説明

画像形成装置

【課題】 原稿の厚みが異なる場合にも、画像読取部における原稿の搬送速度を変化させることなく、原稿と画像読取部との間隔を一定にして、厚みが異なる様々な原稿における画像を適切に読み取ることができる自動画像読取装置を提供する。
【解決手段】 給紙された原稿Pを第1ローラ14により下方に向けて彎曲した第1搬送経路13を通して画像読取部15に搬送し、この画像読取部において原稿における画像を読み取ると共に、この原稿を上記の第1ローラよりも速い搬送速度で第2ローラ19により画像読取部から上方に向けて彎曲した第2搬送経路18を通して搬送させる自動画像読取装置10において、原稿の厚みに応じて、上記の第2搬送経路内に突出されるガイド部材20を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機,ファクシミリ及びこれらの複合機等において、原稿を自動で画像読取部に搬送させて、原稿における画像を画像読取部において読み取るようにした自動画像読取装置に関するものである。特に、給紙された原稿を第1ローラにより下方に向けて彎曲した第1搬送経路を通して画像読取部に搬送し、この画像読取部において原稿における画像を読み取ると共に、この原稿を上記の第1ローラよりも速い搬送速度で第2ローラにより画像読取部から上方に向けて彎曲した第2搬送経路を通して搬送させるようにした自動画像読取装置において、原稿の厚みが異なる場合にも、画像読取部における原稿の搬送速度を変化させることなく、原稿と画像読取部との間隔を一定にして、厚みが異なる様々な原稿における画像を適切に読み取ることができるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機,ファクシミリ及びこれらの複合機等においては、原稿における画像を自動で読み取るようにするため、原稿トレイに積載された原稿を自動的に給紙して画像読取部に搬送し、画像読取部に導かれた原稿における画像をCISやCCD等の撮像素子により読み取るようにした自動画像読取装置を装着させたものが用いられている。
【0003】
ここで、このような自動画像読取装置においては、一般に図1(A),(B)に示すように、原稿トレイから給紙された原稿Pを下方に向けて彎曲した第1上ガイド1aと第1下ガイド1bとで構成される第1搬送経路1に導き、この第1搬送経路1に設けられた第1ローラ2により原稿Pを、第1搬送経路1を通して画像読取部3に搬送し、この画像読取部3において原稿Pにおける画像をCISやCCD等の撮像素子4によって読み取るようにしている。また、上記のように原稿Pを画像読取部3に導くにあたり、原稿Pを画像読取部3よりも搬送方向上流側に設けられた段差シート5に接触させて、原稿Pに付着している異物を除去し、異物が画像読取部3に付着するのを防止している。
【0004】
そして、上記のように画像が読み取られた原稿Pを、画像読取部3から上方に向けて彎曲した第2上ガイド6aと第2下ガイド6bとで構成される第2搬送経路6に導き、この第2搬送経路6に設けられた第2ローラ7により上記の原稿Pをこの第2搬送経路6を通して搬送させて排出させるようにしている。る
【0005】
また、このような自動画像読取装置においては、第1ローラ2より第1搬送経路1を通して原稿Pを画像読取部3に導き、この画像読取部3において原稿Pにおける画像を読み取った後、この原稿Pを第2ローラ7により画像読取部3から第2搬送経路6を通して搬送させるにあたり、画像読取部3において原稿Pが撓んで画像が適切に読み取られなくなるのを防止するため、第1ローラ2よりも速い搬送速度で原稿Pを第2ローラ7により搬送させ、画像読取部3において原稿Pを引っ張った状態にして、この画像読取部3において原稿Pにおける画像を読み取るようにしている。
【0006】
ここで、このように第2ローラ7の搬送速度を第1ローラ2よりも速くし、画像読取部3において原稿Pを引っ張った状態にして、原稿Pを画像読取部3から第2搬送経路6を通して搬送させるにあたり、厚みが大きい原稿Paの場合には、原稿Paの腰が強いため、図1(A)に示すように、原稿Paが画像読取部3から第2搬送経路6における下ガイド6bに沿うようにして搬送される。一方、厚みが薄い原稿Pbの場合には、原稿Pbの腰が弱いため、図1(B)に示すように、原稿Pbが第2ローラ7によって引っ張られ、第2搬送経路6における上ガイド6aに沿うようにして搬送されるようになる。
【0007】
この結果、画像読取部3とその上を搬送される原稿Pとの間隔が、厚みが大きい原稿Paと厚みが薄い原稿Pbとで異なり、画像読取部3の上を搬送される原稿Pにおける画像をCISやCCD等の撮像素子4によって読み取る場合に、厚みが大きい原稿Paと厚みが薄い原稿Pbとでは焦点がずれてしまい、画像読取部3において原稿Pにおける画像を適切に読み取ることができなくなるという問題があった。
