説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の高さ寸法を小型化すると共に、ユーザーの操作性を向上させ、また設置場所が限定される等の制限を少なくする。
【解決手段】感光体21と、LED光源23とを支持部材30に搭載して、LED光源23を支持部材30に感光体21から離間可能に保持する。支持部材30は画像形成装置10の操作側に引き出し可能に配置する。支持部材30には、感光体21を引き出せる開口部31を設け、感光体21は、第2感光体支持体42で開口部31の外側に位置決め固定する。LED光源23には、支持部材30の引き出し、または第2感光体支持体42の取り外しに伴ってLED光源23を支持部材30内において感光体21から離間させる移動機構を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に係り、特に像担持体に近接して配置されたLED等の発光素子から構成した光源を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型化、高速化、省エネルギー化の要請に伴い、感光体、露光用の光源としてLED等の発光素子から構成した光源(以下、LED光源と記載する。)を使用した画像形成装置が提供されている。このような画像形成装置において、前記LED光源は、感光体である像担持体に近接して配置されている。また、画像形成装置として、感光体を交換するに際して、感光体とLED光源とを一体で手前に筐体から引き出し、さらに、感光体のみを引き出し方向と直交する方向、例えば上方に引き出し、交換できる構成を備えるものがある。
【0003】
例えば特許文献1には、感光ドラムを有する複数のプロセスカートリッジを着脱可能に支持するとともに、本体筐体から引き出し可能に構成された支持フレームと、露光位置と退避位置との間で移動可能であり、複数の発光部が配列されて感光ドラムを露光する複数のLEDユニットとを備え、支持フレームは、発光部が配列された主方向において対向する一対のサイドフレームを有し、一対のサイドフレームには、それぞれ、露光位置と退避位置との間を移動するLEDユニットを案内する案内部を有するガイド溝が形成され、ガイド溝は、主方向と露光方向とに直交する副方向においてLEDユニットの位置決めをする位置決め部を有するカラープリンタが記載されている。
【0004】
また特許文献2には、感光体ドラムを有し前後方向に並んで配置された4つのプロセスユニットと、各感光体ドラムに上方から対向して配置され、感光体ドラム上を露光して静電潜像を形成する4つのLEDユニットと、LEDユニットの上方に設けられ、画像が形成された用紙Pが排出される排出トレイと、排出トレイの上方に空間部を介して設けられ、原稿の画像を読み取る画像読取部とを備えたカラー複合機であって、LEDユニットの全体または一部が、排出トレイとともに空間部に移動することで、プロセスユニットを前後方向に引き出し可能としたものが記載されている。
【0005】
さらに特許文献3には、少なくとも現像処理を含む作像処理を施す作像ユニットが複数個ある場合でも、機械本体から取り出しやすく、容易にメンテナンスできるようにするため、作像ユニットを引き出し体に載置して画像形成装置本体に装着する構成とし、引き出し体は、2本のスライドレールによって本体へ保持され、引き出し自在としたものが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、LED光源を感光体ユニットと同時に引き出した後にLED光源を退避させることで、感光体の交換を可能にするものであるが、アーム部材の開き角度を大きくしようとすると、感光体の配置ピッチを広げる必要があり、アーム角の開き角を小さなものとすると、LED光源との干渉を避けるため感光体ユニットを回転させながら取り出す必要があり、感光体ユニットの取り付け取り外しが容易ではない。また、退避機構がアーム部材等を必要とするため、操作性と省スペース性の両立に問題がある。
【0007】
さらに、特許文献1に記載のものは、感光体ユニットの引き出し方向が手前側であり、用紙の詰まり解消処理のためのカバーの開扉方向が奥側であるため、画像形成装置を棚に入れたり、背面を壁に付けて設置したりすると、ユーザーは、用紙詰まりのたびに装置を動かして奥側のジャム処理カバーを開ける必要があり、設置場所に自由度がないという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載のものは、画像形成装置の高さ寸法を小さくすることができるものの、鉛直方向にカバーを開けなければならないので、上方に十分なスペースが必要で、上方に余裕がない棚等に装置を入れて使用することはできない。また、上カバーの回動軌跡を現像剤カートリッジとの接触を避けるよう設定しなければならないほか、上カバーの回動支点の位置にも制約があり、画像形成装置内における各機器のレイアウトに制限があるという問題がある。
【0009】
そして、特許文献3のものは、作像ユニットを載置した引き出し体の引き出し方向と、用紙詰まり処理を行うためカバーの開扉方向とが異なるので、この条件を満たす場所に画像形成装置の設置場所が限定されるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、高さ寸法を小さくして装置の小型化を図るとともに、ユーザーの操作性を向上させて上述した従来の問題点を解決することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体に近接配置され前記像担持体に潜像を形成する光源と、少なくとも前記像担持体と前記光源とを搭載し、前記光源を前記像担持体から離間可能に保持する支持部材と、装置本体に設置され、前記支持部材を前記像担持体の軸方向と直交する方向に沿って前記装置本体の外側に向け案内する案内部材と、を備える画像形成装置において、前記像担持体を、前記支持部材に像担持体保持部材を介して前記引き出し方向と直交する方向でありかつ前記像担持体の軸方向に沿う方向に着脱可能に取り付けると共に、前記支持部材には、前記像担持体を挿通させ得る開口部を設け、前記像担持体保持部材を、前記開口部より外側において、前記支持部材に位置決め固