説明

画像形成装置

【課題】複数備えられたモジュールのうち1つにエラーが検出された場合であっても、他のモジュールに悪影響が及ぶのを防止することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は画像読取部7や画像形成部10などの複数のモジュールと、複数のモジュール各々に設けられて対応するモジュールの動作を制御し、他のモジュールとの間で通信を行うことが可能な要素制御部と、複数のモジュールの各動作についてモジュール間の依存関係を記憶した記憶部21と、を備え、一のモジュールの要素制御部がモジュールの動作状態にエラーを検出したとき、要素制御部が記憶部21に記憶されたモジュール間の依存関係に基づいてエラーを検出したモジュールに依存する他のモジュールと通信を行ってエラーを検出したモジュールへの他のモジュールのアクセスを停止させ、エラーを検出したモジュールを再起動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンターに代表される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンターに代表される画像形成装置には一般的に、用紙を積載して収容する用紙収容部や像担持体表面にトナー像を形成する画像形成部、像担持体表面に形成されたトナー像を用紙に転写する転写部、未定着トナー像を用紙に定着させる定着部などといった画像を形成するための様々な構成要素であるモジュールが要所に配置されている。そして、用紙は搬送ローラーなどを備える用紙搬送部によってそれらのモジュール間を搬送される。
【0003】
このような画像形成装置ではモジュール個々で正常な動作を実行できないようなエラーが発生することがある。そして、そのエラーを解消して正常な動作状態にするためには、エラーが発生したモジュールを再起動させる必要がある。しかしながら、そのエラーが発生したモジュールを再起動させるために画像形成装置全体を再起動させると、正常に起動したモジュールまで電源をOFFにしなければならないといった問題が生じることが懸念されている。
【0004】
そこで、このような問題を解決すべく、正常に起動したモジュールへの電源供給に影響を与えずにエラーが発生したモジュールを再起動させる従来技術が提案され、その例を特許文献1に見ることができる。特許文献1に記載された電源制御回路はモジュールを複数備える装置においてあるモジュールの制御手段に異常が検出されたとき、異常が検出されたモジュールに対する電源供給を継続したまま、異常が検出された制御手段をリセットするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−244689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術を用いた場合、再起動(リセット)させるモジュールと他のモジュールとの依存関係を考慮せずに再起動させるので、他のモジュールの動作や画像形成装置全体の動作に悪影響が及ぶ虞がある。なお、ここで述べたモジュール間の依存関係とは、モジュール間の通信の有無や使用/被使用の関係、起動順序が予め決まっているなどといった関係である。すなわち、モジュール間の依存関係を考慮せずにモジュールを再起動させると、モジュール間の通信が突然途切れたり、使用すべきモジュールの存在が確認できなかったり、予め定められた起動順序が入れ替わってしまったりして、画像形成装置が全体として異常動作を起こすことが懸念される。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、複数備えられたモジュールのうち1つにエラーが検出された場合であっても、他のモジュールに悪影響が及ぶのを防止することができ、好適に画像形成動作を遂行することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、複数のモジュールと、前記複数のモジュール各々に設けられて対応する前記モジュールの動作を制御し、他の前記モジュールとの間で通信を行うことが可能な要素制御部と、前記複数のモジュールの各動作についてモジュール間の依存関係を記憶した記憶部と、を備え、一の前記モジュールの前記要素制御部が前記モジュールの動作状態にエラーを検出したとき、前記要素制御部が前記記憶部に記憶された前記依存関係に基づいて前記エラーを検出したモジュールに依存する他のモジュールと通信を行って前記エラーを検出したモジュールへの前記他のモジュールのアクセスを停止させ、前記エラーを検出したモジュールを再起動させることとした。
【0009】
