説明

画像形成装置

【課題】ユーザが、印刷を指示した印刷データのレイアウトのまま印刷が行われた複数の記録材に対し、全ての記録材の画像に重ならない位置にて手動でステープルを行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】ユーザにより印刷を指示された複数頁の印刷データを、頁毎に複数の記録材に印刷する画像形成装置であって、印刷の指示の際に、複数の記録材に対してユーザがステープルを行いたい方向が指定された場合、複数頁の印刷データに基づいて、指定された方向における記録材の端から印刷される画像までの余白部分の距離を示す余白長を全頁分算出し、算出した全頁分の余白長の中から最短の余白長を決定し、複数頁の印刷データを頁毎に複数の記録材に印刷するとともに、複数の記録材の最初の頁に対し、最短の余白長により定まる領域内に、ステープルを実施すべき位置を示すステープル印を印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等の記録材に画像形成を行う画像形成装置に関し、特に、画像形成後の複数の記録材に対して実施されるステープル処理を支援する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成(印刷)後の複数の用紙(記録材の一例)に対してステープル処理を施す画像形成装置が知られている。このような画像形成装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の画像形成装置は、印刷を行う際に、用紙において、ユーザにより指定されたステープル位置(ステープルを実施する位置)に画像(文字を含む)が重なる場合、画像の移動等を行うことで、ステープル位置と画像が重複しないようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置では、画像の移動等が行われるため、印刷後の用紙において、原稿(ユーザにより印刷を指示された印刷データ)のレイアウトが変更されてしまう。よって、原稿のレイアウトのまま印刷が行われた用紙に対してステープルを行いたいというユーザの要望を満たすことはできない。
【0005】
また、ステープル処理については、ユーザが手動で行いたいという場合がある。その場合、ユーザが、画像形成後の用紙に対して、全ての用紙(頁)の画像に重ならない位置でステープルを行いたいという要望がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ユーザが、印刷を指示した印刷データのレイアウトのまま印刷が行われた複数の記録材に対し、全ての記録材の画像に重ならない位置にて手動でステープルを行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、ユーザにより印刷を指示された複数頁の印刷データを、頁毎に複数の記録材に印刷する画像形成装置であって、印刷の指示の際に、複数の記録材に対してユーザがステープルを行いたい方向が指定された場合、複数頁の印刷データに基づいて、指定された方向における記録材の端から印刷される画像までの余白部分の距離を示す余白長を全頁分算出し、算出した全頁分の余白長の中から最短の余白長を決定し、複数頁の印刷データを頁毎に複数の記録材に印刷するとともに、複数の記録材の最初の頁に対し、最短の余白長により定まる領域内に、ステープルを実施すべき位置を示すステープル印を印刷することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の画像形成装置において、記録材の種類毎に、記録材1つ当りの厚さを予め対応付けて記憶しており、複数の記録材の厚さ毎に、使用すべきステープル針の大きさ及び実施すべきステープルの数を対応付けて予め記憶しており、複数頁の印刷データ毎に含まれる記録材の種類を示す情報に基づいて、印刷データの印刷が行われる複数の記録材の全頁分の厚さを算出し、算出した複数の記録材の全頁分の厚さに基づいて、ステープル針の大きさ及びステープルの数を決定し、決定したステープル針の大きさ及びステープルの数を、ステープル印の近傍に印刷することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の画像形成装置において、記録材の方向毎に、固定値として、記録材の端からの余白部分の距離を示す基準の余白長を対応付けて予め記憶しており、決定した最短の余白長が基準の余白長よりも大きい場合、最短の余白長の代わりに、基準の余白長により定まる領域内に、ステープル印を印刷し、決定した最短の余白長が基準の余白長以下である場合、最短の余白長により定まる領域内に、ステープル印を印刷することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の画像形成装置において、ユーザが手動でステープル可能な記録材の厚さを示す閾値を予め記憶しており、算出した複数の記録材の全頁分の厚さが閾値以上である場合、ユーザに対して、手動でのステープルが不可能である旨を通知することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の画像形成装置において、記録材の方向毎に、ユーザが手動でステープルを行う場合に最低限必要とされる余白部分の距離を示す最低必要余白長を対応付けて予め記憶しており、決定した最短の余白長が最低必要余白長以下である場合、ユーザに対して、手動でのステープルが不可能である旨を