定するよう構成し、前記光源には、前記像担持体の前記開口からの引き出しに先だって、前記光源を前記案内部材の内部において前記像担持体の前記支持部材の引き出し方向と直交しかつ前記像担持体の引き出し方向と直交する方向に移動させる光源移動機構を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記光源移動機構を、前記支持部材の引き出し動作、または前記像担持体の引き出し動作に連動して前記光源が移動するよう構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、複数の像担持体を前記支持部材に並設し、前記複数の像担持体が担持したトナー像を転写する中間転写体と、該中間転写体からトナー像を転写される記録媒体を格納した記録媒体蓄留部と、該記録媒体蓄留部から前記中間転写体まで記録媒体を搬送する記録媒体搬送路とを備え、前記記録媒体搬送路を、前記画像形成装置の操作部側に配置すると共に、前記支持部材および前記記憶媒体蓄留部を、画像形成装置の前記操作部側に引き出すよう構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記光源移動機構は、前記支持部材に摺動可能に配置されると共に、前記光源を前記像担持体から離間する方向へ移動させるスライド部材を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記支持部材に、現像剤を収容する現像剤収容部および前記像担持体を現像する現像装置を搭載し、前記現像剤収容部及び前記現像装置を、前記支持部材から前記支持部材の引き出し方向と直交しかつ前記像担持体の引き出し方向と直交する方向に着脱可能とし、前記支持部材に、着脱される前記現像剤収容部および現像装置を通過させ得る開口部を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記支持部材に、現像剤を収容する現像剤収容部および前記像担持体を現像する現像装置を搭載し、前記像担持体と前記現像装置とを一体に構成すると共に、前記支持部材から前記像担持体の軸方向に着脱可能とし、前記支持部材に、前記一体に構成された像担持体および現像装置が通過できる開口部を開設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、高さ寸法を小さくでき、装置の小型化を図ることができると共に、消耗品交換等の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】同じく画像形成装置の内部構造を示す断面図である。
【図3】同じく支持部材への感光体の取り付け取り外しの状態を示す図1中D−D線に沿う断面図である。
【図4】同じく支持部材の概略構成を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は(a)中のF−F線に沿う断面図である。
【図5】案内部材として使用するレールの一例を示すものであり、(a)は閉状態と開状態を示す正面図、(b)は横断面図、(c)は縦断面図である。
【図6】実施例2に係る画像形成装置の感光体と支持部材との取り付け状態を示す正面図である。
【図7】同じく係合溝部と係止片を示す斜視図である。
【図8】同じくスライド部材の支持部材への取り付け状態を示す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は保持部材の平面図である。
【図9】実施例3に係る画像形成装置の感光体と支持部材との取り付け状態を示す斜視図である。
【図10】一般的な画像形成装置における作像装置の交換状態を示す斜視図である。
【図11】実施例4に係る画像形成装置における記録媒体の用紙トレイへの補充状態を示す模式図である。
【図12】同じく手差し装置への用紙の挿入または補充状態を示す模式図である。
【図13】同じく搬送路での紙詰まり処理を示す模式図である。
【図14】同じく現像剤カートリッジの交換処理を示す模式図である。
【図15】同じく現像装置の交換処理を示す模式図である。
【図16】同じく感光体の交換状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る画像形成装置は、作像装置として像担持体と、該像担持体に近接配置され、前記像担持体に潜像を形成する光源と、現像剤を収容した現像剤収容部と、前記像担持体を現像剤で現像して前記像担持体にトナー像を形成する現像装置と、備える。前記像担持体、前記現像剤収容部、前記現像装置、および前記光源は支持部材に搭載され、案内部材に沿って前記像担持体の軸方向と直交する方向に沿って移動できる。また、前記光源はこの支持部材上で前記像担持体から離間可能に保持される。
【0020】
そして、前記像担持体は、前記支持部材に像担持体保持部材を介して前記引き出し方向と直交する方向であり、前記像担持体の軸方向に沿う方向に着脱可能に取り付けられている。前記支持部材には、前記像担持体が挿通できる開口部が開設されており、前記像担持体保持部材は前記支持部材に、前記開口部より外側において位置決め固定するよう構成されている。これにより、前記像担持体は外部からの操作により前記開口部から引き出すことができる。そして、前記光源には、光源を前記像担持体の前記支持部材の引き出し方向、および前記像担持体の引き出し方向と直交する方向に移動させる光源移動機構を備え、光源は、前記支持部材の引き出し操作、または像担持体の引き出し操作に伴って前記像担持体から自動的に像担持体から離間した位置に待避する。
【実施例】
【0021】
<実施例1>
以下、本発明の実施例1に係る画像形成装置(以下では単に実施例と記載することがある)について説明する。以下に、本発明の実施例をいくつか図示し、説明するが、本発明はこれらに限定されないことは明らかである。また、画像形成装置は、カラープリンタとして説明するが、画像形成装置であれば、コピー機、ファクシミリ装置、これらの機能を複合的に有する複合機等に適用することができる。さらに、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、数多くの改良、変更、変形、置換をなすことおよび等価物を想到することは当業者には可能であろう。
