説明

画像形成装置

【課題】エラー等の事象発生時に、当該事象発生を通知すべき最適な通知先を正確に判断可能とし、当該最適な通知先を新たな通知先として更新可能とする。
【課題を解決するための手段】画像形成装置1は、通知先情報を記憶する通知先記憶部102と、通知先情報に通知を送信するネットワーク制御部101等と、通知の対象とする事象を示す事象情報の入力をユーザーから受け付ける事象受付部103と、画像形成装置1についての動作許可情報を記憶する動作許可情報記憶部104と、上記動作許可情報に基づいて、事象受付部103に受け付けられた事象の基となる動作の実行が許可されているユーザーを特定するユーザー特定部105と、当該特定されたユーザーを、事象受付部103に受け付けられた事象が発生したときに通知が送信される通知先として通知先情報を更新する更新部106とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、エラー等の事象発生時に通知を行う通知先を設定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成動作中における紙詰まりエラー等の事象が発生した時に、予め定められた通知先に対して当該エラー発生を通知する画像形成装置が知られている。このような画像形成装置としては、下記特許文献1に示されるように、エラー解除に関するユーザーのスキルに応じた最適なエラー通知モードでエラー情報を表示するものが提案されている。また、特許文献2には、エラー発生時に当該エラーの種別に応じて適切な通知先にエラー通知を行う画像形成装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−86254号公報
【特許文献2】特開2000−335052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示される画像形成装置の場合、エラー解除所要時間を、エラー解除スキルが高いか否かの判断基準としているため、エラー解除スキルが高いユーザーであっても、エラー発生後に直ちにエラー解除を行わなければ、エラー解除スキルが高くないユーザー向けのエラー情報が表示される。すなわち、この画像形成装置では、エラー解除所要時間を、エラー解除スキルが高いか否かの判断基準としているが、エラー解除所要時間は上記のようにユーザーのスキルを判断するのに十分ではなく、エラー解除が可能な通知先を正確に判断することはできない。また、上記特許文献2に示される画像形成装置では、初期セットアップ時のインクジェットヘッドの保護シールが取られているかどうかなど、移動部材の移動異常をエラー通知の判断基準としているため、この技術を適用してエラー解除が可能な通知先を判断できる機会は限られている。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、エラー等の事象発生時に、当該事象発生を通知すべき最適な通知先を正確に判断可能とし、当該最適な通知先を新たな通知先として更新可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、事象発生時に通知が送信される通知先を示す通知先情報を記憶する通知先記憶部と、
前記通知先記憶部に記憶されている通知先情報が示す通知先に通知を送信する通知送信部と、
前記通知の対象とする事象を示す事象情報の入力をユーザーから受け付ける事象受付部と、
当該画像形成装置について実行が許可される動作の範囲を示す動作許可情報を各ユーザーについて記憶する動作許可情報記憶部と、
前記動作許可情報記憶部に記憶されている動作許可情報に基づいて、前記事象受付部に受け付けられた事象の基となる動作の実行が許可されているユーザーを特定するユーザー特定部と、
前記ユーザー特定部によって特定されたユーザーを、前記事象受付部に受け付けられた事象が発生したときに前記通知送信部により通知が送信される通知先として、前記通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新する更新部と
を備える画像形成装置である。
【0007】
この発明によれば、ユーザー特定部が、動作許可情報記憶部に記憶されている動作許可情報に基づいて、事象受付部に受け付けられた事象の基となる動作の実行が許可されているユーザーを特定し、更新部が、当該特定されたユーザーを、上記受け付けられた事象が発生したときに通知を送信する通知先として、通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新するので、ユーザーは、発生時に通知を行わせたい事象を示す事象情報を事象受付部に入力することにより、当該事象の基となる動作の実行が許可されていて当該事象の解除等に対応できる可能性が高いユーザーを的確に選択して、次回からの当該事象発生時に通知を行わせることができる。これにより、エラー等の事象発生時に当該事象発生を通知すべき最適な通知先を正確に判断でき、当該最適な通知先を新たな通知先情報として更新することが可能となる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、当該画像形成装置の操作が許可されるユーザーを認証する認証部と、
発生した事象が解消されたか否かを判定する判定部とを更に備え、
前記更新部は、前記判定部によって前記事象が解消されたと判定された場合に、前記認証部によって操作許可が認証されているユーザーを、前記事象の発生時に前記通知送信部により通知が送信される通知先として、前記通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新するものである。
【0009】
判定部によって事象が解消されたと判定された場合、この時点で認証部によって操作許可が認証されているユーザーが、当該事象に対応して解消させた可能性が高いため、この発明では、当該ユーザーをこの事象の発生時に通知が送信される通知先として更新部が通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新する。これにより、当該事象を解消できる能力を有する可能性が高いユーザーを、当該事象発生時の通知先として追加することが可能になる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置であって、前記認証部による前記ユーザーの認証が行われていない状態で、前記判定部によって前記事象が解消されたと判定されたときに、前記事象の基となる動作についてのジョブが引き続き実行されているか否かを判定するジョブ判定部と、