通知することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の画像形成装置において、ステープル印は、ステープル針が記録媒体にステープルされたときの形状と同様の線状であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の画像形成装置において、ステープル印とともに、ステープル印が印刷される領域を印刷することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像形成装置において、ステープル印及びステープル印が印刷される領域の少なくとも1つを、複数の記録材の最初の頁の代わりに、別の記録材1つに印刷することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが、印刷を指示した印刷データのレイアウトのまま印刷が行われた複数の記録材に対し、全ての記録材の画像に重ならない位置にて手動でステープルを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の基本的な動作例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で印刷される複数頁の印刷データの例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の基本的な動作例のうち、最短の余白長の決定及び全頁分の紙厚の算出を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で算出される各方向の余白長の例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で算出される各頁の左側余白長の例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の基本的な動作例のうち、ステープル針の大きさ及びステープル数の決定及びステープル位置の決定を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で決定されるステープル位置の例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で印刷されるステープル印及びステープ情報の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で算出される各頁の左側余白長及び上側余白長並びに決定されるステープル位置の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の動作の変形例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の動作の別の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
まず、本実施形態の画像形成装置の構成について説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置の例としては、複合機やプリンタ等が挙げられる。図1に示すように、本実施形態の画像形成装置は、操作受付手段11、印刷データ取得手段12、制御手段13、印刷手段14、記憶手段15を有する。
【0019】
操作受付手段11は、ユーザによって行われる操作(ユーザ操作)を受け付ける手段(ユーザインターフェース)である。ユーザ操作の例としては、印刷の実行指示、印刷条件の指定、ステープル条件の設定などが挙げられる。また、操作受付手段11は、ユーザに対して各種画面表示を行う。
【0020】
印刷データ取得手段12は、印刷データを取得する手段である。印刷データとは、用紙(記録材の一例)に印刷(画像形成)される画像のデータである。印刷データ取得手段12により取得されたときの印刷データは、ベクターデータである。印刷データの取得方法の例としては、原稿をスキャンする方法や、画像形成装置と通信可能な外部機器から受信する方法などが挙げられる。
【0021】
制御手段13は、操作受付手段11で受け付けられたユーザ操作に従って、他の各手段(操作受付手段11、印刷データ取得手段12、印刷手段14、記憶手段15)を制御し、上記本実施形態の特徴となる処理動作を実行する。なお、処理動作の詳細については、各フローチャートを用いて後述する。
【0022】
印刷手段14は、用紙に対して印刷データを印刷する手段(プロッタ)である。印刷手段14で印刷されるときの印刷データは、ラスターデータである。印刷手段14で印刷された用紙は、画像形成装置の外部へ出力される。また、印刷手段14は、ステープルの設定がされている場合、用紙に対して、ステープル位置を示すステープル印や、ステープル針の大きさ及びステープル数を示すステープル情報を印刷する。
【0023】
記憶手段15は、各種情報を記憶する手段である。各種情報の詳細については後述する。
【0024】
次に、上記のように構成された本実施形態の画像形成装置の動作について、具体例を用いて説明する。
【0025】
まず、図2を用いて、本実施形態の画像形成装置の基本的な動作の例について説明する。図2の動作例は、複数頁の印刷が指示された場合とする。
【0026】
まず、操作受付手段11がユーザ操作を受け付けると、印刷データ取得手段12は、印刷データを取得する(S1)。S1の具体例は以下のようになる。
【0027】
