画像形成装置
【課題】処理液の供給不足や漏洩を未然に防止できる液塗布装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体の搬送路に対向して配置されたローラーとこれに隣接するローラーとを少なくとも備え、前記搬送路に対向するローラーが記録媒体への処理液塗布ローラー232とされ、該塗布ローラー232に隣接して処理液トレイ206に収容されている処理液を前記塗布ローラー232に向けて汲み上げる汲み上げローラー233とされている液塗布装置200を備えた画像形成装置300において、前記液面の傾斜を検知する液面傾斜手段251〜254と、前記処理液の供給手段203と、前記液面の傾斜検知手段251〜254が入力側に接続され、前記処理液供給手段203が出力側に接続された制御部1000とを備え、前記制御部1000は、前記液面傾斜手段251〜254からの液面の傾斜が所定量以上に達した場合に前記処理液供給手段203の駆動を停止することを特徴とする。
【解決手段】記録媒体の搬送路に対向して配置されたローラーとこれに隣接するローラーとを少なくとも備え、前記搬送路に対向するローラーが記録媒体への処理液塗布ローラー232とされ、該塗布ローラー232に隣接して処理液トレイ206に収容されている処理液を前記塗布ローラー232に向けて汲み上げる汲み上げローラー233とされている液塗布装置200を備えた画像形成装置300において、前記液面の傾斜を検知する液面傾斜手段251〜254と、前記処理液の供給手段203と、前記液面の傾斜検知手段251〜254が入力側に接続され、前記処理液供給手段203が出力側に接続された制御部1000とを備え、前記制御部1000は、前記液面傾斜手段251〜254からの液面の傾斜が所定量以上に達した場合に前記処理液供給手段203の駆動を停止することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、画像形成に際して前処理用の液体を塗布する機構に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プリンタ、ファクシミリ装置や複写装置あるいはプロッタさらにはこれら機能を併せ持つ複合機などの画像形成装置の一つに、インク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式によるインクジェット記録装置がある。
【0003】
この液体吐出記録方式のインクジェット記録装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙などが用いられる記録媒体に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する)を行ない、その型式として、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0004】
なお、本発明における液体吐出記録方式の画像形成装置としては、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体を対象として、インクを着弾させて画像形成を行う装置を意味し、また、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
【0005】
さらに、本発明の説明に用いるインクとは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、樹脂、薬品、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いられているものが含まれる。
【0006】
また、本発明で挙げる用紙とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。
【0007】
この液体吐出記録方式の画像形成装置は、製本や各種印刷物を少量生産する為に使用される設備型のインクジェットプリンターの場合、高速で駆動させる為、サーマル型またピエゾ型のインクジェットヘッドを多数個配置し、紙搬送方向に対し直角方向の駆動(キャリッジ駆動)を持たず、紙搬送のみで画像を形成することができるようになっている。
【0008】
この種のインクジェット記録装置は、高速かつ低騒音であり、記録媒体の種類に制約が少なく、カラー化も容易であるなどの利点があることから、現在広く普及している。
【0009】
ところで、印字に用いられる記録媒体において、記録液として繊維質を有する紙などを対象とした場合、記録液として用いられるインクが繊維に沿って不規則に浸透してしまうために記録された文字の輪郭がひげ状に乱れる現象、いわゆる、フェザリングと称される現象が発生したり、異なる色のインクが隣接して着弾された場合に異なる色のインク同士が相互に混ざり合って色境界が不鮮明となる現象、いわゆる、カラーブリードと称される現象が発生したり、発色(濃度)不足、裏移り、光沢性、定着性に問題が生じることがある。
さらに、印字後の液滴が乾燥するまでの時間が長くなるという初期品質の悪化に加え、耐水性、耐光性、耐擦過性や耐オゾン性という堅牢性に影響する問題を生じることもある。
【0010】
このような不具合を回避する方法として、インクに反応してインク中の色材を吸着凝集させることができる処理液を印字前あるいは印字後に塗布したりミスト状にして噴霧して供給する方法が知られている(例えば、特許文献1,2,3)。
【0011】
上記塗布あるいは噴霧とは別に、処理液を泡状にして供給する方法も提案されている(例えば、特許文献4)。
一方、処理液を供給する構成としては、塗布機構の処理液貯留部において処理液を一定高さに維持するために、処理液と供給口を調整弁ボールで塞ぎ、処理液供給タンクからの処理液の供給を吐寝て一定高さ、つまり一定量に保つようにした構成がある(例えば、特許文献5)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図11は、従来提案されている処理液汲み上げ部を備えた塗布機構の構成を示す模式図であり、同図において、塗布機構は、本体300上に搭載された容器303および処理液トレイ206の上方の間に接続された液搬送路302を備え、液搬送路302における処理液トレイ206側に形成されているベンチュリー形状の開口内には、内部が空洞のフロート部材からなる液面調整弁ボール301が配置されている。
液面調整弁ボール301は、処理液トレイ206内の液面の高低変化に応じて昇降し、所定液面高さに液面が上昇した場合に開口を塞ぎ、処理液の供給を停止するようになっている。
【0013】
図12は、図11に示した構成の塗布機構において本体300が傾いた状態を示しており、この状態では、スクイーズローラー233の軸線方向において処理液トレイ206の傾きによる液面の変化によって処理液と接触しない部分が発生する。このため、スクイーズローラー233に対して処理液の供給不足を生じる虞がある。
【0014】
図13は、図12に示した状態から、さらに本体300が傾いた状態を示しており、この状態において、処理液トレイ206の傾きによりスクイーズローラー233から処理液が離れる側に位置している処理液調整弁ボール301が処理液の液面変化に応じて液搬送路302の開口を開放する位置に変位すると、処理液が供給されることになる。
この結果、処理液トレイ206は過剰な処理液供給が行われることにより、処理液201が傾斜方向下側に位置する壁面を超えて溢れ出てしまう虞がある。
【0015】
本発明の目的は、上記従来の画像形成装置、特に、画像形成前に処理液を塗布する機構を備えた構成における問題に鑑み、処理液の供給不足や漏洩を未然に防止できる液塗布装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的を達成するため、本発明は次の構成よりなる。
