説明

画像形成装置

【課題】原稿画像(印刷物)を読み取って入力した原稿画像データに、ユーザの所望する画像データを、画像検索することなく、容易に配置することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、原稿画像を読み取って原稿画像データを入力する原稿読取部8と、読み取った原稿画像データを解析して、原稿画像データから予め定められた置換対象文字列を抽出する画像解析部7と、制御部2とを備える。制御部2は、画像解析部7により抽出された置換対象文字列に予め決められたキーワードが含まれる場合に、キーワードに応じた画像データを画像記憶部6から取得し、置換対象文字列を含む領域を画像記憶部6から取得した画像データに置き換えて印字データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、より詳細には、原稿画像を読み取って原稿画像データを入力する原稿読取機能を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、原稿読取(スキャナ)機能、コピー機能、プリンタ機能などの複数の機能を備えたMFP(デジタル複合機:Multi Function Peripheral)が知られている。このようなMFPを用いて、各種の印刷物を作成しようとした場合、一般的には、PC(パーソナルコンピュータ)のアプリケーションソフトウェアにより文書データを作成し、この文書データをMFPで印刷することで、所望の印刷物を必要な枚数分だけ得ることができる。また、作成した文書データをPC等に保存しておけば、ユーザはいつでも同じ印刷物を得ることができる。
【0003】
上記のような画像形成装置の中には、印刷物に含まれる文字や図形を認識する機能を備えたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1に記載の画像形成装置は、原稿画像を読み取る原稿読取部と、予め数種類の文字フォント及び数種類の図形データを格納した記憶部と、原稿読取部で読み取った原稿画像データと記憶部に格納されている文字フォント及び図形データとを照合し、文字認識、図形認識を行う画像処理部とを備えて構成される。そして、画像処理部は、原稿画像データで文字認識した部分は文字フォントに置き換え、図形認識した部分は図形データに置き換えて印字データを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−58899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記印刷物として、サークル活動や各種イベントなどで用いられる連絡文書を作成する場合、イラストや写真、地図などの画像(以下、単にイラストという)を連絡文書内に配置することが広く行われている。しかしながら、連絡文書の内容に適したイラストを一から作成するのは時間がかかるため、例えば、PC等を用いて、各種のイラストを記憶している内蔵HDD、CDROM等の外部記録媒体、あるいはサーバ装置から所望のイラストを検索・取得するようにしている。この際、大量のイラストの中から所望の1つを検索するのは大変であり、手間がかかっていた。また、上記の内蔵HDD、記録媒体、あるいはサーバ装置から検索しても適当なイラストが見つからない場合もある。
【0006】
これに対して、予めキーワードを埋め込んだ原稿画像(印刷物)を作成しておき、この原稿画像をMFPで読み取って原稿画像データを入力し、原稿画像データ内のキーワードを文字認識し、キーワードに応じたイラストを原稿画像データに配置することで、上記のようなイラスト検索時の手間を軽減することが考えられる。上述の特許文献1には、原稿画像の文字や図形を認識する技術について記載されているが、これは、原稿画像を読み取った原稿画像データに対して、文字認識した部分は同じ文字フォントに置き換え、図形認識した部分は同じ図形に置き換えて、原稿画像の読み取りに伴う画質の劣化を防止することを目的としたものである。従って、上記のようなイラスト検索に適用されるものではない。
【0007】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、原稿画像(印刷物)を読み取って入力した原稿画像データに、ユーザの所望する画像データを、画像検索することなく、容易に配置することができる画像形成装置を提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、原稿画像を読み取って原稿画像データを入力する原稿読取部と、該読み取った原稿画像データを解析して、該原稿画像データから、予め定められた置換対象文字列を抽出する文字列抽出部と、該抽出した置換対象文字列に予め決められたキーワードが含まれる場合に、該キーワードに応じた画像データを取得する画像取得部と、前記置換対象文字列を含む領域を前記画像取得部により取得した画像データに置き換えて印字データを生成する画像処理部とを備えたことを特徴としたものである。