前記ジョブ判定部によって前記ジョブが実行中であると判定された場合に、前記ジョブの実行を指示したユーザーを検出するユーザー検出部とを更に備え、
前記更新部は、前記ユーザー検出部によって検出されたユーザーを、前記事象の発生時に前記通知送信部により通知が送信される通知先として、前記通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新するものである。
【0011】
この発明によれば、認証部による上記ユーザーの認証が行われていない状態で、判定部によって上記事象が解消されたと判定されたときに、ジョブ判定部によってジョブが実行中であると判定されると、ユーザー検出部が検出した当該ジョブの実行を指示したユーザーを、更新部が、当該事象発生時に通知を送信する通知先として通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新するので、当該事象に対応して解消させた可能性が高い上記ジョブの実行を指示したユーザーを、当該事象発生時の通知先として追加することが可能になる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置であって、事象発生時に前記通知送信部により通知が送信される通知先の追加を受け付ける通知先追加受付部を更に備え、
前記認証部による前記ユーザーの認証が行われておらず、前記判定部によって前記事象が解消されたと判定された状態で、前記通知先追加受付部に前記通知先の追加が受け付けられた場合に、前記更新部は、前記通知先追加受付部に受け付けられた通知先を、前記事象の発生時に前記通知送信部により通知が送信される通知先として、前記通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新するものである。
【0013】
この発明によれば、認証部による上記ユーザーの認証が行われていない状態で、判定部によって上記事象が解消されたと判定されている場合に、更新部は、通知先追加受付部に受け付けられた通知先を、当該事象が発生したときにおける通知を送信する通知先として通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新するので、この時点で当該画像形成装置を操作しているユーザーは、当該事象を解消させた者(ユーザー)を選択して、当該事象の発生時に通知を送信する通知先として、通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エラー等の事象発生時に、当該事象発生を通知すべき最適な通知先を正確に判断可能とし、当該最適な通知先を新たな通知先として更新が可能になる。従って、この最適な通知先に対して当該事象が発生したことを示す通知を送信することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
【図2】画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【図3】通知先情報の例を示す図である。
【図4】画像形成装置において事象発生時に送信される通知の通知先を更新する処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図5】画像形成装置において事象発生時に送信される通知の通知先を更新する処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図6】画像形成装置において事象発生時に送信するユーザー不認証時の通知先更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、例えばコピー機、プリンター、ファクシミリ、これらの機能を備える複合機等に適用することができる。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。画像形成装置1は、例えば複合機であり、装置本体11に、画像形成部12、定着装置13、給紙部14、用紙排出部15、および原稿読取部51等を備えて構成されている。
【0018】
装置本体11は、下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に設けられた連結部113とを備えている。連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に用紙排出部15を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物であり、図1においては下部本体111の左部および後部から立設され、平面視でL字状とされている。上部本体112は、連結部113の上端部に支持されている。
【0019】
下部本体111には、画像形成部12、定着装置13および給紙部14が内装されている。上部本体112には原稿読取部51が設けられている。給紙部14は、装置本体11に対して挿脱可能の給紙カセット142を有している。この給紙カセット142には記録紙Pが積層されてなる用紙束P1が収容されている。なお、本実施形態では、給紙カセット142は1段で設けられているが、2段以上設けてもよい。
【0020】
画像形成部12は、給紙部14から給紙された記録紙Pにトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成部12は、中間転写ベルト125の走行方向において上流側から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン色のトナーを用いるシアン用の画像形成ユニット12C、イエロー色のトナーを用いるイエロー用の画像形成ユニット12Yおよびブラック色のトナーを用いるブラック用の画像形成ユニット12B(以下、各画像形成ユニットを区別することなく述べる場合には、それぞれを「画像形成ユニット120」と言う)と、駆動ローラ125a(二次転写対向ローラ)等の複数のローラ間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト125と、中間転写ベルト125が駆動ローラ125aに張架される部分で中間転写ベルト125の外周面に当接する二次転写ローラ210とを備えている。