この構成によれば、画像形成装置の1つのモジュールでエラーが検出されたとき、エラーが検出されたモジュールを再起動する前に、通信によりエラーを検出したモジュールへの他のモジュールのアクセスが適正に停止される。したがって、画像形成装置ではモジュール間の通信が突然途切れたり、使用すべきモジュールの存在が確認できなかったりするといった不具合の発生が抑制される。また、あらためてモジュール間の起動順序を設定し直すことも可能である。
【0010】
なお、ここで記述した「モジュール」とは、画像形成に係る各手順の実行や画像データの取り扱いを行う構成要素のことを意味する。後述する実施形態では、例えば画像読取部や操作パネル、露光部、画像形成部、定着部、通信部のことを「モジュール」と称しているが、このような構成要素に限定されるわけではない。
【0011】
また、ここで記述した「モジュール間の依存関係」とは、前述のようにモジュール間の通信の有無や使用/被使用の関係、起動順序が予め決まっているなどといった関係を意味する。
【0012】
また、上記構成の画像形成装置において、前記要素制御部との間で通信を行うとともに、前記複数のモジュールを利用して画像形成に係る処理を実行する主制御部を備え、一の前記モジュールの前記要素制御部が前記モジュールの動作状態にエラーを検出したときに前記エラーを検出したモジュールに対してアクセスしていた他のモジュールが存在するとき、前記主制御部が前記他のモジュールの動作を中断させてその中断時の動作状態を前記記憶部に記憶させ、前記エラーを検出したモジュールの再起動後に、前記記憶部に記憶させた前記中断時の動作状態に基づいて前記他のモジュールの動作を継続させることとした。
【0013】
この構成によれば、画像形成装置の1つのモジュールでエラーが検出された場合であっても、エラーが検出されたモジュールにアクセスしていた他のモジュールがエラー検出前後ですべての動作を実行し直す必要がない。したがって、画像形成装置ではエラー検出前の動作が無駄になったり、さらに動作時間が多く掛かったりすることが抑制される。
【0014】
また、上記構成の画像形成装置において、前記エラーを検出したモジュールにエラーが発生したことをユーザーに対して報知するための報知部を備えることとした。
【0015】
この構成によれば、画像形成装置のモジュールにエラーが発生したことがいち早くユーザーに認識される。したがって、ユーザーはモジュールに発生した不具合に対して迅速に対応することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成によれば、複数備えられたモジュールのうち1つにエラーが検出された場合であっても、他のモジュールに悪影響が及ぶのを防止することができ、好適に画像形成動作を遂行することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の模型的垂直断面正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の画像形成装置のモジュールにおけるエラー発生時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図1〜図3に基づき説明する。
【0019】
最初に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図1及び図2を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は画像形成装置の模型的垂直断面正面図、図2は画像形成装置の構成を示すブロック図である。図1中の、実線矢印は用紙の搬送経路及び搬送方向を、一点鎖線矢印はレーザ光Lを示す。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置1の本体2の内部下方には用紙収容部である給紙カセット3が配置されている。給紙カセット3はその内部に記録媒体である印刷前のカットペーパーなどの用紙Pを積載して収容している。そして、この用紙Pは図1において給紙カセット3の左上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。給紙カセット3は本体2の正面側から水平に引き出したり、収納したりすることによりその開閉が自在である。
【0021】
本体2の内部であって給紙カセット3の左方には用紙搬送部4が備えられている。用紙搬送部4は本体2の左側面に沿って略垂直に形設されている。そして、用紙搬送部4は給紙カセット3から送り出された用紙Pを受け取り、本体2の左側面に沿って垂直上方に転写部5まで搬送する。
【0022】
一方、画像形成装置1の本体2の上面には原稿搬送装置6が、その下方の本体2内には画像読取部7が搭載されている。ユーザーが原稿の複写を行う場合には、文字や図形、模様などの画像が描かれた原稿を原稿搬送装置6に積載したり、画像読取部7上面の図示しないコンタクトガラス上に載置したりする。原稿搬送装置6では1枚ずつ分離して原稿が送り出され、画像読取部7によってその画像が読み取られる。コンタクトガラス上の原稿に対しては画像読取部7内で光を走査させることによって画像が読み取られる。
