の検出を開始する目安の量)である。図6中の左側に容器200A(200B)を示し、その右側に容器200の容量(最大の収容量)CPを示す。
【0061】
回収システム100では、容器200A,200Bが収容されるトナー及びキャリアで満杯の状態になることについて、容量検出センサ106の出力が設定値L1以上であることを示す値になった後における補給装置60の補給時間(送出部材62の駆動時間)の累積値又は露光装置23で形成する潜像の画素数の累積値が予め設定する閾値を超えたときを検出することで判定している。
【0062】
この回収システム100は、以下のように作動する。
【0063】
回収システム100は、作像装置20及び中間転写装置30等が作動してトナー像の形成(作像動作)がなされる時期に併せて作動する。つまり、回収システム100では、回収搬送装置101である前記第1〜第5の搬送装置110,120,130,140,150及び接続搬送部115における各搬送部材が各駆動装置の始動によりそれぞれ駆動する。
【0064】
これにより、各作像装置20における現像装置24からトリクル現像方式により排出される廃棄トナーT1及びキャリアC1とそのドラム清掃装置26で除去されて送り出される除去トナーT2が、各接続搬送装置115(Y,M,C,K,SA,SB)により落下する状態で搬送されて第1搬送装置110の管状部材112に集められた後、回転駆動する搬送部材113により矢印で示す搬送方向に搬送される。また、中間転写装置30におけるベルト清掃装置36で除去されて送り出される除去トナーT3が、そのベルト清掃装置36における排出口から管状部材122に落下した後に第2搬送装置120により矢印で示す搬送方向に搬送される。
【0065】
続いて、第1搬送装置110及び第2搬送装置120によりそれぞれ搬送されたトナーT1〜T3及びキャリアC1は、第3搬送装置130により落下する状態で搬送された後、第4搬送装置140により第5搬送装置にむけて矢印で示す搬送方向に搬送される。第5搬送装置150まで搬送されたトナーT1〜T3及びキャリアC1は、第5搬送装置150において搬送部材153の回転方向の切り替えによってその搬送される方向(収容先)が切り替えられ、その各搬送により排出部156又は排出部157のいずれか一方に達するよう搬送され、最後に排出部156又は排出部157から落下して第1容器200A又は第2容器200Bの収容空間内に収容される。
【0066】
また、回収システム100では、第1容器200A及び第2容器200Bに収容されるトナーT1〜T3及びキャリアC1の収容量について収容検出センサ106A及び106Bにより磁性キャリアC1の透磁率が測定されて検出が行われる。また、前述したように容量検出センサ106A,Bのいずれかの出力が設定量L1以上であることを示す値になった後における前記した補給時間又は画素数の累積値が閾値を超えたときに、容器200A、Bのいずれかが満杯になったと判定され、例えば利用者に満杯になった容器200の交換を促すための報知が行われる。
【0067】
また、画像形成装置1では、図7に示すように、各作像装置20において記録用紙9に転写しないトナー像(以下、このトナー像を「特殊トナー像」と略称する)STを感光ドラム21に形成するトナー放出動作をそれぞれ実行するよう構成されている。
【0068】
トナー放出動作としては、例えば、作像装置20における現像装置24に収容されている現像剤のトナーの劣化に対処するため、記録用紙9に形成する画像を構成するトナー像とは異なる特殊なトナー像を現像により形成することで現像装置20の外部に放出させる動作がある。
【0069】
このトナー放出動作は、以下の理由で行われる。すなわち、まず現像装置24では、画像濃度が比較的低濃度の(画像面積率が小さい)画像の形成(現像)が連続して行われると、現像に使用されず現像ロール24bにより現像装置24の現像剤収容部24aに再び戻されて攪拌搬送部材24cによる攪拌作用や層規制部材24dによる摺擦作用などのストレスを受ける機会が増えるので、トナーの特性が劣化(帯電調整剤等の外添剤の脱落やトナー粒子内への埋没による帯電特性の劣化など)しやすくなり、このトナーの劣化に起因した現像不良、ひいては画質の低下を誘発することがある。このような劣化したトナーの量を減らすため、現像装置24内にあるトナーの一部について、現像装置24の外部に意図的に排出し、これにより、現像装置24におけるトナー濃度が低下することで補給システム5により現像剤カートリッジ50から新しい現像剤(トナー)を現像装置24に補給して入れ替える(リフレッシュさせる)ようにしている。
【0070】
また、他のトナー放出動作としては、感光ドラム21の表面に付着する放電生成物等を多めのトナーとともにドラム清掃装置26で除去するため、特殊トナー像を感光ドラム21に形成することもある。このトナー放出動作は、感光ドラム21の表面に帯電工程で生成される放電生成物が付着した場合、その放電生成物が吸湿により静電潜像を構成する電荷の一部が移動しやくなり、いわゆる画像流れという画質欠陥が発生することがあるため、それを防止するために実行される。
【0071】
さらに、他のトナー放出動作としては、感光ドラム21の表面に付着するオイル成分を多めのトナーとともにドラム清掃装置26で除去するため、特殊トナー像を感光ドラム21に形成することがある。このトナー放出動作は、記録用紙9の両面に画像を形成する両面画像形成動作が連続して実行された場合、記録用紙9の片面(第1面)に形成された画像のトナーに含まれるオイル成分が他面(第2面)への画像(トナー像)の二次転写時に中間転写ベルト31に付着し、その中間転写ベルト31が一次転写位置を通過するときに感光ドラム21に転移して付着することで感光ドラム21上でのトナー像の形成が良好にできないことがあるため、それを防止するために実行される。
【0072】