【0008】
このため、従来においては、上記の第2搬送経路6における第2上ガイド6aの下に弾性体からなる規制ガイド8を取り付け、この規制ガイド8により厚みの薄い原稿Pbが搬送される位置を規制して、画像読取部3の上面と搬送される原稿Pとの間隔が、厚みが大きい原稿Paと厚みが薄い原稿Pbとで変化するのを防止するようにしたものも用いられている。
【0009】
しかし、このようにした場合、規制ガイド8との接触によって搬送される原稿Pに抵抗が加わり、特に、厚みが大きい原稿Paに加わる抵抗が大きくなり、画像読取部3における原稿Pの搬送速度が変化して、搬送方向に対する原稿Pの読取倍率が変動し、原稿Pにおける画像を適切に読み取ることができなくなるという問題があった。
【0010】
また、従来においては、特許文献1に示されるように、原稿の厚みを検知する厚み検知手段を設けると共に、原稿を搬送させる搬送路に対して画像読取部を原稿の厚み方向に移動させる移動部を設け、厚み検知手段によって検知された原稿の厚みに対応させて、上記の移動部の移動を制御するようにしたものが提案されている。
【0011】
しかし、このように原稿の厚みに対応させて画像読取部を移動部によって原稿の厚み方向に移動させる場合、移動部によって画像読取部の厚み方向の間隔が狭くなるように移動させると、間隔が狭くなった画像読取部の部分に原稿が当たって詰まりやすくなり、特に、上記のように原稿を下方に向けて彎曲した第1搬送経路を通して画像読取部に導くようにした場合には、さらに原稿が間隔の狭くなった画像読取部の部分に当たって詰まりやすくなると共に、搬送される原稿に対する抵抗も大きくなって、適切な画像の読み取りが行えなくなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−153982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、給紙された原稿を第1ローラにより下方に向けて彎曲した第1搬送経路を通して画像読取部に搬送し、この画像読取部において原稿における画像を読み取ると共に、この原稿を上記の第1ローラよりも速い搬送速度で第2ローラにより画像読取部から上方に向けて彎曲した第2搬送経路を通して搬送させるようにした自動画像読取装置における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0014】
すなわち、本発明は、上記のような自動画像読取装置において、原稿の厚みが異なる場合にも、画像読取部における原稿の搬送速度を変化させることなく、原稿と画像読取部との間隔を一定にして、厚みが異なる様々な原稿における画像を適切に読み取ることができるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明においては、上記のような課題を解決するため、給紙された原稿を第1ローラにより下方に向けて彎曲した第1搬送経路を通して画像読取部に搬送し、この画像読取部において原稿における画像を読み取ると共に、この原稿を上記の第1ローラよりも速い搬送速度で第2ローラにより画像読取部から上方に向けて彎曲した第2搬送経路を通して搬送させる自動画像読取装置において、原稿の厚みに応じて、上記の第2搬送経路内に突出されるガイド部材を設けた。
【0016】
そして、本発明の自動画像読取装置においては、画像読取部に導かれる原稿の厚みが薄い場合に、上記のガイド部材を第2搬送経路の上部から第2搬送経路内に突出させるようにする。
【0017】
また、上記のように原稿の厚みに応じて、ガイド部材を第2搬送経路内に突出させるにあたっては、原稿の厚みを検知する厚み検知装置を設け、この厚み検知装置によって検知された原稿の厚みに応じて、制御装置により第2搬送経路内に突出されるガイド部材を制御させるようにすることができる。
【0018】
さらに、上記のように原稿の厚みに応じて、ガイド部材を第2搬送経路内に突出させるにあたっては、第1アーム部と第2アーム部とが支点を中心に回動する回動アームを用い、この回動アームの第1アーム部の先端部に上記の第1搬送経路内に突出されて原稿の厚みを検知する厚み検知部を設けると共に、第2アーム部の先端部に上記のガイド部材を設けるようにすることができる。
【0019】
