説明

画像形成装置

【課題】 外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての情報を表示部に表示することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 MFP20は、情報を表示する表示部24と、MFP利用者による操作が入力される操作部23と、操作部23を介したMFP利用者のログインを受け付けるログイン受付手段21aと、表示部24に表示させるための情報である新規表示用情報22dを外部のPCから受信する表示用情報受信手段21bと、表示部24による表示を制御する表示制御手段21cとを備えており、表示制御手段21cは、表示用情報受信手段21bによって受信された新規表示用情報22dがログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者宛ての情報である場合に、新規表示用情報22dを表示部24に表示させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の装置から受信した情報を表示する表示部を備えている画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部の装置から受信した情報を表示する表示部を備えている画像形成装置が知られている(特許文献1〜3参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された画像形成装置は、外部の装置としてのホスト装置に接続されている画像形成装置である。この画像形成装置は、エラーメッセージなどの固有のメッセージと、ユーザがホスト装置で作成したエラーメッセージなどのユーザ定義メッセージとを格納し、メッセージの表示要求があった場合に、固有のメッセージおよびユーザ定義メッセージの何れかを画像形成装置自身の表示部に表示するものである。
【0004】
特許文献2に記載された画像形成装置は、外部の装置としてのホストコンピュータに接続されている複合機である。この複合機は、ホストコンピュータで登録されたメッセージを複合機自身の画面に表示するものである。
【0005】
特許文献3に記載された画像形成装置は、外部の装置としてのPCに接続されている複写機などの画像形成装置である。この画像形成装置は、ユーザがPCで作成した会議の案内などのスケジュール情報、伝言情報、天気予報などのメッセージを画像形成装置自身の表示器に表示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−249781号公報
【特許文献2】特開2001−358877号公報
【特許文献3】特開2004−345161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、外部の装置から受信して表示部に表示する情報が全ての利用者に対して同一であるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての情報を表示部に表示することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、情報を表示する表示部と、利用者による操作が入力される操作部と、前記操作部を介した前記利用者のログインを受け付けるログイン受付手段と、前記表示部に表示させるための情報である表示用情報を外部の装置から受信する表示用情報受信手段と、前記表示部による表示を制御する表示制御手段とを備えており、前記表示制御手段は、前記表示用情報受信手段によって受信された前記表示用情報が前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者宛ての情報である場合に、前記表示用情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0010】
この構成により、本発明の画像形成装置は、外部の装置から受信された表示用情報がログイン中の利用者宛ての情報である場合に表示用情報を表示部に表示するので、外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての情報を表示部に表示することができる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者の識別情報である利用者情報を前記外部の装置に送信する利用者情報送信手段を備えていても良い。
【0012】
この構成により、本発明の画像形成装置は、ログイン中の利用者の利用者情報を外部の装置に送信するので、ログイン中の利用者宛ての表示用情報が外部の装置から画像形成装置にリアルタイムで送信される可能性を向上することができる。
【0013】
本発明の画像形成装置用プログラムは、情報を表示する表示部と、利用者による操作が入力される操作部とを備えている画像形成装置に、前記操作部を介した前記利用者のログインを受け付けるログイン受付ステップと、前記表示部に表示させるための情報である表示用情報を外部の装置から受信する表示用情報受信ステップと、前記表示部による表示を制御する表示制御ステップとを実行させ、前記表示制御ステップは、前記表示用情報受信ステップによって受信された前記表示用情報が前記ログイン受付ステップによってログインが受け付けられている前記利用者宛ての情報である場合に、前記画像形成装置が前記表示用情報を前記表示部に表示させるステップであることを特徴とする。
【0014】
この構成により、本発明の画像形成装置用プログラムを実行する画像形成装置は、外部の装置から受信された表示用情報がログイン中の利用者宛ての情報である場合に表示用情報を表示部に表示するので、外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての情報を表示部に表示することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の画像形成装置は、外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての情報を表示部に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係るネットワークシステムのブロック図である。