トナー放出動作は、各作像装置20において特殊トナー像STとして画像濃度が高いトナー像を感光ドラム21に形成して現像装置24からトナーの一部を排出させ、その特殊トナー像STを中間転写ベルト31に転写させず、ドラム清掃装置26により除去するものである。このとき一次転写装置25には、転写用電源部16Eから一次転写バイアスを供給しないか、またはトナーが中間転写ベルト31に転写されにくい条件のバイアスを供給して特殊トナー像STの記録用紙9への転写を防止している。なお、このトナー放出動作では、特殊トナー像STの一部又は全部を中間転写ベルト31に一次転写させ、それをベルト清掃装置36で除去するように対応することも可能である。この場合は、二次転写位置においては、転写用電源部16Eから二次転写バイアスを供給しないか、またはトナーが二次転写ロール35に転写されにくい条件のバイアスを供給する。
【0073】
また、このトナー放出動作を実行する時期は、例えば、予め設定する低濃度の画像形成(現像)が設定枚数だけ連続して行われた後の時期や、筐体10内の温度及び湿度が予め設定された条件になった時期や、両面画像形成が所定の枚数だけ連続して行われた後の時期などである。また、トナー放出動作は、画像形成動作とは異なる特別な動作モードを設定して実行されるか、あるいは、画像形成動作のなかに組み込んで実行される。画像形成動作のなかに組み込んで実行する場合は、感光ドラム21の画像形成有効領域のうち画像(トナー像)が形成されない領域に特殊トナー像STを形成する。
【0074】
画像が形成されない領域とは、例えば、図7に示すように、感光ドラム21の画像形成有効領域(図7では、この領域となるドラム21の表面部分を平面に展開した状態で示している。)において、記録用紙9の片面に形成することになる画像Iaの形成領域E1と画像Ibの形成領域E2との間に存在する非画像形成領域Sである。また、画像が形成されない領域とは、画像形成有効領域のうちで画像形成領域E1、E2にならずに余る非画像形成領域ESも含まれる。図7における符号EBGは、画像形成領域Eにおいて画像Iが形成されない背景部を示す。
【0075】
一方、このトナー放出動作が実行された場合は、その特殊トナー像STを構成する比較的多めのトナーT4(図3)がドラム清掃装置26で除去されて回収システム100により容器200(A,B)に収容されることになる。また、トナーT4が中間転写ベルト31に転写された場合には、そのトナーT4がベルト清掃装置36で除去されて回収されることになる。この結果、特殊トナー像STを構成するトナーT4が回収システム100で回収される時期は、容器200(A,B)に収容されるトナーT1〜T4及びC1におけるトナーTの割合が磁性キャリアCの割合に比べて急増することになる。
【0076】
この場合、回収システム100の収容検出センサ106(A,B)が検出すべき検出領域に相当する容器200(A,B)の部位に対して、特殊トナー像STを構成するトナーT4が収容されて蓄積すると、トナーTの割合が磁性キャリアCの割合に比べて急増することで磁性キャリアCの割合が減るため、収容検出センサ106(A,B)が磁性キャリアCの透磁率を十分に測定することができず、収容量が設定量L1(図6)に達しているにもかかわらず、それを検出できないことが発生することがある。図8は、トナー濃度に対する収容検出センサ106の出力の変動状態を測定した結果を示すものである。図8では、収容検出センサ106の出力が限界値付近やその限界値を下回る値になると、設定量Yに達したことを正常に検出できなくなることを示している。
【0077】
この収容検出センサ106(A,B)の誤検出(検出不能)が発生すると、容器200(A,B)内に設定量L1を超えるトナー及びキャリアが収容されているにもかかわらず、前記した容器200(A,B)の満杯の検出が正常に行われなくなる。すなわち、収容検出センサ106から設定量L1を超えた検出結果がないため、満杯の状態とみなすための補給時間又は画素数のカウント動作が実行されなくなる。この結果、容器200(A,B)にトナー及びキャリアが次々と収容されて満杯の状態になり、容器200(A,B)の受け口210から溢れ出してしまい、その溢れ出したトナーにより筐体10の内部が汚染されることになる。また、回収搬送装置101の管状部材がトナー等で目詰まりしてしまう。
【0078】
そこで、この画像形成装置1においては、上記した不具合があることに鑑み、以下に説明するように回収システム100の回収動作と容器200の収容量の検出動作を行うように構成されている。
【0079】
実施の形態1では、図6に示すように、容器200A,200Bのうち収容検出センサ106A,106Bの透磁率の測定が有効な部位を収容検出センサ106A,106Bによる検出の要否を確認する仮想領域Wとして設定している。また、後記する制御装置7により、図11等に示すように、容器に200A,200Bに収容されるトナー及び磁性キャリアの収容量が、仮想領域Wに達した段階で次に実行される作像動作がトナー放出動作に関する作像動作(要するに特殊トナー像STを形成する動作)であるか否かを判断し、トナー放出動作に関する作像動作であると判断した場合に、収容検出センサ106による検出に代えて、補給装置60の補給時間又は潜像の画素数の累積情報に基づいて収容量が設定量L1以上になったことを予測して検出する予測検出を行うようになっている。この詳細については後述する。
【0080】
しかも、制御装置7により、図11に示すように、容器200A,200Bのいずれか(例えば容器200Aと仮定する)に収容されるトナー及び磁性キャリアの収容量が仮想領域Wに達した段階で他の容器(前記仮定の場合は容器200Bとなる。)の有無及び他の容器(200B)の収容量が仮想領域W以上の量であるか否かを判断し、他の容器(200B)が存在してかつ他の容器(200B)の収容量が仮想領域W未満の量であると判断した場合に、回収システム100における切替え機構150における収容先を他の容器(200B)に切り替える制御を行うようになっている。また、図11に示すように、前記した判断において他の容器(200B)が存在しない場合又は他の容器(200B)が存在してかつ他の容器(200B)の収容量が仮想領域W以上の量であると判断した場合、次に実行される作像動作がトナー放出動作に関する作像動作であると判断されていたときに、切替え機構150における収容先を収容量が仮想領域Wに達した容器(200A)に切り替えるとともに前記した予測検出を行うようになっている。この詳細については後述する。
