説明

画像形成装置

【課題】中間転写ユニット内への粉煙トナーの侵入を抑制し、転写ムラ、画像の濃度ムラ、中間転写ユニットの寿命低下を抑制する画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト7は、これを巻き掛けたベルト駆動ローラ71及びこれに対向する対向ローラ72とともに中間転写ユニット70を構成している画像形成装置PRであり、中間転写ユニット内空間への粉煙トナーの侵入を抑制する粉煙トナー侵入抑制装置700を備えている。粉煙トナー侵入抑制装置で中間転写ユニット内への粉煙トナーの侵入を抑制することで該ユニットにおける中間転写ベルト7の内面及び1次転写バイアスが印加される1次転写ローラ5への粉煙トナーの付着を抑制でき、それだけトナー像の転写ムラ、延いては記録シートS上の画像の濃度ムラ発生を抑制できるとともに中間転写ユニットの粉煙トナーに起因する寿命低下を抑制できる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は静電潜像担持体に静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成できる画像形成部を1又は2以上含み、前記画像形成部で形成されるトナー像を1次転写部材で中間転写ベルトに1次転写し、前記中間転写ベルト上の1次転写トナー像を、記録シート供給部から供給されてくる記録シートに2次転写部材で2次転写し、前記記録シート上の2次転写トナー像を定着装置で該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトは、該中間転写ベルトを巻き掛けたベルト駆動ローラ及び該駆動ローラに対向する対向ローラとともに中間転写ユニットを構成している画像形成装置に関する。
【0002】
ここで「記録シート」とは記録紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等の記録シートを指している。
【背景技術】
【0003】
この種の画像形成装置では画像形成部の現像装置から現像動作に伴ってトナーが粉煙状に漏出することがある。また、前記1次転写後に静電潜像担持上に残留する転写残トナーをクリーニング装置で除去清掃する際や、前記2次転写後に中間転写ベルト上に残留する転写残トナーをベルトクリーニング装置で除去清掃する際にもトナーが粉煙状に漏出することがある。
【0004】
そのように漏出した粉煙トナーは画像形成装置内を汚染し、場合によっては、トナーが付着することで機能低下等の不都合が生じる部分も出てくる。
【0005】
前記中間転写ユニットについてみれば、粉煙トナーが中間転写ユニット内へ侵入し、通常、トナー像1次転写のためのバイアスが印加される前記1次転写部材や、前記中間転写ベルトの内面に付着することで、1次転写部材や中間転写ベルトの電気抵抗値が正規のそれより部分的に変動してトナー像の転写ムラ、延いては記録シート上の画像の濃度ムラを引き起こす。
このことは、また、中間転写ユニットの短命化を招くことにもなっている。
【0006】
粉煙トナーについては従来から粉煙トナーを吸引する技術が提案されている。例えば特開2006-163363号公報や特開2005-181805号公報には、現像部で発生する粉煙トナーを吸引する機構を設け、画像形成装置内の粉煙トナーを減少させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-163363号公報
【特許文献2】特開2005-181805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、画像形成装置内から粉煙トナーを皆無にすることは実際にはできない。
そのため、画像形成を繰り返すうちに粉煙トナーが中間転写ユニット内に流入し、次第に前記のように1次転写のためのバイアスが印加される1次転写部材や、中間転写ベルトの内面に付着し、それにより1次転写部材や中間転写ベルトの電気抵抗値が部分的に変動して(ばらついて)トナー像の転写ムラ、延いては記録シート上の画像の濃度ムラが発生する。
【0009】