【0009】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記画像データはイラストデータまたは写真データであり、前記キーワードは前記イラストデータまたは写真データを特定するための名称であることを特徴としたものである。
【0010】
第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記イラストデータまたは写真データを少なくとも1つの名称に対応付けて記憶する画像記憶部を備え、前記画像取得部は、前記置換対象文字列に含まれる名称に応じたイラストデータまたは写真データを、前記画像記憶部から取得することを特徴としたものである。
【0011】
第4の技術手段は、第2の技術手段において、前記イラストデータまたは写真データを画像番号に対応付けて記憶する画像記憶部と、前記画像番号に対して少なくとも1つの名称が対応付けられた画像管理テーブルとを備え、前記画像取得部は、前記置換対象文字列に含まれる名称に応じた画像番号を前記画像管理テーブルから特定し、該特定した画像番号に応じたイラストデータまたは写真データを、前記画像記憶部から取得することを特徴としたものである。
【0012】
第5の技術手段は、第2の技術手段において、前記イラストデータまたは写真データを少なくとも1つの名称に対応付けて記憶するサーバ装置とネットワークを介して接続され、前記画像取得部は、前記置換対象文字列に含まれる名称に応じたイラストデータまたは写真データを、前記サーバ装置から取得することを特徴としたものである。
【0013】
第6の技術手段は、第1の技術手段において、前記画像データは地図データであり、前記キーワードは前記地図データを特定するための住所であることを特徴としたものである。
【0014】
第7の技術手段は、第6の技術手段において、前記地図データを少なくとも1つの住所に対応付けて記憶する画像記憶部を備え、前記画像取得部は、前記置換対象文字列に含まれる住所に応じた地図データを、前記画像記憶部から取得することを特徴としたものである。
【0015】
第8の技術手段は、第6の技術手段において、前記地図データを緯度経度に対応付けて記憶する画像記憶部と、前記置換対象文字列に含まれる住所を緯度経度に変換する緯度経度変換部とを備え、前記画像取得部は、前記緯度経度変換部で変換された緯度経度に応じた地図データを、前記画像記憶部から取得することを特徴としたものである。
【0016】
第9の技術手段は、第6の技術手段において、前記地図データを少なくとも1つの住所に対応付けて記憶するサーバ装置とネットワークを介して接続され、前記画像取得部は、前記置換対象文字列に含まれる住所に応じた地図データを、前記サーバ装置から取得することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、原稿画像(印刷物)を読み取って入力した原稿画像データから置換対象文字列を抽出し、この置換対象文字列に予め決められたキーワードが含まれる場合に、キーワードに応じた画像データを取得し、置換対象文字列を含む領域を取得した画像データに置き換えて印字データを生成することができるため、原稿画像データに、ユーザの所望する画像データを、画像検索することなく、容易に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に適用される原稿画像(印刷物)の一例を示す図である。
【図3】画像データに置き換え後の印刷物の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る原稿の読み取り処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図5】本発明に係る原稿画像データの解析処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図6】領域分離が行われた原稿画像データの状態の一例を模式的に示す図である。
【図7】画像管理テーブルの一例を示す図である。
【図8】イラストデータまたは写真データを画像番号に対応付けて記憶した状態の一例を模式的に示す図である。
【図9】図6の原稿画像データに対して、画像データを置換する領域を最大サイズに調整した結果の一例を示す図である。