ユーザは、操作受付手段11においてキー操作等を行い、複数頁の印刷の実行指示、印刷条件の指定、ステープル条件の設定を行う。ユーザにより印刷の実行が指示された複数頁の印刷データの例を図3に示す。複数頁の印刷データは、図3(a)に示す1頁目(ガソリンスタンドの画像)、図3(b)に示す2頁目(ビルの画像)、図3(c)に示す3頁目(神社の画像)である。これら1〜3頁目の印刷データはそれぞれ、用紙1枚に印刷される。
【0028】
ユーザにより指定される印刷条件としては、例えば、印刷される用紙の種類、印刷される画像の色の濃さ、印刷される画像のカラー/モノクロの指定、印刷される頁全体の画像の縮小/拡大の指定などが挙げられる。なお、本実施形態では、印刷条件として、印刷データのレイアウトを変更する指示(例えば、所定の1頁における一部の画像を移動したり、縮小/拡大したりする指示)を含まないものとする。よって、印刷手段14により用紙に印刷される画像は、ユーザにより印刷が指示された印刷データのレイアウトのままとなる。
【0029】
また、ユーザにより設定されるステープル条件としては、例えば、ステープル位置及びステープル数が挙げられるが、ここでは例として、ステープル位置が「左方向(用紙の左側)」、ステープル数が「任意」として設定されるとする。このように本実施形態では、ユーザは、ステープル条件としてのステープル位置及びステープル数を厳密に指定する必要はない。よって、ここでいうステープル位置とは、印刷後の用紙においてユーザが手動でステープルを行いたい方向を示すものである。以上のようなユーザ操作が受け付けられると、印刷データ取得手段12は、図3(a)〜(c)に示す1頁目〜3頁目の印刷データ(ベクターデータ)を取得する。この取得は、原稿のスキャンによる取得や、外部機器からの受信による取得などがある。
【0030】
次に、制御手段13は、操作受付手段11で受け付けられたステープル条件の設定の有無を判断する(S2)。
【0031】
S2の判断の結果、ステープル条件の設定がされていない場合(S2/NO)、制御手段13は、印刷データ取得手段12で取得された全頁の印刷データをリップ(RIP)し、印刷手段14は、そのリップされた印刷データを、操作受付手段11で指定された印刷条件に従って画像処理を行った後で、用紙に印刷し、出力する(S8)。リップとは、ベクターデータを解釈し、ラスターデータにすることである。このようにして、図3(a)〜(c)に示す1頁目〜3頁目が印刷された用紙が、画像形成装置から出力される。すなわち、図3(a)に示す1頁目が印刷された用紙、図3(b)に示す2頁目が印刷された用紙、図3(c)に示す3頁目が印刷された用紙がそれぞれ出力される。
【0032】
S2の判断の結果、ステープル条件の設定がされている場合(S2/YES)、制御手段13は、印刷データ取得手段12で取得された全頁の印刷データをリップし、最短の余白長を決定するとともに、全頁分の紙厚を算出する(S3)。ここで、S3の詳細について、図4を用いて以下に説明する。
【0033】
まず、制御手段13は、リップする頁i、最短の余白長mL、全頁分の紙厚Dの初期値を設定する(S11)。これら初期値は、リップする頁は1頁目であるのでi=1となり、最短の余白長は決定されていないのでmL=0となり、全頁分の紙厚は算出されていないのでD=0となる。
【0034】
ここで、余白長について図5を用いて説明する。図5は、図3(a)の1頁目の印刷データにおける余白長のイメージの各例を示す図である。余白長とは、所定頁の画像がユーザにより指定された印刷条件を基に用紙に印刷された場合に、その用紙において、用紙の所定方向の端から印刷される画像(以下、印刷画像という)までの余白部分の長さ(距離)を言う。用紙の所定方向は、ユーザにより指定されたステープル条件のステープル位置に基づく。例えば、ユーザによりステープル位置「左方向」が指定された場合、図5(a)に示すように、用紙の左端から印刷画像(ガソリンスタンドの画像)までの長さLが余白長(左側余白長)となる。そして、図5(a)の場合、用紙の縦の長さと余白長Lにより定まる長方形の領域(図中の斜線部分)が、1頁目における、画像に重ならずにステープルが可能な領域(以下、ステープル可能領域という)となる。そして、このステープル可能領域に、ステープル印、ステープル針の大きさ、ステープル数等が印刷されることになる。同様に、例えば、ユーザによりステープル位置「上方向」が指定された場合、図5(b)に示すように、用紙の上端から印刷画像(ビルの画像)までの長さTが余白長(上側余白長)となる。この図5(b)の場合、用紙の横の長さと余白長Tにより定まる長方形の領域(図中の縦線部分)が、1頁目におけるステープル可能領域となる。同様に、例えば、ユーザによりステープル位置「右方向」が指定された場合、図5(c)に示すように、用紙の右端から印刷画像(神社の画像)までの長さRが余白長(右側余白長)となる。この図5(c)の場合、用紙の縦の長さと余白長Rにより定まる長方形の領域(図中の横線部分)が、1頁目におけるステープル可能領域となる。
【0035】
次に、制御手段13は、1頁目の印刷データをリップして保持し、リップした印刷データに対して、ユーザにより指定された印刷条件を基に画像処理を行った後、その印刷データを基に、上述したように余白長の算出を行う(S12)。ここでは、ステープル位置が「左方向」として予め指定されているので、制御手段13は、図6(a)に示すように、余白長Lを算出する。算出された余白長L=4x(xは所定数)とする。この時点でその他の頁の余白長は算出されていないので、制御手段13は、算出した余白長Lの値4xを最短の余白長mLとして一時的に保持する(mL=4xとなる)。なお、制御手段13は、後に印刷に用いるため、リップして画像処理を行った上記印刷データを保持しておく。