【0022】
まず、画像形成装置10の概略構成について説明する。本例に係る画像形成装置は、中間転写方式を採用するカラープリンタである。図1は実施例に係る画像形成装置の構成を概略的に示す断面図、図2は同じく画像形成装置の内部構造を示す断面図である。この画像形成装置10は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー像を作成する4台の作像装置20Y、20C、20M、20Kを備える。各作像装置20Y、20C、20M、20Kは、使用するトナーの色が異なるだけで、同一の構成を備える。そこで、以下作像装置20Cについて説明する。
【0023】
作像装置20Cは、中矢印A方向に回転するドラム状の感光体21、感光体21の表面を帯電する帯電装置22、帯電された感光体21の表面を画像情報により露光して感光体21上に静電潜像を形成する光源であり、LEDアレイを備えるLED光源23、前記感光体21上の静電潜像を各色のトナーで現像して感光体21上にトナー像を形成する現像装置24、現像装置24の上方に配置され、現像剤収容部である現像剤カートリッジ25を備える。
【0024】
また画像形成装置10は、各作像装置20Y、20C、20M、20Kの各感光体21上の各トナー像が重ねて転写される中間転写体11、この中間転写体11上のカラートナー像を用紙Pに転写する2次転写装置12、用紙Pに転写されたカラートナー像を定着する定着装置13、記録媒体である用紙Pを収納する記録媒体蓄留部である用紙トレイ14、感光体21の表面をクリーニングするクリーナー(図示せず)、中間転写体11上のトナーを除去する中間転写クリーナー(図示せず)、用紙Pが搬送される用紙搬送路15を備える。
【0025】
次に、図1を参照して画像形成装置10における画像形成動作について説明する。まず、画像読取装置(図示せず)で原稿から読み取られた原画像信号、または上位装置である外部のコンピュータ(図示せず)等で作成された原画像信号が画像処理部(図示せず)に入力され、所定の画像処理が実行される。この画像処理がなされた信号に基づいて各感光体21表面にはLED光源23により光が照射されると、感光体21上には入力画像信号に対応した静電潜像が形成される。
【0026】
そして、各感光体21上に形成された静電潜像は各現像装置24により各色のトナー(現像剤)で現像され、各感光体21上に各色のトナー像が形成される。各感光体21上に形成されたトナー像は各感光体21の矢印A方向への回転に伴って各感光体21に対向して配置された中間転写体11に向け搬送される。
【0027】
一方、用紙トレイ14に収納されていた用紙Pは、用紙搬送路15内を通り、中間転写体11と2次転写装置12との間のニップ部に向かって供給され、中間転写体11上のトナー像が用紙P上に転写される。用紙P上に転写されたトナー像は、定着装置13によって定着され所望の画像が得られ、用紙Pは排出される。トナー像の用紙P上への転写が終了した中間転写体11表面に付着した残留トナー等の付着物はクリーニングされ、1回の画像形成動作が終了する。
【0028】
各作像装置20Y、20C、20M、20Kの感光体21、帯電装置22、LED光源23、現像装置24、現像剤カートリッジ25は、支持部材30に搭載されている。この支持部材30は、画像形成装置10内に、用紙搬送路15側(図1中矢印B)に引き出すことができるよう配置される。画像形成装置10の用紙搬送路15側には、軸16を中心に開閉するカバー部材17が配置されている。また、このカバー部材17には、支持部材30取り出し時に開かれる開閉扉(図示していない)が配置される。カバー部材17は、軸16を中心に矢印Cの方向に開放でき、カバー部材17を開くことにより、外部から用紙搬送路15にアクセスできるようになり、紙詰まり処理を行うことができる。
【0029】
画像形成装置10では、支持部材30を用紙搬送路15側(図中矢印B)に引き抜き、これと同時にLED光源23を感光体21から離間させる。各作像装置20Y、20C、20M、20Kは、支持部材30に並設されており、各作像装置20Y、20C、20M、20Kは、概ね同一の構成を備える。そこで、以下の説明では特に必要がなければ単に作像装置20と表記して説明する。
【0030】
図3は実施例1に係る画像形成装置における支持部材への感光体の取り付け取り外しの状態を示す図1中D−D線に沿う断面図である。なお、(a)は支持部材30を画像形成装置10に取り付けた状態を示し、(b)は支持部材30を画像形成装置10から抜き出した状態を示す。支持部材30には、作像装置20の感光体21、光源であるLED光源23、帯電装置、現像装置が取り付けられている。なお、図3には帯電装置、現像装置は図示されていない。支持部材30は上方が開放された箱体をなしており、画像形成装置10に対して図中紙面に垂直な方向に抜き差しできる。
【0031】
感光体21は、その回転軸21aの両端に設けられた第1感光体支持部材41、第2感光体支持体42を介して支持部材30の立壁部32に配置される。また、支持部材30には、この感光体21および第1感光体支持部材41が通過できる大きさの開口部31が開設されており、感光体21は、第1感光体支持部材41と共に開口部31から図中矢印E方向に抜き差しして交換できる。
【0032】
第1感光体支持部材41は、支持部材30内に配置され、回転軸21aを支持部材30に回転自在に保持する。また、第2感光体支持体42は、他方の回転軸21aを回転可能に保持して、支持部材30に開設された開口部31の外側において、位置決めおよび固定される。第2感光体支持体42は、開口部31の外側で支持部材30に公知の取り外し可能な締結手段、例えばナット、取り付け取り外し可能なファスナ装置、取り付け機構を用いて取り付けられる。
【0033】
LED光源23は、両端から張り出された取付部材23aが、支持部材30に開設された支持孔37に嵌め込まれて支持部材30に取り付けられる。この支持孔37は図中上下方向に長い長孔であり、LED光源23は、支持部材30の内部において上下方向に移動可能に支持部材30に保持される。
【0034】
