説明

画像形成装置

【課題】感光体上に形成される静電潜像の部分倍率調整に伴うレーザビーム光路長の変化を軽減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】光学ユニット1は、主走査平面Sと垂直をなす回動軸Cまわりに回転することにより静電潜像の部分倍率を調整するミラーユニット11を備えており、回動軸Cの主走査方向と平行をなす第1方向(Y方向)における位置は、静電潜像の基準位置に至るレーザビーム光路P上の最初の反射点R1から最後の反射点R2までの範囲内にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに基づいて変調されたレーザビームで感光体上を走査することにより感光体上に静電潜像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタは、レーザ発振器、回転多面鏡(ポリゴンミラー)、及び感光体等からなる光学ユニットを備えており、レーザ発振器から出射したレーザビームを回転多面鏡で偏向走査することにより感光体上に静電潜像を形成している。このような光学ユニットにより静電潜像を形成する際の問題点として、レーザビームの主走査線上に形成される静電潜像の部分倍率誤差が生じる点が挙げられる。ここでいう部分倍率とは、レーザビームによる主走査線の中点の両側における静電潜像の倍率のことを指している。一般に、部分倍率誤差はポリゴンミラーと感光体との間に配置される走査レンズの形状誤差や配置誤差等に起因して生じる。
【0003】
これに関連して、以下の特許文献1には、ポリゴンミラーと感光体との間に配置された折り返しミラーユニットをレーザビームの主走査平面に対して垂直をなす回動軸まわりに回転することにより部分倍率を調整するレーザ走査光学装置が提案されている。しかし、上記装置によると、折り返しミラーユニットの回転によりレーザビームの光路長が変化するため、レーザビームのピントが感光体の表面からずれてしまうことになる(図7参照)。このような光路長の変化は回動軸から離れた反射点で折り返されるレーザビームの光路において特に顕著になる。そのため、上記装置によると静電潜像の大部分においてレーザビームのピントずれが生じ、印刷画質が悪化してしまう虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−244651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、静電潜像の部分倍率調整に伴うレーザビームの光路長変化を軽減することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0007】
(1)画像データに基づいて変調されたレーザビームで感光体上を走査することにより前記感光体上に静電潜像を形成する画像形成装置であって、レーザ光源から出射された前記レーザビームを軸回転しながら反射する回転多面鏡と、前記回転多面鏡により反射された前記レーザビームを一又は複数の折り返しミラーでさらに反射することにより、前記レーザビームで前記感光体上を主走査方向に沿って走査するミラーユニットと、を有し、前記ミラーユニットは、前記感光体上を前記主走査方向に沿って走査する前記レーザビームが形成する平面に対して垂直をなす回動軸まわりに回転することにより前記静電潜像の前記主走査方向の部分倍率を調整可能であり、前記回動軸の、前記平面上で前記主走査方向と平行をなす第1方向における位置は、前記静電潜像の基準位置に至る前記レーザビームの前記ミラーユニットによる最初の反射点から最後の反射点までの範囲内にあることを特徴とする画像形成装置。
【0008】
(2)前記最初の反射点及び前記最後の反射点の前記第1方向における位置は、互いに一致しており、前記回動軸の前記第1方向における位置は、前記最初の反射点及び前記最後の反射点の双方と一致していることを特徴とする上記(1)に記載の画像形成装置。
【0009】
(3)前記回動軸の、前記平面上で前記第1方向と垂直をなす第2方向における位置は、前記最初の反射点から前記最後の反射点までの範囲内にあることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の画像形成装置。
【0010】
(4)前記最初の反射点及び前記最後の反射点の前記第2方向における位置は、互いに一致しており、前記回動軸の前記第2方向における位置は、前記最初の反射点及び前記最後の反射点の双方と一致していることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0011】