【0036】
次に、制御手段13は、リップした印刷データに含まれる紙情報を基に、印刷される1頁目の用紙の紙厚を特定する(S13)。紙情報とは、印刷される用紙の種類(紙種。例えばA4、B5など)である。ここで、記憶手段15には、予め、用紙の種類毎に用紙1枚当りの紙厚の値が対応付けられて記憶されているとする。よって、制御手段13は、記憶手段15を参照し、リップした印刷データに含まれる用紙の種類に該当する紙厚を検索し、検索した紙厚を1頁目の用紙の紙厚として特定する。この時点でその他の頁の紙厚は特定されていないので、制御手段13は、特定した紙厚の値を全頁分の紙厚Dとして一時的に保持する。
【0037】
次に、制御手段13は、初期値i=1に1を加え、2頁目の処理に移行する(S14)。
【0038】
制御手段13は、1頁目のときと同様にして、2頁目の印刷データをリップして保持し、リップした印刷データに対して、ユーザにより指定された印刷条件を基に画像処理を行った後、その印刷データを基に余白長の算出を行う(S15)。制御手段13は、図6(b)に示すように、余白長L=2x(xは所定数)を算出する。
【0039】
ここで、制御手段13は、一時的に保持しておいた最短の余白長mLと、今回算出した余白長Lとの比較を行い、今回算出した余白長LがmLより小さいかどうかを判断する(S16)。今回算出した余白長LがmL以上の場合(S16/NO)、後述のS18へ移行する。今回算出した余白長LがmLより小さい場合(S16/YES)、後述のS17へ移行する。ここでは、一時保存しておいたmLは4x(1頁目の余白長L)であり、今回算出した余白長Lは2x(2頁目の余白長L)であるので、S17へ移行する。
【0040】
次に、制御手段13は、今回算出した余白長Lを、mLとして一時的に保持する(S17)。すなわち、mLの更新が行われる。ここでは、4xに代わり、2xがmLとして一時的に保持されることになる。
【0041】
次に、制御手段13は、1頁目のときと同様にして、リップした印刷データに含まれる紙情報を基に、印刷される2頁目の用紙の紙厚を特定し、特定した紙厚を、一時的に保持しておいた全頁分の紙厚Dに加算する(S18)。ここでは、1頁目の紙厚に2頁目の紙厚が加算されて全頁分の紙厚Dとなり、Dの更新が行われる。そして、制御手段13は、この全頁分の紙厚Dを一時的に保持する。
【0042】
次に、制御手段13は、iが全ての頁数に達したかどうかを判断する(S19)。全ての頁数とは、ユーザにより指定された印刷データの数である。ここでは、現在2頁目の処理であり、全ての頁数である3頁(図3に示す1〜3頁)に達していないので(S19/NO)、S14へ戻る。
【0043】
次に、制御手段13は、i=2に1を加え、3頁目の処理に移行し(S14)、1、2頁目のときと同様にして、3頁目の印刷データをリップして保持し、リップした印刷データに対して、ユーザにより指定された印刷条件を基に画像処理を行った後、その印刷データを基に余白長の算出を行う(S15)。制御手段13は、図6(c)に示すように、余白長L=3x(xは所定数)を算出する。
【0044】
次に、制御手段13は、一時的に保持しておいた最短の余白長mLと、今回算出した余白長Lとの比較を行い、今回算出した余白長LがmLより小さいかどうかを判断する(S16)。ここでは、一時保存しておいたmLは2x(2頁目の余白長L)であり、今回算出した余白長Lは3x(3頁目の余白長L)であるので、S17をとばし、S18へ移行する。よって、ここでは、mLの更新は行われず、mL=2xのままとなる。
【0045】
次に、制御手段13は、1、2頁目のときと同様にして、リップした印刷データに含まれる紙情報を基に3頁目の用紙の紙厚を特定し、特定した紙厚を、一時的に保持しておいた全頁分の紙厚Dに加算する(S18)。ここでは、1、2頁目の紙厚の合計に3頁目の紙厚が加算されて全頁分の紙厚Dとなり、Dの更新が行われる。そして、制御手段13は、この全頁分の紙厚Dを一時的に保持する。
【0046】
次に、制御手段13は、iが全ての頁数に達したかどうかを判断する(S19)。ここでは、現在3頁目の処理であり、全ての頁数である3頁(図3に示す1〜3頁)に達したので(S19/YES)、S3における処理が終了される。
【0047】
以上のようにして、最短の余白長mL=2x(2頁目の余白長L)が決定され、全頁分の紙厚D(3頁分の紙厚の合計値)が算出される。
【0048】
次に、制御手段13は、算出した全頁分の紙厚Dを基に、ステープル針の大きさ及びステープル数を決定する(S4)。また、制御手段13は、決定した最短の余白長mLと基準の余白長pLを基に、ステープル位置を決定する(S5)。ここで、S4及びS5の詳細について、図7を用いて以下に説明する。
【0049】
まず、制御手段13は、一時的に保持しておいた全頁分の紙厚Dを基に、ステープル針の大きさ及びステープル数を決定する(S21)。ステープル針の大きさとは、ステープルに用いられる針の長さ(全頁分の紙厚Dをステープル可能な長さ)である。また、ステープル数とは、ステープルされる数である。ここで、記憶手段15には、予め、全頁分の紙厚D毎に、ステープル針の大きさ及びステープル数が対応付けられて記憶されているとする。よって、制御手段13は、記憶手段15を参照し、一時的に保持しておいた全頁分の紙厚Dに該当するステープル針の大きさ及びステープル数を検索し、検索したステープル針の大きさ及びステープル数を、印刷するステープル情報として決定する。ここでは、例として、ステープル針の大きさが3−10mm、ステープル数が2として決定されたとする。