【0021】
各画像形成ユニット120は、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラ126と、ドラムクリーニング装置127とをそれぞれ一体的に備えている。
【0022】
感光体ドラム121は、その周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成する。現像装置122は、感光体ドラム121へトナーを供給する。各現像装置122には、前記トナーカートリッジからトナーが適宜補給される。
【0023】
帯電装置123は、感光体ドラム121の直下位置に設けられている。帯電装置123は、各感光体ドラム121の周面を一様に帯電させる。
【0024】
露光装置124は、感光体ドラム121の下方位置であって、帯電装置123の更に下方位置に設けられている。露光装置124は、コンピュータ等から入力された画像データや原稿読取部51が取得した画像データに基づく各色に対応したレーザ光を、帯電後の感光体ドラム121の周面に照射し、各感光体ドラム121の周面に静電潜像を形成する。露光装置124は、いわゆるレーザ露光装置であり、レーザビームを出力するレーザ光源と、当該レーザビームを感光体ドラム121表面に向けて反射させるポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム121に導くためのレンズやミラー等の光学部品を備えている。
【0025】
現像装置122は、矢印の方向へ回転する感光体ドラム121の周面の静電潜像にトナーを供給して当該トナーを積層させ、感光体ドラム121の周面に前記画像データに応じたトナー像を形成する。
【0026】
中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121の上方位置に配置されている。中間転写ベルト125は、図1における左側の駆動ローラ125aと、同図の右側の従動ローラ125bとの間に無端走行可能に張架され、下方の外周面が各感光体ドラム121の周面に当接している。従動ローラ125bは、駆動ローラ125aに対向する位置に設けられて、中間転写ベルト125の無端走行に伴って従動回転する。中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラ125aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121と同期しながら、駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間を無端走行する。
【0027】
中間転写ベルト125を挟んで各感光体ドラム121に対向する位置には、一次転写ローラ126が設けられている。この一次転写ローラ126には、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加され、一次転写ローラ126は、各感光体ドラム121の外周周面に形成された上記トナー像を中間転写ベルト125の表面に転写させる。
【0028】
駆動ローラ125aは、図略の制御部による制御の下で駆動される駆動モータ(図略)から与えられる回転駆動力により中間転写ベルト125を無端走行させる。
【0029】
主制御部100(図2)は、各色の毎に一次転写ローラ126及び画像形成ユニット120を駆動制御して、中間転写ベルト125の表面に、マゼンタ用の画像形成ユニット12Mにより形成されたマゼンタのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にシアン用の画像形成ユニット12Cにより形成されたシアンのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にイエロー用の画像形成ユニット12Yにより形成されたイエローのトナー像の転写と、最後のブラック用の画像形成ユニット12Bにより形成されたブラックのトナー像の転写とを、各色のトナー像が重なり合うように行わせ、これによりカラーのトナー像を中間転写ベルト125の表面に形成させる(中間転写(一次転写))。
【0030】
二次転写ローラ210は、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加されている。二次転写ローラ210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、給紙部14から搬送されてきた記録紙Pに転写させる。二次転写ローラ210は、中間転写ベルト125が駆動ローラ125aに張架される部分の用紙搬送路190に、中間転写ベルト125の外周面に当接させて設けられている。二次転写ローラ210は、前記トナー像が記録紙Pに二次転写されるニップ部Nを、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラ125aとの間に形成する。用紙搬送路190を搬送される記録紙Pは、ニップ部Nにおいて中間転写ベルト125と二次転写ローラ210とに押圧挟持され、ここにおいて中間転写ベルト125上のトナー像が記録紙Pに二次転写される。
【0031】
ドラムクリーニング装置127は、各感光体ドラム121の図1で左方位置に設けられ、感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去してクリーニングする。このドラムクリーニング装置127によってクリーニングされた感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために再び帯電装置123へ向かう。
【0032】
画像形成部12に対して図1での左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路190が形成されている。用紙搬送路190には、適所に搬送ローラ対192が設けられている。搬送ローラ対192は、給紙部14から繰り出された記録紙Pを、ニップ部N及び定着装置13に向けて搬送する。