このようにすると、原稿の厚みに対応して、第1アーム部の先端部に設けられた厚み検知部により回動アームが回動され、第2アーム部の先端部に設けられたガイド部材が、原稿の厚みに対応するようにして第2搬送経路内に突出されるようになる。また、このように原稿の厚みに対応して、回動アームが適切に回動されるようにするため、第1アーム部の先端部に設けられた上記の厚み検知部を第1搬送経路内に突出させる方向に付勢する付勢手段を設けるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明における自動画像読取装置のように、原稿の厚みに応じて、ガイド部材が第2搬送経路内に突出されるようにし、画像読取部に導かれる原稿の厚みが薄い場合に、上記のガイド部材を第2搬送経路の上部から第2搬送経路内に突出させるようにすると、このガイド部材により厚みの薄い原稿が下方に押されて、画像読取部を通して搬送される厚みの薄い原稿の位置が下方に移動し、画像読取部の上面と原稿との間隔が、厚みが大きい原稿と同程度になる。
【0021】
この結果、本発明における自動画像読取装置においては、原稿における画像を画像読取部において読み取るにあたり、厚みが異なる原稿であっても、原稿と画像読取部との間隔を一定にして、厚みが異なる様々な原稿における画像を適切に読み取ることができるようになる。
【0022】
また、本発明における自動画像読取装置においては、上記のように原稿の厚みが薄い場合にだけ、ガイド部材を第2搬送経路の上部から第2搬送経路内に突出させ、原稿の厚みが大きい場合には、ガイド部材を第2搬送経路内に突出させないようにすることにより、厚みが大きい原稿がガイド部材と接触するのが防止され、厚みが大きい原稿を搬送させる際における抵抗が大きくなるということもなく、画像読取部における原稿の搬送速度を一定化させて、様々な厚みの原稿における画像を適切に読み取ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の自動画像読取装置において、原稿が第1搬送経路から画像読取部を通して第2搬送経路に導かれて搬送される状態を示し、(A)は厚みの大きい原稿が搬送される状態を、(B)は厚みの薄い原稿が搬送される状態を示した部分説明図である。
【図2】従来の自動画像読取装置において、第2搬送経路における第2上ガイドの下に規制ガイドを取り付けて、搬送される原稿を規制する状態を示した部分説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る自動画像読取装置を画像形成装置に用いる状態を示した概略斜視図である。
【図4】第1の実施形態に係る自動画像読取装置において、厚みの大きい原稿が搬送される状態を示した部分説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る自動画像読取装置において、厚みの薄い原稿が搬送される状態を示した部分説明図である。
【図6】第2の実施形態に係る自動画像読取装置において、厚みの大きい原稿が搬送される状態を示した部分説明図である。
【図7】第2の実施形態に係る自動画像読取装置において、厚みの薄い原稿が搬送される状態を示した部分説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態に係る自動画像読取装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る自動画像読取装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0025】
この実施形態においては、図3に示すように、複写機等の画像形成装置Aの上部に設ける自動画像読取装置10について説明する。
【0026】
ここで、この自動画像読取装置10においては、原稿を積載させる原稿トレイ11の幅方向両側に、この原稿トレイ11に積載された原稿の送り方向と直交する幅方向両側を規制する一対の規制ガイド12を設けている。
【0027】
そして、この原稿トレイ11に積載された原稿を、図示していないが、ピックアップローラ、給紙ローラ、さばきローラ等の給紙搬送機構により、一枚毎に順々に給紙して搬送させるようにしている。
【0028】
ここで、この実施形態における自動画像読取装置10においても、図4〜図7に示すように、上記のように給紙されて搬送された原稿Pを下方に向けて彎曲した第1上ガイド13aと第1下ガイド13bとで構成される第1搬送経路13に導くようにしている。
【0029】
そして、この第1搬送経路13に設けられた第1ローラ14により、この原稿Pを第1搬送経路13から画像読取部15に搬送し、この画像読取部15において原稿Pにおける画像をCISやCCD等の撮像素子16によって読み取るようにしている。また、上記のように原稿Pを画像読取部15に導くにあたり、原稿Pを画像読取部15よりも搬送方向上流側に設けられた段差シート17に接触させて、原稿Pに付着している異物を除去し、異物が画像読取部3に付着するのを防止している。