(5)前記基準位置は、前記感光体上を前記主走査方向に沿って走査する前記レーザビームの軌跡の中点又は一方の端点であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、ミラーユニットの回動軸は静電潜像の基準位置に至るレーザビーム光路(基準光路)上の最初の反射点及び最後の反射点の双方に近接するように配置されるため、ミラーユニットの回動軸まわりの回転による基準光路の光路長変化を軽減することができる。よって、本発明によると、静電潜像の部分倍率調整に伴う基準位置近傍でのレーザビームのピントずれを軽減することができ、その結果、基準位置近傍での静電潜像の画質悪化を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る光学ユニットを示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光学ユニットを示す上面図(図中(A))及び側面図(図中(B))である。
【図3】本発明の一実施形態に係る光学ユニットの変形例を示す上面図(図中(A))及び側面図(図中(B))である。
【図4】本発明の一実施形態に係る光学ユニットの他の変形例を示す上面図(図中(A))及び側面図(図中(B))である。
【図5】本発明の一実施形態に係る光学ユニットのさらに他の変形例を示す上面図(図中(A))及び側面図(図中(B))である。
【図6】本発明の一実施形態に係る光学ユニットによる部分倍率調整の前後でのレーザビーム光路を示す概略図である。
【図7】従来の光学ユニットによる部分倍率調整の前後でのレーザビーム光路を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る光学ユニット1の主要部を概略的に示す斜視図である。本実施形態に係る光学ユニット1は、画像データに基づいて変調されたレーザビームでドラム状の感光体2上を走査することにより感光体2上に静電潜像を形成する光学ユニットである。
【0016】
図1のように、光学ユニット1は、レーザダイオード等のレーザ光源(不図示)から出射されたレーザビームを軸回転しながら感光体2から離反する方向に反射する回転多面鏡であるポリゴンミラー11、及びポリゴンミラー11により反射されたレーザビームをさらに反射して感光体2の方向に折り返すことによりレーザビームで感光体2の表面を走査するミラーユニット12を備えている。
【0017】
なお、図中では省略するが、レーザ光源とポリゴンミラー11との間には、レーザ光源から出射されたレーザビームを平行光に調整するコリメータレンズが設けられている。また、ポリゴンミラー11とミラーユニット12との間には、ポリゴンミラー11により反射されたレーザビームのfθ特性等を補正する走査レンズが設けられている。
【0018】
本実施形態に係るポリゴンミラー11は、精密な鏡面加工が施された複数の反射面111を有しており、各反射面と平行をなす回転軸Aまわりに回転しながら各反射面111においてレーザ光源からのレーザビームをミラーユニット12に向かって反射する。そして、各反射面111において反射されたレーザビームは、ミラーユニット12によりさらに反射されて感光体2の方向に折り返される。なお、図1に例示されたポリゴンミラー11の反射面111の個数は4つであるが、本実施形態に係るポリゴンミラー11の反射面111の個数はこれに限定されない。
【0019】
本実施形態に係るミラーユニット12は、一又は複数の折り返しミラー121を有しており、ポリゴンミラー11からのレーザビームを折り返しミラー121によりさらに反射して感光体2の方向に折り返す。より具体的に、図1に例示されたミラーユニット12は、図中のZ方向に沿って配置された2つの折り返しミラー121を有しており、各々の折り返しミラー121によりポリゴンミラー11からのレーザビームを90度ずつ偏向する。これにより、図1に例示されたミラーユニット12は、ポリゴンミラー11からのレーザビームをZ方向の高さを変化させて略平行に折り返す。
【0020】
図1のように、ミラーユニット12により折り返されたレーザビームは、感光体2の回転軸Bと平行をなす主走査方向に沿って感光体2の表面を走査することにより静電潜像を形成する。以下では、感光体2の表面を走査するレーザビームにより形成される平面を主走査平面Sと称することにする。また、感光体2の表面を走査するレーザビームの軌跡を主走査線Lと称することにする。
【0021】
図1のように、本実施形態に係るミラーユニット12は、主走査平面Sと垂直をなす回動軸Cを備えており、回動軸Cまわりに回転することにより主走査線L上に形成される静電潜像の部分倍率を調整することができる。より具体的には、ミラーユニット12を回動軸Cまわりに回転させることによりレーザビームの走査位置を主走査方向に沿ってずらすことができるため、回動軸Cまわりの回転角度を適切に選択することにより主走査線L上に形成される静電潜像の部分倍率を調整することができる。