【0033】
定着装置13は、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラ132と、加熱ローラ132に対向配置された加圧ローラ134とを備えている。定着装置13は、画像形成部12で転写された記録紙P上のトナー像に対し、記録紙Pが加熱ローラ132と加圧ローラ134との間の定着ニップ部を通過する間に、加熱ローラ132から熱を与えて定着処理を施す。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙Pは、定着装置13の上部から延設された排紙搬送路1904を通って、下部本体111の頂部に設けられた排出トレイ151へ向けて排出される。
【0034】
給紙部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、下部本体111内における露光装置124より下方位置に挿脱可能に装着された給紙カセット142とを備えている。
【0035】
手差しトレイ141は、下部本体111の右面の下方位置に設けられた、記録紙Pを手差し操作で画像形成部12へ向けて給紙するためのトレイである。給紙カセット142は、複数枚の記録紙Pが積層されてなる用紙束P1を収容する。給紙カセット142の上方には、ピックアップローラ143が設けられ、ピックアップローラ143は、給紙カセット142に収容された用紙束P1の最上位の記録紙Pを用紙搬送路190へ向けて繰り出す。
【0036】
用紙排出部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。用紙排出部15は、下部本体111の上面に形成された排出トレイ151を備える。排出トレイ151は、画像形成部12でトナー像が形成された記録紙Pが、定着装置13で定着処理が施された後に排出されるトレイである。
【0037】
原稿読取部51は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を読み取る読取機構163とを備えている。読取機構163は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーを用いて原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。
【0038】
次に、画像形成装置1の構成を説明する。図2は画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。図3は通知先情報の例を示す図である。
【0039】
画像形成装置1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。
【0040】
制御ユニット10は、原稿読取部51、画像処理部31、画像形成部12、操作部61、ファクシミリ通信部71、HDD(ハードディスクドライブ)81、並びに、ネットワークインタフェイス部91と接続されている。
【0041】
制御ユニット10は、上述した画像形成装置1の全体的な動作制御を司る主制御部100を備える。主制御部100は、ユーザーから操作部61又はネットワーク接続されたPC7等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナ機能、プリンター機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。
【0042】
原稿読取部51は、スキャナ機能を有し、図示しないスキャナを構成する画像照射ランプ511及びCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)センサー512を備える。画像照射ランプ511及びCCDセンサー512は、図2の読取機構163に対応するものである。原稿読取部51は、画像照射ランプ511により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサー512で受光することにより、原稿から画像を読み取る。
【0043】
画像処理部31は、原稿読取部51で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、原稿読取部51により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、予め定められた画像処理を行う。
【0044】
画像処理部31は、補正部311及び画像加工部312を備える。補正部311は、画像形成部12の画像出力プロセスデータとしての帯電装置123の出力電圧、露光装置124の露光光量、現像装置122の現像バイアス電圧、転写ローラ126の転写バイアス、二次転写ローラ210の転写バイアス等の値を調整する。画像加工部312は、例えば、原稿読取部51で読み取られた画像データに対してレベル補正、ガンマ補正等の所定の補正処理を行い、或いは、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。画像処理部31により処理された画像データは、画像メモリ32に記憶され、又は、画像形成部12或いはファクシミリ通信部71等に出力される。
【0045】
画像メモリ32は、上記原稿読取部51で読み取られた画像データ等を記憶する。
【0046】
記録紙搬送部411は、図1に示した給紙カセット142、ピックアップローラ143、及び搬送ローラ192等から構成され、給紙カセット142に収納されている記録紙を画像形成部12及び排出トレイ151まで搬送する。
【0047】
画像形成部12は、上述したように、画像形成ユニット12M、12C、12Y、12Bと、駆動ローラ125aに張架された中間転写ベルト125と、二次転写ローラ210とを備えている。画像形成部12による出力対象となる画像データは、原稿読取部51で読み取られた画像データ、LAN5及びネットワーク制御部101を介してローカルエリア内のクライアントコンピュータ等から送信されてきた画像データ等から送信されてきた画像データ等である。
【0048】
操作部61は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部及び操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部611を備えてなる。タッチパネル部及び操作キー部は、例えば、画像処理部31による画像補正処理の実行指示をユーザーから受け付ける。