【図10】ページ毎の解析結果テーブルの一例を示す図である。
【図11】画像データに置き換え後の印字データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の画像形成装置に係る好適な実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図で、図中、1は画像形成装置を示す。画像形成装置1は、画像形成装置1の動作を制御するCPUを含む制御部2と、各種情報を表示する表示部3a及びユーザによる操作入力を受け付ける操作部3bからなる表示操作ユニット3と、画像形成装置1を制御するためのプログラムを格納した不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)4と、ROM4に格納されたプログラムの実行領域となる揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)5と、原稿画像データ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)で構成される画像記憶部6と、原稿画像データの解析を行う画像解析部7と、原稿画像を光学的に読み取って原稿画像データを入力する原稿読取部8と、印刷用紙に印字出力する印字部9と、ネットワークNを介してサーバ装置12と接続するためのNIC部10と、画像形成装置1に電力を供給するための電源部11とを備える。
【0021】
本発明の主たる目的は、原稿画像(印刷物)を読み取って入力した原稿画像データに、ユーザの所望する画像データを、画像検索することなく、容易に配置することができるようにすることにある。このための構成として、画像形成装置1は、原稿画像を読み取って原稿画像データを入力する原稿読取部8と、読み取った原稿画像データを解析して、原稿画像データから、予め定められた置換対象文字列を抽出する文字列抽出部と、抽出した置換対象文字列に予め決められたキーワードが含まれる場合に、キーワードに応じた画像データを取得する画像取得部と、置換対象文字列を含む領域を画像取得部により取得した画像データに置き換えて印字データを生成する画像処理部とを備える。なお、文字列抽出部は画像解析部7により実現され、画像取得部及び画像処理部は画像解析部7及び制御部2により実現される。
【0022】
図2は、本発明に適用される原稿画像(印刷物)の一例を示す図で、図中、20は原稿を示す。この原稿20が原稿読取部8により読み取られ、原稿画像データとして画像形成装置1に入力される。そして、画像解析部7は、原稿画像データから、予め定められた置換対象文字列として、例えば、[置換]テニスラケットの図置換21、[置換]□□市□□町1丁目2−3の地図置換22、[置換]テニスの図置換23を抽出する。このように置換対象とする文字列の先頭に例えば[置換]を付与することで、当該文字列が文字認識により置換対象文字列であることを認識することができる。そして、これら置換対象文字列には、予め決められたキーワードとして、「テニスラケット」、「□□市□□町1丁目2−3」、「テニス」が含まれるため、制御部2は、これらのキーワードに応じた画像データを取得する。
【0023】
上記において、キーワードが「テニスラケット」、「テニス」などの名称の場合、画像データとして、イラストデータまたは写真データが名称に対応付けられて例えば画像記憶部6に記憶されている。すなわち、画像記憶部6は、イラストデータまたは写真データを少なくとも1つの名称に対応付けて記憶する。そして、制御部2は、置換対象文字列に含まれる名称に応じたイラストデータまたは写真データを、画像記憶部6から取得する。具体的には、制御部2は、「テニスラケット」及び「テニス」の名称に基づき画像記憶部6からイラストデータまたは写真データを取得し、[置換]テニスラケットの図置換21及び[置換]テニスの図置換23の文字列を含む領域を、画像記憶部6から取得したイラストデータまたは写真データに置き換える。なお、ここでいう写真データとは、デジタルカメラ等で撮影されたデータのことをいう。
【0024】
また、キーワードが「□□市□□町1丁目2−3」などの住所の場合、画像データとして、地図データが住所に対応付けられて例えば画像記憶部6に記憶されている。すなわち、画像記憶部6は、地図データを少なくとも1つの住所に対応付けて記憶する。そして、制御部2は、置換対象文字列に含まれる住所に応じた地図データを、画像記憶部6から取得する。具体的には、制御部2は、「□□市□□町1丁目2−3」の住所に基づき画像記憶部6から地図データを取得し、[置換]□□市□□町1丁目2−3の地図置換22の文字列を含む領域を、画像記憶部6から取得した地図データに置き換える。このようにして、制御部2は、置換対象文字列に含まれるキーワードに応じた画像データ、すなわち、イラストデータ、写真データ、地図データを取得し、取得した画像データが配置された印字データを生成する。
