画像形成装置
【課題】被記録媒体のカールを抑制するためにヘッドの吐出信頼性の低下、記録速度の低下、消費電力の増大などを生じる。
【解決手段】用紙搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1ローラ201と、第1ローラ201の用紙搬送方向上流側に配設された第2ローラ202とを有し、第1ローラ201、第2ローラ202の表面には突起210が所定のピッチで設けられ、第1ローラ201の突起210は回転方向のピッチが軸方向のピッチよりも大きく、第2ローラ202の突起210は軸方向のピッチが回転方向のピッチよりも大きく、被記録媒体のカールを発生する方向に応じて第1又は第2ローラ201、202が選択的に被記録媒体100に圧接される。
【解決手段】用紙搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1ローラ201と、第1ローラ201の用紙搬送方向上流側に配設された第2ローラ202とを有し、第1ローラ201、第2ローラ202の表面には突起210が所定のピッチで設けられ、第1ローラ201の突起210は回転方向のピッチが軸方向のピッチよりも大きく、第2ローラ202の突起210は軸方向のピッチが回転方向のピッチよりも大きく、被記録媒体のカールを発生する方向に応じて第1又は第2ローラ201、202が選択的に被記録媒体100に圧接される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する液体吐出ヘッドを記録ヘッドに備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、液体吐出方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0004】
液体吐出方式の画像形成装置においては、被記録媒体である用紙にインクが塗布されると、インクの水分を吸収した用紙の表面が膨張し、用紙が裏面方向へ向くようにカールする。特に、ライン型ヘッドを画像形成部に使用した場合、高速で用紙上に多くのインクが吐出され、単位時間当たりに用紙が吸収する水分量が多くなる。そのため、用紙のカールはより急速に大きくなる。また、用紙へのインク付着量が多くなるに従ってカール量も増加する。
【0005】
画像が記録された用紙がカールすることで、その後の搬送に影響を与える。例えば、用紙端が持ち上がることで、用紙がまくれ上がってしまい、ジャムを発生したり、フィニッシャーなどの後処理装置で正常な処理を行なうことができなくなるおそれがある。
【0006】
このようなカールに対する対策としては、(a)画像形成に使用する液体に含まれる水分の含有量を少なくする、(b)用紙搬送速度を遅くして単位時間当たりの用紙の水分吸収量を減らす、(c)乾燥手段を用いて用紙を乾燥させて水分を蒸発させる、などの対策が採られている。
【0007】
なお、従来、駆動手段によって駆動されると共に表面に多数の突起が設けられた搬送ローラと該搬送ローラに対向配置された押圧ローラとによって記録媒体を挟持して搬送するものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−001865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したようなカール対策のうち、(a)の液体に含まれる水分の含有量を少なくする構成にあっては、ヘッドの吐出信頼性を低下させるなどの課題がある。また、(b)の用紙搬送速度を遅くして単位時間当たりの用紙の水分吸収量を減らす構成にあっては、生産性(記録速度)の低下を招くという課題がある。(c)の乾燥手段を用いて用紙を乾燥させて水分を蒸発させる構成にあっては、装置の消費電力が増加するという課題がある。
【0010】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、被記録媒体表面に凹部の配列を選択的に形成することでカールを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
被記録媒体を搬送する搬送部と、
前記被記録媒体に液滴を吐出して画像を形成する画像形成部と、
画像形成後の被記録媒体を排出する排出部と、を備え、
前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1、第2回転部材が、前記被記録媒体に圧接可能に配設され、
前記第1、第2回転部材の表面には複数の突起が設けられ、
前記第1回転部材の複数の突起は、回転方向のピッチが回転軸方向のピッチよりも大きく設けられ、
前記第2回転部材の複数の突起は、回転軸方向のピッチが回転方向のピッチよりも大きく設けられ、
前記被記録媒体のカールの発生方向に応じて前記第1回転部材又は前記第2回転部材を前記被記録媒体に圧接する
構成とした。
【0012】
ここで、前記被記録媒体のカールの発生方向を検出する手段を備えている構成とできる。
【0013】
また、前記第1、第2回転部材が前記被記録媒体に圧接するときの圧接力を調節する調節手段を備えている構成とできる。
【0014】
この場合、前記被記録媒体の記録される画像データの量、環境温度・湿度、被記録媒体の種類の少なくともいずれかに応じて、前記圧接力を調節する構成とできる。
【0015】
また、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の少なくともいずれかは複数の回転部材で構成されている構成とできる。
【0016】
この場合、前記複数の回転部材のいずれかは前記画像形成部の上流側に配置され、残りは前記画像形成装置の下流側に配置されている構成とできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る画像形成装置によれば、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1、第2回転部材が、被記録媒体に圧接可能に配設され、第1、第2回転部材の表面には複数の突起が設けられ、第1回転部材の複数の突起は、回転方向のピッチが回転軸方向のピッチよりも大きく設けられ、第2回転部材の複数の突起は、回転軸方向のピッチが回転方向のピッチよりも大きく設けられ、被記録媒体のカールの発生方向に応じて前記第1回転部材又は前記第2回転部材を前記被記録媒体に圧接する構成としたので、被記録媒体表面にライン状に並ぶ凹み形状が転写され、凹み形状の数が多いライン方向の剛性が増加してカールに対する強度が高くなってカールを抑制することができ、カールが発生する方向に応じた第1、第2回転部材を選択して圧接することでカールの向きと剛性が増すライン方向を一致させることができ、確実にカールを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の正面説明図である。
【図2】同装置の搬送ユニットの平面説明図である。
【図3】図2の側面説明図である。
【図4】(a)は第1ローラの正面説明図、(b)は同じく展開図である。
【図5】(a)は第2ローラの正面説明図、(b)は同じく展開図である。
【図6】用紙の繊維目の検出手段の説明に供する排紙部の平面説明図である。
【図7】同じく正面説明図である。
【図8】同じく左側面説明図である。