【0022】
続いて、図2を参照して、本実施形態に係るミラーユニット12の回動軸Cの配置について説明する。図2(A)は、図1に例示された光学ユニット1の上面図であり、図2(B)は、図2(A)に対応する側面図である。後述するように、本実施形態に係るミラーユニット12の回動軸Cの配置は、感光体2に形成される各種サイズの静電潜像の主走査方向における基準位置に基づいて決定される。ここで、「基準位置」とは、感光体2の表面に形成される各種サイズの静電潜像の揃え位置のことであり、これは光学ユニット1を含む画像形成装置に供給される各種サイズの記録用紙の揃え位置に対応している(図2(A)参照)。
【0023】
図2の例においては、静電潜像の基準位置として主走査線Lの中点が採用されている。ただし、静電潜像の基準位置は、主走査線Lの一方の端点であってもよいし(図3参照)、主走査線L上のさらに他の点であってもよい。以下では、ポリゴンミラー11により反射されたレーザビームの光路のうちの基準位置に至る光路を特に基準光路Pと称することにする。また、主走査平面S上の主走査方向と平行をなす方向をY方向とし、主走査平面S上のY方向と垂直をなす方向をX方向とする(図2(A)参照)。
【0024】
本実施形態において、ミラーユニット12の回動軸Cの配置は以下のようにして決定される。先ず、回動軸CのY方向の位置は、レーザビームの基準光路P上のミラーユニット12による最初の反射点R1から最後の反射点R2までの範囲内で決定される。ここで、最初の反射点R1とは、ポリゴンミラー11からのレーザビームがミラーユニット12により最初に反射される点のことを指しており、最後の反射点R2とは、基準位置に至るレーザビームがミラーユニット12により最後に反射される点のことを指している(図2(B)参照)。
【0025】
図2の例において、最初の反射点R1及び最後の反射点R2の主走査平面Sへの投影位置は互いに一致している(図2(A)参照)。すなわち、最初の反射点R1及び最後の反射点R2のY方向の位置は互いに一致しているため、回動軸CのY方向の位置は、最初の反射点R1及び最後の反射点R2の双方と等しくされる。これにより、ミラーユニット12の回動軸Cは最初の反射点R1及び最後の反射点R2の双方と近接するように配置されるため、ミラーユニット12の回動軸C回りの回転に伴う基準光路Pの光路長変化を軽減することができる。
【0026】
さらに、ミラーユニット12の回動軸CのX方向の位置も同様に、レーザビームの基準光路P上の最初の反射点R1から最後の反射点R2までの範囲内で決定されることが好ましい。これにより、ミラーユニット12の回動軸Cは最初の反射点R1及び最後の反射点R2の双方とさらに近接するように配置されるため、ミラーユニット12の回動軸C回りの回転に伴う基準光路Pの光路長変化をさらに軽減することができる。
【0027】
図2の例において、最初の反射点R1及び最後の反射点R2のX方向の位置は互いに一致しているため、回動軸CのX方向の位置は最初の反射点R1及び最後の反射点R2の双方と等しくされる。その結果、図2の例による回動軸Cの主走査平面S上の位置は、最初の反射点R1及び最後の反射点R2の双方と一致することになる。したがって、図2の例によると、ミラーユニット12の回動軸Cまわりの回転に伴う基準光路Pの光路長変化を防止することができる。
【0028】
続いて、上述した本実施形態に係る光学ユニット1の変形例について説明する。本変形例に係る光学ユニット1の構成は、以下に述べる箇所を除き、上述した実施例と同様である。よって、本変形例に係る光学ユニット1の各部を表す符合として、上述した実施例と同一のものを用いることとする。
【0029】
図3は、本変形例に係る光学ユニット1におけるミラーユニット12の回動軸Cの配置について説明するための概略図である。図3(A)は、本変形例に係る光学ユニット1の上面図であり、図3(B)は、図3(A)に対応する側面図である。図3(A)のように、本変形例においては静電潜像の基準位置として主走査線Lの中点ではなく主走査線Lの一方の端点が採用されている。
【0030】
上述した実施例と同様に、本変形例に係るミラーユニット12の回動軸CのY方向の位置は、基準光路P上の最初の反射点R1から最後の反射点R2までの範囲内で決定される。本変形例において、最初の反射点R1及び最後の反射点の主走査平面Sへの投影位置は互いに一致している。すなわち、最初の反射点R1及び最後の反射点R2のY方向の位置は互いに一致しているため、回動軸CのY方向の位置は最初の反射点R1及び最後の反射点R2の双方と等しくされる。これにより、ミラーユニット12の回動軸Cは最初の反射点R1及び最後の反射点R2の双方と近接するように配置されるので、ミラーユニット12の回動軸Cまわりの回転に伴う基準光路Pの光路長変化を軽減することができる。
【0031】