【0049】
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。ファクシミリ通信部71は、例えば原稿読取部51によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
【0050】
HDD(ハードディスクドライブ)81は、原稿読取部51によって読み取られた画像データ等を記憶する。HDD81に記憶されている画像データは、画像形成装置1でき画像形等に用いられる。
【0051】
ネットワークインタフェイス部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインタフェイス部91に接続されたLAN5等を介して、ローカルエリア内の装置(PC7等)と種々のデータの送受信を行う。
【0052】
また、制御ユニット10は、更に、ネットワーク制御部101、通知先記憶部102、事象受付部103、動作許可情報記憶部104、ユーザー特定部105、更新部106、認証部107,判定部108、ジョブ判定部109、ユーザー検出部110、及び通知先追加受付部114を備えている。
【0053】
ネットワーク制御部101は、LANを通じてPC7等とのネットワーク通信を行うための制御を担当する。例えば、ネットワーク制御部101は、ネットワークインタフェイス部91を介して、PC7等からプリントジョブ等のジョブを受信し、また、PC7等に対しては、画像形成装置1において予め定められた事象が発生したときに当該事象発生を示す通知を送信する。なお、この事象とは、例えば、用紙ジャム、トナー残量無し、記録紙無し、システムエラー等のいわゆるエラーである。なお、これらは、当該事象の単なる一例に過ぎず、当該事象をこれらに限定するものではない。
【0054】
なお、当該ネットワーク制御部101及びネットワークインタフェイス部91が、通知送信部の一例となる。
【0055】
通知先記憶部102は、画像形成装置1における上記事象が発生した時に、当該事象が発生したことを示す上記通知が、ネットワーク制御部101及びネットワークインタフェイス部91により送信される通知先(例えば、ユーザー、管理者としてのユーザー、又は画像形成装置1のメンテナンス作業者等)を示す通知先情報をユーザー毎に記憶する。この通知先情報は、例えば、図3に示すように、ユーザーID(ユーザー情報)、ユーザー名、メールアドレス、IPアドレス、ユーザーが所属する部門を示す部門情報、画像形成装置1の管理権限を有する管理者又は当該管理権限を持たないユーザーのいずれであるかを示す権限情報、当該ユーザーに対して通知が送信される事象を示す事象情報等により構成される。なお、通知先情報は、図3に示すようなユーザー毎のものに限定されず、事象毎に上記通知を行う各ユーザーが設定されたものであっても構わない。
【0056】
事象受付部103は、ネットワーク制御部101及びネットワークインタフェイス部91により上記通知が送信される対象となる事象の入力をユーザーから受け付ける。ユーザーが、操作部61を操作することにより、発生時に上記通知を行わせる事象の種別(事象の名称)等を示す事象情報を入力すると、当該入力された事象情報を事象受付部103が受け付ける。
【0057】
動作許可情報記憶部104は、当該画像形成装置1が備える各動作のうち、実行が許可される動作の範囲を示す動作許可情報を各ユーザー毎に記憶する。なお、当該動作許可情報には、実行が許可されるユーザーを、画像形成装置1が備える各動作毎に記憶するものも含まれるものとする。
【0058】
ユーザー特定部105は、動作許可情報記憶部104に記憶されている上記動作許可情報に基づいて、事象受付部103に受け付けられた事象の基となる当該画像形成装置1の動作の実行が許可されているユーザーを特定する。
【0059】
更新部106は、通知先記憶部102に記憶されている通知先情報を更新する。例えば、更新部106は、ユーザー特定部105によって特定されたユーザーを、事象受付部103に受け付けられた事象が発生したときに通知を送信する通知先として、通知先記憶部102に記憶されている当該事象に対応する通知先情報に追加することで上記更新を行う。
【0060】
認証部107は、当該画像形成装置1の操作が許可されるユーザーを認証する。認証部107は、画像形成装置1の操作開始時等における各ユーザーのログイン時に、ユーザーから操作部61にユーザーID(identification)等のユーザー識別情報が入力された場合に、当該入力されたユーザー識別情報が、画像形成装置1の装置が許可されたユーザーを示す予め定められた正規のユーザー識別情報に一致するか否かを判断し、一致する場合に、当該入力されたユーザー識別情報の示すユーザーが、当該画像形成装置1の操作が許可されるユーザーであると認証する。
【0061】
判定部108は、画像形成装置1において発生した事象が解消されたか否かを判定する。判定部108は、画像形成装置1の予め定められた動作に特定の事象が発生したことを検出する。例えば、判定部108は、用紙搬送路190の一側壁側に配設された発光部と、当該発光部に対向する位置となる他方側壁部に配設されて当該発光部からの光を受光する受光部とを有する用紙検出センサー19を備える。当該受光部は、発光部からの光を受光するとHigh信号を出力し、発光部からの光を受光しないときはLow信号を出力する。用紙搬送路190において、上記予め定められた動作としてのコピー動作時に、滋養機特定の事象としての用紙ジャムが発生して、用紙検出センサー19の発光素子と受光素子との間に記録紙Pが滞留すると、受光部からは、正常搬送時よりも長期間となるLow信号が出力される。判定部108は、用紙検出センサー19から出力されるLow信号が、予め定められた時間以上となった場合に、用紙搬送路190において用紙ジャムが発生したと判断する。
【0062】
ジョブ判定部109は、認証部107による上記ユーザーの認証が行われていない状態で、判定部108によって上記事象が解消されたと判定されたときに、当該事象の基となる動作についてのジョブ(すなわち、当該事象発生時に実行しているジョブ)が引き続き実行されているか否かを判定する。