【図9】制御部の概要を説明するブロック説明図である。
【図10】用紙の繊維目検出動作の説明に供するフロー図である。
【図11】用紙が横目であるときの検出結果の説明に供する説明図である。
【図12】用紙が縦目であるときの検出結果の説明に供する説明図である。
【図13】カール抑制動作の説明に供するフロー図である。
【図14】本発明の第2実施形態における第1回転部材の説明に供する展開図である。
【図15】本発明の第3実施形態におけるカール抑制機構の説明に供する平面説明図である。
【図16】本発明の第4実施形態におけるカール抑制機構の説明に供する平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の正面説明図、図2は同じく搬送ユニット平面説明図、図3は図2の側面説明図である。
この画像形成装置は、ライン型画像形成装置であり、被記録媒体である用紙100に液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段(部)としての記録ヘッドユニット101と、用紙100を搬送する搬送手段(部)である搬送ユニット103と、用紙100を収容する給紙トレイ104と、後述する排紙部105と、カール抑制手段としてカール抑制機構106などを備えている。
【0020】
記録ヘッドユニット101は、液滴を吐出する複数のノズルを用紙幅相当分の長さに配列したノズル列を有するライン型液体吐出ヘッドから構成され、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を記録ヘッド102y、102m、102c、102k(以下、色を区別しないときは「記録ヘッド102」という。)を備えている。
【0021】
搬送ユニット103は、用紙100を吸着して搬送する無端状ベルトである搬送ベルト131を備え、搬送ベルト131は搬送ローラ132とテンションローラ133との間に掛け渡されて周回するように構成している。この搬送ベルト131に対する用紙100の保持は、例えば静電吸着、空気の吸引による吸着などを行う構成とすることやその他の公知の搬送手段を用いることができる。また、ローラ対による搬送手段を用いることもできる。
【0022】
給紙トレイ104に収容された用紙100は、搬送を解除する実線図示側と搬送を行う破線図示の間で揺動可能なピックアップローラ141により一枚ずつ分離され、下流に搬送する給紙ローラ142aと分離ローラ142bで構成されている給紙部142に搬送され、給紙部142で一枚に分離された用紙100は、搬送経路144を経由して中間搬送ローラ対145に送られ、中間搬送ローラ対145により搬送経路146から搬送経路147を経由して、搬送ローラ148を経て、搬送ユニット103の搬送ベルト131まで搬送される。
【0023】
そして、後述するカール抑制機構106によってカール抑制が行われた後、搬送ベルト131の周回移動で搬送されて記録ヘッドユニット101の各記録ヘッド102から各色の液滴が吐出されて画像が形成され、その後図示しない排紙トレイに排出される。
【0024】
次に、この画像形成装置におけるカール抑制機構106について図4及び図5も参照して説明する。なお、図4(a)は第1ローラの正面説明図、(b)は同じく展開図、図5(a)は第2ローラの正面説明図、(b)は同じく展開図である。
まず、カール抑制機構106は、図1に示すように、画像形成ユニット102の用紙搬送方向上流側に配置されている。このカール抑制機構106は、用紙搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1回転部材である第1ローラ201と、第1ローラ201の用紙搬送方向上流側に配設された第2回転部材である第2ローラ202とを有している。なお、ローラはスリーブ形状のものを含む意味である。
【0025】
ここで、第1、第2ローラ201、202は、フレーム203に、回転可能で、搬送ベルト131表面に接する位置(図3に示す位置)と搬送ベルト131表面から離間する位置との間で移動可能に(図3の矢示方向に移動可能に)支持されている。そして、第1、第2ローラ201、202は、圧縮スプリングなどの付勢手段204によって搬送ベルト131に圧接する位置に付勢され、ソレノイドなど駆動手段205、205によって搬送ベルト131から離間する位置に移動される。
【0026】
また、付勢手段204の一端部を支持する支持部材206はフレーム203に移動可能に支持され、支持部材206を移動させる押圧力(圧接力)調節手段207を備え、支持部材206を第1、第2ローラ201、202に対して進退させることで、付勢手段204による第1、第2ローラ201、202の付勢力、すなわち、第1、第2ローラ201、202の用紙100に対する押圧力(圧接力)を調節できる。
【0027】
ここで、第1ローラ201は、図4に示すように、表面の円周方向及びに軸方向に多数の突起210が所定のピッチで形成されている。この第1ローラ201では、突起210の軸方向のピッチをpa、円周方向(回転方向)のピッチをprとするとき、回転方向のピッチprが軸方向のピッチpaよりも大きく(pr>pa)設けられている。具体的には、突起210は、pr=1.7〜2×pa、0mm<pa<1mmに設定することで、画像形成後の用紙のカールを効果的に防止できる。また、突起210の高さは10μm〜100μmの範囲内にすることが好ましい。
【0028】
また、第2ローラ202は、図5に示すように、表面の円周方向及びに軸方向に多数の突起210が形成されている。この第2ローラ202では、突起210の軸方向のピッチをpa、周方向(回転方向)のピッチをprとするとき、軸方向のピッチpaが回転方向のピッチprよりも大きく(pa>pr)設けられている。具体的には、pa=1.7〜2×pr、0mm<pr<1mmに設定することで、画像形成後の用紙のカールを効果的に防止できる。また、突起210の高さは10μm〜100μmの範囲内にすることが好ましい。
【0029】
次に、用紙の繊維目(横目(Y目)、縦目(T目))の検出手段について図6ないし8を参照して説明する。なお、図6は排紙部の平面説明図、図7は同じく正面説明図、図8は同じく左側面説明図である。
搬送ユニット103の下流側に配置した排紙部105には、排紙スタッカ151が設けられている。この排紙スタッカ151には排紙方向と直交する両端側に用紙サポート152が昇降可能に設けられている。そして、排紙スタッカ151に排出された用紙の繊維目を検出するため、排紙スタッカ151には、排紙方向と直交する方向に並ぶ複数(この例では3個)のセンサ154a〜154cと、排紙方向に並ぶ複数(この例では3個)のセンサ155a〜155cが設けられている。なお、センサ154、155としては、たとえば光センサや超音波センサを用いることができる。
【0030】
次に、この制御部の概要について図9のブロック説明図を参照して説明する。
この制御部500は、この画像形成装置全体の制御を司る本発明におけるカール抑制機構106の制御、用紙の繊維目方向検出処理などの制御をする手段を兼ねるマイクロコンピュータ、画像メモリ、通信インタフェースなどで構成した主制御部(システムコントローラ)501を備えている。主制御部501は、外部の情報処理装置(ホスト側)などから転送される画像データ及び各種コマンド情報に基づいて用紙に画像を形成するために、印刷制御部502に印刷用データを送出する。
