説明

画像形成装置

【課題】より高画質な画像を記録媒体上に形成可能な画像形成装置を得る。
【解決手段】画像形成装置は、中間転写体53と、転写部U2と、中間転写体53に対向配置され、転写部U2よりもトナー像Tの移動方向上流において中間転写体53に保持されるトナー像Tにプリウェット液22を塗布する塗布機構20とを備える。塗布機構20は、プリウェット液22が供給される塗布体24を含む。塗布体24は、プリウェット液22が中間転写体53の表面に接触するように配置される。中間転写体53および塗布体24は、各々の表面が互いに略同一の速度で移動する。プリウェット液22は、中間転写体53上のトナー像Tとの接触によってトナー像Tに塗布される。トナー像Tにプリウェット液22が塗布される際、中間転写体53と塗布体24との間に形成された電位差によってトナー像Tは中間転写体53に押し付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー粒子がキャリア液中に分散された現像液を用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2000−019849号公報(特許文献1)、特開平04−001687号公報(特許文献2)、特開平07−271107号公報(特許文献3)、および、特開平08−152788号公報(特許文献4)に開示されるように、現像液(液体現像剤ともいう)を用いる画像形成装置(湿式画像形成装置ともいう)が知られている。
【0003】
このような画像形成装置に用いられる現像液は、キャリア液と、このキャリア液中に分散されたトナー粒子とを含む。一方、乾式電子写真方式を採用する画像形成装置(乾式画像形成装置)においては、トナー粒子がそのままの状態で用いられる。
【0004】
現像液を用いる画像形成装置は、乾式画像形成装置に比べて、より小さな粒径を有するトナー粒子を用いることができる。より小さな粒径を有するトナー粒子によって、画像の細かな部分まで表現される。現像液を用いる画像形成装置によれば、高画質な画像を記録媒体上に形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−019849号公報
【特許文献2】特開平04−001687号公報
【特許文献3】特開平07−271107号公報
【特許文献4】特開平08−152788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1〜4に開示される画像形成装置においては、プリウェット液を用いることによって、高画質な画像を記録媒体上に形成することが図られている。
【0007】
本発明は、現像液を用いる画像形成装置であって、より高画質な画像を記録媒体上に形成することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に基づく画像形成装置は、トナー粒子がキャリア液中に分散された現像液を用いて記録媒体に対して画像を形成する画像形成装置であって、上記現像液からトナー像を形成する現像装置と、上記トナー像を保持しつつ上記トナー像を移動させる像担持体と、上記像担持体の表面と上記像担持体の表面に沿って移動する被転写部材の表面との間に形成され、上記像担持体に保持される上記トナー像が上記被転写部材に転写される第1転写部と、上記像担持体の表面に対向するように配置され、上記第1転写部よりも上記トナー像の移動方向上流側において上記像担持体に保持される上記トナー像に対して第1プリウェット液を塗布する第1塗布機構と、を備え、上記第1塗布機構は、表面に上記第1プリウェット液が供給される第1塗布体と、上記像担持体の表面と上記第1塗布体の表面との間に第1電位差を形成する第1電位差形成装置と、を含み、上記第1塗布体は、上記第1塗布体の表面に供給された上記第1プリウェット液が上記像担持体の表面に接触するように配置され、上記像担持体および上記第1塗布体は、上記像担持体の表面と上記第1塗布体の表面とが互いに略同一の速度で移動するように駆動され、上記第1プリウェット液は、上記第1プリウェット液と上記像担持体に保持される上記トナー像との相互の接触によって、上記像担持体に保持される上記トナー像に対して塗布され、上記像担持体に保持される上記トナー像に上記第1プリウェット液が塗布される際、上記像担持体に保持される上記トナー像は、上記第1電位差によって上記像担持体の表面に押し付けられている。
【0009】
好ましくは、上記第1塗布機構は、上記第1プリウェット液の量を調節した上で、上記第1転写部よりも上記トナー像の移動方向上流側において上記像担持体に保持される上記トナー像に対して上記第1プリウェット液を塗布する。
【0010】
好ましくは、上記第1塗布機構は、上記記録媒体の種類に応じて上記第1プリウェット液の量を調節する。好ましくは、上記第1プリウェット液は、上記キャリア液と同一の材質である。好ましくは、上記像担持体は、上記現像装置に対向するように配置された感光体である。
【0011】
好ましくは、上記被転写部材は、上記感光体に対向するように配置された中間転写体であり、上記中間転写体の表面と上記中間転写体の表面に沿って移動する上記記録媒体の表面との間に形成され、上記中間転写体に保持される上記トナー像が上記記録媒体に転写される第2転写部と、上記中間転写体の表面に対向するように配置され、上記第2転写部よりも上記トナー像の移動方向上流側において上記中間転写体に保持される上記トナー像に対して第2プリウェット液を塗布する第2塗布機構と、をさらに備え、上記第2塗布機構は、表面に上記第2プリウェット液が供給される第2塗布体と、上記中間転写体の表面と上記第2塗布体の表面との間に第2電位差を形成する第2電位差形成装置と、を含み、上記第2塗布体は、上記第2塗布体の表面に供給された上記第2プリウェット液が上記中間転写体の表面に接触するように配置され、上記中間転写体および上記第2塗布体は、上記中間転写体の表面と上記第2塗布体の表面とが互いに略同一の速度で移動するように駆動され、上記第2プリウェット液は、上記第2プリウェット液と上記中間転写体に保持される上記トナー像との相互の接触によって、上記中間転写体に保持される上記トナー像に対して塗布され、上記中間転写体に保持される上記トナー像に上記第2プリウェット液が塗布される際、上記中間転写体に保持される上記トナー像は、上記第2電位差によって上記中間転写体の表面に押し付けられている。
【0012】
好ましくは、上記像担持体は、中間転写体であり、上記現像装置および上記中間転写体の双方に対向するように配置された感光体と、上記感光体の表面と上記中間転写体の表面との間に形成され、上記感光体に保持される上記トナー像が上記中間転写体に転写される第2転写部と、上記中間転写体の表面に対向するように配置され、上記第2転写部よりも上記中間転写体の表面の移動方向上流側において上記中間転写体の表面に対して第3プリウェット液を塗布する第3塗布機構と、をさらに備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、現像液を用いる画像形成装置であって、より高画質な画像を記録媒体上に形成することが可能な画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】現像液を用いる一般的な画像形成装置を示す模式図である。
【図2】図1中の画像形成装置における転写部の近傍を拡大して示す模式図である。
【図3】トナー像が均一に転写された記録媒体を示す平面図である。
【図4】トナー像が不均一に転写された記録媒体を示す平面図である。
【図5】現像液を用いる一般的な画像形成装置の改善例を示す模式図である。
【図6】現像液を用いる他の一般的な画像形成装置を示す模式図である。
【図7】図6中の画像形成装置における転写部の近傍を拡大して示す模式図である。
【図8】現像液を用いる他の一般的な画像形成装置の改善例を示す模式図である。
【図9】実施の形態1における画像形成装置を示す模式図である。
【図10】実施の形態1における画像形成装置に用いられる画像形成部を示す模式図である。
【図11】実施の形態2における画像形成装置に用いられる画像形成部を示す模式図である。
【図12】実施の形態3における画像形成装置に用いられる画像形成部を示す模式図である。
【図13】実施の形態4における画像形成装置に用いられる画像形成部を示す模式図である。
【図14】実施の形態5における画像形成装置に用いられる画像形成部を示す模式図である。
【図15】実施の形態6における画像形成装置に用いられる画像形成部を部分的に示す模式図である。
【図16】実施の形態7における画像形成装置に用いられる画像形成部を部分的に示す模式図である。
【図17】実施の形態8における画像形成装置に用いられる画像形成部を部分的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[参考技術]
本発明に基づいた各実施の形態について説明する前に、本発明に関する一般的な参考技術について説明する。参考技術の説明において、同一部品および相当部品に対しては、同一の参照番号が付され、重複する説明は繰り返されない場合がある。
【0016】
現像液を用いる画像形成装置においては、いわゆる湿式電子写真方式の現像方法が使用される。冒頭に述べたように、現像液は、液体(キャリア液)中にトナー粒子が分散されることによって形成される。湿式電子写真方式の現像方法には、直接転写方式と中間転写方式とが含まれる。
【0017】
(直接転写方式)
直接転写方式においては、感光体の表面に担持される静電潜像が、現像液によって現像される。静電潜像が感光体の表面において現像されることによって、静電潜像はトナー像を形成する。感光体の表面に形成されたトナー像は、記録用紙などの記録媒体に転写される。記録媒体に転写されたトナー像は、加熱および加圧によって、記録媒体の表面に定着される。直接転写方式においては、以上のようにして、画像形成装置からの出力物を得ることができる。
【0018】
(中間転写方式)