【0063】
ユーザー検出部110は、ジョブ判定部109によって上記ジョブが実行中であると判定された場合に、当該ジョブの実行を指示したユーザーを検出する。例えば、ユーザー検出部110は、当該ジョブの送信元のPC等を示すIPアドレス、又は操作部61からジョブ実行指示を入力したユーザーのユーザー情報等に基づいて、当該ジョブの実行を指示したユーザーを検出する。
【0064】
通知先追加受付部114は、事象発生時にネットワーク制御部101及びネットワークインタフェイス部91により上記通知が送信される通知先の追加をユーザーから受け付ける。ユーザーが、操作部61を操作することにより上記通知先としたいユーザーを示すユーザー名称(ユーザーの名前、ユーザーID、メールアドレス、又はユーザーのクライアントPCを示すIPアドレスのいずれか等)を入力すると、当該入力されたユーザー名称の示すユーザーが通知先追加受付部114により、上記追加される通知先として受け付けられる。
【0065】
なお、PC7は、ネットワーク制御部70と、主制御部72と、表示部73とを備える。ネットワーク制御部70は、ネットワークを通じたデータ通信を制御する。主制御部72は、PC7の全体的な動作制御を司る。表示部73は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、例えば、画像形成装置1のネットワーク制御部101及びネットワークインタフェイス部91から送信されてきた上記通知の内容が主制御部72による制御の下で表示される。
【0066】
次に、画像形成装置1において事象発生時に送信される通知の通知先を更新する処理の第1実施形態を説明する。図4は画像形成装置1において事象発生時に送信される通知の通知先を更新する処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【0067】
なお、通知先記憶部102は、各事象に対して、当該事象の発生時に上記通知が送信される通知先が初期設定されたデフォルトの通知先情報を予め記憶している。
【0068】
画像形成装置1の電源オン後、ユーザーによる操作部61等の操作により、事象発生時に送信される上記通知の通知先を更新する処理を開始する指示が当該ユーザーから入力されると(S1でYES)、主制御部100は、表示部611に、通知先を更新したい事象(事象を示す事象名称等の事象情報)の入力を促す旨のメッセージを表示させる(S2)。この事象は、例えば、上述したように、用紙ジャム、トナー残量無し、記録紙無し、システムエラー等である。
【0069】
このメッセージ表示後、ユーザーにより操作部61から、通知先を更新したい事象が入力され、事象受付部103に当該事象が受け付けられると(S3)、ユーザー特定部105が、動作許可情報記憶部104に記憶されている上記動作許可情報に基づいて、当該事象受付部103に受け付けられた事象の基となる動作の実行が許可されているユーザーの特定を試みる(S4)。例えば事象が用紙ジャムの場合、コピー動作及びプリンター動作のいずれにおいても生じ得るため、ユーザー特定部105は、当該両方の動作を上記事象の基となる動作として、これら動作の実行が許可されているユーザーの特定を試みる。
【0070】
例えば、拡張機能(表示部611の表示画面のカスタマイズ)についてユーザー毎の使用権限、ユーザーが所属する部門毎に実行可能な動作が設定されている部門制限、又は、予め定められたユーザーのみに画像形成装置1の操作を許可するユーザー認証等が画像形成装置1に設定されている場合、当該限られたユーザーにのみ動作を制限する動作制限情報が、各ユーザー毎に、上記動作許可情報として動作許可情報記憶部104に記憶されている。ユーザー特定部105は、動作許可情報が示すこのような動作制限を受けないユーザー(動作の実行が許可されたユーザー)を特定するように試みる。
【0071】
なお、S3において、ユーザーから、発生時の通知先を追加する事象(事象名称)が入力されず、事象受付部103に当該事象が受け付けられなかった場合は、ユーザー特定部105は、動作許可情報記憶部104に記憶されている各動作許可情報に基づいて、各動作許可情報が示す動作を元に発生する事象について、当該動作の実行が許可されている全てのユーザーの特定を試みる。
【0072】
そして、更新部106は、ユーザー特定部105により上記ユーザーを特定できた場合は(S4でYES)、当該特定されたユーザーを、上記S3で入力された事象の発生時に通知が行われる通知先として、当該事象に対応付けられた通知先情報(通知先記憶部102に記憶されている通知先情報)に設定登録し、これにより当該通知先情報がデフォルトの状態(後述)から更新される(S5)。
【0073】
当該一連の処理によれば、ユーザーは、通知先を追加したい事象を操作部61から事象受付部103に入力することにより、当該ユーザー所望の事象に対応できる可能性が高いユーザーと想定される、当該事象の基となる動作の実行が許可されたユーザーを的確に選択して、次回からの当該事象発生時に当該ユーザーにも通知を行うことができる。これにより、エラー等の事象発生時に、当該事象発生を通知すべき最適な通知先を正確に判断でき、当該最適な通知先への上記通知が可能になる。
【0074】
一方、ユーザー特定部105により上記ユーザーを特定できない場合(S4でNO)、すなわち、上記S3で入力された事象の基となる動作の実行が許可されたユーザーがいない場合は、更新部106は、通知先記憶部102に記憶されているデフォルトの各通知先情報が示すそれぞれの事象についての通知先を維持する(S6)。例えば、このデフォルトの通知先情報には、各事象について、(a)当該画像形成装置1のメンテナンス等を行う作業者により解除可能な事象である場合は作業者及び管理者を通知先とし、(b)管理者により解除可能な事象である場合は管理者を通知先とし、(c)ユーザー(管理者及び作業者のいずれでもない)により解除可能な事象である場合は、ユーザー及び管理者を通知先として設定されている。
【0075】
なお、上記通知先の更新処理においては、画像形成装置1の起動時又は操作時に、操作部61を介して、認証部107が操作を行おうとするユーザーに対してユーザー情報の入力認証を求めるものとし、入力されたユーザー情報に基づいて、認証部107が、当該ユーザー情報の示すユーザーが画像形成装置1の管理者であると判断した場合にのみ、上記S1乃至S6の処理を実行するようにしてもよい。