(1)記録媒体の搬送路に対向して配置されたローラーとこれに隣接するローラーとを少なくとも備え、前記搬送路に対向するローラーが記録媒体への処理液塗布ローラーとされ、該塗布ローラーに隣接して処理液トレイに収容されている処理液を前記塗布ローラーに向けて汲み上げる汲み上げローラーとされている液塗布装置を備えた画像形成装置において、
前記液面の傾斜を検知する液面傾斜検知手段と、
前記処理液の供給手段と、
前記液面傾斜検知手段が入力側に接続され、前記処理液供給手段が出力側に接続された制御部とを備え、
前記制御部は、前記液面傾斜手段からの液面の傾斜が所定量以上に達した場合に前記処理液供給手段の駆動を停止することを特徴とする画像形成装置。
【0017】
(2)前記制御部は、前記液面傾斜検知手段から得られる傾斜の所定量として、前記処理液トレイから処理液が溢れない角度に相当させていることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0018】
(3)前記液面傾斜検知手段は、前記汲み上げローラーの長手方向両側に配置された液面検知センサが用いられることを特徴とする(1)または(2)記載の画像形成装置。
【0019】
(4)前記制御部は、出力側に警報・表示可能な操作部が接続され、前記液面傾斜検知手段からの情報により、前記液面の傾斜が前記所定量を超えた場合に警報することを特徴とする(1)乃至(3)のうちの一つに記載の画像形成装置。
【0020】
(5)前記処理液供給手段は、前記処理液トレイの底面において処理液を供給する液搬送路を備えていることを特徴とする(1)乃至(3)のうちの一つに記載の画像形成装置。
【0021】
(6)前記処理液供給手段は、前記処理液の給排駆動が可能な構成あるいは開閉可能な弁部材を付設した構成であることを特徴とする(5)記載の画像形成装置。
【0022】
(7)前記液面傾斜検知手段は、前記処理液トレイ内の処理液貯留量を検知する手段として兼用される第1の液面傾斜検知手段と、当該第1の液面傾斜検知手段より上方に配置される第2の液面傾斜検知手段とを有し、前記制御部は、前記第1の液面傾斜検知手段により液面を検知するまでの間、前記処理液供給手段を動作させることを特徴とする(1)乃至(4)のうちの一つに記載の画像形成装置。
【0023】
(8)前記処理液供給手段に備えられている液搬送路は、前記汲み上げローラーの長手方向両側に接続され、該接続位置において前記液面傾斜検知手段とは別に液面検知手段が配置され、前記制御部は、前記処理液トレイから処理液を回収する際に前記液面検知手段からの検知情報に応じて回収量を制御することを特徴とする(1)または(5)記載の画像形成装置。
【0024】
(9)前記液面傾斜検知手段は、前記汲み上げローラーの長手方向両側にそれぞれ一対で設けられていることを特徴とする(1)乃至(3)または7のうちの一つに記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、処理液塗布機構において処理液トレイが傾いた場合、その傾きに応じて処理液の供給および回収制御を行うようになっているので、汲み上げローラーに対する処理液の接触状態を均等に維持できると共に、処理液トレイから処理液が溢れるのを未然に防止することができる。これにより、処理液の供給不足や溢れのない状態を維持して処理液を均一に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】本発明による画像形成装置に用いられる処理液塗布機構の原理構成を説明するための模式図である。
【図3】図2に示した処理液塗布機構が傾いた場合の作用を説明するための模式図である。
【図4】図2に示した構成に用いられる制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図4に示した制御部による制御の一態様を説明するための図2相当の模式図である。
【図6】図4に示した制御部による制御の他の態様を説明するための図3相当の模式図である。
【図7】図4に示した制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明による画像形成装置の別実施例を説明するための図5相当の模式図である。
【図9】図4に示した制御部による制御の一態様構成を説明するための図6相当の模式図である。
【図10】図4に示した制御部での別の作用を説明するためのフローチャートである。
【図11】従来の処理液塗布装置に関する原理構成を説明するための模式図である。
【図12】従来の処理液塗布装置の位置態様を説明するための模式図である。
【図13】図12に示した態様が、さらに変化した状態を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図に示す実施例により本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による画像形成装置の一つである、液滴吐出記録装置、いわゆる、記録媒体の一つである用紙Sに対して液滴を着弾させて印字を行うインクジェット記録装置を示している。
【0028】
同図においてインクジェット記録装置100は、画像形成手段としての記録ヘッドユニット101と、用紙Sを搬送する搬送ベルト102と、用紙Sを収容する給紙トレイ103と、画像が形成された用紙Sが排紙される排紙トレイ104と、記録ヘッドユニット101よりも用紙搬送方向上流側で被塗布部材である用紙Sに液体を塗布する本発明に係る塗布装置200とを備えている。
【0029】
記録ヘッドユニット101は、液滴を吐出する複数のノズルを用紙幅相当分の長さに配列したノズル列を有するライン型液体吐出ヘッドから構成され、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を記録ヘッド101y、101m、101c、101kを備えている。なお、シリアル型画像形成装置として記録ヘッドをキャリッジに搭載する構成ともできる。
【0030】
搬送ベルト102は、無端状ベルトであり、搬送ローラー121とテンションローラー122との間に掛け渡されて周回するように構成している。この搬送ベルト102に対する用紙Sの保持は、例えば静電吸着、空気の吸引による吸着などを行う構成とすることやその他の公知の搬送手段を用いることができる。
【0031】
給紙トレイ103に収容された用紙Sは、ピックアップローラー131で1枚ずつ分離されて搬送ローラー132によって給紙されて搬送ローラー対133、134によって搬送路135を介して搬送され、塗布装置200によって塗布が行われた後、搬送ベルト102上に送り込まれて保持される。
そして、搬送ベルト102で搬送されながらヘッドユニット101から各色の液滴が吐出されて、塗布された用紙S上に画像が形成され、その後、用紙Sは排紙トレイ104に排出される。
【0032】
一方、塗布装置200は、液体(以下、これらを「処理液」又は「セット剤」と総称する)201を収容した容器202と、この容器202から処理液201を圧送および回収可能なポンプ203と処理液を被記録媒体(用紙S)に塗布する塗布部208とを備えている。本実施例に用いられるポンプ203は、処理液を塗布部208に向け圧送する際には正転し、回収する際には逆転する構成あるいは、回収時には容器202との間に液搬送路204とは別設したバイパス搬送路を開放してポンプ203内を自然に処理液が自重落下して移動できる開閉弁を付設した構成などが用いられる。
【0033】
容器202内の処理液201はポンプ203によって吸上げられ、処理液トレイ206の底面に連結されている液搬送路204を介して、処理液トレイ206内に供給される。
処理液トレイ206内に供給された処理液は、外周面の一部が浸かっているスクイーズローラー233により汲み上げられ、塗布ローラー232に向けて供給され、塗布ローラー232により用紙Sに塗布される。