【0050】
次に、制御手段13は、基準の余白長pLを記憶手段15から読み出す(S22)。記憶手段15には、予め、用紙の各方向毎に、基準の余白長が記憶されている。基準の余白長の例としては、用紙の左端からの余白部分の長さとしてpL、用紙の上端からのの余白部分の長さとしてpT、用紙の右端からのの余白部分の長さとしてpRがあり、これらは予め設定された固定値として記憶手段15に記憶されている。制御手段13は、ユーザにより指定されたステープル位置に基づいて、該当する方向の基準の余白長を読み出す。ここでは、ステープル位置「左方向」が予め指定されているので、制御手段13は、基準の余白長pLを読み出す。ここでは例として、pL=3x(xは所定数)とする。
【0051】
次に、制御手段13は、一時的に保持しておいた最短の余白長mLと、読み出した基準の余白長pLとの比較を行い、mLがpLより大きいかどうかを判断する(S23)。mLがpLより大きい場合(S23/YES)、後述のS24へ移行する。mLがpL以下である場合(S23/NO)、後述のS25へ移行する。ここでは、mLが2x、pLが3xであるので、S25へ移行する。
【0052】
次に、制御手段13は、最短の余白長mLと用紙の縦の長さとで定まるステープル可能領域内において、S21で決定したステープル数分のステープル位置を決定する(S25)。このときの例を図8(a)に示す。図8(a)において、ステープル可能領域は、mL=2xと用紙の縦の長さとで定まる長方形の領域(図中の網点部分)となる。制御手段13は、図8(a)に示すステープル可能領域において、決定したステープル数2つ分のステープル位置を決定する。ステープル位置がどこに位置することになるかは、ステープル数に応じて予め記憶手段15に定められている。例えば、ステープル数が2つの場合、各ステープル位置は、図8(a)に示すように、mLの中間の位置(1x)、かつ、用紙の縦の長さの中間の位置から所定の距離分離れた位置に決定されることになる。
【0053】
なお、S24へ移行した場合、制御手段13は、基準の余白長pLと用紙の縦の長さとで定まるステープル可能領域内において、S21で決定したステープル数分のステープル位置を決定する(S24)。このときの例を図8(b)に示す。図8(b)において、ステープル可能領域は、pL=3xと用紙の縦の長さとで定まる長方形の領域(図中の網点部分)となる。制御手段13は、図8(b)に示すステープル可能領域において、決定したステープル数2つ分のステープル位置を決定する。ステープル位置は、ステープル数に応じて予め定められている。例えば、ステープル数が2つの場合、各ステープル位置は、図8(b)に示すように、pLの中間の位置(1.5x)、かつ、用紙の縦の長さの中間の位置から所定の距離分離れた位置となる。
【0054】
以上のようにして、ステープル針の大きさ及びステープル数(ステープル情報)と、ステープル位置とが算出される。
【0055】
次に、制御手段13は、保持しておいた全頁分の印刷データ(リップして画像処理を行った印刷データ)を印刷手段14に送出し、印刷を指示する。この指示を受けた印刷手段14は、全頁分の印刷データを用紙に印刷する(S6)。ここでは、図3(a)〜(c)に示す1〜3頁目の印刷データの印刷が行われる。
【0056】
次に、制御手段13は、決定したステープル位置に、ステープル印、ステープル針の大きさ及びステープル数を印刷するように、印刷手段14に指示する。この指示を受けた印刷手段14は、ステープル印、ステープル針の大きさ及びステープル数を用紙に印刷する(S7)。ここで、図9を用いて、S7の詳細について説明する。
【0057】
ステープル印の印刷としては、図9(a)及び(b)に示すように、2つの例がある。図9(a)は、ステープル印を、印刷された用紙の1頁目に印刷する例である。この例では、図9(a)に示すように、印刷された1頁目において、ステープル可能領域内に決定されたステープル位置2つに対して、ステープル印がそれぞれ印刷される。なお、ステープル可能領域は、印刷されてもよいし、印刷されなくてもよい。ステープル可能領域を印刷した場合は、ユーザが、ステープル印以外に、ステープル可能な領域を把握できるという効果がある。印刷されるステープル印は、ステープル針がステープルされたときの形状と同様の線状となっている。このステープル印の大きさは、決定したステープル針の大きさに基づくのが好ましい。その理由は、ステープル印の上からステープルした場合に、ステープル印とステープル針とが重なってステープル印が見えなくなるようにするためである。図9(b)は、ステープル印を、印刷された用紙の1〜3頁目とは別の用紙(表紙)に印刷する例である。この例では、図9(b)に示すように、別の用紙である表紙において、ステープル可能領域内に決定されたステープル位置2つに対して、ステープル印がそれぞれ印刷される。ステープル印の形状及び大きさについては図9(a)の例と同様である。また、ステープル可能領域は、印刷されてもよいし、印刷されなくてもよい。この図9(b)の場合、ステープル印(及びステープル可能領域)が別の用紙に印刷されることになるので、印刷された用紙の1〜3頁目にステープル印(及びステープル可能領域)が残らないという効果がある。
【0058】