また、支持部材30には、光源支持部材43が掛け渡されて固定されており、この光源支持部材43とLED光源23の間には、LED光源23を図3における上方に向けて付勢する第1スプリング44が配置される。これにより、LED光源23は、上方に向け付勢される。
【0035】
また、LED光源23の取付部材23aの両端部には、画像形成装置の筐体50に第2スプリング46を介して取り付けられた光源押圧部材45が上方から接触している。LED光源23は、この第2スプリング46で下方に押圧される。この第2スプリング46は、第1スプリング44より強い力で取付部材23aを下方に押圧する。このため、支持部材30が画像形成装置10に配置された状態で、感光体21は下方に向け付勢されている。
【0036】
さらに、LED光源23の取付部材23aの両端下側には光源位置決め部材47が配置されている。この光源位置決め部材47は、前記第1感光体支持部材41および第2感光体支持体42に接触して、感光体21と感光体21との間隔寸法を設定する。従って、支持部材30が画像形成装置10に配置された状態で、LED光源23は、光源押圧部材45を介して第2スプリング46で下方に押圧され、光源位置決め部材47が第1感光体支持部材41及び第2感光体支持体42に接触して、感光体21との間隔が露光を行うのに適した位置に保たれる。
【0037】
実施例1に係る画像形成装置において、感光体21の交換に際しては、カバー部材17に設けられた開閉扉を開け、支持部材30を用紙搬送路15側に引き出す(図1中矢印B)。すると、図3(b)に示すように、光源押圧部材45を介して第2スプリング46で感光体21側に押圧されていたLED光源23は、光源押圧部材45が移動して取り外されることにより、第1スプリング44の付勢力により感光体21から離間する。
【0038】
この状態で、第2感光体支持体42を支持部材30から取り外し、感光体21を第1感光体支持部材41と共に開口部31から引き抜く。そして、新たな感光体21に第1感光体支持部材41及び第2感光体支持体42を取り付け、取り外しと逆の手順で支持部材30に取り付ける。
【0039】
感光体21の交換が終了したら、支持部材30を画像形成装置10内に押し込む。支持部材30が画像形成装置10内の所定位置に配置されると、光源押圧部材45が取付部材23aを押圧し、LED光源23は、第1スプリング44の付勢力に抗してLED光源23側に移動し、光源位置決め部材47によって感光体21との適性距離を保つ。
【0040】
次に、支持部材30の一例について説明する。図4は同じく支持部材の概略構成を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は(a)中のF−F線に沿う断面図、なお、この図には、作像装置20などを記載しておらず、支持部材30基本的構造だけを示している。実際の支持部材30には、開口部31や支持孔37が開設されているほか、光源支持部材43等が配置されている。
【0041】
支持部材30は、立壁部32と底壁33と、隔壁34とを備えて箱体を形成し、前記立壁部32には外側に向け張出フランジ35が形成されている。また、張出フランジ35の終端には、落下防止の止め部36が構成されており、支持部材30をいっぱいに引き出したとき、図示しない外装や、筐体50の一部等に接触し、それ以上の引き出しを禁止している。そして、画像形成装置10の筐体50には、案内部材としてガイド溝51が形成されている。支持部材30は、張出フランジ35をガイド溝51に嵌め込まれ、感光体21の軸方向と直交すると共に、感光体21の抜き取り方向と直交する方向(矢印B)案内される。このような案内構造は、前記用紙トレイ14の案内にも用いられる。
【0042】
また、案内部材としては、市販の引き出しレールを使用することができる。図5は案内部材として使用するレールの一例を示すものであり、(a)は閉状態と開状態を示す正面図、(b)は横断面図、(c)は縦断面図である。この引き出しレール60、アキュライド社製であり、3つの引き出し部材61、62、63の間に転動するボール64を配置し、3段階に開閉するものである。
【0043】
従って実施例1に係る画像形成装置によれば、支持部材30を画像形成装置10の機外に取り出すだけで、LED光源23が感光体21から離間するので、LED光源23や感光体21を損傷することがない。また、実施例1では、LED光源23は、支持部材30の内部で、小さな移動量だけ移動するので、画像形成装置10の上方に部材が伸長しない。このため、作像装置20を小型化することができる。
【0044】
さらに、支持部材30は、用紙搬送路15側に引き出すようにしているので、紙詰まり処理と、感光体21の交換作業とを同じ側で行うことができ感光体21の交換および紙詰まり処理を行うため、画像形成装置10を移動する必要がなく、画像形成装置10の設置自由度を高めることができる。
【0045】
<実施例2>
次に実施例2について説明する。図6は実施例2に係る画像形成装置の感光体と支持部材との取付状態を示す正面図、図7は同じく係合溝部と係止片を示す斜視図、図8は同じくスライド部材の支持部材への取り付け状態を示す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は保持部材の平面図である。
【0046】
実施例2は、感光体21を支持部材30に開設した開口部31から取り出すものであり、この取り出し操作の際、露光位置にあるLED光源23をこの操作に伴って上方に移動させるものである。このため、実施例2では、2つの感光体支持部材のうち、支持部材30の外側に配置される第2感光体支持体70を回転動作(図中矢印G)することにより、支持部材30に着脱できるようにすると共に、この回転動作により支持部材30のスライド溝90に嵌め込まれたスライド部材80を駆動し、スライド部材80に支持されたLED光源23を上下動させる。
【0047】
支持部材30には、図6に示すように、感光体21および、帯電装置22、クリーナー等を含む周辺機器を取り出すのに十分に超える大きさの開口部31が開設されている、また、この開口部31の周囲には外側に向け、2つの係止片75、76が立設されている。係止片75、76は、立設部75a、76aと、立設部75a、76aの先端に設けられた立設部75a、76aより大径の頭部75b、76bとからなる。
【0048】