【0034】
処理液201は、用紙Sの表面に塗布することで用紙Sの表面を改質する改質材である。例えば、処理液201は、予め用紙Sにムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙Sに浸透させると共に色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)をあげることを可能にする定着剤(セット剤)である。なお、用紙Sは、前述したように材質としての紙に限定されないこともちろんである。
【0035】
この処理液201は、組成的には、例えば界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれか、若しくはこれらを2種類以上混合させたもの)に対して、水分の浸透を促進するセルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース等)とタルク微粉体の様な基剤を加えた溶液等を挙げることができる。更に微粒子を含有することもできる。
【0036】
以上のような構成を対象として本発明の特徴を説明すると次の通りである。
本発明の特徴は、塗布装置200における処理液トレイ206の傾斜状態に応じて処理液の供給状態を制御することにより、処理液の溢れやスクイーズローラーと処理液との接触不良が原因する供給不足を防止する点にある。
【0037】
図2には、塗布装置200の原理構成を説明するための模式図であり、同図において、スクイーズローラー233は、処理液201を汲みあげる構成となっている。
スクイーズローラー233は、処理液201を収容する処理液トレイ206において周面の一部が所定の深さに浸かるような位置決めとされている。
スクイーズローラー233の長手方向に相当する軸方向両側には、液面の傾斜を検知するための液面傾斜手段251,252が配置されている。
【0038】
液面傾斜検知手段251,252は、処理液の液面高さを検知して供給状態を判別できる液面センサが兼用されており、液面と接触した際に検知信号を出力するようになっている。
液面傾斜検知手段251,252は、スクイーズローラー233の周面の一部が処理液201に浸かる位置、つまりスクイーズローラー233の下周面側に検知部を位置させており、後述する制御部1000の入力側に接続されてスクイーズローラー233の軸方向での液面に対する接触状態により処理液の供給状態を判別するようになっている。
【0039】
一方、上述した液面傾斜センサ251,252が配置されている位置には、これら液面傾斜検知手段(以下、第1の液面傾斜検知手段という)251,252よりも検知部の位置が上記液面傾斜検知手段251,252による液面よりも高い位置に設定されている液面傾斜検知手段(以下、第2の液面傾斜検知手段という)253,254が対をなす構成とされて配置されている。
第2の液面傾斜検知手段253,254は、第1の液面傾斜検知手段251,252の検知部よりも上位に検知部を位置させているが、その位置としては、処理液トレイ206が傾いた際にスクイーズローラー233の軸方向の一方側から処理液が溢れ出る直前の傾きが生じた場合に液面検知が行える位置とされている。
【0040】
本実施例において、対をなす液面傾斜検知手段251、253および252,254によって検知される傾きは、図3に示すように、処理液トレイ206内の処理液が傾斜方向下側に位置する壁面から零れ落ちる直前の傾きに相当する傾き量を所定の傾き量(θ)として設定している。これにより、処理液トレイ206の傾きにより処理液が溢れ出るのを未然に防止することができる。
【0041】
上述した液面傾斜検知手段251〜254が入力側に接続されている制御部1000は、図4に示す構成とされている。
図4において制御部1000は、画像形成処理のためのプロセスコントローラが用いられ、本実施例と関連する部材として、入力側に第1の液面傾斜検知手段251,252および第2の液面傾斜検知手段253,254がそして、出力側には、処理液供給手段として用いられるポンプ203の駆動部203Aおよび警報・表示が可能な操作パネル1001がそれぞれ接続されている。
【0042】
上述した液面の傾斜量を検知する部材としては、液面との接触状態を用いる構成に限らず、例えば、水準器を利用した角度変化を検知可能な角度センサや加速度センサあるいは角速度センサを用いることが可能である。ちなみに、加速度センサは1秒あたりの速度変化を検出する原理を用い、角速度センサは1秒間に何度の回転寸動が生じているかを検知する原理を用いる。
【0043】
制御部1000では、液面傾斜検知手段からの情報により傾斜量が所定量つまり、処理液が溢れ出る直前の傾斜量に達した時点でポンプ203を停止させ、処理液の供給そして処理液の塗布処理を停止されるようになっている。
【0044】
図5は、図3および図4に示した原理構成に基づく塗布装置200の作用の一態様を説明するための図であり、同図において、ポンプ203から圧送される処理液は、スクイーズローラー233の軸方向両側に位置する第1の液面傾斜検知手段251,252の両方において液面が検知されるまで供給されて処理液トレイ206内に貯留される。第1の液面傾斜検知手段の何れかにより液面を検知される場合とは処理液トレイ206が傾いているときに相当しており、この場合には、第1の液面傾斜検知手段251,252の両方において液面検知が行われるまで処理液が供給を継続される。
【0045】
このように、第1の液面傾斜検知手段251,252の両方により液面検知が行われるまで処理液を供給することにより、スクイーズローラー233の軸方向全域に亘って、その外周面の一部が処理液に接触した状態となる、これにより、スクイーズローラー233の軸方向での供給不足が抑制されることになる。
【0046】
一方、図6は、第1の液面傾斜検知手段の両方251,252による液面検知が行われる過程で処理液トレイ206の傾き量が所定量に達した状態を示している。
この状態では、液面の傾斜方向下側、つまり処理液が多く溜まっている側において第1の液面傾斜検知手段と対をなす第2の液面傾斜検知手段254により液面検知が行われ、この結果に基づき、制御部1000によりポンプ203が停止されると共に、処理液が回収され、そして処理液が溢れる状態であることを操作パネル1001により警報表示する。
【0047】
この警報表示によりユーザーは画像形成装置100の設置条件を変更して処理液トレイ206が水平状態となるように矯正することができるとともに、不用意に処理液が溢れ出て近隣の装置や部品に悪影響を及ぼすことがないようにできる。
【0048】
図7は、上述した制御部1000での作用を説明するためのフローチャートであり、同図において、画像形成装置300の稼働時において、処理液の供給が開始されると、ポンプ203を介して処理液が処理液トレイ206内に導入される(ST1)。
【0049】
処理液トレイ206内に導入された処理液は第1の液面傾斜検知手段251および252により液面高さが検知され(ST2,3)、両方の検知手段によって液面が検知結果に応じて、第2の液面傾斜検知手段253,254により液面検知がなされない場合、つまり、第2の液面傾斜検知手段253,254の両方がオンしない場合には(ST4,5)、図5に示したように、処理液トレイ206が傾きを生じていない場合と判断して塗布作業に移行する(ST6)。
なお、ステップST2,ST3で実施される判別処理において、所定時間経過しても液面検知が行われない場合は、図示していないが、液面検知が所定時間行われたかどうかの判別を行い、所定時間経過した場合には、ポンプ203の稼働不良や供給すべき処理液がないという判断処理およびこの処理結果に基づく警報処理などを設けることも可能である。
【0050】