図9(a)及び(b)の例において、ステープル印の左側には、ステープル情報として、ステープル針の大きさ及びステープル数が印刷される。この例について図9(c)に示す。図9(c)は、図9(a)及び(b)の例において、印刷されたステープル印の近傍を拡大した図である。図9(c)に示すように、2つのステープル印の左側には、ステープル針の大きさを示す「ステープル針3−10mm」という文字列と、ステープル数を示す「ステープル数2」という文字列とがそれぞれ印刷されている。なお、これらの文字列は、ステープル印の左側に限定されず、ステープル印の近傍に印刷されればよい。
【0059】
このように印刷された用紙は、印刷手段14により出力される。すなわち、図9(a)の場合は、図3(a)に示す1頁目が印刷され、かつ、ステープル印及びステープル情報が印刷された用紙、図3(b)に示す2頁目が印刷された用紙、図3(c)に示す3頁目が印刷された用紙がそれぞれ出力される。また、図9(b)の場合は、ステープル印及びステープル情報のみが印刷された用紙、図3(a)に示す1頁目が印刷された用紙、図3(b)に示す2頁目が印刷された用紙、図3(c)に示す3頁目が印刷された用紙がそれぞれ出力される。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、ステープル印は、全ての頁において印刷画像に重ならない位置(ステープル可能領域内)に印刷されることになるので、ユーザは、ステープル印を目印として手動でステープルを行うことにより、全ての用紙の画像に重ならない位置でステープルを行うことができる。また、本実施形態によれば、上記全ての頁において印刷画像に重ならない位置は、ユーザが印刷を指示した印刷データのレイアウトを基に決定されるので、ユーザは、印刷を指示した印刷データのレイアウトのまま印刷が行われた用紙に対してステープルを行うことができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、ステープル印の近傍に、ステープル情報としてステープル針の大きさ及びステープル数を印刷するので、ユーザは、手動でステープルを行うときに、どのような大きさのステープル針を用いればよいか、及び、ステープルを何カ所行えばよいかを事前に把握することができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、印刷されるステープル印の形状はステープル針の形状及び大きさと同様であるので、ユーザがステープル印の上からステープルを行ったときに、ステープル針がステープル印に重なり、ステープル印が目立たなくなる。
【0063】
また、本実施形態によれば、ユーザは、ステープル条件の設定を指示する際に、ステープルを行いたい方向だけを指定すればよく、ステープル数を指定する必要はない。
【0064】
また、本実施形態によれば、ステープル位置を決定するときに、最短の余白長が基準の余白長より大きい場合は、基準の余白長に基づくステープル可能領域においてステープル位置を決定するようにしている。これにより、算出した最短の余白長が大きすぎて、ステープル可能領域が広くなってしまう場合でも、最適なステープル位置を決定することができる。例えば、上記説明において、最短の余白長mLが8x(用紙の横の長さの半分を超えた値)である場合、ステープル位置が、用紙の左端から内側(用紙の中央)に入りすぎた位置になるおそれがある。そのような場合は、基準の余白長pLを採用するようにすることで、ステープル位置を適切な位置に決定することができる。よって、基準の余白長は、用紙の各端から1〜4cm程度が好ましい。
【0065】
なお、上記本実施形態の説明では、ステープル印とともに、ステープル情報を印刷するようにしたが、ステープル印だけを印刷するようにしてもよい。また、上記本実施形態の説明では、ステープル情報としては、ステープル針の大きさ及びステープル数の両方を印刷するようにしたが、ステープル針の大きさだけを印刷するようにしてもよい(ステープル数はステープル印の数によりユーザが認識できるため)。
【0066】
また、上記本実施形態の説明では、ユーザがステープル条件の設定として、ステープル位置を「左方向」として指定した場合について説明したが、指定されるステープル位置はこれに限定されない。例えば、「上方向」や「右方向」が指定されてもよい。例えば「上方向」が指定された場合について説明する。この場合、図4、図7において、mL及びpLを、mT及びpTに代えればよい。制御手段13は、図5(b)に示すように、全頁の印刷データにおいて余白長Tを算出し、算出した中から最短の余白長mTを決定する。そして、制御手段13は、決定した最短の余白長mTと、予め記憶されている基準の余白長pTとの比較を行い、いずれかを採用することで、ステープル可能領域及びステープル位置を決定する。「右方向」が指定され場合も同様の動作となる。
【0067】