そこで本発明は、静電潜像担持体に静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成できる画像形成部を1又は2以上含み、前記画像形成部で形成されるトナー像を1次転写部材で中間転写ベルトに1次転写し、前記中間転写ベルト上の1次転写トナー像を、記録シート供給部から供給されてくる記録シートに2次転写部材で2次転写し、前記記録シート上の2次転写トナー像を定着装置で該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトは、該中間転写ベルトを巻き掛けたベルト駆動ローラ及び該駆動ローラに対向する対向ローラとともに中間転写ユニットを構成している画像形成装置であって、前記中間転写ユニット内への粉煙トナーの侵入を抑制することで該ユニットにおける中間転写ベルトの内面及び1次転写バイアスが印加される1次転写部材への粉煙トナーの付着を抑制でき、それだけトナー像の転写ムラ、延いては記録シート上の画像の濃度ムラ発生を抑制できるとともに中間転写ユニットの粉煙トナーに起因する寿命低下を抑制できる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記課題を解決するため、
静電潜像担持体に静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成できる画像形成部を1又は2以上含み、前記画像形成部で形成されるトナー像を1次転写部材で中間転写ベルトに1次転写し、前記中間転写ベルト上の1次転写トナー像を、記録シート供給部から供給されてくる記録シートに2次転写部材で2次転写し、前記記録シート上の2次転写トナー像を定着装置で該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトは、該中間転写ベルトを巻き掛けたベルト駆動ローラ及び該駆動ローラに対向する対向ローラとともに中間転写ユニットを構成している画像形成装置であり、
前記中間転写ベルトで囲まれた中間転写ユニット内空間への粉煙トナーの侵入を抑制する粉煙トナー侵入抑制装置を備えており、前記粉煙トナー侵入抑制装置は、前記中間転写ユニット内にエアーを吹き込むためのエアー吹き込みダクトと、前記エアー吹き込みダクトにより前記中間転写ユニット内に吹き込まれるエアーを前記中間転写ユニットの両側端開口部へ向かわせる中間転写ユニット内エアーダクトとを含んでいる画像形成装置を提供する。
【0011】
本発明に係る画像形成装置は前記中間転写ベルトで囲まれた中間転写ユニット内空間への粉煙トナーの侵入を抑制する粉煙トナー侵入抑制装置を備えている。この粉煙トナー侵入抑制装置によると、前記エアー吹き込みダクトを通して中間転写ユニット内へエアーを吹き込み、吹き込んだエアーを中間転写ユニット内エアーダクトにより中間転写ユニットの両側端開口部へ向かわせ、該中間転写ユニットの両側端開口部から中間転写ユニット外へ流出させることができる。
【0012】
このような中間転写ユニット内エアー流れにより、粉煙トナーが中間転写ユニット内へ該ユニット両側端開口部から侵入して中間転写ベルト内面や一次転写部材に付着することを抑制でき、粉煙トナーの中間転写ベルト内面や一次転写部材への付着に起因するトナー像の転写ムラ、延いては記録シート上の画像の濃度ムラ発生をそれだけ抑制できるとともに中間転写ユニットの粉煙トナーに起因する寿命低下もそれだけ抑制できる。
【0013】
前記粉煙トナー侵入抑制装置は、前記中間転写ユニットの両側端開口のそれぞれに臨設された、前記中間転写ユニット内からのエアー吹き出しを制限するエアー吹き出し制限カバーを含んでいてもよい。
【0014】
このエアー吹き出し制限カバーを設けることで、中間転写ユニット内気圧をユニット周囲の気圧に対してより確実に陽圧に保って、中間転写ユニット内への粉煙トナー侵入をそれだけ確実に抑制することができる。
【0015】
前記粉煙トナー侵入抑制装置は、前記エアー吹き込みダクトによる前記中間転写ユニット内へのエアー吹き込みにより前記中間転写ユニット内から吹き出すエアーを吸い込むための、前記中間転写ユニットの両側端開口部に臨設された吸い込みダクトを含んでいてもよい。
【0016】
このような吸い込みダクトを設けることで、中間転写ユニット内から外部へのエアー流れを一層確かなものにでき、それにより、中間転写ユニット内への粉煙トナー侵入をそれだけ確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、静電潜像担持体に静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成できる画像形成部を1又は2以上含み、前記画像形成部で形成されるトナー像を1次転写部材で中間転写ベルトに1次転写し、前記中間転写ベルト上の1次転写トナー像を、記録シート供給部から供給されてくる記録シートに2次転写部材で2次転写し、前記記録シート上の2次