中間転写方式においては、中間転写体が用いられる。感光体の表面に形成されたトナー像は、記録媒体に転写される前に、中間転写体に一旦転写される。トナー像は、中間転写体から記録用紙などの記録媒体に転写される。記録媒体に転写されたトナー像は、加熱および加圧によって、記録媒体の表面に定着される。中間転写方式においては、以上のようにして、画像形成装置からの出力物を得ることができる。
【0019】
直接転写方式および中間転写方式の双方において、トナー像が転写される際には、現像液中のトナー粒子が帯電される。トナー粒子が帯電されることによって、電気的な力によってトナー粒子が転写される。
【0020】
感光体から中間転写体にトナー像を転写させる際には、感光体および中間転写体の双方または一方に、電源装置が設けられる。感光体および中間転写体の間に電位差(転写電界)が形成されることによって、トナー粒子が移動する。
【0021】
像担持体(感光体または中間転写体)から記録用紙などの記録媒体にトナー像を転写させる際には、記録用紙などの記録媒体を挟んで像担持体と対向するように転写部材が設けられる。像担持体および転写部材の双方または一方に、電源装置が設けられる。像担持体および転写部材の間に電位差(転写電界)が形成されることによって、トナー粒子が移動する。
【0022】
ここで、より高画質な画像を記録媒体上に形成するためには、転写の過程において、トナー像に乱れが生じないようにトナー像を良好に転写する必要がある。湿式電子写真方式(直接転写方式および中間転写方式を含む)を採用する画像形成装置においては、現像液を用いるため、転写の過程においてトナー像に乱れが生じ易い。以下、その理由について説明する。
【0023】
(画像形成装置100)
図1は、現像液を用いる一般的な画像形成装置100を示す模式図である。画像形成装置100においては、矢印A1方向に回転する転写部材1と矢印A2方向に回転する像担持体2とが、互いに対向するように配置される。画像形成装置100における像担持体2は、感光体または中間転写体である。像担持体2は、トナー像T(T1)を担持している。転写部材1および像担持体2の間には、転写電界(図示せず)が形成される。転写部材1および像担持体2の間には、ニップ部分を含む転写部Qが形成される。
【0024】
記録用紙などの記録媒体Pは、転写部Qを通過するように搬送方向ARに沿って搬送される。トナー像T(T1)は、転写部Qにおける転写電界の作用によって、像担持体2(感光体または中間転写体)から記録媒体Pに転写される。記録媒体Pの表面には、トナー像T(T2)が形成される。
【0025】
図2は、図1中の画像形成装置100における転写部Qの近傍を拡大して示す模式図である。上述のとおり、像担持体2に担持されたトナー像T(T1)を記録媒体Pに向かって移動(転写)させるために、転写部材1と像担持体2との間には転写電界が形成される。
【0026】
転写電界によって、トナー像T(T1)を形成するトナー粒子に対して電気的な力が付与される。この電気的な力は、トナー粒子を像担持体2から記録媒体Pに移動(転写)させようとする方向に作用する。トナー粒子が記録媒体P上に移動することによって、記録媒体P上に所定の画像が形成される。
【0027】
ここで、転写部材1と像担持体2との間に形成される転写電界は、ニップ部分N(トナー像Tと記録媒体Pとが密着する部分)だけでなく、ニップ部分Nの上流側の領域Eにも作用する。すなわち、転写部材1と像担持体2との間に形成される転写電界は、ニップ部分Nだけでなく、所定の幅を有する領域Rに作用する。
【0028】
ニップ部分Nの上流側(領域E)においては、ニップ部分Nとは異なり、トナー像T(T1)を形成するトナー粒子は、像担持体2の表面に拘束されていない。ニップ部分Nの上流側の領域Eにトナー粒子が進入すると、領域Eにおける転写電界の作用によって、トナー粒子はキャリア液Cの中を動き始める。
【0029】
像担持体2の表面に位置するキャリア液Cの液面と記録媒体Pの表面との間に隙間が存在している場合、像担持体2が回転したとしてもトナー粒子は所定の位置に正しく移動しにくくなり、像担持体2の表面方向にも動いてしまう。
【0030】
トナー粒子は局所的に集まりやすくなり、像担持体2の回転に伴って本来移動するべき部分にトナー粒子は移動しないことになる。その結果、局所的にトナー粒子が集まった状態でトナー像T(T1)は記録媒体Pに転写されることとなる。
【0031】
図3は、トナー像が均一に転写された記録媒体Pを示す平面図である。図4は、トナー像が不均一に転写された記録媒体Pを示す平面図である。図3および図4を比較して、局所的にトナー粒子が集まった状態でトナー像が記録媒体Pに転写された場合、図4に示すように、白地部分が多くなって画像濃度の低下といった画像乱れが生じる。画像乱れが生じると、高画質な画像を記録媒体P上に形成することは困難となる。
【0032】
図5を参照して、このような画像乱れの発生を抑制するためには、トナー像T(T1)が記録媒体Pに転写される際に、ニップ部分Nの上流側において予め液体(キャリア液C)の量を通常よりも多い状態にしておくという対策が考えられる。図5に示すキャリア液Cの量H2は、図2に示すキャリア液Cの量H1よりも多い。
【0033】
像担持体2の表面に多く保持された液体(キャリア液C)は、ニップ部分Nに入りきらずに、ニップ部分Nの上流に溜まる。ニップ部分Nの上流側におけるニップ部分Nの近傍には、液体(キャリア液C)によって、液溜まりDが形成される。
【0034】
領域E(トナー粒子がニップ部分Nの上流側において転写電界から影響を受ける領域)を含むように液溜まりDが形成されることによって、トナー粒子が局所的に集まって移動することは抑制される。トナー粒子は、像担持体2の回転に伴って移動するべき所定の位置へと移動することが可能になる。その結果、上記のような画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すような記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0035】
(画像形成装置101)
図1および図2においては、像担持体2(感光体または中間転写体)から記録媒体Pにトナー像が転写される際に生じる画像乱れについて説明した。この画像乱れについては、像担持体2(感光体)から中間転写体にトナー像が転写される際にも生じ得る。
【0036】
図6は、現像液を用いる他の一般的な画像形成装置101を示す模式図である。画像形成装置101においては、矢印A3方向に回転する中間転写体3と矢印A2方向に回転する像担持体2とが、互いに対向するように配置される。画像形成装置101においては、像担持体2は感光体である。
【0037】
中間転写体3および像担持体2の間には、転写電界(図示せず)が形成される。中間転写体3および像担持体2の間には、ニップ部分を含む転写部Sが形成される。像担持体2によって担持されるトナー像T(T1)は、転写部Sにおける転写電界の作用によって、像担持体2から中間転写体3に転写される。中間転写体3の表面には、トナー像T(T2)が形成される。
【0038】
図7は、図6中の画像形成装置101における転写部Sの近傍を拡大して示す模式図である。上述のとおり、像担持体2に担持されたトナー像T(T1)を中間転写体3に向かって移動(転写)させるために、中間転写体3と像担持体2との間に転写電界が形成される。
【0039】
転写電界によって、トナー像T(T1)を形成するトナー粒子に対して電気的な力が付与される。この電気的な力は、トナー粒子を像担持体2から中間転写体3に移動(転写)させようとする方向に作用する。トナー粒子が中間転写体3上に移動することによって、中間転写体3上においてトナー像T(T2)が形成される。
【0040】
上述の画像形成装置100(図1参照)の場合と同様に、中間転写体3と像担持体2との間に形成される転写電界は、ニップ部分N(トナー像Tと中間転写体3とが密着する部分)だけでなく、ニップ部分Nの上流側の領域Eにも作用する。中間転写体3と像担持体2との間に形成される転写電界は、ニップ部分Nだけでなく、所定の幅を有する領域Rに作用する。
【0041】
ニップ部分Nの上流側(領域E)においては、ニップ部分Nとは異なり、トナー像T(T1)を形成するトナー粒子は、像担持体2の表面に拘束されていない。ニップ部分Nの上流側の領域Eにトナー粒子が進入すると、領域Eにおける転写電界の作用によって、トナー粒子はキャリア液Cの中を動き始める。
【0042】
像担持体2の表面に位置するキャリア液Cの液面と中間転写体3の表面との間に隙間が存在している場合、像担持体2が回転したとしてもトナー粒子は所定の位置に正しく移動しにくくなり、像担持体2の表面方向にも動いてしまう。
【0043】
トナー粒子は局所的に集まりやすくなり、像担持体2の回転に伴って本来移動するべき部分にトナー粒子は移動しないことになる。その結果、局所的にトナー粒子が集まった状態で、トナー像T(T1)は中間転写体3に転写されることとなる。最終的に記録媒体上に画像が形成された際、記録媒体においては画像濃度の低下といった画像乱れが生じることとなる。高画質な画像を記録媒体上に形成することは困難となる。
【0044】
図8を参照して、このような画像乱れの発生を抑制するためには、次のような対策が考えられる。図5を参照して上述した場合と同様に、トナー像T(T1)が中間転写体3に転写される際に、ニップ部分Nの上流側において予め液体(キャリア液C)の量を通常よりも多い状態にする。図8に示すキャリア液Cの量H4は、図7に示すキャリア液Cの量H3よりも多い。
【0045】
像担持体2の表面に多く保持された液体(キャリア液C)は、ニップ部分Nに入りきらずに、ニップ部分Nの上流に溜まる。ニップ部分Nの上流側におけるニップ部分Nの近傍には、液体(キャリア液C)によって、液溜まりDが形成される。
【0046】
領域E(トナー粒子がニップ部分Nの上流側において転写電界から影響を受ける領域)を含むように液溜まりDが形成されることによって、トナー粒子が局所的に集まって移動することは抑制される。トナー粒子は、像担持体2の回転に伴って移動するべき所定の位置へと移動することが可能になる。その結果、上記のような画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すような記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0047】