【図2】図1に示すMFPのブロック図である。
【図3】図1に示すPCのブロック図である。
【図4】ログイン中のMFP利用者の利用者情報をMFPに要求するときの図1に示すPCの動作のフローチャートである。
【図5】新規表示用情報を受信したときの図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図6】図5に示すS123において図2に示す表示部に表示される新規表示用情報の一例を示す図である。
【図7】MFP利用者がMFPにログインした直後の図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図8】固定の表示用情報を表示する必要が生じた場合の図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図9】(a)は、図2に示す表示部に表示される固定の表示用情報の一例を示す図である。(b)は、図2に示す表示部に表示される代替表示用情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
まず、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成について説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係るネットワークシステム10のブロック図である。
【0020】
図1に示すように、ネットワークシステム10は、画像形成装置であるMFP(Multifunction Peripheral)20と、MFP20の外部の装置としてのPC(Personal Computer)30とを備えている。MFP20およびPC30は、LAN(Local Area Network)またはインターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。
【0021】
図2は、MFP20のブロック図である。
【0022】
図2に示すように、MFP20は、MFP20全体を制御する制御部21と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスである記憶部22と、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部23と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部24と、用紙に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター25と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー26と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部27と、ネットワーク11経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部28とを備えている。
【0023】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部22に記憶されているプログラムを実行するようになっている。ROMは、表示部24に表示させるための情報として、エラーメッセージまたはワーニングメッセージなどのMPF20の固定の表示用情報を記憶している。
【0024】
記憶部22は、MFP20用のプログラムである画像形成装置用プログラム22aと、MFP20の利用者(以下「MFP利用者」という。)の識別情報である利用者情報22bと、MFP利用者のログイン用のパスワード22cとを記憶している。なお、利用者情報22bおよびパスワード22cは、MFP利用者毎に記憶部22に記憶されている。また、記憶部22は、新規に表示部24に表示させるための表示用情報である新規表示用情報22dと、制御部21のROMに記憶されている固定の表示用情報の代替の表示用情報である代替表示用情報22eとを記憶することができる。
【0025】
なお、画像形成装置用プログラム22aは、MFP20の製造段階でMFP20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体から、または、ネットワーク11上からMFP20に追加でインストールされても良い。
【0026】
制御部21は、記憶部22に記憶されている画像形成装置用プログラム22aを実行することによって、操作部23を介したMFP利用者のログインを受け付けるログイン受付手段21a、表示用情報をPC30から受信する表示用情報受信手段21b、表示部24による表示を制御する表示制御手段21c、および、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bをPC30に送信する利用者情報送信手段21dとして機能する。
【0027】
図3は、PC30のブロック図である。
【0028】
図3に示すように、PC30は、PC30全体を制御する制御部31と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているHDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部32と、利用者による種々の操作が入力されるマウスやキーボードなどの入力デバイスである操作部33と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部34と、ネットワーク11経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部35とを備えている。
【0029】
制御部31は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMや記憶部32に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0030】
次に、ネットワークシステム10の動作について説明する。
【0031】
以下において、PC30の制御部31は、例えば、表示部34に表示するウェブブラウザーを介して、MFP20に対して情報の送受信を行うことができる。なお、制御部31は、ウェブブラウザー以外の方法によって、MFP20に対して情報の送受信を行うようになっていても良い。