【0081】
画像形成装置1では、図9に示すように、制御装置7により、前述した画像形成動作、現像剤の補給動作、回収動作、トナー放出動作、収容量の検出動作等の各動作が制御される。
【0082】
まず、制御装置7は、演算処理装置、記憶素子及び装置、制御装置、入出力装置等で構成されるものであり、その記憶素子に格納される制御プログラム及びデータに基づいて所要の制御動作を実行するようになっている。記憶素子及び装置は、ROM,RAM等の記憶素子や磁気ディスク装置等の記録装置で構成されている。
【0083】
制御装置7には、前述した潜像の画素数を累積してカウントする画素数累積部13や、前述した補給装置60による補給時間を累積してカウントする補給時間累積部14や、トナー濃度センサ29、現像剤残量検出センサ67等の検出器や、画像処理装置27や、接続通信部12や、各種の情報の入力や表示を行う入力・表示装置(操作パネル等)15等が接続されており、それらから制御に必要な情報が入力されるようになっている。また、制御装置7には、作像装置20、中間転写装置30、給紙装置40及び定着装置45の動作を制御する作像制御部71や、補給システム5の動作を制御する補給制御部72や、回収システム100の動作を制御する回収制御部73や、画像処理装置27や、接続通信部12や、入力・表示装置15等と接続されており、それらの各動作に必要な制御信号を送信するようになっている。作像制御部71、補給制御部72及び回収制御部73は、制御装置7の一部として構成されるが、制御装置7とは独立した専用の制御装置として構成してもよい。
【0084】
画素数累積部13は、画像処理装置27から露光装置23に送信する画像信号に含まれる画素数の情報を入手して計数するカウンタと、その計数した画素数の結果(カウント値D:図6、図12)を累積して記憶する記憶部等で構成されている。また、補給時間累積部14は、制御装置7又は補給装置60の送出部材62を駆動する駆動装置65を駆動するときの駆動時間の情報を入手して計数するカウンタと、その計数した補給時間の結果(カウント値D:図6、図12)を累積して記憶する記憶部等で構成されている。画素数累積部13と補給時間累積部14は、容器200A,200Bごとに用意される。記憶部は、例えば制御装置7における記録素子(RAM)の一部を利用してもよい。
【0085】
作像制御部71は、その制御対象となる作像装置20、中間転写装置30、給紙装置40及び定着装置45の各駆動部材に回転動力を伝達する回転駆動装置(回転駆動部)16Aをはじめ、帯電バイアスを供給する帯電用電源部16B、露光装置23を駆動する露光駆動部16C、現像バイアスを供給する現像用電源部16D、一次転写バイアス及び二次転写バイアスを供給する転写用電源部16E等と接続されている。トナー放出動作は、その動作に必要な制御信号が作像制御部71を通して送信されるようになっている。補給制御部72は、その制御対象である補給システム5における回転駆動装置55,56と接続されている。
【0086】
回収制御部73は、その制御対象である回収システム100の搬送装置101における駆動装置114,118,124,134,144をはじめ、トナー及び磁性キャリアの収容先を切り替える収容先切替え機構である第5搬送装置150(その第5駆動装置154)と、前記した予測検出を行う場合の切り替えを行うスイッチSW(図10)である予測検出切替部75と接続されている。予測検出の切替えスイッチSWは、予測検出を行う状態(「ON」状態)とそれを行わない状態(「OFF」状態)を記憶保持する機能をもつように組まれたソフトウェアと記憶部で構成される。
【0087】
以下、画像形成装置1の回収システム100における回収動作と容器の収容量の検出動作について詳しく説明する。
【0088】
はじめに、容器200(A,B)の収容量の状態について、以下のように設定されている。まず、容器200(A,B)は、図6に示すように、その収容量に応じた4つの収容量状態0〜3に区分されている。
【0089】
状態1は、収容量が前述した仮想領域Wにあるときの状態である。仮想領域Wは、容器200のうち収容検出センサ106(A,B)により磁性キャリアの透磁率の測定が有効な部位であり、収容検出センサ106(A,B)による検出の要否を確認する領域として設定される。状態0は、収容量が満杯な状態でなく収容が十分可能な状態である。状態2は、状態2を超えて満杯な状態になる手前の状態である。状態3は、収容量が満杯になった状態である。
【0090】
次いで、この4つの収容量状態0〜3の検出は、次のように行われる。
【0091】
状態0及び状態1については、容器200の初期(新品の段階)からの補給時間又は画素数を累積して得られる第1のカウント値D1が予め設定する第1閾値Xに達するか否かを判定することで予測して検出される。第1閾値Xは、予め実験又は計算等により、トナー及びキャリアの収容量が仮想領域Wの下限地点に達すると予想されるときの補給時間又は画素数の累積値(D1)として設定されるものである。
【0092】
状態2については、収容検出センサ106の検出の場合、そのセンサ出力が「High」になったことで検出するか、又は、予測検出の場合、補給時間又は画素数の第1カウント値D1が予め設定する第2閾値Yに達するか否かを判定することで予測して検出する。第2閾値Yは、予め実験又は計算等により、トナー及びキャリアの収容量が仮想領域Wの上限地点に達すると予想されるときの補給時間又は画素数の累積値(D1)として設定されるものである。