図5に示す態様および図8に示す態様のように、ニップ部分Nの上流において液体(プリウェット液)を多く保持しておく手段としては、たとえば特開2000−019849(特許文献1)に示される構成が考えられる。この構成においては、記録用紙にトナー像が転写される前に、記録用紙に対してキャリア液が塗布(プリウェット)される。
【0048】
しかしながら、記録用紙にキャリア液を塗布した場合には、転写前にキャリア液が記録用紙に吸収される。プリウェットされるキャリア液としては、ニップ部分の上流におけるニップ部分の近傍において上述のような液溜まりを形成するために必要な量に加えて、記録用紙に吸収される分の量が必要とある。したがって、記録用紙にトナー像が転写される前に、記録用紙に対してキャリア液が塗布(プリウェット)されることは効率的ではない。
【0049】
一方、特開平04−001687(特許文献2)の構成においては、記録用紙に対してキャリア液は塗布(プリウェット)されない。この構成においては、スリットから像担持体(感光体または中間転写体)に向かってキャリア液が流される。キャリア液は、ブレードによって液溜まりが形成された状態で、記録用紙にトナー像を転写する前の像担持体に対して塗布される。
【0050】
しかしながら、ブレードを用いてキャリア液を塗布する場合、像担持体上に形成したトナー像がブレードによって乱されてしまう恐れがある。トナー像が乱されてしまった場合、高画質な画像を記録媒体上に形成することは困難となる。
【0051】
[実施の形態]
本発明に基づいた各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。特に制限が無い限り、各実施の形態に示す構成を適宜組み合わせて用いることは、当初から予定されていることである。
【0052】
[実施の形態1]
(画像形成装置102)
図9を参照して、本実施の形態における画像形成装置102について説明する。画像形成装置102は、搬送方向ARに沿って搬送される記録媒体P上に、画像を形成する。画像形成装置102は、4つの画像形成部60(60A〜60D)、5つの用紙搬送ローラー7(7A〜7E)、給紙装置17、定着装置18、および排紙装置19を備える。
【0053】
詳細は後述されるが、4つの画像形成部60(60A〜60D)の各々は、転写部U1(1次転写部)および転写部U2(2次転写部)をそれぞれ有する。5つの用紙搬送ローラー7(7A〜7E)の各々は、矢印A7方向に回転する。4つの画像形成部60(60A〜60D)および5つの用紙搬送ローラー7(7A〜7E)は、記録媒体Pの搬送方向ARに沿って交互に配置される。
【0054】
図9においては、1枚の記録媒体Pが給紙装置17から排紙装置19にまで到達するような長さを有するように図示されているが、記録媒体Pの長さは、この長さより長くてもよいし、この長さより短くてもよい。
【0055】
給紙装置17内には、複数の記録媒体Pが格納されている。記録媒体Pは、給紙装置17に設けられた給紙機構(図示せず)によって、給紙装置17から用紙搬送ローラー7(7A)に送り出される。記録媒体Pが用紙搬送ローラー7(7A〜7E)によって搬送されつつ、画像形成部60(60A〜60D)によって記録媒体Pの表面(記録面)に画像が形成される。
【0056】
図9においては、4つの画像形成部60(60A〜60D)が図示されているが、画像形成部60の数は、使用される現像液の数に応じて増減される。本実施の形態における画像形成部60(60A〜60D)は、Y(Yellow:黄色)、M(Magenta:赤紫)、C(Cyan:シアン)、および、K(blacK:黒)の各色に対応している。
【0057】
イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの配列順序は、適宜変更されることが可能である。画像形成部60(60A〜60D)としては、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラック以外の色が用いられてもよい。
【0058】
以下、画像形成部60(60A〜60D)の構成および機能について説明する。画像形成部60(60A〜60D)の構成および機能は互いに共通している。以下、図10を参照して、画像形成部60(60A〜60D)の各々について、画像形成部60として説明する。図10に示される画像形成部60は、使用する現像剤の色に関わらず、画像形成部60(60A〜60D)に共通する構成である。
【0059】
(画像形成部60)
図10に示すように、画像形成部60は、転写部材51、中間転写体53、感光体52、塗布機構10、塗布機構20、潜像書き込み部52K、および現像装置40を備える。
【0060】
転写部材51は、隣り合う用紙搬送ローラー7同士の間に配置される。1つの転写部材51に対して2つの用紙搬送ローラー7が対向する。転写部材51は、矢印A51方向に回転する。用紙搬送ローラー7は、矢印A7方向に回転する。記録媒体Pは、転写部材51と用紙搬送ローラー7との間を通過するように搬送方向ARに沿って搬送される。
【0061】
中間転写体53は、転写部材51に対向するように配置される。中間転写体53は、矢印A53方向に回転する。中間転写体53の表面と中間転写体53の表面に沿って移動する記録媒体Pの表面との間に、転写部U2(2次転写部)が形成される。
【0062】
感光体52は、中間転写体53に対向するように配置される。感光体52は、矢印A52方向に回転する。感光体52の表面と感光体52の表面の表面に沿って移動する中間転写体53の表面との間に、転写部U1(1次転写部)が形成される。
【0063】
潜像書き込み部52Kは、感光体52の表面に対向するように配置される。潜像書き込み部52Kは、感光体52の表面上に静電潜像(図示せず)を書き込む。潜像書き込み部52Kは、1次転写後における感光体52から静電潜像を消去したり、感光体52の表面を帯電および露光することによって再び静電潜像を書き込んだりすることもできる。
【0064】
感光体52は、潜像書き込み部52Kによって形成された上記の静電潜像を保持する。当該静電潜像は、感光体52が回転することによって、感光体52の表面の移動に合わせて矢印A52方向に移動する。詳細は後述されるが、当該静電潜像は、現像装置40によってトナー像T(T52)として現像される。感光体52は、トナー像T(T52)を担持することもできる。トナー像T(T52)も、感光体52が回転することによって、感光体52の表面の移動に合わせて矢印A52方向に移動する。
【0065】
(現像装置40)
現像装置40は、現像槽41、現像剤42、供給ローラー43、均しローラー44、および現像剤担持体45を含む。現像装置40は、現像剤42からトナー像T(T52)を形成する。
【0066】
具体的には、現像槽41に、現像剤42が貯留されている。現像剤42は、トナー粒子およびキャリア液を含む。トナー粒子は、所定の割合でキャリア液中に分散されている。供給ローラー43は、矢印A43方向に回転する。現像剤42は、この供給ローラー43によって汲み上げられる。
【0067】
均しローラー44は、矢印A44方向に回転する。供給ローラー43によって汲み上げられた現像剤42は、均しローラー44に送られる。供給ローラー43の表面に汲み上げられた余剰の現像剤42は、均しローラー44に送られる前に、規制ブレード43Tによって掻き取られる。均しローラー44においては、現像剤42の膜厚が均等になるように現像剤42が調整される。
【0068】
現像剤担持体45は、矢印A45方向に回転する。膜厚が調整された現像剤42は、現像剤担持体45に転移される。現像剤担持体45に転移された現像剤42中のトナー粒子は、現像チャージャー45Mによって荷電される。
【0069】
感光体52は、現像剤担持体45に対向するように配置される。上述のとおり、感光体52は、矢印A52方向に回転する。感光体52の表面には、潜像書き込み部52Kによって、静電潜像(図示せず)が形成されている。現像剤担持体45によって担持される現像剤42中のトナー粒子は、電圧印加装置45Vによって形成された電界により、現像剤担持体45の表面から感光体52の表面に静電移動する。
【0070】
感光体52の表面に潜像形成された静電潜像は、現像剤42によってトナー像T(T52)として現像される。トナー像T(T52)の形状は、感光体52の表面に潜像形成された静電潜像の形状に対応している。感光体52は、トナー像T(T52)を担持しつつ、トナー像T(T52)を矢印A52方向に移動させる。現像剤担持体45から感光体52に転移しなかった現像剤42は、クリーニングブレード45Tによって掻き取られた後、回収される。
【0071】
塗布機構10は、感光体52の表面に対向するように配置される。感光体52の表面に現像されたトナー像T(T52)には、塗布機構10によってプリウェット液12が供給される。塗布機構10の構成および機能の詳細については後述する。
【0072】
その後、トナー像T(T52)は、電圧印加装置53Vによって形成された電界により、転写部U1(1次転写部)において感光体52から中間転写体53に1次転写される。トナー像T(T52)は、中間転写体53によってトナー像T(T53)として担持される。1次転写されずに感光体52の表面上に残留したトナーおよび感光体52の表面上の汚れ等は、クリーニングブレード52Tによって感光体52の表面から掻き取られる。
【0073】
塗布機構20は、中間転写体53の表面に対向するように配置される。中間転写体53の表面に担持されたトナー像T(T53)には、塗布機構20によってプリウェット液22が供給される。塗布機構20の構成および機能の詳細については後述する。
【0074】
その後、トナー像T(T53)は、電圧印加装置51Vによって形成された電界により、転写部U2(2次転写部)において記録媒体Pに2次転写される。2次転写されずに中間転写体53の表面上に残留したトナーおよび中間転写体53の表面上の汚れ等は、クリーニングブレード53Tによって中間転写体53の表面から掻き取られる。
【0075】