【0031】
印刷制御部502は、主制御部501からの受領する印刷データ信号に基づいて、記録ヘッドユニット101の各ヘッド102から液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成し、このデータの転送及び転送の確定などに必要な各種信号などをヘッドドライバ503に転送するとともに、駆動波形データ格納手段である記憶部、駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器や電流増幅器等で構成される駆動波形生成部、ヘッドドライバ503に与える駆動波形を選択する選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ503に出力して、各記録ヘッド102を駆動制御する。
【0032】
また、主制御部501は、モータドライバ504を介して、搬送ベルト131を周回移動させる用紙送りモータ505を駆動制御する。
【0033】
また、主制御部501は、ドライバ508を介してソレノイド205を駆動制御して、第1ローラ201、第2ローラ202の用紙100に対する圧接、離間を制御する。
【0034】
また、主制御部501は、ドライバ510を介して用紙サポート移動機構511を駆動制御して用紙サポート152を昇降させ、また、縦目/横目検出用のセンサ154、155によって給紙部104にセットされている用紙100の繊維目方向を検出する動作を行なう。
【0035】
また、主制御部501には各種センサからなるセンサ群506からの検出信号が入力され、また、操作部507との間で各種情報の入出力及び表示情報のやり取りを行う。なお、センサ群506には上記のセンサ154、155、装置の温度を検出する温湿度センサなどが含まれている。
【0036】
主制御部501は、ドライバ512を介して圧接力調節手段207を駆動制御して、第1ローラ201、第2ローラ202の圧接力を調節する。
【0037】
次に、このように構成したこの画像形成装置における用紙の繊維目検出動作について図10のフロー図及び図11、図12の説明図を参照して説明する。
まず、ユーザが新たな用紙を給紙したとき、ベタ画像などの予め定めた所定のパターンを1枚テスト印字する。印字後、用紙100はスタッカ151に排出され、当初用紙サポート152上に載る形になる。
【0038】
ここで、例えば図6に示すようなY目の用紙100の場合、用紙100の繊維目に直角な方向にカールが生じ、正面方向から見て図7に示すように下弦曲線の形にカールする。なお、ここでは、フェイスアップで排紙された場合を表わしており、フェイスダウンで排紙される場合のカールの向きは下弦曲線ではなく、逆の上弦曲線の形にカールする。また、繊維目方向ではカールをほとんど生じない。
【0039】
そこで、用紙100のスタック後に用紙サポート152を上昇させ、センサ154、155が用紙100の紙端を検出したときの位置(検出位置)を求める。このとき、カールの向きに応じて、3箇所のセンサ154a〜154c又は155a〜155cのうち中央のセンサの検出位置が最も高い位置となり、用紙100の繊維目の方向及びカール方向(向き)を特定できる。
【0040】
例えば図6ないし図8に示す例では、センサ155a〜155cのうちの中央のセンサ155bの検出位置が最も高くなる。これに対して、センサ154a〜154cはいずれも同じ高さとなる。センサ154、155による検出終了後、用紙サポート152が退避する(下降する)ことで用紙100はスタックされる。
【0041】
このように、計6箇所の紙端の高さ方向の位置(検出位置)に関するデータを得て、このデータを用いて用紙100の繊維目方向(カール方向)を特定する。
【0042】
例えば、図11(a)に示すようにセンサ154a〜154cの検出位置が同じで、同図(b)に示すようにセンサ155a〜155cのうちの中央のセンサ155bの検出位置が最も高くなるときには、用紙100の繊維目は横目(Y目)となり、カール方向(カールが発生する方向)は搬送方向に沿う方向となる。これに対し、図12(a)に示すようにセンサ154a〜154cのうちの中央のセンサ154bの検出位置が最も高く、同図(b)に示すようにセンサ155a〜155cの検出位置が同じときには、用紙100の繊維目は縦目(T目)となり、カール方向は搬送方向と直交する方向となる。
【0043】
次に、カール抑制制御について図13のフロー図を参照して説明する。
印刷動作を開始するとき、ユーザが設定する、あるいは、ホスト側から与えられた用紙100の種類(用紙種)を取り込み、温湿度情報を取り込んで、圧接力調整手段207を駆動して第1、第2ローラ201、202の圧接力(押圧力)を調節する。
【0044】
その後、用紙100が縦目(T目)か否かを判別し、T目であれば、第2ローラ202のソレノイド205を駆動して第2ローラ202を搬送ベルト131から離間させ、第1ローラ201を圧接状態のままにし、T目でなければ、つまり、Y目であれば、第1ローラ201のソレノイド205を駆動して第1ローラ201を搬送ベルト131から離間させ、第2ローラ202を圧接状態のままにする。
【0045】
つまり、用紙100のカールの発生する方向に応じて第1、第2ローラ201、202を選択して用紙100に圧接させる状態にする。
【0046】
そして、印刷処理に移行し、用紙100を給紙して印刷動作を行う。
【0047】
この印刷動作で給紙される用紙100に対して微笑突起210を有する第1ローラ201又は第2ローラ202を圧接させることで、用紙100の表面には突起210に対応する凹み形状が転写される。
【0048】
このとき、凹みがライン状に並ぶことで、凹み形状の数が多いライン方向の剛性が増し、用紙100の変形(カール)に対する強度が上がる。紙種や用紙の配置方向によって、インクが用紙100に吐出されたときのカール発生方向は一定であるので、突起210の数が搬送方向に多い第2ローラ202とローラ軸方向に多い第1ローラ201を併設しておくことで、カールが発生する方向に応じて第1、第2ローラ201、202を選択して圧接させ、カールの向きと剛性が増すライン方向を一致させることで、画像形成がされた用紙100のカールを抑えることができる。
【0049】
前述したように、縦目であれば搬送方向と直交する方向に沿ってカールが発生するので軸方向に突起210の数が多い第1ローラ201を圧接させ、横目であれば搬送方向に沿ってカールが発生するので円周方向に突起210の数が多い第2ローラ201を圧接させて、カールを抑制する。
【0050】
このように、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1、第2回転部材が、被記録媒体に圧接可能に配設され、第1、第2回転部材の表面には複数の突起が設けられ、第1回転部材の複数の突起は、回転方向のピッチが回転軸方向のピッチよりも大きく設けられ、第2回転部材の複数の突起は、回転軸方向のピッチが回転方向のピッチよりも大きく設けられ、被記録媒体のカールの発生方向に応じて前記第1回転部材又は前記第2回転部材を前記被記録媒体に圧接する構成とすることで、カールが発生する方向に応じた第1、第2回転部材を選択して圧接することでカールの向きと剛性が増すライン方向を一致させることができ、確実にカールを抑制できる。