【0025】
そして、印字部9は、上記の印字データに基づき印字出力を行い、例えば、図3に示すような印刷物30を作成することができる。印刷物30には、図2の[置換]テニスラケットの図置換21を含む領域に、テニスラケットのイラスト31が印字され、図2の[置換]テニスの図置換23を含む領域に、テニスのイラスト33が印字され、さらに、図2の[置換]□□市□□町1丁目2−3の地図置換22を含む領域に、□□市□□町1丁目2−3付近の地図32が印字されている。
【0026】
以下、図4,5に基づいて、本発明による画像形成装置1の動作例について説明する。なお、画像データとキーワードの対応付けには2通りの方法が考えられる。第1の方法は、前述したように、イラストデータまたは写真データと名称(キーワード)を直接対応付けると共に、地図データと住所(キーワード)を直接対応付ける方法である。また、第2の方法は、後述の図5で説明するように、イラストデータまたは写真データと画像番号、画像番号と名称(キーワード)をそれぞれ対応付けると共に、地図データと緯度経度、緯度経度と住所(キーワード)をそれぞれ対応付ける方法である。
【0027】
図4は、本発明に係る原稿の読み取り処理の一例を説明するためのフロー図である。概略的には、ユーザにより、原稿読取部8に原稿がセットされ、操作部3bが操作されることで、原稿の読み取りが開始され、読み取られた原稿画像データは画像記憶部6に逐次格納され、原稿画像データの解析が行われる。本例では、図2に示した原稿20が原稿読取部8で読み取られるものとして説明する。“n”は読み取り原稿の枚数を示し、読み取り開始時には“n”がクリアされる(ステップS1)。そして、ユーザによる読み取り開始の指示に応じて、原稿台に載置された原稿20が読み取られると(ステップS2)、読み取られた原稿20の原稿画像データは画像記憶部6に保存され(ステップS3)、原稿枚数“n”がインクリメントされる(ステップS4)。
【0028】
次に、画像解析部7は、画像記憶部6に保存された原稿画像データの解析を行う(ステップS5)。そして、次の原稿の有無が判定され(ステップS6)、新たな読み取り原稿が有る場合には(YESの場合)、ステップS2に戻り処理を継続する。また、ステップS6において、新たな読み取り原稿が無い場合には(NOの場合)、処理を終了する。なお、本例では、1枚の原稿が読み取られ、画像解析部7での原稿画像データの解析処理が実行された後、次の原稿の読み取り、解析が順次行われるものとして説明したが、原稿の読み取り処理と解析処理とを並行して行っても構わない。
【0029】
図5は、本発明に係る原稿画像データの解析処理の一例を説明するためのフロー図である。本例では、画像データとキーワードの対応付けを前述の第2の方法によるものとして説明する。この場合、画像形成装置1は、イラストデータまたは写真データを画像番号に対応付けて記憶する画像記憶部6(図8参照)と、画像番号に対して少なくとも1つの名称(キーワード)が対応付けられた画像管理テーブル(図7参照)とを備える。画像解析部7は、置換対象文字列に含まれる名称に応じた画像番号を画像管理テーブルから特定し、制御部2は、特定した画像番号に応じたイラストデータまたは写真データを、画像記憶部6から取得する。
【0030】
また、画像形成装置1は、地図データを緯度経度に対応付けて記憶する画像記憶部6と、置換対象文字列に含まれる住所を緯度経度に変換する緯度経度変換部とを備える。制御部2は、緯度経度変換部で変換された緯度経度に応じた地図データを、画像記憶部6から取得する。なお、上記の緯度経度変換部は、制御部2あるいは画像解析部7により実現される。
【0031】
図5において、まず、画像記憶部6に保存された原稿画像データ(原稿画像データ20aという)は画像解析部7に送られ、画像解析部7は、原稿画像データ20aから文字列などの領域分離を行う(ステップS11)。図6に領域分離が行われた原稿画像データ20aの状態を模式的に示す。このように原稿画像データ20aは点線で囲まれる各領域に分離される。なお、領域分離は公知の方法を用いればよく、ここでの説明は省略する。
【0032】