【0030】
また、画像読取部15において画像が読み取られた原稿Pを、この画像読取部15から上方に向けて彎曲した第2上ガイド18aと第2下ガイド18bとで構成される第2搬送経路18に導き、この第2搬送経路18に設けられた第2ローラ19により、上記の原稿Pをこの第2搬送経路6を通して搬送させて排出させるようにしている。
【0031】
ここで、第1の実施形態における自動画像読取装置10においては、図4及び図5に示すように、上記の第2ローラ19よりも搬送方向上流側の位置において、上記の第2搬送経路18における第2上ガイド18aの上部側にガイド部材20を設け、このガイド部材20をシリンダーやカム等の昇降装置21により第2搬送経路18内に突出入させるようにしている。
【0032】
また、このようにガイド部材20を昇降装置21により第2搬送経路18内に突出入させるにあたっては、画像読取部15に導かれる原稿Pの厚みを検知する厚み検知装置22を設け、この厚み検知装置22によって検知された原稿Pの厚みを制御装置23に出力し、この制御装置23により上記の昇降装置21の駆動を制御して、第2搬送経路18内に突出させる上記のガイド部材20を制御するようにしている。
【0033】
そして、上記の厚み検知装置22によって検知された原稿Pの厚みが大きい場合には、図4に示すように、上記の制御装置23により昇降装置21を駆動させてガイド部材20を上昇させ、第2搬送経路18内を搬送される厚みの大きい原稿Paがこのガイド部材20に接触しないようにする。このようにすると、第2搬送経路18内を搬送される厚みの大きい原稿Paに抵抗が加わって搬送速度が変化するのが防止され、原稿Paの読取倍率が変動したり、厚みの大きい原稿Paがこの第2搬送経路18内で詰まったりすることがなくなる。
【0034】
一方、上記の厚み検知装置22によって検知された原稿Pの厚みが薄い場合には、図5に示すように、上記の制御装置23により昇降装置21を駆動させてガイド部材20を下降させて、このガイド部材20を第2搬送経路18内に突出させて、この第2搬送経路18内を搬送される厚みの薄い原稿Pbをこのガイド部材20によって下方に押し下げ、画像読取部15の上を移動する厚みの薄い原稿Pbの位置を下方に移動させ、画像読取部15とこの厚みの薄い原稿Pbとの間隔が、上記の厚みの大きい原稿Paと画像読取部15との間隔と一致させるようにする。このようにすると、原稿Pの厚みが異なる場合においても、画像読取部15の上を移動する原稿Pと画像読取部15との間隔が一定に保たれるようになり、厚みが異なる様々な原稿Pにおける画像を画像読取部15において適切に読み取ることができるようになる。
【0035】
また、第2の実施形態における自動画像読取装置10においては、図6及び図7に示すように、第1アーム部24aと第2アーム部24bとが支点24cを中心に回動する回動アーム24を設け、この回動アーム24における第1アーム部24aの先端部に、上記の第1搬送経路13内に突出されて原稿Pの厚みを検知する円弧状になった厚み検知部25を設けると共に、第1搬送経路13における第1下ガイド13bにこの厚み検知部25が嵌り込む凹部13cを設ける一方、上記の回動アーム24における第2アーム部24bの先端部に、上記の第2ローラ19よりも搬送方向上流側の位置において、上記の第2搬送経路18内に突出されるガイド部材20を設けるようにしている。また、図示していないコイルバネ等の付勢部材により、上記の第1アーム部24aの先端部に設けられた厚み検知部25を、第1下ガイド13bに設けられた凹部13cに向かう方向に付勢させている。
【0036】
ここで、この実施形態における自動画像読取装置10において、厚みの大きい原稿Paが上記の第1搬送経路13内に導かれると、この厚みの大きい原稿Paの腰が強いため、この厚みの大きい原稿Paにより、上記の厚み検知部25が上記の付勢部材に抗して第1下ガイド13bに設けられた凹部13cから離れる方向に押され、これにより厚み検知部25が設けられた第1アーム部24aが第1下ガイド13bから離れる方向に回動される。そして、これに伴って回動アーム24における第2アーム部24bが第2搬送経路18から離れる方向に回動し、この第2アーム部24bの先端部に設けられたガイド部材20が第2搬送経路18内から離れる方向に移動し、このガイド部材20が第2搬送経路18内を搬送される厚みの大きい原稿Paと接触しなくなる。
【0037】
この結果、上記の第1実施形態の場合と同様に、この第2搬送経路18内を搬送される厚みの大きい原稿Paに抵抗が加わるということがなく、その搬送速度が変化するのが防止され、原稿Paの読取倍率が変動したり、厚みの大きい原稿Paがこの第2搬送経路18内で詰まったりすることがなくなる。