転写トナー像を定着装置で該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトは、該中間転写ベルトを巻き掛けたベルト駆動ローラ及び該駆動ローラに対向する対向ローラとともに中間転写ユニットを構成している画像形成装置であって、前記中間転写ユニット内への粉煙トナーの侵入を抑制することで該ユニットにおける中間転写ベルトの内面及び1次転写バイアスが印加される1次転写部材への粉煙トナーの付着を抑制でき、それだけトナー像の転写ムラ、延いては記録シート上の画像の濃度ムラ発生を抑制できるとともに中間転写ユニットの粉煙トナーに起因する寿命低下を抑制できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る画像形成装置の例を概略的に示す図である。
【図2】図1の画像形成装置における中間転写ユニット及び該ユニットへの粉煙トナー侵入抑制装置の概略平面図である。
【図3】図1の画像形成装置における中間転写ユニット及び粉煙トナー侵入抑制装置の概略側面図である。
【図4】粉煙トナー侵入抑制装置の他の例を中間転写ユニットとともに概略的に示す平面図である。
【図5】図4の粉煙トナー侵入抑制装置を中間転写ユニットとともに概略的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明に係る画像形成装置の例及びそこで用いられている中間転写ユニットについて説明する。
【0020】
図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型のフルカラープリンタPRである。プリンタPRは、駆動ローラ71とこれに対向するローラ72に巻き掛けられた無端の中間転写ベルト7を有している。転写ベルト7は、図示省略のベルト駆動部により駆動される駆動ローラ71により図中反時計方向(図中矢印方向)CCWに回される。中間転写ベルト7及びローラ71,72等は中間転写ユニット70を構成している。
【0021】
ローラ72には転写ベルト7上の2次転写残トナー等を清掃するクリーニング装置73が臨んでおり、駆動ローラ71にはベルト7を間にして2次転写ローラ8が臨んでいる。クリーニング装置73に回収されるトナー等は図示省略の搬送手段にて廃棄容器へ送られる。
【0022】
2次転写ローラ8の表層部は弾性材料で形成されており、図示省略の押圧手段にて駆動ローラ71に支持された中間転写ベルト7の部分に押圧され、中間転写ベルト7との間にニップ部を形成し、中間転写ベルト7の回転に従動して、或いは、後述するように該ニップ部に送り込まれる記録紙、オーバーヘッドプロジェクター用シート等の記録シートSの移動に従動して、或いは図示省略の駆動部に駆動されて回転することができる。2次転写ローラ8には、図示省略の電源から2次転写バイアスを印加することができる。
【0023】
中間転写ベルト7及び2次転写ローラ8の上方には定着装置FXが配置されており、下方にはタイミングローラ対TRが配置されており、さらにその下方に、記録シートSを収容した記録シート収容カセット9が配置されている。
【0024】
定着装置FXはハロゲンランプヒータ等の熱源を内蔵した定着加熱ローラとこれに圧接される加圧ローラとを含むものである。
記録シート収容カセット9に収容された記録シートSは、シート供給ローラ91にて1枚ずつ引き出してタイミングローラ対TRへ供給することができる。
【0025】
中間転写ベルト7を巻き掛けたローラ71、72の間には、転写ベルト7に沿って、ローラ72からローラ71に向けて、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kがこの順序で配置されている。
【0026】
Y、M、C、Kの各画像形成部は、静電潜像担持体としてドラム型の感光体1を備えており、該感光体の周囲に帯電器2、露光装置3、現像装置4及びクリーニング装置6がこの順序で配置されている。
【0027】
各画像形成部の感光体1にはベルト7を間にして1次転写ローラ5が対向配置されている。1次転写ローラ5は、図示省略の押圧手段にて感光体1の方向へ押圧され、ベルト7に接触して従動回転するとともにベルト7を感光体1に接触させることができる。
【0028】
1次転写ローラ5には、感光体1上に形成されるトナー像をベルト7へ1次転写するための1次転写バイアスを図示省略の電源から印加できる。
【0029】
露光装置3は、図示省略のパーソナルコンピュータ、画像読取装置等から提供される画像情報に応じて、レーザービームの点滅により感光体1にドット(点)露光で画像露光を施し、静電潜像を形成できる。