【0032】
<MFP利用者のログイン>
MFP20の制御部21のログイン受付手段21aは、記憶部22に予め登録されている利用者情報22bおよびパスワード22cの組み合わせが操作部23を介して入力されると、その利用者情報22bに対応するMFP利用者のログインを受け付ける。
【0033】
<ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bの表示>
図4は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bをMFP20に要求するときのPC30の動作のフローチャートである。
【0034】
PC30の制御部31は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bをMFP20に要求することをPC30の利用者(以下「PC利用者」という。)から操作部33を介して指示されると、図4に示す処理を実行する。
【0035】
図4に示すように、制御部31は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bをネットワーク通信部35を介してMFP20に要求する(S101)。
【0036】
ここで、MFP20の制御部21の利用者情報送信手段21dは、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bの要求をネットワーク通信部28を介してPC30から受信すると、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22b、すなわち、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bをネットワーク通信部28を介してPC30に送信する。
【0037】
次いで、PC30の制御部31は、MFP20から送信されたログイン中のMFP利用者の利用者情報22bをネットワーク通信部35を介して受信し(S102)、受信したログイン中のMFP利用者の利用者情報22bを表示部34に表示して(S103)、図4に示す処理を終了する。
【0038】
したがって、PC利用者は、表示部34に表示された利用者情報22bによって、ログイン中のMFP利用者を認識することができる。
【0039】
なお、PC利用者は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bと同様に、MFP20の設定情報と、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22b以外のMFP20の状態情報とをPC30にMFP20から取得させて表示部34に表示させることによって、MFP20の設定情報と、MFP20の状態情報とを認識することができる。ここで、設定情報とは、MFP20のトレイの用紙サイズなど、MFP20に設定されている情報である。状態情報とは、印刷中の状態など、MFP20の状態を表す情報である。
【0040】
<リアルタイムでの新規表示用情報22dの表示>
上述したようにログイン中のMFP利用者を認識したPC利用者は、ログイン中のMFP利用者宛ての新規表示用情報22dを操作部33を介して入力し、入力した新規表示用情報22dをMFP20に送信する指示を操作部33を介してPC30に入力することができる。
【0041】
この指示が入力されると、PC30の制御部31は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bを新規表示用情報22dに関連付けた後、利用者情報22bが関連付けられた新規表示用情報22dをネットワーク通信部35を介してMFP20に送信する。
【0042】
なお、PC30からMFP20への新規表示用情報22dの送信は、MFP20宛ての電子メールによって実行されても良い。MFP20宛ての電子メールによって実行される場合、MFP20に新規表示用情報22dを処理させるためのパスワードが電子メールのサブジェクトフィールドに設定されるようになっていても良い。
【0043】
図5は、新規表示用情報22dを受信したときのMFP20の動作のフローチャートである。
【0044】
MFP20の制御部21の表示用情報受信手段21bは、新規表示用情報22dをネットワーク通信部28を介して受信すると、図5に示す処理を実行する。
【0045】
図5に示すように、表示用情報受信手段21bは、受信した新規表示用情報22dを記憶部22に記憶する(S121)。
【0046】
次いで、制御部21の表示制御手段21cは、S121において記憶した新規表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報であるか否かを判断する(S122)。ここで、表示制御手段21cは、新規表示用情報22dに関連付けられている利用者情報22bがログイン中のMFP利用者の利用者情報22b、すなわち、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bである場合に、新規表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報であると判断する。一方、表示制御手段21dは、新規表示用情報22dに関連付けられている利用者情報22bがログイン中のMFP利用者の利用者情報22bではない場合に、新規表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報ではないと判断する。
【0047】
表示制御手段21cは、新規表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報であるとS122において判断すると、S121において記憶した新規表示用情報22dを表示部24に表示して(S123)、図5に示す処理を終了する。
【0048】
表示制御手段21cは、新規表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報ではないとS122において判断すると、図5に示す処理を終了する。このように、PC利用者は、何時でも、任意のMFP利用者宛ての新規表示用情報22dをPC30を介してMFP20に送信して、図5に示すように新規表示用情報22dをMFP20に記憶させることができる。