第2感光体支持体70は、板材部材であり、開口部31を覆うと共に、感光体21を回転軸21aで回転自在に保持する。また、第2感光体支持体70は、角度θだけ傾けて支持部材30に密着配置した状態(図6中実線で示した)状態から、角度θだけ回転させることで、支持部材30に固定する(図6中二点鎖線で示した)。
【0049】
第2感光体支持体70は、長方形板状の支持体本体71に、支持部材30に形成された係止片75、76が嵌め込まれて係合する係合溝部72、73が開設される。また、支持体本体71には、前述した回転によりLED光源23に接続されるスライド部材80に接触して、LED光源23の感光体21への位置決めおよび感光体21から離間を行う位置決めピン74を備える。
【0050】
係止片75は、図6及び図7に示すように、立壁部32の外側面であり、感光体21の中心Oからの距離R1の個所に形成された直径d1の円柱状の立設部75aと、この係止片75の先端に形成され、立設部75aの直径d1より大きな直径d2の円板状の頭部75bと、を備えて構成される。立設部75aの立壁部32から頭部75bまでの寸法h2は、第2感光体支持体70の厚さ寸法h1よりやや大きく設定され、頭部75bで第2感光体支持体70を良好な精度で固定できるものとなっている。係止片76は、係止片75と異なる角度位置で、前記OからR2の距離に形成されるほかは係止片75と同様の構成を備える。
【0051】
係合溝部72は、図6および図7に示すように、弧状の溝部72aと、この溝部72aの一端側に配置される頭部通過孔72bと、溝部72aの他端側に配置される終端円弧部72cとを備えて構成される。溝部72aは、直径方向の幅中心を半径R1、頭部通過孔72bから終端円弧部72cまでをなす弧が感光体21の中心Oを挟む角度をθ(図6中第2感光体支持体70が傾けられた角度)とした円弧状の切り込みである。
【0052】
溝部72aは、立設部75aの直径d1より大きく、頭部75bの直径より小さい幅寸法d4を備える。一方、頭部通過孔72bは、溝部72aの一端に形成され、頭部75bの直径より大きな直径d3を備える長円状の切り込みである。また、終端円弧部72cは、頭部75bの直径d2より小さく立設部75aの直径d1よりやや大きい直径d5を備える円弧状の輪郭を備える。終端円弧部72cは、立設部75aに接触して、良好な位置精度で第2感光体支持体70を固定する。
【0053】
もう一方の係合溝部73は、溝部73aの半径をR2とするほか、係合溝部72と同様の構成の溝部73a、頭部通過孔73b、終端円弧部73cを備える。これにより、図6中に示すように第2感光体支持体70を角度θだけ傾けた状態で、頭部通過孔72b、73bに係止片75、76を挿入し、そのまま第2感光体支持体70が傾きなしの状態になるように角度θだけ回転させれば、頭部75b、76bが終端円弧部72c、73cに係合して、第2感光体支持体70を支持部材30に固定できる。逆に第2感光体支持体70が支持部材30に取り付けられた状態で第2感光体支持体70を反対方向に回転させると、第2感光体支持体70と支持部材30との係合は解除され、第2感光体支持体70を感光体21と共に開口部31を通過させ、支持部材30から取り出すことができる。
【0054】
位置決めピン74は、第2感光体支持体70の支持部材30側に立設された円柱状部材である。位置決めピン74は、第2感光体支持体70が傾いた状態から、傾きなしの状態に回転させたとき、支持部材30にスライド可能に取り付けられたスライド部材80の上面82に接触してスライド部材80を押し下げ、スライド部材80に取り付けられた現像装置24を感光体21の露光位置に配置する。
【0055】
スライド部材80は、図8に示すように、支持部材30の立壁部32に開設されたスライド溝90にスライド可能に配置される。スライド部材80は、四角柱状の本体81の両側部に上側突出片83、84と下側突出片85、86とを形成した、滑り抵抗が少ない合成樹脂で構成された部材である。スライド溝90は、長方形状のスライド孔91の下部に前記下側突出片85、86の挿入部92、93が形成されるほか、スライド孔91の下端部にはコイルスプリング110を取り付ける凸部94が形成されている。コイルスプリング110は、スライド部材80を図中上方に付勢する。
【0056】
上側突出片83、84および下側突出片85、86は、スライド孔91を構成する立壁部32の厚さ寸法(図8(2)中のh1)よりやや大きい寸法(同じくh2)だけ離間して構成される。このため、スライド部材80は、下側突出片85、86をスライド溝90の挿入部92、93から挿入して、上側突出片83、84と、下側突出片85、86との間に立壁部32を挟むようにして、スライド溝90に設置できる。また、スライド部材80の上面82の上側突出片83側には、位置決めピン74による位置決めが円滑に行われるよう、傾斜面部87が形成されている。
【0057】
実施例2において、第2感光体支持体70が支持部材30に取り付けられた状態では、図6に示すように、第2感光体支持体70に形成された係合溝部72、73の溝部72a、73aに、係止片75、76の頭部75b、76bが係止し、係合溝部72、73の一端部で位置決めされている。このとき、位置決めピン74は、スライド部材80の上面82を、コイルスプリング110に抗して押圧し、LED光源23は、感光体21に対して近接した露光位置に配置される。
【0058】
感光体21を支持部材30から取り外すには、第2感光体支持体70を角度θだけ、図6中で反時計回転方向に回動させる。すると、係合溝部72、73が回動して、係止片75、76の頭部75b、76bが、係合溝部72、73の溝部72a、73aに移動する。この状態で、頭部75b、76bは、頭部通過孔72b、73bを通過できるため、第2感光体支持体70を支持部材30から取り外すことができる。
【0059】
また、第2感光体支持体70を回転させると、位置決めピン74が移動して、スライド部材80の上面82の傾斜面部87をスライドして外れる。これにより、スライド部材80は、コイルスプリング110の付勢力で、図中上方に移動し、LED光源23は、感光体21から離間した状態となる。このため、感光体21等にLED光源23が接触することなく感光体21等を開口部31から取り出すことができる。