さらに、本変形例に係る回動軸CのX方向に位置も同様に、最初の反射点R1から最後の反射点R2までの範囲内で決定されることが好ましい。図3の例において、最初の反射点R1及び最後の反射点R2のX方向の位置は互いに一致しているため、回動軸CのX方向の位置は最初の反射点R1及び最後の反射点R2の双方と等しくされることが好ましい。その結果、図3の例による回動軸Cの主走査平面S上の位置は、最初の反射点R1及び最後の反射点R2の双方と一致することになる。したがって、図3の変形例によると、上述した実施例と同様に、ミラーユニット12の回動軸Cまわりの回転に伴う基準光路Pの光路長変化を防止することができる。
【0032】
続いて、上述した本実施形態に係る光学ユニット1の他の変形例について説明する。本変形例に係る光学ユニット1の構成は、以下に述べる箇所を除き、上述した実施例と同様である。そのため、本変形例に係る光学ユニット1の各部を表す符合として、上述した実施例と同一のものを用いることとする。ただし、本例ではミラーユニット1の反射点が3つ存在するため最後の反射点を「R3」と称することにする。
【0033】
図4は、本変形例に係る光学ユニット1におけるミラーユニット12の回動軸Cの配置について説明するための概略図である。図4(A)は、本変形例に係る光学ユニット1の上面図であり、図4(B)は、図4(A)に対応する側面図である。図4(A)(B)のように、本変形例に係るミラーユニット12は3つの折り返しミラー121により構成されている。さらに、図4(A)のように、ミラーユニット12の最初の反射点R1及び最後の反射点R3の主走査平面Sへの投影位置はX方向においては一致していないがY方向においては互いに一致している。
【0034】
上述した実施例と同様に、本変形例に係るミラーユニット12の回動軸CのY方向の位置は、基準光路P上のミラーユニット12の最初の反射点R1から最後の反射点R3までの範囲内で決定される。本変形例において、最初の反射点R1及び最後の反射点R3のY方向の位置は互いに一致しているため、回動軸CのY方向の位置は最初の反射点及び最後の反射点R3の双方と等しくされる。これにより、ミラーユニット12の回動軸Cは最初の反射点R1及び最後の反射点R3の双方と近接するように配置されるため、ミラーユニット12の回動軸Cまわりの回転に伴う基準光路Pの光路長変化を軽減することができる。
【0035】
さらに、本変形例に係る回動軸CのX方向の位置も同様に、最初の反射点R1から最後の反射点R3までの範囲内で決定されることが好ましい。そのため、本変形例による回動軸CのX方向の位置は、図4(B)中の破線上、又はこれらの破線で挟まれた領域内で決定されることが好ましい。これにより、ミラーユニット12の回動軸Cは、最初の反射点R1及び最後の反射点R3の双方とさらに近接するように配置されるので、ミラーユニット12の回動軸Cまわりの回転に伴う基準光路Pの光路長変化をさらに軽減することができる。
【0036】
続いて、上述した本実施形態に係る光学ユニット1のさらに他の変形例について説明する。本変形例に係る光学ユニット1の構成は、以下に述べる箇所を除き、上述した実施例と同様である。そのため、本変形例に係る光学ユニット1の各部を表す符合として、上述した実施例と同一のものを用いることとする。ただし、本例ではミラーユニット1の反射点が3つ存在するため最後の反射点を「R3」と称することにする。
【0037】
図5は、本変形例に係る光学ユニット1におけるミラーユニット12の回動軸Cの配置について説明するための概略図である。図5(A)は、本変形例に係る光学ユニット1の上面図であり、図5(B)は、図5(A)に対応する側面図である。図5(A)(B)のように、本変形例に係るミラーユニット12は3つの折り返しミラー121により構成されている。さらに、図5(A)のように、ミラーユニット12の最初の反射点R1及び最後の反射点R3の主走査平面Sへの投影位置はX及びY方向のいずれにおいても一致していない。
【0038】
上述した実施例と同様に、本変形例に係るミラーユニット12の回動軸CのY方向の位置は、基準光路P上のミラーユニット12の最初の反射点R1から最後の反射点R3までの範囲内で決定される。そのため、本変形例による回動軸CのY方向の位置は、図5(A)中の破線上、又はこれらの破線で挟まれた領域内で決定される。これにより、ミラーユニット12の回動軸Cは最初の反射点R1及び最後の反射点R3の双方と近接するように配置されるため、ミラーユニット12の回動軸Cまわりの回転に伴う基準光路Pの光路長変化を軽減することができる。
【0039】