記録媒体Pは、画像形成部60(60A〜60D)(図1参照)の各々における転写部U2においてそれぞれ2次転写された後、定着装置18(図1参照)に送られる。記録媒体Pに転写された各色のトナー像の中のトナー粒子は、定着装置18によって加熱および加圧される。記録媒体Pに転写された各色のトナー像は、この加熱および加圧によって、記録媒体Pの表面に定着される。その後、記録媒体Pは排紙装置19(図1参照)から排出される。以上のようにして、画像形成装置102におけるプリント動作が完了する。
【0076】
(塗布機構10の構成および機能の詳細)
次に、塗布機構10の構成および機能の詳細について説明する。上述のとおり、塗布機構10は、感光体52の表面に対向するように配置される。塗布機構10は、転写部U1よりもトナー像T(T52)の移動方向上流側において、感光体52に担持されるトナー像T(T52)に対してプリウェット液12を塗布する。
【0077】
具体的には、塗布機構10は、供給槽11、プリウェット液12、汲上ローラー13、塗布体14、および電位差形成装置14Vを含む。感光体52に塗布するためのプリウェット液12は、供給槽11の中に貯留される。
【0078】
プリウェット液12は、トナー粒子をその液体中に分散することができる液体である。プリウェット液12は、転写部U1中の転写電界が形成された部分においてトナー粒子がその液体中を転写電界に応じて移動することによって、トナー像T(T52)が感光体52から中間転写体53に転写されることを可能とする液体である。
【0079】
プリウェット液12としては、たとえば、現像剤42に含まれるキャリア液と同一の材質を有する液体を用いることができる。プリウェット液12は、必要に応じて供給装置(図示せず)から供給槽11に補充される。
【0080】
汲上ローラー13は、矢印A13方向に回転する。汲上ローラー13は、供給槽11からプリウェット液12を汲み上げる。汲上ローラー13としては、たとえばアニロックスローラーのように、表面に凹凸形状を有するローラーを用いることができる。
【0081】
塗布体14は、矢印A14方向に回転する。汲上ローラー13によって汲み上げられたプリウェット液12は、塗布体14の表面に供給される。塗布体14としては、その表面に適量のプリウェット液12を保持することができるようなローラーが用いられる。汲上ローラー13と塗布体14との間に形成されるニップ部分よりも下流の位置においては、汲上ローラー13の表面に当接するクリーニングブレード13Tが設けられてもよい。
【0082】
塗布体14は、汲上ローラー13および感光体52の双方に接触または略接触するように配置される。塗布体14は、塗布体14の表面に供給されたプリウェット液12が感光体52の表面に接触するように配置される。塗布体14は、汲上ローラー13から供給されたプリウェット液12を表面に均一に保持した後、感光体52に塗布する。プリウェット液12は、プリウェット液12と感光体52に保持されるトナー像T(T52)との相互の接触によって、感光体52に保持されるトナー像T(T52)に対して塗布されることとなる。
【0083】
塗布体14および感光体52は、感光体52上に担持されるトナー像T(T52)を乱すことのないように、塗布体14の表面と感光体52の表面とが互いに略同一の速度で移動するように駆動(従動)される。
【0084】
塗布体14の感光体52に対する配置方法としては、塗布体14の回転軸をバネなどにより押圧することによって塗布体14の表面を感光体52の表面に押し当てる方法が挙げられる。この方法の他にも、塗布体14の感光体52に対する配置方法としては、塗布体14の両端部に塗布体14の径よりも小さな径を有するリング状の押し込み量規制部材を設け、押し込み量規制部材を押し込んだ状態で塗布体14を固定する方法も挙げられる。
【0085】
これらの方法の他にも、塗布体14の感光体52に対する配置方法としては、塗布体14の両端部に塗布体14の径よりも大きな径を有するリング状の間隔規制部材を設け、塗布体14と感光体52との間に適切な隙間を保った状態で塗布体14を固定する方法も挙げられる。
【0086】
汲上ローラー13には、汲上ローラー13の回転速度を制御する制御機構が設けられてもよい。当該制御機構は、塗布体14の表面上のプリウェット液12の量が適切な値に調節されるように、汲上ローラー13の回転速度を調節する。塗布体14の表面上のプリウェット液12の量が適切な値となる範囲であれば、汲上ローラー13の回転方向は、矢印A13方向の反対方向であってもよい。
【0087】
塗布体14の表面上のプリウェット液12の量が適切な値とは、感光体52の表面に担持されるトナー像T(T52)に対して塗布されたプリウェット液12が、感光体52と中間転写体53との間のニップ部分の上流部において、転写電界による画像乱れを防ぐのに必要かつ十分な量の液だまりを形成することができるプリウェット液12の量である。
【0088】
電位差形成装置14Vは、塗布体14に接続される。電位差形成装置14Vは、塗布体14の表面と感光体52の表面との間に電位差を発生させる。この電位差の値としては、感光体52の表面上に担持されるトナー像T(T52)が塗布体14との接触(または略接触)によって乱されることがないように、トナー粒子が感光体52の表面に留まるような電界が形成されるように調節される。
【0089】
たとえば、現像装置40においてトナー粒子がプラスに帯電されたとする。感光体52が接地されている場合、塗布体14の表面はプラスの電位になるように調節される。電位の値は、トナー粒子の帯電量などに応じて適宜調節される。感光体52に保持されるトナー像T(T52)にプリウェット液12が塗布される際、感光体52に保持されるトナー像T(T52)は、電位差形成装置14Vが形成する電位差によって感光体52の表面に押し付けられることとなる。この電位差によって、トナー像T(T52)が塗布体14側に移動することは抑制されることとなる。
【0090】
(塗布機構10による作用・効果)
以上説明したように、感光体52から中間転写体53にトナー像T(T52)が転写される前に、感光体52の表面に担持されるトナー像T(T52)には、塗布機構10によってプリウェット液12が塗布される。感光体52の表面上に担持されるトナー像T(T52)としては、プリウェット液12(キャリア液)を多く保持している状態となる。
【0091】
トナー像T(T52)が転写部U1を通過する際に、多く保持されたプリウェット液12(キャリア液)は、ニップ部分に入りきらずに、ニップ部分の上流に溜まる。ニップ部分の上流側におけるニップ部分の近傍には、プリウェット液12(キャリア液)によって液溜まりが形成される(図8中の液溜まりDを参照)。
【0092】
トナー粒子がニップ部分の上流側において転写電界から影響を受ける領域を含むように液溜まりが形成されることによって、トナー粒子が局所的に集まって移動することは抑制される。トナー粒子は、感光体52の回転に伴って移動するべき所定の位置へと移動することが可能になる。その結果、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0093】
さらに、本実施の形態における画像形成装置100(図9参照)においては、電位差形成装置14Vによって塗布体14と感光体52との間に電位差が形成される。プリウェット液12は、プリウェット液12と感光体52に保持されるトナー像T(T52)との相互の接触によって、感光体52に保持されるトナー像T(T52)に対して塗布される。感光体52に保持されるトナー像T(T52)にプリウェット液12が塗布される際、感光体52に保持されるトナー像T(T52)は、電位差形成装置14Vが形成する上記の電位差によって、感光体52の表面に押し付けられている。
【0094】
上記の電位差によって、トナー像T(T52)が塗布体14側に移動することは抑制されるとともに、プリウェット液12と感光体52に保持されるトナー像T(T52)との相互の接触によって、塗布体14側から感光体52側にプリウェット液12が効果的に転移(移動)されることとなる。プリウェット液12の転移の際(プリウェット液12がトナー像T(T52)に塗布される際)、感光体52の表面上に担持されるトナー像T(T52)が塗布体14との接触によって乱されることもない。その結果、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0095】
(塗布機構20の構成および機能の詳細)
次に、塗布機構20の構成および機能の詳細について説明する。上述のとおり、塗布機構20は、中間転写体53の表面に対向するように配置される。塗布機構20は、転写部U2よりもトナー像T(T53)の移動方向上流側において、中間転写体53に担持されるトナー像T(T53)に対してプリウェット液22を塗布する。塗布機構20は、塗布機構10と同様に構成される。
【0096】
具体的には、塗布機構20は、供給槽21、プリウェット液22、汲上ローラー23、塗布体24、および電位差形成装置24Vを含む。中間転写体53に塗布するためのプリウェット液22は、供給槽21の中に貯留される。
【0097】
プリウェット液22は、トナー粒子をその液体中に分散することができる液体である。プリウェット液22は、転写部U2中の転写電界が形成された部分においてトナー粒子がその液体中を転写電界に応じて移動することによって、トナー像T(T53)が中間転写体53から記録媒体Pに転写されることを可能とする液体である。
【0098】
プリウェット液22としては、たとえば、現像剤42に含まれるキャリア液と同一の材質を有する液体を用いることができる。プリウェット液22は、必要に応じて供給装置(図示せず)から供給槽21に補充される。
【0099】
汲上ローラー23は、矢印A23方向に回転する。汲上ローラー23は、供給槽21からプリウェット液22を汲み上げる。汲上ローラー23としては、たとえばアニロックスローラーのように、表面に凹凸形状を有するローラーを用いることができる。
【0100】