【0030】
各画像形成部における感光体1は、ここでは負帯電性の感光体であり、図示省略の感光体駆動モータにて図中時計方向回りに回転駆動できる。
【0031】
各画像形成部における帯電器2は、本例ではスコロトロン帯電器であり、所定のタイミングで図示省略の電源から帯電用の電圧が印加される。なお、帯電器2は帯電ローラを用いるもの等であってもよい。
【0032】
各画像形成部における現像装置4は、磁性キャリアと非磁性トナーを主成分とする所謂2成分現像剤を用いて、感光体1上に形成される静電潜像を、図示省略の電源から現像バイアスが印加されるローラ形態の現像剤担持体(本例では、現像スリーブ或いは現像ローラ)41で反転現像することができる。
なお、現像装置は、トナーを主体とする所謂1成分現像剤を用いる1成分現像装置でもよい。
【0033】
このプリンタによると、Y、M、C、Kの画像形成部のうち1又は2以上を用いて画像を形成することができる。
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを転写ベルト7に1次転写する。
【0034】
すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体1が図中時計方向に回転駆動され、帯電器2にて表面が一様に所定電位に帯電され、該帯電域に露光装置3からイエロー画像用の画像露光が施され、感光体1上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像装置4の現像バイアスが印加された現像剤担持体41にて現像されて可視イエロートナー像となる。このイエロートナー像は1次転写ローラ5にて転写ベルト7上に1次転写される。このとき、1次転写ローラ5には図示省略の電源から1次転写バイアスが印加される。
【0035】
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいてマゼンタトナー像が形成されて転写ベルト7に転写され、シアン画像形成部Cにおいてシアントナー像が形成されて転写ベルト7に転写され、ブラック画像形成部Kにおいてブラックトナー像が形成されて転写ベルト7に転写される。
【0036】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像はこれらが中間転写ベルト7上に重ねて転写されるタイミングで形成される。
かくして転写ベルト7上に形成された多重トナー像は転写ベルト7の回動により2次転写ローラ8へ向け移動する。
【0037】
一方、記録シートSが記録シート収容カセット9からシート供給ローラ91にて引き出され、タイミングローラ対TRへ供給され、待機している。
【0038】
このようにタイミングローラ対TRのところで待機する記録シートSは、中間転写ベルト7にて送られてくる多重トナー像に合わせて、転写ベルト7と2次転写ローラ8とのニップ部に供給される。多重トナー像は図示省略の電源から2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ8にて記録シートS上に2次転写される。
【0039】
その後記録シートSは定着装置FXに通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録シートSに定着される。記録シートSはひき続き、排出ローラ対DRにて排出トレイTへ排出される。
【0040】
トナー像のベルト7への1次転写において感光体1上に残留する転写残トナー等はクリーニング装置6で清掃され、2次転写によりベルト7上に残留する2次転写残トナー等はクリーニング装置73で清掃される。これら清掃除去されたトナーはそれぞれ図示省略の搬送手段にて廃棄容器へ送られる。
【0041】
この画像形成装置PRの中間転写ユニット70には、図1では図示を省略しているが、図2及び図3に示す粉煙トナー侵入抑制装置700が設けられている。
図2は図1の画像形成装置PRにおける中間転写ユニット70及び該ユニットへの粉煙トナー侵入抑制のための装置700の概略平面図である。図3は図1の画像形成装置PRにおける中間転写ユニット70及び粉煙トナー侵入抑制装置700の概略側面図である。
【0042】
ここで粉煙トナーとは、記述のとおり、現像装置4から現像動作に伴って粉煙状に漏出することがあるトナーや、感光体1のクリーニング装置6や中間転写ベルト7のクリーニング装置73から粉煙状に漏出することがあるトナー等のトナーのことである。