【0093】
状態3については、状態2に達したことの検出情報(収容検出センサ106の出力が「High」になった情報、又はカウント値D1が第2閾値Y以上になった情報)が得られた後の補給時間又は画素数を累積して得られる第2のカウント値D2が予め設定する第3閾値Zに達するか否かを判定することで予測して検出される。第3閾値Zは、予め実験又は計算等により、トナー及びキャリアの収容量が満杯であると想定される量(Lmax)に達すると予想されるときの補給時間又は画素数の累積値(D2)として設定されるものである。
【0094】
また、この4つの収容量状態0〜3については、制御装置7により図10に示すような処理工程を経て確認されるように構成されている。容器の収容量状態についての確認は、予め設定された時期(例えば、補給時間又は画素数の加算時のような時期)に行われる。
【0095】
容器の収容量状態の確認は、図10に示すように、補給時間又は画素数の第1カウント値(累積情報)D1を入手した後、その第1カウント値D1が第1閾値X未満であるか否かが判断される(ステップS10〜S11)。この際、第1カウント値D1が第1閾値X未満であれば、収容量が仮想領域Wの下限地点にも達していないとみなし、収容量状態が「状態0」であると判定する。
【0096】
ステップS11において第1カウント値D1が第1閾値X未満でない(閾値X以上である)と判断された場合は、予測検出の切替えスイッチSWの状態が確認される(S12)。切替えスイッチSWが「OFF状態」であれば、収容検出センサ106(A,B)の出力の状態が確認される(S13)。この際、その出力が「Low」(Highとなる閾値よりも小さい出力値)であったときには、収容量が設定量L1に達しておらず仮想領域W内にあるとみなし、収容量状態が「状態1」であると判定する。
【0097】
また、ステップS12において切替えスイッチSWが「ON状態」であると判断された場合は、第1カウント値D1が第2閾値Y未満であるか否かが判断され(S14)、第1カウント値D1が第2閾値Y未満であるときには、収容量が設定量L1に達しておらず仮想領域W内にあるとみなし、収容量状態が「状態1」であると判定する。
【0098】
一方、ステップS13において収容検出センサ106(A,B)の出力が「High」であると判断された場合、又はステップS14において第1カウント値D1が第2閾値Y未満でない(閾値Y以上である)と判断された場合には、補給時間又は画素数の第2カウント値(累積情報)D2を入手した後、その第2カウント値D2が第3閾値Z未満であるか否かが判断される(ステップS15〜S16)。
【0099】
この際、第2カウント値D2が第3閾値Z未満であると判断されたときは、収容量が設定量L1に達して仮想領域Wを超えているが満杯と想定される量Lmaxを超えていないとみなし、収容量状態が「状態2」であると判定する。
【0100】
また、第2カウント値D2が第3閾値Z未満でない(閾値Z以上である)と判断されたときは、収容量が満杯と想定される量Lmaxを超えたとみなし、収容量状態が満杯な状態に当たる「状態3」であると判定する。
【0101】
この画像形成装置1では、収容量状態が「0〜2」のいずれかであると判定した場合、図6に示すように、トナー像の作像動作が続行できる「作像動作の待機状態」であると判断するように設定されている。つまり、この場合は、画像形成装置1は、その後も画像形成に伴うトナー像の形成やトナー放出動作に伴う特殊トナー像STの形成が可能な状態におかれる。
【0102】
一方、収容量状態が「3」のいずれかであると判定した場合には、回収システム100の容器200への回収動作を続けえることができないので、図6に示すように、トナー像の作像動作を禁止する「作像動作の禁止状態」であると判断するように設定されている。この場合は、図6に示すように、状態3(満杯)と判定された容器200(A,B)の交換を使用者に促す警告メッセージなどの表示が入力表示部15などにおいて行われる。
【0103】
次いで、回収システム100における回収動作と容器の収容量の検出動作は、次のように行われる。
【0104】
まず、制御装置7は、図11に示すように、作像動作(実施の形態1では、通常の画像であるトナー像の形成動作又は特殊トナー像の形成動作)の要求があると、容器の収容量状態について確認される(S20〜S21)。
【0105】
収容量状態が「状態0」であるときには、作像装置20、中間転写装置30等において作像動作が実行されるとともに(S22)、回収システム100において容器200(A,B)の収容量の検出が収容検出センサ106(A,B)の検出によって行われ(S23)、そのときに要求される作像動作がすべて終了するまで続行される(S24)。このときの作像動作は、要求された通常の画像であるトナー像の形成動作か、あるいはトナー放出動作に関する特殊トナー像STの形成動作である。また、回収システム100では、例えば、トナー及びキャリアが第1容器200Aに搬送されて収容されるように設定されている。
【0106】
ちなみに、このとき収容検出センサ106(A,B)のいずれかの出力が「High」になった場合は、容器200Aの収容量状態が設定量L1に達したことになるので「状態2」に変更され、また、これをきっかけとして補給時間又は画素数の累積値が第2カウント値D2としてカウントされ始める。
【0107】
また、収容量状態が「状態1」であるときには、要求された作像動作のモード(種類)が確認される(S25)。この場合、作像モードが前記した「トナー放出動作」以外のモード、つまり通常の画像形成動作であるとときには、前述した通りの処理動作(S22〜S24)が同様に行われる。
【0108】