一方、ステップST2,3の処理が完了し、各第1の液面傾斜検知手段251,252による液面検知が行われた後、第2の液面傾斜検知手段253,254による液面検知が行われた結果として、スクイーズローラー233の軸方向における一方側での第1,第2の液面傾斜検知手段の両方がオンした場合には、オン信号が入力された第1,第2の液面傾斜検知手段が配置されている側が傾斜方向下側に位置し、さらに、両方の検知手段からの信号入力があった時点が所定の傾斜量に相当する傾き、換言すれば、処理液が溢れ出る直前の傾きに相当しているので、203が停止され、さらに傾き異常であることを警報する(ST7)。
【0051】
以上のような実施例においては、液面検知センサを付加することで液面傾斜検知手段とすることができるので、特別な構成を要することなく処理液の溢れだしおよび供給不足を防止することが可能となる。
【0052】
次に本発明の別実施例について説明する。
本実施例の特徴は、処理液トレイ206の傾きにより処理液が溢れ出る虞がある場合に処理液を回収できるようにした点にある。
【0053】
図8は、上記特徴を説明するための図6相当の図(処理液トレイ206が傾いている状態)であり、図8に示す構成では、液搬送路204が、処理液トレイ206におけるスクイーズローラー233の軸方向両側に対応する底部にそれぞれ連通している。
【0054】
一方、第1,第2の液面傾斜検知手段251〜254に加えて、これらとは別に、処理液トレイ206内からの処理液回収状態を検知する回収検知手段に相当する液面検知手段270,271が液搬送路204の連通部と対向する位置に配置されている。
液面検知手段270,271は、図4に示す制御部1000の入力側に接続され、液面検知手段270,271に処理液が接触しているときに検知信号を制御部1000に出力している。
【0055】
制御部1000では、図4乃至図7において説明したのと同様に、処理液トレイ206の傾きを判別してポンプ203の駆動制御を行うと共に、その駆動制御の形態として、処理液トレイ206が所定の傾斜量に達した時点でポンプ203を供給時とは逆の作動態位に設定あるいは、液搬送路204内に向けて処理液を導入できる態位に設定する。換言すれば、ポンプ203を、処理液供給時の回転方向と逆方向に駆動したり、液搬送路204内を開放して処理液を重力を利用して流出させる状態を設定する。
【0056】
図9は、処理液を回収し終わった状態を示しており、この状態では、液面検知手段270,271と処理液との接触状態が変化するのを判別して処理液の回収が行われたことを判断するようになっている。つまり、液面検知手段270あるいは271において液面との接触状態が回収完了を判断できる状態が得られた場合に、ポンプ203の停止あるいは前述したように、ポンプ203に付設されている開放弁を閉態位に設定する。
【0057】
図10は、図8に示した構成を対象とした制御部1000の作用を説明するためのフローチャートであり、同図においては、第2の液面傾斜検知手段253,254により液面検知が行われた後の処理が示されている。
図10において、第2の液面傾斜検知手段253または254のいずれかで液面検知が行われた場合には(ST10)、ポンプ203が停止すると共に逆転あるいは開放弁を開放態位に切り換える(ST12)。ステップST10において液面検知が行われない場合には、処理液トレイ206に傾きが生じていない場合と判断して塗布作業に移行する(ST11)。
【0058】
一方、ステップST10において液面検知が行われた場合には、処理液トレイ206に傾きが生じていると判断して液面検知手段270,271が検知しなくなるまで、ポンプ203の逆転あるいは開放弁の開放により液処理トレイ206内から処理液が液搬送路204内に導入し続ける(ST13,14)。
処理液トレイ206内から処理液が回収され、溢れる状態が回避されると、ポンプ203が停止あるいは開放弁が閉じ態位に切り換えられる(ST15)。
なお、図10において、液面検知センサ270と271がともにOFFになった場合にポンプ203の駆動を停止しているが、液面検知センサ270と271のいずれか一方がOFFした場合にポンプ203の駆動を停止してもよい。この場合、溢れる状態が回避されていることをより確実に検知するために、液面検知センサ207と271のうち検知している側のセンサの近傍にある第1または第2の液面傾斜検知手段の非検知状態をさらに監視してもよい。
【0059】
本実施例においては、処理液トレイ206の底部に液搬送路204が接続されていることにより、回収の際に処理液の自重落下を利用することも可能であるので、特別な構成を付加する必要がなく簡単な構成により迅速に処理液の溢出を防止することができる。
【符号の説明】
【0060】
200 塗布装置
201 処理液
203 ポンプ
204 液搬送路
206 処理液トレイ
233 スクイーズローラー
251,252 第1の液面傾斜検知手段
253,254 第2の液面傾斜検知手段
270,271 液面検知センサ
1000 制御部
1001 操作パネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特開2002−137378号公報
【特許文献2】特開2005−138502号公報
【特許文献3】特開2003−205673号公報
【特許文献4】特開2009−12394号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、画像形成に際して前処理用の液体を塗布する機構に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プリンタ、ファクシミリ装置や複写装置あるいはプロッタさらにはこれら機能を併せ持つ複合機などの画像形成装置の一つに、インク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式によるインクジェット記録装置がある。
【0003】
この液体吐出記録方式のインクジェット記録装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙などが用いられる記録媒体に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する)を行ない、その型式として、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0004】
なお、本発明における液体吐出記録方式の画像形成装置としては、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体を対象として、インクを着弾させて画像形成を行う装置を意味し、また、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
【0005】
さらに、本発明の説明に用いるインクとは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、樹脂、薬品、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いられているものが含まれる。
【0006】
また、本発明で挙げる用紙とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。
【0007】
この液体吐出記録方式の画像形成装置は、製本や各種印刷物を少量生産する為に使用される設備型のインクジェットプリンターの場合、高速で駆動させる為、サーマル型またピエゾ型のインクジェットヘッドを多数個配置し、紙搬送方向に対し直角方向の駆動(キャリッジ駆動)を持たず、紙搬送のみで画像を形成することができるようになっている。
【0008】
この種のインクジェット記録装置は、高速かつ低騒音であり、記録媒体の種類に制約が少なく、カラー化も容易であるなどの利点があることから、現在広く普及している。