【0043】
そのように漏出して画像形成装置内に漂う粉煙トナーは画像形成装置内を汚染し、場合によっては、トナーが付着することで機能低下等の不都合が生じる部分も出てくる。
【0044】
中間転写ユニット70に関して粉煙トナーを放置すれば、粉煙トナーが中間転写ユニット70内へ侵入し、トナー像の1次転写のためのバイアスが印加される1次転写ローラ5の表面や中間転写ベルト7の内面等に付着し、1次転写ローラ5や中間転写ベルト7の電気抵抗値が正規のそれより部分的に変動してトナー像の転写ムラ、延いては記録シートS上の画像の濃度ムラを引き起こす。このことは、また、中間転写ユニット70の短命化を招くことにもなる。
【0045】
粉煙トナー侵入抑制装置700は、中間転写ユニット70内への粉煙トナーの侵入を抑制することで該ユニットにおける中間転写ベルト7の内面及び1次転写ローラ5への粉煙トナーの付着を抑制し、それによりトナー像の転写ムラ、延いては記録シートS上の画像の濃度ムラ発生を抑制するとともに中間転写ユニット70の粉煙トナーに起因する寿命低下を抑制するものである。
【0046】
粉煙トナー侵入抑制装置700は、中間転写ユニット70内にエアーを吹き込むためのエアー吹き込みダクト74と、エアー吹き込みダクト74によりユニット70内に吹き込まれるエアーを中間転写ユニット70の両側端開口部(ベルトの側縁(耳部)で囲まれた開口部)70aへ向かわせるユニット内エアーダクト75とを含んでいる。
【0047】
ユニット内ダクト75はエアー吹き込みダクト74の先端部が下面側に連通接続された中央ダクト751と、それから延びる一対の吹き出しダクト752とからなっている。一対の吹き出しダクト752は、中間転写ユニット70の両側端開口部70aに向けられたダクト751の両端から両開口部70aへ向け拡開して延びている。各ダクト752の内部にはエアーが開口部70aの各部へ向け均一状に吹き出されるように、内部に板状のエアー吹き出し方向制御部材b1,b2、b3が設けられている。
【0048】
中間転写ユニット70の両側端開口部70aのそれぞれに対してエアー吹き出しを制限する板状のエアー吹き出し制限カバー76を配置してある。カバー76は開口部70aからのエアー吹き出しを制限して、中間転写ユニット70内をより確実にユニット外部に対して陽圧に保つためのものである。
【0049】
前記エアー吹き込みダクト74は片方のカバー76を貫通している。ダクト74には図示省略のエアー供給ポンプが接続される。
【0050】
この粉煙トナー侵入抑制装置700によると、エアー吹き込みダクト74を通して中間転写ユニット70内へエアーを吹き込み、吹き込んだエアーを中間転写ユニット内エアーダクト75により中間転写ユニットの両側端開口部70aへ向かわせ、該両側端開口部70aから中間転写ユニット70外へ流出させることができる。
【0051】
このような中間転写ユニット70におけるエアー流れにより、粉煙トナーが中間転写ユニット70内へ該ユニット両側端開口部から侵入して中間転写ベルト7内面や一次転写ローラ5に付着することを抑制でき、粉煙トナーの中間転写ベルト7内面や一次転写ローラ5への付着に起因するトナー像の転写ムラ、延いては記録シートS上の画像の濃度ムラ発生をそれだけ抑制できるとともに中間転写ユニット70の粉煙トナーに起因する寿命低下もそれだけ抑制できる。
【0052】
また、中間転写ユニットの両側端開口部70aのそれぞれに臨設された、中間転写ユニット内からのエアー吹き出しを制限するエアー吹き出し制限カバー76により、中間転写ユニット70内気圧をユニット周囲の気圧に対してより確実に陽圧に保って、中間転写ユニット70内への粉煙トナー侵入をそれだけ確実に抑制することができる。
【0053】
以上説明した粉煙トナー侵入抑制装置700は、図4及び図5に示す粉煙トナー侵入抑制装置700’のように、中間転写ユニット70の両側端開口部70aに臨む吸い込みダクト77を備えていてもよい。この場合、図4及び図5に示すようにカバー74があるままでよい。装置700’は吸い込みダクト77の点を除けば装置700と同構成であり、装置700と同じ部分、部品には装置700と同じ参照符号を付してある。
【0054】
図4は吸い込みダクト77を含む粉煙トナー侵入抑制装置700の概略平面図である。図5はその概略側面図である。
各吸い込みダクト77は図示省略の排気ポンプに接続される。また、エアー吹き込みダクト74はカバー76と吸い込みダクト77の双方を貫通している。
【0055】