【0051】
この場合、被記録媒体にローラを押し付ける力(圧接力、押圧力)を調節することで、被記録媒体表面に生じる凹みの深さや大小を変えることができるので、より効果的にカールを抑制できる。また、被記録媒体に記録される画像データの量、環境温度・湿度、もしくは被記録媒体の種類に応じて、被記録媒体に対するローラの圧接力を調節することで、被記録媒体表面に生じるカールに応じて適切な凹みの深さや大小を選択することができ、また被記録媒体の本来持つ強度や厚みに対しても、適切な凹みの深さや大小を選択することができて、更に適切にカールを抑制することができる。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態について図14を参照して説明する。なお、図14は同実施形態における第1回転部材の説明に供する展開図である。
本実施形態は、第1回転部材及び第2回転部材の一方或いは両方を複数の回転部材で構成する例である。ここでは、第1回転部材を2本のローラ201A、201Bで構成している。なお、2本に限るものではない。
【0053】
すなわち、2本のローラ201A、201Bにはそれぞれ軸方向にピッチ2paで突起210が形成され、ローラ201と202の突起210の配置位置を軸方向に1/2paずらしている。これにより、ローラ201A、201Bを被記録媒表面に圧接することで、被記録媒体表面には軸方向ピッチpaの凹部形状が転写されることになる。
【0054】
このように、被記録媒体上の凹部配列ピッチの短い方側のピッチ(上記の例ではpa)をn倍(上記の例では2倍)にしたn本(上記の例では2本)のローラを用いることで、被記録媒体の強度低下を低減できる。
【0055】
つまり、凹部配列ピッチの短い側は凹部間が短いために、被記録媒体がこの凹部配列に沿って破れるおそれが生じる。特に、一度にすべての凹部を形成した場合、凹部間にも変形が生じさらに強度低下が大きくなる。そこで、ローラ本数を増やし、n倍のピッチで凹部を形成することで、凹部間の変形を少なくすることができ、変形したとしても、ローラ間である程度復元した状態で、残りの凹部形成を行うことができ、被記録媒体の強度の低下を抑えることができる。また、最終ローラを通過するまでは、被記録媒体にすべての凹部が形成されないので、凹部同士のすべてが隣接することがなくなり、搬送負荷を多少大きくしても被記録媒体の破れ等が発生することを防止できる。
【0056】
なお、このように複数の回転部材で所要のピッチで凹部を転写する回転部材を構成する場合、複数の回転部材の一部は画像形成部の上流側に、残りを画像形成部の下流側に配置することもできる。
【0057】
次に、本発明の第3実施形態について図15を参照して説明する。なお、図15は同実施形態におけるカール抑制機構の説明に供する平面説明図である。
本実施形態では、表面に突起(図示省略)が形成された常に当接する共通回転部材221と、表面に突起(図示省略)が形成されて、接離手段によって圧接可能に配設された回転部材222、223とを有している。当接した共通回転部材221は、ローラ軸方向とローラ回転方向の突起のピッチがほぼ同一(同一を含む)に形成されており、ほぼ同一ピッチの凹部を被記録媒体上に転写に形成する。一方、接離手段を有する2本の回転部材222、223は、共通回転部材221によって形成された凹部の間に、それぞれローラ軸方向、ローラ回転方向に突起で凹部を追加形成する。
【0058】
つまり、共通回転部材221と回転部材222によって第1回転部材を、共通回転部材221と回転部材223によって第2回転部材を構成している。これにより、紙種等によるカール変形をより効果的に抑制することができる。
【0059】
そして、このような構成であれば、接離手段を有するローラは必要な部分にだけ突起を設けた拍車のような構成とすることもでき、実質的にローラは一本だけで同様の効果を得ることができるため、装置の小型化、コストダウンを図ることができる。
【0060】
次に、本発明の第4実施形態について図16を参照して説明する。なお、図16は同実施形態におけるカール抑制機構の説明に供する平面説明図である。
本実施形態では、第1回転部材を構成する2本のローラ231A及び231Bを有している。そして、第1回転部材の上流側のローラ231Aは、表面に浅くて広い凹部を転写形成する突起210Aが設けられ、下流側のローラ231Bは、表面に深くて狭い凹部を転写形成する突起210Bが設けられている。各ローラ231A、231Bは、ローラ231Aの突起210Aで形成された被記録媒体上の凹部にローラ231Bの突起210Bで更に凹部が形成されるように配設されている。第2回転部材についても同様に2本のローラで構成されている。
【0061】
このように構成することで、例えば最初のローラ231Aで浅く広い凹部を形成し、次のローラ231Bで先に形成した凹部中央付近に深くて狭い凹部を形成することができ、被記録媒体上の凹部の形状が2段構造になるため、通常の一段の凹部に比べてもより少ない数でカール変形を抑制する効果を奏することができる。なお、凹部の段加工は2段に限るものではなく、それ以上であってもよい。
【0062】
なお、上記実施形態では本発明の画像形成装置としてライン型画像形成装置を例に説明しているが、シリアル型画像形成装置にも同様に実施することができる。また、狭義のインク以外の液体や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
100 被記録媒体(用紙)
101 記録ヘッドユニット(画像形成部)
102 記録ヘッド
103 搬送ユニット(搬送部)
105 排紙部
106 カール抑制手段(機構)
131 搬送ベルト
201 第1ローラ(第1回転部材)
202 第2ローラ(第2回転部材)
210 突起
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する液体吐出ヘッドを記録ヘッドに備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、液体吐出方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0004】
液体吐出方式の画像形成装置においては、被記録媒体である用紙にインクが塗布されると、インクの水分を吸収した用紙の表面が膨張し、用紙が裏面方向へ向くようにカールする。特に、ライン型ヘッドを画像形成部に使用した場合、高速で用紙上に多くのインクが吐出され、単位時間当たりに用紙が吸収する水分量が多くなる。そのため、用紙のカールはより急速に大きくなる。また、用紙へのインク付着量が多くなるに従ってカール量も増加する。
【0005】
画像が記録された用紙がカールすることで、その後の搬送に影響を与える。例えば、用紙端が持ち上がることで、用紙がまくれ上がってしまい、ジャムを発生したり、フィニッシャーなどの後処理装置で正常な処理を行なうことができなくなるおそれがある。
【0006】
このようなカールに対する対策としては、(a)画像形成に使用する液体に含まれる水分の含有量を少なくする、(b)用紙搬送速度を遅くして単位時間当たりの用紙の水分吸収量を減らす、(c)乾燥手段を用いて用紙を乾燥させて水分を蒸発させる、などの対策が採られている。