【0023】
原稿画像の読み取りや印刷の開始は本体2の上部であって画像読取部7の正面側に備えられた操作パネル8を用いて実行される。さらに、操作パネル8は、例えばユーザーによる印刷に使用する用紙Pの種類やサイズ、拡大縮小、両面印刷の有無といった印刷条件などの設定を受け付けたり、エラー状態やその表示の解除を受け付けたりするための操作部としての役割を果たす。また、操作パネル8は、例えば装置の状態や注意事項、エラーメッセージなどを表示することによりそれらをユーザーに対して報知するための報知部としての役割も果たす。
【0024】
原稿の画像データの情報は後述する主制御部や画像処理部を経由して画像処理が施された後、給紙カセット3の上方であって本体2の中央部に配置された露光部9に送られる。露光部9により、画像データに基づいて制御されたレーザ光Lが画像形成部10に向かって照射される。
【0025】
用紙搬送部4の上方であって露光部9の左方には画像形成部10及び転写部5が備えられている。画像形成部10では露光部9によって照射されたレーザ光Lにより原稿画像の静電潜像が形成され、この静電潜像からトナー像が現像される。トナーは露光部9の上方に備えられたトナーコンテナー11から画像形成部10に補給される。画像形成部10で形成されたトナー像は用紙搬送部4によって同期をとって送られてきた印刷前の用紙Pに転写部5にて転写される。
【0026】
転写部5の上方には定着部12が備えられている。転写部5にて未定着トナー像を担持した用紙Pは定着部12へと送られ、熱ローラーと加圧ローラーとによりトナー像が加熱、加圧されて定着される。
【0027】
定着部12の上方には分岐部13が備えられている。定着部12から排出された用紙Pは両面印刷を行わない場合、分岐部13から画像形成装置1の上部胴内に設けられた胴内用紙排出部14に排出される。
【0028】
分岐部13から胴内用紙排出部14に向かって用紙Pが排出されるその排出口部分はスイッチバック部15としての機能を果たす。両面印刷を行う場合にはこのスイッチバック部15において定着部12から排出された用紙Pの搬送方向が切り替えられる。そして、用紙Pは分岐部13を通過し、定着部12の左方及び転写部5の左方に設けられた両面印刷用用紙搬送路16を通して下方に送られ、再度用紙搬送部4を経て転写部5へと送られる。
【0029】
また、画像形成装置1は通信回線で接続された他の装置との間で互いにデータの送受信を行うための通信部17を備えている(図2参照)。画像形成装置1は通信部17を介して、例えば電話回線を利用して通信するファクシミリ通信と、ネットワーク回線を利用して通信するネットワーク通信とを実行することができる。
【0030】
上記のように、画像形成装置1は画像読取部7や操作パネル8、露光部9、画像形成部10、定着部12、通信部17などといった画像形成に係る各手順の実行や画像データの取り扱いを行う複数のモジュールを構成要素として備えている。そして、それらモジュール各々はモジュールの動作を制御するとともに、他のモジュールとの間で通信を行うことが可能な要素制御部を備えている。図2に示すように例えば、要素制御部として各々、画像読取部7は読取制御部7aを備え、操作パネル8は操作制御部8aを備え、露光部9は露光制御部9aを備え、画像形成部10は形成制御部10aを備え、定着部12は定着制御部12aを備え、通信部17は通信制御部17aを備えている。これら要素制御部は各々図示しない一般的なCPU等を備え、このCPU等を利用して各モジュールの動作を制御したり、他のモジュールとの間や次に説明する主制御部との間で通信を行ったりしている。
【0031】
また、画像形成装置1は装置全体の動作制御のため、図2に示すようにその本体2内にCPU19やその他の図示しない電子部品で構成された主制御部18を備えている。主制御部18は中央演算処理装置であるCPU19と画像処理部20とを利用し、記憶部21等に記憶、入力されたプログラム、データに基づき画像読取部7、露光部9、画像形成部10、定着部12などといった各モジュールを利用して一連の画像形成に係る処理を実行する。このとき、主制御部18は各モジュールの要素制御部との間で通信を行い、モジュールに関する各種情報を取得したり、動作指令を指示したりする。また、主制御部18はユーザーによる画像形成装置1の動作に係る条件設定や処理入力を操作パネル8や通信部17から受け付ける。
【0032】