作像モードが「トナー放出動作」のモードであると判断された場合は、他の容器の有無が確認され(S26)、他の容器(実施の形態1では第2容器200B)が無い(例えば容器200Bが装着部に装着されていない場合)と判断されたときには、トナー放出動作で形成される特殊トナー像STのトナーT4が、回収システム100により搬送されて最終的に収容量が「状態1」にある第1容器200A(つまり仮想領域Wの部位)に収容されることになるので、収容検出センサ106Aの検出に代えて、予測検出に切り替えられる(S28)。具体的には、予測検出の切替えスイッチSWが「ON状態」にされる。
【0109】
続いて、要求されたトナー放出動作に関する特殊トナー像STの作像動作が実行されるとともに(S29)、回収システム100において容器200(A,B)の収容量の検出が予測検出によって行われ(S30)、そのときに要求される作像動作が終了するまで続行される(S31)。この場合は、回収システム100により、特殊トナー像STのトナーT4が「収容量状態1」にある第1容器200Aに収容されることになるので、容器200A内のトナーの占有割合が急増する(磁性キャリアの割合が低下する)ことになる。
【0110】
このときの予測検出は、前述したように補給時間又は画素数の第1カウント値D1が第2閾値Yを超えるか否かの判断が行われ、これにより容器200Aの収容量についての検出をすることになる。このとき第1カウンタ値D1が第2閾値Y以上になれば、容器200Aの収容量が設定量L1に達したことになるので「状態2」に変更され、また、これをきっかけとして補給時間又は画素数の累積値が第2カウント値D2としてカウントされ始める。そして、この予測検出が行われることにより、容器200Aの仮想領域Wにおいてトナーの占有割合が急増する現象が発生しているにかかわらず、容器200Aの収容量の検出が確実に行われる。
【0111】
ステップS26において他の容器(200B)が有ると判断された場合は、他の容器(200B)の収容量状態が確認される(S27)。
【0112】
この場合、他の容器200Bの収容量状態が「状態1」又は「状態2」であると確認されたときには、他の容器200Bに特殊トナー像STのトナーT4を収容することができないので第1容器200Aへの収容を続けることとし、ステップS26において他の容器(200B)が無かった場合と同様に、予測検出に切り替えた後、特殊トナー像STの作像動作を行うとともに、容器200Aの収容量について予測検出を行う(S28〜S31)。この場合も、予測検出が行われることにより、容器200Aの仮想領域Wにおいてトナーの占有割合が急増する現象が発生しているにかかわらず、容器200Aの収容量の検出が確実に行われる。
【0113】
一方、ステップ27において他の容器(200B)の収容量状態が「状態0」であると確認された場合は、特殊トナー像STのトナーT4の収容先の切り替えを行う(S32)。具体的には、回収システム100における第5搬送装置150の搬送部材の回転方向を切り替えることで搬送方向(図4)を第2容器200Bに送るように変更する。
【0114】
続いて、作像装置20等において要求された特殊トナー像STの作像動作が行われ(S33)、また回収システム100において第2容器200Bの収容量の検出が収容検出センサ106Bによって行われ(S34)、これらはその作像動作が終了するまで続けられる(S35)。
【0115】
これにより、容器200が複数設置されている場合は、その1つの容器200Aの収容量が「状態1」になった段階において、その容器200Aに対する特殊トナー像STのトナーT4の収容を禁止し、収容量が「状態0」である他の容器200Bに収容することができる。なお、1つの容器200Aの収容量が「状態1」になった段階であっても、作像モードが通常の画像形成動作であるときには、そのときに回収されるトナー及びキャリアについては、トナー割合の急増が発生するおそれがないため容器200Aに続けて収容するようにしている(S25→S22〜S24)。
【0116】
収容先を他の容器200Bに変更した後の(特殊トナー像STを形成する)作像動作が終了した後は、収容先が第1容器200Aに戻される(S26)。これにより、次の作像モードがトナー放出動作以外になったときには収容先が第1容器200Aになるが、次の作像モードがトナー放出動作になったときには、収容先が収容量状態0の第2容器200Bに切り替えられる。
【0117】
ステップS21において容器200Aの収容量状態が「状態2」であると確認された場合は、図11に示すように、前記した収容量が設定量L1に達した後における補給量又は画素数の第2カウント値D2が第3閾値Zに達するか否かを判断する、満杯の予測検出が行われる(S37)。この場合は、要求された作像動作が実行されるとともに(S22,S29)、容器200Aに対する満杯予測検出が行われることになる。
【0118】
以上説明したように、収容量状態が「状態1」にあるときの容器200(A,B)に特殊トナー像STのトナーT4が収容されるときには、その容器200の収容量の検出が収容検出センサ106による検出でなく、予測検出によって行われる。この結果、容器200の収容量の検出が確実に行われるようになり、その収容量が満杯になることが正確に検出される。このため、その収容量の検出が確実に行われなかった場合における容器200(受け口120)からの現像剤(トナーと磁性キャリア)の溢れ出しや、回収システム100の回収搬送装置101での現像剤の詰まり等の問題が発生しなくなる。
【0119】
また、上記容器の収容量の検出動作における補給時間又は画素数のカウントやそのカウント値の決定は、図12に示すように行われる。
【0120】
制御装置7では、図12に示すように、作像動作の要求があると、その作像モードの確認が行われる(S40〜S41)。
【0121】
この場合、作像モードがトナー放出動作以外のモード(通常の画像形成動作)であるときには、補給時間累積部14又は画素数累積部13において補給時間又は画素数の計測が要求された作像動作が終了するまで行われる(S42〜S43)。このときの作像動作が終了した後は、容器200(A,B)の収容量状態について確認される(S44)。