【0007】
なお、従来、駆動手段によって駆動されると共に表面に多数の突起が設けられた搬送ローラと該搬送ローラに対向配置された押圧ローラとによって記録媒体を挟持して搬送するものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−001865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したようなカール対策のうち、(a)の液体に含まれる水分の含有量を少なくする構成にあっては、ヘッドの吐出信頼性を低下させるなどの課題がある。また、(b)の用紙搬送速度を遅くして単位時間当たりの用紙の水分吸収量を減らす構成にあっては、生産性(記録速度)の低下を招くという課題がある。(c)の乾燥手段を用いて用紙を乾燥させて水分を蒸発させる構成にあっては、装置の消費電力が増加するという課題がある。
【0010】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、被記録媒体表面に凹部の配列を選択的に形成することでカールを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
被記録媒体を搬送する搬送部と、
前記被記録媒体に液滴を吐出して画像を形成する画像形成部と、
画像形成後の被記録媒体を排出する排出部と、を備え、
前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1、第2回転部材が、前記被記録媒体に圧接可能に配設され、
前記第1、第2回転部材の表面には複数の突起が設けられ、
前記第1回転部材の複数の突起は、回転方向のピッチが回転軸方向のピッチよりも大きく設けられ、
前記第2回転部材の複数の突起は、回転軸方向のピッチが回転方向のピッチよりも大きく設けられ、
前記被記録媒体のカールの発生方向に応じて前記第1回転部材又は前記第2回転部材を前記被記録媒体に圧接する
構成とした。
【0012】
ここで、前記被記録媒体のカールの発生方向を検出する手段を備えている構成とできる。
【0013】
また、前記第1、第2回転部材が前記被記録媒体に圧接するときの圧接力を調節する調節手段を備えている構成とできる。
【0014】
この場合、前記被記録媒体の記録される画像データの量、環境温度・湿度、被記録媒体の種類の少なくともいずれかに応じて、前記圧接力を調節する構成とできる。
【0015】
また、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の少なくともいずれかは複数の回転部材で構成されている構成とできる。
【0016】
この場合、前記複数の回転部材のいずれかは前記画像形成部の上流側に配置され、残りは前記画像形成装置の下流側に配置されている構成とできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る画像形成装置によれば、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1、第2回転部材が、被記録媒体に圧接可能に配設され、第1、第2回転部材の表面には複数の突起が設けられ、第1回転部材の複数の突起は、回転方向のピッチが回転軸方向のピッチよりも大きく設けられ、第2回転部材の複数の突起は、回転軸方向のピッチが回転方向のピッチよりも大きく設けられ、被記録媒体のカールの発生方向に応じて前記第1回転部材又は前記第2回転部材を前記被記録媒体に圧接する構成としたので、被記録媒体表面にライン状に並ぶ凹み形状が転写され、凹み形状の数が多いライン方向の剛性が増加してカールに対する強度が高くなってカールを抑制することができ、カールが発生する方向に応じた第1、第2回転部材を選択して圧接することでカールの向きと剛性が増すライン方向を一致させることができ、確実にカールを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の正面説明図である。
【図2】同装置の搬送ユニットの平面説明図である。
【図3】図2の側面説明図である。
【図4】(a)は第1ローラの正面説明図、(b)は同じく展開図である。
【図5】(a)は第2ローラの正面説明図、(b)は同じく展開図である。
【図6】用紙の繊維目の検出手段の説明に供する排紙部の平面説明図である。
【図7】同じく正面説明図である。
【図8】同じく左側面説明図である。
【図9】制御部の概要を説明するブロック説明図である。
【図10】用紙の繊維目検出動作の説明に供するフロー図である。
【図11】用紙が横目であるときの検出結果の説明に供する説明図である。
【図12】用紙が縦目であるときの検出結果の説明に供する説明図である。
【図13】カール抑制動作の説明に供するフロー図である。
【図14】本発明の第2実施形態における第1回転部材の説明に供する展開図である。
【図15】本発明の第3実施形態におけるカール抑制機構の説明に供する平面説明図である。
【図16】本発明の第4実施形態におけるカール抑制機構の説明に供する平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の正面説明図、図2は同じく搬送ユニット平面説明図、図3は図2の側面説明図である。
この画像形成装置は、ライン型画像形成装置であり、被記録媒体である用紙100に液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段(部)としての記録ヘッドユニット101と、用紙100を搬送する搬送手段(部)である搬送ユニット103と、用紙100を収容する給紙トレイ104と、後述する排紙部105と、カール抑制手段としてカール抑制機構106などを備えている。
【0020】
記録ヘッドユニット101は、液滴を吐出する複数のノズルを用紙幅相当分の長さに配列したノズル列を有するライン型液体吐出ヘッドから構成され、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を記録ヘッド102y、102m、102c、102k(以下、色を区別しないときは「記録ヘッド102」という。)を備えている。
【0021】
搬送ユニット103は、用紙100を吸着して搬送する無端状ベルトである搬送ベルト131を備え、搬送ベルト131は搬送ローラ132とテンションローラ133との間に掛け渡されて周回するように構成している。この搬送ベルト131に対する用紙100の保持は、例えば静電吸着、空気の吸引による吸着などを行う構成とすることやその他の公知の搬送手段を用いることができる。また、ローラ対による搬送手段を用いることもできる。
【0022】
給紙トレイ104に収容された用紙100は、搬送を解除する実線図示側と搬送を行う破線図示の間で揺動可能なピックアップローラ141により一枚ずつ分離され、下流に搬送する給紙ローラ142aと分離ローラ142bで構成されている給紙部142に搬送され、給紙部142で一枚に分離された用紙100は、搬送経路144を経由して中間搬送ローラ対145に送られ、中間搬送ローラ対145により搬送経路146から搬送経路147を経由して、搬送ローラ148を経て、搬送ユニット103の搬送ベルト131まで搬送される。
【0023】