また、本実施形態において、指定されるステープル位置は、上述した「左方向」、「上方向」、「右方向」といった一方向に限定されない。例えば、「左上方向」や「右上方向」といった二方向のステープル位置の指定についても、対応できるようにしてもよい。例えば「左上方向」が指定された場合について説明する。この場合、図4、図7において、mL、pLに係る各処理に加え、それらの処理と同様のmT、pTに係る処理を行うようにすればよい。すなわち、制御手段13は、図10(a)〜(c)に示すように、全頁の印刷データにおいて余白長L及び余白長Tを算出し、算出した中から最短の余白長mL及びmTを決定する。例えば図10(a)〜(c)の例では、最短の余白長mLは図10(b)に示す2xとなり、最短の余白長mTは図10(a)に示す2yとなる。また、例えば制御手段13は、全頁分の紙厚Dを基に、ステープル数を1つとして決定する。そして、制御手段13は、決定した最短の余白長mLと、予め記憶されている基準の余白長pLとの比較を行い、いずれかを採用する。ここでは、例として、最短の余白長mL(2x)が採用されるとする。また、制御手段13は、決定した最短の余白長mTと、予め記憶されている基準の余白長pTとの比較を行い、いずれかを採用する。ここでは、例として、最短の余白長mT(2y)が採用されるとする。このようにして採用されたmL及びmTにより、制御手段13は、図10(d)に示すようにステープル可能領域を決定する。そして、制御手段13は、決定したステープル可能領域内において、図10(d)に示すように、1つのステープル位置を決定する。このステープル位置は、例えば、mLの中間の位置かつmTの中間の位置となる。このステープル位置に、ステープル印及びステープル情報が上記同様に印刷されることになる。「右上方向」が指定された場合も同様の動作となる。
【0068】
次に、本実施形態の変形例について説明する。図11は、本実施形態の変形例の動作を示すフローチャートである。図11は、図2と基本的な流れは同じであるが、S5とS6の間に、S31、S32が挿入されている点が異なる。以下、この異なる点について説明する(その他のステップは図2と同様であるので説明を省略する)。
【0069】
図11において、S5の後、制御手段13は、算出した全頁分の紙厚Dと、閾値aとを比較し、全頁分の紙厚Dが閾値aより小さいかどうかを判断する(S31)。閾値aは、予め定められた固定値であり、記憶手段15に記憶されている。閾値aは、ユーザが手動でステープル可能な最大の紙厚を示す値である。
【0070】
S31の判断の結果、全頁分の紙厚Dが閾値aより小さい場合(S31/YES)、制御手段13は、ユーザが手動でステープル可能であるとして、S6へ進む。
【0071】
S31の判断の結果、全頁分の紙厚Dが閾値a以上である場合(S31/NO)、制御手段13は、ユーザが手動でステープル不可能であるとして、S32へ進む。
【0072】
制御手段13は、ユーザに対して、手動でのステープルが不可能である旨を通知する(S32)。この通知の方法の例としては、次の2つがある。1つは、操作受付手段11において、ステープルが不可能である旨を画面表示する方法である。すなわち、制御手段13は、予め記憶手段15に記憶されているステープルが不可能である旨を示すメッセージを取得し、操作受付手段11に対し、そのメッセージを画面表示させるようにする。もう1つは、印刷手段11において、ステープルが不可能である旨を印刷した用紙を出力する方法である。すなわち、制御手段13は、予め記憶手段15に記憶されているステープルが不可能である旨を示すメッセージを取得し、印刷手段14に対し、そのメッセージを用紙に印刷させ、出力させるようにする。なお、上記2つの通知方法のいずれにおいても、通知が行われるタイミングは、印刷データが用紙に印刷される前又は後のいずれでもよい。
【0073】
このように、本変形例によれば、算出した全頁分の紙厚が、ユーザが手動でステープル可能な厚さかどうかを判断し、手動でのステープルが不可能である場合は、その旨をユーザに通知することで、ユーザは、印刷中の用紙群についてステープルが不可能であることを事前に把握できる。
【0074】
なお、図11では、S32の後、一連の処理を終了するようにしているが、S32の後で、S6及びS7の処理を行うようにしてもよい。
【0075】
上記変形例では、全頁分の紙厚を基に手動ステープルの可/不可を判断する例を説明したが、決定した最短の余白長を基に手動ステープルの可/不可を判断するようにしてもよい。この別の変形例について図12を用いて説明する。図12は、図7と基本的な流れは同じであるが、S21とS22の間に、S41〜S43が挿入されている点が異なる。以下、この異なる点について説明する(その他のステップは図27同様であるので説明を省略する)。
【0076】
図12において、S21の後、制御手段13は、最低必要余白長ILを記憶手段15から読み出す(S41)。最低必要余白長とは、ユーザが手動でステープルを行う場合に最低限必要とされる余白部分の長さ(距離)のことである。記憶手段15には、予め、用紙の各方向毎に、最低必要余白長が記憶されている。最低必要余白長の例としては、用紙の左端からの余白部分の長さとしてIL、用紙の上端からの余白部分の長さとしてIT、用紙の右端からの余白部分の長さとしてIRがあり、これらは予め設定された固定値として記憶手段15に記憶されている。制御手段13は、ユーザにより指定されたステープル位置に基づいて、該当する方向の最低必要余白長を読み出す。図12の例では、ステープル位置「左方向」が予め指定された場合とする。制御手段13は、最低必要余白長ILを読み出す。なお、ILは、pLよりも小さい値となる。
【0077】
次に、制御手段13は、一時的に保持しておいた最短の余白長mLと、読み出した最低必要余白長ILとの比較を行い、mLがILより大きいかどうかを判断する(S42)。mLがILより大きい場合(S42/YES)、S22へ移行する。mLがIL以下である場合(S42/NO)、S43へ移行する。
【0078】
S43の処理は、上述した図11のS32と同様であるので、説明を省略する。その後、S6において印刷手段14により印刷データの印刷が行われ、S7をとばして一連の処理が終了される。