【0009】
ところで、印字に用いられる記録媒体において、記録液として繊維質を有する紙などを対象とした場合、記録液として用いられるインクが繊維に沿って不規則に浸透してしまうために記録された文字の輪郭がひげ状に乱れる現象、いわゆる、フェザリングと称される現象が発生したり、異なる色のインクが隣接して着弾された場合に異なる色のインク同士が相互に混ざり合って色境界が不鮮明となる現象、いわゆる、カラーブリードと称される現象が発生したり、発色(濃度)不足、裏移り、光沢性、定着性に問題が生じることがある。
さらに、印字後の液滴が乾燥するまでの時間が長くなるという初期品質の悪化に加え、耐水性、耐光性、耐擦過性や耐オゾン性という堅牢性に影響する問題を生じることもある。
【0010】
このような不具合を回避する方法として、インクに反応してインク中の色材を吸着凝集させることができる処理液を印字前あるいは印字後に塗布したりミスト状にして噴霧して供給する方法が知られている(例えば、特許文献1,2,3)。
【0011】
上記塗布あるいは噴霧とは別に、処理液を泡状にして供給する方法も提案されている(例えば、特許文献4)。
一方、処理液を供給する構成としては、塗布機構の処理液貯留部において処理液を一定高さに維持するために、処理液と供給口を調整弁ボールで塞ぎ、処理液供給タンクからの処理液の供給を吐寝て一定高さ、つまり一定量に保つようにした構成がある(例えば、特許文献5)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図11は、従来提案されている処理液汲み上げ部を備えた塗布機構の構成を示す模式図であり、同図において、塗布機構は、本体300上に搭載された容器303および処理液トレイ206の上方の間に接続された液搬送路302を備え、液搬送路302における処理液トレイ206側に形成されているベンチュリー形状の開口内には、内部が空洞のフロート部材からなる液面調整弁ボール301が配置されている。
液面調整弁ボール301は、処理液トレイ206内の液面の高低変化に応じて昇降し、所定液面高さに液面が上昇した場合に開口を塞ぎ、処理液の供給を停止するようになっている。
【0013】
図12は、図11に示した構成の塗布機構において本体300が傾いた状態を示しており、この状態では、スクイーズローラー233の軸線方向において処理液トレイ206の傾きによる液面の変化によって処理液と接触しない部分が発生する。このため、スクイーズローラー233に対して処理液の供給不足を生じる虞がある。
【0014】
図13は、図12に示した状態から、さらに本体300が傾いた状態を示しており、この状態において、処理液トレイ206の傾きによりスクイーズローラー233から処理液が離れる側に位置している処理液調整弁ボール301が処理液の液面変化に応じて液搬送路302の開口を開放する位置に変位すると、処理液が供給されることになる。
この結果、処理液トレイ206は過剰な処理液供給が行われることにより、処理液201が傾斜方向下側に位置する壁面を超えて溢れ出てしまう虞がある。
【0015】
本発明の目的は、上記従来の画像形成装置、特に、画像形成前に処理液を塗布する機構を備えた構成における問題に鑑み、処理液の供給不足や漏洩を未然に防止できる液塗布装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的を達成するため、本発明は次の構成よりなる。
(1)記録媒体の搬送路に対向して配置されたローラーとこれに隣接するローラーとを少なくとも備え、前記搬送路に対向するローラーが記録媒体への処理液塗布ローラーとされ、該塗布ローラーに隣接して処理液トレイに収容されている処理液を前記塗布ローラーに向けて汲み上げる汲み上げローラーとされている液塗布装置を備えた画像形成装置において、
前記液面の傾斜を検知する液面傾斜検知手段と、
前記処理液の供給手段と、
前記液面傾斜検知手段が入力側に接続され、前記処理液供給手段が出力側に接続された制御部とを備え、
前記制御部は、前記液面傾斜手段からの液面の傾斜が所定量以上に達した場合に前記処理液供給手段の駆動を停止することを特徴とする画像形成装置。
【0017】
(2)前記制御部は、前記液面傾斜検知手段から得られる傾斜の所定量として、前記処理液トレイから処理液が溢れない角度に相当させていることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0018】
(3)前記液面傾斜検知手段は、前記汲み上げローラーの長手方向両側に配置された液面検知センサが用いられることを特徴とする(1)または(2)記載の画像形成装置。
【0019】
(4)前記制御部は、出力側に警報・表示可能な操作部が接続され、前記液面傾斜検知手段からの情報により、前記液面の傾斜が前記所定量を超えた場合に警報することを特徴とする(1)乃至(3)のうちの一つに記載の画像形成装置。
【0020】
(5)前記処理液供給手段は、前記処理液トレイの底面において処理液を供給する液搬送路を備えていることを特徴とする(1)乃至(3)のうちの一つに記載の画像形成装置。
【0021】
(6)前記処理液供給手段は、前記処理液の給排駆動が可能な構成あるいは開閉可能な弁部材を付設した構成であることを特徴とする(5)記載の画像形成装置。
【0022】
(7)前記液面傾斜検知手段は、前記処理液トレイ内の処理液貯留量を検知する手段として兼用される第1の液面傾斜検知手段と、当該第1の液面傾斜検知手段より上方に配置される第2の液面傾斜検知手段とを有し、前記制御部は、前記第1の液面傾斜検知手段により液面を検知するまでの間、前記処理液供給手段を動作させることを特徴とする(1)乃至(4)のうちの一つに記載の画像形成装置。
【0023】
(8)前記処理液供給手段に備えられている液搬送路は、前記汲み上げローラーの長手方向両側に接続され、該接続位置において前記液面傾斜検知手段とは別に液面検知手段が配置され、前記制御部は、前記処理液トレイから処理液を回収する際に前記液面検知手段からの検知情報に応じて回収量を制御することを特徴とする(1)または(5)記載の画像形成装置。
【0024】
(9)前記液面傾斜検知手段は、前記汲み上げローラーの長手方向両側にそれぞれ一対で設けられていることを特徴とする(1)乃至(3)または7のうちの一つに記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、処理液塗布機構において処理液トレイが傾いた場合、その傾きに応じて処理液の供給および回収制御を行うようになっているので、汲み上げローラーに対する処理液の接触状態を均等に維持できると共に、処理液トレイから処理液が溢れるのを未然に防止することができる。これにより、処理液の供給不足や溢れのない状態を維持して処理液を均一に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】本発明による画像形成装置に用いられる処理液塗布機構の原理構成を説明するための模式図である。
【図3】図2に示した処理液塗布機構が傾いた場合の作用を説明するための模式図である。
【図4】図2に示した構成に用いられる制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図4に示した制御部による制御の一態様を説明するための図2相当の模式図である。
【図6】図4に示した制御部による制御の他の態様を説明するための図3相当の模式図である。
【図7】図4に示した制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明による画像形成装置の別実施例を説明するための図5相当の模式図である。
【図9】図4に示した制御部による制御の一態様構成を説明するための図6相当の模式図である。