そして、後述するカール抑制機構106によってカール抑制が行われた後、搬送ベルト131の周回移動で搬送されて記録ヘッドユニット101の各記録ヘッド102から各色の液滴が吐出されて画像が形成され、その後図示しない排紙トレイに排出される。
【0024】
次に、この画像形成装置におけるカール抑制機構106について図4及び図5も参照して説明する。なお、図4(a)は第1ローラの正面説明図、(b)は同じく展開図、図5(a)は第2ローラの正面説明図、(b)は同じく展開図である。
まず、カール抑制機構106は、図1に示すように、画像形成ユニット102の用紙搬送方向上流側に配置されている。このカール抑制機構106は、用紙搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1回転部材である第1ローラ201と、第1ローラ201の用紙搬送方向上流側に配設された第2回転部材である第2ローラ202とを有している。なお、ローラはスリーブ形状のものを含む意味である。
【0025】
ここで、第1、第2ローラ201、202は、フレーム203に、回転可能で、搬送ベルト131表面に接する位置(図3に示す位置)と搬送ベルト131表面から離間する位置との間で移動可能に(図3の矢示方向に移動可能に)支持されている。そして、第1、第2ローラ201、202は、圧縮スプリングなどの付勢手段204によって搬送ベルト131に圧接する位置に付勢され、ソレノイドなど駆動手段205、205によって搬送ベルト131から離間する位置に移動される。
【0026】
また、付勢手段204の一端部を支持する支持部材206はフレーム203に移動可能に支持され、支持部材206を移動させる押圧力(圧接力)調節手段207を備え、支持部材206を第1、第2ローラ201、202に対して進退させることで、付勢手段204による第1、第2ローラ201、202の付勢力、すなわち、第1、第2ローラ201、202の用紙100に対する押圧力(圧接力)を調節できる。
【0027】
ここで、第1ローラ201は、図4に示すように、表面の円周方向及びに軸方向に多数の突起210が所定のピッチで形成されている。この第1ローラ201では、突起210の軸方向のピッチをpa、円周方向(回転方向)のピッチをprとするとき、回転方向のピッチprが軸方向のピッチpaよりも大きく(pr>pa)設けられている。具体的には、突起210は、pr=1.7〜2×pa、0mm<pa<1mmに設定することで、画像形成後の用紙のカールを効果的に防止できる。また、突起210の高さは10μm〜100μmの範囲内にすることが好ましい。
【0028】
また、第2ローラ202は、図5に示すように、表面の円周方向及びに軸方向に多数の突起210が形成されている。この第2ローラ202では、突起210の軸方向のピッチをpa、周方向(回転方向)のピッチをprとするとき、軸方向のピッチpaが回転方向のピッチprよりも大きく(pa>pr)設けられている。具体的には、pa=1.7〜2×pr、0mm<pr<1mmに設定することで、画像形成後の用紙のカールを効果的に防止できる。また、突起210の高さは10μm〜100μmの範囲内にすることが好ましい。
【0029】
次に、用紙の繊維目(横目(Y目)、縦目(T目))の検出手段について図6ないし8を参照して説明する。なお、図6は排紙部の平面説明図、図7は同じく正面説明図、図8は同じく左側面説明図である。
搬送ユニット103の下流側に配置した排紙部105には、排紙スタッカ151が設けられている。この排紙スタッカ151には排紙方向と直交する両端側に用紙サポート152が昇降可能に設けられている。そして、排紙スタッカ151に排出された用紙の繊維目を検出するため、排紙スタッカ151には、排紙方向と直交する方向に並ぶ複数(この例では3個)のセンサ154a〜154cと、排紙方向に並ぶ複数(この例では3個)のセンサ155a〜155cが設けられている。なお、センサ154、155としては、たとえば光センサや超音波センサを用いることができる。
【0030】
次に、この制御部の概要について図9のブロック説明図を参照して説明する。
この制御部500は、この画像形成装置全体の制御を司る本発明におけるカール抑制機構106の制御、用紙の繊維目方向検出処理などの制御をする手段を兼ねるマイクロコンピュータ、画像メモリ、通信インタフェースなどで構成した主制御部(システムコントローラ)501を備えている。主制御部501は、外部の情報処理装置(ホスト側)などから転送される画像データ及び各種コマンド情報に基づいて用紙に画像を形成するために、印刷制御部502に印刷用データを送出する。
【0031】
印刷制御部502は、主制御部501からの受領する印刷データ信号に基づいて、記録ヘッドユニット101の各ヘッド102から液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成し、このデータの転送及び転送の確定などに必要な各種信号などをヘッドドライバ503に転送するとともに、駆動波形データ格納手段である記憶部、駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器や電流増幅器等で構成される駆動波形生成部、ヘッドドライバ503に与える駆動波形を選択する選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ503に出力して、各記録ヘッド102を駆動制御する。
【0032】
また、主制御部501は、モータドライバ504を介して、搬送ベルト131を周回移動させる用紙送りモータ505を駆動制御する。
【0033】
また、主制御部501は、ドライバ508を介してソレノイド205を駆動制御して、第1ローラ201、第2ローラ202の用紙100に対する圧接、離間を制御する。
【0034】
また、主制御部501は、ドライバ510を介して用紙サポート移動機構511を駆動制御して用紙サポート152を昇降させ、また、縦目/横目検出用のセンサ154、155によって給紙部104にセットされている用紙100の繊維目方向を検出する動作を行なう。
【0035】
また、主制御部501には各種センサからなるセンサ群506からの検出信号が入力され、また、操作部507との間で各種情報の入出力及び表示情報のやり取りを行う。なお、センサ群506には上記のセンサ154、155、装置の温度を検出する温湿度センサなどが含まれている。
【0036】
主制御部501は、ドライバ512を介して圧接力調節手段207を駆動制御して、第1ローラ201、第2ローラ202の圧接力を調節する。
【0037】
次に、このように構成したこの画像形成装置における用紙の繊維目検出動作について図10のフロー図及び図11、図12の説明図を参照して説明する。
まず、ユーザが新たな用紙を給紙したとき、ベタ画像などの予め定めた所定のパターンを1枚テスト印字する。印字後、用紙100はスタッカ151に排出され、当初用紙サポート152上に載る形になる。
【0038】
ここで、例えば図6に示すようなY目の用紙100の場合、用紙100の繊維目に直角な方向にカールが生じ、正面方向から見て図7に示すように下弦曲線の形にカールする。なお、ここでは、フェイスアップで排紙された場合を表わしており、フェイスダウンで排紙される場合のカールの向きは下弦曲線ではなく、逆の上弦曲線の形にカールする。また、繊維目方向ではカールをほとんど生じない。