【0060】
また、感光体21を交換して、支持部材30内に配置するときには、取り外し操作と反対の操作を行う。すなわち、第2感光体支持体70を角度θだけ傾斜させた状態として、感光体21等を支持部材30に挿入する。頭部75b、76bが頭部通過孔72b、73bを通過した状態で、第2感光体支持体70を時計回転方向に角度θだけ回転させると、係止片75、76が溝部72a、73aをスライドして、頭部通過孔72b、73bが溝部72a、73aの終端円弧部72cに接触して位置決めされ、第2感光体支持体70は、支持部材30に固定される。
【0061】
また、この回転動作により、位置決めピン74も移動して、スライド部材80の上面82に形成された傾斜面部87に接触し、コイルスプリング110の付勢力に抗してスライド部材80を押し下げる。これによりLED光源23は、感光体21に近接した露光位置に設置される。
【0062】
実施形態2によれば、感光体21の着脱時において、第2感光体支持体70を回動動作させるだけで、第2感光体支持体70が軸方向にも固定され感光体21を精度良く支持部材30に固定できる。このため、感光体21の不完全な設置を防止することができる。また、実施例2では、LED光源23は、支持部材30の内部で、小さな量だけ移動するので、画像形成装置10の上方に感光体21の交換のための部材が伸長せず、画像形成装置10を小型化することができる。
【0063】
<実施例3>
次に実施例3について説明する。図9は実施例3に係る画像形成装置の感光体と支持部材との取り付け状態を示す斜視図である。実施例3は、感光体21および、帯電装置22、クリーナー等を含む周辺機器を同時に取り出すものであり、この感光体21の取り出し、取り付けの際、スライド部材130に取り付けられたLED光源23を自動的に上下方向に移動させる。
【0064】
支持部材30には、感光体21等の周辺機器を取り出すのに十分に超える大きさの開口部31が開設されている、また、この開口部31を挟んで、2つの係合ピン141、142が立設形成されている。
【0065】
また、第2感光体支持体120は、開口部31を覆う十分に大きさの板状部材であり、感光体21を回転軸21aで回転自在に保持する。また、第2感光体支持体120は、板状の支持体本体121に、係合ピン141、142が挿入される係合孔122、123が開設されている。この係合孔122、123は、係合ピン141、142に堅く嵌め込まれ、取り付けられた第2感光体支持体120は、支持部材30に対して精度よく固定され、感光体21を所定の露光位置に配置する。また、支持体本体121には、支持部材30に向けて、先端が尖った挿入ピン124が立設配置されている。この挿入ピン124は、スライド部材130に差し込まれて、スライド部材130の位置を変更する。
【0066】
スライド部材130は、支持部材30に形成されたスライド溝140に嵌め込まれ、鉛直方向に沿ってLED光源23を図中上下方向に案内する。スライド部材130およびスライド溝140の基本的な構成は、前記実施例2で示したスライド部材80およびスライド溝90と略同一の構造を備える(図8参照)。また、スライド溝140には、コイルスプリング110が設けられており、スライド部材130を上方に向け付勢している。
【0067】
スライド部材130の本体131には、前記挿入ピン124が挿入される位置決め孔132が開設されている。また、位置決め孔132の下側には、第2感光体支持体120の支持体本体121の表面から位置決め孔132に向けて、挿入ピン124を案内する案内斜面133が形成されている。この案内斜面133は、位置決め孔132の下側において本体131の表面位置から位置決め孔132まで挿入ピン124を案内する略円錐面状の曲面であり、挿入ピン124が押しつけられると、スライド部材130を下方に移動させつつ、挿入ピン124を位置決め孔132に案内する。
【0068】
このため、第2感光体支持体120を支持部材30に近づけると(図中矢印H)、支持部材30の係合ピン141、142が係合孔122、123に嵌入されると共に、挿入ピン124がスライド部材130の案内斜面133に接触してスライド部材130を下方に押し下げていく。そして、挿入ピン124が位置決め孔132に挿入された状態で、スライド部材130は停止し、位置決めされる。これにより、LED光源23は感光体21に近接した露光位置に配置される。
【0069】
逆に、支持部材30の係合ピン141、142を係合孔122、123から抜いて第2感光体支持体120を支持部材30から取り外すと、挿入ピン124はスライド部材130の案内斜面133から離れ、スライド部材130は、コイルスプリング110で押し上げられて、LED光源23は感光体21から離間した状態となる。
【0070】
このように、実施例3によれば、第2感光体支持体120を支持部材30に取り付けるだけでLED光源23を高い位置精度で配置できる。また、第2感光体支持体120を支持部材30から取り外すと、LED光源23は、スライド部材130を介してコイルスプリング110で持ち上げられLED光源23が感光体21から離間する。このため、第2感光体支持体120を簡単かつ精度良く支持部材30に着脱でき、この動作に連動して、LED光源23を露光位置から離間位置に移動させることができる。
【0071】
従って実施形態3によれば、LED光源23は、支持部材30の内部で、小さな量だけ移動するので、画像形成装置10の上方に感光体21交換のための部材が伸長せず、画像形成装置10を小型化することができる。
【0072】
<実施例4>
次に実施例4について説明する。実施例4に係る画像形成装置は、作業者の操作側から、用紙の交換、紙詰まり処理、作像部消耗品の交換を可能としたものである。このように操作側から画像形成装置の処理を行いうることをフルフロントアクセス可能であるという。まず、フルフロントアクセスについて説明する。
【0073】
図10は一般的カラータンデム中間転写方式の画像形成装置の概略外観を示す斜視図である。このような、画像形成装置150は、箱型で6面体の形状をなしている。そして、この画像形成装置150では、操作パネル157、紙詰まり処理用の開閉パネル158、給紙用部159が手前側(操作側)に配置される他、装置本体151から左側にスライドする引き出し体152に作像装置153、154、155、156が配置される。このため、この画像形成装置150は、用紙の交換および紙詰まり処理を操作側で、感光体の交換を左側で行うため、フルフロントアクセスを実現していないこととなる。