塗布体24は、矢印A24方向に回転する。汲上ローラー23によって汲み上げられたプリウェット液22は、塗布体24の表面に供給される。塗布体24としては、その表面に適量のプリウェット液22を保持することができるようなローラーが用いられる。汲上ローラー23と塗布体24との間に形成されるニップ部分よりも下流の位置においては、汲上ローラー23の表面に当接するクリーニングブレード23Tが設けられてもよい。
【0101】
塗布体24は、汲上ローラー23および中間転写体53の双方に接触または略接触するように配置される。塗布体24は、塗布体24の表面に供給されたプリウェット液22が中間転写体53の表面に接触するように配置される。塗布体24は、汲上ローラー23から供給されたプリウェット液22を表面に均一に保持した後、中間転写体53に塗布する。プリウェット液22は、プリウェット液22と中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)との相互の接触によって、中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)に対して塗布されることとなる。
【0102】
塗布体24および中間転写体53は、中間転写体53上に担持されるトナー像T(T53)を乱すことのないように、塗布体24の表面と中間転写体53の表面とが互いに略同一の速度で移動するように駆動(従動)される。
【0103】
塗布体24の中間転写体53に対する配置方法としては、塗布体24の回転軸をバネなどにより押圧することによって塗布体24の表面を中間転写体53の表面に押し当てる方法が挙げられる。この方法の他にも、塗布体24の中間転写体53に対する配置方法としては、塗布体24の両端部に塗布体24の径よりも小さな径を有するリング状の押し込み量規制部材を設け、押し込み量規制部材を押し込んだ状態で塗布体24を固定する方法も挙げられる。
【0104】
これらの方法の他にも、塗布体24の中間転写体53に対する配置方法としては、塗布体24の両端部に塗布体24の径よりも大きな径を有するリング状の間隔規制部材を設け、塗布体24と中間転写体53との間に適切な隙間を保った状態で塗布体24を固定する方法も挙げられる。
【0105】
汲上ローラー23には、汲上ローラー23の回転速度を制御する制御機構が設けられてもよい。当該制御機構は、塗布体24の表面上のプリウェット液22の量が適切な値に調節されるように、汲上ローラー23の回転速度を調節する。塗布体24の表面上のプリウェット液22の量が適切な値となる範囲であれば、汲上ローラー23の回転方向は、矢印A23方向の反対方向であってもよい。
【0106】
塗布体24の表面上のプリウェット液22の量が適切な値とは、中間転写体53の表面に担持されるトナー像T(T53)に対して塗布されたプリウェット液22が、中間転写体53と記録媒体Pとの間のニップ部分の上流部において、転写電界による画像乱れを防ぐのに必要かつ十分な量の液だまりを形成することができるプリウェット液22の量である。この適切な量は、記録用紙などの記録媒体Pの種類に応じて記録媒体Pに吸収されるプリウェット液22の量が変わるため、記録媒体Pの種類によって異なる。したがって、記録媒体Pの種類に応じて、汲上ローラー23の回転速度が調節される。
【0107】
電位差形成装置24Vは、塗布体24に接続される。電位差形成装置24Vは、塗布体24の表面と中間転写体53の表面との間に電位差を発生させる。この電位差の値としては、中間転写体53の表面上に担持されるトナー像T(T53)が塗布体24との接触(または略接触)によって乱されることがないように、トナー粒子が中間転写体53の表面に留まるような電界が形成されるように調節される。
【0108】
たとえば、現像装置40においてトナー粒子がプラスに帯電され、中間転写体53の表面がマイナスの電位であるとする。この場合、塗布体24の表面は、中間転写体53の表面よりも高い電位になるように調節される。電位の値は、トナー粒子の帯電量などに応じて適宜調節される。中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)にプリウェット液22が塗布される際、中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)は、電位差形成装置24Vが形成する電位差によって中間転写体53の表面に押し付けられることとなる。この電位差によって、トナー像T(T53)が塗布体24側に移動することは抑制されることとなる。
【0109】
(塗布機構20による作用・効果)
以上説明したように、中間転写体53から記録媒体Pにトナー像T(T53)が転写される前に、中間転写体53の表面に担持されるトナー像T(T53)には、塗布機構20によってプリウェット液22が塗布される。中間転写体53の表面上に担持されるトナー像T(T53)としては、プリウェット液22(キャリア液)を多く保持している状態となる。
【0110】
トナー像T(T53)が転写部U2を通過する際に、多く保持されたプリウェット液22(キャリア液)は、ニップ部分に入りきらずに、ニップ部分の上流に溜まる。ニップ部分の上流側におけるニップ部分の近傍には、プリウェット液22(キャリア液)によって液溜まりが形成される(図5中の液溜まりDを参照)。
【0111】
トナー粒子がニップ部分の上流側において転写電界から影響を受ける領域を含むように液溜まりが形成されることによって、トナー粒子が局所的に集まって移動することは抑制される。トナー粒子は、中間転写体53の回転に伴って移動するべき所定の位置へと移動することが可能になる。その結果、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0112】
さらに、本実施の形態における画像形成装置100(図9参照)においては、電位差形成装置24Vによって塗布体24と中間転写体53との間に電位差が形成される。プリウェット液22は、プリウェット液22と中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)との相互の接触によって、中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)に対して塗布されることとなる。中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)にプリウェット液22が塗布される際、中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)は、電位差形成装置24Vが形成する上記の電位差によって、中間転写体53の表面に押し付けられている。
【0113】
上記の電位差によって、トナー像T(T53)が塗布体24側に移動することは抑制されるとともに、プリウェット液22と中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)との相互の接触によって、塗布体24側から中間転写体53側にプリウェット液22が効果的に転移(移動)される。プリウェット液22の転移の際(プリウェット液22がトナー像T(T53)に塗布される際)、中間転写体53の表面上に担持されるトナー像T(T53)が塗布体24との接触によって乱されることもない。その結果、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0114】
(画像形成装置102の作用・効果)
以上説明したように、画像形成装置102においては塗布機構10および塗布機構20が用いられる。感光体52の表面に現像されたトナー像T(T52)には、塗布機構10によってプリウェット液12が供給される。中間転写体53の表面に担持されたトナー像T(T53)には、塗布機構20によってプリウェット液22が供給される。
【0115】
当該構成によって、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0116】
本実施の形態における画像形成装置100は、塗布機構10および塗布機構20の双方を備える。したがって、本実施の形態においては、感光体52が像担持体に相当する。中間転写体53が、被転写部材に相当する。転写部U1が第1転写部に相当する。転写部U2が第2転写部に相当する。塗布機構10が第1塗布機構に相当する。塗布機構20が第2塗布機構に相当する。
【0117】
プリウェット液12が第1プリウェット液に相当する。プリウェット液22が第2プリウェット液に相当する。塗布体14が第1塗布体に相当する。塗布体24が第2塗布体に相当する。電位差形成装置14Vが第1電位差形成装置に相当する。電位差形成装置24Vが第2電位差形成装置に相当する。
【0118】
電位差形成装置14V(第1電位差形成装置)によって感光体52(像担持体)の表面と塗布体14(第1塗布体)との表面との間に形成される電位差は、第1電位差に相当する。電位差形成装置24V(第2電位差形成装置)によって中間転写体53(被転写部材)の表面と塗布体24(第2塗布体)との表面との間に形成される電位差は、第2電位差に相当する。
【0119】
[実施の形態2]
図11を参照して、本実施の形態における画像形成装置について説明する。当該画像形成装置は、画像形成部61を備える。画像形成部61の数は、当該画像形成装置において使用される現像液の数に応じて増減される。
【0120】
画像形成部61は、転写部材51、感光体52、塗布機構10、潜像書き込み部52K、および現像装置40を備える。画像形成部61は、上述の実施の形態1における画像形成部60(図10参照)とは異なり、中間転写体53および塗布機構20を備えていない。
【0121】
感光体52は、転写部材51に対向するように配置される。感光体52の表面と感光体52の表面に沿って移動する記録媒体Pの表面との間に、転写部U1が形成される。
【0122】
現像装置40によって感光体52の表面に潜像形成された静電潜像は、現像剤42によってトナー像T(T52)として現像される。感光体52の表面に現像されたトナー像T(T52)には、上述の実施の形態1の場合と同様に、塗布機構10によってプリウェット液12が供給される。
【0123】