この様に吸い込みダクト77を設けることで、中間転写ユニット70内から外部へのエアー流れを一層確かなものにでき、それにより、中間転写ユニット70内への粉煙トナー侵入をそれだけ確実に抑制することができる。
【0056】
以上説明した画像形成装置はタンデム型のカラー画像形成装置であったが、本発明は中間転写ユニットを有する各種画像形成装置に適用できる。例えば中間転写ユニットに対して一つの静電潜像担持体が配置され、該静電潜像担持体に対して複数の現像装置が順次配置される所謂サイクル型のカラー画像形成装置にも適用できる。サイクル型のカラー画像形成装置においては静電潜像担持体は共通に使用されるが、複数の画像形成部のそれぞれを構成するものであると言える。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、中間転写ユニットを有する画像形成装置において、該ユニットにおける中間転写ベルトの内面及び1次転写バイアスが印加される1次転写部材への粉煙トナーの付着を抑制でき、それだけトナー像の転写ムラ、延いては記録シート上の画像の濃度ムラ発生を抑制できるとともに中間転写ユニットの粉煙トナーに起因する寿命低下を抑制できる画像形成装置を提供することに利用できる。
【符号の説明】
【0058】
PR タンデム型のフルカラープリンタ
Y イエロー画像形成部
M マゼンタ画像形成部
C シアン画像形成部
K ブラック画像形成部
1 感光体
2 帯電器
3 露光装置
4 現像装置
5 1次転写ローラ
6 クリーニング装置
70 中間転写ユニット
7 中間転写ベルト
71 駆動ローラ
72 対向ローラ
73 クリーニング装置
8 2次転写ローラ
S 記録シート
FX 定着装置
9 記録シート収容カセット
91 シート供給ローラ
TR タイミングローラ対
700、700’ 粉煙トナー侵入抑制装置
74 エアー吹き込みダクト
75 ユニット内エアーダクト
751 中央ダクト
752 吹き出しダクト
70a 中間転写ユニット70の両側端開口部
76 エアー吹き出し制限カバー
b1,b2,b3 エアー吹き出し方向制御部材
77 吸い込みダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像担持体に静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成できる画像形成部を1又は2以上含み、前記画像形成部で形成されるトナー像を1次転写部材で中間転写ベルトに1次転写し、前記中間転写ベルト上の1次転写トナー像を、記録シート供給部から供給されてくる記録シートに2次転写部材で2次転写し、前記記録シート上の2次転写トナー像を定着装置で該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトは、該中間転写ベルトを巻き掛けたベルト駆動ローラ及び該駆動ローラに対向する対向ローラとともに中間転写ユニットを構成している画像形成装置であり、
前記中間転写ベルトで囲まれた中間転写ユニット内空間への粉煙トナーの侵入を抑制する粉煙トナー侵入抑制装置を備えており、前記粉煙トナー侵入抑制装置は、前記中間転写ユニット内にエアーを吹き込むためのエアー吹き込みダクトと、前記エアー吹き込みダクトにより前記中間転写ユニット内に吹き込まれるエアーを前記中間転写ユニットの両側端開口部へ向かわせる中間転写ユニット内エアーダクトとを含んでいることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記粉煙トナー侵入抑制装置は、前記中間転写ユニットの両側端開口部のそれぞれに臨設された、前記中間転写ユニット内からのエアー吹き出しを制限するエアー吹き出し制限カバーを含んでいる請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記粉煙トナー侵入抑制装置は、前記エアー吹き込みダクトによる前記中間転写ユニット内へのエアー吹き込みにより前記中間転写ユニット内から吹き出すエアーを吸い込むための、前記中間転写ユニットの両側端開口部に臨設された吸い込みダクトを含んでいる請求項1又は2記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−37845(P2012−37845A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180434(P2010−180434)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】