【0076】
次に、画像形成装置1において事象発生時に送信する通知の通知先更新処理の第2実施形態を説明する。図5は画像形成装置において事象発生時に送信される通知の通知先を更新する処理の第2実施形態を示すフローチャートである。画像形成装置1は、上記第1及び第2実施形態の両方を実行可能であるが、第1又は第2実施形態のいずれか一方のみを実行可能とするものであってもよい。
【0077】
画像形成装置1の動作中に、判定部108により、エラー等の事象が発生していると検出されると(S11でYES)、更新部106は、認証部107において上記ユーザー認証が済んでいるか否かを判断する(S12)。ここで、更新部106が、認証部107によるユーザー認証が行われていない(ユーザーによるログインが行われていない)と判断した場合(S12でNO)、後述するユーザー不認証時における通知先の更新処理に移る(S10)。
【0078】
また、更新部106が、認証部107によるユーザー認証が既に完了している(ユーザーログイン中)と判断した場合(S12でYES)、ジョブ判定部109が、画像形成装置1において当該事象を発生させた動作についてのジョブが引き続き実行中であるかを判定し(S13)、当該ジョブが引き続き実行されていると判定した場合は(S13でYES)、主制御部100は、当該発生している事象についての通知を行うか否かの指示の入力を促すメッセージを表示部611に表示させる(S14)。ここで、ユーザーによる操作部611の操作により当該事象についての通知を行う指示が入力されると(S15でYES)、ネットワーク制御部101及びネットワークインタフェイス部91は、通知先記憶部102に記憶されている通知先情報に基づいて、当該発生している事象の基となる動作の実行が許可されているユーザーを特定し、当該ユーザーを通知先として特定する(S16)。例えば、通知先情報として、通知の対象とする事象と、当該事象の発生時に通知を行うユーザーを示す情報として、当該ユーザーが使用するクライアントPCのネットワーク上のIPアドレスとが記憶されている場合、ネットワーク制御部101及びネットワークインタフェイス部91は、当該通知先情報に基づいて、発生している事象に対応付けて記憶されている当該IPアドレスを通知先として特定する。そして、ネットワーク制御部101及びネットワークインタフェイス部91は、当該通知先に対して、上記事象が発生していることを示す通知を送信する(S17)。例えば、特定された通知先が上記IPアドレスであり、当該IPアドレスの示すクライアントPCがPC7である場合、ネットワーク制御部101及びネットワークインタフェイス部91は、当該IPアドレスの示すPC7に対して、上記事象が発生したことを示す通知を、ネットワークを介して送信する。
【0079】
なお、S13において、ジョブ判定部109により上記ジョブが既に完了していると判定された場合には(S13でNO)、S14及びS15を行わずに、当該S16及びS17による通知が行われる。
【0080】
この(1)S17による通知後、(2)S15において、ユーザーにより当該事象についての通知を行う指示が入力されなかった場合には(S15でNO)、判定部108は、上記事象が解除されたか否かを判定する(S18)。ここで判定部108により上記事象が解除されていないと判定された場合には(S18でNO)、当該事象の発生時についての通知先を追加することなく処理が終了する。
【0081】
他方、判定部108により上記事象が既に解除されていると判定された場合には(S18でYES)、更新部106は、この時点で認証部107により認証されているユーザーを、上記事象発生時における通知先として、当該事象に対応する通知先情報に追加して更新する(S19)。
【0082】
このような処理によれば、判定部108によって上記事象が解消されたと判定された場合、この時点で認証部107によって操作許可が認証されているユーザーを、この事象の発生時に通知を送信する通知先として更新部106が通知先記憶部102に更新するため、当該事象を解消できる能力を有する可能性が高いユーザーを、当該事象発生時の通知先とすることができる。
【0083】
次に、画像形成装置1において事象発生時に送信するユーザー不認証時の通知先更新処理を説明する。図6は画像形成装置1において事象発生時に送信するユーザー不認証時の通知先更新処理を示すフローチャートである。
【0084】
図5に示した通知先更新処理において、更新部106が、認証部107によるユーザー認証が行われていないと判断した場合に(図5:S12でNO)、当該図6に示すユーザー不認証時における通知先の更新処理が開始される。
【0085】
当該ユーザー不認証時における通知先の更新処理に入ると、まず、判定部108は、上記発生した事象が解除されたか否かを判定する(S20)。ここで判定部108により上記事象が解除されていないと判定された場合には(S20でNO)、通知先を更新することなく処理が終了する。
【0086】
他方、判定部108により上記事象が既に解除されていると判定された場合には(S20でYES)、主制御部100は、当該発生している事象についての通知を行うか否かの指示の入力を促すメッセージを表示部611に表示させる(S21)。ここで、ユーザーによる操作部611の操作により当該事象についての通知を行う指示が入力されると(S22でYES)、上記図5に示した通知先更新処理における場合と同様にして、ネットワーク制御部101及びネットワークインタフェイス部91は、通知先記憶部102に記憶されている通知先情報に基づいて、当該発生している事象の基となる動作の実行が許可されているユーザーを特定して当該ユーザーを通知先とし(S23)、当該特定した通知先に対して、上記事象が発生していることを示す通知を送信する(S24)。
【0087】