このような画像形成装置1では、各モジュールに対して動作指令を指示したときに、モジュール個々において正常な動作を実行できないようなエラーが発生することがある。このエラーとしては例えば、画像読取部7においてスキャン動作が実行できなかったり、画像データの読み込みができなかったり、画像形成部10において感光体ドラム等が駆動できなかったりするといった不具合を意味する。画像形成装置1はそのエラーを解消して正常な動作状態にするためにエラーが発生したモジュールを再起動させる。
【0033】
続いて、画像形成装置1において画像形成に係る各種処理を実行するにあたって、モジュールでエラーが発生したときの動作について、図3に示すフローに沿って説明する。図3は画像形成装置1のモジュールにおけるエラー発生時の動作を示すフローチャートである。
【0034】
画像形成装置1は電源が投入されると(図3のスタート)、操作パネル8や通信部17からユーザーによる処理入力を受け付ける(図3のステップ#101)。そして、主制御部18は受け付けた処理に対応して例えば画像読取部7や露光部9などといったモジュールとの通信を行い、動作指令の指示を送る(ステップ#102)。
【0035】
次に、各モジュールでは要素制御部がモジュールの動作状態にエラーを検出したか否かが判定される(ステップ#103)。各モジュールの要素制御部がエラーを検出しなかったとき(ステップ#103のNo)、画像形成装置1では通常通りの処理が実行される(ステップ#104)。そして、画像形成装置1はモジュールにおけるエラー発生時の動作フローを終了する(図3のエンド)。
【0036】
一方、ステップ#103において各モジュールの要素制御部がエラーを検出したとき(ステップ#103のYes)、要素制御部は記憶部21に記憶されたモジュール間の依存関係に基づいてエラーを検出したモジュールに依存する他のモジュールと通信を行ってエラーを検出したモジュールへの他のモジュールのアクセスを停止させる(ステップ#105)。ここで、上記モジュール間の依存関係とは、モジュール間の通信の有無や使用/被使用の関係、起動順序が予め決まっているなどといった複数のモジュールの各動作について必要な関係であって、記憶部21に予め記憶されている。
【0037】
また、主制御部18はモジュールでエラーが検出されたときにエラーを検出したそのモジュールに対してアクセスしていた他のモジュールが存在するか否かを判定する(ステップ#106)。そして、エラー検出時にエラーを検出したモジュールに対してアクセスしていた他のモジュールが存在するとき(ステップ#106のYes)、主制御部18はアクセスしていた他のモジュールと通信を行い、動作を中断させる指示を送る(ステップ#107)。続いて、主制御部18は動作を中断させたモジュールの中断時の動作状態を記憶部21に記憶させる(ステップ#108)。また、ステップ#106においてエラー検出時にエラーを検出したモジュールに対してアクセスしていた他のモジュールが存在しないとき(ステップ#106のNo)、ステップ#109に進む。
【0038】
なお、エラーを検出したモジュールの再起動後、主制御部18は記憶部21に記憶させた上記中断時の動作状態に基づいて動作を中断させたモジュールの動作を継続させる。
【0039】
次に、主制御部18は操作パネル8を用いて、エラーを検出したモジュールにエラーが発生したことをユーザーに対して報知する(ステップ#109)。続いて、エラーを検出したモジュールが再起動を実行する(ステップ#110)。そして、画像形成装置1はモジュールにおけるエラー発生時の動作フローを終了する(図3のエンド)。
【0040】
上記のように、画像形成装置1は、1つのモジュールの要素制御部がモジュールの動作状態にエラーを検出したとき、要素制御部が記憶部21に記憶されたモジュール間の依存関係に基づいてエラーを検出したモジュールに依存する他のモジュールと通信を行ってエラーを検出したモジュールへの他のモジュールのアクセスを停止させ、エラーを検出したモジュールを再起動させる。これにより、画像形成装置1の1つのモジュールでエラーが検出されたとき、エラーが検出されたモジュールを再起動する前に、通信によりエラーを検出したモジュールへの他のモジュールのアクセスが適正に停止される。したがって、画像形成装置1はモジュール間の通信が突然途切れたり、使用すべきモジュールの存在が確認できなかったりするといった不具合の発生を抑制することができる。また、あらためてモジュール間の起動順序を設定し直すことも可能である。
【0041】