【0039】
そこで、用紙100のスタック後に用紙サポート152を上昇させ、センサ154、155が用紙100の紙端を検出したときの位置(検出位置)を求める。このとき、カールの向きに応じて、3箇所のセンサ154a〜154c又は155a〜155cのうち中央のセンサの検出位置が最も高い位置となり、用紙100の繊維目の方向及びカール方向(向き)を特定できる。
【0040】
例えば図6ないし図8に示す例では、センサ155a〜155cのうちの中央のセンサ155bの検出位置が最も高くなる。これに対して、センサ154a〜154cはいずれも同じ高さとなる。センサ154、155による検出終了後、用紙サポート152が退避する(下降する)ことで用紙100はスタックされる。
【0041】
このように、計6箇所の紙端の高さ方向の位置(検出位置)に関するデータを得て、このデータを用いて用紙100の繊維目方向(カール方向)を特定する。
【0042】
例えば、図11(a)に示すようにセンサ154a〜154cの検出位置が同じで、同図(b)に示すようにセンサ155a〜155cのうちの中央のセンサ155bの検出位置が最も高くなるときには、用紙100の繊維目は横目(Y目)となり、カール方向(カールが発生する方向)は搬送方向に沿う方向となる。これに対し、図12(a)に示すようにセンサ154a〜154cのうちの中央のセンサ154bの検出位置が最も高く、同図(b)に示すようにセンサ155a〜155cの検出位置が同じときには、用紙100の繊維目は縦目(T目)となり、カール方向は搬送方向と直交する方向となる。
【0043】
次に、カール抑制制御について図13のフロー図を参照して説明する。
印刷動作を開始するとき、ユーザが設定する、あるいは、ホスト側から与えられた用紙100の種類(用紙種)を取り込み、温湿度情報を取り込んで、圧接力調整手段207を駆動して第1、第2ローラ201、202の圧接力(押圧力)を調節する。
【0044】
その後、用紙100が縦目(T目)か否かを判別し、T目であれば、第2ローラ202のソレノイド205を駆動して第2ローラ202を搬送ベルト131から離間させ、第1ローラ201を圧接状態のままにし、T目でなければ、つまり、Y目であれば、第1ローラ201のソレノイド205を駆動して第1ローラ201を搬送ベルト131から離間させ、第2ローラ202を圧接状態のままにする。
【0045】
つまり、用紙100のカールの発生する方向に応じて第1、第2ローラ201、202を選択して用紙100に圧接させる状態にする。
【0046】
そして、印刷処理に移行し、用紙100を給紙して印刷動作を行う。
【0047】
この印刷動作で給紙される用紙100に対して微笑突起210を有する第1ローラ201又は第2ローラ202を圧接させることで、用紙100の表面には突起210に対応する凹み形状が転写される。
【0048】
このとき、凹みがライン状に並ぶことで、凹み形状の数が多いライン方向の剛性が増し、用紙100の変形(カール)に対する強度が上がる。紙種や用紙の配置方向によって、インクが用紙100に吐出されたときのカール発生方向は一定であるので、突起210の数が搬送方向に多い第2ローラ202とローラ軸方向に多い第1ローラ201を併設しておくことで、カールが発生する方向に応じて第1、第2ローラ201、202を選択して圧接させ、カールの向きと剛性が増すライン方向を一致させることで、画像形成がされた用紙100のカールを抑えることができる。
【0049】
前述したように、縦目であれば搬送方向と直交する方向に沿ってカールが発生するので軸方向に突起210の数が多い第1ローラ201を圧接させ、横目であれば搬送方向に沿ってカールが発生するので円周方向に突起210の数が多い第2ローラ201を圧接させて、カールを抑制する。
【0050】
このように、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1、第2回転部材が、被記録媒体に圧接可能に配設され、第1、第2回転部材の表面には複数の突起が設けられ、第1回転部材の複数の突起は、回転方向のピッチが回転軸方向のピッチよりも大きく設けられ、第2回転部材の複数の突起は、回転軸方向のピッチが回転方向のピッチよりも大きく設けられ、被記録媒体のカールの発生方向に応じて前記第1回転部材又は前記第2回転部材を前記被記録媒体に圧接する構成とすることで、カールが発生する方向に応じた第1、第2回転部材を選択して圧接することでカールの向きと剛性が増すライン方向を一致させることができ、確実にカールを抑制できる。
【0051】
この場合、被記録媒体にローラを押し付ける力(圧接力、押圧力)を調節することで、被記録媒体表面に生じる凹みの深さや大小を変えることができるので、より効果的にカールを抑制できる。また、被記録媒体に記録される画像データの量、環境温度・湿度、もしくは被記録媒体の種類に応じて、被記録媒体に対するローラの圧接力を調節することで、被記録媒体表面に生じるカールに応じて適切な凹みの深さや大小を選択することができ、また被記録媒体の本来持つ強度や厚みに対しても、適切な凹みの深さや大小を選択することができて、更に適切にカールを抑制することができる。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態について図14を参照して説明する。なお、図14は同実施形態における第1回転部材の説明に供する展開図である。
本実施形態は、第1回転部材及び第2回転部材の一方或いは両方を複数の回転部材で構成する例である。ここでは、第1回転部材を2本のローラ201A、201Bで構成している。なお、2本に限るものではない。
【0053】
すなわち、2本のローラ201A、201Bにはそれぞれ軸方向にピッチ2paで突起210が形成され、ローラ201と202の突起210の配置位置を軸方向に1/2paずらしている。これにより、ローラ201A、201Bを被記録媒表面に圧接することで、被記録媒体表面には軸方向ピッチpaの凹部形状が転写されることになる。
【0054】
このように、被記録媒体上の凹部配列ピッチの短い方側のピッチ(上記の例ではpa)をn倍(上記の例では2倍)にしたn本(上記の例では2本)のローラを用いることで、被記録媒体の強度低下を低減できる。
【0055】
つまり、凹部配列ピッチの短い側は凹部間が短いために、被記録媒体がこの凹部配列に沿って破れるおそれが生じる。特に、一度にすべての凹部を形成した場合、凹部間にも変形が生じさらに強度低下が大きくなる。そこで、ローラ本数を増やし、n倍のピッチで凹部を形成することで、凹部間の変形を少なくすることができ、変形したとしても、ローラ間である程度復元した状態で、残りの凹部形成を行うことができ、被記録媒体の強度の低下を抑えることができる。また、最終ローラを通過するまでは、被記録媒体にすべての凹部が形成されないので、凹部同士のすべてが隣接することがなくなり、搬送負荷を多少大きくしても被記録媒体の破れ等が発生することを防止できる。
【0056】
なお、このように複数の回転部材で所要のピッチで凹部を転写する回転部材を構成する場合、複数の回転部材の一部は画像形成部の上流側に、残りを画像形成部の下流側に配置することもできる。
【0057】
次に、本発明の第3実施形態について図15を参照して説明する。なお、図15は同実施形態におけるカール抑制機構の説明に供する平面説明図である。