【図10】図4に示した制御部での別の作用を説明するためのフローチャートである。
【図11】従来の処理液塗布装置に関する原理構成を説明するための模式図である。
【図12】従来の処理液塗布装置の位置態様を説明するための模式図である。
【図13】図12に示した態様が、さらに変化した状態を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図に示す実施例により本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による画像形成装置の一つである、液滴吐出記録装置、いわゆる、記録媒体の一つである用紙Sに対して液滴を着弾させて印字を行うインクジェット記録装置を示している。
【0028】
同図においてインクジェット記録装置100は、画像形成手段としての記録ヘッドユニット101と、用紙Sを搬送する搬送ベルト102と、用紙Sを収容する給紙トレイ103と、画像が形成された用紙Sが排紙される排紙トレイ104と、記録ヘッドユニット101よりも用紙搬送方向上流側で被塗布部材である用紙Sに液体を塗布する本発明に係る塗布装置200とを備えている。
【0029】
記録ヘッドユニット101は、液滴を吐出する複数のノズルを用紙幅相当分の長さに配列したノズル列を有するライン型液体吐出ヘッドから構成され、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を記録ヘッド101y、101m、101c、101kを備えている。なお、シリアル型画像形成装置として記録ヘッドをキャリッジに搭載する構成ともできる。
【0030】
搬送ベルト102は、無端状ベルトであり、搬送ローラー121とテンションローラー122との間に掛け渡されて周回するように構成している。この搬送ベルト102に対する用紙Sの保持は、例えば静電吸着、空気の吸引による吸着などを行う構成とすることやその他の公知の搬送手段を用いることができる。
【0031】
給紙トレイ103に収容された用紙Sは、ピックアップローラー131で1枚ずつ分離されて搬送ローラー132によって給紙されて搬送ローラー対133、134によって搬送路135を介して搬送され、塗布装置200によって塗布が行われた後、搬送ベルト102上に送り込まれて保持される。
そして、搬送ベルト102で搬送されながらヘッドユニット101から各色の液滴が吐出されて、塗布された用紙S上に画像が形成され、その後、用紙Sは排紙トレイ104に排出される。
【0032】
一方、塗布装置200は、液体(以下、これらを「処理液」又は「セット剤」と総称する)201を収容した容器202と、この容器202から処理液201を圧送および回収可能なポンプ203と処理液を被記録媒体(用紙S)に塗布する塗布部208とを備えている。本実施例に用いられるポンプ203は、処理液を塗布部208に向け圧送する際には正転し、回収する際には逆転する構成あるいは、回収時には容器202との間に液搬送路204とは別設したバイパス搬送路を開放してポンプ203内を自然に処理液が自重落下して移動できる開閉弁を付設した構成などが用いられる。
【0033】
容器202内の処理液201はポンプ203によって吸上げられ、処理液トレイ206の底面に連結されている液搬送路204を介して、処理液トレイ206内に供給される。
処理液トレイ206内に供給された処理液は、外周面の一部が浸かっているスクイーズローラー233により汲み上げられ、塗布ローラー232に向けて供給され、塗布ローラー232により用紙Sに塗布される。
【0034】
処理液201は、用紙Sの表面に塗布することで用紙Sの表面を改質する改質材である。例えば、処理液201は、予め用紙Sにムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙Sに浸透させると共に色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)をあげることを可能にする定着剤(セット剤)である。なお、用紙Sは、前述したように材質としての紙に限定されないこともちろんである。
【0035】
この処理液201は、組成的には、例えば界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれか、若しくはこれらを2種類以上混合させたもの)に対して、水分の浸透を促進するセルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース等)とタルク微粉体の様な基剤を加えた溶液等を挙げることができる。更に微粒子を含有することもできる。
【0036】
以上のような構成を対象として本発明の特徴を説明すると次の通りである。
本発明の特徴は、塗布装置200における処理液トレイ206の傾斜状態に応じて処理液の供給状態を制御することにより、処理液の溢れやスクイーズローラーと処理液との接触不良が原因する供給不足を防止する点にある。
【0037】
図2には、塗布装置200の原理構成を説明するための模式図であり、同図において、スクイーズローラー233は、処理液201を汲みあげる構成となっている。
スクイーズローラー233は、処理液201を収容する処理液トレイ206において周面の一部が所定の深さに浸かるような位置決めとされている。
スクイーズローラー233の長手方向に相当する軸方向両側には、液面の傾斜を検知するための液面傾斜手段251,252が配置されている。
【0038】
液面傾斜検知手段251,252は、処理液の液面高さを検知して供給状態を判別できる液面センサが兼用されており、液面と接触した際に検知信号を出力するようになっている。
液面傾斜検知手段251,252は、スクイーズローラー233の周面の一部が処理液201に浸かる位置、つまりスクイーズローラー233の下周面側に検知部を位置させており、後述する制御部1000の入力側に接続されてスクイーズローラー233の軸方向での液面に対する接触状態により処理液の供給状態を判別するようになっている。
【0039】
一方、上述した液面傾斜センサ251,252が配置されている位置には、これら液面傾斜検知手段(以下、第1の液面傾斜検知手段という)251,252よりも検知部の位置が上記液面傾斜検知手段251,252による液面よりも高い位置に設定されている液面傾斜検知手段(以下、第2の液面傾斜検知手段という)253,254が対をなす構成とされて配置されている。
第2の液面傾斜検知手段253,254は、第1の液面傾斜検知手段251,252の検知部よりも上位に検知部を位置させているが、その位置としては、処理液トレイ206が傾いた際にスクイーズローラー233の軸方向の一方側から処理液が溢れ出る直前の傾きが生じた場合に液面検知が行える位置とされている。
【0040】
本実施例において、対をなす液面傾斜検知手段251、253および252,254によって検知される傾きは、図3に示すように、処理液トレイ206内の処理液が傾斜方向下側に位置する壁面から零れ落ちる直前の傾きに相当する傾き量を所定の傾き量(θ)として設定している。これにより、処理液トレイ206の傾きにより処理液が溢れ出るのを未然に防止することができる。
【0041】
上述した液面傾斜検知手段251〜254が入力側に接続されている制御部1000は、図4に示す構成とされている。
図4において制御部1000は、画像形成処理のためのプロセスコントローラが用いられ、本実施例と関連する部材として、入力側に第1の液面傾斜検知手段251,252および第2の液面傾斜検知手段253,254がそして、出力側には、処理液供給手段として用いられるポンプ203の駆動部203Aおよび警報・表示が可能な操作パネル1001がそれぞれ接続されている。
【0042】