【0079】
このように、本別の変形例によれば、決定した最短の余白長が、ユーザが手動でステープル可能な長さかどうかを判断し、手動でのステープルが不可能である場合は、その旨をユーザに通知することで、ユーザは、印刷中の用紙群についてステープルが不可能であることを事前に把握できる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0081】
例えば、上述した実施形態における動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0082】
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0083】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0084】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0085】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【符号の説明】
【0086】
11 操作受付手段
12 印刷データ取得手段
13 制御手段
14 印刷手段
15 記憶手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2001−171195号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより印刷を指示された複数頁の印刷データを、頁毎に複数の記録材に印刷する画像形成装置であって、
前記印刷の指示の際に、前記複数の記録材に対して前記ユーザがステープルを行いたい方向が指定された場合、前記複数頁の印刷データに基づいて、前記指定された方向における前記記録材の端から印刷される画像までの余白部分の距離を示す余白長を全頁分算出し、算出した全頁分の余白長の中から最短の余白長を決定し、
前記複数頁の印刷データを頁毎に前記複数の記録材に印刷するとともに、前記複数の記録材の最初の頁に対し、前記最短の余白長により定まる領域内に、ステープルを実施すべき位置を示すステープル印を印刷することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記録材の種類毎に、前記記録材1つ当りの厚さを予め対応付けて記憶しており、
前記複数の記録材の厚さ毎に、使用すべきステープル針の大きさ及び実施すべきステープルの数を対応付けて予め記憶しており、
前記複数頁の印刷データ毎に含まれる前記記録材の種類を示す情報に基づいて、前記印刷データの印刷が行われる前記複数の記録材の全頁分の厚さを算出し、
算出した前記複数の記録材の全頁分の厚さに基づいて、前記ステープル針の大きさ及び前記ステープルの数を決定し、
決定した前記ステープル針の大きさ及び前記ステープルの数を、前記ステープル印の近傍に印刷することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記録材の方向毎に、固定値として、前記記録材の端からの余白部分の距離を示す基準の余白長を対応付けて予め記憶しており、
決定した前記最短の余白長が前記基準の余白長よりも大きい場合、前記最短の余白長の代わりに、前記基準の余白長により定まる領域内に、前記ステープル印を印刷し、
決定した前記最短の余白長が前記基準の余白長以下である場合、前記最短の余白長により定まる領域内に、前記ステープル印を印刷することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユーザが手動でステープル可能な前記記録材の厚さを示す閾値を予め記憶しており、
算出した前記複数の記録材の全頁分の厚さが前記閾値以上である場合、前記ユーザに対して、手動でのステープルが不可能である旨を通知することを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記録材の方向毎に、前記ユーザが手動でステープルを行う場合に最低限必要とされる余白部分の距離を示す最低必要余白長を対応付けて予め記憶しており、
決定した前記最短の余白長が前記最低必要余白長以下である場合、前記ユーザに対して、手動でのステープルが不可能である旨を通知することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ステープル印は、ステープル針が前記記録媒体にステープルされたときの形状と同様の線状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ステープル印とともに、前記ステープル印が印刷される領域を印刷することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ステープル印及び前記ステープル印が印刷される領域の少なくとも1つを、前記複数の記録材の最初の頁の代わりに、別の記録材1つに印刷することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−20488(P2012−20488A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160264(P2010−160264)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】