【0122】
収容量状態が「状態0」及び「状態1」であるときは、計測されたカウント値Dが第1カウント値(累積情報)D1として確定される(S45)。また、収容量状態が「状態2」であるときは、計測されたカウント値Dが第2カウント値(累積情報)D2として確定される(S46)。この確定された各カウント値D1,D2は、補給時間累積部14又は画素数累積部13の記憶部に格納(更新)される。また、各カウント値D1,D2は、その後の予測検出(満杯の予測検出を含む)に使用される。
【0123】
一方、ステップS41において作像モードがトナー放出動作であるときには、同じく補給時間累積部14又は画素数累積部13において補給時間又は画素数の計測が特殊トナー像STを形成する作像動作が終了するまで行われ(S47〜S48)、その作像動作が終了した後に、そのときのカウント値Dの補正処理がなされる(S49)。
【0124】
補正処理は、トナー放出動作により形成される特殊トナー像STを構成するトナーT4が容器200に回収されるときの量が、通常の画像形成動作が行われて容器200に回収されるトナー及びキャリアの量に比べて数倍多くなるため、その差を補うためカウント値Dを増やす処理である。実施の形態1では、その補正処理としてカウント値Dに1以上の数値からなる補正計数αを乗算する処理を行っている。
【0125】
この補正処理が終了した後は、容器200(A,B)の収容量状態についての確認を行い(S50)、収容量状態が「状態0」及び「状態1」であるときは、計測されて補正された後のカウント値D(=D・α)が第1カウント値D1として確定される(S51)。また、収容量状態が「状態2」であるときは、計測されて補正された後のカウント値D(=D・α)が第2カウント値D2として確定される(S52)。この確定された各カウント値D1,D2についても、補給時間累積部14又は画素数累積部13の記憶部に格納される。また、各カウント値D1,D2は、その後の予測検出(満杯の予測検出を含む)に使用される。このカウント値Dの補正処理を行うことにより、トナー放出動作に関する作像動作が実行されて予測検出が行われることがあっても、容器200の収容量の検出がより確実に行われるようになる。
【0126】
[実施の形態2]
図13は、実施の形態2の要部を示すものである。実施の形態2に係る画像形成装置1は、回収システム100として1つの容器200を設置する構成を採用し、その回収システム100における回収動作と容器の収容量の検出動作について一部変更した以外は実施の形態1に係る画像形成装置1と同じものである。つまり、この画像形成装置1における回収システム100は、容器200が(第2容器200Bがなく)第1容器200Aのみが設置される構成になっている。
【0127】
この画像形成装置1では、その回収システム100における回収動作と容器の収容量の検出動作が次のように行われる。まず、制御装置7が、図13に示すように、作像動作の要求があると、容器の収容量状態について確認する(S60〜S61)。
【0128】
この場合、収容量状態が「状態0」であるときには、要求された作像動作が実行されるとともに(S62)、回収システム100において容器200Aの収容量の検出が収容検出センサ106Aの検出によって行われ(S63)、そのときに要求される作像動作がすべて終了するまで続行される(S64)。このとき回収システム100では、回収されるトナー及びキャリアが容器200Aに搬送されて収容される。なお、収容量状態が「状態2」であるときには、前述したような満杯の予測検出(図11のS37)が同様に行われる(S70)。
【0129】
また、収容量状態が「状態1」であるときには、要求された作像動作のモードが確認される(S65)。この場合、作像モードが前記した「トナー放出動作」以外のモード、つまり通常の画像形成動作であるとときには、前述した通りの処理動作(S62〜S64)が同様に行われる。
【0130】
一方、作像モードが「トナー放出動作」のモードであると判断された場合は、トナー放出動作で形成される特殊トナー像STのトナーT4が回収システム100により搬送され、そのトナーT4が収容量状態2にある容器200A(つまり仮想領域Wの部位)に収容されることになるので、収容検出センサ106Aの検出に代えて、予測検出に切り替えられる(S66)。
【0131】
続いて、要求されたトナー放出動作に関する特殊トナー像STの作像動作が実行されるとともに(S67)、回収システム100において容器200Aの収容量の検出が予測検出によって行われ(S68)、そのときに要求される作像動作が終了するまで続行される(S69)。この場合は、回収システム100により、特殊トナー像STのトナーT4が収容量状態2にある容器200Aに収容されることになるので、容器200A内のトナーの占有割合が急増して磁性キャリアの割合が低下することになる。
【0132】
このときの予測検出は、前述したように補給動作又は画素数の第1カウント値D1が第2閾値Yを超えるか否かの判断が行われ、これにより容器200Aの収容量についての検出をすることになる。このとき第1カウンタ値D1が第2閾値Y以上になれば、容器200Aの収容量が設定量L1に達したことになるので「状態2」に変更され、また、これをきっかけとして補給時間又は画素数の累積値が第2カウント値D2としてカウントされ始める。
【0133】
そして、この予測検出が行われることにより、回収システム5の容器が1つであって、しかもその1つの容器200Aの仮想領域Wにおいてトナーの割合が急増する現象が発生しているにかかわらず、その容器200Aの収容量の検出が確実に行われる。
【0134】
[実施の形態3]