そして、画像解析部7は、上記の領域分離により文字列と判定された部分について、文節単位で文字認識を行い(ステップS12)、画像データ(イラストデータ、写真データ、地図データ)を管理するための管理番号“m”がクリアされる(ステップS13)。次に、画像解析部7は、文字認識した文字例を字句解析し、置換対象文字列であるか否か、すなわち、「[置換]・・・の図置換」あるいは「[置換]・・・の地図置換」を含む文字列であるか否かを判定する(ステップS14)。なお、本例では、先頭に[置換]を有し、且つ、後半に「の図置換」あるいは「の地図置換」を有する文字列を置換対象文字列として認識するようにしているが、先頭に[置換]を有する文字列を置換対象文字列として認識するようにしてもよく、あるいは、後半の字句が「の図置換」あるいは「の地図置換」である文字列を置換対象文字列として認識するようにしてもよい。もちろん、これ以外の字句であってもよいことは言うまでもない。
【0033】
上記において、領域分離を行った場合、図6に示すように、原稿画像データ20aに含まれる文字列を領域として認識することが可能であるため、画像データに置き換える各領域、すなわち、[置換]テニスラケットの図置換21a、[置換]□□市□□町1丁目2−3の地図置換22a、[置換]テニスの図置換23aの各文字列を含む領域について、他の領域と重ならない範囲で最大サイズを求めることができる。
【0034】
次に、画像解析部7は、ステップS14における字句解析の結果、「[置換]…の図置換」を含む文字列か否かを判定し(ステップS15)、「[置換]…の図置換」を含む文字列と判定した場合(YESの場合)、その文字列を置換対象文字列と判定し、図7の画像管理テーブルに登録された名称(キーワード)を含むか否かを判定する(ステップS16)。この画像管理テーブルは、図7に示すように、イラストデータまたは写真データに割り当てられた画像番号に対して、少なくとも1つの名称(キーワード)が対応付けられたものである。例えば、画像データ名が「テニス」の画像番号100には、名称(キーワード)として、“テニス”、“庭球”が対応付けられている。他の画像番号101,102,…,200,…,210,211,…についても同様である。また、画像記憶部6は、図8に示すように、イラストデータまたは写真データを画像番号に対応付けて記憶している。
【0035】
そして、画像解析部7は、ステップS16において、置換対象文字列に、画像管理テーブルに登録された名称(キーワード)を含むと判定した場合(YESの場合)、画像管理テーブルから名称に応じた画像番号を特定する(ステップS17)。また、ステップS16において、置換対象文字列に、画像管理テーブルに登録された名称(キーワード)を含まないと判定した場合(NOの場合)、ステップS21に移行する。
【0036】
また、画像解析部7は、ステップS15において、「[置換]・・・の図置換」を含まない文字列と判定した場合(NOの場合)、「[置換]…の地図置換」を含む文字列か否かを判定する(ステップS22)。そして、「[置換]…の地図置換」を含む文字列と判定した場合(YESの場合)、その文字列を置換対象文字列と判定し、住所(キーワード)を含むか否かを判定する(ステップS23)。また、ステップS22において、「[置換]…の地図置換」を含まない文字列と判定した場合(NOの場合)、ステップS21に移行する。
【0037】
そして、画像解析部7は、ステップS23において、置換対象文字列に、住所(キーワード)を含むと判定した場合(YESの場合)、その住所を緯度経度に変換し(ステップS24)、ステップS18に移行する。また、ステップS23において、置換対象文字列に、住所(キーワード)を含まないと判定した場合(NOの場合)、ステップS21に移行する。
【0038】
次に、画像解析部7は、ステップS11における領域分離の結果に基づいて、置換する画像データの最大サイズ、すなわち、画像データを置換する領域の最大サイズを算出し(ステップS18)、管理番号“m”を1つインクリメントする(ステップS19)。このステップS18において、図6の原稿画像データ20aに対して、画像データを置換する領域([置換]テニスラケットの図置換21a、[置換]□□市□□町1丁目2−3の地図置換22a、[置換]テニスの図置換23aの各文字列を含む領域)を最大サイズに調整した結果を図9に示す。そして、画像解析部7は、上記の解析により求めた情報、すなわち、ステップS18で求めた画像置換領域(図10の開始X座標、開始Y座標、終了X座標、終了Y座標)、ステップS17及びS24で求めた画像番号/緯度経度を、図10に示すページ毎の解析結果テーブルに記憶する。なお、図9に示す文字列領域の例は、図10の画像置換領域に対応しているものとする。
【0039】