【0038】
一方、厚みの薄い原稿Pbが上記の第1搬送経路13内に導かれると、この厚みの薄い原稿Pbの腰が弱いため、上記の付勢部材によって付勢された第1アーム部24aに設けられた厚み検知部25により、この厚みの薄い原稿Pbが第1下ガイド13bに設けられた凹部13cに向かう方向に押されて、この第1アーム部24aが第1下ガイド13bに向かう方向に回動される。そして、これに伴って回動アーム24における第2アーム部24bが第2搬送経路18内に向かう方向に回動されて、この第2アーム部24bの先端部に設けられたガイド部材20が第2搬送経路18内に突出され、この第2搬送経路18内を搬送される厚みの薄い原稿Pbがこのガイド部材20によって下方に押し下げられ、画像読取部15の上を移動する厚みの薄い原稿Pbの位置が下方に移動する。
【0039】
この結果、上記の第1実施形態の場合と同様に、原稿Pの厚みが異なる場合においても、画像読取部15の上を移動する原稿Pと画像読取部15との間隔が一定に保たれるようになり、厚みが異なる様々な原稿Pにおける画像を画像読取部15において適切に読み取ることができるようになる。
【0040】
なお、この実施形態においては、第1搬送経路13における第1下ガイド13bに、厚み検知部25が嵌り込む凹部13cを設けるようにしたが、このような凹部13cを設けないようにすることもできる。
【符号の説明】
【0041】
10 自動画像読取装置
11 原稿トレイ
12 規制ガイド
13 第1搬送経路,13a 第1上ガイド,13b 第1下ガイド,13c 凹部
14 第1ローラ
15 画像読取部
16 撮像素子
17 段差シート
18 第2搬送経路,18a 第2上ガイド,18b 第2下ガイド
19 第2ローラ
20 ガイド部材
21 昇降装置
22 厚み検知装置
23 制御装置
24 回動アーム,24a 第1アーム部,24b 第2アーム部,24c 支点
25 厚み検知部
A 画像形成装置
P 原稿,Pa 厚みの大きい原稿,Pb a厚みの薄い原稿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙された原稿を第1ローラにより下方に向けて彎曲した第1搬送経路を通して画像読取部に搬送し、この画像読取部において原稿における画像を読み取ると共に、この原稿を上記の第1ローラよりも速い搬送速度で第2ローラにより画像読取部から上方に向けて彎曲した第2搬送経路を通して搬送させる自動画像読取装置において、原稿の厚みに応じて、上記の第2搬送経路内に突出されるガイド部材を設けたことを特徴とする自動画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動画像読取装置において、原稿の厚みが薄い場合に、上記のガイド部材が第2搬送経路の上部から第2搬送経路内に突出されることを特徴とする自動画像読取装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の自動画像読取装置において、原稿の厚みを検知する厚み検知装置と、この厚み検知装置によって検知された原稿の厚みに応じて第2搬送経路内に突出される上記のガイド部材を制御する制御装置とが設けられていることを特徴とする自動画像読取装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の自動画像読取装置において、第1アーム部と第2アーム部とが支点を中心に回動する回動アームが設けられ、この回動アームの第1アーム部の先端部に上記の第1搬送経路内に突出されて原稿の厚みを検知する厚み検知部が設けられると共に、第2アーム部の先端部に上記のガイド部材が設けられていることを特徴とする自動画像読取装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自動画像読取装置において、上記の回動アームの第1アーム部に設けられた厚み検知部を第1搬送経路内に突出させる方向に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする自動画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−244214(P2012−244214A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109124(P2011−109124)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】