図14は、実施の形態3の要部を示すものである。実施の形態3に係る画像形成装置1は、回収システム100として2つの容器200(A,B)を作像モードによって使い分けるように構成して変更した以外は実施の形態1に係る画像形成装置1と同じものである。つまり、この画像形成装置1では、作像モードがトナー放出動作以外の作像動作であるときには回収システム100においてトナー及びキャリアを第1容器200Aに収容するようにし、また、作像モードがトナー放出動作であるときには回収システム100において専用の第2容器200Bに収容するようにする構成になっている。
【0135】
この画像形成装置1では、その回収システム100における回収動作と容器の収容量の検出動作が次のように行われる。まず、制御装置7が、図14に示すように、作像動作の要求があると、作像モードの種類について確認する(S80〜S81)。
【0136】
この場合、作像モードが「トナー放出動作」以外のモード(通常の画像形成動作)であるときには、回収システム5で回収されるトナー及びキャリアの収容先を第1容器200Aに切り替える(S82)。具体的には、回収システム100における第5搬送装置150の搬送部材の回転方向を切り替えることで搬送方向(図4)を第1容器200Aに送るように変更する。
【0137】
続いて、要求された作像動作が実行されるとともに(S83)、回収システム100において第1容器200Aの収容量の検出が収容検出センサ106Aの検出によって行われ(S84)、これらはそのときに要求される作像動作がすべて終了するまで続行される(S85)。このとき回収システム100では、回収されるトナー及びキャリアが第1容器200Aに搬送されて収容される。なお、第1容器200Aの収容量の検出は、収容検出センサ106Aによって行われ、その収容検出センサ106Aが容器200Aの収容量が設定量L1に達したことを検出した後は、実施の形態1の場合と同様に満杯の予測検出が行われる。
【0138】
一方、作像モードが「トナー放出動作」のモードであるときには、回収システム100で回収されるトナー及びキャリアの収容先を第2容器200Bに切り替える(S86)。具体的には、回収システム100における第5搬送装置150の搬送部材の回転方向を切り替えることで搬送方向(図4)を第2容器200Bに送るように変更する。また、このときは、トナー放出動作で形成される特殊トナー像STのトナーT4が回収システム100により搬送され、そのトナーT4が専用の第2容器200Bに集中して収容されることになる(逆に磁性キャリアはほとんど収容されない)ので、収容検出センサ106Bの検出に代えて、予測検出に切り替えられる(S66)。
【0139】
続いて、要求されたトナー放出動作に関する特殊トナー像STの作像動作が実行されるとともに(S88)、回収システム100において第2容器200Bの収容量の検出が予測検出によって行われ(S89)、これらはそのときに要求される作像動作が終了するまで続行される(S90)。この場合は、回収システム100により、特殊トナー像STのトナーT4が専用の第2容器200Bに専用に収容されることになるので、容器200B内のトナーの割合が大半を占め磁性キャリアの割合が非常に少なくなる。
【0140】
このときの予測検出は、補給時間又は画素数の第1カウント値D1が前述した第2閾値Y(図6)を超えるか否かの判断が行われ、これにより容器200Bの収容量についての検出をすることになる。この場合、第1カウント値D1が第2閾値Y未満であると検出されたときは、容器200Bの収容量が設定量L1に達していないと判断される。また、第1カウント値D1が第2閾値Y以上であることが検出されたときは、容器200Bの収容量が設定量L1に達したと判断され、また、これをきっかけとして補給時間又は画素数の累積値が第2カウント値D2としてカウントされ始める。また、この第2カウント値D2を使用することで容器200Bについて前述したような満杯の予測検出が行われる。
【0141】
そして、このトナー及びキャリアの収容先(容器200A,200B)を作像モードに応じて切り替えるとともに各容器200(A,B)の収容量の検出方式を使い分けることにより、トナー放出動作の特殊トナー像STのトナーT4を収容する専用の容器200Bにおけるトナーの割合がほとんど占めるような現象が発生することがあっても、その容器200Bの収容量の検出が確実に行われる。
【0142】
[他の実施の形態]
画像形成装置1については、中間転写装置3を使用せずに記録用紙9を複数の作像装置20の一次転写位置を通過させるように搬送する用紙搬送装置を採用したものや、単色画像を形成するものであってもよい。作像装置20の数も単数又は他の複数の内容に変更することが可能である。また、回収システム100としては、3以上の複数の容器200を設置するものや、当初より1つの容器200を設定するだけのもの(実施の形態2の場合)を採用することも可能である。さらに、満杯の予測検出については、例えば、収容量が設定量L1に達した後の画像形成枚数の累積情報(累積枚数)が予め設定する閾値を超えるか否かを判断するという構成などを採用することもできる。
【符号の説明】
【0143】
1 …画像形成装置
5 …補給システム(補給装置)
7 …制御装置(制御手段)
9 …記録用紙(被記録媒体)
21…感光ドラム(感光体)
22…帯電装置
23…露光装置
24…現像装置
26…ドラム清掃装置(清掃装置)
29…トナー濃度検出センサ(濃度検出器)
50…現像剤カートリッジ(補給装置の一部)
60…補給装置
101…回収搬送装置
106…収容検出センサ(収容検出器)
150…第5搬送装置(切替え機構の一部)
154…第5駆動装置(切替え機構の一部)
200A…第1容器(容器)
200B…第2容器(専用の容器)
T …トナー
C …磁性キャリア
ST…特殊トナー像(被記録媒体に転写しないトナー像)
W …仮想領域
L1…設定量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
前記感光体の表面を帯電させる帯電装置と、
前記感光体の帯電された表面に光を照射して潜像を形成する露光装置と、