このようにして、画像解析部7は、3つの置換対象文字列([置換]テニスラケットの図置換21a、[置換]□□市□□町1丁目2−3の地図置換22a、[置換]テニスの図置換23a)についての解析結果を、n枚目用の解析結果テーブルのNo.m(nはページ数、mは管理番号、図10の例ではn=1,m=1〜3)に登録し(ステップS20)、次の文字列が存在するか否かを判定する(ステップS21)。次の文字列が存在する場合(YESの場合)、ステップS14に戻り処理を繰り返し、また、次の文字列が存在しない場合(NOの場合)、このまま終了する。
【0040】
そして、制御部2は、画像解析部7で生成された解析結果テーブル(図10)を参照し、各置換対象文字列(テニスラケットの図置換21a、□□市□□町1丁目2−3の地図置換22a、テニスの図置換23a)について、それぞれの画像番号または緯度経度に対応する画像データ(イラストデータ、写真データ、地図データ)を画像記憶部6から取得する。そして、制御部2は、解析結果テーブル(図10)の画像置換領域を超えない最大サイズに画像データのサイズを調整し、テニスラケットの図置換21a、□□市□□町1丁目2−3の地図置換22a、テニスの図置換23aを含むそれぞれの領域を、サイズ調整後の画像データに置き換えて印字データ20a′を生成する。
【0041】
図11に印字データ20a′の一例を示す。印刷物20a′には、図9の[置換]テニスラケットの図置換21aを含む領域に、テニスラケットのイラスト21a′が配置され、図9の[置換]テニスの図置換23aを含む領域に、テニスのイラスト23a′が配置され、さらに、図9の[置換]□□市□□町1丁目2−3の地図置換22aを含む領域に、□□市□□町1丁目2−3付近の地図22a′が配置されている。そして、印字部9が、この印字データ20a′を印字出力することで、ユーザは所望の印刷物を得ることができる。
【0042】
なお、上記のステップS16及びステップS23において、置換対象文字列であるが、キーワードを含まない場合には、その置換対象文字列について画像データへの置き換えが実行されないため、そのままの状態とされる。この場合、画像形成装置1の表示部3aにエラーメッセージを表示させるなどして、ユーザに通知することが望ましい。
【0043】
ここで、上記の実施形態では、画像記憶部6から画像データ(イラストデータ、写真データ、地図データ)を取得する場合について説明したが、この画像データをサーバ装置12からネットワークNを介して取得するようにしてもよい。この場合、サーバ装置12は、イラストデータまたは写真データを少なくとも1つの名称に対応付けて記憶する。画像形成装置1は、ネットワークNを介してサーバ装置12と接続され、置換対象文字列に含まれる名称に応じたイラストデータまたは写真データを、サーバ装置12から取得する。すなわち、画像形成装置1が、置換対象文字列に含まれる名称を含む問い合わせコマンドを送信し、これを受けたサーバ装置12は、問い合わせコマンドに含まれる名称に応じたイラストデータまたは写真データを抽出して、抽出したイラストデータまたは写真データを画像形成装置1に送信する。
【0044】
なお、イラストデータまたは写真データと画像番号とを対応付けている場合、サーバ装置12は、イラストデータまたは写真データを画像番号に対応付けて記憶するようにしてもよい。画像形成装置1は、置換対象文字列に含まれる名称に基づき、図7の画像管理テーブルから画像番号を特定し、特定した画像番号を含む問い合わせコマンドをサーバ装置12に送信する。これを受けたサーバ装置12は、問い合わせコマンドに含まれる画像番号に応じたイラストデータまたは写真データを抽出して、抽出したイラストデータまたは写真データを画像形成装置1に送信する。
【0045】
地図データについても同様であるが、サーバ装置12は、地図データを少なくとも1つの住所に対応付けて記憶する。画像形成装置1は、ネットワークNを介してサーバ装置12と接続され、置換対象文字列に含まれる住所に応じた地図データを、サーバ装置12から取得する。すなわち、画像形成装置1が、置換対象文字列に含まれる住所を含む問い合わせコマンドを送信し、これを受けたサーバ装置12は、問い合わせコマンドに含まれる住所に応じた地図データを抽出して、抽出した地図データを画像形成装置1に送信する。
【0046】
なお、地図データと緯度経度とを対応付けている場合、サーバ装置12は、地図データを緯度経度に対応付けて記憶するようにしてもよい。画像形成装置1は、置換対象文字列に含まれる住所を緯度経度に変換し、変換した緯度経度を含む問い合わせコマンドをサーバ装置12に送信する。これを受けたサーバ装置12は、問い合わせコマンドに含まれる緯度経度に応じた地図データを抽出して、抽出した地図データを画像形成装置1に送信する。
【0047】