【0049】
図6は、S123において表示部24に表示される新規表示用情報22dの一例を示す図である。
【0050】
図6に示すように、新規表示用情報22dは、既に表示されている画面に重ねて表示部24に表示されても良い。また、新規表示用情報22dは、例えば半透明の状態で表示されても良い。図6に示す新規表示用情報22dには、閉じるボタン41と、削除ボタン42とが含まれている。
【0051】
MFP利用者が操作部23を介して閉じるボタン41を押すと、表示制御手段21cは、表示部24による新規表示用情報22dの表示を終了する。
【0052】
MFP利用者が操作部23を介して削除ボタン42を押すと、表示制御手段21cは、表示部24による新規表示用情報22dの表示を終了する。また、制御部21は、この新規表示用情報22dを記憶部22から削除する。PC利用者は、PC30の操作部33を介して新規表示用情報22dを入力する際に、新規表示用情報22dに削除ボタン42を含めるか否かを指定することができる。
【0053】
なお、MFP20の制御部21は、PC利用者からPC30を介して新規表示用情報22dの削除の指示があった場合、削除の指示があった新規表示用情報22dを記憶部22から削除するようになっていても良いし、新規表示用情報22dを受信したときに削除のタイミングが指定されていた場合、指定されていたタイミングで新規表示用情報22dを記憶部22から削除するようになっていても良い。
【0054】
<MFP利用者がログインした直後のMFP20の動作>
図7は、MFP利用者がMFP20にログインした直後のMFP20の動作のフローチャートである。
【0055】
MFP利用者がMFP20にログインすると、MFP20のログイン受付手段21aは、図7に示す処理を実行する。
【0056】
図7に示すように、MFP20の表示制御手段21cは、ログイン中のMFP利用者宛ての新規表示用情報22dが記憶部22に記憶されているか否か、つまり、過去に受信した新規表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報であるか否かを判断する(S141)。ここで、表示制御手段21cは、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22b、すなわち、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bが関連付けられている新規表示用情報22dが記憶部22に記憶されている場合に、ログイン中のMFP利用者宛ての新規表示用情報22dが記憶部22に記憶されていると判断する。一方、表示制御手段21cは、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bが関連付けられている新規表示用情報22dが記憶部22に記憶されていない場合に、ログイン中のMFP利用者宛ての新規表示用情報22dが記憶部22に記憶されていないと判断する。
【0057】
表示制御手段21cは、ログイン中のMFP利用者宛ての新規表示用情報22dが記憶部22に記憶されているとS141において判断すると、記憶部22に記憶されているログイン中のMFP利用者宛ての新規表示用情報22dを図6に示すように表示部24に表示して(S142)、図7に示す処理を終了する。
【0058】
表示制御手段21cは、ログイン中のMFP利用者宛ての新規表示用情報22dが記憶部22に記憶されていないとS141において判断すると、新規表示用情報22dを表示部24に表示することなく、図7に示す処理を終了する。
【0059】
<固定の表示用情報の表示>
PC利用者は、特定のMFP利用者宛ての代替表示用情報22eを操作部33を介して入力し、入力した代替表示用情報22eをMFP20に送信する指示を操作部33を介してPC30に入力することができる。なお、代替表示用情報22eは、PC利用者によって、MFP20に発生する特定の状態の識別情報である状態識別情報に関連付けられている。
【0060】
この指示が入力されると、PC30の制御部31は、特定のMFP利用者の利用者情報22bを代替表示用情報22eに関連付けた後、利用者情報22bが関連付けられた代替表示用情報22eをネットワーク通信部35を介してMFP20に送信する。
【0061】
MFP20の制御部21の表示用情報受信手段21bは、代替表示用情報22eをネットワーク通信部28を介して受信すると、受信した代替表示用情報22eを記憶部22に記憶する。
【0062】
図8は、固定の表示用情報を表示する必要が生じた場合のMFP20の動作のフローチャートである。
【0063】
MFP20の制御部21は、エラーが発生した場合など、固定の表示用情報を表示する必要がある状態が発生した場合に、図8に示す処理を実行する。
【0064】
図8に示すように、MFP20の表示制御手段21cは、発生した状態の状態識別情報に関連付けられたログイン中のMFP利用者宛ての代替表示用情報22eが記憶部22に記憶されているか否か、つまり、発生した状態の状態識別情報に関連付けられて過去に受信した代替表示用情報22eがログイン中のMFP利用者宛ての情報であるか否かを判断する(S161)。ここで、表示制御手段21cは、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22b、すなわち、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bが関連付けられている代替表示用情報22eであって、発生した状態の状態識別情報に関連付けられた代替表示用情報22eが記憶部22に記憶されている場合に、発生した状態の状態識別情報に関連付けられたログイン中のMFP利用者宛ての代替表示用情報22eが記憶部22に記憶されていると判断する。一方、表示制御手段21cは、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bが関連付けられている代替表示用情報22eであって、発生した状態の状態識別情報に関連付けられた代替表示用情報22eが記憶部22に記憶されていない場合に、発生した状態の状態識別情報に関連付けられたログイン中のMFP利用者宛ての代替表示用情報22eが記憶部22に記憶されていないと判断する。