【0074】
ここで、ユーザーがなす作業としては以下のものがある。
(1)記録媒体(用紙)の積載装置への補充
(2)記録媒体(用紙)の手差し装置への挿入または補充
(3)記録媒体(用紙)の搬送路での紙詰まり処理(ジャム処理)
(4)現像剤カートリッジ(トナーカートリッジ)の交換
(5)現像装置の交換
(6)感光体の交換
なお、中間転写体や、定着装置は、その寿命が長いので交換の頻度は低く、考慮しなくともよい場合が多い。
【0075】
例えば、画像形成装置の、記録媒体搬送路が画像形成装置の奥側にある場合は、ジャムが発生するたびに、奥側カバーを開けてジャム処理ができるよう、画像形成装置をユーザー側に動かす必要がある。さらに電源ケーブル長さに余裕がない場合は電源コードを抜くこととなるし、ジャム処理は作業性も視認性も著しく悪い状態で行うこととなる。
【0076】
さらに、A3サイズや11×17サイズの用紙に印刷ができる画像形成装置は、コストパフォーマンスの観点から、A4サイズや8.5×11サイズの幅の画像形成を行い、前記の大きいサイズの用紙を縦長方向に通過させるため、記録媒体の搬送路を図10中の左右のいずれかにする場合が多く、このため左右のいずれかの方向にジャム処理のためのカバー開閉スペースや作業スペースが必要になる。
【0077】
また、カラー印刷を行う画像形成装置にあっては、感光体が複数配置されるので、感光体の大きさが大きいこと、さらにその周囲に、光源、現像装置、感光体クリーナーを全て配置する必要があることから、感光体の配列方向に装置のサイズが大きくなってしまう。従って、前述した特許文献1のものでは、高さ寸法を抑えることができず、パソコンラックなど、高さ寸法が限られた個所に配置するには不向きである。
【0078】
また、現像剤カートリッジの交換に関してみると、ユーザーは図10に示した状態で、画像形成装置を机等の上に置いたり、棚に入れたりして設置している。そして、ユーザーは、操作側に立っているので操作性が悪く、操作側に現像剤カートリッジを引き出し、さらに鉛直方向に脱着できるようにすることが、より操作性を向上させるため要望される。
【0079】
実施例4に係る画像形成装置10は、支持部材30に複数の作像装置20Y、20C、20M、20Kを並設し、各作像装置20Y、20C、20M、20Kには、感光体21、帯電装置22、LED光源23、現像装置24、現像剤カートリッジ25を備えている。そして、画像形成装置10が手前側(操作側)に操作パネルを備えている。また、用紙トレイ14から中間転写体11まで記録媒体を搬送する用紙搬送路15を画像形成装置10操作側に配置すると共に、支持部材30を、操作側に引き出すよう構成する。また、用紙搬送路15から手差しで用紙を印刷する場合における用紙の補給及び補充を操作側から行うように構成している。
【0080】
さらに、感光体21は、帯電装置22と共に実施例1から実施例3に示したものと同様に、支持部材30を画像形成装置10から引き出した状態で感光体21軸方向に沿って抜き出すことができる。また、現像装置24及び現像剤カートリッジ25は、支持部材30を画像形成装置10から引き出した状態で、上方に向け取り外すことができる。このため、支持部材30には、側方に前述した開口部31が開設される他、上方に現像装置24及び現像剤カートリッジ25を取り出すための開口が形成される。支持部材30は、具体的には、図4に示したように、上方に大きな開口を備えた箱体として構成される。
【0081】
次に、各部材の交換状態を図面に基づいて説明する。図11から図16は各部材の交換及び補充の状態を概念的に示す断面図である。
【0082】
(1)記録媒体(用紙)の積載装置への補充
用紙トレイ14は、図11に示すように、画像形成装置10の操作側に引き出すことにより行える。この状態で用紙トレイ14に用紙Pを補充することができる。
(2)記録媒体(用紙)の手差し装置への挿入または補充
手差し印刷に際しては、図12に示すように、用紙搬送路15に配置された手差し装置18に操作側から用紙Pを挿入または補充する。
(3)記録媒体(用紙)の搬送路での紙詰まり処理(ジャム処理)
紙詰まり時には、図13に示すように、軸16を中心に操作側にカバー部材17を開き、用紙搬送路15を露出し、詰まった用紙Pを除去して紙詰まりを解消できる。
(4)現像剤カートリッジ(トナーカートリッジ)の交換
現像剤カートリッジ25を交換するに際しては、図14に示すように、支持部材30を画像形成装置10から操作側に引き出す。そして、支持部材30の上方の開口から現像剤カートリッジ25を上方に抜き取とり、新たな現像剤カートリッジ25を逆の手順で挿入する。ここで、カバー部材17には、支持部材30取り出しのため、開閉可能な開閉扉(図示してない)が設けられている。なお、図中15aは、用紙搬送路15を構成する壁部材を示している(以下同じ)。
(5)現像装置の交換
現像装置24を交換するに際しては、図15に示すように、支持部材30を画像形成装置10から操作側に引き出す。そして、支持部材30の上方の開口から現像剤カートリッジ25を上方に抜き取とり、さらに現像装置24を上方に抜き取り、新たな現像装置24を逆の手順で挿入する。
(6)感光体の交換
感光体21を交換するに際しては、図16に示すように、支持部材30を画像形成装置10から操作側に引き出して、前述した実施例1から実施例3の手順で感光体21を支持部材30の開口部31から回転軸21a方向に抜き取り(図16中矢印e、f)、新たな感光体21を逆の手順で挿入する。
【0083】
以上のように、実施例4に係る画像形成装置10では、全ての処理を画像形成装置10の操作側で行うフルフロントアクセスを実現でき、画像形成装置10の設置性、操作性を優れたものとすることができる。
【0084】
<実施例5>