上述した液面の傾斜量を検知する部材としては、液面との接触状態を用いる構成に限らず、例えば、水準器を利用した角度変化を検知可能な角度センサや加速度センサあるいは角速度センサを用いることが可能である。ちなみに、加速度センサは1秒あたりの速度変化を検出する原理を用い、角速度センサは1秒間に何度の回転寸動が生じているかを検知する原理を用いる。
【0043】
制御部1000では、液面傾斜検知手段からの情報により傾斜量が所定量つまり、処理液が溢れ出る直前の傾斜量に達した時点でポンプ203を停止させ、処理液の供給そして処理液の塗布処理を停止されるようになっている。
【0044】
図5は、図3および図4に示した原理構成に基づく塗布装置200の作用の一態様を説明するための図であり、同図において、ポンプ203から圧送される処理液は、スクイーズローラー233の軸方向両側に位置する第1の液面傾斜検知手段251,252の両方において液面が検知されるまで供給されて処理液トレイ206内に貯留される。第1の液面傾斜検知手段の何れかにより液面を検知される場合とは処理液トレイ206が傾いているときに相当しており、この場合には、第1の液面傾斜検知手段251,252の両方において液面検知が行われるまで処理液が供給を継続される。
【0045】
このように、第1の液面傾斜検知手段251,252の両方により液面検知が行われるまで処理液を供給することにより、スクイーズローラー233の軸方向全域に亘って、その外周面の一部が処理液に接触した状態となる、これにより、スクイーズローラー233の軸方向での供給不足が抑制されることになる。
【0046】
一方、図6は、第1の液面傾斜検知手段の両方251,252による液面検知が行われる過程で処理液トレイ206の傾き量が所定量に達した状態を示している。
この状態では、液面の傾斜方向下側、つまり処理液が多く溜まっている側において第1の液面傾斜検知手段と対をなす第2の液面傾斜検知手段254により液面検知が行われ、この結果に基づき、制御部1000によりポンプ203が停止されると共に、処理液が回収され、そして処理液が溢れる状態であることを操作パネル1001により警報表示する。
【0047】
この警報表示によりユーザーは画像形成装置100の設置条件を変更して処理液トレイ206が水平状態となるように矯正することができるとともに、不用意に処理液が溢れ出て近隣の装置や部品に悪影響を及ぼすことがないようにできる。
【0048】
図7は、上述した制御部1000での作用を説明するためのフローチャートであり、同図において、画像形成装置300の稼働時において、処理液の供給が開始されると、ポンプ203を介して処理液が処理液トレイ206内に導入される(ST1)。
【0049】
処理液トレイ206内に導入された処理液は第1の液面傾斜検知手段251および252により液面高さが検知され(ST2,3)、両方の検知手段によって液面が検知結果に応じて、第2の液面傾斜検知手段253,254により液面検知がなされない場合、つまり、第2の液面傾斜検知手段253,254の両方がオンしない場合には(ST4,5)、図5に示したように、処理液トレイ206が傾きを生じていない場合と判断して塗布作業に移行する(ST6)。
なお、ステップST2,ST3で実施される判別処理において、所定時間経過しても液面検知が行われない場合は、図示していないが、液面検知が所定時間行われたかどうかの判別を行い、所定時間経過した場合には、ポンプ203の稼働不良や供給すべき処理液がないという判断処理およびこの処理結果に基づく警報処理などを設けることも可能である。
【0050】
一方、ステップST2,3の処理が完了し、各第1の液面傾斜検知手段251,252による液面検知が行われた後、第2の液面傾斜検知手段253,254による液面検知が行われた結果として、スクイーズローラー233の軸方向における一方側での第1,第2の液面傾斜検知手段の両方がオンした場合には、オン信号が入力された第1,第2の液面傾斜検知手段が配置されている側が傾斜方向下側に位置し、さらに、両方の検知手段からの信号入力があった時点が所定の傾斜量に相当する傾き、換言すれば、処理液が溢れ出る直前の傾きに相当しているので、203が停止され、さらに傾き異常であることを警報する(ST7)。
【0051】
以上のような実施例においては、液面検知センサを付加することで液面傾斜検知手段とすることができるので、特別な構成を要することなく処理液の溢れだしおよび供給不足を防止することが可能となる。
【0052】
次に本発明の別実施例について説明する。
本実施例の特徴は、処理液トレイ206の傾きにより処理液が溢れ出る虞がある場合に処理液を回収できるようにした点にある。
【0053】
図8は、上記特徴を説明するための図6相当の図(処理液トレイ206が傾いている状態)であり、図8に示す構成では、液搬送路204が、処理液トレイ206におけるスクイーズローラー233の軸方向両側に対応する底部にそれぞれ連通している。
【0054】
一方、第1,第2の液面傾斜検知手段251〜254に加えて、これらとは別に、処理液トレイ206内からの処理液回収状態を検知する回収検知手段に相当する液面検知手段270,271が液搬送路204の連通部と対向する位置に配置されている。
液面検知手段270,271は、図4に示す制御部1000の入力側に接続され、液面検知手段270,271に処理液が接触しているときに検知信号を制御部1000に出力している。
【0055】
制御部1000では、図4乃至図7において説明したのと同様に、処理液トレイ206の傾きを判別してポンプ203の駆動制御を行うと共に、その駆動制御の形態として、処理液トレイ206が所定の傾斜量に達した時点でポンプ203を供給時とは逆の作動態位に設定あるいは、液搬送路204内に向けて処理液を導入できる態位に設定する。換言すれば、ポンプ203を、処理液供給時の回転方向と逆方向に駆動したり、液搬送路204内を開放して処理液を重力を利用して流出させる状態を設定する。
【0056】
図9は、処理液を回収し終わった状態を示しており、この状態では、液面検知手段270,271と処理液との接触状態が変化するのを判別して処理液の回収が行われたことを判断するようになっている。つまり、液面検知手段270あるいは271において液面との接触状態が回収完了を判断できる状態が得られた場合に、ポンプ203の停止あるいは前述したように、ポンプ203に付設されている開放弁を閉態位に設定する。
【0057】
図10は、図8に示した構成を対象とした制御部1000の作用を説明するためのフローチャートであり、同図においては、第2の液面傾斜検知手段253,254により液面検知が行われた後の処理が示されている。
図10において、第2の液面傾斜検知手段253または254のいずれかで液面検知が行われた場合には(ST10)、ポンプ203が停止すると共に逆転あるいは開放弁を開放態位に切り換える(ST12)。ステップST10において液面検知が行われない場合には、処理液トレイ206に傾きが生じていない場合と判断して塗布作業に移行する(ST11)。
【0058】
一方、ステップST10において液面検知が行われた場合には、処理液トレイ206に傾きが生じていると判断して液面検知手段270,271が検知しなくなるまで、ポンプ203の逆転あるいは開放弁の開放により液処理トレイ206内から処理液が液搬送路204内に導入し続ける(ST13,14)。
処理液トレイ206内から処理液が回収され、溢れる状態が回避されると、ポンプ203が停止あるいは開放弁が閉じ態位に切り換えられる(ST15)。
なお、図10において、液面検知センサ270と271がともにOFFになった場合にポンプ203の駆動を停止しているが、液面検知センサ270と271のいずれか一方がOFFした場合にポンプ203の駆動を停止してもよい。この場合、溢れる状態が回避されていることをより確実に検知するために、液面検知センサ207と271のうち検知している側のセンサの近傍にある第1または第2の液面傾斜検知手段の非検知状態をさらに監視してもよい。