その後、トナー像T(T52)は、電位差形成装置52Vによって転写部材51と感光体52との間に形成された転写電界により、転写部U1において感光体52から記録媒体Pに転写される。以上のようにして、プリント動作が完了する。
【0124】
(作用・効果)
上述の実施の形態1の場合と同様に、感光体52から記録媒体Pにトナー像T(T52)が転写される前に、感光体52の表面に担持されるトナー像T(T52)には、塗布機構10によってプリウェット液12が塗布される。感光体52の表面上に担持されるトナー像T(T52)としては、プリウェット液12(キャリア液)を多く保持している状態となる。
【0125】
トナー像T(T52)が転写部U1を通過する際に、多く保持されたプリウェット液12(キャリア液)は、ニップ部分に入りきらずに、ニップ部分の上流に溜まる。ニップ部分の上流側におけるニップ部分の近傍には、プリウェット液12(キャリア液)によって液溜まりが形成される(図5中の液溜まりDを参照)。
【0126】
トナー粒子がニップ部分の上流側において転写電界から影響を受ける領域を含むように液溜まりが形成されることによって、トナー粒子が局所的に集まって移動することは抑制される。トナー粒子は、感光体52の回転に伴って移動するべき所定の位置へと移動することが可能になる。その結果、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0127】
さらに、本実施の形態における画像形成装置においては、電位差形成装置14Vによって塗布体14と感光体52との間に電位差が形成される。この電位差によって、トナー像T(T52)が塗布体14側に移動することは抑制されるとともに、プリウェット液12と感光体52に保持されるトナー像T(T52)との相互の接触によって、塗布体14側から感光体52側にプリウェット液12が効果的に転移(移動)されることとなる。プリウェット液12の転移の際(プリウェット液12がトナー像T(T52)に塗布される際)、感光体52の表面上に担持されるトナー像T(T52)が塗布体14との接触によって乱されることもない。
【0128】
したがって、本実施の形態における画像形成装置によれば、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0129】
本実施の形態における画像形成装置は、塗布機構10を備えているが、上述の実施の形態1における塗布機構20を備えてない。したがって、本実施の形態においては、感光体52が像担持体に相当する。記録媒体Pが、被転写部材に相当する。転写部U1が第1転写部に相当する。塗布機構10が第1塗布機構に相当する。
【0130】
プリウェット液12が第1プリウェット液に相当する。塗布体14が第1塗布体に相当する。電位差形成装置14Vが第1電位差形成装置に相当する。電位差形成装置14V(第1電位差形成装置)によって感光体52(像担持体)の表面と塗布体14(第1塗布体)との表面との間に形成される電位差は、第1電位差に相当する。
【0131】
[実施の形態3]
図12を参照して、本実施の形態における画像形成装置について説明する。当該画像形成装置は、画像形成部62を備える。画像形成部62の数は、当該画像形成装置において使用される現像液の数に応じて増減される。
【0132】
画像形成部62においては、上述の実施の形態1における画像形成部60(図10参照)とは異なり、塗布機構20のみが用いられ、塗布機構10は用いられない。
【0133】
(作用・効果)
中間転写体53から記録媒体Pにトナー像T(T53)が転写される前に、中間転写体53の表面に担持されるトナー像T(T53)には、塗布機構20によってプリウェット液22が塗布される。中間転写体53の表面上に担持されるトナー像T(T53)としては、プリウェット液22(キャリア液)を多く保持している状態となる。
【0134】
トナー像T(T53)が転写部U2を通過する際に、多く保持されたプリウェット液22(キャリア液)は、ニップ部分に入りきらずに、ニップ部分の上流に溜まる。ニップ部分の上流側におけるニップ部分の近傍には、プリウェット液22(キャリア液)によって液溜まりが形成される(図5中の液溜まりDを参照)。
【0135】
トナー粒子がニップ部分の上流側において転写電界から影響を受ける領域を含むように液溜まりが形成されることによって、トナー粒子が局所的に集まって移動することは抑制される。トナー粒子は、中間転写体53の回転に伴って移動するべき所定の位置へと移動することが可能になる。その結果、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0136】
さらに、本実施の形態における画像形成装置においては、電位差形成装置24Vによって塗布体24と中間転写体53との間に電位差が形成される。この電位差によって、トナー像T(T53)が塗布体24側に移動することは抑制されるとともに、プリウェット液22と中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)との相互の接触によって、塗布体24側から中間転写体53側にプリウェット液22が効果的に転移(移動)されることとなる。プリウェット液22の転移の際(プリウェット液22がトナー像T(T53)に塗布される際)、中間転写体53の表面上に担持されるトナー像T(T53)が塗布体24との接触によって乱されることもない。
【0137】
したがって、本実施の形態における画像形成装置によれば、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0138】
本実施の形態における画像形成装置は、塗布機構20を備えているが、上述の実施の形態1における塗布機構10を備えてない。したがって、本実施の形態においては、中間転写体53が像担持体に相当する。記録媒体Pが、被転写部材に相当する。転写部U2が第1転写部に相当する。塗布機構20が第1塗布機構に相当する。
【0139】
プリウェット液22が第1プリウェット液に相当する。塗布体24が第1塗布体に相当する。電位差形成装置24Vが第1電位差形成装置に相当する。電位差形成装置24V(第1電位差形成装置)によって中間転写体53(像担持体)の表面と塗布体24(第1塗布体)との表面との間に形成される電位差は、第1電位差に相当する。
【0140】
[実施の形態4]
図13を参照して、本実施の形態における画像形成装置について説明する。当該画像形成装置は、画像形成部63を備える。画像形成部63の数は、当該画像形成装置において使用される現像液の数に応じて増減される。
【0141】
画像形成部63においては、上述の実施の形態1における画像形成部60(図10参照)とは異なり、塗布機構10のみが用いられ、塗布機構20は用いられない。
【0142】
(作用・効果)
感光体52から中間転写体53にトナー像T(T52)が転写される前に、感光体52の表面に担持されるトナー像T(T52)には、塗布機構10によってプリウェット液12が塗布される。感光体52の表面上に担持されるトナー像T(T52)としては、プリウェット液12(キャリア液)を多く保持している状態となる。
【0143】
トナー像T(T52)が転写部U1を通過する際に、多く保持されたプリウェット液12(キャリア液)は、ニップ部分に入りきらずに、ニップ部分の上流に溜まる。ニップ部分の上流側におけるニップ部分の近傍には、プリウェット液12(キャリア液)によって液溜まりが形成される(図8中の液溜まりDを参照)。
【0144】
トナー粒子がニップ部分の上流側において転写電界から影響を受ける領域を含むように液溜まりが形成されることによって、トナー粒子が局所的に集まって移動することは抑制される。トナー粒子は、感光体52の回転に伴って移動するべき所定の位置へと移動することが可能になる。その結果、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0145】
さらに、本実施の形態における画像形成装置においては、電位差形成装置14Vによって塗布体14と感光体52との間に電位差が形成される。この電位差によって、トナー像T(T52)が塗布体14側に移動することは抑制されるとともに、プリウェット液12と感光体52に保持されるトナー像T(T52)との相互の接触によって、プリウェット液12の転移の際(プリウェット液12がトナー像T(T52)に塗布される際)、感光体52の表面上に担持されるトナー像T(T52)が塗布体14との接触によって乱されることもない。
【0146】
したがって、本実施の形態における画像形成装置によれば、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0147】
本実施の形態における画像形成装置は、塗布機構10を備えているが、上述の実施の形態1における塗布機構20を備えてない。したがって、本実施の形態においては、感光体52が像担持体に相当する。中間転写体53が、被転写部材に相当する。転写部U1が第1転写部に相当する。塗布機構10が第1塗布機構に相当する。
【0148】
プリウェット液12が第1プリウェット液に相当する。塗布体14が第1塗布体に相当する。電位差形成装置14Vが第1電位差形成装置に相当する。電位差形成装置14V(第1電位差形成装置)によって感光体52(像担持体)の表面と塗布体14(第1塗布体)との表面との間に形成される電位差は、第1電位差に相当する。
【0149】
[実施の形態5]
図14を参照して、本実施の形態における画像形成装置について説明する。当該画像形成装置は、画像形成部64を備える。画像形成部64の数は、当該画像形成装置において使用される現像液の数に応じて増減される。
【0150】
画像形成部64においては、上述の実施の形態3における画像形成部62(図12参照)の構成に加えて、塗布機構30が用いられる。
【0151】
(塗布機構30)
塗布機構30は、中間転写体53の表面に対向するように配置される。塗布機構30は、転写部U1よりも中間転写体53の表面の移動方向(矢印A53方向)上流側において、中間転写体53の表面に対してプリウェット液32を塗布する。
【0152】
具体的には、塗布機構30は、供給槽31、プリウェット液32、汲上ローラー33、および塗布体34を含む。中間転写体53に塗布するためのプリウェット液32は、供給槽31の中に貯留される。