実施例4では、現像装置24及び現像剤カートリッジ25を上方から取り外すものとしたが、現像装置24及び現像剤カートリッジ25は、感光体21の軸方向から取り外すようにしてもよい。このため、実施例5では、支持部材の立壁部に開設した開口部を、感光体、現像装置、現像剤カートリッジ取り出せる大きさとしている。実施例5によれば、現像装置、現像剤カートリッジ及び感光体を一度に交換することができる。また、開口部の大きさを現像装置と感光体とが取り出せる大きさとすることができる。この場合は、現像剤カートリッジを予め外しておく必要はあるものの、現像装置と感光体を一度に交換することができる。
【0085】
なお、前記各実施例では、支持部材に複数の感光体を配置した画像形成装置について説明してきたが、本発明は、単一の像担持体を備える画像形成装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0086】
10 画像形成装置
11 中間転写体
12 2次転写装置
13 定着装置
14 用紙トレイ
15 用紙搬送路
16 軸
17 カバー部材
18 装置
20 作像装置
20Y、20C、20M、20K 作像装置
21 感光体(像担持体)
21a 回転軸
22 帯電装置
23 LED光源
23a 取付部材
24 現像装置
25 現像剤カートリッジ
30 支持部材
31 開口部
32 立壁部
33 底壁
34 隔壁
35 張出フランジ
36 止め部
37 支持孔
41 第1感光体支持部材
42 第2感光体支持体
43 光源支持部材
44 第1スプリング
45 光源押圧部材
46 第2スプリング
47 光源位置決め部材
50 筐体
51 ガイド溝
60 レール
61、62、63 引き出し部材
64 ボール
70 第2感光体支持体
71 支持体本体
72、73 係合溝部
72a、73a 溝部
72b、73b 頭部通過孔
72c、73c 終端円弧部
74 位置決めピン
75、76 係止片
75a、76a 立設部
75b、76b 頭部
80 スライド部材
81 本体
82 上面
83、84 上側突出片
85、86 下側突出片
87 傾斜面部
90 スライド溝
91 スライド孔
92、93 挿入部
94 凸部
110 コイルスプリング
120 第2感光体支持体
121 支持体本体
122、123 係合孔
130 スライド部材
131 本体
132 位置決め孔
133 案内斜面
134 表面
140 スライド溝
141、142 係合ピン
150 画像形成装置
151 装置本体
152 引き出し体
153、154、155、156 作像装置
157 操作パネル
158 開閉パネル
159 給紙用部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2009−175416号公報
【特許文献2】特開2008−275805号公報
【特許文献3】特開2004−109886号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
該像担持体に近接配置され前記像担持体に潜像を形成する光源と、
少なくとも前記像担持体と前記光源とを搭載し、前記光源を前記像担持体から離間可能に保持する支持部材と、
装置本体に設置され、前記支持部材を前記像担持体の軸方向と直交する方向に沿って前記装置本体の外側に向け案内する案内部材と、
を備える画像形成装置において、
前記像担持体を、前記支持部材に像担持体保持部材を介して前記引き出し方向と直交する方向でありかつ前記像担持体の軸方向に沿う方向に着脱可能に取り付けると共に、
前記支持部材には、前記像担持体を挿通させ得る開口部を設け、
前記像担持体保持部材を、前記開口部より外側において、前記支持部材に位置決め固定するよう構成し、
前記光源には、前記像担持体の前記開口からの引き出しに先だって、前記光源を前記案内部材の内部において前記像担持体の前記支持部材の引き出し方向と直交しかつ前記像担持体の引き出し方向と直交する方向に移動させる光源移動機構を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記光源移動機構を、前記支持部材の引き出し動作、または前記像担持体の引き出し動作に連動して前記光源が移動するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の像担持体を前記支持部材に並設し、前記複数の像担持体が担持したトナー像を転写する中間転写体と、該中間転写体からトナー像を転写される記録媒体を格納した記録媒体蓄留部と、該記録媒体蓄留部から前記中間転写体まで記録媒体を搬送する記録媒体搬送路と、
を備え、
前記記録媒体搬送路を、前記画像形成装置の操作部側に配置すると共に、
前記支持部材および前記記憶媒体蓄留部を、画像形成装置の前記操作部側に引き出すよう構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記光源移動機構は、前記支持部材に摺動可能に配置されると共に、前記光源を前記像担持体から離間する方向へ移動させるスライド部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記支持部材に、現像剤を収容する現像剤収容部および前記像担持体を現像する現像装置を搭載し、
前記現像剤収容部及び前記現像装置を、前記支持部材から前記支持部材の引き出し方向と直交し、かつ前記像担持体の引き出し方向と直交する方向に着脱可能とし、
前記支持部材に、着脱される前記現像剤収容部および現像装置を通過させ得る開口部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記支持部材に、現像剤を収容する現像剤収容部および前記像担持体を現像する現像装置を搭載し、
前記像担持体と前記現像装置とを一体に構成すると共に、前記支持部材から前記像担持体の軸方向に着脱可能とし、
前記支持部材に、前記一体に構成された像担持体および現像装置が通過できる開口部を開設したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−73297(P2012−73297A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216112(P2010−216112)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】