【0065】
表示制御手段21cは、発生した状態の状態識別情報に関連付けられたログイン中のMFP利用者宛ての代替表示用情報22eが記憶部22に記憶されていないとS161において判断すると、発生した状態の状態識別情報に関連付けられて制御部21のROMに記憶されている固定の表示用情報を表示部24に表示して(S162)、図8に示す処理を終了する。
【0066】
表示制御手段21cは、発生した状態の状態識別情報に関連付けられたログイン中のMFP利用者宛ての代替表示用情報22eが記憶部22に記憶されているとS161において判断すると、発生した状態の状態識別情報に関連付けられて記憶部22に記憶されているログイン中のMFP利用者宛ての代替表示用情報22eを表示部24に表示して(S163)、図8に示す処理を終了する。
【0067】
図9(a)は、表示部24に表示される固定の表示用情報の一例を示す図である。図9(b)は、表示部24に表示される代替表示用情報22eの一例を示す図である。
【0068】
図9に示すように、代替表示用情報22eは、同一の状態識別情報に関連付けられた固定の表示用情報の代替として表示部24に表示される。図9に示す例では、代替表示用情報22eは、日本語の固定の表示用情報を英訳したものである。しかしながら、代替表示用情報22eは、固定の表示用情報の翻訳に限らず、任意の内容で良い。
【0069】
なお、MFP20の制御部21は、PC利用者からPC30を介して代替表示用情報22eの削除の指示があった場合、削除の指示があった代替表示用情報22eを記憶部22から削除するようになっていても良いし、代替表示用情報22eを受信したときに削除のタイミングが指定されていた場合、指定されていたタイミングで代替表示用情報22eを記憶部22から削除するようになっていても良い。
【0070】
以上に説明したように、MFP20は、PC30から受信された表示用情報を表示部24に表示するので、PC利用者が遠隔地からMFP利用者に情報を伝えることを実現することができる。
【0071】
また、MFP20は、PC30から受信された表示用情報がログイン中のMFP利用者宛ての情報である場合に表示用情報を表示部24に表示するので、PC30から受信したログイン中のMFP利用者宛ての情報を表示部24に表示することができる。
【0072】
また、MFP20は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bをPC30に送信するので、ログイン中のMFP利用者宛ての表示用情報がPC30からMFP20にリアルタイムで送信される可能性を向上することができる。
【0073】
なお、以上においては、特定のMFP利用者宛ての表示用情報がPC30からMFP20に送信される場合について説明しているが、MFP20の全ての利用者宛ての表示用情報がPC30からMFP20に送信される場合についても同様である。MFP20の全ての利用者宛ての表示用情報は、特定のMFP利用者の利用者情報22bが関連付けられないことによって実現されることができる。
【0074】
また、以上においては、PC利用者の手動によって表示用情報がPC30からMFP20に送信される場合について説明しているが、PC30がMFP20の設定情報と、MFP20の状態情報との少なくとも一方を自動でMFP20から取得し、取得した情報に基づいた表示用情報を自動でMFP20に送信するなど、PC30がMFP20に自動で表示用情報を送信するようになっていても良い。
【0075】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【0076】
本発明の外部の装置は、本実施の形態においてPCであるが、PC以外の装置であっても良い。
【符号の説明】
【0077】
20 MFP(画像形成装置)
21a ログイン受付手段
21b 表示用情報受信手段
21c 表示制御手段
21d 利用者情報送信手段
22a 画像形成装置用プログラム
22b 利用者情報
22d 新規表示用情報(表示用情報)
22e 代替表示用情報(表示用情報)
23 操作部
24 表示部
30 PC(外部の装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部と、利用者による操作が入力される操作部と、前記操作部を介した前記利用者のログインを受け付けるログイン受付手段と、前記表示部に表示させるための情報である表示用情報を外部の装置から受信する表示用情報受信手段と、前記表示部による表示を制御する表示制御手段とを備えており、
前記表示制御手段は、前記表示用情報受信手段によって受信された前記表示用情報が前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者宛ての情報である場合に、前記表示用情報を前記表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者の識別情報である利用者情報を前記外部の装置に送信する利用者情報送信手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
情報を表示する表示部と、利用者による操作が入力される操作部とを備えている画像形成装置に、
前記操作部を介した前記利用者のログインを受け付けるログイン受付ステップと、前記表示部に表示させるための情報である表示用情報を外部の装置から受信する表示用情報受信ステップと、前記表示部による表示を制御する表示制御ステップとを実行させ、
前記表示制御ステップは、前記表示用情報受信ステップによって受信された前記表示用情報が前記ログイン受付ステップによってログインが受け付けられている前記利用者宛ての情報である場合に、前記画像形成装置が前記表示用情報を前記表示部に表示させるステップであることを特徴とする画像形成装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−249199(P2012−249199A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121031(P2011−121031)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】