【0153】
プリウェット液32は、トナー粒子をその液体中に分散することができる液体である。プリウェット液32は、転写部U1中の転写電界が形成された部分においてトナー粒子がその液体中を転写電界に応じて移動することによって、トナー像T(T52)が感光体52から中間転写体53に転写されることを可能とする液体である。
【0154】
プリウェット液32としては、たとえば、現像剤42に含まれるキャリア液と同一の材質を有する液体を用いることができる。プリウェット液32は、必要に応じて供給装置(図示せず)から供給槽31に補充される。
【0155】
汲上ローラー33は、矢印A33方向に回転する。汲上ローラー33は、供給槽31からプリウェット液32を汲み上げる。汲上ローラー33としては、たとえばアニロックスローラーのように、表面に凹凸形状を有するローラーを用いることができる。
【0156】
塗布体34は、矢印A34方向に回転する。汲上ローラー33によって汲み上げられたプリウェット液32は、塗布体34の表面に供給される。塗布体34としては、その表面に適量のプリウェット液32を保持することができるようなローラーが用いられる。汲上ローラー33と塗布体34との間に形成されるニップ部分よりも上流の位置においては、汲上ローラー33の表面に当接するクリーニングブレード33Tが設けられてもよい。
【0157】
塗布体34は、汲上ローラー33および中間転写体53の双方に接触または略接触するように配置される。塗布体34は、塗布体34の表面に供給されたプリウェット液32が中間転写体53の表面に接触するように配置される。塗布体34は、汲上ローラー33から供給されたプリウェット液32を表面に均一に保持した後、中間転写体53の表面に塗布する。
【0158】
塗布体34および中間転写体53は、塗布体34の表面と中間転写体53の表面とが互いに略同一の速度で移動するように駆動(従動)されるとよい。
【0159】
塗布体34の中間転写体53に対する配置方法としては、塗布体34の回転軸をバネなどにより押圧することによって塗布体34の表面を中間転写体53の表面に押し当てる方法が挙げられる。この方法の他にも、塗布体34の中間転写体53に対する配置方法としては、塗布体34の両端部に塗布体34の径よりも小さな径を有するリング状の押し込み量規制部材を設け、押し込み量規制部材を押し込んだ状態で塗布体34を固定する方法も挙げられる。
【0160】
これらの方法の他にも、塗布体34の中間転写体53に対する配置方法としては、塗布体34の両端部に塗布体34の径よりも大きな径を有するリング状の間隔規制部材を設け、塗布体34と中間転写体53との間に適切な隙間を保った状態で塗布体34を固定する方法も挙げられる。
【0161】
汲上ローラー33には、汲上ローラー33の回転速度を制御する制御機構が設けられてもよい。当該制御機構は、塗布体34の表面上のプリウェット液32の量が適切な値に調節されるように、汲上ローラー33の回転速度を調節する。塗布体34の表面上のプリウェット液32の量が適切な値となる範囲であれば、汲上ローラー33の回転方向は、矢印A33方向の反対方向であってもよい。
【0162】
塗布体34の表面上のプリウェット液32の量が適切な値とは、塗布体34の表面上のプリウェット液32が、感光体52と中間転写体53との間のニップ部分の上流部において、転写電界による画像乱れを防ぐのに必要かつ十分な量の液だまりを形成することができるプリウェット液32の量である。
【0163】
(塗布機構30による作用・効果)
以上説明したように、転写部U1よりも中間転写体53の表面の移動方向(矢印A53方向)上流側において、中間転写体53の表面には、塗布機構30によってプリウェット液32が塗布される。プリウェット液32が供給される中間転写体53の表面においては、画像形成に供されるトナー像が形成されていない。塗布機構30においては、塗布体34と中間転写体53との間に電位差を形成する必要はなく、プリウェット液32は中間転写体53に対してそのまま塗布されることが可能である。
【0164】
転写部U1の上流部にプリウェット液32(キャリア液)が供給される。感光体52の表面上に担持されるトナー像T(T52)が転写部U1に進入する際、感光体52の表面上に担持されるトナー像T(T52)にはこのプリウェット液32が供給される。トナー像T(T52)は、プリウェット液32(キャリア液)を多く保持している状態となる。
【0165】
トナー像T(T52)が転写部U1を通過する際に、多く保持されたプリウェット液32は、ニップ部分に入りきらずに、ニップ部分の上流に溜まる。ニップ部分の上流側におけるニップ部分の近傍には、プリウェット液32によって、良好な液溜まりが形成される(図8中の液溜まりDを参照)。
【0166】
トナー粒子がニップ部分の上流側において転写電界から影響を受ける領域を含むように液溜まりが形成されることによって、トナー粒子が局所的に集まって移動することは抑制される。トナー粒子は、感光体52の回転に伴って移動するべき所定の位置へと移動することが可能になる。
【0167】
したがって、本実施の形態における画像形成装置によれば、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0168】
本実施の形態における画像形成装置は、塗布機構20を備えているが、上述の実施の形態1における塗布機構10を備えてない。したがって、本実施の形態においては、中間転写体53が像担持体に相当する。記録媒体Pが、被転写部材に相当する。転写部U2が第1転写部に相当する。転写部U1が第2転写部に相当する。塗布機構20が第1塗布機構に相当する。
【0169】
プリウェット液22が第1プリウェット液に相当する。塗布体24が第1塗布体に相当する。電位差形成装置24Vが第1電位差形成装置に相当する。電位差形成装置24V(第1電位差形成装置)によって中間転写体53(像担持体)の表面と塗布体24(第1塗布体)との表面との間に形成される電位差は、第1電位差に相当する。プリウェット液32が第3プリウェット液に相当する。塗布機構30が第3塗布機構に相当する。
【0170】
[実施の形態6]
図15を参照して、本実施の形態における画像形成装置について説明する。当該画像形成装置は、画像形成部65を備える。図15は、画像形成部65を部分的に示している。画像形成部65の数は、当該画像形成装置において使用される現像液の数に応じて増減される。
【0171】
画像形成部65においては、上述の各実施の形態における塗布機構20(図10等参照)の代わりに、塗布機構20Aが用いられる。塗布機構20Aにおいては、塗布体24の表面と中間転写体53の表面との間に容易に電位差を形成することができるように、適切な抵抗を有する表層24Sが、塗布体24(心金)の表面に設けられる。
【0172】
表層24Sを構成する部材としては、ウレタンゴム若しくはNBR(Nitrile Butadiene Rubber)などのゴム、または、発泡ウレタン、発泡メラミン、若しくは発泡ポリエチレンなどのスポンジといったものが用いられるとよい。
【0173】
塗布機構20(図10等参照)の代わりにこのような塗布機構20Aが用いられる場合であっても、上述の各実施の形態における作用および効果と同様に、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。塗布機構20Aにおいて表層24Sを設けるという構成は、塗布機構10(図10等参照)に採用されてもよい。
【0174】
[実施の形態7]
図16を参照して、本実施の形態における画像形成装置について説明する。当該画像形成装置は、画像形成部66を備える。図16は、画像形成部66を部分的に示している。画像形成部66の数は、当該画像形成装置において使用される現像液の数に応じて増減される。
【0175】
画像形成部66においては、上述の実施の形態6における塗布機構20A(図15参照)の構成に加えて、トナー粒子帯電手段25Mが用いられる。
【0176】
トナー粒子帯電手段25Mは、塗布機構20Aよりも中間転写体53の表面の移動方向(矢印A53方向)の上流側において、中間転写体53に対向するように配置される。トナー粒子帯電手段25Mは、たとえばコロナチャージャーである。トナー粒子帯電手段25Mによって、トナー像T(T53)中のトナー粒子の帯電が強められる。
【0177】
現像装置40によるトナー粒子に対する帯電が弱い場合がある。また、トナー粒子に対する帯電が弱まる場合もある。これらの場合には、電位差形成装置24Vによって塗布機構20Aと中間転写体53との間に形成される電位差だけでは、プリウェット液22の塗布時においてトナー像T(T53)が乱される恐れがある。
【0178】
本実施の形態の画像形成部66においては、トナー粒子帯電手段25Mによって、トナー像T(T53)中のトナー粒子の帯電が強められる。プリウェット液22の塗布時においてトナー像T(T53)が乱されることは抑制されることが可能となる。
【0179】
トナー像T(T53)中のトナー粒子の帯電が過度に強められると、その後の転写に意図しない影響が出る場合がある。これを抑制するために、トナー粒子帯電手段25Nがさらに用いられてもよい。
【0180】
トナー粒子帯電手段25Nは、塗布機構20Aよりも中間転写体53の表面の移動方向(矢印A53方向)の下流側において、中間転写体53に対向するように配置される。トナー粒子帯電手段25Nは、たとえばコロナチャージャーである。トナー粒子帯電手段25Nによって、トナー像T(T53)中のトナー粒子の帯電が弱められる。トナー像T(T53)中のトナー粒子の帯電が過度に強められた場合であっても、トナー粒子帯電手段25Nによって、その後の転写に意図しない影響が発生することは抑制されることが可能となる。
【0181】
塗布機構20Aにおいてトナー粒子帯電手段25Mを設けるという構成は、塗布機構10(図10等参照)および塗布機構20(図10等参照)にも採用されることができる。塗布機構20Aにおいてトナー粒子帯電手段25Nをさらに設けるという構成も、塗布機構10(図10等参照)および塗布機構20(図10等参照)に採用されることができる。