本実施形態では、表面に突起(図示省略)が形成された常に当接する共通回転部材221と、表面に突起(図示省略)が形成されて、接離手段によって圧接可能に配設された回転部材222、223とを有している。当接した共通回転部材221は、ローラ軸方向とローラ回転方向の突起のピッチがほぼ同一(同一を含む)に形成されており、ほぼ同一ピッチの凹部を被記録媒体上に転写に形成する。一方、接離手段を有する2本の回転部材222、223は、共通回転部材221によって形成された凹部の間に、それぞれローラ軸方向、ローラ回転方向に突起で凹部を追加形成する。
【0058】
つまり、共通回転部材221と回転部材222によって第1回転部材を、共通回転部材221と回転部材223によって第2回転部材を構成している。これにより、紙種等によるカール変形をより効果的に抑制することができる。
【0059】
そして、このような構成であれば、接離手段を有するローラは必要な部分にだけ突起を設けた拍車のような構成とすることもでき、実質的にローラは一本だけで同様の効果を得ることができるため、装置の小型化、コストダウンを図ることができる。
【0060】
次に、本発明の第4実施形態について図16を参照して説明する。なお、図16は同実施形態におけるカール抑制機構の説明に供する平面説明図である。
本実施形態では、第1回転部材を構成する2本のローラ231A及び231Bを有している。そして、第1回転部材の上流側のローラ231Aは、表面に浅くて広い凹部を転写形成する突起210Aが設けられ、下流側のローラ231Bは、表面に深くて狭い凹部を転写形成する突起210Bが設けられている。各ローラ231A、231Bは、ローラ231Aの突起210Aで形成された被記録媒体上の凹部にローラ231Bの突起210Bで更に凹部が形成されるように配設されている。第2回転部材についても同様に2本のローラで構成されている。
【0061】
このように構成することで、例えば最初のローラ231Aで浅く広い凹部を形成し、次のローラ231Bで先に形成した凹部中央付近に深くて狭い凹部を形成することができ、被記録媒体上の凹部の形状が2段構造になるため、通常の一段の凹部に比べてもより少ない数でカール変形を抑制する効果を奏することができる。なお、凹部の段加工は2段に限るものではなく、それ以上であってもよい。
【0062】
なお、上記実施形態では本発明の画像形成装置としてライン型画像形成装置を例に説明しているが、シリアル型画像形成装置にも同様に実施することができる。また、狭義のインク以外の液体や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
100 被記録媒体(用紙)
101 記録ヘッドユニット(画像形成部)
102 記録ヘッド
103 搬送ユニット(搬送部)
105 排紙部
106 カール抑制手段(機構)
131 搬送ベルト
201 第1ローラ(第1回転部材)
202 第2ローラ(第2回転部材)
210 突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体を搬送する搬送部と、
前記被記録媒体に液滴を吐出して画像を形成する画像形成部と、
前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1、第2回転部材が、前記被記録媒体に圧接可能に配設され、
前記第1、第2回転部材の表面には複数の突起が設けられ、
前記第1回転部材の複数の突起は、回転方向のピッチが回転軸方向のピッチよりも大きく設けられ、
前記第2回転部材の複数の突起は、回転軸方向のピッチが回転方向のピッチよりも大きく設けられ、
前記被記録媒体のカールの発生方向に応じて前記第1回転部材又は前記第2回転部材を前記被記録媒体に圧接する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記被記録媒体のカールの発生方向を検出する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1、第2回転部材が前記被記録媒体に圧接するときの圧接力を調節する調節手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記被記録媒体の記録される画像データの量、環境温度・湿度、被記録媒体の種類の少なくともいずれかに応じて、前記圧接力を調節することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1回転部材及び前記第2回転部材の少なくともいずれかは複数の回転部材で構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の回転部材のいずれかは前記画像形成部の上流側に配置され、残りは前記画像形成装置の下流側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項1】
被記録媒体を搬送する搬送部と、
前記被記録媒体に液滴を吐出して画像を形成する画像形成部と、
前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って回転軸が配置される第1、第2回転部材が、前記被記録媒体に圧接可能に配設され、
前記第1、第2回転部材の表面には複数の突起が設けられ、
前記第1回転部材の複数の突起は、回転方向のピッチが回転軸方向のピッチよりも大きく設けられ、
前記第2回転部材の複数の突起は、回転軸方向のピッチが回転方向のピッチよりも大きく設けられ、
前記被記録媒体のカールの発生方向に応じて前記第1回転部材又は前記第2回転部材を前記被記録媒体に圧接する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記被記録媒体のカールの発生方向を検出する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1、第2回転部材が前記被記録媒体に圧接するときの圧接力を調節する調節手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記被記録媒体の記録される画像データの量、環境温度・湿度、被記録媒体の種類の少なくともいずれかに応じて、前記圧接力を調節することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1回転部材及び前記第2回転部材の少なくともいずれかは複数の回転部材で構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の回転部材のいずれかは前記画像形成部の上流側に配置され、残りは前記画像形成装置の下流側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−56295(P2012−56295A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204939(P2010−204939)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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