【0059】
本実施例においては、処理液トレイ206の底部に液搬送路204が接続されていることにより、回収の際に処理液の自重落下を利用することも可能であるので、特別な構成を付加する必要がなく簡単な構成により迅速に処理液の溢出を防止することができる。
【符号の説明】
【0060】
200 塗布装置
201 処理液
203 ポンプ
204 液搬送路
206 処理液トレイ
233 スクイーズローラー
251,252 第1の液面傾斜検知手段
253,254 第2の液面傾斜検知手段
270,271 液面検知センサ
1000 制御部
1001 操作パネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特開2002−137378号公報
【特許文献2】特開2005−138502号公報
【特許文献3】特開2003−205673号公報
【特許文献4】特開2009−12394号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の搬送路に対向して配置されたローラーとこれに隣接するローラーとを少なくとも備え、前記搬送路に対向するローラーが記録媒体への処理液塗布ローラーとされ、該塗布ローラーに隣接して処理液トレイに収容されている処理液を前記塗布ローラーに向けて汲み上げる汲み上げローラーとされている液塗布装置を備えた画像形成装置において、
前記液面の傾斜を検知する液面傾斜検知手段と、
前記処理液の供給手段と、
前記液面傾斜検知手段が入力側に接続され、前記処理液供給手段が出力側に接続された制御部とを備え、
前記制御部は、前記液面傾斜検知手段からの液面の傾斜が所定量以上に達した場合に前記処理液供給手段の駆動を停止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記液面傾斜検知手段から得られる傾斜の所定量として、前記処理液トレイから処理液が溢れない角度に相当させていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記液面傾斜検知手段は、前記汲み上げローラーの長手方向両側に配置された液面検知センサが用いられることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、出力側に警報・表示可能な操作部が接続され、前記液面傾斜検知手段からの情報により、前記液面の傾斜が前記所定量を超えた場合に警報することを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記処理液供給手段は、前記処理液トレイの底面において処理液を供給する液搬送路を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記処理液供給手段は、前記処理液の給排駆動が可能な構成あるいは開閉可能な弁部材を付設した構成であることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記液面傾斜検知手段は、前記処理液トレイ内の処理液貯留量を検知する手段として兼用される第1の液面傾斜検知手段と、当該第1の液面傾斜検知手段より上方に配置される第2の液面傾斜検知手段とを有し、前記制御部は、前記第1の液面傾斜検知手段により液面を検知するまでの間、前記処理液供給手段を動作させることを特徴とする請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記処理液供給手段に備えられている液搬送路は、前記汲み上げローラの長手方向両側に接続され、該接続位置において前記液面傾斜検知手段とは別に液面検知手段が配置され、前記制御部は、前記処理液トレイから処理液を回収する際に前記液面検知手段からの検知情報に応じて回収量を制御することを特徴とする請求項1または5記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記液面傾斜検知手段は、前記汲み上げローラーの長手方向両側にそれぞれ一対で設けられていることを特徴とする請求項1乃至3または7のうちの一つに記載の画像形成装置。
【請求項1】
記録媒体の搬送路に対向して配置されたローラーとこれに隣接するローラーとを少なくとも備え、前記搬送路に対向するローラーが記録媒体への処理液塗布ローラーとされ、該塗布ローラーに隣接して処理液トレイに収容されている処理液を前記塗布ローラーに向けて汲み上げる汲み上げローラーとされている液塗布装置を備えた画像形成装置において、
前記液面の傾斜を検知する液面傾斜検知手段と、
前記処理液の供給手段と、
前記液面傾斜検知手段が入力側に接続され、前記処理液供給手段が出力側に接続された制御部とを備え、
前記制御部は、前記液面傾斜検知手段からの液面の傾斜が所定量以上に達した場合に前記処理液供給手段の駆動を停止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記液面傾斜検知手段から得られる傾斜の所定量として、前記処理液トレイから処理液が溢れない角度に相当させていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記液面傾斜検知手段は、前記汲み上げローラーの長手方向両側に配置された液面検知センサが用いられることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、出力側に警報・表示可能な操作部が接続され、前記液面傾斜検知手段からの情報により、前記液面の傾斜が前記所定量を超えた場合に警報することを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記処理液供給手段は、前記処理液トレイの底面において処理液を供給する液搬送路を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記処理液供給手段は、前記処理液の給排駆動が可能な構成あるいは開閉可能な弁部材を付設した構成であることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記液面傾斜検知手段は、前記処理液トレイ内の処理液貯留量を検知する手段として兼用される第1の液面傾斜検知手段と、当該第1の液面傾斜検知手段より上方に配置される第2の液面傾斜検知手段とを有し、前記制御部は、前記第1の液面傾斜検知手段により液面を検知するまでの間、前記処理液供給手段を動作させることを特徴とする請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記処理液供給手段に備えられている液搬送路は、前記汲み上げローラの長手方向両側に接続され、該接続位置において前記液面傾斜検知手段とは別に液面検知手段が配置され、前記制御部は、前記処理液トレイから処理液を回収する際に前記液面検知手段からの検知情報に応じて回収量を制御することを特徴とする請求項1または5記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記液面傾斜検知手段は、前記汲み上げローラーの長手方向両側にそれぞれ一対で設けられていることを特徴とする請求項1乃至3または7のうちの一つに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−214019(P2012−214019A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−33958(P2012−33958)
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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