【0182】
[実施の形態8]
図17を参照して、本実施の形態における画像形成装置について説明する。当該画像形成装置は、画像形成部67を備える。図17は、画像形成部67を部分的に示している。画像形成部67の数は、当該画像形成装置において使用される現像液の数に応じて増減される。
【0183】
画像形成部67においては、上述の各実施の形態における塗布機構20(図10等参照)の代わりに、塗布機構20Bが用いられる。塗布機構20Bにおいては、塗布ベルト70(塗布体)が用いられる。
【0184】
塗布ベルト70は、無端ベルト状に構成される。塗布ベルト70は、表面に適量のプリウェット液22を保持することができるとともに、中間転写体53の表面との間に電位差を形成することができるように適切な抵抗を有する部材から構成される。
【0185】
塗布ベルト70は、矢印A27方向に回転する電圧印加ローラー27と矢印A26方向に回転する張架ローラー26とによって張架される。塗布ベルト70は、電圧印加ローラー27および張架ローラー26によって回転駆動される。
【0186】
塗布ベルト70の一部によって、供給槽21からプリウェット液22が汲み上げられる。塗布ベルト70は、中間転写体53に接触または略接触するように配置される。塗布ベルト70は、塗布ベルト70の表面に供給されたプリウェット液22が中間転写体53の表面に接触するように配置される。塗布ベルト70は、プリウェット液22を表面に均一に保持した後、中間転写体53に塗布する。プリウェット液22は、プリウェット液22と中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)との相互の接触によって、中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)に対して塗布されることとなる。
【0187】
塗布ベルト70および中間転写体53は、中間転写体53上に担持されるトナー像T(T53)を乱すことのないように、塗布ベルト70の表面と中間転写体53の表面とが互いに略同一の速度で移動するように駆動される。
【0188】
電圧印加ローラー27には、電位差発生装置27Vが設けられる。電位差発生装置27Vによって塗布ベルト70と中間転写体53との間に電位差が形成される。中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)にプリウェット液22が塗布される際、中間転写体53に保持されるトナー像T(T53)は、電位差発生装置27Vが形成する電位差によって中間転写体53の表面に押し付けられることとなる。この電位差によって、トナー像T(T53)が塗布ベルト70側に移動することは抑制されることとなる。
【0189】
また、塗布ベルト70には、矢印A28方向に回転する液量調節ローラー28および矢印A29方向に回転する液量調節ローラー29が設けられてもよい。液量調節ローラー28,29によって、プリウェット液22の量が適切な値になるように調節される。液量調節ローラー28のニップ部分よりも液量調節ローラー28の回転方向下流側には、クリーニングブレード28Tが設けられるとよい。
【0190】
当該構成によっても、画像乱れの発生を抑制することができ、図3に示すようなより高画質な画像が形成された記録媒体P(トナー像が均一に転写された記録媒体P)を得ることが可能となる。
【0191】
塗布機構20(図10等参照)の代わりに塗布機構20Bを設けるという構成は、塗布機構10(図10等参照)および塗布機構20A(図16等参照)にも採用されることができる。
【0192】
以上、本発明に基づいた各実施の形態について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0193】
1 転写部材、2 像担持体、3 中間転写体、7 用紙搬送ローラー、10,20,20A,20B,30 塗布機構、11,21,31 供給槽、12,22,32 プリウェット液、13,23,33 汲上ローラー、13T,23T,28T,33T,45T,52T,53T クリーニングブレード、14,24,34 塗布体、14V,24V,52V 電位差形成装置、17 給紙装置、18 定着装置、19 排紙装置、24S 表層、25M,25N トナー粒子帯電手段、26 張架ローラー、27 電圧印加ローラー、27V 電位差発生装置、28,29 液量調節ローラー、40 現像装置、41 現像槽、42 現像剤、43 供給ローラー、43T 規制ブレード、44 均しローラー、45 現像剤担持体、45M 現像チャージャー、45V,51V,53V 電圧印加装置、52 感光体、52K 潜像書き込み部、60,61,62,63,64,65,66,67 画像形成部、70 塗布ベルト、100,101,102 画像形成装置、AR 搬送方向、C キャリア液、E,R 領域、H1,H2,H3,H4 量、N ニップ部分、P 記録媒体、Q,S,U1,U2 転写部、T,T52,T53 トナー像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー粒子がキャリア液中に分散された現像液を用いて記録媒体に対して画像を形成する画像形成装置であって、
前記現像液からトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を保持しつつ前記トナー像を移動させる像担持体と、
前記像担持体の表面と前記像担持体の表面に沿って移動する被転写部材の表面との間に形成され、前記像担持体に保持される前記トナー像が前記被転写部材に転写される第1転写部と、
前記像担持体の表面に対向するように配置され、前記第1転写部よりも前記トナー像の移動方向上流側において前記像担持体に保持される前記トナー像に対して第1プリウェット液を塗布する第1塗布機構と、を備え、
前記第1塗布機構は、
表面に前記第1プリウェット液が供給される第1塗布体と、
前記像担持体の表面と前記第1塗布体の表面との間に第1電位差を形成する第1電位差形成装置と、を含み、
前記第1塗布体は、前記第1塗布体の表面に供給された前記第1プリウェット液が前記像担持体の表面に接触するように配置され、
前記像担持体および前記第1塗布体は、前記像担持体の表面と前記第1塗布体の表面とが互いに略同一の速度で移動するように駆動され、
前記第1プリウェット液は、前記第1プリウェット液と前記像担持体に保持される前記トナー像との相互の接触によって、前記像担持体に保持される前記トナー像に対して塗布され、
前記像担持体に保持される前記トナー像に前記第1プリウェット液が塗布される際、前記像担持体に保持される前記トナー像は、前記第1電位差によって前記像担持体の表面に押し付けられている、
画像形成装置。
【請求項2】
前記第1塗布機構は、前記第1プリウェット液の量を調節した上で、前記第1転写部よりも前記トナー像の移動方向上流側において前記像担持体に保持される前記トナー像に対して前記第1プリウェット液を塗布する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1塗布機構は、前記記録媒体の種類に応じて前記第1プリウェット液の量を調節する、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1プリウェット液は、前記キャリア液と同一の材質である、
請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体は、前記現像装置に対向するように配置された感光体である、
請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記被転写部材は、前記感光体に対向するように配置された中間転写体であり、
前記中間転写体の表面と前記中間転写体の表面に沿って移動する前記記録媒体の表面との間に形成され、前記中間転写体に保持される前記トナー像が前記記録媒体に転写される第2転写部と、
前記中間転写体の表面に対向するように配置され、前記第2転写部よりも前記トナー像の移動方向上流側において前記中間転写体に保持される前記トナー像に対して第2プリウェット液を塗布する第2塗布機構と、をさらに備え、
前記第2塗布機構は、
表面に前記第2プリウェット液が供給される第2塗布体と、
前記中間転写体の表面と前記第2塗布体の表面との間に第2電位差を形成する第2電位差形成装置と、を含み、
前記第2塗布体は、前記第2塗布体の表面に供給された前記第2プリウェット液が前記中間転写体の表面に接触するように配置され、
前記中間転写体および前記第2塗布体は、前記中間転写体の表面と前記第2塗布体の表面とが互いに略同一の速度で移動するように駆動され、
前記第2プリウェット液は、前記第2プリウェット液と前記中間転写体に保持される前記トナー像との相互の接触によって、前記中間転写体に保持される前記トナー像に対して塗布され、
前記中間転写体に保持される前記トナー像に前記第2プリウェット液が塗布される際、前記中間転写体に保持される前記トナー像は、前記第2電位差によって前記中間転写体の表面に押し付けられている、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記像担持体は、中間転写体であり、
前記現像装置および前記中間転写体の双方に対向するように配置された感光体と、
前記感光体の表面と前記中間転写体の表面との間に形成され、前記感光体に保持される前記トナー像が前記中間転写体に転写される第2転写部と、
前記中間転写体の表面に対向するように配置され、前記第2転写部よりも前記中間転写体の表面の移動方向上流側において前記中間転写体の表面に対して第3プリウェット液を塗布する第3塗布機構と、をさらに備える、
請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−33095(P2013−33095A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168401(P2011−168401)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】