このように本発明によれば、予めキーワードを埋め込んだ原稿画像(印刷物)を作成しておき、この原稿画像を画像形成装置で読み取って原稿画像データを入力し、原稿画像データ内のキーワードを文字認識し、キーワードに応じた画像データ(イラストデータ、写真データ、地図データ)を原稿画像データに配置することで、画像検索することなく、ユーザの所望する画像が配置された印刷物を得ることができる。また、キーワードに応じた画像データが自動的に原稿画像データにレイアウトされるため、ユーザが画像データのレイアウトを行う必要がなく、画像データの挿入を簡単に行うことができる。
【符号の説明】
【0048】
1…画像形成装置、2…制御部、3…表示操作ユニット、3a…表示部、3b…操作部、4…ROM、5…RAM、6…画像記憶部、7…画像解析部、8…原稿読取部、9…印字部、10…NIC部、11…電源部、12…サーバ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を読み取って原稿画像データを入力する原稿読取部と、該読み取った原稿画像データを解析して、該原稿画像データから、予め定められた置換対象文字列を抽出する文字列抽出部と、該抽出した置換対象文字列に予め決められたキーワードが含まれる場合に、該キーワードに応じた画像データを取得する画像取得部と、前記置換対象文字列を含む領域を前記画像取得部により取得した画像データに置き換えて印字データを生成する画像処理部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像データはイラストデータまたは写真データであり、前記キーワードは前記イラストデータまたは写真データを特定するための名称であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記イラストデータまたは写真データを少なくとも1つの名称に対応付けて記憶する画像記憶部を備え、前記画像取得部は、前記置換対象文字列に含まれる名称に応じたイラストデータまたは写真データを、前記画像記憶部から取得することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記イラストデータまたは写真データを画像番号に対応付けて記憶する画像記憶部と、前記画像番号に対して少なくとも1つの名称が対応付けられた画像管理テーブルとを備え、前記画像取得部は、前記置換対象文字列に含まれる名称に応じた画像番号を前記画像管理テーブルから特定し、該特定した画像番号に応じたイラストデータまたは写真データを、前記画像記憶部から取得することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記イラストデータまたは写真データを少なくとも1つの名称に対応付けて記憶するサーバ装置とネットワークを介して接続され、前記画像取得部は、前記置換対象文字列に含まれる名称に応じたイラストデータまたは写真データを、前記サーバ装置から取得することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像データは地図データであり、前記キーワードは前記地図データを特定するための住所であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記地図データを少なくとも1つの住所に対応付けて記憶する画像記憶部を備え、前記画像取得部は、前記置換対象文字列に含まれる住所に応じた地図データを、前記画像記憶部から取得することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記地図データを緯度経度に対応付けて記憶する画像記憶部と、前記置換対象文字列に含まれる住所を緯度経度に変換する緯度経度変換部とを備え、前記画像取得部は、前記緯度経度変換部で変換された緯度経度に応じた地図データを、前記画像記憶部から取得することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記地図データを少なくとも1つの住所に対応付けて記憶するサーバ装置とネットワークを介して接続され、前記画像取得部は、前記置換対象文字列に含まれる住所に応じた地図データを、前記サーバ装置から取得することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−16059(P2013−16059A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148996(P2011−148996)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】