前記感光体に形成された潜像をトナーと磁性キャリアを含む現像剤により現像してトナー像を形成し、かつ、前記現像剤の一部が排出される現像装置と、
前記感光体に形成されたトナー像を最終的に被記録媒体に転写する転写装置と、
前記感光体の転写後の表面に残留する少なくともトナーを除去する清掃装置と、
前記現像装置に前記現像剤を構成するトナー及び磁性キャリアを補給する補給装置と、
前記現像装置から排出された現像剤と前記清掃装置で除去された少なくともトナーを収容する容器と、
前記現像装置及び清掃装置と前記容器との間を接続し、トナー及び磁性キャリアを回収して前記容器まで搬送する回収搬送装置と、
前記容器に収容されたトナー及び磁性キャリアの透磁率を測定して前記容器におけるトナー及び磁性キャリアの収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器と、
前記被記録媒体に転写しないトナー像を前記感光体に形成するトナー放出動作を実行する制御手段と、
を有し、
前記容器のうち前記収容検出器の透磁率の測定が有効な部位を当該収容検出器による検出の要否を確認する仮想領域として設定し、
前記制御手段は、前記容器に収容されるトナー及び磁性キャリアの収容量が前記仮想領域に達した段階で次に実行される作像動作が前記トナー放出動作に関する作像動作であるか否かを判断し、トナー放出動作に関する作像動作であると判断した場合に、前記収容検出器による検出に代えて、前記補給装置の補給時間又は前記潜像の画素数の累積情報に基づいて前記収容量が設定量以上になったことを予測して検出する予測検出を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記容器を複数設置し、かつ、前記回収搬送装置にトナー及び磁性キャリアを前記複数の容器のいずれかに搬送してその収容先を切り替える切替え機構を設け、
前記制御手段は、前記複数の容器のいずれかに収容されるトナー及び磁性キャリアの収容量が前記仮想領域に達した段階で他の容器の有無及び他の容器の前記収容量が前記仮想領域以上の量であるか否かを判断し、他の容器が存在してかつ当該他の容器の収容量が前記仮想領域未満の量であると判断した場合に、前記切替え機構における収容先を当該他の容器に切り替える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記判断において他の容器が存在しない場合又は他の容器が存在してかつ当該他の容器の収容量が前記仮想領域以上の量であると判断した場合、
次に実行される作像動作が前記トナー放出動作に関する作像動作であると判断されていたときに、前記切替え機構における収容先を前記収容量が仮想領域に達した容器に切り替えるとともに前記予測検出を行う請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記収容量が前記仮想領域に達したか否かを前記補給時間又は画素数の累積情報に基づいて予測して判断する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記トナー放出動作に関する作像動作が実行されたときに、前記補給時間又は画素数の累積情報を増やす補正処理を行い、その補正処理が行われた後の累積情報に基づいて前記予測検出を行う請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
感光体と、
前記感光体の表面を帯電させる帯電装置と、
前記感光体の帯電された表面に光を照射して潜像を形成する露光装置と、
前記感光体に形成された潜像をトナーと磁性キャリアを含む現像剤により現像してトナー像を形成し、かつ、前記現像剤の一部が排出される現像装置と、
前記感光体に形成されたトナー像を最終的に被記録媒体に転写する転写装置と、
前記感光体の転写後の表面に残留する少なくともトナーを除去する清掃装置と、
前記現像装置に前記現像剤を構成するトナー及び磁性キャリアを補給する補給装置と、
前記現像装置から排出された現像剤と前記清掃装置で除去された少なくともトナーを収容する複数の容器と、
前記現像装置及び清掃装置と前記複数の容器の間をそれぞれ接続し、トナー及び磁性キャリアを回収して前記各容器まで搬送する回収搬送装置と、
前記回収搬送装置に設けられ、トナー及び磁性キャリアを前記複数の容器のいずれかに搬送してその収容先を切り替える切替え機構と、
前記容器に収容されたトナー及び磁性キャリアの透磁率を測定して前記容器におけるトナー及び磁性キャリアの収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器と、
前記被記録媒体に転写しないトナー像を前記感光体に形成するトナー放出動作を実行する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、次に実行される作像動作が前記トナー放出動作に関する作像動作であるか否かを判断し、前記トナー放出動作に関する作像動作であると判断した場合には、前記切替え機構の搬送先を前記複数の容器のうちから予め選定された専用の容器に切り替え、また前記トナー放出動作に関する作像動作でないと判断した場合には、前記切替え機構の搬送先を前記専用の容器以外の容器に切り替え、
かつ、前記専用の容器について、前記補給装置の補給時間又は前記潜像の画素数の累積情報に基づいて前記収容量が設定量以上になったことを予測して検出する予測検出を行うことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−155148(P2012−155148A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14378(P2011−14378)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】