また、画像形成装置1は、1つのモジュールの要素制御部がモジュールの動作状態にエラーを検出したときにエラーを検出したモジュールに対してアクセスしていた他のモジュールが存在するとき、主制御部18が他のモジュールの動作を中断させてその中断時の動作状態を記憶部21に記憶させ、エラーを検出したモジュールの再起動後に、記憶部21に記憶させた中断時の動作状態に基づいて他のモジュールの動作を継続させる。これにより、画像形成装置1の1つのモジュールでエラーが検出された場合であっても、エラーが検出されたモジュールにアクセスしていた他のモジュールがエラー検出前後ですべての動作を実行し直す必要がない。したがって、画像形成装置1はエラー検出前の動作が無駄になったり、さらに動作時間が多く掛かったりすることを抑制することが可能である。
【0042】
さらに、画像形成装置1はエラーを検出したモジュールにエラーが発生したことをユーザーに対して報知するための報知部である操作パネル8を備えているので、画像形成装置1のモジュールにエラーが発生したことがいち早くユーザーに認識される。したがって、ユーザーはモジュールに発生した不具合に対して迅速に対応することができる。
【0043】
そして、上記実施形態の構成によれば、複数備えられたモジュールのうち1つにエラーが検出された場合であっても、他のモジュールに悪影響が及ぶのを防止することができ、好適に画像形成動作を遂行することが可能な画像形成装置1を提供することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0045】
例えば、上記実施形態では、複数のモジュールとして画像読取部7や操作パネル8、露光部9、画像形成部10、定着部12、通信部17を例に掲げて説明したが、発明の対象となるモジュールがこれらの構成要素に限定されるわけではなく、他の構成要素であっても構わない。
【0046】
また、上記実施形態では、画像形成装置1としてブラックトナーのみを使用したモノクロ印刷用の画像形成装置を例に掲げて説明したが、発明の適用対象となる画像形成装置はこのような機種に限定されるわけではなく、中間転写ベルトを備え、複数色を重ね合わせて画像形成することが可能なタンデム方式、或いはロータリー方式のカラー印刷用画像形成装置などであっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、画像形成装置全般において利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置
2 本体
7 画像読取部(モジュール)
7a 読取制御部(要素制御部)
8 操作パネル(モジュール、報知部)
8a 操作制御部(要素制御部)
9 露光部(モジュール)
9a 露光制御部(要素制御部)
10 画像形成部(モジュール)
10a 形成制御部(要素制御部)
12 定着部(モジュール)
12a 定着制御部(要素制御部)
17 通信部(モジュール)
17a 通信制御部(要素制御部)
18 主制御部
21 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモジュールと、
前記複数のモジュール各々に設けられて対応する前記モジュールの動作を制御し、他の前記モジュールとの間で通信を行うことが可能な要素制御部と、
前記複数のモジュールの各動作についてモジュール間の依存関係を記憶した記憶部と、
を備え、
一の前記モジュールの前記要素制御部が前記モジュールの動作状態にエラーを検出したとき、前記要素制御部が前記記憶部に記憶された前記依存関係に基づいて前記エラーを検出したモジュールに依存する他のモジュールと通信を行って前記エラーを検出したモジュールへの前記他のモジュールのアクセスを停止させ、前記エラーを検出したモジュールを再起動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記要素制御部との間で通信を行うとともに、前記複数のモジュールを利用して画像形成に係る処理を実行するための主制御部を備え、
一の前記モジュールの前記要素制御部が前記モジュールの動作状態にエラーを検出したときに前記エラーを検出したモジュールに対してアクセスしていた他のモジュールが存在するとき、前記主制御部が前記他のモジュールの動作を中断させてその中断時の動作状態を前記記憶部に記憶させ、前記エラーを検出したモジュールの再起動後に、前記記憶部に記憶させた前記中断時の動作状態に基づいて前記他のモジュールの動作を継続させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記エラーを検出したモジュールにエラーが発生したことをユーザーに対して報知するための報知部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−29659(P2013−29659A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165454(P2011−165454)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】