さらに、本変形例に係る回動軸CのX方向の位置も同様に、最初の反射点R1から最後の反射点R3までの範囲内で決定されることが好ましい。そのため、本変形例による回動軸CのX方向の位置は、図5(B)中の破線上、又はこれらの破線で挟まれた領域内で決定されることが好ましい。これにより、ミラーユニット12の回動軸Cは、最初の反射点R1及び最後の反射点R3の双方とさらに近接するように配置されるので、ミラーユニット12の回動軸Cまわりの回転に伴う基準光路Pの光路長変化をさらに軽減することができる。
【0040】
続いて、本実施形態に係る画像形成装置による作用効果について説明する。図6は、図1、2に例示した光学ユニット1による部分倍率調整の前後での基準光路Pの光路長変化を示す概略図である。図6(A)は部分倍率調整前の基準光路Pを示す上面図であり、図6(B)は部分倍率調整後の基準光路Pを示す上面図である。上述のように、本実施形態に係るミラーユニット12の回動軸Cは、主走査方向と平行をなす方向(Y方向)における位置が基準光路P上の最初の反射点R1から最後の反射点R2までの範囲内となるように配置されている。
【0041】
これにより、ミラーユニット12の回動軸Cは基準光路P上の最初の反射点R1及び最後の反射点R2の双方に近接するように配置されるため、ミラーユニット12の回動軸Cまわりの回転による基準光路Pの光路長変化を軽減することができる。よって、本実施形態によると、静電潜像の部分倍率調整に伴う基準位置近傍でのレーザビームのピントずれを軽減することができ、その結果、基準位置近傍での静電潜像の画質悪化を軽減することができる。
【0042】
本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲において種々改変することができる。例えば、上記実施形態においてミラーユニットを構成する折り返しミラーの個数は2又は3とされたが、本発明はこれに限定されず、ミラーユニットを構成する折り返しミラーの個数は1又は4以上であってもよい。また、回転多面鏡及びミラーユニットの感光体に対する位置関係は図1〜5中に示す例に限定されない。
【符号の説明】
【0043】
1 光学ユニット、
11 ポリゴンミラー、
111 反射面、
12 ミラーユニット、
121 折り返しミラー、
2 感光体、
C 回動軸、
L 主走査線、
P 基準光路、
R1 最初の反射点、
R2 最後の反射点、
S 主走査平面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて変調されたレーザビームで感光体上を走査することにより前記感光体上に静電潜像を形成する画像形成装置であって、
レーザ光源から出射された前記レーザビームを軸回転しながら反射する回転多面鏡と、
前記回転多面鏡により反射された前記レーザビームを一又は複数の折り返しミラーでさらに反射することにより、前記レーザビームで前記感光体上を主走査方向に沿って走査するミラーユニットと、を有し、
前記ミラーユニットは、前記感光体上を前記主走査方向に沿って走査する前記レーザビームが形成する平面に対して垂直をなす回動軸まわりに回転することにより、前記静電潜像の前記主走査方向の部分倍率を調整可能であり、
前記回動軸の、前記平面上で前記主走査方向と平行をなす第1方向における位置は、前記静電潜像の基準位置に至る前記レーザビームの光路上の前記ミラーユニットによる最初の反射点から最後の反射点までの範囲内にあることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記最初の反射点及び前記最後の反射点の前記第1方向における位置は、互いに一致しており、
前記回動軸の前記第1方向における位置は、前記最初の反射点及び前記最後の反射点の双方と一致していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記回動軸の、前記平面上で前記第1方向と垂直をなす第2方向における位置は、前記最初の反射点から前記最後の反射点までの範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記最初の反射点及び前記最後の反射点の前記第2方向における位置は、互いに一致しており、
前記回動軸の前記第2方向における位置は、前記最初の反射点及び前記最後の反射点の双方と一致していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記基準位置は、前記感光体上を前記主走査方向に沿って走査する前記レーザビームの軌跡の中点又は一方の端点であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−242455(P2012−242455A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109809(P2011−109809)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】