続いて、ジョブ判定部109が、画像形成装置1において当該事象を発生させた動作についてのジョブ(コピー動作に関するジョブ、プリンター動作に関するジョブ、又はメール送信に関するジョブ等)が引き続き実行中であるかを判定する(S25)。ジョブ判定部109が、当該ジョブが引き続き実行されていると判定した場合は(S25でYES)、ユーザー検出部110が、当該ジョブの実行を指示したユーザーを検出する(S26)。ここで、ユーザー検出部110により当該ジョブの実行を指示したユーザーが検出できた場合は(S26でYES)、更新部106は、当該検出されたユーザーを上記事象発生時における通知先として、当該事象に対応する通知先情報に追加して、当該通知先情報を更新する(S27)。例えば、更新部106は、当該ユーザーが使用するクライアントPCのIPアドレスを、当該ユーザーを示すユーザー情報として通知先情報に追加する。
【0088】
また、(i)S22において、ユーザーによる操作部611の操作により当該事象についての通知を行う指示が入力されない場合(S22でNO)、(ii)S25において、ジョブ判定部109が、当該ジョブが既に完了していると判定した場合(S25でNO)、又は、(iii)S26において、ユーザー検出部110により当該ジョブの実行を指示したユーザーを検出できない場合は(S26でNO)、主制御部100は、表示部611に、当該事象の発生時に通知を送信する通知先としたいユーザー(ユーザー名称等のユーザー情報)の入力を促す旨のメッセージを表示させる(S28)。
【0089】
このメッセージ表示後、操作部61から、当該事象の発生時に通知が送信される通知先としたい上記ユーザーが入力され、通知先追加受付部114に当該通知先として当該ユーザーが受け付けられると(S29でYES)、更新部106は、当該入力が受け付けられたユーザーを、当該事象の発生時に通知が行われる通知先として、当該事象発生時の通知先に追加して更新する(S27)。なお、ユーザーにより、当該事象の発生時に通知を送信する通知先としてのユーザーが入力されず、通知先追加受付部114に当該通知先としてのユーザーが受け付けられない場合は(S29でNO)、更新部106による上記通知先の更新が行われることなく処理が終了する。
【0090】
これによれば、この時点で当該画像形成装置1を操作しているユーザーは、当該事象を解消したユーザーを自他問わずに選択して、当該事象の発生時に通知を送信する通知先として通知先記憶部102に更新させることができる。
【0091】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置を複合機として説明しているが、本発明に係る画像形成装置はこれに限定されない。例えば、本発明に係る画像形成装置は、コピー機、ファクシミリ装置等であっても構わない。
【0092】
なお、図1乃至図6を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0093】
1 画像形成装置
10 制御ユニット
100 主制御部
101 ネットワーク制御部
102 通知先記憶部
103 事象受付部
104 動作許可情報記憶部
105 ユーザー特定部
106 更新部
107 認証部
108 判定部
109 ジョブ判定部
110 ユーザー検出部
115 通知先追加受付部
19 用紙検出センサー
61 操作部
91 ネットワークインタフェイス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
事象発生時に通知が送信される通知先を示す通知先情報を記憶する通知先記憶部と、
前記通知先記憶部に記憶されている通知先情報が示す通知先に通知を送信する通知送信部と、
前記通知の対象とする事象を示す事象情報の入力をユーザーから受け付ける事象受付部と、
当該画像形成装置について実行が許可される動作の範囲を示す動作許可情報を各ユーザーについて記憶する動作許可情報記憶部と、
前記動作許可情報記憶部に記憶されている動作許可情報に基づいて、前記事象受付部に受け付けられた事象の基となる動作の実行が許可されているユーザーを特定するユーザー特定部と、
前記ユーザー特定部によって特定されたユーザーを、前記事象受付部に受け付けられた事象が発生したときに前記通知送信部により通知が送信される通知先として、前記通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新する更新部と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
当該画像形成装置の操作が許可されるユーザーを認証する認証部と、
発生した事象が解消されたか否かを判定する判定部とを更に備え、
前記更新部は、前記判定部によって前記事象が解消されたと判定された場合に、前記認証部によって操作許可が認証されているユーザーを、前記事象の発生時に前記通知送信部により通知が送信される通知先として、前記通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記認証部による前記ユーザーの認証が行われていない状態で、前記判定部によって前記事象が解消されたと判定されたときに、前記事象の基となる動作についてのジョブが引き続き実行されているか否かを判定するジョブ判定部と、
前記ジョブ判定部によって前記ジョブが実行中であると判定された場合に、前記ジョブの実行を指示したユーザーを検出するユーザー検出部とを更に備え、
前記更新部は、前記ユーザー検出部によって検出されたユーザーを、前記事象の発生時に前記通知送信部により通知が送信される通知先として、前記通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
事象発生時に前記通知送信部により通知が送信される通知先の追加を受け付ける通知先追加受付部を更に備え、
前記認証部による前記ユーザーの認証が行われておらず、前記判定部によって前記事象が解消されたと判定された状態で、前記通知先追加受付部に前記通知先の追加が受け付けられた場合に、前記更新部は、前記通知先追加受付部に受け付けられた通知先を、前記事象の発生時に前記通知送信部により通知が送信される通知先として、前記通知先記憶部に記憶されている通知先情報を更新する請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−28083(P2013−28083A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166104(P2011−166104)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】